JP2008163797A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】増圧機構作動に伴うエンジントルクの落ち込みを防止しドライバビリティを向上させることのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供すること。
【解決手段】増圧機構を備えたコモンレール式内燃機関において、増圧機構の作動に伴い、サプライポンプの負荷に応じて算出された増量噴射量を要求噴射量に加えた値を目標噴射量として燃料噴射を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、増圧機構を備えたコモンレール式内燃機関の燃料噴射制御技術に関する。
加圧ポンプ(サプライポンプ)により加圧された燃料をコモンレールに貯留し、当該コモンレールと接続された燃料噴射弁より所定時期に気筒内へ燃料を噴射する所謂コモンレール式の燃料噴射装置を備えた内燃機関(以下エンジンという)がある。
また近年、当該エンジンの燃料噴射弁に増圧機構を備え、コモンレールからの燃料をさらに加圧して燃料噴射を行う構成の燃料噴射装置が開発されている。
このように増圧機構を備えることで、コモンレール式燃料噴射装置のみではほぼ矩形であった噴射圧波形を可変制御することができるとともに、当該増圧機構で増圧を行う分コモンレール圧を低下させることができるので当該コモンレール等の耐久性を向上させることができる。
当該増圧機構は、内装されている増圧ピストンを作動させることで燃料の増圧を行うものであり、一般に当該増圧ピストンは非作動時にバックプレッシャとして作用している燃料圧を排除することで作動するものである。ただし、この燃料圧の排除はバックプレッシャとして作用している燃料を燃料タンクへ戻すことで行われるが、これは加圧燃料の消費量増加を招く。
当該加圧燃料の消費量増加に対してサプライポンプはコモンレール圧を維持するために燃料吐出量を増加させるよう作動するが、これによりサプライポンプの負荷が急増し、同時に当該サプライポンプを駆動するエンジンの負荷も急増するためエンジントルクの落ち込みが発生する等、ドライバビリティが悪化するという問題がある。
そこで、増圧機構の作動に際し実際の増圧開始を遅延させ目標レール圧を徐々に変化させたり、増圧機構の作動直前に燃料噴射とは関係のない時期に増圧制御弁を開弁させ、且つ当該開弁期間を次第に増加させる空撃ち制御を行うことで、上記のような増圧機構作動に伴うエンジントルクの落ち込みを軽減する構成が開示されている(特許文献1参照)。
特開2006−132467号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、増圧機構による増圧開始を遅延させるため目標噴射圧を実現する応答性が悪化するという問題がある。
また、上記特許文献1では、燃料噴射とは関係のない時期であっても増圧制御弁を開弁させることで、エンジントルクの落ち込みが生じるおそれがある。
このように上記特許文献1の技術では、増圧機構作動時にエンジンの運転状態が不安定となるという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、増圧機構を備えたコモンレール式エンジンにおいて、当該エンジンの運転状態の安定性を保ちつつ、増圧機構作動に伴うエンジントルクの落ち込みを防止しドライバビリティを向上させることのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の内燃機関の燃料噴射制御装置では、内燃機関の動力により駆動する加圧ポンプにより加圧した燃料をコモンレールに貯留し、該貯留された燃料を燃料噴射弁により内燃機関の気筒内に噴射する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記コモンレールからの燃料を加圧して前記燃料噴射弁のニードル弁側に送る増圧機構と、前記内燃機関の運転状態に応じて前記増圧機構の作動及び停止の制御を行う増圧機構制御手段と、前記内燃機関の要求負荷に対する燃料の要求噴射量を算出する要求噴射量算出手段と、前記加圧ポンプの負荷に応じた増量噴射量を設定する増量噴射量設定手段と、前記増圧機構制御手段により前記増圧機構の作動が開始されたときに、前記要求噴射量検出手段により設定される要求噴射量に、前記増量噴射量設定手段により設定される増量噴射量を加えた値を目標噴射量として前記燃料噴射弁による燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段とを備えたことを特徴としている。
