以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は、本発明が適用されてなる救急診療支援電子カルテシステムの第1実施形態を示している。当該救急診療支援電子カルテシステムは、図1〜図3にて示すごとく、可搬式保管庫100を備えている。なお、図1において、紙面の手前側及び奥側が、当該可搬式保管庫100の前側及び後側に対応する。また、図1において、図示左側及び右側が、当該可搬式保管庫100の右側及び左側に対応する。また、保管庫100の高さは、設置面から約50cmである。
この保管庫100は、保管庫本体110を有しており、当該保管庫本体110は、図4〜図6から分かるように、外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cでもって構成されている。
外側筐体110aは、四角筒状の周壁111の下端開口部を底壁112でもって閉じるように構成されている。周壁111は、前壁111a、後壁111b、左壁111c及び右壁111dでもって四角筒状となるように接合して構成されている。
ここで、前壁111aは、その左右両側縁部にて、左壁111c及び右壁111dの各前縁部に接着剤でもって接合されている。また、後壁111bは、各左右両側縁部にて、左壁111c及び右壁111dの各後側縁部に接着剤でもって接合されている。また、底壁112は、その外周縁部にて、周壁111の下端開口部に接着剤でもって嵌合されている。
本第1実施形態では、周壁111の前壁111a、後壁111b、左壁111c及び右壁111d並びに底壁112は、それぞれ、長方形状の桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されている。
このように桐板を採用するのは、当該桐板は、桐タンス等に使用されているように、防水性、耐熱性、軽量性、保温性及び耐衝撃性に富むという固有の特性を有するためである。また、上述のように、桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸することとしたのは、メタルシリコン系難燃溶液は、その含浸により、桐板に良好な耐熱性を与えるためである。例えば、メタルシリコン系難燃溶液を含浸した桐板は、鉄の溶融温度に近いかなり高い耐熱温度を有し、例えば1200℃の炎に10分間晒されても、十分に良好な難燃性を発揮し得る。換言すれば、メタルシリコン系難燃溶液を含浸した桐板は、高い熱勾配を有し保管箱100内に熱を伝えにくい特性を有する。
また、周壁111及び底壁112を構成する各桐板としては、外部からの強い衝撃力を良好に緩和或いは吸収することができ、かつ汎用性の高い板厚12mmの桐板が採用されている。
中側筐体110bは、外側筐体110aに嵌装されているもので、この中側筐体110bは、四角筒状周壁113の下端開口部を底壁114でもって閉じるように構成されている。周壁113は、前壁113a、後壁113b、左壁113c及び右壁113dを、四角筒状となるように接合して形成されている。
ここで、当該周壁113の前壁113a、後壁113b、左壁113c及び右壁113dは、それぞれ、長方形状の鉄板でもって形成されており、前壁113aは、左右両側縁部にて、左壁113c及び右壁113dの各前縁部にスポット溶接でもって接合されている。また、後壁113bは、左右両側縁部にて、左壁113c及び右壁113dの各後側縁部にスポット溶接でもって接合されている。なお、周壁113の上端面113e(中側筐体110bの上端開口部の開口端面)は、周壁111の上端面111e(外側筐体110aの上端開口部の開口端面)と同一の面内に位置する。
底壁114は、長方形状の鉄板でもって形成されており、この底壁114は、その外周縁にて、周壁113の下端開口部にスポット溶接でもって接合して嵌合されている。なお、周壁113及び底壁114を構成する各鉄板としては、汎用性の高い板厚1.2mmの鉄板が採用されている。
内側筐体110cは、中側筐体110bに嵌装されているもので、この内側筐体110cは、四角筒状周壁115の下端開口部を底壁116でもって閉じるように構成されている。
周壁115は、前壁115a、後壁115b、左壁115c及び右壁115dを、四角筒状となるように接合して形成されている。ここで、前壁115aは、左右両側縁部にて、左壁115c及び右壁115dの各前側縁部に接着剤でもって接合されている。また、後壁115bは、左右両側縁部にて、左壁115c及び右壁115dの各後側縁部に接着剤でもって接合されている。また、底壁116は、その外周縁部にて、周壁115の下端開口部内に接着剤でもって接合されている。
また、内側筐体110cの周壁115は、その上端面115e(内側筐体110cの上端開口部の開口端面)にて、中側筐体110bの周壁113の上端面113e(中側筐体110bの上端開口部の開口端面)よりも、上方に突出している。このことは、周壁115の上端面115eが、周壁113の上端面113eよりも上方に位置することを意味する。これにより、各周壁111、113及び115の上端面(各周壁111、113及び115の全上端開口部の上端面)が、全体として、図4〜図6にて例示するような断面階段状に形成される。
但し、周壁115において、上端面115eは、図4〜図6にて例示するごとく、周壁113の上端面113eから上方へかつ内方に向け傾斜状に形成されて、傾斜面115fとなっている。なお、保管庫本体110の上端開口部の開口端面が、周壁111の上端面111e、周壁113の上端面113e及び周壁115の上端面115eでもって構成される。
また、本第1実施形態では、周壁115の前壁115a、後壁115b、左壁115c及び右壁115d並びに底壁116は、それぞれ、長方形状の杉板により形成されている。このように杉板を採用したのは、杉板が、桐板に準ずるような木材としての特性を有し、かつ当該桐板よりも曲げ応力に強く低コストであるためである。また、周壁115及び底壁116を構成する各杉板としては、汎用性の高い板厚12mmの杉板が採用されている。
また、保管庫本体110は、4つのキャスター110dを備えており、これら各キャスター110dは、それぞれ、外側筐体110aの底壁112の四隅に装着されている。
当該保管庫100は、外蓋120及び内蓋130を備えており、これら外蓋120及び内蓋130は、保管庫本体110の開口部を開閉する2重蓋構造を構成する。
外蓋120は、四角環状枠体120aの中空部内に四角板状の蓋壁120bを嵌着して構成されており、この外蓋120は、図4にて示すごとく、枠体120aの右端部にて、蝶番120cを介し、外側筐体110aの右壁111dの上端部に上下方向に傾斜状に開閉可能に支持されている。
枠体120aは、前後左右の枠板部を接着剤でもって四角環状に接着して形成されている。当該枠体120aの各枠板部は、桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されており、枠体120aの下端面は、図4〜図6にて示すごとく、周壁111、113及び115の各上端面の全体としての断面階段形状とは、逆の断面階段形状となるように形成されている。詳細には、枠体120aの下端面(枠体120a或いは外蓋120の下端開口部の下端面)は、周壁111、113の各上端面に接合する外側端面121、周壁115の傾斜面115fに接合する傾斜端面122及び周壁115の上端面に接合する内側端面123でもって構成されている。これは、枠体120aの下端面を周壁111、113及び115の各上端面に気密的かつ液密的に一様に接合させるためである。換言すれば、枠体120a(外蓋120)の下端開口部を保管庫本体110の上端開口部に気密的かつ液密的に嵌合させるためである。
蓋壁120bは、図4〜図6にて示すごとく、内壁部124、中壁部125及び外壁部126を順次積層して構成されており、中壁部125は、内壁部124上に接着剤でもって接着されている。また、外壁部126は、中壁部125上に接着剤でもって接着されている。また、内壁部124、中壁部125及び外壁部126は、その各外周端面にて、枠体120aの中空部内面に接着剤でもって接着されている。
なお、外壁部126は、厚さ12mmの桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されている。また、中壁部125は、板厚1.2mmの鉄板でもって形成されている。また、内壁部124は、板厚12mmの杉板でもって形成されている。
内蓋130は、桐板で形成されており、この内蓋130は、図5にて示すごとく、基端部131にて、蝶番130aを介し、周壁115の左壁115cの上端部に上下方向に開閉可能に支持されている。また、内蓋130は、閉じたとき、図1〜図4にて示すごとく、その先端部132にて、長手状の受け部材117上に支持されるようになっている。ここで、長手状の受け部材117は、周壁115の右壁115dの上端部の内面に沿い前後方向に固着されている。
蝶番130aは、両金属板133、134を金属ロッド135に回動可能に連結してなるもので、金属板133は、周壁115の左壁115cの上端部の内面に沿い前後方向に装着されている。
また、金属板134は、金属ロッド135から内蓋130の基端部131に向けて延出してなるもので、この金属板134は、各周壁111、113及び115の上端面に一様に当接するような断面階段形状に形成されている。
具体的には、金属板134は、基板部134a、内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dでもって構成されている。基板部134aは、金属ロッド135から回動可能に延出している。内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dは、内板部134bから外板部134dにかけて、左壁115SC113c及び111cの各上端面に一様に当接するように、断面階段状に形成されている。
換言すれば、基板部134aを金属板133に沿わせるように金属板134を回動させたとき、内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dが、それぞれ、左壁115c、113c及び111cの各上端面に一様に当接するように、金属板134の断面形状が、断面階段状に形成されている。なお、金属板133、134及び金属ロッド135は、鉄でもって形成されている。
また、保管庫100は、両ストッパー部材140及び支持体150を備えている。両ストッパー部材140は、長手状のもので、これら両ストッパー部材140は、図2にて示すごとく、内蓋130の対角線方向に沿い互いに平行となるように、内蓋130の外面136上に突設されている。
支持体150は、図2或いは図3にて示すごとく、支持板150aと、キャスター150bとを備えており、支持板150aは、その基端部にて、蝶番150cを介し、外側筐体110aの左壁111cの後端部に横方向に回動可能に支持されている。なお、支持板150aは、両ストッパー部材140の各対向面の間隔よりも幾分狭い板厚を有する。
キャスター150bは、図1及び図3にて示すごとく、支持板150aの基端部から離れた位置にて当該支持板150aの下端部に取り付けられている。これにより、支持板150aは、設置面上においてキャスター150bにより横方向に回動可能に支持される。
また、当該救急診療支援電子カルテシステムは、図1にて示すごとく、保管庫100内に収納してなるカメラ200、診療用機器300及び端末400を備えている。
カメラ200は、患者の患部を撮影して、この患者の画像を画像データとして取得するために用いられる。診療用機器300は、血圧計300a、体温計300b、心拍計300c、ハブ300d及び両医療データ送信機300e、300f(図10参照)からなるもので、血圧計300a、体温計300b及び心拍計300cは、患者の血圧、体温及び心拍を測定するために用いられる。
ハブ300dは、血圧計300a、体温計300b及び心拍計300c並びにカメラ200及びプリンター500(後述する)を端末400に接続する中継素子として、電源ケーブルC1及び接続ケーブルC2(図10参照)と共に、診療用機器300に含まれている。
また、両医療データ送信機300e、300fは、端末400で作成した医療データを送信するものである。
端末400は、携帯型パーソナルコンピュータからなるもので、この端末400は、図1にて示すごとく、内蓋130の下面に保管庫本体110内から着脱可能に取り付けられている。
当該端末400は、図10にて示すごとく、制御回路400a、駆動回路400b及び液晶パネル400c(以下、LCD400cともいう)の他、キーボードやマウス(図示しない)を備えている。なお、当該キーボードやマウスが、本発明にいう操作手段に対応する。
制御回路400aは、マイクロコンピュータからなるもので、このマイクロコンピュータ(以下、マイクロコンピュータ400aともいう)は、図10にて示すごとく、バスライン401を介し接続した入力側インターフェース402(以下、入力側I/F402ともいう)、入力側I/F403、CPU404、ROM405、RAM406及びI/F407を備えている。
しかして、マイクロコンピュータ400aは、CPU404により、図11にて示すフローチャートにより特定される電子カルテ作成プログラムを実行し、後述のような種々の演算処理を行う。なお、上記電子カルテ作成プログラムは、マイクロコンピュータ400aのROM405に読み出し可能に予め記憶されている。
LCD400cは、マイクロコンピュータ400aによりCPU404でもって駆動回路400bを介し駆動制御されて、画面(図25〜図29参照)にて、表示データを表示する。
しかして、当該端末400は、カメラ200及び診療用機器300に接続することにより、カメラ200により取得された画像データ及び診療用機器300の血圧計300a、体温計300b及び心拍計300cにより計測された血圧、心拍、体温を診断データとして取得し、これらの診断データを液晶パネルの画面に表示する。
また、当該救急診療支援電子カルテシステムは、図1にて示すごとく、保管庫100に収納してなるプリンター500及び緊急医療品収納箱600を備えている。プリンター500は、マイクロコンピュータ400aによる制御のもと、その出力データを印刷する。緊急医療品収納箱600には、緊急時に必要とされる包帯、注射器や医薬品(降圧剤、風邪薬、傷薬等)等が収納されている。
また、当該救急診療支援電子カルテシステムは、図12にて示すごとく、電源装置PSを備えており、この電源装置PSは、ハイブリッド発電装置PS1、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3、予備蓄電池PS4及び人力発電装置PS5を有する。
