JP2008157744A - 溶融物の粒状化促進装置及び原子炉格納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融物の粒状化促進装置及び原子炉格納容器において、原子炉から落下する溶融物を適正に粒状化して早期に冷却することで安全性の向上を図る。
【解決手段】内部に筒形状をなすコンクリート構造物54を形成し、このコンクリート構造物54により加圧水型原子炉12を垂下して支持すると共に、この加圧水型原子炉12に蒸気発生器13を連結し、加圧水型原子炉12の下方にキャビティ55を設けて原子炉格納容器11を構成し、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に加圧水型原子炉12から落下するデブリの粒状化を促進する粒状化部材62を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原子力発電プラントで事故が発生した場合に、溶融炉心を粒状化して冷却する溶融物の粒状化促進装置、並びに、この溶融物の粒状化促進装置が装備された原子炉格納容器に関するものである。
原子力発電プラントの一つとして、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)があり、この加圧水型原子炉では、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電している。
このような加圧水型原子炉にて、原子炉格納容器は、岩盤等の堅固な地盤上に立設され、鉄筋コンクリートなどにより内部に複数のコンパートメントが区画されている。そして、このコンパートメントを画成する筒形状をなすコンクリート構造物により、中心部に原子炉容器が垂下して支持され、その下方にキャビティが画成されている。この原子炉にて、原子炉容器内には、複数の燃料棒の間に所定数の制御棒が挿入されて格子状に配列された燃料集合体が所定数格納されている。
このように構成された原子力発電プラントにて、冷却材喪失事故(LOCA)または過渡事象(トランジェント)が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉を冷却することで発生する熱を十分に除去するようにしている。ところが、この緊急炉心冷却装置が故障すると、原子炉を冷却することができず、原子炉容器の内部の炉心が溶融し、溶融した燃料などの溶融物(デブリ)がこの原子炉容器を溶かし、下部を貫通してキャビティへ落下する。一般的には、このような事故に備えて、炉心の溶融物が原子炉容器より流出したときに、流出した溶融物をキャビティにて受け止め、冷却して安全性を確保するものが、例えば、下記特許文献1〜4として開示されている。
特許文献1に記載された原子炉炉心捕捉装置は、原子炉容器の下に溶融破片を受け入れるドーム状の漏斗部材とこの漏斗部材を囲むレンガ層の炉心破片容器を配置したものである。特許文献2,3に記載された溶融炉心の冷却装置は、圧力容器の直下に溶融炉心を受ける容器または凹型状吸熱部を設け、ヒートパイプにより冷却可能としたものである。特許文献4に記載された原子炉格納施設保全の保護装置は、原子炉容器の下方に溶融炉心材料を粒状化すると共に冷却する水を充満するプールを設けたものである。特許文献5に記載されたデブリ捕捉機構は、原子炉容器の下側に原子炉キャビティ及び通風用のダクトを配設し、ここに溶融物が飛散しないように捕捉する飛散防止手段を設けたものである。
特公昭59−016675号公報 特開昭60−047988号公報 特開昭60−047989号公報 特表平04−505214号公報 特開2004−117102号公報
上述した特許文献1〜3は、原子炉容器の下に溶融破片を受け入れる容器を設けたり、この容器内の溶融破片を冷却するものであるが、原子炉容器を貫通して落下した溶融物を容器で受け止めると、この溶融物が容器内で一体となって大型化し、内部まで早期に冷却することが困難となる。また、特許文献4,5は、原子炉容器の下方に水が充満するプールを設け、溶融炉心材料をこのプールに落下させて粒状化すると共に冷却するものであるが、この場合であっても、原子炉容器を貫通して落下した溶融物がプールに山状に堆積し、この溶融物が一体となって大型化し、内部まで早期に冷却することが困難となる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、原子炉から落下する溶融物を適正に粒状化して早期に冷却することで安全性の向上を図った溶融物の粒状化促進装置及び原子炉格納容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の溶融物の粒状化促進装置は、原子炉とキャビティとの間に、前記原子炉から落下する溶融物を複数に分断可能な分断手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項2の発明の溶融物の粒状化促進装置では、前記分断手段は、複数の貫通孔が形成された分断部材を有することを特徴としている。
請求項3の発明の溶解物の粒状化促進装置では、前記分断部材は、中央部が下方に突出する湾曲形状をなし、前記複数の貫通孔は下方に向かって放射状をなして形成されることを特徴としている。
請求項4の発明の溶解物の粒状化促進装置では、前記原子炉と前記分断手段との間に原子炉容器の一部を一時的に支持可能な支持部材を設けることを特徴としている。
また、請求項5の発明の原子炉格納容器は、内部に原子炉が収容されると共に、前記原子炉の下方にキャビティが設けられる原子炉格納容器において、前記原子炉と前記キャビティとの間に、前記原子炉からの溶融物における粒状化を促進する粒状化促進手段を設けることを特徴とするものである。
