JP2008153754A - 半導体集積回路 - Google Patents

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康 志津木
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Abstract

【課題】本発明は、Ser/Des回路において、休眠ステートからパワーアップの状態へ遷移した際の受信エラーを減少できるようにする。
【解決手段】たとえば、受信機21が、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0に遷移したとする。すると、リセット制御回路21mは、ディレイ回路21m-1によって、PLL31からのシステムクロックのカウントを開始する。そして、ディレイ回路21m-1がXサイクルをカウントした後に、リセット制御回路21mは、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fのリセットを解除するように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体集積回路に関するもので、たとえば、GHz級の高速入出力(I/O)インターフェースに用いて好適なSer/Des(シリアライズ/デシリアライズ)回路に関する。
近年、半導体集積回路のI/Oインターフェースが高速化し、GHz帯のデータを取り扱う必要がでてきた。この高速のI/Oインターフェースに用いて好適な送受信機が、既に提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
上記した従来の送受信機は、送信機(TX)、受信機(RX)、および、PLL(Phase Locked Loop)を有して構成されている。送信機は、データ処理回路から与えられる低速かつパラレルな形態の送信データを、高速かつシリアルな形態に変換する。受信機は、送信されてきた高速かつシリアルな形態の受信データを、リカバリ(復元)クロックを用いて低速かつパラレルな形態に変換し、データ処理回路に出力する。送信機および受信機は、PLLを共通のクロック源として用いている。
上記受信機には、クロック データ リカバリ(Clock Data Recovery;CDR)回路が設けられている。このCDR回路は、位相比較器、シリアル/パラレル変換器、ディジタルフィルタ、制御回路、および、位相分割器を備えている。このCDR回路は負帰還ループ回路となっており、位相比較器に入力される受信データとリカバリクロックとの位相の関係が最もマージンを有するような、リカバリクロックの位相を生成することができるようになっている。
ところで、送受信機には、消費電力をなるべく低く抑えるために、CML(Current Mode Logic)で構成される回路の動作を止め、送受信機を休眠状態とする休眠ステート(低消費電力モード)を備えたものがある。すなわち、この送受信機においては、たとえば休眠ステート時に、位相比較器、シリアル/パラレル変換器、ディジタルフィルタ、制御回路、および、位相分割器の動作を止めることによって、電力(電流)の消費を抑えることが可能とされている。
しかしながら、従来の送受信機には、受信機を、この休眠ステートからパワーアップの状態(完全動作ステートもしくはスタンバイステート)に遷移させた際に、正常に受信データを受信できない場合が発生するという問題があった。
このような受信エラーを招く原因としては、以下のようなことが考えられる。たとえば、リカバリクロックを生成する位相分割器において、リカバリクロックの生成に供されるクロック信号(ICLK,QCLK)を得るためのバッファアンプ、および、CML1/2分周器を備える場合、この位相分割器が備えるバッファアンプは一般的に消費電流が大きい。そのため、パワーアップの状態へ遷移した後、クロック信号(ICLK,QCLK)を出力するまでに数十nsec程度の時間を要する。この間、CML1/2分周器がフリーラン(Free Run)することによって、ディジタルブロック(ディジタルフィルタおよび制御回路)には、そのFmaxを超えるクロック信号が入力されるためと考えられる。または、電源立ち上げ時に発生するシリアル/パラレル変換器からの不良データ(いわゆる、ゴミデータ)がディジタルフィルタに入力される結果、制御回路内のステートマシンが破壊されて、正常に復帰しなくなるためと考えられる。
特開2005−257376号公報
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたもので、休眠ステートでの電力の消費を抑えつつ、休眠ステートからパワーアップの状態へ遷移した際の受信エラーの発生を減少させることが可能な半導体集積回路を提供することを目的としている。