これらハイブリッド発電装置PS1、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3、予備蓄電池PS4及び人力発電装置PS5のうち、ハイブリッド発電装置PS1は、人力発電装置PS5と共に、例えば、災害対策地域の避難所に保管されている。また、燃料電池PS2及び予備蓄電池PS4は、ハイブリッド発電装置PS1に内蔵されている。なお、ハイブリッド発電装置PS1及び人力発電装置PS5の保管は、上述の災害対策地域の避難所に限ることなく、例えば、町内防災倉庫であってもよい。また、車載蓄電池PS3としては、災害対策地域の避難所の近辺の自動車に搭載の蓄電池が挙げられる。
ハイブリッド発電装置PS1は、図13にて示すごとく、風車1000を備えており、この風車1000は、柱状支持体2000の軸方向上側部位に着脱可能にユニットとして支持されている。
風車1000は、3つの上側羽根部材1100及び3つの下側羽根部材1200を備えている。各上側羽根部材1100は、各対応の上下両側アーム部材1300、1400でもって、柱状支持体2000の軸方向上側部位に支持されるとともに、各下側羽根部材1200は、各対応の上下両側アーム部材1500、1600でもって、柱状支持体2000の軸方向上側部位に支持されている(図13及び図14参照)。ここで、各上側羽根部材1100は、各下側羽根部材1200の上側にて、柱状支持体2000の軸方向上側部位に支持されている。
各上側羽根部材1100は、共に、同一の構成を有するので、これら各上側羽根部材1100の1つを例に挙げてその構成につき詳細に説明する。
当該上側羽根部材1100は、図13、図14及び図15のいずれかにて示すごとく、ダリウス型羽根1110及び表裏両側太陽電池SCを備えている。羽根1110は、図13〜図15から分かるように、表壁A、裏壁B及び両側壁C、Dでもって、頭部Eから尾部Fにかけて断面流線型状に形成されている。
具体的には、当該羽根1110が風の中に位置するとき、この羽根1110の周りには渦が発生せずかつ風から受ける抵抗が最も小さくなる断面形状となるように、羽根1110は、大きな曲率半径の断面形状の頭部Eから小さな曲率半径の尾部Fにかけて細くなるような断面形状でもって形成されている(図15及び図16参照)。換言すれば、当該羽根1110においては、表壁A及び裏壁Bが、頭部E及び尾部Fを共通にして、頭部E側にて互いに大きく離れ尾部Fにかけて互いに近づくように形成されている。
このように構成した羽根1110によれば、空気が、図16にて矢印Brにより示すごとく、当該羽根1110にその頭部Eに向けて流れるとすると、この空気は、頭部Eにて分かれ、羽根1110の表壁A及び裏壁Bの双方に沿い尾部Fに向けて流れる。このとき、表壁Aに沿う空気の流れは、裏壁Bに沿う空気の流れよりも速い。
ここで、羽根1110に対する風力の作用点をPとし当該羽根1110の回転中心をOrとすれば、揚力Fuは、図16にて示す方向に向けて羽根1110に作用点Pを基準として作用する。このため、揚力Fuによる回転力Frが、羽根1110の回転中心Or及び作用点Pを通る垂線Leに対する法線方向に作用する。これにより、羽根1110は、回転中心Orを中心として、空気の流れ(矢印Br参照)とは逆方向に向けて回転する。
表裏両側太陽電池SCは、羽根1110の表壁A及び裏壁Bにそれぞれ配設されている(図13、図14及び図15参照)。
表側太陽電池SCは、一対の太陽電池部SCa、SCbを有しており、これら一対の太陽電池部SCa、SCbは、それぞれ、図17にて示すごとく、12枚の薄膜状ソーラーセルSC1〜SC12を、羽根1110の表壁Aに頭部E側及び尾部F側にて貼着して構成されている。なお、各ソーラーセルSC1〜SC12は、太陽光を受けて、その受光量に応じた電力を発生する。
ここで、一対の太陽電池部SCa、SCbの各々において、各ソーラーセルSC1〜SC12は、ソーラーセルSC1からソーラーセルSC12にかけて順次直列接続されている。また、一対の太陽電池部SCa、SCbは、各ソーラーセルSC1にて、正側共通電極Dpに接続され、各ソーラーセルSC12にて、負側共通電極Dnに接続されている。なお、正側共通電極Dpは、両ソーラーセルSC1の間にて羽根1110の表壁Aに貼着され、負側共通電極Dnは、両ソーラーセルSC12の間にて羽根1110の表壁Aに貼着されている。
裏側太陽電池SCも、表側太陽電池SCと同様に構成されて、羽根1110の裏壁Bに貼着されている(図15参照)。
上側アーム部材1300は、図15或いは図18にて示すごとく、板状アーム1310及び蝶番1320を備えている。板状アーム1310は、その内端部1311にて、中空軸状回転部材1700の上側環状部材1720(後述する)に連結支持されており、この板状アーム1310は、内端部1311から上側環状部材1720の外方へ半径方向に延出されている。
蝶番1320は、図15にて示すごとく、軸1321を介し両連結板1322、1323を回動可能に連結してなるもので、連結板1322は、羽根1100の側壁Cの回転方向中央部に固着され、連結板1323は板状アーム1310の延出端部1312に固着されている。これにより、羽根1100は、その側壁Cの回転方向中央部にて、上側アーム部材1300により、上側環状部材1720に対し柱状支持体2000の半径方向に連結されている。
一方、下側アーム部材1400は、図18或いは図19にて示すごとく、板状アーム1410及び各蝶番1420、1430、1440を備えている。板状アーム1410は、その内端部1411にて、中空軸状回転部材1700の中間側環状部材1730(後述する)に連結されている。
蝶番1420は、軸1421を介し両連結板1422、1423を回動可能に連結してなるもので、連結板1422は、板状アーム1410の延出端部1412に固着されている。蝶番1430は、軸1431を介し両連結板1432、1433を回動可能に連結してなるもので、連結板1432は、羽根1100の側壁Dの回転方向中央部に固着されている。
また、蝶番1440は、軸1441を介し両連結板1442、1443を回動可能に連結してなるもので、この蝶番1440は、両連結板1442、1443にて、蝶番1420の連結板1423及び蝶番1430の連結板1433に連結されている。これにより、羽根1100は、その側壁Dの回転方向中央部にて、下側アーム部材1400により、中間側環状部材1730に対し柱状支持体2000の半径方向に連結されている。
ここで、各蝶番1420、1440、1430が、図19にて実線で示すごとく、共に、直線状となっている状態では、下側アーム部材1400の全長は、上側アーム部材1300の全長よりも長い。このため、羽根1100は、図12及び図19にて示すごとく、側壁Dを側壁Cよりも柱状支持体2000の半径方向に外方へ位置させるようにして、上下両側アーム部材1300、1400により、所定の傾斜角度だけ、傾斜して支持される。なお、当該所定の傾斜角度は、柱状支持体2000の軸を基準として、例えば、15°である。
また、羽根1100がその側壁D側にて柱状支持体2000に向けて押動されると、下側アーム部材1400において、蝶番1440が、軸1441にて上方へ変位するように、両連結板1442、1443にて、蝶番1420の連結板1423及び蝶番1430の連結板1433と共に、図19にて互いに上方へ回動されて、図19にて二点鎖線で示すごとく当接する。このことは、下側アーム部材1400が縮小されて、羽根1100が、柱状支持体2000の軸とほぼ平行となるように折りたたまれることを意味する。換言すれば、風車1000の各羽根部材の折りたたみでもって、当該風車1000の収納が容易となる。
残りの各上側羽根部材1100及び各対応の上下両側アーム部材1300、1400も、上述した羽根部材1000及び上下両側アーム部材1300、1400と同様に構成されて、柱状支持体2000の上側環状部材1720及び中間側環状部材1730に連結支持されている。
但し、各上下両側アーム部材1300、1400は、柱状支持体2000の軸周りに、等角度間隔(120°間隔)でもって、当該柱状支持体2000から半径方向に延出されている。このため、各上側羽根部材1100も、同様に、柱状支持体2000の軸周りに、等角度間隔にて支持されている。
各下側羽根部材1200は、各上側羽根部材1100と同様に構成されている。また、各上側アーム部材1500は各下側アーム部材1400と同様に構成されて柱状支持体2000の中間側環状部材1730に連結支持されており、各下側アーム部材1600は各上側アーム部材1300と同様に構成されて柱状支持体2000の下側環状部材1740に連結支持されている。
このため、各上側アーム部材1500が、各下側アーム部材1400と同様に直線状に伸びている状態では、各対応の下側アーム部材1600よりも、柱状支持体2000の半径方向に沿いその外方へ長く延出している。従って、各下側羽根部材1200は、側壁Cにて、側壁Dよりも柱状支持体2000の半径方向に沿いその外方に位置するように上記所定の傾斜角度だけ傾斜して、各対応の上下両側アーム部材1500、1600により支持されている。
また、羽根1200がその側壁D側にて柱状支持体2000に向けて押動されると、上側アーム部材1500が下側アーム部材1400と同様に縮小されて、羽根1200が、柱状支持体2000の軸とほぼ平行となるように折りたたまれる。
但し、各上下両側アーム部材1500、1600は、各対応の上下両側アーム部材1300、1400とは、所定のずれ角度(例えば、60°)だけ、柱状支持体2000の軸周りに、位置ずれし、かつ等角度間隔(120°間隔)でもって、当該柱状支持体2000から半径方向に延出されている。このため、各下側羽根部材1200も、同様に、柱状支持体2000の軸周りに、各上側羽根部材1100とは、所定のずれ角度(60°)だけ、柱状支持体2000の軸周りに、位置ずれし、かつ等角度間隔にて支持されている(図13参照)。
以上のように構成した風車1000においては、各羽根部材1100、1200の全ての表裏両側太陽電池SCが、太陽発電装置SGA(図12参照)を構成する。
また、中空軸状回転部材1700は、円柱状支柱2120に同軸的かつ回転自在に支持されており、この中空軸状回転部材1700は、図18にて示すごとく、筒体1710、上側環状部材1720、中間側環状部材1730及び下側環状部材1740を備えている。筒体1710は、金属製円筒からなるもので、この筒体1710は、円柱状支柱2120に嵌装されて、金属製段付き筒体2400(後述する)上にて、下側環状部材1740及び上側環状部材1720を介し同軸的に支持されている。
上側環状部材1720は、金属製筒状ボス1721、金属製環状板1722及びボールベアリング1723を備えている。ボス1721は、小径穴部1721aにて、筒体1710の上端部1711に同軸的に嵌着されており、当該ボス1721は、小径穴部1721aの上端部から内方へ環状に突出する鍔部1721bにて、筒体1710の上端部1711上に着座している。
また、ボス1721は、小径穴部1721aの直上に形成した大径穴部1721cにて、ボールベアリング1723を介し、円柱状支柱2120の上端部に同軸的にかつ回転自在に嵌装支持されている。ボールベアリング1723は、その内輪にて、円柱状支柱2120の上端部に嵌着した環状カラー1723aでもって抜け止めされている。なお、図18にて、符号1724は、断面U字状の蓋を示しており、この蓋1724は、その開口部にて、円柱状支柱2120の上端部及びボールベアリング1723を覆うように、ボス1721の上端部に嵌装されている。
金属製環状板1722は、その内周縁部1722aにて、ボス1721に同軸的に嵌装されて、このボス1721の外周壁から突出する環状鍔部1725に上方から固着されており、この環状板1722上には、各上側アーム部材1300の内端部1311が装着されている。これにより、上側環状部材1720は、環状板1722により、各上側アーム部材1300を円柱状支柱2120の軸に直交するように支持する。
中間側環状体1730は、円筒状ボス1731及び環状板1732を有しており、円筒状ボス1731は、筒体1710の軸方向中間部位に同軸的に嵌着されている。環状板1732は、円筒状ボス1731の下端部から半径方向に沿い外方へ延出しており、この環状板1732の上面には、各下側アーム部材1400の板状アーム1410の内端部1411が装着され、一方、環状板1732の下面には、各上側アーム部材1500の板状アーム(板状アーム1410に対応)の内端部が装着されている。これにより、中間側環状体1730は、環状板1732により、各下側アーム部材1400の板状アーム1410及び各上側アーム部材1500の板状アームを、円柱状支柱2120の軸に直交するように支持する。
下側環状部材1740は、金属製筒状ボス1741、金属製環状板1742及びボールベアリング1743を備えている。筒状ボス1741は、その中径穴部1741aにて、筒体1710の下端部1712に同軸的に嵌着されており、当該ボス1741は、小径穴部1741b上に着座している。なお、中径穴部1741aは、小径穴部1741bの直上にてボス1741の中空部内に形成されている。
また、ボス1741は、大径穴部1741cにて、ボールベアリング1743を介し、円柱状支柱2120の下部に同軸的にかつ回転自在に嵌装支持されている。ボールベアリング1743は、その内輪にて、金属製段付き筒体2400の小径部2410の端部上に着座して抜け止めされている。
金属製環状板1742は、その内周縁部1742aにて、ボス1741の小径部1741dに同軸的に嵌装されて、ボス1741の大径部1741eに上方から固着されており、この環状板1742上には、各下側アーム部材1600の内端部が装着されている。これにより、下側環状部材1740は、環状板1742により、各下側アーム部材1600を円柱状支柱2120の軸に直交するように支持する。
柱状支持体2000は、図13、図18或いは図20にて示すごとく、支柱部材2100及び脚体2200を備えている。支柱部材2100は、管状支柱2110及び円柱状支柱2120でもって構成されており、管状支柱2110は、その下端部2111(図13参照)にて、設置面Lに立設される。円柱状支柱2120は、その下端部2121(図20参照)にて、管状支柱2110の上端部2112に同軸的に嵌着されて、当該管状支柱2110から上方へ延出している。
脚体2200は、図13にて示すごとく、3本の脚2210(図13では、2本の脚2210のみを示す)を備えており、これら各脚2210は、管状支柱2110から放射状に延出されて、支柱部材2100を立設状態に維持する役割を果たす。
各脚2210は、それぞれ、その上端部2211にて、管状支柱2110の軸方向中間部位に設けた断面コ字状連結部2112内に、その軸周りに等角度間隔にて、下方から傾動自在に連結されている。各脚2210は、それぞれ、管状脚部2210a及び管状脚部2210bを備えており、管状脚部2210bは、その上端部にて、管状脚部2210aの下端部内に同軸的に相対移動可能に嵌装されている。これにより、各脚2210は、管状脚部2210aに対する管状脚部2210bの挿入長さを、環状締め部2210cにより調整しながら、放射状に設置面Lに設置される。
