JP2008152914A - 情報記憶媒体、情報記録方法及び装置、情報再生方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定して確実に欠陥情報及び欠陥管理情報を管理することができ、製品の信頼性を装置及び記憶媒体の両面で向上することができる。
【解決手段】情報記録媒体には、システムリードイン領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が内周から順次確保され、これらの領域にはランド、グルーブが交互に形成されており、前記グルーブは振幅変調され、この変調情報によって物理アドレスが割つけられており、前記システムリードイン領域は、そのランド上に記録される記録情報がスライスレベル検出方式に適合し、前記データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域は、そのランド上に記録される記録情報がパーシャルレスポンスマキシマムライクリーフッド(PRML)方式による高密度記録に適合した記録形態であり、少なくとも前記データリードイン領域及びデータ領域の欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域(DMA)が前記データリードイン領域に確保されている。
【選択図】 図12
【解決手段】情報記録媒体には、システムリードイン領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が内周から順次確保され、これらの領域にはランド、グルーブが交互に形成されており、前記グルーブは振幅変調され、この変調情報によって物理アドレスが割つけられており、前記システムリードイン領域は、そのランド上に記録される記録情報がスライスレベル検出方式に適合し、前記データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域は、そのランド上に記録される記録情報がパーシャルレスポンスマキシマムライクリーフッド(PRML)方式による高密度記録に適合した記録形態であり、少なくとも前記データリードイン領域及びデータ領域の欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域(DMA)が前記データリードイン領域に確保されている。
【選択図】 図12
Description
本発明は情報記憶媒体(若しくは情報記録媒体)と、該媒体を用いた情報記録方法及び装置、情報再生方法及び装置に関し、欠陥管理に関して有効な技術を提供する。
このような情報記憶媒体としてはDVD(digital versatile disk)と呼ばれる光ディスクがある。現行のDVDの規格としては、読み出し専用のDVD−ROM規格、追記型のDVD−R規格、書換え(1000回程度)型のDVD−RW、書換え(10000回以上)型のDVD−RAM規格がある。
現行のDVDのECCブロックは1個の積符号構造になっている(特許文献1参照)。
近年、このような光ディスクに高密度化の種々の提案があるが、高密度化に伴い、線密度も詰まるので、現行のDVD規格のECCブロック構造をそのまま利用すると、許容されるエラーのバースト長が現行のDVDよりも短くなり、ゴミ、傷に弱くなるという問題がある。
記録可能なDVD規格では、リードイン領域の内側に記録中断時の中間情報(記録位置管理情報)を記録する(特許文献2参照)。記録中断が発生する毎に対応して必ず1回ずつ中間情報を追記する必要がある。高密度になり、記録するデータが大容量化するに伴い、記録中断の回数も増えるため、中間情報のデータ量も増える。記録データの編集の利便性を考慮して、記録データと中間情報はそれぞれ専用の別の領域に記録されるので、記録データの記録領域に空きがあっても、記録中断の発生頻度が増加すると、リードイン領域よりも内側に指定された中間情報の記録場所が飽和し、中間情報の記録場所が消滅し、記録が不可能になる。その結果、現行の規格では、1枚の光ディスク(情報記憶媒体)当たりに許容される記録中断の上限回数が限定され、ユーザの利便性を損なうと言う問題が発生する。
また光ディスクなどの情報記憶媒体は、ユーザデータを格納するためのユーザエリアを備えており、このユーザエリア中に発生する欠陥を補償するための仕組みを持っている。このような仕組みは、交替処理と呼ばれている。この交替処理に関する情報、即ち欠陥管理情報を管理するエリアは、DMA(Defect Management Area)と呼ばれている。情報記録媒体のうちDVD−RAMは、10万回以上のオーバーライトが可能である。このようなオーバーライトに対する耐久性が極めて高い媒体が有するDMAに対して数万回オーバーライトが実行されても、DMAの信頼性は揺るがない。例えば、光ディスク上にDMAを複数配置することにより、DMAの信頼性の向上を図る技術が知られている。
特許第3071828号公報
特許第2621459号公報
特開平9−213011号公報
USP6,496,455
このように従来の情報記憶媒体のECCブロックは1個の積符号構造になっているので、高密度化すると、許容されるエラーのバースト長が短くなり、ゴミ、傷に弱くなるという問題がある。
また、記録可能な情報記憶媒体においては、記録中断回数の上限が限定され、利便性が損なわれるという問題点がある。
また、情報記録媒体のうちオーバーライト許容回数が比較的少ない(数十から数千)媒体の場合、このような媒体が有するDMAに対するオーバーライトが問題となる。つまり、オーバーライトに伴いこのような媒体が有するDMAはダメージを受け易い。
この問題は、DMAが複数配置されていても、夫々のDMAは一括してオーバーライトを受けるため、一つのDMAがオーバーライトによりダメージを受ける場合、他のDMAも同様にダメージを受けてしまうことになる。
DMAには上記したように欠陥管理情報が格納されており、DMAがダメージを受けると、DMAから欠陥管理情報が読み出せなくなってしまう。結果的に、媒体自体が使えなくなってしまう。このため、DMAのオーバーライトに対する耐久性を高める工夫が望まれている。
本発明の目的は下記の情報記憶媒体、情報記録再生装置、情報再生装置、情報記録方法、情報再生方法を提供することにある。
(a)ゴミ、傷に強い情報記憶媒体、及びそれを用いた情報記録再生装置、情報再生装置、情報記録方法、情報再生方法。
(b)記録中断回数が実質的に無制限である情報記憶媒体、及びそれを用いた情報記録再生装置、情報再生装置、情報記録方法、情報再生方法。
(c)この発明に係る情報記録媒体に関する技術では、オーバーライトに対する耐久性が比較的低い媒体であっても、信頼性の高い欠陥管理が可能な情報記憶媒体を提供することができる。また、信頼性の高い欠陥管理情報に基づき情報を再生することが可能な情報再生装置及び情報再生方法を提供することができる。さらに、信頼性の高い欠陥管理情報を記録することが可能な情報記録方法を提供する。
(d)安定して確実に欠陥管理情報を管理することができ、製品の信頼性を装置及び記憶媒体の両面で向上することができる情報記憶媒体及び記録方法及び再生装置を提供することにある。
上記した課題を解決し目的を達成するために、本発明の基本となる記録媒体は、以下に示す構成である。システムリードイン領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が内周から順次確保され、これらの領域にはランド、グルーブが交互に形成されており、前記グルーブは振幅変調され、この変調情報によって物理アドレスが割つけられており、前記システムリードイン領域は、そのランド上に記録される記録情報がスライスレベル検出方式に適合した記録形態であり、前記データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域は、そのランド上に記録される記録情報がパーシャルレスポンスマキシマムライクリーフッド(PRML)方式による高密度記録に適合した記録形態であり、少なくとも前記データリードイン領域及びデータ領域の欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域(DMA)が前記データリードイン領域に確保されていることを特徴とする。
本実施形態によると、高密度記録であって、安定して確実に欠陥情報及び欠陥管理情報を管理することができ、製品の信頼性を装置及び記憶媒体の両面で向上することができる。特にDMAの記憶容量を拡大できる。
以下、図面を参照して本発明による情報記憶媒体、及びそれを用いた情報記録再生装置、情報再生装置、情報記録方法、情報再生方法の実施の形態を説明する。
情報記録再生装置の実施形態における構造説明図を図1に示す。図1において制御部143より上側の部分が主に情報記憶媒体への情報記録制御系を表す。情報再生装置の実施形態は図1における上記情報記録制御系を除いた部分が該当する。図1に於いて太い実線矢印が再生信号、または記録信号を意味するメイン情報の流れを示し、細い実線矢印が情報の流れ、一点鎖線矢印が基準クロックライン、細い破線矢印がコマンド指示方向を意味する。
図1に示した情報記録再生部141の中に光学ヘッド(図示せず)が配置されている。本実施形態では情報再生にPRML(Partial Response Maximum Likelihood)法を用い、情報記憶媒体の高密度化を図っている(図125のポイント〔A〕)。種々の実験の結果、使用するPRクラスとしてはPR(1,2,2,2,1)を採用すると線密度が高くできるとともに、再生信号の信頼性(例えば焦点ぼけやトラックずれなどサーボ補正誤差が発生した時の復調信頼性)を高くできることが判ったので、本実施形態ではPR(1,2,2,2,1)を採用している(図125のポイント(A1))。本実施形態では(d,k;m,n)変調規則(前述した記載方法ではm/n変調のRLL(d,k)を意味している)に従って変調後のチャネルビット列を情報記憶媒体に記録している。具体的には変調方式としては8ビットデータを12チャネルビットに変換(m=8、n=12)するETM(Eight to Twelve Modulation)を採用し、変調後のチャネルビット列の中で“0”が続く長さに制限を掛けるランレングスリミテッド(RLL)制約として“0”が連続する最小値をd=1とし、最大値をk=10としたRLL(1,10)の条件を課している。本実施形態では情報記憶媒体の高密度化を目指して極限近くまでチャネルビット間隔を短くしている。その結果、例えばd=1のパターンの繰り返しである“101010101010101010101010”のパターンを情報記憶媒体に記録し、そのデータを情報記録再生部141で再生した場合には、再生光学系のMTF特性の遮断周波数に近付いているため、再生生信号の信号振幅はほとんどノイズに埋もれた形に成る。したがって、そのようにMTF特性の限界(遮断周波数)近くまで密度を詰めた記録マーク、またはピットを再生する方法としてPRML(Partial Response Maximum Likelihood)法の技術を使っている。
すなわち、情報記録再生部141で再生された信号はPR等化回路130により再生波形補正を受ける。AD変換器169で基準クロック発生回路160から送られてくる基準クロック198のタイミングに合わせてPR等化回路130通過後の信号をサンプリングしてデジタル量に変換し、ビタビ復号器156内でビタビ復号処理を受ける。ビタビ復号処理後のデータは従来のスライスレベルで2値化されたデータと全く同様なデータとして処理される。PRML法の技術を採用した場合、AD変換器169でのサンプリングタイミングがずれると、ビタビ復号後のデータのエラー率は増加する。したがって、サンプリングタイミングの精度を上げるため、本実施形態の情報再生装置、または情報記録再生装置では、特にサンプリングタイミング抽出用回路(シュミットトリガ2値回路155とPLL回路174の組み合わせ)を別に持っている。
シュミットトリガ2値化回路155は2値化するためのスライス基準レベルに特定の幅(実際にはダイオードの順方向電圧値)を持たせ、その特定幅を越えた時のみ2値化される特性を持っている。したがって、例えば、上述したように“101010101010101010101010”のパターンが入力された場合には、信号振幅が非常に小さいので2値化の切り替わりが起こらず、それよりも疎のパターンである、例えば“1001001001001001001001”などが入力された場合に、再生生信号の振幅が大きくなるので、シュミットトリガ2値化回路155で“1”のタイミングに合わせて2値化信号の極性切り替えが起きる。本実施形態ではNRZI(Non Return to Zero Invert)法を採用しており、上記パターンの“1”の位置と記録マークまたはピットのエッジ部(境界部)が一致している。
PLL回路174ではシュミットトリガ2値化回路155の出力である2値化信号と基準クロック発生回路160から送られる基準クロック198信号との間の周波数と位相のずれを検出して、PLL回路174の出力クロックの周波数と位相を変化させている。基準クロック発生回路160ではPLL回路174の出力信号とビタビ復号器156の復号特性情報(具体的には図示してないがビタビ復号器156内のパスメトリックメモリ内の収束長(収束までの距離)の情報)を用いてビタビ復号後のエラーレートが低くなるように基準クロック198(の周波数と位相)にフィードバックを掛ける。基準クロック発生回路160で発生される基準クロック198は再生信号処理時の基準タイミングとして利用される。
同期コード位置抽出部145はビタビ復号器156の出力データ列の中に混在している同期コード(シンクコード)の存在位置を検出し、上記出力データの開始位置の抽出役目を担っている。この開始位置を基準としてシフトレジスタ回路170に一時保存されたデータに対して復調回路152で復調処理を行う。本実施形態では12チャネルビット毎に復調用変換テーブル記録部154内に記録された変換テーブルを参照して元のビット列に戻す。その後はECCデコーディング回路162によりエラー訂正処理が施され、デスクランブル回路159によりデスクランブルされる。本実施形態の記録形(書替え形、または追記形)情報記憶媒体ではウォブル変調によりアドレス情報が事前に記録されている。ウォブル信号検出部135で、このアドレス情報を再生し(すなわち、ウォブル信号の内容を判別し)、希望場所へのアクセスに必要な情報を制御部143に対して供給する。
制御部143より上側にある情報記録制御系について説明する。情報記憶媒体上の記録位置に合わせてデータID発生部165からデータID情報が生成され、CPR_MAIデータ発生部167でコピー制御情報が発生されるとデータID,IED,CPR_MAI,EDC付加部168により記録すべき情報にデータID,IED,CPR_MAI,EDCの各種情報が付加される。その後、デスクランブル回路157でデスクランブルされた後、ECCエンコーディング回路161でECCブロックが構成され、変調回路151でチャネルビット列に変換された後、同期コード生成・付加部146で同期コードを付加されて、情報記録再生部141で情報記憶媒体にデータが記録される。また、変調時にはDSV(Digital Sum Value)値計算部148で変調後のDSV値が逐次計算され、変調時のコード変換にフィードバックされる。
図109、図110は本実施形態の情報記録再生装置におけるウォブル信号検出部135(図1)内の詳細構造を説明するための図である。
ウォブル信号がバンドパスフィルタ352に入力され、バンドパスフィルタ352の出力がA/D変換器354に入力され、A/D変換器354からデジタルのウォブル信号(図110の(a))が位相ロックループ回路356、位相検出器358に入力される。位相ロックループ回路356は入力信号を位相ロックし、再生搬送波信号(図110の(b))を抽出し、位相検出器358に供給する。位相検出器358は再生搬送波信号に基づいてウォブル信号の位相を検出し、位相検波信号(図110の(c))をローパスフィルタ362に供給する。位相ロックループ回路356は入力信号を位相ロックし、ウォブル信号(図110の(e))を抽出し、シンボルクロック発生器360に供給する。シンボルクロック発生器360にはローパスフィルタ362からの変調極性信号(図110の(d))も供給され、シンボルクロック(図110の(f))を発生し、アドレス検出器364へ供給する。アドレス検出器364はローパスフィルタ362から出力される変調極性信号(図110の(d))とシンボルクロック発生器360で発生されたシンボルクロック(図110の(f))に基づいてアドレスを検出する。
図111は図109に示した位相ロックループ回路356の動作原理を説明するための図である。本実施形態はウォブル信号(NPW)の位相同期処理を実施するウォブルPLL方式を採用している。ただし、入力ウォブル信号は図111の(a)に示すようにノーマル位相ウォブル(NPW)と反転位相ウォブル(IPW)を含み位相変調されているため、変調成分の除去が必要である。変調成分の除去は次の3通りがある。
1)ウォブル2逓倍方式:図111の(b)に示すように、ウォブルを自乗することにより、変調成分を除去することができる。2逓倍ウォブルにPLLは同期する。
2)再変調方式:図111の(c)に示すように、ウォブルの変調領域を逆位相に再変調することにより、変調成分を除去することができる。
2)マスキング方式:図111の(d)に示すように、ウォブルの変調領域では位相制御を停止(位相誤差を零に固定)することにより、変調成分を除去することができる。
図112は図109に示した位相検出器358に含まれるビートキャンセラ(図示せず)の動作原理を説明するための図である。位相検出器358で検出された位相検波信号がノーマル位相ウォブル(NPW)検出器370と反転位相ウォブル(IPW)検出器372に供給され、ノーマル位相ウォブル(NPW)、反転位相ウォブル(IPW)の検波振幅を検出する。ノーマル位相ウォブル(NPW)検出器370、反転位相ウォブル(IPW)検出器372の出力がローパスフィルタ374、376を介して加算器378に供給され、オフセット成分が検出される。位相検波信号と、加算器378の出力が減算器380に供給され、位相検波信号からウォブルビート成分がキャンセルされ、減算器380の出力が位相検波信号として図109のローパスフィルタ362に供給される。
図1に示した同期コード位置抽出部145を含む周辺部の詳細構造を図2に示す。同期コードは固定パターンを持った同期位置検出用コード部と可変コード部から構成されている。ビタビ復号器156から出力されたチャネルビット列の中から同期位置検出用コード検出部182により上記固定パターンを持った同期位置検出用コード部の位置を検出し、その前後に存在する可変コードのデータを可変コード転送部183、184が抽出して、シンクフレーム位置識別用コード内容の識別部185により検出された同期コードが後述するセクタ内のどのシンクフレームに位置するかを判定する。情報記憶媒体上に記録されたユーザ情報はシフトレジスタ回路170、復調回路152内の復調処理部188、ECCデコーディング回路162の順に順次転送される。
本実施形態では図125のポイント〔A〕に示すように、データ領域、データリードイン領域、データリードアウト領域では再生にPRML法を使うことにより、情報記憶媒体の高密度化(特に線密度が向上する)を達成すると共に、図125のポイント〔B〕に示すように、システムリードイン領域、システムリードアウト領域では再生にスライスレベル検出方式を使うことにより、現行DVDとの互換性を確保するとともに再生の安定化を確保している。
図3にシステムリードイン領域、システムリードアウト領域での再生時に使用されるスライスレベル検出方式を用いた信号処理回路の実施形態を示す。図3における4分割光検出器302は図1における情報記録再生部141内に存在する光学ヘッド内に固定されている。4分割光検出器302の各光検出セルから得られる検出信号の総和を取った信号をここではリードチャンネル1信号と呼ぶ。図3のプリアンプ304からスライサ310までが図1のスライスレベル検出回路132内の詳細構造を示し、情報記憶媒体から得られた再生信号は再生信号周波数帯よりも低い周波数成分を遮断するハイパスフィルタ306を通過後にプリイコライザ308により波形等化処理が行われる。実験によるとプリイコライザ308は7タップのイコライザを用いると最も回路規模が少なく、かつ精度良く再生信号の検出が出来る事が分かったので、本実施形態でも7タップのイコライザを使用している。図3のVFO回路・PLL部分312が図1のPLL回路174に対応し、図3の復調回路・ECCデコーディング回路314が図1の復調回路152とECCデコーディング回路162に対応する。
図3のスライサ310内の詳細構造を図4に示す。スライサ310は比較器316を用いてリードチャンネル1信号をスライスして2値化信号(バイナリデータ)を発生する。本実施形態ではデューティフィードバック法を用い、2値化後のバイナリデータの反転信号に対してローパスフィルタ318、320の出力信号を2値化時のスライスレベルに設定している。本実施形態ではローパスフィルタ318、320の遮断周波数を5kHzに設定している。この遮断周波数が高いとスライスレベル変動が早いためにノイズの影響を受け易く、逆に遮断周波数が低いとスライスレベルの応答が遅いので情報記憶媒体上のゴミや傷の影響を受けやすい。前述したRLL(1,10)とチャネルビットの基準周波数の関係も考慮して5kHzに設定している。
データ領域、データリードイン領域、データリードアウト領域で信号再生にPRML検出法を用いた信号処理回路を図5に示す。図5における4分割光検出器302は図1における情報記録再生部141内に存在する光学ヘッド内に固定されている。4分割光検出器302の各光検出セルから得られる検出信号の総和を取った信号をここではリードチャンネル1信号と呼ぶ。図1におけるPR等化回路130内の詳細な構造が図5のプリアンプ回路304からタップ制御器332、イコライザ330、オフセットキャンセラ336までの各回路で構成されている。図5内のPLL回路334は図1のPR等化回路130内の一部であり、図1のシュミットトリガ2値化回路155とは別の物を意味する。図5におけるハイパスフィルタ回路306の1次の遮断周波数は1kHzに設定してある。プリイコライザ回路は図3と同様7タップのイコライザを用いている(7タップを使用すると最も回路規模が少なく、かつ精度良く再生信号の検出が出来るためである)。A/Dコンバータ回路324のサンプルクロック周波数は72MHz、デジタルは8ビット出力になっている。PRML検出法では再生信号全体のレベル変動(DCオフセット)の影響を受けるとビタビ復調時に誤差が発生し易くなる。その影響を除去するためにイコライザ330の出力から得た信号を用いてオフセットキャンセラ336によりオフセットを補正する構造になっている。図5に示した実施形態では、図1のPR等化回路130内で適応等化処理がなされている。そのため、ビタビ復号器156の出力信号を利用してイコライザ内の各タップ係数を自動修正するためのタップ制御器332が利用されている。
図1、または図5に示したビタビ復号器156内の構造を図6に示す。入力信号に対して予想し得る全てのブランチに対するブランチメトリックをブランチメトリック計算部340で計算し、その値をACS342へ送る。ACS342はAdd Compare Selectの略称で、ACS342の中で予想し得る各パスに対応してブランチメトリックを加算して得られるパスメトリックを計算すると共にその計算結果をパスメトリックメモリ350へ転送する。この時、ACS342内ではパスメトリックメモリ350内の情報も参照して計算処理を行う。パスメモリ346内では予想し得る各パス(遷移)状況とその各パスに対応しACS342で計算したパスメトリックの値を一時保存する。出力切替え部348で各パスに対応したパスメトリックを比較し、パスメトリック値が最小となるパスを選択する。
図7に本実施形態におけるPR(1,2,2,2,1)クラスにおける状態遷移を示す。PR(1,2,2,2,1)クラスにおける取り得る状態(ステート)の遷移は図7に示す遷移のみが可能なので、図7の遷移図を元にビタビ復号器156内では復号時の存在し得る(予想し得る)パスを割り出している。
図9に本実施形態における情報記憶媒体の構造及び寸法を示す。実施形態としては
・再生専用で記録が不可能な“再生専用形情報記憶媒体”
・1回のみの追記記録が可能な“追記形情報記憶媒体”
・何回でも書き替え記録が可能な“書替え形情報記憶媒体”
の3種類の情報記憶媒体の実施形態を明示する。図9に示すように上記3種類の情報記憶媒体では大部分の構造と寸法が共通化されている。3種類の情報記憶媒体いずれも内周側からバーストカッティング領域BCA、システムリードイン領域SYLDI、コネクション領域CNA、データリードイン領域DTLDI、データ領域DTAが配置された構造になっている。OPT形再生専用媒体以外は全て外周部にデータリードアウト領域DTLDOが配置されている。後述するようにOPT形再生専用媒体では外周部にミドル領域MDAが配置される。システムリードイン領域SYLDIではエンボス(プリピット)の形で情報が記録されており、追記形および書替え形のいずれもこの領域内は再生専用(追記不可能)となっている。
・再生専用で記録が不可能な“再生専用形情報記憶媒体”
・1回のみの追記記録が可能な“追記形情報記憶媒体”
・何回でも書き替え記録が可能な“書替え形情報記憶媒体”
の3種類の情報記憶媒体の実施形態を明示する。図9に示すように上記3種類の情報記憶媒体では大部分の構造と寸法が共通化されている。3種類の情報記憶媒体いずれも内周側からバーストカッティング領域BCA、システムリードイン領域SYLDI、コネクション領域CNA、データリードイン領域DTLDI、データ領域DTAが配置された構造になっている。OPT形再生専用媒体以外は全て外周部にデータリードアウト領域DTLDOが配置されている。後述するようにOPT形再生専用媒体では外周部にミドル領域MDAが配置される。システムリードイン領域SYLDIではエンボス(プリピット)の形で情報が記録されており、追記形および書替え形のいずれもこの領域内は再生専用(追記不可能)となっている。
再生専用形情報記憶媒体ではデータリードイン領域DTLDI内もエンボス(プリピット)の形で情報が記録されているのに対し、追記形および書替え形情報記憶媒体ではデータリードイン領域DTLDI内は記録マーク形成による新規情報の追記(書替え形では書替え)が可能な領域となっている。後述するように追記形および書替え形情報記憶媒体ではデータリードアウト領域DTLDO内は新規情報の追記(書替え形では書替え)が可能な領域とエンボス(プリピット)の形で情報が記録されている再生専用領域の混在になっている。前述したように図9に示すデータ領域DTA、データリードイン領域DTLDI、データリードアウト領域DTLDO、ミドル領域MDAではそこに記録されている信号の再生にPRML法を使うことにより、情報記憶媒体の高密度化(特に線密度が向上する)を達成する(図125のポイント〔A〕)と共に、システムリードイン領域SYLDI、システムリードアウト領域SYLDOではそこに記録されている信号の再生にスライスレベル検出方式を使うことにより、現行DVDとの互換性を確保するとともに再生の安定化を確保している(図125のポイント〔B〕)。
現行DVD規格とは異なり、図9に示す実施形態ではバーストカッティング領域BCAとシステムリードイン領域SYLDIとが重ならずに位置的に分離されている(図125のポイントの(B2))。両者を物理的に分離することにより、情報再生時のシステムリードイン領域SYLDI内に記録された情報とバーストカッティング領域BCA内に記録された情報との間の干渉を防止し、精度の高い情報再生が確保できる。
図125のポイントの(B2)に示した実施形態に対する他の実施形態として、図125のポイントの(B3)に示すように“L→H”形の記録膜を使った場合にバーストカッティング領域BCAの配置場所に予め微細な凹凸形状を形成する方法もある。後で図23における192バイト目に存在する記録マークの極性(“H→L”か“L→H”かの識別)情報に関する説明を行う部分で、本実施形態では従来の“H→L”形だけで無く“L→H”形記録膜も規格内に組み込み、記録膜の選択範囲を広げ、高速記録可能や低価格媒体を供給可能とする(図128のポイント(G2))と言う説明を行う。後述するように本実施形態では“L→H”形の記録膜を使う場合も考慮する。バーストカッティング領域BCA内に記録するデータ(バーコードデータ)は記録膜に対して局所的にレーザ露光することにより形成する。図16に示すようにシステムリードイン領域SYLDIはエンボスピット領域211で形成するため、システムリードイン領域SYLDIからの再生信号は鏡面210からの光反射レベルと比べて光反射量が減る方向に現れる。もし、バーストカッティング領域BCAを鏡面210状態にし、“L→H”形記録膜を用いた場合にはバーストカッティング領域BCA内に記録されたデータからの再生信号は(未記録状態の)鏡面210からの光反射レベルよりも光反射量が増加する方向に現れる。その結果、バーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号の最大レベルと最小レベルの位置(振幅レベル)とシステムリードイン領域SYLDIからの再生信号の最大レベルと最小レベルの位置(振幅レベル)との間に大きく段差が生じてしまう。図16の(及び図125のポイント(B4))の説明の所で後述するように情報再生装置または情報記録再生装置は、
(1)バーストカッティング領域BCA内の情報の再生
→(2)システムリードイン領域SYLDI内の制御データゾーンCDZ内の情報の再生
→(3)データリードイン領域DTLDI内の情報の再生(追記形または書替え形の場合)
→(4)参照コード記録ゾーンRCZ内での再生回路定数の再調整(最適化)
→(5)データ領域DTA内に記録された情報の再生もしくは新たな情報の記録
の順で処理を行うため、バーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号振幅レベルとシステムリードイン領域SYLDIからの再生信号振幅レベルに大きな段差があると情報再生の信頼性が低下すると言う問題が生じる。その問題を解決するため、この実施形態としては記録膜に“L→H”形の記録膜を使用する場合にはバーストカッティング領域BCAに予め微細な凹凸形状を形成しておく所に特徴がある(図125のポイント(B3))。予め微細な凹凸形状を形成しておくと局所的なレーザ露光によりデータ(バーコードデータ)を記録する前の段階で、光の干渉効果により光反射レベルが鏡面210からの光反射レベルよりも低くなり、バーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号振幅レベル(検出レベル)とシステムリードイン領域SYLDIからの再生信号振幅レベル(検出レベル)の段差が大きく減り、情報再生の信頼性が向上し、上記の(1)から(2)へ移行する際の処理が容易になると言う効果が生まれる。
(1)バーストカッティング領域BCA内の情報の再生
→(2)システムリードイン領域SYLDI内の制御データゾーンCDZ内の情報の再生
→(3)データリードイン領域DTLDI内の情報の再生(追記形または書替え形の場合)
→(4)参照コード記録ゾーンRCZ内での再生回路定数の再調整(最適化)
→(5)データ領域DTA内に記録された情報の再生もしくは新たな情報の記録
の順で処理を行うため、バーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号振幅レベルとシステムリードイン領域SYLDIからの再生信号振幅レベルに大きな段差があると情報再生の信頼性が低下すると言う問題が生じる。その問題を解決するため、この実施形態としては記録膜に“L→H”形の記録膜を使用する場合にはバーストカッティング領域BCAに予め微細な凹凸形状を形成しておく所に特徴がある(図125のポイント(B3))。予め微細な凹凸形状を形成しておくと局所的なレーザ露光によりデータ(バーコードデータ)を記録する前の段階で、光の干渉効果により光反射レベルが鏡面210からの光反射レベルよりも低くなり、バーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号振幅レベル(検出レベル)とシステムリードイン領域SYLDIからの再生信号振幅レベル(検出レベル)の段差が大きく減り、情報再生の信頼性が向上し、上記の(1)から(2)へ移行する際の処理が容易になると言う効果が生まれる。
“L→H”形の記録膜を使用する場合には、バーストカッティング領域BCAに予め形成する微細な凹凸形状の具体的内容としてシステムリードイン領域SYLDI内と同様にエンボスピット領域211とする方法があるが、他の実施形態としてデータリードイン領域DTLDIやデータ領域DTAと同様にグルーブ領域214あるいはランド領域及びグルーブ領域213にする方法もある。システムリードイン領域SYLDIとバーストカッティング領域BCAを分離配置させる実施形態(図125のポイント(B2))の説明の所で説明したように、バーストカッティング領域BCA内とエンボスピット領域211が重なると、不要な干渉によるバーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号へのノイズ成分が増加する事を既に説明した。バーストカッティング領域BCA内の微細な凹凸形状の実施形態としてエンボスピット領域211にせずにグルーブ領域214あるいはランド領域及びグルーブ領域213にすると、不要な干渉によるバーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号へのノイズ成分が減少して再生信号の品質が向上すると言う効果がある。
バーストカッティング領域BCA内に形成するグルーブ領域214あるいはランド領域及びグルーブ領域213のトラックピッチをシステムリードイン領域SYLDIのトラックピッチに合わせると、情報記憶媒体の製造性が向上する効果がある。すなわち、情報記憶媒体の原盤製造時に原盤記録装置の露光部の送りモータ速度を一定にしてシステムリードイン領域内のエンボスピットを作成している。この時、バーストカッティング領域BCA内に形成するグルーブ領域214あるいはランド領域及びグルーブ領域213のトラックピッチをシステムリードイン領域SYLDI内のエンボスピットのトラックピッチに合わせることにより、バーストカッティング領域BCAとシステムリードイン領域SYLDIとで引き続き送りモータ速度を一定に保持できるため、途中で送りモータの速度を変える必要が無いのでピッチムラが生じ難く情報記憶媒体の製造性が向上する。
上記3種類の情報記憶媒体はいずれも情報記憶媒体へ記録する情報の最小管理単位を2048バイトのセクタ単位としている。上記2048バイトのセクタ単位の物理的なアドレスを物理セクタ番号と定義する。追記形情報記憶媒体と1層構造を有する再生専用形情報記憶媒体における物理セクタ番号の設定方法を図10に示す。バーストカッティング領域BCAとコネクション領域CNA内には物理セクタ番号は付与せず、システムリードイン領域SYLDI、データ領域DTA、データリードアウト領域DTLDOに内周から昇順で物理セクタ番号を設定している。システムリードイン領域SYLDIの最後の物理セクタ番号は“026AFFh”になるように、データ領域DTAの開始位置での物理セクタ番号が“030000h”になるように設定される。
2層構造を持った再生専用情報記憶媒体の物理セクタ番号設定方法は図11に示すように2種類存在する。一つは図11(a)に示すパラレル配置(Parallel Track Path)PTPで、図10に示した物理番号設定方法を2層ともに適応した構造となっている。他の方式は図11(b)に示すオポジト配置(Opposite Track Path)OPTで、手前の層(Layer0)では内周から外周へ向けて昇順に物理セクタ番号が設定され、奥側の層(Layer1)では逆に外周から内周へ向けて昇順に物理セクタ番号が設定される。OPTの配置の場合にはミドル領域MDA、データリードアウト領域DTLDO、システムリードアウト領域SYLDOが配置される。
書替え形情報記憶媒体における物理セクタ番号設定方法を図12に示す。書替え形情報記憶媒体ではランド領域とグルーブ領域それぞれに物理セクタ番号が設定され、データ領域DTAが19ゾーンに分割された構造となっている。
図13に再生専用形情報記憶媒体における本実施形態の各パラメータ値を、図14に追記形情報記憶媒体における本実施形態の各パラメータ値、図15に書替え専用形情報記憶媒体における本実施形態の各パラメータ値を示す。図13、または図14と図15を比較(特に(B)の部分を比較)すると分かるように、再生専用形または追記形情報記憶媒体に対して書替え専用形情報記憶媒体の方がトラックピッチ及び線密度(データビット長)を詰める事により記録容量を高くしている。後述するように、書替え専用形情報記憶媒体ではランド/グルーブ記録を採用することにより、隣接トラックのクロストークの影響を低減させてトラックピッチを詰めている。再生専用形情報記憶媒体、追記形情報記憶媒体、書替え形情報記憶媒体のいずれにおいても、システムリードイン/アウト領域SYLDI/SYLDOのデータビット長とトラックピッチ(記録密度に対応)をデータリードイン/アウト領域DTLDI/DTLDOよりも大きく(記録密度を低く)している所に特徴がある(図125のポイント(B1))。
システムリードイン/アウト領域SYLDI/SYLDOのデータビット長とトラックピッチを現行DVDのリードイン領域の値に近付けることで、現行DVDとの互換性を確保している。本実施形態でも、現行DVD−Rと同様に追記形情報記憶媒体のシステムリードイン/アウト領域SYLDI/SYLDOでのエンボスの段差を浅く設定している。これにより追記形情報記憶媒体のプリグルーブの深さを浅くし、プリグルーブ上に追記により形成する記録マークからの再生信号の変調度を高くする効果がある。逆に、その反作用としてシステムリードイン/アウト領域SYLDI/SYLDOからの再生信号の変調度が小さくなると言う問題が生じる。これに対してシステムリードイン/アウト領域SYLDI/SYLDOのデータビット長(とトラックピッチ)を粗くすることにより、最も詰まった位置でのピットとスペースの繰り返し周波数を再生用対物レンズのMTF(Modulation Transfer Function)の光学的遮断周波数から離す(大幅に小さくする)ことにより、システムリードイン/アウト領域SYLDI/SYLDOからの再生信号振幅を引き上げ、再生の安定化を図る事が出来る。
各種情報記憶媒体におけるシステムリードインSYLDIとデータリードインDTLDI内の詳細なデータ構造比較を図16に示す。図16の(a)は再生専用形情報記憶媒体のデータ構造、図16の(b)は書替え形情報記憶媒体のデータ構造を示し、図16の(c)は追記形情報記憶媒体のデータ構造を示す。図示していないが、システムリードイン領域SYLDIの内側にはバーストカッティング領域BCA領域がある。システムリードイン領域はエンボスで記録されている。コネクション領域はミラー部である。
図16の(a)に示すように、コネクションゾーンCNZのみ鏡面210となっている以外は、再生専用形情報記憶媒体ではシステムリードイン領域SYLDI、データリードイン領域DTLDI、データ領域DTA内は全てエンボスピットが形成されたエンボスピット領域211となっている。システムリードイン領域SYLDI内はエンボスピット領域211となっており、コネクションゾーンCNZが鏡面210になっている部分は共通しているが、図16の(b)に示すように、書替え形情報記憶媒体ではデータリードイン領域DTLDIとデータ領域DTA内はランド領域及びグルーブ領域213が形成されており、図16の(c)に示すように、追記形情報記憶媒体ではデータリードイン領域DTLDIとデータ領域DTA内はグルーブ領域214が形成されている。ランド領域及びグルーブ領域213またはグルーブ領域214内に記録マークを形成することにより情報を記録する。
イニシャルゾーンINZはシステムリードインSYLDIの開始位置を示している。イニシャルゾーンINZ内に記録されている意味を持った情報としては前述した物理セクタ番号または論理セクタ番号の情報を含むデータID(Identification Data)情報が離散的に配置されている。1個の物理セクタ内には後述するようにデータID、IED(ID Error Detection code)、ユーザ情報を記録するメインデータ、EDC(Error Detection Code)から構成されるデータフレーム構造の情報が記録されるが、イニシャルゾーンINZ内にも上記のデータフレーム構造の情報が記録される。しかし、イニシャルゾーンINZ内ではユーザ情報を記録するメインデータの情報を全て“00h”に設定するため、イニシャルゾーンINZ内での意味のある情報は前述したデータID情報のみとなる。この中に記録されている物理セクタ番号、または論理セクタ番号の情報から現在位置を知る事ができる。すなわち、図1の情報記録再生部141で情報記憶媒体からの情報再生を開始する時にイニシャルゾーンINZ内の情報から再生開始した場合には、まずデータID情報の中に記録されている物理セクタ番号または論理セクタ番号の情報を抽出して情報記憶媒体内の現在位置を確認しつつ制御データゾーンCDZへ移動する。
第1、第2バッファゾーンBFZ1、BFZ2はそれぞれ32ECCブロックから構成されている。図13〜図15に示すように1ECCブロックはそれぞれ32物理セクタから構成されているので、32ECCブロックは1024物理セクタ分に相当する。第1、第2バッファゾーンBFZ1、BFZ2内もイニシャルゾーンINZと同様にメインデータの情報を全て“00h”に設定している。
コネクション領域(Connection Area)CNA内に存在するコネクションゾーンCNZはシステムリードイン領域SYLDIとデータリードイン領域DTLDIを物理的に分離するための領域で、この領域はいかなるエンボスピットやプリブルーブも存在しないミラー面になっている。
再生専用形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体の参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZは再生装置の再生回路調整用(例えば図5のタップ制御器332内で行われる適応等化時の各タップ係数値の自動調整用)に用いられる領域で、前述したデータフレーム構造の情報が記録されている。参照コードの長さは1ECCブロック(=32セクタ)になっている。再生専用形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体の参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZをデータ領域(Data Area)DTAの隣りに配置する所に本実施形態の特徴がある(図125のポイント(A2))。現行DVD-ROMディスク及び現行DVD-Rディスクのいずれの構造においても、参照コード記録ゾーン(Reference code zone)とデータ領域(Data Area)との間に制御データゾーンが配置されており、参照コード記録ゾーンとデータ領域との間が離れている。参照コード記録ゾーンとデータ領域との間が離れていると、情報記憶媒体の傾き量や光反射率あるいは(追記形情報記憶媒体の場合には)記録膜の記録感度が若干変化し、参照コード記録ゾーンの所で再生装置の回路定数を調整してもデータ領域での最適な回路定数がずれてしまうと言う問題が発生する。上記問題を解決するために参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZをデータ領域(Data Area)DTAに隣接配置すると、参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZ内で情報再生装置の回路定数を最適化した場合に、隣接するデータ領域(Data Area)DTA内でも同じ回路定数で最適化状態が保持される。データ領域(Data Area)DTA内の任意の場所で精度良く信号再生したい場合には
(1)参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZ内で情報再生装置の回路定数を最適化する
→(2)データ領域DTA内の参照コード記録ゾーンRCZに最も近い部分を再生しながら情報再生装置の回路定数を再度最適化する
→(3)データ領域DTA内の目的位置と、(2)で最適化した位置との中間位置で情報再生しながら回路定数を再々度最適化する
→(4)目的位置に移動して信号再生する
のステップを経ることにより、非常に精度良く目的位置での信号再生が可能となる。
(1)参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZ内で情報再生装置の回路定数を最適化する
→(2)データ領域DTA内の参照コード記録ゾーンRCZに最も近い部分を再生しながら情報再生装置の回路定数を再度最適化する
→(3)データ領域DTA内の目的位置と、(2)で最適化した位置との中間位置で情報再生しながら回路定数を再々度最適化する
→(4)目的位置に移動して信号再生する
のステップを経ることにより、非常に精度良く目的位置での信号再生が可能となる。
追記形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体内に存在する第1、第2ガードトラックゾーン(Guard track zone)GTZ1、GTZ2はデータリードイン領域DTLDIの開始境界位置とディスクテストゾーンDKTZ、ドライブテストゾーンDRTZの境界位置を規定するための領域で、この領域には記録マーク形成による記録をしてはいけない領域として規定される。第1、第2ガードトラックゾーンGTZ1、GTZ2はデータリードイン領域DTLDI内に存在するため、この領域内には追記形情報記憶媒体ではプリグルーブ領域は、書替え形情報記憶媒体ではグルーブ領域とランド領域は事前に形成されている。プリグルーブ領域、あるいはグルーブ領域、ランド領域内は図13〜図15に示すようにウォブルアドレスが予め記録されているので、このウォブルアドレスを用いて情報記憶媒体内の現在位置を判定する。
ディスクテストゾーンDKTZは情報記憶媒体の製造メーカが品質テスト(評価)を行うために設けられた領域である。
ドライブテストゾーンDRTZは情報記録再生装置が情報記憶媒体への情報を記録する前に試し書きするための領域として確保されている。情報記録再生装置は予めこの領域内で試し書きを行い、最適な記録条件(ライトストラテジ)を割り出した後、その最適記録条件でデータ領域DTA内に情報を記録する事が出来る。
図16の(b)に示すように、書替え形情報記憶媒体内にあるディスク識別ゾーンDIZ内の情報はオプショナル情報記録領域で、記録再生装置の製造メーカ名情報とそれに関する付加情報、及びその製造メーカが独自に記録可能な領域から構成されるドライブ記述子(Drive description)を1組みとして1組み毎に追記可能な領域となっている。
図16の(b)に示すように、書替え形情報記憶媒体内にある第1、第2欠陥管理領域DMA1,DMA2はデータ領域DTA内の欠陥管理情報が記録される場所で、例えば欠陥個所が発生した時の代替え箇所情報などが記録されている。
図16の(c)に示すように、追記形情報記憶媒体ではRMDディプリケーションゾーンRDZと記録位置管理ゾーンRMZ、R物理情報ゾーンR-PFIZが独自に存在する。記録位置管理ゾーンRMZ内にはデータの追記処理により更新されるデータの記録位置に関する管理情報である記録位置管理データRMD(Recording Management Data)が記録される(詳細は後述する)。後ほど図85の所で説明するように、本実施形態では各ボーダー内領域BRDA毎にそれぞれ記録位置管理ゾーンRMZを設定し、記録位置管理ゾーンRMZの領域の拡張を可能としている。その結果、追記頻度が増加して必要とする記録位置管理データRMD領域が増加しても、逐次、記録位置管理ゾーンRMZを拡張することにより対応可能なため、追記回数を大幅に増やせると言う効果が生まれる。この場合、本実施形態では各ボーダー内領域BRDAに対応した(各ボーダー内領域BRDAの直前に配置された)ボーダーインBRDI内に記録位置管理ゾーンRMZを配置する。本実施形態では、最初のボーダー内領域BRDA#1に対応したボーダーインBRDIとデータリードイン領域DTLDIとを兼用化し、データ領域DTA内での最初のボーダーインBRDIの形成を省略して、データ領域DTAの有効活用を行っている(図126のポイント(C2))。すなわち、図16の(c)に示したデータリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZは最初のボーダー内領域BRDA#1に対応した記録位置管理データRMDの記録場所として利用されている(図126のポイント(C2))。
RMDディプリケーションゾーンRDZは記録位置管理ゾーンRMZ内の下記の条件を満足する記録位置管理データRMDの情報を記録する場所で、本実施形態のように記録位置管理データRMDを重複して持つことにより、記録位置管理データRMDの信頼性を高めている(図126のポイント(C3))。すなわち、追記形情報記憶媒体の表面に付いたゴミや傷の影響で記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDが読み取り不可能になった場合、RMDディプリケーションゾーンRDZ内に記録された記録位置管理データRMDを再生し、更に残りの必要な情報をトレーシングにより収集することにより、最新の記録位置管理データRMDの情報を復元できる(図126のポイント(C3β))。
RMDディプリケーションゾーンRDZ内にはボーダー(複数のボーダーも含む)をクローズする時点での記録位置管理データRMDが記録される(図126のポイント(C3α))。後述するように1個のボーダーをクローズし、次の新たなボーダー内領域を設定する毎に新たな記録位置管理ゾーンRMZを定義するので、新たな記録位置管理ゾーンRMZを作成する毎に、その前のボーダー内領域に関係した最後の記録位置管理データRMDをRMDディプリケーションゾーンRDZ内に記録すると言っても良い。追記形情報記憶媒体上に記録位置管理データRMDを追記する毎に同じ情報をRMDディプリケーションゾーンRDZに記録すると、比較的少ない追記回数でRMDディプリケーションゾーンRDZが一杯になってしまうため追記回数の上限値が小さくなってしまう。それに比べて本実施形態のようにボーダーをクローズした時や、ボーダーインBRDI内の記録位置管理ゾーンRMZ内が一杯になりRゾーンを用いて新たな記録位置管理ゾーンRMZを形成する時などの新たに記録位置管理ゾーンRMZを作る場合に、今までの記録位置管理ゾーンRMZ内の最後の記録位置管理データRMDのみをRMDディプリケーションゾーンRDZ内に記録することにより、RMDディプリケーションゾーンRDZ内を有効活用して追記可能回数を向上できる効果がある(図126のポイント(C3)、(C3β))。
例えば、追記途中の(ボーダークローズする前の)ボーダー内領域BRDAに対応した記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDが追記形情報記憶媒体の表面に付いたゴミや傷の影響で再生不可能になった場合には、RMDディプリケーションゾーンRDZ内の最後に記録された記録位置管理データRMDを読み取ることにより、既にクローズされたボーダー内領域BRDAの場所が分かる。したがって、情報記憶媒体のデータ領域DTA内のそれ以外の場所をトレースすることにより、追記途中の(ボーダークローズする前の)ボーダー内領域BRDAの場所とそこに記録された情報内容を収集でき、最新の記録位置管理データRMDの情報を復元できる。
図16の(a)〜(c)に共通して存在する制御データゾーンCDZ内の物理フォーマット情報PFI(図22を用いて後で詳細に説明する)に類似した情報がR物理情報ゾーンR-PFIZ内に記録される。
追記形情報記憶媒体(図16の(c))内にあるRMDディプリケーションゾーンRDZと記録位置管理ゾーンRMZ内のデータ構造を図17に示す。図17の(a)は図16の(c)と同じものを示し、図16の(c)内のRMDディプリケーションゾーンRDZと記録位置管理ゾーンRMZの拡大図が図17の(b)に示されている。上述したように、データリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZには最初のボーダー内領域BRDA内に対応した記録位置管理に関するデータが1個の記録位置管理データ(Recording Management Data)RMDの中にそれぞれまとめて記録され、追記形情報記憶媒体への追記処理が行われた時に発生する記録位置管理データRMDの中身が更新される毎に新たな記録位置管理データRMDとして順次後ろ側に追記される。すなわち、記録位置管理データ(Recording Management Data)RMDは1物理セグメントブロック(物理セグメントブロックについては後述する)のサイズ単位で記録され、データ内容が更新される毎に新たな記録位置管理データRMDとして順次後ろに追記されて行く。図17の(b)の例では事前に記録位置管理データRMD#1、RMD#2が記録されていた所、管理データに変更が生じたので変更後(アップデート後)のデータを記録位置管理データRMD#3として記録位置管理データRMD#2の直後に記録した例を示している。したがって、記録位置管理ゾーンRMZ内では更に追記可能なように予約領域273が存在している。
図17の(b)はデータリードイン領域DTLDI中に存在する記録位置管理ゾーンRMZ内の構造を示しているが、それに限らず後述するボーダーインBRDI内またはボーダー内領域BRDA内にある記録位置管理ゾーンRMZ(または拡張記録位置管理ゾーン:拡張RMZと呼ぶ)内の構造も図17の(b)に示した構造と同じである。
本実施形態では最初のボーダー内領域BRDA#1をクローズするか、データ領域DTAの終了処理(ファイナライズ)をする場合には、最後の記録位置管理データRMDで図17の(b)に示した予約領域273を全て埋める処理を行う(図132のポイント(L2))。これにより
(1)“未記録状態”の予約領域273が無くなり、DPD(Differencial Phase Detection)検出法によるトラッキング補正の安定化を保証する、
(2)かつての予約領域273に最後の記録位置管理データRMDを多重書きする事になり、最後の記録位置管理データRMDに関する再生時の信頼性が大幅に向上する、
(3)誤って未記録状態の予約領域273に異なった記録位置管理データRMDを記録する事件を防止できる、
と言う効果がある。
(1)“未記録状態”の予約領域273が無くなり、DPD(Differencial Phase Detection)検出法によるトラッキング補正の安定化を保証する、
(2)かつての予約領域273に最後の記録位置管理データRMDを多重書きする事になり、最後の記録位置管理データRMDに関する再生時の信頼性が大幅に向上する、
(3)誤って未記録状態の予約領域273に異なった記録位置管理データRMDを記録する事件を防止できる、
と言う効果がある。
上記処理方法はデータリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZに限らず、本実施形態では後述するボーダーインBRDI内またはボーダー内領域BRDA内にある記録位置管理ゾーンRMZ(または拡張記録位置管理ゾーン:拡張RMZと呼ぶ)に対しても、対応するボーダー内領域BRDAをクローズするかデータ領域DTAの終了処理(ファイナライズ)をする場合には、最後の記録位置管理データRMDで予約領域273を全て埋める処理を行う。
RMDディプリケーションゾーンRDZ内はRDZリードインRDZLIと対応RMZ最後の記録位置管理データRMDの記録領域271に分かれている。RDZリードインRDZLIの中は図17の(b)に示すように、データサイズが48KBのシステム予約領域SRSFとデータサイズが16KBのユニークID領域UIDFから構成される。システム予約領域SRSF内は全て“00h”にセットされる。
本実施形態では追記可能なデータリードイン領域DTLDI内にRDZリードインRDZLIを記録する(図126のポイント(C4))所に特徴がある。本実施形態の追記形情報記憶媒体では製造直後はRDZリードインRDZLIは未記録の状態で出荷される。ユーザサイドの情報記録再生装置内でこの追記形情報記憶媒体を使う段階で初めてRDZリードインRDZLIの情報を記録する。したがって、追記形情報記憶媒体を情報記録再生装置に装着直後にRDZリードインRDZLIに情報が記録されているか否かを判定することにより、対象の追記形情報記憶媒体が製造・出荷直後の状態か、少なくとも一回でも使用したかを容易に知る事が出来る。さらに、図17の(b)に示すように、RMDディプリケーションゾーンRDZが最初のボーダー内領域BRDAに対応した記録位置管理ゾーンRMZより内周側に配置され、RMDディプリケーションゾーンRDZ内にRDZリードインRDZLIが配置される(図126のポイント(C4α))所に本実施形態の次の特徴がある。
追記形情報記憶媒体が製造・出荷直後の状態か、少なくとも一回でも使用したかの情報(RDZリードインRDZLI)を共通な利用目的(記録位置管理データRMDの信頼性向上)に使われるRMDディプリケーションゾーンRDZ内に配置することにより、情報収集の利用効率が向上する。RDZリードインRDZLIを記録位置管理ゾーンRMZより内周側に配置することにより、必要情報収集に必要な時間の短縮化が図れる。情報記憶媒体を情報記録再生装置に装着すると、情報記録再生装置は図9に示すように最内周側に配置されたバーストカッティング領域BCAから再生を開始し、順次外側に再生位置を移動させながら、システムリードイン領域SYLSI、データリードイン領域DTLDIへと再生場所を変えて行く。RMDディプリケーションゾーンRDZ内のRDZリードインRDZLIに情報が記録されているか否かを判別する。出荷直後で一度も記録されて無い追記形情報記憶媒体では記録位置管理ゾーンRMZ内には一切の記録位置管理データRMDが記録されて無いので、RDZリードインRDZLIに情報が記録されて無い場合には“出荷直後で未使用”と判定し、記録位置管理ゾーンRMZの再生を省く事が出来、情報収集に必要な時間の短縮化が図れる。
ユニークID領域UIDF内は図17の(c)に示すように、出荷直後の追記形情報記憶媒体を初めて使用した(記録を開始した)情報記録再生装置に関する情報が記録される。すなわち、情報記録再生装置のドライブメーカID281や情報記録再生装置のシリアル番号283、モデル番号284が記録される。ユニークID領域UIDF内は図17の(c)に示した2KB(厳密には2048バイト)の同じ情報が8回繰り返し記録されている。ユニークディスクID287内には図17の(d)に示すように、初めて使用(記録を開始)した時の年情報293、月情報294、日情報295、時間情報296、分情報297、秒情報298が記録される。それぞれの情報のデータタイプは図17の(d)に記載されているように、HEX、BIN、ASCIIで記載され、使用バイト数も2バイト、もしくは4バイト使われる。
RDZリードインRDZLIの領域のサイズと上記1個の記録位置管理データRMDのサイズが64KBすなわち、1個のECCブロック内のユーザデータサイズの整数倍になっている所に本実施形態の特徴(図126のポイント(C5))がある。追記形情報記憶媒体の場合、1個のECCブロック内のデータの一部を変更後に情報記憶媒体に変更後のECCブロックのデータを書き替えると言う処理が出来ない。したがって、特に追記形情報記憶媒体の場合には、図79に示すように1個のECCブロックを含むデータセグメントの整数倍で構成されるレコーディングクラスタ(b)単位で記録される。したがって、RDZリードインRDZLIの領域のサイズと上記1個の記録位置管理データRMDのサイズがECCブロック内のユーザデータサイズと異なると、レコーディングクラスタ単位に合わせるためのパディング領域またはスタッフィング領域が必要となり、実質的な記録効率が低下する。本実施形態のようにRDZリードインRDZLIの領域のサイズと上記1個の記録位置管理データRMDのサイズが64KBの整数倍に設定することにより、記録効率の低下を防止できる。
図17の(b)における対応RMZ最後の記録位置管理データRMD記録領域271についての説明を行う。既に説明したように、従来技術として登録2621459号に記載されているようにリードイン領域の内側に記録中断時の中間情報を記録する方法がある。この場合には記録を中断する毎あるいは追記処理を行う毎に、この領域に中間情報(本実施形態では記録位置管理データRMD)を逐次追記する必要がある。そのため、頻繁に記録中断または追記処理が繰り返されると、この領域が直ぐに満杯となり更なる追加処理が不可能になると言う問題が発生する。この問題を解決するために、本実施形態では特定の条件を満たす時にのみ、更新された記録位置管理データRMDを記録できる領域としてRMDディプリケーションゾーンRDZを設定し、特定条件の下で間引かれた記録位置管理データRMDを記録する事を特徴とする。このようにRMDディプリケーションゾーンRDZ内に追記される記録位置管理データRMDの頻度を低下させることにより、RMDディプリケーションゾーンRDZ内が満杯になるのを防ぎ、追記形情報記憶媒体に対する追記可能な回数を大幅に向上できると言う効果がある。
これと並行して、追記処理毎に更新される記録位置管理データRMDは図86に示すボーダーインBRDI内(最初のボーダー内領域BRDA#1に関しては図17の(a)に示すようにデータリードイン領域DTLDI内)の記録位置管理ゾーンRMZ、あるいは図99に示すRゾーンを利用した記録位置管理ゾーンRMZ内に逐次追記される。そして、次のボーダー内領域BRDAを作成(新たなボーダーインBRDIを設定)したり、Rゾーン内に新たな記録位置管理ゾーンRMZを設定する等、新たな記録位置管理ゾーンRMZを作る時に、最後の(新たな記録位置管理ゾーンRMZを作る直前の状態での最新の)記録位置管理データRMDをRMDディプリケーションゾーンRDZ(の中の対応RMZ最後の記録位置管理データRMD記録領域271)内に記録する(図126のポイント(C4))。これにより、追記形情報記憶媒体への追記可能回数が大幅に増大するだけでなく、この領域を利用することにより、最新のRMD位置検索が容易になると言う効果が生まれる。この領域を利用して最新のRMD位置検索を行う方法については後程、図108を用いて説明する。
図17に示した記録位置管理データRMD内のデータ構造を図85に示す。図85の(a)、(b)は図17の(a)、(b)と同じ内容になっている。前述したように、本実施形態では最初のボーダー内領域BRDA#1に対するボーダーインBRDIをデータリードインDTLDIと一部兼用しているため、データリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZには最初のボーダー内領域に対応する記録位置管理データRMD#1〜RMD#3が記録されている。データ領域DTA内に全くデータが記録されて無い場合、記録位置管理ゾーンRMZ内は全てデータが未記録状態である予約領域273になる。データ領域DTA内にデータが追記される毎に、更新された記録位置管理データRMDが予約領域273内の最初の場所に記録され、記録位置管理ゾーンRMZ内の最初のボーダー内領域に対応した記録位置管理データRMDが順次追記されて行く。記録位置管理ゾーンRMZ内に一回毎に追記される記録位置管理データRMDのサイズは64Kバイトにしている(図126のポイント(C5))。図36、または図84に示したように、本実施形態では64KBのデータで1ECCブロックを構成するため、記録位置管理データRMDのデータサイズを1ECCブロックサイズに合わせることにより、追記処理の簡素化を図っている。
図63や図69、図80に示すように、本実施形態では1ECCブロックデータ412の前後にガード領域442、443の一部を付加して1個のデータセグメント490を構成し、1個以上(n個)のデータセグメントに拡張ガードフィールド258、259を付加して追記もしくは書き換え単位のレコーディングクラスタ540、542を構成する。記録位置管理データRMDを記録する場合には1個のデータセグメント(1個のECCブロック)のみを含むレコーディングクラスタ540、542として記録位置管理ゾーンRMZ内に順次追記する。図69に示すように1個のデータセグメント531を記録する場所の長さは7個の物理セグメント550〜556から構成される1個の物理セグメントブロックの長さに一致している。
1個の記録位置管理データRMD#1内のデータ構造を図85(c)に示す。図85(c)ではデータリードイン領域DTLDI内の記録位置管理データRMD#1内のデータ構造を示しているが、それに限らず、RMDディプリケーションゾーンRDZ内に記録する記録位置管理データRMD#A、RMD#B(図17の(b))や後述するボーダーインBRDI内に記録される(拡張)記録位置管理データRMD(図86の(d))やRゾーン内に記録される(拡張)記録位置管理データRMD(図103)内のデータ構造、およびボーダーアウトBRDO内に記録するRMDのコピーCRMD(図86の(d))も同じ構造を取る。図85の(c)に示すように1個の記録位置管理データRMD内はリザーブ領域と“0”から“21”までのRMDフィールドから構成されている。後ほど、図31を用いて説明するように、本実施形態では64KBのユーザデータから構成される1個のECCブロック内に32個の物理セクタが含まれており、1個の物理セクタ内には2KB(厳密には2048バイト)のユーザデータがそれぞれ記録されている。1個の物理セクタ内に記録されるユーザデータサイズに合わせて各RMDフィールドはそれぞれ2048バイト毎に割り振られ、相対的な物理セクタ番号が設定されている。この相対的な物理セクタ番号順に追記形情報記憶媒体上にRMDフィールドが記録される。各RMDフィールド内に記録されるデータ内容の概要は
