JP2008162982A - 環状フェニルアゾメチンの製造方法 - Google Patents

環状フェニルアゾメチンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化合物中に複数の官能基を導入できる環状フェニルアゾメチンの製法の提供。
【解決手段】フェニレンジアミン誘導体(1)と次式(2)のジベンゾイルベンゼン化合物を脱水縮合反応させて、鎖状中間生成物を得た後に、次式(3)のジアミノフェニル化合物と、脱水環化反応させて環状フェニルアゾメチン化合物を得る。
Figure 2008162982

Figure 2008162982

Figure 2008162982

【選択図】なし

Description

本発明は、環状フェニルアゾメチンの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、一つの化合物中に複数種の官能基を有する環状フェニルアゾメチンの製造方法に関するものである。
環状フェニルアゾメチンは、フェニル環とC=Nの2重結合の連鎖を有する環状化合物で、クラウンエーテルやカリックスアレーンなどの環状化合物と同様に、金属配位能を有する。したがって、イオンセンサー素子をはじめとする多くの用途が期待されている。
従来、環状フェニルアゾメチンは、アミノベンゾフェノン化合物の脱水縮合や、ジベンゾイルベンゼン化合物とフェニレンジアミン化合物の脱水縮合により合成されている(特許文献1、特許文献2)。しかし、このような方法では、1または2の官能基を有する化合物が得られるものの、3以上の官能基を有する環状フェニルアゾメチンを得ることはできなかった。
特開2001−158778 特開2004−189949
そこで、本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の限界を克服し、化合物中に複数の官能基を導入することができる環状フェニルアゾメチンの製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するものとして、少なくとも、次式(1)
Figure 2008162982
(式中のR1 は、置換基を有していてもよいフェニル基を示す)
で表わされるフェニレンジアミン化合物と、次式(2)
Figure 2008162982
(式中のR2、R3およびR4 は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェニル基を示す)
で表わされるジベンゾイルベンゼン化合物を、ルイス酸と塩基の存在下に脱水縮合反応させて、アゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物を得た後に
、次式(3)
Figure 2008162982
(式中のR5 およびR6は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェニ
ル基を示し、Raは官能基を表す)
で表わされるジアミノフェニル化合物と、脱水環化反応させて環状フェニルアゾメチン化合物を得ることを特徴とする環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法を提供する。
この出願の発明は、第2には、少なくとも、次式(4)
Figure 2008162982
(式中のR7 およびR8は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェ
ニル基を示し、Rbは官能基を表す)
で表わされるジアミノフェニル化合物と、次式(5)
Figure 2008162982
(式中のR9、R10およびR11 は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェニル基を示す)
で表わされるジベンゾイルベンゼン化合物を、ルイス酸と塩基の存在下に脱水縮合反応させ、アゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物を得た後に、次式(6)
Figure 2008162982
(式中のR12 およびR13は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェ
ニル基を示し、Rcは官能基を表す)
で表わされるジアミノフェニル化合物と、脱水環化反応させて環状フェニルアゾメチン化合物を得ることを特徴とする環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法を提供する。
さらに、この出願の発明は、第3には、前記の鎖状中間生成物を得る工程と環状フェニルアゾメチン化合物を得る工程の間に、前記鎖状中間生成物にジアミノフェニル化合物を
脱水縮合反応させ、前記鎖状中間体生成物の鎖長を伸長し、官能基を導入する工程を有することを特徴とする環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法を、第4には、前記の鎖状中間生成物にジアミノフェニル化合物を脱水縮合反応させ、前記鎖状中間体生成物の鎖長を伸長し、官能基を導入する工程を複数回繰り返すことを特徴とする環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法を提供する。
この出願の発明は、第5には、ルイス酸が四塩化チタンである前記いずれかの環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法を、そして、第6には、塩基がジアザビシクロオクタンである前記いずれかの環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法を提供する。
上記のとおりの本発明の環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法では、ジベンゾイルベンゼン化合物とフェニレンジアミン化合物またはジアミノフェニル化合物との反応を繰り返すことにより予めアゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物を合成し、最後にこの鎖状中間生成物を環化させる。これにより、分子中に複数の同一あるいは異なる官能基を有する環状フェニルアゾメチンが得られる。
また、本発明により、高収率で効率よく環状フェニルアゾメチン化合物が得られる。
上記第1の発明の環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法は、式(1)で表されるフェニレンジアミン化合物と、式(2)で表わされるジベンゾイルベンゼン化合物を、ルイス酸と塩基の存在下に脱水縮合反応させ、アゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物を得る工程と、式(3)で表わされるジアミノフェニル化合物と、前記鎖状中間生成物を、ルイス酸と塩基の存在下に脱水環化反応させて環状フェニルアゾメチン化合物を得る工程を有することを特徴とする。