請求項6の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化促進手段は、複数の貫通孔が形成された粒状化部材を有することを特徴としている。
請求項7の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化部材は、中央部が下方に突出する湾曲形状をなし、前記複数の貫通孔は下方に向かって放射状をなして形成されることを特徴としている。
請求項8の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化部材は、外周部がコンクリート構造物の壁面に埋設されて支持されることを特徴としている。
請求項9の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化部材は、外周部がコンクリート構造物の壁面に一体形成されたフランジ部により支持されることを特徴としている。
請求項10の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化部材は、外周部がコンクリート構造物の壁面に固定された支持片により支持されることを特徴としている。
請求項11の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化部材は、下面部が前記キャビティの底面から立設された脚部により支持されることを特徴としている。
請求項12の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化促進手段は、螺旋状の通路が形成された粒状化部材を有することを特徴としている。
請求項13の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化部材は、外周部がコンクリート構造体に支持される一方、内周部側が下方に傾斜した螺旋板により構成されることを特徴としている。
請求項14の発明の原子炉格納容器では、前記粒状化促進手段は、鉛直方向に沿った回転軸心をもった複数の攪拌翼を有することを特徴としている。
請求項15の発明の原子炉格納容器では、前記複数の攪拌翼は、前記原子炉からの溶融物の落下に伴って旋回自在であることを特徴としている。
請求項16の発明の原子炉格納容器では、前記原子炉と前記粒状化促進手段との間に原子炉容器の一部を一時的に支持可能な支持部材を設けることを特徴としている。
請求項17の発明の原子炉格納容器では、前記支持部材は、前記原子炉容器の一部を一時的に支持可能であると共に、この一時的に支持した前記原子炉容器が溶融して分断された部材が落下可能な貫通孔を有することを特徴としている。
請求項1の発明の溶融物の粒状化促進装置によれば、原子炉とキャビティとの間に原子炉から落下する溶融物を複数に分断可能な分断手段を設けたので、原子炉から落下する溶融物は、分断手段により複数に分断されながらキャビティに落下することとなり、原子炉から落下する溶融物の粒状化を促進して早期に冷却することで、安全性の向上を図ることができる。
請求項2の発明の溶融物の粒状化促進装置によれば、分断手段は複数の貫通孔が形成された分断部材を有するので、原子炉から落下する溶融物を簡単な構成で容易に分断することができ、溶融物の粒状化を促進して早期に冷却することができる。
請求項3の発明の溶融物の粒状化促進装置によれば、分断部材は中央部が下方に突出する湾曲形状をなし、複数の貫通孔を下方に向かって放射状をなして形成するので、原子炉から落下する溶融物が分断部材により複数の貫通孔を通って放射状をなして下方に分断されることとなり、溶融物の粒状化を効率良く促進することができる。
請求項4の発明の溶融物の粒状化促進装置によれば、原子炉と分断手段との間に原子炉容器の一部を一時的に支持可能な支持部材を設けるので、落下する原子炉容器の一部が支持部材により一時的に支持され、この原子炉容器の一部が溶融して支持部材から落下すると、この落下する溶融物が分断手段によりを複数に分断されてからキャビティに落下することとなり、原子炉容器の一部が直接分断手段に至ることがなく、この分断手段の破損等を防止することができる。
また、請求項5の発明の原子炉格納容器によれば、内部に原子炉を収容すると共に原子炉の下方にキャビティを設けて原子炉格納容器を構成し、原子炉とキャビティとの間に原子炉からの溶融物における粒状化を促進する粒状化促進手段を設けるので、原子炉から落下する溶融物は、粒状化促進手段により粒状化が促進されてからキャビティに落下することとなり、原子炉から落下する溶融物を適正に粒状化して早期に冷却することで、安全性の向上を図ることができる。
請求項6の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化促進手段は複数の貫通孔が形成された粒状化部材を有するので、原子炉から落下する溶融物を簡単な構成で容易に粒状化することができ、早期に冷却することができる。
請求項7の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化部材は中央部が下方に突出する湾曲形状をなし、複数の貫通孔を下方に向かって放射状をなして形成するので、原子炉から落下する溶融物が粒状化部材により複数の貫通孔を通って放射状をなして下方に粒状化されることとなり、溶融物の粒状化を効率良く促進することができる。