・RMDフィールド0…ディスク状態に関する情報とデータエリアアロケーション(データ領域内の各種データの配置場所に関する情報)
・RMDフィールド1…使用したテストゾーンに関する情報と推奨の記録波形に関する情報
・RMDフィールド2…ユーザが使用できるエリア
・RMDフィールド3…ボーダーエリアの開始位置情報と拡張RMZ位置に関する情報
・RMDフィールド4〜21…Rゾーンの位置に関する情報
となっている。
・RMDフィールド0…ディスク状態に関する情報とデータエリアアロケーション(データ領域内の各種データの配置場所に関する情報)
・RMDフィールド1…使用したテストゾーンに関する情報と推奨の記録波形に関する情報
・RMDフィールド2…ユーザが使用できるエリア
・RMDフィールド3…ボーダーエリアの開始位置情報と拡張RMZ位置に関する情報
・RMDフィールド4〜21…Rゾーンの位置に関する情報
となっている。
記録位置管理データRMD内の具体的な情報内容について図25〜図30を用いて後述する。また図16の(c)に示したR物理情報ゾーンRIZの情報内容についても図22〜図24の説明の所で後ほど詳細に説明する。
図16の(a)〜(c)に示すように、再生専用形、追記形、書替え形いずれの情報記憶媒体においてシステムリードイン領域がデータリードイン領域を挟んでデータ領域の反対側に配置され(図125のポイント(B4))、更に図9に示すように、システムリードイン領域SYLDIを挟んでバーストカッティング領域BCAとデータリードイン領域DTLDIが互いに反対側に配置されている所に本実施形態の特徴がある。情報記憶媒体を図1に示した情報再生装置または情報記録再生装置に挿入すると、情報再生装置または情報記録再生装置は
(1)バーストカッティング領域BCA内の情報の再生
→(2)システムリードイン領域SYLDI内の制御データゾーンCDZ内の情報の再生
→(3)データリードイン領域DTLDI内の情報の再生(追記形または書替え形の場合)
→(4)参照コード記録ゾーンRCZ内での再生回路定数の再調整(最適化)
→(5)データ領域DTA内に記録された情報の再生もしくは新たな情報の記録
の順で処理を行う。図16に示すように、上記処理の順に沿って情報が内周側から順に配置されているため、不要な内周へのアクセス処理が不要となり、アクセス回数を少なくしてデータ領域DTAへ到達できるため、データ領域DTA内に記録された情報の再生もしくは新たな情報の記録の開始時間を早める効果がある。システムリードイン領域SYLDIでの信号再生にスライスレベル検出方式を利用し(図125のポイント〔B〕)、データリードイン領域DTLDIとデータ領域DTAでは信号再生にPRML法を用いる(図125のポイント〔A〕)ので、データリードイン領域DTLDIとデータ領域DTAを隣接させると、内周側から順に再生した場合、システムリードイン領域SYLDIとデータリードイン領域DTLDIの間で1回だけスライスレベル検出回路からPRML検出回路に切り替えるだけで連続して安定に信号再生が可能となる。そのため、再生手順に沿った再生回路切り替え回数が少ないので、処理制御が簡単になりデータ領域内再生開始時間が早くなる。
(1)バーストカッティング領域BCA内の情報の再生
→(2)システムリードイン領域SYLDI内の制御データゾーンCDZ内の情報の再生
→(3)データリードイン領域DTLDI内の情報の再生(追記形または書替え形の場合)
→(4)参照コード記録ゾーンRCZ内での再生回路定数の再調整(最適化)
→(5)データ領域DTA内に記録された情報の再生もしくは新たな情報の記録
の順で処理を行う。図16に示すように、上記処理の順に沿って情報が内周側から順に配置されているため、不要な内周へのアクセス処理が不要となり、アクセス回数を少なくしてデータ領域DTAへ到達できるため、データ領域DTA内に記録された情報の再生もしくは新たな情報の記録の開始時間を早める効果がある。システムリードイン領域SYLDIでの信号再生にスライスレベル検出方式を利用し(図125のポイント〔B〕)、データリードイン領域DTLDIとデータ領域DTAでは信号再生にPRML法を用いる(図125のポイント〔A〕)ので、データリードイン領域DTLDIとデータ領域DTAを隣接させると、内周側から順に再生した場合、システムリードイン領域SYLDIとデータリードイン領域DTLDIの間で1回だけスライスレベル検出回路からPRML検出回路に切り替えるだけで連続して安定に信号再生が可能となる。そのため、再生手順に沿った再生回路切り替え回数が少ないので、処理制御が簡単になりデータ領域内再生開始時間が早くなる。
各種情報記憶媒体におけるデータ領域DTAとデータリードアウト領域DTLDO内のデータ構造の比較を図18に示す。図18の(a)が再生専用形情報記憶媒体のデータ構造を表し、図18の(b)と(c)が書替え形情報記憶媒体のデータ構造、図18の(d)〜(f)が追記形情報記憶媒体のデータ構造を示している。特に、図18の(b)と(d)が初期時(記録前)の構造を示し、図18の(c)、(e)、(f)は記録(追記または書替え)がある程度進んだ状態でのデータ構造を示している。
図18の(a)に示すように、再生専用形情報記憶媒体においてデータリードアウト領域DTLDOとシステムリードアウト領域SYLDO内に記録されているデータは図16の第1、第2バッファゾーンBFZ1、BFZ2と同様にデータフレーム構造(データフレーム構造については後述)を持ち、その中のメインデータの値を全て“00h”に設定してある。再生専用形情報記憶媒体ではデータ領域DTA内の全領域に亘りユーザデータの事前記録領域201として使用できるが、後述するように追記形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体のいずれの実施形態でもユーザデータの書替え/追記可能範囲202〜205がデータ領域DTAよりも狭くなっている。
追記形情報記憶媒体あるいは書替え形情報記憶媒体ではデータ領域DTAの最内周部に代替え領域(Spare Area)SPAが設けてある。データ領域DTA内に欠陥場所が発生した場合に、代替え領域SPAを使って代替え処理を行い、書替え形情報記憶媒体の場合には、その代替え履歴情報(欠陥管理情報)を図16の(b)の第1、第2欠陥管理領域DMA1,DMA2、及び図18の(b)、(c)の第3、第4欠陥管理領域DMA3、DMA4に記録する。図18の(b)、(c)の第3、第4欠陥管理領域DMA3、DMA4に記録される欠陥管理情報は図16の(b)の第1、第2欠陥管理領域DMA1,DMA2に記録される情報と同じ内容が記録される。追記形情報記憶媒体の場合には、代替え処理を行った場合の代替え履歴情報(欠陥管理情報)は図16の(c)に示したデータリードイン領域DTLDI内、及び後述するボーダーゾーン内に存在する記録位置管理ゾーンへの記録内容のコピー情報C_RMZ内に記録される。現行のDVD-Rディスクでは欠陥管理を行わなかったが、DVD-Rディスクの製造枚数の増加につれて一部に欠陥場所を持つDVD-Rディスクが出廻るようになり、追記形情報記憶媒体に記録する情報の信頼性向上を望む声が大きくなっている。本実施形態では図18の(d)〜(f)に示すように、追記形情報記憶媒体に対しても代替え領域SPAを設定し、代替え処理による欠陥管理を可能としている。したがって、一部に欠陥場所を持つ追記形情報記憶媒体に対しても、欠陥管理処理を行うことにより記録する情報の信頼性を向上させる事が可能となる。
書替え形情報記憶媒体、あるいは追記形情報記憶媒体では、欠陥が多く発生した場合に、ユーザサイドで情報記録再生装置が判断して図18の(b)、(d)に示すユーザへの販売直後の状態に対して、図18の(c)、(e)、(f)に示すように、自動的に拡張代替え領域(Extended Spare Area)ESPA、ESPA1、ESPA2を設定し、代替え場所を広げられるようにしてある。このように拡張代替え領域ESPA、ESPA1、ESPA2を設定可能にすることにより、製造上の都合で欠陥の多い媒体も販売可能となり、その結果、媒体の製造歩留まりが向上して媒体の低価格化が可能となる。
図18の(c)や(e)、(f)に示すように、データ領域DTA内に拡張代替え領域ESPA、ESPA1、ESPA2を増設すると、ユーザデータの書替えあるいは追記可能範囲203、205が減少するので、その位置情報を管理する必要がある。書替え形情報記憶媒体ではその情報は第1〜第4欠陥管理領域DMA1〜DMA4に記録されるとともに、後述するように制御データゾーンCDZ内にも記録される。追記形情報記憶媒体の場合には、後述するようにデータリードイン領域DTLDI内及びボーダーアウトBRDO内に存在する記録位置管理ゾーンRMZ内に記録される。後述するように記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データ(Recording Management Data)RMDに記録される。記録位置管理データRMDは管理データ内容が更新される毎に記録位置管理ゾーンRMZ内でアップデート的に追記されるので、拡張代替え領域を何度設定し直しても(図18の(e)の実施形態では最初に拡張代替え領域1EAPA1を設定し、その拡張代替え領域1EAPA1を全て使い果たした後でも、欠陥が多くて更なる代替え領域設定が必要になったので、後日更に拡張代替え領域2ESPA2を設定した状態を示している)タイムリーにアップデートして管理する事が可能となる。
図18の(b)、(c)に示す第3ガードトラックゾーンGTZ3は第4欠陥管理領域DMA4とドライブテストゾーンDRTZ間の分離のために配置され、ガードトラックゾーンGTZ4はディスクテストゾーンDKTZとサーボキャリブレーション領域(Servo Calibration Zone)SCZとの間の分離のために配置されている。第3、第4ガードトラックゾーンGTZ3、GTZ4は図16に示した第1、第2ガードトラックゾーンGTZ1、GTZ2と同様、この領域には記録マーク形成による記録をしてはいけない領域として規定される。第3、第4ガードトラックゾーンGTZ3、GTZ4はデータリードアウト領域DTLDO内に存在するため、この領域内には追記形情報記憶媒体ではプリグルーブ領域、また書替え形情報記憶媒体ではグルーブ領域とランド領域は事前に形成されている。プリグルーブ領域、あるいはグルーブ領域とランド領域内は図13〜図15に示すようにウォブルアドレスが予め記録されているので、このウォブルアドレスを用いて情報記憶媒体内の現在位置を判定する。
ドライブテストゾーンDRTZは図16と同様、情報記録再生装置が情報記憶媒体への情報を記録する前に試し書きするための領域として確保されている。情報記録再生装置は予めこの領域内で試し書きを行い、最適な記録条件(ライトストラテジ)を割り出した後、その最適記録条件でデータ領域DTA内に情報を記録する事が出来る。
ディスクテストゾーンDKTZは図16と同様、情報記憶媒体の製造メーカが品質テスト(評価)を行うために設けられた領域である。
サーボキャリブレーション領域(Servo Calibration Zone)SCZ以外のデータリードアウト領域DTLDO内の全領域には追記形情報記憶媒体ではプリグルーブ領域、また書替え形情報記憶媒体ではグルーブ領域とランド領域は事前に形成され、記録マークの記録(追記または書替え)が可能になっている。図18の(c)と(e)に示したように、サーボキャリブレーション領域(Servo Calibration Zone)SCZ内はプリグルーブ領域214、またはランド領域及びグルーブ領域213の代わりにシステムリードイン領域SYLDIと同じようにエンボスピット領域211となっている。この領域はデータリードアウト領域DTLDOの他の領域に続いてエンボスピットによる連続したトラックを形成し、このトラックはスパイラル状に連続してつながり情報記憶媒体の円周に沿って360度に亘りエンボスピットを形成している。この領域はDPD(Deferential Phase Detect)法を用いて情報記憶媒体の傾き量を検出するために設けてある。情報記憶媒体が傾くとDPD法を用いたトラックずれ検出信号振幅にオフセットが生じ、オフセット量で傾き量が、オフセット方向で傾き方向が精度良く検出する事が可能となる。この原理を利用し、情報記憶媒体の最外周部(データリードアウト領域DTLDO内の外周部)にDPD検出が出来るエンボスピットを事前に形成しておくことにより、図1の情報記録再生部141内に存在する光学ヘッドに(傾き検出用の)特別な部品を付加する事無く安価に精度の良い傾き検出が可能となる。さらに、この外周部の傾き量を検出することにより、データ領域DTA内でも(傾き量補正による)サーボの安定化を実現できる。
本実施形態ではサーボキャリブレーション領域SCZ内のトラックピッチをデータリードアウト領域DTLDO内の他の領域に合わせ、情報記憶媒体の製造性を向上させ、歩留まり向上による媒体の低価格化を可能にする。すなわち、追記形情報記憶媒体においてデータリードアウト領域DTLDO内の他の領域にはプリグルーブが形成されているが、追記形情報記憶媒体の原盤製造時に原盤記録装置の露光部の送りモータ速度を一定にしてプリグルーブを作成している。この時、サーボキャリブレーション領域SCZ内のトラックピッチをデータリードアウト領域DTLDO内の他の領域に合わせることにより、サーボキャリブレーション領域SCZ内も引き続き送りモータ速度を一定に保持できるため、ピッチムラが生じ辛く情報記憶媒体の製造性が向上する。
他の実施形態としてはサーボキャリブレーション領域SCZ内のトラックピッチまたはデータビット長の少なくともいずれかをシステムリードイン領域SYLDIのトラックピッチまたはデータビット長に合わせる方法もある。DPD法を用いてサーボキャリブレーション領域SCZ内の傾き量とその傾き方向を測定し、その結果をデータ領域DTA内でも利用してデータ領域DTA内でのサーボ安定化を図る事を前述したが、データ領域DTA内の傾き量を予想する方法としてシステムリードイン領域SYLDI内の傾き量とその方向を同じくDPD法により予め測定し、サーボキャリブレーション領域SCZ内の測定結果との関係を利用して予測する事ができる。DPD法を用いた場合、情報記憶媒体の傾きに対する検出信号振幅のオフセット量とオフセットが出る方向がエンボスピットのトラックピッチとデータビット長に依存して変化する特徴がある。したがって、サーボキャリブレーション領域SCZ内のトラックピッチまたはデータビット長の少なくともいずれかをシステムリードイン領域SYLDIのトラックピッチまたはデータビット長に合わせることにより、検出信号振幅のオフセット量とオフセットが出る方向に関する検出特性をサーボキャリブレーション領域SCZ内とシステムリードイン領域SYLDI内とで一致させ、両者の相関を取り易くしてデータ領域DTA内の傾き量と方向の予測を容易にすると言う効果が生じる。
図16の(c)と図18の(d)に示すように、追記形情報記憶媒体では内周側と外周側の2箇所にドライブテストゾーンDRTZを設けてある。ドライブテストゾーンDRTZに行う試し書きの回数が多い程、細かくパラメータを振って最適な記録条件を詳細に探すことができ、データ領域DTAへの記録精度が向上する。書替え形情報記憶媒体では重ね書きによるドライブテストゾーンDRTZ内の再利用が可能となるが、追記形情報記憶媒体では試し書きの回数を多くして記録精度を上げようとすると、ドライブテストゾーンDRTZ内をすぐに使い切ってしまうと言う問題が発生する。その問題を解決するために本実施形態では外周部から内周方向に沿って逐次拡張ドライブテストゾーン(Extended Drive Test Zone)EDRTZの設定を可能とし、ドライブテストゾーンの拡張を可能とする所に特徴がある(図127のポイント(E2))。拡張ドライブテストゾーンの設定方法とその設定された拡張ドライブテストゾーン内での試し書き方法に関する特徴として本実施形態では
(1)拡張ドライブテストゾーンEDRTZの設定(枠取り)は外周方向(データリードアウト領域DTLDOに近い方)から内周側にむけて順次まとめて設定する。
(1)拡張ドライブテストゾーンEDRTZの設定(枠取り)は外周方向(データリードアウト領域DTLDOに近い方)から内周側にむけて順次まとめて設定する。
…図18の(e)に示すようにデータ領域内の最も外周に近い場所(データリードアウト領域DTLDOに最も近い場所)からまとまった領域として拡張ドライブテストゾーン1EDRTZ1を設定し、その拡張ドライブテストゾーン1EDRTZ1を使い切った後で、それより内周側に存在する纏まった領域として拡張ドライブテストゾーン2EDRTZ2を次に設定可能とする。
(2)拡張ドライブテストゾーンEDRTZの中では内周側から順次試し書きを行う(図127のポイント(E3))
…拡張ドライブテストゾーンEDRTZの中で試し書きを行う場合には内周側から外周側に沿ってスパイラル状に配置されたグルーブ領域214に沿って行い、前回試し書きをした(既に記録された)場所のすぐ後ろの未記録場所に今回の試し書きを行う。
…拡張ドライブテストゾーンEDRTZの中で試し書きを行う場合には内周側から外周側に沿ってスパイラル状に配置されたグルーブ領域214に沿って行い、前回試し書きをした(既に記録された)場所のすぐ後ろの未記録場所に今回の試し書きを行う。
データ領域内は内周側から外周側に沿ってスパイラル状に配置されたグルーブ領域214に沿って追記される構造となっており、拡張ドライブテストゾーン内での試し書きが直前に行われた試し書き場所の後ろに順次追記する方法で行う事により“直前に行われた試し書き場所の確認”→“今回の試し書きの実施”の処理がシリアルに行えるため、試し書き処理が容易となるばかりでなく、拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内での既に試し書きされた場所の管理が簡単になる。
(3)拡張ドライブテストゾーンEDRTZも含めた形でデータリードアウト領域DTLDOの再設定可能(図127のポイント(E4))
…図18の(e)にデータ領域DTA内に2箇所の拡張代替え領域ESPA1、ESPA2を設定し、2箇所の拡張ドライブテストゾーンEDRTZ1、EDRTZ2を設定した例を示す。この場合に本実施形態では図18の(f)に示すように拡張ドライブテストゾーンEDRTZ2までを含めた領域に対してデータリードアウト領域DTLOとして再設定出来る所に特徴がある(図127のポイント(E4))。これに連動して、範囲を狭めた形でデータ領域DTAの範囲の再設定を行うことになり、データ領域DTA内に存在するユーザデータの追記可能範囲205の管理が容易になる。図18の(f)のように再設定した場合には図18の(e)に示した拡張代替え領域ESPA1の設定場所を“既に使い切った拡張代替え領域”と見なし、拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内の拡張代替え領域ESPA2内のみに未記録領域(追記の試し書きが可能な領域)が存在すると管理する。この場合、拡張代替え領域ESPA1内に記録され、代替えに使われた非欠陥の情報はそっくりそのまま拡張代替え領域ESPA2内の未代替え領域の場所に移され、欠陥管理情報が書き替えられる。この時再設定されたデータリードアウト領域DTLDOの開始位置情報は図25〜図30に示すように記録位置管理データRMD内のRMDフィールド0の最新の(更新された)データ領域DTAの配置位置情報内に記録される。
…図18の(e)にデータ領域DTA内に2箇所の拡張代替え領域ESPA1、ESPA2を設定し、2箇所の拡張ドライブテストゾーンEDRTZ1、EDRTZ2を設定した例を示す。この場合に本実施形態では図18の(f)に示すように拡張ドライブテストゾーンEDRTZ2までを含めた領域に対してデータリードアウト領域DTLOとして再設定出来る所に特徴がある(図127のポイント(E4))。これに連動して、範囲を狭めた形でデータ領域DTAの範囲の再設定を行うことになり、データ領域DTA内に存在するユーザデータの追記可能範囲205の管理が容易になる。図18の(f)のように再設定した場合には図18の(e)に示した拡張代替え領域ESPA1の設定場所を“既に使い切った拡張代替え領域”と見なし、拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内の拡張代替え領域ESPA2内のみに未記録領域(追記の試し書きが可能な領域)が存在すると管理する。この場合、拡張代替え領域ESPA1内に記録され、代替えに使われた非欠陥の情報はそっくりそのまま拡張代替え領域ESPA2内の未代替え領域の場所に移され、欠陥管理情報が書き替えられる。この時再設定されたデータリードアウト領域DTLDOの開始位置情報は図25〜図30に示すように記録位置管理データRMD内のRMDフィールド0の最新の(更新された)データ領域DTAの配置位置情報内に記録される。
図106、図107を参照して、テストゾーンの拡張について説明する。
テストゾーンは記録波形を最適化するための領域である。内周テストゾーンと外周テストゾーンが存在する。図106の(a)に示すように、初期状態ではデータ領域の外側にガードトラックゾーン、外周テストゾーン、ガードトラックゾーンがある。データ領域とガードトラックゾーンの境界がデータ記録領域の外周側の限界である。ブランクサーチは内周から外周側に向かって行われ、テストは外周から内周側に向かって行われる。最適化のための記録はテストゾーンの外側から順に使用し、使用した最後のアドレスをRMDに保存する。図106の(b)に示すように、外周テストゾーンは一度だけ拡張することが可能である。拡張テストゾーンは以前のガードトラックゾーンに設定され、その分だけガードトラックゾーンが内周側にシフトし、データ領域が少なくなる。
図107の(a)に示すように、データ領域が満杯になる前にテストゾーンが満杯になったとすると、図107の(b)に示すように、データ領域の外周部にガードトラックを新規に設定し、以前のガードトラックを拡張テストゾーンとする。とともに、データリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZに更新した記録位置管理データRMDを追記記録する。
上記ドライブテストゾーンに試し書きを行う記録パルスの波形(ライトストラテジ)を図19に示し、記録パルス形状の定義を図20に示す。
マークとスペースはピークパワー、第1バイアスパワー、第2バイアスパワー、第3バイアスパワーのパルスを照射することによりディスクに上書きされる。マークはピークパワーと第3バイアスパワーとの間で変調されるパルスを照射することによりディスクに上書きされる。スペースは第1バイアスパワーのパルスを照射することによりディスクに上書きされる。
SbERはランダムエラーを評価するための手段であり、ランダムエラーにより引き起こされるビットエラーレートに相当する。
PRSNRとSbERの測定前にイコライザの係数は最小自乗誤差(MSE)アルゴリズムにより計算される。
記録パルスは図19に示すように光パルスの列からなる。
2Tマークの記録パルスはモノパルスと、後続する第2バイアスパワーのパルスからなる。3Tマークの記録パルスは第1パルスと、ラストパルスと、後続する第2バイアスパワーのパルスからなる。3Tマーク以上のマークの記録パルスは第1パルスと、マルチパルス列と、ラストパルスと、後続する第2バイアスパワーのパルスからなる。Tはチャンネルクロック期間である。
2Tマークのための記録パルス構造
NRZI信号の立上がりエッジからTSFP後にモノパルスの発生が開始し、NRZI信号の立下がりエッジから1T−TELP前に発生が終了する。モノパルスの期間は1T−TELP+TSFPである。TELP、TSFPは制御データゾーンに記録される。モノパルスに後続する第2バイアスパワーの期間はTLCである。TLCは制御データゾーンに記録される。
NRZI信号の立上がりエッジからTSFP後にモノパルスの発生が開始し、NRZI信号の立下がりエッジから1T−TELP前に発生が終了する。モノパルスの期間は1T−TELP+TSFPである。TELP、TSFPは制御データゾーンに記録される。モノパルスに後続する第2バイアスパワーの期間はTLCである。TLCは制御データゾーンに記録される。
2Tマーク以上のマークのための記録パルス構造
NRZI信号の立上がりエッジからTSFP後に第1パルスの発生が開始し、NRZI信号の立下がりエッジからTEFP後に発生が終了する。TEFP、TSFPは制御データゾーンに記録される。4Tから13Tに相当する記録パルスはマルチパルス列である。マルチパスル列はパルス幅TMPの期間Tのパルスの繰返しからなる。NRZI信号の立上がりエッジから2T後にマルチパルスの発生が開始し、NRZI信号の立下がりエッジから2T前にマルチパルス列の最後のパルスの発生が終了する。TMPは制御データゾーンに記録される。
NRZI信号の立上がりエッジからTSFP後に第1パルスの発生が開始し、NRZI信号の立下がりエッジからTEFP後に発生が終了する。TEFP、TSFPは制御データゾーンに記録される。4Tから13Tに相当する記録パルスはマルチパルス列である。マルチパスル列はパルス幅TMPの期間Tのパルスの繰返しからなる。NRZI信号の立上がりエッジから2T後にマルチパルスの発生が開始し、NRZI信号の立下がりエッジから2T前にマルチパルス列の最後のパルスの発生が終了する。TMPは制御データゾーンに記録される。
NRZI信号の立上がりエッジから1T−TSLP前にラストパルスの発生が開始し、NRZI信号の立下がりエッジから1T−TELP前にラストパルスの発生が終了する。
TELP、TSLPは制御データゾーンに記録される。
ラストパルスに後続する第2バイアスパワーのパルス幅はTLCである。TLCは制御データゾーンに記録される。
TEFP−TSFP、TMP、TELP−TSLP、TLCは全幅、半分の最大期間である。各光パルスの全幅、半分の最大期間は図20に定義される。立上がり期間Trと立下り期間Tfは1.5ns以下である。立上がり期間Trと立下り期間Tfの差は0.5ns以下である。
TSFP、TEFP、TSLP、TELP、TMP、TLCは(1/32)Tの単位で制御データゾーン内に記録され、次の値をとる。
TSFPは0.25T以上、1.50T以下である。
TELPは0.00T以上、1.00T以下である。
TEFPは1.00T以上、1.75T以下である。
TSLPは−0.10T以上、1.00T以下である。
TLCは0.00T以上、1.00T以下である。
TMPは0.15T以上、0.75T以下である。
アダプティブ制御パラメータTSFP、TELP、TLCは以下の制約がある。
TSFPの最大値と最小値との差は0.50T以下である。
TELPの最大値と最小値との差は0.50T以下である。
TLCの最大値と最小値との差は1.00T以下である。
モノパルスの幅1T−TSFP+TELPは0.25T以上、1.50T以下である。
これらのパラメータは±0.2nsの精度で制御される。
もし、第1パルスとマルチパルス列のピークパワー期間が重複している場合は、複合ピークパワー期間はこれらのピークパワー期間の連続した合計和になる。もし、第1パルスとラストパルスのピークパワー期間が重複している場合は、複合ピークパワー期間はこれらのピークパワー期間の連続した合計和になる。もし、マルチパルス列の最後のパルスとラストパルスのピークパワー期間が重複している場合は、複合ピークパワー期間はこれらのピークパワー期間の連続した合計和になる。
記録パワーはピークパワー、第1バイアスパワー、第2バイアスパワー、第3バイアスパワーの4レベルを持つ。これらは、ディスクの読み取り面に入射され、マーク、スペースを記録するために使われる光パワーである。
ピークパワー、第1バイアスパワー、第2バイアスパワー、第3バイアスパワーは制御データゾーンに記録される。ピークパワーの最大値は例えば10.0mWを越えない。第1バイアスパワー、第2バイアスパワー、第3バイアスパワーの最大値は例えば4.0mWを越えない。
モノパルス、第1パルス、ラストパルスの平均ピークパワーは次の要件を満たす。
|(平均ピークパワー)−(ピークパワー)|≦ピークパワーの5%
平均第1バイアスパワー、平均第2バイアスパワーは次の要件を満たす。
平均第1バイアスパワー、平均第2バイアスパワーは次の要件を満たす。
|(平均第1バイアスパワー)−(第1バイアスパワー)|≦第1バイアスパワーの5%
|(平均第2バイアスパワー)−(第2バイアスパワー)|≦第2バイアスパワーの5%
マルチパルス列の平均パワーは測定期間内のパワーの瞬時値の平均パワーである。
|(平均第2バイアスパワー)−(第2バイアスパワー)|≦第2バイアスパワーの5%
マルチパルス列の平均パワーは測定期間内のパワーの瞬時値の平均パワーである。
測定期間はマルチパルス列の全てを含み、Tの倍数である。マルチパルス列の平均パワーは以下の要件を満たす。
|(マルチパルス列の平均パワー)−(ピークパワー+第3バイアスパワー)/2|≦(ピークパワー+第2バイアスパワー)/2の5%
パワーの瞬時値は実際のパワーの瞬時値である。
パワーの瞬時値は実際のパワーの瞬時値である。
平均パワーは所定のパワーレンジ内のパワーの瞬時値の平均値である。
パワーの平均値のパワー範囲は以下の要件を満たす。
ピークパワーの平均値:|(実際のパワー)−(ピークパワー)|≦ピークパワーの10%
第1バイアスパワーの平均値:|(実際のパワー)−(第1バイアスパワー)|≦第1バイアスパワーの10%
第2バイアスパワーの平均値:|(実際のパワー)−(第2バイアスパワー)|≦第2バイアスパワーの10%
第3バイアスパワーの平均値:|(実際のパワー)−(第3バイアスパワー)|≦第3バイアスパワーの10%
平均パワーを測定する期間は各パルスのパルス幅期間を越えない。
第1バイアスパワーの平均値:|(実際のパワー)−(第1バイアスパワー)|≦第1バイアスパワーの10%
第2バイアスパワーの平均値:|(実際のパワー)−(第2バイアスパワー)|≦第2バイアスパワーの10%
第3バイアスパワーの平均値:|(実際のパワー)−(第3バイアスパワー)|≦第3バイアスパワーの10%
平均パワーを測定する期間は各パルスのパルス幅期間を越えない。
瞬時値パワーは次の要件を満たす。
|(瞬時値ピークパワー)−(ピークパワー)|≦ピークパワーの10%
|(瞬時値第1バイアスパワー)−(第1バイアスパワー)|≦第1バイアスパワーの10%
|(瞬時値第2バイアスパワー)−(第2バイアスパワー)|≦第2バイアスパワーの10%
|(瞬時値第3バイアスパワー)−(第3バイアスパワー)|≦第3バイアスパワーの10%
マークエッジ位置を正確に制御するために、第1パルス、ラストパルス、モノパルスのタイミングは変調される。
|(瞬時値第1バイアスパワー)−(第1バイアスパワー)|≦第1バイアスパワーの10%
|(瞬時値第2バイアスパワー)−(第2バイアスパワー)|≦第2バイアスパワーの10%
|(瞬時値第3バイアスパワー)−(第3バイアスパワー)|≦第3バイアスパワーの10%
マークエッジ位置を正確に制御するために、第1パルス、ラストパルス、モノパルスのタイミングは変調される。
NRZIのマーク長はM2、M3、M4に分類される。マーク長M2、M3、M4は2T、3T、3T以上を示す。
マーク直前のNRZIのスペース長はLS2、LS3、LS4に分類される。スペース長LS2、LS3、LS4は2T、3T、3T以上を示す。
マーク直後のNRZIのスペース長はTS2、TS3、TS4に分類される。スペース長TS2、TS3、TS4は2T、3T、3T以上を示す。
TLCはNRZIのマーク長のカテゴリの関数として変調される。したがって、TLCは次の3つの値を有する。
TLC(M2)、TLC(M3)、TLC(M4)
TLC(M)はNRZI信号のマーク長のカテゴリがMの時のTLCの値を示す。
TLC(M)はNRZI信号のマーク長のカテゴリがMの時のTLCの値を示す。
これらの3つのTLCの値は制御データゾーンに記録される。
TSFPはNRZIのマーク長のカテゴリとマーク直前のNRZIのスペース長のカテゴリの関数として変調される。したがって、TSFPは次の9つの値を有する。
TSFP(M2,LS2)、TSFP(M3,LS2)、TSFP(M4,LS2)
TSFP(M2,LS3)、TSFP(M3,LS3)、TSFP(M4,LS3)
TSFP(M2,LS4)、TSFP(M3,LS4)、TSFP(M4,LS4)
TSFP(M、LS)はNRZI信号のマーク長のカテゴリがMであり、マーク直前のNRZIのスペース長のカテゴリがLSの時の値を示す。これら9つのTSFPの値は制御データゾーンに記録される。
TSFP(M2,LS3)、TSFP(M3,LS3)、TSFP(M4,LS3)
TSFP(M2,LS4)、TSFP(M3,LS4)、TSFP(M4,LS4)
TSFP(M、LS)はNRZI信号のマーク長のカテゴリがMであり、マーク直前のNRZIのスペース長のカテゴリがLSの時の値を示す。これら9つのTSFPの値は制御データゾーンに記録される。
TELPはNRZIのマーク長のカテゴリとマーク直後のNRZIのスペース長のカテゴリの関数として変調される。したがって、TELPは次の9つの値を有する。
TELP(M2,TS2)、TELP(M3,TS2)、TELP(M4,TS2)
TELP(M2,TS3)、TELP(M3,TS3)、TELP(M4,TS3)
TELP(M2,TS4)、TELP(M3,TS4)、TELP(M4,TS4)
TELP(M、TS)はNRZI信号のマーク長のカテゴリがMであり、マーク直前のNRZIのスペース長のカテゴリがTSの時の値を示す。これら9つのTELPの値は制御データゾーンに記録される。
TELP(M2,TS3)、TELP(M3,TS3)、TELP(M4,TS3)
TELP(M2,TS4)、TELP(M3,TS4)、TELP(M4,TS4)
TELP(M、TS)はNRZI信号のマーク長のカテゴリがMであり、マーク直前のNRZIのスペース長のカテゴリがTSの時の値を示す。これら9つのTELPの値は制御データゾーンに記録される。
TSFPの値はマーク長と先行スペース長の関数としてaからiで表され(図113の(a))、TELPの値はマーク長と後続スペース長の関数としてjからrで表される(図113の(b))、TLCの値はマーク長の関数としてsからuで表される(図113の(c))。
図21で追記形情報記憶媒体におけるボーダー領域の構造について説明する。追記形情報記憶媒体に初めて1個のボーダー領域を設定した時は、図21(a)に示すように、内周側(データリードイン領域DTLDIに最も近い側)にボーダー内領域(Bordered Area)BRDA#1を設定後、その後ろにボーダーアウト(Border-out)BRDOを形成する。
更にその次のボーダー内領域(Bordered Area)BRDA#2を設定したい場合には、図21の(b)に示すように、前の(#1の)ボーダーアウトBRDOの後ろに次の(#1の)ボーダーイン(Border-in)BRDIを形成した後に、次のボーダー内領域BRDA#2を設定する。次のボーダー内領域BRDA#2をクローズしたい場合には、その直後に(#2)のボーダーアウトBRDOを形成する。本実施形態ではこの前の(#1の)ボーダーアウトBRDOの後ろに次の(#1の)ボーダーイン(Border-in)BRDIを形成して組みにした状態をボーダーゾーン(Border Zone)BRDZと呼んでいる。ボーダーゾーンBRDZは情報再生装置(DPD検出法を前提)で再生した時の各ボーダー内領域BRDA間で光学ヘッドがオーバーランするのを防止するために設定してある。したがって、情報が記録された追記形情報記憶媒体を再生専用装置で再生する場合にはボーダーアウトBRDOとボーダーインBRDIが既に記録されると共に最後のボーダー内領域BRDAの後ろにボーダーアウトBRDOが記録されるボーダークローズ処理がなされる事が前提となる。最初のボーダー内領域BRDA#1は4080個以上の物理セグメントブロックで構成され、追記形情報記憶媒体上の半径方向で最初のボーダー内領域BRDA#1が1.0mm以上の幅を持っている必要がある。図21の(b)ではデータ領域DTA内に拡張ドライブテストゾーンEDRTZを設定した例を示している。
追記形情報記憶媒体をファイナライズ(Finalization)した後の状態を図21の(c)に示す。図21の(c)の例では拡張ドライブテストゾーンEDRTZをデータリードアウト領域DTLDO内に組み込み、更に拡張代替え領域ESPAも設定済みの例を示してある。この場合には、ユーザデータの追加可能範囲205を残さないように最後のボーダーアウトBRDOで埋める。
上記で説明したボーダーゾーンBRDZ内の詳細なデータ構造を図21の(d)に示す。各情報は後述する1物理セグメントブロック(フィジカルセグメントブロック:Physical Segment Block)のサイズ単位で記録される。ボーダーアウトBRDO内の最初には記録位置管理ゾーンへ記録された内容のコピー情報C_RMZが記録され、ボーダーアウトBRDOである事を示すボーダー終了用目印(Stop Block)STBが記録される。さらに次のボーダーインBRDIがある場合には、ボーダー終了用目印(Stop Block)STBが記録された物理セグメントブロックから数えて“N1番目”の物理セグメントブロックに続いてボーダー領域がある事を示す最初の目印(Next Border Marker)NBMが、そして“N2番目”の物理セグメントブロックに続いてボーダー領域が来る事を示す2番目の目印NBM、“N3番目”の物理セグメントブロックに続いてボーダー領域が来る事を示す3番目の目印NBMが、それぞれ1物理セグメントブロックのサイズ毎に離散的に合計3箇所に記録される。次のボーダーインBRDI内にはアップデートされた物理フォーマット情報(Updated Physical Format Information)U_PFIが記録される。
現行のDVD−R、またはDVD−RWディスクでは次のボーダー領域がない場合には(最後のボーダーアウトBRDO内では)、図21の(d)に示した“次のボーダーを示す目印NBM”を記録すべき場所(1物理セグメントブロックサイズの場所)は“全くデータを記録しない場所”のまま保持される。この状態でボーダークローズされると、追記形情報記憶媒体(現行のDVD−RまたはDVD−RWディスク)は従来のDVD-ROMドライブまたは従来のDVDプレーヤでの再生が可能な状態となる。従来のDVD-ROMドライブまたは従来のDVDプレーヤでは追記形情報記憶媒体(現行のDVD−RまたはDVD−RWディスク)上に記録された記録マークを利用してDPD(Differential Phase Detect)法を用いたトラックずれ検出を行う。しかし上記の“全くデータを記録しない場所”では1物理セグメントブロックサイズにも亘って記録マークが存在しないので、DPD(Differential Phase Detect)法を用いたトラックずれ検出が行えないので安定にトラックサーボが掛からないと言う問題がある。上記の現行のDVD−RまたはDVD−RWディスクの問題点の対策として本実施形態では
(1)次のボーダー領域がない場合には、“次のボーダーを示す目印NBMを記録すべき場所”には予め特定パターンのデータを記録しておく、
(2)次のボーダー領域がある場合には、上記予め特定パターンのデータが記録されている“次のボーダーを示す目印NBM”の場所には部分的かつ離散的に特定の記録パターンで『重ね書き処理』を行うことにより、“次のボーダー領域がある事”を示す識別情報として利用する、
と言う方法を新規に採用している。このように重ね書きにより次のボーダーを示す目印を設定することにより、(1)に示すように次のボーダー領域が来ない場合でも、“次のボーダーを示す目印NBMを記録すべき場所”には予め特定パターンの記録マークが形成でき、ボーダークローズ後に再生専用の情報再生装置でDPD法によりトラックずれ検出を行っても安定にトラックサーボが掛かると言う効果が生まれる。追記形情報記憶媒体において既に記録マークが形成されている部分に対して部分的にでもその上に新たな記録マークを重ね書きすると、情報記録再生装置または情報再生装置において図1に示したPLL回路の安定化が損なわれる危惧がある。その危惧対策として本実施形態では更に
(3)1物理セグメントブロックサイズの“次のボーダーを示す目印NBM”の位置に重ね書きする時に同一データセグメント内の場所により重ね書き状況を変化させる方法と、
(4)シンクデータ432内に部分的に重ね書きを行い、シンクコード431上での重ね書きを禁止する、
(5)データIDとIEDを除いた場所に重ね書きする、
と言う方法を更に新規に採用している。図62、図63を用いて後で詳細に説明するように、ユーザデータを記録するデータフィールド411〜418とガード領域441〜448が交互に情報記憶媒体上に記録される。データフィールド411〜418とガード領域441〜448を組み合わせた組をデータセグメント490と呼び、1個のデータセグメント長は1個の物理セグメントブロック長に一致する。図1に示したPLL回路は図63に示したVFO領域471、472内で特にPLLの引き込みがし易くなっている。したがって、VFO領域471、472の直前ならば、PLLが外れてもVFO領域471、472を用いてPLLの再引き込みが容易に行われるので、情報記録再生装置または情報再生装置内でのシステム全体としての影響は軽減される。この状況を利用して上記(3)に示したように、データセグメント内の場所により重ね書き状況を変化させ、同一データセグメント内のVFO領域471、472に近い後ろの部分で特定パターンの重ね書き量を増やすことにより、“次のボーダーを示す目印”の判別を容易にすると共に、再生時の信号PLLの精度劣化を防止できると言う効果がある。
(1)次のボーダー領域がない場合には、“次のボーダーを示す目印NBMを記録すべき場所”には予め特定パターンのデータを記録しておく、
(2)次のボーダー領域がある場合には、上記予め特定パターンのデータが記録されている“次のボーダーを示す目印NBM”の場所には部分的かつ離散的に特定の記録パターンで『重ね書き処理』を行うことにより、“次のボーダー領域がある事”を示す識別情報として利用する、
と言う方法を新規に採用している。このように重ね書きにより次のボーダーを示す目印を設定することにより、(1)に示すように次のボーダー領域が来ない場合でも、“次のボーダーを示す目印NBMを記録すべき場所”には予め特定パターンの記録マークが形成でき、ボーダークローズ後に再生専用の情報再生装置でDPD法によりトラックずれ検出を行っても安定にトラックサーボが掛かると言う効果が生まれる。追記形情報記憶媒体において既に記録マークが形成されている部分に対して部分的にでもその上に新たな記録マークを重ね書きすると、情報記録再生装置または情報再生装置において図1に示したPLL回路の安定化が損なわれる危惧がある。その危惧対策として本実施形態では更に
(3)1物理セグメントブロックサイズの“次のボーダーを示す目印NBM”の位置に重ね書きする時に同一データセグメント内の場所により重ね書き状況を変化させる方法と、
(4)シンクデータ432内に部分的に重ね書きを行い、シンクコード431上での重ね書きを禁止する、
(5)データIDとIEDを除いた場所に重ね書きする、
と言う方法を更に新規に採用している。図62、図63を用いて後で詳細に説明するように、ユーザデータを記録するデータフィールド411〜418とガード領域441〜448が交互に情報記憶媒体上に記録される。データフィールド411〜418とガード領域441〜448を組み合わせた組をデータセグメント490と呼び、1個のデータセグメント長は1個の物理セグメントブロック長に一致する。図1に示したPLL回路は図63に示したVFO領域471、472内で特にPLLの引き込みがし易くなっている。したがって、VFO領域471、472の直前ならば、PLLが外れてもVFO領域471、472を用いてPLLの再引き込みが容易に行われるので、情報記録再生装置または情報再生装置内でのシステム全体としての影響は軽減される。この状況を利用して上記(3)に示したように、データセグメント内の場所により重ね書き状況を変化させ、同一データセグメント内のVFO領域471、472に近い後ろの部分で特定パターンの重ね書き量を増やすことにより、“次のボーダーを示す目印”の判別を容易にすると共に、再生時の信号PLLの精度劣化を防止できると言う効果がある。
図63と図37を用いて詳細に説明するように、1個の物理セクタ内はシンクコード433(SY0〜SY3)が配置されている場所と、そのシンクコード433の間に配置されたシンクデータ434の組み合わせで構成されている。情報記録再生装置あるいは情報再生装置は情報記憶媒体上に記録されているチャネルビット列の中からシンクコード433(SY0〜SY3)を抽出し、チャネルビット列の切れ目を検出している。後述するように、図32内のデータIDの情報から情報記憶媒体上に記録されているデータの位置情報(物理セクタ番号または論理セクタ番号)を抽出している。データIDの直後に配置されたIEDを用いてデータIDのエラーを検知している。したがって、本実施形態では(5)データIDとIED上での重ね書きを禁止するとともに、(4)シンクコード431を除いたシンクデータ432内に部分的に重ね書きを行うことにより、“次のボーダーを示す目印NBM”内でもシンクコード431を用いたデータID位置の検出とデータIDに記録された情報の再生(内容判読)を可能にしている。
上記内容を具体的に説明するために“次のボーダーを示す目印NBM”の場所に重ね書きを行う時のフローチャートを図8に示す。図1に示した情報記録再生装置の制御部143がインターフェース部142を介して新たなボーダーの設定指示を受ける(ST1)と、制御部143は情報記録再生部141を制御して既存の最後に配置されたボーダー内領域BRDA内の再生を開始(ST2)する。情報記録再生部141はボーダーアウトBRDO内のボーダー終了用目印STBを検出するまで(ST3)トラッキングしながら、ボーダー内領域BRDA内をプリグルーブに沿ってトレースし続ける。図21の(d)に示すように、ボーダー終了用目印STBの後、N1番目とN2番目とN3番目の物理セグメントブロックに既に特定のパターンで記録された次のボーダーを示す目印NBMが配置されている。情報記録再生部141はボーダーアウトBRDO内の再生を継続しながら(ST4)物理セグメントブロックの数を数えながら、“次のボーダーを示す目印NBM”の位置を探す(ST5)。上述したように“(3)同一データセグメント内の場所により重ね書き状況を変化させる”方法の具体的な一例として、同一データセグメント内の少なくとも最後の物理セクタ内では重ね書き領域を広く取る。
データセグメント内の最後の物理セクタを検出(ST6)したら、データIDとIEDを残して(データIDとIEDの所は重ね書きせずに)データIDとIED直後から最後の物理セクタの終わりまで重ね書きを行う(ST9)。同一データセグメント内の少なくとも最後の物理セクタ以外では、後述する図37または図60に示すシンクコード431(SY0〜SY3)の領域は避けてシンクデータ432内に部分的に特定パターンで重ね書きする(ST7)。上記のプロセスを“次のボーダーを示す目印NBM”毎に行い、3番目の“次のボーダーを示す目印NBM”への重ね書き処理が終わったら(ST9)、新たなボーダーインBRDIを記録後、ボーダー内領域BRDA内にユーザデータを記録する(ST10)。
追記形情報記憶媒体におけるボーダー領域の構造に関する図21とは異なる他の実施形態を図86に示す。図86の(a)、(b)は図21の(a)、(b)と同じ内容を示している。図86では追記形情報記憶媒体をファイナライズ(Finalization)した後の状態が図21(c)とは異なる。例えば図86の(c)に示すように、ボーダー内領域BRDA#3内の情報記録を終了させたのちにファイナライズ(Finalization)したい場合には、ボーダークローズ処理としてボーダー内領域BRDA#3の直後にボーダーアウトBRDOを形成する。その後、ボーダー内領域BRDA#3直後のボーダーアウトBRDOの後ろにターミネイター(Terminator)領域TRMを形成し(図132のポイント(L1))、ファイナライズに必要な時間の短縮を図っている。
図21の(c)の実施形態では、最後のボーダー内領域BRDA#3から拡張代替え領域ESPAの直前までボーダーアウトBRDOで埋める必要があり、ボーダーアウトBRDO形成のために長時間必要となりファイナライズ時間が掛かる問題が生じる。これに対して、図86の(c)では、比較的長さの短いターミネーター領域TRMを設定し、ターミネーターTRMより外側全てを新たなデータリードアウト領域NDTLDOと再定義し、ターミネーターTRMより外側にある未記録部分を使用禁止領域911に設定する。使用禁止領域911にはデータを埋める必要は無く、未記録のままでもよいので、ファイナライズの時間が短縮される。すなわち、データ領域DTAがファイナライズされる時には、記録データの最後(ボーダーアウトBRDOの直後:図21の(c)とは異なり、データ領域の最後までボーダーアウトBRDOを設定する必要はなく、比較的短い幅でよい)に比較的短いターミネーター領域TRMを形成する。
この領域内のメインデータ(図32で後述するようにデータフレーム内のメインデータ)の情報を全て“00h”に設定する。この領域の属性(タイプ情報)をデータリードアウトNDTLDOのタイプ情報と同じに設定されることにより、図86の(c)に示すように、ターミネーター領域TRMを新たなデータリードアウト領域NDTLDOとして再定義される。この領域のタイプ情報は図118の(d)に示すように、データID内の領域タイプ情報935に記録される。すなわち、ターミネーター領域TRM内でのデータID内の領域タイプ情報935を図118の(d)に示すように“10b”に設定することにより、ターミネーター領域TRMはデータリードアウトDTLDO内にある事を示す。
本実施形態ではデータID内の領域タイプ情報935によりデータリードアウト位置の領域タイプの識別情報を設定する(図135のポイント〔N〕)所に特徴がある。図1に示した情報記録再生装置または情報再生装置において情報記録再生部141が追記形情報記憶媒体上の特定目標位置に粗アクセスした場合を考える。粗アクセス直後は情報記録再生部141は追記形情報記憶媒体上の何処に到達したか知るために必ずデータIDを再生し、図118の(c)に示すデータフレーム番号922を解読する必要がある。データID内にはデータフレーム番号922の近くに領域タイプ情報935があるため、同時にこの領域タイプ情報935を解読するだけで情報記録再生部141がデータリードアウト領域DTLDO内に居るか否かが即座に分かるため、アクセス制御の簡素化と高速化を図ることが出来る。また、上述したようにターミネーター領域TRMのデータID内の設定によりデータリードアウト領域DTLDOの識別情報を持たせる(図135のポイント(N1))ことにより、ターミネーター領域TRMの検出が容易となる。
また、特例として、最後のボーダーアウトBRDOがデータリードアウトNDTLDOの属性として設定された場合(すなわち、ボーダーアウトBRDO領域内のデータフレームのデータID内の領域タイプ情報935を“10b”:データリードアウト領域に設定した場合)には、ターミネーター領域TRMの設定は行わない。この場合は、ボーダーアウトBRDOより外側が使用禁止とされる。したがって、データリードアウトNDTLDOの属性を持ったターミネーター領域TRMが記録されると、ターミネーター領域TRMがデータリードアウト領域NDTLDOの一部と見なされるため、データ領域DTAへの記録が不可能となり、図86の(c)のように使用禁止領域911として残る場合がある。
本実施形態ではターミネーター領域TRMのサイズを追記形情報記憶媒体上の位置により変えることにより、ファイナライズ時間の短縮化と処理の効率化を図っている(図132のポイント(L1α))。ターミネーター領域TRMは記録データの最後位置を示すだけでなく、DPD方式でトラックずれ検出を行う再生専用装置に使用した場合でも、トラックずれによるオーバーランを防止するためにも利用されている。したがって、ターミネーター領域TRMの追記形情報記憶媒体上での半径方向の幅(ターミネーター領域TRMで埋められた部分の幅)としては、再生専用装置の検出特性の関係から最低でも0.05mm以上の長さが必要となる。追記形情報記憶媒体上での1周の長さは半径位置により異なるため、1周内に含まれる物理セグメントブロック数が半径位置で異なる。そのため、図117に示すように、半径位置すなわち、ターミネーター領域TRM内で最初に位置する物理セクタの物理セクタ番号によりターミネーター領域TRMのサイズが異なり、外周側に行くに従ってターミネーター領域TRMのサイズが大きくなっている(図132のポイント(L1β))。図117の値は物理セグメントブロック数を単位として表示している。許容されるターミネーター領域TRMの物理セクタ番号の最小値は“04FE00h”より大きい必要がある。これは、前述したように、最初のボーダー内領域BRDA#1は4080個以上の物理セグメントブロックで構成され、追記形情報記憶媒体上の半径方向で最初のボーダー内領域BRDA#1が1.0mm以上の幅を持っている必要があるための制約条件から来る。ターミネーター領域TRMは物理セグメントブロックの境界位置から開始する必要がある。
図86の(d)では前述したのと同じ理由から各情報が記録される場所が1物理セグメントブロックサイズ毎に設定され、各1個の物理セグメントブロック内に32個の物理セクタ内に分散記録された合計64KBのユーザデータが記録される。それぞれの情報に対して図86の(d)に示すように相対的な物理セグメントブロック番号が設定されており、相対的な物理セグメントブロック番号の若い順に追記形情報記憶媒体に各情報が順次、記録される形になっている。図86に示した実施形態では、図21の(d)の記録位置管理ゾーンへの記録内容のコピー情報記録領域C_RMZ内に同一内容であるRMDのコピー情報CRMD#0〜CRMD#4が5回多重書きされている(図126のポイント(C6))。このように多重書きすることにより、再生時の信頼性を向上させ、追記形情報記憶媒体上にゴミや傷が付いても安定して記録位置管理ゾーンへの記録内容のコピー情報CRMDを再生できる。図86の(d)におけるボーダー終了目印STBは、図21の(d)のボーダー終了用目印STBと対応しているが、図86の(d)の実施形態では図21の(d)の実施形態に示すような“次のボーダーを示す目印”NBMを持たない。リザーブ領域901、902内でのメインデータ(図32参照)の情報は全て“00h”に設定する。
図86の(d)では、ボーダーインBRDIの最初にはアップデートされた物理フォーマット情報U_PFIとして、全く同じ情報が相対的な物理セグメントブロック番号としてN+1からN+6まで6回多重書きされ(図126のポイント(C7))、図21の(d)に示したようなアップデートされた物理フォーマット情報U_PFIを構成している。このようにアップデートされた物理フォーマット情報U_PFIを多重書きすることにより、情報の信頼性を向上させている。
図86の(d)ではボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZをボーダーインBRDI内に持たせた所(図126のポイント(C1))に特徴がある。図17に示すように、データリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZのサイズが比較的小さく、新たなボーダー内領域BRDAの設定を頻繁に繰り返すと、記録位置管理ゾーンRMZ内に記録される記録位置管理データRMDが飽和し、途中で新たなボーダー内領域BRDAの設定が不可能になってしまう。図86の(d)に示すように、ボーダーインBRDI内にその後に続くボーダー内領域BRDA#3内に関する記録位置管理データRMDを記録する記録位置管理ゾーンRMZを設けたことにより、新たなボーダー内領域BRDAの設定を多数回行えると共にボーダー内領域BRDA内での追記回数を大幅に増やせると言う効果が生まれる。
ボーダーゾーンBRDZ内の記録位置管理ゾーンRMZが含まれるボーダーインBRDIに続くボーダー内領域BRDA#3がクローズされる、あるいはデータ領域DTAがファイナライズされる場合には、記録位置管理ゾーンRMZ内の未記録状態にある予約領域273(図85の(b))内全てに対して最後の記録位置管理データRMDを繰り返し記録して、予約領域を全て埋める(図132のポイント(L2))必要がある。これにより、未記録状態の予約領域273を無くし、再生専用装置での再生時の(DPD法による)トラック外れを防止すると共に、記録位置管理データRMDの多重記録により記録位置管理データRMDの再生信頼性を向上させる事ができる。また、リザーブ領域903の全てのデータ(特に図32に示すメインデータの値)を“00h”に設定している。
本実施形態におけるボーダーゾーンBRDZのサイズを図116に示す。図116の値は物理セグメントブロック数を単位として表示している。ボーダーアウトBRDOサイズは外周に行くに従って大きくなり(図132のポイント(L3))、その値は図117に示すようにターミネーター領域TRMのサイズに一致している。ボーダーゾーンBRDZのサイズは追記形情報記憶媒体の半径方向での位置により変化する。ボーダーアウトBRDOサイズの根拠は前述したターミネーター領域TRMサイズの根拠と一致し、ボーダーゾーンBRDZの半径方向の幅は0.05mm以上取る必要がある。またボーダーアウトBRDOは物理セグメントブロックの境界位置から開始する必要がある。またボーダーアウトBRDOの最小物理セクタ番号は“04FE00h”を越える必要がある。
ボーダーアウトBRDOはDPDを前提とした再生専用装置でのトラック外れによるオーバーラン防止の役割があるが、ボーダーインBRDI内はアップデートされた物理フォーマット情報U_PFIとボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZの情報を持つ以外は特に大きなサイズを持つ必要が無い。したがって、新たなボーダー内領域BRDA設定時の(ボーダーゾーンBRDZ記録に必要な)時間短縮の意味からなるべくサイズを小さくしたい。図86の(a)に対してボーダークローズによるボーダーアウトBRDO形成前の時にはユーザデータの追記可能範囲205は充分広く、追記回数も多く行われる可能性が高いのでボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZには多数回記録位置管理データが記録できるように、図86(d)の“M”の値を大きく取っておく必要がある。それに比べて、図86(b)に対してボーダー内領域BRDA#2をボーダークローズする前でボーダーアウトBRDOを記録する前の状態ではユーザデータの追記可能範囲205が狭まっているのでボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZ内に追記される記録位置管理データの追記回数もそれ程多くはならないと考えられる。したがって、ボーダー内領域BRDA#2の直前にあるボーダーインBRDI内の記録位置管理ゾーンRMZの設定サイズ“M”は相対的に小さく取れる。すなわち、ボーダーインBRDIが配置される場所が内周側の方が記録位置管理データの追記予想回数が多く、外周に行くに従って記録位置管理データの追記予想回数が少なくなるので、ボーダーインBRDIサイズが外周側で小さくする(図132のポイント(L4))と言う特徴を持たせている。その結果、新ボーダー内領域BRDA設定時間の短縮化と処理効率化が図れる。
本実施形態におけるファイナライズ処理後の各種データリードアウト領域設定方法を図119、図120に示す。既に図18に示した元のデータリードアウト領域DTLDOの範囲を図119の(a)に示す。各ゾーン内での先頭位置での物理セクタ番号と物理セグメント番号は第3ガードトラックゾーンGTZ3ではヘキサゴナル(16進法)表示で735440h、39AA2h、ドライブテストゾーンDRTZでは739040h、39C82h、ディスクテストゾーンDKTZでは73CA40h、39E52h、第4ガードトラックGTZ4では73CC40h、39E62hに予め設定する。図18の(f)の説明時に本実施形態では拡張ドライブテストゾーンEDRTZはファイナライズ処理後にはデータリードアウト領域DTLDOに設定することを説明した。他の実施形態として図119の(b)に示す方法では、第3ガードトラックゾーンのサイズ分だけ拡張ドライブテストゾーンEDRTZの設定を行い(図135のポイント(N2))、第3ガードトラックゾーンGTZ3を平行移動させている。すなわち、元のデータリードアウト領域DTLDOの第3ガードトラックゾーンGTZ3の開始位置(物理セクタ番号または物理セグメントブロック番号)と拡張ドライブテストゾーンEDRTZの開始位置を一致させる。これにより、拡張ドライブテストゾーンEDRTZ設定処理の簡素化が図れると言う効果がある。図86の(c)に示したターミネーター領域TRM内でのデータID内の領域タイプ情報935(図118の(d))を“10b”に設定することにより、ターミネーター領域TRM以降を新たなデータリードアウト領域NDTLDOに設定する方法(図135のポイント(N1))を図120の(d)に示した。この方法を用いた具体的なファイナライズ処理方法については後程、図96を用いて説明する。この場合には、ターミネーター領域TRM直前にあるボーダーアウトBRDO内での領域タイプ情報935(図118の(d))は“00b”に設定され、ボーダーアウトBRDOはデータ領域DTAに含まれている。本実施形態の他の方法として、図120(c)に示すように、ボーダーアウトBRDO内に於いてデータID内の領域タイプ情報935(図118の(d))を“10b”に設定して新たなデータリードアウト領域NDTLDO内に設定する(図135のポイント(N3))事も出来る。この方法を用いるとデータリードアウト領域の検索処理が容易になると共に、ターミネーター領域TRMの設定が不要となることにより、ファイナライズ時間の短縮化が図れる。この方法を用いた具体的なファイナライズ処理法法については後程、図102を用いて説明する。
図21の(c)に示すボーダー内領域BRDA内に記録する情報の論理的な記録単位をRゾーン(R Zone)と呼ぶ。したがって、1個のボーダー内領域BRDA内には少なくとも1個以上のRゾーンから構成されている。現行のDVD-ROMではファイルシステムにUDF(Universal Disc Format)に準拠したファイル管理情報と、ISO9660に準拠したファイル管理情報との両方が同時に1枚の情報記憶媒体内に記録される“UDFブリッジ”というファイルシステムを採用している。ISO9660に準拠したファイル管理方法では、1個のファイルが情報記憶媒体内に必ず連続して記録されなければならない決まりがある。すなわち、1個のファイル内の情報が情報記憶媒体上に離散的な位置に分割配置する事を禁止している。したがって、例えば上記UDFブリッジに準拠して情報が記録された場合、1個のファイルを構成する全情報が連続的に記録されるので、1個のファイルが連続して記録される領域が1個のRゾーンを構成するように適応させる事もできる。
今までの説明では追記形情報記憶媒体上に記録される情報のデータ構造を中心に説明してきたが、以下に記録位置管理データRMD、拡張可能な記録位置管理ゾーンRMZやRゾーン、ボーダーゾーン、各種物理フォーマット情報などに関する基本的概念や基本的考え方についての説明と、それらを用いたボーダークローズ、ファイナライズなどの具体的な各種処理方法について説明を行う。
図87に本実施形態と現状のDVD−Rとの比較を示す(図132のポイント〔L〕)。本実施形態はボーダークローズの時間を短くしたいので、最小記録容量(ボーダークローズ時)の記録幅を現状のDVD−Rに比べて短く(1.65mmから1.0mm)している。これにより、無駄な記録情報を少なくして、ファイナライズ時間を短縮した。本実施形態は記録容量が現状のDVD−Rに比べて大幅に増えている(4.7GBから15GB)ので、Rゾーンの最大数をほぼ2倍(2302から4606)としている。記録単位は現状のDVD−Rでは1ECCブロックであるが、本実施形態では1物理セグメント(図69参照)である。図69の(b)はディスク上の物理的な長さであり、同図の(a)は記録するデータの長さである。1物理セグメントブロックは1ECCブロックの前後にVFO領域、プリシンク領域、ポストアンブル領域、エキストラ領域、バッファ領域の余分な領域をつけて一つのデータセグメント531とする。このデータセグメントの組合せでデータ記録の単位である物理セグメントが作られる。
図61に示すように、1ECCブロックの前後に余分な領域(ガード領域)をつけているので、追記の時にECCブロックの最後から連続して記録できない。これは、ECCブロックの最後から追記しようとしても、ディスクの回転むら等で記録位置が多少ずれることがあるからである。記録位置が前にずれる分には、上書きにより既記録データの最後部分が消えてしまうが、消えたデータはエラー訂正により復元できるので、問題はあまりないが、後ろにずれると、ディスク上に未記録部分が生じるので、プレーヤでは再生できなくなり、大問題になる。そのため、現状では追記する際は、記録位置を多少前にずらして既記録データの最後部分に上書きし、最後のデータを壊している。本実施形態では、ECCブロックの前後にガード領域を持っているので、ガード領域内で重ね書きし、ユーザデータは安定して壊すことなく追記できる。このため、本願のデータ構造は記録データの信頼性を上げることができる。