また、上記第2の発明方法では、式(4)で表わされるジアミノフェニル化合物と、式(5)で表わされるジベンゾイルベンゼン化合物を、ルイス酸と塩基の存在下に脱水縮合反応させ、アゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物を得る工程と、この鎖状中間生成物と式(6)で表わされるジアミノフェニル化合物を、ルイス酸と塩基の存在下に脱水環化反応させて環状フェニルアゾメチン化合物を得る工程を有することを特徴とする。そして、これらの工程の他に、本発明では、得られた鎖状中間生成物にジアミノフェニル化合物を脱水縮合反応させる工程を繰り返し、鎖状中間体生成物の鎖長を伸長し、同一または異なる官能基を導入する工程を脱水環化反応の前に有していてもよい。
本発明の環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法において、式(1)で表されるフェニレンジアミン化合物におけるR1、式(3)、(4)および(6)で表されるジアミノ
フェニル化合物におけるR5、R6、R7、R8、R12、R13は、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。これらのフェニル基が置換基を有する場合、このような置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、フェニル基やトルイル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、塩素、臭素などのハロゲン基が例示される。また、式(3)、(4)および(6)で表されるジアミノフェニル化合物におけるRa、Rb、Rcは、たとえば、具体的には、炭素数1〜8のアルキル直鎖や分枝鎖が例示される。
さらに、式(2)で表されるジベンゾイルベンゼン化合物におけるR2、R3、R4およ
び式(5)のジベンゾイルベンゼン化合物におけるR9、R10、R11は、各々 同一また
は別異の、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。これらのフェニル基が置換基を有する場合、このような置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、フェニル基やトルイル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、塩素、臭素などのハロゲン基が例示される。なお、このような置換基はフェニル基における2、3、5、6位のいずれの位置に結合していてもよい。
以上のとおりのこの出願の発明の環状フェニルアゾメチン誘導体の製造方法では、第1の発明において、式(1)のフェニレンジアミン化合物に対しての式(2)のジベンゾイルベンゼン化合物の使用割合は5〜20倍モルとし、脱水縮合反応によるアゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物に対しての式(3)のジフェニルアミンの化合物の使用割合は0.1〜1倍モルとすることが一般的に好ましい。
また、第2の発明においては、式(4)のジアミノフェニル化合物に対しての式(5)のジベンゾイルベンゼン化合物の使用割合は5〜20倍モルとし、脱水縮合反応によるアゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物に対しての式(6)のジアミノフェニル化合物の使用割合は0.1〜1倍モルとすることが一般的に好ましい。
また、反応条件等は特に限定されないが、いずれの反応も窒素またはアルゴン等の不活性雰囲気下で行われることが好ましい。
反応に使用される溶媒は、特に限定されず、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類など、種々の有機溶媒が好ましく適用される。より好ましくは、出発物質を溶解できるもの、例えば、クロロベンゼンである。
また、反応温度も特に限定されないが、好ましくは、脱水縮合反応や脱水環化反応が有効に進行する5×10〜20×10℃とする。
さらに、これらの環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法は、反応の粗生成物を種々の手法により精製する工程を有していてもよい。精製方法としては、例えば、水、アルコール等の有機溶媒などを用いた再沈澱、洗浄、カラム精製等の通常の化学実験操作で用いられる方法が挙げられる。
この出願の発明の環状フェニルアゾメチンにおいて使用されるルイス酸触媒としては、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化亜鉛又は塩化スズ等が挙げられる。好ましくは、四塩化チタンである。
これらのルイス酸触媒は、式(1)(3)化合物に対して、また式(4)(6)の化合物に対して1〜5倍モルとなるように使用することが好ましい。
この出願の発明の環状フェニルアゾメチンの製造方法において使用される塩基としては、アルカリ金属炭酸塩類、アルカリ金属重炭酸塩類、アルカリ金属水素化物類、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ金属アルコキシド類、又は、有機アミン類が例示される。好ましくは、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機アミン類である。
塩基の使用量については、式(1)(3)の化合物に対して、また式(4)(6)の化合物に対して5〜20倍モルとなるように使用することが好ましい。
この出願の発明の環状フェニルアゾメチンの製造方法では、前記のとおり、ジベンゾイルベンゼン化合物とフェニレンジアミン化合物またはジアミノフェニル化合物との脱水縮合反応により予めアゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物を合成する。そして、このようにして得られた鎖状中間生成物とフェニレンジアミン化合物またはジアミノフェニル化合物との脱水縮合反応を複数回繰り返し、最後に脱水環化反応を行うことにより、対称型環状フェニルアゾメチン化合物だけでなく、非対称な環状フェニルアゾメチン化合物を得ることが可能となる。
また、この出願の発明の環状フェニルアゾメチンの製造方法では、環状フェニルアゾメチン化合物中に複数の同一あるいは異なる官能基を導入することが可能となる。このような複数種の官能基を有する環状フェニルアゾメチン化合物では、各官能基の配位能の差異により、複数種の金属イオンを配位することが可能となるため、マルチイオンセンシング等の応用が期待される。
さらに、アゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物の鎖長を予め伸長させた後に環化させることから、分子量の大きな環状フェニルアゾメチン化合物の合成も可能となる。
本発明の環状フェニルアゾメチンの製造方法において、脱水縮合反応と脱水環化反応は、同一の反応物やルイス酸、塩基を使用して行われるが、鎖状中間生成物を得るか環状フェニルアゾメチン化合物を得るかは、前記のとおりの反応物の割合(モル比)によってコントロールできる。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