ハイブリッド発電装置PS1は、図13及び図20にて示すごとく、発電制御ユニット3000を備えている。この発電制御ユニット3000は、ケーシング3100を有しており、このケーシング3100は、金属製段付き筒体2400を介し、支柱部材2100の軸方向中間部位(管状支柱2110及び円柱状支柱2120の嵌着部位に相当)に同軸的に支持されている。
金属製段付き筒体2400は、図20にて示すごとく、小径部2410及び大径部2420を一体的に有する。大径部2420は、小径部2410の直下にて同軸的に形成されており、この大径部2420の内部には、小径穴部2420a及び大径穴部2420bが同軸的に形成されている。
しかして、段付き筒体2400においては、小径部2410及び大径部2420の小径穴部2420aが、円柱状支柱2120の下部に同軸的に嵌装され、大径部2420の大径穴部2420bが管状支柱2110の上端部2112に同軸的に嵌装されている。ここで、大径部2420の大径穴部2420bが管状支柱2110の上端部2112を介し円柱状支柱2120の下部2121に複数のねじ(図示しない)でもって締着されている。また、段付き筒体2400は、環状鍔部2430を有しており、この環状鍔部2430は、大径部2420の下端部から外方へ環状に延出されて、ケーシング3100の底壁3110の中央開口部3111に装着されている。なお、ケーシング3100は、その上壁3120の中央開口部3121にて、下側環状部材1740のボス1741の大径部1741eを同軸的に包囲している。
発電制御ユニット3000は、図18にて示すごとく、導電性正負両側スリップリング3200a、3200bを有しており、これら両スリップリング3200a、3200bは、ケーシング3100内にて、段付き筒体2400の小径部2410に絶縁リング3200cを介し同軸的に嵌装支持されている。
また、発電制御ユニット3000は、図18にて例示するごとく、導電性の正負両側ピン3300a、3300b及び導電性の正負両側ブラシ3400a、3400bを有している。正側ピン3300aは、図18にて示すごとく、各下側アーム部材1600のうちの一下側アーム部材1600の内端部から環状板1742の挿通穴部1742b、ケーシング3100の上壁3120の中央開口部3121(後述する)及び大径の平歯車3600の挿通孔部3600aを通り下方へ延出されており、当該正側ピン3300aは、その延出端部にて、スリップリング3200aの外周面に対向している。
一方、負側ピン3300bは、図18にて示すごとく、残りの各下側アーム部材1600のうちの一下側アーム部材1600の内端部から環状板1742の挿通穴部1742c、ケーシング3100の3600bを通り下方へ延出されており、当該負側ピン3300bは、その延出端部にて、スリップリング3200bの外周面に対向している。
正側ブラシ3400aは、正側ピン3300aの延出端部から正側スリップリング3200aの外周面に向けて延出しており、当該正側ブラシ3400aは、その延出端部にて、正側スリップリング3200aの外周面にコイルスプリング(図示しない)の付勢作用のもとに押圧接触している。一方、負側ブラシ3400bは、負側ピン3300bの延出端部から負側スリップリング3200bの外周面に向けて延出しており、当該負側ブラシ3400bは、その延出端部にて、負側スリップリング3200bの外周面にコイルスプリング(図示しない)の付勢作用のもとに押圧接触している。
しかして、上述した太陽発電装置SGAにおいて、各羽根部材1100、1200の太陽電池SCは、それぞれ、正側電極Dp及び負側電極Dnにて、適宜な各配線を介し、正側ピン3300a及び負側ピン3300bの各基端部に接続されている。
発電制御ユニット3000は、図20にて示すごとく、直流発電機3500、大径の平歯車3600及び小径の平歯車3700をケーシング3100に収容してなり、直流発電機3500は、その反負荷側端面にて、ケーシング3100の底壁3110の右側部に固定されている。これに伴い、直流発電機3500は、その回転軸3510にて、支柱部材2100の軸に平行に上方へ延出している。
大径の平歯車3600は、ケーシング3100内にて、下側環状部材1740の環状板1742の中径部1741f(図18参照)に同軸的に支持されており、この平歯車3600には、上述の各挿通孔部3600a、3600bが形成されている。
小径の平歯車3700は、図20にて示すごとく、直流発電機3500の回転軸3510の出力端部に同軸的に支持されており、この平歯車3700は、大径の平歯車3600に噛合している。しかして、当該平歯車3700は、中空軸状回転部材1700の回転に伴う平歯車3600の回転に応じて直流発電機3500の回転軸3510を回転させる。このため、直流発電機3500は、回転軸3510の回転に伴い直流電圧を発生する。
また、ハイブリッド発電装置PS1は、図12にて示すごとく、温度センサSt及び日射センサSdを有しており、温度センサStは、風車1000の適所に配設されて、周囲温度(以下、周囲温度Tという)を検出する。日射センサSdは、風車1000の適所に配設されて、日射量(以下、日射量Qという)を検出する。
また、ハイブリッド発電装置PS1は、図12にて示すごとく、ヒーターH、空冷ファンFc及びブザーBzを備えている。ヒーターHは、風車1000の適所に配設されており、このヒーターHは、駆動されて発熱し、各羽根部材1100、1200の太陽電池SC上における積雪を融雪する。
空冷ファンFcは、発電制御ユニット3000のケーシング3100内にてその底壁3110に立設されており、この空冷ファンFcは駆動されてケーシング3100の内部を空冷する。ブザーBzは、ケーシング3100内にてその底壁3110に装着されており、このブザーBzは、駆動されて鳴動する。
なお、上述した燃料電池PS2及び予備蓄電池PS4は、発電制御ユニット3000のケーシング3100内にてその底壁3110に装着されている。
人力発電装置PS5は、図21及び図22にて示すごとく、自転車3800及び直流発電機3900を備えている。自転車3800においては、ハンドル3810及び前輪3820が、車体3830のステアリング軸3831の上端部及び下端部に支持されている。また、サドル3840及び後輪3850が、車体3830のサドル軸3832の上端部及び車体3830の後輪軸3833にそれぞれ支持されている。
また、駆動機構3860が、車体3830のサドル軸3832の下端部から車体3830の後輪軸3833にかけて連結支持されている。この駆動機構3860は、サドル軸3832の下端部に支持した両ペダル3861をこぐことにより、後輪3850を回転させるようになっている。
また、自転車3800は、後輪用金属製スタンド3870を備えており、このスタンド3870は、車体3830の後輪軸3833に前後方向に回動可能に組み付けられている。当該スタンド3870は、三角板状の左右両側側壁3871、3872及び底壁3873でもって、U字状となるように一体的に形成されており、左右両側側壁3871、3872は、その各上端部にて、車体3820の後輪軸3833にその左右両端部にて前後方向に回動可能に支持されている。底壁3873は、その両端部にて、左右両側側壁3871、3872の各下端部に一体的に連結されて、U字状のスタンド3870を構成する。
このように構成したスタンド3870は、図21及び図22にて示す状態にあるとき、後輪3850を地面から上方へ浮かせて支持する。また、当該スタンド3870は、車体3830の後輪軸3833を基準に後方へ回動されて、後輪3850を地面に着地させる。なお、スタンド3870の図21或いは図22にて示す状態は、ロック機構3880によるロック操作でもって維持される。また、スタンド3870は、ロック機構3880のロック操作の解除でもって、回動可能な状態となる。
直流発電機3900は、図21にて示すごとく、その発電機本体3910にて、スタンド3870内にてその底壁3873の左側壁3871側上面部位に載置固定されている。ここで、当該直流発電機3900は、その回転軸3920にて、発電機本体3910から右側壁3872に向けて底壁3873に並行に延出されてなるもので、この直流発電機3900の回転軸3920は、その延出端部の外周面にて、後輪3850のタイヤ3851の外周面に圧接されている。なお、回転軸3920の延出端部の外周面は、後輪3850のタイヤ3851の回転に伴い良好に転動するように、ローレットが形成されている。なお、当該ローレットに限ることなく、回転軸3920の延出端部とタイヤ3851との間の摩擦接触形状を回転軸3920の延出端部の外周面に施してもよく、また、環状の摩擦接触部材を回転軸3920の延出端部に嵌着するようにしてもよい。
また、当該救急診療支援電子カルテシステムは、図12にて示すごとく、制御装置4000を有しており、この制御装置4000は、発電制御ユニット3000のケーシング3100内にてその底壁3110に載置固定されている。
当該制御装置4000は、チョッパ回路4100を有しており、このチョッパ回路4100は、発電制御ユニット3000の直流発電機3500からの直流電圧をチョッパ処理し、チョッパ電圧として発生する。
チョッパ回路4200は、人力発電装置PS5の直流発電機3900からの直流電圧をチョッパ処理し、チョッパ電圧として発生する。
リレー4210は、リレーコイル4211及び常開型リレースイッチ4212を備えており、リレーコイル4211は、駆動回路4220により励磁或いは消磁される。リレースイッチ4212は、リレーコイル4211の励磁に伴い閉成し、当該リレーコイル4211の消磁に伴い開成する。これにより、リレー4210は、リレースイッチ4212の閉成により、チョッパ回路4100のチョッパ電圧をレギュレータ回路4600に入力し、また、リレースイッチ4212の開成により、チョッパ回路4100をレギュレータ回路4600から遮断する。
リレー4300は、リレーコイル4310及び3つの常開型リレースイッチ4320〜4340を備えている。リレーコイル4310は、駆動回路4350により励磁或いは消磁される。各リレースイッチ4320〜4340は、共に連動するように構成されており、当該各リレースイッチ4320〜4340は、リレーコイル4310の励磁に伴い、共に閉成し、リレーコイル4310の消磁に伴い、共に開成する。これにより、リレー4300は、各リレースイッチ4320〜4340の閉成により、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4からの各直流電圧をレギュレータ回路4600に入力し、また、各リレースイッチ4320〜4340の開成により、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4をレギュレータ回路4600から遮断する。
リレー4400は、リレーコイル4410と、常開型リレースイッチ4420とを備えており、リレーコイル4410は、駆動回路4440により励磁或いは消磁される。常開型リレースイッチ4420は、リレーコイル4410の励磁に伴い閉成し、当該リレーコイル4410の消磁に伴い開成する。ここで、常開型リレースイッチ4420は、直流発電機3500の正側端子と制動電圧出力回路4500の出力端子との間に接続されている。
これにより、リレー4400は、常開型リレースイッチ4420の閉成により、制動電圧出力回路4500からの制動電圧を直流発電機3500に入力し、この入力を、リレースイッチ4420の閉成により遮断する。
制動電圧発生回路4500は、マイクロコンピュータ4800により制御のもと、制動電圧を発生する。
レギュレータ回路4600は、その電源端子にて、太陽発電装置SCAからのソーラー電圧、チョッパ回路4100からのチョッパ電圧、リレー4210を介するチョッパ回路4200からのチョッパ電圧或いはリレー4300を介する燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4からの各直流電圧を入力されて、これらソーラー電圧、各チョッパ電圧及び各直流電圧の少なくともいずれかを調整して、第1及び第2の直流出力端子から第1及び第2の調整直流電圧(例えば、それぞれ、5(V)及び24(V))を発生するとともに、交流出力端子から調整交流電圧(例えば、60(hz)及び100(V))を発生する。
インバータ4700は、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧をインバータ処理してインバータ電圧を発生する。
マイクロコンピュータ4800は、図23及び図24にて示すフローチャートに従い制御プログラムを実行し、この実行中において、各駆動回路4220、4350、4430、4810、4820、4830を介する各リレー4210、4300、4400、ヒーターH、空冷ファンFc、ブザーBz、並びに制動電圧出力回路4500を制御するに要する各種処理を行う。なお、当該マイクロコンピュータ4800は、レギュレータ回路4600からの第1調整直流電圧(5(V))に基づき作動状態となる。また、上記制御プログラムは、マイクロコンピュータ4800のROMに予め記憶されている。
各駆動回路4810、4820及び4830は、それぞれ、マイクロコンピュータ4800による制御のもと、ヒーターH、空冷ファンFc及びブザーBzを駆動する。
以上のように構成した本第1実施形態において、大震災が、ある地域(以下、被災地ともいう)において発生すれば、医療機関の建物が倒壊しなくても、例えば、当該建物内の戸棚その他の什器が地震の揺れでもって転倒することが多い。
ここで、保管庫100が、上記大震災の発生前において、外蓋120によりきちんと閉めた状態にて、予め、上記被災地の医療機関の建造物内に保管されているものとする。このような状態では、外蓋120の下端開口部が保管庫本体110の上端開口部(各筐体110a、110b及び110cの周壁の全上端開口部)に気密的かつ液密的に嵌合している。なお、保管箱100の保管は、上述の医療機関の建造物内に限ることなく、適宜な保管場所内であってもよい。
例えば、上述のような戸棚の転倒に伴い当該戸棚が保管庫100に当たると、この保管庫100は、戸棚から強い衝撃力を外力として受ける。
ここで、当該保管庫100の各構成部材のうち外部に対向する構成部材は、上述した構成から分かるように、保管庫本体110の外側筐体110a及び外蓋120である。また、保管庫本体110は、外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cの三層構造で構成されているとともに、外蓋120は、枠体120aと、蓋壁120bである内壁部124、中壁部125及び外壁部126の三層構造とで構成されている。
従って、保管庫100は、上記三層構造のもとに、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126にて、上述した戸棚からの強い衝撃力である外力を受けることになる。
ここで、保管庫本体110では、外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cが、それぞれ、桐板、鉄板及び杉板で形成され、外蓋120では、枠体120a及び、外壁部126が、それぞれ、桐板で形成され、中壁部125及び内壁部124が、それぞれ、鉄板及び杉板で形成されている。
