JP2008150830A - 車両用開閉体の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用開閉体の制御装置においてモータ特性の変化を考慮した正確な全閉位置の推定を行う。
【解決手段】ウィンドウを駆動する直流モータの回転速度、加速度及び直流モータの慣性、駆動電圧に基づいて推定負荷を求める推定負荷算出手段と、推定負荷に基づいて物体の挟み込みを判定する挟み込み判定手段とを有し、推定負荷に基づいて直流モータのコイル温度を推定し、電圧検出手段により検出されたロック電圧とコイル温度とに基づいて全閉位置に達した開閉体の停止位置における全閉位置に対する補正量を推定する。コイルの発熱によりモータ特性が変化して停止位置が変化しても、そのモータ特性の変化を考慮して本来の全閉位置に対する補正が可能であり、その補正によりモータ特性の変化に影響されない正確な全閉位置の推定を行うことができる。
【選択図】図2
【解決手段】ウィンドウを駆動する直流モータの回転速度、加速度及び直流モータの慣性、駆動電圧に基づいて推定負荷を求める推定負荷算出手段と、推定負荷に基づいて物体の挟み込みを判定する挟み込み判定手段とを有し、推定負荷に基づいて直流モータのコイル温度を推定し、電圧検出手段により検出されたロック電圧とコイル温度とに基づいて全閉位置に達した開閉体の停止位置における全閉位置に対する補正量を推定する。コイルの発熱によりモータ特性が変化して停止位置が変化しても、そのモータ特性の変化を考慮して本来の全閉位置に対する補正が可能であり、その補正によりモータ特性の変化に影響されない正確な全閉位置の推定を行うことができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両のウィンドウやサンルーフ、スライドドアなどの車両用開閉体の制御装置に関するものである。
従来、車両のウィンドウやサンルーフ、スライドドアなどの車両用開閉体を直流モータで駆動制御する開閉体制御装置が知られている。そのような開閉体制御装置では、異物の挟み込みがあった場合にモータの回転を停止したり反転したりする必要がある。また、ウィンドウにおける挟み込みにあっては全閉位置近傍で起きる確率が高く、また全閉位置の近傍となる僅かな区間では、例えばU字断面形状のウェザーストリップのU字断面溝内にウィンドウの移動方向端部が突入する時に半開状態の移動中に比べて大きな抵抗が生じる。そのため、上記区間に相当する全閉位置近傍にマスク領域を設け、そのマスク領域では挟み込み検出を行わないようにしている。
上記マスク領域やそれ以外の範囲に対するウィンドウの位置検出にあっては全閉位置を基準とすることから、全閉位置の設定誤差は挟み込み検出に影響を及ぼす。また、全閉位置の検出にあっては、モータに対する負荷の所定値以上の増大により可能であり、その検出された時点での位置を全閉位置とすることができる。しかしながら、上記したウェザーストリップなどは環境温度の違いにより硬さが変わり、それによりウィンドウの全閉動作に対する抵抗の大きさも変わるため、単純なモータ負荷の大きさだけで全閉位置を検出すると、全閉位置が変わってしまうという問題があった。
そのような問題を解消するために、例えば負荷増大による全閉認識位置がそれ以前に記憶された最大全閉位置よりも閉側に位置することになったら、その認識位置を新たな全閉位置として設定し直すようにしたり、外気(環境)温度を監視し、上記ウェザーストリップの硬化も考慮した制御を行ったりしているものがあった(例えば特許文献1参照)。
特開平10−262385号公報
しかしながら、モータにあってはコイルに電流が流れることにより発熱し、その発熱によりモータ特性が変化するという問題がある。したがって、上記特許文献のようにモータ特性の変化を考慮しないものでは全閉位置の推定を正確に行っているとは言えず、全閉位置の推定に誤差が生じるという問題があった。
