JP2008149678A - 光ヘッド、露光装置、画像形成装置および光ヘッドの製造方法 - Google Patents

光ヘッド、露光装置、画像形成装置および光ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な小型化を達成し得る光ヘッド、当該光ヘッドを用いた露光装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基板101上に配列された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110よって発光素子列110Aが構成され、有機エレクトロルミネッセンス素子110の各々を、発光素子駆動回路181、ソースドライバ180を含む駆動部が駆動する。発光素子列110Aの配列方向における略延長線上の位置において、有機エレクトロルミネッセンス素子110に電荷を供給する陰極138と、駆動部の基板101に対する接地線122が接続され、陰極コンタクト部120が定義される。
【選択図】図22

Description

本発明は光ヘッドおよび画像形成装置に係り、特に発光素子をライン状に配置して発光素子列を形成した光ヘッドおよびこの光ヘッドを有する露光装置、当該光ヘッド、露光装置を備えた画像形成装置に関する。
予め所定の電位に帯電した感光体を画像情報に応じて露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像し、顕画化されたトナー像を記録紙に転写、加熱定着して画像を得る、いわゆる電子写真プロセスを応用した画像形成装置に用いられる露光装置として、レーザダイオードを光源とした光ビームをポリゴンミラーと呼称される回転多面鏡を介して感光体上を走査して静電潜像を形成する方式と、発光ダイオード(以降LEDと呼称する)や有機エレクトロルミネッセンス材料を用いて構成した発光素子をライン状に配置した発光素子列を用いて各発光部を個別に点灯(ON/OFF)制御して感光体上に静電潜像を形成する方式が知られている。
一般にLEDや有機エレクトロルミネッセンス材料を用いた発光素子列を構成要素として含む露光装置は、感光体のごく近傍で各発光素子を選択的に点灯して感光体上に露光光を照射するので、これらを搭載した画像形成装置はレーザダイオードを用いた画像形成装置における回転多面鏡のような可動部がなく信頼性、静粛性が高く、またレーザダイオードの出射光を感光体に導く光学系や、光の経路となる大きな光学的空間が不要で画像形成装置を小型化することが可能である。
特に発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した露光装置は、ガラスなどの基板上に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以降TFTと呼称する)から成るスイッチング素子で構成される駆動回路と有機エレクトロルミネッセンス素子を一体として形成できるため、構造、製造工程がシンプルであり、発光素子としてLEDを搭載した露光装置と比較して更なる小型化、低コスト化を実現できる可能性がある。
しかしその一方で有機エレクトロルミネッセンス素子はその駆動に伴って発光輝度が徐々に低下する、いわゆる光量劣化が発生することが知られている。一般的なディスプレイ装置などに応用される有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度は高々1000[cd/m2]程度でよいのに対し、電子写真装置などの画像形成装置に搭載される露光装置に応用される有機エレクトロルミネッセンス素子には、例えば画像形成装置の仕様として600dpi(dot/inch)、20ppm(pages/minute)程度のスペックを想定すると10000[cd/m2]以上の発光輝度が要求され、その駆動条件は高電圧、大電流の非常に過酷なものとなる。このために露光装置に応用される有機エレクトロルミネッセンス素子は、表示装置に応用される場合と比較して光量劣化の影響を受けやすく、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子から出射する光量を初期と同等の状態に維持するために何らかの光量補正が必要となる。
また有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度は温度依存性があることも知られている。この温度依存性は有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する有機材料によって決まり、正特性、負特性のいずれもがあり得る。上述した電子写真装置の画像形成過程には熱と圧力によって記録紙上のトナー像を定着する工程が含まれており、装置内部に大熱量を発生可能な熱源を有するため、装置内部の温度変化に伴って有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度が変化する。この場合にも個々の有機エレクトロルミネッセンス素子から出射する光量の補正が必要となる。
また、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子間において、発光輝度のばらつき発生を防止することは困難であるため、素子間における光量のばらつきを防ぐ光量補正も必要となる。