請求項8の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化部材は外周部がコンクリート構造物の壁面に埋設されて支持されるので、別部材を不要として粒状化部材を簡単に支持することで、低コスト化を図ることができる。
請求項9の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化部材は外周部がコンクリート構造物の壁面に一体形成されたフランジ部により支持されるので、コンクリート構造物の壁面に事前にフランジ部を一体形成することで、粒状化部材を容易に装着することができ、施工性を向上することができる。
請求項10の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化部材は外周部がコンクリート構造物の壁面に固定された支持片により支持されるので、コンクリート構造物の壁面に事前に支持片を固定することで、粒状化部材を容易に装着することができ、施工性を向上することができる。
請求項11の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化部材は下面部がキャビティの底面から立設された脚部により支持されるので、コンクリート構造物の壁面を加工することなく、脚部により粒状化部材を支持することとなり、粒状化部材を容易に装着することができる。
請求項12の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化促進手段は螺旋状の通路が形成された粒状化部材を有するので、原子炉から落下する溶融物が螺旋状の通路を通ることで粒状化されることとなり、溶融物の粒状化を効率良く促進することができる。
請求項13の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化部材は外周部がコンクリート構造体に支持される一方、内周部側が下方に傾斜した螺旋板により構成されるので、螺旋板がコンクリート構造体に支持され、別部材を不要として簡単に支持することで、低コスト化を図ることができる。
請求項14の発明の原子炉格納容器によれば、粒状化促進手段は鉛直方向に沿った回転軸心をもった複数の攪拌翼を有するので、原子炉から落下する溶融物が複数の攪拌翼を通ることで粒状化されることとなり、溶融物の粒状化を効率良く促進することができる。
請求項15の発明の原子炉格納容器によれば、複数の攪拌翼は原子炉からの溶融物の落下に伴って旋回自在であるので、原子炉から溶融物が落下するとき、この溶融物の落下に伴って複数の攪拌翼が旋回することで粒状化されることとなり、溶融物の粒状化を効率良く促進することができる。
請求項16の発明の原子炉格納容器によれば、原子炉と粒状化促進手段との間に原子炉容器の一部を一時的に支持可能な支持部材を設けるので、落下する原子炉容器の一部が支持部材により一時的に支持され、大きな塊の形状を保持した状態で原子炉容器の一部が粒状化促進手段に至ることがなく、この粒状化促進手段の破損等を防止することができる。
請求項17の発明の原子炉格納容器によれば、支持部材は原子炉容器の一部を一時的に支持可能であると共に、この一時的に支持した原子炉容器が溶融し、分断された部材が落下可能な貫通孔を有するので、落下する原子炉容器の一部が支持部材により一時的に支持され、この原子炉容器の一部が溶融すると、その溶融物が貫通孔を通して粒状化促進手段に対して落下することとなり、粒状化促進手段に対して比較的大きな溶融物が落下することはなく、破損等を防止することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る溶融物の粒状化促進装置及び原子炉格納容器の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置の概略構成図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、図1のIII−III断面図、図4は、実施例1の原子炉格納容器が適用された原子力発電プラントを表す概略構成図、図5は、加圧水型原子炉の炉心構造を表す概略図、図6は、実施例1の原子炉格納容器の概略構成図である。
実施例1の原子力発電プラントに適用された原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
即ち、この加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図4に示すように、原子炉格納容器11内には、加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは冷却水配管14,15を介して連結されており、冷却水配管14に加圧器16が設けられ、冷却水配管15に冷却水ポンプ17が設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により150〜160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持した状態で冷却水配管14を通して蒸気発生器に送られる。この蒸気発生器13では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
蒸気発生器13は、原子炉格納容器11の外部に設けられたタービン18及び復水器19と冷却水配管20,21を介して連結されており、冷却水配管21に給水ポンプ22が設けられている。また、タービン18には発電機23が接続され、復水器19には冷却水(例えば、海水)を給排する取水管24及び排水管25が連結されている。従って、蒸気発生器13にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管20を通してタービン18に送られ、この蒸気によりタービン18を駆動して発電機23により発電を行う。タービン18を駆動した蒸気は、復水器19で冷却された後、冷却水配管21を通して蒸気発生器13に戻される。