このような課題を解決して、車両用開閉体の制御装置においてモータ特性の変化を考慮した正確な全閉位置の推定を行うことができることを実現するために本発明に於いては、直流モータで開閉体を駆動する車両用開閉体の制御装置であって、前記直流モータを駆動制御するための駆動制御手段と、前記開閉体の位置を検出する開閉位置検出手段と、前記直流モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記直流モータの駆動電圧を検出する電圧検出手段と、少なくとも前記回転速度と前記駆動電圧とに基づいて前記直流モータの推定負荷を求める推定負荷算出手段とを有し、前記駆動制御手段は、前記開閉体の閉側動作において前記開閉体が全閉位置に達して前記直流モータが回転停止状態になった時に、前記推定負荷算出手段による前記推定負荷に基づいて求められる前記直流モータのコイル温度と前記電圧検出手段により検出されたロック電圧とに基づいて、前記開閉体の停止位置における全閉位置に対する補正量を推定するものとした。
特に、前記駆動制御手段は、所定時間内に前記回転速度検出手段からの新たな検出信号が入力されなかった場合に前記直流モータが回転停止状態になったと判定する停止判定手段を有すると良い。また、前記推定負荷算出手段による前記推定負荷の算出を、前記回転速度に基づく項と、前記駆動電圧に基づく項と、前記回転速度から求める回転加速度及び前記直流モータの慣性モーメントに基づく項とを用いると良く、また、前記挟み込み判定手段による挟み込みの判定処理が、前記開閉体の全閉位置の近傍では行われないように設定されていると良い。
このように本発明によれば、直流モータのコイル温度及びロック電圧に基づいて開閉体の全閉位置に対する補正を行うことから、コイルの発熱によりモータ特性が変化して停止位置が変化しても、そのモータ特性の変化を考慮して本来の全閉位置に対する補正が可能である。予め設定された停止負荷に達して直流モータが回転停止した時の電圧であるロック電圧の大きさに応じて、定格条件における全閉位置に対する補正量を求める(ロック電圧の増大に応じて補正量が増大する)基準マップを作成することができ、その基準マップに対してコイル温度に応じて変化する(温度が高くなるに連れて補正量が減る)マップを作成することにより、コイル温度及びロック電圧に基づいた全閉位置に対する補正を行うことができ、その補正によりモータ特性の変化に影響されない正確な全閉位置の推定を行うことができる。
特に、所定時間内に回転速度検出手段からの新たな検出信号が入力されなかった場合にモータが回転停止状態になったと判定することにより、直流モータの停止状態で直流モータに長時間電流を流し続けてしまうことを防止できる。請求項3によれば、直流モータの回転速度の変化と、駆動電圧の変化と、回転加速度及び直流モータの慣性モーメントに基づく慣性項とを加算するという簡単な式で推定負荷を求めることができ、負荷の推定を容易に行うことができる。また、請求項4によれば、全閉駆動において全閉位置近傍として全閉に至る僅かな領域にあってはウェザーストリップなどの影響を受けるため挟み込み判定を行わないようにして、外乱判定と挟み込み判定とを確実に行うようにすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に基づく車両用開閉体の制御装置の好適実施例として、本発明を自動車用パワーウィンドウ装置に適用した場合を示すブロック図である。
図に示されるように、制御部1には、運転席などに設けられたオート操作スイッチ2a及びマニュアル操作スイッチ2bの各開閉操作信号に応じて自動または手動開閉制御信号を出力するオート制御回路1aと、その開閉制御信号に応じて直流モータ(以下、モータ)3を正逆転駆動するための駆動回路4と、モータ3の駆動電圧を検出する電圧検出回路5と、モータ3の回転に連動する回転速度検出手段としての回転センサ(またはロータリエンコーダ)6からのパルス信号の間隔に基づいてモータ3の回転速度を角速度として算出する角速度算出回路7と、制御部1の主制御を行う駆動制御手段としてのCPU8とが設けられている。なお、CPU8によりイグニッションスイッチIGのオン/オフ状態を検出するようになっている。