さて光量補正に関して、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子を応用した露光装置を搭載した画像形成装置では、例えば特許文献1に開示される構成が知られている。特許文献1における露光装置は有機エレクトロルミネッセンス素子を形成したガラス基板上に光検出素子を配置し、各有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量をこの光検出素子で検出するという構成を有している。
特開2004−082330号公報
このような画像形成装置においては、装置の小型化への要求は高まる一方である。そこで、ガラス基板上に形成、配置される各種の素子、回路の配置態様にも工夫を凝らし、装置の小型化を図ることが考えられる。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、十分な小型化を達成し得る光ヘッド、当該光ヘッドを用いた露光装置、画像形成装置を提供することを目的とする。更に本発明は、このような光ヘッドの製造に適した光ヘッドの製造方法をも提供する。
本発明は、第1に、基板上に配列された複数の発光素子によって構成される発光素子列と、前記発光素子の各々を駆動する駆動部と、前記発光素子に電荷を供給する電極と、前記発光素子列の配列方向における略延長線上の位置に設けられ、前記電極と前記駆動部の接地線を接続するコンタクト部と、を備える光ヘッドが提供されるものである。
が提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの幅方向の長さを小さくすることができ、光ヘッドの小型化を図ることができる。また、発光素子の陰極の接地を容易に確保することができる。
本発明は、第2に、第1に記載の光ヘッドであって、前記電極が、少なくとも二つの発光素子に対して共通に、かつ前記発光素子列の配列方向に沿って前記発光素子列から延長して設けられた光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの幅方向の長さを小さくすることができ、光ヘッドの小型化を図ることができるとともに、光ヘッドを容易に製造することができる。
本発明は、第3に、第2に記載の光ヘッドであって、前記電極が、前記発光素子列を覆うように形成された光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの幅方向の長さを小さくすることができ、光ヘッドの小型化を図ることができるとともに、光ヘッドを容易に製造することができる。
本発明は、第4に、第2または第3に記載の光ヘッドであって、前記発光素子列から延長した前記電極の部分において、前記コンタクト部が存在する光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの幅方向の長さを小さくすることができ、光ヘッドの小型化を図ることができるとともに、光ヘッドを容易に製造することができる。
本発明は、第5に、第4に記載の光ヘッドであって、前記コンタクト部が、前記電極の略端部に設けられた光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの幅方向の長さを小さくすることができ、光ヘッドの小型化を図ることができるとともに、光ヘッドを容易に製造することができる。
本発明は、第6に、第1に記載の光ヘッドであって、前記電極が、少なくとも二つの発光素子に対して共通に、かつ前記発光素子列の配列方向に沿って設けられ、前記電極の延設方向の略両端の位置において、前記コンタクト部が設けられた光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、また、発光素子の陰極の接地を容易に確保することができる。
本発明は、第7に、第6に記載の光ヘッドであって、前記略両端の位置において前記電極と前記コンタクト部を接続する引き出し電極を更に有する光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、発光素子の陰極の接地を容易に確保することができる。
本発明は、第8に、第1から7に記載の光ヘッドを含む露光装置が提供されるものである。さらに本発明は、第9に、第8に記載の露光装置を含む画像形成装置が提供されるものである。
本発明の光ヘッドを用いることにより、露光装置、画像形成装置の小型化を図ることができる。
本発明は、第10に、基板上に複数の発光素子の各々を駆動する駆動部および駆動電極を形成する工程と、前記発光素子の発光部として機能する有機エレクトロルミネッセンス材料を塗布する工程と、塗布した前記有機エレクトロルミネッセンス材料を除去して前記駆動部の接地領域を露出させる工程と、前記複数の発光素子に対する共通電極を、当該共通電極と前記駆動部の露出した前記接地領域が接触するように形成する工程と、を備える光ヘッドの製造方法が提供されるものである。
この構成により、小型化を達成する光ヘッドを容易に製造することができる。
本発明は、第11に、第10記載の光ヘッドの製造方法であって、前記共通電極の前記接地領域と接触した部分を封止する封止部材を形成する工程を更に含む光ヘッドの製造方法が提供されるものである。
この構成により、小型化を達成する光ヘッドを容易かつ確実に製造することができる。