また、加圧水型原子炉12において、図5に示すように、原子炉容器31は、その内部に炉内構造物が挿入できるように、原子炉容器本体32とその上部に装着される原子炉容器蓋33により構成されており、この原子炉容器本体32に対して原子炉容器蓋33が開閉可能となっている。原子炉容器本体32は、上部が開口して下部閉塞された円筒形状をなし、内面に熱遮蔽材34が固定されており、上部に一次冷却水を給排する入口ノズル35及び出口ノズル36が形成されている。
この原子炉容器本体32内にて、上下の炉心板37,38に挟まれた形状で炉心39が形成されており、内部に多数の燃料集合体40が挿入されている。この炉心39は、燃料の取替順序を考慮して3つ乃至4つの領域(新燃料、1サイクル照射燃料、2サイクル照射燃料、3サイクル照射燃料)に区分されており、且つ、90度の対称性を維持するように設計されている。また、上部炉心板37の上部には支柱41を介して上部炉心支持板42が固定され、この上部炉心支持板42と上部炉心板37との間に多数の制御棒クラスタ案内管43が支持されている。更に、原子炉容器蓋33に制御棒駆動装置45が支持されており、各制御棒クラスタ駆動軸46は制御棒クラスタ案内管43内を通って燃料集合体40まで延出され、下部に制御棒クラスタ(制御棒)47が取付けられている。
一方、下部炉心板38の下部には下部炉心支持板48が固定され、この下部炉心支持板48に炉内計装案内管49が支持されている。
従って、制御棒駆動装置45により制御棒クラスタ47を移動して燃料集合体40に図示しない制御棒を挿入することで、炉心39内での核分裂を制御し、発生した熱エネルギにより原子炉容器31内に充填された一次冷却水が加熱され、高温の一次冷却水が出口ノズル36から排出され、上述したように、蒸気発生器13に送られる。即ち、燃料集合体40を構成する燃料としてのウランまたはプルトニウムが核分裂することで中性子を放出し、減速材及び一次冷却水としての軽水が、放出された高速中性子の運動エネルギを低下させて熱中性子とし、新たな核分裂を起こしやすくすると共に、発生した熱を奪って冷却する。また、制御棒クラスタ47を燃料集合体40に挿入することで、炉心39内で生成される中性子数を調整し、また、原子炉を緊急に停止するときには炉心に急速に挿入される。
上述した原子力発電プラントの原子炉格納容器11は、図6に示すように、岩盤等の堅固な地盤51上に立設され、鉄筋コンクリートなどにより内部に複数のコンパートメント、例えば、上部コンパートメント52及び蒸気発生器ループ室53が区画されている。原子炉格納容器11内の中央部に、この上部コンパートメント52及び蒸気発生器ループ室53を画成する筒形状をなすコンクリート構造物54が形成されており、このコンクリート構造物54により加圧水型原子炉12(原子炉容器31)が垂下して支持されている。そして、上部コンパートメント52には加圧水型原子炉12が配置され、蒸気発生器ループ室53には蒸気発生器13が配置され、冷却水配管14,15により連結されている。
また、原子炉格納容器11内には、コンクリート構造物54により原子炉容器31の下方に位置してキャビティ55が画成されており、このキャビティ55は、ドレンライン56を介して蒸気発生器ループ室53に連通している。そして、原子炉格納容器11には、キャビティ55に冷却水位を供給する消火水注入ライン57が設けられ、この消火水注入ライン57は、基端部が消火水供給設備58に連結される一方、先端部がキャビティ55に連通している。
このように構成された原子炉格納容器11にて、本実施例では、図1乃至図3に示すように、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61が設けられると共に、加圧水型原子炉12から落下する溶融物(以下、デブリと称する。)を複数に分断可能な分断手段を有する粒状化促進手段としての粒状化部材(分断部材)62が設けられている。
この支持部材61は、複数の支持棒61aが格子状に組み合わされることで、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能であると共に、原子炉容器31が溶融したデブリが落下可能な複数の貫通孔61bが形成されている。一方、粒状化部材62は、中央部が下方に突出する湾曲板形状をなし、複数の貫通孔62aが下方に向かって放射状をなして形成されている。つまり、粒状化部材62は、複数の貫通孔62aが法線状に形成されている。
また、支持部材61は、複数の支持棒61aの端部がコンクリート構造物54の壁面に埋設されて支持されており、溶融炉心を含む原子炉容器31の一部(例えば、300t)を支持可能な強度を有している。一方、粒状化部材62は、同様に、外周部がコンクリート構造物54の壁面に埋設されて支持されており、2800℃程度のデブリの温度を上回る融点を有する素材により形成されている。例えば、粒状化部材62を、二ホウ化ジルコニウム(ZrB2)、タングステンカーバイト(WC)、チタンカーバイト(TiC)などにより構成することが望ましい。
従って、原子力発電プラントの原子炉格納容器11にて、冷却材喪失事故または過渡事象が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉を冷却することで発生する熱を十分に除去するが、この緊急炉心冷却装置が故障すると、加圧水型原子炉12を冷却することができず、原子炉容器31の内部の炉心が溶融し、デブリがこの原子炉容器31を溶かして落下してしまう。