CPU8には、上記角速度算出回路7からの角速度信号に基づいて角加速度を算出する角加速度算出部8aと、駆動電圧と角速度と角加速度とに基づいてモータ3の外部負荷を推定する推定負荷算出手段としての推定負荷算出部8bと、推定負荷に基づいて挟み込みの判定を行う判定部8cとが設けられている。なお、角加速度算出部8aと推定負荷算出部8bと判定部8cとは、CPU8内でのプログラム処理で行われるものであって良い。
そして、駆動回路4からの駆動信号応じてモータ3が正逆転して、例えばモータ3にリンクまたはワイヤなどを介して連結された被駆動体としてのウィンドウ9が開閉動作する。なお、オート制御回路1aでは、オート操作スイッチ2aの開/閉の信号が入力された場合には連続した開/閉制御信号を出力し、マニュアル操作スイッチ2bの開/閉信号が入力された場合には操作されている間だけ開/閉制御信号を出力する。またモータ3の制御としては定電圧制御やPWM制御を用いることができる。
CPU8には更に、角速度算出回路7からの角速度信号とモータの回転方向とから全閉から全開に至るウィンドウ9の位置に対応するモータ3の位置を算出するモータ位置算出部8dが設けられている。モータ位置算出部8dの機能もCPU8内でのプログラム処理で実現される。尚、モータ位置は回転センサ6からのパルスカウントによって、例えば全開位置を2500カウント、全閉位置を0カウントとし、全閉と全開の間は0カウントと2500カウントの間のカウント値とすることで表すことができる。
またCPU8には、推定負荷算出部8bによる負荷に基づいてモータ3のコイル温度を推定するコイル温度推定部8eと、コイル温度推定部8eによるコイル温度と電圧検出回路5による電圧とに基づいて全閉位置に対する補正量を求める補正量算出部8fと、補正量算出部8fによる補正量を用いて全閉位置を更新する全閉位置記憶部8gとが設けられている。そして、判定部8cは、位置検出部8dからのウィンドウ9の位置検出値と、推定負荷算出部8bからの負荷値と、全閉位置記憶部8gからの最新の全閉位置のデータとに基づいて、挟み込みの判定及び全閉状態の判定を適宜行う。
このようにして構成されたパワーウィンドウ装置による閉動作時における挟み込み判定制御の好適実施例の概略フローを図2に示す。図2のフローは、例えば10msの一定周期でCPU8内のプログラム処理により行うものとすることができる。
まず、ステップST1ではモータ3の端子電圧V(実効値)を電圧検出回路5で検出してA/D変換し、ステップST2に進む。ステップST2では、回転センサ6からの各パルス信号間の間隔から周期tを算出し、その値から角速度ω(=2π/t)を算出する。次のステップST3では、ステップST2で算出された角速度ωに基づいて角加速度dωを算出し、ステップST4に進む。
ステップST4では、推定負荷算出部8bにて、端子電圧Vと角速度ωと角加速度dωとに基づいて、モータ3の外部負荷となる推定負荷Pを次式により求める。
P=Bm(ω0−ω)+(Tm−Tm0)−Jm・dω…(1)
ここで、Bmはモータ内部負荷の粘性係数、ωは角速度、ω0は外部無負荷時の角速度定常値、Tmはモータトルク、Tm0は外部無負荷時のモータトルク、Jmはモータを含む装置(例えばウィンドウ開閉装置)の慣性モーメント、dωは角加速度である。
P=Bm(ω0−ω)+(Tm−Tm0)−Jm・dω…(1)
ここで、Bmはモータ内部負荷の粘性係数、ωは角速度、ω0は外部無負荷時の角速度定常値、Tmはモータトルク、Tm0は外部無負荷時のモータトルク、Jmはモータを含む装置(例えばウィンドウ開閉装置)の慣性モーメント、dωは角加速度である。
この式で(Tm−Tm0)を電圧と角速度とに分解して次式で表すことができる。
