JP2008164110A - 流体軸受装置用軸部材、およびその製造方法 - Google Patents

流体軸受装置用軸部材、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】必要な面精度および形状精度を高精度に確保したフランジ部を有する流体軸受装置用の軸部材を低コストに形成する。
【解決手段】軸部21とフランジ部22との間に接合部材23を介在させ、この接合部材23と軸部21およびフランジ部22をそれぞれ溶接固定する。この際、軸部21のラジアル軸受面21aを拘束する保持孔31aと、フランジ部22の上端面22aを拘束する下端面31bとの間の直角度を精度良く仕上げた第1の治具31を用いて溶接固定を行う。また、接合部材23として、双方の端面23a、23bに複数の突起23a1、23b1を設けたものを用い、これら複数の突起23a1、23b1を軸部21やフランジ部22と当接させた状態で加圧通電を行うことで軸部21およびフランジ部22を接合部材23にそれぞれ溶接固定した。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体軸受装置用軸部材、およびその製造方法に関する。
流体軸受装置は、軸受隙間に形成される流体の膜で軸部材を相対回転自在に支持するものである。この種の軸受装置は、特に高速回転時における回転精度、静粛性等に優れており、情報機器をはじめ種々の電気機器に搭載されるモータ用の軸受装置として好適に使用される。具体的には、HDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等におけるスピンドルモータ用の軸受装置として、あるいはレーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイールモータ、ファンモータなどのモータ用軸受装置として好適に使用される。
通常、流体軸受装置においては、軸部材の軸部が軸受スリーブ等の内周に挿入され、軸部の外周面と軸受スリーブの内周面との間にラジアル軸受部を構成する。また、軸部の一端にフランジ部を設け、このフランジ部の端面とこれに対向する面(例えば軸受スリーブの端面)との間にスラスト軸受部を構成するものがある(例えば、特許文献1を参照)。
このように、軸部の外周面は、ラジアル軸受部を構成し、また、フランジ部の端面はスラスト軸受部を構成することから、これらの面は高精度に仕上げておく必要がある。同時に、ラジアル軸受部とスラスト軸受部とを共に構成する場合、個々の面精度だけでなく、これらの間の形状精度、すなわち軸部の外周面とフランジ部の端面との間の直角度が重要となる。
互いに別体の軸部とフランジ部とを高精度に一体化する方法として、例えば、特開2004−340368号公報(特許文献2)には、シャフトと円板体との互いに接合する接合面の一方に円形状の凹部を設け、かつ該凹部内に前記一方の接合面よりも軸線方向に突出する円周状の突起が設けたものを溶接する手段が開示されている。具体的には、前記シャフトと前記円板体とをそれぞれの接合面を合わせるように接触した状態で両者間に所定電圧を印加して前記突起を溶融することで、前記シャフトの端面と前記円板体の平面とが前記凹部よりも外径側の部分で当接し、前記シャフトと前記円板体とが溶接により一体化された動圧軸受装置用の軸部材を形成する手段が開示されている。
この方法により製造された軸部材であれば、突起部の溶融物が凹部に収容され、溶接部の外側におけるシャフトと円板体との当接面間には当該溶融物が入り込むことがない。そのため、シャフトに対する円板体の直角度を高精度に確保することができる。
特開2003−239951号公報 特開2004−340368号公報
特許文献2に開示の手段により軸部とフランジ部とを固定するには、予め軸部あるいはフランジ部の接合面に微細かつ複雑な形状の突起を設けておく必要がある。上述の通り、軸部の外周面やフランジ部の端面は、それぞれ高い面精度が求められると共に、固定後の直角度にも高い精度が求められる。また、軸受面には耐摩耗性等が要求されることから、軸受面を有する軸部やフランジ部には、表面硬度が高く、加工が困難な材料が一般的に使用される。この際、軸部の端面やこれと当接固定されるフランジ部の端面に、突起等の複雑かつ微細な形状を加工するとなると、加工手段が限定され、加工自体が非常に困難となる。また、加工する面によって必要な精度が異なることから、加工形態が複雑かつ多工程となり加工コストの高騰を招く。
以上の事情に鑑み、本発明では、軸受面の精度、および軸受面間の形状精度に優れ、かつ高い接合強度を有する流体軸受装置用の軸部材を容易かつ低コストに形成することを技術的課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、軸部と、軸部の一端に固定されるフランジ部とを備えるもので、軸部の外周面と、この外周面に対向する面との間にラジアル軸受隙間を形成すると共に、フランジ部の端面と、この端面に対向する面との間にスラスト軸受隙間を形成し、ラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間に形成される流体の膜で回転支持される流体軸受装置用軸部材において、軸部とフランジ部との間に接合部材が配設され、かつ接合部材が、軸部とフランジ部の双方に溶接固定されていることを特徴とする流体軸受装置用軸部材を提供する。