このとき、原子炉容器31の内部の炉心が溶融し、デブリの発する崩壊熱により原子炉容器31の下部が破損、分離して落下した場合、デブリを含んで落下した原子炉容器31の下部は、支持部材61に受け止められて支持される。続いて、支持部材61で支持された原子炉容器31の下部にて、内部のデブリによりこの原子炉容器31の下部も溶融し、デブリが支持部材61の各貫通孔61bから落下し、粒状化部材62に受け止められる。そして、この粒状化部材62により受け止められたデブリは、各貫通孔62aから放射状をなして複数に分断されてキャビティ55内に落下する。
冷却材喪失事故が発生時に、ドレンライン56または消火水注入ライン57からキャビティ55内に冷却水が供給されて充満されており、粒状化部材62から落下したデブリは、冷却水により除熱る。この場合、粒状化部材62により分断されたデブリは、各貫通孔62aからキャビティ55内に放射状に落下するため、冷却水内で早期に除熱されることで、分断されたデブリ同士の再癒着が阻止される。
このように実施例1の原子炉格納容器にあっては、内部に筒形状をなすコンクリート構造物54を形成し、このコンクリート構造物54により加圧水型原子炉12を垂下して支持すると共に、この加圧水型原子炉12に蒸気発生器13を連結し、加圧水型原子炉12の下方にキャビティ55を設けて原子炉格納容器11を構成し、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に加圧水型原子炉12から落下するデブリの粒状化を促進する粒状化部材62を設けている。
従って、加圧水型原子炉12から落下するデブリは、粒状化部材62に受け止められ、複数の貫通孔62aから複数に分断され、粒状化が促進されながらキャビティ55に落下することとなり、加圧水型原子炉12から落下するデブリを分断してからキャビティ55内の冷却水で除熱されるため、このデブリを適正に粒状化して早期に冷却することができ、その結果、安全性の向上を図ることができる。
また、本実施例では、粒状化部材62に複数の貫通孔62aを形成することで、加圧水型原子炉12から落下するデブリがこの複数の貫通孔62aにより分断されるため、簡単な構成で容易に粒状化することができ、早期に冷却することができる。更に、この粒状化部材62は、中央部が下方に突出する湾曲形状をなし、複数の貫通孔62aを下方に向かって放射状をなして形成することで、デブリが複数の貫通孔62aを通って放射状をなして下方に落下して粒状化されることとなり、デブリの粒状化を効率良く促進することができる。
また、本実施例の原子炉格納容器では、加圧水型原子炉12と粒状化部材62との間に原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61を設けている。従って、落下する原子炉容器31の一部が支持部材61により一時的に支持され、この原子炉容器31の一部が溶融して支持部材61から落下すると、この落下するデブリが粒状化部材62によりを粒状化されてからキャビティ55に落下することとなり、原子炉容器31の一部が直接粒状化部材62に至ることがなく、破損等を防止することができる。
そして、支持部材61に、一時的に支持して分断された原子炉容器31のデブリが落下可能な貫通孔61bを形成することで、落下する原子炉容器31の一部が支持部材61により一時的に支持され、この原子炉容器31の一部が溶融すると、そのデブリが貫通孔61bを通して粒状化部材62に対して落下することとなり、粒状化部材62に対して比較的大きなデブリが落下することはなく、破損等を防止することができる。
また、支持部材61を、複数の支持棒61aの端部がコンクリート構造物54の壁面に埋設された格子状に形成すると共に、粒状化部材62を、外周部がコンクリート構造物54の壁面に埋設することで、別部材を不要として支持部材61と粒状化部材62を簡単に支持することで、低コスト化を図ることができる。
図7は、本発明の実施例2に係る原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置の概略構成図、図8及び図9は、実施例2の原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置における粒状化部材の支持構造の変形例を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の原子力発電プラントに適用された原子炉格納容器11にて、図7に示すように、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61が設けられると共に、加圧水型原子炉12から落下するデブリを複数に分断して粒状化を促進する粒状化部材62が設けられている。
この支持部材61は、複数の支持棒61aが格子状に組み合わされることで、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能であると共に、原子炉容器31が溶融したデブリが落下可能な複数の貫通孔61bが形成されている。一方、粒状化部材62は、中央部が下方に突出する湾曲板形状をなし、複数の貫通孔62aが下方に向かって放射状をなして形成されている。
また、コンクリート構造物54の壁面には、リング形状をなす上フランジ部71及び下フランジ部72が上下に所定間隔をもって形成されている。そして、支持部材61は、複数の支持棒61aの端部がこの上フランジ部71上に支持されている。一方、粒状化部材62は、外周部が下フランジ部72上に支持されている。