本発明は、第12に、基板上に配列された複数の発光素子によって構成される発光素子列と、前記発光素子の各々を駆動する駆動部と、前記発光素子列を覆うように形成された電極と、前記発光素子列の配列方向における略延長線上の位置に設けられ、前記第1の電極と前記駆動部の接地線を接続するコンタクト部と、前記発光素子列の配列方向における略延長線上の位置に設けられたテスト素子と、を備える光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの量産時において信頼性の検査サンプルを容易に確保するとともに小型化の可能な光ヘッドを提供することができる。
本発明は、第13に、第12に記載の光ヘッドであって、前記発光素子列から見て、前記テスト素子より遠い位置に前記コンタクト部が形成された光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの量産時において信頼性の検査サンプルを容易に確保するとともに小型化の可能な光ヘッドを提供することができる。更にテスト素子は封止部のより内側に設けられるため、水分の浸入等によるテスト素子の劣化を有効に防止することができる。
本発明は、第14に、第13に記載の光ヘッドであって、前記コンタクト部が、前記発光素子と前記テスト素子間で共通である光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの量産時において信頼性の検査サンプルを容易に確保するとともに小型化の可能な光ヘッドを提供することができる。更に発光素子とテスト素子の陰極は一つのマスクによって一括して形成されるため、生産性を向上することができる。
本発明は、第15に、第12に記載の光ヘッドであって、前記テスト素子の近傍でかつ前記基板の端部に設けられた前記テスト素子の駆動電極を更に備える光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの量産時において信頼性の検査サンプルを容易に確保するとともに小型化の可能な光ヘッドを提供することができる。更にテスト素子の駆動電極が個別独立に、かつ外部から直接電位付与が可能に設けられるため、簡易な設備で検査を実施することができる。
本発明は、第16に、第12に記載の光ヘッドであって、一の封止部材で前記発光素子と前記テスト素子を封止した光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、単一の封止部材で発光素子とテスト素子を封止することから、余分な工程が発生せず、製造コストを抑えることができる。
本発明は、第17に、第16に記載の光ヘッドであって、前記封止部材が前記コンタクト部の少なくとも一部を覆う光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、封止部材から外部に突出したコンタクト部分には、外部から直接電位を付与できることから、簡易な設備で検査を実施することができる。
本発明は、第18に、第16に記載の光ヘッドであって、前記封止部材が前記コンタクト部の全部を覆い、前記コンタクト部と接続された引き出し線が前記封止部材の外部に引き出された光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、発光素子の発光性能を犠牲としない範囲で、引き出し線を細くして封止領域から引き出せるため、外部から封止部への水分等の侵入を抑制し光ヘッドの信頼性を確保することができる。
本発明は、第19に、第12に記載の光ヘッドであって、少なくとも二つのテスト素子が、前記発光素子列の配列方向の両側の略延長線上の位置に配置され、二つのテスト素子の発光領域の大きさが異なる光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの様々な信頼性の検査を行うことが可能となる。しかも複数種類の検査を行うための製造工程の増加などは一切不要である。
本発明は、第20に、第12から19のいずれかに記載の光ヘッドであって、前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子により構成され、前記テスト素子が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の有機エレクトロルミネッセンス材料の膜厚を測定可能である光ヘッドが提供されるものである。
この構成により、光ヘッドの信頼性の検査を詳細に行うことが可能となる。しかも詳細な検査を行うための製造工程の増加などは一切不要である。
本発明は、第21に、第12から20のいずれかに記載の光ヘッドを含む露光装置が提供されるものである。更に本発明は、第22に、第21記載の露光装置を含む画像形成装置が提供されるものである。
本発明によれば、信頼性を確保しつつ、十分な小型化を達成し得る光ヘッドが提供される。また、このような光ヘッドを簡易に製造する方法が提供される。さらに、当該光ヘッドを用いて小型化を達成する露光装置、画像形成装置が提供される。
を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
(基本構成)
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。図1において、画像形成装置1は、樹脂などで構成された筐体2内に感光体(像担持体)、帯電器9、転写ローラ16、現像ステーション(現像装置)50、露光装置60、コントローラ70、エンジン制御部80、電源部43等を備えて構成される。