このように、軸部およびフランジ部と溶接固定される部材を、軸部やフランジ部とは別体に設けることで、軸部やフランジ部に、突起等の複雑な形状を設けるための加工が不要となる。これにより、軸受面となる面のみを高精度に加工するだけで済む。また、軸部やフランジ部の加工形状が単純化することから、これら軸部やフランジ部の加工も非常に簡易的に行うことができる。また、軸部とフランジ部とは別体で、かつラジアル軸受面やスラスト軸受面のように高精度に加工された面を有することから、溶接時の位置決めも精度よく行うことができる。以上より、軸受面となる面を高精度に加工しつつも、個々の部品の加工コストを低く抑えて、軸受面間で高い直角度を有する流体軸受装置用の軸部材を製造することができる。
接合部材と軸部、および接合部材とフランジ部との溶接固定には、種々の溶接手段が使用可能であるが、その中でも、溶接速度に優れ、生産性の向上が可能な抵抗溶接が好適に使用可能である。通常、この種の軸部材は、強度や摺動特性等の観点から金属材料で形成されることが多いため、加圧通電により溶接を行う抵抗溶接を問題なく適用することができる。特に、近年においては、製造対象となる軸部材、およびこれを備えた流体軸受装置が小型化する傾向にあるが、この種の溶接手段(抵抗溶接)であれば、軸部とフランジ部とにそれぞれ電極を押し当て、加圧通電することで溶接することができる。そのため、軸部材の小型化にも、加工時間や加工コストを極力増加させることなく対応することができ、好ましい。
また、抵抗溶接により接合部材と軸部、および接合部材とフランジ部とを固定するのであれば、例えば接合部材に複数の突起を設け、複数の突起を軸部とフランジ部の少なくとも一方に当接させ、これら複数の当接箇所に溶接部を形成する手段が有効である。すなわち、加圧通電により抵抗溶接を行う場合、互いに溶接する部材間の接触面積が小さいほど接触箇所における電流密度が高まる傾向にある。そのため、当該箇所を高速かつ安定して溶接することができる。また、同様の突起を複数設けることで、軸部やフランジ部との間で高い接合強度を得ることができる。また、接合部材と複数点で接触させることで、軸部またはフランジ部との接触時の姿勢、ひいては溶接時の姿勢を安定させることができ、これにより固定後の形状精度(直角度)を高めることができる。なお、接触部は点接触に限定されない。接触箇所が円周方向に連続した線接触やさらに接触面積を小さくした断続的な接触など、任意の形態をとることができる。
接合部材が軸部およびフランジ部と溶接可能である限りにおいて、その材質は任意である。例えば、軸部やフランジ部と同材料とすれば、溶接部の形成が容易となると共に、良好な溶接部が形成されるので、溶接部に係る接合強度を高めることができる。あるいは、軸部およびフランジ部より融点の低い材料とすることで、溶接部は確実に形成しつつも、軸部やフランジ部本体に及ぼす加熱の影響を最小限に留めて、先に加工した面(軸受面など)の精度を溶接後も維持することができる。また、接合部材の形成方法も任意であるが、接合部材は溶接のために用いるものであるため、軸受面を有する軸部やフランジほど高精度に仕上げる必要はない。そのため、プレス加工などの塑性加工や、鋳造などの型成形で製造することができ、より安価かつ大量に製造することができる。
また、接合部材と溶接固定される軸部の端面もしくはフランジ部の端面、又は接合部材の少なくとも何れかに凹部もしくは穴部を設けておけば、例えば抵抗溶接時、接合部材の軸部あるいはフランジ部と接触して溶融した部分を、凹部あるいは穴部の内部に保持することができる。これにより、溶融物が例えばフランジ部のスラスト軸受面へと流れ出るのを防いで、面精度あるいは形状精度の低下を防止することができる。
上述の軸部材は、非常に優れた軸受面精度および軸受面間の直角度を有するものであるから、軸受隙間を高精度に管理することが必要な流体軸受装置用の軸部材として、あるいはこの軸部材を備えた流体軸受装置として好適に提供可能である。
また、前記課題を解決するため、本発明は、軸部と、軸部の一端に固定されるフランジ部とを備え、軸部の外周面と、この外周面に対向する面との間にラジアル軸受隙間を形成すると共に、フランジ部の端面と、この端面に対向する面との間にスラスト軸受隙間を形成し、ラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間に形成される流体の膜で回転支持される流体軸受装置用軸部材の製造方法であって、軸部の外周面およびフランジ部の端面を治具で拘束した状態で、軸部とフランジ部との間に接合部材を接触介在させ、軸部と接合部材との間、およびフランジ部と接合部材との間に溶接部を形成することで軸部をフランジ部に固定することを特徴とする流体軸受装置用軸部材の製造方法を提供する。
このように、本発明では、軸部やフランジ部の軸受面を位置決め基準面として治具で拘束した状態で接合部材と軸部、および接合部材とフランジ部との間で溶接を行うようにした。接着や圧入などの固定方法であれば、たとえ治具で高精度に位置決めした状態で固定しても、固定後治具から取り出した後、軸とフランジ部との間で位置ずれを生じる恐れがあるが、この種の溶接固定であれば、位置ずれの心配がない。そのため、直角度に優れた軸部材を得ることができる。また、溶接条件やその材質にもよるが、接合部材を、軸部やフランジ部と別体としたことで、軸部やフランジ部に製品ごとの寸法や形状のばらつきがあっても、かかるばらつきを接合部材の溶融部により許容することができる。従い、治具で位置決めした通りの位置関係を、軸部とフランジ部との間で維持したままで、これらを溶接固定することができる。