なお、支持部材61及び粒状化部材62の支持構造は、上述した構造に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、コンクリート構造物54の壁面に、楔形状をなす複数の上支持片73を周方向にほぼ均等間隔で固定すると共に、楔形状をなす複数の下支持片74を周方向にほぼ均等間隔で固定し、上支持片73と下支持片74とを上下に所定間隔をもって配置する。そして、支持部材61の複数の支持棒61aの端部をこの上支持片73上に支持し、粒状化部材62の外周部を下支持片74上に支持する。この場合、各支持片73,74を扇形状や円板形状に形成してもよい。また、図9に示すように、キャビティ55の底面から複数の脚部75を立設し、粒状化部材62の下面をこの複数の脚部75により支持する。
従って、原子力発電プラントの原子炉格納容器11にて、冷却材喪失事故または過渡事象が発生した場合、緊急炉心冷却装置が故障したとき、原子炉容器31の内部の炉心が溶融し、デブリの発する崩壊熱により原子炉容器31の下部が破損、分離して落下すると、落下した原子炉容器31の下部が支持部材61に受け止められて支持される。その後、支持部材61で支持された原子炉容器31の下部にて、内部のデブリによりこの原子炉容器31も溶融し、デブリとなって支持部材61の各貫通孔61bから落下すると、粒状化部材62により受け止められる。そして、この粒状化部材62により受け止められたデブリは、各貫通孔62aから放射状をなして複数に分断されてキャビティ55内に落下する。
事前に、ドレンライン56または消火水注入ライン57からキャビティ55内に冷却水が供給されて充満されており、粒状化部材62から放射状に分断されて落下したデブリは、冷却水により除熱されると共に、デブリ同士の再癒着が阻止される。
このように実施例2の原子炉格納容器にあっては、内部に筒形状をなすコンクリート構造物54を形成し、このコンクリート構造物54により加圧水型原子炉12を垂下して支持すると共に、この加圧水型原子炉12の下方にキャビティ55を設け、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61と、加圧水型原子炉12から落下するデブリを複数に分断して粒状化を促進する粒状化部材62を設けている。
従って、溶融して落下する原子炉容器31の下部が支持部材61により一時的に支持され、この原子炉容器31の下部が溶融すると、デブリとなって落下して粒状化部材62に受け止められ、複数の貫通孔62aから複数に分断され、粒状化が促進されながらキャビティ55に落下することとなり、加圧水型原子炉12から落下するデブリを分断してからキャビティ55内の冷却水で除熱されるため、このデブリを適正に粒状化して早期に冷却することができ、その結果、安全性の向上を図ることができる。
また、本実施例にて、支持部材61及び粒状化部材62を、コンクリート構造物54の壁面に一体形成されたフランジ部71,72により支持することで、コンクリート構造物54の壁面に事前にフランジ部71,72を一体形成するだけで、支持部材61及び粒状化部材62を容易に装着することができ、施工性を向上することができる。
更に、本実施例にて、支持部材61及び粒状化部材62を、コンクリート構造物54の壁面に固定された支持片73,74により支持することで、コンクリート構造物54の壁面に事前に支持片73,74を固定するだけで、支持部材61及び粒状化部材62を容易に装着することができ、施工性を向上することができる。
また、本実施例にて、粒状化部材62を、キャビティ55の底面から立設された脚部75により支持することで、コンクリート構造物54の壁面を加工することなく、脚部75により粒状化部材62を支持することとなり、この粒状化部材62を容易に装着することができる。
図10は、本発明の実施例3に係る原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置の概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の原子力発電プラントに適用された原子炉格納容器11にて、図10に示すように、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61が設けられると共に、加圧水型原子炉12から落下するデブリを複数に分断可能な分断手段を有する粒状化促進手段としての粒状化部材(分断部材)81が設けられている。
この粒状化部材81は、外周部がコンクリート構造体54に固定されて支持される一方、内周部側が下方に傾斜して楔形状をなす螺旋板82により構成されることで、螺旋状をなす通路83が形成される。
なお、粒状化部材81の支持構造は、上述した構造に限定されるものではなく、コンクリート構造物54の壁面にフランジ部を一体に形成してこのフランジ部により粒状化部材81の外周部を支持したり、楔形状をなす支持片を固定してこの支持片により粒状化部材81の外周部を支持したり、キャビティ55の底面から脚部を立設してこの脚部により粒状化部材81を支持してもよい。
従って、原子力発電プラントの原子炉格納容器11にて、冷却材喪失事故または過渡事象が発生した場合、緊急炉心冷却装置が故障したとき、原子炉容器31の内部の炉心が溶融し、デブリの発する崩壊熱により原子炉容器31の下部が破損、分離して落下すると、落下した原子炉容器31の下部が支持部材61に受け止められて支持される。その後、支持部材61で支持された原子炉容器31の下部にて、内部のデブリによりこの原子炉容器31も溶融し、デブリとなって支持部材61から落下すると、粒状化部材81により受け止められる。そして、この粒状化部材81の上面により受け止められたデブリは、螺旋板82上を螺旋状に移動しながら、この螺旋板82における内周部側の突起部に接触することで四方に分散され、螺旋状の通路83を通ってキャビティ55内に落下する。