現像ステーション50は、イエロー現像ステーション50Y、マゼンタ現像ステーション50M、シアン現像ステーション50C、ブラック現像ステーション50Kの4色分のユニットを含み、これらの現像ステーションが縦方向に階段状に配列されている。また、その上方には記録媒体である記録紙Rが収容される給紙トレイ4が配設されると共に、各現像ステーション50Y〜50K に対応した箇所には給紙トレイ4から供給された記録紙Rの搬送路となる記録紙搬送路Pを上方から下方の縦方向に構成したものである。
現像ステーション50Y〜50Kは記録紙搬送路Pの上流側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成するものである。イエロー現像ステーション50Yは感光体8Y、マゼンタ現像ステーション50Mには感光体8M、シアン現像ステーション50Cには感光体8C、ブラック現像ステーション50Kには感光体8Kが、各々対応して配置されている。
現像ステーション50Y〜50Kは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は現像色に関わらず同一であるため、以降の説明を簡単にするため特に明示する必要がある場合を除いて現像ステーション50、感光体8、露光装置60のごとく特定の色を明示せずに説明する。
図2は本発明の画像形成装置1における現像ステーション50の周辺を示す構成図である。図2において、現像ステーション50の内部にはキャリアとトナーの混合物である現像剤DLが充填されている。現像ステーション50は、攪拌パドル51(51a,51b)、現像スリーブ53、薄層化ブレード52を備える。
攪拌パドル51a,51は、その回転によって現像剤DL中のトナーをキャリアとの摩擦によって所定の電位に帯電し、トナーとキャリアを現像ステーション2の内部を巡回させることで十分に攪拌混合する。帯電器9は、図示しない駆動源によって方向D3に回転する感光体8の表面を所定の電位に帯電する。現像スリーブ53は内部に複数の磁極が形成されたマグネットロール54を有している。薄層化ブレード52によって現像スリーブ53の表面に供給される現像剤DLの層厚が規制されると共に、現像スリーブ53は図示しない駆動源によって方向D4に回転し、この回転およびマグネットロール54の磁極の作用によって現像剤DLは現像スリーブ53の表面に供給され、後述する露光装置60によって感光体8に形成された静電潜像を現像するとともに、感光体8に転写されなかった現像剤DLは現像ステーション50の内部に回収される。
各現像ステーション2Y〜2Kの下部には感光体8Y〜8Kの表面を露光して静電潜像を形成するための露光装置60Y〜60Kが配置されている。露光装置60は露光光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子を600dpi(dot/inch)の解像度で列状に配置した発光素子列を有しており、帯電器9によって所定の電位に帯電した感光体8に対し、画像データに応じて選択的に有機エレクトロルミネッセンス素子をON/OFFすることで、最大A4サイズの静電潜像を形成する。現像ステーション50の現像スリーブ53に所定の電位(現像バイアス)を印加すると、この静電潜像部分と現像スリーブ53の間に電位勾配が生じる。そして、現像スリーブ53の表面に供給され、所定の電位に帯電している現像剤DL中のトナーにクーロン力が作用し、感光体8には現像剤DLのうちトナーのみが付着し、静電潜像が顕画化される。
露光装置60には、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光量を計測する光量計測部(光量計測手段)が設けられている。露光装置60の構成は後に詳細に説明する。
また、図2に示すように、転写ローラ16が、感光体8に対し記録紙搬送路Pと対向する位置に設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ16には所定の転写バイアスが印加されており、感光体8上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路Pを搬送されてきた記録紙Rに転写する。
そして、図1に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを格納するトナーボトル17が、筐体2の上部に取り付けられている。トナーボトル17から各現像ステーション50Y〜50Kには図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、各現像ステーション50Y〜50Kにトナーを供給している。更にトナーボトル17に隣接して、記録紙Rを保持する給紙トレイ4が、筐体2の上部に取り付けられている。
トナーボトル17の下方には給紙ローラ18が設けられ、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ4に装填された記録紙Rを記録紙搬送路Pに送り出す。
