JP2008010125A - 情報記録媒体、及びディスク装置 - Google Patents

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Ryosuke Yamamoto
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直正 中村
Koji Takazawa
孝次 高澤
Kazuyo Umezawa
和代 梅澤
Seiji Morita
成二 森田
Noritake Omachi
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Abstract

【課題】記録再生信号品質を改善し、高密度記録を可能にする。
【解決手段】第1の記録層が形成された第1の基板のグルーブの深さH1(nm)、第2の記録層が形成された第2の基板のグルーブの深さH2(nm)とし、第1の色素層のランド領域の厚さH11(nm)及び第1の色素層のグルーブ底領域の厚さH12(nm)、第2の記録層のランド領域のH21(nm)および第2の記録層のグルーブの底領域の厚さH22(nm)とし、H11−H12の絶対値をα、H21−H22の絶対値をβとしたとき、第1の基板のグルーブの深さH1及び第2の基板のグルーブの深さH2は、|H11−H12|=α 、|H21−H22|=β 、λ/8n≦H1−α≦λ/3n 、λ/8n≦H2−β≦λ/3nを満たす情報記録媒体。
【選択図】 図1

Description

この発明は、光入射面側から複数の記録膜に対して情報の記録再生を行うことが可能な多層光ディスク等の情報記録媒体に関する。
情報記録媒体としての光ディスクは、映像や音楽コンテンツの記録が可能なDVD規格の光ディスクが広く利用されており、再生専用型、1回のみ情報の記録が可能な追記型、コンピュータの外付けメモリや録再ビデオ等に代表される書き換え可能型等がある。このうち、記録が可能なものとしては、製造コストが低いことから、記録層に有機色素を用いた追記型光ディスクが最も普及している。記録層に有機色素を用いた追記型光ディスクでは、グルーブによって規定された記録領域(トラック)にレーザ光を照射して、樹脂基板をそのガラス転移点Tg以上に加熱すると、グルーブ内の有機色素膜が熱分解を起こして負圧を生じさせる結果、グルーブ内で樹脂基板が変形することを利用して記録マークを形成している。
現状の光ディスクに比べて、より一層の高密度かつ高性能な記録再生を実現する次世代の光ディスクでは、記録再生用レーザ光として波長が405nm程度の青色レーザ光が使用される。赤外線レーザ光又は赤色レーザ光を用いて記録再生を行なう現状の光ディスクでは、記録再生用レーザ光の波長(780nm,650nm)よりも短波長側に吸収極大を持つ有機色素材料が使用される。これにより、現状の光ディスクは、レーザ光を照射して形成した記録マーク部分の光反射率が、レーザ光照射前の光反射率よりも低くなるという、いわゆるH(High)to L(Low)の特性を実現している。これに対し、青色レーザ光を用いて記録再生を行なう場合、記録再生用レーザ光の波長(405nm)よりも短波長側に吸収極大を持つ有機色素材料は、紫外線等に対する安定性が悪いばかりでなく、熱に対しての安定性も悪く、記録マークのコントラスト及び解像度が低いという問題を有している。記録層に含まれる有機色素化合物の吸収極大が書き込み光の波長よりも長波長にある有機色素材料が特開2005−297407に開示されている。この材料を使用した場合には記録マーク部分の光反射率が、レーザ光照射前の光反射率よりも高くなる、いわゆるL(Low)to H(High)特性となる。
さらなる容量増加のため情報記録媒体の多層化についても進められている。多層化については、特開2000−322770(松下の2層RAMの最初の公開)に開示されている。DVD、HD DVDどちらにおいても2層以上の多層ディスクでは、球面収差や非再生層からの信号の漏れこみによる再生信号品質の劣化という問題がある。
以下にこれらの劣化要因について説明する。
まず、球面収差の影響については、DVD及び前述したHD DVDでは記録再生光学系は厚さ0.6mmの基板越しに情報記録層を記録再生するために最適となるよう設計されている。そのため、情報記録層までの距離がこの最適値からずれると球面収差の影響によりビームスポットが歪んで大きくなり、記録再生信号が劣化することが知られている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4参照)
次に、一方の情報記録層を再生中に非再生層からの信号の漏れこみ(層間クロストーク)が生じ、再生信号品質が劣化するという問題もある。これを抑えるには中間層の厚みを十分とることが必要であるが、十分な中間層の厚みをとると情報記録層までの距離の最適値からのずれが大きくなり球面収差の影響が大きくなる。そのため、再生専用型DVD(DVD−ROM)では、レーザ光入射面に対して手前に配置される層と奥に配置される層の中間の位置で球面収差の影響が小さくなるように設計されている。
また、有機色素材料は液体であり、塗布により情報記録層を形成する。従来のDVDではグルーブ内の情報記録層厚さとランドの情報記録層厚さは同等の厚さで形成されていた。しかし、さらなる高密度記録を行うと、トラックピッチも詰まり、溝幅が細くなるので、グルーブ内の情報記録層厚さとグルーブ外の情報記録層厚さに差が生じるため、従来通りに設計された溝深さのものを用いても、安定した信号が得られず、信号品質の劣化という新たな問題が生じる傾向があった。
特開2005−267849公報 特開2005−100647公報 特開2004−355785公報 特開2004−87043公報
本発明は、有機色素材料を用いた情報記録媒体において、記録再生信号品質を改善し、高密度記録を可能にすることを目的とする。
本発明の情報記録媒体は、内周側から順にデータリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が配置され、
前記データリードイン領域には記録管理データを記録する記録管理ゾーンが形成され、
前記記録管理ゾーンの拡張領域がデータ領域に形成され、
前記データリードイン領域には記録管理ゾーンの拡張領域の位置を管理する記録管理データ複製ゾーンが形成され、
情報の記録再生に使用するレーザ光は390nm以上420nm以下の範囲の波長を有し、
光入射側から、各々、同心円またはスパイラル形状のグルーブ及びランドが形成された、第1の基板、第1の記録層、第2の記録層、及び第2の基板を有し、
前記第1の記録層は、光入射側から第1の色素層及び第1の反射層を有し、前記第2の記録層は、光入射側から第2の色素層及び第2の反射層を有し、
前記第1の色素層及び第2の色素層は、前記波長範囲のレーザ光に光吸収を有する情報記録媒体であって、
前記第1の記録層が形成された前記第1の基板のグルーブの深さH1(nm)および前記第2の記録層が形成された前記第2の基板のグルーブの深さH2(nm)とし、前記第1の色素層のランド領域の厚さH11(nm)及び前記第1の色素層のグルーブの底領域の厚さH12(nm)、前記第2の記録層のランド領域の厚さH21(nm)および前記第2の記録層のグルーブの底領域の厚さH22(nm)とし、H11−H12の絶対値をα、H21−H22の絶対値をβとしたとき、
前記第1の基板のグルーブの深さH1、及び前記第2の基板のグルーブの深さH2は、下記式(1)ないし(4)を満たすことを特徴とする。
|H11−H12|=α …(1)
|H21−H22|=β …(2)
λ/8n≦H1−α≦λ/3n …(3)
λ/8n≦H2−β≦λ/3n …(4)
(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)
本発明によれば、2以上の記録層を有する情報記録媒体において、グルーブ深さを最適化することにより、非再生層からの信号の漏れこみによる再生信号品質の劣化を防ぎ、記録再生信号品質を改善し、高密度記録を可能にする。
本発明の情報記録媒体は、内周側から順にデータリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が配置され、データリードイン領域には記録管理データを記録する記録管理ゾーンが形成され、記録管理ゾーンの拡張領域がデータ領域に形成され、データリードイン領域には記録管理ゾーンの拡張領域の位置を管理する記録管理データ複製ゾーンが形成されており、使用されるレーザ光、基板のグルーブ深さと色素層の厚さとの関係が以下のような特徴を有する。
本発明において、情報の記録再生に使用されるレーザ光は390nm以上420nm以下の範囲の波長を有する。
さらに、本発明の情報記録媒体は、光入射側から、各々、同心円またはスパイラル形状のグルーブ及びランドが形成された、第1の基板、第1の記録層、第2の記録層、及び第2の基板を有し、第1の記録層は、光入射側から第1の色素層及び第1の反射層を有し、第2の記録層は、光入射側から第2の色素層及び第2の反射層を有し、第1の色素層及び第2の色素層は、前記波長範囲のレーザ光に光吸収を有し、第1の記録層が形成された第1の基板のグルーブの深さH1(nm)および第2の記録層が形成された第2の基板のグルーブの深さH2(nm)とし、第1の色素層のランド領域の厚さH11(nm)及び第1の色素層のグルーブの底領域の厚さH12(nm)、第2の記録層のランド領域の厚さH21(nm)および第2の記録層のグルーブ底領域の厚さH22(nm)とし、H11−H12の絶対値をα、H21−H22の絶対値をβとしたとき、
第1の基板のグルーブの深さH1、及び第2の基板のグルーブの深さH2は、下記式(1)ないし(4)を満たす。
|H11−H12|=α …(1)
|H21−H22|=β …(2)
λ/8n≦H1−α≦λ/3n …(3)
λ/8n≦H2−β≦λ/3n …(4)
(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)
ここで、ランド及びグルーブは、第1の基板、第1の記録層、第2の記録層、及び第2の基板等の表面に形成された同心円またはスパイラル形状の凹凸のうち、光入射側から近い方の凸部の頭頂領域をランド、各ランド間に設けられた凹部をグルーブとする。
本発明者は、有機色素材料を用いた追記型2層光ディスクにおいて非再生層からの信号の漏れこみによる記録再生信号品質の低下を抑制し、第1の記録層及び第2の記録層の記録層におけるランド、及びグルーブ底部での色素層の厚さの差α、βに関して検討した結果、第1の記録層に形成されたグルーブの深さH1(nm)と第2の記録層に形成されたグルーブの深さH2(nm)から情報記録層厚さの差α、βを引いた深さがλ/8nからλ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)の範囲内にあることが効果的であることを見出した。本発明によれば、有機色素材料を用いた2層以上の記録層を有する追記型情報記録媒体において、非再生層からの信号の漏れこみによる記録再生信号品質の低下を抑制し、高密度記録を可能にする。
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる2層光ディスクの構成の一例を説明する概略断面図である。
図1は、基板上に情報記録層を形成して両基板を接着した状態を示す。
図1に示すように、本発明の光ディスクにおいては、入射するレーザ光側から透明基板11、第1の色素層12、第1の光半透過反射層13、接着層(中間層)14、第2の色素層15、第2の反射層16、第2の接着層17、第二の透明基板18が順次設けられている。透明基板11と接着層14には、情報の記録再生を行うレーザ光のトラッキング用の案内溝として、各々、ランド42,44及びグルーブ43,45が同心円状またはらせん状に形成されている。また、第1の色素層12及び第1の光半透過反射層13、第2の色素層15及び第2の反射層16は、各々、第1の記録層19及び第2の記録層20を構成している。
基板11あるいは18としては、ポリカーボネート(PC)基板やガラス基板を用いることができる。図1で第1の記録層12に形成された案内溝深さをH1nm、第2の記録層15に形成された案内溝深さをH2nmとする。この光ディスクにおいて、対物レンズにて集光されたレーザ光を透明基板11側から照射することにより、第1の記録層12及び第2の記録層15の記録再生が行なわれる。
図2は、本発明の実施形態が適用可能な2層光ディスクの構成の一例を説明する概略断面図である。図2は基板上に情報記録層を形成して両基板を接着した状態を示す。図2に示すように、本発明の光ディスクにおいては、入射するレーザ光側から透明基板21、第1の色素層22、第1の光半透過反射層23、接着層(中間層)24、第2の色素層25、第2の反射層26、第2の透明基板27が順次設けられている。透明基板21と透明基板27には情報の記録再生を行うレーザ光のトラッキング用の案内溝が同心円状またはらせん状に形成されている。基板21あるいは27としては、ポリカーボネート(PC)基板やガラス基板を用いることができる。第1の色素層22及び第1の光半透過反射層23、
第2の色素層25及び第2の反射層26は、各々、第1の記録層29、及び第2の記録層30を構成している。
図2において、第1の記録層22に形成されたグルーブ深さをH1nm、第2の記録層25に形成されたグルーブ深さをH2nmとする。この光ディスクにおいて、対物レンズにて集光されたレーザ光を透明基板21側から照射することにより、第1の記録層及び第2の記録層の記録再生が行なわれる。
図3は、本発明の第2の実施形態にかかる2層光ディスクの構成の一例を説明する概略断面図である。
図3は、基板上に情報記録層を形成して両基板を接着した状態を示す。
図3に示すように、本発明の光ディスクにおいては、入射するレーザ光側から透明基板31、第1の色素層32、第1の光半透過反射層33、保護層34、接着層35、第2の色素層36、第2の反射層37、保護層38、及び第2の透明基板39が順次設けられている。第1の色素層32及び第1の光半透過反射層33、第2の色素層36及び第2の反射層37は、各々、第1の記録層40、及び第2の記録層41を構成している。
透明基板31と透明基板39には情報の記録再生を行うレーザ光のトラッキング用の案内溝が同心円状またはらせん状に形成されている。基板31あるいは39としては、ポリカーボネート(PC)基板やガラス基板を用いることができる。
図3で、第1の色素層32に形成された案内溝深さをH1nm、第2の色素層37に形成された案内溝深さをH2nmとする。この光ディスクにおいて、対物レンズにて集光されたレーザ光を透明基板21側から照射することにより、第1の記録層及び第2の記録層の記録再生が行なわれる。
第1の色素層および第2の色素層に使われる記録層用色素材料としては、下記構造式(5)で表される有機金属錯体部と、図示しない色素材料部を組み合わせた構造を持つ有機色素材料を用いることができる。
Figure 2008010125
式中、中心金属Mとしては、代表的にはコバルトあるいはニッケルが用いられ、さらには、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、及び水銀などから選択することもできる。
また、色素材料部分としては図示しないがシアニン色素、スチリル色素、モノメチンシアニン色素、及びアゾ色素を用いることができる。
反射膜としては、Ag,Au,Cu,Al,Ti等を主成分とする金属膜を用いることができる。
本発明においては、情報の記録再生に使用するレーザ光の波長が390nm以上420nm以下であり、有機色素材料を使用した2層追記型光ディスクにおいて、第1及び第2のグルーブの深さから、記録層におけるランド領域、グルーブ底部領域での差を引いた深さに関して検討した結果、第1の記録層が形成された第1の基板のグルーブの深さH1(nm)と第2の記録層が形成された第2の基板のグルーブの深さH2(nm)から、色素層におけるランド領域とグルーブ底領域との厚さの差α、βを引いた深さがλ/8n から λ/3n (λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)の範囲内とすることで記録再生信号品質を向上することが可能で、後述するHフォーマットの規格を満足することが可能である。
本発明の一実施態様によれば、使用する基板の厚さは、580μm以上600μm以下とする。
また、本発明の一実施態様によれば、第1の記録層と第2の記録層の間に、さらに接着層が含まれ、接着層は、20μm以上35μm以下の厚さを有し得る。
第1の記録層と第2の記録層の間に形成された接着層の厚さは20μmより薄いと非再生層からの漏れ込みが大きくなる傾向があり、35μmより厚いと第2記録層において球面収差の影響が強くなる傾向がある。
また、本発明の一実施態様によれば、第1の記録層及び第2の記録層に形成されたグルーブの幅が0.1以上0.3μm以下であり得る。
高密度記録の観点からこのように溝が細い場合において本発明の効果が顕著になる。
さらに、本発明の一実施態様によれば、第1の記録層からの反射率に対して第2の記録層からの反射率は0.8倍以上1.2倍以下であり得る。
また、本発明の一実施態様によれば、390nm以上420nm以下の範囲の波長を有するレーザ光に対して、第1の記録層からの反射率、及び第2からの記録層の反射率は、3%以上10%以下であり得る。
3%より反射光量が少ないと記録再生装置側でSN比が不足する傾向がある。しかし、10%を超える場合はその分、記録膜が吸収する光量が減少し、記録感度が低下する傾向がある。
本発明の他の実施態様によれば、2つの記録層に対して同程度の光量で記録を可能とするには、第1の記録層の透過率が40〜55%の光ディスクでは反射率を10%以下とすることができる。また、再生層と非再生層の反射率差が増加すると反射率が高い層から低い層への信号の漏れ込みが大きくなるため、2つの記録層からの反射率差は±20%以下にすることができる。
さらにまた、本発明の一実施態様によれば、第1の記録層及び第2の記録層において、ランド領域のみに記録を行なうことができる。
本発明にかかる2層追記型情報記録媒体に対して記録再生を行う記録再生装置については、現行の記録再生装置に加えて、挿入された光ディスクが何層であるか識別する機構、各層にフォーカシングを行う機構、フォーカシングされた各情報記録層に対して記録再生を行う機構を有し得る。また、状況に応じて光学系に球面収差補正などの機構設けることができる。
以上に述べたようなディスク構造及びディスク製造方法、材料、記録再生装置を用いることで記録可能な2層ディスクにおいて2つの記録層から良好な再生信号品質を得ることができ、記録容量を向上することが可能となる。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
この実施例では記録再生特性の評価として、予測ビット誤り率SbER (Simulated bit Error Rate)参考文献:Y. Nagai: Jpn. J. Appl. Phys. 42 (2003) 971.)の結果を用いる。SbERの定義及び測定法はDVDフォーマットロゴライセンシング(株)から購入可能なブックに記載されている。DVD Specifications for High Density Read-Only Disc PART 1 Physical Specifications Version 0.9のAnnex Hの部分である。
実施例1
図1に示すように、この光ディスクは、例えばポリカーボネート(PC)等の合成樹脂材料で円盤状に形成された透明樹脂基板11を備えている。この透明樹脂基板11には、同心円状またはらせん状にグルーブ43、グルーブ43間にランド44が形成されている。この透明樹脂基板11は、スタンパを用いて射出成形により製造することができる。透明樹脂基板18には、前記同心円状またはらせん状のグルーブはないダミー基板である。
ここで、ポリカーボネート等の0.59mm厚透明樹脂基板11上に第1の記録層(L0)の有機色素層12および光半透過反射層(反射層)13を順に積層し、その上にフォトポリマー(2P樹脂)14をスピンコートする。そして、その上に第2の記録層(L1)のグルーブ形状を転写して第2の記録層の有機色素層15および銀または銀合金等の反射膜16を順に積層する。こうして、L0およびL1の記録層が積層されたものに、他の0.59mm厚の透明樹脂基板(あるいはダミー基板)18が、UV硬化樹脂(接着層)17を介して貼り合わされる。UV硬化樹脂の厚さは、第1の記録層(L0)の光半透過反射層(反射層)13から、第2の記録層(L1)の有機色素層15までの厚さは28μmとした。上記有機色素の記録膜(有機色素層12および15)は、半透過反射層13及び中間層14を挟む2層構造となっている。こうして出来上がった貼り合わせ光ディスクの合計厚は、ほぼ1.2mmとなる。
透明樹脂基板11上には、後述するHフォーマットに基づいて、例えばトラックピッチ0.4μm、溝幅0.20μmのらせん状グルーブが形成されており、第2の記録層(L1)のグルーブ形状は転写で形成している。このグルーブはウォブルしており、アドレス情報はこのウォブル上に記録されている。有機色素は、グルーブの深さと記録層におけるグルーブ上部、下部での差α、βが20nmとなるものを使用した。このため、グルーブの深さと、有機色素層におけるランド領域、グループ底部領域での厚さの差α、βを考慮して、第1の有機色素層の深さH1から、第1の有機色素層におけるランド領域の厚さ、グループ底部での厚さの差αを引いた深さを、λ/24n からλ/2n nm(nは屈折率)の範囲でλ/24nづつ深くしたディスクを作製した。また、第2の有機色素層の深さH2から、第2の有機色素層におけるランド領域の厚さ、グループ底部での厚さの差βを引いた深さを、λ/24n からλ/2n nm(nは屈折率)の範囲でλ/24nづつ深くしたディスクを作製した。そして、この透明樹脂基板11上に、そのグルーブを充填するように、有機色素を含む層12、15が形成される。
この有機色素層12、15を形成する有機色素としては、その最大吸収波長領域が記録波長(例えば405nm)よりも長波長側にシフトしているものを用いることができる。また、記録波長領域において吸収が消滅しているのではなく、その長波長領域(例えば450nm〜600nm)でも相当の光吸収を有するように設計される。
有機色素(具体例は後述)は、溶媒に溶かすことで液体とし、スピンコート法により透明樹脂基板面に容易に塗布することができる。この場合、溶媒による希釈率、スピン塗布時の回転数を制御することにより、膜厚を高精度に管理することができる。
なお、情報記録前のトラック上を記録用レーザ光によりフォーカシングまたはトラッキングした場合は、低光反射率である。その後、レーザ光により色素の分解反応が生じ、光吸収率が低下することにより、記録マーク部分の光反射率が上昇する。このため、レーザ光を照射して形成した記録マーク部分の光反射率が、レーザ光照射前の光反射率よりも高くなるという、いわゆるLow−to−High(またはL to H)の特性を実現している。
記録層用有機材料の金属錯体部分は、上記式(4)で表される。式中、図示するアゾ金属錯体の中心金属Mを中心とした円形の周辺領域が発色領域8となる。この発色領域8をレーザ光が通過すると、この発色領域8内の局在電子がレーザ光の電場変化に共鳴(共振)して、レーザ光のエネルギーを吸収する。この局在電子が最も共鳴(共振)してエネルギーを吸収し易い電場変化の周波数をレーザ光の波長に換算した値を最大吸収波長λmaxで表す。図示するような発色領域8(共鳴範囲)の長さが長くなる程、最大吸収波長λmaxが長波長側にシフトする。また、中心金属Mの原子を代える事で中心金属M周辺の局在電子の局在範囲すなわち中心金属Mが局在電子をどれだけ中心付近に引き寄せられるか、が変化し、最大吸収波長λmaxの値が変化する。例えばλmaxが405nm付近になるものを選択すれば、波長405nmに感度(光吸収)を持つ有機材料が得られることになる。
波長405nmに光吸収を持つ記録層(例えばL0またはL1)用色素材料としては、式(4)で表される構造式を持つ有機金属錯体部と図示しない色素材料部を組み合わせた構造を持つ有機色素材料を用いることができる。色素材料部分としては図示しないがシアニン色素、スチリル色素、モノメチンシアニン色素、アゾ色素を用いることができる。
上記2層ディスクに対して、再生波長405nm、NA:0.65の光ヘッドを搭載した評価装置を用いて、信号評価を行った。
線速6.6m/sでディスクを回転させ、クロック周波数を64.8MHzとして再生信号のオントラックレベル、プッシュプル信号振幅、記録再生特性としてのSbERを評価した。
その結果を各々、図4、5、6に示す。
図4では、横軸は、各グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さである。縦軸は、再生時のオントラックレベルである。ミラー部(全反射レベル)を1とした。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ40、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ41に各々示す。図中、太枠で示すように、後述のHフォーマットでの規格として、0.4以上0.8以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
図5では、横軸は、各グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部で色素層の厚さとの差を引いた深さである。縦軸は、全反射レベルで割った再生時のプッシュプル信号である。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ42、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ43に各々示す。後述のHフォーマットでの規格として、図中、太枠で示すように、0.26以上0.52以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
図6では、横軸は、各グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さである。縦軸は、信号を記録して再生したときのエラーレートSbERである。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ44、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ45に各々示す。SbERは、後述のHフォーマットでの規格として、図中、太線で示すように、5×10−5以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
以上の結果より、グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さを、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)の範囲にすることにより規格を十分に満足することが可能である。例えば、グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さを、H1−α≦H2−β、H1−α=H2−β、H2−β≦H1−αといった構成にしても十分に規格を満足するディスクが製作可能である。このようなディスクであれば、システム上問題なく安定して制御することが可能である。
実施例2
図2は、この発明の第2の実施の形態に係る光ディスクの構成例を説明する図である。図2に示されるように、この光ディスクは、例えばポリカーボネート(PC)等の合成樹脂材料で円盤状に形成された透明樹脂基板21、27を備えている。この透明樹脂基板21,27には、同心円状またはらせん状にグルーブが形成されている。この透明樹脂基板21,27は、スタンパを用いて射出成形により製造することができる。
ここで、ポリカーボネート等の0.59mm厚透明樹脂基板21上に第1の記録層(L0)の有機色素層22および光半透過反射層(反射層)23を順に積層し、その上にフォトポリマー(2P樹脂)24をスピンコートする。次に、ポリカーボネート等の0.59mm厚透明樹脂基板27上に第2の記録層(L1)の銀または銀合金等の反射膜26および有機色素層25を順に積層した。この第2の記録層のディスクを、第1の記録層(L0)の光半透過反射層(反射層)と第2の記録層(L1)の銀または銀合金等の反射膜が向かい合うように配置し、第1の記録層(L0)にスピンコートしたフォトポリマー(2P樹脂)24でUV硬化して貼り合わされる。UV硬化樹脂の厚さは、第1の記録層(L0)の光半透過反射層(反射層)23から、第2の記録層(L1)の有機色素層25までの厚さを28μmとした。上記有機色素の記録膜(記録層22および25)は、半透過反射層23及び中間層24を挟む2層構造となっている。こうして出来上がった貼り合わせ光ディスクの合計厚は、ほぼ1.2mmとなる。