事前に、ドレンライン56または消火水注入ライン57からキャビティ55内に冷却水が供給されて充満されており、粒状化部材81から分散されて落下したデブリは、冷却水により除熱されると共に、デブリ同士の再癒着が阻止される。
このように実施例3の原子炉格納容器にあっては、内部に筒形状をなすコンクリート構造物54を形成し、このコンクリート構造物54により加圧水型原子炉12を垂下して支持すると共に、この加圧水型原子炉12の下方にキャビティ55を設け、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61と、加圧水型原子炉12から落下するデブリを複数に分散して粒状化を促進する粒状化部材81を設けている。
従って、溶融して落下する原子炉容器31の下部が支持部材61により一時的に支持され、この原子炉容器31の下部が溶融すると、デブリとなって落下して粒状化部材81に受け止められ、デブリが螺旋板82上を螺旋状に移動しながら、この螺旋板82における内周部側の突起部に接触することで、四方に分散されてキャビティ55内に落下することとなり、加圧水型原子炉12から落下するデブリを分散してからキャビティ55内の冷却水で除熱されるため、このデブリを適正に粒状化して早期に冷却することができ、その結果、安全性の向上を図ることができる。
図11は、本発明の実施例4に係る原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置の概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の原子力発電プラントに適用された原子炉格納容器11にて、図11に示すように、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61が設けられると共に、加圧水型原子炉12から落下するデブリを複数に分断可能な分断手段を有する粒状化促進手段としての攪拌翼91が設けられている。
この攪拌翼91にて、キャビティ55の底部には、支持盤92,93により支持軸94,95が立設されており、各支持軸94,95には、軸受部96,97を介して複数の羽根98,99が取付けられている。そのため、攪拌翼91は、複数の羽根98,99が鉛直方向に沿った回転軸心をもって回転可能であり、加圧水型原子炉12からのデブリの落下に伴って旋回自在となっている。
従って、原子力発電プラントの原子炉格納容器11にて、冷却材喪失事故または過渡事象が発生した場合、緊急炉心冷却装置が故障したとき、原子炉容器31の内部の炉心が溶融し、デブリの発する崩壊熱により原子炉容器31の下部が破損、分離して落下すると、落下した原子炉容器31の下部が支持部材61に受け止められて支持される。その後、支持部材61で支持された原子炉容器31の下部にて、内部のデブリによりこの原子炉容器31も溶融し、デブリとなって支持部材61から落下すると、攪拌翼91に至る。ここで、デブリの落下に伴って攪拌翼91が旋回することで、デブリが複数の羽根98,99により四方に分散されてキャビティ55内に落下する。
事前に、ドレンライン56または消火水注入ライン57からキャビティ55内に冷却水が供給されて充満されており、攪拌翼91により分散されて落下したデブリは、冷却水により除熱されると共に、デブリ同士の再癒着が阻止される。
このように実施例4の原子炉格納容器にあっては、内部に筒形状をなすコンクリート構造物54を形成し、このコンクリート構造物54により加圧水型原子炉12を垂下して支持すると共に、この加圧水型原子炉12の下方にキャビティ55を設け、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61と、加圧水型原子炉12から落下するデブリを複数に分散して粒状化を促進する攪拌翼91を設けている。
従って、溶融して落下する原子炉容器31の下部が支持部材61により一時的に支持され、この原子炉容器31の下部が溶融すると、デブリとなって落下して攪拌翼91に至り、デブリが複数の羽根98,99により四方に分散されてキャビティ55内に落下することとなり、加圧水型原子炉12から落下するデブリを分散してからキャビティ55内の冷却水で除熱されるため、このデブリを適正に粒状化して早期に冷却することができ、その結果、安全性の向上を図ることができる。
なお、上述した各実施例では、加圧水型原子炉12とキャビティ55との間に、原子炉容器31の一部を一時的に支持可能な支持部材61と、加圧水型原子炉12から落下するデブリを分断して粒状化を促進する粒状化部材62,81、攪拌翼91をそれぞれ設けたが、この構成に限定されるものではない。例えば、支持部材61をなくして粒状化部材62,81、攪拌翼91だけを設けてもよく、この場合、粒状化部材62,81の強度を十分に確保することで、支持部材61を兼ねるように構成してもよい。
また、上述した各実施例では、本発明の溶融物の粒状化促進装置及び原子炉格納容器を加圧水型原子炉に適用して説明したが、沸騰型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)に適用することもでき、軽水炉であれば、いずれの原子炉に適用してもよい。
本発明に係る溶融物の粒状化促進装置及び原子炉格納容器は、原子炉から落下する溶融物を適正に粒状化して早期に冷却することで安全性の向上を図ったものであり、いずれの種類の原子力発電プラントにも適用することができる。