本願発明の一態様によれば、シリアルな形態の受信データを、パラレルな形態のデータに変換するシリアル/パラレル変換器と、前記受信データの位相に一致した位相を有するリカバリクロックを生成するリカバリクロック生成回路と、前記受信データと前記リカバリクロックとの位相を比較するディジタルフィルタと、前記ディジタルフィルタでの比較結果に応じて、前記リカバリクロック生成回路の動作タイミングを制御するリカバリクロック制御回路と、前記リカバリクロック制御回路および前記ディジタルフィルタのリセットを解除するタイミングを、ステートが休眠の状態からパワーアップの状態へ遷移するタイミングよりも遅らせるリセット回路とを具備したことを特徴とする半導体集積回路が提供される。
上記の構成により、休眠ステートでの電力の消費を抑えつつ、休眠ステートからパワーアップの状態へ遷移した際の受信エラーの発生を減少させることが可能な半導体集積回路を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的なものであり、各図面の寸法および比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係および/または比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。特に、以下に示すいくつかの実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置などによって、本発明の技術思想が特定されるものではない。この発明の技術思想は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にしたがった半導体集積回路の基本構成を示すものである。なお、ここでは、半導体集積回路の高速I/O(入出力)インターフェースに用いて好適な送受信機として、South Bridgeで使用されるSer/Des(シリアライズ/デシリアライズ)回路を例に説明する。
図1に示すように、このSer/Des回路は、送信機(TX)11、受信機(RX)21、および、PLL(Phase Locked Loop)31を有して構成されている。送信機11は、データ処理回路(図示していない)から与えられる低速かつパラレルな形態の送信データを、高速かつシリアルな形態に変換して外部に出力する。受信機21は、送信されてきた高速かつシリアルな形態の受信データを、リカバリ(復元)クロック(Recovered Clock)を用いて低速かつパラレルな形態に変換し、データ処理回路に出力する。送信機11および受信機21は、PLL31を共通のクロック源として用いている。
本実施形態の場合、送信機11、受信機21、および、PLL31は同一チップ内に内蔵され、チップの外部には、PLL31が用いる参照周波数(Reference Clock)を発生するための参照周波数源41が設けられている。PLL31は、参照周波数源41からの参照周波数をもとにクロック信号(System Clock)を生成するとともに、位相が0度と90度の基準クロック信号を生成するようになっている。
図2は、上記した受信機21の基本構成を示すものである。ここでは、Phase Interpolator(PI)方式によりリカバリクロックの生成を行うように構成した場合について説明する。
図2に示すように、受信機21は、リカバリクロックを生成するためのCDR(Clock Data Recovery)回路を含んでいる。このCDR回路は、レシーバ(Receiver)21a、サンプラー(Sampler)21b、位相検出器(Phase Detector)21c、シリアル/パラレル変換器(Deserializer)21d、ディジタルフィルタ(Clock Recovery Digital Filter)21e、PI制御回路(リカバリクロック制御回路)21f、分周器(Divider)21g、1/2分周器であるバッファ回路(divider)21h、混合器(Phase Interpolator)21i、バッファアンプ21j,21k、リセット(Reset)制御回路21m、および、パワー(Power)制御回路21nを備えている。
なお、バッファ回路21hおよび混合器21iによって、リカバリクロック生成回路が構成されている。また、バッファ回路21h、混合器21i、および、バッファアンプ21j,21kは、上記した位相分割器を構成するものである。また、レシーバ21a、サンプラー21b、位相検出器21c、シリアル/パラレル変換器21d、ディジタルフィルタ21e、PI制御回路21f、分周器21g、バッファ回路21h、混合器21i、および、バッファアンプ21j,21kの各ブロックは、いずれもCML(Current Mode Logic)によって構成されている。ただし、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fは、ディジタルブロックである。
レシーバ21aは、高速かつシリアルな形態の受信データを内部に取り込んで、その振幅を調整したり、増幅したりするものである。
サンプラー21bは、レシーバ21aからの受信データをリカバリクロックによりリタイム(サンプリング)するものである。
位相検出器21cは、リカバリクロックと受信データとの位相関係が最適値から進んでいるか、遅れているかを検出するものである。リカバリクロックが最適値よりも進んでいる場合にはダウン信号(DN)を、遅れている場合にはアップ信号(UP)を、リカバリデータ(RD)とともに、シリアル/パラレル変換器21dに出力する。