透明樹脂基板21上には、後述のHフォーマット基板に基づいて例えばトラックピッチ0.4μm、溝幅0.20μmのらせん状グルーブが形成されており、第2の記録層(L1)のグルーブ形状は転写で形成している。このグルーブはウォブルしており、アドレス情報はこのウォブル上に記録されている。有機色素は、グルーブの深さと記録層におけるランド、グルーブ底部での差α、βが20nmのものを使用した。このため、グルーブの深さと記録層におけるランド、グルーブ底部での差α、βを考慮して、第1の基板のグルーブの深さH1から、ランドにおけるの厚さとグルーブ底部における色素層の厚さとの差αを引いた深さを、λ/24n からλ/2n nm(nは屈折率)の範囲でλ/24nずつ深くしたディスクを作製した。また、第2の基板のグルーブの深さH2から、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さを、λ/24n からλ/2n nm(nは屈折率)の範囲でλ/24nづつ深くしたディスクを作製した。そして、この透明樹脂基板21上に、そのグルーブを充填するように、有機色素を含む記録層22、25が形成される。
この色素層22、25を形成する有機色素としては、上記実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様にして塗布、形成することができる。
なお、ここでは、実施例1と同様にいわゆるLow−to−High(またはL to H)の特性を実現している。
上記2層ディスクに対して、再生波長405nm、NA:0.65の光ヘッドを搭載した評価装置を用いて、信号評価を行った。線速6.6m/sでディスクを回転させ、クロック周波数を64.8MHzとして再生信号のオントラックレベル、プッシュプル信号振幅、記録再生特性としてのSbERを評価した。
得られた結果を、各々、図7、図8、及び図9に示す。
図7では、横軸は、各グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さである。縦軸は、再生時のオントラックレベルである。ミラー部(全反射レベル)を1とした。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ46、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ47に各々示す。後述のHフォーマットでの規格として、図中、太枠で示すように、0.4以上0.8以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
図8では、横軸は、各グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さである。縦軸は、全反射レベルで割った再生時のプッシュプル信号である。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ48、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ49に各々示す。後述のHフォーマットでの規格として、図中、太枠で示すように、0.26以上0.52以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
図9では、横軸は、グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さであり、各縦軸は、信号を記録して再生したときのエラーレートSbERである。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ50、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ51に各々示す。後述のHフォーマットでの規格として、図中、太線で示すように、SbERは5×10−5以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
以上の結果より、グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さを、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率) の範囲にすることにより規格を十分に満足することが可能である。例えば、グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さを、H1−α≦H2−β、H1−α=H2−β、H2−β≦H1−αといった構成にしても十分に規格を満足するディスクが製作可能である。このようなディスクであれば、システム上問題なく安定して制御することが可能である。
実施例3
図3は、この発明の第3の実施の形態に係る光ディスクの構成例を説明する図である。
図3に示されるように、この光ディスクは、例えばポリカーボネート(PC)等の合成樹脂材料で円盤状に形成された透明樹脂基板21、27を備えている。この透明樹脂基板31,39には、同心円状またはらせん状にグルーブが形成されている。この透明樹脂基板31,39は、スタンパを用いて射出成形により製造することができる。
ここで、ポリカーボネート等の0.59mm厚透明樹脂基板31上に第1の記録層(L0)の有機色素層32および光半透過反射層(反射層)33を順に積層し、その上にフォトポリマー(2P樹脂)34をスピンコートとしUV硬化する。次に、ポリカーボネート等の0.59mm厚透明樹脂基板39上に第2の記録層(L1)の銀または銀合金等の反射膜38および有機色素層37を順に積層し、その上にフォトポリマー(2P樹脂)36をスピンコートとしUV硬化する。次に第1の記録層(L0)のフォトポリマー(2P樹脂)34をスピンコートとしUV硬化させた上に、フォトポリマー(2P樹脂)35をスピンコートする。この第1の記録層のディスクと第2の記録層のディスクを、第1の記録層(L0)の光半透過反射層(反射層)と第2の記録層(L1)の銀または銀合金等の反射膜が向かい合うように配置し、第1の記録層(L0)にスピンコーとしたフォトポリマー(2P樹脂)35でUV硬化して貼り合わされる。UV硬化樹脂の厚さは、第1の記録層(L0)の光半透過反射層(反射層)33から、第2の記録層(L1)の有機色素層37までの厚さを28μmとした。上記有機色素の記録膜(記録層32および37)は、半透過反射層33及び中間層35を挟む2層構造となっている。こうして出来上がった貼り合わせ光ディスクの合計厚は、ほぼ1.2mmとなる。
透明樹脂基板21上には、後述のHフォーマット基板に基づいて例えばトラックピッチ0.4μm、溝幅0.20μmのらせん状グルーブが形成されており、第2の記録層(L1)のグルーブ形状は転写で形成している。このグルーブはウォブルしており、アドレス情報はこのウォブル上に記録されている。
有機色素は、案内溝の深さと記録層における案内溝上部、下部での差α、βが20nmのものを使用した。このため、前記案内溝の深さと記録層における案内溝上部、下部での差α、βを考慮して、第1の案内溝の深さH1から記録層における案内溝上部、下部での差αを引いた深さを、λ/24n からλ/2n nm(nは屈折率)の範囲でλ/24nづつ深くしたディスクを作製した。また、第2の案内溝の深さH2から記録層における案内溝上部、下部での差βを引いた深さを、λ/24n からλ/2n nm(nは屈折率)の範囲でλ/24nづつ深くしたディスクを作製した。そして、この透明樹脂基板21上に、そのグルーブを充填するように、有機色素を含む記録層32、37が形成される。
この色素層32、37を形成する有機色素としては、上記実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様にして塗布、形成することができる。
なお、ここでは、実施例1と同様にいわゆるLow−to−High(またはL to H)の特性を実現している。
上記2層ディスクに対して、再生波長405nm、NA:0.65の光ヘッドを搭載した評価装置を用いて、信号評価を行った。線速6.6m/sでディスクを回転させ、クロック周波数を64.8MHzとして再生信号のオントラックレベル、プッシュプル信号振幅、記録再生特性としてのSbERを評価した。
得られた結果を、各々、図10、図11、及び図12に示す。
図10では、横軸は、各グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さである。縦軸は、再生時のオントラックレベルである。ミラー部(全反射レベル)を1とした。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ52、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ53に各々示す。後述のHフォーマットでの規格として、図中、太枠で示すように、0.4以上0.8以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
図11では、横軸は、各グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さである。縦軸は、全反射レベルで割った再生時のプッシュプル信号である。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ54、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ55に各々示す。後述するHフォーマットでの規格として、図中、太枠で示すように、0.26以上0.52以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
図12では、横軸は、各案内溝の深さから記録層における案内溝上部、下部での差を引いた深さである。縦軸は、信号を記録して再生したときのエラーレートSbERある。また、第1の記録層(L0)の測定値をグラフ56、第2の記録層(L1)の測定値をグラフ57に各々示す。後述するHフォーマットでの規格として、太線で示すように、5×10−5以下となっており、これを満たす範囲は、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)であった。
以上の結果より、グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さを、λ/8n≦H1−α、H2−β≦λ/3n(λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)の範囲にすることにより規格を十分に満足することが可能である。例えば、グルーブの深さから、ランドにおける色素層厚さとグルーブの底部における色素層の厚さとの差を引いた深さを、H1−α≦H2−β、H1−α=H2−β、H2−β≦H1−αといった構成にしても十分に規格を満足するディスクが製作可能である。このようなディスクであれば、システム上問題なく安定して制御することが可能である。
上記実施例では、後述のHフォーマットを適用して実験を行ったが、基板のフォーマットに関してはこの限りではなく、例えば後述するBフォーマットを用いても可能である。
以下に、本発明のディスクに適用可能な規格の例を以下に示す。
§1 Hフォーマット
本発明に用いられる第1の次世代光ディスク:HD DVD方式(以下、Hフォーマットと称する)について、以下に説明する。
“L→H”記録膜を使用する場合には、バーストカッティング領域BCAに予め形成する微細な凹凸形状の具体的内容として図13に示すようにシステムリードイン領域SYLDI内と同様にエンボスピット領域211とする方法が有るが、他の実施形態としてデータリードイン領域DTLDIやデータ領域DTAと同様にグルーブ領域214あるいはランド及びグルーブ領域にする方法もある。システムリードイン領域SYLDIとバーストカッティング領域BCAを分離配置させる実施形態では、バーストカッティング領域BCA内とエンボスピット領域211が重なると不要な干渉によるバーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号へのノイズ成分が増加する。
バーストカッティング領域BCA内の微細な凹凸形状の実施形態としてエンボスピット領域211にせずにグルーブ領域214あるいはランド及びグルーブ領域にすると、不要な干渉によるバーストカッティング領域BCA内に形成されたデータからの再生信号へのノイズ成分が減少して再生信号の品質が向上すると言う効果が有る。
バーストカッティング領域BCA内に形成するグルーブ領域214あるいはランド及びグルーブ領域のトラックピッチをシステムリードイン領域SYLDIのトラックピッチに合わせると情報記憶媒体の製造性が向上する効果が有る。すなわち、情報記憶媒体の原盤製造時に原盤記録装置の露光部の送りモータ速度を一定にしてシステムリードイン領域内のエンボスピットを作成している。この時、バーストカッティング領域BCA内に形成するグルーブ領域214あるいはランド及びグルーブ領域のトラックピッチをシステムリードイン領域SYLDI内のエンボスピットのトラックピッチに合わせる事でバーストカッティング領域BCAとシステムリードイン領域SYLDIとで引き続き送りモータ速度を一定に保持できるため、途中で送りモータの速度を変える必要が無いのでピッチムラが生じ辛く情報記憶媒体の製造性が向上する。
再生専用形または追記形情報記憶媒体に対して書替え専用形情報記憶媒体の方がトラックピッチ及び線密度(データビット長)を詰める事により記録容量を高くしている。後述するように、書替え専用形情報記憶媒体ではランドグルーブ記録を採用する事で隣接トラックのクロストークの影響を低減させてトラックピッチを詰めている。または再生専用形情報記憶媒体、追記形情報記憶媒体、書替え形情報記憶媒体のいずれにおいてもシステムリードイン/アウト領域SYLDI/SYLDOのデータビット長とトラックピッチ(記録密度に対応)をデータリードイン/データリードアウト領域DTLDI/DTLDOよりも大きく(記録密度を低く)している所に特徴が有る。
システムリードイン/システムリードアウト領域SYLDI/SYLDOのデータビット長とトラックピッチを現行DVDのリードイン領域の値に近付けることで現行DVDとの互換性を確保している。
本実施形態でも現行DVD−Rと同様に追記形情報記憶媒体のシステムリードイン/システムリードアウト領域SYLDI/SYLDOでのエンボスの段差を浅く設定している。これにより、追記形情報記憶媒体のプリグルーブの深さを浅くし、プリグルーブ上に追記により形成する記録マークからの再生信号変調度を高くする効果が有る。逆に、その反作用としてシステムリードイン/システムリードアウト領域SYLDI/SYLDOからの再生信号の変調度が小さくなると言う問題が生じる。それに対して、システムリードイン/システムリードアウト領域SYLDI/SYLDOのデータビット長(とトラックピッチ)を粗くする事で、最も詰まった位置でのピットとスペースの繰り返し周波数を再生用対物レンズのMTF(Modulation Transfer Function)の光学的遮断周波数から離す(大幅に小さくする)事で、システムリードイン/システムリードアウト領域SYLDI/SYLDOからの再生信号振幅を引き上げ、再生の安定化を図る事が出来る。
図13に示すように、イニシャルゾーンINZはシステムリードインSYLDIの開始位置を示している。イニシャルゾーンINZ内に記録されている意味を持った情報としては、物理セクタ番号PSN:Physical Sector Number(あるいは物理セグメント番号PSN:Physical Segment Number)または論理セクタ番号の情報を含むデータID(Identification Data)情報が離散的に配置されている。1個の物理セクタ内には後述するようにデータID、IED(ID Error Detection code)、ユーザ情報を記録するメインデータ、EDC(Error Detection Code)から構成されるデータフレーム構造の情報が記録されるが、イニシャルゾーンINZ内にも上記のデータフレーム構造の情報が記録される。しかしイニシャルゾーンINZ内ではユーザ情報を記録するメインデータの情報を全て“00h”に設定するため、イニシャルゾーンINZ内での意味の有る情報は前述したデータID情報のみとなる。この中に記録されている物理セクタ番号または論理セクタ番号の情報から現在位置を知る事ができる。すなわち、図14の情報記録再生部141で情報記憶媒体からの情報再生を開始する時にイニシャルゾーンINZ内の情報から再生開始した場合には、まずデータID情報の中に記録されている物理セクタ番号または論理セクタ番号の情報を抽出して情報記憶媒体内の現在位置を確認しつつ制御データゾーンCDZへ移動する。
バッファゾーン1 BFZ1及びバッファゾーン2 BFZ2はそれぞれ32ECCブロックから構成されている。1ECCブロックはそれぞれ32物理セクタから構成されているので、32ECCブロックは1024物理セクタ分に相当する。バッファゾーン1 BFZ1及びバッファゾーン2 BFZ2内もイニシャルゾーンINZと同様にメインデータの情報を全て“00h”に設定している。
コネクション領域(Connection Area)CNA内に存在するコネクションゾーンCNZはシステムリードイン領域SYLDIとデータリードイン領域DTLDIを物理的に分離するための領域で、この領域はいかなるエンボスピットやプリブルーブも存在しないミラー面(鏡面)になっている。
再生専用形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体の参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZは再生装置の再生回路調整用に用いられる領域で、前述したデータフレーム構造の情報が記録されている。参照コードの長さは1ECCブロック(=32セクタ)になっている。再生専用形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体の参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZをデータ領域(Data Area)DTAの隣りに配置することができる。現行DVD−ROMディスク及び現行DVD−Rディスクいずれの構造においても参照コード記録ゾーン(Reference code zone)とデータ領域(Data Area)との間に制御データゾーンが配置されており、参照コード記録ゾーンとデータ領域との間が離れている。参照コード記録ゾーンとデータ領域との間が離れていると、情報記憶媒体の傾き量や光反射率あるいは(追記形情報記憶媒体の場合には)記録膜の記録感度が若干変化し、参照コード記録ゾーンの所で再生装置の回路定数を調整してもデータ領域での最適な回路定数がずれてしまうと言う問題が発生する。上記問題を解決するために、参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZをデータ領域(Data Area)DTAに隣接配置すると、参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZ内で情報再生装置の回路定数を最適化した場合に、隣接するデータ領域(Data Area)DTA内でも同じ回路定数で最適化状態が保持される。データ領域(Data Area)DTA内の任意の場所で精度良く信号再生したい場合には、
(1)参照コード記録ゾーン(Reference code zone)RCZ内で情報再生装置の回路定数を最適化する
→(2)データ領域DTA内の参照コード記録ゾーンRCZに最も近い部分を再生しながら情報再生装置の回路定数を再度最適化する
→(3)データ領域DTA内の目的位置と(2)で最適化した位置との中間位置で情報再生しながら回路定数を再々度最適化する
→(4)目的位置に移動して信号再生する
のステップを経る事で非常に精度良く目的位置での信号再生が可能となる。
追記形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体内に存在するガードトラックゾーン1、2(Guard track zone)GTZ1、GTZ2はデータリードイン領域DTLDIの開始境界位置とディスクテストゾーンDKTZ、ドライブテストゾーンDRTZの境界位置を規定するための領域で、この領域には記録マーク形成による記録をしてはいけない領域として規定される。ガードトラックゾーン1 GTZ1、ガードトラックゾーン2 GTZ2はデータリードイン領域DTLDI内に存在するため、この領域内には追記形情報記憶媒体ではプリグルーブ領域、または書替え形情報記憶媒体ではグルーブ領域とランド領域は事前に形成されている。プリグルーブ領域、あるいはグルーブ領域、ランド領域内はウォブルアドレスが予め記録されているので、このウォブルアドレスを用いて情報記憶媒体内の現在位置を判定する。
ディスクテストゾーンDKTZは情報記憶媒体の製造メーカーが品質テスト(評価)を行うために設けられた領域である。
ドライブテストゾーンDRTZは情報記録再生装置が情報記憶媒体への情報を記録する前に試し書きするための領域として確保されている。情報記録再生装置は予めこの領域内で試し書きを行い、最適な記録条件(ライトストラテジ)を割り出した後、その最適記録条件でデータ領域DTA内に情報を記録する事が出来る。
書替え形情報記憶媒体内に有るディスク識別ゾーンDIZ内の情報はオプショナル情報記録領域で記録再生装置の製造メーカー名情報とそれに関する付加情報及びその製造メーカーが独自に記録可能な領域から構成されるドライブ記述子(Drive description)を1組みとして1組み毎に追記可能な領域となっている。
書替え形情報記憶媒体内に有る欠陥管理ゾーン1 DMA1、欠陥管理ゾーン2 DMA2はデータ領域DTA内の欠陥管理情報が記録される場所で、例えば、欠陥個所が発生した時の代替え箇所情報などが記録されている。ここで、上記DMA1およびDMA2の他にDMA管理情報(DMA Manager1)をあわせて欠陥管理領域(Defect Management Zone)として取り扱うことができる。
追記形情報記憶媒体ではRMDディプリケーションゾーンRDZと記録位置管理ゾーンRMZ、R物理情報ゾーンR−PFIZが独自に存在する。記録位置管理ゾーンRMZ内にはデータの追記処理により更新されるデータの記録位置に関する管理情報で有る記録位置管理データRMD(Recording Management Data)が記録される(詳細は後述する)。後ほど図13の所で説明するようにこの実施形態では各ボーダー内領域BRDA毎にそれぞれ記録位置管理ゾーンRMZを設定し、記録位置管理ゾーンRMZの領域の拡張を可能としている。その結果、追記頻度が増加して必要とする記録位置管理データRMD領域が増加しても、逐次記録位置管理ゾーンRMZを拡張する事で対応可能なため、追記回数を大幅に増やせると言う効果が生まれる。その場合、本実施形態では各ボーダー内領域BRDAに対応した(各ボーダー内領域BRDAの直前に配置された)ボーダーインBRDI内に記録位置管理ゾーンRMZを配置する。本実施形態では最初のボーダー内領域BRDA#1に対応したボーダーインBRDIとデータリードイン領域DTLDIを兼用化し、データ領域DTA内での最初のボーダーインBRDIの形成を省略してデータ領域DTAの有効活用を行っている。すなわち、データリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZは最初のボーダー内領域BRDA#1に対応した記録位置管理データRMDの記録場所として利用されている。
RMDディプリケーションゾーンRDZは記録位置管理ゾーンRMZ内の下記の条件を満足する記録位置管理データRMDの情報を記録する場所で、本実施形態のように記録位置管理データRMDを重複して持つ事で、記録位置管理データRMDの信頼性を高めている。すなわち、追記形情報記憶媒体表面に付いたゴミや傷の影響で記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDが不可能になった場合、このRMDディプリケーションゾーンRDZ内に記録された記録位置管理データRMDを再生し、更に、残りの必要な情報をトレーシングにより収集する事で最新の記録位置管理データRMDの情報を復元できる。
このRMDディプリケーションゾーンRDZ内には(複数の)ボーダーをクローズする時点での記録位置管理データRMDが記録される。後述するように1個のボーダーをクローズし、次の新たなボーダー内領域を設定する毎に新たな記録位置管理ゾーンRMZを定義するので、新たな記録位置管理ゾーンRMZを作成する毎に、その前のボーダー内領域に関係した最後の記録位置管理データRMDをこのRMDディプリケーションゾーンRDZ内に記録すると言っても良い。追記形情報記憶媒体上に記録位置管理データRMDを追記する毎に同じ情報をこのRMDディプリケーションゾーンRDZに記録すると、比較的少ない追記回数でRMDディプリケーションゾーンRDZが一杯になってしまうため追記回数の上限値が小さくなってしまう。それに比べて本実施形態のようにボーダーをクローズした時やボーダーインBRDI内の記録位置管理ゾーン内が一杯になり、Rゾーンを用いて新たな記録位置管理ゾーンRMZを形成するなど新たに記録位置管理ゾーンを作る場合に、今までの記録位置管理ゾーンRMZ内の最後の記録位置管理データRMDのみをRMDディプリケーションゾーンRDZ内に記録する事でRMDディプリケーションゾーンRDZ内を有効活用して追記可能回数を向上できる効果が有る。
例えば、追記途中の(クローズする前の)ボーダー内領域BRDAに対応した記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDが追記形情報記憶媒体表面に付いたゴミや傷の影響で再生不可能になった場合には、このRMDディプリケーションゾーンRDZ内の最後に記録された記録位置管理データRMDを読み取る事で既にクローズされたボーダー内領域BRDAの場所が分かる。従って、情報記憶媒体のデータ領域DTA内のそれ以外の場所をトレースする事で追記途中の(クローズする前の)ボーダー内領域BRDAの場所とそこに記録された情報内容を収集でき、最新の記録位置管理データRMDの情報を復元できる。
制御データゾーンCDZ内の物理フォーマット情報PFI(後で詳細に説明する)に類似した情報がR物理情報ゾーンR−PFIZ内に記録される。
追記形情報記憶媒体内に有るRMDディプリケーションゾーンRDZと記録位置管理ゾーンRMZ内のデータ構造を図13に示す。図13(a)はシステムリードイン領域とデータリードイン領域内のデータ構造を比較する図を示し、図13(a)内のRMDディプリケーションゾーンRDZと記録位置管理ゾーンRMZの拡大図が図13(b)に示されている。上述したようにデータリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZには最初のボーダー内領域BRDA内に対応した記録位置管理に関するデータが1個の記録位置管理データ(Recording Management Data)RMDの中にそれぞれまとめて記録され、追記形情報記憶媒体への追記処理が行われた時に発生する記録位置管理データRMDの中身が更新される毎に新たな記録位置管理データRMDとして順次後ろ側に追記される。すなわち、記録位置管理データ(Recording Management Data)RMDは1物理セグメントブロック(物理セグメントブロックに付いては後述する)のサイズ単位で記録され、データ内容が更新される毎に新たな記録位置管理データRMDとして順次後ろに追記されて行く。図13(b)の例では事前に記録位置管理データRMD#1と#2が記録されていた所に管理データに変更が生じたので、変更後(アップデート後)のデータを記録位置管理データRMD#3として記録位置管理データRMD#2の直後に記録した例を示している。従って、記録位置管理ゾーンRMZ内では更に、追記可能なように予約領域273が存在している。
図13(b)ではデータリードイン領域DTLDI中に存在する記録位置管理ゾーンRMZ内の構造を示しているが、それに限らず後述するボーダーインBRDI内またはボーダー内領域BRDA内に有る記録位置管理ゾーンRMZ(または拡張記録位置管理ゾーン:拡張RMZと呼ぶ)内の構造も図13(b)に示した構造と同じである。
本実施形態では最初のボーダー内領域BRDA#1をクローズするかデータ領域DTAの終了処理(ファイナライズ)をする場合には、最後の記録位置管理データRMDで図13(b)に示した予約領域273を全て埋める処理を行う。これにより、
(1)“未記録状態”の予約領域273が無くなり、DPD(Differential Phase Detection)検出法によるトラッキング補正の安定化を保証する
(2)かつての予約領域273に最後の記録位置管理データRMDを多重書きする事になり、最後の記録位置管理データRMDに関する再生時の信頼性が大幅に向上する
(3)誤って未記録状態の予約領域273に異なった記録位置管理データRMDを記録する事件を防止できる
と言う効果が有る。
上記処理方法はデータリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZに限らず、本実施形態では後述するボーダーインBRDI内またはボーダー内領域BRDA内に有る記録位置管理ゾーンRMZ(または拡張記録位置管理ゾーン:拡張RMZと呼ぶ)に対しても対応するボーダー内領域BRDAをクローズするかデータ領域DTAの終了処理(ファイナライズ)をする場合には最後の記録位置管理データRMDで予約領域273を全て埋める処理を行う。