図88は本実施形態における物理フォーマット情報の説明をするための図である。物理フォーマット情報(physical format information)にはディスクの管理情報が保存されている。この情報は、ROMプレーヤでも読み取り可能である。記録位置により3種類の物理フォーマット情報が存在する。
(1)物理フォーマット情報PFI(システムリードイン領域の制御データゾーン内):HD DVDファミリーの共通情報/データエリアの最終アドレス/ストラテジ情報等が記録されている。
(2)R物理フォーマット情報R−PFI(データリードイン領域内):HD DVDファミリーの共通情報のコピー/第1ボーダーの最外周アドレスが記録されている。最初のボーダー内領域はボーダーインをデータリードインと兼用(本来ボーダーインに記録されるべき情報がデータリードインに記録)されている。そのため、最初のボーダーについてのボーダーインは存在しない。
(3)アップデート物理フォーマット情報U−PFI(ボーダーイン領域内):HD DVDファミリーの共通情報のコピー/自己ボーダーの最外周アドレスが記録されている。
図89は本実施形態における記録位置管理データRMD(recording management data)の基本概念を説明するための図である。ここには、追記形ディスクの記録状態を管理するためのデータが保存されている。1つのRMDは1物理セグメントブロックからなり、22個のフィールドが定義されている。フィールド0はディスクの状態、更新されたデータエリアアロケーションを、フィールド1は使用したテストゾーン、記録波形情報を、フィールド3はボーダーエリアの開始位置、拡張RMZの位置を、フィールド4は使用中のRゾーン番号、Rゾーンの開始位置とLRA(最後の記録位置:last recorded address)を、フィールド5〜フィールド21はRゾーンの開始位置とLRAを格納する。
RMDの更新タイミングは下記のように定義されている(図132のポイント(L7))。
ディスクが初期化された時
Rゾーンの予約、クローズ等の動作が行われた時
ボーダーがクローズされ、RMZが拡張された時
一定量のユーザデータが記録され、記録が中断した時
図90は本実施形態の情報再生装置もしくは情報記録再生装置における情報記憶媒体装着直後の処理手順を示すフローチャートである(図132のポイント〔L〕)。
Rゾーンの予約、クローズ等の動作が行われた時
ボーダーがクローズされ、RMZが拡張された時
一定量のユーザデータが記録され、記録が中断した時
図90は本実施形態の情報再生装置もしくは情報記録再生装置における情報記憶媒体装着直後の処理手順を示すフローチャートである(図132のポイント〔L〕)。
ディスクが装置に装着されると、ステップST22でバーストカッティング領域BCAが再生される。本実施形態はHD DVD−Rディスクをサポートし、ディスクの媒体極性は“L−H”と“H−L”の両方をサポートする。ステップST24でシステムリードイン領域を再生する。ステップST26でRMDディプリケーションゾーンRDZを再生する。ブランクではないディスクはRMDディプリケーションゾーンRDZに記録位置管理データRMDが記録されている。記録位置管理データRMDの記録の有無に応じて、ステップST28でブランクディスクか否かを判断する。ブランクディスクの場合は本処理は終了する。ブランクディスクでない場合はステップST30で最新の記録位置管理データRMDを検索し、現在使用している追記可能なRゾーンの番号、Rゾーンの開始物理セグメント番号、最後の記録位置LRAを求める。なお、追記可能なRゾーン3つまで設定可能である。ブランクではないディスクを排出する時は、ボーダークローズ、あるいはファイナライズを実行する。
図91は本実施形態の情報記録再生装置における追記形情報記憶媒体への情報の追記方法を説明するためのフローチャートである。ホストから記録指示(write(10))が与えられると、ステップST32で記録位置管理データRMDを記録する記録位置管理ゾーンRMZの残量が十分であるか否かを判断する。残量が十分でない場合は、ステップST34でホストへ“RMZの残量小”を報告する。この場合は、記録位置管理ゾーンRMZの拡張が想定される(図132のポイント(L8))。
残量が十分である場合は、ステップST36でOPC(どこまで試し書きしたかを記録する処理)が必要であるか否かを判断する。必要である場合は、ステップST38でOPCを実行し、ステップST40で記録位置管理データRMDの更新が必要か否か判断する。更新が必要な場合とは、Rゾーン予約直後の記録指示の場合と、最新RMD中の最終記録位置NWAと実際の最終記録位置NWAとの差が16MB以上である場合である。ステップST42で記録位置管理データRMDの更新が行われ、ステップST44でデータが記録され、ステップST46でホストに記録終了が報告され、動作を終了する。
図92は本実施形態における拡張可能な記録位置管理ゾーンRMZの設定方法の概念を説明するための図である。当初はデータリードイン領域に記録位置管理データRMDを保存するための記録位置管理ゾーンRMZが設定されている。記録位置管理ゾーンRMZを使い切ると、データ領域が空いていても、ディスクへのデータの記録が不可能となるので、記録位置管理ゾーンRMZの残量が少なくなると、拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZを設定する(図132のポイント〔C〕)。拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZはユーザデータが記録されるボーダー内領域に設定してもよいし、ボーダーゾーン(隣接するボーダーアウトとボーダーインからなる)に設定してもよい。すなわち、ボーダー内領域内の拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZとボーダーイン内の拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZとはディスク内で混在可能である。拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZが設定されると、最新の記録位置管理データRMDが1物理セグメントブロックとしてRMDディプリケーションゾーンRDZにコピーされる。RMDディプリケーションゾーンRDZは拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZの位置を管理するために使用される(図132のポイント(L6α))。RMDディプリケーションゾーンRDZは128物理セグメントブロックからなるので、記録位置管理ゾーンRMZはディスク内で127回拡張可能であり、ディスク内のボーダーゾーンの数は最大128個である(図133のポイント(L9)、(L9α))。ボーダー内領域の127個の拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZを使って記録位置管理データRMDは16348回まで拡張可能である。
図93は図92を詳細に示す図である。すなわち、ボーダー内領域の拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZは隣接するRゾーンの間に設定される。ボーダーゾーンに拡張される場合は、通常はボーダーインの末尾に設定される。
図94は本実施形態におけるボーダーゾーンについての説明図である。DPD方式でトラックを検出するROMプレーヤでの再生を可能にするためにボーダーゾーンが記録される。ボーダーゾーンはボーダーインとボーダーアウトで構成されている。プレーヤはグルーブへのトラッキングができないため、ディスクに未記録領域があると、記録位置管理データRMD、記録データの端にアクセスができない。ROMプレーヤのトラック検出方法はDPD方式なので、前提条件としてプリピットがあることが必要である。DVD−Rディスクの記録膜は記録マーク箇所で位相ずれが生じるように膜設計がされていて、あたかも、位相ずれがプリピットと見なされる。したがって、ROMプレーヤが読める管理情報と記録データの再生のためのオーバーラン領域の記録が必要になる。前者はボーダーイン、後者はボーダーアウトとして記録される。ボーダーゾーンはボーダークローズ動作によって記録される。ボーダークローズ時には、(1)現在の記録位置管理ゾーンRMZとユーザーデータの不連続領域がパディングされ(図133のポイント〔L10〕)、(2)R物理フォーマット情報R−PFIが記録され、(3)ボーダーアウトが記録される。なお、ボーダーインにはアップデート物理フォーマット情報U−PFIと、拡張RMZが記録される。
図95は本実施形態の情報記録再生装置における2番目以降のボーダー内領域のクローズ処理を説明するための図である。同図(a)に示すように、インコンプリートRゾーンにユーザデータが記録されていて、記録位置管理ゾーンRMZ3がボーダーインに記録されている状態で、ボーダークローズする場合を説明する。追記可能なRゾーンの最終記録位置NMWがボーダーインに設定されるアップデート物理フォーマット情報U−PFIに記録されるとともに、ボーダーインの残りの部分(現在の記録位置管理ゾーンRMZの未記録部分)に最新の記録位置管理データRMD4が繰返し記録される。最新の記録位置管理データRMD4はRMDディプリケーションゾーンRDZにコピーされる(図132のポイント(L10α))。ユーザデータの外側にボーダーアウトが記録される。ボーダーアウトの領域タイプ情報は00b:データ領域である。
図96は本実施形態の情報記録再生装置においてボーダー内領域を一旦クローズした後に終了処理(ファイナライズ)する場合の処理方法を説明する図である。図96の(a)に示すように、ボーダークローズされると、Rゾーンがコンプリートされる。図96の(b)に示すように、データ領域の末尾のボーダーアウトの外側にターミネータを記録する(図135のポイント(N1α))。ターミネータの領域タイプ情報は10b:データリードアウト領域である。
図97は本実施形態におけるボーダーイン内に記録する拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZの原理を説明する図である。図97の(a)に示すように、3つのRゾーンが設定されている状態でボーダークローズする場合を説明する。Rゾーンとは、追記形記録媒体で物理的に連続な状態を維持するためにファイルシステムとは別にユーザデータの記録位置をドライブが管理するために使われる。データ記録可能領域でユーザデータを記録するために予約されている部分がRゾーンと呼ばれる。Rゾーンは記録状態に応じて2つのタイプに分類される。オープン(開放型)Rゾーンは付加的なデータが追加可能である。コンプリート(完結型)Rゾーンはこれ以上付加的なデータが追加不可能である。オープンRゾーンは2つまで設定可能である。データ記録可能領域でユーザデータを記録するために予約されている部分はインビジブル(未指定状態)Rゾーンと呼ばれる。後続するRゾーンはインビジブルRゾーン内で予約される。これ以上データが追加されない場合は、インビジブルRゾーンは存在しない。すなわち、一度に3つまでのRゾーンが設定可能であり、オープンRゾーンはゾーンの開始アドレス、最終アドレスがともに設定されているが、インビジブルRゾーンは開始アドレスは設定されているが、最終アドレスは設定されていない。
ボーダークローズする際には、図97の(b)に示すように、第1、第2Rゾーン(オープンRゾーン)(内周側から第1、第2、第3ゾーンと呼ばれる)の未記録部分が“00h”で埋められ、第3Rゾーン(インコンプリートRゾーン)の記録データの外側にボーダーアウトが記録される(図133のポイント(L10β))。ボーダーアウトの外側にボーダーインが記録され、その中に拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZが記録される。図87に示すように、記録管理位置データRMDはボーダーインの拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZを使用して392回以上(16384回)更新可能である(図132のポイント(L4β))。しかし、ボーダーインの拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZを使用する前に、ボーダーはクローズしなければならず、時間がかかる。
図98は本実施形態におけるRゾーンについての説明図である。追記形媒体の再生のためには物理連続な状態を維持するためにファイルシステムとは別にユーザデータの記録位置をドライブが管理している。ドライブは記録の位置をRゾーン単位で管理しており、ディスクには記録位置管理データRMDとして逐次下記の情報が保存される。
・現在使用している追記可能なRゾーンの番号
・Rゾーンの開始物理セグメント番号
・最後の記録位置LRA(last recorded address)
追記可能なRゾーンは常に3つまでである。図98の例では、Rゾーン#3、Rゾーン#4、Rゾーン#5の3つが追記可能なRゾーンである。追記は追記可能なRゾーンの最終記録位置NWA(next writable address)から行う(図132のポイント(L5α))。追記が完了すると、最後の記録位置LRA=最終記録位置NWAとなる。Rゾーン#1、Rゾーン#2は未記録領域が無いので、これ以上の付加的なデータの追加が不可能であり、コンプリートRゾーンである。
・Rゾーンの開始物理セグメント番号
・最後の記録位置LRA(last recorded address)
追記可能なRゾーンは常に3つまでである。図98の例では、Rゾーン#3、Rゾーン#4、Rゾーン#5の3つが追記可能なRゾーンである。追記は追記可能なRゾーンの最終記録位置NWA(next writable address)から行う(図132のポイント(L5α))。追記が完了すると、最後の記録位置LRA=最終記録位置NWAとなる。Rゾーン#1、Rゾーン#2は未記録領域が無いので、これ以上の付加的なデータの追加が不可能であり、コンプリートRゾーンである。
図99はRゾーンを用いた複数箇所同時追記可能方式についての本実施形態における概念説明図である。図99の(a)は基本的な記録方法であり、Rゾーンは予約されておらず、データはインビジブルRゾーン、あるいはインコンプリートRゾーンの1つのアドレスNWAから順に記録される。インコンプリートRゾーンは最終アドレスが設定されていないという点でインビジブルRゾーンであるが、インビジブルRゾーンはデータが全く記録されておらず、最終記録位置NWAが開始アドレスであるのに対し、インコンプリートRゾーンは途中までデータが記録されており、最終記録位置NWAが開始アドレスからずれている。
図99の(b)は従来のDVD−Rと同様に、複数のアドレスからの記録をサポートしている例である。ドライブは1つのインビジブルRゾーンと2つのオープンRゾーンを同時に設定することができる。そのため、Rゾーンの最終記録位置NWAは3つある。例えば、オープンRゾーンにファイル管理情報、インビジブルRゾーンに映像データを記録することができる。映像データが記録されると、インビジブルRゾーンの最終記録位置NWAは開始アドレスからずれて、インコンプリートRゾーンになる。
図100は本実施形態の情報記録再生装置におけるRゾーンの設定方法と記録位置管理データRMDとの関係を説明する図である。図100の(a)に示すように、データ領域にはオープンRゾーンが設定されておらず、インコンプリートRゾーンのみが存在するとする。インコンプリートRゾーンの記録位置管理データRMD1が記録位置管理ゾーンRMDに記録されている。インコンプリートRゾーンに映像データを記録し、次に、別のゾーンに管理情報を記録する場合を説明する。先ず、図100の(b)に示すように、Rゾーンをクローズするために、インコンプリートRゾーンをコンプリートRゾーンとする。すなわち、ユーザデータの最終アドレスをRゾーンの最終アドレスとする。コンプリートRゾーンの記録位置管理データRMD2(RMDのフィールド4〜21を更新)を記録位置管理ゾーンRMZに追加的に記録する。図100の(c)に示すように、コンプリートRゾーンの外側に所定のサイズのオープンRゾーンを設定(予約)し、オープンRゾーンの外側をインビジブルRゾーンとする。オープンRゾーンとインビジブルRゾーンの記録位置管理データRMD3を記録位置管理ゾーンRMZに追加的に記録する。
なお、後述するが、オープンRゾーンの予約は記録位置管理ゾーンRMZの拡張の場合も行われる。
図101は最初のボーダー内領域をクローズした時のRゾーンと記録位置管理データRMDとの関連を説明するための図である。図101の(a)に示すように、データ領域にオープンRゾーンとインコンプリートRゾーンが設定されているとする。記録位置管理ゾーンRMZには記録位置管理データRMD1が記録されている。ボーダークローズする際は、図101の(b)に示すように、オープンRゾーンの未記録領域に“00h”を埋めてコンプリートRゾーンとし、インコンプリートRゾーンをコンプリートRゾーンとし、コンプリートRゾーンの外側にボーダーアウトを設定する。コンプリートRゾーン、ボーダーアウトの記録位置管理データRMD2(RMDのフィールド3、4〜21を更新)を記録位置管理ゾーンRMZに追加的に記録するとともに、RMDディプリケーションゾーンRDZに最新のRMD2をコピーする。ボーダーアウトの領域タイプは00b:データ領域である。ボーダーアウトの開始アドレスをアップデート物理フォーマット情報R−PFIに記録する。ボーダークローズは追記形記憶媒体をプレーヤで再生可能とするために、未記録部分を記録データで埋めるものである。そのため、記録位置管理ゾーンRMZの未記録領域を最新のRMD2で埋める。
図102は本実施形態の情報記録再生装置における終了処理(ファイナライズ)手順の説明図である。ボーダークローズとファイナライズの違いはボーダークローズしても再度ボーダー内領域を設定可能(追記可能)であるのに対して、ファイナライズ後は決して追記できないことである。本実施形態のファイナライズ処理はボーダークローズ処理の一部変更で実現可能であり、これによりファイナライズ時間が短縮できる。図102のファイナライズが図101のボーダークローズと違うのは、ボーダーアウトの領域タイプを10b:データリードアウト領域とし、記録位置管理データRMD2のフィールド0のディスクステータスを02h:「ディスクがファイナライズされることを示す」とする点である(図133のポイント(L11))。すなわち、ボーダークローズの場合は再度ボーダーインを設定できるように、ボーダーアウトをデータ領域内としておくのに対して、ファイナライズの場合はデータ領域をクローズするために、ボーダーアウトをデータリードアウト領域とする。とともに、ディスクのファイナライズを示すために記録位置管理データRMD2のフィールド0のディスクステータスを02hとする。このようにデータの未記録領域をデータリードアウト領域に変更することにより、ファイナライズするためにデータ領域の未記録領域にデータを埋める必要は無く、ファイナライズの時間が短縮される。
図103は本実施形態におけるRゾーンを利用した拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZの設定についての原理説明図である。図103の(a)は図97の(a)と同じである。ボーダーをクローズすることなく、記録位置管理ゾーンRMZを拡張したい要求がある。その場合、図103の(b)に示すように、インコンプリートRゾーンをコンプリートRゾーンに変更し、コンプリートRゾーンの外側にボーダー内領域(128物理セグメントブロック)を設定し、その中に拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZを設定する(図126のポイント(C8)、図134のポイント(L12)、(L12α))。ボーダー内領域の外側はインビジブルRゾーンである。この場合、オープンRゾーンの未記録領域にデータ“00h”を埋めると、コンプリートRゾーンに隣接してボーダーアウトを設定する必要はない。
図104は本実施形態におけるRゾーンを利用した拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZの新規設定と記録位置管理データRMDとの関係説明図である。記録位置管理ゾーンRMZの残り容量がある値以下になったら、記録位置管理ゾーンRMZの拡張が実行可能である。図104の(a)に示すように、データ領域にインコンプリートRゾーンが設定され、ユーザデータが記録されている。記録位置管理ゾーンRMZにはユーザデータの記録位置管理データRMD1が記録されている。Rゾーンクローズ時は、図104の(b)に示すように、インコンプリートRゾーンをコンプリートRゾーンとする。すなわち、ユーザデータの最終アドレスをRゾーンの最終アドレスとする。コンプリートRゾーンの記録位置管理データRMD2(RMDのフィールド4〜21を更新)を記録位置管理ゾーンRMZに追加的に記録する。図104の(c)に示すように、コンプリートRゾーンの外側に所定のサイズ(128物理セグメントブロック)のオープン記録位置管理ゾーンRMZを予約(設定)し、オープン記録位置管理ゾーンRMZの外側をインビジブルRゾーンとする。オープン記録位置管理ゾーンRMZとインビジブルRゾーンの記録位置管理データRMD3(RMDのフィールド3、4〜21を更新)を記録位置管理ゾーンRMZの未記録領域に追加的に記録するとともに、RMDディプリケーションゾーンRDZにRMD3をコピーする(図134のポイント(L12β))。
図105は同一ボーダー内領域において既存の記録位置管理ゾーンRMZが満杯になった時の処理方法の概念説明図である。図105の(a)に示すように、データリードイン領域の記録位置管理ゾーンRMZがほとんど満杯になると、図105の(b)に示すように、図103の(b)と同様に、インコンプリートRゾーンをコンプリートRゾーンに変更し、コンプリートRゾーンの外側にボーダー内領域(128物理セグメントブロック)を設定し、その中に拡張記録位置管理ゾーンEX.RMZを設定する。ボーダー内領域の外側はインビジブルRゾーンである。この後、図105の(c)に示すように、記録位置管理ゾーンRMZの未記録領域を最新の記録位置管理データRMDで埋め、RMDディプリケーションゾーンRDZに最新の記録位置管理データRMDをコピーする(図134のポイント(L12γ))。
図108は本実施形態の情報再生装置または情報記録再生装置におけるRMDディプリケーションゾーンRDZを用いた最新の記録位置管理データRMDの記録位置検索方法の説明図である。
図108の(a)はレコーダが最新の記録位置管理データRMD7を検索する場合を示す。システムリードイン領域内の制御データゾーンのデータからデータリードイン領域の記録位置管理ゾーンRDZを見つけ、記録位置管理データRMDをトレースする。この中に拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始物理セクタ番号が記録されているので、第3ボーダー内の拡張記録位置管理ゾーンRMZの最新の記録位置管理データRMD7を見つけることができる(図132のポイント(L6))。
図108の(b)に示すように、ROMドライブは未記録領域へのアクセスは不可であり、記録位置管理データRMDの解釈が不可能である。
図22に制御データゾーンCDZとR物理情報ゾーンRIZ内のデータ構造を示す。図22の(b)に示すように、制御データゾーンCDZ内には物理フォーマット情報(Physical Format Information)PFIと媒体製造関連情報(Disc Manufacturing Information)DMIが存在し、R物理情報ゾーンRIZ内には同じく媒体製造関連情報(Disc Manufacturing Information)DMIとR物理フォーマット情報(R-Physical Format Information)R_PFIが存在する。
媒体製造関連情報DMI内は媒体製造国名に関する情報251と媒体メーカ所属国情報252が記録されている(図127のポイント〔F〕)。販売された情報記憶媒体が特許侵害している時に製造場所がある国内、または情報記憶媒体を消費している(使っている)国内に対して侵害警告を掛ける場合が多い。情報記憶媒体内に前記の情報の記録を義務付けることにより、製造場所(国名)が判明し、特許侵害警告が掛け易くすることにより、知的財産が保証され技術の進歩が促進される。更に、媒体製造関連情報DMI内はその他媒体製造関連情報253も記録されている。
物理フォーマット情報PFIまたはR物理フォーマット情報R_PFI内には記録場所(先頭からの相対的なバイト位置)により記録される情報の種類が規定されている所に本実施形態の特徴がある(図128のポイント〔G〕)。すなわち、物理フォーマット情報PFI、またはR物理フォーマット情報R_PFI内の記録場所として0バイト目から31バイト目までの32バイトの領域にはDVDファミリー内の共通情報261が記録され、32バイト目から127バイト目までの96バイトが本実施形態の対象となっているHD_DVDファミリー内の共通な情報262が記録され、128バイト目から511バイト目までの384バイトが各規格書タイプやパートバージョンに関するそれぞれ独自な情報(固有情報)263が記録され、512バイト目から2047バイト目までの1536バイトが各リビジョンに対応した情報が記録される。このように情報内容により物理フォーマット情報内の情報配置位置を共通化することにより、媒体の種類に依らず記録されている情報の場所が共通化されるので、情報再生装置あるいは情報記録再生装置の再生処理の共通化と簡素化が図れる。0バイト目から31バイト目までに記録されているDVDファミリー内の共通情報261は、図22の(d)に示すように、0バイト目から16バイト目までに記録されている再生専用形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体、追記形情報記憶媒体の全てに共通に記録してある情報267と、17バイト目から31バイト目までに書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体には共通に記録され再生専用形では記録されていない情報268に分かれる。
図22に示した物理フォーマット情報PFI、またはR物理フォーマット情報R_PFI内の具体的な情報内容と物理フォーマット情報PFI内情報の媒体種類(再生専用形か書替え形か追記形か)による比較を図23に示す。DVDファミリー内の共通情報261内の再生専用形、書替え形、追記形の全てに共通に記録してある情報267としては、バイト位置0から16までに順次に規格書のタイプ(再生専用/書替え/追記)情報とバージョン番号情報、媒体サイズ(直径)と最大可能データ転送レート情報、媒体構造(単層か2層か、エンボスピット/追記領域/書き替え領域の有無)、記録密度(線密度とトラック密度)情報、データ領域DTAの配置場所情報、バーストカッティング領域BCAの有無情報(本実施形態は全て有り)が記録されている。
DVDファミリー内の共通情報261であり、書替え形と追記形に共通に記録してある情報268として、28バイト目から31バイト目まで順次、最大記録スピードを規定したリビジョン番号情報、最大記録スピードを規定したリビジョン番号情報、リビジョン番号テーブル(応用リビジョン番号)、クラス状態情報、拡張された(パート)バージョン情報が記録されている。28バイト目から31バイト目までの情報を持たせたことは、物理フォーマット情報PFI、またはR物理フォーマット情報R_PFIの記録領域内に記録速度に応じたリビジョン情報を持たせると言う本実施形態の特徴がある(図128のポイント(G1))。従来2倍速や4倍速など媒体への記録速度が上がる媒体が開発されると、それに応じてその都度新たに規格書を作り直すという非常に面倒な手間が掛かっていた。
これに対して、本実施形態では、大きく内容が変更になった時にバージョンを変更させる規格書(バージョンブック)と記録速度など小変更に対応してリビジョンを変更して発行するリビジョンブックに分け、記録速度が向上する毎にリビジョンのみを更新したリビジョンブックのみを発行する。これにより、将来の高速記録対応の媒体への拡張機能を保証し、リビジョンと言う簡単な方法で規格を対応できるので新たな高速記録対応媒体が開発された場合に高速で対応が可能になると言う効果がある。特に、17バイト目の最高記録速度を規定したリビジョン番号情報の欄と18バイト目の最低記録速度を規定したリビジョン番号情報の欄を別々に設けることにより、記録速度の最高値と最低値でリビジョン番号を別に設定可能とする所に本実施形態の特徴がある(図128のポイント(G1α))。例えば、非常に高速に記録可能な記録膜を開発した場合、その記録膜は非常に高速での記録は可能であるが、記録速度を落とすと急に記録できなくなったり、あるいは記録可能な最低速度を低く出来るような記録膜は非常に高価になったりする場合が多い。これに対して、本実施形態のように記録速度の最高値と最低値でリビジョン番号を別に設定可能とすることにより、開発可能記録膜の選択範囲を広げ、その結果、より高速記録が可能な媒体やより低価格な媒体が供給可能になると言う効果が生じる。本実施形態の情報記録再生装置では各リビジョン毎の可能最高記録速度と可能な最低記録速度の情報を事前に持っている。情報記憶媒体をこの情報記録再生装置に掛けると、最初に図1に示した情報記録再生部141で物理フォーマット情報PFI、またはR物理フォーマット情報R_PFI内の情報を読み取り、得られたリビジョン番号情報を元に制御部143内でメモリ部175内に事前に記録されている各リビジョン毎の可能最高記録速度と可能な最低記録速度の情報を参照して装着された情報記憶媒体の可能最高記録速度と可能な最低記録速度を割り出し、その結果に基付いて最適な記録速度で記録を行う。
次に、図22の(c)に示した128バイト目から511バイト目までの各規格書のタイプとバージョンの固有情報263の意味と512バイト目から2047バイト目までの各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264の意味について説明する。すなわち、128バイト目から511バイト目までの各規格書のタイプとバージョンの固有情報263内では、各バイト位置での記録情報内容の意味がタイプが異なる書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体に依らず一致し、512バイト目から2047バイト目までの各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264としてはタイプが異なる書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体との違いのみならず、同じ種類の媒体においても、リビジョンが異なると各バイト位置での記録情報内容の意味が異なる事を許容する。
図23に示すようにタイプが異なる書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体で各バイト位置での記録情報内容の意味が一致する各規格書のタイプとバージョンの固有情報263の中の情報としては順次、媒体製造メーカ名情報、媒体製造メーカからの付加情報、記録マークの極性(“H→L”か“L→H”かの識別)情報、記録時もしくは再生時の線速度情報、円周方向に沿った光学系のリムインテンシティ値、半径方向に沿った光学系のリムインテンシティ値、再生時の推奨レーザパワー(記録面上の光量値)が記録される。
特に、192バイト目に記録マークの極性(“H→L”か“L→H”かの識別)情報MPD(Mark Polarity Descriptor)を持たせた所に本実施形態の特徴がある。従来の書替え形あるいは追記形DVDディスクでは未記録状態(反射レベルが相対的に高い:High)に対して記録マーク内の光反射量が低下(Low)する“H→L”(High to Low)形の記録膜しか認めていなかった。これに対して“高速記録対応”や“低価格化”あるいは物理的な性能として“クロスイレーズの減少”や“書き替え回数上限値の増加”などの要求が媒体に対して出されると、従来の“H→L”形の記録膜だけでは対応し切れないと言う問題が生じる。これに対して、本実施形態では“H→L”形の記録膜だけで無く、記録マーク内で光反射量が増加する“L→H”形の記録膜の使用まで許容するため、従来の“H→L”形だけで無く“L→H”形記録膜も規格内に組み込み、記録膜の選択範囲を広げることで高速記録可能や低価格媒体を供給できると言う効果が生じる。
具体的な情報記録再生装置の実施方法を以下に説明する。規格書(バージョンブック)あるいはリビジョンブックで“H→L”形の記録膜からの再生信号特性と“L→H”形の記録膜からの再生信号特性の両方を併記し、それに対応して図1のPR等化回路130とビタビ復号器156内に2通りずつの対応回路を用意しておく。情報再生部141内に情報記憶媒体を装着すると、まず始めにシステムリードイン領域SYLDI内の情報を読むためのスライスレベル検出回路132を起動させる。スライスレベル検出回路132で、192バイト目に記録された記録マークの極性(“H→L”か“L→H”かの識別)情報を読み取った後“H→L”形か“L→H”形かの判別を行い、それに合わせてPR等化回路130とビタビ復号器156内の回路を切り替えた後にデータリードイン領域DTLDIまたはデータ領域DTA内に記録されている情報を再生する。上記の方法により比較的早く、しかも精度良くデータリードイン領域DTLDIまたはデータ領域DTA内の情報を読む事が出来る。17バイト目に最高記録速度を規定したリビジョン番号情報と18バイト目に最低記録速度を規定したリビジョン番号情報が記載されているが、前記の情報は最高と最低を規定した範囲情報でしかない。最も安定に記録するためには記録時に最適な線速情報が必要となるので、その情報が193バイト目に記録されている。
各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264内に含まれる各種の記録条件(ライトストラテジ)情報に先立つ位置に光学系条件情報として194バイト目の円周方向に沿った光学系のリムインテンシティ値と、195バイト目の半径方向に沿った光学系のリムインテンシティ値の情報が配置されている所に本実施形態の次の特徴がある。これらの情報は後ろ側に配置される記録条件を割り出す時に使用した光学ヘッドの光学系の条件情報を意味している。リムインテンシティとは情報記憶媒体の記録面上に集光する前に対物レンズに入射する入射光の分布状況を意味し、『入射光強度分布の中心強度を“1”とした時の対物レンズ周辺位置(瞳面外周位置)での強度値』で定義される。対物レンズへの入射光強度分布は点対称ではなく、楕円分布をし、情報記憶媒体の半径方向と円周方向でリムインテンシティ値が異なるので2通りの値が記録される。リムインテンシティ値が大きいほど情報記憶媒体の記録面上での集光スポットサイズが小さくなるので、リムインテンシティ値により最適な記録パワー条件が大きく変わる。
情報記録再生装置は自分が持っている光学ヘッドのリムインテンシティ値情報を事前に知っているので、先ず、情報記憶媒体内に記録されている円周方向と半径方向に沿った光学系のリムインテンシティ値を読み取り、自分が持っている光学ヘッドの値と比較する。比較した結果に大きな違いが無ければ後ろ側に記録されている記録条件を適用できるが、比較した結果で大きな食い違いが有れば後ろ側に記録されている記録条件を無視し、図16、または図18に記載されているドライブテストゾーンDRTZを利用して記録再生装置自ら試し書きをしながら最適な記録条件の割り出しを始める必要がある。
このように後ろ側に記録されている記録条件を利用するか、その情報を無視して自ら試し書きをしながら最適な記録条件の割り出しを始めるかの判断を早急に行う必要がある。図23に示すように、推奨される記録条件が記録されている位置に対する先行位置にその条件を割り出した光学系の条件情報を配置することにより、まず始めにそのリムインテンシティ情報を読み取る事が出来、後に配置される記録条件の適合可否を高速に判定出来ると言う効果がある。
上述したように本実施形態では大きく内容が変更になった時にバージョンを変更させる規格書(バージョンブック)と記録速度など小変更に対応してリビジョンを変更して発行するリビジョンブックに分け、記録速度が向上する毎にリビジョンのみを更新したリビジョンブックのみを発行できるようにしている。したがって、リビジョン番号が異なるとリビジョンブック内の記録条件が変化するので、記録条件(ライトストラテジ)に関する情報が主に512バイト目から2047バイト目までの各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264の中に記録される。図23から明らかなように、512バイト目から2047バイト目までの各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264としては、タイプが異なる書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体との違いのみならず同じ種類の媒体においてもリビジョンが異なると各バイト位置での記録情報内容の意味が異なる事を許容する。
図23におけるピークパワー、第1バイアスパワー、第2バイアスパワー、第3バイアスパワーの定義は図19で定義されているパワー値に一致している。図23におけるファーストパルスの終了時間とは図19で定義したTEFPの事を意味し、マルチパルス間隔とは図19で定義したTMPの事を意味し、ラストパルスの開始時間とは図19で定義したTSLPの事を意味し、2Tマークの第2バイアスパワーの期間とは図19で定義したTLCの事を意味する。
図23で4バイト目から15バイト目に記録されているデータ領域DTAの配置場所情報内に記録される詳細な情報の内容比較を図24に示す。媒体の種別と物理フォーマット情報PFIとR物理フォーマット情報R_PFIの区別無くデータ領域DTAの開始位置情報が共通に記録されている。終了位置を示す情報として再生専用形情報記憶媒体の中ではデータ領域DTAの終了位置情報が記録されている。
書替え形情報記憶媒体では図12に示すように最も物理セクタ番号の値が大きい場所はグルーブ領域内にあるが、ランド領域内でのデータ領域DTAの終了位置情報が記録されている。
追記形情報記憶媒体の物理フォーマット情報PFI内ではユーザデータの追記可能範囲の最後の位置情報が記録されているが、この位置情報は例えば図18の(e)に示した例ではζ点の直前位置を意味している。
これに対して追記形情報記憶媒体のR物理フォーマット情報R_PFI内では、該当するボーダー内領域BRDAの中での既記録データの最後の位置情報が記録される。
更に再生専用形情報記憶媒体内では再生側光学系から見た手前の層である“0層”内での最後のアドレス情報が、書替え形情報記憶媒体内ではランド領域とグルーブ領域間の各開始位置情報の差分値の情報も記録されている。
図16の(c)に示すように、データリードイン領域DTLDI中に記録位置管理ゾーンRMZが存在する。そして図21の(d)に示すように、そのコピー情報が記録位置管理ゾーンRMZへの記録内容のコピー情報C_RMZとしてボーダーアウトBRDO内にも存在している。記録位置管理ゾーンRMZの中は図17の(b)に示すように1物理セグメントブロックサイズと同じデータサイズを持った記録位置管理データ(Recording Management Data)RMDが記録され、その記録位置管理データRMDの内容が更新される毎に、更新された新たな記録位置管理データRMDとして順次後ろに追記可能になっている。この1個の記録位置管理データRMD内の詳細なデータ構造を図25〜図30に示す。記録位置管理データRMD内は更に1個が2048バイトサイズの細かなRMDフィールド情報RMDFに分割されている。
記録位置管理データRMD内の最初の2048バイトはリザーブ領域になっている。
次の2048バイトサイズのRMDフィールド0には、記録位置管理データフォーマットコード情報、対象の媒体が(1)未記録状態か、(2)ファイナライズ前の記録途中か、(3)ファイナライズ後かのいずれかであるかを示す媒体状態情報、ユニークディスクID(ディスク識別情報)、データ領域DTAの配置位置情報と最新の(更新された)データ領域DTAの配置位置情報、記録位置管理データRMDの配置位置情報が順次配置されている。データ領域DTAの配置位置情報の中には初期状態でのユーザデータの追記可能範囲204(図18の(d))を示す情報としてデータ領域DTAの開始位置情報と初期時におけるユーザデータの記録可能範囲204の最終位置情報(図18の(d)の実施形態ではこの情報はβ点の直前位置を示す事になる)が記録される。
本実施形態では図18の(e)と(f)に示すように、ユーザデータの追記可能範囲204内に拡張ドライブテストゾーンEDRTZと拡張代替え領域ESPAの追加設定が可能になっている所に特徴があるが(図127のポイント(E2))、このように拡張するとユーザデータの追記可能範囲205が狭くなる。誤って拡張領域EDRTZとESPAにユーザデータを追記しないように“最新の(更新された)データ領域DTAの配置位置情報”内に関連情報が記録されている所に本実施形態の次の特徴がある。すなわち、拡張ドライブテストゾーンEDRTZの有無識別情報により拡張ドライブテストゾーンEDRTZが増設されたかどうかが分かり、拡張代替え領域ESPAの有無識別情報により拡張代替え領域ESPAが増設されたか否かが分かる。
更に、記録位置管理データRMD内で管理するユーザデータの追記可能範囲205に関する記録可能範囲情報(図127のポイント〔E〕)として、図25〜図30に示すようにRMDフィールド0内の最新の(更新された)データ領域DTAの配置位置情報内に記録されている最新のユーザデータの記録可能範囲205の最終位置があることで図18の(f)に示したユーザデータの追記可能範囲205が即座に分かり、今後記録可能な未記録領域のサイズ(未記録の残量)の高速検出が可能となる。これにより、例えばユーザが指定した録画予約時間に合わせて最適な記録時の転送レートを設定することにより、実現可能な最も高画質で、しかもユーザが指定した録画予約時間が漏れなく媒体内に録画できると言う効果が生じる。なお、図18の(d)の実施形態を例に取ると、前記の“最新のユーザデータの記録可能範囲205の最終位置”はζ点の直前位置を意味する。これらの位置情報は物理セクタ番号で記述する代わりに、他の実施形態としてECCブロックアドレス番号で記述する(図127のポイント(E1))事も可能である。後述するように、本実施形態では32セクタで1ECCブロックを構成する。したがって、特定のECCブロック内の先頭に配置されたセクタの物理セクタ番号の下位5ビットは隣接するECCブロック内の先頭位置に配置されたセクタのセクタ番号と一致する。
ECCブロック内の先頭に配置されたセクタの物理セクタ番号の下位5ビットが“00000”になるように物理セクタ番号を設定した場合には、同一ECCブロック内に存在する全てのセクタの物理セクタ番号の下位6ビット目以上の値が一致する。したがって、上記同一ECCブロック内に存在するセクタの物理セクタ番号の下位5ビットデータを除去し、下位6ビット目以上のデータのみを抽出したアドレス情報をECCブロックアドレス情報(またはECCブロックアドレス番号)と定義する。後述するように、ウォブル変調により予め記録されたデータセグメントアドレス情報(または物理セグメントブロック番号情報)は上記ECCブロックアドレスと一致するので、記録位置管理データRMD内の位置情報をECCブロックアドレス番号で記述すると、以下の効果が得られる。
(1)特に未記録領域へのアクセスが高速化する。
…記録位置管理データRMD内の位置情報単位とウォブル変調により予め記録されたデータセグメントアドレスの情報単位が一致するため差分の計算処理が容易となるため。
(2)記録位置管理データRMD内の管理データサイズを小さくできる。
…アドレス情報記述に必要なビット数が1アドレス当たり5ビット節約できるため。
後述するように、1物理セグメントブロック長は1データセグメント長に一致し、1データセグメント内に1ECCブロック分のユーザデータが記録される。したがって、アドレスの表現として“ECCブロックアドレス番号”とか“ECCブロックアドレス”あるいは“データセグメントアドレス”、“データセグメント番号”、“物理セグメントブロック番号”などの表現を行うが、これらは全て同義語の意味を持つ。
図25〜図30が示すように、RMDフィールド0内にある記録位置管理データRMDの配置位置情報には、記録位置管理データRMDを内部に順次追記できる記録位置管理ゾーンRMZの設定されたサイズ情報がECCブロック単位または物理セグメントブロック単位で記録されている。図17の(b)に示したように、1個の記録位置管理ゾーンRMDが1個の物理セグメントブロック毎に記録されているので、この情報で記録位置管理ゾーンRMZの中に何回更新(アップデート)された記録位置管理データRMDが追記できるかが分かる。その次に、記録位置管理ゾーンRMZ内での現在の記録位置管理データ番号が記録される。これは記録位置管理ゾーンRMZ内で既に記録された記録位置管理データRMDの数情報を意味している。例えば、図17の(b)に示す例として、この情報が記録位置管理データRMD#2内の情報だと仮定すると、この情報は記録位置管理ゾーンRMZ内で2番目に記録された記録位置管理データRMDなので、“2”の値がこの欄の中に記録される。その次に、記録位置管理ゾーンRMZ内での残量情報が記録される。この情報は記録位置管理ゾーンRMZ内での更に追加可能な記録位置管理データRMD数の情報を意味し、物理セグメントブロック単位(=ECCブロック単位=データセグメント単位)で記述される。上記3情報の間には
[RMZの設定されたサイズ情報]
=[現在の記録位置管理データ番号]+[RMZ内での残量]
の関係が成立する。記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDの既使用量、または残量情報を記録位置管理データRMDの記録領域内に記録する所に本実施形態の特徴(図127のポイント(E7))がある。
[RMZの設定されたサイズ情報]
=[現在の記録位置管理データ番号]+[RMZ内での残量]
の関係が成立する。記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDの既使用量、または残量情報を記録位置管理データRMDの記録領域内に記録する所に本実施形態の特徴(図127のポイント(E7))がある。
例えば、1枚の追記形情報記憶媒体に1回で全ての情報を記録する場合には、記録位置管理データRMDは1回だけ記録すれば良いが、1枚の追記形情報記憶媒体に非常に細かくユーザデータの追記(図18の(f)でのユーザデータの追記可能範囲205内へのユーザデータの追記)を繰り返して記録したい場合には、追記毎に更新された記録位置管理データRMDも追記する必要がある。この場合、頻繁に記録位置管理データRMDを追記すると、図17の(b)に示す未記録領域206が無くなってしまい、情報記録再生装置としてはそれに対する善処が必要となる。したがって、記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDの既使用量、または残量情報を記録位置管理データRMDの記録領域内に記録することにより、記録位置管理ゾーンRMZ領域内の追記不可能な状態が事前に分かり情報記録再生装置の早めの対処が可能となる。
また、本実施形態では図17の(e)から(f)への移行で示したように、拡張ドライブテストゾーンEDRTZを内部に含めた形でデータリードアウト領域DTLDOを設定する事が出来る所に特徴がある(図127のポイント(E4))。この時にはデータリードアウト領域DTLDOの開始位置が図17の(e)のβ点からε点へ変化する。この状況を管理するため、図25〜図30に示すように、RMDフィールド0の最新の(更新された)データ領域DTAの配置位置情報内にデータリードアウト領域DTLDOの開始位置情報を記録する欄が設けられている。前述したようにドライブテスト(試し書き)は基本的にデータセグメント(ECCブロック)単位で拡張可能なクラスタ単位で記録される。したがって、データリードアウト領域DTLDOの開始位置情報はECCブロックアドレス番号で記述されるが、他の実施形態としてこの最初のECCブロック内の最初に配置される物理セクタの物理セクタ番号、または物理セグメントブロック番号、データセグメントアドレス、ECCブロックアドレスで記述する事も可能である。
RMDフィールド1には対応媒体の記録を行った情報記録再生装置の履歴情報が記録され、それぞれの情報記録再生装置毎に製造メーカ識別情報、ASCIIコードにて記述されたシリアル番号とモデル番号、ドライブテストゾーンを用いた記録パワー調整を行った日時情報および追記時に行った記録条件情報が各リビジョン毎に固有に設定できる情報264(図23)内の全記録条件情報のフォーマットに従って記述されるようになっている。
RMDフィールド2はユーザ使用領域で例えば記録した(記録したい)コンテンツの情報などをユーザがここに記録できるようになっている。
RMDフィールド3内には各ボーダーゾーンBRDZの開始位置情報が記録される。すなわち、図25〜図30に示すように最初から50番目までのボーダーアウトBRDOの開始位置情報が物理セクタ番号で記載される。
例えば、図21の(c)に示した実施形態では、最初のボーダーアウトBRDOの開始位置はη点の位置を表し、2番目のボーダーアウトBRDOの開始位置はθ点の位置を示している。
RMDフィールド4内では拡張ドライブテストゾーンの位置情報が記録される。最初に図16の(c)に記載されたデータリードイン領域DTLDIにあるドライブテストゾーンDRTZ内で既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報と、図18の(d)〜(f)に記載されたデータリードアウト領域DTLDOにあるドライブテストゾーンDRTZ内で既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報が記録される。ドライブテストゾーンDRTZ内では内周側(物理セクタ番号の小さい方)から外周方向(物理セクタ番号が大きくなる方向)へ向かって順次試し書きに使用される。試し書きに使用される場所単位は、後述するように追記単位であるクラスタ単位で行われるので、ECCブロック単位となる。したがって、既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報としてECCブロックアドレス番号で記載されるか、または物理セクタ番号で記載される場合には、試し書きに用いられたECCブロックの最後に配置された物理セクタの物理セクタ番号を記載することになる。1度試し書きに使用された場所は既に記録されているので、次に試し書きを行う場合には、既に試し書きに使用された最後の位置の次から試し書きを行うことになる。したがって、上記ドライブテストゾーンDRTZ内で既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報(=ドライブテストゾーンDRTZ内の既使用量)を利用して(図127のポイント(E5))、情報記録再生装置は次に何処から試し書きを開始すればよいかが瞬時に分かるだけでなく、その情報からドライブテストゾーンDRTZ内に次に試し書きが可能な空きスペースがあるか否かを判定できる。
データリードイン領域DTLDIにあるドライブテストゾーンDRTZ内で、更に追加試し書き出来る領域サイズ情報あるいはドライブテストゾーンDRTZを使い切ってしまったか否かを示すフラグ情報と、データリードアウト領域DTLDOにあるドライブテストゾーンDRTZ内で更に追加試し書き出来る領域サイズ情報、あるいはドライブテストゾーンDRTZを使い切ってしまったか否かを示すフラグ情報が記録される。データリードイン領域DTLDIにあるドライブテストゾーンDRTZのサイズとデータリードアウト領域DTLDOにあるドライブテストゾーンDRTZのサイズはあらかじめ分かっているので、データリードイン領域DTLDIにあるドライブテストゾーンDRTZ内あるいはデータリードアウト領域DTLDOにあるドライブテストゾーンDRTZで既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報だけでドライブテストゾーンDRTZ内で更に追加の試し書きが出来る領域のサイズ(残量)は割り出す事は可能であるが、この情報を記録位置管理データRMD内に持つことにより(図127のポイント(E5))、即座にドライブテストゾーンDRTZ内の残量が分かり、拡張ドライブテストゾーンEDRTZの新規設定有無判断までの時間を短縮化できる。
他の実施形態としてこの欄にはドライブテストゾーンDRTZ内で更に追加試し書き出来る領域サイズ(残量)情報の代わりにドライブテストゾーンDRTZを使い切ってしまったか否かを示すフラグ情報を記録することも出来る。既に使い切ってしまった事が瞬時に分かるフラグが設定されていれば、誤ってこの領域に試し書きを試行する危険性を排除できる。
RMDフィールド4内では次に拡張ドライブテストゾーンEDRTZの追加設定回数情報が記録される。図18の(e)に示した実施形態では拡張ドライブテストゾーン1EDRTZ1と拡張ドライブテストゾーン2EDRTZ2の2箇所に拡張ドライブテストゾーンEDRTZを設定してあるので、“拡張ドライブテストゾーンEDRTZの追加設定回数=2”となる。更に、フィールド4内では各拡張ドライブテストゾーンEDRTZ毎の範囲情報と、既に試し書きに使用された範囲情報が記録される。このように拡張ドライブテストゾーンの位置情報を記録位置管理データRMD内で管理できるようにすることにより(図127のポイント(E6))、複数回の拡張ドライブテストゾーンEDRTZの拡張設定を可能にすると共に追記形情報記憶媒体において記録位置管理データRMDの更新追記と言う形で逐次拡張された拡張ドライブテストゾーンEDRTZの位置情報を正確に管理でき、ユーザデータの追記可能範囲204(図17の(d))と誤って判断して拡張ドライブテストゾーンEDRTZ上にユーザデータを重ね書きする危険性を排除できる。
上述したように試し書きの単位もクラスタ単位(ECCブロック単位)で記録されるので、各拡張ドライブテストゾーンEDRTZ毎の範囲はECCブロックアドレス単位で指定される。図18の(e)に示した実施形態では最初に設定した拡張ドライブテストゾーンEDRTZの開始位置情報は拡張ドライブテストゾーン1EDRTZ1を最初に設定したのでγ点を示し、最初に設定した拡張ドライブテストゾーンEDRTZの終了位置情報はβ点の直前位置が対応する。位置情報の単位は同じくECCブロックアドレス番号または物理セクタ番号で記述される。
図25〜図30の実施形態では拡張ドライブテストゾーンEDRTZの終了位置情報を示したが、それに限らず代わりに拡張ドライブテストゾーンEDRTZのサイズ情報を記載しても良い。この場合には最初に設定した拡張ドライブテストゾーン1EDRTZ1のサイズは“β−γ”となる。また、最初に設定した拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内で既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報もECCブロックアドレス番号または物理セクタ番号で記述される。その次に、最初に設定した拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内で更に追加試し書き出来る領域サイズ(残量)情報が記録される。既に拡張ドライブテストゾーン1EDRTZ1のサイズとその中で既に使用されている領域のサイズが上記の情報から分かっているので、自動的に更に追加試し書き出来る領域サイズ(残量)が求められるが、この欄を設ける(図127のポイント(E5))ことにより、新たなドライブテスト(試し書き)をする時に現在のドライブテストゾーンで足りるか否かが直ぐに分かり、更なる拡張ドライブテストゾーンEDRTZの追加設定を決断するまでの判断時間を短縮化できる。この欄は更に追加試し書き出来る領域サイズ(残量)情報が記録できるようになっているが、他の実施形態として拡張ドライブテストゾーンEDRTZを使い切ってしまったか否かを示すフラグ情報をこの欄に設定する事も可能である。既に使い切ってしまった事が瞬時に分かるフラグが設定されていれば誤ってこの領域に試し書きを試行する危険性を排除できる。
図1に示した情報記録再生装置で新たに拡張ドライブテストゾーンEDRTZを設定し、そこに試し書きを行う処理方法の一例について説明する。
(1)追記形情報記憶媒体を情報記録再生装置に装着する。
(2)情報記録再生部141でバーストカッティング領域BCAに形成されたデータを再生し、制御部143へ送る→制御部143内で転送された情報を解読し、次のステップへ進めるか判定する。
(3)情報記録再生部141でシステムリードイン領域SYLDI内の制御データゾーンCDZに記録されている情報を再生し、制御部143へ転送する。
(4)制御部143内で推奨記録条件を割り出した時のリムインテンシティの値(図23の194、195バイト目)と情報記録再生部141で使われている光学ヘッドのリムインテンシティの値を比較し、試し書きに必要な領域サイズを割り出す。
(5)情報記録再生部141で記録位置管理データ内の情報を再生し、制御部143へ送る。制御部ではRMDフィールド4内の情報を解読し、(4)で割り出した試し書きに必要な領域サイズの余裕の有無を判定し、余裕がある場合には(6)へ進み、余裕が無い場合には(9)へ進む。
(6)RMDフィールド4内から試し書きに使用するドライブテストゾーンDRTZまたは拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内の既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報から今回試し書きを開始する場所を割り出す。
(7) (6)で割り出した場所から(4)で割り出したサイズ分試し書きを実行する。
(8) (7)の処理により試し書きに使用した場所が増えたので、既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報を書き替えた記録位置管理データRMDをメモリ部175に一時保存し、(12)へ進む。
(9)RMDフィールド0に記録されてある“最新のユーザデータの記録可能範囲205の最終位置”の情報または図24に示した物理フォーマットPFI内のデータ領域DTAの配置場所情報内に記録されている“ユーザデータの追記可能範囲の最後の位置情報”を情報記録再生部141で読み取り、制御部143内で更に新たに設定する拡張ドライブテストゾーンEDRTZの範囲を設定する。
(10) (9)の結果に基づき、RMDフィールド0に記録されてある“最新のユーザデータの記録可能範囲205の最終位置”の情報を更新すると共にRMDフィールド4内の拡張ドライブテストゾーンEDRTZの追加設定回数情報を1だけインクリメント(回数を1だけ加算)し、さらに新たに設定する拡張ドライブテストゾーンEDRTZの開始/終了位置情報を付け加えた記録位置管理データRMDをメモリ部175に一時保存する。
(11) (7)→(12)へ移動する。
(12) (7)で行った試し書きの結果得られた最適な記録条件でユーザデータの追記可能範囲205内に必要なユーザ情報を追記する。
(13) (12)に対応して新たに発生したRゾーン内の開始/終了位置情報(図27)を追記して更新された記録位置管理データRMDをメモリ部175に一時保存する。
(14)制御部143が制御して情報記録再生部141がメモリ部175に一時保存されている最新の記録位置管理データRMDを記録位置管理ゾーンRMZ内の未記録領域206(例えば図17の(b))内に追加記録する。
図27に示すようにRMDフィールド5内は拡張代替え領域ESPAの位置情報が記録される。追記形情報記憶媒体において代替え領域が拡張可能となっており、その代替え領域の位置情報が位置管理データRMDで管理される。図18の(e)に示す実施形態では拡張代替え領域1ESPA1と拡張代替え領域2ESPA2の2箇所に拡張代替え領域ESPAを設定しているのでRMDフィールド5内の最初に記載されている“拡張代替え領域ESPAの追加設定回数”は“2”となる。最初に設定した拡張代替え領域ESPAの開始位置情報はδ点位置、最初に設定した拡張代替え領域ESPAの終了位置情報はγ点の直前の位置、2番目に設定した拡張代替え領域ESPAの開始位置情報はζ点の位置、2番目に設定した拡張代替え領域ESPAの終了位置情報はε点の直前位置に対応する。
図27のRMDフィールド5内は欠陥管理に関する情報が記録される。図27のRMDフィールド5内の最初の欄でデータリードイン領域DTLDIに隣接した代替え領域内で既に代替えに使用したECCブロックの数情報、または物理セグメントブロック数情報が記録される。本実施形態ではユーザデータの追記可能範囲204内で発見された欠陥領域に対してはECCブロック単位で代替え処理がなされる。後述するように、1ECCブロックを構成する1個のデータセグメントが1個の物理セグメントブロック領域に記録されるので、既に行われた代替え回数は既に代替えに使用したECCブロックの数(または物理セグメントブロック数、データセグメント数)に等しくなる。したがって、この欄での記載情報の単位はECCブロック単位、または物理セグメントブロック単位、データセグメント単位となる。
追記形情報記憶媒体では代替え領域SPA、あるいは拡張代替え領域ESPA内では、交替処理として使用される場所はECCブロックアドレス番号の若い内周側から順次使用される場合が多い。したがって、この欄の情報として他の実施形態では、代替えへの使用済み場所の最後の位置情報としてECCブロックアドレス番号を記載する事も可能である。図27に示すように、最初に設定した拡張代替え領域1ESPA1と2番目に設定した拡張代替え領域2ESPA2に対しても同様な情報(“最初に設定した拡張代替え領域ESPA内の既に代替えに使用したECCブロックの数情報または物理セグメントブロック数情報あるいは代替えへの使用済み場所の最後の位置情報(ECCブロックアドレス番号)”と、“2番目に設定した拡張代替え領域ESPA内の既に代替えに使用したECCブロックの数情報または物理セグメントブロック数情報あるいは代替えへの使用済み場所の最後の位置情報(ECCブロックアドレス番号)”)を記録する欄が存在する。これらの情報を利用して、以下の効果が得られる。
(1)次に代替え処理する時にユーザデータの追記可能範囲205内で見つかった欠陥領域に対する新たに設定すべき代替え場所が即座に分かる。
…代替えへの使用済み場所の最後の位置の直後に新たな代替えを行う。
(2)計算により代替え領域SPAまたは拡張代替え領域ESPA内の残量が求められ、(残量が足りない場合には)新たな拡張代替え領域ESPAの設定の必要性有無が分かる。
また、データリードイン領域DTLDIに隣接した代替え領域SPAのサイズは事前に知られているので、代替え領域SPA内で既に代替えに使用したECCブロックの数に関する情報が有れば代替え領域SPA内での残量を計算できるが、代替え領域SPA内での残量情報である今後代替えに使用可能な未使用場所のECCブロックの数情報または物理セグメントブロック数情報の記録枠を設けることにより、即座に残量が分かり、更なる拡張代替え領域ESPAに関する設定必要性の有無判定に必要な時間の短縮化が図れる。同様な理由から、“最初に設定した拡張代替え領域ESPA内での残量情報”と、“2番目に設定した拡張代替え領域ESPA内での残量情報”も記録できる枠が設けられている。本実施形態では追記形情報記憶媒体において代替え領域SPAを拡張可能とし、その位置情報を記録位置管理データRMD内で管理する形となっている。図17の(e)に示すように、ユーザデータの追記可能範囲204内に必要に応じて任意の開始位置、任意のサイズで第1、第2拡張代替え領域ESPA1、ESPA2などが拡張設定できる。したがって、RMDフィールド5内に拡張代替え領域ESPAの追加設定回数情報が記録され、最初に設定した拡張代替え領域ESPAの開始位置情報や2番目に設定した拡張代替え領域ESPAの開始位置情報が設定可能となっている。これらの開始位置情報は物理セクタ番号またはECCブロックアドレス番号(あるいは物理セグメントブロック番号、データセグメントアドレス)で記述される。図25〜図30の実施形態では、拡張代替え領域ESPAの範囲を規定する情報として“最初に設定した拡張代替え領域ESPAの終了位置情報”や、“2番目に設定した拡張代替え領域ESPAの終了位置情報”が記録される形になっているが、他の実施形態としてそれら終了位置情報の代わりに、拡張代替え領域ESPAのサイズ情報がECCブロック数または物理セグメントブロック数、データセグメント数、ECCブロック数あるいは物理セクタ数で記録される事も可能である。
RMDフィールド6には欠陥管理情報が記録される。本実施形態では欠陥処理に関する情報記憶媒体に記録する情報の信頼性を向上する方法として
(1)欠陥場所に記録を予定していた情報を代替え場所に記録する従来の“交替モード”と、