Tm=−a・ω+b・V+c…(2)
ここでa、b、cはモータに固有の定数であり、式(2)式はモータ毎に関数化したり、マップにしたりして、ROMなどのメモリに記憶しておくことができる。
Tm=−a・ω+b・V+c…(2)
ここでa、b、cはモータに固有の定数であり、式(2)式はモータ毎に関数化したり、マップにしたりして、ROMなどのメモリに記憶しておくことができる。
式(1)及び(2)から推定負荷Pを次のように表すこともできる。
P=(Bm+a)(ω0−ω)+b(V−V0)−Jm・dω…(3)
式(3)中で、(Bm+a)(ω0−ω)を角速度差演算項、b(V−V0)を電圧差演算項、Jm・dωを角加速度演算項(または慣性項)と呼ぶこともある。
P=(Bm+a)(ω0−ω)+b(V−V0)−Jm・dω…(3)
式(3)中で、(Bm+a)(ω0−ω)を角速度差演算項、b(V−V0)を電圧差演算項、Jm・dωを角加速度演算項(または慣性項)と呼ぶこともある。
上記した式(1)または(3)において、上記したように角速度差演算項、電圧差演算項、角加速度演算項(または慣性項)を加算するという簡単な式で推定負荷Pを求めることができ、負荷の推定を容易に行うことができる。
なお、挟み込みがあったときの推定負荷Pは、モータのフリクション特性と挟み込みによる負荷増加とを合わせたものとなるが、モータのフリクション特性はモータ毎に異なり、また同一モータでも経年変化を生じ得る。そのため、外部無負荷時(即ち挟み込みがないとき)のモータ位置(ウィンドウ9の開閉位置)に対する負荷基準値としてのモータトルクの変化を示すモータトルクマップ(負荷基準値記憶手段)をウィンドウ9の開閉動作毎に作成することにより、上記したようなモータ特性の個体差や経年変化をモータトルクマップに反映することができる。それを式(1)または(3)から求められる推定負荷から減算したものを外部負荷とすることで、モータ特性の個体差や経年変化に影響されることなく、挟み込みによる負荷増加のみを検出して、挟み込み判定を精度良く行うことが可能となる。
次のステップST5ではモータ3が動作中であるか否かを判別し、動作中であると判定された場合にはステップST6に進む。ステップST6ではモータ3のコイルの温度を上記推定負荷Pに基づいて推定する。ここで、コイル温度Tcが負荷Pの関数で表される場合にはTc=f(P)として算出式を用意し、関数で表せない場合には負荷Pに対するコイル温度Tcの変化を求めるマップを実験値などに基づき作成しておき、推定負荷Pに応じてコイル温度Tcを求めるようにすることができる。
また、ステップST5でモータ3が動作中でない(停止)と判定された場合にはステップST7に進み、そこでは以下の要領でコイル温度を推定する。モータ3のコイルの温度は、コイルを通過する電流に起因してコイルに発生する発熱量と、コイルからコイルに隣接する部材へと拡散する内部伝達熱量とから求めることができる。
図3に熱伝達モデルを示す。図において、発熱源となるコイルと、隣接する各部位と、それらを外囲するヨーク部位と、外気との各間で熱伝達が行われることが各矢印で示されている。各部位としては、コイル自身・コア・シャフト・軸受が主なものとして適用される。なお、ブラシを用いたモータの場合にはさらにブラシ及びブラシホルダが含まれる。ヨーク部位としては、ヨーク自身・マグネットである。なお、ヨークがケースを兼ねていないものにあってはケースが含まれる。また、ヨークまたはケースが車両側部材(フレームなど)に結合された部分が断熱されていない場合には車両側部材の一部も含まれる。そして、外気としてはモータ3の回りの環境温度であって、実使用条件下で想定される最も高い値が設定されている。
先ず、基本的な考え方として、コイルから各部位を介してヨーク部位に伝達されるコイル〜ヨーク部位の熱容量C1と、ヨーク部位から外気に伝達されるヨーク部位の熱容量C2とに分ける。