請求項2の内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項1において、前記増圧機構制御手段は、要求噴射量に基づく閾値を設定し、前記要求噴射量算出手段により算出される要求噴射量が該閾値以上となったときに前記増圧機構の作動を開始させ、前記燃料噴射量制御手段は、前記閾値と前記要求噴射量算出手段により算出される要求噴射量との偏差が所定の範囲内にある場合に、前記要求噴射量検出手段により設定される要求噴射量に、前記増量噴射量設定手段により設定される増量噴射量を加えた値を目標噴射量とすることを特徴としている。
請求項3の内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項1または2において、前記増量噴射量設定手段は、前記閾値と前記要求噴射量算出手段により算出される要求噴射量との偏差が増加するに従い前記増量噴射量を減少側に補正することを特徴としている。
請求項4の内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記増量噴射量設定手段は、前記加圧ポンプの負荷を前記内燃機関の回転速度及び要求噴射量より算出するものであり、該回転速度が低くまたは該要求噴射量が多くなるほど前記増量噴射量を増加させることを特徴としている。
上記手段を用いる本発明の請求項1の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、増圧機構を備えたコモンレール式エンジンにおいて、当該増圧機構の作動が開始されたときに、加圧ポンプの負荷に応じた増量噴射量を要求噴射量に加えた値を目標噴射量とした燃料噴射を行うことでエンジントルクを上昇させる。
これにより、エンジンの運転状態の安定性を保ちつつ、増圧機構の作動に伴うエンジントルクの落ち込みを防止しドライバビリティを向上させることができる。
請求項2の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、要求噴射量が閾値以上となったとき増圧機構を作動させ、当該増圧機構の作動開始から閾値と要求噴射量との偏差が所定の範囲にある場合、即ちサプライポンプの負荷変化が大きい領域付近でのみに目標噴射量を増量させることで、無駄な噴射量の増量が行われることを抑制するとともに、安全性を確保することができる。
請求項3の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、増量噴射量を、増圧機構作動の閾値と要求噴射量との偏差が増加するに従い減少側に補正することで、無駄な噴射量の増量を抑制するとともに、円滑に要求負荷に応じた通常の燃料噴射量へと移行させることができる。
請求項4の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、内燃機関の回転速度が低くなるほど、または要求噴射量が高くなるほど増量噴射量が増加させることで、サプライポンプ14にかかる負荷に応じた適切な増量噴射量を設定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1を参照すると、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成図が示されている。以下、同図に基づき説明する。
図1に示す燃料噴射装置は、図示しない6気筒ディーゼルエンジンに設けられている。
当該ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)を備えた車両には燃料タンク2が設けられており、当該燃料タンク2はタンク燃料路4を介してフィードポンプ6に接続され、当該フィードポンプ6はフィード燃料路8を介してフィルタ10及び電磁式の燃料供給量調整弁12を備えたサプライポンプ14(加圧ポンプ)に接続されている。そして、サプライポンプ14は逆止弁16を備えた一対のサプライ燃料路18を介してコモンレール20に接続されている。なお、フィードポンプ6及びサプライポンプ14は駆動軸15を介して一体化されており、当該駆動軸15はエンジンの動力によって駆動される。
コモンレール20はコモンレール燃料路22を介してエンジンの各気筒に臨んで設けられた燃料噴射弁24と接続されている。
当該燃料噴射弁24は弁本体26内部に、気筒内への燃料噴射を制御するための燃料噴射機構30と、当該燃料噴射機構30に供給される燃料を事前に増圧する増圧機構60とを備えている。
燃料噴射機構30は、弁本体26の先端側(下側)から順に噴孔部32、燃料溜り34、ばね室36及び圧力室38が形成され、これら噴孔部32から圧力室38に亘ってニードル弁40が配設されており、当該ニードル弁40はばね室36内のばね42の付勢力によって下方向に向けて付勢されている。燃料溜り34は燃料供給路44の一端側に接続されており、当該燃料供給路44の他端側はコモンレール燃料路22に接続され、また、当該燃料供給路44の途中には逆止弁46が設けられている。そして、コモンレール燃料路22からの燃料は燃料供給路44及び燃料溜り34を経て噴孔部32に導かれる。