RMDディプリケーションゾーンRDZ内はRDZリードインRDZLIと対応RMZ最後の記録位置管理データRMDの記録領域271に分かれている。RDZリードインRDZLIの中は図13(b)に示すようにデータサイズが48KBのシステム予約領域SRSFとデータサイズが16KBのユニークID領域UIDFから構成される。システム予約領域SRSF内は全て“00h”にセットされる。
本実施形態では追記可能なデータリードイン領域DTLDI内にRDZリードインRDZLIを記録することができる。本実施形態の追記形情報記憶媒体では製造直後はRDZリードインRDZLIは未記録の状態で出荷される。ユーザサイドの情報記録再生装置内でこの追記形情報記憶媒体を使う段階で初めてRDZリードインRDZLIの情報を記録する。従って、追記形情報記憶媒体を情報記録再生装置に装着直後にこのRDZリードインRDZLIに情報が記録されているか否かを判定する事で、対象の追記形情報記憶媒体が製造・出荷直後の状態か少なくとも一回でも使用したかを容易に知る事が出来る。更に、図13に示すようにRMDディプリケーションゾーンRDZが最初のボーダー内領域BRDAに対応した記録位置管理ゾーンRMZより内周側に配置され、RMDディプリケーションゾーンRDZ内にRDZリードインRDZLIが配置され得る。
追記形情報記憶媒体が製造・出荷直後の状態か少なくとも一回でも使用したかの情報(RDZリードインRDZLI)を共通な利用目的(RMDの信頼性向上)に使われるRMDディプリケーションゾーンRDZ内に配置する事で情報収集の利用効率が向上する。また、RDZリードインRDZLIを記録位置管理ゾーンRMZより内周側に配置する事で必要情報収集に必要な時間の短縮化が図れる。情報記憶媒体を情報記録再生装置に装着すると、情報記録再生装置は、最内周側に配置されたバーストカッティング領域BCAから再生を開始し、順次外側に再生位置を移動させながらシステムリードイン領域SYLSI、データリードイン領域DTLDIへと再生場所を変えて行く。RMDディプリケーションゾーンRDZ内のRDZリードインRDZLIに情報が記録されているかを判別する。出荷直後で一度も記録されて無い追記形情報記憶媒体では記録位置管理ゾーンRMZ内には一切の記録位置管理データRMDが記録されて無いので、RDZリードインRDZLIに情報が記録されて無い場合には“出荷直後で未使用”と判定し、記録位置管理ゾーンRMZの再生を省く事が出来、必要情報収集に必要な時間の短縮化が図れる。
ユニークID領域UIDF内は図13(c)に示すように、初めて出荷直後の追記形情報記憶媒体を使用した(記録を開始した)情報記録再生装置に関する情報が記録される。すなわち、情報記録再生装置のドライブメーカーID281や情報記録再生装置のシリアル番号283、モデル番号284が記録される。ユニークID領域UIDF内は図13(c)に示した2KB(厳密には2048バイト)の同じ情報が8回繰り返し記録されている。ユニークディスクID287内情報には図13(d)に示すように初めて使用(記録を開始)した時の年情報293、月情報294、日情報295、時間情報296、分情報297、秒情報298が記録される。それぞれの情報のデータタイプは図13(d)に記載されているようにHEX、BIN、ASCIIで記載され、使用バイト数も2バイトもしくは4バイト使われる。
このRDZリードインRDZLIの領域のサイズと前記1個の記録位置管理データRMDのサイズが64KBすなわち、1個のECCブロック内のユーザデータサイズの整数倍にすることができる。追記形情報記憶媒体の場合、1個のECCブロック内のデータの一部を変更後に情報記憶媒体に変更後のECCブロックのデータを書き替えると言う処理が出来ない。従って、特に追記形情報記憶媒体の場合には後述するように、1個のECCブロックを含むデータセグメントの整数倍で構成されるレコーディングクラスタ単位で記録される。従って、RDZリードインRDZLIの領域のサイズと前記1個の記録位置管理データRMDのサイズがECCブロック内のユーザデータサイズと異なると、レコーディングクラスター単位に合わせるためのパディング領域またはスタッフィング領域が必要となり、実質的な記録効率が低下する。本実施形態のようにRDZリードインRDZLIの領域のサイズと前記1個の記録位置管理データRMDのサイズが64KBの整数倍に設定する事で記録効率の低下を防止できる。
図13(b)における対応RMZ最後の記録位置管理データRMD記録領域271についての説明を行う。登録2621459号に記載されているように、リードイン領域の内側に記録中断時の中間情報を記録する方法が有る。この場合には記録を中断する毎あるいは追記処理を行う毎に、この領域に中間情報(本実施形態では記録位置管理データRMD)を逐次追記する必要が有る。そのため、頻繁に記録中断または追記処理が繰り返されると、この領域が直ぐに満杯となり更なる追加処理が不可能になると言う問題が発生する。この問題を解決するために、本実施形態では特定の条件を満たす時にのみ更新された記録位置管理データRMDを記録できる領域としてRMDディプリケーションゾーンRDZを設定し、特定条件の下で間引かれた記録位置管理データRMDを記録する事を特徴とする。このようにRMDディプリケーションゾーンRDZ内に追記される記録位置管理データRMDの頻度を低下させる事でRMDディプリケーションゾーンRDZ内で満杯になるのを防ぎ、追記形情報記憶媒体に対する追記可能な回数を大幅に向上できると言う効果が有る。これと並行して、追記処理毎に更新される記録位置管理データRMDは図16(c)に示すボーダーインBRDI内(最初のボーダー内領域BRDA#1に関しては図13(a)に示すようにデータリードイン領域DTLDI内)の記録位置管理ゾーンRMZ、あるいは後述するRゾーンを利用した記録位置管理ゾーンRMZ内に逐次追記される。そして、次のボーダー内領域BRDAを作成(新たなボーダーインBRDIを設定)したりRゾーン内に新たな記録位置管理ゾーンRMZを設定するなど新たな記録位置管理ゾーンRMZを作る時に、最後の(新たな記録位置管理ゾーンRMZを作る直前の状態での最新の)記録位置管理データRMDをRMDディプリケーションゾーンRDZ(の中の対応RMZ最後の記録位置管理データRMD記録領域271)内に記録する。これにより、追記形情報記憶媒体への追記可能回数が大幅に増大するだけでなく、この領域を利用する事で最新のRMD位置検索が容易になると言う効果が生まれる。
再生専用形、追記形、書替え形いずれの情報記憶媒体においてシステムリードイン領域がデータリードイン領域を挟んでデータ領域の反対側に配置され、更に、システムリードイン領域SYLDIを挟んでバーストカッティング領域BCAとデータリードイン領域DTLDIが互いに反対側に配置されている所に本実施形態の特徴が有る。情報記憶媒体を図14に示した情報再生装置または情報記録再生装置に挿入すると、情報再生装置または情報記録再生装置は
(1)バーストカッティング領域BCA内の情報の再生
→(2)システムリードイン領域SYLDI内の情報データゾーンCDZ内の情報の再生
→(3)データリードイン領域DTLDI内の情報の再生(追記形または書替え形の場合)
→(4)参照コード記録ゾーンRCZ内での再生回路定数の再調整(最適化)
→(5)データ領域DTA内に記録された情報の再生もしくは新たな情報の記録
の順で処理を行う。
上記処理の順に沿って情報が内周側から順に配置されているため、不要な内周へのアクセス処理が不要となり、アクセス回数を少なくしてデータ領域DTAへ到達できるため、データ領域DTA内に記録された情報の再生もしくは新たな情報の記録の開始時間を早める効果が有る。また、システムリードイン領域SYLDIでの信号再生にスライスレベル検出方式を利用し、データリードイン領域DTLDIとデータ領域DTAでは信号再生にPRMLを用いるので、データリードイン領域DTLDIとデータ領域DTAを隣接させると、内周側から順に再生した場合、システムリードイン領域SYLDIとデータリードイン領域DTLDIの間で1回だけスライスレベル検出回路からPRML検出回路に切り替えるだけで連続して安定に信号再生が可能となる。そのため、再生手順に沿った再生回路切り替え回数が少ないので処理制御が簡単になりデータ領域内再生開始時間が早くなる。
再生専用形情報記憶媒体においてデータリードアウト領域DTLDOとシステムリードアウト領域SYLDO内に記録されているデータはデータフレーム構造(データフレーム構造に付いては後述)を持ち、その中のメインデータの値を全て“00h”に設定している。再生専用形情報記憶媒体ではデータ領域DTA内の全領域に亘りユーザデータの事前記録領域201として使用できるが、後述するように追記形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体のいずれの実施形態でもユーザデータの書替え/追記可能範囲202〜205がデータ領域DTAよりも狭くなっている。
追記形情報記憶媒体あるいは書替え形情報記憶媒体ではデータ領域DTAの最内周部に代替え領域(Spare Area)SPAが設けて有る。データ領域DTA内に欠陥場所が発生した場合に前記代替え領域SPAを使って代替え処理を行い、書替え形情報記憶媒体の場合にはその代替え履歴情報(欠陥管理情報)を欠陥管理ゾーン1 DMA1、欠陥管理ゾーン2 DMA2及び欠陥管理ゾーン3 DMA3、欠陥管理ゾーン4 DMA4に記録する。欠陥管理ゾーン3 DMA3、欠陥管理ゾーン4 DMA4に記録される欠陥管理情報は欠陥管理ゾーン1 DMA1、欠陥管理ゾーン2 DMA2に記録される情報と同じ内容が記録される。追記形情報記憶媒体の場合には代替え処理を行った場合の代替え履歴情報(欠陥管理情報)はデータリードイン領域DTLDI内及び後述するボーダーゾーン内に存在する記録位置管理ゾーンへの記録内容のコピー情報C_RMZ内に記録される。現行のDVD−Rディスクでは欠陥管理を行わなかったが、DVD−Rディスクの製造枚数の増加に連れて一部に欠陥場所を持つDVD−Rディスクが出廻るようになり、追記形情報記憶媒体に記録する情報の信頼性向上を望む声が大きくなっている。
ドライブテストゾーンDRTZは情報記録再生装置が情報記憶媒体への情報を記録する前に試し書きするための領域として確保されている。情報記録再生装置は予めこの領域内で試し書きを行い、最適な記録条件(ライトストラテジ)を割り出した後、その最適記録条件でデータ領域DTA内に情報を記録する事が出来る。
ディスクテストゾーンDKTZは情報記憶媒体の製造メーカーが品質テスト(評価)を行うために設けられた領域である。

追記形情報記憶媒体では内周側と外周側の2箇所にドライブテストゾーンDRTZを設けて有る。ドライブテストゾーンDRTZに行う試し書きの回数が多い程、細かくパラメータを振って最適な記録条件を詳細に探すことが出来てデータ領域DTAへの記録精度が向上する。書替え形情報記憶媒体では重ね書きによるドライブテストゾーンDRTZ内の再利用が可能となるが、追記形情報記憶媒体では試し書きの回数を多くして記録精度を上げようとするとドライブテストゾーンDRTZ内をすぐに使い切ってしまうと言う問題が発生する。その問題を解決するために本実施形態では外周部から内周方向に沿って逐次拡張ドライブテストゾーン(Extended Drive Test Zone)EDRTZの設定を可能とし、ドライブテストゾーンの拡張を可能とすることができる。
拡張ドライブテストゾーンの設定方法とその設定された拡張ドライブテストゾーン内での試し書き方法に関する特徴として、本実施形態では、
1.拡張ドライブテストゾーンEDRTZの設定(枠取り)は外周方向(データリードアウト領域DTLDOに近い方)から内周側にむけて順次まとめて設定する
… データ領域内の最も外周に近い場所(データリードアウト領域DTLDOに最も近い場所)からまとまった領域として拡張ドライブテストゾーン1 EDRTZ1を設定し、その拡張ドライブテストゾーン1 EDRTZ1を使い切った後で、それより内周側に存在するまとまった領域として拡張ドライブテストゾーン2 EDRTZ2を次に設定可能とする。
2.拡張ドライブテストゾーンEDRTZの中では内周側から順次試し書きを行う
… 拡張ドライブテストゾーンEDRTZの中で試し書きを行う場合には内周側から外周側に沿ってスパイラル状に配置されたグルーブ領域214に沿って行い、前回試し書きをした(既に記録された)場所のすぐ後ろの未記録場所に今回の試し書きを行う。
データ領域内は内周側から外周側に沿ってスパイラル状に配置されたグルーブ領域214に沿って追記される構造となっており、拡張ドライブテストゾーン内での試し書きが直前に行われた試し書き場所の後ろに順次追記する方法で行う事により、“直前に行われた試し書き場所の確認”→“今回の試し書きの実施”の処理がシリアルに行えるため、試し書き処理が容易となるばかりでなく、拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内での既に試し書きされた場所の管理が簡単になる。
3.拡張ドライブテストゾーンEDRTZも含めた形でデータリードアウト領域DTLDOの再設定可能
… データ領域DTA内に2箇所拡張代替え領域1 ESPA1、拡張代替え領域2 ESPA2を設定し、2箇所の拡張ドライブテストゾーン1 EDRTZ1、拡張ドライブテストゾーン2 EDRTZ2を設定した例を示す。この場合に本実施形態では拡張ドライブテストゾーン2 EDRTZ2までを含めた領域に対してデーターリードアウト領域DTLOとして再設定出来る。これに連動して範囲を狭めた形でデータ領域DTAの範囲の再設定を行うことになり、データ領域DTA内に存在するユーザデータの追記可能範囲205の管理が容易になる。
拡張代替え領域1 ESPA1の設定場所を“既に使い切った拡張代替え領域”と見なし、拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内の拡張代替え領域2 ESPA2内のみに未記録領域(追記の試し書きが可能な領域)が存在すると管理する。この場合、拡張代替え領域1 ESPA1内に記録され、代替えに使われた非欠陥の情報はそっくりそのまま拡張代替え領域2 ESPA2内の未代替え領域の場所に移され、欠陥管理情報が書き替えられる。この時再設定されたデータリードアウト領域DTLDOの開始位置情報は記録位置管理データRMD内のRMDフィールド0の最新の(更新された)データ領域DTAの配置位置情報内に記録される。
図15を参照して追記形情報記憶媒体におけるボーダー領域の構造について説明する。追記形情報記憶媒体に初めて1個のボーダー領域を設定した時は図15(a)に示すように内周側(データリードイン領域DTLDIに最も近い側)にボーダー内領域(Bordered Area)BRDA#1を設定後、その後ろにボーダーアウト(Border out)BRDOを形成する。
更に、その次のボーダー内領域(Bordered Area)BRDA#2を設定したい場合には、図15(b)に示すように前の(#1の)ボーダーアウトBRDOの後ろに次の(#1の)ボーダーイン(Border in)BRDIを形成した後に次のボーダー内領域BRDA#2を設定し、次のボーダー内領域BRDA#2をクローズしたい場合にはその直後に(#2)のボーダーアウトBRDOを形成する。本実施形態ではこの前の(#1の)ボーダーアウトBRDOの後ろに次の(#1の)ボーダーイン(Border in)BRDIを形成して組みにした状態をボーダーゾーン(Border Zone)BRDZと呼んでいる。ボーダーゾーンBRDZは情報再生装置(DPD検出法を前提)で再生した時の各ボーダー内領域BRDA間で光学ヘッドがオーバーランするのを防止するために設定している。従って、情報が記録された追記形情報記憶媒体を再生専用装置で再生する場合には、このボーダーアウトBRDOとボーダーインBRDIが既に記録されると共に最後のボーダー内領域BRDAの後ろにボーダーアウトBRDOが記録されるボーダークローズ処理がなされる事が前提となる。最初のボーダー内領域BRDA#1は4080個以上の物理セグメントブロックで構成され、追記形情報記憶媒体上の半径方向で最初のボーダー内領域BRDA#1が1.0mm以上の幅を持っている必要が有る。図15(b)ではデータ領域DTA内に拡張ドライブテストゾーンEDRTZを設定した例を示している。
追記形情報記憶媒体をファイナライズ(Finalization)した後の状態を図15(c)に示す。図15(c)の例では拡張ドライブテストゾーンEDRTZをデータリードアウト領域DTLDO内に組み込み、更に、拡張代替え領域ESPAも設定済みの例を示している。この場合にはユーザデータの追加可能範囲205を残さないように最後のボーダーアウトBRDOで埋める。
上記説明したボーダーゾーンBRDZ内の詳細なデータ構造を図15(d)に示す。各情報は後述する1物理セグメントブロック(Physical Segment Block)のサイズ単位で記録される。ボーダーアウトBRDO内の最初には記録位置管理ゾーンへ記録された内容のコピー情報C_RMZが記録され、ボーダーアウトBRDOで有る事を示すボーダー終了用目印(Stop Block)STBが記録される。さらに次のボーダーインBRDIが来る場合には、このボーダー終了用目印(Stop Block)STBが記録された物理セグメントブロックから数えて“N1番目”の物理セグメントブロックに次にボーダー領域が来る事を示す最初の目印(Next Border Marker)NBMが、そして“N2番目”の物理セグメントブロックに次にボーダー領域が来る事を示す2番目の目印NBM、“N3番目”の物理セグメントブロックに次にボーダー領域が来る事を示す3番目の目印NBMがそれぞれ1物理セグメントブロックのサイズ毎に離散的に合計3箇所に記録される。
次のボーダーインBRDI内にはアップデートされた物理フォーマット情報(Updated Physical Format Information)U_PFIが記録される。現行のDVD−RまたはDVD−RWディスクでは次のボーダー領域が来ない場合には(最後のボーダーアウトBRDO内では)、図15(d)に示した“次のボーダーを示す目印NBM”を記録すべき場所(1物理セグメントブロックサイズの場所)は“全くデータを記録しない場所”のまま保持される。この状態でボーダークローズされると、この追記形情報記憶媒体(現行のDVD−RまたはDVD−RWディスク)は従来のDVD−ROMドライブまたは従来のDVDプレーヤーでの再生が可能な状態となる。従来のDVD−ROMドライブまたは従来のDVDプレーヤーではこの追記形情報記憶媒体(現行のDVD−RまたはDVD−RWディスク)上に記録された記録マークを利用してDPD(Differential Phase Detection)法を用いたトラックずれ検出を行う。しかし、上記の“全くデータを記録しない場所”では1物理セグメントブロックサイズにも亘って記録マークが存在しないので、DPD(Differential Phase Detection)法を用いたトラックずれ検出が行え無いので安定にトラックサーボがかから無いと言う問題が有る。
上記の現行のDVD−RまたはDVD−RWディスクの問題点の対策として、本実施形態では、
(1)次のボーダー領域が来ない場合には“次のボーダーを示す目印NBMを記録すべき場所”には予め特定パターンのデータを記録しておく、
(2)次のボーダー領域が来る場合には上記予め特定パターンのデータが記録されている“次のボーダーを示す目印NBM”の場所には部分的かつ離散的に特定の記録パターンで『重ね書き処理』を行う事で“次のボーダー領域が来る事”を示す識別情報として利用する、と言う方法を新規に採用している。
このように重ね書きにより次のボーダーを示す目印を設定する事で、(1)に示すように次のボーダー領域が来ない場合でも“次のボーダーを示す目印NBMを記録すべき場所”には予め特定パターンの記録マークが形成でき、ボーダークローズ後に再生専用の情報再生装置でDPD法によりトラックずれ検出を行っても安定にトラックサーボが掛かると言う効果が生まれる。追記形情報記憶媒体において既に記録マークが形成されている部分に対して部分的にでもその上に新たな記録マークを重ね書きすると、情報記録再生装置または情報再生装置において図14に示したPLL回路の安定化が損なわれる危惧が有る。その危惧対策として本実施形態では更に、
(3)1物理セグメントブロックサイズの“次のボーダーを示す目印NBM”の位置に重ね書きする時に同一データセグメント内の場所により重ね書き状況を変化させる方法と
(4)シンクデータ432内に部分的に重ね書きを行い、シンクコード431上での重ね書きを禁止する
(5)データIDとIEDを除いた場所に重ね書きする
と言う方法を更に、新規に採用している。後で詳細に説明するように、ユーザデータを記録するデータフィールド411〜418とガード領域441〜448が交互に情報記憶媒体上に記録される。データフィールド411〜418とガード領域441〜448を組み合わせた組をデータセグメント490と呼び、1個のデータセグメント長は1個の物理セグメントブロック長に一致する。図14に示したPLL回路はVFO領域471、472内で特にPLLの引き込みがし易くなっている。従って、VFO領域471、472の直前ならばPLLが外れてもVFO領域471、472を用いてPLLの再引き込みが容易に行われるので、情報記録再生装置または情報再生装置内でのシステム全体としての影響は軽減される。この状況を利用し上記のように(3)データセグメント内の場所により重ね書き状況を変化させ、同一データセグメント内のVFO領域471、472に近い後ろの部分で特定パターンの重ね書き量を増やす事で“次のボーダーを示す目印”の判別を容易にすると共に再生時の信号PLLの精度劣化を防止できると言う効果が有る。
1個の物理セクタ内はシンクコード433(SY0〜SY3)が配置されている場所と、そのシンクコード433の間に配置されたシンクデータ434の組み合わせで構成されている。情報記録再生装置あるいは情報再生装置は情報記憶媒体上に記録されているチャネルビット列の中からシンクコード433(SY0〜SY3)を抽出し、チャネルビット列の切れ目を検出している。後述するようにデータIDの情報から情報記憶媒体上に記録されているデータの位置情報(物理セクタ番号または論理セクタ番号)を抽出している。その直後に配置されたIEDを用いてデータIDのエラーを検知している。従って、本実施形態では(5)データIDとIED上での重ね書きを禁止するとともに(4)シンクコード431を除いたシンクデータ432内に部分的に重ね書きを行う事で、“次のボーダーを示す目印NBM”内でもシンクコード431を用いたデータID位置の検出とデータIDに記録された情報の再生(内容判読)を可能にしている。
追記形情報記憶媒体におけるボーダー領域の構造に関する図15とは異なる他の実施形態を図16に示す。図16(a)、(b)は図15(a)、(b)と同じ内容を示している。図16では追記形情報記憶媒体をファイナライズ(Finalization)した後の状態が図15(c)とは異なる。例えば、図16(c)に示すようにボーダー内領域BRDA#3内の情報記録を終了させたのちにファイナライズ(Finalization)したい場合には、ボーダークローズ処理としてボーダー内領域BRDA#3の直後にボーダーアウトBRDOを形成する。その後、ボーダー内領域BRDA#3直後のボーダーアウトBRDOの後ろにターミネイター(Terminator)領域TRMを形成し、ファイナライズに必要な時間の短縮を図っている。
図15(c)の実施形態では拡張代替え領域ESPAの直前までボーダーアウトBRDOで埋める必要があり、このボーダーアウトBRDO形成のために長時間必要となりファイナライズ時間が掛かる問題が生じる。これに対して、図16(c)の実施形態では比較的長さの短いターミネーター領域TRMを設定し、ターミネーターTRMより外側全てを新たなデータリードアウト領域NDTLDOと再定義し、ターミネーターTRMより外側にある未記録部分を使用禁止領域911に設定する。すなわち、データ領域DTAがファイナライズされる時には記録データの最後(ボーダーアウトBRDOの直後)にターミネーター領域TRMを形成する。この領域内のメインデータの情報を全て“00h”に設定する。この領域のタイプ情報をデータリードアウトNDTLDOの属性に設定される事で、図16(c)に示すようにこのターミネーター領域TRMを新たなデータリードアウト領域NDTLDOとして再定義される。この領域のタイプ情報は後述するようにデータID内の領域タイプ情報935に記録される。すなわち、このターミネーター領域TRM内でのデータID内の領域タイプ情報935を“10b”に設定することでデータリードアウトDTLDO内に有る事を示す。本実施形態ではデータID内領域タイプ情報935によりデータリードアウト位置の識別情報を設定する所に大きな特徴がある。
図14に示した情報記録再生装置または情報再生装置において情報記録再生部141が追記形情報記憶媒体上の特定目標位置に粗アクセスした場合を考える。粗アクセス直後は情報記録再生部141は追記形情報記憶媒体上の何処に到達したか知るために必ずデータIDを再生し、データフレーム番号922を解読する必要が有る。データID内にはデータフレーム番号922の近くに領域タイプ情報935が有るため、同時にこの領域タイプ情報935を解読するだけで情報記録再生部141がデータリードアウト領域DTLDO内に居るか否かが即座に分かるため、アクセス制御の簡素化と高速化を図ることが出来る。上述したようにターミネーター領域TRMのデータID内設定によりデータリードアウト領域DTLDOの識別情報を持たせる事でターミネーター領域TRM検出が容易となる。
特例としてもし最後のボーダーアウトBRDOがデータリードアウトNDTLDOの属性として設定された場合(すなわち、ボーダーアウトBRDO領域内のデータフレームのデータID内の領域タイプ情報935を“10b”に設定した場合)には、このターミネーター領域TRMの設定は行わない。従って、データリードアウトNDTLDOの属性を持ったターミネーター領域TRMが記録されると、このターミネーター領域TRMがデータリードアウト領域NDTLDOの一部と見なされるためデータ領域DTAへの記録が不可能となり、図16(c)のように使用禁止領域911として残る場合が有る。
本実施形態ではターミネーター領域TRMのサイズを追記形情報記憶媒体上の位置により変える事でファイナライズ時間の短縮化と処理の効率化を図っている。このターミネーター領域TRMは記録データの最後位置を示すだけでなく、DPD方式でトラックずれ検出を行う再生専用装置に使用した場合でもトラックずれによるオーバーランを防止するためにも利用されている。従って、このターミネーター領域TRMの追記形情報記憶媒体上での半径方向の幅(ターミネーター領域TRMで埋められた部分の幅)としては、再生専用装置の検出特性の関係から最低でも0.05mm以上の長さが必要となる。追記形情報記憶媒体上での1周の長さは半径位置により異なるため、1周内に含まれる物理セグメントブロック数が半径位置で異なる。そのため、半径位置すなわち、ターミネーター領域TRM内最初に位置する物理セクタの物理セクタ番号によりターミネーター領域TRMのサイズが異なり、外周側に行くに従ってターミネーター領域TRMのサイズが大きくなっている。許容されるターミネーター領域TRMの物理セクタ番号の最小値は“04FE00h”より大きい必要がある。これは前述したように最初のボーダー内領域BRDA#1は4080個以上の物理セグメントブロックで構成され、追記形情報記憶媒体上の半径方向で最初のボーダー内領域BRDA#1が1.0mm以上の幅を持っている必要が有るための制約条件から来る。ターミネーター領域TRMは物理セグメントブロックの境界位置から開始する必要が有る。
図16(d)では前述したのと同じ理由から各情報が記録される場所が1物理セグメントブロックサイズ毎に設定され、各1個の物理セグメントブロック内に32個の物理セクタ内に分散記録された合計64KBのユーザデータが記録される。それぞれの情報に対して図16(d)に示すように相対的な物理セグメントブロック番号が設定されており、相対的な物理セグメントブロック番号の若い順に追記形情報記憶媒体に各情報が順次記録される形になっている。図16に示した実施形態では図15(d)の記録位置管理ゾーンへの記録内容のコピー情報記録領域C_RMZ内に同一内容であるRMDのコピーCRMD#0〜#4が5回多重書きされている。このように多重書きする事で再生時の信頼性を向上させ、追記形情報記憶媒体上にゴミや傷が付いても安定して記録位置管理ゾーンへの記録内容のコピー情報CRMDを再生できる。図16(d)におけるボーダー終了目印STBは図15(d)のボーダー終了用目印STBと一致しているが、図16(d)の実施形態では図15(d)の実施形態に示すような次のボーダーを示す目印NBMを持た無い。リザーブ領域901、902内でのメインデータの情報は全て“00h”に設定する。
ボーダーインBRDIの最初にはアップデートされた物理フォーマット情報U_PFIとして全く同じ情報が相対的な物理セグメントブロック番号としてN+1からN+6まで6回多重書きされ、図15のアップデートされた物理フォーマット情報U_PFIを構成している。このようにアップデートされた物理フォーマット情報U_PFIを多重書きする事で情報の信頼性を向上させている。