(2)同じ内容の情報を情報記憶媒体上の異なる場所に2回記録して信頼性を上げる“多重化モード”の2種類の方法が対応できるようにし、どちらのモードで処理するかの情報を、図29に示すように、記録位置管理データRMD内の2次欠陥リストエントリー情報内の“欠陥管理処理の種別情報”内に記録される。2次欠陥リストエントリー情報内の内容は
“(1)交替モード”の場合には
・欠陥管理処理の種別情報を“01”に設定(従来のDVD−RAMと同様)し、
・“交替元ECCブロックの位置情報”とはユーザデータの追記可能範囲205の中で欠陥場所として発見されたECCブロックの位置情報を意味し、本来ここへ記録予定の情報が記録されず代替え領域内などに記録される。
(1)欠陥場所に記録を予定していた情報を代替え場所に記録する従来の“交替モード”と、
(2)同じ内容の情報を情報記憶媒体上の異なる場所に2回記録して信頼性を上げる“多重化モード”の2種類の方法が対応できるようにし、どちらのモードで処理するかの情報を、図29に示すように、記録位置管理データRMD内の2次欠陥リストエントリー情報内の“欠陥管理処理の種別情報”内に記録される。2次欠陥リストエントリー情報内の内容は
“(1)交替モード”の場合には
・欠陥管理処理の種別情報を“01”に設定(従来のDVD−RAMと同様)し、
・“交替元ECCブロックの位置情報”とはユーザデータの追記可能範囲205の中で欠陥場所として発見されたECCブロックの位置情報を意味し、本来ここへ記録予定の情報が記録されず代替え領域内などに記録される。
・“交替先ECCブロックの位置情報”とは図18の(e)の代替え領域SPAまたは第1拡張代替え領域ESPA1、第2拡張代替え領域ESPA2の中に設定される交替先の場所の位置情報を示し、ユーザデータの追記可能範囲205内で発見された欠陥場所に記録予定の情報がここに記録される。
が対応し、
“(2)多重化モードの場合”には
・欠陥管理処理の種別情報を“10”に設定し、
・“交替元ECCブロックの位置情報”とは非欠陥の場所であり、記録予定の情報が記録されると共に、ここに記録された情報は正確に再生できる場所の位置情報を表す。
“(2)多重化モードの場合”には
・欠陥管理処理の種別情報を“10”に設定し、
・“交替元ECCブロックの位置情報”とは非欠陥の場所であり、記録予定の情報が記録されると共に、ここに記録された情報は正確に再生できる場所の位置情報を表す。
・“交替先ECCブロックの位置情報”とは図18の(e)の代替え領域SPAまたは第1拡張代替え領域ESPA1、第2拡張代替え領域ESPA2の中に設定される多重化のために上記“交替元ECCブロックの位置情報”に記録された情報と全く同じ内容が記録される場所の位置情報を表す。
が対応する。
上記“(1)交替モード”で記録した場合には、記録直後の段階では情報記憶媒体へ記録された情報が正確に読み出せる事は確認される。しかし、その後にユーザの不手際などで情報記憶媒体に傷やゴミが付着して上記記録が再生できなくなる危険性がある。これに対して上記“(2)多重化モード”で記録した場合には、ユーザの不手際などで情報記憶媒体に傷やゴミが付着して部分的に情報が読めなくなったとしても、他の部分に同じ情報がバックアップされているので情報再生の信頼性が格段に向上する。この時に読めなかった情報に対して上記バックアップされた情報を利用して“(1)交替モード”の交替処理を行えば更に信頼性が向上する。したがって、上記“(2)多重化モード”の処理、あるいは“(1)交替モード”の処理と“(2)多重化モード”の処理を組み合わせることにより、傷やゴミの対策も考慮に入れた記録後の高い情報再生信頼性を確保出来ると言う効果がある。
また、ECCブロックの位置情報を記述する方法として、ECCブロックを構成する先頭位置にある物理セクタの物理セクタ番号を記述する方法以外に、ECCブロックアドレスまたは物理セグメントブロックアドレスあるいはデータセグメントアドレスを記載する方法もある。後述するように、本実施形態では1ECCブロックサイズのデータが入るデータ上の領域をデータセグメントと呼ぶ。また、データを記録する場所の情報記憶媒体上の物理的な単位として物理セグメントブロックが定義されており、1個の物理セグメントブロックサイズと1個のデータセグメントを記録する領域のサイズが一致している。
本実施形態では交替処理前に事前に検出された欠陥位置情報も記録できる仕組みも持っている。これにより、情報記憶媒体の製造メーカが出荷直前にユーザデータの追記可能範囲204内の欠陥状態を検査し、発見された欠陥場所を(交替処理前に)事前に記録したり、ユーザの所で情報記録再生装置がイニシャライズ処理を行った時にユーザデータの追記可能範囲204内の欠陥状態を検査し、発見された欠陥場所を(交替処理前に)事前に記録できるようにしてある。このように交替処理前に事前に検出された欠陥位置を示す情報が図29に示す2次欠陥リストエントリー情報内の“欠陥ブロックの代替えブロックへの交替処理有無情報”(SLR:Status of Linear Replacement)であり、
◎欠陥ブロックの代替えブロックへの交替処理有無情報SLRが“0”の時には
…“交替元ECCブロックの位置情報”で指定された欠陥ECCブロックに対して交替処理がなされ、
“交替先ECCブロックの位置情報”で指定された場所に再生可能な情報が記録されている。
◎欠陥ブロックの代替えブロックへの交替処理有無情報SLRが“0”の時には
…“交替元ECCブロックの位置情報”で指定された欠陥ECCブロックに対して交替処理がなされ、
“交替先ECCブロックの位置情報”で指定された場所に再生可能な情報が記録されている。
◎欠陥ブロックの代替えブロックへの交替処理有無情報SLRが“1”の時には
…“交替元ECCブロックの位置情報”で指定された欠陥ECCブロックは交替処理前の段階で事前に検出された欠陥ブロックを意味し、
“交替先ECCブロックの位置情報”の欄はブランク(何も情報が記録されて無い)となっている。
…“交替元ECCブロックの位置情報”で指定された欠陥ECCブロックは交替処理前の段階で事前に検出された欠陥ブロックを意味し、
“交替先ECCブロックの位置情報”の欄はブランク(何も情報が記録されて無い)となっている。
このように欠陥場所が事前に分かっていると、情報記録再生装置がユーザデータを追記形情報記憶媒体に追記する段階で高速に(かつリアルタイムで)最適な交替処理を行えると言う効果がある。特に映像情報などを情報記憶媒体に記録する場合には記録時の連続性を保証する必要が有り、上記情報に基付く高速な交替処理が重要となる。
ユーザデータの追記可能範囲205内に欠陥があると代替え領域SPAあるいは拡張代替え領域ESPA内の所定場所で交替処理が行われるが、その1回の交替処理毎に1個の2次欠陥リストエントリー(Secondary Defect List Entry)情報が付加され、欠陥ECCブロックの位置情報と代替えに利用されたECCブロックの位置情報の組情報がRMDフィールド6内に記録される。ユーザデータの追記可能範囲205内に新たにユーザデータの追記を繰り返す時に新たな欠陥場所が発見されると交替処理を行い、2次欠陥リストエントリー情報の数が増える。この2次欠陥リストエントリー情報の数が増えた記録位置管理データRMDを、図17の(b)に示すように、記録位置管理ゾーンRMZ内の未記録領域206内に追記することにより、欠陥管理の管理情報領域(RMDフィールド6)が拡張できる。この方法を行うことにより、下記の理由から欠陥管理情報自体の信頼性を向上させることが出来る。
(1)記録位置管理ゾーンRMZ内の欠陥場所を回避して記録位置管理データRMDを記録できる
…図17の(b)に示す記録位置管理ゾーンRMZ内でも欠陥場所が発生する場合がある。記録位置管理ゾーンRMZ内で新たに追記した記録位置管理データRMDの内容を追記直後に確認(ベリファイ)することにより、欠陥による記録不可能な状態を検知でき、その場合にはその隣に記録位置管理データRMDを書き直すことにより、記録位置管理データRMDを高い信頼性を保証した形で記録する事が出来る。
…図17の(b)に示す記録位置管理ゾーンRMZ内でも欠陥場所が発生する場合がある。記録位置管理ゾーンRMZ内で新たに追記した記録位置管理データRMDの内容を追記直後に確認(ベリファイ)することにより、欠陥による記録不可能な状態を検知でき、その場合にはその隣に記録位置管理データRMDを書き直すことにより、記録位置管理データRMDを高い信頼性を保証した形で記録する事が出来る。
(2)情報記憶媒体表面に付いた傷などにより過去の記録位置管理データRMDの再生が不可能になってもある程度のバックアップが可能となる。
…例えば図17の(b)の例を取った場合、記録位置管理データRMD#2を記録した後でユーザのミス等で情報記憶媒体表面に傷が付き、記録位置管理データRMD#2の再生が不可能になった状態を例として想定する。この場合、代わりに記録位置管理データRMD#1の情報を再生することにより、ある程度過去の欠陥管理情報(RMDフィールド6内の情報)を修復できる。
RMDフィールド6の最初にはRMDフィールド6のサイズ情報が記録されており、このフィールドサイズを可変にして欠陥管理の管理情報領域(RMDフィールド6)を拡張可能としている。各RMDフィールドは2048サイズ(1物理セクタサイズ分)に設定していると既に説明したが、情報記憶媒体の欠陥が多く、交替処理回数が多くなると2次欠陥リスト情報(Secondary Defect List)のサイズが増大し、2048バイトサイズ(1物理セクタサイズ分)では収まらなくなる。その状況を考慮してRMDフィールド6は2048サイズの複数倍(複数のセクタに跨って記録可能)に出来る形となっている。すなわち、“RMDフィールド6のサイズ”が2048バイトを越えた場合には、複数物理セクタ分の領域をRMDフィールド6に割り当てる事になる。
2次欠陥リスト情報SDL内には上記説明した2次欠陥リストエントリー情報の他に、2次欠陥リスト情報SDLの開始位置を示す“2次欠陥リスト識別情報”、2次欠陥リスト情報SDLを何回書き替えたかの回数情報を示す“2次欠陥リストのアップデートカウンタ(アップデート回数情報)”が記録される。また“2次欠陥リストエントリーの数情報”により2次欠陥リスト情報SDL全体のデータサイズが分かる。
ユーザデータの追記可能範囲205内には論理的にRゾーン単位でユーザデータの記録を行う事を既に説明した。すなわち、ユーザデータを記録するために予約されるユーザデータの追記可能範囲205内の一部をRゾーンと呼ぶ。記録条件に応じこのRゾーンは2種類のRゾーンに分けられる。その中に追加ユーザデータが更に記録できるタイプをオープン(開放)形Rゾーンと呼び、その中に更なるユーザデータが追加できないタイプをコンプリート(完結)形Rゾーンと呼ぶ。ユーザデータの追記可能範囲205内では3個以上のオープンR形ゾーンを持つ事が出来ない。すなわち、ユーザデータの追記可能範囲205内ではオープンR形ゾーンは2箇所までしか設定できない。ユーザデータの追記可能範囲205内で上記2種類いずれかのRゾーンを設定していない場所、すなわち、ユーザデータを記録するために(上記2種類のRゾーンのいずれかとして)予約されていない場所をインビジブル(未指定状態の)Rゾーンと呼ぶ。ユーザデータの追記可能範囲205内に全てユーザデータが記録され、追加できない場合には、このインビジブルRゾーンは存在しない。
RMDフィールド7内は254番目までのRゾーンの位置情報が記録される。RMDフィールド7内の最初に記録される“全体のRゾーンの数情報”はユーザデータの追記可能範囲205内に論理的に設定されるインビジブルRゾーンの数とオープンR形ゾーンの数とコンプリート形Rゾーンの数の合計数を表している。次に、最初のオープンR形ゾーンの数情報と2番目のオープンR形ゾーンの数情報が記録されるが、前述したようにユーザデータの追記可能範囲205内では3個以上のオープンR形ゾーンを持つ事が出来ないので、ここは“1”または“0”(最初または2番目のオープンR形ゾーンが存在しない場合)が記録される。次には、最初のコンプリート形Rゾーンの開始位置情報と終了位置情報が物理セクタ番号で記載される。その次には、2番目から254番目までのコンプリート形Rゾーンの開始位置情報と終了位置情報が順次物理セクタ番号で記載される。
RMDフィールド8以降は255番目以降のコンプリート形Rゾーンの開始位置情報と終了位置情報が順次物理セクタ番号で記載され、コンプリート形Rゾーンのの数に応じて最大RMDフィールド15まで(最大2047個のコンプリート形Rゾーンまで)記載可能になっている。
図29、図30に示した記録位置管理データRMD内のデータ構造に対する他の実施形態を図121、図122に示す。
図121、図122の実施形態では1枚の追記形情報記憶媒体上に128個までのボーダー内領域BRDAが設定可能になっている。したがって、最初から128個までのボーダーアウトBRDOの開始位置情報がRMDフィールド3内に記録されている。もし途中まで(128個以下)しかボーダー内領域BRDAが設定されていない場合には、それ以降のボーダーアウトBRDOの開始位置情報として“00h”を設定する。これにより、RMDフィールド3内でどこまでボーダーアウトBRDOの開始位置情報が記録されているかを調べるだけで、追記形情報記憶媒体上に何個ボーダー内領域BRDAが設定されているかが分かる。
図121、図122の実施形態では1枚の追記形情報記憶媒体上に128個までの拡張記録位置管理ゾーンRMZを設定可能になっている。上述したように拡張記録位置管理ゾーンRMZとして
(1)ボーダーインBRDI内に設定された拡張記録位置管理ゾーンRMZと
(2)Rゾーンを利用して設定された拡張記録位置管理ゾーンRMZ
の2種類が存在するが、図121、図122に示した実施形態では、その2種類を区別することなく拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始位置情報(物理セクタ番号で表示)とサイズ情報(占有する物理セクタの数情報)の組をRMDフィールド3内に記録することで管理している。図121、図122の実施形態では、拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始位置情報(物理セクタ番号で表示)とサイズ情報(占有する物理セクタの数情報)の組の情報が記録されているが、それに限らず拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始位置情報(物理セクタ番号で表示)と終了位置情報(物理セクタ番号で表示)の組で記録されても良い。図121、図122の実施形態では、追記形情報記憶媒体上に設定された順番に拡張記録位置管理ゾーンRMZの番号が付けられているが、それに限らず開始位置として物理セクタ番号の若い順に拡張記録位置管理ゾーンRMZの番号を付ける事も出来る。
(1)ボーダーインBRDI内に設定された拡張記録位置管理ゾーンRMZと
(2)Rゾーンを利用して設定された拡張記録位置管理ゾーンRMZ
の2種類が存在するが、図121、図122に示した実施形態では、その2種類を区別することなく拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始位置情報(物理セクタ番号で表示)とサイズ情報(占有する物理セクタの数情報)の組をRMDフィールド3内に記録することで管理している。図121、図122の実施形態では、拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始位置情報(物理セクタ番号で表示)とサイズ情報(占有する物理セクタの数情報)の組の情報が記録されているが、それに限らず拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始位置情報(物理セクタ番号で表示)と終了位置情報(物理セクタ番号で表示)の組で記録されても良い。図121、図122の実施形態では、追記形情報記憶媒体上に設定された順番に拡張記録位置管理ゾーンRMZの番号が付けられているが、それに限らず開始位置として物理セクタ番号の若い順に拡張記録位置管理ゾーンRMZの番号を付ける事も出来る。
そして、最新の記録位置管理データRMDが記録され、現在使用中の(オープンになってRMDの追記が可能な)記録位置管理ゾーンの指定を拡張記録位置管理ゾーンRMZの番号で指定している(図134のポイント(L13))。したがって、情報記録再生装置または情報再生装置はこれらの情報から現在使用中の(オープンになっている)記録位置管理ゾーンの開始位置情報を知り、そこからどれが最新の記録位置管理データRMDであるかの識別を行う(図134のポイント(L13α))。拡張記録位置管理ゾーンを追記形情報記憶媒体上に分散配置しても図121、図122に示したデータ構造を取ることにより、情報記録再生装置または情報再生装置はどれが最新の記録位置管理データRMDであるかの識別を容易に行う事が出来る。これらの情報から現在使用中の(オープンになっている)記録位置管理ゾーンの開始位置情報が分かり、その場所にアクセスして何処まで既に記録位置管理データRMDが記録されているかを知る(図134のポイント(L13β))ことにより、情報記録再生装置または情報再生装置は何処に更新された最新の記録位置管理データを記録すれば良いかか容易に分かる。また、上記の
(2)Rゾーンを利用して設定された拡張記録位置管理ゾーンRMZ
の設定をした場合には、1個のRゾーン全体がそのまま1個の拡張記録位置管理ゾーンRMZに対応するので、RMDフィールド3内に記載した対応する拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始位置を表す物理セクタ番号がRMDフィールド4〜21内に記載される対応したRゾーンの開始位置を表す物理セクタ番号に一致する。
(2)Rゾーンを利用して設定された拡張記録位置管理ゾーンRMZ
の設定をした場合には、1個のRゾーン全体がそのまま1個の拡張記録位置管理ゾーンRMZに対応するので、RMDフィールド3内に記載した対応する拡張記録位置管理ゾーンRMZの開始位置を表す物理セクタ番号がRMDフィールド4〜21内に記載される対応したRゾーンの開始位置を表す物理セクタ番号に一致する。
図121、図122の実施形態では1枚の追記形情報記憶媒体には4606個(4351+255)までRゾーンの設定が可能になっている。この設定されたRゾーンの位置情報がRMDフィールド4〜21内に記録される。各Rゾーンの開始位置情報が物理セクタ番号の情報で表示されると共に、各Rゾーン内での最後の記録位置を表す物理セクタ番号LRA(Last recorded Address)が対になって記録される。記録位置管理データRMD内に記載されるRゾーンの順番は図121、図122の実施形態ではRゾーンの設定順になっているが、それに限らず開始位置情報を表す物理セクタ番号の若い順に順番を設定することもできる。対応番号のRゾーン設定を行っていない場合には、この欄には“00h”を記録する。1枚の追記形情報記憶媒体内に設定されたRゾーンの総数がRMDフィールド4内に記載されているが、この総数情報はインコンプリートのRゾーン(データ領域DTA内でデータ記録のための領域予約を行って無い領域)数とオープンR形ゾーン(後から追記できる未記録領域を持っているRゾーン)数とコンプリート形Rゾーン(既に完結しており、後から追記できる未記録領域を持っていないRゾーン)数の合計値で示される。なお、この総数情報はインコンプリートのRゾーンの序数と等しい。
図121、図122の実施形態では、追記が可能なオープンR形ゾーンの設定は2個まで設定可能(図132のポイント(L5))になっている。このように2個までオープンR形ゾーンの設定を行えることにより、1個のオープンR形ゾーン内に連続記録や連続再生が保証される必要のある映像情報や音声情報を記録し、残りの1個のオープンR形ゾーン内にその映像情報や音声情報に対する管理情報やパーソナルコンピューターなどで使用される一般情報あるいはファイルシステムの管理情報を記録するなどの記録すべきユーザデータの種類により別のオープンR形ゾーン内にそれぞれ分けて記録する事が出来、AV情報(映像情報や音声情報)の記録や再生などに利便性が向上する。図121、図122の実施形態では、どのRゾーンがオープンR形ゾーンであるかをRMDフィールド4〜21内に配列されたRゾーンの配置番号で指定する。すなわち、最初と2番目のオープンR形ゾーンに対応するRゾーンの番号で指定する(図134のポイント(L14))。このようなデータ構造を取ることにより、オープンR形ゾーンの検索が容易となる。オープンR形ゾーンが存在しない場合には、この欄には“00h”が記録される。
図98で既に説明したように、完結形Rゾーン内ではRゾーンの終了位置が最後の記録位置LRAと一致しているが、オープンR形ゾーン内ではRゾーンの終了位置とRゾーン内の最後の記録位置LRAとが異なっている。オープンR形ゾーン内にユーザ情報を追記している途中(その結果、更新されるべき記録位置管理データRMDの追記処理が完了する前の段階)では、図98のRゾーン#3内のように最後の記録位置LRAと更に追記可能な最終記録位置NWA(Next writable address)が一致しない。しかし、ユーザ情報の追記処理が完了し、更新されるべき最新の記録位置管理データRMDの追記処理が完了した後には、図98のRゾーン#4や#5のように、最後の記録位置LRAと更に追記可能な最終記録位置NWAが一致する。したがって、更新されるべき最新の記録位置管理データRMDの追記処理が完了した後に、新たなユーザ情報の追記を行う場合には図1に示した情報記録再生装置内の制御部143内では、
(1)RMDフィールド4内に記載されているオープンR形ゾーンに対応するRゾーンの番号を調べ、
(2)RMDフィールド4〜21内に記載されているオープンR形ゾーン内での最後の記録位置を表す物理セクタ番号LRAを調べて追記可能な最終記録位置NWAを割り出し、
(3)上記割り出した追記可能な最終記録位置NWAから追記を開始する、
と言う手順で処理を行う。このようにRMDフィールド4内のオープンR形ゾーン情報を利用して新たな追記開始位置を割り出す(図134のポイント(L14α))ことにより、簡単かつ高速に新たな追記開始位置の抽出が可能となる。
(1)RMDフィールド4内に記載されているオープンR形ゾーンに対応するRゾーンの番号を調べ、
(2)RMDフィールド4〜21内に記載されているオープンR形ゾーン内での最後の記録位置を表す物理セクタ番号LRAを調べて追記可能な最終記録位置NWAを割り出し、
(3)上記割り出した追記可能な最終記録位置NWAから追記を開始する、
と言う手順で処理を行う。このようにRMDフィールド4内のオープンR形ゾーン情報を利用して新たな追記開始位置を割り出す(図134のポイント(L14α))ことにより、簡単かつ高速に新たな追記開始位置の抽出が可能となる。
図121、図122の実施形態におけるRMDフィールド1内のデータ構造を図123に示す。図25〜図30に示した実施形態に比べて内側の(データリードイン領域DTLDIに属する)ドライブテストゾーンDRTZ内での記録条件調整を行った場所のアドレス情報と、外側の(データリードアウト領域DTLDOに属する)ドライブテストゾーンDRTZ内での記録条件調整を行った場所のアドレス情報が追加されている。これらの情報はいずれも物理セグメントブロックアドレス番号で記載する。さらに、図123の実施形態では、記録条件自動調整方法(ランニングOPC)に関する情報と記録終了時の最後のDSV(Digital Sum Value)値が付加されている。
2048バイト単位のユーザデータを記録したデータフレーム構造からECCブロックを構成し、同期コードを付加した後、情報記憶媒体に記録する物理セクタ構造を形成するまでの変換手順の概略について図31に示す。この変換手順は再生専用形情報記憶媒体、追記形情報記憶媒体、書替え形情報記憶媒体いずれも共通に採用される。各変換段階に応じて、データフレーム(Data Frame)、スクランブル後のフレーム(scrambled frame)、レコーディングフレーム(Recording Frame)または記録データフィールド(Recorded Data Field)と呼ぶ。データフレームはユーザデータが記録される場所であり、2048バイトからなるメインデータ、4バイトのデータID、2バイトのIDエラー検出コード(IED)、6バイトの予約バイト(Reserved Bytes)RSV、4バイトのエラー検出コード(EDC)から構成される。始めに後述するデータIDにIED(IDエラー検出コード)が付加された後、6バイトの予約バイトとデータフレームはユーザデータが記録される場所であり、2048バイトからなるメインデータを付加し、更にエラー検出コード(EDC)を付加した後、メインデータに対するスクランブルが実行される。ここで、スクランブルされた32個のデータフレーム(スクランブルドフレーム)に対して、クロスリードソロモンエラーコレクションコード(Cross Reed-Solomon Error Correction Code)が適用されて、ECCエンコード処理が実行される。これによりレコーディングフレームが構成される。このレコーディングフレームは、アウターパリティコード(Parity of Outer-code)PO、インナーパリティコード(Parity of Inner-code)PIを含む。パリティコードPO、PIは、それぞれ32個のスクランブルドフレームによりなる各ECCブロックに対して作成されたエラー訂正コードである。記録フレームは、前述したように8データビットを12チャネルビットに変換するETM(Eight to Twelve Modulation)変調される。そして、91バイト毎に先頭に同期コード(シンクコード:Sync Code)SYNCが付加され、32個の物理セクタが形成される。図31の右下の枠内に記載されているように32セクタで一つのエラー訂正単位(ECCブロック)を構成する所に本実施形態の特徴がある(図128のポイント(H2))。後述するように、図35または図36での各枠内の“0”から“31”までの番号は各物理セクタの番号を示し、“0”から“31”までの合計32個の物理セクタで1個の大きなECCブロックを構成する構造になっている。
次世代DVDにおいては、現世代DVDと同じ程度の長さの傷が情報記憶媒体表面に付いた場合でも、エラー訂正処理で正確な情報が再生できる事を要求される。本実施形態では大容量化を目指して記録密度を高めた。その結果、従来の1ECCブロック=16セクタの場合には、エラー訂正で補正可能な物理的傷の長さが従来のDVDに比べて短くなる。本実施形態のように1ECCブロックを32セクタで構成する構造にすることにより、エラー訂正可能な情報記憶媒体表面傷の許容長さを長くできると共に、現行DVDのECCブロック構造の互換性・フォーマット継続性を確保できると言う効果がある。
図32にデータフレーム内の構造を示す。1個のデータフレームは、172バイト×2×6行からなる2064バイトであり、そのなかに2048バイトのメインデータを含む。IEDとはID Error Detection Codeの略でデータID情報に対する再生時のエラー検出用付加コードを意味している。REVはReserveの略で将来情報を設定できるための予約領域を意味している。EDCとはError Detection Codeの略でデータフレーム全体のエラー検出用付加コードを意味している。
図118に図32に示されたデータID内のデータ構造を示す。データIDはデータフレーム情報921とデータフレーム番号922の情報から構成され、データフレーム番号は対応するデータフレームの物理セクタ番号922を表示している。
データフレーム情報921内は下記の情報から構成されている。
・フォーマットタイプ931…0b:CLVを表し、
1b:ゾーン構成を表す
・トラッキング方法932…0b:ピット対応で、本実施形態ではDPD(Differential Phase Detect)法を使用する
1b:プリグルーブ対応で、Push-Pull 法 またはDPP(Differential Push-Pull)法を使用する
・記録膜の反射率933…0b:40%以上
1b:40%以下
・レコーディングタイプ情報934…0b:一般データ
1b:リアルタイムデータ(Audio Video データ)
・領域タイプ情報935…00b:データ領域DTA
01b:システムリードイン領域SYLDIか
データリードイン領域DTLDI
10b:データリードアウト領域DTLDOか
システムリードアウト領域SYLDO
・データタイプ情報936…0b:再生専用データ
1b:書き替え可能データ
・レイヤー番号937…0b:レイヤー0
1b:レイヤー1
図33の(a)は、スクランブル後のフレームを作成するときに、フィードバックシフトレジスタに与える初期値の例を示し、図33の(b)は、スクランブルバイトを作成するためのフィードバックシフトレジスタの回路構成を示している。r7(MSB)からr0(LSB)が、8ビットずつシフトし、スクランブルバイトとして用いられる。図33の(a)に示すように本実施形態では16種類のプリセット値が用意されている。図33の(a)の初期プリセット番号は、データIDの4ビット(b7(MSB)〜b4(LSB))に等しい。データフレームのスクランブルの開始時には、r14〜r0の初期値は、図33の(a)のテーブルの初期プリセット値にセットしなければならない。16個の連続するデータフレームに対して、同じ初期プリセット値が用いられる。次には、初期プリセット値が切り換えられ、16個の連続するデータフレームに対しては、切り換わった同じプリセット値が用いられる。
1b:ゾーン構成を表す
・トラッキング方法932…0b:ピット対応で、本実施形態ではDPD(Differential Phase Detect)法を使用する
1b:プリグルーブ対応で、Push-Pull 法 またはDPP(Differential Push-Pull)法を使用する
・記録膜の反射率933…0b:40%以上
1b:40%以下
・レコーディングタイプ情報934…0b:一般データ
1b:リアルタイムデータ(Audio Video データ)
・領域タイプ情報935…00b:データ領域DTA
01b:システムリードイン領域SYLDIか
データリードイン領域DTLDI
10b:データリードアウト領域DTLDOか
システムリードアウト領域SYLDO
・データタイプ情報936…0b:再生専用データ
1b:書き替え可能データ
・レイヤー番号937…0b:レイヤー0
1b:レイヤー1
図33の(a)は、スクランブル後のフレームを作成するときに、フィードバックシフトレジスタに与える初期値の例を示し、図33の(b)は、スクランブルバイトを作成するためのフィードバックシフトレジスタの回路構成を示している。r7(MSB)からr0(LSB)が、8ビットずつシフトし、スクランブルバイトとして用いられる。図33の(a)に示すように本実施形態では16種類のプリセット値が用意されている。図33の(a)の初期プリセット番号は、データIDの4ビット(b7(MSB)〜b4(LSB))に等しい。データフレームのスクランブルの開始時には、r14〜r0の初期値は、図33の(a)のテーブルの初期プリセット値にセットしなければならない。16個の連続するデータフレームに対して、同じ初期プリセット値が用いられる。次には、初期プリセット値が切り換えられ、16個の連続するデータフレームに対しては、切り換わった同じプリセット値が用いられる。
r7〜r0の初期値の下位8ビットは、スクランブルバイトS0として取り出される。その後、8ビットのシフトが行なわれ、次にスクランブルバイトが取り出され、2047回このような動作が繰り替えされる。
図34に本実施形態におけるECCブロック構造を示す。ECCブロックは、連続する32個のスクランブルドフレームから形成されている。縦方向に192行+16行、横方向に(172+10)×2列が配置されている。B0,0、B1,0、…はそれぞれ1バイトである。PO、PIは、エラー訂正コードであり、アウターパリティ、インナーパリティである。本実施形態では、積符号を用いたECCブロック構造を構成している。すなわち、情報記憶媒体に記録するデータを2次元状に配置し、エラー訂正用付加ビットとして“行”方向に対してはPI(Parity in)、“列”方向に対してはPO(Parity out)を付加した構造になっている。このように積符号を用いたECCブロック構造を構成することにより、イレイジャー訂正および縦と横の繰り返し訂正処理による高いエラー訂正能力を保証できる。
図34に示すECCブロック構造は従来のDVDのECCブロック構造とは異なり、同一“行”内で2箇所PIを設定している所に特徴がある。すなわち、図34において中央に記載された10バイトサイズのPIは、その左側に配置されている172バイトに対して付加される。すなわち、例えばB0,0からB0,171の172バイトのデータに対してPIとしてB0,172からB0,181の10バイトのPIを付加し、B1,0からB1,171の172バイトのデータに対してPIとしてB1,172からB1,181の10バイトのPIを付加する。
図34の右端に記載された10バイトサイズのPIは、その左側で中央に配置されている172バイトに対して付加される。すなわち、例えばB0,182からB0,353の172バイトのデータに対してPIとしてB0,354からB0,363の10バイトのPIを付加する。
図35にスクランブル後のフレーム配列説明図を示す。(6行×172バイト)単位が1スクランブル後のフレームとして扱われる。すなわち、1ECCブロックは連続する32個のスクランブル後のフレームからなる。さらに、このシステムでは(ブロック182バイト×207バイト)をペアとして扱う。左側のECCブロックの各スクランブル後のフレームの番号にLを付け、右側のECCブロックの各スクランブル後のフレームの番号にRを付けると、スクランブル後のフレームは、図35に示すように配置されている。すなわち、左側のブロックに左と右のスクランブル後のフレームが交互に存在し、右側のブロックにスクランブル後のフレームが交互に存在する。
すなわち、ECCブロックは、32個の連続スクランブル後のフレームから形成される。奇数セクタの左半分の各行は、右半分の行と交換されている。172×2バイト×192行は172バイト×12行×32スクランブルドフレームに等しく、データ領域となる。16バイトのPOが、各172×2列にRS(208,192,17)のアウターコードを形成するために付加される。また10バイトのPI(RS(182,172,11))が、左右のブロックの各208×2行に付加される。PIは、POの行にも付加される。フレーム内の数字は、スクランブルドフレーム番号を示し、サフィックスのR,Lは、スクランブルドフレームの右側半分と、左側半分を意味する。
同一のデータフレーム内を複数の小ECCブロックに分散配置する所(図128のポイント〔H〕)に本実施形態の特徴がある。具体的には本実施形態では2個の小ECCブロックで大きな1ECCブロックを構成し、同一のデータフレーム内をこの2個の小ECCブロック内に交互に分散配置(図128のポイント(H1))する。図34の説明の所で中央に記載された10バイトサイズのPIは、その左側に配置されている172バイトに対して付加され、右端に記載された10バイトサイズのPIは、その左側で中央に配置されている172バイトに対して付加される事を既に説明した。つまり図34の左端から172バイトと連続する10バイトのPIで左側(Left 側)の小ECCブロックを構成し、中央の172バイトから右端の10バイトのPIで右側(Right 側)の小ECCブロックを構成している。それに対応して図35の各枠内の記号が設定されている。例えば図35内の“2−R”などの意味はデータフレーム番号と左右の小ECCブロックのどちらに属するか(例えば2番目のデータフレーム内で Right 側の小ECCブロックに属する)を表している。また後述するように最終的に構成される各物理セクタ毎に同一物理セクタ内のデータも交互に左右の小ECCブロック内に分散配置される(図18における左半分の列は左側の小ECCブロック(図84に示した左側の小ECCブロックA)内に含まれ、右半分の列は右側の小ECCブロック(図84に示した右側の小ECCブロックB)内に含まれる。
このように同一のデータフレーム内を複数の小ECCブロックに分散配置する(図128のポイント〔H〕)と、物理セクタ(図18)内データのエラー訂正能力を向上させる事による記録データの信頼性向上が図れる。例えば、記録時にトラックが外れて既記録データ上をオーバーライトしてしまい、1物理セクタ分のデータが破壊された場合を考える。本実施形態では1セクタ内の破壊データを2個の小ECCブロックを用いてエラー訂正を行うため、1個のECCブロック内でのエラー訂正の負担が軽減され、より性能の良いエラー訂正が保証される。また、本実施形態ではECCブロック形成後でも各セクタの先頭位置にデータIDが配置される構造になっているため、アクセス時のデータ位置確認が高速で行える。
図36にPOのインターリーブ方法の説明図を示す。図36に示す様に、16のパリティ行は、1行ずつ分散される。すなわち、16のパリティ行は、2つのレコーディングフレーム置きに対して、1行ずつ配置される。したがって、12行からなるレコーディングフレームは12行+1行となる。この行インターリーブが行なわれた後、13行×182バイトはレコーディングフレームとして参照される。したがって、行インターリーブが行なわれた後のECCブロックは32個のレコーディングフレームからなる。1つのレコーディング内には、図35で説明したように、右側と左側のブロックの行が6行ずつ存在する。また、POは左のブロック(182×208バイト)と右のブロック(182×208バイト)間では、異なる行に位置するように配置されている。図18では、1つの完結形のECCブロックとして示している。しかし、実際のデータ再生時には、このようなECCブロックが連続してエラー訂正処理部に到来する。このようなエラー訂正処理の訂正能力を向上するために、図36に示すようなインターリーブ方式が採用された。
図32に示した1個のデータフレーム内の構造から図36に示したPOのインターリーブ方法までの関係について図84を用いて詳細に説明する。図84では図36に示したPOインターリーブ後のECCブロック構造図の上側部分を拡大し、その中に図32に示したデータID、IED、RSV、EDCの配置場所を明示することにより、図32から図36までの変換のつながりが一目で見れるようにした。図84の“0−L”、“0−R”、“1−R”、“1−L”は図35の各“0−L”、“0−R”、“1−R”、“1−L”に対応する。“0−L”や“1−L”は図32の左半分すなわち、中央線から左側の172バイトと6行で構成されるまとまりに対してメインデータのみにスクランブルを掛けた後のデータを意味する。同様に、“0−R”や“1−R”は図32の右半分すなわち、中央線から右側の172バイトと6行で構成されるまとまりに対してメインデータのみにスクランブルを掛けた後のデータを意味する。したがって、図32から明らかなように、“0−L”や“1−L”の最初の行(0行目)の最初から12バイト目までにデータID、IED、RSVが順番に並んでいる。
図84において中心線から左側が左側の小ECCブロックAを構成し、中心線から右側が右側の小ECCブロックBを構成している。したがって、図84から分かるように“0−L”や“2−L”内に含まれるデータID#1、データID#2、IED#0、IED#2、RSV#0、RSV#2は左側の小ECCブロックAの中に含まれる。図35において、左側に“0−L”や“2−L”が配置され、右側に“0−R”や“2−R”が配置されているのに対して、“1−R”と“1−L”の配置は左右逆転し、右側に“1−L”が、左側に“1−R”がそれぞれ配置される。“1−L”の中の最初の行の最初から12バイト目までにデータID#1、IED#1、RSV#1が配置されているので、左右の配置が逆転した結果、図84から分かるように、“1−L”内に含まれるデータID#1、IED#1、RSV#1が右側の小ECCブロックBの中に構成される。
本実施形態では図84における“0−L”と“0−R”の組み合わせを“0番目のレコーディング・フレーム”、“1−L”と“1−R”の組み合わせを“1番目のレコーディング・フレーム”と呼ぶ。各レコーディング・フレーム間の境界は図84の太線で示してある。図84から分かるように、各レコーディング・フレームの先頭にはデータID、各レコーディング・フレームの最後にはPOとPI-Lが配置される。図84に示すように、レコーディング・フレームの奇数と偶数番目でデータIDが含まれる小ECCブロックが異なり、レコーディング・フレームの連続に従ってデータID、IED、RSVが左側と右側の小ECCブロックAとBに交互に配置される(図127のポイント(H5))所に特徴がある。1個の小ECCブロック内でのエラー訂正能力には限界が有り、特定数を越えたランダムエラーや特定長を越えたバーストエラーに対してはエラー訂正が不可能となる。上記のようにデータID、IED、RSVを左側と右側の小ECCブロックAとBに交互に配置することにより、データIDの再生信頼性を向上させる事が出来る。すなわち、情報記憶媒体上の欠陥が多発してどちらかの小ECCブロックのエラー訂正が不可能となり、そちらに属するデータIDの解読が不可能となっても、データID、IED、RSVが左側と右側の小ECCブロックAとBに交互に配置されるために、他方の小ECCブロックではエラー訂正が可能であり、残りのデータIDの解読が可能となる。データID内のアドレス情報に連続性があるため、解読可能なデータIDの情報を用いて解読が不可能だったデータIDの情報に対して補間が可能である。その結果、図84に示した実施形態によりアクセスの信頼性を高める事が出来る。図84の左側の括弧で囲った番号はPOインターリーブ後のECCブロック内の行番号を示している。情報記憶媒体に記録される場合には、行番号順に左から右に沿って順次記録される。図84において各レコーディング・フレーム内に含まれるデータID間隔は常に一定間隔で配置されている(図128のポイント(H6))ため、データID位置検索性が向上する効果がある。
物理セクタ構造を図37に示す。図37の(a)が偶数番目の物理セクタ構造を示し、図37の(b)が奇数番目のデータ構造を示す。図37において偶数記録データ領域(Even Recorded data field)及び奇数記録データ領域(Odd Recorded data field)のいずれも最後の2シンクフレーム(すなわち、最後のシンクコードがSY3の部分とその直後のシンクデータ及びシンクコードがSY1の部分とその直後のシンクデータが並んだ部分)内のシンクデータ領域に図36で示したアウターパリティPOの情報が挿入される。
偶数記録データ領域内の最後の2シンクフレーム箇所には図35に示した左側のPOの一部が挿入され、奇数記録データ領域内の最後の2シンクフレーム箇所には図35に示した右側のPOの一部が挿入される。図35に示すように1個のECCブロックはそれぞれ左右の小ECCブロックから構成され、セクタ毎に交互に異なるPOグループ(左の小ECCブロックに属するPOか、右の左の小ECCブロックに属するPOか)のデータが挿入される。図37の(a)に示した偶数番目の物理セクタ構造と、図37の(b)に示した奇数番目のデータ構造のいずれも中心線で2分割され、左側の“24+1092+24+1092チャネルビット”が図34、または図35に示した左側(Left側)の小ECCブロック内に含まれ、右側の“24+1092+24+1092チャネルビット”が図34または図35に示した右側(Right側)の小ECCブロック内に含まれる。
図37に示した物理セクタ構造が情報記憶媒体に記録される場合には、各1列毎にシリアルに記録される。したがって、例えば図37の(a)に示した偶数番目の物理セクタ構造のチャネルビットデータを情報記憶媒体に記録する場合には、最初に記録する2232チェネルビットのデータが左側(Left側)の小ECCブロック内に含まれ、次に記録する2232チェネルビットのデータが右側(Right側)の小ECCブロック内に含まる。更に次に記録する2232チェネルビットのデータは左側(Left側)の小ECCブロック内に含まれる。これに対して図37の(b)に示した奇数番目のデータ構造のチャネルビットデータを情報記憶媒体に記録する場合には、最初に記録する2232チェネルビットのデータが右側(Right側)の小ECCブロック内に含まれ、次に記録する2232チェネルビットのデータが左側(Left側)の小ECCブロック内に含まる。更に次に記録する2232チェネルビットのデータは右側(Right側)の小ECCブロック内に含まれる。
このように本実施形態では、同一の物理セクタ内を2個の小ECCブロック内に2232チェネルビット毎に交互に所属させる(図128のポイント(H1))所に特徴がある。これを別の形で表現すると、右側(Right側)の小ECCブロック内に含まれデータと左側(Left側)の小ECCブロック内に含まれるデータを2232チェネルビット毎に交互に分散配置した形で物理セクタを形成して情報記憶媒体に記録する事になる。その結果、バーストエラーに強い構造を提供できると言う効果が生じる。例えば、情報記憶媒体の円周方向に長い傷が付き、172バイトを越えるデータの判読が不可能になったバーストエラーの状態を考える。この場合の172バイトを越えるバーストエラーは2つの小さいECCブロック内に分散配置されるので、1個のECCブロック内でのエラー訂正の負担が軽減され、より性能の良いエラー訂正が保証される。
図37に示すように1個のECCブロックを構成する物理セクタの物理セクタ番号が偶数番号か奇数番号かで物理セクタ内のデータ構造が異なる(図128のポイント(H3))所に特徴がある。つまり
(1)物理セクタの最初の2232チェネルビットデータが属する小ECCブロック(右側か左側か)が異なる。
(1)物理セクタの最初の2232チェネルビットデータが属する小ECCブロック(右側か左側か)が異なる。
(2)セクタ毎に交互に異なるPOグループのデータが挿入される構造になっている。
その結果、ECCブロックを構成した後でも全ての物理セクタの先頭位置にデータIDが配置される構造を保証するため、アクセス時のデータ位置確認が高速で行える。また、同一物理セクタ内に異なる小ECCブロックに属するPOを混在挿入することにより、図36のようなPO挿入方法を採る方法が構造が簡単になり、情報再生装置内でのエラー訂正処理後の各セクタ毎の情報抽出が容易になると共に、情報記録再生装置内でのECCブロックデータの組立て処理の簡素化が図れる。
上記内容を具体的に実現する方法として、POのインターリーブ・挿入位置が左右で異なる構造(図128のポイント(H4))としている。図36の狭い2重線で示された部分、あるいは狭い2重線と斜線で示された部分がPOのインターリーブ・挿入位置を示し、偶数番目の物理セクタ番号では左側の最後に、奇数番目の物理セクタ番号では右側の最後にそれぞれPOが挿入される。この構造を採用することにより、ECCブロックを構成した後でも物理セクタの先頭位置にデータID配置される構造になっているため、アクセス時のデータ位置確認が高速で行える
図37に示した同期コード(シンクコード)“SY0”から“SY3”までの具体的なパターン内容の実施形態を図38に示す。本実施形態の変調規則(詳細説明は後述)に対応してState0からState2までの3状態(State)を有する。SY0からSY3までのそれぞれ4種類のシンクコードが設定され、各状態に応じて図38の左右のグループから選択される。現行DVD規格では変調方式として8/16変調(8ビットを16チャネルビットに変換)のRLL(2,10)(Run Length Limited:d=2、k=10:“0”が連続して続く範囲の最小値が2、最大値が10)を採用しており、変調にState1からState4までの4状態、SY0からSY7までの8種類のシンクコードが設定されている。それに比べると、本実施形態は同期コード(シンクコード)の種類が減少している。情報記録再生装置または情報再生装置では、情報記憶媒体からの情報再生時にパターンマッチング法によりシンクコードの種別を識別する。本実施形態のようにシンクコードの種類を大幅に減らすことにより、マッチングに必要な対象パターンを減らし、パターンマッチングに必要な処理を簡素化して処理効率を向上させるばかりで無く、認識速度を向上させることが可能となる。
図37に示した同期コード(シンクコード)“SY0”から“SY3”までの具体的なパターン内容の実施形態を図38に示す。本実施形態の変調規則(詳細説明は後述)に対応してState0からState2までの3状態(State)を有する。SY0からSY3までのそれぞれ4種類のシンクコードが設定され、各状態に応じて図38の左右のグループから選択される。現行DVD規格では変調方式として8/16変調(8ビットを16チャネルビットに変換)のRLL(2,10)(Run Length Limited:d=2、k=10:“0”が連続して続く範囲の最小値が2、最大値が10)を採用しており、変調にState1からState4までの4状態、SY0からSY7までの8種類のシンクコードが設定されている。それに比べると、本実施形態は同期コード(シンクコード)の種類が減少している。情報記録再生装置または情報再生装置では、情報記憶媒体からの情報再生時にパターンマッチング法によりシンクコードの種別を識別する。本実施形態のようにシンクコードの種類を大幅に減らすことにより、マッチングに必要な対象パターンを減らし、パターンマッチングに必要な処理を簡素化して処理効率を向上させるばかりで無く、認識速度を向上させることが可能となる。
図38において“#”で示したビット(チャネルビット)はDSV(Digital Sum Value)制御ビットを表している。上記DSV制御ビットは後述するようにDSV制御器(DSVコントローラ)によりDC成分を抑圧する(DSVの値が“0”に近付く)ように決定される。同期コード内に極性反転チャネルビット“#”を含む(図129のポイント〔I〕)所も本実施形態の特徴となっている。上記同期コード(シンクコード)を挟んだ両側のフレームデータ領域(図37の1092チャネルビットの領域)を含め、巨視的に見てDSV値が“0”に近付くように、“#”の値を“1”か“0”に選択でき、巨視的な視野に立ったDSV制御が可能になると言う効果がある。
図38に示すように本実施形態におけるシンクコードは下記の部分から構成されている。
(1)同期位置検出用コード部
全てのシンクコードで共通なパターンを持ち、固定コード領域を形成する。このコードを検出することでシンクコードの配置位置を検出出来る。具体的には図38の各シンクコードにおける最後の18チャネルビット“010000 000000 001001”の所を意味している。
全てのシンクコードで共通なパターンを持ち、固定コード領域を形成する。このコードを検出することでシンクコードの配置位置を検出出来る。具体的には図38の各シンクコードにおける最後の18チャネルビット“010000 000000 001001”の所を意味している。
(2)変調時の変換テーブル選択コード部
可変コード領域の一部を形成し、変調時のState番号に対応して変化するコードである。図38の最初の1チャネルビットのところが該当する。すなわち、State1、State2のいずれかを選択する場合にはSY0からSY3までのいずれのコードでも最初の1チャネルビットが“0”となり、State0選択時にはシンクコードの最初の1チャネルビットが“1”となっている。但し、例外としてState0でのSY3の最初の1チャネルビットは“0”となる。
可変コード領域の一部を形成し、変調時のState番号に対応して変化するコードである。図38の最初の1チャネルビットのところが該当する。すなわち、State1、State2のいずれかを選択する場合にはSY0からSY3までのいずれのコードでも最初の1チャネルビットが“0”となり、State0選択時にはシンクコードの最初の1チャネルビットが“1”となっている。但し、例外としてState0でのSY3の最初の1チャネルビットは“0”となる。
(3)シンクフレーム位置識別用コード部
シンクコード内でのSY0からSY3までの各種類を識別するコードで、可変コード領域の一部を構成する。図38の各シンクコードにおける最初から1番目から6番目までのチャネルビット部がこれに相当する。後述するように連続して検出される3個ずつのシンクコードのつながりパターンから同一セクタ内の相対的な位置を検出できる。
シンクコード内でのSY0からSY3までの各種類を識別するコードで、可変コード領域の一部を構成する。図38の各シンクコードにおける最初から1番目から6番目までのチャネルビット部がこれに相当する。後述するように連続して検出される3個ずつのシンクコードのつながりパターンから同一セクタ内の相対的な位置を検出できる。
(4)DC抑圧用極性反転コード部
図38における“#”位置でのチャネルビットが該当し、上述したようにここのビットが反転もしくは非反転することで前後のフレームデータを含めたチャネルビット列のDSV値が“0”に近付くように働く。
図38における“#”位置でのチャネルビットが該当し、上述したようにここのビットが反転もしくは非反転することで前後のフレームデータを含めたチャネルビット列のDSV値が“0”に近付くように働く。
本実施形態では変調方法に8/12変調(ETM:Eight to Twelve Modulation)、RLL(1,10)を採用している。すなわち、変調時に8ビットを12チャネルビットに変換し、変換後の“0”が連続して続く範囲は最小値(d値)が1、最大値(k値)が10になるように設定している。本実施形態ではd=1とすることで従来より高密度化を達成できるが、最密マークのところでは充分に大きな再生信号振幅を得難い。
これを解決するために、図1に示すように本実施形態の情報記録再生装置では、PR等化回路130とビタビ復号器156を持ち、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)の技術を用いて非常に安定な信号再生を可能としている。また、k=10と設定しているので、変調された一般のチャネルビットデータ内には“0”が連続して11個以上続くことが無い。この変調ルールを利用し、上記の同期位置検出用コード部では変調された一般のチャネルビットデータ内には現れ無いパターンを持たせている。すなわち、図38に示すように同期位置検出用コード部では“0”を連続的に12(=k+2)個続けている。情報記録再生装置または情報再生装置ではこの部分を見付けて同期位置検出用コード部の位置を検出する。また、余りに長く“0”が連続的に続くとビットシフトエラーが起き易いので、その弊害を緩和するため同期位置検出用コード部内ではその直後に“0”の連続個数が少ないパターンを配置している。本実施形態ではd=1なので、対応パターンとしては“101”の設定は可能であるが、上述したように“101”のところ(最密パターンのところ)では充分に大きな再生信号振幅が得難いので、その代わりに“1001”を配置し、図38に示すような同期位置検出用コード部のパターンにしている。
本実施形態において、図38に示すようにシンクコード内の後ろ側の18チャネルビットを独立して(1)同期位置検出用コード部とし、前側の6チャネルビットで(2)変調時の変換テーブル選択コード部、(3)シンクフレーム位置識別用コード部、(4)DC抑圧用極性反転コード部を兼用しているところに特徴がある。シンクコード内で(1)同期位置検出用コード部を独立させることにより、単独検出を容易にして同期位置検出精度を高め、6チャネルビット内に(2)〜(4)のコード部を兼用化することでシンクコード全体のデータサイズ(チャネルビットサイズ)を小さくし、シンクデータの占有率を高めることで実質的なデータ効率を向上させる効果がある。
図38に示す4種類のシンクコードの内、SY0のみを図37に示すようにセクタ内の最初のシンクフレーム位置に配置したところに本実施形態の特徴がある。その効果として、SY0を検出するだけで即座にセクタ内の先頭位置が割り出せ、セクタ内の先頭位置抽出処理が非常に簡素化される。
また、連続する3個のシンクコードの組み合わせパターンは同一セクタ内で全て異なると言う特徴もある。
本実施形態において再生専用形/追記形/書替え形のいずれの情報記憶媒体に対しても下記に説明する共通の変調方式を採用している。
データフィールドの8ビットのデータワードは8/12変調(ETM:Eight to Twelve Modulation)法によりディスク上のチャンネルビットに変換される。ETM法により変換されたチャンネルビット列はチャンネルビット1bが少なくとも1、最大では10チャンネルビット離れているというRLL(1,10)というランレングスの制約を満足する。
変調は図43〜図48に示すコード変換テーブルを用いて行われる。変換テーブルは、各データワード“00h”〜“FFh”と各State0〜2毎に対応するコードワードの12チャネルビットと次のデータワードのStateを示す。
変調ブロックの構成を図39に示す。
コードテーブル352はデータワードB(t)とステートS(t)とからコードワードX(t)と、ネクストステートS(t+1)を次のように求める。
X(t)=H{B(t),S(t)}
S(t+1)=G{B(t),S(t)}
Hはコードワード出力機能、Gは次のState出力機能である。
S(t+1)=G{B(t),S(t)}
Hはコードワード出力機能、Gは次のState出力機能である。
ステートレジスタ358はコードテーブル352からネクストステートS(t+1)を入力してコードテーブル352へ(カレント)ステートS(t)を出力する。
コード変換テーブル内の幾つかの12チャンネルビットは“0b”、“1b”とともにアスタリスクビット“*”とシャープビット“#”とを含む。
コード変換テーブル内のアスタリスクビット“*”はビットがマージングビットであることを示す。変換テーブル内の幾つかのコードワードはLSBにマージングビットを有する。マージングビットは自身に後続するチャンネルビットに応じてコードコネクタ354により“0b”、“1b”の何れかに設定される。後続チャンネルビットが“0b”であれば、マージングビットは“1b”に設定される。後続チャンネルビットが“1b”であれば、マージングビットは“0b”に設定される。
変換テーブル内のシャープビット“#”はビットがDSV制御ビットであることを示す。DSV制御ビットはDSVコントローラ536によりDC成分抑圧制御を行うことにより決定される。
図40に示すコードワードのための連結ルールはコードテーブルから得られたコードワードを連結するために使用される。隣接する2つのコードワードがテーブル内の前コードワードと現コードワードとして示されるパターンと一致すると、これらのコードワードはテーブルに示される連結コードワードに置き換えられる。“?”ビットは“0b”、“1b”、“#”の何れかである。連結コードワード内の“?”ビットは置き換えることなく前コードワードと現コードワードとして割当てられる。
コードワードの連結は前連結ポイントで先ず適用される。テーブル内の連結ルールは各連結ポイントでインデックスの順番に適用される。いくつかのコードワードは前コードワードと後コードワードと接続するために2回置き換えられる。前コードワードのマージングビットは連結のためのパターンマッチングの前に決定される。前コードワード、あるいは現コードワードのDSV制御ビット“#”はコード接続の前後の特別ビットとして扱われる。DSV制御ビットは“0b”でも“1b”でもなく、“?”である。コードワードの連結ルールはコードワードをシンクコードに接続するためには使われない。コードワードとンクコードとの接続のためには図41に示す連結ルールが使われる。
レコーディングフレーム(recording frame)の変調時には、シンクコードは91バイトのデータワードの各変調コードワードの先頭に挿入される。変調はシンクコードの後のState2から始まり、変調コードワードが各変換コードワードの先頭にMSBとして順次出力され、ディスクに記録される前にNRZI変換される。
シンクコードはDC成分抑圧制御を行うことにより決定される。
DC成分抑圧制御(DCC: DC component suppression control)はNRZI変換変調チャンネルビットストリームにおける累積DSV(digital sum value:“1b”を+1とし、“0b”を−1として加算する)の絶対値を最小化する。DCCアルゴリズムはDSVの絶対値が最小化するように以下の(a)と(b)のケース毎にコードワードとシンクコードの選択を制御する。
(a)シンクコードの選択(図38参照)
(b)連結コードワードのDSV制御ビット“#”の選択
選択は連結コードワードとシンクコードとの各DSVビットの位置における累積DSVの値により決定される。
(b)連結コードワードのDSV制御ビット“#”の選択
選択は連結コードワードとシンクコードとの各DSVビットの位置における累積DSVの値により決定される。
計算の基となるDSVは、変調の開始時には0の初期値と加算され、変調が終了するまで以下順次加算が続き、0にはリセットされない。DSV制御ビットの選択は、開始点はDVS制御ビットであり、次のDSV制御ビットの直前でDSVの絶対値を最小化するためのチャンネルビットストリームの選択を意味する。2つのチャンネルビットストリームのうちDSVの絶対値の小さい方が選択される。もしも、2つのチャンネルビットストリームのDSVの絶対値が同じ場合は、DSV制御ビット“#”は“0b”とされる。
論理的に可能性のあるシナリオの計算における最大のDSVを考慮すると、DVS計算の範囲は少なくとも±2047必要である。
以下に復調方法について説明する。復調器は12チャンネルビットのコードワードを8ビットのデータワードに変換する。コードワードは読み出しビットストリームから図42に示す分離規則を用いて再生される。隣接する2つのコードワードが分離規則のパターンと一致すると、これらのコードワードはテーブルに示される現コードワードと次コードワードに置き換えられる。“?”ビットは“0b”、“1b”、“#”の何れかである。現コードワードと次コードワードの“?”ビットは読み出しコードワードにおいては置き換わることなくそのまま割当てられる。
シンクコードとコードワードの境界は置き換えなく分離される。
コードワードからデータワードへの変換は、図49〜図58に示す復調用テーブルに従って実行される。可能性のある全てのコードワードが復調用テーブルに記載されている。“z”は“00h”〜“FFh”までのいずれのデータワードでもよい。分離された現コードワードは次のコードワードの4チャンネルビット、あるいは次のシンクコードのパターンを観察することによりデコードされる。
ケース1:次のコードワードは“1b”で始まる、あるいは次のシンクコードはState0のSY0〜SY2である。
ケース2:次のコードワードは“0000b”で始まる、あるいは次のシンクコードはState0のSY3である。
ケース3:次のコードワードは“01b”、“001b”、“0001b”で始まる、あるいは次のシンクコードはState1、2のSY0〜SY3である。
図16に示した参照コード記録ゾーンRCZに記録される参照コードのパターン内容について詳細に説明する。現行DVDでは変調方式として8ビットデータを16チャネルビットに変換する“8/16変調”方式を採用し、変調後の情報記憶媒体に記録されるチャネルビット列としての参照コードのパターンは“00100000100000010010000010000001”の繰り返しパターンが用いられている。それに比べて、本実施形態では図13〜図15に示すように、8ビットデータを12チャネルビットに変調するETM変調を用い、RLL(1,10)のランレングス制約を行うと共に、データリードイン領域DTLDI、データ領域DTA、データリードアウト領域DTLDO及びミドル領域MDAからの信号再生にPRML法を採用している。したがって、上記変調規則とPRML検出に最適な参照コードのパターンを設定する必要がある。RLL(1,10)のランレングス制約に従えば、“0”が連続する最小値は“d=1”で“10101010”の繰り返しパターンとなる。“1”または“0”のコードから次の隣接コードまでの距離を“T”とすると、上記パターンでの隣接する“1”間の距離は“2T”となる。
本実施形態では情報記憶媒体の高密度化のため、前述したように情報記憶媒体上に記録した“2T”の繰り返しパターン(“10101010”)からの再生信号は光学ヘッド内の対物レンズ(図1の情報記録再生部141内に存在する)のMTF(Modulation Transfer Fuction)特性の遮断周波数近傍にあるため、ほとんど変調度(信号振幅)が得られ無い。したがって、情報再生装置あるいは情報記録再生装置の回路調整(例えば図5のタップ制御器332内で行う各タップ係数の初期最適化)に使用する再生信号として“2T”の繰り返しパターン(“10101010”)からの再生信号を用いた場合には、ノイズの影響が大きく安定化に乏しい。したがって、RLL(1,10)のランレングス制約に従って行う変調後の信号に対しては次に密度の高い“3T”のパターンを使って回路調整を行うのが望ましい。