給紙ローラ18と最上流のイエロー現像ステーション50Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路Pには、入口側のニップ搬送部(ニップ搬送手段)としてレジストローラ19、ピンチローラ20対が設けられている。レジストローラ19、ピンチローラ20対は、給紙ローラ18により搬送された記録紙Rを一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション50Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙Rの先端がレジストローラ19、ピンチローラ20対の軸方向と平行に規制され、記録紙Rの斜行を防止する。
そして、レジストローラ19に隣接して、記録紙通過検出センサ21が設けられている。記録紙通過検出センサ21は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙Rの先端および後端を検出する。
図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御し、レジストローラ19の回転を開始すると、記録紙Rは記録紙搬送路Pに沿ってイエロー現像ステーション50Yの方向に搬送されるが、レジストローラ19の回転開始のタイミングを起点として、各現像ステーション50Y〜50Kの近傍に配置された露光装置60Y〜60Kによる静電潜像の書込みタイミング、現像バイアスのON/OFF、転写バイアスのON/OFFなどがそれぞれ独立して制御される。
図2に示す露光装置60から現像領域(感光体8と現像スリーブ10の間隔が最も狭い部位の近傍)までの距離は設計事項であるから、例えば露光装置60による露光を開始して感光体8上に形成された潜像が現像領域に到達する時間も設計事項である。
本実施形態ではレジストローラ19の回転開始のタイミングを起点として、後に説明するように複数ページを連続して印字する際に、記録紙搬送路Pを搬送される記録紙と記録紙の間(即ち紙間)において露光装置60を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を設定して点灯させるとともに、感光体8上に形成された潜像位置に対して現像バイアスをOFFにするような制御を行っている。
さらに図1に基づき筐体2の内部構成を説明する。最下流のブラック現像ステーション2Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路Pには出口側のニップ搬送部(ニップ搬送手段)として定着器23が設けられている。定着器23は加熱ローラ24と加圧ローラ25から構成されている。
さらに温度センサ27が加熱ローラ24の上方に設けられ、加熱ローラ24の温度を検出する。温度センサ27は金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して接触した対象物の温度を計測することができる。温度センサ27の出力は後述するエンジン制御部80に入力され、エンジン制御部80は温度センサ27の出力に基づいて加熱ローラ24に内蔵された熱源(図示せず)に供給する電力を制御し、加熱ローラ24の表面温度が約170゜Cとなるように制御する。
この温度制御がなされた加熱ローラ24と加圧ローラ25によって形成されるニップ部にトナー像が形成された記録紙Rが通紙されると、記録紙R上のトナー像は加熱ローラ24と加圧ローラ25によって加熱および加圧され、トナー像が記録紙R上に定着される。
さらに記録紙3の排出状況を監視する記録紙後端検出センサ28が、筐体2の底部に設けられるとともに、その近傍にはトナー像検出センサ32が設けられている。トナー像検出センサ32は発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙Rの地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ32は画像濃度のみならず画像形成位置も検出できるため、実施形態における画像形成装置1ではトナー像検出センサ32を画像形成装置1の幅方向に2ヶ所設け、記録紙R上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき画像形成タイミングを制御している。
定着器23の下方には記録紙搬送ドラム33が設けられている。記録紙搬送ドラム33は表面を200μm程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙Rは記録紙搬送ドラム33に沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙Rは記録紙搬送ドラム33によって冷却されると共に、画像形成面と逆方向に曲げられて搬送される。これによって記録紙全面に高濃度の画像を形成した場合などに発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙Rは蹴り出しローラ35によって方向D6に搬送され、排紙トレイ39に排出される。
また、フェイスダウン排紙部34が、筐体2に取り付けられた支持部材36を中心に回動可能に構成されている。フェイスダウン排紙部34を開放状態にすると、記録紙Rは方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部34の閉状態において、記録紙搬送ドラム33と共に記録紙Rの搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ37が形成されている。