コイルに流れる電流により発生する発熱量は電流値の2乗に比例し、コイルからコイルに隣接する部材への伝導熱量はコイルとコイルに隣接する部材の温度差に比例するため、温度推定プログラムにおける任意のステップnでのコイルの温度Tc(n)は次の式で表すことができる。
ここで、K1、K2は温度定数、Iはコイルに流れる電流値、Tyはヨーク温度、添字nはあるステップ、添字n−1はあるステップの1つ前のステップをそれぞれ表す。
なお、初期値(n=1)の算出にあっては、式1の右辺のコイルの初期温度Tc(0)は、上記外気温度と同じ値(Tout)とする。この式4はコイルの熱量の収支を基に温度を表す式へと変換することにより得られる。ある時間nのコイル温度Tc(n)は前回の時間n−1のコイル温度Tc(n−1)に、時間n−1にコイルを流れた電流により発生した発熱量と、時間n−1のコイル温度とコイルに隣接する部材の温度との差により発生するコイルからコイルに隣接する部材への内部伝達熱量とを温度に変換した値を加減することにより求められる。熱量から温度への変換はコイル等の熱容量を考慮しており、係数K1及びK2中に含まれる。
また、式4の右辺のヨーク温度Tyは次の式5のように表すことができる。
ここで、K3、K4は温度定数であり、初期値(n=1)の算出にあっては、式5の右辺のコイルの初期温度Tc(0)及びヨークの初期温度Ty(0)は、上記外気温度と同じ値(Tout)とする。
以上の式4及び式5にコイル電流値を代入することで、コイル温度Tc(n)を算出することができる。ここで、コイル電流値としては、電流検出センサにより検出しても可能であるが、本図示例では電圧検出値と回転速度検出値とを用いて算出するようにしている。その算出式は次の式6となる。
ここで、Iはモータ電流、Nはモータの回転速度、Vはモータ端子電圧、α・βはモータ特性により決定される係数である。このように、電圧と回転速度とから電流を求めることができ、これにより電流検出センサ及びそれに伴う回路を設ける必要がなくなり、装置を低廉化し得る。
また、モータの内部構造に応じて内蔵部位を2以上に分けて考えると良い場合があり、そのような場合には、コイルに隣接する部位(第1部材)と、その第1部材に隣接する部位(第2部材)というように分け、それぞれの内部伝達熱量を考慮して、任意の数(m個)の各隣接する部材が存在するとして式を拡張すると良い。
コイルに隣接する部材を第1部材、第1部材に隣接する部材を第2部材として、第m部材まで隣接するとして拡張すると、コイル温度は次の式で表すことができる。
この式は、隣り合う部材間を移動する熱量のみに注目して、他への熱の拡散はないと仮定している。例えば、第a部材の場合は、第a部材の温度は第(a−1)部材と第(a+1)部材とを移動する熱量によって決定される。
ステップST6またはステップST7でコイル温度を求めたら、次のステップST8でウィンドウ9が全閉位置に達したか否かを判別する。この全閉位置の判定にあっては、前回までに記憶された最新の全閉位置に対して全閉状態として良い所定の範囲内にウィンドウ9が達し、かつモータ3の回転に連動するパルス信号の間隔を見てモータ3が停止したと見做された場合として良い。ステップST8で全閉位置であると判定された場合にはステップST9に進み、全閉位置ではないと判定された場合にはステップST1に戻る。
ステップST9では、上記ステップST6またはステップST7で求めたコイル温度を次ステップ以降のステップで用いるコイル温度値とする。次のステップST10では、電圧検出回路5により電圧を検出する。このステップST10に進んだ場合は全閉位置すなわちモータ3が停止した場合であることから、その時検出された電圧をモータ3のロックした時のロック電圧とする。