シリアル/パラレル変換器21dは、位相検出器21cからのリカバリデータおよびアップ信号またはダウン信号を低速化し、低速かつパラレルな形態のデータ(Data)および信号に変換するものである。この低速かつパラレルな形態のデータは、図示していないデータ処理回路に送られる。
ディジタルフィルタ21eは、受信データとリカバリクロックとの位相を比較するもので、より具体的には、シリアル/パラレル変換器21dによってパラレル化されたアップ信号またはダウン信号を平均化し、ある一定の時間間隔において、アップ信号またはダウン信号のどちらが多いかを比較するものである。このアップ信号またはダウン信号は、PI制御回路21fに送られる。
PI制御回路21fは、リカバリクロック生成回路の動作タイミングを制御するもので、たとえばカウンタ回路(Counter)21f-1とステートマシン(State Machine)21f-2とを有している。カウンタ回路21f-1は、ディジタルフィルタ21eからのアップ信号またはダウン信号をカウントする。ステートマシン21f-2は、カウンタ回路21f-1からのカウント出力(カウント値)にしたがって、位相の異なるクロック信号を混合させる際の比率を決定するための位相制御信号を生成する。この位相制御信号は、混合器21iに送られる。
分周器21gは、バッファ回路21hからのリカバリクロックを分周し、シリアル/パラレル変換器21d、ディジタルフィルタ21e、PI制御回路21f、および、リセット制御回路21mに与えるものである。
バッファアンプ21jは、PLL31より供給される、位相が0度の基準クロック信号から、位相が180度のクロック信号(ICLK)を生成し、それを混合器21iに出力するものである。
バッファアンプ21kは、PLL31より供給される、位相が90度の基準クロック信号から、位相が270度のクロック信号(QCLK)を生成し、それを混合器21iに出力するものである。
混合器21iは、PI制御回路21fからの位相制御信号にもとづいて、バッファアンプ21j,21kより供給されるクロック信号ICLK,QCLKを混合させるものである。
バッファ回路21hは、混合器21iによって混合されたクロック信号を分割し、特定の位相を有するリカバリクロックを生成するものである。このリカバリクロックは、サンプラー21b、位相検出器21c、シリアル/パラレル変換器21d、および、分周器21gに送られる。バッファ回路21hは、たとえば、その入力にACカップリング用コンデンサを含む、Common mode Bias発生回路および1/2 Dividerを有して構成されている(図示していない)。
リセット制御回路21mは、受信機21の状態(パワーステート)を、パワーアップの状態(完全動作ステート(Full Operation State)もしくはスタンバイステート)P0から休眠ステートP1に遷移させた際に、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fにリセットをかけるためのものである。また、このリセット制御回路21mは、PLL31からのシステムクロックにしたがって動作するディレイ回路(Delay)21m-1を有している。このディレイ回路21m-1は、PLL31からのシステムクロックをカウントするカウンタ回路であって、受信機21を、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0に遷移させた際に、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fのリセットの解除のタイミングに一定時間(Xサイクル)だけディレイをかけるものである。
パワー制御回路21nは、受信機21を構成する各ブロックへの動作電圧の供給(Power_on)を、パワーステートに応じて制御するものである(ただし、この図においては、便宜上、バッファアンプ21j,21kに動作電圧を与える場合のみを例示している)。
上記したように、CDR回路は負帰還ループ回路となっており、位相検出器21cに入力される受信データとリカバリクロックとの位相の関係が最もマージンを有するような、リカバリクロックの位相を生成することができるようになっている。
図3は、上記した構成を有する受信機21の動作を説明するために示すものである。ここでは、受信機21を、休眠ステートからパワーアップの状態に、パワーステートを遷移させた際の動作について説明する。
受信機21の、パワーステート遷移時の動作について説明する前に、この受信機21は2つのパワーステート、つまり、パワーアップの状態P0および休眠ステートP1を有している。パワーアップの状態P0とは、通常の、完全動作ステートもしくはスタンバイステートであり、休眠ステートP1とは、それ以外の、消費電力をなるべく低く抑えるための低消費電力モードである。すなわち、休眠ステートP1時には、CMLによって構成される、たとえばレシーバ21a、サンプラー21b、位相検出器21c、シリアル/パラレル変換器21d、ディジタルフィルタ21e、PI制御回路21f、分周器21g、バッファ回路21h、混合器21i、および、バッファアンプ21j,21kの動作を止めることによって、電力(電流)の消費を抑えることが可能となっている。