以上のように、本発明によれば、軸受面の精度、および軸受面間の形状精度に優れ、かつ高い接合強度を有する流体軸受装置用の軸部材を容易かつ低コストに形成することができる。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図4に基づき説明する。なお、以下の説明における『上下』方向は、単に各図における構成要素間の位置関係を容易に理解するために用いるもので、流体軸受装置の設置方向や使用態様等を特定するものではない。後述する第2、第3実施形態においても同様である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る流体軸受装置1を具備したスピンドルモータの断面図を示す。このスピンドルモータは、例えば磁気ディスクを備えたHDD用として用いられるもので、ハブ3を取り付けた軸部材2をラジアル方向に非接触支持する流体軸受装置1と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4aおよびロータマグネット4bとからなる駆動部4と、ブラケット5とを備えている。ステータコイル4aはブラケット5に固定され、ロータマグネット4bはハブ3に固定される。流体軸受装置1のハウジング7は、ブラケット5の内周に固定される。また、同図に示すように、ハブ3にはディスク6(図1では2枚)が保持される。このように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4aに通電すると、ステータコイル4aとロータマグネット4bとの間に発生する励磁力でロータマグネット4bが回転し、これに伴って、ハブ3に保持されたディスク6が軸部材2と一体に回転する。
図2は、流体軸受装置1を示している。この流体軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7の内周に固定される軸受スリーブ8と、ハウジング7の一端を閉塞する蓋部材9と、ハウジングの他端開口側に配設されるシール部材10と、ハウジング7と軸受スリーブ8、およびシール部材10に対して相対回転する軸部材2とを主に備える。
ハウジング7は、例えば真ちゅう等の金属材料や樹脂材料で筒状に形成され、その軸方向両端を開口した形態をなす。ハウジング7の内周面7aには、軸受スリーブ8の外周面8cが、例えば接着(ルーズ接着や圧入接着を含む)、圧入、溶着(超音波溶着やレーザ溶着を含む)など適宜の手段で固定される。また、内周面7aの下端側には、内周面7aよりも大径であって、後述する蓋部材9を固定するための固定面7bが形成される。
軸受スリーブ8は、例えば焼結金属からなる多孔質体で円筒状に形成される。この実施形態では、軸受スリーブ8は、銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成される。また、軸受スリーブ8は、樹脂やセラミック等の非金属材料からなる多孔質体で形成することもでき、また焼結金属等の多孔質体以外にも、内部空孔を持たない、あるいは潤滑油の出入りができない程度の大きさの空孔を有する構造の材料で形成することもできる。
軸受スリーブ8の内周面8aの全面又は一部円筒領域には、ラジアル動圧発生部として
複数の動圧溝を配列した領域が形成される。この実施形態では、例えば図3に示すように、互いに傾斜角の異なる複数の動圧溝8a1、8a2をヘリングボーン形状に配列した領域が、軸方向に離隔して2ヶ所に形成される。なお、この実施形態では、軸受内部における潤滑油の循環を意図的に作り出す目的で、一方(ここでは上側)の動圧溝8a1、8a2形成領域を、軸方向非対称に形成している。図3に例示の形態で説明すると、軸方向中心mより上側(シール部材10側)の動圧溝8a1形成領域の軸方向寸法X1が、下側の動圧溝8a2形成領域の軸方向寸法X2よりも大きくなるように形成されている。
軸受スリーブ8の下端面8bの全面または一部環状領域には、例えば図4に示すように、スラスト動圧発生部として、複数のスパイラル形状の動圧溝8b1を円周上に配列した領域が形成される。この動圧溝8b1形成領域は、完成品の状態では後述するフランジ部22の上端面22aと対向し、軸部材2の回転時、上端面22aとの間に後述する第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
軸受スリーブ8の外周面8cには、軸方向に向けて延びる複数の軸方向溝8c1が形成されている。これら軸方向溝8c1は、主に流体軸受装置1の使用時、軸受内部空間内で圧力の不均衡が生じた場合などに、これらの好ましくない状態を適正な状態に回復するための役割を果たす。
ハウジング7の下端側を閉塞する蓋部材9は、例えば金属材料あるいは樹脂材料で形成され、ハウジング7の内周下端に設けられた固定面7bに固定される。ここで、固定手段は特に問わず、接着、圧入、溶接など上記例示の手段に加えて、溶着など任意の手段を使用することができる。