本実施形態では、駆動源38はステッピングモータにより構成されている。駆動源38によって給紙ローラ18、レジストローラ19、ピンチローラ20、感光体8Y〜8K、および転写ローラ16(図2参照)を含む各現像ステーション50Y〜50Kの周辺部、定着器23、記録紙搬送ドラム33、蹴り出しローラ35の駆動を行っている。
コントローラ70は、外部のネットワークを介して図示しないコンピュータなどからの画像データを受信し、プリント可能な画像データを展開、生成する。後に詳細に説明するように、コントローラ70に搭載されたコントローラCPU(図示せず)は露光装置60Y〜60Kから発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子の光量の計測データを受け取り光量補正データの生成を行う光量補正部(光量補正手段)であるとともに、この光量補正データに基づき有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を設定する光量設定部(光量設定手段)でもある。
エンジン制御部80は画像形成装置1のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ70から転送された画像データおよび光量補正データ(点灯データ)に基づいて記録紙Rにカラー画像を形成すると共に、上述した定着器23の加熱ローラ24の温度制御を含む画像形成装置1の制御全般を行っている。
電源部43は、露光装置60Y〜60K、駆動源38、コントローラ70、エンジン制御部80へ所定電圧の電力供給を行うと共に、定着器23の加熱ローラ24への電力供給を行っている。また感光体8の表面を帯電するための帯電電位、現像スリーブ(図2参照)に印加する現像バイアス、転写ローラ16に印加する転写バイアスなどのいわゆる高圧電源系もこの電源部に含まれている。エンジン制御部80は電源部43を制御することで、高圧電源のON/OFFのみならず出力電圧値や出力電流値を調整している。
また電源部43には電源監視部44が含まれ、少なくともエンジン制御部80に供給される電源電圧、および電源部43の出力電圧をモニタできるようになっている。このモニタ信号はエンジン制御部80おいて検出され、電源スイッチのオフや停電などの際に発生する電源電圧の低下や、特に高圧電源の出力異常を検出している。
以上のように構成された画像形成装置1について、図1と図2を用いてその動作について説明する。
なお、以降の説明において、画像形成装置1の構成および動作全般に関わる説明については主に図1を用い、現像ステーション50Y〜50K、感光体8Y〜8K、露光装置60Y〜60Kのように色を区別して説明するが、露光や現像過程など単色に関わる説明については主に図2を用い、簡単のために現像ステーション50、感光体8、露光装置60のように色を区別せずに説明する。
(初期化動作)
まず画像形成装置1に電源が投入された際の初期化動作について説明する。
電源が投入されると、エンジン制御部80に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)は画像形成装置1を構成する電気的リソース、即ち書込み/読出しが可能なレジスタ、メモリなどのエラーチェックを実行する。このエラーチェックが完了するとエンジン制御CPU(図示せず)は駆動源38の回転を開始する。上述したように駆動源38によって給紙ローラ18、レジストローラ19、ピンチローラ20、感光体8Y〜8K、および転写ローラ16を含む各現像ステーション50Y〜50Kの周辺部、定着器23、記録紙搬送ドラム33、蹴り出しローラ35が駆動される。ただし電源投入直後は記録紙Rの搬送にかかわる給紙ローラ18およびレジストローラ19は、これらに駆動力を伝達する電磁クラッチ(図示せず)は直ちにOFFに設定され、記録紙Rを搬送することがないように制御されている。
図2に示すように、駆動源38(図1参照)の回転に伴って現像ステーション50の攪拌パドル51a,51bおよび現像スリーブ53も回転を始め、これによって現像ステーション50に充填されたトナーとキャリアからなる現像剤DLは現像ステーション50内を周回するとともに、トナーとキャリアの相互の摩擦によってトナーはマイナス電荷を付与される。
エンジン制御CPU(図示せず)は駆動源38(図1参照)の回転を開始して所定時間経過後に、電源部43(図1参照)を制御して帯電器9をONにする。帯電器9によって感光体8の表面は例えば−650Vの電位に帯電される。感光体8は方向D3に回転しており、エンジン制御CPU(図示せず)は帯電領域が現像領域、即ち感光体8と現像スリーブ53の最近接位置に到達した後に、電源部43(図1参照)を制御して現像スリーブ53に例えば−250Vの現像バイアスを印加する。このとき感光体8の表面電位は−650Vであり、現像スリーブ53に印加された現像バイアスは−250Vであるから、電気力線は現像スリーブ53から感光体8の方向を向き、マイナス電荷を有するトナーに作用するクーロン力は感光体8から現像スリーブ53の方向となる。よってトナーは感光体8に付着することはない。
既に述べたように電源部43(図1参照)には高圧電源の出力異常(例えばリークなど)をモニタする機能があり、エンジン制御CPU(図示せず)は帯電器9や現像スリーブ53に高電圧を印加した際の異常をチェックすることができる。