再生信号のDSV(Digital Sum Value)値を考えた場合には、“1”の直後に来る次の“1”までの間の“0”が連続する回数に比例してDC(直流)値の絶対値が増加して直前のDSV値に加算される。この加算されるDC値の極性は“1”が来る毎に反転する。したがって、参照コードが連続するチャネルビット列が続いた所でDSV値を“0”にする方法として、ETM変調後の12個のチャネルビット列内でDSV値が“0”になるように設定するより、ETM変調後の12個のチャネルビット列に出現する“1”の発生数を奇数個にして12チャネルビットからなる1組の参照コードセルで発生するDC成分を次の組からなる12チャネルビットの参照コードセルで発生するDC成分で相殺させる方が参照コードパターン設計の自由度が増す。したがって、本実施形態ではETM変調後の12個のチャネルビット列からなる参照コードセル内で出現する“1”の数を奇数個に設定している。本実施形態では高密度化のために“1”の所が記録マークもしくはエンボスピットの境界位置に一致するマークエッジ記録法を採用している。例えば“3T”の繰り返しパターン(“100100100100100100100”)が続いた場合に、記録条件あるいは原盤作成条件により記録マークもしくはエンボスピットの長さとその間にあるスペースの長さが若干異なる場合が生じる。PRML検出法を用いた場合には、再生信号のレベル値が非常に重要となり、前記のように記録マークもしくはエンボスピットの長さとその間にあるスペースの長さが若干異なった場合でも、安定かつ精度良く信号検出できるようにその若干の異なり分を回路的に補正する必要が生じる。したがって、回路定数を調整するための参照コードとしては“3T”の長さの記録マークもしくはエンボスピットと同じく“3T”の長さのスペースが有った方が回路定数の調整の精度が向上する。そのため、本実施形態の参照コードパターンとして“1001001”のパターンが内部に含まれると、必ず“3T”の長さの記録マークもしくはエンボスピットとスペースが配置される事になる。
回路調整には密度の詰まったパターン(“1001001”)だけで無く、密度が疎の状態のパターンも必要となる。したがって、ETM変調後の12個のチャネルビット列の中で“1001001”のパターンを除いた部分で密度が疎の状態(“0”が連続して多く発生するパターン)を発生させ、かつ“1”の出現数を奇数個に設定する事を考慮すると参照コードパターンは図59に示すように“100100100000”の繰り返しが最適条件となる。変調後のチャネルビットパターンが前記パターンになるためには、前述した変調テーブルを利用すると、変調前のデータワードは図46から“A4h”に設定する必要があることがわかる。この“A4h”(16進法表現)のデータはデータシンボル“164”(10進法表現)に対応する。
前記のデータ変換規則に従った具体的なデータの作り方を以下に説明する。前述したデータフレーム構造内でメインデータ“D0〜D2047”にデータシンボル“164”(=“0A4h”)をまず設定する。次に、データフレーム1からデータフレーム15に対してイニシャルプリセット番号“0Eh”で予めプリスクランブルを掛けておき、データフレーム16からデータフレーム31に対してはイニシャルプリセット番号“0Fh”で予めプリスクランブルを掛けておく。予めプリスクランブルを掛けておくと、前記したデータ変換規則に従ってスクランブルを掛けた時に2重でスクランブルを掛けた事になり、(2重でスクランブルを掛けると元のパターンに戻る)データシンボル“164”(=“0A4h”)がそのまま現れる。32物理セクタからなる参照コード全てにプリスクランブルを掛けるとDSV制御が出来なくなるので、データフレーム0だけは事前のプリスクランブルは掛けない。前記したスクランブルを掛けた後、変調すると図59に示したパターンが情報記憶媒体上に記録される。
図37に示した1個の物理セクタ内の構造を有したチャネルビットデータを連続して情報記憶媒体221に記録する様子を図60に示す。本実施形態では情報記憶媒体221の種類(再生専用形/追記形/書替え形)に依らず、情報記憶媒体221上に記録されるチャネルビットデータは図60に示すような記録データの階層構造を持っている。すなわち、データのエラー検出もしくはエラー訂正が可能となる最も大きなデータ単位である一個のECCブロック401内は32個の物理セクタ230〜241から構成されている。図37で既に説明し、再度図60に示すように、“SY0”から“SY3”までのいずれかの同期コード(シンクコード431)を形成する24チャネルビットデータと各同期コード間に配置された1092チャネルビットデータサイズを有するシンクデータ432からシンクフレーム#0 420〜#25 429が構成される。各物理セクタ#0 230〜#31 241内はそれぞれ26個ずつのシンクフレーム#0 420〜#25 429から構成される。上述したように、1個のシンクフレーム内は図37に示すように1116チャネルビット(24+1092)のデータが含まれ、この1個のシンクフレームが記録される情報記憶媒体221上の物理的距離であるシンクフレーム長433は至る所ほぼ一定(ゾーン内同期のための物理的距離の変化分を除いた場合)になっている。
図61を用いて本実施形態における各種情報記憶媒体毎のデータ記録形式(フォーマット)の比較を説明する。図61の(a)は従来の再生専用形情報記憶媒体DVD-ROMと従来の追記形情報記憶媒体DVD-R及び従来の書替え形情報記憶媒体DVD-RWにおけるデータ記録形式を示し、図61の(b)は本実施形態における再生専用形情報記憶媒体のデータ記録形式、図61の(c)は本実施形態における追記形情報記憶媒体のデータ記録形式、図61の(d)は本実施形態における書替え形情報記憶媒体のデータ記録形式を示している。比較のために各ECCブロック411〜418の大きさを同じに合わせているが、図61の(a)に示した従来の再生専用形情報記憶媒体DVD-ROMと従来の追記形情報記憶媒体DVD-R及び従来の書替え型情報記憶媒体におけるDVD-RWでは、16物理セクタで1個のECCブロックを構成しているのに対し、図61の(b)〜(d)に示した本実施形態では32物理セクタで1個のECCブロックを構成している所が異なる。本実施形態では図61の(b)〜(d)に示すように各ECCブロック #1 411〜#8 418の間にシンクフレーム長433と同じ長さのガード領域442〜448を設けている所に特徴(図131のポイント〔K〕)がある。
従来の再生専用形情報記憶媒体DVD-ROMでは図61の(a)に示すように各ECCブロック #1 411〜#8 418が連続に記録されている。従来の追記形情報記憶媒体DVD-Rや従来の書替え形情報記憶媒体DVD-RWで従来の再生専用形情報記憶媒体DVD-ROMとデータ記録形式(フォーマット)の互換性を確保するために、制限付きオーバーライト(Restricted Overwrite)と呼ばれる追記又は書き替え処理を行うと、書き重ねによりECCブロック内の一部を破壊し、再生時のデータ信頼性を大きく損なうと言う問題が有った。これに対して、本実施形態のようにデータフィールド(ECCブロック)間にガード領域442〜448を配置すると、書き重ね場所をガード領域442〜448内に制限して、データフィールド(ECCブロック)のデータ破壊を防止できる効果がある。
上記ガード領域442〜448の長さを図61に示すように1シンクフレームサイズであるシンクフレーム長433に合わせた所に本実施形態の次の特徴(図131のポイント(K1))がある。図37ないしは図60に示すように1116チャネルビットと言う一定のシンクフレーム長433間隔で同期コード(シンクコード)が配置されており、図1に示す同期コード位置抽出部145内ではこの一定周期間隔を利用して同期コード位置の抽出を行っている。本実施形態でガード領域442〜448の長さシンクフレーム長433に合わせることにより、再生時にガード領域442〜448を跨っても、このシンクフレーム間隔が不変に保たれるので、再生時の同期コード位置検出を容易にすると言う効果がある。
更に
(1)ガード領域442〜448を跨った場所でも同期コードの出現頻度を一致させて同期コード位置検出の検出精度を向上させる。
(1)ガード領域442〜448を跨った場所でも同期コードの出現頻度を一致させて同期コード位置検出の検出精度を向上させる。
(2)ガード領域442〜448も含めた物理セクタ内の位置の判別を容易にする。
を目的として本実施形態ではガード領域内に同期コード(シンクデータ)を配置(図131のポイント(K2))する。具体的には、図63に示すように、各ガード領域442〜468の開始位置にはポストアンブル領域(Postamble field)481が形成され、そのポストアンブル領域481には図38に示したシンクコード番号“1”の同期コード“SY1”が配置されている。図37から分かるように、物理セクタ内の3個の連続する同期コードのシンクコード番号の組み合わせは全ての場所で異なっている。更に、ガード領域442〜448内のシンクコード番号“1”まで加味した3個の連続する同期コードのシンクコード番号の組み合わせも全ての場所で異なっている。したがって、任意の領域内での連続する3個の同期コードのシンクコード番号の組み合わせにより物理セクタ内の位置情報のみならず、ガード領域の場所も含めた物理セクタ内の位置の判別が可能となる。
図61に示したガード領域441〜448内の詳細な構造を図63に示す。物理セクタ内の構造はシンクコード431とシンクデータ432の組み合わせから構成されることを図60に示したが、ガード領域441〜448内も同様にシンクコード433とシンクデータ434の組み合わせから構成され、ガード領域 #3 443内のシンクデータ434領域内もセクタ内のシンクデータ432と同じ変調規則に従って変調されたデータが配置される所に本実施形態の特徴がある。
図34に示す32個の物理セクタから構成される1個分のECCブロック #2 412内の領域を本発明ではデータフィールド470と呼ぶ。
図63におけるVFO(Variable Frequency Oscillator)領域471、472はデータ領域470を再生する時の情報再生装置または情報記録再生装置の基準クロックの同期合わせに利用する。VFO領域471、472内に記録されるデータ内容として、後述する共通の変調規則における変調前のデータは“7Eh”の連続繰り返しとなり、変調後の実際に記録されるチャネルビットパターンは“010001 000100”の繰り返しパターン(“0”が連続3個ずつ繰り返すパターン)となる。なお、このパターンが得られるためにはVFO領域471、472の先頭バイトは変調におけるState2の状態に設定される必要がある。
プリシンク領域477、478はVFO領域471、472とデータ領域470間の境目位置を表し、変調後の記録チャネルビットパターンは“100000 100000”(“0”が連続5個ずつ繰り返すパターン)の繰り返しになっている。情報再生装置または情報記録再生装置ではVFO領域471、472内の“010001 000100”の繰り返しパターンから、プリシンク領域477、478内の“100000 100000”の繰り返しパターンのパターン変化位置を検出し、データ領域470が近付くことを認識する。
ポストアンブル領域481はデータ領域470の終了位置を示すと共にガード領域443の開始位置を表している。ポストアンブル領域481内のパターンは上述したように図38に示す同期コード(SYNC Code)の内“SY1”のパターンと一致している。
エキストラ領域482はコピー制御や不正コピー防止用に使われる領域である。特にコピー制御や不正コピー防止用に使われ無い場合にはチャネルビットで全て“0”に設定する。
バッファ領域はVFO領域471、472と同じ変調前のデータは“7Eh”の連続繰り返しとなり、変調後の実際に記録されるチャネルビットパターンは“010001 000100”の繰り返しパターン(“0”が連続3個ずつ繰り返すパターン)となる。なお、このパターンが得られるためにはVFO領域471、472の先頭バイトは変調におけるState2の状態に設定される必要がある。
図63に示すように“SY1”のパターンが記録されているポストアンブル領域481がシンクコード領域433に該当し、その直後のエキストラ領域482からプリシンク領域478までの領域がシンクデータ領域434に対応する。VFO領域471からバッファ領域475に至る領域(つまりデータ領域470とその前後のガード領域の一部を含む領域)をデータセグメント490と呼び、後述する“物理セグメント”とは異なる内容を示している。図63に示した各データのデータサイズは変調前のデータのバイト数で表現している。
本実施形態は図63に示した構造に限らず、他の実施形態として下記の方法を採用することもできる。すなわち、VOF領域471とデータ領域470の境界部にプリシンク領域477を配置する代わりに、VOF領域471、472の途中にプリシンク領域477を配置する。この他の実施形態ではデータブロック470の先頭位置に配置される“SY0”のシンクコードとプリシンク領域477との間の距離を離すことで距離相関を大きく取り、プリシンク領域477を仮Syncとして設定し、本物のSync位置の距離相関情報(他のSync間距離とは異なるが)として利用する。もし本物のSyncが検出できなければ、仮Syncから生成した本物が検出されるであろう位置でSyncを挿入する。このようにしてプリシンク領域477を本物シンク(“SY0”)と多少の距離を取る所に他の実施形態の特徴がある。プリシンク領域477をVFO領域471、472の始めに配置すると、読み取りクロックのPLLがロックしていない為プリシンクの役目が弱くなる。したがって、プリシンク領域477をVFO領域471、472の中間位置に配置するのが望ましい。
本実施形態では記録形(書替え形あるいは追記形)情報記憶媒体におけるアドレス情報はウォブル変調を用いてあらかじめ記録されている。ウォブル変調方式として±90度(180度)の位相変調を用いると共にNRZ(Non Returen to Zero)方法を採用して情報記憶媒体に対してアドレス情報を事前に記録する(図129のポイント〔J〕)所に本実施形態の特徴がある。図64を用いて具体的な説明を行う。本実施形態ではアドレス情報に関しては1アドレスビット(アドレスシンボルとも呼ぶ)領域511内を4ウォブル周期で表現し、1アドレスビット領域511内は至る所周波数および振幅と位相は一致している。アドレスビットの値として同じ値が連続する場合には各1アドレスビット領域511の境界部(図64の黒三角印を付けた部分)で同位相が継続し、アドレスビットが反転する場合にはウォブルパターンの反転(位相の180度シフト)が起きる。図1に示した情報記録再生装置のウォブル信号検出部135内ではアドレスビット領域511の境界位置(図64の黒三角印を付けた場所)と1ウォブル周期の境界位置であるスロット位置412を同時に検出している。ウォブル信号検出部135内では図示してないがPLL(Phase Lock Loop)回路が内蔵され、アドレスビット領域511の境界位置とスロット位置412の両方に同期してPLLが掛かる。アドレスビット領域511の境界位置またはスロット位置412がずれると、ウォブル信号検出部135では同期が外れて正確なウォブル信号の再生(判読)が不可能となる。隣接するスロット位置412間の間隔をスロット間隔513と呼び、スロット間隔513が物理的に短い程PLL回路の同期が取り易く、安定にウォブル信号の再生(情報内容の解読)が可能となる。
図64から明らかなように180度または0度にシフトする180度の位相変調方式を採用すると、スロット間隔513は1ウォブル周期と一致する。ウォブルの変調方法としてウォブル振幅を変化させるAM(Amplitude Modulation)方式では情報記憶媒体表面に付着したゴミや傷の影響を受け易いが、位相変調では信号振幅では無く位相の変化を検出するため、比較的情報記憶媒体表面のゴミや傷の影響を受け辛い。また、他の変調方式として周波数を変化させるFSK(Frequency Shift Keying)方式ではウォブル周期に対してスロット間隔513が長く、PLL回路の同期が相対的に取り辛い。したがって、本実施形態のようにウォブルの位相変調によりアドレス情報を記録するとスロット間隔が狭く、ウォブル信号の同期が取り易いと言う効果がある。
図64に示すように1アドレスビット領域511にはそれぞれ“1”か“0”かのバイナリデータが割り振られるが、本実施形態におけるビットの割り振り方法を図65に示す。図65の左側に示すように1ウォブルの開始位置から最初に外周側に蛇行するウォブルパターンをノーマル位相ウォブルNPW(Normal Phase Wobble)と呼び、“0”のデータを割り当てる。また右側に示すように1ウォブルの開始位置から最初に内周側に蛇行するウォブルパターンを反転位相ウォブルIPW(Invert Phase Wobble)と呼び、“1”のデータを割り当てる。
本実施形態の追記形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体におけるウォブル配置と記録場所の比較を図66と図67を用いて概説する。図67の(a)は追記形情報記憶媒体におけるウォブル配置と記録マーク107の形成場所を示し、図67の(b)と(c)は書替え形情報記憶媒体におけるウォブル配置と記録マーク107の形成場所を示している。図67では実際の拡大図に比べて横方向を縮小させ、縦方向を引き延ばして表示している。図66と図67の(a)に示すように追記形情報記憶媒体ではCLV(Constant Linear Velocity)法を採用しており、隣接トラック間でのスロット位置やアドレスビット領域の境界位置(図67の一点鎖線で示した部分)がずれる(場所がある)。記録マーク107はグルーブ領域501、502の上に形成する。この場合、隣接トラック間でのウォブル位置が非同期なために、隣接トラック間でのウォブル信号の干渉が生じる。その結果、図1内のウォブル信号検出部135でウォブル信号から検出されたスロット位置の位置ずれやアドレスビット領域の境界位置ずれが発生し易い。その技術的難易点を克服するため、本実施形態では後述するように変調領域の占有率を下げ(図129のポイント(J2))、隣接トラック間での変調領域をずらして(図130のポイント(J5))いる。
これに対して、書替え形情報記憶媒体では図66と図67の(b)に示すようにランド領域503とグルーブ領域501、502の両方に記録マーク107を形成する“ランド/グルーブ記録法”を採用し、図12に示すようにデータ領域内を“0”から“18”までの19ゾーンに分割して同一ゾーン内での隣接トラック間のウォブルを同期させるゾーン記録方法であるゾーンドCAV(zoned Constant Angular Velocity)を採用している。本実施形態の書替え形情報記憶媒体において“ランド/グルーブ記録法”を採用すると共に、ウォブル変調でアドレス情報を事前記録する所に特徴(図130のポイント(J4))がある。図67の(a)に示すように、グルーブ領域501、502のみに記録マーク107を記録する“グルーブ記録法”を採用した場合、隣接間のグルーブ領域501、502間の距離であるトラックピッチを詰めて記録すると、一方のグルーブ領域501上に記録した記録マーク107からの再生信号に隣のグルーブ領域502上に記録された記録マーク107からの影響(隣接トラック間のクロストーク)が現れる。そのためトラックピッチを余り詰められず、記録密度に限界が有った。それに比べて図67の(b)に示すように、グルーブ領域501、502とランド領域503の両方に記録マーク107を記録した場合には、グルーブ領域501、502とランド領域503の段差をλ/(5n)〜λ/(6n)(λ:再生に利用する光学ヘッド光源の波長、n:前記波長における情報記憶媒体の透明基板の屈折率)に設定すると、トラックピッチを詰めても隣接間(ランドとグルーブ間)のクロストークが相殺される現象がある。この現象を利用すると、“ランド/グルーブ記録法”では、“グルーブ記録法”よりもトラックピッチを詰める事ができ、情報記憶媒体としての記録容量を増加できる。
未記録状態(記録マーク107が記録される前の状態)で情報記憶媒体上の所定位置に精度良くアクセスしようとすると、情報記憶媒体上に予めアドレス情報を事前記録しておく必要がある。このアドレス情報をエンボスピットの形で事前記録しておくと、このエンボスピット領域を避けて記録マークを形成する必要があり、エンボスピット領域の分だけ記録容量が減る。これに比べて本実施形態の書替え形情報記憶媒体のようにウォブル変調によりアドレス情報を記録しておく(図130のポイント(J4))と、ウォブル変調された領域の上にも記録マーク107を形成できるので記録効率が高く、記録容量が増加する。
このように“ランド/グルーブ記録法”を採用すると共に、ウォブル変調でアドレス情報を事前記録することにより、最も効率良く記録マーク107を記録することが出来、情報記憶媒体としての記録容量を高められる。なお、追記形情報記憶媒体は再生専用形情報記憶媒体と記録容量を一致させて欲しいというユーザ要求に従い、図13と図14の“ユーザ使用可能な記録容量”の欄を比較して分かるように、追記形情報記憶媒体と再生専用形情報記憶媒体と記録容量を一致させている。したがって、書替え形情報記憶媒体程の大容量が必要で無いので、追記形情報記憶媒体は図67の(a)に示すように“グルーブ記録法”を採用している。
図67の(b)に示す方法では隣接トラック間でのスロット位置やアドレスビット領域の境界位置(図67の一点鎖線で示した部分)が全て一致するので隣接トラック間でのウォブル信号の干渉は発生しない。その代わり不定ビット領域504が発生する。図67の(c)において、上側のグルーブ領域501でウォブル変調により“0110”のアドレス情報を記録した場合を考える。次に、下側のグルーブ領域502でウォブル変調により“0010”のアドレス情報を記録すると、図67の(c)に示したランド内不定ビット領域504が発生する。ランド内不定ビット領域504の中ではランド内の幅が変化し、ここからはウォブル検出信号が得られない状態になる。この技術的難易点を解消するため、本実施形態では後述するようにグレイコード(図130のポイント(J4β))を採用し、グルーブ領域の幅を局所的に変化させることにより、グルーブ領域内にも不定ビット領域を形成(図130のポイント(J4γ))して、ランド領域とグルーブ領域の両方に不定ビットを分散配置させ(図130のポイント(J4δ))ている。
上記の不定ビット領域504の発生を考慮し、“ランド/グルーブ記録法”を用いると共にアドレス情報を記録するウォブル変調に180度(±90度)のウォブル位相変調を組み合わせた所に本実施形態のポイント(図130のポイント(J4α))がある。“L/G記録+グルーブのウォブル変調”においてグルーブのトラック番号が変わる事によるランド上で不定ビットが発生すると、その上に記録された記録マークからの再生信号の全体レベルが変化し、そこでの記録マークからの再生信号のエラー率が局所的に悪化すると言う問題がある。しかし、本実施形態のようにグルーブに対するウォブル変調を180度(±90度)の位相変調にすることにより、ランド上での不定ビット位置ではランド幅が左右対称でかつ正弦波の形で変化するため、記録マークからの再生信号の全体レベル変化が正弦波形状に近い非常に素直な形になる。更に安定にトラッキングが掛かっている場合には、事前にランド上での不定ビット位置が予想できる。したがって、本実施形態によれば記録マークからの再生信号に対して回路的に補正処理を掛けて再生信号品質を改善し易い構造を実現できる。
図66と図68を用いて追記形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体におけるウォブル変調を用いて事前に記録されたアドレス情報について説明する。図68の(a)は追記形情報記憶媒体におけるアドレス情報内容とそのアドレスの設定方法を示し、図68の(b)は書替え形情報記憶媒体におけるアドレス情報内容とそのアドレスの設定方法を示している。詳細内容は後述するように追記形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体いずれにおいても、情報記憶媒体上の物理的な記録場所単位を“物理セグメントブロック”と呼び、そこに記録される(チャネルビット列としての)データの単位を“データセグメント”と呼んでいる。1物理セグメントブロック長の領域に1データセグメントのデータが記録される(1物理セグメントブロックの物理的長さと情報記憶媒体上に記録された時の1データセグメント長は一致する)。1物理セグメントブロックは7個の物理セグメントから構成される。1データセグメント内には図34に示した1ECCブロック分のユーザデータが記録される。
図66に示すように追記形情報記憶媒体ではCLVで“グルーブ記録法”を採用しているため、情報記憶媒体上のアドレス情報として図68の(a)に示すようにデータセグメントアドレス番号Daを利用している。このデータセグメントアドレスをECCブロックアドレス(番号)、物理セグメントブロックアドレス(番号)と呼んでも良い。更に同一データセグメントアドレスDaの中での細かい位置情報を得るために物理セグメント順番Phもアドレス情報として持っている。すなわち、追記形情報記憶媒体上の各物理セグメント位置はデータセグメントアドレスDaと物理セグメント順番Phで規定される。データセグメントアドレスDaは内周側からグルーブ領域501、502、507、505に沿って昇順で番号が振られ、物理セグメント順番Phは内周側から外周へ向かって“0”から“6”までの番号が繰り返し設定される。
書替え形情報記憶媒体ではデータ領域内が図12に示すように19のゾーンに分かれている。グルーブはスパイラル状につながっているため、隣接トラック間での1周の長さは隣接トラック間でずれるが、隣接トラック間でのずれの長さはチャネルビット間隔Tの長さを至る所等しくした場合の±4チャネルビット以下になるように各ゾーン毎に設定されている。同一ゾーン内での隣接トラック間では物理セグメントまたは物理セグメントブロックの境界位置が一致(同期)している。したがって、書替え形情報記憶媒体での位置情報は図66と図68の(b)に示すように、ゾーンアドレス(番号)Zoとトラックアドレス(番号)Tr、物理セグメントアドレス(番号)Phで与えられる。トラックアドレスTrは同一ゾーン内での内周から外周へ向かったトラック番号を表し、隣接するランド領域とグルーブ領域の組(例えばランド領域503とグルーブ領域502の組、ランド領域507とグルーブ領域505の組)で同じトラックアドレス番号Trが設定される。図68の(b)のランド領域507の“Ph=0”と“Ph=1”の部分は不定ビット領域504が頻繁に現れるのでトラックアドレスTrの解読が不可能となるので、この領域への記録マーク107の記録は禁止されている。物理セグメントアドレス(番号)Phは同一トラックの1周内の相対的な物理セグメント番号を表し、円周方向でのゾーンの切り替わり位置を基準として物理セグメントアドレスPhの番号が振られる。すなわち、図68の(b)に示すように物理セグメントアドレスPhの開始番号を“0”に設定している。
図69を用いて本発明記録可能形情報記憶媒体におけるウォブル変調を用いたアドレス情報の記録形式について説明する。本実施形態におけるウォブル変調を用いたアドレス情報設定方法では図61に示した“シンクフレーム長433を単位として割り振りを行っている”所に特徴がある。図37に示すように、1セクタは26シンクフレームから構成され、図31から分かるように、1ECCブロックは32物理セクタから成り立っているので、1ECCブロックは26×32=832個のシンクフレームから構成される。図61に示すように、ECCブロック411〜418間に存在するガード領域442〜468の長さは1シンクフレーム長433に一致するので、1個のガード領域462と1個のECCブロック411を足した長さは832+1=833個のシンクフレームから構成される。ところで、833は
833=7×17×7 (1)
に素因数分解できるので、この特徴を生かした構造配置にしている。すなわち、図69の(a)に示すように1個のガード領域と1個のECCブロックを足した領域の長さに等しい領域を書き替え可能なデータの基本単位としてデータセグメント531と定義(図63に示したデータセグメント490内の構造は再生専用形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体、追記形情報記憶媒体の別に依らず全て一致している)し、1個のデータセグメント531の物理的な長さと同じ長さの領域を“7個”の物理セグメント #0 550〜#6 556に分割(図131のポイント(K3ε))し、各物理セグメント #0 550〜#6 556毎にウォブル変調の形でアドレス情報を事前に記録しておく。図69に示すように、データセグメント531の境界位置と物理セグメント550の境界位置は一致せずに後述する量だけずれている。さらに、図69に示すように、各物理セグメント #0 550〜#6 556毎にそれぞれ17個のウォブルデータユニット(WDU:Wobble Data Unit)#0 560〜#16 576に分割する(図129のポイント(J1))。(1)式から1個のウォブルデータユニット #0 560〜#16 576の長さにはそれぞれ7個のシンクフレーム分が割り当てられる事が分かる。このように17ウォブルデータユニットで物理セグメントを構成し(図129のポイント(J1))、7物理セグメント長をデータセグメント長に合わせる(図131のポイント(K3ε))ことにより、ガード領域442〜468を跨った範囲でシンクフレーム境界を確保しシンクコード431(図60)の検出を容易にしている。
833=7×17×7 (1)
に素因数分解できるので、この特徴を生かした構造配置にしている。すなわち、図69の(a)に示すように1個のガード領域と1個のECCブロックを足した領域の長さに等しい領域を書き替え可能なデータの基本単位としてデータセグメント531と定義(図63に示したデータセグメント490内の構造は再生専用形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体、追記形情報記憶媒体の別に依らず全て一致している)し、1個のデータセグメント531の物理的な長さと同じ長さの領域を“7個”の物理セグメント #0 550〜#6 556に分割(図131のポイント(K3ε))し、各物理セグメント #0 550〜#6 556毎にウォブル変調の形でアドレス情報を事前に記録しておく。図69に示すように、データセグメント531の境界位置と物理セグメント550の境界位置は一致せずに後述する量だけずれている。さらに、図69に示すように、各物理セグメント #0 550〜#6 556毎にそれぞれ17個のウォブルデータユニット(WDU:Wobble Data Unit)#0 560〜#16 576に分割する(図129のポイント(J1))。(1)式から1個のウォブルデータユニット #0 560〜#16 576の長さにはそれぞれ7個のシンクフレーム分が割り当てられる事が分かる。このように17ウォブルデータユニットで物理セグメントを構成し(図129のポイント(J1))、7物理セグメント長をデータセグメント長に合わせる(図131のポイント(K3ε))ことにより、ガード領域442〜468を跨った範囲でシンクフレーム境界を確保しシンクコード431(図60)の検出を容易にしている。
特に、書替え形情報記憶媒体では不定ビット領域504(図67)の場所で記録マークからの再生信号のエラーが発生し易いが、ECCブロック内を構成する物理セクタ数32と物理セグメント数7とが互いに割り切れない関係(非倍数の関係)にあるため、図34に示したECCブロックにおいて不定ビット領域504に記録されるデータが直線上に並ぶのを防止し、ECCブロック内でのエラー訂正能力低下を防止する事が出来ると言う効果もある。
各ウォブルデータユニット #0 560〜#16 576の中は図69の(d)に示すように、16ウォブル分の変調領域と68ウォブル分の無変調領域590、591から構成される。本実施形態では変調領域に対する無変調領域590、591の占有比を大幅に大きくしている所に特徴(図129のポイント(J2))がある。無変調領域590、591は常に一定周波数でグルーブ領域またはランド領域がウォブルしているため、無変調領域590、591を利用してPLL(Phase Locked Loop)を掛け、情報記憶媒体に記録された記録マークを再生する時の基準クロックまたは新たに記録する時に使用する記録用基準クロックを安定に抽出(生成)する事が可能となる。
このように本実施形態において変調領域に対する無変調領域590、591の占有比を大幅に大きくすることにより、再生用基準クロックの抽出(生成)または記録用基準クロックの抽出(生成)の精度と抽出(生成)安定性を大幅に向上させる事が出来る。すなわち、ウォブルでの位相変調を行った場合、波形整形のために再生信号をバンドパスフィルタに通過させると位相変化位置前後で整形後の検出信号波形振幅が小さくなる現象が現れる。したがって、位相変調による位相変化点の頻度が多くなると波形振幅変動が多くなって上記のクロック抽出精度が落ち、逆に変調領域内で位相変化点の頻度が低いとウォブルアドレス情報検出時のビットシフトが発生しやすくなると言う問題点が生じる。そのため、本実施形態では位相変調による変調領域と無変調領域を構成し、無変調領域の占有率を高くすることにより、上記のクロック抽出精度を向上させる効果がある。また、本実施形態では変調領域と無変調領域の切り替わり位置が予め予想できるので、上記のクロック抽出に対しては無変調領域にゲートを掛けて無変調領域のみの信号を検出し、その検出信号から上記クロック抽出を行うことが可能となる。
無変調領域590、591から変調領域に移る時には4ウォブル分を使って変調開始マーク581、582を設定し、変調開始マーク581、582を検出直後にウォブル変調されたウォブルアドレス領域586、587が来るように配置されている。実際にウォブルアドレス情報610を抽出するには、図69の(d)に示すように各物理セグメント #0 550〜#6 556内での無変調領域590、591と変調開始マーク581、582を除いたウォブルシンク領域580と各ウォブルアドレス領域586、587を集めて図69の(e)に示すように再配置する。
図69の(d)に示すようにウォブルアドレス領域586、587では12ウォブルで3アドレスビットを設定(図129のポイント(J2α))している。つまり、連続する4ウォブルで1アドレスビットを構成している。このように本実施形態ではアドレス情報を3アドレスビット毎に分散配置させた構造(図129のポイント(J2α))を取っている。ウォブルアドレス情報610を情報記憶媒体内の一箇所に集中記録すると、表面のゴミや傷が付いた時に全ての情報が検出困難になる。図69の(d)に示すように本実施形態のようにウォブルアドレス情報610を1個のウォブルデータユニット560〜576に含まれる3アドレスピット(12ウォブル)毎に分散配置し、3アドレスビットの整数倍アドレスビット毎にまとまった情報を記録し、ゴミや傷の影響で一箇所の情報検出が困難な場合でも他の情報の情報検出を可能に出来るという効果がある。
上記のようにウォブルアドレス情報610を分散配置させると共に1物理セグメント550〜557毎にウォブルアドレス情報610を完結的に配置させる(図129のポイント(J1α))ことにより、物理セグメント550〜557毎にアドレス情報が分かるので、情報記録再生装置がアクセスした時に物理セグメント単位での現在位置を知る事ができる。
本実施形態では図64に示すようにNRZ法を採用しているので、ウォブルアドレス領域586、587内では連続する4ウォブル内で位相が変化する事は無い。この特徴を利用してウォブルシンク領域580を設定している。すなわち、ウォブルアドレス情報610内では発生し得無いウォブルパターンをウォブルシンク領域580に対して設定する(図129のポイント(J3))ことにより、ウォブルシンク領域580の配置位置識別を容易にしている。本実施形態では連続する4ウォブルで1アドレスビットを構成するウォブルアドレス領域586、587に対してウォブルシンク領域580位置では1アドレスビット長を4ウォブル以外の長さに設定している所に特徴がある。すなわち、ウォブルシンク領域580ではウォブルビットが“1”になる領域を4ウォブルとは異なる“6ウォブル→4ウォブル→6ウォブル”と言うウォブルアドレス領域586、587内では起こり得ないウォブルパターン変化を設定している。ウォブルアドレス領域586、587内では発生し得無いウォブルパターンをウォブルシンク領域580に対して設定する具体的な方法として上述したようにウォブル周期を変える方法(図129のポイント(J3α))を利用すると
(1)図1のウォブル信号検出部135内で行っているウォブルのスロット位置512(図64)に関するPLLが崩れる事無く安定にウォブル検出(ウォブル信号の判定)を継続できる、
(2)図1のウォブル信号検出部135内で行っているアドレスビット境界位置のずれにより容易にウォブルシンク領域580と変調開始マーク561、582の検出が行える、
と言う効果が生まれる。また、図69の(d)に示すようにウォブルシンク領域580を12ウォブル周期で形成してウォブルシンク領域580の長さを3アドレスビット長に一致させている(図129のポイント(J3β))所にも本実施形態の特徴がある。これにより、1個のウォブルデータユニット #0 560内での変調領域(16ウォブル分)全てをウォブルシンク領域580に割り当てることにより、ウォブルアドレス情報610の開始位置(ウォブルシンク領域580の配置位置)の検出容易性を向上させている。
(1)図1のウォブル信号検出部135内で行っているウォブルのスロット位置512(図64)に関するPLLが崩れる事無く安定にウォブル検出(ウォブル信号の判定)を継続できる、
(2)図1のウォブル信号検出部135内で行っているアドレスビット境界位置のずれにより容易にウォブルシンク領域580と変調開始マーク561、582の検出が行える、
と言う効果が生まれる。また、図69の(d)に示すようにウォブルシンク領域580を12ウォブル周期で形成してウォブルシンク領域580の長さを3アドレスビット長に一致させている(図129のポイント(J3β))所にも本実施形態の特徴がある。これにより、1個のウォブルデータユニット #0 560内での変調領域(16ウォブル分)全てをウォブルシンク領域580に割り当てることにより、ウォブルアドレス情報610の開始位置(ウォブルシンク領域580の配置位置)の検出容易性を向上させている。
図69の(c)に示すようにウォブルシンク領域580は物理セグメント#0 550内の最初のウォブルデータユニット#0 560に配置されている。このようにウォブルシンク領域580を物理セグメント#0 550内の先頭位置に配置する(図129のポイント(J3γ))ことにより、ウォブルシンク領域580の位置を検出するだけで容易に物理セグメントの境界位置を抽出できると言う効果が生じる。
ウォブルデータユニット#1 561、#2 562内ではウォブルアドレス領域586、587に先行し、先頭位置に変調開始マーク581、582が配置され、図65で示した反転位相ウォブルIPWの波形が設定されている。それに先行した位置に配置されている無変調領域590、591では連続的にノーマル位相ウォブルNPWの波形になっているので、図1に示したウォブル信号検出部135ではNPWからIPWへの切り替わり目を検出して変調開始マーク581、582の位置を抽出する。
図69の(e)に示すようにウォブルアドレス情報610の中身は
(1)トラックアドレス606、607
…ゾーン内のトラック番号を意味し、グルーブ領域上でアドレスが確定する(不定ビットを含まない→ランド上で不定ビットが発生する)グルーブトラックアドレス606とランド上でアドレスが確定する(不定ビットを含まない→グルーブ上で不定ビットが発生する)ランドトラックアドレス607が交互に記録されている。トラックアドレス606、607に関してのみトラック番号情報が図70で示すグレイコードで記録されている(詳細は後述)。
(1)トラックアドレス606、607
…ゾーン内のトラック番号を意味し、グルーブ領域上でアドレスが確定する(不定ビットを含まない→ランド上で不定ビットが発生する)グルーブトラックアドレス606とランド上でアドレスが確定する(不定ビットを含まない→グルーブ上で不定ビットが発生する)ランドトラックアドレス607が交互に記録されている。トラックアドレス606、607に関してのみトラック番号情報が図70で示すグレイコードで記録されている(詳細は後述)。
(2)物理セグメントアドレス601
…トラック内(情報記憶媒体221内での1周内)での物理セグメント番号を示す情報。同一トラック内での物理セグメント数は図12の“トラック当たりの物理セグメント数”で示されている。したがって、各ゾーン内での物理セグメントアドレス601の最大値は図12で示された数で規定される。
…トラック内(情報記憶媒体221内での1周内)での物理セグメント番号を示す情報。同一トラック内での物理セグメント数は図12の“トラック当たりの物理セグメント数”で示されている。したがって、各ゾーン内での物理セグメントアドレス601の最大値は図12で示された数で規定される。
(3)ゾーンアドレス602
…情報記憶媒体221内のゾーン番号を示し、図12に示した“ゾーン(n)”の“n”の値が記録される。
…情報記憶媒体221内のゾーン番号を示し、図12に示した“ゾーン(n)”の“n”の値が記録される。
(4)パリティ情報605
…ウォブルアドレス情報610からの再生時のエラー検出用に設定された物で、予約情報604からゾーンアドレス602までの14アドレスビットを各アドレスビット単位で個々に加算し、加算結果が偶数か奇数かの表示を行う情報で、アドレスパリティ情報605の1アドレスビットも含めた合計15アドレスビットに対して各アドレスビット単位で排他的OR(Exclusive OR)を取った結果が“1”になるようにパリティ情報605の値を設定する。
…ウォブルアドレス情報610からの再生時のエラー検出用に設定された物で、予約情報604からゾーンアドレス602までの14アドレスビットを各アドレスビット単位で個々に加算し、加算結果が偶数か奇数かの表示を行う情報で、アドレスパリティ情報605の1アドレスビットも含めた合計15アドレスビットに対して各アドレスビット単位で排他的OR(Exclusive OR)を取った結果が“1”になるようにパリティ情報605の値を設定する。
(5)ユニティ領域608
…前述したように各ウォブルデータユニット #0 560〜#16 576の中は16ウォブル分の変調領域と68ウォブル分の無変調領域590、591から構成されように設定し、変調領域に対する無変調領域590、591の占有比を大幅に大きくしている。更に無変調領域590、591の占有比を広げて再生用基準クロックまたは記録用基準クロックの抽出(生成)の精度と安定性をより向上させている。図69の(e)に示したユニティ領域608が含まれる場所は図69の(c)のウォブルデータユニット #16 576と図示して無いがその直前のウォブルデータユニット #15内がそっくりそのまま該当する。モノトーン情報608は6アドレスビット全てが“0”になっている。したがって、この全てがNPWとなるモノトーン情報が含まれるウォブルデータユニット #16 576と、図示して無い直前のウォブルデータユニット #15内には変調開始マーク581、582を設定せず、全て均一位相の無変調領域になっている。
…前述したように各ウォブルデータユニット #0 560〜#16 576の中は16ウォブル分の変調領域と68ウォブル分の無変調領域590、591から構成されように設定し、変調領域に対する無変調領域590、591の占有比を大幅に大きくしている。更に無変調領域590、591の占有比を広げて再生用基準クロックまたは記録用基準クロックの抽出(生成)の精度と安定性をより向上させている。図69の(e)に示したユニティ領域608が含まれる場所は図69の(c)のウォブルデータユニット #16 576と図示して無いがその直前のウォブルデータユニット #15内がそっくりそのまま該当する。モノトーン情報608は6アドレスビット全てが“0”になっている。したがって、この全てがNPWとなるモノトーン情報が含まれるウォブルデータユニット #16 576と、図示して無い直前のウォブルデータユニット #15内には変調開始マーク581、582を設定せず、全て均一位相の無変調領域になっている。
上記各情報に割り当てたアドレスビット数を図69の(e)に示した。上述したようにウォブルアドレス情報610内はそれぞれ3アドレスビット毎に分離されて各ウォブルデータユニット560〜576内に分散配置される。情報記憶媒体表面のゴミや傷によりバーストエラーが発生しても異なる各ウォブルデータユニット560〜576を跨ってエラーが広がっている確率は非常に低い。したがって、同一情報が記録される場所として異なるウォブルデータユニット間を跨る回数を極力減らし、各情報の切れ目とウォブルデータユニット560〜576の境界位置を一致させるように工夫している。これにより、仮に情報記憶媒体表面のゴミや傷によりバーストエラーが発生して特定の情報が読めなくても、他の各ウォブルデータユニット560〜576内に記録された他の情報が読めるようにしてウォブルアドレス情報の再生信頼性を向上させている。具体的には図69の(e)に示すようにユニティ領域608に9アドレスビットを割り付けてユニティ領域608とその直前のランドトラックアドレス607間の境界位置とウォブルデータユニットの境界位置を一致させ(図129のポイント(J3δ))ている。また、同様な理由から5アドレスビットで表現されるゾーンアドレス605と1アドレスビットで表現されるパリティ情報605を隣接させ(図130のポイント(J4ε))て、両方のアドレスビットの合計値を6アドレスビット(2ウォブルデータユニット分)としている。
図69の(e)に示すようにウォブルアドレス情報610内でユニティ領域608を最後に配置(図129のポイント(J3ε))した所も本実施形態の特徴となっている。上述したようにユニティ領域608ではウォブル波形はNPWとなっているので、実質的に3個もの連続したウォブルデータユニット576内で連続してNPWが続く。この特徴を利用して図1のウォブル信号検出部135では3個のウォブルデータユニット576分の長さで連続してNPWが続く場所を探すことにより、容易にウォブルアドレス情報610の最後に配置されたユニティ領域608の位置が抽出でき、その位置情報を利用してウォブルアドレス情報610の開始位置を検出できる効果が生まれる。
図69または図68の(b)、図66に示した各種アドレス情報の内、物理セグメントアドレス601とゾーンアドレス602は隣接トラック間で同じ値を示しているのに対し、グルーブトラックアドレス606とランドトラックアドレス607は隣接トラック間で値が変わる。したがって、グルーブトラックアドレス606とランドトラックアドレス607が記録される領域には、図67の(c)に示す不定ビット領域504が現れる。この不定ビット頻度を低減させるため、本実施形態ではグルーブトラックアドレス606とランドトラックアドレス607に関しては図70に例を示すグレイコードを用いてアドレス(番号)を表示している。グレイコードとは図70のように元の値が“1”変化した時の変換後のコードが何処でも“1ビット”だけしか変化しないコードを意味している。これにより不定ビット頻度を低減させてウォブル検出信号のみならず記録マークからの再生信号も信号検出安定化が図れる。
図70に示したグレイコード変換を具体的に実現するためのアルゴリズムを図71に示す。元のバイナリコードに対して最上位の11ビット目はそのままグレイコードの11ビット目に一致させ、それ以下の下位コードに関しては“mビット目”のバイナリコードとそれより1ビット上位にある“m+1ビット目”のバイナリコードの加算した(Exclusive ORを取った)結果を“mビット目”のグレイコードとして変換している。
本実施形態ではグルーブ領域にも不定ビット領域を分散配置させる(図130のポイント(J4γ))という工夫を行っている。具体的には図72によりグルーブ領域501、501内の幅を一部変化させることで、挟まれたランド領域503の幅を一定にしている。情報記憶媒体の原盤記録装置でグルーブ領域501、502を作成する時点で露光させるレーザ光の光量を局所的に変化させることにより、グルーブ領域501、501内の幅を変化させる事が出来る。これにより、ランド領域でも不定ビットが入らずにトラックアドレスが確定する領域を持たせることにより、ランド領域においても精度の良いアドレス検出が可能となる。具体的には図69の(e)のランドトラックアドレス607の情報が記録されるランド領域内の場所は上記の方法を用いてランド幅を一定にしている。これにより、ランド領域内のランドトラックアドレス607に関しては不定ビットが混入する事無く安定にアドレス情報を検出できる。
本実施形態ではランド領域とグルーブ領域の両方に不定ビットを分散配置(図130のポイント(J4δ))させている。具体的には、図72の最も右側はグルーブ領域501、501内の幅を変化させてランド領域503の幅を一定にし、図72の中央から若干左側ではグルーブ領域501、501の幅が一定に保たれている代わりにランド領域503の幅が局所的に変化している。この方法を利用して図69の(e)のグルーブトラックアドレス606の情報が記録されるグルーブ領域内の場所はグルーブ幅を一定にして、グルーブ領域内のグルーブトラックアドレス606に関しては不定ビットが混入する事無く安定にアドレス情報を検出できるようにしている。ランド領域またはグルーブ領域のどちらか一方に不定ビットを集中配置すると、不定ビットが集中配置された部分でのアドレス情報再生時に誤検知が発生する頻度が非常に高くなる。不定ビットをランド領域とグルーブ領域に分配配置することにより、誤検知のリスクを分散し、トータルとして安定にアドレス情報を検出し易いシステムを提供できる。このようにランド領域とグルーブ領域の両方に不定ビットを分散配置させることにより、ランド領域、グルーブ領域それぞれ不定ビットが入らずにトラックアドレスが確定する領域を事前に予想できるのでトラックアドレス検出精度が上がる。
図66を用いて既に説明したように本実施形態の追記形情報記憶媒体ではグルーブ領域の上に記録マークを形成し、CLV記録方式を採用している。この場合、隣接トラック間でのウォブルスロット位置がずれるため、ウォブル再生信号に隣接ウォブル間の干渉が乗り易い事を説明した。この影響を除去するため、本実施形態では変調領域が隣接トラック間で互いに重ならないように変調領域をずらす(図130のポイント(J5))工夫をしている。具体的には図73に示すように変調領域の配置場所に1次配置場所(Primary Position)701と2次配置場所702(Secondary Position)を設定可能とする。基本的には、配置場所として仮に全て1次配置場所で配置を行い、隣接トラック間で変調領域が一部重なる場所が生じたら部分的に2次配置場所にずらす方法を取る。例えば、図73においてグルーブ領域505の変調領域を1次配置場所に設定すると、隣接するグルーブ領域502の変調領域とグルーブ領域506の変調領域とが一部重なってしまうので、グルーブ領域505の変調領域を2次配置場所にずらす。これにより、ウォブルアドレスからの再生信号における隣接トラックの変調領域間の干渉を防止し、安定にウォブルアドレスを再生できる効果が生じる。
変調領域に関する具体的な1次配置場所と2次配置場所は同一のウォブルデータユニット内配置場所の切り替えにより設定する。本実施形態では変調領域より無変調領域の占有率を高く設定(図129のポイント(J2))しているので、同一のウォブルデータユニット内での配置変更のみで1次配置場所と2次配置場所の切り替えが行える。これにより、追記形情報記憶媒体においても図69の(b)、(c)に示した書替え形情報記憶媒体と同様の物理セグメント550〜557配置とウォブルデータユニット560〜576の配置が可能となり、媒体種別間の互換性を高くできる。具体的には1次配置場所(Primary Position)701では図74の(a)、(c)に示すように1個のウォブルデータユニット560〜571内の先頭位置に変調領域598を配置し、2次配置場所702(Secondary Position)では図74の(b)、(d)に示すように1個のウォブルデータユニット560〜571内の後半位置に変調領域598を配置する。
本実施形態の追記形情報記憶媒体でも図69の(e)に示す書替え形情報記憶媒体と同様ウォブルアドレス情報610の最初の3アドレスビットをウォブルシンク領域580に利用しており、各物理セグメント550〜556での最初に配置されたウォブルデータユニット #0 560内に記録されている。図74の(a)と(b)に示した変調領域598がウォブルシンク領域580を示している。図74の(c)と(d)の変調領域598内の最初のIPW領域が図69の(d)に示した変調開始マーク581、582に対応し、図74の(c)と(d)の変調領域598内のアドレスビット#2〜#0が図69の(d)に示したウォブルアドレス領域586、587に対応する。
1次配置場所(Primary Position)701と2次配置場所702(Secondary Position)でウォブルシンク領域内のウォブルシンクパターンを変化させている所に本実施形態の特徴(図129のポイント(J5β))がある。図74の(a)では変調領域598であるウォブルシンク領域580のウォブルシンクパターンとしてIPWにそれぞれ6ウォブル(周期)を割り当ててNPWに対しては4ウォブル(周期)を割り当てているのに対し、図74の(b)の変調領域598内ではそれぞれのIPWに割り当てているウォブル数(ウォブル周期)を4とする代わりにNPWに6ウォブル(周期)を割り当てている。図1のウォブル信号検出部135では粗アクセス直後にこのウォブルシンクパターンの違いを検出するだけで変調領域の配置場所(1次配置場所701か2次配置場所702かの違い)が分かり、次に検出される変調領域の場所が事前に予想が付き易い。そのため、次に来る変調領域検出の事前準備が出来るので、変調領域での信号検出(判別)精度を上げる事ができる。
変調領域の配置場所とウォブルシンクパターンの関係について図74の(a)、(b)に示した実施形態以外の他の実施形態を図75の(b)、(d)に示す。比較のために、図74の(a)の実施形態を図75の(a)に、図74の(b)に示した実施形態を図75の(c)に示した。図75の(b)、(d)では変調領域598内のIPWとNPWに割り当てるウォブル数を図75の(a)、(c)とは逆(IPWに4ウォブル割り当て、NPWに6ウォブル割り当てる)にしている。
図74と図75で示した1次配置場所(Primary Position)701と2次配置場所702(Secondary Position)の適応範囲、すなわち、1次配置場所または2次配置場所が連続的に続く範囲を本実施形態では物理セグメントの範囲に規定している。すなわち、図76に示すように同一物理セグメント内での変調領域の配置パターンを(b)から(d)までの3種類(複数種類)持たせ(図130のポイント(J5α))、上述したようにウォブルシンクパターンまたは後述する物理セグメントのタイプ識別情報721の情報から物理セグメント内での変調領域の配置パターンを図1のウォブル信号検出部135が識別すると、同一物理セグメント内の他の変調領域598の配置場所が事前に予測できる。その結果、次に来る変調領域検出の事前準備が出来るので変調領域での信号検出(判別)精度を上げる事ができると言う効果がある。
図76の(a)の2段目は物理セグメント内のウォブルデータユニットの配置を示し、2段目の各枠内に記述された番号“0”〜“16”は同一物理セグメント内のウォブルデータユニット番号を示す。0番目のウォブルデータユニットは1段目に示すようにシンクフィールド711と呼び、このシンクフィールド内の変調領域にウォブルシンク領域が存在している。1番目から11番目のウォブルデータユニットをアドレスフィールド712と呼び、アドレスフィールド712内の変調領域にアドレス情報が記録される。12番目から16番目のウォブルデータユニット内はウォブルパターンが全てNPWのユニティフィールド713になっている。
図76の(b)〜(d)に記載された“P”のマークはウォブルデータユニット内で変調領域が1次配置場所になっている事を示し、“S”のマークはウォブルデータユニット内で変調領域が2次配置場所になっている事を示している。“U”のマークはウォブルデータユニットがユニティフィールド713に含まれ、変調領域が存在しない事を示している。図76の(b)に示した変調領域の配置パターンは物理セグメント内全てが1次配置場所(Primary Position)になっている事を示し、図76の(c)に示した変調領域の配置パターンは物理セグメント内全てが2次配置場所(Secondary Position)になっている事を示す。図76の(d)は同一物理セグメント内で1次配置場所と2次配置場所が混合されており、0番目から5番目のウォブルデータユニット内で変調領域が1次配置場所になり、6番目から11番目のウォブルデータユニット内で変調領域が2次配置場所になる。図76の(c)のようにシンクフィールド711とアドレスフィールド712を合わせた領域に対して1次配置場所と2次配置場所を半々にすることにより、細かく隣接トラック間での変調領域の重なりを防止する事が出来る。
本実施形態書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体でのウォブルアドレス情報内のデータ構造の比較を図77に示す。図77の(a)は図69の(e)に示した書替え形情報記憶媒体におけるウォブルアドレス情報610内のデータ構造を転記した物で有り、追記形情報記憶媒体におけるウォブルアドレス情報610内のデータ構造を図77の(b)に示す。追記形情報記憶媒体においても書替え形情報記憶媒体と同様にウォブルシンク領域680を物理セグメント先頭位置に配置(図129のポイント(J3γ))し、物理セグメントの先頭位置あるいは隣接する物理セグメント間の境界位置の検出を容易にしている。図77の(b)に示した物理セグメントのタイプ識別情報721は上述したウォブルシンク領域580内のウォブルシンクパターンと同様物理セグメント内の変調領域の配置位置を示す(図130のポイント(J5γ))ことにより、同一物理セグメント内の他の変調領域598の配置場所が事前に予測でき、次に来る変調領域検出の事前準備が出来るので変調領域での信号検出(判別)精度を上げる事ができると言う効果がある。具体的には
・物理セグメントのタイプ識別情報721が“0”の時は図76の(b)に示す物理セグメント内全てが1次配列場所(Primary Position)になっているか、あるいは図76の(d)に示す1次配置場所と2次配置場所の混合状態を表し、
・物理セグメントのタイプ識別情報721が“1”の時は図76(c)に示すように物理セグメント内全てが2次配置場所(Secondary Position)になっている事を示す。
・物理セグメントのタイプ識別情報721が“0”の時は図76の(b)に示す物理セグメント内全てが1次配列場所(Primary Position)になっているか、あるいは図76の(d)に示す1次配置場所と2次配置場所の混合状態を表し、
・物理セグメントのタイプ識別情報721が“1”の時は図76(c)に示すように物理セグメント内全てが2次配置場所(Secondary Position)になっている事を示す。
上記の実施形態に対する他の実施形態としてウォブルシンクパターンと物理セグメントのタイプ識別情報721の組み合わせにより物理セグメント内の変調領域の配置場所を示す(図130のポイント(J5δ))事も出来る。前記2種類の情報を組み合わせることにより、図76の(b)から(d)に示した3種類以上の変調領域の配置パターンを表現でき、変調領域の配置パターンを複数持たせる事が可能となる。図78に他の実施形態におけるウォブルシンクパターンと物理セグメントのタイプ識別情報との組み合わせ方法と変調領域の配置パターンとの関係を示す。図78において《A》は上述した組み合わせを示し、ウォブルシンクパターンで1次配置場所か2次配置場所を示し、物理セグメントのタイプ識別情報721で物理セグメント内の全てが2次配置場所か否か(全て2次配列の場合には“1”、それ以外は“0”)を示している。なお《A》の場合、混合の場合には1次配置場所の所では図75の(b)、2次配置場所の所では図75の(d)のそれぞれウォブルシンクパターンが記録されている。
これに対して《B》の実施形態では物理セグメントのタイプ識別情報721で物理セグメント内全ての配置場所が一致しているか混合か(全ての配列が一致した場合には“1”、混合の場合には“0”)を示す。
また《C》の実施形態ではウォブルシンクパターンにより物理セグメント内全ての配置場所が一致しているか混合かを示し、物理セグメントのタイプ識別情報721で物理セグメント内に2次配置場所か存在するか否か(部分的でも2次配列が存在する場合には“1”、それ以外は“0”)を示している。
上記の実施形態ではウォブルシンク領域580と物理セグメントのタイプ識別情報721が含まれている物理セグメント内の変調領域の配置場所を示しているが、本発明ではそれに限らず例えば他の実施形態としてウォブルシンク領域580と物理セグメントのタイプ識別情報721は次に来る物理セグメント内の変調領域の配置場所を示しても良い。そうするとグルーブ領域に沿って連続的にトラッキングしている場合に次の物理セグメント内の変調領域の配置場所が事前に分かり、変調領域検出の準備時間が長く取れると言う効果がある。
図77の(b)に示した追記形情報記憶媒体における層番号情報722とは片面1記録層か片面2記録層の場合のどちらの記録層を示しているかを表し、
・“0”の時には片面1記録層媒体か片面2記録層の場合の“L0層”(レーザ光入射側の手前層)
・“1”の時には片面2記録層の“L1層”(レーザ光入射側の奥側の層)
を意味する。
・“0”の時には片面1記録層媒体か片面2記録層の場合の“L0層”(レーザ光入射側の手前層)
・“1”の時には片面2記録層の“L1層”(レーザ光入射側の奥側の層)
を意味する。
物理セグメント順番情報724は図66と図68で説明したように同一物理セグメントブロック内の相対的な物理セグメントの配置順を示している。図77の(a)と比較して明らかなようにウォブルアドレス情報610内での物理セグメント順番情報724の先頭位置は書替え形情報記憶媒体における物理セグメントアドレス601の先頭位置に一致している。物理セグメント順番情報位置を書替え形に合わせる(図130のポイント(J5ε))ことにより、媒体種別間の互換性を高め、書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体の両方が使える情報記録再生装置でのウォブル信号を用いたアドレス検出用制御プログラムの共有化よ簡素化が図れる。
図66と図68で説明したように、データセグメントアドレス725はデータセグメントのアドレス情報を番号で記述する。既に説明したように本実施形態では32セクタで1ECCブロックを構成する。したがって、特定のECCブロック内の先頭に配置されたセクタの物理セクタ番号の下位5ビットは隣接するECCブロック内の先頭位置に配置されたセクタのセクタ番号と一致する。ECCブロック内の先頭に配置されたセクタの物理セクタ番号の下位5ビットが“00000”になるように物理セクタ番号を設定した場合には、同一ECCブロック内に存在する全てのセクタの物理セクタ番号の下位6ビット目以上の値が一致する。したがって、上記同一ECCブロック内に存在するセクタの物理セクタ番号の下位5ビットデータを除去し、下位6ビット目以上のデータのみを抽出したアドレス情報をECCブロックアドレス(またはECCブロックアドレス番号)とする。ウォブル変調により予め記録されたデータセグメントアドレス725(または物理セグメントブロック番号情報)は上記ECCブロックアドレスと一致するので、ウォブル変調による物理セグメントブロックの位置情報をデータセグメントアドレスで表示すると、物理セクタ番号で表示するのと比べて5ビットずつデータ量が減り、アクセス時の現在位置検出が簡単になると言う効果が生まれる。
CRCコード726は物理セグメントのタイプ識別情報721からデータセグメントアドレス725までの24アドレスビットに対するCRCコード(エラー訂正コード)で部分的にウォブル変調信号を誤って判読してもCRCコード726により部分的に修正できる。
それぞれの情報内容を記載するのに図77の(b)の最下段に示した各アドレスビットを使用する。追記形情報記憶媒体では残りの15アドレスビット分に相当する領域はユニティ領域609に割り当てられ、12番目から16番目までの5個のウォブルデータユニット内は全てNPWになっている(変調領域598が存在しない)。
図77に示した実施形態に対する応用例として図124の(c)、(d)に追記形情報記憶媒体におけるウォブルアドレスのデータ構造に関する他の実施形態を示す。図124の(a)、(b)は図77の(a)、(b)と同じである。図124の(c)における物理セグメントブロックアドレス728とは7個の物理セグメントから1個のユニットを構成する物理セグメントブロック毎に設定されるアドレスであり、データリードインDTRDI内の最初の物理セグメントブロックに対する物理セグメントブロックアドレスを“1358h”に設定する。データ領域DTAを含め、データリードインDTLDI内の最初の物理セグメントブロックからデータリードアウトDTLDO内の最後の物理セグメントブロックまで順次この物理セグメントブロックアドレスの値が1ずつ加算されて行く。
物理セグメント順番情報724は図77と同様に1個の物理セグメントブロック内での各物理セグメントの順番を表し、最初の物理セグメントに対して“0”、最後の物理セグメントに対して“6”を設定する。
図77の実施形態において物理セグメント順番情報724より先行した位置に物理セグメントブロックアドレスを配置(図130のポイント(J6))所に特徴がある。例えば、図123に示したRMDフィールド1のように、アドレス情報をこの物理セグメントブロックアドレスで管理する場合が多い。これらの管理情報に従って所定の物理セグメントブロックアドレスにアクセスする場合、図1に示したウォブル信号検出部135内ではまず始めに図124の(c)に示したウォブルシンク領域580の場所を検出し、その後ウォブルシンク領域580の直後に記録された情報から順次解読していく。物理セグメント順番情報724より先行した位置に物理セグメントブロックアドレスがある場合には、先に物理セグメントブロックアドレスを解読し、物理セグメント順番情報724を解読せずに所定の物理セグメントブロックアドレスか否かを判定できるため、ウォブルアドレスを用いたアクセス性が向上すると言う効果がある。