また、桐板は、12mmという板厚を有し、上述の強い衝撃力を分散して十分にかつ緩やかに緩和吸収し得る。このため、上述の外力は、桐板からなる外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126により、上記外力を受けた部位を中心として、桐板の固有の特性及び桐板の板厚でもって良好にかつ緩やかに緩和吸収されて、中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125に伝わる。このとき、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126が、鉄よりも柔らかい木材で形成されているため、中側筐体110b、枠体120aや蓋壁120bの中壁部125が塑性変形したりすることがない。
しかして、上述のように中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125は木材よりも堅い鉄板からなることから、上述のように伝わる外力は、分散され、中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125によりさらに急激に緩和吸収されて内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124に伝わる。なお、中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125を形成する鉄の板厚は、上述のごとく、1.2mmであるが、この板厚は、桐板からなる外側筐体110aや蓋壁120bの外壁部126でもって上述のように緩和吸収された外力を緩和吸収するには十分である。
然る後、内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124は、上述のように、桐板に準ずる木材としての特性を有する杉板で形成されており、曲げ応力に強い特性を有するため、上述のように内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124に伝わる外力は、内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124により緩和吸収され得る。
以上のような過程を経て、上述の強い衝撃力は、上述の三層構造からなる保管庫本体110や外蓋120によって、良好に緩和吸収され得る。このことは、保管庫100が良好な抗堪性を有することを意味する。従って、医療機関の建物内にある医療機器やコンピュータ等の支援機器が地震の影響を直接受けて破壊されて使用不能となっても、保管庫100に収納してあるカメラ200、診療用機器300、端末400、プリンター500及び緊急医療品収納箱600は、保管庫100により上記外力から良好に使用可能に保護され得る。
また、上述のような大震災の発生に伴い医療機関の建物内に火災が発生すると、当該建物内の医療機器やコンピュータ等の支援機器が直接火災の影響を受けて焼失し、使用不能となることが多い。
しかし、保管庫100においては、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126が、上述のごとく、桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されている。このため、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126は高い温度の耐火性に優れている。従って、上述のように医療機関の建物内に火災が発生しても、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126は燃えにくい。
しかも、保管庫本体110及び外蓋120の蓋壁120bは上述のような三層構造に構成され、かつ、中側筐体110b及び蓋壁120bの中壁部125は、鉄で形成されている。このため、外側筐体110a及び蓋壁120bの外壁部126の高い温度の耐火性と相まって、保管庫100の耐火性がさらに向上する。このことは、保管庫100は、優れた耐火性を有することを意味する。
その結果、上述のように保管庫100が保管されている医療機関の建物内の医療機器やコンピュータ等の支援機器が直接火災の影響を受けて焼失して使用不能となっても、保管庫100に収納してあるカメラ200、診療用機器300、端末400、プリンター500及び緊急医療品収納箱600は、火災の影響を受けることなく、保管庫100により良好に使用可能に保護され得る。
また、上述のような大震災の発生に伴いビル建物の液状化現象で浸水したり上記被災地に津波が発生して医療機関の建物が浸水すると、当該建物内の医療機器やコンピュータ等の支援機器が直接浸水して、使用不能となることが多い。
しかし、当該救急診療支援電子カルテシステムの保管庫100においては、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126は、上述のごとく、桐板で形成されている。この桐板は、上述のごとく耐湿性に富むという特性を有する。しかも、外側筐体110aの隣り合う各両壁の接合(左右両壁と前壁及び後壁との間の接合)は、接着剤でもって良好に確保されている。また、外蓋120の枠体120aの下端開口部の保管庫本体110の上端開口部に対する嵌め合わせ(外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cの各上端開口部からなる全上端開口部に対する嵌合)は、上述のような枠体120a及び保管庫本体110の上端開口部(上記全上端開口部)の開口端面の各断面階段形状でもって、気密的かつ液密的に良好に確保されている。
このような前提のもと、桐板がその耐湿性に起因して浸水に対して膨張する特性を発揮することで、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126が浸水に対しても耐水性を良好に発揮し得る。このことは、保管庫100が優れた耐水性を有することを意味する。
その結果、上述のように医療機関の建物内の医療機器やコンピュータ等の支援機器が直接浸水して、使用不能となっても、保管庫100に収納してあるカメラ200、診療用機器300、端末400、プリンター500及び緊急医療品収納箱600は、浸水の影響を受けることなく、保管庫100により良好に使用可能に保護され得る。
以上述べたように、当該救急診療支援電子カルテシステムの保管庫100は、抗堪性、耐火性及び耐水性に優れるため、大震災による地震、火災、津波に起因して、つぶれたり、焼失したり、水の浸入を許したりすることがなく、当該保管庫100は、カメラ200、診療用機器300、端末400、プリンター500及び緊急医療品収納箱600を良好に保護し得る。このことは、当該救急診療支援電子カルテシステムは、上記大震災にもかかわらず、良好な使用可能状態に維持されることを意味する。
上述のように大震災が発生すると、上記被災地では、道路の寸断、橋の破壊、家屋の倒壊等の種々の被害が発生し、多数の被災者が発生することが多い。これら被災者は、上述の被害の発生のために外傷を負ったり、心身の疲労によりさらに疾患になったりする。
しかし、当該救急診療支援電子カルテシステムは、上述のごとく、大震災にもかかわらず、良好な使用可能状態に維持されている。ここで、保管庫100の高さは50cm程度で扱い易い。また、保管庫100の保管庫本体110では、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126が、木材のうちで最も軽いといわれる桐板で形成され、内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124が杉板で形成されており、中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125が、1.2mmの薄い鉄で形成されているにすぎない。このため、保管庫100は、非常に軽い。しかも、保管庫100が各キャスター110dを備えている。よって、当該保管庫100は容易に持ち上げたり移動させたりすることができる。
従って、医療機関の建物内における診療が、上述の大震災の発生のために困難であっても、当該保管庫100を、上記建物から容易に取り出して、多数の被災者の避難所に移動させることができる。
しかして、このように当該保管庫100を、上記建物から容易に取り出して、上記避難所に移動させる。そして、当該保管庫100をセットする。このセットにあたり、まず、外蓋120の一部を把持して、当該外蓋120を、持ち上げて、図7にて二点差線で示すごとく、蝶番120cを基準に上方に回動させて開く。このとき、内蓋130は、保管庫100の開口部を閉じた状態にある。このため、保管庫100に収納してあるカメラ200、診療用機器300、端末400、プリンター500及び緊急医療品収納箱600は、内蓋130により外部から適切に保護され得る。
上述のように外蓋120を開いた後、支持板150aを、各キャスター150bを案内として、蝶番150cを基準に外側筐体110aの左壁111cから横方向に約45°だけ回動させる(図7及び図8参照)。
ついで、内蓋130を、その一部を把持して、保管庫本体110の開口部内から蝶番130aを基準に回動させて支持板150aの上端部上に載置する。この載置は、支持板150aの上端部を内蓋130の両ストッパー部材140の間に挿入させるように行う。
このとき、蝶番130aは、上述のように断面階段状に形成した基板部134a、内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dでもって、上述のように断面階段状に形成した内側筐体110cの周壁115の上端面115e及び傾斜面115f、中側筐体110bの周壁113の上端面113e並びに外側筐体110aの周壁111の上端面111eに一様に密接するようにして、外板部134dにて外方に向け延出する。
これにより、内蓋130は、蝶番130aの外板部134dでもって、図7〜図9にて示すごとく、支持板150aの上端部上に相対的に移動不能に、かつ外側筐体110aの底壁112とほぼ平行に支持され得る。このとき、内蓋130の裏面に固定した端末400は、内蓋130上に固定された状態で位置する。
上述のように端末400を内蓋130上に固定された状態で位置させた後、カメラ200、診療用機器300、プリンター500及び緊急医療品収納箱600を保管庫本体110から取り出す。
また、災害対策地域の避難所に保管されているハイブリッド発電装置PS1(燃料電池PS2及び予備蓄電池PS4を含む)及び人力発電装置PS5を上記避難所から運び出す。ここで、上記避難所の近くに自動車が存在すれば、当該自動車の搭載蓄電池を車載蓄電池PS3として準備する。
そして、ハイブリッド発電装置PS1をセットする。このセットにあたり、風車1000の各上側羽根部材1100及び各下側羽根部材1200は折りたたまれた状態(図19にて二点鎖線で示す状態)にある。そこで、各上側羽根部材1100を側壁D側にて外方へ引っ張り出すと、各下側アーム部材1400の蝶番1440が、図19にて実線で示す状態となり、アーム1410及び各蝶番1420、1440、1430が、図19にて実線で示すごとく直線状に並ぶ。このため、各上側羽根部材1100は、図13にて示すごとく、側壁C側から側壁D側にかけて風車1000の外方へ傾斜する。
また、各下側羽根部材1200を、側壁D側にて、外方へ引っ張り出すと、各上側アーム部材1500が、各下側アーム部材1400と同様に直線状となる。このため、各下側羽根部材1200は、図13にて示すごとく、側壁D側から側壁C側にかけて風車1000の外方へ傾斜する。
然る後、柱状支持体2000の支柱部材2100を設置面Lに立設するとともに、脚体2200の3本の脚2210を広げて上記設置面Lに設置する。これにより、風車1000は、柱状支持体2000により安定的に支持され得る。従って、ハイブリッド発電装置PS1が風の受け易い場所にて安定的に立設され得る。
以上のようにして、保管庫100及びハイブリッド発電装置PS1をセットした後は、次のようにして必要な配線処理を行う。
即ち、発電制御ユニット3000のケーシング3100内に収納済みの制御装置4000(図12参照)において、レギュレータ回路4600を、その第2直流出力端子にて、ケーブルC1を介し医療データ通信機300fに接続する。また、インバータ4700の出力端子を、電源ケーブルC1を介し、医療データ通信機300eに接続するとともに、電源ケーブルC1を介し端末400に接続する。また、インバータ4700の出力端子を、電源ケーブルC1を介しカメラ200、血圧計300a、体温計300b、プリンター500に接続する。
また、上述した自動車の搭載蓄電池を車載蓄電池PS3として、制御装置4000のリレー4300のリレースイッチ4330を介しレギュレータ回路4600の電源端子に接続する。また、人力発電装置PS5の直流発電機3900を制御装置4000のチョッパ回路4200の入力端子に接続する。なお、燃料電池PS2、予備電池PS4は、リレー4300の各リレースイッチ4320、4340を介しレギュレータ回路4600の電源端子に予め接続済みであり、太陽発電装置SCAも、レギュレータ回路4600に予め接続済みである。
また、カメラ200、血圧計300a、体温計300b、心拍計300c、プリンター500、医療データ通信機300e、300fをハブ300d及び接続ケーブルC2でもって制御回路400aのUSBポート408に接続する。なお、USBポート408は、I/F402に接続されている。また、制御回路400aのカードスロット409には、ICタグからなるトリアージタグ700が挿入接続されるようになっている。ここで、トリアージタグ700は、電子メモリを内蔵したICカードからなるもので、このトリアージタグ700は、その電子メモリ(例えば、EPROM)にデータを記憶させる。なお、カードスロット409は、I/F403に接続されている。
以上により、当該救急診療支援電子カルテシステムは使用可能状態となる。このような状態において、ハイブリッド発電装置PS1の風車1000が、図13にて矢印Ar方向に回転するように風を受けると、各上側羽根部材1100及び各下側羽根部材1200のうち矢印Ar方向に沿う羽根部材が上記風を受け、風車1000が、柱状支持体2000を中心として、矢印Ar方向に回転する。
このとき、各上側羽根部材1100の羽根1110及び各下側羽根部材1200の羽根1210は、上述のように機能を発揮するダリウス型の羽根であって、上下2段にて、3つずつ、等角度間隔にて、柱状支持体2000の軸周り(周方向)に沿い支持されている。
従って、風車1000は、各羽根1110、1210の上記ダリウス型の羽根としての機能のもとに、効率よく風力を受けて回転し得る。
また、風車1000が太陽光を照射されると、この太陽光は各上側羽根部材1100及び各下側羽根部材1200に入射する。