非対称型環状フェニルアゾメチンの合成
次の反応式(A)に従い、異なる官能基を有する非対称な形状の環状フェニルアゾメチンを合成した。
Figure 2008162982
反応は窒素雰囲気下で行った。
1 L三径フラスコに1,4−ジアミノベンゼン(500 mg : 4.6 mmol)、1,4−ジベンゾイルベンゼン(13.2 g : 46 mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(6.2 g : 55.2 mmol)を入れ、500 mlのクロロベンゼンを加えて溶解した。次に10 mlのクロロベンゼンに溶解した四塩化チタン(2.6 g : 13.8 mmol)を等圧滴下ロートを用いて滴下し、滴下終了後150℃で約12時間加熱還流した。
反応終了後、反応液を吸引ろ過し、ろ液を濃縮、減圧乾燥した。さらにシリカゲルクロマトグラフィーにより分離、精製し、濃縮、減圧乾燥して化合物Iを黄色粉末として収率29 %で得た。
500 ml三径フラスコに化合物1(300 mg : 0.47 mmol)、4
,4’−ジアミノジフェニルメタン(46.6 mg : 0.235 mmol)、および 1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(316.3 mg : 2.82 mmol)を入れ、200 mlのクロロベンゼンを加えて溶解した。次に5 mlのクロロベンゼンに溶解した四塩化チタン(133.7 mg : 0.705 mmol)を等圧滴下ロートを用いて滴下し、滴下終了後150℃で約2時間加熱還流した。
その後、反応液に4,4’−ジアミノジフェニルメタン(93.2 mg : 0.47 mmol)、 1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(316.3 mg
: 2.82 mmol)を追加し、5 mlのクロロベンゼンに溶解した四塩化チタン(133.7 mg : 0.705 mmol)を等圧滴下ロートを用いて滴下した。滴下終了後、約12時間加熱還流し、再びこの反応液に4,4’−ジアミノジフェニルメタン(46.6 mg : 0.235 mmol)、 1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(316.3 mg : 2.82 mmol)を追加し、5 mlのクロロベンゼンに溶解した四塩化チタン(133.7 mg : 0.705 mmol)を等圧滴下ロートを用いて滴下した。約2時間の加熱還流を行い、反応終了後、反応液を吸引ろ過し、ろ液を濃縮、減圧乾燥した。その後シリカゲルクロマトグラフィーによって分離、精製し、濃縮、減圧乾燥して目的物(化合物a)を黄色の粉末として得た(収率44 %)。
同定結果を表1に示した。
Figure 2008162982
対称型環状フェニルアゾメチンの合成
次の反応式(B)に従い、対称な環状フェニルアゾメチンを合成した。
Figure 2008162982
反応は窒素雰囲気下で行った。
2 L三径フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルメタン(2 g : 10.09
mmol)、1,4−ジベンゾイルベンゼン(28.9 g : 100.9 mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(13.6 g : 121.08 mmol)を入れ、1.2 Lのクロロベンゼンを加えて溶解した。
その後10 mlのクロロベンゼンに溶解した四塩化チタン(5.74 g : 30.27 mmol)を等圧滴下ロートを用いて滴下し、滴下終了後150℃で約12時間
加熱還流した。
反応終了後、反応液を吸引ろ過し、ろ液を濃縮、減圧乾燥した。さらにシリカゲルクロマトグラフィーにより分離、精製し、濃縮、減圧乾燥して化合物IIを黄色粉末粉として収率16 %で得た。
500 ml三径フラスコに化合物2(354.4 mg : 0.47 mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(46.6 mg : 0.235 mmol)、 1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(316.3 mg : 2.82
mmol)を入れ、200 mlのクロロベンゼンを加えて溶解した。次いで5 mlのクロロベンゼンに溶解した四塩化チタン(133.7 mg : 0.705 mmol)を等圧滴下ロートを用いて滴下し、滴下終了後150℃で約2時間加熱還流した。
次に反応液に4,4’−ジアミノジフェニルメタン(93.2 mg : 0.47 mmol)、 1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(316.3 mg :
2.82 mmol)を追加し、5 mlのクロロベンゼンに溶解した四塩化チタン(133.7 mg : 0.705 mmol)を等圧滴下ロートを用いて滴下した。
滴下終了後、約12時間加熱還流した後、再びこの反応液に4,4’−ジアミノジフェニルメタン(46.6 mg : 0.235 mmol)、 1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(316.3 mg : 2.82 mmol)を追加し、5 mlのクロロベンゼンに溶解した四塩化チタン(133.7 mg : 0.705 mmol)を等圧滴下ロートを用いて滴下した。このまま約2時間の加熱還流を行い、反応終了後、反応液を吸引ろ過し、ろ液を濃縮、減圧乾燥した。
次にシリカゲルクロマトグラフィーによって分離、精製し、濃縮、減圧乾燥して目的物(化合物b)を黄色の粉末として得た(収率71 %)。
同定結果を表2に示した。
Figure 2008162982
非対称型の環状フェニルアゾメチンへの金属イオンの配位をUV−Vis測定により確認した。
アセトニトリル:ジクロロメタン=1:1の溶媒に実施例1で得られた化合物a(10μM)を溶解し、アセトニトリルに溶解した10 mMの塩化スズ(0〜20当量)を滴定しながらUV−Vis測定を行った。結果を図1に示した。
この吸収波長の変化により、非対称型環状フェニルアゾメチンのイミン部位に塩化スズが配位することが確認された。
対称型環状フェニルアゾメチンへの金属イオンの配位をUV−Vis測定により確認した。
アセトニトリル:ジクロロメタン=1:1の溶媒に実施例2で得られた化合物b(10μM)を溶解し、アセトニトリルに溶解した10 mMの塩化スズ(0〜40当量)を滴定しながらUV−Vis測定を行った。結果を図2に示した。
この吸収波長の変化より、対称型環状フェニルアゾメチンのイミン部位に塩化スズが配位することが確認された。
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、分子中に複数の同一あるいは異なる官能基を有する環状フェニルアゾメチンを得る方法が提供される。
実施例3におけるUV−Vis測定図である。 実施例4におけるUV−Vis測定図である。