これら一連の初期化動作の最後に、又は後述するような所定の他のタイミングにおいて、エンジン制御CPU82(図7参照)は、露光装置13の光量補正を実行する。エンジン制御部80(図1参照)に搭載されたエンジン制御CPU82はコントローラ70(図1参照)に対して光量補正用のダミーイメージ情報の作成要求を出力する。この作成要求に基づきコントローラ70(図1参照)は光量補正用のダミーイメージ情報を生成し、これに基づいて露光装置60を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子は初期化の時点で実際に点灯制御される。
更に本発明に係る画像形成装置1は複数の発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を列状に形成した発光素子列を設けた露光装置60と、この露光装置60によって潜像が形成される感光体8と、この感光体8に形成された潜像を現像して顕画化する現像手段(現像ステーション50を構成する現像スリーブ53)を有しており、これも後に詳細に説明するように、発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の光量を設定する光量設定部(コントローラ41に搭載されたコントローラCPU)と、発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の光量を計測する光量計測部を有する。
後述するような所定のタイミングにおいて、露光装置60を構成する露光光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子を発光させ、この光量を計測することで、光量ひいては感光体に対する露光量を補正しても感光体8にトナーは付着せずトナーを無駄に消費することはない。更に感光体8と接触回動する転写ローラ16にトナーが付着し、初期化動作に引き続いて行われる画像形成において、転写ローラ16に付着したトナーが記録紙Rの裏面に付着して記録紙Rを汚染することもなくなる。
この光量補正において有機エレクトロルミネッセンス素子を点灯することによって感光体8が露光された領域が現像スリーブ53に近接し、いわゆる現像領域を通過する際、即ち有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を計測する計測期間に露光された感光体8の領域に対しては現像スリーブ53に印加する現像バイアスはOFFにしておくことが望ましい。これによって更に効果的に感光体8へのトナー付着を防止することが可能となる。
(画像形成動作)
次に画像形成装置1の画像形成時の動作について、引き続き図1に図2を併用して説明する。
コントローラ70に外部からイメージ情報が転送されると、コントローラ70はイメージ情報を印字可能な例えば2値画像データとしてイメージメモリ(図示せず)に展開する。イメージ情報の展開が完了するとコントローラ70に搭載されたコントローラCPU(図示せず)はエンジン制御部80に対して起動要求を発する。この起動要求はエンジン制御部80に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)によって受信され、起動要求を受信したエンジン制御CPU(図示せず)は直ちに駆動源38を回転させて画像形成の準備を開始する。
上述した過程を経て画像形成の準備が完了すると、エンジン制御部80に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)は、電磁クラッチ(図示せず)を制御して給紙ローラ18を回転させ記録紙Rの搬送を開始する。給紙ローラ18は例えば全周の一部を欠いた半月ローラであって、記録紙Rをレジストローラ19の方向に搬送するとともに、一回転するとその回転を停止する。エンジン制御CPU(図示せず)は搬送された記録紙Rの先端が記録紙通紙センサ21で検出すると、所定のディレイ期間を設けた上で電磁クラッチ(図示せず)を制御してレジストローラ19を回転させる。このレジストローラの回転に伴って記録紙Rは記録紙搬送路Pに供給される。
エンジン制御CPU(図示せず)は、このレジストローラ19の回転を開始のタイミングを起点として、各露光装置60Y〜60Kによる静電潜像の書込みタイミングをそれぞれ独立に制御する。静電潜像の書込みタイミングは画像形成装置1における色ずれなどに直接的に影響するため、この書込みタイミングはエンジン制御CPU(図示せず)が直接発生させることはない。具体的にはエンジン制御CPU(図示せず)は、図示しないハードウェアであるタイマなどに各露光装置60による静電潜像の書込みタイミングを予め設定しておき、上述したレジストローラ19の回転を起点として各露光装置60Y〜60Kに対応するタイマの動作を同時に開始する。各タイマは予め設定された時間が経過すると、コントローラ70に対して画像データ転送要求を出力する。
画像データ転送要求を受信したコントローラ70のコントローラCPU(図示せず)は、コントローラ70のタイミング生成部(図示せず)で生成されたタイミング信号(クロック信号、ライン同期信号など)に同期して2値画像データを各露光装置60Y〜60Kに独立して転送する。このようにして2値画像データが露光装置60Y〜60Kに送られ、この2値画像データに基づき露光装置60Y〜60Kを構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の点灯/消灯が制御され各色に対応した感光体8Y〜8Kが露光される。