ここで、風車1000においては、さらに、上述のごとく、各上側羽根部材1100が、その羽根1110の表壁Aにて、外方に向け斜め上方を臨むように柱状支持体2000に支持され、かつ、各下側羽根部材1200が、その羽根1210の裏壁Bにて、外方に向け斜め下方を臨むように柱状支持体2000に支持されている。しかも、各上側羽根部材1100は、さらに、上述のごとく、各下側羽根部材1200に対し、柱状支持体2000にその軸周りに沿い角度位置ずれして支持されている。
このため、太陽光は、各上側羽根部材1100の羽根1110の表壁Aの太陽電池SCに良好に入射し、かつ、各下側羽根部材1200の羽根1210の裏壁Bの太陽電池SCに、各上側羽根部材1100に邪魔されることなく、良好に入射し得る。このことは、各ソーラーセルの変換効率が低くても、太陽発電装置SCAとしての総合発電電力が良好に確保され得ることを意味する。
また、上述のように風車1000が回転すると、大径の平歯車3600が回転して小径の平歯車3700を回転させる。ここで、平歯車3600は平歯車3700よりも大きな径を有することから、風車1000の回転速度が、両平歯車3600、3700でもって増速されて、直流発電機3500の回転軸3510に伝達される。このため、直流発電機3500が良好に発電作用を発揮する。
このように直流発電機3500が良好に発電作用を発揮すると、その発電電圧は、チョッパ回路4100によりチョッパされて、チョッパ電圧としてレギュレータ回路4600に入力される。
また、上述のように、太陽光が風車1000の各太陽電池SCに入射すると、各太陽電池SCは、その発電作用により、発電電圧を、正負両側の適宜な配線、正負両側ピン3300a、3300b、正負両側ブラシ3400a、3400b及び正負両側スリップリング3200a、3200bを介して、レギュレータ回路4600に入力する。このことは、太陽発電装置SCAが、上述した各太陽電池SCの発電電圧を、レギュレータ回路4600に入力することを意味する。
上述のようにして、チョッパ回路4100からのチョッパ電圧及び太陽発電装置SCAからの発電電圧がレギュレータ回路4600に入力されると、このレギュレータ回路4600は、第1調整直流電圧(5(V))(以下、調整電圧Vともいう)、第2調整直流電圧(24(V))及び調整交流電圧を発生し、調整電圧Vを制御装置4000のマイクロコンピュータ4800に出力し、第2調整直流電圧を医療データ送信機300fに出力し、かつ調整交流電圧をインバータ4700に出力する。
すると、医療データ送信機300fが、レギュレータ回路4600からの第2調整直流電圧に基づき作動状態になる。また、インバータ4700が、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧に基づきインバータ電圧を発生する。このことは、電源装置PSが端末400に対し電力供給可能状態となったことを意味する。
しかして、インバータ4700が電源ケーブルC1を介しインバータ電圧を端末400に入力するとこの端末400が作動状態になり、マイクロコンピュータ400aが、CPU404でもって、図11のフローチャートに従い、上記電子カルテ作成プログラムの実行を開始する。ついで、ステップ410において、画面表示処理がなされる。この画面表示処理では、LCD400cが、CPU404による制御のもと、駆動回路400bにより駆動されて、画面上に初期データを表示する。ここでは、当該初期データとして、災害時救急電子カルテ(以下、電子カルテともいう)のブランクフォームが表示される。本第1実施形態において、当該電子カルテのブランクフォームは、図25にて示すもので、このブランクフォームは、ROM405に予め記憶されている。なお、図25にて示す破線の四角領域は、後述する患部の画像G(図27参照)を貼り付ける箇所を示す。
また、上述のように当該端末400を使用可能状態におくのに併せて、医師及びこの医師に付き添う看護士、事務職員或いはボランティア(以下、医療補助者という)が上記避難所に来訪すると、「体調の悪い方は申し出てください」とのアナウンスがなされる。
また、血圧計300a、体温計300b、心拍計300c及びカメラ200が上記医療補助者に渡される。すると、この医療補助者は、申し出者(重傷患者)の血圧、体温及び心拍を、血圧計300a、体温計300b及び心拍計300cを用いて順次測定する。また、上記申し出者に外傷等の患部があれば、上記医療補助者は、カメラ200を用いて、上記申し出者の患部を撮影する。なお、当該申し出者のトリアージタグ700をマイクロコンピュータ400aのカードスロット409にセットしておく。
上述のようにステップ410における表示処理をした後、ステップ420において、バイタルサインデータ及び画像データの入力処理がなされる。具体的には、上述のようにして測定された上記申し出者の血圧、体温及び心拍並びにカメラ200により撮影された患部を表す画像データは、ステップ420において、順次、ハブ300d、USBポート408、I/F402及びバスライン401を介しRAM406に入力記憶される。なお、上述の血圧、体温及び心拍が、それぞれ、バイタルサインデータに相当する。また、上記バイタルサインとは、被災者の生きている状態を示す指標で、当該被災者の体温、脈拍や血圧等をいう。
上述のように上記医療補助者による測定及び撮影が終了すると、医師が上記申し出者を診察する。このとき、医師は、当該申し出者の現在の症状、氏名、年齢、住所、持病の有無やアレルギーの有無について当該申し出者から聴取する。
その後、医師は、上記医療補助者からの上記申し出者の血圧、体温及び心拍や患部の状況等について報告を受ける。そして、例えば血圧が高ければ、医師は、緊急医療品収納箱600内の降圧剤を上記申し出者に与えるとともに服用方法を指示する。
上述のステップ420における入力処理が上記申し出者について全て終了すると、ステップ430においてYESと判定される。これに伴い、ステップ431において、患者の特定表示処理がなされる。具体的には、上記医療補助者が、上述の医師による上記申し出者に対する聴取事項を、当該医師から聞いて、端末400のキーボードの操作により、入力する。また、上記医療補助者は、上記キーボードの操作により、上記避難所名を「○○○○○○○小学校」と入力し、担当医師を「××××」と入力し、診察日を「○○○○年○○月○○日」と入力し、上記申し出者の氏名及び性別を「□□□□ □」として入力し、当該申し出者の生年月日を「○○○○年○○月○○日」として入力し、当該申し出者の住所を「××××××」と入力する。なお、当該申し出者の氏名及び住所は、劣悪な環境の避難所では請求困難な医療費を後日請求するのに役立つ。
また、上記医療補助者は、上記キーボードの操作により、上記申し出者の所有するトリアージタグ(トリアージタグ700であるものとする)を、例えば、赤色(図26にて図示斜線領域参照)のトリアージタグとして入力し、「最優先治療」と入力する。これは、赤色のトリアージタグの所有者は、重傷患者であって最優先に治療を必要とするためである。また、上記医療補助者は、上記キーボードの操作により、自己の氏名を、介添者として、「△△△△」と入力する。
以上のような操作入力に伴い、LCD400cは、駆動回路400bを介し、CPU404により制御されて、図26にて示すごとく、画面にて、上記申し出者の特定事項を表示する。
ステップ431における処理の後、ステップ432において、症状データ入力表示処理がなされる。具体的には、上記医療補助者が、医師から上記申し出者の症状を聞いて、上記キーボードの操作により、例えば、意識を「正常」と入力し、体温を「37.7℃」と入力し、血圧を「180−110」と入力し、上記申し出者の患部を表す画像データを、患部の画像Gとして入力する。このとき、当該患部が大腿部骨折の状態にあれば、「大腿部骨折」と入力する。
以上のような症状データの操作入力に伴い、LCD400cは、駆動回路400bを介し、CPU404により制御されて、図27にて示すごとく、画面にて、上記申し出者の症状データを表示する。
ステップ432の処理が上述のように終了すると、ステップ433において、トリアージタグへの患者名及びバイタルサインデータ出力処理がなされる。ここでは、トリアージタグ700に対し、上記申し出者の血圧、体温及び脈拍がバイタルサインデータとして出力される。これに伴い。当該バイタルサインデータが、トリアージタグ700に入力される。このことは、現段階における上記大震災の被災者(上記申し出者)のバイタルサインデータがトリアージタグ700に保存されたことを意味する。
上述のように降圧剤を上記申し出者に与えるとともに服用方法を指示した後、医師は、上記申し出者の怪我(具体的には、上記大腿部骨折)に対する外科的処置を行う。また、上記申し出者が、不眠や不安の精神症状を有するときには、医師は、緊急医療品収納箱600内の睡眠剤や抗不安剤を当該申し出者に与える。また、上記申し出者が、不眠や不安の精神症状ではなく、風邪症状を有するときには、医師は、聴打診や咽頭、鼻腔、外耳の検査を行い、緊急医療品収納箱600内の抗生剤を上記申し出者に与える。
ステップ433の処理後、ステップ434において、処置内容入力表示処理がされる。具体的には、上記医療補助者が、上記キーボードやマウスの操作により、医師から聴取した処置内容を入力する。例えば、処置内容が、「大腿部骨折治療」及び「大量出血止血」であれば、これらの「大腿部骨折治療」及び「大量出血止血」の上記画面上の各チェックボックス(図28参照)を上記マウスによりクリックする。
また、上記医療補助者は、上述の処置内容の入力に併せて、医師から聴取した医師所見を入力する。例えば、医師所見が、「全く眠れない」、「不安」及び食事が「摂取なし」ということであれば、記医療補助者は、画面上の「全く眠れない」、「不安」及び「摂取なし」の各チェックボックスを上記マウスによりクリックする。
以上のような処置内容及び医師所見の操作入力に伴い、LCD400cは、駆動回路400bを介し、CPU404により制御されて、図28にて示すごとく、画面にて、上記申し出者に対する処置内容及び医師所見を表示する。
然る後、ステップ435において、各ステップ431、432、433にて入力した後の電子カルテの表示処理がなされる。この表示処理に伴い、LCD400cは、駆動回路400bを介し、CPU404により制御されて、図29にて示すごとく、画面にて、上記申し出者の電子カルテを表示する。この電子カルテには、上記申し出者に関し、上記医療補助者によって各ステップ431、432、434にて入力されたデータが表示されている。これに伴い、医師が当該電子カルテの内容に誤りがないかにつき確認し得る。
しかして、当該電子カルテの内容に誤りがなく正しければ、上記医療補助者ではなく、医師が、上記キーモードの操作でもって、「OK」と入力することで、ステップ440における判定がYESとなる。これにより、電子カルテに対する記入が実質的に医師によるなされたこととして認識され得る。
一方、当該電子カルテの内容に誤りがあれば、医師はその旨を上記医療補助者に伝える。これに伴い、当該医療補助者が、上記キーモードの操作でもって、「NG」と入力すると、ステップ440においてNOと判定される。
然る後は、上記医療補助者は、表示されている電子カルテ上にて、各ステップ431、432、434にて入力されたデータを再確認する。そして、誤りがある入力データに関しては、上記医療補助者が、上記キーボードやマウスでもって、正しく再入力する。従って、ステップ435において表示済みの電子カルテの内容が是正される。
これに伴い、医師が、再度電子カルテの内容を確認し、上記キーボードの操作により、「OK」と入力すれば、ステップ440における判定はYESとなる。
以上のようにして、上記申し出者の電子カルテの作成が終了すると、ステップ441において、上記処置内容のトリアージタグへの出力処理がなされる。このため、ステップ434で入力済みの上記処置内容がトリアージタグ700に出力されて記憶される。これにより、上記申し出者の処置内容が確実にトリアージタグ700に保存され得るので、その後の治療に有効である。
また、ステップ441の処理後、次のステップ442において、上記処置内容のプリンターへの出力処理がなされる。このため、ステップ434で入力済みの上記処置内容がプリンター500に出力されて印刷される。この印刷結果を上記申し出者に渡すことで、上記申し出者は、上記処置内容を確認し得る。
また、ステップ442の処理後、ステップ443において、処理内容を医療データとして出力する処理がなされる。これに伴い、医療データ送信機300e及び医療データ送信機300fが、上記医療データを受けて送信する。
以上説明したように、電子カルテへの入力は、上記医療補助者によって殆どなされるので、医師は、最終的に、当該医療補助者によって入力された内容の正しさの有無を確認するだけでよい。その結果、医師は、患者の診察に専念できる。よって、医師は、上記申し出者の他の多数の被災者を、効率よく、緊急時に即した状態で、診察し得る。換言すれば、多数の被災者を診察するために、各被災者のデータを電子カルテに入力するための物理的、心理的、時間的な余裕が医師には全くないような状態であっても、当該医師は、余分な作業を行うことなく、多数の被災者の診察に専念し得る。
また、上述のように、レギュレータ回路4600が調整電圧Vを制御装置4000のマイクロコンピュータ4800に出力すると、このマイクロコンピュータ4800は、作動状態になり、図23及び図24のフローチャートに従い、上記制御プログラムの実行を開始し、ステップ4900において、調整電圧Vの入力処理を行う。この入力処理では、レギュレータ回路4600からの調整電圧Vが、マイクロコンピュータ4800に入力されてセットされる。
ついで、ステップ4910にて、調整電圧Vが閾値電圧V0よりも大きいか否かについて判定される。調整電圧Vが閾値電圧V0よりも高い場合、ステップ4910にてYESと判定されて、ステップ4911にて、リレー4300の駆動処理がなされる。これに伴い、リレー4300のリレーコイル4310が、駆動回路4350により励磁されて、各リレースイッチ4320〜4340が同時に閉成する。なお、閾値電圧V0はマイクロコンピュータ4800のROMに予め記憶されている。
上述のごとく、各リレースイッチ4320〜4340が同時に閉成すると、レギュレータ回路4600が、調整電圧Vを、各リレースイッチ4320〜4340を介し、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4に供給してこれら燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4を充電する。
このような状態にて、ステップ4910の判定がNOになると、調整電圧Vが閾値電圧V0以下に低下していることから、ステップ4912において、リレー4300の停止処理がなされる。これに伴い、リレー4300のリレーコイル4310が、駆動回路4350により消磁されて、各リレースイッチ4320〜4340を同時に開成する。