セグメント情報727はタイプ識別情報721と予約領域723から構成されている。タイプ識別情報721は物理セグメント内の変調領域の配置場所を表し、タイプ識別情報721の値が
“0b”の場合は図76の(a)の状態を表し、
“1b”の場合には図76の(b)または(c)の状態を表している。
“0b”の場合は図76の(a)の状態を表し、
“1b”の場合には図76の(b)または(c)の状態を表している。
図124あるいは図77の(b)においてウォブルシンク領域580の直後にタイプ識別情報721を配置(図130のポイント(J5ζ))されている所に特徴がある。上述したように図1に示したウォブル信号検出部135内では、まず始めに図124の(c)に示したウォブルシンク領域580の場所を検出し、その後ウォブルシンク領域580の直後に記録された情報から順次解読していく。したがって、ウォブルシンク領域580の直後にタイプ識別情報721を配置することにより、即座に物理セグメント内の変調領域の配置場所確認が行えるため、ウォブルアドレスを用いたアクセス処理の高速化が実現できる。
以上説明したウォブル変調によりアドレス情報が事前に記録されている物理セグメントもしくは物理セグメントブロックに対して前述したデータセグメントデータを記録する方法について説明する。書替え形情報記憶媒体及び追記形情報記憶媒体いずれも連続してデータを記録する単位としてレコーディングクラスタ単位でデータを記録する。図79にこのレコーディングクラスタ内のレイアウトを示す。レコーディングクラスタ540、542内は図69の(a)に示したデータ構造を持つデータセグメント531が1個以上(整数個)連続して繋がり、その始めか終わりに拡張ガードフィールド528、529が設定されている。レコーディングクラスタ540、542単位で新たにデータを追記、または書き替えした時に隣接したレコーディングクラスタとの間に隙間が出来ないように、隣接したレコーディングクラスタとの間に物理的にオーバーラップさせて一部重ね書きさせるために拡張ガードフィールド528、529がレコーディングクラスタ540、542内に設定される。
レコーディングクラスタ540、542内に設定される拡張ガードフィールド528、529の位置として図79の(a)の実施形態ではレコーディングクラスタ540の最後に拡張ガードフィールド528を配置(図4(K3γ))している。この方法を用いた場合には図69の(a)に示すポストアンブル領域526の後ろに拡張ガードフィールド528が来るので、特に書替え形情報記憶媒体では書替え時に誤ってポストアンブル領域526を破壊する事は無く、書替え時のポストアンブル領域526の保護が行え、データ再生時のポストアンブル領域526を用いた位置検出の信頼性が確保できる。
他の実施形態として図79の(b)のようにレコーディングクラスタ542の最初に拡張ガードフィールド529を配置(図131のポイント(K3δ))する事も出来る。この場合には図79の(b)と図69の(a)を組み合わせて分かるように、VFO領域522の直前に拡張ガードフィールド529が来るので、書替えまたは追記した時にVFO領域522を充分長く取る事が出来るため、データフィールド525再生時の基準クロックに関するPLL引き込み時間を長く取れ、データフィールド525内に記録されたデータの再生信頼性を向上させる事が出来る。このように書き替え単位を表すレコーディングクラスタが1個以上のデータセグメントから構成される(図131のポイント(K3α))構造にすることにより、少ないデータ量を何度も書き替える事の多いPCデータ(PCファイル)と多量のデータを一度に連続して記録するAVデータ(AVファイル)の同一情報記憶媒体への混在記録処理を容易に出来ると言う効果が生まれる。すなわち、パーソナルコンピュータ(PC)用に使われるデータは比較的少量のデータを何度も書き替える場合が多い。したがって、書替え又は追記のデータ単位を極力小さく設定するとPCデータに適した記録方法になる。本実施形態では図31に示すように32物理セクタからECCブロックが構成されので、ECCブロックを1個のみ含むデータセグメント単位で書き替え又は追記を行うことが効率良く書替え又は追記を行う最小の単位となる。したがって、書替え単位または追記単位を表す記録用クラスタ内に1個以上のデータセグメントが含まれる本実施形態における構造がPCデータ(PCファイル)に適した記録構造となる。
オーディオビデオAV(Audio Video)データでは非常に多量な映像情報や音声情報が途中で途切れる事無く連続的に記録される必要がある。この場合、連続的に記録されるデータは1個のレコーディングクラスタとしてまとめて記録される。AVデータ記録時に1個のレコーディングクラスタを構成するデータセグメント毎にランダムシフト量やデータセグメント内の構造、データセグメントの属性などを切り替えると、切り替わり処理の時間が掛かり、連続記録処理が難しくなる。本実施形態では図79に示すように同一形式(属性やランダムシフト量を変えず、データセグメント間に特定情報を挿入する事無く)のデータセグメントを連続して並べてレコーディングクラスタを構成することにより、多量のデータを連続して記録するAVデータ記録に適した記録フォーマットを提供できるだけでなく、レコーディングクラスタ内の構造の簡素化を果たして記録制御回路と再生検出回路の簡素化を達成して情報記録再生装置または情報再生装置の低価格化を可能とする。
図79に示されたレコーディングクラスタ540内の(拡張ガードフィールド528を除いた)データセグメントが連続して並んだデータ構造は図61の(b)に示した再生専用情報記憶媒体及び図61の(c)に示した追記形情報記憶媒体と全く同じ構造をしている。このように再生専用形/追記形/書替え形に依らず全ての情報記憶媒体で共通のデータ構造になっているため、媒体の互換性が確保され、互換性が確保された情報記録再生装置または情報再生装置の検出回路の兼用化が図れ、高い再生信頼性が確保できると共に低価格化の実現が可能となる。
図79の構造を取ることにより、必然的に同一レコーディングクラスタ内では全てのデータセグメントのランダムシフト量が一致(図131のポイント(K3β))する。後述するように書替え形情報記憶媒体ではランダムシフトさせてレコーディングクラスタを記録する。本実施形態では同一レコーディングクラスタ540内では全てのデータセグメントのランダムシフト量が一致しているので、同一レコーディングクラスタ540内で異なるデータセグメントを跨って再生した場合にVFO領域(図69の522)での同期合わせ(位相の設定し直し)が不要となり連続再生時の再生検出回路の簡素化と再生検出の高い信頼性確保が可能となる。
書替え形情報記憶媒体に記録する書替え可能なデータ記録方法を図80に示す。本実施形態の書替え情報記憶媒体におけるレコーディングクラスタ内のレイアウトは図79の(a)のレイアウトを取る例を使って説明するが、本発明においてはそれに限らず書替え形情報記憶媒体に対して図79の(b)に示したレイアウトを採用しても良い。図80の(a)は前述した図61の(d)と同じ内容を示している。本実施形態では書替え可能なデータに関する書替えは図80の(b)及び(e)に示すレコーディングクラスタ540、541単位で行われる。1個の記録用クラスタは後述するように1個以上のデータセグメント529〜531と、最後に配置される拡張ガードフィールド528から構成される。すなわち、1個の記録用クラスタ531の開始はデータセグメント531の開始位置に一致し、VFO領域522から始まる。
複数のデータセグメント529、530を連続して記録する場合には、図80の(b),(c)に示すように同一のレコーディングクラスタ531内に複数のデータセグメント529、530が連続して配置されると共に、データセグメント529の最後に存在するバッファ領域547と次のデータセグメントの最初に存在するVFO領域532が連続してつながっているため両者間の(記録時の記録用基準クロックの)位相が一致している。連続記録が終了した時にはレコーディングクラスタ540の最後位置に拡張ガード領域528を配置する。拡張ガード領域528のデータサイズは変調前のデータとして24データバイト分のサイズを持っている。
図80の(a)と図80の(c)の対応から分かるように書替え形のガード領域461、462の中にポストアンブル領域546、536、エキストラ領域544、534、バッファ領域547、537、VFO領域532、522、プリシンク領域533、523が含まれ、連続記録終了場所に限り拡張ガードフィールド528が配置される。
書替え単位の物理的範囲の比較をするため、図80の(c)に情報の書替え単位であるレコーディングクラスタ540の一部と、図80の(d)に次に書替える単位であるレコーディングクラスタ541の一部を示している。書替え時の重複箇所541で拡張ガード領域528と後側のVFO領域522が一部重複するように書き換えを行う所に本実施形態の特徴がある(図131のポイント(K3))。そのように一部重複させて書替えすることにより、レコーディングクラスタ540、541間に隙間(記録マークが形成されない領域)の発生を防止し、片面2記録層の記録可能な情報記憶媒体における層間クロストークを除去することにより、安定した再生信号を検出できる。
図69の(a)から分かるように本実施形態における1個のデータセグメント内の書替え可能なデータサイズは
67+4+77376+2+4+16=77469データバイト (2)
となる。また図69の(c),(d)から分かるように1個のウォブルデータユニット560は
6+4+6+68=84ウォブル (3)
で構成されており、17個のウォブルデータユニットで1個の物理セグメント550を構成し、7個の物理セグメント550〜556の長さが1個のデータセグメント531の長さに一致しているので1個のデータセグメント531の長さ内には
84×17×7=9996ウォブル (4)
が配置される。したがって、(2)式と(4)式から1個のウォブルに対して
77496÷9996=7.75データバイト/ウォブル (5)
が対応する。
67+4+77376+2+4+16=77469データバイト (2)
となる。また図69の(c),(d)から分かるように1個のウォブルデータユニット560は
6+4+6+68=84ウォブル (3)
で構成されており、17個のウォブルデータユニットで1個の物理セグメント550を構成し、7個の物理セグメント550〜556の長さが1個のデータセグメント531の長さに一致しているので1個のデータセグメント531の長さ内には
84×17×7=9996ウォブル (4)
が配置される。したがって、(2)式と(4)式から1個のウォブルに対して
77496÷9996=7.75データバイト/ウォブル (5)
が対応する。
図81に示すように物理セグメントの先頭位置から24ウォブル以降に次のVFO領域522と拡張ガードフィールド528の重なり部分が来るが、図69の(d)から分かるように物理セグメント550の先頭から16ウォブルまではウォブルシンク領域580となるが、それ以降68ウォブル分は無変調領域590内になる。したがって、24ウォブル以降の次のVFO領域522と拡張ガードフィールド528が重なる部分は無変調領域590内となる。このように物理セグメントの先頭位置24ウォブル以降にデータセグメントの先頭位置が来る(図131のポイント(K5))ようにすることにより、重複箇所が無変調領域590内になるだけでなくウォブルシンク領域580の検出時間と記録処理の準備時間が相応に取れるので、安定でかつ精度の良い記録処理を保証できる。
本実施形態における書替え形情報記憶媒体の記録膜は相変化形記録膜を用いている。相変化形記録膜では書き替え開始/終了位置近傍で記録膜の劣化が始まるので、同じ位置での記録開始/記録終了を繰り返すと記録膜の劣化による書き替え回数の制限が発生する。本実施形態では上記問題を軽減するため、書き替え時には図81に示すように(Jm+1/12)データバイト分ずらし、ランダムに記録開始位置をずらしている。
図80の(c),(d)では基本概念を説明するため、拡張ガードフィールド528の先頭位置とVFO領域522の先頭位置が一致しているが、本実施形態では厳密に言うと図81のようにVFO領域522の先頭位置がランダムにずれている。
図80の(c),(d)では基本概念を説明するため、拡張ガードフィールド528の先頭位置とVFO領域522の先頭位置が一致しているが、本実施形態では厳密に言うと図81のようにVFO領域522の先頭位置がランダムにずれている。
現行の書替え形情報記憶媒体であるDVD-RAMデイスクでも記録膜として相変化形記録膜を使用し、書替え回数向上のためにランダムに記録開始/終了位置をずらしている。現行のDVD-RAMディスクでのランダムなずらしを行った時の最大ずらし量範囲は8データバイトに設定してある。現行のDVD-RAMディスクでの(ディスクに記録される変調後のデータとして)チャネルビット長は平均0.143μmに設定されている。本実施形態の書替え形情報記憶媒体実施形態ではチャネルビットの平均長さは図15から
(0.087+0.093)÷2=0.090μm (6)
となる。物理的なずらし範囲の長さを現行のDVD-RAMディスクに合わせた場合には、本実施形態でのランダムなずらし範囲として最低限必要な長さは上記の値を利用して
8バイト×(0.143μm÷0.090μm)=12.7バイト (7)
となる。本実施形態では再生信号検出処理の容易性を確保するため、ランダムなずらし量の単位を変調後の“チャネルビット”に合わせた。本実施形態では変調に8ビットを12ビットに変換するETM変調(Eight to Twelve modulation)を用いているので、ランダムなずらし量を表す数式表現としてデータバイトを基準として
Jm/12 データバイト (8)
で表す。Jmの取り得る値としては(7)式の値を用いて
12.7×12=152.4 (9)
なので、Jmは0から152となる。以上の理由から(9)式を満足する範囲で有ればランダムなずらしの範囲長さは現行DVD-RAMディスクと一致し、現行DVD-RAMディスクと同様な書き替え回数を保証できる。本実施形態では現行以上の書き替え回数を確保するため(7)式の値に対してわずかにマージンを持たせ、
ランダムなずらし範囲の長さを14データバイト (10)
に設定した。(10)式の値を(8)式に代入すると、14×12=168なので
Jmの取り得る値は0〜167 (11)
と設定した。上記のようにランダムシフト量をJm/12(0≦Jm≦154)より大きな範囲とする(図131のポイント(K4))ことにより、(9)式を満足し、ランダムシフト量に対する物理的な範囲の長さが現行DVD-RAMと一致するため、現行DVD-RAMと同様な繰り返し記録回数を保証できると言う効果がある。
(0.087+0.093)÷2=0.090μm (6)
となる。物理的なずらし範囲の長さを現行のDVD-RAMディスクに合わせた場合には、本実施形態でのランダムなずらし範囲として最低限必要な長さは上記の値を利用して
8バイト×(0.143μm÷0.090μm)=12.7バイト (7)
となる。本実施形態では再生信号検出処理の容易性を確保するため、ランダムなずらし量の単位を変調後の“チャネルビット”に合わせた。本実施形態では変調に8ビットを12ビットに変換するETM変調(Eight to Twelve modulation)を用いているので、ランダムなずらし量を表す数式表現としてデータバイトを基準として
Jm/12 データバイト (8)
で表す。Jmの取り得る値としては(7)式の値を用いて
12.7×12=152.4 (9)
なので、Jmは0から152となる。以上の理由から(9)式を満足する範囲で有ればランダムなずらしの範囲長さは現行DVD-RAMディスクと一致し、現行DVD-RAMディスクと同様な書き替え回数を保証できる。本実施形態では現行以上の書き替え回数を確保するため(7)式の値に対してわずかにマージンを持たせ、
ランダムなずらし範囲の長さを14データバイト (10)
に設定した。(10)式の値を(8)式に代入すると、14×12=168なので
Jmの取り得る値は0〜167 (11)
と設定した。上記のようにランダムシフト量をJm/12(0≦Jm≦154)より大きな範囲とする(図131のポイント(K4))ことにより、(9)式を満足し、ランダムシフト量に対する物理的な範囲の長さが現行DVD-RAMと一致するため、現行DVD-RAMと同様な繰り返し記録回数を保証できると言う効果がある。
図80において記録用クラスタ540内でのバッファ領域547とVFO領域532の長さは一定となっている。図79の(a)からも明らかなように、同一の記録用クラスタ540内では全てのデータセグメント529、530のランダムずらし量Jmは至る所同じ値になっている。内部に多量のデータセグメントを含む1個の記録用クラスタ540を連続して記録する場合には、記録位置をウォブルからモニターしている。すなわち、図69に示すウォブルシンク領域580の位置検出をしたり、無変調領域590、591内ではウォブルの数を数えながら情報記憶媒体上の記録位置の確認を記録と同時に行う。この時にウォブルのカウントミスや情報記憶媒体を回転させている回転モータ(例えば図1のMotor)の回転ムラによりウォブルスリップ(1ウォブル周期分ずれた位置に記録する事)が生じ、情報記憶媒体上の記録位置がずれる事が希にある。本実施形態の情報記憶媒体では上記のように生じた記録位置ずれが検出された場合には、図80の書替え形のガード領域461内、あるいは図61に示した追記形ガード領域452で調整を行い、記録タイミングの修正を行う(図131のポイント(K3))所に特徴がある。図80においてポストアンブル領域546、エキストラ領域544、プリシンク領域533ではビット欠落やビット重複が許容できない重要な情報が記録されるが、バッファ領域547、VFO領域532では特定パターンの繰り返しになっているため、この繰り返し境界位置を確保している限りでは1パターンのみの欠落や重複が許容される。したがって、本実施形態ではガード領域461の中で特にバッファ領域547またはVFO領域532で調整を行い、記録タイミングの修正を行う。
図81に示すように本実施形態では位置設定の基準となる実際のスタートポイント位置はウォブル振幅“0”の(ウォブルの中心)位置と一致するように設定される。しかし、ウォブルの位置検出精度は低いので本実施形態では図81内の“±1 max ”と記載されているように、実際のスタートポイント位置は最大
±1データバイト”までのずれ量 (12)
を許容している。
±1データバイト”までのずれ量 (12)
を許容している。
図80および図81においてデータセグメント530でのランダムシフト量をJmとし(上述したように記録用クラスタ540内は全てのデータセグメント529のランダムシフト量は一致する)、その後に追記するデータセグメント531のランダムシフト量をJm+1とする。(11)式に示すJmとJm+1の取り得る値として例えば中間値を取り、Jm=Jm+1=84であり、実際のスタートポイントの位置精度が充分高い場合には、図80に示すように拡張ガードフィールド528の開始位置とVFO領域522の開始位置が一致する。
これに対してデータセグメント530が最大限後位置に記録され、後で追記または書き替えられるデータセグメント531が最大限前位置に記録された場合には(10)式に明示した値と(12)式の値からVFO領域522の先頭位置がバッファ領域537内へ最大15データバイトまで入り込む事がある。バッファ領域537の直前のエキストラ領域534には特定の重要情報が記録されている。したがって、本実施形態において
バッファ領域537の長さは15データバイト以上 (13)
必要となる。図80に示した実施形態では1データバイトの余裕を加味し、バッファ領域537のデータサイズを16データバイトに設定している。
バッファ領域537の長さは15データバイト以上 (13)
必要となる。図80に示した実施形態では1データバイトの余裕を加味し、バッファ領域537のデータサイズを16データバイトに設定している。
ランダムシフトの結果、拡張ガード領域528とVFO領域522の間に隙間が生じると、片面2記録層構造を採用した場合に、その隙間による再生時の層間クロストークが発生する。そのため、ランダムシフトを行っても必ず拡張ガードフィールド528とVFO領域522の一部が重なり、隙間が発生しない工夫(図131のポイント(K3))がされている。したがって、本実施形態において(13)式の同様な理由から拡張ガードフィールド528の長さは15データバイト以上に設定する必要がある。後続するVFO領域522は71データバイトと充分に長く取ってあるので、拡張ガードフィールド528とVFO領域522の重なり領域が多少広くなっても信号再生時には支障が無い(重ならないVFO領域522で再生用基準クロックの同期を取る時間が充分確保されるため)。したがって、拡張ガードフィールド528は15データバイトよりもより大きな値に設定する事が可能である。連続記録時に希にウォブルスリップが発生し、1ウォブル周期分記録位置がずれる場合がある事を既に説明した。(5)式に示すように1ウォブル周期は7.75(約8)データバイトに相当するので(13)式にこの値も考慮して本実施形態では
拡張ガードフィールド528の長さを(15+8=)23データバイト以上
(14)
に設定している。図80に示した実施形態ではバッファ領域537と同様に1データバイトの余裕を加味し、拡張ガードフィールド528の長さを24データバイトに設定している。
拡張ガードフィールド528の長さを(15+8=)23データバイト以上
(14)
に設定している。図80に示した実施形態ではバッファ領域537と同様に1データバイトの余裕を加味し、拡張ガードフィールド528の長さを24データバイトに設定している。
図80の(e)において記録用クラスタ541の記録開始位置を正確に設定する必要がある。本実施形態の情報記録再生装置では書替え形または追記形情報記憶媒体に予め記録されたウォブル信号を用いてこの記録開始位置を検出する。図69の(d)から分かるようにウォブルシンク領域580以外は全て4ウォブル単位でパターンがNPWからIPWに変化している。それに比べてウォブルシンク領域580ではウォブルの切り替わり単位が部分的に4ウォブルからずれているため、ウォブルシンク領域580が最も位置検出し易い。そのため、本実施形態の情報記録再生装置ではウォブルシンク領域580位置を検出後、記録処理の準備を行い、記録を開始する。そのためレコーディングクラスタ541の開始位置はウォブルシンク領域580の直後の無変調領域590の中に来る必要がある。図81ではその内容を示している。物理セグメント(Physical segment)の切り替わり直後にウォブルシンク領域580が配置されている。図69の(d)に示すようにウォブルシンク領域580の長さは16ウォブル周期分になっている。そのウォブルシンク領域580を検出後、記録処理の準備にマージンを見越して8ウォブル周期分必要となる。したがって、図81に示すようにレコーディングクラスタ541の先頭位置に存在するVFO領域522の先頭位置がランダムシフトを考慮していも物理セグメントの切り替わり目位置から24ウォブル以上後方に配置される必要がある。
図80に示すように書替え時の重複箇所541では何度も記録処理が行われる。書替えを繰り返すとウォブルグルーブまたはウォブルランドの物理的な形状が変化(劣化)し、そこからのウォブル再生信号品質が低下する。本実施形態では図80の(f)または図69の(a),(d)に示すように、書替え時あるいは追記時の重複箇所541がウォブルシンク領域580やウォブルアドレス領域586内に来るのを避け、無変調領域590内に記録されるように工夫(図131のポイント(3Kζ))している。無変調領域590は一定のウォブルパターン(NPW)が繰り返されるだけなので、部分的にウォブル再生信号品質が劣化しても前後のウォブル再生信号を利用して補間できる。このように書替え時あるいは追記時の重複箇所541位置を無変調領域590内に来るように設定したため、ウォブルシンク領域580またはウォブルアドレス領域586内での形状劣化によるウォブル再生信号品質の劣化を防止し、ウォブルアドレス情報610からの安定なウォブル検出信号を保証できると言う効果が生じる。
次に、追記形情報記憶媒体上に記録される追記形データの追記方法の実施形態を図82に示す。本実施例では追記形情報記憶媒体に対してはレコーディングクラスタ内のレイアウトを図79の(b)の方式を採用するが、それに限らす図79の(a)の方式を採用しても良い。追記形情報記憶媒体においては1回のみの記録になるので、上記に説明したランダムシフトを必要としない。追記形情報記憶媒体においても図81に示したように物理セグメントの先頭位置24ウォブル以降にデータセグメントの先頭位置が来る(図131のポイント(K5))ように設定し、重ね書きの場所がウォブルの無変調領域に来るようになっている。
図23の192バイト目“記録マークの極性(“H→L”か“L→H”かの識別)情報”で既に説明したように本実施形態では“H→L”記録膜と“L→H”記録膜の両方の使用を許容している。本実施形態で規定している“H→L”記録膜と“L→H”記録膜の光反射率範囲を図83に示す。本実施形態では“H→L”記録膜の非記録部での反射率下限値が“L→H”記録膜の非記録部での上限値より高くなるように規定(図135のポイント〔M〕)している所に特徴がある。情報記録再生装置あるいは情報再生装置に上記情報記憶媒体を装着した時、図1のスライスレベル検出部132、またはPR等化回路130で非記録部の光反射率を測定し、瞬時に“H→L”記録膜か“L→H”記録膜の判別が出来るので、記録膜の種別判別が非常に容易になる。多くの製造条件を変えて作成した“H→L”記録膜と“L→H”記録膜を作成して測定した結果、“H→L”記録膜の非記録部での反射率下限値と“L→H”記録膜の非記録部での上限値の間の光反射率αを36%にする(図135のポイント(M1))と記録膜の製造性が高く、媒体の低価格化が容易である事が分かった。“L→H”記録膜の非記録部(“L”部)の光反射率範囲801を再生専用形情報記憶媒体における片面2記録層の光反射率範囲803に一致させ(図135のポイント(M3))、“H→L”記録膜の非記録部(“H”部)の光反射率範囲802を再生専用形情報記憶媒体における片面単層の光反射率範囲804に一致させる(図135のポイント(M2))と、再生専用形情報記憶媒体との互換性が良く、情報再生装置の再生回路を兼用化出来るので情報再生装置を安価に作ることができる。多くの製造条件を変えて作成した“H→L”記録膜と“L→H”記録膜を測定した結果、記録膜の製造性を高めて媒体の低価格化を容易にするために、本実施形態では“L→H”記録膜の非記録部(“L”部)の光反射率の下限値βを18%、上限値γを32%とし、“H→L”記録膜の非記録部(“H”部)の光反射率下限値δを40%、上限値εを70%にした。
本実施形態における各種記録膜での非記録位置と既記録位置での反射率を図114、図115に示す。図83のように非記録部での光反射率範囲を規定することにより、グルーブレベルを基準として“L→H”記録膜ではエンボス領域(システムリードインSYLDIなど)と記録マーク領域(データリードイン/アウトDTLDI、DTLDOやデータ領域DTA)で同じ方向に信号が現れる。同様に、“H→L”記録膜ではグルーブレベルを基準としてエンボス領域(システムリードインSYLDIなど)と記録マーク領域(データリードイン/アウトDTLDI、DTLDOやデータ領域DTA)で反対方向に信号が現れる。この現象を利用し、“L→H”記録膜と“H→L”記録膜間での記録膜識別に使えるだけでなく、“L→H”記録膜と“H→L”記録膜に対応した検出回路設計が容易となる。
上述した実施の形態に示された作用効果をまとめると次の通りである。
図125〜図135に実施形態に関するポイントを纏めて記載する。それぞれのポイントを組み合わせた時の効果を図125〜図135の列で示し、各効果の寄与率の最も高い部分に☆の印を示し、寄与率の高い順に二重丸(◎)、丸(○)、三角(△)の印を付加した。それぞれのポイントを組み合わせた時の効果を概説すると
効果1.最適記録条件割り出し:安定にバーストカッティング領域BCAを検出後、スライスレベル検出で安定に読み取ったリムインテンシティの値で推奨記録条件情報が使えるか否か判断し、使えないと判断した場合にはドライブテストゾーンで記録条件の丁寧な割り出しが必要となるので、テストゾーンの拡張とその位置管理が必要となる。この効果に寄与するポイントは、(E2)、(G3);(A1)、〔B〕、(B1)、(E3)、(E4)、(E6)、〔G〕、(G2);〔A〕、(B4)、(G1)、(G1α);(B2)、(B3)、〔E〕、(E1)の順である。すなわち、寄与率の高いポイントは(E2)ドライブテストゾーンの拡張を可能とする(図18)ことにより、試し書き回数を増やして記録精度を上げられることと、(G3)記録条件の先行位置に光学系条件情報を配置(図23)ことにより、直後配置の記録条件の適合可否を高速に判定可能であることである。
効果1.最適記録条件割り出し:安定にバーストカッティング領域BCAを検出後、スライスレベル検出で安定に読み取ったリムインテンシティの値で推奨記録条件情報が使えるか否か判断し、使えないと判断した場合にはドライブテストゾーンで記録条件の丁寧な割り出しが必要となるので、テストゾーンの拡張とその位置管理が必要となる。この効果に寄与するポイントは、(E2)、(G3);(A1)、〔B〕、(B1)、(E3)、(E4)、(E6)、〔G〕、(G2);〔A〕、(B4)、(G1)、(G1α);(B2)、(B3)、〔E〕、(E1)の順である。すなわち、寄与率の高いポイントは(E2)ドライブテストゾーンの拡張を可能とする(図18)ことにより、試し書き回数を増やして記録精度を上げられることと、(G3)記録条件の先行位置に光学系条件情報を配置(図23)ことにより、直後配置の記録条件の適合可否を高速に判定可能であることである。
効果2.再生回路設定方法:安定にバーストカッティング領域BCA検出後、スライスレベル検出で安定に読み取った“H→L”、あるいは“L→H”の識別情報を高速に読み出し、参照コードを利用してPR(1,2,2,2,1)に合わせた最適な回路調整を行う。この効果に寄与するポイントは、(A3)、(G2);(A1)、(A2)、〔B〕、(B1)、〔G〕;〔A〕(B4);(B2)、(B3)の順である。すなわち、寄与率の高いポイントは(A3)参照コードパターンは“3T3T6T”繰り返し(図16)ことにより、ETM&RLL(1,10)とPRMLに最適化することと、(G2)記録マークの極性情報を物理フォーマット情報、もしくはR物理フォーマット情報内に持つ(図23)ことにより、H→L形とL→H形記録膜の両方を許容して、記録膜の選択範囲を広げ高速記録や低価格化に対応することである。
効果3.ユーザ記録情報再生時の高い信頼性を確保:安定にバーストカッティング領域BCA検出後、スライスレベル検出でシステムリードイン情報を再生後、PRML法を用いてユーザ記録情報を再生する。欠陥場所の代替え処理により記録情報の信頼性を確保する。再生時のサーボの安定化である。この効果に寄与するポイントは、〔A〕、(A1)、〔H〕、(H1)、(H2)、(H3)、(H4)、(H5);(C3α)、(C3β)、(C6)、(C7)、(G2)、〔I〕(J1)、〔K〕、(L10)、(L10β)、(L11);(A2)、〔B〕、(G1)、(K1)、(K2)、(K3)、(K3)、(L3)、(L6α)、(L7)、(L10α);(B1)、(B2)、(B4)、(C3)、(C4α)、(C8α)、〔F〕、(K3α)、(K3β)、(K3γ)、(K3δ)、(K3ε)、(K3ζ)、(K4)、(K5)、(L1)、(L1α)、(L1β)、(L2)、(L11α)、〔M〕(M1)、(M2)、(M3)、〔N〕、(N1)、(N1α)、(N2)、(N3)、(N4)である。すなわち、寄与率の高いポイントは〔A〕データ領域、データリードイン領域、データリードアウト領域では再生にPRMLを使う(図5、図9)ことにより、情報記憶媒体の高密度化、特に線密度が向上する、(A1)PR(1,2,2,2,1)を利用する(図7)ことにより、高密度化+再生信号の信頼性が向上する、〔H〕同一のデータフレーム内を複数の小ECCブロックに分散配置する(図35)ことにより、エラー訂正能力を向上させる事により記録データの信頼性が向上すること、(H1)同一の物理セクター内を2個の小ECCブロック内に交互に所属させる(図35、図37)ことにより、バーストエラーに強い構造を提供できる、(H2)32物理セクターで一つのECCブロックを構成(図31)ことにより、エラー訂正可能な媒体表面傷の許容長を拡大、(H3)偶数セクターと奇数セクターで物理セクター内のデータ構造が異なる(図37)ことにより、PO挿入方法が簡単で、エラー訂正後の情報抽出容易で、ECCブロック構築処理の簡素化が図れる、(H4)レコーディング・フレームの偶数と奇数でPOの挿入場所が違う(図37)ことにより、物理セクターの先頭にデータIDが配置できる、(H5)レコーディング・フレームの奇数と偶数でデータIDが含まれる小ECCブロックが異なる(交互に配置される)(図84)ことにより、データIDの再生信頼性を向上させ、アクセスの信頼性が高まることである。
効果4.記録(書替えまたは追記)場所へのアクセス時間の短縮化:欠陥管理情報により記録(書替えまたは追記)場所を事前に確認。アドレス情報再生時の信頼性向上である。この効果に寄与するポイントは、〔J〕、(K3)、〔L〕、(L6);(H5)、(H6)、(J2)、(J3)、(J4)、(J5)、(L5α);(C3α)、(C3β)、〔E〕、(E1)、(E2)、(E3)、(E4)、(E5)、(E6)、(E7)、〔H〕、(H1)、(H2)、(J1)、(J1α)、(J2α)、(J2β)、(J3α)、(J3β)、(J3γ)、(J3δ)、(J3ε)、(J4α)、(J4β)、(J4γ)、(J4δ)、(J4ε)、(J5α)、(J5β)、(J5γ)、(J5δ)、(J5ε)、(J5ζ)、(J6);(H3)、〔N〕、(N1)、(N1α)、(N2)、(N3)、(N4)である。すなわち、寄与率の高いポイントは〔J〕ウォブルの位相変調によりアドレス情報を事前記録(図64)ことにより、スロット間隔が狭く、ウォブル信号の同期が容易、(K3)記録位置ずれ発生時にガード領域内で位置調整をする(図80)ことにより、記録時の位置ずれに対する記録タイミングが修正できる、〔L〕再生時に最新のRMDを再生し、追記後に更新されたRMDをRMZ内に追記する(図87、図90、図91)ことにより、最後の状態での記録位置管理情報RMDの追記/再生で追記回数の増加と再生時の高速アクセス可、(L6)RMDディプリケーションゾーンRDZを再生した後に最新の記録位置管理データRMDの記録位置を検索する(図108)ことにより、RMDディプリケーションゾーンRDZを用いた粗検索と最終ボーダー内密検索による検索の容易性である。
効果5.安定かつ精度の良い記録マークの記録:安定なトラッキングと記録場所の確認と、記録速度情報に基づき最適な速度で記録することである。この効果に寄与するポイントは、(G1)、(G1α)、(G3)、(K3);〔E〕、(E1)、(E2)、(E3)、(E4)、(E5)、(E6)、(E7)、〔J〕、(J2)、(J3)、(J4)、(J5)、〔K〕、(K3α)、(K3β)、(K3γ)、(K3δ)、(K3ε)、(K3ζ)、(K4)、(K5);〔A〕、(A1)、(A2)、(A3)、(J2α)、(J2β)、(J3α)、(J3β)、(J3γ)、(J3δ)、(J3ε)、(J4α)、(J4β)、(J4γ)、(J4δ)、(J4ε)、(J5α)、(J5β)、(J5γ)、(J5δ)、(J5ε)、(J5ζ)、(J6)、(K1)、(K2)、(K3)である。すなわち、寄与率の高いポイントは(G1)記録速度に応じたリビジョン情報を持たせる(図23)ことにより、将来の高速記録対応の媒体への拡張機能を保証、リビジョンと言う簡単な方法で規格を対応できる、(G1α)記録速度の最高値と最低値でリビジョン番号を別に設定可能とする(図23)ことにより、開発可能記録膜の選択範囲を広げる事でより高速記録が可能な媒体や、より低価格な媒体が供給可能、(G3)記録条件の先行位置に光学系条件情報を配置(図23)ことにより、直後配置の記録条件の適合可否を高速に判定可能、(K3)記録位置ずれ発生時にガード領域内で位置調整をする(図80)ことにより、記録時の位置ずれに対する記録タイミングが修正できることである。
効果6.“L→H”記録膜と“H→L”記録膜の両方に対応し、回路の共通化を図り制御の簡素化を実現する。この効果に寄与するポイントは、(B3)、(G2)、〔M〕、(M1);〔A〕、(A1);(M2)、(M3);(A2)、(A3)、〔B〕、(B1)、(B2)である。すなわち、寄与率の高いポイントは(B3)L→H膜でバーストカッティング領域に微細凹凸を形成する(図9)ことにより、BCAとSYLDIで検出レベルが一致(処理が楽)と、(G2)記録マークの極性情報を物理フォーマット情報、もしくはR物理フォーマット情報内に持つ(図23)ことにより、“H→L”形と“L→H”形記録膜の両方を許容して、記録膜の選択範囲を広げ高速記録や低価格化に対応と、〔M〕“H→L”記録膜反射率下限値が“L→H”記録膜の上限値より高い(図83)ことにより、反射率測定のみで記録膜の種別判別が非常に容易と、(M1)“H→L”の下限値と“L→H”上限値の間の反射率36%(図83)ことにより、記録膜の製造性が高く低価格化が容易ということである。
効果7.データ構造に拡張性を持たせて管理方法の柔軟性を拡大する:記録位置管理ゾーン(RMZ)やテストゾーン(DRTZ)の領域に拡張性を持たせることで追記可能回数の上限値や試し書き回数の上限値が向上する。拡張領域設定によりアクセス頻度が上昇するが、アドレス情報や記録情報の信頼性を向上する事で、アクセス時の信頼性を向上させてアクセス時の装置制御負担(アクセス時のエラー処理による負担)を軽減する。この効果に寄与するポイントは、〔C〕、(C1)、(C3)、(C4)、(C8)、(G1)、(L6α)、(L7)、(L8)、(L11α);(C3α)、(J5)、(J5ζ)、(L4)、(L6)、(L13)、(L14);(C3β)、(C6)、(C7)、(C8α)、〔E〕、(E1)、(E2)、(E3)、(E4)、(E5)、(E6)、(E7)、〔H〕、(H1)、(H2)、(H3)、(H4)、(H5)、(H6)、(J2)、(J2β)、(J3)、(J5α)、〔K〕(K3)、〔L〕(L1)、(L1α)、(L1β)、(L2)、(L3)、(L4β)、(L4β)、(L5)、(L5α)、(L9)、(L9α)、(L10)、(L10α)、(L10β)、(L11)、(L12)、(L12α)、(L12β)、(L12γ)、(L13α)、(L13β)、(L14α)、〔M〕、〔N〕、(N1)、(N1α)、(N2)、(N3)、(N4);(C2)、(C4α)、(C5)、(J2α)、(J5β)、(J5γ)、(J5δ)、(M1)、(M2)、(M3)である。すなわち、寄与率の高いポイントは〔C〕記録位置管理ゾーンを拡張可能にする(図92、図93)ことにより、RMD記録領域拡張でき、追記可能上限回数増大と、(C1)ボーダーインBRDI毎に記録位置管理ゾーンが設定可能(図86)ことにより、ボーダー内領域の追記回数を大幅に増やせると、(C2)最初のボーダー内領域BRDA#1の記録位置管理ゾーンをデータリードイン領域DTLDI内に配置する(図16)ことにより、最初のボーダー内領域のボーダーインをデータリードインと兼用する事でデータ領域の有効活用が可能と、(C3)データリードイン領域DTLDI内にRMDディプリケーションゾーンRDZを配置する(図16)ことにより、記録位置管理データRMDを一部重複して持つ事で欠陥等により再生不能時の復元を可能にする、(C3α)ボーダー内領域に関係した最後の記録位置管理データRMDをRMDディプリケーションゾーンRDZ内記録(図16)ことにより、RMDディプリケーションゾーンRDZ内を有効活用して追記可能回数を向上できる、(C3β)新たなRMZが作られる毎にRMDディプリケーションゾーンRDZ内に最後のRMDが記録される(図17)ことにより、追記形情報記憶媒体への追記可能回数を大幅増大、最新のRMD位置検索が容易で、RMD信頼性向上と、(C4)データリードイン領域内にRDZリードインを記録する(図17)ことにより、製造直後か1回でも使用したかの識別が可能と、(C4α)RMDディプリケーションゾーンRDZ内にRDZリードインRDZLI配置(図17)ことにより、必要情報収集に必要な時間の短縮化が図れる、(C5)RDZLIサイズまたはRMDサイズを64KBにする(図17)ことにより、RDZLIまたはRMDの記録効率低下防止可能と、(C6)RMDのコピーCRMDが多重書きされる(図86)ことにより、RMDのコピーCRMDの信頼性向上と、(C7)アップデートされた物理フォーマット情報が多重書き(図86)ことにより、アップデートされた物理フォーマット情報の信頼性向上と、(C8)Rゾーンを拡張記録位置管理ゾーンRMZに使用する(図103)ことにより、同一ボーダー内領域の追記回数を大幅に増やせると、(G1)記録速度に応じたリビジョン情報を持たせる(図23)ことにより、将来の高速記録対応の媒体への拡張機能を保証、リビジョンと言う簡単な方法で規格を対応できると、(L6α)RMDでRMZ位置の管理に利用する(図92)ことにより、RDZによるRMZ位置検索が容易となると、(L7)初期化時か、Rゾーン予約・Rゾーンのクローズ時か、ボーダークローズ時か記録中断時にRMDの更新を行う(図89、図101)ことにより、RMD更新により再生時の検索制御簡素化や追記時の記録可能領域の検索容易性を確保と、(L8)RMZ内が満杯になるかRMZ内の残りの予約領域が少なくなった時には新たなRMZの作成を行う(図91)ことにより、RMZ内が満杯になり更新されたRMDの追記不可能で追記処理が不能になるのを防ぐと、(L11α)拡張ドライブテストゾーンEDRTZも新たなデータリードアウト領域NDTLDO内に含める(図119、図120、図18)ことにより、再生専用装置が誤って拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内にアクセスするのを防止する。
効果8.異なる種類の媒体間の互換性を確保し、情報再生装置/情報記録再生装置の簡素化を図る:新たな記録位置管理ゾーン(RMZ)の設定時やボーダークローズ時にデータの隙間を特定データで埋める事で情報再生装置でのDPD方式を利用した安定したトラッキングを保証する。バーストカッティング領域BCA情報や物理フォーマット情報などの各種媒体間の互換性を確保する事で、制御回路の共通化による情報再生装置/情報記録再生装置の簡素化と低価格化を実現できる。同時に、そこに記録されている情報に対する再生時の安定化を確保する事で情報再生装置/情報記録再生装置の一層の簡素化と低価格化が推進可能となる。この効果に寄与するポイントは、〔A〕、〔B〕、(B1)、〔G〕、〔H〕、(L2)、(L10)、(L10β)、(L11α)、〔N〕;(A1)、(A2)、(A3)、(B2)、(B4)、〔F〕、(H1)、(H2)、(H3)、(H4)、(H5)、(H6)、(J5ε)、(L3);〔L〕、(L1)、(L1α)、(L1β);(B3)である。すなわち、寄与率の高いポイントは〔A〕データ領域、データリードイン領域、データリードアウト領域では再生にPRMLを使う(図5、図9)ことにより、情報記憶媒体の高密度化、特に線密度が向上すると、〔B〕システムリードイン領域、システムリードアウト領域では再生にスライスレベル検出方式を使う(図3、図9)ことにより、現行DVDとの互換性確保と再生の安定化と、(B1)システムリードイン/アウト領域の密度をデータリードイン/アウト領域よりも低くする(図13〜図15)ことにより、現行DVDとの互換性確保と再生の安定化と、〔G〕物理フォーマットの情報配置位置を共通化(図22)ことにより、装置の情報再生処理の共通化と簡素化が図れると、〔H〕同一のデータフレーム内を複数の小ECCブロックに分散配置する(図35)ことにより、エラー訂正能力を向上させる事により記録データの信頼性が向上すると、(L2)対応ボーダー内領域クローズ時またはファイナライズ時に予約領域を最後の記録位置管理データRMDで全て埋める(図17、図85)ことにより、DPDによるトラッキングの安定性確保、最後の記録位置管理データRMDの信頼性確報と、(L10)ボーダークロース時にはRMZを埋める、PFIの記録、ボーダーアウトBRDOの記録が行われる(図94)ことにより、再生専用装置での安定したトラッキングと記録情報のアクセス処理を保証すると、(L10β)ボーダークローズ時にはRゾーン内を埋める(図97)ことにより、DPDによるRゾーン内のトラック外れ防止と、(L11α)2番目以降のボーダー内領域BRDAをクローズする時にはRDZ内への最新RMDのコピー処理を行う(図95)ことにより、2番目以降のボーダー内領域BRDAのRMZ位置検索が容易となり、アクセス制御が容易・信頼化と、〔N〕データID内領域タイプ情報935によりデータリードアウト位置の識別情報を設定する(図118、図119、図120)ことにより、アクセス直後にデータIDから容易にデータリードアウト位置が分かりアクセス制御が容易である。
さらに図136、図137には、本実施形態に係る書替え形情報記憶媒体におけるデータ領域内のグループ構造を示している。図138には、ウォブルデータユニット内での変調領域の1次配置場所と2次配置場所に関する変調領域配置であって、他の実施形態を示している。また図139には、追記形情報記憶媒体上に記録される追記形データの追記方法に関する他の実施形態を示している。さらに図140には制御データゾーン内のデータ構造に関する他の実施形態を示し、図141には、物理フォーマット情報とR物理フォーマット情報に関する他の実施形態を示している。
図12に示した書替え形情報記憶媒体におけるデーター領域内のグループ構造を図136、図137に示す。
図12に示すように物理セクター番号をランド(L)側を若い番号に設定している。図18に示す代替え領域SPAが図136、図137のSpare area に対応し、代替え領域SPAはデーター領域DTA内の最内周のランド領域(物理セクター番号"30000h"から"41F7F"の領域)に設置されている。
図74(b)に対する他の実施例を図138(b)に示す。図138において(a)、(c)、(d)は図74の(a)、(c)、(d)と一致する。図74(b)では IPW 領域に4ウォブル、IPW 領域に囲まれた NPW 領域に6ウォブルを割り当てているが、それに限らず図138(b)のように IPW 領域に6ウォブル、IPW 領域に囲まれた NPW 領域に4ウォブルを割り当てても良い。
図82に示した追記形情報記憶媒体への追記方法に関する他の実施例を図139に示す。
物理セグメントブロックの境界位置から24ウォブル後方の位置が書き込み開始ポイントになっている。ここから新たに追記されるデーターは71データーバイト分のVFO領域を形成した後、ECCブロック内のデーター領域(データーフィールド)が記録される。この書き込み開始ポイントと直前に記録した記録データーのバッファー領域537の終了位置が一致し、それより8データーバイト分の長さだけ拡張ガードフィールド528が形成された後ろが追記データーの記録終了位置(書き込み終了ポイント)になる。従ってデーターを追記した場合には、直前に記録されている拡張ガードフィールド529と新たに追記するVFO領域の部分で8データーバイト分だけ重複記録される。
図22に示した制御データーゾーン内のデーター構造に関する他の実施例を図140に示す。
図16(c)に示すように制御データーゾーンCDZはエンボスピット領域211の一部として構成されている。この制御データーゾーンCDZは物理セクター番号151296(02 4F 00 h)で始まる192個のデーターセグメントから構成されている。図140の実施例では制御データーゾーンCDZ内は16データーセグメントで構成される制御データーセクションCTDSと16データーセグメントで構成されるコピーライトデーターセクションCPDSがそれぞれ2箇所ずつ配置され、その間にはリザーブ領域RSVが設定されている。2箇所ずつ配置することで記録情報の信頼性を向上させると共に間にリザーブ領域RSVを配置することで2箇所間の物理的な距離を広げ、情報記憶媒体表面の傷などにより発生するバーストエラーに対する影響を軽減している。
1個の制御データーセクションCTDSの中は図140(c)に示すように相対的な物理セクター番号が"0"から"2"までの最初の3個の物理セクター情報が16回繰り返して記録されている。このように16回多重書きする事で、記録情報の信頼性を向上させている。相対的な物理セクター番号が"0"であるデーターセグメント内の最初の物理セクターには図23または図141に記載された物理フォーマット情報PFIが記録される。また相対的な物理セクター番号が"1"であるデーターセグメント内の2番目の物理セクターには媒体製造関連情報DMIが記録されている。
更に相対的な物理セクター番号が"2"であるデーターセグメント内の3番目の物理セクターにはコピーライトプロテクション情報CPIが記録される。相対的な物理セクター番号が"3"から"31"までのリザーブ領域RSVにはシステムで使用できるようにリザーブされている。
上記の媒体製造関連情報DMIの中身としては0バイト目から127バイト目までの128バイトに媒体製造社名( Disc Manufacturer's name )が記録され、128バイト目から255バイト目までの128バイトに媒体製造者が存在する場所情報(何処でこの媒体が製造されたかを示す情報)が記録される。
上記媒体製造社名はASCIIコードで記載される。但し、媒体製造者名として使用可能なASCIIコードは"0Dh"までと"20h"から"7Eh"までに限られている。この領域内の最初の1バイト目から媒体製造者名が記載され、この領域内の余った部分には"0Dh"のデーターで埋められる(ターミネートされる)。あるいは他の記載方法として媒体製造者名として記載可能サイズを
最初から"0Dh"までの範囲とし、それよりも媒体製造者名が長い場合には"0Dh"までで打ち切り、"0Dh"より後は"20h"のデーターで埋めても良い。
最初から"0Dh"までの範囲とし、それよりも媒体製造者名が長い場合には"0Dh"までで打ち切り、"0Dh"より後は"20h"のデーターで埋めても良い。
またどこでこの媒体が製造されたかを示す上記の媒体製造者が存在する場所情報は該当する国名( country )または地域(region )をASCIIコードで記載する。ここの領域も媒体製造者名と同様に使用可能なASCIIコードは"0Dh"までと"20h"から"7Eh"までに限られている。この領域内の最初の1バイト目から媒体製造者が存在する場所情報が記載され、この領域内の余った部分には"0Dh"のデーターで埋められる(ターミネートされる)。あるいは他の記載方法として媒体製造者が存在する場所情報として記載可能サイズを最初から"0Dh"までの範囲とし、それよりも媒体製造者が存在する場所情報が長い場合には"0Dh"までで打ち切り、"0Dh"より後は"20h"のデーターで埋めても良い。
また、図140(c)のリザーブ領域RSV内は全て"00h"のデーターで埋められる。
図23に示した物理フォーマット情報とR物理フォーマット情報内のデーター構造に関する他の実施例を図141に示す。図141では更に"アップデートされた物理フォーマット情報"に付いても比較記載した。図141において0バイト目から31バイト目までをDVDファミリー内の共通情報269の記録領域として利用し、32バイト目以降を各規格書用に設定している。
追記形情報記憶媒体において、図16(c)に示すようにデーターリードイン領域DTLDI内のR物理情報ゾーンRIZ内に記録されたR物理フォーマット情報(R-physical format information)は図88の所で説明したように物理フォーマット情報PFI(HD_DVDファミリーの共通情報のコピー)にボーダーゾーンの開始位置情報(First border の最外周アドレス)が付加されて記録されている。また、図21(d)または図86(d)に示すボーダーインBRDI内のアップデートされた物理フォーマット情報U_PFI内には図88の所で説明したように物理フォーマット情報PFI(HD_DVDファミリーの共通情報のコピー)にアップデートされた開始位置情報(自己borderの最外周アドレス)が付加されて記録されている。図23ではこのボーダーゾーンの開始位置情報が197バイト目から204バイト目までに配置されているのに対して、図141に示した実施例ではピークパワーやバイアスパワー1など記録条件に関する情報(各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264)よりも先行した位置で有り、かつDVDファミリー内の共通情報269よりも後の位置である133バイト目から140バイト目に配置される所に特徴が有る。
またアップデートされた開始位置情報もボーダーゾーンの開始位置情報と同様にピークパワーやバイアスパワー1など記録条件に関する情報(各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264)よりも先行した位置で有り、かつDVDファミリー内の共通情報269よりも後の位置である133バイト目から140バイト目に配置される。将来リビジョン番号がアップしてより精度の高い記録条件が求められた結果、書替え形情報記憶媒体の記録条件情報として197バイト目から207バイト目までを使用する可能性が有る。この場合には図23の実施例のように追記形情報記憶媒体内に記録されるR物理フォーマット情報のボーダーゾーンの開始位置情報を197バイト目から204バイト目に配置すると、記録条件の配置位置に関する書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体間での対応(互換性)が崩れる危険性がある。図141に示すようにボーダーゾーンの開始位置情報とアップデートされた開始位置情報を133バイト目から140バイト目に配置する事で将来記録条件に関する情報量が増加しても書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体間での各種情報間の記録位置の対応(互換性)が確保できると言う効果が有る。ボーダーゾーンの開始位置情報に関する具体的な情報内容は133バイト目から136バイト目に現在使用している(カレントの)ボーダー内領域BRDAの外側にあるボーダーアウトBRDOの開始位置情報が物理セクター番号(PSN:Physical Sector Number )で記載され、137バイト目から140バイト目には次に使用されるボーダー内領域BRDAに関するボーダーインBRDIの開始位置情報が物理セクター番号(PSN)で記載されている。
また、アップデートされた開始位置情報に関する具体的な情報内容はボーダー内領域BRDAが新たに設定された場合の最新のボーダーゾーン位置情報を示し、133バイト目から136バイト目に現在使用している(カレントの)ボーダー内領域BRDAの外側にあるボーダーアウトBRDOの開始位置情報が物理セクター番号(PSN:Physical Sector Number )で記載され、137バイト目から140バイト目には次に使用されるボーダー内領域BRDAに関するボーダーインBRDIの開始位置情報が物理セクター番号(PSN)で記載されている。また、次のボーダー内領域BRDAが記録不可能な場合には、ここ(137バイト目から140バイト目)は全て"00h"で埋められる。
また、図23に示した実施例に比べて図141の実施例では"媒体製造メーカー名情報"と"媒体製造メーカーからの付加情報"が削除され、128バイト目から記録マークの極性(H→LかL→Hかの識別)情報が配置される。
次に欠陥管理における特徴的な部分の実施の形態についてさらに具体的に説明する。
まず、図142〜図155を参照して、第1の欠陥管理方法について説明する。図142は、この発明の一実施の形態に係る情報記憶媒体(光ディスク)のデータ構造の概略を示す図である。図142に示すように、情報記憶媒体は、DMAの間にスペアエリアSA及びユーザエリアUAを備えたデータ構造を有する。なお、図142に示すデータ構造は、この発明の情報記憶媒体のデータ構造の一例に過ぎず、この発明の情報記憶媒体のデータ構造は、これに限定されるものではない。
ユーザエリアUAは、ユーザデータを格納するためのエリアである。スペアエリアSAは、ユーザエリア上に存在する欠陥エリアに記録されるべきデータが交替記録されるエリアである。欠陥エリアは、ECC(Error Correction Code)ブロック単位のエリアである。つまり、ECCブロックの単位のデータが、スペアエリアSAに交替記録されることになる。後述するが、DMAは、DMA counter(オーバーライト管理エリア)を備えるように構成してもよい。その場合、このDMA counterのカウント値には、DMAに対するオーバーライト回数が反映される。
図143は、交替処理を示すフローチャートである。図143に示すように、ユーザエリア中に発生した欠陥エリアに記録されるべきデータはスペアエリアSAに交替記録される(STT1)。その上、交替元(欠陥エリア)と交替先(スペアエリアSAの所定エリア)の先頭アドレスが、DMA内のSDL(Secondly Defect List)に登録される。DMAは、例えば図142に示すように、情報記録媒体の内周及び外周に配置されており、両DMAのSDLには同一のデータが登録される。SDLに対して情報が登録されると、SDLのアップデートカウンタがインクリメント(+1)される(STT2)。
従来、DMAは媒体上の固定物理アドレスエリアに配置されている。さらに、DMAに対する耐障害性を高めるために、同一の内容が格納されたDMAが媒体上の複数箇所に配置されている。例えば、DVD−RAMの場合は、DMAは最内周に2カ所、最外周に2カ所、合計4カ所にDMAが配置されており、4つのDMAには同一の内容が記録されるようになっている。
図144は、この発明の情報記憶媒体中に配置されるDMAのデータ構造の概略を示す図である。図144に示すように、情報記憶媒体は複数のDMAを持ち、各DMAはDDS/PDLブロックとSDLブロックにより構成されている。DDS(Disc Definition Structure)はディスク定義構成であり、1物理セクタの長さであり、ディスクのフォーマットされた構成を特定している。PDLは、Primarily Defect Listの略である。DDS/PDLブロックもSDLブロックも、1ECCブロック(=32KB)である。なお、ここでは、一例として、1ECCブロックが32KBのケースについて説明するが、1ECCブロックを64KBで構成することもできる。64KBで構成されるECCブロックについては、後に詳しく説明する。
この発明の情報記憶媒体は、DMAの耐障害性を高めるために、使用中のDMAが弱くなった時点で、このDMAに格納された欠陥管理情報を、新たなDMAに推移するように定義されている。DMAが弱くなった場合とは、このDMAに対するオーバーライト回数がこのDMAを持つ媒体のオーバーライト許容回数に迫ってきた場合、又はこのDMA上で欠陥が増加してエラー訂正ができなくなる可能性が出てきた場合である。
各DMAはドライブ内の真の記録単位であるECCブロックの整数倍のサイズで構成される。DVD−RAMでは1ECCブロックは16セクタで構成されており、1ECCブロックのサイズは32KBである。PDLは初期欠陥登録用のリストであり、SDLは2次欠陥登録用リストである。PDLには、媒体をフォーマットする時に実行されるサーティファイにおいて見つけられた欠陥、即ち初期欠陥に関する欠陥管理情報が登録される。これに対して、SDLには、通常の記録時(例えばユーザデータ記録時)において見つけられた欠陥、即ち2次欠陥に関する欠陥管理情報が登録される。欠陥管理情報には、交替元のアドレスと交替先のアドレスが含まれている。これらのリストのサイズが大きくなれば登録可能な欠陥数が増える。DMA0〜DMAnはシーケンシャルに配置されており、DMA0から順に使用される。
図145は、DMAに含まれるDDS/PDLブロックの先頭セクタ内に記述されるコンテンツの一例を示す図である。DDS/PDLブロックの所定のエリアには、4バイトのDDS/PDL update counter、及び4バイトのDMA rec-counter 1などが配置されている。
DDS/PDLブロックの内容が更新される度に、DDS/PDL update counterがインクリメント(+1)される。DMA rec-counter 1はDDS/PDLブロックが、書き換えられた時にカウントアップされるカウンタである。媒体の初期化(初回)の時点で、全てのDMA rec-counter 1にはゼロがセットされる。このcounterの使い方については後記する。
図146は、DMAに含まれるSDLブロックに記述されるコンテンツの一例を示す図である。SDLブロックの所定のエリアには、4バイトのSDL update counter、4バイトのDMA rec-counter 2、及び複数のSDLエントリなどが配置されている。
即ち、SDLブロックは、バイトポジション(BP)0−1に、SDL識別子が記述され、バイトポジション(BP)4−7に、SDL update counter、バイトポジション(BP)4−7に、DMA rec-counter 2が記述される。
SDLブロックもDDS/PDLブロックと同様に、SDLブロックの内容が更新される度に、SDL update counterがインクリメント(+1)される。したがって、このカウンタでは、SDL物理セグメントブロックの更新動作のトータル数が特定される。補足用予備領域の開始物理セクタ番号(Start Physical sector number of Supplementary spare area)では、最初、予備領域がアロケイトされていないときは、オールゼロがセットされる。この予備領域は、物理セグメントの第1の物理セクタから開始される。 論理セクタの総数(Total number of Logical sectors)は、ユーザエリア内の論理セクタの総数を示す。
DDS/PDLupdate counterは、DDS/PDL物理セグメントブロックのアップデート及び書き換えの総数を示す。予備領域フルフラッグ(Spare area full flags)は、対応する予備領域の予備物理セグメントブロックの利用可能性を示している。これが装置に判断されることで、円滑な処理が可能である。このフラッグは、予備領域がアロケイトされてないとき、あるいは使い尽くされているときは、“1”にセットされる。また予備領域がアロケイトされたときあるいは拡張されたときには、“0”となる。SDL内のエントリ数(Number of entries in the SDL)は、このSDL内のエントリ数を示している。
DMA rec-counter 2はSDLブロックが、更新あるいは書き換えられた時にカウントアップされるカウンタである。SDLには2次欠陥に関する管理情報が記述される。媒体の初期化(初回)の時点で、全てのDMA rec-counter 2にはゼロがセットされる。このcounterの使い方については後記する。
図147は、SDLに含まれる複数のSDLエントリのうちの一つのSDLエントリのデータ構造の一例を示す図である。一つのSDLエントリは、例えば8バイトで構成されている。一つのSDLエントリには、交替元のアドレスのアドレスを記述するための3バイトのフィールド、及び交替先のアドレスのアドレスを記述するための3バイトのフィールドが配置されている。交替は、例えばECCブロック単位で行われる。交替元のアドレスのフィールド及び交替先のアドレスのフィールドには、それぞれのECCブロックに含まれる先頭セクタのアドレスが登録される。図147に示すデータ構造の例では、アドレス指定用に3バイトのフィールドが割り当てられているが、媒体がより大容量になれば(アドレス空間が大きくなれば)、アドレス指定用のフィールドのサイズも大きくなる。
図148は、DMA系列の使用方法を説明するための状態遷移図である。DMA系列は、DMA0〜nまでの(n+1)個のDMAを備えている。DMA0を現在使用中のDMAとすると、DMA1〜nまでのDMAは予備のDMAと言える。
DMA系列に含まれる複数のDMAは、DMA0から順番に使用される。初期状態ではDMA0が使用され、DMA1以降は未使用状態である。DMA0に欠陥が増えたり、オーバーライト数が規定数を超えたりした場合には、DMA0は使用済みエリアとなり、DMA0に格納されていた欠陥管理情報はDMA1に交替記録される。以降同様にDMAを順番に使用することで、DMAにおいて欠陥やオーバーライトダメージが生じても、システムとして破綻させることなく媒体を使用し続けることができる。
図149は、DMAに配置された各カウンタの状態とDMAの推移との関係「その1」を示す図である。ここで示すDDS/PDL update counter及びSDL update counterは、DMAが遷移しても(DMA0→DMA1に遷移しても)、累積してカウントする累積カウンタである。