Claims (6)

  1. 少なくとも、次式(1)
    Figure 2008162982
    (式中のR1 は、置換基を有していてもよいフェニル基を示す)
    で表わされるフェニレンジアミン化合物と、次式(2)
    Figure 2008162982
    (式中のR2、R3およびR4 は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェニル基を示す)
    で表わされるジベンゾイルベンゼン化合物を、ルイス酸と塩基の存在下に脱水縮合反応させて、アゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物を得た後に、次式(3)
    Figure 2008162982
    (式中のR5 およびR6は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェニ
    ル基官能基を示し、Raは官能基を表す)
    で表わされるジアミノフェニル化合物と、脱水環化反応させて環状フェニルアゾメチン化合物を得ることを特徴とする環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法。
  2. 少なくとも、次式(4)
    Figure 2008162982
    (式中のR7 およびR8は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェ
    ニル基官能基を示し、Rbは官能基を表す)
    で表わされるジアミノフェニル化合物と、次式(5)
    Figure 2008162982
    (式中のR9、R10およびR11 は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェニル基を示す)
    で表わされるジベンゾイルベンゼン化合物を、ルイス酸と塩基の存在下に脱水縮合反応させて、アゾメチン結合とともに両端部にカルボニル基を有する鎖状中間生成物を得た後に、次式(6)
    Figure 2008162982
    (式中のR12 およびR13は、各々、同一または別異の、置換基を有していてもよいフェ
    ニル基官能基を示し、Rcは官能基を表す)
    で表わされるジアミノフェニル化合物と、脱水環化反応させて環状フェニルアゾメチン化合物を得ることを特徴とする環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法。
  3. 鎖状中間生成物を得る工程と環状フェニルアゾメチン化合物を得る工程の間に、前記鎖状中間生成物にジアミノフェニル化合物を脱水縮合反応させ、前記鎖状中間体生成物の鎖長を伸長し、官能基を導入する工程を有することを特徴とする請求項1または2の環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法。
  4. 鎖状中間生成物にジアミノフェニル化合物を脱水縮合反応させ、前記鎖状中間体生成物の鎖長を伸長し、官能基を導入する工程を複数回繰り返すことを特徴とする請求項3の環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法。
  5. ルイス酸は四塩化チタンである請求項1ないし4のいずれかの環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法。
  6. 塩基はジアザビシクロオクタンである請求項1ないし5のいずれかの環状フェニルアゾメチン化合物の製造方法。
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