ついで、ステップ4920にて、風力F決定処理がなされる。この決定処理では、風力Fが、風力−チョッパ電圧特性に基づきチョッパ回路4100からのチョッパ電圧に応じて決定される。本実施形態では、チョッパ回路4100からのチョッパ電圧が直流発電機3500の出力電圧(風車1000の回転数に比例する)に対し一義的に定まることから、上記風力−チョッパ電圧特性は、風力Fと当該チョッパ電圧との比例関係でもって特定されて、マイクロコンピュータ4800のROMに予め記憶されている。
ステップ4920の処理後、ステップ4930にて、風力Fが、風速0(m)に対応する下限風力値F0よりも大きいか否かについて判定される。ここで、風力Fが下限風力値F0よりも大きければ、ステップ4930にてYESと判定される。なお、ステップ4930における判定がNOとなる場合には、ステップ4950の判定処理がなされる。
ステップ4930におけるYESとの判定後、ステップ4940にて、風力Fが、風速15(m)に対応する上限風力値Fmよりも大きいか否かについて判定される。
ここで、風力Fが上限風力値Fmよりも大きければ、ステップ4940にてYESと判定されて、ステップ4941にて、制動電圧の作成処理がなされる。
この作成処理では、風力Fが上限風力値Fmよりも大きいために通常の風力範囲から逸脱して異常に大きいことから、発電制御ユニット3000の直流発電機3500に異常な負荷がかかり易い。このため、直流発電機3500の回転数を所定の許容上限回転数(例えば、上限風力値Fmに対応する回転数)以下に抑制する必要がある。
そこで、直流発電機3500の回転数を上記所定の許容上限回転数にするに要する制動電圧が、ステップ4941において、作成される。
然る後、ステップ4942において、リレー4400の駆動処理がなされる。これに伴い、リレー4400のリレーコイル4410が、駆動回路4430により励磁されて、リレースイッチ4420を閉成する。
すると、制御電圧出力回路4500が、リレースイッチ4420を介し、マイクロコンピュータ4800から上記作成制動電圧を受けて直流発電機3500の両端子間に入力する。これにより、当該直流発電機3500が制動されて、この直流発電機3500の回転数が上記所定の許容上限回転数以下に抑制され得る。その結果、直流発電機3500は、本来の正常な発電機能を良好に発揮し得る。
一方、上述のステップ4940において、風力Fが上限風力値Fm以下であれば、NOと判定されて、ステップ4950の判定処理がなされる。
上述のように、ステップ4930或いは4940におけるNOとの判定がなされると、ステップ4950の判定処理がなされる。この判定処理では、太陽電池の発電の有無が判定される。現段階では、上述のごとく、太陽発電装置SCAが発電電圧を発生していることから、チョッパ回路4100からのチョッパ電圧に基づき、YESと判定される。
ついで、ステップ4951において、検出日射量の入力処理がなされる。この入力処理では、日射センサSdにより検出された日射量Qがマイクロコンピュータ4800に入力されてセットされる。
これに伴い、ステップ4952にて、検出周囲温度の入力処理がなされる。この入力処理では、温度センサStにより検出された周囲温度Tがマイクロコンピュータ4800に入力されてセットされる。
然る後、ステップ4970にて、周囲温度Tが−4(℃)よりも低いか否かが判定される。ここで、周囲温度Tが−4(℃)以上であれば、ステップ4970にてNOと判定されて、ステップ4980にて、周囲温度Tが35(℃)よりも高いか否かが判定される。ここで、周囲温度Tが35(℃)以下であれば、風車1000の周囲温度は通常の温度範囲にあることから、ステップ4980にてNOと判定される。
一方、周囲温度Tが35(℃)より高ければ、ステップ4980において、YESと判定されて、次のステップ4981にて、空冷ファン駆動処理がなされる。これに伴い、空冷ファンFcが駆動回路4820により駆動されて送風し、発電制御ユニット3000のケーシング3100の内部を空冷する。このため、当該ケーシング3100内の直流発電機3500その他の構成部材が空冷されて、本来の正常な機能を良好に維持し得る。
また、上述のステップ4970にて、周囲温度Tが−4(℃)よりも低ければ、YESと判定されて、ステップ4971にて、ヒーター駆動処理がなされる。このヒーター駆動処理では、ヒーターHが駆動回路4810により駆動されて発熱する。
一般に、周囲温度Tが−4(℃)よりも低いときは、風車1000の環境が冬季の寒冷時期にあると考えられる。このような状態では、風車1000の各太陽電池SC上には、積雪が存在していることが多い。これを放置すると、各太陽電池SCは、太陽光を適正に受光できずその発電効率の低下を招く。そこで、上述したようなヒーターHの発熱でもって、上記積雪を融雪することで、各太陽電池SCが、積雪から解放されて、本来の発電機能を維持し得る。
また、上述のステップ4950において、NOと判定されたときには、次のステップ4960において、風力Fが下限風力値F0よりも大きいか否かについて判定される。ここで、風力Fが下限風力値F0より大きければ、ステップ4960にてYESと判定されて、上述のステップ4940以後の処理がなされる。
一方、ステップ4960にて、風力Fが下限風力値F0以下であれば、NOと判定されて、次のステップ4961にて、リレー4300の駆動処理がなされる。この駆動処理では、リレー4300のリレーコイル4310が、駆動回路4350により励磁されて、各リレースイッチ4320〜4340を同時に閉成する。
これにより、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4からの各出力電圧が、各リレースイッチ4320〜4340を介し、レギュレータ回路4600にその電源端子から入力される。
ついで、ステップ4990において、リレー4300を介しレギュレータ回路4600に入力される直流電圧の有無が判定される。ここで、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4のいずれかからの直流電圧が適正に存在すれば、ステップ4990において、YESと判定される。
これに伴い、レギュレータ回路4600が、太陽発電装置SCAからの出力に代えて、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4のいずれかからの直流電圧に基づきこの直流電圧を調整して、第1及び第2の調整直流電圧をマイクロコンピュータ4800及び医療データ送信機300fにそれぞれ出力するとともに、調整交流電圧をインバータ4700に出力する。
このため、これら医療データ通信機300f、インバータ4700及びマイクロコンピュータ4800は、直流発電機3500からの出力に加え、太陽発電装置SCAからの出力に代わる燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4のいずれかからの直流電圧に基づくレギュレータ回路4600からの各出力電圧でもって本来の機能を発揮し得る。
また、ステップ4990における判定がNOとなるときには、太陽発電装置SCA、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4のいずれからの出力も得られない。このため、ステップ4991において、ブザー駆動処理がなされる。これに伴い、ブザーBzが駆動回路4830により駆動されて、鳴動し、警告音を発生する。
これにより、ハイブリッド発電装置PS1からの風力発電出力(直流発電機3500からの出力)の他は、人工発電装置PS5からの電力しか得られないことが認識される。
このため、次のステップ4992において、リレー4210の駆動処理がなされる。この駆動処理に伴い、リレー4120のリレーコイル4211が駆動回路4220により励磁されて、リレースイッチ4212を閉成する。ここで、人工発電装置PS5の直流発電機3900が、自転車3800の駆動でもって、人工的に発電すれば、当該直流発電機3900の出力が、リレースイッチ4211を介しレギュレータ回路4600にその電源端子から入力される。
これに伴い、レギュレータ回路4600が、直流発電機3500、太陽発電装置SCA、燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4からの出力に代えて、リレー4210を介する直流発電機3900からの出力に基づき、上述した第1及び第2の調整直流電圧並びに調整交流電圧を発生して、それぞれ、マイクロコンピュータ4800、医療データ通信機300f及びインバータ4700に出力する。このため、これら医療データ通信機300f、インバータ4700及びマイクロコンピュータ4800は、直流発電機3900からの出力のみに基づくレギュレータ回路4600からの各出力電圧でもって本来の機能を発揮し得る。
以上説明したように、電源装置PSを採用することで、当該救急診療支援電子カルテシステムの商用電源が、保管箱100の近くに存在しなかったり、大震災のために使用不能となっていても、これにかかわりなく、電源装置PSの利用でもって、当該救急診療支援電子カルテシステムの作動が良好に確保され得る。
ここで、ハイブリッド発電装置PS1による風力発電(直流発電機3500の出力に対応)及び太陽光発電(太陽発電装置SCAからの出力に対応)からなるハイブリッド発電を、当該救急診療支援電子カルテシステムの電源電力の基本とし、かつ、太陽光発電が不可能のときには、風力発電と燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4のいずれかの出力との双方でもって、当該救急診療支援電子カルテシステムの準電源電力とし、さらに、風力発電、太陽光発電及び燃料電池PS2、車載蓄電池PS3及び予備蓄電池PS4の各出力のいずれも得られないときには、人工発電装置PS5の人工発電を、当該救急診療支援電子カルテシステムの補助電源電力とした。このため、当該救急診療支援電子カルテシステムのための電源電力が、どのような事態においても、確保され得る。
(第2実施形態)
図30及び図31は、本発明の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態においては、ハイブリッド発電装置PS6が、上記第1実施形態にて述べたハイブリッド発電装置PS1に代えて採用されている。
当該ハイブリッド発電装置PS6は、直方体形状のハウジング5000を備えており、このハウジング5000は、四角形状の各網を、直方体形状の枠体5100に、その前後左右上下の各開口部にて、当該枠体5100の前後左右上下の各壁5200、5300、5400、5500、5600、5700として貼り付けて構成されている。なお、ハイブリッド発電装置PS6の使用にあたり、ハウジング5000は、下壁5700にて、設置面に設置される。
また、当該ハイブリッド発電装置PS6は、上記第1実施形態にて図13で示した構成において、支柱部材2100の管状支柱2110を廃止し、かつ当該発電制御ユニット3000の底壁よりも下方の部位(即ち、柱状支持体2000のうち発電制御ユニット3000の底壁より下方へ延出する部位及び脚体2200)を除去した構成を採用する。
換言すれば、上記第1実施形態にて述べた風車1000、発電制御ユニット3000及び柱状支持体2000のうち発電制御ユニット3000の底壁より上方の部位からなる構成が、管状支柱2110の廃止のもとに、ハウジング5000内に収容されている。
但し、本第2実施形態では、上述した柱状支持体2000のうちケーシング3100の底壁3110より上方の部位は、円柱状支柱2130を備えており、この円柱状支柱2130は、上記第1実施形態にて述べた円柱状支柱2120に代えて、中空軸状回転部材1700及び金属製段付き筒体2400に同軸的に挿通されている。ここで、当該円柱状支柱2130は、その下端部にて、ケーシング3100内にてその底壁3110の中央部に着座している。なお、本実施形態では、底壁3110の中央開口部3111は廃止されている。
上記第1実施形態にて述べた発電制御ユニット3000は、ケーシング3100の底壁3110にて、ハウジング5000内でその底壁5700上に設けた両L字状レール5710の各底部上に載置されている。また、ケーシング3100は、その底壁側左右隅角部にて、両L字状レール5710の各立ち上がり壁部の間に挟持されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態においては、上記第1実施形態にて述べたハイブリッド発電装置PS1とは異なり、ハイブリッド発電装置PS6が、ハウジング5000の底壁にて、直接、設置面に設置されて使用される。従って、ハイブリッド発電装置PS6は、ハイブリッド発電装置PS1とは異なり、設置し易い。また、ハウジング5000の各壁には網が採用されているから、太陽光は、上記各壁を通してハウジング5000内の風車1000の各上側及び下側の羽根部材1100、1200に良好に入射し得る。その他の作用効果は、上記第1実施形態と実質的に同様である。
(第3実施形態)
図32は、本発明の第3実施形態の要部を示している。この第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べた上側羽根部材1100及び下側羽根部材1200において、各ダリウス型羽根1110、1210のうち各表壁Aが透明となっている。これは、各ダリウス型羽根1110、1210内にその表壁Aを通し日光を入射させるためである。
また、本第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べた上側羽根部材1100及び下側羽根部材1200は、それぞれ、表裏両側太陽電池SCに代えて、内側太陽電池SCinを備えており、これら各内側太陽電池SCinは、図32にて例示するごとく、それぞれ、各ダリウス型羽根1110、1210の内部に配設されている。
ここで、1つのダリウス型羽根1110内の内側太陽電池SCinの構成について図32を参照して説明すると、当該内側太陽電池SCinは、図32にて例示するソーラーセル部材1800を、複数(例えば、16個)備えている。
ソーラーセル部材1800は、コイルバネ1810、絶縁基板1820及び薄膜状ソーラーセル1830を備えている。コイルバネ1810は、アモルファス製形状記憶バネ材料でもって、コイル部1811の両端から基端部1812及び支持端部1813を延出させるように構成して形成されている。
しかして、このコイルバネ1810は、その基端部1812にて、ダリウス型羽根1110内にてその裏壁Bの一部にその上下方向に沿い固着されている。これにより、当該コイルバネ1810の支持端部1813は、ダリウス型羽根1110内にてその表壁A側にコイル部1811から延出している。本第3実施形態において、上述のアモルファス製形状記憶バネ材料は、所定の温度以下で原形状から変形し、当該温度以上になることで、上記原形状に復帰するという性質(形状記憶効果)を有する。