当該燃料供給路44において、逆止弁46の配設位置よりも下流側の適宜位置にはオリフィス48を備えた圧力路50の一端側が接続され、当該圧力路50の他端側は圧力室38の上部に接続されている。従って、燃料供給路44の燃料圧は圧力室38内ではニードル弁40の上面側にバックプレッシャとして作用する一方、ニードル弁40には燃料溜り34内において上方向への燃料圧が作用している。なお、当該バックプレッシャ及びばね42の付勢力の合力は燃料溜り34に作用する燃料圧を上回っており、この場合のニードル弁40は下方向に向けて付勢されて噴孔部32に圧接され、閉弁状態が保持される。
圧力室38の上部にはオリフィス52を介して電磁式の噴射制御弁54が接続されており、当該噴射制御弁54はリターン路56を介して燃料タンク2に接続されている。そして、当該噴射制御弁54の開弁に伴い、圧力室38内の燃料はリターン路56を経て燃料タンク2に回収される。これにより、ニードル弁40に作用するバックプレッシャが減少し、ニードル弁40は上方向に向けて付勢され、開弁状態に切り換えられる。
増圧機構60は燃料噴射機構30の上側に配設されている。
当該増圧機構60は、上側の大径部及び下側の小径部からなるシリンダ62を備えている。当該シリンダ62内には増圧ピストン64が上下摺動可能に配設されており、当該増圧ピストン64はシリンダ62に対応した大径部及び小径部から形成されている。そして、当該増圧ピストン64はシリンダ62内に設けられたばね66により上方向に向けて付勢されている。
また、シリンダ62は燃料供給路44と3箇所にて接続されている。詳しくは、燃料供給路44において逆止弁46の配設位置よりも上流側部分が、シリンダ62の大径部の上側に接続されるとともに、オリフィス68を介してシリンダ62の大径部の下側とも接続されている。よって、燃料供給路44の燃料圧は増圧ピストン64の大径部の下側にバックプレッシャとして作用する。一方、燃料供給路44において逆止弁46の配設位置よりも下流側部分は、増圧路70を介してシリンダ62の小径部の下側に接続されており、増圧ピストン64の小径部の下側によって区画された部分が増圧室72として形成されている。なお、上記バックプレッシャ及びばね66の付勢力の合力は増圧ピストン64の大径部の上側に作用する燃料圧を上回っており、この場合の増圧ピストン64は上方向に向けて付勢されて増圧室72が最大容積に保持される。
また、シリンダ62の大径部の下側には電磁式の増圧制御弁74が接続されており、この増圧制御弁74はリターン路76を介して燃料タンク2に接続されている。増圧制御弁74の開弁に伴い、シリンダ62の大径部の下側の燃料はリターン路76を経て燃料タンク2に戻される。これにより、増圧ピストン64に作用するバックプレッシャが減少し、増圧ピストン64は下方向に向けて付勢されて増圧室72の容積が縮小される。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子コントロールユニット)80が設置されている。ECU80の入力側には、コモンレール20内の燃料圧(以下コモンレール圧ともいう)を検出するコモンレール圧センサ82、エンジンの回転に同期したクランク角信号を出力するクランク角センサ84、アクセル操作量を検出するアクセル開度センサ86等のセンサ類が接続されている。また、ECU80の出力側には、燃料供給量調整弁12、各燃料噴射弁24の噴射制御弁54及び増圧制御弁74等のデバイス類が接続されている。そして、当該ECU80はこれらのセンサ類から検出される各種情報に基づき、各種デバイス類の駆動制御を行う。
以下、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置においてECU80により行われる制御及び当該制御に伴う作用について説明する。
燃料タンク2内の燃料は、フィードポンプ6により汲み上げられてサプライポンプ14に供給され、当該サプライポンプ14で加圧されてコモンレール20に供給される。ここで、ECU80は燃料供給量調整弁12の開度制御を行うことでサプライポンプ14への燃料供給量を制限し、サプライポンプ14の燃料吐出量を調整する。具体的には、コモンレール圧センサ82により検出される実レール圧が目標レール圧となるよう燃料供給量調整弁12の開度をフィードバック制御する。
そして、コモンレール圧の燃料をそのまま気筒内に向けて噴射する場合には、増圧制御弁74を閉弁状態にして噴射制御弁54を開弁させる。これにより、圧力室38内の燃料がリターン路56を介して燃料タンク2に戻され、ニードル弁40が上方向に向けて付勢されて噴孔部32から燃料噴射が開始される。なお、その後、噴射制御弁54を閉弁させることで、燃料タンク2への燃料流通がなくなり、ニードル弁40は下方向に向けて付勢されて燃料噴射は中止される。