図3に示すように、この休眠ステートP1時において、リセット制御回路21mおよびパワー制御回路21nに対し、たとえば図示していないモード制御回路よってパワーアップの状態P0の設定が指示されたとする。すると、パワー制御回路21nは、直ちに、各ブロックにフル動作を開始させるための動作電圧を供給する。これにより、消費電流が大きいバッファアンプ21j,21kにも十分な動作電圧が供給される。
一方、リセット制御回路21mにおいては、ディレイ回路21m-1によってPLL31からのシステムクロックのカウントを開始する。そして、Xサイクルをカウントした後に、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fのリセットを解除する。その他の、低消費電力モードとされている各ブロックについては、パワーステートを遷移させた際に直ちにリセットを解除する。
つまり、パワーステートの遷移時に、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0への遷移タイミングに対し、CDR回路における、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fのリセットを解除するタイミングを遅らせる。この場合、遅らせるディレイ量(Xサイクル)としては、たとえば、PI制御回路21fに正確にリカバリクロックが入力されるのに十分な時間で、かつ、受信機21のバイアス系が完全に立ち上がるのに必要な時間が望ましい。これにより、受信機21がパワーアップの状態P0へ遷移した後、バッファアンプ21j,21kから正常なクロック信号ICLK,QCLKが出力されるまでの間にバッファ回路21hがフリーランしたとしても、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fに、そのFmaxを超えるクロック信号が入力されるのを防ぐことが可能となる。同時に、電源立ち上げ時に発生するシリアル/パラレル変換器21dからの不良データが、ディジタルフィルタ21eに入力されるのを防ぐことが可能となる。このため、その不良データによって、PI制御回路21f内のステートマシン21f-2が破壊されるのを未然に防止できるようになる。
以降、CDR回路において、位相検出器21cに入力される受信データとリカバリクロックとの位相の関係が最もマージンを有するような、リカバリクロックの生成が安定に行われる。
上記したように、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fのリセットを解除するタイミングを、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0への遷移タイミングよりも遅らせるようにしている。すなわち、バッファアンプ21j,21kから出力されるクロック信号ICLK,QCLKが十分に安定した後に、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fを起動させるようにしている。これにより、ディジタルフィルタ21eおよびPI制御回路21fに、そのFmaxを超えるクロック信号が入力されたり、ディジタルフィルタ21eに入力される不良データによって、PI制御回路21f内のステートマシン21f-2が破壊されるのを防ぐことが可能となる。したがって、休眠ステートP1での電力(電流)の消費を抑えることができるのみでなく、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0へ遷移した際の受信エラーの発生をも減少させることが可能となるものである。
なお、上記した実施形態において、不良データがPI制御回路21fおよびディジタルフィルタ21eに入力されるのを防ぐために、PI制御回路21fおよびディジタルフィルタ21eと同様に、位相検出器21c、シリアル/パラレル変換器21d、分周器21gのすべて、もしくは、いずれかにリセット制御回路21mによるリセットがかけられるように構成されたものにも適用できる。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態にしたがった、半導体集積回路の高速I/Oインターフェースに用いて好適な送受信機における受信機の基本構成を示すものである。ここでは、図1に示したSouth Bridgeで使用されるSer/Des回路の受信機を例に、VCO(Voltage Controlled Oscillator)を用いてリカバリクロックの生成を行うように構成した場合について説明する。なお、図2と同一部分には同一符号を付して、詳しい説明は割愛する。
図4に示すように、受信機21AはCDR回路を含んでいる。このCDR回路は、レシーバ21a、サンプラー21b、位相検出器21c、シリアル/パラレル変換器21d、ディジタルフィルタ21e、リセット制御回路21m、VCO(リカバリクロック生成回路)21o、VCO位相追従制御回路(リカバリクロック制御回路)21p、VCO周波数追従制御回路21q、位相周波数検出器(Phase Frequency Detector)21r、および、クロック分周器(Clock Divider)21s,21tを備えている。