図16(d)ではボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZをボーダーインBRDI内に持たせた所に大きな特徴がある。図13に示すようにデータリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZのサイズが比較的小さく、新たなボーダー内領域BRDAの設定を頻繁に繰り返すと記録位置管理ゾーンRMZ内に記録される記録位置管理データRMDが飽和し、途中で新たなボーダー内領域BRDAの設定が不可能になってしまう。図16(d)の実施形態のようにボーダーインBRDI内にその後に続くボーダー内領域BRDA#3内に関する記録位置管理データRMDを記録する記録位置管理ゾーンを設けた事により、新たなボーダー内領域BRDAの設定を多数回行えると共にボーダー内領域BRDA内での追記回数を大幅に増やせると言う効果が生まれる。このボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZが含まれるボーダーインBRDIに続くボーダー内領域BRDA#3がクローズされるかデータ領域DTAがファイナライズされる場合には、記録位置管理ゾーンRMZ内の未記録状態にある予約領域273内全てに対して最後の記録位置管理データRMDを繰り返し記録して全て埋める必要が有る。これにより、未記録状態の予約領域273を無くし、再生専用装置での再生時の(DPDによる)トラック外れを防止すると共に記録位置管理データRMDの多重記録により記録位置管理データRMDの再生信頼性を向上させる事ができる。リザーブ領域903の全てのデータを“00h”に設定している。
ボーダーアウトBRDOはDPDを前提とした再生専用装置でのトラック外れによるオーバーラン防止の役割が有るが、ボーダーインBRDI内はアップデートされた物理フォーマット情報U_PFIとボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZの情報を持つ以外は特に大きなサイズを持つ必要が無い。従って、新たなボーダー内領域BRDA設定時の(ボーダーゾーンBRDZ記録に必要な)時間短縮の意味からなるべくサイズを小さくしたい。図16(a)に対してボーダークローズによるボーダーアウトBRDO形成前の時には、ユーザデータの追記可能範囲205は充分広く追記回数も多く行われる可能性が高いので、ボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZには多数回記録位置管理データが記録できるように図16(d)の“M”の値を大きく取っておく必要が有る。それに比べて、図16(b)に対してボーダー内領域BRDA#2をボーダークローズする前でボーダーアウトBRDOを記録する前の状態では、ユーザデータの追記可能範囲205が狭まっているのでボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZ内に追記される記録位置管理データの追記回数もそれ程多くはならないと考えられる。従って、ボーダー内領域BRDA#2の直前にあるボーダーインBRDI内の記録位置管理ゾーンRMZの設定サイズ“M”は相対的に小さく取れる。すなわち、ボーダーインBRDIが配置される場所が内周側の方が記録位置管理データの追記予想回数が多く、外周に行くに従って記録位置管理データの追記予想回数が少なくなるので、ボーダーインBRDIサイズが外周側で小さくすると言う特徴を持たせている。その結果、新ボーダー内領域BRDA設定時間の短縮化と処理効率化が図れる。
図15(c)に示すボーダー内領域BRDA内に記録する情報の論理的な記録単位をRゾーン(R Zone)と呼ぶ。従って、1個のボーダー内領域BRDA内には少なくとも1個以上のRゾーンから構成されている。現行のDVD−ROMではファイルシステムにUDF(Universal Disc Format)に準拠したファイル管理情報とISO9660に準拠したファイル管理情報の両方が同時に1枚の情報記憶媒体内に記録される“UDFブリッジ”というファイルシステムを採用している。ISO9660に準拠したファイル管理方法では1個のファイルが情報記憶媒体内に必ず連続して記録されなければならない決まりが有る。すなわち、1個のファイル内の情報が情報記憶媒体上に離散的な位置に分割配置する事を禁止している。従って、例えば、上記UDFブリッジに準拠して情報が記録された場合、1個のファイルを構成する全情報が連続的に記録されるので、この1個のファイルが連続して記録される領域が1個のRゾーンを構成するように適応させる事もできる。
図17に制御データゾーンCDZとR物理情報ゾーンRIZ内のデータ構造を示す。図17(b)に示すように制御データゾーンCDZ内には物理フォーマット情報(Physical Format Information)PFIと媒体製造関連情報(Disc Manufacturing Information)DMIが存在し、R物理情報ゾーンRIZ内には同じく媒体製造関連情報(Disc Manufacturing Information)DMIとR物理フォーマット情報(R-Physical Format Information)R_PFIから構成される。
媒体製造関連情報DMI内は媒体製造国名に関する情報251と媒体メーカー所属国情報252が記録されている。販売された情報記憶媒体が特許侵害している時に製造場所が有る国内または情報記憶媒体を消費して(使って)いる国内に対して侵害警告を掛ける場合が多い。情報記憶媒体内に前記の情報の記録を義務付ける事で製造場所(国名)が判明し、特許侵害警告が掛け易くする事で知的財産が保証され技術の進歩が促進される。更に、媒体製造関連情報DMI内はその他媒体製造関連情報253も記録されている。
物理フォーマット情報PFIまたはR物理フォーマット情報R_PFI内には記録場所(先頭からの相対的なバイト位置)により記録される情報の種類が規定されている所に本実施形態の特徴が有る。すなわち、物理フォーマット情報PFIまたはR物理フォーマット情報R_PFI内の記録場所として0バイト目から31バイト目までの32バイトの領域にはDVDファミリー内の共通情報261が記録され、32バイト目から127バイト目までの96バイトが本実施形態の対象となっているHD DVDファミリー内の共通な情報262が記録され、128バイト目から511バイト目までの384バイトが各規格書タイプやパートバージョンに関するそれぞれ独自な情報(固有情報)263が記録され、512バイト目から2047バイト目までの1536バイトが各リビジョンに対応した情報が記録される。このように情報内容により物理フォーマット情報内の情報配置位置を共通化する事で媒体の種類に依らず記録されている情報の場所が共通化されているので、情報再生装置あるいは情報記録再生装置の再生処理の共通化と簡素化が図れる。0バイト目から31バイト目までに記録されているDVDファミリー内の共通情報261は図17(d)に示すように更に、0バイト目から16バイト目までに記録されている再生専用形情報記憶媒体と書替え形情報記憶媒体、追記形情報記憶媒体の全てに共通に記録して有る情報267と17バイト目から31バイト目までに書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体には共通に記録され再生専用形では記録されて無い情報268に分かれる。
次に、図17(c)に示した128バイト目から511バイト目までの各規格書のタイプとバージョンの固有情報263の意味と512バイト目から2047バイト目までの各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264の意味について説明する。512バイト目から2047バイト目までの各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264としてはタイプが異なる書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体との違いのみならず同じ種類の媒体においてもリビジョンが異なると各バイト位置での記録情報内容の意味が異なる事を許容する。
具体的な情報記録再生装置の実装方法を以下に説明する。規格書(バージョンブック)あるいはリビジョンブックで“H→L”記録膜からの再生信号特性と“L→H”記録膜からの再生信号特性の両方を併記し、それに対応して図14のPR等化回路130とビタビ復号器156内に2通りずつの対応回路を用意しておく。情報再生部141内に情報記憶媒体を装着すると、まず始めにシステムリードイン領域SYLDI内の情報を読むためのスライスレベル検出回路132を起動させる。このスライスレベル検出回路132で、192バイト目に記録された記録マークの極性(“H→L”か“L→H”かの識別)情報を読み取った後“H→L”か“L→H”かの判別を行い、それに合わせてPR等化回路130とビタビ復号器156内の回路を切り替えた後に、データリードイン領域DTLDIまたはデータ領域DTA内に記録されている情報を再生する。上記の方法により比較的早くしかも精度良くデータリードイン領域DTLDIまたはデータ領域DTA内の情報を読む事が出来る。17バイト目に最高記録速度を規定したリビジョン番号情報と18バイト目に最低記録速度を規定したリビジョン番号情報が記載されているが、前記の情報は最高と最低を規定した範囲情報でしかない。最も安定に記録する場合には記録時に最適な線速情報が必要となるので、その情報が193バイト目に記録されている。
各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264内に含まれる各種の記録条件(ライトストラテジ)情報に先立つ位置に光学系条件情報として194バイト目の円周方向に沿った光学系のリムインテンシティ値と195バイト目の半径方向に沿った光学系のリムインテンシティ値の情報が配置されている所に本実施形態の次の大きな特徴が有る。これらの情報は後ろ側に配置される記録条件を割り出す時に使用した光学ヘッドの光学系の条件情報を意味している。リムインテンシティとは情報記憶媒体の記録面上に集光する前に対物レンズに入射する入射光の分布状況を意味し、
『入射光強度分布の中心強度を“1”とした時の対物レンズ周辺位置(瞳面外周位置)での強度値』
で定義される。対物レンズへの入射光強度分布は点対称ではなく、楕円分布をし、情報記憶媒体の半径方向と円周方向でリムインテンシティ値が異なるので2通りの値が記録される。リムインテンシティ値が大きいほど情報記憶媒体の記録面上での集光スポットサイズが小さくなるので、このリムインテンシティ値により最適な記録パワー条件が大きく変わる。情報記録再生装置は自分が持っている光学ヘッドのリムインテンシティ値情報を事前に知っているので、まず情報記憶媒体内に記録されている円周方向と半径方向に沿った光学系のリムインテンシティ値を読み取り、自分が持っている光学ヘッドの値と比較する。比較した結果に大きな違いが無ければ後ろ側に記録されている記録条件を適用できるが、比較した結果で大きな食い違いが有れば後ろ側に記録されている記録条件を無視し、ドライブテストゾーンDRTZを利用して記録再生装置自ら試し書きをしながら最適な記録条件の割り出しを始める必要が有る。
このように後ろ側に記録されている記録条件を利用するか、その情報を無視して自ら試し書きをしながら最適な記録条件の割り出しを始めるかの判断を早急に行う必要が有る。推奨される記録条件が記録されている位置に対する先行位置にその条件を割り出した光学系の条件情報を配置する事で、まず始めにそのリムインテンシティ情報を読み取る事が出来、後に配置される記録条件の適合可否を高速に判定出来ると言う効果が有る。
上述したように本実施形態では大きく内容が変更に、なった時にバージョンを変更させる規格書(バージョンブック)と記録速度など小変更に、対応してリビジョンを変更して発行するリビジョンブックに分け、記録速度が向上する毎にリビジョンのみを更新したリビジョンブックのみを発行できるようにしている。従って、リビジョン番号が異なるとリビジョンブック内の記録条件が変化するので、記録条件(ライトストラテジ)に関する情報が主にこの512バイト目から2047バイト目までの各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264の中に記録される。
追記形情報記憶媒体において、データリードイン領域DTLDI内のR物理情報ゾーンRIZ内に記録されたR物理フォーマット情報(R-physical format information)は物理フォーマット情報PFI(HD DVDファミリーの共通情報のコピー)にボーダーゾーンの開始位置情報(First borderの最外周アドレス)が付加されて記録されている。図15(d)または図16(d)に示すボーダーインBRDI内のアップデートされた物理フォーマット情報U_PFI内には物理フォーマット情報PFI(HD DVDファミリーの共通情報のコピー)にアップデートされた開始位置情報(自己borderの最外周アドレス)が付加されて記録されている。アップデートされた開始位置情報もボーダーゾーンの開始位置情報と同様にピークパワーやバイアスパワー1など記録条件に関する情報(各リビジョン毎に固有に設定できる情報内容264)よりも先行した位置で有り、かつDVDファミリー内の共通情報262よりも後の位置である256バイト目から263バイト目に配置される。
ボーダーゾーンの開始位置情報に関する具体的な情報内容は256バイト目から259バイト目に現在使用している(カレントの)ボーダー内領域BRDAの外側にあるボーダーアウトBRDOの開始位置情報が物理セクタ番号(PSN:Physical Sector Number)あるいは物理セグメント番号(PSN:Physical Segment Number)で記載され、260バイト目から263バイト目には次に使用されるボーダー内領域BRDAに関するボーダーインBRDIの開始位置情報が物理セクタ番号あるいは物理セグメント番号(PSN)で記載されている。
アップデートされた開始位置情報に関する具体的な情報内容はボーダー内領域BRDAが新たに設定された場合の最新のボーダーゾーン位置情報を示し、256バイト目から259バイト目に現在使用している(カレントの)ボーダー内領域BRDAの外側にあるボーダーアウトBRDOの開始位置情報が物理セクタ番号あるいは物理セグメント番号(PSN)で記載され、260バイト目から263バイト目には次に使用されるボーダー内領域BRDAに関するボーダーインBRDIの開始位置情報が物理セクタ番号あるいは物理セグメント番号(PSN)で記載されている。次のボーダー内領域BRDAが記録不可能な場合には、ここ(260バイト目から263バイト目)は全て“00h”で埋められる。
これに対して、追記形情報記憶媒体のR物理フォーマット情報R_PFI内では該当するボーダー内領域BRDAの中での既記録データの最後の位置情報が記録される。
更に、再生専用形情報記憶媒体内では再生側光学系から見た手前の層である“0層”内での最後のアドレス情報と書替え形情報記憶媒体内ではランド領域とグルーブ領域間の各開始位置情報の差分値の情報も記録されている。
図15(d)に示すように記録位置管理ゾーンRMZのコピー情報が記録位置管理ゾーンへの記録内容のコピー情報C_RMZとしてボーダーアウトBRDO内にも存在している。この記録位置管理ゾーンRMZの中は図13(b)に示すように1物理セグメントブロックサイズと同じデータサイズを持った記録位置管理データ(Recording Management Data)RMDが記録され、その記録位置管理データRMDの内容が更新される毎に更新された新たな記録位置管理データRMDとして順次後ろに追記可能な形になっている。記録位置管理データRMD内は更に、1個が2048バイトサイズの細かなRMDフィールド情報RMDFに分割されている。記録位置管理データRMD内の最初の2048バイトはリザーブ領域になっている。
次の2048バイトサイズのRMDフィールド0には記録位置管理データフォーマットコード情報、対象の媒体が(1)未記録状態か、(2)ファイナライズ前の記録途中か、(3)ファイナライズ後かのいずれかで有るかを示す媒体状態情報、ユニークディスクID(ディスク識別情報)、データ領域DTAの配置位置情報と最新の(更新された)データ領域DTAの配置位置情報、記録位置管理データRMDの配置位置情報が順次配置されている。データ領域DTAの配置位置情報の中には初期状態でのユーザデータの追記可能範囲を示す情報としてデータ領域DTAの開始位置情報と初期時におけるユーザデータの記録可能範囲の最終位置情報が記録される。
図14に示した情報再生装置または情報記録再生装置ではウォブル信号検出部135でプッシュプル信号を用いたトラックずれ検出を兼用している。トラックずれ検出回路(ウォブル信号検出部135)では上記プッシュプル信号 (I1-I2)PP/(I1+I2)DC の値として 0.1≦ (I1-I2)PP/(I1+I2)DC ≦0.8 の範囲で安定にトラックずれ検出が行え、特に “H→L”記録膜 に対しては 0.26≦ (I1-I2)PP/(I1+I2)DC ≦0.52 の範囲、“L→H”記録膜 に対しては 0.30≦ (I1-I2)PP/(I1+I2)DC ≦0.60 の範囲で一層安定にトラックずれ検出が行える。
従って本実施形態において、プッシュプル信号は 0.1≦ (I1-I2)PP/(I1+I2)DC ≦0.8 の範囲(好ましくは“H→L”記録膜 に対しては 0.26≦ (I1-I2)PP/(I1+I2)DC ≦0.52 の範囲、“L→H”記録膜 に対しては 0.30≦ (I1-I2)PP/(I1+I2)DC ≦0.60 の範囲)に入るように情報記憶媒体特性を規定している。上記の範囲はデーターリードイン領域DTLDIまたはデーター領域DTA、データーリードアウト領域DTLDOにおける既記録場所(記録マークが存在する場所)と未記録場所(記録マークが存在しない場所)の両方において成り立つように規定しているが、本実施形態はそれに限らず例えば既記録場所(記録マークが存在する場所)のみで成り立つまたは未記録場所(記録マークが存在しない場所)のみで成り立つように規定することもできる。
本実施形態において追記形情報記憶媒体ではプリグルーブ領域上をトラッキングする(プリグルーブ領域上に記録マークを形成する)ので、このオントラック信号とはプリグルーブ領域上をトラッキングした時の検出信号レベルを意味している。すなわち上記オントラック情報とは、例えば図23(b)に示されたトラックループON時の未記録領域の信号レベル (Iot)groove を意味している。ただし、本発明においてプリグルーブ領域にしか記録マークを形成できないことを意味せず、プリグルーブ領域の間に記録マークを形成することも可能であり、その場合「groove」を「land」として読み替えればよい。
R物理フォーマット情報R_PFIにおいてはデータ領域DTAの開始位置情報を現す物理セクタ番号(030000h)が記録されるとともに、該当するボーダー内領域の中での最後のRゾーン内で最後に記録された場所を示す物理セクタ番号が記録される。
アップデートされた物理フォーマット情報U_PFI内では、データ領域DTAの開始位置情報をあらわす物理セクタ番号(030000h)と、該当するボーダー内領域の中での最後のRゾーン内で最後に記録された場所を示す物理セクタ番号が記録される。
これらの位置情報は物理セクタ番号で記述する代わりに、他の実施形態としてECCブロックアドレス番号で記述する事も可能となる。後述するように本実施形態では32セクタで1ECCブロックを構成する。従って、特定のECCブロック内の先頭に配置されたセクタの物理セクタ番号の下位5ビットは隣接するECCブロック内の先頭位置に配置されたセクタのセクタ番号と一致する。ECCブロック内の先頭に配置されたセクタの物理セクタ番号の下位5ビットが“00000”になるように物理セクタ番号を設定した場合には、同一ECCブロック内に存在する全てのセクタの物理セクタ番号の下位6ビット目以上の値が一致する。従って、上記同一ECCブロック内に存在するセクタの物理セクタ番号の下位5ビットデータを除去し、下位6ビット目以上のデータのみを抽出したアドレス情報をECCブロックアドレス情報(またはECCブロックアドレス番号)と定義する。後述するように、ウォブル変調により予め記録されたデータセグメントアドレス情報(または物理セグメントブロック番号情報)は上記ECCブロックアドレスと一致するので、記録位置管理データRMD内の位置情報をECCブロックアドレス番号で記述すると
(1)特に未記録領域へのアクセスが高速化する
… 記録位置管理データRMD内の位置情報単位とウォブル変調により予め記録されたデータセグメントアドレスの情報単位が一致するため差分の計算処理が容易となるため
(2)記録位置管理データRMD内の管理データサイズを小さくできる
… アドレス情報記述に必要なビット数が1アドレス当たり5ビット節約できるため
と言う効果が生まれる。後述するように1物理セグメントブロック長は1データセグメント長に一致し、1データセグメント内に1ECCブロック分のユーザデータが記録される。従って、アドレスの表現として“ECCブロックアドレス番号”とか“ECCブロックアドレス”あるいは“データセグメントアドレス”、“データセグメント番号”、“物理セグメントブロック番号”などの表現を行うが、これらは全て同義語の意味を持つ。
RMDフィールド0内に有る記録位置管理データRMDの配置位置情報には、この記録位置管理データRMDを内部に順次追記できる記録位置管理ゾーンRMZの設定されたサイズ情報がECCブロック単位または物理セグメントブロック単位で記録されている。図13(b)に示したように、1個の記録位置管理ゾーンRMDが1個の物理セグメントブロック毎に記録されているので、この情報で記録位置管理ゾーンRMZの中に何回更新(アップデート)された記録位置管理データRMDが追記できるかが分かる。その次には記録位置管理ゾーンRMZ内での現在の記録位置管理データ番号が記録される。これは記録位置管理ゾーンRMZ内で既に記録された記録位置管理データRMDの数情報を意味している。例えば、図13(b)に示す例として今この情報が記録位置管理データRMD#2内の情報だとすると、この情報は記録位置管理ゾーンRMZ内で2番目に記録された記録位置管理データRMDなので、“2”の値がこの欄の中に記録される。その次には記録位置管理ゾーンRMZ内での残量情報が記録される。この情報は記録位置管理ゾーンRMZ内での更に追加可能な記録位置管理データRMD数の情報を意味し、物理セグメントブロック単位(=ECCブロック単位=データセグメント単位)で記述される。上記3情報の間には
[RMZの設定されたサイズ情報]
=[現在の記録位置管理データ番号]+[RMZ内での残量]
の関係が成立する。記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDの既使用量または残量情報を記録位置管理データRMDの記録領域内に記録する所に本実施形態の特徴が有る。
例えば、1枚の追記形情報記憶媒体に1回で全ての情報を記録する場合には、記録位置管理データRMDは1回だけ記録すれば良いが、1枚の追記形情報記憶媒体に非常に細かくユーザデータの追記を繰り返して記録したい場合には、追記毎に更新された記録位置管理データRMDも追記する必要が有る。この場合、頻繁に記録位置管理データRMDを追記すると、図13(b)に示す予約領域273が無くなってしまい、情報記録再生装置としてはそれに対する善処が必要となる。従って、記録位置管理ゾーンRMZ内の記録位置管理データRMDの既使用量または残量情報を記録位置管理データRMDの記録領域内に記録する事で記録位置管理ゾーンRMZ領域内の追記不可能な状態が事前に分かり情報記録再生装置の早めの対処が可能となる。
図14に示した情報記録再生装置で新たに拡張ドライブテストゾーンEDRTZ(図16、図15)を設定し、そこに試し書きを行う処理方法の一例について説明する。
(1)追記形情報記憶媒体を情報記録再生装置に装着する
→(2)情報記録再生部141でバーストカッティング領域BCAに形成されたデータを再生し、制御部143へ送る→制御部143内で転送された情報を解読し、次のステップへ進めるか判定する
→(3)情報記録再生部141でシステムリードイン領域SYLDI内の制御データゾーンCDZに記録されて有る情報を再生し、制御部143へ転送する
→(4)制御部143内で推奨記録条件を割り出した時のリムインテンシティの値と情報記録再生部141で使われている光学ヘッドのリムインテンシティの値を比較し、試し書きに必要な領域サイズを割り出す
→(5)情報記録再生部141で記録位置管理データ内の情報を再生し、制御部143へ送る。制御部ではRMDフィールド4内の情報を解読し、(4)で割り出した試し書きに必要な領域サイズの余裕の有無を判定し、余裕が有る場合には(6)へ進み、余裕が無い場合には(9)へ進む
→(6)RMDフィールド4内から試し書きに使用するドライブテストゾーンDRTZまたは拡張ドライブテストゾーンEDRTZ内の既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報から今回試し書きを開始する場所を割り出す
→(7) (6)で割り出した場所から(4)で割り出したサイズ分試し書きを実行する
→(8) (7)の処理により試し書きに使用した場所が増えたので、既に試し書きに使用した場所の最後の位置情報を書き替えた記録位置管理データRMDをメモリー部175に一時保存し、(12)へ進む
→(9)RMDフィールド0に記録されて有る“最新のユーザデータの記録可能範囲205の最終位置”の情報または物理フォーマットPFI内のデータ領域DTAの配置場所情報内に記録されている“ユーザデータの追記可能範囲の最後の位置情報”を情報記録再生部141で読み取り、制御部143内で更に、新たに設定する拡張ドライブテストゾーンEDRTZの範囲を設定する
→(10) (9)の結果に基付きRMDフィールド0に記録されて有る“最新のユーザデータの記録可能範囲205の最終位置”の情報を更新すると共にRMDフィールド4内の拡張ドライブテストゾーンEDRTZの追加設定回数情報を1だけインクリメント(回数を1だけ加算)し、さらに新たに設定する拡張ドライブテストゾーンEDRTZの開始/終了位置情報を付け加えた記録位置管理データRMDをメモリー部175に一時保存する
→(11) →(7)→(12)へ移動する
→(12) (7)で行った試し書きの結果得られた最適な記録条件でユーザデータの追記可能範囲205内に必要なユーザ情報を追記する
→(13) (12)に対応して新たに発生したRゾーン内の開始/終了位置情報を追記して更新された記録位置管理データRMDをメモリー部175に一時保存する
→(14)制御部143が制御して情報記録再生部141がメモリー部175に一時保存されている最新の記録位置管理データRMDを記録位置管理ゾーンRMZ内の予約領域273(例えば、図13(b))内に追加記録する
本実施形態に示す追記形情報記憶媒体において最後に記録された位置を示す物理セクタ番号あるいは物理セグメント番号(PSN)の情報は“最後に設定を行った拡張記録位置管理ゾーンRMZ内の最後に記録された記録位置管理データRMD”内の情報から得る事が出来る。すなわち記録位置管理データRMD内にはRMDフィールド7以降に記載されているn番目の“完結形Rゾーン( Complete R Zone )”の終了位置情報(物理セクタ番号)または“n番目のRゾーン内最後の記録位置を表す物理セクタ番号LRA”の情報があるので、最後に設定された拡張RMZ内の最後に記録された記録位置管理データRMD(例えば図13(b)のRMD#3参照)内から最後に記録された場所の物理セクタ番号あるいは物理セグメント番号(PSN)を読取り、その結果から最後に記録された場所を知ることができる。
情報再生装置ではトラックずれ検出に Push-Pull 法では無くDPD( Differencital Phase Detection )法を用いるためにエンボスピットまたは記録マークが存在する領域しかトラッキング制御が行えない。そのため情報再生装置は追記形情報記憶媒体の未記録領域へアクセスすることができず、未記録領域を含むRMDディプリケーションゾーンRDZ内の再生が不可能となる。そのため、その中に記録されている記録位置管理データRMDを再生できない。その代わり情報再生装置は物理フォーマット情報PFIおよびR物理情報ゾーンR−PFIZとアップデートされた物理フォーマット情報UPFIを再生することができるので、最後に記録された場所を探すことができる。
情報再生装置ではシステムリードイン領域SYLDI内の情報再生を行った後、R物理情報ゾーンR−PFIZ内に記録された既情報データ最後の位置情報(表1内に記載された“該当するボーダー内領域中の最後のRゾーン内で最後に記録された場所を示す物理セクタ番号”情報)を読取る。その結果、ボーダー内領域BRDA#1の最後の場所を知る事ができ、その直後に配置されたボーダーアウトBRDOの位置を確認した後、その直後に記録されたボーダーインBRDI内に記録されたアップデートされた物理フォーマットUPFIの情報を読み取る事が出来る。
Figure 2008010125
表1内に記載された“該当するボーダー内領域中の最後のRゾーン内で最後に記録された場所を示す物理セクタ番号”を利用する前記方法の代わりに、“ボーダーゾーンの開始位置(図16(c)から分かるように、この開始位置はボーダーアウトBRDOの開始位置を意味する)を示す物理セクタ番号PSN”の情報を用いてボーダーアウトBRDOの開始位置へアクセスしても良い。