蓋部材9の上端面9aの全面又は一部環状領域には、例えば図4と同様の配列態様(スパイラルの方向は逆)をなす動圧溝形成領域が形成される。この動圧溝形成領域(スラスト動圧発生部)は、完成品の状態ではフランジ部22の下端面22bと対向し、軸部材2の回転時、下端面22bとの間に後述する第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
シール手段としてのシール部材10は、この実施形態ではハウジング7と別体に金属材料あるいは樹脂材料で形成され、ハウジング7の上端内周に圧入、接着、溶着、溶接等任意の手段で固定される。
シール部材10の内周にはシール面10aが形成されており、このシール面10aと、後述する軸部21の外周面との間にシール空間Sが形成される。潤滑油を流体軸受装置1内部に充満させた状態では、潤滑油の油面は常時シール空間Sの範囲内に維持される。
軸部材(流体軸受装置用軸部材)2は、軸部21と、軸部21の下端に配設されるフランジ部22と、軸部21とフランジ部22との間に配設され、軸部21とフランジ部22の双方に溶接固定される接合部材23とで構成される。この実施形態では、軸部21の外周に、軸受スリーブ8の内周面8aに設けられた動圧溝8a1、8a2形成領域とラジアル方向に対向するラジアル軸受面21aが軸方向に離隔して2ヶ所設けられる。これらラジアル軸受面21a、21a間には、ラジアル軸受面21aより小径のヌスミ部21bが設けられる。
上述の構成部品を組立てた後、軸受内部空間に潤滑油を充填することで流体軸受装置1が完成する。流体軸受装置1内部に充満される潤滑油としては、種々のものが使用可能であるが、HDD等のディスク駆動装置用の動圧軸受装置に提供される潤滑油には、その使用時あるいは輸送時における温度変化を考慮して、低蒸発率及び低粘度性に優れたエステル系潤滑油、例えばジオクチルセバケート(DOS)、ジオクチルアゼレート(DOZ)等が好適に使用可能である。
上記構成の流体軸受装置1において、軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の動圧溝8a1、8a2形成領域は、軸部21のラジアル軸受面21aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上下何れの動圧溝8a1、8a2形成領域においても潤滑油が動圧溝8a1、8a2の軸方向中心mに向けて押し込まれ、その圧力が上昇する。このような動圧溝8a1、8a2の動圧作用によって、軸部材2を回転自在にラジアル方向に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とがそれぞれ軸方向に離隔して2ヶ所に構成される。
これと同時に、軸受スリーブ8の下端面8bに設けた動圧溝8b1形成領域とこれに対向するフランジ部22の上端面22aとの間のスラスト軸受隙間、および蓋部材9の上端面9aに設けた動圧溝形成領域とこれに対向するフランジ部22の下端面22bとの間のスラスト軸受隙間に、動圧溝の動圧作用により潤滑油の油膜がそれぞれ形成される。そして、これら油膜の圧力によって、軸部材2をスラスト方向に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とがそれぞれ構成される。
以下、軸部材2の製造工程の一例を図5〜図8に基づき説明する。
図5は、軸部材2のアセンブリに用いる装置の概略図を示している。この装置は、軸部21およびフランジ部22を保持する第1の治具31と、フランジ部22の下端面22bと当接し、第1の治具31との間でフランジ部22を保持する第2の治具32、および軸部21の上端面21c(フランジ部22とは反対側の端面)と当接し、第2の治具32との間で軸部21およびフランジ部22を保持する第3の治具33とを主に備える。
第1の治具31は、軸部21を挿入可能で、かつ挿入した軸部21を保持可能な保持孔31aを有する。また、第1の治具31の下端面31bは、フランジ部22の上端面22aと当接し、第2の治具32との間でフランジ部22を保持する。従い、保持孔31aは、軸部21のラジアル軸受面21a、21aを保持、拘束可能な程度に、その寸法や形状が高精度に形成されている必要がある。同様に、下端面31bも、第2の治具32との間でスラスト軸受面となるフランジ部22の上端面22aを保持、拘束可能な程度に、その形状(平面度など)が高精度に形成されている必要がある。
加えて、この種の軸部材2においては、ラジアル軸受面21aとスラスト軸受面(上端面22a)との間の直角度が軸受性能を左右する。そのため、これら軸受面間で高い直角度が得られるよう、保持孔31aと下端面31bとの間の直角度を予め高精度に加工することで高めておくことが望ましい。
フランジ部22の下端面22b、および軸部21の上端面21cと当接する第2の治具32と第3の治具33は、適当な駆動機構により相対的に上下動可能に構成されると共に、電力供給機構(共に図示は省略)と連結されている。かかる構成により、図5に示すように、接合部材23を介して第1〜第3の治具31、32、33に軸部21とフランジ部22とが拘束、保持された状態では、軸部21とフランジ部22とを互いに接近させる向きに加圧すると共に、両部材21、22間で通電することが可能となっている。