一方、増圧機構60による増圧を実施する場合には増圧制御弁74の開弁を行う。
当該増圧制御弁74の開弁が行われると、シリンダ62の大径部の下側の燃料がリターン路76を介して燃料タンク2に戻され、増圧ピストン64は下方向に向けて付勢される。これにより、増圧室72内の燃料が加圧され、燃料供給路44において逆止弁42の配設位置よりも下流側に存在する燃料が元々のコモンレール圧に相当する燃料圧よりもさらに増加される。
この状態で噴射制御弁54が開弁されると、噴射圧力が噴射初期から急激に立ち上がりコモンレール圧よりも高圧に保持される。なお、その後、噴射制御弁54及び増圧制御弁74が相前後して閉弁されると、噴射圧力は減少して燃料噴射は中止される。
また、当該ECU80は、エンジンの運転状態に応じて増圧機構60の作動及び停止の制御を行う。
詳しくは、アクセル開度センサ86により検出されるアクセル操作量、即ち要求負荷から燃料の要求噴射量を算出し(要求噴射量算出手段)、当該要求噴射量及びクランク角センサ84により検出されるエンジン回転速度に基づき燃料の目標噴射圧が算出される。
当該ECU80には、図2に示すように、エンジン回転速度及び要求噴射量に基づき、即ち上記目標噴射圧に基づき増圧機構60の作動及び停止を行う運転領域が設定された増圧フラグマップM1が記憶されている。当該増圧フラグマップM1は、コモンレール圧のみで目標噴射圧を達成できるような所定回転速度及び所定要求噴射量未満の運転領域Aが増圧フラグOFF領域、即ち増圧機構60を停止させる領域に設定され、コモンレール圧のみでは目標噴射圧を達成できないような所定回転速度及び所定要求噴射量以上の運転領域Bが増圧フラグON領域、即ち増圧機構60を作動させる領域に設定されている。
ECU80はエンジン回転速度及び要求噴射量から当該増圧フラグマップM1に基づき増圧機構60の作動及び停止の制御を行う(増圧機構制御手段)。
ここで、例えば図2の矢印Cで示すように当該増圧フラグマップM1における運転領域Aから運転領域Bに跨るような加速が行われ、増圧機構60を停止状態から作動状態への切り換えが行われると、増圧ピストン64にバックプレッシャとして作用する燃料が燃料タンク2に戻される。これにより加圧燃料の消費量が増加するので、ECU80はコモンレール圧を維持すべく燃料供給弁12を制御しサプライポンプ14の燃料吐出量を増加させる。このようにサプライポンプ14の燃料吐出量を増加させると当該サプライポンプ14の駆動負荷が急増し、同時に当該サプライポンプ14を駆動するエンジンの負荷も急増する。
そこで、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置では、増圧機構60の作動に伴うエンジン負荷急増によるエンジントルクの落ち込みを防止すべく燃料噴射量の増量制御が行われる。
以下、当該噴射量増量制御について詳しく説明する。
図3及び図4を参照すると、図3には本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の増圧機構作動時に実施する燃料の噴射量増量制御を示すブロック図が示されており、図4には増圧機構60停止状態から作動状態へ切り換わる際の運転状態を時系列的に示したタイムチャートが示されている。
まず、図3に示すブロック図に沿って説明する。
ブロックB1では上記アクセル開度センサ86の検出結果から算出される要求噴射量qを取得し、ブロックB2ではクランク角センサ84により検出されるエンジン回転速度Neを取得する。
ブロックB3では、ECU80に記憶されている基本増量噴射量マップM2に基づき上記ブロックB1、B2で取得した要求噴射量q及びエンジン回転速度Neに応じた基本増量噴射量Δqaddを設定する。当該増量噴射量マップは、エンジン回転速度Neが低くなるほど、または要求噴射量qが高くなるほど基本増量噴射量Δqaddの値が高くなるよう設定されている。これは、エンジン回転速度Neが低く要求噴射量qが高いような運転状態ではサプライポンプ14にかかる負荷が大きく、その分増圧機構60作動に伴うエンジントルクの落ち込みが大きくなるため、これを補う増量噴射量も増加させるよう設定されている。つまり、当該基本増量噴射量マップM2はサプライポンプ14の負荷に応じた基本増量噴射量Δqaddを設定するものである(増量噴射量設定手段)。
一方、当該噴射量増量制御は、増圧機構60の作動開始から所定の期間行うよう閾値である所定要求噴射量qaと要求噴射量qとの偏差が所定の範囲内にある場合に実施するものであり、当該期間経過後には通常の燃料噴射制御に基づく燃料噴射量に戻るようブロックB4以下において、噴射量増量フラグ及び増量ゲインの設定制御を行う。