本発明の実施例1に係る原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置の概略構成図である。 図1のII−II断面図である。 図1のIII−III断面図である。 実施例1の原子炉格納容器が適用された原子力発電プラントを表す概略構成図である。 加圧水型原子炉の炉心構造を表す概略図である。 実施例1の原子炉格納容器の概略構成図である。 本発明の実施例2に係る原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置の概略構成図である。 実施例2の原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置における粒状化部材の支持構造の変形例を表す概略構成図である。 実施例2の原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置における粒状化部材の支持構造の変形例を表す概略構成図である。 本発明の実施例3に係る原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置の概略構成図である。 本発明の実施例4に係る原子炉格納容器に適用された溶融物の粒状化促進装置の概略構成図である。
符号の説明
11 原子炉格納容器
12 加圧水型原子炉
13 蒸気発生器
31 原子炉容器
54 コンクリート構造体
55 キャビティ
61 支持部材
62,81 粒状化部材(分断手段、粒状化促進手段)
62a 貫通孔
71,72 フランジ部
73,74 支持片
75 脚部
82 螺旋板
83 通路
91 攪拌翼
94,95 支持軸
98,99 羽根

Claims (17)

  1. 原子炉とキャビティとの間に、前記原子炉から落下する溶融物を複数に分断可能な分断手段を設けたことを特徴とする溶融物の粒状化促進装置。
  2. 請求項1に記載の溶解物の粒状化促進装置において、前記分断手段は、複数の貫通孔が形成された分断部材を有することを特徴とする溶解物の粒状化促進装置。
  3. 請求項2に記載の溶解物の粒状化促進装置において、前記分断部材は、中央部が下方に突出する湾曲形状をなし、前記複数の貫通孔は下方に向かって放射状をなして形成されることを特徴とする溶解物の粒状化促進装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の溶解物の粒状化促進装置において、前記原子炉と前記分断手段との間に原子炉容器の一部を一時的に支持可能な支持部材を設けることを特徴とする粒状化促進装置。
  5. 内部に原子炉が収容されると共に、前記原子炉の下方にキャビティが設けられる原子炉格納容器において、前記原子炉と前記キャビティとの間に、前記原子炉からの溶融物における粒状化を促進する粒状化促進手段を設けることを特徴とする原子炉格納容器。
  6. 請求項5に記載の原子炉格納容器において、前記粒状化促進手段は、複数の貫通孔が形成された粒状化部材を有することを特徴とする原子炉格納容器。
  7. 請求項6に記載の原子炉格納容器において、前記粒状化部材は、中央部が下方に突出する湾曲形状をなし、前記複数の貫通孔は下方に向かって放射状をなして形成されることを特徴とする原子炉格納容器。
  8. 請求項5から7のいずれか一つに記載の原子炉格納容器において、前記粒状化部材は、外周部がコンクリート構造物の壁面に埋設されて支持されることを特徴とする原子炉格納容器。
  9. 請求項5から7のいずれか一つに記載の原子炉格納容器において、前記粒状化部材は、外周部がコンクリート構造物の壁面に一体形成されたフランジ部により支持されることを特徴とする原子炉格納容器。
  10. 請求項5から7のいずれか一つに記載の原子炉格納容器において、前記粒状化部材は、外周部がコンクリート構造物の壁面に固定された支持片により支持されることを特徴とする原子炉格納容器。
  11. 請求項5から7のいずれか一つに記載の原子炉格納容器において、前記粒状化部材は、下面部が前記キャビティの底面から立設された脚部により支持されることを特徴とする原子炉格納容器。
  12. 請求項5に記載の原子炉格納容器において、前記粒状化促進手段は、螺旋状の通路が形成された粒状化部材を有することを特徴とする原子炉格納容器。
  13. 請求項12に記載の原子炉格納容器において、前記粒状化部材は、外周部がコンクリート構造体に支持される一方、内周部側が下方に傾斜した螺旋板により構成されることを特徴とする原子炉格納容器。
  14. 請求項5に記載の原子炉格納容器において、前記粒状化促進手段は、鉛直方向に沿った回転軸心をもった複数の攪拌翼を有することを特徴とする原子炉格納容器。
  15. 請求項14に記載の原子炉格納容器において、前記複数の攪拌翼は、前記原子炉からの溶融物の落下に伴って旋回自在であることを特徴とする原子炉格納容器。
  16. 請求項5から15のいずれか一つに記載の原子炉格納容器において、前記原子炉と前記粒状化促進手段との間に原子炉容器の一部を一時的に支持可能な支持部材を設けることを特徴とする原子炉格納容器。
  17. 請求項16に記載の原子炉格納容器において、前記支持部材は、前記原子炉容器の一部を一時的に支持可能であると共に、この一時的に支持した前記原子炉容器が溶融して分断された部材が落下可能な貫通孔を有することを特徴とする原子炉格納容器。
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