接合部材23は、例えば図6に示すように、全体として円盤形状をなし、軸部21側の端面(上端面23a)に複数の突起23a1を設けると共に、フランジ部22側の端面(下端面23b)にも複数の突起23b1を設けた形態をなす。従い、図5に示すように、軸部21とフランジ部22の間に接合部材23を配設し、かつ軸部21とフランジ部22とを第1〜第3の治具31、32、33で保持した状態では、軸部21およびフランジ部22は何れも、突起23a1、23b1を介して接合部材23と当接している。なお、図5や図6、および図7に示す突起23a1、23b1はその形状や配置態様の理解を容易にするため、接合部材23の他の寸法(円盤部の直径や厚み)に比べて実際の寸法よりも誇張して描いている。後述する突起23a2(図9に例示)に関しても同様である。
この実施形態では、各突起23a1、23b1は円錐状をなしている。突起23a1、23b1の数や形状、配置態様は特に問わないが、軸部21やフランジ部22との当接姿勢や溶接時の姿勢を安定化する目的で、あるいは接合強度のばらつきを小さく抑える目的で、3ヶ所以上にかつ円周方向等間隔に配設するのが望ましい。
上記構成をなす接合部材23は通電性を有する材料で形成される。使用可能な形成手段として、例えばプレス加工等の塑性加工や、鋳造等の型成形などを挙げることができる。
上述の如く、軸部21、フランジ部22、および接合部材23を治具31〜33に設置した(保持した)状態から、第2の治具32と第3の治具33とを相対的に接近させて、軸部21とフランジ部22とを互いに接近する向きに加圧する。これと同時に、電極となる第2の治具32および第3の治具33を介して軸部21およびフランジ部22に通電することで、突起23a1の、軸部21との当接箇所を発熱、溶融させ、軸部21との間に溶接部24aを形成する。同様に、突起23b1の、フランジ部22との当接箇所を発熱、溶融させ、フランジ部22との間に溶接部24bを形成する(共に図7を参照)。
その後、さらに加圧通電を継続することで、突起23a1の溶融が進行し、それと共に、軸部21との間に形成された溶接部24aが成長する(フランジ部22の側についても同様に溶接部24bが成長する)。そして、溶接がある程度行われた時点で、例えば溶融接合部を除いた軸部21の下端面21dと接合部材23の上端面23aが当接した段階(図8を参照)で加圧および通電を停止する。その後、治具31〜33から軸部21、フランジ部22、および接合部材23の一体品を取り出すことで、完成品としての軸部材2を得る。
このように、軸部21とフランジ部22を直接固定するのではなく、接合部材23を間に介在させ、この接合部材23と軸部21およびフランジ部22をそれぞれ溶接固定することで、突起23a1のような複雑かつ微細な部分を接合部材23の側に集約して、軸部21やフランジ部22を単純な形状とすることができる。そのため、ラジアル軸受面21aを高精度に仕上げた軸部21、およびスラスト軸受面となる両端面22a、22bを高精度に仕上げたフランジ部22を容易かつ低コストに加工することができる。また、接合部材23は軸部21やフランジ部22のように軸受面を有さない。そのため、軸部21やフランジ部22に比べて許容精度を緩めて加工することができ、例えばプレス加工や鋳造などの安価な加工で形成することができる。
また、この実施形態のように、各々の軸受面と当接する保持孔31aの内周面や下端面31bなどを予め高精度に形成しておくことで、特に第1の治具31については、保持孔31aの内周面と下端面31bとの間の直角度を精度良く仕上げておくことで、ラジアル軸受面21aとスラスト軸受面(上端面22a)との間の直角度を高く保った状態で、溶接固定を行うことができる。以上より、必要な面精度あるいは形状精度を確保しつつも、軸部材2全体の製造コストを容易に低減することが可能となる。
また、この実施形態では、接合部材23に複数の突起23a1、23b1を設け、これら複数の突起23a1、23b1を軸部21やフランジ部22と当接させるようにした。これにより、加圧通電時、接合部材23と軸部21、およびフランジ部22との接触面積が非常に小さくなり、接触箇所における発熱効率を積極的に高めることができる。従って、電流量や加圧力を過度に高めることなく、所要の大きさかつ良質の溶接部24a、24bを形成することができ、電流過多による散りの発生や、過大な加圧力によるフランジ部22の変形等をなるべく避けることができる。
特に、突起23a1、23b1の形状を、円錐形状とすることで、通電初期において最も接触面積が小さく、かつ通電が進むにつれて、徐々に接触面積が拡大することになるため、溶接部24a、24bを安定して成長させることができ、好ましい。
また、この実施形態では、突起23b1と接触するフランジ部22の上端面22aに凹部22cを設けたので、突起23b1の溶融分を凹部22c内で保持することができ、かかる溶融物が周囲に拡がるのを抑えることができる。特に図示例のように、接合部材23を収容可能な大きさの凹部22cを設けることで、溶融物の外側への流れ出しをより安全に防止することができる。もちろん、必要に応じて、軸部21の側(下端面21d)や接合部材23にも、同様の凹部を設けて、突起23a1の溶融分をその内部で保持するように構成することも可能である。また、凹部22cの代わりに穴部を設けることによっても同様の効果が得られる。
以上、本発明の第1実施形態に係る軸部材2の構成および製造工程を説明したが、もちろん、これに限定されることなく、上記以外の構成および工程を採ることも可能である。