詳しくは、ブロックB4では、ブロックB2で取得したエンジン回転数Neに応じた、図2の増圧フラグマップM1における運転領域Aと運転領域Bとの閾値である所定要求噴射量qaを取得する。
そして、ブロックB1で取得した要求噴射量qと所定要求噴射量qaとの偏差Δqaを算出する。つまりここでは、要求噴射量qが所定要求噴射量qaに対してどの程度離間したかを算出する。
続いてブロックB5では、ECU80に記憶されている噴射量増量フラグマップM3に基づき上記偏差Δqaに応じた噴射量増量フラグ値fを設定する。当該噴射量増量フラグマップは偏差Δqaが所定値未満である場合には噴射量増量フラグ値fを1に、所定値以上である場合には噴射量増量フラグ値を0にするよう設定されている。
また、ブロックB6では、ECU80に記憶されている増量ゲインマップM4に基づき上記偏差Δqaに応じた増量ゲインGを設定する。当該増量ゲインマップM4は偏差Δqが増加するに従い増量ゲインGの値が減少するよう設定されており、当該偏差Δqが所定値以上となると増量ゲインGの値が0となるよう設定されている。つまり、当該増量ゲインGは偏差Δqaが0、即ち増圧機構60の作動開始時に最大値(例えば1)となり、当該偏差Δqaが所定値に至るまで増加するに従い値が減少する。なお、当該実施形態では、増量ゲインマップM4において増量ゲインGが0となる偏差Δqaの所定値と、上記噴射量増量フラグマップM3において噴射量増量フラグ値fが0となる偏差Δqaの所定値は一致している。
そして、上記ブロックB3で設定された基本増量噴射量Δqaddに、ブロックB5で設定された噴射量増量フラグ値f及びブロックB6で設定された増量ゲインGの値が乗算されてブロックB7において増量噴射量Δqが算出される。
ECU80は、このように算出された増量噴射量Δqを上記要求噴射量qに加えた値を目標噴射量として燃料噴射を行う。
以下、図4を参照し、具体的に当該噴射量増量制御を行ったときの各運転状態の変化について説明する。
まず、図4に示す時間t1からt2の期間では、エンジン回転速度及びアクセル開度即ち要求噴射量が図2の増圧フラグマップM1の運転領域Aにある増圧フラグOFF状態から、アクセルが踏み込まれて加速が行われることで徐々にエンジン回転速度及び燃料噴射量は増加し、それに伴いサプライポンプ14の駆動トルク及びエンジントルクも増加する。
そして、時間t2において、当該エンジン回転速度及び要求噴射量が増圧フラグマップM1の閾値以上となることで、増圧フラグON状態に切り換わり、増圧機構60の増圧制御弁74が開弁されサプライポンプ14の駆動トルクは急増する。
また、これと同時に燃料増量制御における噴射量増量フラグ値fが1に、増量ゲインGが最大値に設定され、目標噴射量は当該噴射量増量フラグ値f、増量ゲインGと基本増量噴射量Δqaddとを乗算させた増量噴射量Δq分増量される。
このように増量された目標噴射量による燃料噴射が行われることでエンジントルクは上昇し、サプライポンプ14の駆動トルクの急増が補われる。
したがって、時間t2以降、エンジントルクは従来のようなトルクの落ち込みを生じさせずにアクセル開度に応じて一定に増加する。
また、時間t2からt3の期間においては、加速が進みサプライポンプ14の駆動トルクが安定していくのと同時に、燃料増量制御における偏差Δqaは増加し増量ゲインGの値は低下していく。つまり、増量噴射量Δqの値が低下し目標噴射量は要求噴射量に近づいていく。そして、時間t3において、当該偏差Δqaが所定値に達することで増量ゲインG及び噴射量増量フラグ値fは0に設定され増量噴射量Δqの値が0となり、目標噴射量は要求噴射量と一致した値となる。
以上のように、増圧機構60を備えたコモンレール式エンジンにおいて、増圧機構60の作動が開始されたときに、上記のような噴射量増量制御を行いエンジントルクを上昇させることで、増圧機構60の作動に伴い急増するサプライポンプ14の駆動トルクを補うことができる。
また、当該噴射量増量制御は、増圧フラグマップから要求噴射量qと増圧機構60作動の閾値である所定噴射量qaとの偏差Δqaが所定値内にある場合にのみ行われるものであり、且つ増量ゲインマップM4より設定される増量ゲインGが当該偏差Δqaが増加するに従って減少することから、無駄な噴射量の増量が行われることを抑制することができる上、円滑に通常の燃料噴射制御へと移行させることができる。
また、増量噴射量Δqの基本となる基本増量噴射量Δqaddは、エンジン回転速度Neが低くなるほど、または要求噴射量qが高くなるほど値が高くなるよう設定されるため、サプライポンプ14にかかる負荷に応じて適切な増量噴射量Δqを算出することができる。