次のステップST11で、本発明に基づく全閉位置の補正を行う。この場合には図4に示されるマップを用いることができる。図において、横軸をロック電圧、縦軸を補正量とする。そして、コイル温度Tcの違いに応じてロック電圧に対する補正量Lを求める。図では、基準温度T1を実線で示し、それより低い場合の温度T2の例を二点鎖線で示し、高い場合の温度T3の例を一点鎖線で示している。図では3段階のように示しているが温度ステップを小さくして多段階にしたり、式を作り、その係数を変えるようにしたりして分解能を高めることにより高精度化し得る。
ステップST10で検出されたロック電圧が例えばVLの場合の補正量Lは、ステップST9で決定されたコイル温度がT1であればL1となり、コイル温度がT2であればL2となり、コイル温度がT3であればL3となる。ロック電圧Vlと異なる場合も同様に求められる。このようにして求められた補正量Lをその時のウィンドウ9の停止位置に加算して全閉位置を推定し、メモリに記憶して全閉位置を更新する。
これにより、コイル温度の変化すなわちモータ特性の変化を考慮した全閉位置の推定を行うことができ、全閉位置を高精度に更新し得る。なお、図4においてコイル温度T1及びロック電圧VLを各基準値として、対応する補正量L1を0とすれば、補正量L3は負の値となり、上記加算において実質的には減算する補正を行うことができる。
本発明にかかる車両用開閉体の制御装置は、モータ特性の変化の影響により全閉位置の推定に誤差が生じることを防止して高精度な全閉位置の推定が可能であり、全閉位置を基準として開閉制御する種々の開閉体制御装置等として有用である。
1 制御部
2a オート操作スイッチ、2b マニュアル操作スイッチ
3 モータ
4 駆動回路
5 電圧検出回路
6 回転センサ
7 角速度算出回路
8 CPU
8a 角加速度算出部、8b 推定負荷算出部、8c 判定部、8d 位置算出部
9 ウィンドウ
2a オート操作スイッチ、2b マニュアル操作スイッチ
3 モータ
4 駆動回路
5 電圧検出回路
6 回転センサ
7 角速度算出回路
8 CPU
8a 角加速度算出部、8b 推定負荷算出部、8c 判定部、8d 位置算出部
9 ウィンドウ
Claims (4)
- 直流モータで開閉体を駆動する車両用開閉体の制御装置であって、
前記直流モータを駆動制御するための駆動制御手段と、前記開閉体の位置を検出する開閉位置検出手段と、前記直流モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記直流モータの駆動電圧を検出する電圧検出手段と、少なくとも前記回転速度と前記駆動電圧とに基づいて前記直流モータの推定負荷を求める推定負荷算出手段とを有し、
前記駆動制御手段は、前記開閉体の閉側動作において前記開閉体が全閉位置に達して前記直流モータが回転停止状態になった時に、前記推定負荷算出手段による前記推定負荷に基づいて求められる前記直流モータのコイル温度と前記電圧検出手段により検出されたロック電圧とに基づいて、前記開閉体の停止位置における全閉位置に対する補正量を推定することを特徴とする車両用開閉体の制御装置。 - 前記駆動制御手段は、所定時間内に前記回転速度検出手段からの新たな検出信号が入力されなかった場合に前記直流モータが回転停止状態になったと判定する停止判定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体の制御装置。
- 前記推定負荷算出手段による前記推定負荷の算出を、前記回転速度に基づく項と、前記駆動電圧に基づく項と、前記回転速度から求める回転加速度及び前記直流モータの慣性モーメントに基づく項とを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用開閉体の制御装置。
- 前記挟み込み判定手段による挟み込みの判定処理が、前記開閉体の全閉位置の近傍では行われないように設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用開閉体の制御装置。
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