図149に示すように、DMAの所定エリアにはDMA counterが配置されている。このDMA counterは、DMAが書き換えられた場合にインクリメントされるカウンタである。即ち、DMAに含まれるDDS/PDLブロックのDMA rec-counter 1のカウント値、及びDMAに含まれるSDLブロックのDMA rec-counter 2のカウント値のうちの、大きい方の値が、DMA counterのカウント値である。
つまり、このDMA counterのカウント値をチェックすることで、現在使用中のDMAに対して何回オーバーライトが実行されたかを知ることができる。言い換えると、このDMA counterのカウント値は、DMAに対するオーバーライトに伴いDMAが受けているダメージを示している値と言える。
この媒体に対して情報を記録する情報記録再生装置は、媒体の特性に応じてあらかじめ決められたオーバーライト可能回数(Nov)を超えない範囲で、現行使用中のDMA(例えばDMA0)を予備のDMA(例えばDMA1)に移行させる。もちろん現在使用中のDMAを最大限有効に使用するために、DMAカウンタの最大値(Nov-1)まで使用することが望ましい。情報記録再生装置は、DMAカウンタが最大値に達していない場合でも、現在使用中のDMA上に欠陥が増えてきたことを検出すると、現行使用中のDMAを予備のDMAに移行させる。各DMAには使用開始されてはじめて値が入力される。即ち、未使用のDMAには値が入力されていない。情報記録再生装置に対して媒体が装填された時に、情報記録再生装置は、現在使用中のDMAの位置を知るために、DMA rec-counter 1,2のカウント値が共に0のDMAを探す。DMA rec-counter 1,2のカウント値が共に0のDMA(例えばDMA2)が見つかったら、見つけたDMAの一つ前のDMA(例えばDMA1)を現在使用中のDMAとして認識する。DMA rec-counter 1,2のカウント値が共に0のDMA(例えばDMA2)が見つからなければ、最終DMA(例えばDMAn)を現在使用中のDMAとして認識する。
図150は、DMAに配置された各カウンタの状態とDMAの推移との関係「その2」を示す図である。上記において図149を参照して、DMAが遷移しても、DDS/PDL update counter及びSDL update counterが累積してカウントするケースについて説明した。これに対して、図150では、DMAが遷移すると(DMA0→DMA1に遷移すると)、DDS/PDL update counter及びSDL update counterのカウント値がリセットされるケースについて説明する。
図150に示すように、DMAの所定エリアにはDMA counterが配置されている。このDMA counterは、DMAが書き換えられた場合にインクリメントされるカウンタである。即ち、DMAに含まれるDDS/PDLブロックのDDS/PDL update counter(DMA rec-counter 1)のカウント値、及びDMAに含まれるSDLブロックのSDL update counter(DMA rec-counter 2)のカ
図150に示すケースでは、DMAが移動されるたびに、DDS/PDL update counter及びSDL update counterがリセットされる。このため、このケースでは、DDS/PDL update counterはDMA rec-counter 1と同等の働きをなし、SDL update counterはDMA rec-counter 2と同等の働きをなす。従って、図150に示すケースでは、DMA counter 1, 2を省略することもできる。
図150に示すケースでは、DMAが移動されるたびに、DDS/PDL update counter及びSDL update counterがリセットされる。このため、このケースでは、DDS/PDL update counterはDMA rec-counter 1と同等の働きをなし、SDL update counterはDMA rec-counter 2と同等の働きをなす。従って、図150に示すケースでは、DMA counter 1, 2を省略することもできる。
図151は、現在使用中のDMAを検索する手順を示すフローチャートである。現在使用中のDMAを検索する検索処理は、図156に示す情報記録再生装置の主制御部20により実行される。上記したように、この発明の情報記憶媒体はオーバーライト等に伴いDMAが推移するように定義されている。従って、情報記録再生装置に対してディスクが装填されたときに、現在使用中のDMAを検索する必要がある。媒体上の各DMA(DMA0〜DMAn)には、DMA rec-counter 1, 2が配置されている。媒体が初期化された時点では各DMAのDMA rec-counter 1, 2のカウント値はゼロにセットされている。媒体の使用が開始されると、DMA1のDMA rec-counter 1, 2のカウント値がカウントアップされ、さらに使用が続けられると、DMA2のDMA rec-counter 1, 2のカウント値がカウントアップされる。DMA0〜DMAnの使用順は予め定められている。DMA0→DMA1→DMA2→…→DMAnの順で使用される。よって、DMA0〜DMAnのDMA rec-counter 1, 2のカウント値を調べることで、現在使用中のDMAを見つけだすことが可能である。
図151に示すように、情報記録再生装置に対して媒体が装填された時に、情報記録再生装置は、現在使用中のDMAの位置を知るために、DMA rec-counter 1,2のカウント値が共に0のDMAを探す(STT21)。DMA rec-counter 1,2のカウント値が共に0のDMA(例えばDMA2)が見つかったら(STT22、YES)、見つけたDMAの一つ前のDMA(例えばDMA1)を現在使用中のDMAとして認識する(STT24)。DMA rec-counter 1,2のカウント値が共に0のDMA(例えばDMA2)が見つからなければ(STT22、NO)、最終DMA(例えばDMAn)を現在使用中のDMAとして認識する(STT23)。
図152は、DMAの登録及び更新処理を説明するためのフローチャートである。DMAの登録及び更新処理は、図156に情報記録再生装置の主制御部20により実行される。主制御部20は、DMAのDMA counterのカウント値に基づき、現在使用中のDMAの書き換え回数が規定数を超えたかどうかを判断する(STT31)。規定数を超えていることが判明したら(STT31、YES)、現在使用中のDMAに格納された欠陥情報を移動可能かどうか(予備のDMAがあるか)確認する。移動可能であれば(STT34、YES)、次の移動先に定められているDMAに対して、現在使用中のDMAに格納された欠陥情報を移動する(STT35)。このとき、必要な値を引き継ぐ。例えば、図149示すケースでは、DDS/PDL update counter及びSDL update counterの値が引き継がれる。
書き換え回数が規定数以下の場合でも(STT31、NO)、主制御部20によりDMAに欠陥が多発していることが検出された場合には(STT32、YES)、現在使用中のDMAに格納された欠陥情報を移動可能かどうか(予備のDMAがあるか)確認する。移動可能であれば(STT34、YES)、次の移動先に定められているDMAに対して、現在使用中のDMAに格納された欠陥情報を移動する(STT35)。移動不能であれば(STT34、NO)、この処理は異常終了する。
現在使用中のDMAの書き換え回数が規定数以下であり(STT31、NO)、現在使用中のDMAに欠陥が多発することも無い場合には(STT32、NO)、現在使用中のDMAが必要に応じて更新される(STT33)。
図153は、複数のDMA系列の使用方法を説明するための状態遷移図である。図148に示すように、これまでは、単数のDMA系列の使用について説明してきた。つまり、一つのDMA系列がDMA0〜DMAnを含むケースについて説明してきた。ここでは、図153に示すように、複数のDMA系列の使用について説明する。つまり、複数のDMA系列夫々がDMA0〜nを含むケースについて説明する。
図153に示すように、例えば、4つのDMA系列を備えた情報記憶媒体について説明する。4つのDMA系列は、夫々、異なる位置に配置される。例えば、DMA系列1、2は媒体の最内周に配置され、DMA系列3、4は媒体の最外周に配置される。DMA系列1〜4の中で、例えばDMA系列3に欠陥が多発していることが検知されたとする(図153の初期状態)。図156に示す情報記録再生装置の主制御部が、欠陥の多発を検知する。この欠陥検知に伴い、全てのDMA系列における現在使用中のDMA(例えばDMA0)の欠陥管理情報は、次のDMA(例えばDMA1)に移行(交替記録)される(図153の第2状態)。図156に示す情報記録再生装置の主制御部が、欠陥管理情報を移行(交替記録)する。
図154は、複数のDMA系列が配置されるリードインエリア及びリードアウトエリアを説明するための図である。図154に示すように、媒体(光ディスク)1は、最内周にリードインエリアA1を備え、最外周にリードアウトエリアA3を備える。また、媒体1は、リードインエリアA1とリードアウトエリアA3の
間にデータエリアA2を備える。データエリアA2は、ユーザエリアUAとスペアエリアSAを備える。
間にデータエリアA2を備える。データエリアA2は、ユーザエリアUAとスペアエリアSAを備える。
最内周のリードインエリアA1は第1のDMA系列(DMA系列1、2)を備え、最外周のリードアウトエリアA3は第2のDMA系列(DMA系列3、4)を備える。このように、最内周と最外周にDMA系列を配置することで、物理的に複数のDMA系列が離れて配置されることになる。結果的に、DMAが障害に対してより強くなる。
図155は、複数のDMA系列が配置された媒体の再生処理を示すフローチャートである。図156に示す情報記録再生装置に媒体が装填されると、装置は全てのDMA系列の中から現在使用中のDMAを探し出し、現在使用中のDMAから欠陥管理情報を読み出す(ST41)。つまり、図153に示すケースにあてはめると、DMA系列1の中から現在使用中のDMA(例えばDMA1)を探し出し、DMA系列2の中からも現在使用中のDMA(例えばDMA1)を探し出し、DMA系列3の中からも現在使用中のDMA(例えばDMA1)を探し出し、DMA系列4の中からも現在使用中のDMA(例えばDMA1)を探し出す。現在使用中のDMAを探し出す処理は、図151に示した通りである。
障害などの影響で、どのDMAからも欠陥管理情報が読み出せない場合は(ST42、NO)、この処理は異常終了する。DMAから欠陥管理情報が読み出せた場合は、DMAのDDS/PDL update counter及びSDL update counterのカウント値をチェックする。複数のDMA系列の中の現在使用中の各DMAには、同一の情報が記録されているはずである。従って、各DMAのDDS/PDL update counter及びSDL update counterのカウント値は一致するはずである。しかし、複数のDMA系列の中の各DMAに対して順番に情報を記録している途中で何らかの障害が発生すると、いくつかのDMAが更新されていな状態が発生することがある。そこで、複数のDMA系列の中の現在使用中の各DMAのUpdate counterのカウント値が異なる場合は(ST43、NO)、最新のカウント値を持つDMAに他のDMAを一致させる(ST44)。これで記録再生の準備が完了する。
図156は、この発明の一実施の形態に係る情報記録再生装置の概略構成を示す図である。この情報記録再生装置は、上記説明した媒体(光ディスク)1に対してユーザデータを記録したり、媒体1に記録されたユーザデータを再生したりする。また、この情報記録再生装置は、必要に応じて交替処理も実行する。
図156に示すように、情報記録再生装置は、変調回路2、レーザ制御回路3、レーザ4、コリメートレンズ5、偏光ビームスプリッタ(以下PBS)6、4分の1波長板7、対物レンズ8、集光レンズ9、光検出器10、信号処理回路11、復調回路12、フォーカスエラー信号生成回路13、トラッキングエラー信号生成回路14、フォーカス制御回路16、トラッキング制御回路17、主制御部20を備えている。
主制御部20は、ドライブ部を制御するものである。ドライブ部は、変調回路2、レーザ制御回路3、レーザ4、コリメートレンズ5、偏光ビームスプリッタ(以下PBS)6、4分の1波長板7、対物レンズ8、集光レンズ9、光検出器10、信号処理回路11、復調回路12、フォーカスエラー信号生成回路13、トラッキングエラー信号生成回路14、フォーカス制御回路16、及びトラッキング制御回路17を含むものである。
まず、この情報記録再生装置によるデータの記録について説明する。データの記録は、主制御部20により制御される。記録データ(データシンボル)は、変調回路2により所定のチャネルビット系列に変調される。記録データに対応したチャネルビット系列は、レーザ制御回路3によりレーザ駆動波形に変換される。レーザ制御回路3は、レーザ4をパルス駆動し、所望のビット系列に対応したデータを媒体1上に記録する。レーザ4から放射された記録用の光ビームは、コリメートレンズ5で平行光となり、PBS6に入射し、透過する。PBS6を透過したビームは4分の1波長板7を透過し、対物レンズ8により媒体1の情報記録面に集光される。集光されたビームは、フォーカス制御回路16によるフォーカス制御及びトラッキング制御回路17によるトラッキング制御により、記録面上に最良の微小スポットが得られる状態で維持される。
続いて、この情報記録再生装置によるデータの再生について説明する。データの再生は、主制御部20により制御される。主制御部20からのデータ再生指示に基づき、レーザ4は再生用の光ビームを放射する。レーザ4から放射された再生用の光ビームは、コリメートレンズ5で平行光となり、PBS6に入射し、透過する。PBS6を透過した光ビームは4分の1波長板7を透過し、対物レンズ8により媒体1の情報記録面に集光される。集光されたビームは、フォーカス制御回路16によるフォーカス制御及びトラッキング制御回路17によるトラッキング制御により、記録面上に最良の微小スポットが得られる状態で維持される。このとき、媒体1上に照射された再生用の光ビームは、情報記録面内の反射膜あるいは反射性記録膜により反射される。反射光は対物レンズ8を逆方向に透過し、再度平行光となる。反射光は4分の1波長板7を透過し、入射光に対して垂直な偏光を持ち、PBS6では反射される。PBS6で反射されたビームは集光レンズ9により収束光となり、光検出器10に入射される。光検出器10は、例えば、4分割のフォトディテクタから構成されている。光検出器10に入射した光束は光電変換されて電気信号となり増幅される。増幅された信号は信号処理回路11にて等化され2値化され、復調回路12に送られる。復調回路12では所定の変調方式に対応した復調動作を施されて、再生データが出力される。
また、光検出器10から出力される電気信号の一部に基づき、フォーカスエラー信号生成回路13によりフォーカスエラー信号が生成される。同様に、光検出器10から出力される電気信号の一部に基づき、トラッキングエラー信号生成回路14によりトラッキングエラー信号が生成される。フォーカス制御回路16は、フォーカスエラー信号に基づきビームスポットのフォーカスを制御する。トラッキング制御回路17は、トラッキングエラー信号に基づきビームスポットのトラッキングを制御する。
ここで、主制御部20による交替処理について説明する。媒体をフォーマットする時には、サーティファイが実行される。このとき、主制御部20は、媒体上の欠陥を検出する。このとき検出された欠陥、即ち初期欠陥に関する欠陥管理情報は、主制御部20により媒体のDMAの中のPDLに記録される。欠陥管理情報は、交替元のセクタのアドレスと交替先のセクタのアドレスとを含む。通常の記録時にも、主制御部20は、媒体上の欠陥を検出する。このとき検出された欠陥、即ち2次欠陥に関する欠陥管理情報は、主制御部20により媒体のDMAの中のSDLに記録される。欠陥管理情報は、交替元のECCブロックの先頭セクタのアドレスと交替先のECCブロックの先頭セクタのアドレスとを含む。PDL及びSDLに基づき、交替元に対するアクセスは、交替先に対するアクセスと見なされる。また、主制御部20は、図151に示した現在使用中のDMAの検索処理、図152に示したDMAの登録及び更新処理、図155に示した再生処理等を制御する。
次に、図157〜図176参照して、第2の欠陥管理方法について説明する。この第2の欠陥管理方法は、図153に示す欠陥管理を踏襲し、さらにDMAマネージャを利用する欠陥管理である。この第2の欠陥管理方法の説明において、図142〜図156に示す第1の欠陥管理方法と重複する部分については、適宜、説明済みの図面を参照する。
この発明の情報記憶媒体は、書き換え可能なエリアを備え、この書き換え可能なエリアは、複数のDMA、複数のマネージャ格納エリア、ユーザエリアを備える。図154に示す媒体上において、書き換え可能なエリアは、リードインエリアA1、データエリアA2、リードアウトエリアA3に含まれる。複数のDMAには、同一の欠陥管理情報が格納される。これにより、DMAに対する耐障害性が高められる。
図157及び図158に示すように、例えば、情報記憶媒体は、DMA1、DMA2、DMA3、DMA4を備える。さらに詳しく言うと、図154に示す情報記憶媒体の最内周に配置されるリードインエリアA1(図158に示すリードインエリアLI)にDMA1及びDMA2が配置され、情報記憶媒体の最外周に配置されるリードアウトエリアA3(図158に示すリードアウトエリアLO)にDMA3及びDMA4が配置される。各DMA(DMA1、DMA2、DMA3、及びDMA4)は、夫々が複数のDMA予約エリア(DMAset#1−1〜#1−N、DMAset#2−1〜#2−N、DMAset#3−1〜#3−N、DMAset#4−1〜#4−N)を備える。初期状態では、各DMAに含まれる第1のDMA予約エリア(DMAset#1−1、DMAset#2−1、DMAset#3−1、DMAset#4−1)に、現在(最新)の欠陥管理情報が格納される。あるDMA(例えばDMA1)に含まれる第1のDMA予約エリア(例えばDMAset#1−1)が欠陥エリアに該当してしまった場合は、全てのDMA(DMA1〜4)の第1のDMA予約エリア(DMAset#1−1、DMAset#2−1、DMAset#3−1、DMAset#4−1)に格納された欠陥管理情報が、全てのDMA(DMA1〜4)の第2のDMA予約エリア(DMAset#1−2、DMAset#2−2、DMAset#3−2、DMAset#4−2)に遷移(transition)される。
上記したように、この発明の情報記憶媒体上では、現在使用中のDMA予約エリアが遷移する。これに伴い、複数のDMA予約エリアの中から現在使用中のDMA予約エリアを短時間で検索するためにDMAマネージャを導入する。つまり、この発明の情報記憶媒体は、図158に示すように、DMAマネージャを格納するマネージャ格納エリア(Man1、Man2)を備えている。DMAマネージャは、現在使用中のDMA予約エリアのアドレスを管理する。言い換えると、マネージャ格納エリアは、現在使用中のDMA予約エリアの位置情報を格納する位置情報エリアである。
図157は、DMAマネージャによる現在使用中のDMA予約エリアのアドレス管理を示す図である。DMA1は、N個のDMA予約エリア(DMAset#1−1〜DMAset#1−N)を備えている。同様に、DMA2は、N個のDMA予約エリア(DMAset#2−1〜DMAset#2−N)を備えている。同様に、DMA3は、N個のDMA予約エリア(DMAset#3−1〜DMAset#3−N)を備えている。同様に、DMA4は、N個のDMA予約エリア(DMAset#4−1〜DMAset#4−N)を備えている。
例えば、第1のDMA予約エリア(DMAset#1−1、DMAset#2−1、DMAset#3−1、DMAset#4−1)が現在使用中であるとする。この場合、DMAマネージャは、第1のDMA予約エリア(DMAset#1−1、DMA set #2−1、DMA set #3−1、DMAset#4−1)の位置(例えば先頭位置)を示す位置情報(アドレス)を持つ。
図158に示すように、例えば、マネージャ格納エリア(Man1、Man2)は、リードインエリア及びリードアウトエリアに配置される。リードインエリアに配置されるマネージャ格納エリア(Man1)とリードアウトエリアに配置されるマネージャ格納エリア(Man2)は、同一の情報を格納する。
さらに、マネージャ格納エリア(Man1、Man2)は、夫々が複数のマネージャ予約エリアを備えている。これは、DMAマネージャの欠陥対策である。図158に示すように、例えば、一つのマネージャ格納エリア(Man1)は、10個のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1〜DMA_Man#10)を備えている。同様に、マネージャ格納エリア(Man2)も、10個のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1〜DMA_Man#10)を備えている。
例えば、初期段階では、各マネージャ格納エリア(Man1、Man2)に含まれる第1のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1)に、現在使用中のDMA予約エリアを示す位置情報が格納される。オーバーライトに伴い、あるマネージャ格納エリア(Man1)に含まれる第1のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1)が欠陥エリアに該当してしまった場合は、全てのマネージャ格納エリア(Man1、Man2)の第1のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1)に格納された位置情報が、全てのマネージャ格納エリア(Man1、Man2)の第2のマネージャ予約エリア(DMA_Man#2)に遷移される(書き移される)。
但し、DMAマネージャはDMAに比べて書き換え頻度が低い。このため、DMAマネージャを格納するマネージャ格納エリア(Man1、Man2)、つまりマネージャ予約エリアは、DMAに比べてオーバーライトによって欠陥になる可能性は低い。しかし傷や指紋などで、マネージャ予約エリアからDMAマネージャが読み出せなくなることはある。そこで、一つのDMAマネージャ内に、同一内容(現在使用中のDMAの位置情報)を複数個持たせる。つまり、マネージャ予約エリア内に、同一内容を多重書きする。これにより、ECCブロックとしてエラー訂正できない場合にでもデータ(現在使用中のDMAの位置情報)を読み出すことができる。
一つのDMAマネージャは、一つのマネージャ予約エリアに格納される。マネージャ予約エリアは、1つのECCブロックで構成される。マネージャ予約エリアを構成する1つのECCブロック内に、同一内容が64バイト単位(2つの物理セグメントブロック単位)で多重書きされる。例えば、現在使用中のDMA予約エリアの位置情報が64バイト単位で多重書きされる。一つのECCブロックが、32セクタで構成されているとする。また、1セクタは、2048バイトであるとする。つまり、一つのECCブロックのサイズは、2048バイト*32セクタであるとする。この場合には、各セクタに32個の同一内容が記録される。即ち、一つのECCブロックには、32*32個の同一内容が繰り返し記録されることになる。これにより、ECCブロックとしては全く訂正できないほど欠陥が多い場合でも、部分的にECCブロックを訂正できさえすればかなりの確率で正しい情報(現在使用中のDMAの位置情報)を読み出すことができる。なお、ECCブロックについては、図34〜図38を参照して説明する。
ここでは、64バイト単位の多重書きについて説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。図34〜図38に示すように、1ECCブロック中の1つのデータラインは172バイトである。ECCブロック全体としてエラー訂正できなくなっても、172バイトのデータラインの単位でのエラー訂正が可能な場合がある。この点に着目して、172バイトより十分に小さいデータサイズ(例えば64バイト)の単位で同一情報を多重書きしておくことにより、ECCブロック全体としてエラー訂正できなくなっても、データラインの単位でのエラー訂正により正しいデータを得ることができる。
図159は、図158で示したDMAマネージャの一例を示す図である。図159に示すように、DMAマネージャは、現在使用中の4つのDMAのアドレスを管理している。例えば、DMAset#1−1、DMAset#2−1、DMAset#3−1、DMAset#4−1のアドレスを管理している。現在使用中のDMAの位置を一意に特定できれば、アドレスでなくエリア番号を記述するようにしてもよい。図159の例では、現在使用中(Current)のDMAの最初のPSN(物理セクタ番号)を管理している。
図160は、4つのDMA(DMA1〜4)の構成を示す図である。図161は、DMAとECCブロックの関係を示す図である。図160に示すように、一つのDMA予約エリアは、DDS/PDLブロック、SDLブロック、RSV(reserved)ブロックを含んでいる。RSVブロックは、連続するDMA予約エリアの物理的距離を離して欠陥の連鎖を避けるためのブロックである。つまり、実際には、図161に示すように、DMA予約エリアには、DDS/PDLブロック、SDLブロックが格納される。
図160は、4つのDMA(DMA1〜4)の構成を示す図である。図161は、DMAとECCブロックの関係を示す図である。図160に示すように、一つのDMA予約エリアは、DDS/PDLブロック、SDLブロック、RSV(reserved)ブロックを含んでいる。RSVブロックは、連続するDMA予約エリアの物理的距離を離して欠陥の連鎖を避けるためのブロックである。つまり、実際には、図161に示すように、DMA予約エリアには、DDS/PDLブロック、SDLブロックが格納される。
図171は、PDLのコンテンツを示す図である。0−1バイトポジションのPDL識別情報(PDL Identifier)は0001hにセットされる。2−3のバイトポジションには、PDL内のエントリ数が記述される。PDLエントリは、4バイトからなり、ビットb0−b23に欠陥物理セクタ番号が記述され、ビットb30−b31には、エントリタイプが記述される。エントリタイプ(Entry type)は、00bがプライマリーディフェクトリストであることを示す。PDLは、最大15871個エントリ可能である((2048*31−4)/4=15871)。
このPDLは、各DDS/PDL物理セグメントブロック内に、例えそれが空であっても常に記述されなければならない。PDLは、フォーマッティングのとき示された、全欠陥物理セグメントブロックのエントリを含む。各エントリはエントリタイプ、欠陥物理セグメントブロックの第1の物理セクタ番号を示す。物理セクタ番号は、昇順にリストされる。PDLは、必要な物理セクタの最小の数内で記述され、そして、PDLの最初の物理セクタのバイトポジション0で始まる。PDLの使用されていない最後の物理セクタは、FFhがセットされる。また、DDS/PDL物理セグメントブロック内の未使用の物理セクタは、FFhで埋められる。エントリは、エントリタイプと欠陥物理セクタ番号を有する。エントリタイプは、欠陥物理セグメントブロックの起源を示す。00bであればP-list、10bであればG1-list, 11bであればG2-listである。P-listは、ディスク製造者によって定義されている欠陥物理セグメントブロックのリストであり、G1-listは、検証(認証)プロセスのときに見つかった欠陥物理セグメントブロックのリスト、G2-listは、検証プロセスなしで、SDLから転送されてきた欠陥物理セグメントブロックのリストである。
図172(A)は、SDL(Secondary Defect List)のコンテンツを示す図である。このSDLは、各SDL物理セグメントブロック内に、例えそれが空であっても常に記述されなければならない。SDLは、エントリを含み、このエントリは、欠陥物理セグメントブロック(defective Physical segment blocks)の第1の物理セクタ(first Physical sector)の物理セクタ番号(Physical sector number)を含む、とともに、また、交替する(replace )ための予備物理セグメントブロック(Spare Physical segment blocks)の第1の物理セクタの物理セクタ番号を含む。SDLの各エントリは、8バイトからなり、3バイトが、欠陥物理セグメントブロック(defective Physical segment blocks)の第1の物理セクタ(first Physical sector)の物理セクタ番号(Physical sector number)のために使用され、別の3バイトが、交替する(replace )ための予備物理セグメントブロック(Spare Physical segment blocks)の第1の物理セクタの物理セクタ番号のために使用され、1バイトのうち、1ビットがSLRのために利用され、残りの7ビットと残りの1バイトが予約のために確保されている。
先の物理セクタ番号は、昇順にリストされる。SDLは、必要な物理セグメントブロックの最小の数内に記述される。
もしSDL内にリストされた交替物理セグメントブロックが、後で、欠陥であることが発見されたならば、SDL内の情報登録ためにダイレクトポインター方法が適用される。この方法では、欠陥交替物理セグメントブロックが登録されているSDLエントリにおいて、欠陥交替物理セグメントブロックの第1の物理セクタの物理セクタ番号が、新しい交替物理セグメントブロックの第1の物理セクタの物理セクタ番号に変更されることにより、当該SDLエントリが修整される。それゆえ、SDL内のエントリ数は、劣化した物理セグメントブロックがあっても、変化することはない。
SDLは、最大8189個エントリ可能である((2048*31−24)/8=8189)。
図172(B)は、SDLに含まれる複数のSDLエントリのうちの一つのSDLエントリのデータ構造の他の例を示す図である。SDLエントリ(SDL entry)は、各8バイトセットである。62ビット目には、“0”又は“1”が記述されるもので、“0”のときは、予備物理セグメントブロックを伴って欠陥物理セグメントブロックが交替処理(リプレイス)されていることを意味し、“1”のときは、交替処理はされていないことを意味する。32−55ビットには、欠陥物理セグメントブロックの第1の物理セクタの物理セクタ番号(Physical sector number of the first Physical sector in the defective Physical segment block)が記述されている。0−23ビットには、リプレイスする物理セグメントブロックの第1の物理セクタの物理セクタ番号(Physical sector number of the first physical sector in the replacement Physical segment block)が記述されている。
各DMA(DMA1、DMA2、DMA3、及びDMA4)は、例えば100個のDMA予約エリアを備える。つまり、トータルで400個のDMA予約エリアが確保されている。一つのDMA予約エリアは、上記したように3ブロックで構成されている。よって、トータルで1200個のブロックが確保されている。
上記説明したように、DMA1とDMA2は、リードインエリアに配置される。DMA1に含まれる第k番目のDMA予約エリアと、DMA2に含まれる第k番目のDMA予約エリアには、同一の欠陥管理情報が記録される。つまり、DMA1に含まれる第k番目のDMA予約エリアと、DMA2に含まれる第k番目のDMA予約エリアは、同時に使用される。即ち、DMA1に含まれる第k番目のDMA予約エリアと、DMA2に含まれる第k番目のDMA予約エリアは、物理的に距離が近い方が、効率良く両者にアクセスできる。そこで、DMA1に含まれる第k番目のDMA予約エリアと、DMA2に含まれる第k番目のDMA予約エリアの距離が近くなるような物理的配置を採用する。
例えば、図160及び図168に示すように、DMA1に含まれる第1のDMA予約エリア(DMAset#1−1)→DMA2に含まれる第1のDMA予約エリア(DMAset#2−1)→DMA1に含まれる第2のDMA予約エリア(DMAset#1−2)→DMA2に含まれる第2のDMA予約エリア(DMAset#2−2)→…→DMA1に含まれる第NのDMA予約エリア(DMAset#1−N)→DMA2に含まれる第NのDMA予約エリア(DMAset#2−N)の順に配置する。これにより、DMA1及びDMA2に含まれる現在使用中のDMA予約エリアからの欠陥管理情報の読み出し時間を短縮することができ、さらにはDMA1及びDMA2に含まれるDMA予約エリア対する欠陥管理情報の遷移処理(書き移し処理)も短縮することができる。
リードアウトエリアに配置されるDMA3及びDMA4についても、同様である。つまり、図160に示すように、DMA3に含まれる第1のDMA予約エリア(DMAset#3−1)→DMA4に含まれる第1のDMA予約エリア(DMAset#4−1)→DMA3に含まれる第2のDMA予約エリア(DMAset#3−2)→DMA4に含まれる第2のDMA予約エリア(DMAset#4−2)→…→DMA3に含まれる第NのDMA予約エリア(DMAset#3−N)→DMA4に含まれる第NのDMA予約エリア(DMAset#4−N)の順に配置する。
但し、アクセス速度を重要視しない場合には、各DMA予約エリアは物理的に離して配置するようにしてもよい。これにより、傷や指紋などの欠陥要因に強いDMAを構築することもできる。アクセス速度と信頼性とのバランスによって、DMA1〜4の物理配置を決めることができる。
図162及び図169は、DMAマネージャとDMAの配置を示す図である。DMAマネージャは、リードインエリアのマネージャ予約エリア(DMA Manager1−1〜1−10)とリードアウトエリアのマネージャ予約エリア(DMA Manager2−1〜2−10)に格納される。DMAは、リードインエリアに二つ(DMA1、DMA2)、リードアウトエリアに二つ(DMA3、DMA4)配置される。
100個のDMAセットがある。それぞれのDMAセットは、DMA1、DMA2,DMA3そしてDMA4で構成される。DMAセットでは、DMA#1から#100が使用される。現在使用中のDMAセット(current DMA set)が欠陥DMAセット(defective DMA set)として検出されたならば、当該DMAセットは次のDMAセットに交替される。現在使用中のDMAセットは、DMAマネージャで示されている。10個のDMAマネージャセットがある。それぞれのDMAマネージャセットは、DMAマネージャ1とDMAマネージャ2で構成される。各DMAマネージャセットでは、DMAマネージャセット#1から#10が使用される。DMAマネージャセットも、現在使用中のセットのどれかのDMAマネージャで欠陥が検出されたならば、当該セットは次のDMAマネージャセットに交替される。
DMA1とDMA2は、予約物理セグメントブロックである2つの物理セグメントブロックによってフォローされている。DMA3とDMA4も同様である。
各DMAの第1の物理セグメントブロックは、DDS/PDL物理セグメントブロックと称され、ディスク定義構成(Disc Definition Structure:DDS)と一次欠陥リスト(PDL)を含む。そして第2の物理セグメントブロックがSDL物理セグメントブロックと称され、二次欠陥リスト(SDL)を含む。4つのDMAの内容は同じである。
初期化された後のディスクにおいて各DMAは次のような内容を含む。各DDS/PDL物理セグメントブロックの第1の物理セクタは、DDSを含む。DDSについては後述する。また各DDS/PDL物理セグメントブロックの第2の物理セクタは、PDLの第1の物理セクタである。各SDL物理セグメントブロックの第1の物理セクタは、SDLの第1の物理セクタである。SDL及びPDLの長さは、各リストに含まれるエントリの数によって決まる。
図163は、DMAの遷移を示す図である。図163に示すように、4つのDMAは同時に遷移する。夫々のDMAが単独に遷移する場合に比べ、4つのDMAを同時に遷移させることにより、DMA間の物理的距離を広げずにすむ。これにより、アクセス性能を劣化させずにすむ。また、システム障害発生時のリカバリーが容易になる。
初期状態(initial state)では、各DMA(DMA1、DMA2、DMA3、DMA4)の先頭(第1)のDMA予約エリア(DMAset#1−1、DMAset#2−1、DMAset#3−1、DMAset#4−1)が使われる。各DMAの先頭のDMA予約エリア(DMAset#1−1、DMAset#2−1、DMAset#3−1、DMAset#4−1)の中の1個以上のDMA予約エリアが欠陥エリアに該当してしまった場合は、各DMAの2番目のDMA予約エリア(DMAset#1−2、DMAset#2−2、DMAset#3−2、DMAset#4−2)に欠陥管理情報が遷移される。以下同様に欠陥管理情報が遷移され、各DMAのN番目のDMA予約エリア(DMAset#1−N、DMAset#2−N、DMAset#3−N、DMAset#4−N)に欠陥管理情報が遷移されると、記録動作が禁止される。その後、媒体は、再生専用の媒体として扱われる。
図164は、DMAマネージャの遷移を示す図である。DMAマネージャについても、DMAと同様に遷移する。つまり、初期状態(initial state)では、各マネージャ格納エリア(Man1、Man2)の先頭(第1)のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1−1、DMA_Man#2−1)に、最新のDMAマネージャが格納される。各マネージャ格納エリアの先頭(第1)のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1−1、DMA_Man#2−1)の中の1個以上のマネージャ予約エリアが欠陥エリアに該当してしまった場合は、各マネージャ格納エリアの2番目のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1−2、DMA_Man#2−2)にDMAマネージャが遷移される。以下同様にDMAマネージャが遷移され、各マネージャ格納エリアのN番目のマネージャ予約エリア(DMA_Man#1−N、DMA_Man#2−N)にDMAマネージャが遷移されると、記録動作が禁止される。
図165は、各DMAのコンディションを示す図である。一旦欠陥エリアに該当すると判定されてしまったDMA予約エリアは、通常、その後も継続して欠陥エリアに該当するはずである。しかし、たまたまゴミなどの付着により欠陥エリアに該当すると判定されてしまったDMA予約エリアは、その後、欠陥エリアに該当しないと判定されてしまうことがある。つまり、一旦欠陥エリアに該当すると判定されてしまったDMA予約エリアであっても、その後、データが正しく読み出せるようになることがある。
また、通常は、第1のDMA予約エリアが欠陥エリアに該当する場合は、この第1のDMA予約エリアの次の第2のDMA予約エリアに欠陥管理情報が遷移されるはずである。しかし、なんらかの要因で、第1のDMA予約エリアが欠陥エリアに該当する場合に、第3のDMA予約エリア又は第4のDMA予約エリア等に欠陥管理情報が遷移されてしまうこともある。この場合、第2のDMA予約エリアは、Reservedの状態となる。つまり、第2のDMA予約エリアは、ブランクと判定されてしまう。つまり、ノーマルな状態では、現在使用中のDMA予約エリアからは、欠陥管理情報が正しく読み出せる。しかしながら、アブノーマルな状態では、現在使用中のDMA予約エリアが欠陥エリアに該当してしまったり、現在使用中のDMA予約エリアがブランクであったりしてしまうことがある。欠陥エリアの誤判定は、DMA予約エリアの無用な推移を招くことになる。つまり、単純に読み出しの状態だけで、DMA予約エリアの状態を判定することはできない。
図166は、ノーマルなDMA予約エリアの状態を示す図である。図166に示すように、例えば、ケース1〜5が考えられる。上記したようにDMAは、複数のDMA予約エリアを備えている。複数のDMA予約エリアの中の先頭のDMA予約エリア(DMAset#1−1、DMAset#2−1、DMAset#3−1、DMAset#4−1)を”head”、最後のDMA予約エリア(DMAset#1−N、DMAset#2−N、DMAset#3−N、DMAset#4−Nを”tail”、先頭のDMA予約エリアと最後のDMA予約エリアとの間のいくつかのDMA予約エリアを”body”と称する。
ケース1は、アンフォーマットな状態の情報記憶媒体である。つまり、”head”、”body”、”tail”に該当する全てのDMA予約エリアは、リザーブ状態である。
ケース2は、初期化された状態の情報記憶媒体である。つまり、”head”に該当するDMA予約エリアが現在使用中であり、”body”、”tail”に該当するDMA予約エリアはリザーブ状態である。
ケース3は、DMAの遷移が発生した状態の情報記憶媒体である。つまり、”head”に該当するDMA予約エリアは欠陥エリアであり、”body”に該当するいくつかのDMA予約エリアのうちの所定のDMA予約エリアが現在使用中のエリアとなり、この現在使用中のDMA予約エリアより後ろのDMA予約エリアはリザーブ状態である。
ケース4は、最終段階の情報記憶媒体である。つまり、”head”、”body”に該当するDMA予約エリアは欠陥エリアであり、”tail”に該当するDMA予約エリアが現在使用中のエリアである。
ケース5は、全く使用できなくなった状態の情報記憶媒体である。つまり、つまり、”head”、”body”、”tail”に該当する全てのDMA予約エリアが欠陥エリアである。
なお、リザーブ状態を簡単に識別することができるように、リザーブ状態のエリアにリザーブ状態であることを示す識別子を格納するようにしてもよい。
図156に示すこの発明の情報記録再生装置(主制御部20)は、現在使用中のDMAを探し出す方式として、テーブルルックアップ(Table lookup)方式及びインクリメンタル(Incremental)方式の両方をサポートする。つまり、この発明の情報記憶媒体は、テーブルルックアップ方式及びインクリメンタル方式の両方を適用可能なハイブリットサーチフォーマット(HSF)である。通常は、主制御部20は、テーブルルックアップ方式により現在使用中のDMAを探し出す。テーブルルックアップ方式とは、DMAマネージャに基づき、現在使用中のDMAを探し出す方式である。万一、DMAマネージャが読み出せない場合には、主制御部20は、インクリメンタル方式により現在使用中のDMAを探し出す。インクリメンタル方式とは、DMAに含まれる全てのDMA予約エリアを順にチェックし、現在使用中のDMAを探し出す方式である。つまり、インクリメンタル方式は、テーブルルックアップ方式のリカバリーとして使用される。
図165で説明したように、インクリメンタル方式だけに頼り、現在使用中のDMA予約エリアをサーチすると、現在使用中のDMA予約エリアを誤判定してしまうことがある。図167は、アブノーマルな状態のDMA予約エリアの誤判定の一例を説明する図である。例えば、第1(先頭)のDMA予約エリアに格納されている欠陥管理情報が、第2のDMA予約エリアよりも後続の第2+αのDMA予約エリアに遷移させられてしまうことがある。本来なら、第1のDMA予約エリアに格納されている欠陥管理情報は、第2のDMA予約エリアに遷移させられるべきである。しかし、この第2のDMA予約エリアのアドレスエラー等の障害により、この第2のDMA予約エリアが使用できない場合には、第2のDMA予約エリアよりも後続の第2+αのDMA予約エリアが使用されることになる。しかし、この遷移の後に、例えば第1(先頭)のDMA予約エリアから欠陥管理情報が読み出せてしまうと、この第1(先頭)のDMA予約エリアが現在使用中であると誤判定してしまう。このような誤判定を防ぐために、インクリメンタル方式でサーチする場合には、十分な窓幅で判定することが必要であり、判定に時間がかかる。そこで、この発明の情報記録再生装置は、高速サーチが可能なテーブルルックアップ方式を優先的に利用し、テーブルルックアップ方式で現在使用中のDMA予約エリアを見つけることができない場合に限り、インクリメンタル方式でサーチする。
図170は、交替処理に伴い書き換える必要のあるエリアを示す図である。例えば、ユーザエリア上の所定のエリアが欠陥エリアに該当することが判明すると、この所定のエリアに記録されるはずの情報はスペアエリアに交替記録される。これに伴い、この所定のエリア(交替元)のアドレスとスペアエリア(交替先)のアドレスとが欠陥管理情報として、各DMA(DMA1〜4)の第k番目のDMA予約エリアに記録される。DMAマネージャは、DMAの推移が発生した場合に書き換えられる。従って、DMAマネージャの書き換えの頻度は低い。
図173は、DMAの更新処理の概略を示すフローチャートである。図173に示すように、まず、図156に示す情報記録再生装置の主制御部20は、テーブルルックアップ方式により現在使用中のDMA予約エリアをサーチする(ST101)。つまり、最新のDMAマネージャから現在使用中のDMA予約エリアを示す位置情報が読み出せれば、現在使用中のDMA予約エリアを見つけ出すことができる(ST102、YES)。テーブルルックアップ方式により現在使用中のDMA予約エリアを見つけ出すことができなければ(ST102、NO)、主制御部20は、インクリメンタル方式により現在使用中のDMA予約エリアをサーチする(ST103)。インクリメンタル方式により現在使用中のDMA予約エリアを見つけ出すことができなければ(ST104、NO)、DMA更新処理は失敗となる(ST105)。
現在使用中のDMA予約エリアが見つかれば(ST102、YES)(ST104、YES)、主制御部20は、この現在使用中のDMA予約エリアの遷移が必要か否かを判断する(ST106)。この現在使用中のDMA予約エリアが欠陥エリアに該当する場合には、この現在使用中のDMA予約エリアの遷移が必要と判断する(ST106、YES)。
遷移が不要な場合は(ST106、NO)、主制御部20は、この現在使用中のDMA予約エリアに格納されている欠陥管理情報を、交替処理に伴い更新する(ST108)。遷移が必要な場合は(ST106、YES)、主制御部20は、現在使用中のDMA予約エリアに格納されている欠陥管理情報を、新たなDMA予約エリア(次のDMA予約エリア)に書き移し(ST107)、さらに欠陥管理情報を交替処理に伴い更新する(ST108)。
図174は、DMAマネージャの更新処理の概略を示すフローチャートである。まず、主制御部20は、現在のDMAマネージャの遷移が必要か否かを判断する(ST111)。この現在使用中のDMAマネージャを格納したマネージャ予約エリアが欠陥エリアに該当する場合には、この現在使用中のDMA予約エリアの遷移が必要と判断する(ST111、YES)。遷移が必要な場合は(ST111、YES)、主制御部20は、現在使用中のDMAマネージャを、新たなマネージャ予約エリア(次のマネージャ予約エリア)に書き移す(ST112)。また、DMAの遷移があった場合には(ST113、YES)、主制御部20は、DMAの遷移に伴いDMAマネージャを更新する(ST114)。
図175は、DMAに基づく再生処理の概略を示すフローチャートである。図175に示すように、まず、図156に示す情報記録再生装置の主制御部20は、テーブルルックアップ方式により現在使用中のDMA予約エリアをサーチする(ST121)。つまり、最新のDMAマネージャから現在使用中のDMA予約エリアを示す位置情報が読み出せれば、現在使用中のDMA予約エリアを見つけ出すことができる(ST122、YES)。テーブルルックアップ方式により現在使用中のDMA予約エリアを見つけ出すことができなければ(ST122、NO)、情報記録再生装置の主制御部20は、インクリメンタル方式により現在使用中のDMA予約エリアをサーチする(ST123)。インクリメンタル方式により現在使用中のDMA予約エリアを見つけ出すことができなければ(ST124、NO)、再生処理は失敗となる(ST125)。
現在使用中のDMA予約エリアが見つかれば(ST122、YES)(ST124、YES)、主制御部20の再生制御により、この現在使用中のDMA予約エリアから欠陥管理情報が読み出される(ST126)。読み出された欠陥管理情報に基づき、ユーザエリアに記録されたユーザデータが再生される(ST127)。
ここで、図34〜図38を参照して64KBで構成されるECCブロックについて説明を加える。現行のDVD−RAMに記録される一つのECCブロックは、32KBで構成されている。現行のDVD−RAMよりもさらなる高密度記録を実現するために、ここでは64KBで構成されるECCブロックについて説明する。
ECCブロックは、連続する32個のスクランブルドフレームから形成されている。縦方向に192行+16行、横方向に(172+10)×2列が配置されている。B0、0、B1、0、…はそれぞれ1バイトである。PO及びPIは、エラー訂正コードであり、POはアウターパリティ、PIはインナーパリティである。
ECCブロックは、(6行×172バイト)単位が1スクランブルドフレームとして扱われる。つまり連続する32個のスクランブルドフレームからなる。さらに、(ブロック182バイト×207バイト)がペアとして扱われる。左側のECCブロックの各スクランブルドフレームの番号にLを付け、右側のECCブロックの各スクランブルドフレームの番号にRを付けて示すことができる。すると、左側のブロックに左と右のスクランブルドフレームが交互に存在し、また右側のブロックにも左と右のスクランブルドフレームが交互に存在する。
つまり、ECCブロックは、32個の連続スクランブルドフレームから形成される。奇数セクタの左半分の各行は、右半分の行と交換されている。172×2バイト×192行は172バイト×12行×32スクランブルドフレームに等しく、情報フィールドとなる。16バイトのPOが、各172×2列にRS(208,192,17)のアウターコードを形成するために付加される。また10バイトのPI(RS(182,172,11))が、左右のブロックの各208×2行に付加される。PIは、POの行にも付加される。
フレーム内の数字は、スクランブルドフレーム番号を示し、サフィックスのR,Lは、スクランブルドフレームの右側半分と、左側半分を意味する。PO,PIの生成は以下のような手順で行なわれる。
先ず、列j(j=0〜171と、j=182〜353)に対して、16バイトのBi,j(i=192〜207)が付加される。このBi,jは、多項式Rj(X)により定義されており、この多項式は、アウターコードRS(208,192,17)を各172×2列に形成するものである。
次に、行i(i=0〜207)に対して、10バイトのBi,j(j=172〜181、j=354〜363)が付加される。このBi,jは、多項式Ri(X)により定義されており、この多項式は、インナーコードRS(182,172,11)を(208×2)/2の各行に形成するものである。
ECCブロックにおいて、アウターパリティー(PO)が、左側ブロック、右側ブロックにそれぞれインターリーブされた様子を示す。各Bマトリックスの要素であるBi,jは、208行×182×2列を構成している。このBマトリックスは、Bi,jがBm,nで再配置されるように、行間においてインターリーブされている。
この結果、16のパリティ行は、1行ずつ分散される。つまり、16のパリティ行は、2つの記録フレーム置きに対して、1行ずつ配置される。したがって、12行からなる記録フレームは、12行+1行となる。この行インターリーブが行なわれた後、13行×182バイトは、記録フレームとして参照される。したがって、行インターリーブが行なわれた後の、ECCブロックは、32個の記録フレームである。1つの記録フレーム内には、右側と、左側のブロックの行が6行ずつ存在する。また、POは、左のブロック(182×208バイト)と、右のブロック(182×208バイト)間では、異なる行に位置するように配置されている。図では、1つの完結型のECCブロックとして示している。しかし、実際のデータ再生時には、このようなECCブロックが連続してエラー訂正処理部に到来する。このようなエラー訂正処理の訂正能力を向上するために、インターリーブ方式が採用される。
記録されたデータフィールド(偶数フィールドと奇数フィールド)において、Even Recorded data field及びOdd Recorded data fieldのいずれも最後の2シンクフレーム(すなわち最後の“SYNC codeがSY3”の部分とその直後の“シンクデータ”及び“SYNC codeがSY1”の部分とその直後の“シンクデータ”が並んだ部分)内のシンクデータ領域にPO(Parity Out)の情報が挿入される。
すなわち、Even Recorded data field内の最後の2シンクフレーム箇所には“左側のPOの一部”が挿入され、Odd Recorded data field内の最後の2シンクフレーム箇所には“右側のPOの一部”が挿入される。1個のECCブロックはそれぞれ左右の“小ECCブロック”から構成され、セクタ毎に交互に異なるPOグループ(左の小ECCブロックに属するPOか、右の左の小ECCブロックに属するPOか)のデータが挿入される。
図176(A)には、DDSの構成を示している。DDSは1物理セクタの長さのテーブルである。DDSはディスクのフォーマットされた構成を示している。DDSは、フォーマットの最終段階で、各DMAの第1の物理セクタ内に記録される。
このDDSは、DDS識別子、ディスクサーティフィケイションフラグ、DDS/PDLアップデートカウンタ(update counter)、グループ番号、ゾーン番号、1次予備エリアのロケーション(Location of Primary spare area)、LSN0のロケーション、各ゾーンの開始LSN(論理セクタ番号)など、を含む。ディスクサーティフィケイションフラグ(Disc certification flag)には、In-progress flag、User certification flag, Disc manufacturer certification flagが含まれる。In-progress flagが“0”であれば、フォーマッティングが完了したことであり、“1”であればフォーマッティングがIn-progress(進行中)であることを示す。User certification flagが“0”のときは、ユーザによりまだこのディスクが検証されていないことであり、“1”のときはユーザにより少なくとも1回は検証されていることを意味する。Disc manufacturer certificationが“0”のときは、製造者による検証がすんでないことであり、“1”のときは少なくとも1回は検証されていることを意味する。
DDS/PDL update counterは、このDDS/PDL物理セグメントブロックの更新及び再書き込み動作の総回数をカウントしている。このDDS/PDL update counterは初期値0とされ、再書き込み、あるいは更新が行われる毎に+1とされる。DDS/PDL及びSDL物理セグメントブロックのカウンタは、フォーマットが完了したときは、同じカウント値である。グループ番号は000hにセットされる。またゾーン番号は、0013h(19ゾーン)にセットされる。
1次予備エリアのロケーション(Location of Primary spare area)は図176(B)に示すような形式である。一次予備エリアの第1の物理セクタの物理セクタ番号がb32−b55に記述される。また一次予備エリアの最後の物理セクタの物理セクタ番号がb0−b23に記述される。
LSN0のロケーションのフィールドでは、第1の論理セクタの物理セクタ番号が記述される。各ゾーンの開始LSN(論理セクタ番号)のフィールドでは、4バイトで各ゾーンのスタート論理セクタ番号が記述される。
次に、欠陥管理における予備物理セグメントブロックについて説明する。データエリアにおける欠陥物理セグメントブロックは、欠陥管理に従って、正常な物理セグメントブロックに交替されなければならない。ディスクは、ゾーン0の中に1つの一次予備エリアを有し、またゾーン18内に1つの拡張可能な補足予備エリアをもってもよい。一次予備エリア内の予備物理セグメントブロックの数は、 2300である。補足予備エリア内の予備物理セグメントブロックの数は、最大7104である。補足予備エリア内の予備物理セグメントブロックの数は、32物理セグメントブロックの倍数である。補足予備エリアはデータエリアの先頭に向かって拡張可能である。
欠陥物理セグメントブロックは、スリッピング交替アルゴリズム、リニア交替アルゴリズム、あるいは物理セグメントブロックスキッピングアルゴリズムによって取り扱われる。PDLとSDLにリストされるエントリの総数は、以下の要求を満たす必要がある。
1≦SPDL≦31、1≦SSDL≦31
SPDL=[((EPDL×4+4)+2047))/2048]
SSDL=[((ESDL×8+24)+2047))/2048]
但し
SPDLはPDLエントリを保持するために使用された物理セクタの数
SSDLはSDLエントリを保持するために使用された物理セクタの数
EPDLはPDL内のエントリの数
ESDLはSDL内のエントリの数
[P]はここではPよりも大きくない最大整数を表す意味として用いた。
SPDL=[((EPDL×4+4)+2047))/2048]
SSDL=[((ESDL×8+24)+2047))/2048]
但し
SPDLはPDLエントリを保持するために使用された物理セクタの数
SSDLはSDLエントリを保持するために使用された物理セクタの数
EPDLはPDL内のエントリの数
ESDLはSDL内のエントリの数
[P]はここではPよりも大きくない最大整数を表す意味として用いた。
以下、上記説明した第2の欠陥管理方法による作用・効果についてまとめる。
例えば、この発明の情報記憶媒体が、1000回のオーバーライトまで可能であるとする。この情報記憶媒体において、10000件の欠陥管理情報の登録を実現する。この場合、DMAを1000回ごとに遷移させれば、10回(=10000/1000)の遷移で、計算上は10000件の欠陥管理情報の登録に耐えられることとなる。つまり、DMAを交替できるようにすることで、オーバーライト特性の悪さを克服することが可能となる。
従来は、DMA自身が欠陥管理されていない。このため、繰り返し記録可能な回数よりも、欠陥管理情報の書き換え回数が多くなると、事実上十分な欠陥管理ができないという問題があった。たとえば、1000回程度しかオーバーライトできない情報記憶媒体の場合には、1000回を超える欠陥管理情報の書き換えにより、DMA自体が欠陥になってしまう可能性があった。市場に出回る情報記憶媒体の中には品質が悪いものもあり、このような媒体の場合には100回程度のオーバーライトにより欠陥ブロックになってしまうこともある。このような粗悪な媒体では、一部の欠陥のために媒体全体が使えなくなってしまうことがある。
以下にまとめたようなこの第2の欠陥管理方法により、1000回程度しかオーバーライトできない情報記憶媒体の性能を飛躍的に向上させることができる。
・Target
Maximum OW times:100,000
・Presupposition
OW limitation of single DMA : 1,000
・Solution
Plural DMAs with transition
Number of DMA: 100,000/1,000 = 100 set
Four identical DMAs
この発明の欠陥管理によれば、1000回程度のオーバーライトしかできない媒体の見かけ上のオーバーライト特性を向上させることができる。例えば、10万回程度のオーバーライトが可能となる。これはDVD−RAMのオーバーライト回数と同等の値である。1000回のオーバーライトされたエリアを、新しいエリアに交替させる。計算上は、100000/1000=100セットのDMA予約エリアが用意されていればよい。媒体が、100セットのDMA予約エリアを持つことで、1000回程度のオーバーライトしかできない媒体であっても、10万回程度のオーバーライトが可能な媒体と同等の性能を持つことができる。また、媒体が、同じ内容のDMAを、例えばリードインエリアに2つ、リードアウトエリアに2つ、合計4つ持つ。これにより、あるDMAから情報が読み出せなくなっても他のDMAから情報が読み出せれば、正しい欠陥管理が継続できる。つまり、同時に使えるDMAを複数持つと同時に、個々のDMAが劣化した場合に、新しいDMA予約エリアに欠陥管理情報を移す。これにより、DMA自体を障害から守る能力を高めることが可能となる。例えば、媒体上に、同時に4つのDMAを配置する構成の場合には、各DMAがDMA予約エリアを100個ずつ持つ。つまり、媒体上に、トータル400個のDMA予約エリアを用意しておけばよい。
Maximum OW times:100,000
・Presupposition
OW limitation of single DMA : 1,000
・Solution
Plural DMAs with transition
Number of DMA: 100,000/1,000 = 100 set
Four identical DMAs
この発明の欠陥管理によれば、1000回程度のオーバーライトしかできない媒体の見かけ上のオーバーライト特性を向上させることができる。例えば、10万回程度のオーバーライトが可能となる。これはDVD−RAMのオーバーライト回数と同等の値である。1000回のオーバーライトされたエリアを、新しいエリアに交替させる。計算上は、100000/1000=100セットのDMA予約エリアが用意されていればよい。媒体が、100セットのDMA予約エリアを持つことで、1000回程度のオーバーライトしかできない媒体であっても、10万回程度のオーバーライトが可能な媒体と同等の性能を持つことができる。また、媒体が、同じ内容のDMAを、例えばリードインエリアに2つ、リードアウトエリアに2つ、合計4つ持つ。これにより、あるDMAから情報が読み出せなくなっても他のDMAから情報が読み出せれば、正しい欠陥管理が継続できる。つまり、同時に使えるDMAを複数持つと同時に、個々のDMAが劣化した場合に、新しいDMA予約エリアに欠陥管理情報を移す。これにより、DMA自体を障害から守る能力を高めることが可能となる。例えば、媒体上に、同時に4つのDMAを配置する構成の場合には、各DMAがDMA予約エリアを100個ずつ持つ。つまり、媒体上に、トータル400個のDMA予約エリアを用意しておけばよい。
上記したこの発明は、2層構造の光ディスクに適用できる。2層構造の場合は、現行のDVD−Videoを第1層又は第2層に記録し、第2層または第1層に高密度のハイデンティシー(High Density)DVD−Video(以下HD−DVD)を記録することが可能となる。このように各レイヤーで異なるフォーマットを有するタイプのディスクは、ツインフォーマットディスク(Twin format disc)と称される。
図177には、HD−DVDのバーストカッティングエリアのフォーマットを示している。ここでブックタイプ及びディスクタイプ(Book type and Disc type)のエリアの特にディスクタイプには、ツインフォーマットディスクフラグ(Twin format flag)が記述される。
ブックタイプは、HD リライタブル(Rewitable)ディスクの場合、0101bが記述されている。またツインフォーマットディスクフラグは、ツインフォーマットでない場合に0bが記述されている。
また上記の説明において、DMAに関しては、DMA1&DMA2,DMA3&DMA4がありDefect Management Areasと称したが、Defect Management Zonesと称してもよい。即ち、図12のDMA1&DMA2,DMA3&DMA4のエリアをそれぞれ欠陥管理ゾーン(Defect Management Zone)と称するのである。
「DMAマネージャについてさらに説明する」
図178には、欠陥管理ゾーンの全体像を示している。DMAマネージャは、現DMAセットの位置を示す情報である。またDMAには、一次欠陥リスト(Primary defect list)、二次欠陥リスト(Secondary defect list)などが含まれる。
図178には、欠陥管理ゾーンの全体像を示している。DMAマネージャは、現DMAセットの位置を示す情報である。またDMAには、一次欠陥リスト(Primary defect list)、二次欠陥リスト(Secondary defect list)などが含まれる。
図179には、データリードンエリアにおいて特にDMAマネージャの構成を詳しく示している。
DMAマネージャはDMAsのための情報を含むもので、例えば現DMAs(current DMAs)の位置などである。各DMAマネージャの長さは1つのPSブロックである。図159のDMAマネージャに比べてDMAマネージャアップデートカウンタ(DMA Manager update counter)の領域が確保されている。DMAマネージャアップデートカウンタは、DMAマネージャの更新処理が行われた総数を特定する。初期化時には、このフィールドは”0”にセットされる。そしてこのカウンタは、DMAマネージャが更新されるごとに1増大される。
DMAsとDMAマネージャの境界は先の図162に示したとおりである。