このようにして、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置では、エンジンの運転状態の安定性を保ちつつ、増圧機構60の作動に伴うサプライポンプ14の駆動トルクの急増を良好に補いエンジントルクの落ち込みを防止することでき、ドライバビリティを向上させることができる。
以上で本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態の燃料噴射装置は、ディーゼルエンジンに設けられたものであるが、当該エンジンに限られるものではない。コモンレール式の筒内噴射型ガソリンエンジン等に設けても構わない。
また、上記実施形態では、噴射量増量制御において、増量ゲインGが0となる所定値と噴射量増量フラグ値fが0となる所定値は一致しているが、双方の所定値を異なった値に設定しても構わない。
また、上記実施形態では、増量ゲインGを要求噴射量qと増圧機構60作動の閾値である所定噴射量qaとの偏差Δqaに応じて減少するよう設定しているが、当該増量ゲインGの設定は当該偏差Δqaに限るものではなく、例えば増圧機構60の作動開始からの経過時間に応じて減少するよう設定しても構わない。また、噴射量増量フラグ値fについても当該経過時間に応じて設定しても構わない。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成図である。 本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の増圧フラグマップである。 本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の増圧機構作動時に実施する燃料噴射量増量制御を示すブロック図である。 増圧機構停止状態から作動状態へ切り換わる際の運転状態を時系列的に示したタイムチャートである。
符号の説明
2 燃料タンク
12 燃料供給量調整弁
14 サプライポンプ(加圧ポンプ)
20 コモンレール
24 燃料噴射弁
30 燃料噴射機構
54 噴射制御弁
60 増圧機構
64 増圧ピストン
74 増圧制御弁
56、76 リターン路
80 ECU(増圧機構制御手段、要求噴射量算出手段、増量噴射量設定手段、燃料噴射量制御手段)
82 コモンレール圧センサ
84 クランク角センサ
86 アクセル開度センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の動力により駆動する加圧ポンプにより加圧した燃料をコモンレールに貯留し、該貯留された燃料を燃料噴射弁により内燃機関の気筒内に噴射する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記コモンレールからの燃料を加圧して前記燃料噴射弁のニードル弁側に送る増圧機構と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記増圧機構の作動及び停止の制御を行う増圧機構制御手段と、
    前記内燃機関の要求負荷に対する燃料の要求噴射量を算出する要求噴射量算出手段と、
    前記加圧ポンプの負荷に応じた増量噴射量を設定する増量噴射量設定手段と、
    前記増圧機構制御手段により前記増圧機構の作動が開始されたときに、前記要求噴射量検出手段により設定される要求噴射量に、前記増量噴射量設定手段により設定される増量噴射量を加えた値を目標噴射量として前記燃料噴射弁による燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記増圧機構制御手段は、要求噴射量に基づく閾値を設定し、前記要求噴射量算出手段により算出される要求噴射量が該閾値以上となったときに前記増圧機構の作動を開始させ、
    前記燃料噴射量制御手段は、前記閾値と前記要求噴射量算出手段により算出される要求噴射量との偏差が所定の範囲内にある場合に、前記要求噴射量検出手段により設定される要求噴射量に、前記増量噴射量設定手段により設定される増量噴射量を加えた値を目標噴射量とすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記増量噴射量設定手段は、前記閾値と前記要求噴射量算出手段により算出される要求噴射量との偏差が増加するに従い前記増量噴射量を減少側に補正することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記増量噴射量設定手段は、前記加圧ポンプの負荷を前記内燃機関の回転速度及び要求噴射量より算出するものであり、該回転速度が低くまたは該要求噴射量が多くなるほど前記増量噴射量を増加させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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