次に、既記録データの最後の位置にアクセスし、アップデートされた物理フォーマット情報UFPI内の既記録データの最後の位置情報(表1)を読取る。アップデートされた物理フォーマット情報内に記録された「最後に記録された物理セクタ番号あるいは物理セグメント番号(PSN)の情報」を読取り、そしてその情報に基づき最後に記録された物理セクタ番号あるいは物理セグメント番号(PSN)までアクセスするという処理を、最後のRゾーン内の最後に記録された物理セクタ番号PSNに到達するまで繰り返す。すなわちアクセス後に到達して情報を読取っている場所が、本当に最後のRゾーン内の最後に記録された位置かを判断し、最後に記録された位置でない場合には上記のアクセス処理を繰り返す。R物理情報ゾーンR-PFIZ内と同様、本実施形態ではアップデートされた物理フォーマット情報UPFI内の“ボーダーゾーンの開始位置を示すアップデートされた物理セクタ番号あるいは物理セグメント番号(PSN)の情報を利用してボーダーゾーン(ボーダーインBRDI)内に記録されているアップデートされた物理フォーマット情報UPFIの記録位置を検索しても良い。
最後のRゾーン内の最後に記録された物理セクタ番号(あるいは物理セグメント番号)の位置を発見すると、情報再生装置は直前のボーダーアウトBRDOの位置から再生を行う。その後ST46に示すように、最後のボーダー内領域BRDA内を先頭から逐次再生しながら最後に記録された位置に到達する。その後、最後のボーダーアウトBRDO位置の確認を行う。本実施形態に示す追記形情報記憶媒体では上記最後のボーダーアウトBRDOの外側にはデーターリードアウトDTLDO位置まで記録マークが記録されて無い未記録領域が続く。情報再生装置は追記形情報記憶媒体上の未記録領域ではトラッキングが行われず、またそこでは物理セクタ番号PSNの情報も記録されて無いので、上記最後のボーダーアウトBRDO以降の位置での再生は不可能となる。そのため、最後のボーダーアウト位置まで到達するとアクセス処理と連続再生処理は終了する。
記録位置管理データRMD内の情報内容の更新を行うタイミング(更新条件)に付いて表2を用いて説明する。記録位置管理データRMDの情報を更新する条件は、5種類存在する。
Figure 2008010125
(条件1a)RMDフィールド“0”内の媒体状態情報(Disc status)が変更される場合
… 但しターミネータ(最後に記録されたボーダーアウトBRDOの後ろ(外周側)に記録する“終端位置情報”)の記録時には記録位置管理データRMDの更新処理は行わない。
(条件1b)RMDフィールド“1”内で特定される内側テストゾーンアドレスあるいは外側テストゾーンアドレス(Inner or outer test zone address)が変更される場合
(条件2)RMDフィールド“3”内で特定されるところの、ボーダーアウトBRDOの開始位置情報(Start Physical Sector Number of Boder-out area)またはオープン(追記可能な)状態になっている記録位置管理ゾーンRMZの番号(open Extended RMZ number)が変更される場合
(条件3)RMDフィールド“4”内で下記のいずれかの情報が変更される場合
(1)未指定状態のRゾーン数とオープン形Rゾーン数と完結形Rゾーン数の合計数、あるいは認識できないRゾーンの番号(Invisible RZone number)
(2)最初のオープン形Rゾーンの番号情報(First Open RZone number)
(3)2番目のオープン形Rゾーンの番号情報(Second RZone number)
なお、本実施形態において、HD DVD−R等の追記形情報記憶媒体に(ディスクドライブにより)一連の情報記録動作を行っている期間中は、RMDの更新は行わなくて良い。例えば映像情報を録画する場合には連続記録が保障される必要が有る。もし映像情報記録(録画)途中で記録位置管理データRMDの更新を行う(ために記録管理データーRMD位置までのアクセス制御を行う)と、そこで映像情報の記録が中断されるために連続記録が保障されなくなる。従ってRMDの更新は映像録画が終了後に行われるのが一般的である。しかし一連の映像情報の記録動作が余りにも長期間連続すると、現時点での追記形情報記憶媒体上に最後に記録された場所と、追記形情報記憶媒体に既に記録されている記録位置管理データRMD内の最後の位置情報が大幅にずれてしまう。この時に連続記録途中の異常現象が発生して情報記録再生装置(ディスクドライブ)を強制終了した場合には“記録位置管理データRMD内の最後の位置情報”と強制終了直前の記録位置との間の乖離が大きくなり過ぎる。その結果、情報記録再生装置の復旧後に行う“記録位置管理データRMD内の最後の位置情報”に対する強制終了直前の記録位置に合わせたデーター修復が難しくなる危険性が発生する。そのため本実施形態では下記の更新条件を更に追加する。
(条件4)最新の記録位置管理データRMD内に記録されている“Rゾーン内での最後の記録位置を示す物理セクタ番号LRA”と連続記録中に逐次変化する“現時点におけるRゾーン内での最後に記録された場所の物理セクタ番号PSN”との間の開き(“PSN−LRA”の差分結果)が8192を超えた場合(に記録位置管理データRMDの情報を更新する)
… 但し、上記の“(条件1b)”あるいは“(条件4)”において、記録位置管理ゾーンRMZ内での未記録場所予約領域273)のサイズが4物理セグメントブロック分(4×64KB)以下の場合には更新を行わない。
次に拡張記録位置管理ゾーンに付いて説明を行う。記録位置管理ゾーンRMZの配置場所として、本実施形態では下記の3種類を規定している。
(1)データーリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZ(L-RMZ)
図16(b)から分かるように、本実施形態では最初のボーダー内領域に対応したボーダーインBRDIをデータリードイン領域DTLDI内の一部が兼用している。そのため図13(a)に示すように最初のボーダー内領域に対応したボーダーインBRDI内に記録されるべき記録位置管理ゾーンRMZがデーターリードイン領域DTLDI内に予め設定されている。この記録位置管理ゾーンRMZ内の構造は図13(b)に示すように64Kバイト(1物理セグメントブロックサイズ)毎に、逐次記録位置管理データRMDを追記できるようになっている。
(2)ボーダーインBRDI内の記録位置管理ゾーンRMZ(B-RMZ)
本実施形態における追記形情報記憶媒体において、記録された情報を再生専用装置で再生する前には、ボーダークローズ処理が必要となる。一度ボーダークローズされた後に新たな情報を記録する場合には、新たなボーダ内領域BRDAを設定する必要がある。この新たなボーダ内領域BRDAに先行した位置にボーダーインBRDIが設定される。ボーダークローズ処理の段階で最新記録位置管理ゾーン内の未記録領域(図13(b)に示す予約領域273)が塞がれてしまうため、新たなボーダ内領域BRDA内に記録された情報の位置を示す記録位置管理データーRMDを記録する新たな領域(記録位置管理ゾーンRMZ)を設定する必要が有る。本実施形態では図16(d)に示すように、新たに設定されたボーダーインBRDI内に記録位置管理ゾーンRMZを設定する所に大きな特徴が有る。このボーダーゾーン内の記録位置管理ゾーンRMZ内の構造は“最初のボーダー内領域に対応した記録位置管理ゾーンRMZ(L-RMZ)と全く同じ構造をしている。また、この領域内に記録される記録位置管理データーRMD内の情報は対応したボーダー内領域BRDA内に記録されるデーターに関する記録位置管理データーのみならず、先行するボーダー内領域BRDA内に記録されているデーターに関する記録位置管理情報も一緒に記録される。
(3)ボーダー内領域BRDA内の記録位置管理ゾーンRMZ(U-RMZ)
上記(2)で示した、ボーダーインBRDI内のRMZ(B-RMZ)は新たなボーダー内領域BRDAを作らない限り設定できない。また、上記(1)に示した最初のボーダー内領域管理ゾーンRMZ(L-RMZ)のサイズは有限なため、追記を繰り返すうちに予約領域273が枯渇し、新たな記録位置管理データRMDが追記不可能となる。その問題を解消するため本実施形態ではボーダー内領域BRDA内に記録位置管理ゾーンRMZを記録する為のRゾーンを新たに設け、更なる追加が可能なようにしている。すなわち上記“ボーダー内領域BRDA内の記録位置管理ゾーンRMZ(U-RMZ)”が設定されている特殊なRゾーンが存在する。
また、最初のボーダー内領域管理ゾーンRMZ(L-RMZ)内の未記録領域(予約領域273)の残りのサイズが少なくなった場合に限らず、本実施形態では“ボーダーインBRDI内の記録位置管理ゾーンRMZ(B-RMZ)”や既に設定されている“ボーダー内領域BRDA内の記録位置管理ゾーンRMZ(U-RMZ)”内の未記録領域(予約領域273)の残りのサイズが少なくなった場合にも新たに上記“ボーダー内領域BRDA内の記録位置管理ゾーンRMZ(U-RMZ)”を設定できる。
このボーダー内領域BRDA内の記録位置管理ゾーンRMZ(U-RMZ)内に記録される情報内容は図13(b)に示すデーターリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZ(L-RMZ)内と全く同じ構造をしている。また、この領域内に記録される記録位置管理データーRMD内の情報は対応したボーダー内領域BRDA内に記録されるデーターに関する記録位置管理データーのみならず、先行するボーダー内領域BRDA内に記録されているデーターに関する記録位置管理情報も一緒に記録される。
上記各種の記録位置管理ゾーンRMZの中で
1.データーリードイン領域DTLDI内の記録位置管理ゾーンRMZ(L-RMZ)の位置はユーザーデーター記録前に予め設定されているが、本実施形態では
2.ボーダーインBRDI内の記録位置管理ゾーンRMZ(B-RMZ)と
3.ボーダー内領域BRDA内の記録位置管理ゾーンRMZ(U-RMZ)は
ユーザーデーター記録(追記)状況に合わせて適宜 情報記録再生装置が設定(増設)するため、“拡張(形)記録位置管理ゾーンRMZ”と呼ぶ。
現在使われている記録位置管理ゾーンRMZ内の未記録領域(予約領域273)が15物理セクタブロック(15×64kB)以下になった場合、ボーダー内領域BRDA内での記録位置管理ゾーンRMZ(U-RMZ)の設定をすることができる。設定時のボーダー内領域BRDA内での記録位置管理ゾーンRMZ(U-RMZ)のサイズは128物理セグメントブロックのサイズ(128×64kB)とし、そこを記録位置管理ゾーンRMZ専用のRゾーンとする。
本実施形態における追記形情報記憶媒体では、上記3種類の記録位置管理ゾーンRMZの設定が可能になるため、1枚の追記形情報記録記憶媒体上に非常に多くの記録位置管理ゾーンRMZの存在を許容する。そのため本実施形態では最新の記録位置管理データーRMD記録場所への検索容易性を目的として下記の処理を行っている。
(1)新たに記録位置管理ゾーンRMZを設定する場合には、今まで使われていた記録位置管理ゾーンRMZ内に最新の記録位置管理データRMDを多重書きし、今まで使われていた記録位置管理ゾーンRMZ内に未記録領域が存在しないようにする。(それにより現在使われているか、新たな場所に記録位置管理ゾーンが設定されたかの識別が可能となる。)
(2)新たに記録位置管理ゾーンRMZを設定する毎に、最新の記録位置管理データRMDのコピー情報48をRMDディプリケーションゾーンRMZ内に記録する。それにより、現在使われている記録位置管理ゾーンRMZ場所の検索を容易にしている。
本実施形態における追記形情報記憶媒体内では多くの未記録領域の存在を許容している。しかし再生専用装置ではトラックずれ検出にDPD( Differencial Phase Detection )法を用いているため、未記録領域でのトラッキングが不可能となる。そのため上記追記形情報記憶媒体を再生専用装置で再生させる前にはボーダークローズ処理を行い、未記録領域が存在しないようにする必要がある。
参照コード記録ゾーンRCZに記録される参照コードのパターン内容に付いて詳細に説明する。現行DVDでは変調方式として8ビットデータを16チャネルビットに変換する“8/16変調”方式を採用し、変調後の情報記憶媒体に記録されるチャネルビット列としての参照コードのパターンは“00100000100000010010000010000001”の繰り返しパターンが用いられている。それに比べて、本実施形態では8ビットデータを12チャネルビットに変調するETM変調を用い、RLL(1,10)のランレングス制約を行っていると共にデータリードイン領域DTLDI、データ領域DTA、データリードアウト領域DTLDO及びミドル領域MDAからの信号再生にPRML法を採用している。従って、上記変調規則とPRML検出に最適な参照コードのパターンを設定する必要が有る。RLL(1,10)のランレングス制約に従えば“0”が連続する最小値は“d=1”で“10101010”の繰り返しパターンとなる。“1”または“0”のコードから次の隣接コードまでの距離を“T”とすると、上記パターンでの隣接する“1”間の距離は“2T”となる。
本実施形態では情報記憶媒体の高密度化のため、前述したように情報記憶媒体上に記録した“2T”の繰り返しパターン(“10101010”)からの再生信号は光学ヘッド内の対物レンズ(図14の情報記録再生部141内に存在する)のMTF(Modulation Transfer Fuction)特性の遮断周波数近傍にあるため、ほとんど変調度(信号振幅)が得られ無い。従って、情報再生装置あるいは情報記録再生装置の回路調整に使用する再生信号として“2T”の繰り返しパターン(“10101010”)からの再生信号を用いた場合にはノイズの影響が大きく安定化に乏しい。従って、RLL(1,10)のランレングス制約に従って行う変調後の信号に対しては次に密度の高い“3T”のパターンを使って回路調整を行うのが望ましい。
再生信号のDSV(Digital Sum Value)値を考えた場合には“1”の直後に来る次の“1”までの間の“0”が連続する回数に比例してDC(直流)値の絶対値が増加して直前のDSV値に加算される。この加算されるDC値の極性は“1”が来る毎に反転する。従って、参照コードが連続するチャネルビット列が続いた所でDSV値を“0”にする方法としてETM変調後の12個のチャネルビット列内でDSV値が“0”になるように設定するより、ETM変調後の12個のチャネルビット列に出現する“1”の発生数を奇数個にして12チャネルビットからなる1組の参照コードセルで発生するDC成分を次の組からなる12チャネルビットの参照コードセルで発生するDC成分で相殺させる方が参照コードパターン設計の自由度が増す。従って、本実施形態ではETM変調後の12個のチャネルビット列からなる参照コードセル内で出現する“1”の数を奇数個に設定している。
本実施形態では、高密度化のために、“1”の所が記録マークもしくはエンボスピットの境界位置に一致するマークエッジ記録法を採用している。例えば、“3T”の繰り返しパターン(“100100100100100100100”)が続いた場合に記録条件あるいは原盤作成条件により記録マークもしくはエンボスピットの長さとその間にあるスペースの長さが若干異なる場合が生じる。PRML検出法を用いた場合には再生信号のレベル値が非常に重要となり、前記のように記録マークもしくはエンボスピットの長さとその間にあるスペースの長さが若干異なった場合でも安定かつ精度良く信号検出できるようにその若干の異なり分を回路的に補正する必要が生じる。従って、回路定数を調整するための参照コードとしては“3T”の長さの記録マークもしくはエンボスピットと同じく“3T”の長さのスペースが有った方が回路定数の調整の精度が向上する。そのため、本実施形態の参照コードパターンとして“1001001”のパターンが内部に含まれると、必ず“3T”の長さの記録マークもしくはエンボスピットとスペースが配置される事になる。
また、回路調整には密度の詰まったパターン(“1001001”)だけで無く、密度が疎の状態のパターンも必要となる。従って、ETM変調後の12個のチャネルビット列の中で“1001001”のパターンを除いた部分で密度が疎の状態(“0”が連続して多く発生するパターン)を発生させ、かつ“1”の出現数を奇数個に設定する事を考慮すると参照コードパターンは“100100100000”の繰り返しが最適条件となる。変調後のチャネルビットパターンが前記パターンにするには図示していないが本実施形態のHフォーマットで規定された変調テーブルを利用すると変調前のデータワードは“A4h”に設定する必要が有る。この“A4h”(16進法表現)のデータはデータシンボル“164”(10進法表現)に対応する。
前記のデータ変換規則に従った具体的なデータの作り方を以下に説明する。前述したデータフレーム構造内でメインデータ“D0〜D2047”にデータシンボル“164”(=“0A4h”)をまず設定する。次にデータフレーム1からデータフレーム15に対してイニシャルプリセット番号“0Eh”で予めプリスクランブルを掛けておき、データフレーム16からデータフレーム31に対してはイニシャルプリセット番号“0Fh”で予めプリスクランブルを掛けておく。予めプリスクランブルを掛けておくと前記のデータ変換規則に従ってスクランブルを掛けた時に二重でスクランブルを掛けた事になり、(二重でスクランブルを掛けると元のパターンに戻る)データシンボル“164”(=“0A4h”)がそのまま現れる。32物理セクタからなる参照コード全てにプリスクランブルを掛けるとDSV制御が出来なくなるので、データフレーム0だけは事前のプリスクランブルは掛けない。前記スクランブルを掛けた後、変調パターンが情報記憶媒体上に記録される。
本発明では記録形(書替え形あるいは追記形)情報記憶媒体におけるアドレス情報はウォブル変調を用いて予め記録されている。ウォブル変調方式として±90度(180度)の位相変調を用いると共にNRZ(Non Returen to Zero)方法を採用して情報記憶媒体に対してアドレス情報を事前に記録する所に本実施形態の特徴がある。図18を用いて具体的な説明を行う。本実施形態ではアドレス情報に関しては1アドレスビット(アドレスシンボルとも呼ぶ)領域511内を4ウォブル周期で表現し、1アドレスビット領域511内は至る所周波数および振幅と位相は一致している。アドレスビットの値として同じ値が連続する場合には各1アドレスビット領域511の境界部(図18の“三角印”を付けた部分)で同位相が継続し、アドレスビットが反転する場合にはウォブルパターンの反転(位相の180度シフト)が起きる。
図14に示した情報記録再生装置のウォブル信号検出部135内では上記アドレスビット領域511の境界位置(図18の“三角印”を付けた場所)と1ウォブル周期の境界位置であるスロット位置412を同時に検出している。ウォブル信号検出部135内では図示してないがPLL(Phase Lock Loop)回路が内蔵され、上記アドレスビット領域511の境界位置とスロット位置412の両方に同期してPLLが掛かる。このアドレスビット領域511の境界位置またはスロット位置412がずれるとウォブル信号検出部135では同期が外れて正確なウォブル信号の再生(判読)が不可能となる。隣接するスロット位置412間の間隔をスロット間隔513と呼び、このスロット間隔513が物理的に短い程PLL回路の同期が取り易く、安定にウォブル信号の再生(情報内容の解読)が可能となる。
図18から明らかなように180度または0度にシフトする180度の位相変調方式を採用すると、このスロット間隔513は1ウォブル周期と一致する。ウォブルの変調方法としてウォブル振幅を変化させるAM(Amplitude Modulation)方式では情報記憶媒体表面に付着したゴミや傷の影響を受け易いが、上記位相変調では信号振幅では無く位相の変化を検出するため、比較的情報記憶媒体表面のゴミや傷の影響を受け辛い。他の変調方式として周波数を変化させるFSK(Frequency Shift Keying)方式ではウォブル周期に対してスロット間隔513が長く、PLL回路の同期が相対的に取り辛い。従って、本実施形態のようにウォブルの位相変調によりアドレス情報を記録するとスロット間隔が狭く、ウォブル信号の同期が取り易いと言う効果が有る。
図18に示すように1アドレスビット領域511にはそれぞれ“1”か“0”かのバイナリーデータが割り振られるが、本実施形態におけるビットの割り振り方法を図18に示す。図18の左側に示すように1ウォブルの開始位置から最初に外周側に蛇行するウォブルパターンをNPW(Normal Phase Wobble)と呼び、“0”のデータを割り当てる。右側に示すように1ウォブルの開始位置から最初に内周側に蛇行するウォブルパターンをIPW(Invert Phase Wobble)と呼び、“1”のデータを割り当てる。
本実施形態では、図21(b)、(c)に示すようにプリグルーブ領域11の幅Wgをランド領域12の幅Wlより広くしている。その結果、ウォブル検出信号の検出信号レベルが下がり、C/N比が低下するという問題が発生する。それに対して本実施形態では、無変調領域を変調領域よりも広げることでウォブル信号検出の安定化を図っているところに特徴がある。
図20を用いて本実施形態のHフォーマットにおけるウォブルアドレスフォーマットの説明を行う。図20(b)に示すように本実施形態のHフォーマットでは7個の物理セグメント550〜556により1個の物理セグメントブロックを構成している。1個の物理セグメント550〜557は図20(c)に示すようにそれぞれ17個ずつのウォブルデータユニット560〜576から構成されている。更に各ウォブルデータユニット560〜576はウォブルシンク領域580または、変調開始マーク581、582およびウォブルアドレス領域586、587のいずれかを構成する変調領域と全て連続したNPWが存在している無変調領域590、591から構成されている。図21に各ウォブルデータユニット内の変調領域と無変調領域の存在比を説明している。図21(a)から(d)のいずれもウォブルデータユニット内で16ウォブルにより変調領域598が構成されており68ウォブルにより無変調領域593が構成されている。本実施形態では、変調領域598よりも無変調領域593の方が広くなるように設定していることを特徴としている。無変調領域593を広くすることで、無変調領域593を用い安定にウォブル検出信号、ライトクロック、あるいは、再生クロックのPLL回路の同期を取ることができる。安定に同期を取るために、無変調領域593は変調領域598の幅より2倍以上広いことが望ましい。
本発明追記形情報記憶媒体のHフォーマットにおけるウォブル変調を用いたアドレス情報の記録形式について説明する。本実施形態におけるウォブル変調を用いたアドレス情報設定方法では“シンクフレーム長433を単位として割り振りを行っている”所に大きな特徴がある。1セクタは26シンクフレームから構成され、1ECCブロックは32物理セクタから成り立っているので、1ECCブロックは26×32=832個のシンクフレームから構成される。
各物理セグメント毎にそれぞれ17個のウォブルデータユニット(WDU:Wobble Data Unit)に分割する。1個のウォブルデータユニットの長さにはそれぞれ7個のシンクフレーム分が割り当てられる
各ウォブルデータユニット#0560〜#11571の中は図21に示すように16ウォブル分の変調領域598と68ウォブル分の無変調領域592、593から構成される。本実施形態では変調領域に対する無変調領域592、593の占有比を大幅に大きくしている所に大きな特徴がある。無変調領域592、593は常に一定周波数でグルーブ領域またはランド領域がウォブルしているため、この無変調領域592、593を利用してPLL(Phase Locked Loop)を掛け、情報記憶媒体に記録された記録マークを再生する時の基準クロックまたは新たに記録する時に使用する記録用基準クロックを安定に抽出(生成)する事が可能となる。
このように本実施形態において変調領域598に対する無変調領域592、593の占有比を大幅に大きくする事で、再生用基準クロックの抽出(生成)または記録用基準クロックの抽出(生成)の精度と抽出(生成)安定性を大幅に向上させる事が出来る。すなわち、ウォブルでの位相変調を行った場合、波形整形のために再生信号をバンドパスフィルターに通過させると位相変化位置前後で整形後の検出信号波形振幅が小さくなる現象が現れる。従って、位相変調による位相変化点の頻度が多くなると波形振幅変動が多くなって上記のクロック抽出精度が落ち、逆に変調領域内で位相変化点の頻度が低いとウォブルアドレス情報検出時のビットシフトが発生しやすくなると言う問題点が生じる。そのため、本実施形態では位相変調による変調領域と無変調領域を構成し、無変調領域の占有率を高くする事で上記のクロック抽出精度を向上させる効果が有る。
本実施形態では変調領域と無変調領域の切り替わり位置が予め予想できるので、上記のクロック抽出に対しては無変調領域にゲートを掛けて無変調領域のみの信号を検出し、その検出信号から上記クロック抽出を行うことが可能となる。特に、本実施形態による記録原理を用いた有機色素記録材料で記録層3−2を構成する場合には“3−2)本実施形態における有機色素膜に共通する基本的特徴説明”内の“3−2−D〕本実施形態におけるプリグルーブ形状/寸法に関する基本的特徴”に記載するプリグルーブ形状/寸法を用いた場合に比較的ウォブル信号が取り辛くなる。この状況に対して上記のように変調領域に対する無変調領域590、591の占有比を大幅に大きくする事でウォブル信号検出の信頼性を向上させている。
無変調領域592、593から変調領域598に移る時には4ウォブル分または6ウォブル分を使って変調開始マークとしてのIPW領域を設定し、図21(c)、(d)に示すウォブルデータ部ではこの変調開始マークであるIPW領域を検出直後にウォブル変調されたウォブルアドレス領域(アドレスビット#2〜#0)が来るように配置されている。図21(a)、(b)は後述する図22(c)に示すウォブルシンク領域580に対応したウォブルデータユニット#0560内の中身を表し、図21(c)、(d)は図22(c)のセグメント情報727からCRCコード726までのウォブルデータ部に対応したウォブルデータユニットの中身を示している。図21(a)、(c)は後述する変調領域の1次配置場所(Primary position)701に対応したウォブルデータユニット内を示し、図21(b)、(d)は変調領域の2次配置場所(Secondary position)702に対応したウォブルデータユニット内を示している。図21(a)、(b)に示すようにウォブルシンク領域580ではIPW領域に6ウォブル、IPW領域に囲まれたNPW領域に4ウォブルを割り当て、図21(c)、(d)に示すようにウォブルデータ部ではIPW領域と全てのアドレスビット領域#2〜#0それぞれに4ウォブル分を割り当てている。
図22に追記形情報記憶媒体でのウォブルアドレス情報内のデータ構造に関する実施形態を示す。図22(a)には比較のため、書替え形情報記憶媒体のウォブルアドレス情報内のデータ構造を示した。追記形情報記憶媒体でのウォブルアドレス情報内のデータ構造に関する2通りの実施形態に付いて図22(b)と(c)に示す。
ウォブルアドレス領域610では12ウォブルで3アドレスビットを設定(図18を参照)している。つまり、連続する4ウォブルで1アドレスビットを構成している。このように本実施形態ではアドレス情報を3アドレスビット毎に分散配置させた構造を取っている。ウォブルアドレス情報610を情報記憶媒体内の一箇所に集中記録すると、表面のゴミや傷が付いた時に全ての情報が検出困難になる。本実施形態のようにウォブルアドレス情報610を1個のウォブルデータユニット560〜576に含まれる3アドレスピット(12ウォブル)毎に分散配置し、3アドレスビットの整数倍アドレスビット毎にまとまった情報を記録し、ゴミや傷の影響で一箇所の情報検出が困難な場合でも他の情報の情報検出を可能に出来るという効果が有る。
上記のようにウォブルアドレス情報610を分散配置させると共に1物理セグメント毎にウォブルアドレス情報610を完結的に配置させることで物理セグメン毎にアドレス情報が分かるので、情報記録再生装置がアクセスした時に物理セグメント単位での現在位置を知る事ができる。
本実施形態では図18に示すようにNRZ法を採用しているので、ウォブルアドレス領域610内では連続する4ウォブル内で位相が変化する事は無い。この特徴を利用してウォブルシンク領域580を設定している。すなわち、ウォブルアドレス情報610内では発生し得無いウォブルパターンをウォブルシンク領域580に対して設定する事で、ウォブルシンク領域580の配置位置識別を容易にしている。本実施形態では連続する4ウォブルで1アドレスビットを構成するウォブルアドレス領域586、587に対してウォブルシンク領域580位置では1アドレスビット長を4ウォブル以外の長さに設定している所に特徴がある。すなわち、ウォブルシンク領域580では図21(a)、(b)に示すようにウォブルビットが“1”になる領域(IPW領域)を4ウォブルとは異なる“6ウォブル→4ウォブル→6ウォブル”と言う図21(c)、(d)に示すようにウォブルデータ部では起こり得ないウォブルパターン変化を設定している。ウォブルデータ部では発生し得無いウォブルパターンをウォブルシンク領域580に対して設定する具体的な方法として上述したようにウォブル周期を変える方法を利用すると
(1)図14のウォブル信号検出部135内で行っているウォブルのスロット位置512(図18)に関するPLLが崩れる事無く安定にウォブル検出(ウォブル信号の判定)を継続できる