例えば第1実施形態では、接合部材23に、円錐形状をなす複数の突起23a1、23b1を設けた場合を説明したが、何もこの形態に限る必要はない。通電時における軸部21やフランジ部22との接触面積が小さい限りにおいて、任意形状の突起23a1、23b1を設けることが可能である。また、接合部材23と、軸部21やフランジ部22との接触態様は点接触に限るものではない。例えば、接触点が円周方向に連続した線接触やさらに接触面積を小さくした断続的な接触など、任意の形態をとることができる。図9はその一例を示すもので、同図に示す接合部材23には、図6に示す突起23a1を、円盤状をなす接合部材23の中心軸まわりに所定角回転させた際に得られる軌跡に対応した外形を有する複数の突起23a2が設けられている。従い、その頂部は線状をなし、対向する軸部21あるいはフランジ部22と円周方向に向けて断続的に線接触する。そのため、この構成によれば、接触面積を極力小さく抑えつつも、溶接固定時の位置決め精度を確保して、軸部21とフランジ部22との固定精度をさらに向上させることが可能となる。
また、要求される特性や採用可能な加工手段との兼ね合いから、軸部21とフランジ部22とを互いに異なる材料で形成する場合も考えられるが、この場合であっても、接合部材23との接触態様を調整する(突起23a1、23b1の数や形状、形成位置等を異ならせる)ことで、共に良好な溶接部24a、24bを形成することができる。また、一方の部材(例えばフランジ部22)を溶接に適した材料で形成可能であれば、接合部材23のうち、他方の部材(例えば軸部21)と対向する側のみに突起23a1を設けた構成とすることもできる。
あるいは、所要の接合強度(溶接強度)が得られるのであれば、必ずしも突起23a1、23b1を設ける必要はない。例えば、接合部材23の材質をより溶接に適した材料としたり、あるいは抵抗溶接時に生じる不具合がそれほど問題とならない程度の範囲内において溶接条件を調整することで、接合強度を確保することができる。なお、これらの場合においても、ラジアル軸受面21aとスラスト軸受面(上端面22a)との直角度確保のために、これらを拘束する治具(特に第1の治具31)の当接面精度を高めておくことが肝要である。
また、第1実施形態では、フランジ部22に、突起23b1の溶融物を保持する(収容する)ための凹部22cを設けた場合を例示したが、もちろん、この凹部22cを対向する接合部材23の側に設けることでも同様の作用を得ることができる。具体的には、接合部材23の突起23a1、23b1の周囲に、上端面23aや下端面23bよりも一段低い凹部(図示は省略)を設けることで、突起23a1、23b1の溶融物を収容して、半径方向外側への溶融物の流れ出しを極力防止することができる。なお、凹部や穴部は例示の形状に限定されるものではない。これら凹部や穴部を設ける意義(溶融物を収容)がある限りにおいて、任意の形状を採ることができる。例えば凹部として、溶接部の周囲に環状の溝を設けることもできる。あるいは穴部として、例えば軸方向に貫通する穴を接合部材23の中央に設けることもできる。
なお、第1実施形態では、溶融接合部を除く接合部材23の両端面23a、23bと、軸部21の下端面21dおよびフランジ部22の上端面22aとが当接した段階で、加圧通電を停止した場合を説明したが、接合強度が確保できるのであれば、例えば図7に示すように、双方の端面が当接する前の段階で加圧通電を停止することも可能である。逆に、当接後も、さらに加圧通電を継続することで、更なる溶接部24a、24bの成長を図ることも可能である。
また、第1実施形態では、溶接手段に抵抗溶接を採用した場合を説明したが、これに限ることなく種々の溶接手段が採用可能である。例えば、アーク溶接、ガス溶接、レーザ溶接などの溶融溶接や、熱間圧接や摩擦圧接などの固相接合により、接合部材23と軸部21、および接合部材23とフランジ部22を溶接固定することも可能である。また、これらの場合、各溶接手段に応じて適切な形状の突起23a1、23b1を設けることが好ましい。
また、本発明は、上記の構成に限らず、他の構成をなす流体軸受装置にも適用可能である。
例えば第1実施形態では、軸部21の外周面をラジアル軸受面21aとして、フランジ部22の上端面22aおよび下端面22bをそれぞれスラスト軸受面として使用した場合を説明したが、これに限る必要はない。例えば、双方の端面22a、22bのうち、上端面22aのみをスラスト軸受面として使用する構成の流体軸受装置用の軸部材に、本発明を適用することもできる。
図10は第2実施形態に係る流体軸受装置101の断面図を示している。この流体軸受装置101の特徴点(図2に係る流体軸受装置1との主な相違点)は以下の通りである。すなわち、流体軸受装置101において、軸部21の上端(フランジ部22とは反対側)に固定されたハブ103は、ハウジング107の開口側(上側)に位置する円盤部103aと、円盤部103aの外周部から軸方向下方に延びた筒状部103bとを主に有する。また、ハウジング107の上端面107cには、例えば図4に示す配列態様をなす動圧溝形成領域(スパイラルの向きは逆)が設けられ、向かい合う円盤部103aの下端面103a1との間に第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する。ハウジング107の外周には、上方に向かって漸次拡径するテーパ状のシール面107dが形成される。このテーパ状のシール面107dは、筒状部103bの内周面103b1との間に、ハウジング107の閉塞側(下方)から開口側(上方)に向けて半径方向隙間が漸次縮小した環状のシール空間Sを形成する。なお、図10中、ハウジング107の内周面107a、固定面107bはそれぞれ図2中のハウジング7の内周面7aおよび固定面7bに対応している。これ以外の構成は、図2に係る構成に準じるので説明を省略する。