なお、位相検出器21c、シリアル/パラレル変換器21d、ディジタルフィルタ21e、VCO21o、VCO位相追従制御回路21p、および、クロック分周器21tによって位相追随ループが、VCO21o、VCO位相追従制御回路21p、VCO周波数追従制御回路21q、位相周波数検出器21r、および、クロック分周器21sによって周波数追随ループが、それぞれ構成されている。
VCO21oは、VCO位相追従制御回路21pおよびVCO周波数追従制御回路21qによって制御され、その発振動作に応じたリカバリクロックを生成するものである。このリカバリクロックは、位相検出器21c、および、クロック分周器21s,21tに送られる。
VCO位相追従制御回路21pは、VCO21oの動作タイミングを制御するもので、たとえばカウンタ回路およびステートマシン(いずれも、図示していない)を有している。カウンタ回路は、ディジタルフィルタ21eからのアップ信号UPまたはダウン信号DNをカウントする。ステートマシンは、カウンタ回路からのカウント出力(カウント値)にしたがって、リカバリクロックの位相を制御するための制御信号を生成する。この制御信号は、VCO21oに送られる。
VCO周波数追従制御回路21qは、位相周波数検出器21rからの検出出力にしたがって、リカバリクロックの周波数を制御するための制御信号を生成する。この制御信号は、VCO21oに送られる。
位相周波数検出器21rは、外部の参照周波数源41からのリファレンスクロックおよびクロック分周器21sの出力を取り込んで、リファレンスクロックとリカバリクロックとの位相および周波数の差を検出するものである。この検出出力は、VCO周波数追従制御回路21qに送られる。
クロック分周器21s,21tは、VCO21oからのリカバリクロックを分周するもので、クロック分周器21sの出力は位相周波数検出器21rに、クロック分周器21tの出力は、シリアル/パラレル変換器21d、ディジタルフィルタ21e、および、VCO位相追従制御回路21pに、それぞれ供給される。
リセット制御回路21mは、PLL31からのシステムクロックにしたがって動作するディレイ回路21m-1を有している。このディレイ回路21m-1は、PLL31からのシステムクロックをカウントするカウンタ回路であって、受信機21Aを、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0に遷移させた際に、位相追随ループの各ブロック、たとえば、位相検出器21c、ディジタルフィルタ21e、VCO位相追従制御回路21p、および、クロック分周器21tのリセットの解除のタイミングに一定時間(Xサイクル)だけディレイをかけるものである。
上記したように、VCO21oを制御することによってリカバリクロックを生成する方式の受信機21Aの場合も、CDR回路は負帰還ループ回路となっており、位相検出器21cに入力される受信データとリカバリクロックとの位相の関係が最もマージンを有するような、リカバリクロックの位相を生成することができるようになっている。
ただし、この受信機21Aの場合、VCO21oは、休眠ステートP1時であってもオン状態のままである。そして、周波数追随ループをオン状態に設定することによって、あらかじめリカバリクロックの周波数がリファレンスクロックの周波数に合致させられる。
一方、パワーアップの状態P0時では、位相追随ループだけがオン状態に設定される(周波数追随ループによる周波数の追随は特に行われない)。しかしながら、このパワーアップの状態P0時においては、VCO位相追従制御回路21pに多くの電流が流れるので、VCO21oにかかる電圧が変動し、VCO21oの発振周波数が変化する。これにより、VCO位相追従制御回路21pに、VCO位相追従制御回路21pのFmaxを超える周波数が加えられる可能性がある。
そこで、たとえば図5に示すように、受信機21Aを、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0へと、パワーステートを遷移させた際に、ディレイ回路21m-1によってPLL31からのシステムクロックのカウントを開始する。そして、一定時間(Xサイクル)を経過した後に、休眠ステートP1の設定により低消費電力モードとされている、位相追随ループを構成する各ブロック(CDR)のリセットを解除する。低消費電力モードとされている他のブロックについては、パワーステートを遷移させた際に、直ちにリセットを解除する。こうすることによって、VCO位相追従制御回路21p内のステートマシンを、Fmaxを超える周波数の供給による破壊から保護できるようになる。
つまり、パワーステートの遷移時に、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0への遷移タイミングに対し、位相検出器21c、ディジタルフィルタ21e、VCO位相追従制御回路21p、および、クロック分周器21tのリセットを解除するタイミングをXサイクルだけ遅らせる。これにより、受信機21Aがパワーアップの状態P0へ遷移した後に、VCO位相追従制御回路21p内のステートマシンが破壊されるのを未然に防止できるようになる。したがって、休眠ステートP1での電力(電流)の消費を抑えることができるのみでなく、休眠ステートP1からパワーアップの状態P0へ遷移した際の受信エラーの発生をも減少させることが可能となるものである。