絶縁基板1820は、支持端部1813からその延出方向に沿い延出してなるもので、この絶縁基板1820の表面1821は、ダリウス型羽根1110内にてその透明の表壁Aに沿い並行となっている。薄膜状ソーラーセル1830は、絶縁基板1820の表面1821に貼着されているもので、このソーラーセル1830は、ダリウス型羽根1110内にその透明の表壁Aを通り入射する太陽光を受けて、その受光量に応じて発電する。
このように構成したソーラーセル部材1800は太陽光を受光しにくく低い温度状態になると、コイルバネ1810が、支持端部1813にて、図32にて二点鎖線で示すように、基端部1812に近づくように傾斜状に変形した状態を維持し、絶縁基板1820及びソーラーセル1830を、図32にて二点鎖線で示す位置に維持する。このことは、ソーラーセル1830が、太陽光を受光し易い傾斜角度に維持されることを意味する。
また、ソーラーセル部材1800は太陽光の良好な受光により所定の温度以上の温度環境状態におかれると、コイルバネ1810が、支持端部1813にて、図32にて実線で示すごとく、基端部1812と平行になるようにコイル部1811から延出する状態(以下、原形状態という)に復帰して、絶縁基板1820及びソーラーセル1830を、図32にて実線で示す位置に復帰させる。
本第3実施形態では、上述のように構成したソーラーセル部材1800が、ダリウス型羽根1110内にて、その頭部E側及び尾部F側にて、8個ずつ、上述のように裏壁Bに沿い配設されて、内側太陽電池SCinを構成している。
ここで、このように配設した8個のソーラーセル部材1800毎に、各ソーラーセル1830は互いに直列接続されている。また、上記第1実施形態にて述べた両ソーラーセルSC1に対応する両ソーラーセル1830は、正側共通電極Dpに接続されている。また、上記第1実施形態にて述べた両ソーラーセルSC12に対応する両ソーラーセル1830は負側共通電極Dnに接続されている。なお、ソーラーセル部材1800を16個としたのは、ダリウス型羽根1110内におけるソーラーセル部材1800の配設スペースを考慮したものである。従って、ソーラーセル部材1800の個数は、16個に限らず、適宜変更してもよい。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第3実施形態において、上記第1実施形態と同様に、ハイブリッド発電装置PS1の風車1000がその回転のもとに太陽光を照射され始めると、この太陽光は各上側羽根部材1100の羽根1110及び各下側羽根部材1200の羽根2110内にその各表壁Aを通り入射し始める。このため、各ソーラーセル部材1800の各ソーラーセル1830による太陽光の受光が開始する。
なお、現段階の直前までは、各ソーラーセル部材1800は、太陽光を受光しておらず、低い温度環境にあり、各コイルバネ1810は、支持端部1813にて、図32にて二点鎖線で示す位置に傾斜変形して、各ソーラーセル1830が太陽光をより一層受光し易い傾斜位置に維持されている。このため、各内側太陽電池SCinは、太陽発電装置SCAとしての総合発電電力を適正に確保し得る。
また、このような状態にて、各ソーラーセル部材1800の受光量の増加に伴い当該各ソーラーセル部材1800の環境の温度が上記所定の温度以上に上昇すると、各ソーラーセル1830が、コイルバネ1810の原形状態への復帰により、絶縁基板1820及びソーラーセル1830を、図32にて実線で示す位置に復帰させる。このため、各ソーラーセル部材1800の受光量が適正に減少し、各内側太陽電池SCinは、太陽発電装置SCAとしての総合発電電力を適正に維持し得る。
以上のように、上述のような構成の内側太陽電池SCinを、各ダリウス型羽根1110、1210の内部に設けることで、太陽発電装置SCAとしての総合発電電力を、上述の太陽光の受光量の増減にかかわらず、適正に制御し得る。その結果、チョッパ回路4100を介するレギュレータ回路4600への発電電圧の入力が、適正な総合発電電力の調整のもとになされ得る。このことは、両医療データ通信機300e、300f、端末400やマイクロコンピュータ4800に対する太陽光発電による給電が、各内側太陽電池SCinによる太陽光の受光量に応じて適正になされ得ることを意味する。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図33は、本発明の第4実施形態の要部を示している。この第4実施形態では、上記第1実施形態に述べた発電制御ユニット3000において、直流発電機3500及び制動電圧出力回路4500に代えて、交流発電機3500A及び制動電圧出力回路4500Aが採用されている。
交流発電機3500Aは、直流発電機3500に代えて、この直流発電機3500と同様にして、発電制御ユニット3000のケーシング3100内に配設されており、当該交流発電機3500Aは、平歯車3700の回転に伴い回転して交流電圧を発生しリレー4400を介してチョッパ回路4100に出力する。このため、チョッパ回路4100は、交流発電機3500Aからの交流電圧をチョッパ出力としてレギュレータ回路4600及びマイクロコンピュータ4800に出力する。
制動電圧出力回路4500Aは、図33にて示すごとく、フォトカプラ4510及び所謂トライアックといわれる双方向サイリスタ4520を備えている。フォトカプラ4510は、発光ダイオード4511及び所謂光ダイアックといわれる双方向フォトダイオード4512を有しており、発光ダイオード4511は、そのカソードにて、抵抗4513を介し接地されている。しかして、この発光ダイオード4511は、マイクロコンピュータ4800による制御のもとに駆動されて発光する。
双方向フォトダイオード4512は、一対のフォトダイオード4512a、4512bを逆極性にて並列接続して構成されている。ここで、フォトダイオード4512aは、そのアノードにて、フォトダイオード4512bのカソードに接続されて当該カソードと共に一側共通端子を構成し、抵抗4514を介しレギュレータ回路4600の交流出力端子に接続されている。また、当該フォトダイオード4512aは、そのカソードにて、フォトダイオード4512bのアノードに接続されて当該アノードと共に他側共通端子を構成し、抵抗4515を介して双方向サイリスタ4520のゲート4523に接続されている。
しかして、当該双方向フォトダイオード4512がレギュレータ回路4600から調整交流電圧を印加されると、この双方向フォトダイオード4512は、発光ダイオード4511からの光の受光に伴い、上記調整交流電圧の極性に応じて、交互に導通してインパルス信号を発生する。
双方向サイリスタ4520は、一対のサイリスタ4521、4522を互いに逆極性に並列接続して構成されている。サイリスタ4521は、そのカソードにて、サイリスタ4522のアノードに接続されて、このアノードと共に第1共通端子を構成し、レギュレータ回路4600の交流出力端子に接続されている。また、当該サイリスタ4521は、そのアノードにて、サイリスタ4522のカソードに接続されて、このカソードと共に第2共通端子を構成し、リレー4400の常開型リレースイッチ4420を介し交流発電機3500Aの被接地側端子に接続されている。なお、当該双方向サイリスタ4520は、一対のサイリスタ4521、4522に共通のゲート4523を有しており、このゲート4523は、抵抗4515を介し双方向フォトダイオード4512の他側共通端子に接続されている。
しかして、当該双方向サイリスタ4520が、レギュレータ回路4600から調整交流電圧を印加された状態にて、ゲート4523にて、双方向フォトダイオード4512からインパルス信号を入力されると、この双方向サイリスタ4520は、上記調整交流電圧の極性に応じて、交互に点弧して、当該調整交流電圧をリレー4400のリレースイッチ4420を介し交流発電機3500Aに印加する。但し、本実施形態では、両サイリスタ4521、4522の各点弧角が、双方向フォトダイオード4512からのインパルス信号の発生タイミングによって特定される。このため、当該交流発電機3500Aは、双方向サイリスタ4520から調整交流電圧をその点弧角に応じて制動電圧として印加されて、制動される。
また、本第4実施形態では、上記第1実施形態に述べた発電制御ユニット3000において、回転数センサSrpmが付加的に採用されており、この回転数センサSrpmは、交流発電機3500Aの回転数を検出しマイクロコンピュータ4800に入力する。
また、本第4実施形態では、図34に示すフローチャート部が、上記第1実施形態にて述べたフローチャート(図23及び図24参照)のうちの前段フローチャート部(図23参照)に代えて、採用されている。このため、本第4実施形態では、上記第1実施形態にて述べたマイクロコンピュータ4800により実行される制御プログラムを表すフローチャートが、前段フローチャート部としての図34のフローチャート部及び図24の後段フローチャート部でもって特定される。
また、本第4実施形態においては、当該マイクロコンピュータ4800は、図33にて示すごとく、分圧回路4840を介しレギュレータ回路4600の交流出力端子に接続されている。ここで、分圧回路4840は、両抵抗4841、4842を互いに直列接続して構成されており、抵抗4842は、その一端子である抵抗4841との共通端子にて、当該抵抗4841を介し接地されている。また、当該抵抗4842は、その他端子にて、レギュレータ回路4600の交流出力端子に接続されている。
しかして、分圧回路4840は、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧を両抵抗4841、4842により分圧して、その共通端子から分圧電圧を発生してマイクロコンピュータ4800に印加する。なお、分圧回路4840の分圧比(抵抗4842の抵抗値/抵抗4841の抵抗値)は、レギュレータ回路4600の調整交流電圧をマイクロコンピュータ4800に印加可能な分圧電圧にするように設定されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第4実施形態において、上記第1実施形態と同様に、ステップ4920(図23及び図34参照)にて決定された最新の風力Fが上限風力値Fmよりも大きいために、ステップ4940における判定がYESになると、図34のステップ4943において、位相角決定処理がなされる。この位相角決定処理では、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の零レベルに対応する位相角、即ち、n×180°(n=0、1、2・・)を基準とする位相角φが、位相角−風力特性φF(図35参照)を用いて、上述の風力Fに基づき、φ1(図36参照)と決定される。
本第4実施形態において、上述の位相角−風力特性φFは、風力Fの増大(或いは減少)に伴い位相角φ(<180°)を直線的に減少(或いは増大)させるように逆比例関係でもって特定されて、マイクロコンピュータ4800のROMに予め記憶されている。
ステップ4943の処理後、次のステップ4944において、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧に基づき分圧回路4840から発生する分圧電圧が、現段階において零レベルか否かが判定される。
しかして、ステップ4944における判定がYESになると、次のステップ4944aにおいて、出力タイミング決定処理がなされる。この出力タイミング決定処理では、マイクロコンピュータ4800からの上記駆動パルス信号の出力タイミングが、ステップ4943における位相角φ1(図36参照)に基づき決定される。具体的には、現段階においてステップ4944にてYESと判定された分圧電圧の零レベルに対応する位相角が、例えば、0°であれば、上記駆動パルス信号の出力タイミングが、出力位相角(0°+φ1)と決定される。
然る後、ステップ4945において、出力位相角か否かの判定がなされる。ここでは、分圧回路4840からの分圧電圧の位相角が上記出力位相角に達したときYESと判定される。これに伴い、ステップ4946において、駆動パルス信号の出力処理がなされる。この出力処理では、駆動パルス信号P1(図36参照)が、分圧回路4840からの分圧電圧の現実の位相角(0°+φ1)に同期して、出力位相角(0°+φ1)にて、マイクロコンピュータ4800から制動電圧出力回路4500Aの発光ダイオード4511に印加される。
このため、当該発光ダイオード4511がマイクロコンピュータ4800からの駆動パルス信号P1により駆動されて双方向フォトダイオード4512に向けて発光する。このとき、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の上記出力位相角に相当する位相角が、(0°+φ1)に相当する位相角であれば、上記調整交流電圧は正側正弦波形を有するから、当該双方向フォトダイオード4512のうちフォトダイオード4512aが、発光ダイオード4511からの光に基づき、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の上記出力位相角に相当する位相角にて導通してインパルス信号を発生し双方向サイリスタ4520のゲート4523に入力する。
ここで、双方向サイリスタ4520に印加されるレギュレータ回路4800からの調整交流電圧も、(0°+φ1)に相当する位相角にあることから、双方向サイリスタ4520のうちサイリスタ4522が、当該位相角にて点弧して、レギュレータ回路4800からの調整交流電圧に基づき制動電圧を形成してリレー4400に出力する。
ステップ4946の処理後、ステップ4947において、リレー4400の駆動処理がなされる。これに伴い、リレー4400においては、リレーコイル4410が、駆動回路4430により励磁されて、常開型リレースイッチ4420を閉成する。
これに伴い、上述したサイリスタ4522からの制動電圧がリレースイッチ4420を介し交流発電機3500Aに印加される。このため、当該交流発電機3500Aが上述したサイリスタ4522からの制動電圧に基づき制動される。ここで、上述のように交流発電機3500Aに印加される制動電圧に対応する電力は、位相角(0°+φ1)から位相角180°までの波形部分でもって特定される。
上述のように交流発電機3500Aが制動されると、発電制御ユニット3000においては、平歯車3700が制動されて平歯車3600を介し風車1000の回転速度を低下させる。
上述のようにステップ4947の処理が終了すると、ステップ4948において、ステップ4944における処理と同様に、零レベルか否かが判定される。ここでは、分圧回路4840からの分圧電圧が零レベル(現段階では、位相角180°に対応する零レベル)か否かが判定される。しかして、分圧電圧が位相角180°に対応する零レベルにあれば、ステップ4948においてYESと判定される。
ついで、ステップ4949において回転数Nが上限回転数Nm以下か否かが判定される。本第4実施形態では、交流発電機3500Aの回転数は、風車1000の回転数、ひいては風力Fに比例することから、上限回転数Nmが上限風力値Fmに対応する交流発電機3500Aの回転数として採用されている。従って、N≦Nmは、F≦Fmに対応する。