このように、フランジ部22の上端面22aのみをスラスト軸受面として使用する場合であっても、軸部21とフランジ部22との間に接合部材23を介在させ、この接合部材23と軸部21、および接合部材23とフランジ部22とをそれぞれ溶接固定することで、軸部21やフランジ部22を単純な形状とすることができる。そのため、加工が容易でかつラジアル軸受面21aを高精度に仕上げた軸部21、およびスラスト軸受面となる上端面22aを高精度に仕上げたフランジ部22を低コストに得ることができる。
また、既述のように、治具31〜33の各軸受面と当接する面(保持孔31aの内周面や下端面31bなど)を予め高精度に形成したものを使用して上述の溶接固定を行うことで、ラジアル軸受面21aとスラスト軸受面(上端面22a)との間で高い直角度を有する軸部材2を得ることができる。
なお、第1実施形態では、その両端面22a、22bをスラスト軸受面としたフランジ部22を例示し、第2実施形態では、軸部21と固定される側の端面(上端面22a)のみをスラスト軸受面としたフランジ部22を例示したが、これ以外の構成をなすフランジ部に対しても本発明を適用することができることはもちろんである。例えば、その外周にシール面を形成したものをフランジ部22として使用することも可能である。
図11はその一例に係る流体軸受装置201の断面図を示している。この実施形態(第3実施形態)における流体軸受装置201の特徴点(図2に係る流体軸受装置1との主な相違点)は以下の通りである。すなわち、流体軸受装置201を構成する軸部材202は、軸部21の一端に接合部材23を介してフランジ部22を溶接固定し、かつ軸部21の軸方向中間に環状をなす第2のフランジ部222を固定している。
双方のフランジ部22、222は軸方向に軸受スリーブ208を挟む位置に配設され、フランジ部(第1のフランジ部)22の上端面22aと、上端面22aに対向する軸受スリーブ208の下端面208bとの間に、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を形成する。また、第2のフランジ部222の下端面222aと、下端面222aに対向する軸受スリーブ208の上端面208dとの間に、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する。従い、この実施形態における軸受スリーブ208は、下端面208bの他、上端面208dにも図4に示すスラスト動圧発生部を設けている。
双方のフランジ部22、222の外周にはそれぞれシール面22d、222bが形成され、これらシール面22d、222bは対向するハウジング7の内周面7aとの間にそれぞれシール空間S、Sを形成する。なお、図11中、軸受スリーブ208の内周面208a、外周面208c、および軸方向溝208c1はそれぞれ図2中の軸受スリーブ8の内周面8a、外周面8c、および軸方向溝8c1に対応している。これ以外の構成は、図2に係る構成に準じるので説明を省略する。
このように、2枚のフランジ部22、222を固定した軸部材2を用いる場合であっても、その軸部21と、軸部21の一端に固定されるフランジ部22との一体品に関しては、第1および第2実施形態と同様に、本発明を適用することができる。
なお、以上の実施形態では何れも、ハウジング7、107と、軸受スリーブ8とを別体としたが、これら流体軸受装置1、101、201の固定側を構成する部品群から選択される2以上の部品同士を、アセンブリ可能な範囲において一体化(同一材料で一体に形成、あるいは一方の部品をインサートして他方の部品を型成形)することも可能である。例えば図2に示す構成でいえば、ハウジング7と軸受スリーブ8、ハウジング7と蓋部材9、ハウジング7とシール部材10との間で一体化が可能である。ハウジング7と軸受スリーブ8、およびシール部材10を一体化することも可能である。また、図10に示す構成でいえば、ハウジング107と軸受スリーブ8、あるいはハウジング107と蓋部材9との間で一体化が可能である。さらに、図11に示す構成でいえば、ハウジング7と軸受スリーブ208との間で一体化が可能である。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T1、T2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により潤滑油の動圧作用を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、図示は省略するが、軸方向の溝を円周方向の複数箇所に形成した、いわゆるステップ状の動圧発生部、あるいは、円周方向に複数の円弧面を配列し、対向する軸部21の外周面(ラジアル軸受面21a)との間に、くさび状の半径方向隙間(軸受隙間)を形成した、いわゆる多円弧軸受を採用してもよい。