各DMAの最初のPSブロックは、DDS/PDL PSブロックと称され、ディスク定義構成(Disc Definition Structure)と一次欠陥リスト(Primary Defect List)を含む。各DMAの第2のPSブロックは、SDL PSブロックと称され、二次欠陥リスト(SDL)を含む。4つのDMAsの内容は、同等である。
ディスクの初期化後の各DMAマネージャセットは、次のようなステータスとなっている。
最初の有効なDMAマネージャセットは、1024個のDMAマネージャユニットを、各DMAマネージャの中に有し、それは、現DMAマネージャセット(Current DMA set)と称される。DMAマネージャユニットは、識別子を有し、また0にセットされるべきDMAマネージャ更新カウンタを有し、また、現DMAs(図179のDMA1,DMA2,DMA3、DMA4)の各第1のPSNを有する。
他の有効なDMAマネージャセットのPSブロックは、”FFh”で満たされる。また欠陥DMAマネージャセットのPSブロックは、”AAh”で満たされるか又は何も記録されない状態に維持される。
図180には、ディスクを初期化した場合、DMAマネージャセットに関する処理例、ケース1の例と、ケース2の例を示している。物理セクタブロックの単位で欠陥DMAマネージャが、置換えられた例を示している。ケース2の場合は、すでに欠陥のPSブロックが初期化時に存在している例を示している。このような場合、欠陥PSブロックを早い時期に検出できるので、初期化作業時間の無駄が軽減される。
ディスクの初期化後の各DMAセットは、次のようなステータスとなっている。
最初の有効なDMAセットは、DDS/PDL PSブロックと、SDL PSブロックを持たなければならない。このDMAセットは、現DMAセットと称され、その番号は、DMAマネージャによって指し示されている。
他の有効なDMAセットのPSブロックは、”FFh”で満たされる。また置換えられたDMAセットを除く欠陥DMAセットのPSブロックは、”AAh”で満たされるか又は何も記録されない状態に維持される。
図181には、ディスクを初期化した場合、DMAセットに関する処理例を示している。物理セクタブロックの単位で欠陥DMAが、交替された(置換えられた)例を示している。すでに欠陥のPSブロックが初期化時に存在している例を示している。このような場合、欠陥PSブロックを早い時期に検出できるので、初期化作業時間に無駄が軽減される。欠陥PSブロックが存在したために、その位置が置換えられた場合DMAマネージャも現DMAセットの位置情報を変更される。
ディスクの初期化後の現DMAセット内のDMAは、次のような内容となっている。即ち各DDS/PDL PSブロックの第1の物理セクタは、DDS(ディスク定義構成の情報)を含む。また、各DDS/PDL PSブロックの第2の物理セクタは、PDLのための第1の物理セクタである。また各SDL PSブロックの最初の物理セクタは、SDLのための第1の物理セクタである。
PDL及びSDLの長さは、各リストのエントリ数により決まる。DMAsの中で未使用の物理セクタは、”FFh”で満たされる。そして全ての予約PSブロックは、”00h”で満たされる。
リプレイスメント(replacement)後、各DMAセットは、次のような状態である。即ち、置換えられたDMAセット内において、PDLの最後の物理セクタの未使用バイトと、DDS/PDL PSブロックの未使用物理セクタは、全て”AAh”で満たされる。また、新しく割り当てられた現DMAセット内において、PDLの最後の物理セクタの未使用バイトと、DDS/PDL PSブロックの未使用物理セクタは、全て”FFh”で満たされる。
「欠陥管理」において、スペアPSブロックについてさらに追加説明する。
データエリア内の欠陥PSブロックは、後述する欠陥管理方法によって、良好なPSブロックによって交替される。ディスクは使用前にフォーマット化される。フォーマッティングンは、検証を伴っていても、逆に検証無しでも構わない。ディスクは、ランドのゾーン0に1つの一次スペアエリアを有する、そして、グルーブのゾーン18に1つの拡張可能なサプリメンタリースペア領域を有してもよい。
一次スペアエリアのスペアPSブロックの数は2300である。サプリメンタリースペアエリアのスペアPSブロックの最大数は7140である。サプリメンタリースペアエリアの最大スペアPSブロックは、32個のPSブロックの倍数である。サプリメンタリースペア領域は、データエリアのトップ(先頭)の方向に向かって拡張可能である。
欠陥PSブロックは、スリッピングリプレイスメントアルゴリズムにより取り扱われる。このアルゴリズムとしてはリニアリプレイスメントアルゴリズム、PSブロックスキッピングアルゴリズムがある。PDLとSDLのエントリーリストの総数は、次の式を満足している。
0 < EPDL < 2300
1 < SSDL < 32
SSDL= └{( EPDL ×8+24)+2047}/2048 ┘
EPDLは、PDL内のエントリ数
SSDLは、SDLエントリを保持するのに必要な物理セクタ数
└ P ┘はpよりも大きくない最大整数を表す。
1 < SSDL < 32
SSDL= └{( EPDL ×8+24)+2047}/2048 ┘
EPDLは、PDL内のエントリ数
SSDLは、SDLエントリを保持するのに必要な物理セクタ数
└ P ┘はpよりも大きくない最大整数を表す。
「ディスクフォーマッティング」について、さらに説明する。
使用前にディスクはフォーマッティングされる。もしフォーマッティング処理前にディスクにDMAが記録されていなかったら、処理は初期化とみなされる。もしフォーマッティング処理前にディスクにDMAが記録されていたら、処理は再初期化とみなされる。
フォーマッティング後に上述した欠陥管理ゾーンが記録される。データ領域は、シングルグループで構成される。グループは、ユーザエリア、スペアエリアを含む。スペアエリアのPSブロックは、欠陥PSブロックのための置換え(リプレイスメント)として使用することができる。フォーマッティングは、初期化又は再初期化のいずれでも行なわれる。これらの処理は、欠陥PSブロックが識別されスキップされているかを検証する処理を含んでもよい。
全てのDDSパラメータが4つのDDS/PDL PSブロックに記述される。PDL及びSDLは、4つのDMA内に記録される。各DMAに続く予約されたPSブロックは、”00h”で満たされる。
フォーマッティング後、スリッピングリプレイスメントの結果として配置されたどのPSブロック或いはどのスペアPSブロックも、以下の状態の1つを取る。
(a)PSブロック或いはスペアPSブロックはECCブロックを構成する32個のデータフレームのセットを含む。データフレームは再初期化前に書かれていてもよい。
(b)PSブロック或いはスペアPSブロックはなにも書かれていない、全てが物理セクタである。
(c)PSブロック或いはスペアPSブロックは、検証処理の間に書き込まれた000000hから00001Fhのデータフレーム番号を含む。
フォーマッティング後は、PDLの中には、エントリの3つのタイプが存在する、つまりP−list,G1−list,G2−list、である。このタイプは、各エントリのエントリタイプにより識別される。SDLもエントリを含んでもよい。
ディスクが検証されるとき、検証は、ユーザ領域、スペア領域の全てのPSブロックに適用される。検証において欠陥PSブロックが見つかったら、PDLのG1−listにリストされ、そして、スリッピングリプレイスメントアルゴリズムによって取り扱われる。
もし、フォーマッティング処理が、検証を含む或いは他のデータ書き込み処理を含むならば、データフレーム番号は000000hから00001Fhの間で無ければならない。ディスク検証フラグの中のインプログレスフィールド(in-progress filed)は検証処理の間 1b にセットされる。この手続は、システム対して、以前のフォーマッティングの間に生じた失敗の発生を検出することを許容する。
「初期化」について、さらに説明する。
もし、ディスクに記録されたDMAsが無ければ、ディスクは初期化を要求される。初期化の間、最初の有効なDMAマネージャセットは、現DMAマネージャセットとして用いられる。そのDMAマネージャのアップデートカウンタは0にセットされる。他の有効なDMAマネージャセットにおいて、DMAマネージャのPSブロックは、”FFh”で満たされる。書き込み前に欠陥として検出されたDMAマネージャセットは、どのようなデータも書き込まれない。書き込み後に欠陥として検出されたDMAマネージャセットは、DMAマネージャのPSブロック内に”AAh”が再書込みされなければならない。
最初の有効なDMAマネージャセットは、現DMAマネージャセットとして用いられる。DDS/PDLアップデートカウンタ及びSDLアップデートカウンタは、0にセットされる。ディスク製造元で初期化のときに見つかった欠陥PSブロックは、PDLのP−listにリストされる。ディスク製造元ではない他の誰かによる初期化のときに見つかった欠陥PSブロックは、PDLのG1−listにリストされる。この両方のケースにおいては、ユーザ領域の欠陥PSブロックだけでなくスペア領域の欠陥PSブロックもまたPDLにリストされる。
他の有効なDMAセット内において、4つのDMAs内のPSブロックは、”FFh”で満たさなければならない。
検証処理は、初期化時に行われてもよい。もし検証処理が製造元によって適用された場合、ディスク検証フラッグ内のディスク製造元検証フィールドは、1b にセットされる。もし検証処理がディスク製造元とは異なる他の誰かによって適用された場合、ディスク検証フラッグ内のユーザ検証フィールドは、1b にセットされる。
検証中において、PDLに登録すべき欠陥PSブロックの数が、ある数を越えた場合は、PDLに記録されなかった欠陥PSブロックの分はSDLに登録される。初期化時に、もし、プライマリースペアエリアにスペアPSブロックが残っていなかった場合、プライマリースペアエリアフルフラッグが1にセットされる。検証中に有効なスペアPSブロックが存在しなくなった場合は、初期化はエラーとしてみなされる。
「再初期化」についてさらに説明する。
フォーマッティング前にディスク上に既にDMAsが記録されている場合は、フォーマッティングは、再初期化であるとみなされる。再初期化処理のために、P−list,DDS/PDL アップデートカウンタ、そしてSDLアップデートカウンタが保護される。
再初期化処理においては、次のようなステップが含まれる:
(1)PDLからG1−listを排斥するための検証の適用、及び又は、検証中にPDLのG1−lsitの中に見つかった新しいPDLエントリの登録に対する検証の適用
(2)SDLエントリを、PDLのG1−listへ変換
(3)PDLからG2−listの排斥及びSDLエントリの排斥。
(1)PDLからG1−listを排斥するための検証の適用、及び又は、検証中にPDLのG1−lsitの中に見つかった新しいPDLエントリの登録に対する検証の適用
(2)SDLエントリを、PDLのG1−listへ変換
(3)PDLからG2−listの排斥及びSDLエントリの排斥。
処理1において、PDLのG2−listは、常に排斥される。検証中に見つかった結果PSブロックは、PDLのG1−listに登録される。この処理は、書き込み動作を伴ったディスク検証において常に要求されるものではない。
図182(A)には、データリードアウトエリア内における欠陥管理ゾーン(Defect Management zone)の位置を示している。
欠陥管理ゾーンは、DMAマネージャy2、DMA3,DMA4,そして予約PSブロックから構成されている。
図182(B)には、データリードインエリア内のディスク識別ゾーン(Disc identification zone)の例を示している。ディスク識別ゾーンはドライブ情報と予約エリアを有する。ドライブ情報は、ランドトラックの2つPSブロックに構成されており、ランドトラックの物理セクタ番号02CD00hから開始している。各ドライブ情報の1PSブロックの内容は等しい。ドライブ情報は物理セクタ番号(PSN)の昇順に読取或いは記録される。
「データエリアにおけるPSブロックリプレイスメントのガイドライン」
今、仮にPSブロックの欠陥あり、ガードエリアを除いたデータエリアの中で、欠陥管理により、PSブロックがリプレイスされるものとする。PSブロックリプレイスメントの基準(criteria)は、記録されるデータのタイプに依存して決まる。以下は欠陥管理に適用される基準の「例」である。どのような基準が用いられるかは、良好なPSブロックが識別されなければならない。
今、仮にPSブロックの欠陥あり、ガードエリアを除いたデータエリアの中で、欠陥管理により、PSブロックがリプレイスされるものとする。PSブロックリプレイスメントの基準(criteria)は、記録されるデータのタイプに依存して決まる。以下は欠陥管理に適用される基準の「例」である。どのような基準が用いられるかは、良好なPSブロックが識別されなければならない。
「例」
WAPエラー: WAPエラーは、パリティーチェック或いは物理セグメント番号の連続した状態によって決定される。
WAPエラー: WAPエラーは、パリティーチェック或いは物理セグメント番号の連続した状態によって決定される。
内部コードエラー(Inner code error): PSブロックにおいて、左右半分の内部コードの中に(an inner code of left/right half in the PS block)、4又はそれ以上のエラーバイトがある。
「スリッピングレプレイスメントアルゴリズム」
もしPSブロックが、WAPエラーを伴う4或いはそれ以上の物理セグメントを持つ場合には、次のPSブロックが置換えられるべきである。もしPSブロックの左右半分が8又はそれ以上の内部コードエラーを含む場合は、PSブロックは置換えられるべきである。
もしPSブロックが、WAPエラーを伴う4或いはそれ以上の物理セグメントを持つ場合には、次のPSブロックが置換えられるべきである。もしPSブロックの左右半分が8又はそれ以上の内部コードエラーを含む場合は、PSブロックは置換えられるべきである。
「欠陥管理ゾーンにおけるPSブロックのリプレイスメントのためのガイドライン」
いま、現DMAマネージャセット又は現DMAセットの欠陥があり、現DMAマネージャセット又は現DMAセットが、欠陥マネジメントエリアの次の有効なDMAマネージャセット又はDMAセットにより交替(置換え)されるものとする。
いま、現DMAマネージャセット又は現DMAセットの欠陥があり、現DMAマネージャセット又は現DMAセットが、欠陥マネジメントエリアの次の有効なDMAマネージャセット又はDMAセットにより交替(置換え)されるものとする。
以下は、DMAマネージャセット又はDMAセットの置換えに適用可能な基準(criteria)の例である。
現DMAマネージャセットが欠陥であるとみなされたとき、次の有効なDMAマネージャセットによって置換えられるべきである。現DMAセットが欠陥であるとみなされたとき、次の有効なDMAャセットによって置換えられるべきである。置き換わったDMAセットは、再記録される、そしてそのPDLの最後の物理セクタの未使用のバイト及び、DDS/PDL PSブロック内の未使用の物理セクタは、”AAh”で満たされるべきである。置き換わったDMAセットとは、以後は、旧DMAセットとして認識される。
有効なDMAマネージャセット又はDMAセットそして欠陥DMAセットは以下のように定義される。
有効なDMAマネージャセット又はDMAセット: 2つの種類の有効なDMAマネージャセット又はDMAセットがある。最初の記録の直後に、仮に、あるDMAマネージャセット又はDMAセットが、少なくとも2つの訂正可能なDMAマネージャ又はDMAs含むならば、それは有効とみなされる。また2回或いはそれ以上の記録の後に、仮に、あるDMAマネージャセット又はDMAセットが、少なくとも2つの信頼できる或いは2つの訂正可能なDMAマネージャ又はDMAs含むならば、それは有効とみなされる。
欠陥DMAマネージャセット又はDMAセット: 欠陥DMAマネージャセット又はDMAセットは、有効でないDMAマネージャセット又はDMAセットである。仮にDMAマネージャセット又はDMAセットの全てのバイトが”AAh”で満たされているなら、又は何もかかれていないならば、そのDMAマネージャセット又はDMAセットは欠陥とみなされる。
信頼できるDMAマネージャ又はDMAと訂正可能なDMAマネージャ又はDMAは以下のように定義される。
信頼できるDMAマネージャ又はDMA: 仮にDMAマネージャ又はDMAのPSブロックにおいて、左右半分中では、7つまたはそれより少ない内部コードエラーである、そして以前のPSブロックがWAPエラーを伴い3つ或いはそれ以下の物理セグメントを含む場合、DMAマネージャ又はDMAは信頼できる。
訂正可能なDMAマネージャ又はDMA: 仮にDMAマネージャ又はDMAに記録されているデータが、ECCシステムより訂正可能であり、以前のPSブロックがアクセス可能であれば、そのDMAマネージャ又はDMAは訂正可能とみなされる。
「欠陥管理手続」について、さらに説明する。
制御部を含めたドライブ装置により、PSブロックのリプレイスメントが行なわれ、また欠陥管理ゾーンが利用される。
「ディスクの判定」
ディスクが良いディスクか良くないディスクかは次のようなアイテムがベースとなる。
ディスクが良いディスクか良くないディスクかは次のようなアイテムがベースとなる。
(1)書き込み禁止ディスク
(2)コントロールデータ情報
(3)DMAs内におけるエラーPSブロックの数及び並び
(4)DMAセットの更新禁止
(5)データエリアの欠陥PSブロックの数
(6)DDS情報
(7)ケース有り又はケースなしディスク
ディスク判断の方法及び基準は、2つのケースにより異なっても良い。2つのケースとは、ケースAは、ディスクのフォーマッティングのときである(初期化或いは再初期化)。ケースBは、データエリアに対して情報を書き込む或いは情報を読み出すときである。
(2)コントロールデータ情報
(3)DMAs内におけるエラーPSブロックの数及び並び
(4)DMAセットの更新禁止
(5)データエリアの欠陥PSブロックの数
(6)DDS情報
(7)ケース有り又はケースなしディスク
ディスク判断の方法及び基準は、2つのケースにより異なっても良い。2つのケースとは、ケースAは、ディスクのフォーマッティングのときである(初期化或いは再初期化)。ケースBは、データエリアに対して情報を書き込む或いは情報を読み出すときである。
上記した(1)書き込み禁止ディスクに基づく処理の場合、書き込み禁止穴がドライブ装置により検出されて書き込み禁止が実現される。ケースAの場合ドライブ装置はフォーマットを行なわない。ケースBの場合、ドライブ装置は、ドライブテストゾーンにデータを書き込んでもよい。ドライブ装置はSDLを更新すること無しで、DMAsを変更しない。
上記した(2)コントロールデータ情報に基づく処理では、ドライブ装置は、コントロールデータセクションに記録された物理フォーマット情報の少なくともブロックポジション(BP)0−BP32をチェックする。
上記した(3)DMAs内におけるエラーPSブロックの数及び並びに基づく処理では、DMAs内におけるエラーPSブロックの数及び並びがチェックされる。
[フォーマッティング前の現DMAセットのチェック]
(3−1)ドライ装置は、少なくともDDS/PDL PSブロックとSDL PSブロックの良好な組が1つでもあるかをチェックする。1つのDMAからDDS/PDL PSブロックと、他のDMAからのSDL PSブロックの良好な組を形成することができる。
(3−1)ドライ装置は、少なくともDDS/PDL PSブロックとSDL PSブロックの良好な組が1つでもあるかをチェックする。1つのDMAからDDS/PDL PSブロックと、他のDMAからのSDL PSブロックの良好な組を形成することができる。
仮に、DDS/PDL PSブロック内のDDS/PDLアップデートカウンタの最大値が、SDL PSブロック内のDDS/PDLアップデートカウンタの最大値に等しくない場合、良好なペア(組)は存在しない。良好なペア(組)が存在しない場合は、フォーマッティングは初期化としてみなされる。
以下の全ての条件が見たされるときは、良好なペア(組)が存在するとみなされる。
a)物理セグメント内の全てのデータがECCに基づいて訂正可能である
b)DDS識別子が0A0Ahである
c)各PSブロックのDDS/PDLアップデートカウンタの値が等しい。
b)DDS識別子が0A0Ahである
c)各PSブロックのDDS/PDLアップデートカウンタの値が等しい。
(3−2)上記の良好な組が2つあるいはそれ以上存在し、コンテンツが互いに不一致の場合は、DDS/PDLアップデートカウンタに最大値を持つ良好な組は使用されるべきである。
(3−3)DDS/PDLアップデートカウンタに同じ値を有するが、SDLアップデートカウンタの値は互いに異なり、DDS/PDL PSブロック及びSDL PSブロックの良好な組が、2つあるいはそれ以上存在する場合、SDL PSブロック内のSDLアップデートカウンタの最大値を持つ組は、良好な組として使用されるべきである。
(3−4)ドライブ装置は、良好なDDSの中のディスク検証フラッグのインプログレスフィールドが0bであるかどうかをチェックする。フラッグが1bであれば、検証を伴うフォーマッティングが実行されるべきである。
[フォーマッティング後の現DMAセットのチェック]
(3−5)ドライブ装置は現DMAセットが少なくとも2つの良好なDDS/PDL PSブロック及び2つの良好なSDL PSブロックがあるという基準を満足するかどうかをチェックすべきである。DMAsを記録するために用いられるドライブメモリ内の情報が、DDS,PDLそしてSDLのデータと一致するならば、DMAは良好なDMAである。もしそうでないならばDMAは良くないDMAである。
(3−5)ドライブ装置は現DMAセットが少なくとも2つの良好なDDS/PDL PSブロック及び2つの良好なSDL PSブロックがあるという基準を満足するかどうかをチェックすべきである。DMAsを記録するために用いられるドライブメモリ内の情報が、DDS,PDLそしてSDLのデータと一致するならば、DMAは良好なDMAである。もしそうでないならばDMAは良くないDMAである。
(3−6)加えて、DDS/PDL PSブロック及びSDL PSブロック内で未使用の物理セクタは、”FFh”が記述されるべきである。
[データエリアにデータを書き込む或いはデータを読み出す前の現DMAセットのチェック]
(3−8) ドライ装置は、少なくともDDS/PDL PSブロックとSDL PSブロックの良好な組が1つでもあるかをチェックする。1つのDMAからDDS/PDL PSブロックと、他のDMAからのSDL PSブロックの良好な組を形成することができる。
(3−8) ドライ装置は、少なくともDDS/PDL PSブロックとSDL PSブロックの良好な組が1つでもあるかをチェックする。1つのDMAからDDS/PDL PSブロックと、他のDMAからのSDL PSブロックの良好な組を形成することができる。
仮に、DDS/PDL PSブロック内のDDS/PDLアップデートカウンタの最大値が、SDL PSブロック内のDDS/PDLアップデートカウンタの最大値に等しくない場合、良好なペア(組)は存在しない。良好なペア(組)が存在しない場合は、ディスクが良くない(NG)ディスクである。
以下の全ての条件が見たされるときは、良好なペア(組)が存在するとみなされる。
a)物理セグメント内の全てのデータがECCに基づいて訂正可能である
b)DDS識別子が0A0Ahである
c)各PSブロックのDDS/PDLアップデートカウンタの値が等しい。
b)DDS識別子が0A0Ahである
c)各PSブロックのDDS/PDLアップデートカウンタの値が等しい。
仮に、良好なDDS/PDL PSブロックがない場合は、そのディスクはNGである。
(3−9)上記の良好な組が2つあるいはそれ以上存在し、コンテンツが互いに不一致の場合は、DDS/PDLアップデートカウンタに最大値を持つ良好な組は使用されるべきである。
(3−10)DDS/PDLアップデートカウンタに同じ値を有するが、SDLアップデートカウンタの値は互いに異なり、DDS/PDL PSブロック及びSDL PSブロックの良好な組が、2つあるいはそれ以上存在する場合、SDL PSブロック内のSDLアップデートカウンタの最大値を持つ組は、良好な組として使用されるべきである。
(3−11)ドライブ装置は、良好なDDS/PDL PSブロック内のディスク検証フラッグのインプログレスフィールドをチェックする。フラッグが1bであれば、ディスクNGであり、フォーマッティングが必要である。
[SDLのアップデート後の現DMAセットのチェック]
(3−12)ドライブ装置は、1つあるいはそれ以上の良好なSDL PSブロックがあるかどうかチェックする。仮に良好なSDL PSブロックがない場合にはSDLは不良である。
(3−12)ドライブ装置は、1つあるいはそれ以上の良好なSDL PSブロックがあるかどうかチェックする。仮に良好なSDL PSブロックがない場合にはSDLは不良である。
(3−13)加えて、DDS/PDL PSブロック及びSDL PSブロック内の未使用の物理セクタがチェックされてもよい。
上記した(4)DMAセットの更新禁止では、以下の処理が行われる。
(4−1)ドライブ装置は、現DMAセットの更新の前にDMAが更新禁止されているか否かをチェックする。仮にあるDMAブロックに良好なDDS/PDL PSブロックが無くまた、他のDMAブロックにも良好なSDL PSブロックが無い場合、現DMAセットはアップデートされるべきではない。
欠陥管理ゾーンの中で、少なくとも3つの訂正可能なDMAsを持つ未使用のDMAセットが無い場合は、更新のためには、現DMAセットは、少なくとも3つ以上のDDS/PDL PSブロックとSDL PSブロックのペアを持たなければならない。
欠陥管理ゾーンの中で、少なくとも3つの訂正可能なDMAsを持つ未使用のDMAセットがある場合は、更新のためには、現DMAセットは、先に述べた条件(3−8)−(3−11)を満たしていなければならない。
上記した(5)のデータエリアの欠陥PSブロックの数に基づく処理について説明する。
ドライブ装置は、PDLとSDLにリストされたトータルエントリー数が所定の要件を満足しているかどうかの事情に応じて、ディスクのNGを判定する。
上記した(6)のDDS情報に基づく処理について説明する。ドライブ装置は、DDS識別子が0A0Ahで無い場合は、エラーメッセージをホストコンピュータあるいは制御部にリターンする。これにより制御部はエラー状態をディスプレイに表示する。
「次にDMAマネージャ及びDMAセットの扱い方について説明する」
(a)DMAマネージャセットとDMAセットのリプレイスメントの基準としては以下のようになる。即ち、仮の現DMAセット番号を得るために、現DMAマネージャセットがサーチされる(このサーチ手順は図183に示される)。DMAマネージャデータの状態として、以下のような3つのステータスがある。
(a)DMAマネージャセットとDMAセットのリプレイスメントの基準としては以下のようになる。即ち、仮の現DMAセット番号を得るために、現DMAマネージャセットがサーチされる(このサーチ手順は図183に示される)。DMAマネージャデータの状態として、以下のような3つのステータスがある。
未使用DMAマネージャデータ:識別子までも全てのDMAマネージャセットデータが”FFh”であるときは、未使用であると認識される(ステップSA1,SA2、SA3、SA4)。未使用DMAデータを伴って記録されているDMAマネージャセットは、未使用DMAマネージャセットと命名される。
有効DMAマネージャデータ: DMAマネージャセットが、識別子”0010h”をもつ1つのDMAマネージャデータと、DMAマネージャアップデートカウンタとそして現DMAsの4つDMAの各最初のPSNを持つ場合は、データは有効なDMAマネージャデータとして認識される(ステップSA6での判定)。
またDMAマネージャセットが、2つの良好なDMAマネージャデータを持ち、そしてそれらの内容が同じならば、データは有効なDMAマネージャデータとして認識される。
またDMAマネージャセットが、2つの良好なDMAマネージャデータを持ち、そしてそれらのアップデートカウンタ値が等しくない(異なる)ならば、最大アップデートカウンタ値を含むデータが、有効なDMAマネージャデータとして認識される。
非有効DMAマネージャデータ: 非有効DMAマネージャデータは、使用されないし、また有効DMAマネージャデータでもない。
現DMAマネージャセットは、少なくとも有効DMAマネージャデータを含む現DMAマネージャセットとして認識されるべきである。有効DMAマネージャデータが見つからない場合、現DMAマネージャセットは以下のように決定され更新されるべきである。
有効なDMAマネージャセットの番号が未使用DMAマネージャセットのそれよりも小さい場合は、最新のDMAマネージャセットが有効な現DMAマネージャセットとしてみなされる(ステップSA6、SA7)。非有効なDMAマネージャセットの番号が未使用DMAマネージャセットのそれよりも小さい場合は、最初の未使用DMAマネージャセットが有効な現DMAマネージャセットとしてみなされる(ステップSA6、SA7)。
未使用DMAマネージャセットが見つからない場合は、最新のDMAマネージャセットが有効な現DMAマネージャセットとしてみなされる(ステップSA6、SA8)。
図183において、ステップSA3、SA4、SA5、SA9のループはDMAマネージャの1番目から10番目まで(#x-10)をチェックさせるためのルーチンである。ステップSA4又はSA5からステップSA6に移行した場合は、有効DMAマネージャセットの検出が行われる。
(b)現DMAセットのサーチ処理は以下のようになる。即ち、図184に示す手続で現DMAセットがサーチされる。このサーチ処理は、先の制御部を含むドライブ装置が実行する。DMAセットとしては、以下の3つの状態がある。未使用DMAセット、使用DMAセット、旧DMAセットである。
未使用DMAセット:未使用DMAセットは、少なくとも訂正可能(修復可能)な少なくとも1つのDMAを含む、また全ての訂正可能なDMAsはそのDDS識別子、PDL識別子、SDL識別子までもが“FFh”で満たされる。
使用DMAセット:使用DMAセットは、訂正可能な少なくとも1つのDMAを含み、またこれが所属するDMAセットは、未使用DMAセットではない。
旧DMAセット:旧DMAセットは使用DMAセットの類である。そしてPDLの最後の物理セクタの未使用バイト及びDDS/PDL PSブロックの未使用物理セクタは“AAh”で満たされている。
図184に示すように、仮の現DMAセットからDMAデータが読み取られてチェックされる(Read and cash DMA data from temporally current DMA set and check its status)。このチェック結果で、DMAセットが、未使用か使用済みであるのかが判定される(DMA set is unused or not?)。使用済みであれば、未使用DMAセットのサーチが行なわれる(Search forward to #y-100 for unused DMA set)。未使用DMAセットが見つかった(found)場合は、サーチが停止される(Stop searching)。次に使用DMAセットが存在するかどうかの判定が行なわれ、存在(exist)した場合には、最新の使用DMAセットが現DMAセットとして設定され、存在しない(not exist)場合は、NGである。
先の未使用DMAセットのサーチにおいて、未使用DMAセットが見つからなかった(not found)場合は、次のDMAセットが現DMAセットされる。
また最初にDMAセットが使用済みか、未使用(Unused)かを判定したが、未使用の場合には、DMAセットの番号がチェックされる。DMAセット番号が0(DMAセットが無いこと)であればNGであるが、0でなければ、使用DMAセットが存在するかどうか遡ってサーチされる。使用DMAセットが見つかった場合には、最初に見つかった使用DMAセットが現DMAセットであるものと設定され、見つからなければNGとされる。
(c)現DMAマネージャセットの更新処理。現DMAマネージャセットの更新処理は、DMAセットが交替されたときに行われる。DMAマネージャアップデートカウンタは、各アップデート(更新)処理があるとインクリメントされる。
図185には、DMAマネージャセット更新の手続を示している。この処理は、先の制御部を含むドライブ装置で実行される内容である。現DMAマネージャセット(Current DMA manager set)の更新が行なわれるときは、記録されている現DMAマネージャセット(Recorded current DMA manager set)の読取が行なわれ、現DMAマネージャセットは、有効なものであるかどうか(available or not available)の判定が行なわれる。
有効である場合には、DMAマネージャデータのチェックが行なわれ、現DMAマネージャセットのデータが、記録されている現DMAマネージャセットのデータと等しいかどうかのチェックが行なわれる。ここで等しい(identical)であれば処理は終了するが、不一致であれば、現DMAマネージャセットの更新が実行される。
また先に現DMAマネージャセットは、有効なものであるかどうか(available or not available)の判定が行なわれた。このステップで非有効であると判定され場合には、有効なDMAマネージャセットが残っているかどうか(remain or not remain)の判定が行なわれる。残っている場合には、現DMAマネージャセットの交替処理が行われ、現DMAAマネージャセットの更新が実行される。
(d)現DMAセットの更新処理は以下のようになる。現DMAセットの更新処理は、再初期化、SDL更新処理又はDMSセットの交替処理が実行されたときに行なわれる。再初期化なしでDAMセットの更新処理が行われる前に、現DMAセットは更新が許可されているかどうかのチェックが行なわれる。更新処理は、図186に示す基準を満たすように実行される。この処理は制御部を含むドライブ装置で実行される内容である。
図186において、まず現DMAセットは、更新が禁止されているかどうかの判定が行なわれる。禁止されている場合(inhibit)にはNGであり、禁止されていない場合(not inhibit)は、現DMAセットの更新処理が行われる。記録されている現DMAセットが読み出される。
現DMAセットは、有効なものであるかどうか(available or not available)の判定が行なわれる。有効である場合には、DMAデータのチェックが行なわれ、現DMAデータが、基準を満たしているかどうかのチェックが行なわれる。この基準(criteria)については、先に説明した通りである。基準を満たしていない場合には、現DMAセットの更新処理が実行される。
先の現DMAセットの有効・非有効の判断において、非有効であった場合は、有効なDMAセットが残っているかどうか(remain or not remain)の判定が行なわれる。残っている場合には、現DMAマネージャセットの交替処理が行われ、現DMAAマネージャセットの更新が実行される。
「次に初期化後の現DMAセット内の各DMAセットの内容について説明する」
初期化後の現DMAセット内の各DMAセットの内容は以下のようになる。
初期化後の現DMAセット内の各DMAセットの内容は以下のようになる。
(1)PDLをもつ。このPDLは、PB(ブロック位置)0 − PB 3にヘッダを有し、また欠陥PSブロックの情報を有する。欠陥PSブロックが無い場合には情報は記録されず、PB 4 − PB 2047は、“FFh”にセットされる。
(2)DDS,PDL、DMAの最初のPSブロックの物理セクタの32番目まで、以外のPSブロックは、“FFh”が記録されてもよい。
(3)SDLをもつ。SDLは、PB 0 − PB 23のヘッダ、欠陥PSブロックの情報、それらの交替PSブロックの情報を持つ。全ての欠陥PSブロックがPDLに登録できないときのみ、欠陥PSブロックは、SDLにリストされる。SDLの中に欠陥PSブロックが無い場合、情報は何も記録されず、PB 24 − PB 2047には、“FFh”がセットされる。
(4)SDL、DAMAの第2のPSブロックの物理セクタの32番目まで、以外のPSブロックは、“FFh”が記録されてもよい。
(5)後の各DMAの予約PSブロックは、“00h”が記述される。
P−lsitは、荷造り前にディスク製造元により決定される。P−listは、変更無く残る、しかし、P−listが加えられるか或いは削除される以外は、エントリの順序は変わってもよい。
次に、スリッピング交替処理のアルゴリズム(algorism of slipping replacement)について説明する。PDLに登録された欠陥部地理セグメントブロックは、第1の良好な物理セグメントブロックに交替処理されなければならず、このときは、データエリアの先頭の方へ1物理セグメントブロック分のスリップが生じる。このときは、物理セクタに対する論理セクタ番号(LSN)の割り当ても変換する。物理セグメントブロックは、32個の物理セクタを含み、各物理セクタが物理セクタ番号を持つ。よって、物理セクタ数=物理セクタブロック数×32(k=0,1,2、…、31)の関係にある。
図187にはゾーン内の使用する最初のLSNの計算と、LSN=0の物理セクタ番号の計算手順の例を示している。ゾーン内の最後のLSNをX,ガードエリアを除くゾーン内のPSブロックの総数をY、ゾーンに属するPDLエントリの数をZとしている。X+(−Y+Z)×32+1によりゾーン内の使用する最初のLSNが分かる。またLSN=0の物理セクタ番号は、PDLエントリの総数をXとすると (04 1F80h−X×32)がPSNとなる。
次にバイナリコードとグレイコードの相互関係、グレイコードの変化ビット位置とグルーブについて、追加説明する。
NとN+1番目のグレイコード間、あるいはNとN−1番目のグレイコード間では1ビットの相違がある。Nは自然数である。この相違ビットは変化ビット(a changed bit)と称される。変化ビット位置(a changed bit position)は、以下のように得ることができる。
今、図188、図189、図190を参照して説明する。ここでbmは、バイナリにおいて、LSBからm番目のビットであり、gmは、グレイコードにおいてLSBからm番目のビットとする。
bmがグルーブトラック内においてLSB1bであるときは、ランドトラックのgmはNとN+1番目のグレイコード間での変化ビットである(図189では、×印が示されている)。またbmがランドトラック内においてLSB0bであるときは、グルーブトラックのgmはNとN−1番目のグレイコード間での変化ビットである(図189では、×印が示されている)。
図190(A)、(B)には、変化ビット(不定ビット)位置でグルーブの幅がどのように物理的に変化しているかを示している。グルーブのカットのときは、変化ビット位置では、ウォブリングが不規則となる。これはグルーブ壁の両サイドでウォブル位相が異なるからである。グルーブ幅は、変化ビット位置で変調されている。グルーブ幅は、NPWからIPWに向かう途中で、狭い状態から広い状態に変化する。またIPWからNPWに向かう途中でグルーブ幅は、広い状態から狭い上体に変化する。
図191は物理フォーマット情報とRW物理フォーマットに関する実施形態の例を示している。バイト位置(BP) 0からバイト位置(BP) 519は、図141で説明した内容と同じであるが不足している部分或いは変更してもよい部分もあるので追加説明する。また具体的な数値とともにBP 520以降が図面の都合で省略されているので、追加説明する。
バイトポジション(BP)32では、このディスクで許される最大読取速度の実際の数が記述されている。また、BP 133からBP 148には、それぞれ第1の記録速度の実際の数から第16の記録速度の実際の数がそれぞれ記述されている。また、BP 149には、データエリアの反射率が記述され、BP 150には、プッシュプル信号値、BP 151には、ランドトラックのトラック信号値が記録される。この場合、BP 152には、グルーブトラックのトラック信号値、が記述される。また、図ではBP 141−150にPSN情報が記述されているが、この記述は、BP 256−163の位置に記述されていてもよい。
BP 32では、例えば0001010bが、1xに対応する。1xは、64.8Mbpsのチャンネルビットレートである。実際の最大読取速度(Actual maximum reading speed )=Value ×(1/10)で計算される。
BP 33 ではレイヤー(層)フォーマットのテーブルが記述される。b0−b2には、レイヤー0の情報の領域として用いられ、b3−b5はレイヤー1の情報の領域として用いられる。b6−b7はリザーブ領域である。レイヤー0の領域に000bが記述されているときは、この層は、HD DVD−RWのフォーマットであることを示している。またレイヤー1の領域に000bが記述されているときはこの層はHD DVD−RWのフォーマットであることを示している。他の内容が記述されているときは、リザーブであることを意味する。
BP 133−148では、記録スピードの値が記述されているが、 BP 133に記録されている値が、最低の記録速度の値である。第1から第16の領域まで用意されているが、全てが記述されていなくてもよい。例えば00000000bが記述されているときは、リザーブを意味する。第i番目の記録スピードは、Value × (1/10)で計算される。
BP 149においては、例えば00001110bが7.0%を意味する。実際の反射率は、Value × (1/2)(%)で計算される。
BP 150では、記述データ01100100bが1.00に対応する。プッシュプル信号の実際の振幅値は、Value ×(1/100)で計算される。
BP 151では、記述データ01000110bが0.70を示す。実際のランドオントラック信号の振幅値は、Value ×(1/100)で計算される。BP 152では、記述データ01000110bが0.70を示す。ここでも実際のグルーブオントラック信号の振幅値は、Value ×(1/100)で計算される。
なお上記のValueは、例えば図13−図15、図19、図20などで示したように、所定のディスクの規格の中から選択された値である。
続いてBP 514以降について説明する。
BP 514:ランドトラックにおけるリードアウト面でのバイアスパワー2を特定しており、例えば0000 0001bが記述され、0.1mWを指示している。
BP 515:ランドトラックでのバイアスパワー3であり、例えば0000 0001bが記述され、0.1mWを指示している。
BP 516:ランドトラックの第1パルス終了時間(TEPF)であり、例えば0011 0000bが記述され23.1ns(48T/32)を指示している。
BP 517:ランドトラックのマルチパルス間隔(TMP)であり、例えば000 0000bが記述されているときは7.7ns(0.5T)である。
またここでは、レーザスポットのスキャン方向に関する情報も記述され、一方のスキャン方向と同じ方向の場合0bが、その逆方向の場合1bが記述されている。したがって、スキャン方向によって、マルチパルス間隔は修正して用いる必要がある。
BP 518: ランドトラックのレーザパルス開始時間(TSLP)であり、例えば000 0000bが記述されており、0nsを指示している。
ここでも、レーザスポットのスキャン方向に関する情報も記述され、一方のスキャン方向と同じ方向の場合0bが、その逆方向の場合1bが記述されている。したがって、スキャン方向によって、開始時間は修正して用いる必要がある。
BP 519:ランドトラックでのバイアスパワー2の間隔(TLC),2Tマーク用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 520:ランドトラックでのバイアスパワー2の間隔(TLC),3Tマーク用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 521:ランドトラックでのバイアスパワー2の間隔(TLC),>4Tマーク用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 522:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、2Tマーク用、リーディング2Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
ここでも、レーザスポットのスキャン方向に関する情報も記述され、一方のスキャン方向と同じ方向の場合0bが、その逆方向の場合1bが記述されている。したがって、スキャン方向によって、開始時間は修正して用いる必要がある。
BP 523:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、3Tマーク用、リーディング2Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
ここでも、レーザスポットのスキャン方向に関する情報も記述され、一方のスキャン方向と同じ方向の場合0bが、その逆方向の場合1bが記述されている。したがって、スキャン方向によって、開始時間は修正して用いる必要がある。
BP 524:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、>4Tマーク用、リーディング2Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
ここでも、レーザスポットのスキャン方向に関する情報も記述され、一方のスキャン方向と同じ方向の場合0bが、その逆方向の場合1bが記述されている。したがって、スキャン方向によって、開始時間は修正して用いる必要がある。
BP 525:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、2Tマーク用、リーディング3Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
ここでも、レーザスポットのスキャン方向に関する情報も記述され、一方のスキャン方向と同じ方向の場合0bが、その逆方向の場合1bが記述されている。したがって、スキャン方向によって、開始時間は修正して用いる必要がある。
BP 526:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、3Tマーク用、リーディング3Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
BP 527:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、>4Tマーク用、リーディング3Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
BP 528:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、2Tマーク用、リーディング>4Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
BP 529:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、3Tマーク用、リーディング>4Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
BP 530:ランドトラックの最初のパルスのスタート時間(TSFP)、>4Tマーク用、リーディング>4Tスペース用であり、例えば010 0000bが記述され、15.4ns(32T/32)を指示している。
上記した各時間に関するブロックにおいても、レーザスポットのスキャン方向に関する情報も記述され、一方のスキャン方向と同じ方向の場合0bが、その逆方向の場合1bが記述されている。したがって、スキャン方向によって、開始時間は修正して用いる必要がある。
BP 531:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、2Tマーク用、トレイリング(Trailing)2Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 532:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、3Tマーク用、トレイリング(Trailing)2Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 533:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、>4Tマーク用、トレイリング(Trailing)2Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 534:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、2Tマーク用、トレイリング(Trailing)3Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 535:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、3Tマーク用、トレイリング(Trailing)3Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 536:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、>4Tマーク用、トレイリング(Trailing)3Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 537:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、2Tマーク用、トレイリング(Trailing)>4Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 538:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、3Tマーク用、トレイリング(Trailing)>4Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
BP 539:ランドトラックの最後のパルスの終了時間(TELP)、>4Tマーク用、トレイリング(Trailing)>4Tスペース用であり、例えば0001 0000bが記述され、7.7ns(16T/32)を指示している。
以下ブロックポジション(BP) 542からBP 567には、上記したランドトラック用の情報(BP 514からBP 539)に対応してグルーブトラック用の情報が記述されている。したがって、BP 514からBP 539に記述された「ランドトラック」を「グルーブトラック」に読み替えればBP 514からBP 539に記述された情報が得られる。
上記した本発明では、記録媒体がユーザデータを記録するデータ領域と、前記データ領域に発生する欠陥に備えて確保されるデータ代替え領域と、前記データ代替え領域を利用した交替処理が行われたことを示す欠陥管理情報を記録するための現欠陥管理領域(DMA)セット、及び欠陥発生に備えて前記現DMAセットを代替えするための複数の未使用DMAセット領域と、前記複数の未使用DMAセット領域を利用した代替え処理が行なわれたことを示す現DMAマネージャセットを記録するための現DMAマネージャセット領域、及び欠陥発生に備えて前記現DMAマネージャセット領域を代替えするための複数の未使用DMAマネージャセット領域と、前記複数の未使用DMAマネージャセットの中で、未使用を示すために“FFh”を記述したマネージャデータ領域と、前記DMAマネージャセットの中で、有効マネージャセットを示すために“0010h”を記述した識別子領域とを有する。このために欠陥管理がデータ及び管理情報共に的確に行なわれる。
さらに上記の識別子、未使用領域の記述データにより、未使用領域、有効領域のサーチが正確で高速で得られる。
また本実施形態では、次のような特徴点を有する。
(D1)本発明の一態様による情報記憶媒体は、データID情報を含む複数のレコーディング・フレームからECCブロックが構成され、1個のECCブロックは複数の小ECCブロックから構成され、同一のレコーディング・フレームは前記複数の小ECCブロック内に分散配置され、偶数番目のレコーディング・フレーム内のデータIDと奇数番目のレコーディング・フレーム内のデータIDはそれぞれ異なる小ECCブロック内に分散配置されている。
(D2)本発明の他の態様による情報再生装置は、データID情報を含む複数のレコーディング・フレームからECCブロックが構成され、1個のECCブロックは複数の小ECCブロックから構成され、同一のレコーディング・フレームは前記複数の小ECCブロック内に分散配置され、偶数番目のレコーディング・フレーム内のデータIDと奇数番目のレコーディング・フレーム内のデータIDはそれぞれ異なる小ECCブロック内に分散配置されている情報記憶媒体を用い、前記ECCブロックを再生し、誤り訂正処理を行う手段を具備する。
(D3)本発明の他の態様による情報記録方法は、データID情報を含む複数のレコーディング・フレームからECCブロックが構成され、1個のECCブロックは複数の小ECCブロックから構成される情報記憶媒体を用い、同一のレコーディング・フレームを前記複数の小ECCブロック内に分散配置し、偶数番目のレコーディング・フレーム内のデータIDと奇数番目のレコーディング・フレーム内のデータIDをそれぞれ異なる小ECCブロック内に分散配置する。
(D4)本発明の他の態様による情報再生方法は、データID情報を含む複数のレコーディング・フレームからECCブロックが構成され、1個のECCブロックは複数の小ECCブロックから構成され、同一のレコーディング・フレームは前記複数の小ECCブロック内に分散配置され、偶数番目のレコーディング・フレーム内のデータIDと奇数番目のレコーディング・フレーム内のデータIDはそれぞれ異なる小ECCブロック内に分散配置されている情報記憶媒体を用い、前記ECCブロックを再生し、誤り訂正処理を行うステップを具備する。
(D5)本発明の他の態様による情報記憶媒体は、データ領域とリードイン領域とを有し、データ領域内に拡張可能な記録管理情報領域が設定可能である。
(D6)本発明の他の態様による情報記録再生装置は、データ領域とリードイン領域とを有し、データ領域内に拡張可能な記録管理情報領域が設定可能である情報記憶媒体を用い、現在設定されている記録管理情報領域の空き容量が所定量以下になると、データ領域内に新規の記録管理情報領域を設定する手段を具備する。
(D7)本発明の他の態様による情報再生装置は、データ領域とリードイン領域とを有し、データ領域内に拡張可能な記録管理情報領域が設定可能である情報記憶媒体を用い、複数の記録管理情報領域を順次検索して最新の記録管理情報を再生する手段を具備する。
(D8)本発明の他の態様による情報記録方法は、データ領域とリードイン領域とを有し、データ領域内に拡張可能な記録管理情報領域が設定可能である情報記憶媒体を用い、現在設定されている記録管理情報領域の空き容量が所定量以下になると、データ領域内に新規の記録管理情報領域を設定するステップを具備する。
(D9)本発明の他の態様による情報再生方法は、データ領域とリードイン領域とを有し、データ領域内に拡張可能な記録管理情報領域が設定可能である情報記憶媒体を用い、複数の記録管理情報領域を順次検索して最新の記録管理情報を再生するステップを具備する。
(D10)書き換え可能エリアを備えた情報記憶媒体であって、前記書き換え可能エリアは、ユーザデータを格納するためのユーザエリアと、前記書き換え可能エリア上の欠陥エリアを管理する欠陥管理情報を格納するための欠陥管理エリアとを備え、前記欠陥管理エリアは、第1及び第2の欠陥管理予約エリアを備え、前記第1の欠陥管理予約エリアは、初期状態で前記欠陥管理情報を格納するためのエリアであり、前記第2の欠陥管理予約エリアは、所定のタイミングで遷移される前記欠陥管理情報を格納するためのエリアである。
(D11)書き換え可能エリアを備えた情報記憶媒体から情報を再生する情報再生装置であって、前記書き換え可能エリア上の欠陥管理エリアに含まれる複数の欠陥管理予約エリアの中の一つのエリアから、前記書き換え可能エリア上の欠陥エリアを管理する最新の欠陥管理情報を取得する取得手段と、前記最新の欠陥管理情報に基づき、前記書き換え可能エリア上のユーザエリアから、ユーザデータを再生する再生手段とを備えている。
(D12)書き換え可能エリアを備えた情報記憶媒体から情報を再生する情報再生方法であって、前記書き換え可能エリア上の欠陥管理エリアに含まれる複数の欠陥管理予約エリアの中の一つのエリアから、前記書き換え可能エリア上の欠陥エリアを管理する最新の欠陥管理情報を取得し、前記最新の欠陥管理情報に基づき、前記書き換え可能エリア上のユーザエリアから、ユーザデータを再生する。
(D13)書き換え可能エリアを備えた情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録方法であって、前記書き換え可能エリアは、前記書き換え可能エリア上の欠陥エリアを管理する欠陥管理情報を格納するための欠陥管理エリアを備え、前記欠陥管理エリアは、第1及び第2の欠陥管理予約エリアを備え、初期状態で、前記第1の欠陥管理予約エリアに対して前記欠陥管理情報を記録し、所定のタイミングで、前記第2の欠陥管理予約エリアに対して前記欠陥管理情報を遷移する。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
この発明によれば、オーバーライトに対する耐久性が比較的低い媒体であっても、信頼性の高い欠陥管理が可能な情報記憶媒体を提供できる。また、この発明によれば、信頼性の高い欠陥管理情報に基づき情報を再生することが可能な情報再生装置及び情報再生方法を提供できる。さらに、この発明によれば、信頼性の高い欠陥管理情報を記録することが可能な情報記録方法を提供できる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
以上説明したように本発明によれば、(a)ゴミ、傷に強い情報記憶媒体、及びそれを用いた情報記録再生装置、情報再生装置、情報記録方法、情報再生方法、(b)記録中断回数が実質的に無制限である情報記憶媒体、及びそれを用いた情報記録再生装置、情報再生装置、情報記録方法、情報再生方法が提供される。
135…ウォブル信号検出部、141…情報記録再生部、143…制御部、151…変調回路、152…復調回路、156…ビタビ復号器、159…デスクランブル回路、161…ECCエンコーディング回路、162…ECCデコーディング回路、171…データID部とIED部抽出部、172…データID部のエラーチェック部、174…PLL回路。
Claims (5)
- システムリードイン領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が内周から順次確保され、
これらの領域にはランド、グルーブが交互に形成されており、前記グルーブは振幅変調され、この変調情報によって物理アドレスが割つけられており、
前記システムリードイン領域は、そのランド上に記録される記録情報がスライスレベル検出方式に適合した記録形態であり、
前記データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域は、そのランド上に記録される記録情報がパーシャルレスポンスマキシマムライクリーフッド(PRML)方式による高密度記録に適合した記録形態であり、
少なくとも前記データリードイン領域及びデータ領域の欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域(DMA)が前記データリードイン領域に確保されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 記録媒体に記録情報を記録する情報記録方法において、
前記記録媒体は、
システムリードイン領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が内周から順次確保され、
これらの領域にはランド、グルーブが交互に形成されており、前記グルーブは振幅変調され、この変調情報によって物理アドレスが割つけられており、
前記システムリードイン領域は、そのランド上に記録される記録情報がスライスレベル検出方式に適合した記録形態であり、
前記データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域は、そのランド上に記録される記録情報がパーシャルレスポンスマキシマムライクリーフッド(PRML)方式による高密度記録に適合した記録形態であり、
少なくとも前記データリードイン領域及びデータ領域の欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域(DMA)が前記データリードイン領域に確保されており、
記録方法は、
前記欠陥管理情報領域(DMA)の欠陥管理情報をチェックし、欠陥領域には、データ記述を行なわないことを特徴とする情報記憶媒体の情報記録方法。 - 記録媒体に記録情報を記録する情報記録装置において、
前記記録媒体は、
システムリードイン領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が内周から順次確保され、
これらの領域にはランド、グルーブが交互に形成されており、前記グルーブは振幅変調され、この変調情報によって物理アドレスが割つけられており、
前記システムリードイン領域は、そのランド上に記録される記録情報がスライスレベル検出方式に適合した記録形態であり、
前記データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域は、そのランド上に記録される記録情報がパーシャルレスポンスマキシマムライクリーフッド(PRML)方式による高密度記録に適合した記録形態であり、
少なくとも前記データリードイン領域及びデータ領域の欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域(DMA)が前記データリードイン領域に確保されており、
記録装置は、
前記欠陥管理情報領域(DMA)の欠陥管理情報をチェックする手段と、
欠陥領域へのデータ記述を避ける手段と、
を具備したことを特徴とする情報記憶媒体の情報記録装置。 - 記録媒体から記録情報を再生する情報再生方法において、
前記記録媒体は、
システムリードイン領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が内周から順次確保され、
これらの領域にはランド、グルーブが交互に形成されており、前記グルーブは振幅変調され、この変調情報によって物理アドレスが割つけられており、
前記システムリードイン領域は、そのランド上に記録される記録情報がスライスレベル検出方式に適合した記録形態であり、
前記データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域は、そのランド上に記録される記録情報がパーシャルレスポンスマキシマムライクリーフッド(PRML)方式による高密度記録に適合した記録形態であり、
少なくとも前記データリードイン領域及びデータ領域の欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域(DMA)が前記データリードイン領域に確保されており、
再生方法は、
前記情報記憶媒体の記録情報を再生するとき、
前記欠陥管理情報領域(DMA)の欠陥管理情報をチェックし、
欠陥領域からのデータ再生を避ける、
ことを特徴とする情報記憶媒体の情報再生方法。 - 記録媒体から記録情報を再生する情報再生装置において、
前記記録媒体は、
システムリードイン領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が内周から順次確保され、
これらの領域にはランド、グルーブが交互に形成されており、前記グルーブは振幅変調され、この変調情報によって物理アドレスが割つけられており、
前記システムリードイン領域は、そのランド上に記録される記録情報がスライスレベル検出方式に適合した記録形態であり、
前記データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域は、そのランド上に記録される記録情報がパーシャルレスポンスマキシマムライクリーフッド(PRML)方式による高密度記録に適合した記録形態であり、
少なくとも前記データリードイン領域及びデータ領域の欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域(DMA)が前記データリードイン領域に確保されており、
再生装置は、
前記情報記憶媒体の記録情報を再生するとき、
前記欠陥管理情報領域(DMA)の欠陥管理情報をチェックする手段と、
欠陥領域からのデータ再生を避ける手段と、
を有することを特徴とする情報記憶媒体の情報再生装置。
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