しかして、現段階における回転数センサSrpmの検出回転数Nが上限回転数Nmよりも大きければ、風力Fが上限風力値Fm以下になっていないことから、ステップ4949においてNOと判定されてステップ4943以後の処理が再びなされる。
即ち、ステップ4943における位相角決定処理では、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の零レベルに対応する位相角(現段階では180°)を基準とする位相角φが決定される。ここでは、風力Fが、現段階における回転数Nからこれに比例するように決定される。そして、位相角φが、当該風力Fに基づき、位相角−風力特性φF(図35参照)を用いて、上述の風力Fに基づき、位相角φ2(図36参照)と決定される。
ステップ4943の処理後、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧がその零レベルに対応する位相角(現段階では180°)に達したとき、ステップ4944においてYESと判定される。すると、ステップ4944aでの出力タイミング決定処理において、マイクロコンピュータ4800からの駆動パルス信号P1に後続する駆動パルス信号P2(図36参照)の出力タイミングが、ステップ4943における最新の決定位相角φ2に基づき決定される。現段階では、当該出力タイミングは、出力位相角(180°+φ2)である。
然る後、分圧回路4840からの分圧電圧の位相角が上記出力位相角(180°+φ2)に達したとき、ステップ4945において、YESと判定される。ついで、ステップ4946における駆動パルス信号の出力処理において、駆動パルス信号P2(図36参照)が、分圧回路4840からの分圧電圧の現実の位相角(180°+φ2)に同期して、出力位相角(180°+φ2)にて、マイクロコンピュータ4800から制動電圧出力回路4500Aの発光ダイオード4511に印加される。
このため、当該発光ダイオード4511がマイクロコンピュータ4800からの駆動パルス信号P2により駆動されて双方向フォトダイオード4512に向けて発光する。このとき、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の上記出力位相角に相当する位相角が、(180°+φ2)に相当する位相角であれば、調整交流電圧は負側正弦波形を有するから、当該双方向フォトダイオード4512のうちフォトダイオード4512bが、発光ダイオード4511からの光に基づき、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の上記出力位相角(180°+φ2)に相当する位相角にて、導通してインパルス信号を発生し双方向サイリスタ4520のゲート4523に入力する。
ここで、双方向サイリスタ4520に印加されるレギュレータ回路4800からの調整交流電圧も、(180°+φ2)に相当する位相角にあることから、双方向サイリスタ4520のうちサイリスタ4521が、当該位相角にて点弧して、レギュレータ回路4800からの調整交流電圧を制動電圧としてリレー4400に出力する。
ステップ4946の処理後、ステップ4947におけるリレー4400の駆動処理において、リレー4400のリレーコイル4100が、駆動回路4430により励磁されて、常開型リレースイッチ4420を閉成する。
これに伴い、上述したサイリスタ4522からの制動電圧がリレースイッチ4420を介し交流発電機3500Aに印加される。このため、当該交流発電機3500Aが上述したサイリスタ4522からの制動電圧により制動される。ここで、上述のように交流発電機3500Aに印加される制動電圧に対応する電力は、位相角(180°+φ2)から位相角360°までの波形部分でもって特定される。
上述のように交流発電機3500Aが制動されると、発電制御ユニット3000においては、平歯車3700が制動されて平歯車3600を介し風車1000の回転速度を低下させる。
上述のようにステップ4947の処理が終了すると、ステップ4948において、分圧回路4840からの分圧電圧が零レベル(現段階では、位相角360°に対応する零レベル)か否かが判定される。しかして、分圧電圧が位相角360°に対応する零レベルにあれば、ステップ4948においてYESと判定される。
しかして、現段階における回転数センサSrpmの検出回転数Nが、未だ、上限回転数Nmよりも大きければ、風力Fが上限風力値Fm以下になっていないことから、ステップ4949においてNOと判定されてステップ4943以後の処理が再びなされる。
即ち、ステップ4943における位相角決定処理では、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の零レベルに対応する位相角(現段階では360°)を基準とする位相角φが、上述と実質的に同様にして、位相角φ3(図36参照)と決定される。
ステップ4943の処理後、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧がその零レベルに対応する位相角(現段階では360°)に達したとき、ステップ4944においてYESと判定される。すると、ステップ4944aにおける出力タイミング決定処理において、マイクロコンピュータ4800からの駆動パルス信号P2に後続する駆動パルス信号P3(図36参照)の出力タイミングが、ステップ4943における最新の決定位相角φ3に基づき決定される。現段階では、当該出力タイミングは、出力位相角(360°+φ3)である。
然る後、分圧回路4840からの分圧電圧の位相角が上記出力位相角(360°+φ3)に達したとき、ステップ4945において、YESと判定される。ついで、ステップ4946における駆動パルス信号の出力処理において、駆動パルス信号P3(図36参照)が、分圧回路4840からの分圧電圧の現実の位相角(360°+φ3)に同期して、出力位相角(360°+φ3)にて、マイクロコンピュータ4800から制動電圧出力回路4500Aの発光ダイオード4511に印加される。
このため、当該発光ダイオード4511がマイクロコンピュータ4800からの駆動パルス信号P3により駆動されて双方向フォトダイオード4512に向けて発光する。このとき、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の上記出力位相角に相当する位相角が、(360°+φ3)に相当する位相角であれば、上記調整交流電圧は正側正弦波形を有するから、当該双方向フォトダイオード4512のうちフォトダイオード4512aが、発光ダイオード4511からの光に基づき、レギュレータ回路4600からの調整交流電圧の上記出力位相角(360°+φ3)に相当する位相角にて、導通してインパルス信号を発生し双方向サイリスタ4520のゲート4523に入力する。
ここで、双方向サイリスタ4520に印加されるレギュレータ回路4800からの調整交流電圧も、(360°+φ3)に相当する位相角にあることから、双方向サイリスタ4520のうちサイリスタ4522が、当該位相角にて点弧して、レギュレータ回路4800からの調整交流電圧を制動電圧としてリレー4400に出力する。
ステップ4946の処理後、ステップ4947におけるリレー4400の駆動処理において、リレー4400のリレーコイル4410が、駆動回路4430により励磁されて、常開型リレースイッチ4420を閉成する。
これに伴い、上述したサイリスタ4522からの制動電圧がリレースイッチ4420を介し交流発電機3500Aに印加される。このため、当該交流発電機3500Aが制動される。ここで、上述のように交流発電機3500Aに印加される制動電圧に対応する電力は、位相角(360°+φ3)から位相角540°までの波形部分でもって特定される。
上述のように交流発電機3500Aが制動されると、発電制御ユニット3000においては、平歯車3700が制動されて平歯車3600を介し風車1000の回転速度を低下させる。
上述のようにステップ4947の処理が終了すると、ステップ4948において、分圧回路4840からの分圧電圧が零レベル(現段階では、位相角570°に対応する零レベル)か否かが判定される。しかして、分圧電圧が位相角570°に対応する零レベルにあれば、ステップ4948においてYESと判定される。
以上のような処理過程を経て、現段階における回転数センサSrpmの検出回転数Nが上限回転数Nm以下になれば、ステップ4949においてYESと判定される。
以上説明したように、風力Fが上限風力値Fmより大きいときには、F≦Fmが成立するまで、ステップ4943〜ステップ4949の循環処理のもとに、交流発電機3500Aが制動電圧出力回路4500Aからの制動電圧でもって、制動されて風車1000を制動する。このことは、風車1000が、過大な風力Fに影響されることなく、適正な回転速度に維持され得ることを意味する。その結果、ハイブリッド発電装置PS1による発電作動が、過大な風力Fに影響されることなく、良好に維持され得る。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、ステップ4949におけるYESとの判定後、ステップ4949aにおいて、リレー4400の停止処理がなされる。これに伴い、リレー4400のリレーコイル4410が、駆動回路4440により消磁されてリレー4420を開成する。これにより、交流発電機3500Aの制動電圧出力回路4500Aからの遮断がリレースイッチ4420によりなされる。そして、上述のようにステップ4949aにおける処理が終了すると、ステップ4950(図24参照)以後の処理が上記第1実施形態と同様になされる。
(第5実施形態)
図37及び図38は、本発明の第5実施形態の要部を示している。この第5実施形態では、上記第2実施形態にて述べたハイブリッド発電装置PS6において、当該第2実施形態にて述べた医療データ送信機300eが、ハウジング5000内にて下壁5700の右後側隅角部上に固定されている。
これに伴い、ロッド状のアンテナAntが、医療データ送信機300eの直上にて、ハウジング5000の上壁5600の右後側隅角部に立設されて上方へ延出している。これにより、医療データ送信機300eは、アンテナAntを介し、医療データを送信する。その他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
このように構成した本第5実施形態では、上述のごとく、医療データ送信機300eがハイブリッド発電装置PS6のハウジング5000内に設けられ、かつアンテナAntがハウジング5000の上壁5600に設けられている。
従って、医療データ送信機及びアンテナを別途準備する必要もなく、当該ハイブリッド発電装置PS6を設置すれば、医療データ送信機300e及びアンテナAntが既に付設されているので、これらを使用すればよく、便利である。その他の作用効果は上記第2実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記第1実施形態にて述べた外側筐体、外蓋の枠体及び外壁部は、桐に代えて、杉などの桐と同様の特性を有する木材でもって形成するようにしてもよい。なお、難燃性確保の点から、杉などの桐と同様の特性を有する木材にメタルシリコン系難燃溶液を含浸することが望ましい。
(2)上記第1実施形態にて述べた保管箱100において、内側筐体は、杉に代えて、桐或いは杉と同様の特性を有する木材でもって形成してもよい。
(3)上記第1各実施形態にて述べた保管庫100の各筐体及び枠体の外周形状は、四角形状に限ることなく、例えば、5角形状や円筒形状等に適宜変更してもよい。
(4)上記第1実施形態において、メタルシリコン系難燃溶液に代えて、この難燃溶液と同様の難燃特性を有する溶液を採用してもよい。
(5)上記第1実施形態において、保管庫100の高さは、約50cmに限ることなく、可搬性を満たす範囲で適宜変更してもよい。
(6)上記第1実施形態にて述べた保管箱100において、内側筐体110cの上端開口部を、外側及び中側の両筐体110a、110bの上端開口部よりの所定長さだけ高くするように上方に突出させ、枠体120aの下端開口部を、内側筐体110cの上端開口部に気密的かつ液密的に嵌合させるように、内側筐体110cの上端開口部の外形寸法に合わせて形成するようにしてもよい。これにより、枠体120aの下端開口部と内側筐体110cの上端開口部との間に、いわゆる茶筒の気密的な嵌め合い構造と同様の構造を適用し得る。但し、内側筐体110cは、外側筐体110aの形成材料である桐で形成する。
これにより、枠体120aの下端開口部と内側筐体110cの上端開口部との嵌合は、気密的かつ液密的に十分に確保される。従って、保管庫は、上記実施形態の保管庫と同様の耐湿性や耐水性を確保し得る。
(7)風車1000の各太陽電池部SCa、SCbのソーラーセルの数は、必要に応じて適宜変更してもよい。また、各太陽電池部SCa、SCbのように並列接続に限ることなく、各太陽電池部SCa、SCbを直列接続してもよい。
(8)上記第5実施形態とは異なり、医療データ送信機300e及びアンテナAntを上記第1実施形態にて述べた柱状支持体2000や発電制御ユニット3000のケーシング3100に支持するようにしてもよい。
(9)コイルバネ1810を形成する形状記憶バネ材料は、アモルファス製に限ることなく、例えば、鉄-マンガン-ケイ素合金等の鉄系形状記憶合金、或いはチタンとニッケルとの合金等であってもよい。
(10)トリアージタグ700は、ICカードに限ることなく、紙製タグであってもよい。この場合には、ステップ442の処置内容のプリンターへの出力処理において、当該紙製タグをプリンター500にセットしてこのプリンター500によりステップ434における処置内容を上記紙製タグに印刷するようにして、ステップ441の処理を廃止してもよい。なお、ステップ433におけるトリアージタグへの患者名及びバイタルサインデータ出力処理は、トリアージタグではなく、プリンター500への出力処理とする。
(11)保管庫100の中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125の形成材料は、上記第1実施形態にて述べた鉄板に代えて、例えば、鋼板であってもよい。
(12)上記第1実施形態にて述べた表裏両側太陽電池SCを構成する両太陽電池部SCa、SCbは、それぞれ、羽根1110或いは1210の表壁A及び裏壁Bに貼着した各ソーラーセルだけでなく、付加的に頭部E及び尾部Fにも貼着した各ソーラーセルをも含めて構成してもよい。この場合、両太陽電池部SCa、SCbは、太陽電池部毎に、羽根1110或いは1210における両側壁C、Dの各側の外周面部位全体を覆うように貼着され直列接続された複数のソーラーセルでもって構成される。なお、各共通電極Dp、Dn(図15参照)は、羽根1110或いは1120毎に、1個ずつでよい。
(13)医療データ送信機300eは、通信機であってもよく、及びアンテナAntは、ロッド状のものに限ることなく、各種形状のアンテナであってもよい。