あるいは、ラジアル軸受面となる軸受スリーブ8、208の内周面8a、208aを、動圧発生部としての動圧溝や円弧面等を設けない真円状内周面とし、この内周面と対向する真円状の外周面(ラジアル軸受面21a)とで、いわゆる真円軸受を構成することができる。
また、スラスト軸受部T1、T2の一方又は双方は、同じく図示は省略するが、スラスト軸受面となる領域に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、あるいは波型軸受(端面が調和波形などの波型になったもの)等で構成することもできる。
また、以上の実施形態では、動圧発生部を何れも固定側(ハウジング7、107や軸受スリーブ8、108、蓋部材9など)に設けた場合を説明したが、その一部あるいは全てを回転側(軸部21、フランジ部22や第2のフランジ部222、ハブ103など)に設けることも可能である。具体的には、軸部21の外周面(ラジアル軸受面21a)、フランジ部22の両端面22a、22bや第2のフランジ部222の下端面222a、およびハブ103の下端面103a1のうち、1ヶ所以上に既述の動圧発生部を設けることが可能である。この場合、例えばフランジ部22をプレス加工で形成するのであれば、当該プレス加工時に併せて上述の動圧発生部(スラスト動圧溝)を成形することができる。また、そのサイズや形状にもよるが、突起23b1を上述のプレス加工と同時にフランジ部22に成形できれば、コストアップを招くことなくフランジ部22の側に突起を設けることも可能である。
また、以上の実施形態では、流体軸受装置1、101、201の内部に充満し、ラジアル軸受隙間やスラスト軸受隙間に流体膜を形成するための流体として潤滑油を例示したが、これ以外にも流体膜を形成可能な流体、例えば空気等の気体や、磁性流体等の流動性を有する潤滑剤、あるいは潤滑グリース等を使用することもできる。
本発明の第1実施形態に係る流体軸受装置を備えたスピンドルモータの断面図である。 流体軸受装置の断面図である。 軸受スリーブの断面図である。 軸受スリーブのフランジ部と対向する端面の平面図である。 第1実施形態に係る軸部材の製造工程の一例を示す断面図である。 接合部材の斜視図である。 軸部材の製造工程の一例を示す断面図である。 軸部材の製造工程の一例を示す断面図である。 他の構成に係る接合部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る流体軸受装置の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る流体軸受装置の断面図である。
符号の説明
1、101 流体軸受装置
2 軸部材
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
21 軸部
21a ラジアル軸受面
21b ヌスミ部
22 フランジ部
22a 上端面
22b 下端面
22c 凹部
23 接合部材
23a 上端面
23b 下端面
23a1、23b1 突起
24a、24b 溶接部
31、32、33 治具
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
S シール空間

Claims (5)

  1. 軸部と、軸部の一端に固定されるフランジ部とを備えるもので、
    軸部の外周面とこの外周面に対向する面との間にラジアル軸受隙間を形成すると共に、フランジ部の端面とこの端面に対向する面との間にスラスト軸受隙間を形成し、ラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間に形成される流体の膜で回転支持される流体軸受装置用軸部材において、
    軸部とフランジ部との間に接合部材が配設され、かつ接合部材が、軸部とフランジ部の双方に溶接固定されていることを特徴とする流体軸受装置用軸部材。
  2. 接合部材に複数の突起を設け、複数の突起を軸部とフランジ部の少なくとも一方に当接させ、これら複数の当接箇所に溶接部を形成してなる請求項1記載の流体軸受装置用軸部材。
  3. 接合部材と溶接固定される軸部の端面もしくはフランジ部の端面、又は接合部材の少なくとも何れかに凹部もしくは穴部を設けた請求項1記載の流体軸受装置用軸部材。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の軸部材を備えた流体軸受装置。
  5. 軸部と、軸部の一端に固定されるフランジ部とを備え、軸部の外周面とこの外周面に対向する面との間にラジアル軸受隙間を形成すると共に、フランジ部の端面とこの端面に対向する面との間にスラスト軸受隙間を形成し、ラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間に形成される流体の膜で回転支持される流体軸受装置用軸部材の製造方法であって、
    軸部の外周面およびフランジ部の端面を治具で拘束した状態で、軸部とフランジ部との間に接合部材を接触介在させ、
    軸部と接合部材との間、およびフランジ部と接合部材との間に溶接部を形成することで軸部をフランジ部に固定することを特徴とする流体軸受装置用軸部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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