(2)図14のウォブル信号検出部135内で行っているアドレスビット境界位置のずれにより容易にウォブルシンク領域580と変調開始マーク561、582の検出が行える
と言う効果が生まれる。図21に示すようにウォブルシンク領域580を12ウォブル周期で形成してウォブルシンク領域580の長さを3アドレスビット長に一致させているする所にも本実施形態の特徴が有る。これにより、1個のウォブルデータユニット#0560内での変調領域(16ウォブル分)全てをウォブルシンク領域580に割り当てる事で、ウォブルアドレス情報610の開始位置(ウォブルシンク領域580の配置位置)の検出容易性を向上させている。このウォブルシンク領域580は物理セグメント内の最初のウォブルデータユニットに配置されている。このようにウォブルシンク領域580を物理セグメント内の先頭位置に配置する事で、ウォブルシンク領域580の位置を検出するだけで容易に物理セグメントの境界位置を抽出できると言う効果が生じる。
図21(c)、(d)に示すようにウォブルデータユニット#1561〜#11571内ではアドレスビット#2〜#0に先行し、先頭位置に変調開始マークとしてのIPW領域(図18参照)が配置されている。それに先行した位置に配置されている無変調領域592、593では連続的にNPWの波形になっているので、図14に示したウォブル信号検出部135ではNPWからIPWへの切り替わり目を検出して変調開始マークの位置を抽出する。
参考までに図22(a)に示した書替え形情報記憶媒体におけるウォブルアドレス情報610の中身は
(1)物理セグメントアドレス601
… トラック内(情報記憶媒体221内での1周内)での物理セグメント番号を示す情報。
(2)ゾーンアドレス602
… 情報記憶媒体221内のゾーン番号を示している。
(3)パリティー情報605
… ウォブルアドレス情報610からの再生時のエラー検出用に設定された物で、予約情報604からゾーンアドレス602までの14アドレスビットを各アドレスビット単位で個々に加算し、加算結果が偶数か奇数かの表示を行う情報で、このアドレスパリティ情報605の1アドレスビットも含めた合計15アドレスビットに対して各アドレスビット単位で排他的OR(Exclusive OR)を取った結果が“1”になるようにパリティー情報605の値を設定する。
(4)ユニティー領域608
… 前述したように各ウォブルデータユニットの中は16ウォブル分の変調領域598と68ウォブル分の無変調領域592、593から構成されように設定し、変調領域598に対する無変調領域592、593の占有比を大幅に大きくしている。更に、無変調領域592、593の占有比を広げて再生用基準クロックまたは記録用基準クロックの抽出(生成)の精度と安定性をより向上させている。ユニティー領域608内は全てNPW領域が連続しており、均一位相の無変調領域になっている。
が記録される。上記各情報に割り当てたアドレスビット数を図22(a)に示した。上述したようにウォブルアドレス情報610内はそれぞれ3アドレスビット毎に分離されて各ウォブルデータユニット内に分散配置される。情報記憶媒体表面のゴミや傷によりバーストエラーが発生しても異なる各ウォブルデータユニットを跨ってエラーが広がっている確率は非常に低い。従って、同一情報が記録される場所として異なるウォブルデータユニット間を跨る回数を極力減らし、各情報の切れ目とウォブルデータユニットの境界位置を一致させるように工夫している。これにより、仮に情報記憶媒体表面のゴミや傷によりバーストエラーが発生して特定の情報が読めなくても、他の各ウォブルデータユニット内に記録された他の情報が読めるようにしてウォブルアドレス情報の再生信頼性を向上させている。
図22(a)〜(c)に示すようにウォブルアドレス情報610内でユニティ領域608、609を最後に配置した所も本実施形態の大きな特徴となっている。上述したようにユニティ領域608、609ではウォブル波形はNPWに成っているので、実質的に3個もの連続したウォブルデータユニット内で連続してNPWが続く。この特徴を利用して図14のウォブル信号検出部135では3個のウォブルデータユニット576分の長さで連続してNPWが続く場所を探す事で容易にウォブルアドレス情報610の最後に配置されたユニティ領域608の位置が抽出でき、その位置情報を利用してウォブルアドレス情報610の開始位置を検出できる効果が生まれる。
図22(a)に示した各種アドレス情報の内、物理セグメントアドレス601とゾーンアドレス602は隣接トラック間で同じ値を示しているのに対し、グルーブトラックアドレス606とランドトラックアドレス607は隣接トラック間で値が変わる。従って、グルーブトラックアドレス606とランドトラックアドレス607が記録される領域には不定ビット領域504が現れる。この不定ビット頻度を低減させるため、本実施形態ではグルーブトラックアドレス606とランドトラックアドレス607に関してはグレイコードを用いてアドレス(番号)を表示している。グレイコードとは元の値が“1”変化した時の変換後のコードが何処でも“1ビット”だけしか変化しないコードを意味している。これにより不定ビット頻度を低減させてウォブル検出信号のみならず記録マークからの再生信号も信号検出安定化が図れる。
図22(b)、(c)に示すように追記形情報記憶媒体においても書替え形情報記憶媒体と同様ウォブルシンク領域680を物理セグメント先頭位置に配置し、物理セグメントの先頭位置あるいは隣接する物理セグメント間の境界位置の検出を容易にしている。図22(b)に示した物理セグメントのタイプ識別情報721は上述したウォブルシンク領域580内のウォブルシンクパターンと同様物理セグメント内の変調領域の配置位置を示す事で同一物理セグメント内の他の変調領域598の配置場所が事前に予測でき、次に来る変調領域検出の事前準備が出来るので変調領域での信号検出(判別)精度を上げる事ができると言う効果が有る。
図22(b)に示した追記形情報記憶媒体における層番号情報722とは片面1記録層か片面2記録層の場合のどちらの記録層を示しているかを表し、
・“0”の時には片面1記録層媒体か片面2記録層の場合の“L0層”(レーザ光入射側の手前層)
・“1”の時には片面2記録層の“L1層”(レーザ光入射側の奥側の層)
を意味する。
物理セグメント順番情報724は同一物理セグメントブロック内の相対的な物理セグメントの配置順を示している。図22(a)と比較して明らかなようにウォブルアドレス情報610内での物理セグメント順番情報724の先頭位置は書替え形情報記憶媒体における物理セグメントアドレス601の先頭位置に一致している。物理セグメント順番情報位置を書替え形に合わせる事で媒体種別間の互換性を高め、書替え形情報記憶媒体と追記形情報記憶媒体の両方が使える情報記録再生装置でのウォブル信号を用いたアドレス検出用制御プログラムの共有化により簡素化が図れる。
図22(b)のデータセグメントアドレス725はデータセグメントのアドレス情報を番号で記述する。既に説明したように本実施形態では32セクタで1ECCブロックを構成する。従って、特定のECCブロック内の先頭に配置されたセクタの物理セクタ番号の下位5ビットは隣接するECCブロック内の先頭位置に配置されたセクタのセクタ番号と一致する。ECCブロック内の先頭に配置されたセクタの物理セクタ番号の下位5ビットが“00000”になるように物理セクタ番号を設定した場合には同一ECCブロック内に存在する全てのセクタの物理セクタ番号の下位6ビット目以上の値が一致する。従って、上記同一ECCブロック内に存在するセクタの物理セクタ番号の下位5ビットデータを除去し、下位6ビット目以上のデータのみを抽出したアドレス情報をECCブロックアドレス(またはECCブロックアドレス番号)とする。ウォブル変調により予め記録されたデータセグメントアドレス725(または物理セグメントブロック番号情報)は上記ECCブロックアドレスと一致するので、ウォブル変調による物理セグメントブロックの位置情報をデータセグメントアドレスで表示すると、物理セクタ番号で表示するのと比べて5ビットずつデータ量が減り、アクセス時の現在位置検出が簡単になると言う効果が生まれる。
図22(b)、(c)のCRCコード726は物理セグメントのタイプ識別情報721からデータセグメントアドレス725までの24アドレスビットに対するCRCコード(エラー訂正コード)またはセグメント情報727から物理セグメント順番情報724までの24アドレスビットに対するCRCコードで部分的にウォブル変調信号を誤って判読してもこのCRCコード726により部分的に修正できる。
追記形情報記憶媒体では残りの15アドレスビット分に相当する領域はユニティ領域609に割り当てられ、12番目から16番目までの5個のウォブルデータユニット内は全てNPWになっている(変調領域598が存在しない)。
図22(c)における物理セグメントブロックアドレス728とは7個の物理セグメントから1個のユニットを構成する物理セグメントブロック毎に設定されるアドレスで、データリードインDTRDI内の最初の物理セグメントブロックに対する物理セグメントブロックアドレスを“1358h”に設定する。データ領域DTAを含め、データリードインDTLDI内の最初の物理セグメントブロックからデータリードアウトDTLDO内の最後の物理セグメントブロックまで順次この物理セグメントブロックアドレスの値が1ずつ加算されて行く。
物理セグメント順番情報724は1個の物理セグメントブロック内での各物理セグメントの順番を表し、最初の物理セグメントに対して“0”、最後の物理セグメントに対して“6”を設定する。
図22(c)の実施形態において物理セグメント順番情報724より先行した位置に物理セグメントブロックアドレス728を配置所に特徴がある。例えば、RMDフィールド1のようにアドレス情報をこの物理セグメントブロックアドレスで管理する場合が多い。これらの管理情報に従って所定の物理セグメントブロックアドレスにアクセスする場合、図14内に示したウォブル信号検出部135内ではまず始めに図22(c)に示したウォブルシンク領域580の場所を検出し、その後ウォブルシンク領域580の直後に記録された情報から順次解読していく。物理セグメント順番情報724より先行した位置に物理セグメントブロックアドレスが有る場合には、先に物理セグメントブロックアドレスを解読し、物理セグメント順番情報724を解読せずに所定の物理セグメントブロックアドレスか否かを判定できるため、ウォブルアドレスを用いたアクセス性が向上すると言う効果が有る。
図22(c)においてウォブルシンク領域580の直後にタイプ識別情報721が配置されている所にも本実施形態の特徴が有る。上述したように図14内に示したウォブル信号検出部135内ではまず始めに図22(c)に示したウォブルシンク領域580の場所を検出し、その後ウォブルシンク領域580の直後に記録された情報から順次解読していく。従って、ウォブルシンク領域580の直後にタイプ識別情報721を配置する事で即座に物理セグメント内の変調領域の配置場所確認が行えるため、ウォブルアドレスを用いたアクセス処理の高速化が実現できる。
本実施形態では、Hフォーマットを使用しているため、ウォブルの信号周波数の所定値としては、697kHzに設定している。
次に、ウォブル検出信号のキャリアレベルの最大値(Cwmax)と最小値(Cwmin)の測定例について記述する。
本実施形態の追記型記憶媒体ではCLV(Constant Lineor Vilocity)記録方式を使用しているため、トラック位置により隣接トラック間でのウォブル位相が変化する。隣接トラック間のウォブル位相が一致した場合、最もウォブル検出信号のキャリアレベルが高くなり、最大値(Cwmax)になる。また、隣接トラック間のウォブル位相が逆位相になった時、隣接トラックのクロストークの影響でウォブル検出信号が最も小さくなり、最小値(Cwmin)になる。従って、トラックに沿って内周から外周方向にトレースしている場合、検出されるウォブル検出信号のキャリアの大きさは4トラック周期で変動する。
本実施形態では、4トラック毎にウォブルキャリア信号を検出し、4トラック毎の最大値(Cwmax)と最小値(Cwmin)を測定する。そして、ステップST03で最大値(Cwmax)と最小値(Cwmin)のペアを30ペア以上のデータとして蓄積する。
次に、下記の計算式を利用して、ステップST04で最大値(Cwmax)と最小値(Cwmin)の平均値から最大振幅(Wppmax)と最小振幅(Wppmin)を算出する。
下記の式において、Rはスペクトラムアナライザのターミネートされた抵抗値を表している。以下に、CwmaxとCwminの値からWppmaxとWppminを換算する式の説明を行う。
dBm単位系では、0dBm=1mWを基準とする。ここで、電力Wa=1mWとなる電圧振幅Voは
Wao
=IVo
=Vo×Vo/R
=1/1000W
である。従って、
Vo=(R/1000)1/2
となる。
次に、ウォブル振幅Wpp[V]とスペアナで観測されたキャリアレベルCw[dBm]の関係は下記の通りとなる。ここで、Wppは正弦波なので、振幅を実効値に直すと、
Wpp−rms=Wpp/(2×21/2)
Cw=20×log(Wpp−rms/Vo)[dBm]
となる。従って、
Cw=10×log(Wpp−rms/Vo)2
上式のlogを変換して
(Wpp−rms/Vo)2
=10(Cw/10)
={[Wpp/(2×21/2)]/Vo}2
={Wpp/(2×22)/(R/1000)1/2}2
=(Wpp2/8)/(R/1000)
WPP22
=(8×R)/(1000×10(Cw/10))
=8×R×10(−3)×10(Cw/10)
=8×R×10(Cw/10)(−3)
Wpp={8×R×10(Cw/10)(−3)}1/2 (61)
以上説明したように、本実施形態は下記の効果を奏する。
(1)トラックずれ検出信号である(I1−I2)ppに対するウォブル検出信号の振幅の最小値(Wppmin)の比率を0.1以上にすることにより、トラックずれ検出信号のダイナミックレンジに比べて十分に大きなウォブル検出信号が得られ、その結果ウォブル検出信号の検出精度を大きく取ることができる。
(2)ウォブル検出信号の振幅の最大値(Wppmax)と、ウォブル検出信号の振幅の最小値(Wppmin)との比率を2.3以下にすることにより、隣接トラックからのウォブルのクロストークの影響を大きく受けずに安定にウォブル信号を検出することができる。
(3)ウォブル検出信号の2乗結果のNBSNRの値を26dB以上に確保することにより、C/N比が高い安定なウォブル信号を確保させ、ウォブル信号の検出精度を向上させることができる。
本実施形態の追記形情報記憶媒体ではグルーブ領域の上に記録マークを形成し、CLV記録方式を採用している。この場合隣接トラック間でのウォブルスロット位置がずれるため、ウォブル再生信号に隣接ウォブル間の干渉が乗り易い事を説明した。この影響を除去するため、本実施形態では変調領域が隣接トラック間で互いに重ならないように変調領域をずらす工夫をしている。
変調領域に関する具体的な1次配置場所と2次配置場所は同一のウォブルデータユニット内配置場所の切り替えにより設定する。本実施形態では変調領域より無変調領域の占有率を高く設定しているので、同一のウォブルデータユニット内での配置変更のみで1次配置場所と2次配置場所の切り替えが行える。具体的には1次配置場所(Primary Position)701では図21(a)、(c)に示すように1個のウォブルデータユニット内の先頭位置に変調領域598を配置し、2次配置場所702(Secondary Position)では図21(b)、(d)に示すように1個のウォブルデータユニット560〜571内の後半位置に変調領域598を配置する。
図21で示した1次配置場所(Primary Position)701と2次配置場所702(Secondary Position)の適応範囲すなわち、1次配置場所または2次配置場所が連続的に続く範囲を本実施形態では物理セグメントの範囲に規定している。すなわち、図22に示すように同一物理セグメント内での変調領域の配置パターンを(b)から(d)までの3種類(複数種類)持たせ、物理セグメントのタイプ識別情報721の情報から物理セグメント内での変調領域の配置パターンを図14のウォブル信号検出部135が識別すると、同一物理セグメント内の他の変調領域598の配置場所が事前に予測できる。その結果、次に来る変調領域検出の事前準備が出来るので変調領域での信号検出(判別)精度を上げる事ができると言う効果が有る。
以上説明したウォブル変調によりアドレス情報が事前に記録されている物理セグメントもしくは物理セグメントブロックに対して前述したデータセグメントデータを記録する方法について説明する。書替え形情報記憶媒体及び追記形情報記憶媒体いずれも連続してデータを記録する単位としてレコーディングクラスター単位でデータを記録する。このように書き替え単位を表すレコーディングクラスターが1個以上のデータセグメントから構成される構造にする事で少ないデータ量を何度も書き替える事の多いPCデータ(PCファイル)と多量のデータを一度に連続して記録するAVデータ(AVファイル)の同一情報記憶媒体への混在記録処理を容易に出来ると言う効果が生まれる。すなわち、パーソナルコンピュータ用に使われるデータは比較的少量のデータを何度も書き替える場合が多い。従って、書替え又は追記のデータ単位を極力小さく設定するとPCデータに適した記録方法になる。本実施形態では32物理セクタからECCブロックが構成されので、ECCブロックを1個のみ含むデータセグメント単位で書き替え又は追記を行うことが効率良く書替え又は追記を行う最小の単位となる。従って、書替え単位または追記単位を表す記録用クラスター内に1個以上のデータセグメントが含まれる本実施形態における構造がPCデータ(PCファイル)に適した記録構造となる。AV(Audio Video)データでは非常に多量な映像情報や音声情報が途中で途切れる事無く連続的に記録される必要が有る。この場合、連続的に記録されるデータは1個のレコーディングクラスターとしてまとめて記録される。AVデータ記録時に1個のレコーディングクラスターを構成するデータセグメント毎にランダムシフト量やデータセグメント内の構造、データセグメントの属性などを切り替えると、切り替わり処理の時間が掛かり、連続記録処理が難しくなる。本実施形態では同一形式(属性やランダムシフト量を変えず、データセグメント間に特定情報を挿入する事無く)のデータセグメントを連続して並べてレコーディングクラスターを構成する事で多量のデータを連続して記録するAVデータ記録に適した記録フォーマットを提供できるだけでなく、レコーディングクラスター内の構造の簡素化を果たして記録制御回路と再生検出回路の簡素化を達成して情報記録再生装置または情報再生装置の低価格化を可能とする。レコーディングクラスター540内の(拡張ガードフィールド528を除いた)データセグメントが連続して並んだデータ構造は再生専用情報記憶媒体及び追記形情報記憶媒体と全く同じ構造をしている。このように再生専用形/追記形/書替え形に依らず全ての情報記憶媒体で共通のデータ構造になっているため、媒体の互換性が確保され、互換性が確保された情報記録再生装置または情報再生装置の検出回路の兼用化が図れ、高い再生信頼性が確保できると共に低価格化の実現が可能となる。
書替え形のガード領域の中にポストアンブル領域、エキストラ領域、バッファ領域、VFO領域、プリシンク領域が含まれ、連続記録終了場所に限り拡張ガードフィールドが配置される。書替え時の重複箇所で拡張ガード領域と後側のVFO領域が一部重複するように書き換えまたは追記を行う所に本実施形態の特徴があるそのように一部重複させて書替えまたは追記する事でレコーディングクラスター間に隙間(記録マークが形成されない領域)の発生を防止し、片面2記録層の記録可能な情報記憶媒体における層間クロストークを除去する事で安定した再生信号を検出できる。
本実施形態における1個のデータセグメント内の書替え可能なデータサイズは
67+4+77376+2+4+16=77469(データバイト)
となる。1個のウォブルデータユニット560は
6+4+6+68=84(ウォブル)
で構成されており、図26に示すように、17個のウォブルデータユニットで1個の物理セグメント550を構成し、7個の物理セグメント550〜556の長さが1個のデータセグメント531の長さに一致しているので1個のデータセグメント531の長さ内には
84×17×7=9996(ウォブル)
が配置される。従って、上記の式から1個のウォブルに対して
77496÷9996=7.75(データバイト/ウォブル)が対応する。
物理セグメントの先頭位置から24ウォブル以降に次のVFO領域522と拡張ガードフィールド528の重なり部分が来るが物理セグメント550の先頭から16ウォブルまではウォブルシンク領域580となるが、それ以降68ウォブル分は無変調領域590内になる。したがって24ウォブル以降の次のVFO領域522と拡張ガードフィールド528が重なる部分は無変調領域590内となる。このように物理セグメントの先頭位置24ウォブル以降にデータセグメントの先頭位置が来るようにする事で重複箇所が無変調領域590内になるだけでなくウォブルシンク領域580の検出時間と記録処理の準備時間が相応に取れるので、安定でかつ精度の良い記録処理を保証できる。
本実施形態における書替え形情報記憶媒体の記録膜は相変化記録膜を用いている。相変化記録膜では書き替え開始/終了位置近傍で記録膜の劣化が始まるので、同じ位置での記録開始/記録終了を繰り返すと記録膜の劣化による書き替え回数の制限が発生する。本実施形態では上記問題を軽減するため、書き替え時にはJm+1/12データバイト分ずらし、ランダムに記録開始位置をずらしている。
上記説明では基本概念を説明するため拡張ガードフィールドの先頭位置とVFO領域の先頭位置が一致しているとしたが、厳密に言うとVFO領域の先頭位置がランダムにずれている。
現行の書替え形情報記憶媒体であるDVD−RAMデイスクでも記録膜として相変化記録膜を使用し、書替え回数向上のためにランダムに記録開始/終了位置をずらしている。現行のDVD−RAMディスクでのランダムなずらしを行った時の最大ずらし量範囲は8データバイトに設定している。現行のDVD−RAMディスクでの(ディスクに記録される変調後のデータとして)チャネルビット長は平均0.143μmに設定されている。本実施形態の書替え形情報記憶媒体実施形態ではチャネルビットの平均長さは(0.087+0.093)÷2=0.090(μm)となる。物理的なずらし範囲の長さを現行のDVD−RAMディスクに合わせた場合には、本実施形態でのランダムなずらし範囲として最低限必要な長さは上記の値を利用して
8バイト×(0.143μm÷0.090μm)=12.7バイト
となる。本実施形態では再生信号検出処理の容易性を確保するため、ランダムなずらし量の単位を変調後の“チャネルビット”に合わせた。本実施形態では変調に8ビットを12ビットに変換するETM変調(Eight to Twelve modulation)を用いているので、ランダムなずらし量を表す数式表現としてデータバイトを基準として
Jm/12(データバイト)
で表す。Jmの取り得る値としては上式の値を用いて
12.7×12=152.4
なので、Jmは0から152となる。以上の理由から上式を満足する範囲で有ればランダムなずらしの範囲長さは現行DVD−RAMディスクと一致し、現行DVD−RAMディスクと同様な書き替え回数を保証できる。本実施形態では現行以上の書き替え回数を確保するため、最低限必要な長さに対してわずかにマージンを持たせ、
ランダムなずらし範囲の長さを14(データバイト)
に設定した。これらの式から14×12=168なので
Jmの取り得る値は0〜167
と設定した。上記のようにランダムシフト量をJm/12(0≦Jm≦154)より大きな範囲とする事で、ランダムシフト量に対する物理的な範囲の長さが現行DVD−RAMと一致するため、現行DVD−RAMと同様な繰り返し記録回数を保証できると言う効果が有る。
記録用クラスター内でのバッファ領域とVFO領域の長さは一定となっている。同一の記録用クラスター内では全てのデータセグメントのランダムずらし量Jmは至る所同じ値になっている。内部に多量のデータセグメントを含む1個の記録用クラスターを連続して記録する場合には、記録位置をウォブルからモニターしている。すなわち、図22に示すウォブルシンク領域580の位置検出をしたり、図21の無変調領域592、593内ではウォブルの数を数えながら情報記憶媒体上の記録位置の確認を記録と同時に行う。この時にウォブルのカウントミスや情報記憶媒体を回転させている回転モータの回転ムラによりウォブルスリップ(1ウォブル周期分ずれた位置に記録する事)が生じ、情報記憶媒体上の記録位置がずれる事が希に有る。本実施形態の情報記憶媒体では上記のように生じた記録位置ずれが検出された場合には書替え形のガード領域内で調整を行い、記録タイミングの修正を行う所に特徴が有る。ここでは、Hフォーマットに付いて説明しているがこの基本的な考え方は後述するようにBフォーマットでも採用されている。ポストアンブル領域、エキストラ領域、プリシンク領域ではビット欠落やビット重複が許容できない重要な情報が記録されるが、バッファ領域、VFO領域では特定パターンの繰り返しになっているため、この繰り返し境界位置を確保している限りでは1パターンのみの欠落や重複が許容される。従って、本実施形態ではガード領域の中で特にバッファ領域またはVFO領域で調整を行い、記録タイミングの修正を行う。
本実施形態では位置設定の基準となる実際のスタートポイント位置はウォブル振幅“0”の(ウォブルの中心)位置と一致するように設定される。しかし、ウォブルの位置検出精度は低いので本実施形態では“±1max”と記載されているように、実際のスタートポイント位置は最大
±1データバイト”までのずれ量
を許容している。
データセグメントでのランダムシフト量をJmとし(上述したように記録用クラスター内は全てのデータセグメントのランダムシフト量は一致する)、その後に追記するデータセグメントのランダムシフト量をJm+1とする。上記式に示すJmとJm+1の取り得る値として例えば、中間値を取り、Jm=Jm+1=84であり、実際のスタートポイントの位置精度が充分高い場合には拡張ガードフィールドの開始位置とVFO領域の開始位置が一致する。
これに対してデータセグメントが最大限後位置に記録され、後で追記または書き替えられるデータセグメントが最大限前位置に記録された場合にはVFO領域の先頭位置がバッファ領域内へ最大15データバイトまで入り込む事が有る。バッファ領域の直前のエキストラ領域には特定の重要情報が記録されている。従って、本実施形態において
バッファ領域の長さは15データバイト以上
必要となる。実施形態では1データバイトの余裕を加味し、バッファ領域のデータサイズを16データバイトに設定している。
ランダムシフトの結果、拡張ガード領域とVFO領域の間に隙間が生じると片面2記録層構造を採用した場合にその隙間による再生時の層間クロストークが発生する。そのため、ランダムシフトを行っても必ず拡張ガードフィールドとVFO領域の一部が重なり、隙間が発生しない工夫がされている。従って、本実施形態において拡張ガードフィールドの長さは15データバイト以上に設定する必要が有る。後続するVFO領域は71データバイトと充分に長く取って有るので、拡張ガードフィールドとVFO領域の重なり領域が多少広くなっても信号再生時には支障が無い(重ならないVFO領域で再生用基準クロックの同期を取る時間が充分確保されるため)。従って、拡張ガードフィールドは15データバイトよりもより大きな値に設定する事が可能である。連続記録時に希にウォブルスリップが発生し、1ウォブル周期分記録位置がずれる場合が有る事を既に説明した。1ウォブル周期は7.75(≒8)データバイトに相当するので本実施形態では
拡張ガードフィールドの長さを(15+8=)23データバイト以上
に設定している。実施形態ではバッファ領域と同様に1データバイトの余裕を加味し、拡張ガードフィールドの長さを24データバイトに設定している。
記録用クラスター541の記録開始位置を正確に設定する必要が有る。本実施形態の情報記録再生装置では書替え形または追記形情報記憶媒体に予め記録されたウォブル信号を用いてこの記録開始位置を検出する。ウォブルシンク領域以外は全て4ウォブル単位でパターンがNPWからIPWに変化している。それに比べてウォブルシンク領域ではウォブルの切り替わり単位が部分的に4ウォブルからずれているため、ウォブルシンク領域が最も位置検出し易い。そのため、本実施形態の情報記録再生装置ではウォブルシンク領域位置を検出後、記録処理の準備を行い、記録を開始する。そのためレコーディングクラスターの開始位置はウォブルシンク領域の直後の無変調領域の中に来る必要が有る。この場合は、物理セグメント(Physical segment)の切り替わり直後にウォブルシンク領域が配置されている。ウォブルシンク領域の長さは16ウォブル周期分になっている。更に、そのウォブルシンク領域を検出後、記録処理の準備にマージンを見越して8ウォブル周期分必要となる。従って、レコーディングクラスターの先頭位置に存在するVFO領域の先頭位置がランダムシフトを考慮していも物理セグメントの切り替わり目位置から24ウォブル以上後方に配置される必要が有る。