なお、本実施形態の場合、位相検出器21c、ディジタルフィルタ21e、VCO位相追従制御回路21p、および、クロック分周器21tのリセットを解除するタイミング(ディレイ量)としては、システムクロックのサイクル(パルス)数をカウントすることにより制御する場合に限らない。たとえば図6に示すように、受信機21Bが休眠ステートP1からパワーアップの状態P0へ遷移した後に、リセット制御回路21mが、VCO周波数追従制御回路21qからの周波数追随ループが安定したことを示す周波数安定信号を受け取ることにより、たとえばディジタルフィルタ21eおよびVCO位相追従制御回路21pのリセットを解除するように構成することも可能である。このような構成とした場合には、リセット制御回路21mのディレイ回路21m-1を省略することができる。
また、本実施形態のいずれの形態においても、位相検出器21c、ディジタルフィルタ21e、VCO位相追従制御回路21p、および、クロック分周器21tと同様に、シリアル/パラレル変換器21dに対しても、リセット制御回路21mによるリセットがかけられるように構成されたものにも適用できる。
その他、本願発明は、上記(各)実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記(各)実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、(各)実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明の第1の実施形態にしたがった半導体集積回路(Ser/Des回路)の構成例を示すブロック図。 図1に示したSer/Des回路における受信機の構成例を示すブロック図。 図2に示した受信機の、休眠ステートからパワーアップの状態に遷移させた際の動作について説明するために示すタイミングチャート。 本発明の第2の実施形態にしたがった、半導体集積回路(Ser/Des回路)における受信機の構成例を示すブロック図。 図4に示した受信機の、休眠ステートからパワーアップの状態に遷移させた際の動作について説明するために示すタイミングチャート。 図4に示した受信機の、他の構成例を示すブロック図。
符号の説明
21,21A,21B…受信機、21c…位相検出器、21d…シリアル/パラレル変換器、21e…ディジタルフィルタ、21f…PI制御回路、21f-2…ステートマシン、21m…リセット制御回路、21m-1…ディレイ回路、21o…VCO、21p…VCO位相追従制御回路、21q…VCO周波数追従制御回路、21r…位相周波数検出器、21s,21t…クロック分周器、31…PLL。

Claims (5)

  1. シリアルな形態の受信データを、パラレルな形態のデータに変換するシリアル/パラレル変換器と、
    前記受信データの位相に一致した位相を有するリカバリクロックを生成するリカバリクロック生成回路と、
    前記受信データと前記リカバリクロックとの位相を比較するディジタルフィルタと、
    前記ディジタルフィルタでの比較結果に応じて、前記リカバリクロック生成回路の動作タイミングを制御するリカバリクロック制御回路と、
    前記リカバリクロック制御回路および前記ディジタルフィルタのリセットを解除するタイミングを、ステートが休眠の状態からパワーアップの状態へ遷移するタイミングよりも遅らせるリセット回路と
    を具備したことを特徴とする半導体集積回路。
  2. 前記リセット回路は、外部より供給されるシステムクロックのサイクル数をカウントし、所定のカウント出力にともなって、前記リカバリクロック制御回路および前記ディジタルフィルタのリセットを解除することを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
  3. 前記リカバリクロック生成回路は、Phase Interpolator(位相補間)方式により構成された回路ブロックを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
  4. 前記リカバリクロック生成回路は、Voltage Controlled Oscillator(VCO)により構成された回路ブロックを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
  5. 前記リセット回路は、前記VCOを制御する周波数追随ループからの周波数安定信号の供給にともなって、前記リカバリクロック制御回路および前記ディジタルフィルタのリセットを解除することを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路。
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