書替え時の重複箇所では何度も記録処理が行われる。書替えを繰り返すとウォブルグルーブまたはウォブルランドの物理的な形状が変化(劣化)し、そこからのウォブル再生信号品質が低下する。本実施形態では書替え時あるいは追記時の重複箇所がウォブルシンク領域やウォブルアドレス領域内に来るのを避け、無変調領域内に記録されるように工夫している。無変調領域は一定のウォブルパターン(NPW)が繰り返されるだけなので、部分的にウォブル再生信号品質が劣化しても前後のウォブル再生信号を利用して補間できる。このように書替え時あるいは追記時の重複箇所位置を無変調領域内に来るように設定したため、ウォブルシンク領域またはウォブルアドレス領域内での形状劣化によるウォブル再生信号品質の劣化を防止し、ウォブルアドレス情報からの安定なウォブル検出信号を保証できると言う効果が生じる。
以上は主に片面単層の情報記憶媒体を説明したが、次に片面多層(ここでは片面2層)の追記型の情報記憶媒体を説明する。片面単層と同じ構成は説明を省略し、異なる点のみ説明する。
《測定条件》
記憶媒体の特性は規格で決められており、記憶媒体を販売する前にその規格を満たすか否かをテストする必要がある。このため、ディスクの特性を測定する装置が必要であり、規格には測定装置の測定条件も決められている。媒体の特性測定用の光学ヘッドの特性は次のように規定されている。
波長(λ):405±5nm
偏光:円偏光
偏光ビームスプリッタ:使用される
開口数:0.65±0.01
対物レンズの瞳孔縁の光強度:最大強度レベルの55〜70%
理想的な基板を通過後の波面収差:0.033λ(最大)
ディスク上の正規化検出器サイズ:100<A/M2<144μm2
ここで、
A:光ヘッドの中央検出器エリア
M:ディスクから検出器までの横倍率
光検出器は、焦点位置よりも対物レンズ側に寄った位置に置かれる必要がある。これは、光検出器の位置に応じて層間クロストークの影響が異なり検出値にバラツキが生じることを抑えるために、かならず焦点位置の手前側に置くことを決めたものである。ここで、焦点位置とはディスクからの反射光路における光学系の像点である。
レーザダイオードの相対強度雑音(RIN)*:−125dB/Hz(最大)
*RIN(dB/Hz)=10log[(AC出力密度/Hz)/DC出力]
《追記型片面2層ディスクの断面構造》
図23に追記型の片面2層ディスクの断面図を示す。片面2層ディスクは、対物レンズから照射されるレーザ光7の入射面(読み出し面)側にポリカーボネートから成る第1の透明基板2−3を有する。第1の透明基板2−3はレーザ光の波長に対して透光性を有する。レーザ光の波長は405(±5)nmである。
第1の透明基板2−3の光入射面と反対側の面には第1の記録層(レイヤー0)3−3が設けられる。第1の記録層3−3には記録情報に応じたピットが設けられる。第1の記録層3−3の上には光半透過層4−3が設けられる。
光半透過層4−3の上にはスペースレイヤー7が設けられる。スペースレイヤー7はレイヤー1に対する透明基板の働きをするものであり、レーザ光の波長に対して透光性を有する。
スペースレイヤー7の光入射面と反対側の面には第2の記録層(レイヤー1)3−4が設けられる。第2の記録層3−4には記録情報に応じたピットが設けられる。第2の記録層3−4上には光反射層4−4が設けられる。光反射層4−4の上には基板8が設けられる。
《スペースレイヤー7の厚み》
追記型の片面2層ディスクにおけるスペースレイヤー7の厚みは25.0±5.0μmである。薄いと層間クロストークが大きいし、製造しにくいので、ある程度の厚みが規定されている。片面2層の再生専用型記憶媒体では、スペースレイヤー7の厚みは20.0±5.0μmである。追記型は再生専用型に比べて層間クロストークの影響が大きいので、再生専用型に比べて若干厚く、スペースレイヤー7の厚みの中心値が25μm以上と規定されている。
《複屈折を含む反射率》
“H→L”ディスクのシステムリードイン領域およびシステムリードアウト領域の反射率は4.5〜9.0%であり、“L→H”ディスクは4.5〜9.0%である。
“H→L”ディスクのデータリードイン領域、データ領域、ミドル領域およびデータリードアウト領域における反射率は4.5〜9.0%であり、“L→H”ディスクは4.5〜9.0%である。
この反射率は高ければ高い方が良いが、限度があり、繰返し再生回数と再生信号特性が所定の基準を満たすように決められている。レイヤー0の記録層は半透明である必要があるので、反射率は単層の場合より低い。
《層間クロストーク》
上述したように、片面多層記憶媒体は他のレイヤーからの反射光が再生信号に影響を与えるという問題(層間クロストーク)がある。詳しく説明すると、一方のレイヤー(例えばレイヤー1)を再生中に、その再生光束が照射される他方のレイヤー(例えばレイヤー0)の信号の記録状態が変化すると、そのクロストークによって再生中のレイヤー1の信号がオフセットするという問題が発生する。また、レイヤー1に信号を記録する場合、レイヤー0が記録済みであるか、未記録であるかによって最適な記録パワーが異なるという問題がある。これらの問題は、レイヤー0の記憶媒体の透過率及び反射率が記録状態と未記録状態で変化することや、光学的な収差を抑えるためにスペースレイヤーの厚みをあまり大きくできないことなどが原因で発生するが、このような特性を物理的に低減することは非常に難しい。そこで、本発明の光ディスクでは各層にクリアランス(記録状態一定領域)を設けたことにより、このような信号のオフセットが生じることが無いという特徴を持っている。
《一般パラメータ》
追記型片面1層ディスクと比較した追記型片面2層ディスクの一般パラメータを表3に示す。
Figure 2008010125
追記型片面2層ディスクの一般パラメータは1層ディスクの一般パラメータとほとんど同じであるが、以下の点で異なる。ユーザが使用可能な記録容量は30GBであり、データ領域の内半径がレイヤー0では24.6mmであり、レイヤー1では24.7mmであり、データ領域の外半径が58.1mm(レイヤー0、レイヤー1共通)である。
《情報領域のフォーマット》
2層のレイヤーにわたって設けられる情報領域は7つの領域:システムリードイン領域、コネクション領域、データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域、システムリードアウト領域、ミドル領域からなる。各レイヤーにミドル領域が設けられることにより、再生ビームをレイヤー0からレイヤー1に移動させることができる(図34参照)。データ領域はメインデータを記録する。システムリードイン領域は制御データと参照(リファレンス)コードとを含む。データリードアウト領域は連続するスムーズな読み出しを可能とする。
《リードアウト領域》
システムリードイン領域とシステムリードアウト領域はエンボスピットからなるトラックを含む。レイヤー0のデータリードイン領域、データ領域、ミドル領域と、レイヤー1のミドル領域、データ領域、データリードアウト領域はグルーブトラックを含む。グルーブトラックはレイヤー0のデータリードイン領域の開始位置からミドル領域の終了位置まで連続であり、レイヤー1のミドル領域の開始位置からデータリードアウト領域の終了位置まで連続である。なお、片面2層ディスクを張り合わせると、2つの読み出し面を有する両面2層ディスクとなる。
システムリードイン領域、システムリードアウト領域の各トラックはデータセグメントに分割される。
データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域、ミドル領域内のトラックはPSブロックに分割される。各PSブロックは7物理セグメントに分割される。各物理セグメントは11067バイトである。
《リードイン領域、リードアウト領域》
リードイン領域とリードアウト領域の概要を図31に示す。リードイン領域、リードアウト領域およびミドル領域の各ゾーン、各エリアの境界はデータセグメントの境界と一致している必要がある。
レイヤー0の内周側には最内周から順にシステムリードイン領域、コネクション領域、データリードイン領域、データ領域が設けられる。レイヤー1の内周側には最内周から順にシステムリードアウト領域、コネクション領域、データリードアウト領域、データ領域が設けられる。このように、管理領域が含まれるデータリードイン領域はレイヤー0にしか設けられていないので、レイヤーL1でファイナライズした時、レイヤーL1の情報もレイヤーL0のデータリードイン領域に書く。これにより、起動時にレイヤーL0だけを読めば全部の管理情報が得られ、いちいちレイヤーL0、レイヤーL1を読まなくても良いという利点がある。なお、レイヤーL1にデータを記録するためには、レイヤーL0が全部書かれていなければならない。管理領域を埋めるのは、ファイナライズする時である。
レイヤー0のシステムリードイン領域は内周側から順にイニシャルゾーン、バッファーゾーン、制御(コントロール)データゾーン、バッファーゾーンからなる。レイヤー0のデータリードイン領域は内周側から順にブランクゾーン、ガードトラックゾーン、ドライブテストゾーン、ディスクテストゾーン、ブランクゾーン、RMDデュプリケーションゾーン、L−RMD(記録位置管理データ)、R物理フォーマット情報ゾーン、参照コードゾーンからなる。レイヤー0のデータエリアの開始アドレス(内周側)とレイヤー1のデータエリアの終了アドレス(内周側)とはクリアランスの分だけずれており、レイヤー1のデータエリアの終了アドレス(内周側)の方がレイヤー0のデータエリアの開始アドレス(内周側)より外周側である。
レイヤー1のデータリードアウト領域は内周側から順にブランクゾーン、ディスクテストゾーン、ドライブテストゾーン、ガードトラックゾーンからなる。
ブランクゾーンは溝はあるが、データが記録されない領域である。ガードトラックゾーンはテストのための特定パターンを記録するゾーンであり、変調前のデータ“00”が記録される。レイヤー0のガードトラックゾーンはレイヤー1のディスクテストゾーン、ドライブテストゾーンの記録のために設けられる。そのため、レイヤー0のガードトラックゾーンはレイヤー1のディスクテストゾーン、ドライブテストゾーンに少なくともクリアランスを加えた範囲に対応している。レイヤー1のガードトラックゾーンはレイヤー0のドライブテストゾーン、ディスクテストゾーン、ブランクゾーン、RMDデュプリケーションゾーン、L−RMD、R物理フォーマット情報ゾーン、参照コードゾーンの記録のために設けられる。そのため、レイヤー1のガードトラックゾーンはレイヤー0のドライブテストゾーン、ディスクテストゾーン、ブランクゾーン、RMDデュプリケーションゾーン、L−RMD、R物理フォーマット情報ゾーン、参照コードゾーンに少なくともクリアランスを加えた範囲に対応している。
《トラックパス》
本実施形態ではレイヤー0からレイヤー1への記録の連続性を維持するために、図33に示すようなオポジットトラックパスが採用されている。シーケンシャル記録ではレイヤー0の記録が終了しないと、レイヤー1の記録に移らない。
《物理セクタレイアウトと物理セクタ番号》
各PSブロックは32個の物理セクタを含む。片面2層ディスク用のHD DVD−Rのレイヤー0の物理セクタ番号(PSN)は、図34に示すように、システムリードイン領域において連続的に増分し、データリードイン領域の最初からミドル領域の最後まで連続的に増分する。しかし、レイヤー1のPSNは、レイヤー0の物理セクタ番号に対しては反転ビットを取り、ミドル領域(外側)の最初からデータリードアウト領域(内側)の最後まで連続的に増分し、システムリードアウト領域の外側からシステムリードアウト領域の内側まで連続的に増分する。

ビット反転の数値はビット値の“1”が“0”(逆も同様)になるように計算される。互いにPSNがビット反転された各レイヤーの物理セクタは、ディスクの中心部からの距離がほぼ同じである。
PSNがXの物理セクタは、Xを32で割り、端数を切り捨てした値によって計算されたPSブロックアドレスのPSブロックに含まれる。
システムリードイン領域のPSNは、システムリードイン領域の終了位置の物理セクタを“131071”(01 FFFFh)として計算する。
システムリードイン領域を除くレイヤー0のPSNは、データリードイン領域の後のデータ領域の開始位置の物理セクタのPSNを“262144”(04 0000h)として計算する。システムリードアウト領域を除くレイヤー1のPSNは、ミドル領域の後のデータ領域の開始位置の物理セクタのPSNを“9184256”(8C 2400h)として計算する。
《物理セグメント構造》
データリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域、ミドル領域は物理セグメントを具備する。物理セグメントは物理セグメントオーダーとPSブロックアドレスにより指定される。
《リードイン領域の構造》
図24にレイヤー0のリードイン領域の構造を示す。システムリードイン領域は内周側から順にイニシャルゾーン、バッファーゾーン、コントロールデータゾーン、バッファーゾーンが配置される。データリードイン領域は内周側から順にブランクゾーン、ガードトラックゾーン、ドライブテストゾーン、ディスクテストゾーン、ブランクゾーン、RMDデュプリケーションゾーン、データリードイン領域内の記録位置管理(レコーディングマネージメント)ゾーン(L−RMZ)、R物理フォーマット情報ゾーン、参照コードゾーンが配置される。
《システムリードイン領域の詳細》
イニシャルゾーンは、エンボスされたデータセグメントを含む。イニシャルゾーンのデータセグメントとして記録されたデータフレームのメインデータは、“00h”に設定される。
バッファーゾーンは、32個のデータセグメントからの1024の物理セクタで構成される。このゾーンのデータセグメントとして記録されたデータフレームのメインデータは、“00h”に設定される。
コントロールデータゾーンは、エンボスされたデータセグメントを含む。データセグメントはエンボスされた制御データを含む。コントロールデータは、PSN 123904(01 E400h)を起点とする192のデータセグメントから構成される。
コントロールデータセクション内の物理フォーマット情報を表4に示す。
Figure 2008010125
各バイト位置(BP)の機能の説明は以下に述べる。BP132からBP154に示すリードパワー、記録速度、データ領域の反射率、プッシュプル信号、オントラック信号の値は一例である。これらの実際の値は、エンボス情報の規定、記録後のユーザデータの特性の規定を満足する値の中からディスク製造者が選ぶことができる。
BP4〜BP15のデータエリア配置の詳細を表5に示す。
Figure 2008010125
BP149、BP152はレイヤー0、レイヤー1のデータ領域の反射率を指定する。例えば、0000 1010bは5%を示す。実際の反射率は次の式で指定される。
実際の反射率=値×(1/2)
BP150、BP153はレイヤー0、レイヤー1のプッシュプル信号を指定する。ビットb7は各レイヤーのディスクのトラック形状を指定する。ビットb6〜b0はプッシュプル信号の振幅を指定する。
トラック形状:0b(グルーブ上のトラック)
1b(ランド上のトラック)
プッシュプル信号:例えば、010 1000bは0.40を示す。
プッシュプル信号の実際の振幅は次の式で指定される。
プッシュプル信号の実際の振幅=値×(1/100)
BP151、BP154はレイヤー0、レイヤー1のオントラック信号の振幅を指定する。
オントラック信号:例えば、0100 0110bは0.70を示す。
オントラック信号の実際の振幅は次の式で指定される。
オントラック信号の実際の振幅=値×(1/100)
《コネクション領域》
レイヤー0のコネクション領域は、システムリードイン領域とデータリードイン領域を接続することが目的である。PSNが“01 FFFFh”のシステムリードイン領域の終点物理セクタの中心線間の距離および、PSNが“02 6B00h”のデータリードイン領域の開始物理セクタの中心線間の距離は、1.36〜5.10μmである。単層の場合は上限が10.20μmである。これは、2層媒体は層間クロストークがあるので、狭くしたいからである。コネクション領域には、エンボスされたピットや溝はない。
《データリードイン領域の詳細》
ブランクゾーンのデータセグメントには、データが記録されない。
ガードトラックゾーンのデータセグメントは、レイヤー1に記録する前に、“00h”で埋められる。
ディスクテストゾーン
このゾーンは、ディスクメーカーによる品質テストを目的とする。
ドライブテストゾーンは、ドライブによるテストを目的とする。このゾーンは、外側のPSブロックから内側のPSブロックに記録される必要がある。このゾーンのすべてのデータセグメントは、ディスクをファイナライズする前に記録される必要がある。
RMDデュプリケーションゾーンは、図25に示すようにRDZリードインから構成される。RDZリードインは、L−RMZの最初のRMDを記録する前に記録される必要がある。RMDデュプリケーションゾーンの他のフィールドはリザーブされ、“00h”で埋められる必要がある。RDZリードインのサイズは64kBであり、システムリザーブフィールド(48kB)とユニークID(固有識別子)フィールド(16kB)で構成される必要がある。システムリザーブフィールドのデータは、“00h”に設定され、ユニークIDフィールドは8ユニットで構成され、それぞれが2kBのサイズの情報を有する。各ユニットはドライブ製造者ID、シリアル番号、モデル番号、ユニークディスクID、リザーブ領域からなる。
データリードイン領域内の記録位置管理ゾーン(L−RMZ)は、PSNの“03 CE00h”から“03 FFFFh”まで記録される必要がある。記録位置管理ゾーンRMZは、記録位置管理データRMDで構成される。L−RMZの未記録部は、ディスクをファイナライズする前に現在の記録位置管理データRMDで記録される必要がある。
データリードイン領域内の記録位置管理データRMDは、ディスクの記録位置についての情報を格納する必要がある。RMDのサイズは64kBであり、記録位置管理データRMDのデータ構成を図26に示す。
各RMDは2048バイトのメインデータで構成され、所定の信号処理により記録される必要がある。
RMDフィールド0はディスクの一般情報を指定し、このフィールドの内容を表6に示す。
Figure 2008010125
BP2のディスクステータスは
00h:ディスクが空であることを示す。
01h:ディスクが記録モード1であることを示す。
02h:ディスクが記録モード2であることを示す。
03h:ディスクがファイナライズされていることを示す。
08h:ディスクが記録モードUであることを示す。他はリザーブされている。
BP3のパディングステータスの各ビットは以下を示す。
b7…0b:レイヤー0の内周ガードゾーンがパディングされていないことを示す。
1b:レイヤー0の内周ガードゾーンがパディングされていることを示す。
b6…0b:レイヤー0の内周テストゾーンがパディングされていないことを示す。
1b:レイヤー0の内周テストゾーンがパディングされていることを示す。
b5…0b:RMDデュプリケーションゾーンがパディングされていないことを示す。
1b:RMDデュプリケーションゾーンがパディングされていることを示す。
b4…0b:記録管理ゾーンがパディングされていないことを示す。
1b:記録管理ゾーンがパディングされていることを示す。
b3…0b:レイヤー0の外周ガードゾーンがパディングされていないことを示す。
1b:レイヤー0の外周ガードゾーンがパディングされていることを示す。
b2…0b:レイヤー0の外周テストゾーンがパディングされていないことを示す。
1b:レイヤー0の外周テストゾーンがパディングされていることを示す。
b1…0b:レイヤー1の外周ガードゾーンがパディングされていないことを示す。
1b:レイヤー1の外周ガードゾーンがパディングされていることを示す。
b0…0b:レイヤー1の内周ガードゾーンがパディングされていないことを示す。
1b:レイヤー1の内周ガードゾーンがパディングされていることを示す。
RMDフィールド1は最適記録パワーを決定する最適パワー制御(OPC:Optical Power Control)関連情報を含む。RMDフィールド1には、表7、表8に示すように、システム内で共存する最大4ドライブのOPC関連情報の記録が可能である。
Figure 2008010125
Figure 2008010125
ドライブが1台の場合、OPC関連情報はフィールド♯1に記録され、他のフィールドは“00h”に設定される。どの場合も、RMDフィールド1の未使用フィールドは、“00h”に設定される。現在のドライブのOPC関連情報は、常にフィールド♯1に記録される。現在のRMDのフィールド♯1に現在のドライブの情報(ドライブメーカーID、シリアルナンバー、モデルナンバー)が格納されていない場合、現在のRMDのフィールド♯1〜#3の情報が、新しいRMDのフィールド♯2〜#4にコピーされ、現在のRMDのフィールド♯4の情報は破棄される。現在のRMDのフィールド♯1が現在のドライブ情報を格納している場合、フィールド♯1の情報は更新され、他のフィールドの情報は新しいRMDのフィールド♯2〜#4にコピーされる。
BP72〜BP75、BP328〜BP331、BP584〜BP587、BP840〜BP843のレイヤー0の内周側テストゾーンアドレス:
これらのフィールドは、最新のパワーキャリブレーションが実行された、データリードイン領域におけるドライブテストゾーンの最小PSブロックアドレスを指定する。現在のドライブが、レイヤー0の内周側テストゾーンでパワーキャリブレーションを実行しない場合、現在のRMDのレイヤー0の内周側テストゾーンアドレスは新しいRMDの内周側テストゾーンアドレスにコピーされる。これらのフィールドが“00h”に設定されている場合、このテストゾーンは使用されない。
BP76〜BP79、BP332〜BP335、BP588〜BP591、BP844〜BP847のレイヤー0の外周側テストゾーンアドレス:
これらのフィールドは、最新のパワーキャリブレーションが実行された、レイヤー0のミドル領域におけるドライブテストゾーンの最小PSブロックアドレスを指定する。現在のドライブが、レイヤー0の外周側テストゾーンでパワーキャリブレーションを実行しない場合、現在のRMDのレイヤー0の外周側テストゾーンアドレスは新しいRMDの外周側テストゾーンアドレスにコピーされる。これらのフィールドが“00h”に設定されている場合、このテストゾーンは使用されない。
BP106、BP362、BP618、BP874のテストゾーン使用記述子:
これらのフィールドは、4つのテストゾーンについての使用法を指定する。
各ビットは次のように割り当てられる。
b7〜b4…リザーブ領域。
b3…0b:ドライブはレイヤー0の内周側テストゾーンを使用しなかった。
1b:ドライブはレイヤー0の内周側テストゾーンを使用した。
b2…0b:ドライブはレイヤー0の外周側テストゾーンを使用しなかった。
1b:ドライブはレイヤー0の外周側テストゾーンを使用した。
b1…0b:ドライブはレイヤー1の内周側テストゾーンを使用しなかった。
1b:ドライブはレイヤー1の内周側テストゾーンを使用した。
b0…0b:ドライブはレイヤー1の外周側テストゾーンを使用しなかった。
1b:ドライブはレイヤー1の外周側テストゾーンを使用した。
BP108〜BP111、BP364〜BP367、BP620〜BP623、BP876〜BP879のレイヤー1の内周側テストゾーンアドレス:
これらのフィールドは、最新のパワーキャリブレーションが実行された、データリードアウト領域におけるドライブテストゾーンの最小PSブロックアドレスを指定する。現在のドライブが、レイヤー1の内周側テストゾーンでパワーキャリブレーションを実行しない場合、現在のRMDのレイヤー1の内周側テストゾーンアドレスは新しいRMDの内周側テストゾーンアドレスにコピーされる。これらのフィールドが“00h”に設定されている場合、このテストゾーンは使用されない。
BP112〜BP115、BP368〜BP371、BP624〜BP627、BP880〜BP883のレイヤー1の外周側テストゾーンアドレス:
これらのフィールドは、最新のパワーキャリブレーションが実行された、レイヤー1のミドル領域におけるドライブテストゾーンの最小PSブロックアドレスを指定する。現在のドライブが、レイヤー1の外周側テストゾーンでパワーキャリブレーションを実行しない場合、現在のRMDのレイヤー1の外周側テストゾーンアドレスは新しいRMDの外周側テストゾーンアドレスにコピーされる。これらのフィールドが“00h”に設定されている場合、このテストゾーンは使用されない。
RMDフィールド2はユーザー専用のデータを指定する。このフィールドを使用しない場合は、フィールドに“00h”を設定する。BP0〜BP2047がユーザー専用データに使用可能なフィールドである。
RMDフィールド3のすべてのバイトはリザーブされ、“00h”に設定される。
RMDフィールド4はRゾーンの情報を指定する。このフィールドの内容は表9に示す。ユーザデータを記録するためにリザーブされているデータ記録可能領域の一部分を、Rゾーンと呼ぶ。Rゾーンは、記録条件に応じて、2タイプに分けられる。オープン(Open)Rゾーンでは、データを追加することができる。コンプリート(Complete)Rゾーンでは、ユーザデータを追加することはできない。データ記録可能領域には、オープンRゾーンを3つ以上、存在させることはできない。データ記録用にリザーブされていないデータ記録可能領域の一部分を、インビジブル(Invisible)Rゾーンと呼ぶ。Rゾーンに続くエリアは、インビジブルRゾーンにリザーブすることができる。それ以上、データが追加できない場合、インビジブルRゾーンは存在しない。
BP0〜BP1のインビジブルRゾーン数はインビジブルRゾーン、オープンRゾーン、コンプリートRゾーンの合計数である。
Figure 2008010125
RMDフィールド5〜RMDフィールド21は、Rゾーンの情報を指定する。このフィールドの内容を表10に示す。これらのフィールドが使用されない場合、すべて“00h”に設定される。
Figure 2008010125
データリードイン領域内のR物理フォーマット情報ゾーンは、PSN 261888(03 FF00h)を起点とする7個のPSブロック(224物理セクタ)で構成される。R物理情報ゾーンにおける最初のPSブロックの内容は、7回繰り返される。R物理フォーマット情報ゾーンにおけるPSブロックの構成を図23に示す。
データリードイン領域内の物理フォーマット情報の内容を表11に示す。表11はシステムリードイン領域内の物理フォーマット情報の内容を示す表4と同じである。BP0〜BP3はシステムリードイン領域内の物理フォーマット情報からコピーされる。BP4〜BP15のデータ領域配置は表13とは異なり、表12に示す。BP16〜BP2047はシステムリードイン領域内の物理フォーマット情報からコピーされる。
Figure 2008010125
Figure 2008010125
《ミドル領域》
ミドル領域の構造は、ミドル領域拡張によって変更される。ユーザが記録したデータが少ない場合、ミドル領域を拡張することにより、ファイナライズ用のダミーデータ量を少なくすることができ、ファイナライズ時間を短縮することができる。
ミドル領域拡張の概要を図28に示す。拡張の詳細は後述する。拡張前後のミドル領域の構造を図29、図30に示す。拡張後のガードトラックゾーンのサイズは、レイヤー0のデータ領域の終了PSNに依存する。ガードトラックゾーンにおける物理セクタの数であるYおよびZの値は、表13に示す。
Figure 2008010125
レイヤー0におけるガードトラックゾーンのデータセグメントは、レイヤー1への記録前に“00h”で埋められる必要がある。レイヤー1におけるガードトラックゾーンのデータセグメントは、ディスクのファイナライズ前に“00h”で埋められる必要がある。
ドライブテストゾーンは、ドライブによるテストを目的とする。これらのゾーンは、外側のPSブロックから内側のPSブロックに記録される。レイヤー0におけるドライブテストゾーンのすべてのデータセグメントは、レイヤー1への記録前に“00h”で埋められてもよい。
ディスクテストゾーンはディスク製造者による品質テストを目的とする。
ブランクゾーンのデータセグメントは、データを含まない。レイヤー0における最も外側のブランクゾーンのサイズは、968PSブロック以上の必要がある。レイヤー1における最も外側のブランクゾーンのサイズは、2464PSブロック以上の必要がある。
《リードアウト領域》
リードアウト領域の構造を図31に示す。データリードアウト領域は外側から順にガードトラックゾーン、ドライブテストゾーン、ディスクテストゾーン、ブランクゾーンが配置されてなる。システムリードアウト領域はシステムリードアウトゾーンからなる。
ガードトラックゾーンのデータセグメントは、ディスクのファイナライズの前に“00h”で埋める必要がある。

ドライブテストゾーンは、ドライブによるテストを目的とする。これらのゾーンは、外側のPSブロックから内側のPSブロックに記録される。
ブランクゾーンのデータセグメントには、データが記録されない。
《レイヤー1のコネクション領域》
レイヤー1のコネクション領域は、データリードアウト領域とシステムリードアウト領域を接続することを目的とする。データリードアウト領域の終点物理セクタの中心線間、PSNがFE 000hであるシステムリードアウト領域の始点物理セクタの中心線間の距離は、1.36〜5.10μmの必要がある。コネクション領域には、エンボスされたピットや溝はない。
システムリードアウト領域に物理セクタとして記録されたデータフレームのすべてのメインデータは、“00h”に設定される必要がある。
《フォーマッティング》
初期化:
ディスクにユーザデータを記録する前に、RMDデュプリケーションゾーン内のRDZリードインが記録され、記録モードが選択される必要がある。
ミドル領域の拡張:
レイヤー0のミドル領域に記録する前に、ミドル領域拡張を実行することができる。ミドル領域拡張は、ミドル領域を拡大し、同時にデータ領域を縮小する。レイヤー0のデータ領域のデフォルトの終了PSNは73 DBFFhであり、レイヤー1のデータ領域のデフォルトの開始PSNは8C 2400hである。レイヤー0のミドル領域に記録する前に、ドライブは、レイヤー0のデータ領域の新しい終了PSNに対し、73 DBFFh以下のPSNを再割り当てできる。RMDフィールド0はミドル領域拡張によって更新される必要があり、レイヤー0のデータ領域の新しい終了PSNは、データ領域がファイナライズによって再配置されることを除いて、R物理フォーマット情報ゾーンに記録される必要がある。
ミドル領域拡張が実行され、レイヤー0のデータ領域の終了PSNがX(<73 DBFFh)になれば、Xのビット反転値は、レイヤー1のデータ領域の開始PSNとなる必要がある。さらに、ミドル領域のガードトラックゾーン、ドライブテストゾーンおよびブランクゾーンも再配置される(図28参照)。
レイヤー1記録前要件:
レイヤー1に記録する前に、データリードイン領域およびミドル領域に置かれるレイヤー0のガードトラックゾーンは、レイヤー0の影響(層間クロストークの発生)を避けるため、“00h”で埋められる必要がある。レイヤー0のミドル領域におけるドライブテストゾーンは “00h”で埋められることもある。これらのゾーンが“00h”で埋められる場合、RMDフィールド0の情報は更新される必要がある。
《データリードイン領域、データ領域、ミドル領域、データリードアウト領域の動作信号の測定条件》
オフセットキャンセラは次のように単層に比べて広げられている。
−3dBクローズドループ帯域:20.0kHz〜25.0kHz
単層では5kHzであったが、余裕を持たせるために帯域を広げた。
《バーストカッティング領域(BCA)コード》
BCAは、ディスク製造プロセスの完了後の記録情報の領域である。読み出し信号がBCAコード信号仕様を満たしている場合、プリピットを用いた複製プロセスを通して、BCAコードを記述することが許されている。BCAは、片面2層ディスクのレイヤー1に存在している必要がある。これは、再生専用型もレイヤー1に存在しているので、ドライブの互換性を保つためである。
《RMDの更新条件》
RMDは、以下の条件に1つでも該当する場合は、更新される必要がある。
1.RMDフィールド0で指定された内容が1つでも変更された場合
2.RMDフィールド1で指定されたドライブテストゾーンアドレスが変更された場合
3.RMDフィールド4で指定されたインビジブルRゾーン番号、最初のオープンRゾーン番号または2番目のRゾーン番号が変更された場合
4.Rゾーン♯iに最後に記録された物理セグメントのPSNと、最新のRMDに登録されたRゾーン♯iの最後に記録されたPSNの差が37888より大きくなった場合
注:RMDの更新はドライブによってデータ記録動作が進行する限り、必要はない。
2番目または4番目の条件においては、RMZの未記録部が4PSブロックに等しいかあるいはそれ未満の場合、RMDの更新は実行されるべきではない。
《ディスクの耐光性》
ディスクの耐光性は空調されたキセノンランプと、ISO−105−B02に適合する装置を用いて試験される。
試験条件…ブラックパネル温度:40℃未満
相対湿度:70〜80%
ディスク照明…基板を介する通常の照射
《記録パワー》
記録パワーには、ピークパワー、バイアスパワー1、バイアスパワー2およびバイアスパワー3の4レベルがある。これらはディスクの読み出し面への光学パワーの投射を示し、マークやスペースの書き込みに使用される。
ピークパワー、バイアスパワー1、バイアスパワー2およびバイアスパワー3は制御データゾーンに記載される。最大ピークパワーは13.0mWを越えない。最大バイアスパワー1、バイアスパワー2およびバイアスパワー3は6.5mWを越えない。
レイヤー0の記録エリア越しのレイヤー1のピークパワーであるPrecと、レイヤー0の未記録部越しのレイヤー1のピークパワーであるPunrecは、以下の要件を満たす必要がある。
|Prec − Puncec|<Punrecの10%
PrecとPunrecの両方は、13.0mWを越えないという要件を満たす必要がある。
§2 Bフォーマットの説明
Bフォーマットの光ディスク仕様
図32は青紫色レーザ光源を使うBフォーマットの光ディスクの仕様を示す。Bフォーマットの光ディスクは書き換え型(REディスク)と、再生専用(ROMディスク)と、追記型(Rディスク)に分類されるが、図32に示すように、標準のデータ転送速度以外はどのタイプでも共通の仕様であり、異なるタイプに共通の互換性のあるドライブの実現が容易である。現行DVDでは厚さが0.6nmのディスク基板2枚を張り合わせているのに対して、Bフォーマットでは、ディスクでは厚さが1.1nmのディスク基板上に記録層を設け、0.1nmの透明なカバー層で覆う構造である。片面2層媒体も規定されている。
[誤り訂正方式]
Bフォーマットではピケット(picket)コードと呼ばれるバースト誤りを効率的に検知できる誤り訂正方式を採用している。ピケットは一定間隔でメインデータ(ユーザデータ)の列に挿入される。メインデータは強力で効率的なリードソロモン符号により保護されている。ピケットはメインデータとは別の第2の非常に強力で効率的なリードソロモン符号により保護されている。復号の際は、先ずピケットが誤り訂正される。訂正情報はメインデータ内のバーストエラーの位置を推定するために使うことができる。これらの位置のシンボルはメインデータのコードワードを訂正する時に利用されるErasureと呼ばれるフラグが立てられる。
図33はピケットコード(誤り訂正ブロック)の構成を示す。Bフォーマットの誤り訂正ブロック(ECCブロック)は、Hフォーマットと同様に64Kバイトのユーザデータを単位に構成している。このデータは非常に強固なリードソロモン符号LDC(long distance code)によって保護されている。
LCDは304個のコードワードから成る。それぞれのコードワードは216個の情報シンボルと32個のパリティシンボルから成る。つまりコードワード長は248(=216+32)シンボルである。これらのコードワードはECCブロックの縦方向に2×2ごとにインターリーブしてあり、横152(=304÷2)バイト×縦496(=2×216+2×32)バイトのECCブッロクを構成している。
ピケットのインターリーブ長は155×8バイト(496バイト中に制御コードの訂正系列が8個ある)、ユーザデータのインターリーブ長は155×2バイトである。縦方向の496バイトは31行毎が記録単位とされる。メインデータのパリティシンボルは2グループのパリティシンボルが1行毎に入れ子となっている。
Bフォーマットでは、このECCブッロクに「柱」のような形で一定の間隔で埋め込むピケットコードを採り入れた。その誤りの状況を見ることよってバースト誤りを検知する。具体的には、1つのECCブロッの中に4本のピケット列を等間隔に配置した。ピケットの中にはアドレスもある。ピケットは独自のパリティを含む。
ピケット列内のシンボルも訂正する必要があるので、右3列のピケットはBIS(burst indicator subcode)によって誤り訂正符号化し、保護している。このBISは30個の情報シンボルと32個のパリティシンボルから成り、コードワード長は62シンボルである。情報シンボルとパリティシンボルの比率から、極めて強力な訂正能力があることが分かる。
BISのコードワードは、それぞれ496バイトで構成している3列のpicket列にインタリ一ブして格納する。ここで、LDCとBISの両コードが持つ1コードワード当たりのパリティシンボル数は両者とも32個で等しい。これは、1つの共通のリードソロモン復号器でLDCもBISも復号できることを意味している。
データを復号する際は、まずBISによってピケット列の訂正処理を行う。それによってバースト誤りの場所を推定し、その場所にErasureと呼ぶフラグを立てておく。これをメインデータのコードワードを訂正するときに利用する。
なお、BISコードで保護した情報シンボルは、メインデータとは別の付加的なデータチャネル(サイドチャネル)を形成している。このサイドチャネルにはアドレス情報を格納してある。アドレス情報の誤り訂正は、メインデータとは別に用意した専用のリードソロモン符号を使う。このコードは5つの情報シンボルと4つのパリティシンボルから成る。これによって、メインデータの誤り訂正体系とは独立した、高速かつ信頼性の高いアドレスの把握を可能とした。
[アドレスフォーマット]
REディスクにはCD−Rディスクと同様に記録トラックとして渦巻気のように極めて細い溝が刻まれている。記録マークを書き込むのは、その凹凸のうち、レーザ光の入射方向から見て凸の部分だけである(オングルーブ記録)。
ディスク上の絶対位置を示すアドレス情報はCD−Rディスクなどと同じようにこのグルーブをわずかにウォブル(蛇行、揺動)させることによって埋め込んでいる。信号を変調し、蛇行の形状や周期などに“1”や“0”を表すデジタルデータを載せている。図34にウォブル方式を示す。蛇行の振幅はディスク半径方向にわずか±10nmである。56ウォブル(ディスク上の長さで約0.3mm)がアドレス情報1ビット=ADIPユニット(後述)となる。
微細な記録マークをほとんど位置ズレなく書き込むには、安定で正確な記録用クロック信号を生成する必要がある。そこで、ウォブルの主な周波数成分が単一で、かつグルーブがスムーズに連続する方式に注目した。周波数が単一であれば、フィルタで抽出したウォブル成分から容易に安定な記録用クロック信号を生成できる。
この単一周波数をベースとしたウォブルにタイミング情報やアドレス情報を付加する。そのために施すのが、「変調」である。この変調方式には、光ディスク固有のさまざまな歪みがあっても誤りを起こしにくいものが選ばれる。
光ディスクで発生するウォブル信号の歪みは、原因別に整理すると次の4つとなる。
(1)ディスク雑音:製造時にグルーブの部分に生じた表面形状の乱れ(表面粗さ)、記録膜で発生する雑音、記録したデータから漏れてくるクロストーク雑音など。
(2)ウォブルシフト:記録再生装置においてウォブル検出位置が正規位置より相対的にズレることで検出感度が低下する現象。シーク動作の直後などに発生しやすい。
(3)ウォブルビート:記録したいトラックと隣接トラックのウォブル信号の間に発生するクロストーク。回転制御方式がCLV(constant linear velocity)において、隣接ウォブルの角周波数にズレがある場合に起こる。
(4)欠陥:ディスク表面のゴミや傷による局所欠陥によって生じる。
REディスクでは、これら異なる4タイプの信号歪みのすべてに対して高い耐性を備えることを条件に、異なる2つのウォブル変調方式を、相乗効果を生み出す形で組み合わせている。一般に1種類の変調方式だけでは達成が困難な、4タイプの信号歪みに対する耐性が副作用なしに得られるからである。
2つの方式とは、MSK(minimum shift keying)方式とSTW(saw tooth wobble)方式である(図35)。STWの名前は、その波形が「のこぎりの歯形」に似ていることから命名されている。
REディスクでは、合計56個のウォブルで“0”または“1”の1ビットを表現する。この56個をひとまとまりの単位、すなわちADIP(address inpre groove)ユニットと呼ぶ。このADIPユニットを83個連続して読み出すと、1つのアドレスを示すADIPワードとなる。ADIPワードは、24ビット長のアドレス情報と12ビット長の補助データ、リファレンス(校正)領域、誤り訂正用データなどから成る。REディスクでは、メインデータを記録するRUB(recording unit block、64Kバイト単位)1つ当たりに3個のADIPワードを割り当てた。
56ウォブルから成るADIPユニットは、前半と後半に大きく分けられる。ウォブル番号が0番〜17番までの前半はMSK方式、18番から55番の後半はSTW方式で、次のADIPユニットへと滑らかにつないでいる。1つのADIPユニットで1ビットを表現できる。“0”か“1”かによって、先ず前半ではMSK方式の変調を施したウォブルの位置を変え、後半ではのこぎり波の形状の向きを変えて区別している。
MSK方式の前半部分は、さらにMSK変調を施した3個のウォブルの領域と、モノトーンウォブルcos(wt)の領域に分かれる。まず0番から2番までの3個のウォブルは、どのADIPユニットでも必ず、MSK変調を施したもので始まる。これをビットシンク(ADIPユニットの開始位置を示す識別子)と呼ぶ。
それが過ぎると、次にモノトーンウォブルの連続になる。そして次に再び現れるMSK変調を施した3個のウォブルまで何個のモノトーンウォブルがあるかで、データを表す。具体的には11個の場合は“0”で、9個の場合は“1”である。ウォブル2個分のズレでデータを区別している。
MSK方式は基本波の局所的な位相変化を利用している。言い換えると、位相変化が無い領域は支配的である。この領域はSTW方式でも、基本波の位相が変化しない場所として有効に利用される。
MSK変調を施した領域はウォブル3個長の長さがある。1個目のところは、モノトーンウォブルに対して周波数を1.5倍にして(cos(1.5wt))、2個目はモノトーンウォブルと同じ周波数とし、3個目は再び周波数を1.5倍にして、位相を元に戻す。こうすると2個目(中央)のウォブルは、モノトーンウォブルに対してちょうど極性が反転し、これが検出される。1個目の始点と3個目の終点は、モノトーンウォブルとぴったり位相が合っている。従って、不連続部がない滑らかな接続が可能である。
一方、後半のSTW方式の波形は2種類ある。1つは、ディスク外周側に向かって急峻に立ち上がり、ディスク中心側へ緩い傾斜で戻ってくる波形で、もう1つは逆に緩い傾斜で立ち上がって急峻に戻る波形である。前者はデータ“0”を、後者はデーダ“1”を表す。1つのADIPユニットの中でMSK方式とSTW方式の両方を使って同じビットを指し示すことで、データの信頼性を増している。
STW方式を数学的に表現すると基本波cos(wt)に、振幅が1/4の2次高調波sin(2wt)を加算または減算したものといえる。ただし、STW方式が“0”と“1”のどちらを表すものであっても、ゼロクロス点はモノトーンウォブルと同じである。つまり、MSK方式のモノトーンウォブルの部分と共通の基本波成分からクロック信号を抽出するにあたり、その位相に全く影響を与えない。
以上のようにMSK方式とSTW方式は、互いに相手の弱点を補うように働く。
図36はADIPユニットを示す。アドレスウォブルフォーマットの基本ユニットはADIPユニットである。56NML(公称ウォブル長:Nominal Wobble Length)の各グループがADIPユニットと呼ばれる。1NMLは69チャンネルビットに等しい。異なるタイプのADIPユニットは変調ウォブル(MSKマーク)をADIPユニット内の特定の位置に挿入することにより定義される(図35参照)。83個のADIPユニットが1個のADIPワードとされる。ディスクに記録されるデータの最小区分は連続する3個のADIPワードに正確に一致する。各ADIPワードは36情報ビット(そのうちの24ビットはアドレス情報ビットである)を含む。
図37、図38は1個のADIPワードの構成を示す。
1個のADIPワードは15個のニブルを含み、図39に示すように、9個のニブルが情報ニブルである。他のニブルはADIPの誤り訂正のために使われる。15個のニブルは[15,9,7]のリードソロモン符号のコードワードを構成する。
コードワードは9個の情報ニブルからなり、6個の情報ニブルはアドレス情報を記録し、3個の情報ニブルは補助情報(例えば、ディスク情報)を記録する。
[15,9,7]のリードソロモン符号は非体系的であり、事前の知識が“Informed Decoding”によるハミング距離を増加させることができる。“Informed Decoding”とは全てのコードワードが距離7を有し、ニブルn0の全てのコードワードが共通に距離8を有するので、n0に関する事前の知識がハミング距離を増加する。ニブルn0はレイヤインデックス(3ビット)と物理セクタ番号のMSBからなる。ニブルn0が既知であれば、距離が7から8に増加する。
図40はトラック構造を示す。ここでは、片面2層構造のディスクの第1層(第1層はレーザ光源から遠い層とする)と第2層のトラック構造を説明する。プッシュプル方式のトラッキングを可能とするためにグルーブが設けられている。複数のタイプのトラック形状が用いられている。第1層レイヤL0と第2層レイヤL1はトラッキング方向が異なり、第1層では図の左から右がトラッキング方向であり、第2層では右から左がトラッキング方向となる。図の左側がディスクの内周であり、右側が外周である。第1層のストレートグルーブからなるBCA領域と、HFM(High Frequency Modulated)グルーブからなるプリ記録領域と、書き換え領域内のウォブルグルーブ領域とがHフォーマットのリードイン領域に相当し、第2層の書き換え領域内のウォブルグルーブ領域と、HFM(High Frequency Modulated)グルーブからなるプリ記録領域と、ストレートグルーブからなるBCA領域とがHフォーマットのリードアウト領域に相当する。ただし、Hフォーマットでは、リードイン領域、リードアウト領域はグルーブ方式ではなくプレピット方式で記録されている。HFMグルーブは層間クロストークが生じないように、第1層と第2層とで位相をずらしている。
図41は記録フレームを示す。図33に示したように、ユーザデータは64Kバイトの区分毎に記録される。ECCクラスタの各行はフレームシンクビットとDCコントロールビットを付加することにより記録フレームに変換される。各行の1240ビット(155バイト)のストリームは次のように変換される。1240ビットのストリームは先頭に25ビットのデータが配置され、以下は45ビットのデータに分割され、20ビットのフレームシンクが25ビットのデータの前に付加され、25ビットのデータの後ろに1ビットのDCコントロールビットが付加され、以下同様に45ビットのデータの後ろに1ビットのDCコントロールビットが付加される。最初の25ビットのデータを含むブロックがDCコントロールブロック#0とされ、以下、45ビットのデータと1ビットのDCコントロールビットがDCコントロールブロック#1、#2、…#27とされる。496個の記録フレームが物理クラスタと称される。
記録フレームは2/3のレートで1−7PP変調される。先頭のフレームシンクを除いた1268ビットに変調規則を適用し、1902チャンネルビットとし、それ全体の先頭に30ビットのフレームシンクを付加する。すなわち、1932チャンネルビット(=28NML)が構成される。チャンネルビットはNRZI変調されてディスクに記録される。
フレームシンクの構造
各物理クラスタは16個のアドレスユニットを含む。各アドレスユニットは31個の記録フレームを含む。各記録フレームは30チャンネルビットのフレームシンクで始まる。フレームシンクの最初の24ビットは1−7PP変調規則に違反する(9Tの2倍のランレングスを含む)。1−7PP変調規則とは(1,7)PLL変調方式を用い、Parity Preserve/ProhibitPMTR(repeated minimum transition runlength)を行うものである。Parity Preserveは符号のいわゆるDC(直流)成分の制御(符号のDC成分を減らす)を行う。フレームシンクの残りの6ビットは変化し、7フレームシンクFS0、FS1、…FS6を識別する。これらの6ビットの記号は偏移量に関する距離が2以上であるように選ばれる。
7個のフレームシンクは16個のアドレスユニットだけよりも詳細な位置情報を得ることを可能とする。もちろん、7個の異なるフレームシンクだけでは31個の記録フレームを識別するのが不十分である。したがって、31個の記録フレームから、各フレームが自身のフレームシンクと4個の先行するフレームのいずれかのフレームシンクとの組み合わせにより識別できるように、7個のフレームシンクシーケンスが選択される。
図42は記録ユニットブロックRUBの構造を示す。記録の単位はRUBと呼ばれる。同図(a)に示すように、RUBは40ウォブルのデータ・ラン・インと、496×28ウォブルの物理クラスタと、16ウォブルのデータ・ラン・アウトからなる。データ・ラン・インとデータ・ラン・アウトは完全にランダムな上書きを容易にするために十分なデータバッファリングを可能とする。RUBは1個1個記録されてもよいし、あるいは同図(b)に示すように複数のRUBが連続して記録されてもよい。
データ・ラン・インは主に3T/3T/2T/2T/5T/5Tの繰り返しパターンからなり、この中に2つのフレームシンク(FS4、FS6)が次の記録ユニットブロックの開始位置を示すインジケータとして互いに40cbs離間している。
データ・ラン・アウトはFS0で開始し、FS0の次にデータの終了を示す9T/9T/9T/9T/9T/9Tパターンが続き、主に3T/3T/2T/2T/5T/5Tの繰り返しパターンからなる。
図43はデータ・ラン・インとデータ・ラン・アウトの構造である。
図44はウォブルアドレスに関するデータの配置を示す図である。物理クラスタは496フレームである。データ・ラン・インとデータ・ラン・アウトの合計の56ウォブル(NWL)は2×28ウォブルであり、2個の記録フレームに相当する。
1RUB=496+2=498記録フレーム
1ADIPユニット=56NWL=2記録フレーム
83ADIPユニット=1ADIPワード(1ADIPアドレスを含む)
3ADIPワード=3×83ADIPユニット
3ADIPワード=3×83×2=498記録フレーム
追記型のディスクではデータを記録する際に、既に記録されているデータに連続して次のデータを記録することが必要である。データの間に隙間が生じると、再生できなくなる。そこで、後続記録フレームの最初のデータ・ラン・イン領域を先行記録フレームの最後のデータ・ラン・アウト領域に重ねて記録(上書き)するために、図45に示すようにデータ・ラン・アウト領域の最後にガード3領域を配置する。同図(a)は1個の物理クラスタだけ記録する場合であり、同図(b)は複数の物理クラスタを連続して記録する場合であり、最後のクラスタのラン・アウトの後だけガード3領域を設ける。このように、単独で記録された各記録ユニットブロック、あるいは連続して記録された複数の記録ユニットブロックはガード3領域で終結される。ガード3領域は2つの記録ユニットブロック間に未記録領域がないことを保証する。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の第1の実施形態にかかる2層光ディスクの構成の一例を説明する概略断面図 本発明の実施形態が適用可能な2層光ディスクの構成の一例を説明する概略断面図 本発明の第2の実施形態にかかる2層光ディスクの構成の一例を説明する概略断面図 再生信号のオントラックレベルの測定結果を表すグラフ プッシュプル信号振幅の測定結果を表すグラフ SbERの測定結果を表すグラフ 再生信号のオントラックレベルの測定結果を表すグラフ プッシュプル信号振幅の測定結果を表すグラフ SbERの測定結果を表すグラフ 再生信号のオントラックレベルの測定結果を表すグラフ プッシュプル信号振幅の測定結果を表すグラフ SbERの測定結果を表すグラフ 追記形情報記憶媒体内にあるRMDディプリケーションゾーンRDZと記録位置管理ゾーンRMZ内のデータ構造を示す図 本発明の情報記録再生装置の一実施形態の構造説明図。 追記形情報記憶媒体におけるボーダー領域の他の構造を示す図。 追記形情報記憶媒体におけるボーダー領域の構造を示す図。 制御データゾーンCDZとR物理情報ゾーンRIZ内のデータ構造を示す図。 ウォブル変調における180度位相変調とNRZ法の説明図。 記録膜の形状と寸法の特徴説明図。 追記形情報記憶媒体におけるウォーブルアドレスフォーマット説明図 ウォブルシンクパターンとウォブルデータユニット内の位置関係の比較説明図。 追記形情報記憶媒体でのウォブルアドレス情報内のデータ構造に関する説明図。 本発明の第2の実施形態としての追記型の片面2層ディスクの断面図 リードイン領域の構造を示す図。 データリードイン領域内のRMDデュプリケーションゾーンのレイアウトを示す図。 データリードイン領域内の記録位置管理ゾーン(L−RMD)のデータ構造を示す図。 データリードイン領域内のR−物理フォーマット情報ゾーン(R−PFIZ)のPSブロックの構造を示す図。 拡張前後のミドル領域の構成を示す図。 拡張前のミドル領域の構成を示す図。 拡張後のミドル領域の構成を示す図。 リードアウト領域の構造を示す図。 Bフォーマットの光ディスクの仕様説明図。 Bフォーマットにおけるピケットコード(誤り訂正ブロック)の構成を示す図。 Bフォーマットにおけるウォブルアドレスの説明図。 MSK方式とSTW方式を組み合わせたウォブルアドレスの詳細な構造を示す図。 56個のウォブルのひとまとまりの単位であり、“0”または“1”の1ビットを表現するADIPユニットを示す図。 83個のADIPユニットからなり、1つのアドレスを示すADIPワードを示す図。 ADIPワードを示す図。 ADIPワードに含まれる15個のニブルを示す図。 Bフォーマットのトラック構造を示す図。 Bフォーマットの記録フレームを示す図。 記録ユニットブロックの構造を示す図。 データ・ラン・インとデータ・ラン・アウトの構造を示す図。 ウォブルアドレスに関するデータの配置を示す図。 データ・ラン・アウト領域の最後に配置されるガード3領域の説明図。
符号の説明
11,21,31…第1の基板、19,29,40…第1の記録層、20,30,41…第2の記録層、18,27,39…第2の基板、12,22,32…第1の色素層、13,23,33…第1の反射層、15,25,36…第2の色素層、16,26,37…第2の反射層、42,44…ランド、43,45…グルーブ

Claims (8)

  1. 内周側から順にデータリードイン領域、データ領域、データリードアウト領域が配置され、
    前記データリードイン領域には記録管理データを記録する記録管理ゾーンが形成され、
    前記記録管理ゾーンの拡張領域がデータ領域に形成され、
    前記データリードイン領域には記録管理ゾーンの拡張領域の位置を管理する記録管理データ複製ゾーンが形成され、
    情報の記録再生に使用するレーザ光は390nm以上420nm以下の範囲の波長を有し、
    光入射側から、各々、同心円またはスパイラル形状のグルーブ及びランドが形成された、第1の基板、第1の記録層、第2の記録層、及び第2の基板を有し、
    前記第1の記録層は、光入射側から第1の色素層及び第1の反射層を有し、前記第2の記録層は、光入射側から第2の色素層及び第2の反射層を有し、
    前記第1の色素層及び第2の色素層は、前記波長範囲のレーザ光に光吸収を有する情報記録媒体であって、
    前記第1の記録層が形成された前記第1の基板のグルーブの深さH1(nm)および前記第2の記録層が形成された前記第2の基板のグルーブの深さH2(nm)とし、前記第1の色素層のランド領域の厚さH11(nm)及び前記第1の色素層のグルーブの底領域の厚さH12(nm)、前記第2の記録層のランド領域の厚さH21(nm)および前記第2の記録層のグルーブの底領域の厚さH22(nm)とし、H11−H12の絶対値をα、H21−H22の絶対値をβとしたとき、
    前記第1の基板のグルーブの深さH1、及び前記第2の基板のグルーブの深さH2は、下記式(1)ないし(4)を満たすことを特徴とする情報記録媒体。
    |H11−H12|=α …(1)
    |H21−H22|=β …(2)
    λ/8n≦H1−α≦λ/3n …(3)
    λ/8n≦H2−β≦λ/3n …(4)
    (λ:レーザ光波長、n:基板の屈折率)
  2. 前記第1の基板は、580μm以上600μm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 前記第1の記録層と前記第2の記録層の間に、さらに接着層を含み、該接着層は、20μm以上35μm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体。
  4. 前記第1の記録層及び前記第2の記録層に形成されたグルーブの半値幅が0.1以上0.3μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  5. 前記範囲の波長を有するレーザ光に対して、第1の記録層からの反射率、及び第2からの記録層の反射率は、3%以上10%以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  6. 前記第1の記録層からの反射率に対して前記第2の記録層からの反射率は0.8倍以上1.2倍以下であることを特徴とする請求項5に記載の情報記録媒体。
  7. 前記第1の記録層及び第2の記録層において、ランド領域のみに記録を行なうことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の情報記録媒体を再生するためのディスク装置。
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