露光によって形成された潜像は、図2に示すように現像スリーブ53上に供給された現像剤DLに含まれるトナーによって顕画化される。顕画化された各色のトナー像は記録紙搬送路Pを搬送されてきた記録紙Rに順次転写される。4色のトナー像の転写を完了した記録紙Rは定着器23に搬送され、定着器23を構成する過熱ローラ24と加圧ローラ25によって挟持搬送され、この熱と圧力によってトナー像は記録紙Rに定着される。
形成されるべき画像が複数ページの場合は、エンジン制御CPU(図示せず)は1ページ目の記録紙Rの後端を記録紙通過検出センサ21で検出した後、レジストローラ19の回転を一旦停止し、所定の時間経過後に給紙ローラ18を回転させて次の記録紙3の搬送を開始し、更に所定時間経過後に再度レジストローラ19の回転を開始して、次のページの記録紙Rを記録紙搬送路Pに供給する。このようにレジストローラ19の回転ON/OFFのタイミング制御によって、複数のページにわたって画像を形成する場合に記録紙Rの間の紙間を設定することができる。この紙間による時間(以降紙間時間と呼称する)は画像形成装置1の仕様によっても異なるが、一般に500ms程度を設定することが多い。もちろんこの紙間の期間には通常の画像形成動作(即ち露光装置60による感光体8に対する露光動作)が行われることはない。
図3は本発明の実施形態の画像形成装置1における露光装置60の構成図である。露光装置60は、筐体A(下筐体)61a、筐体B(上筐体)61b、レンズアレイ62、中継基板63、コネクタA(第1のコネクタ)64a、コネクタB(第2のコネクタ)64b、ケーブル65、FPC(Flexible Printed Circuit;フレキシブルプリント回路)66、光学ヘッド100(ガラス基板101)から構成されている。
光学ヘッド100を構成する必須部材の中で、面積的に大きな部分を占めるガラス基板101は無色透明なガラスより構成されている。本実施形態ではガラス基板101としてコスト的に有利なホウケイ酸ガラスを用いているが、発光素子やガラス基板101上に薄膜トランジスタにより形成される制御回路、駆動回路などの発熱をより効率的に放熱する必要がある場合にはMgO、Al2O3、CaO、ZnOなどの熱伝導度加成因子を含有するガラス、または石英を用いてもよい。
ガラス基板101の面Aには発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子が図面と垂直な方向(主走査方向)に600dpi(dot/inch)の解像度で形成されている。そして、ガラス基板101の面Aと逆側の面には、プラスティックまたはガラスで構成される棒レンズ(図示せず)を列状に配置したレンズアレイ62が配置されている。レンズアレイ62は、ガラス基板101の面Aに形成された有機エレクトロルミネッセンス素子の出射光を正立等倍の像として感光体8の表面に導く。レンズアレイ62の一方の焦点はガラス基板101の面Aであり、もう一方の焦点は感光体8の表面となるようにガラス基板101、レンズアレイ62、感光体8の位置関係が調整されている。即ち面Aからレンズアレイ62の近い方の面までの距離L1と、レンズアレイ62の他方の面と感光体8の表面までの距離L2とするとき、L1=L2となるように設定される。
中継基板63は、例えばガラスエポキシ基板の上に電子回路を構成して形成され、その上に少なくともコネクタA64aおよびコネクタB64bが実装されている。中継基板63は例えばフレキシブルフラットケーブルなどのケーブル65によって露光装置60に外部から供給される画像データや光量補正データ、およびその他の制御信号をコネクタB64bを介して一旦中継し、これらの信号を光学ヘッド100に渡す。
光学ヘッド100のガラス基板101の表面にコネクタを直接実装することは接合強度や多様な環境における信頼性を考慮すると困難であるため、本実施形態では中継基板63のコネクタA64aとガラス基板101との接続手段としてFPC66を採用し、ガラス基板101とFPCの接合は例えばACF(Anisotropic Conductive Film;異方性導電フィルム)を用いて、予めガラス基板101上に形成された例えばITO(Indium Tin Oxide;錫ドープ酸化インジウム)電極に直接接続する構成としている。
一方コネクタB64bは、露光装置13を外部と接続するためのコネクタである。一般的にACFなどによる接続は接合強度が問題となる場合が多いが、このように中継基板52上にユーザが露光装置13を接続するためのコネクタB64bを設けることで、ユーザが直接アクセスするインタフェースに十分な強度を確保することができる。
筐体A61aは金属板を例えば折り曲げ加工により成型したものである。筐体A61aの感光体8に対向する側にはL字状部位Lが形成されており、L字状部位Lに沿って光学ヘッド100およびレンズアレイ62が配設されている。筐体A61aの感光体8側の端面とレンズアレイ62の端面を同一面に合わせ、更に筐体A61aによってガラス基板101の一端部を支持する構造とすることで、L字状部位Lの成型精度を確保すれば、光学ヘッド100とレンズアレイ62の成す位置関係を精度よく合わせ込むことが可能となる。このように筐体A61aは寸法精度を要求されるため、金属にて構成することが望ましい。また筐体A61aを金属製とすることで、ガラス基板101上に形成される制御回路およびガラス基板101上に表面実装されるICチップなどの電子部品へのノイズの影響を抑制することが可能である。
筐体B61bは樹脂を成型して得られる。筐体B61bのコネクタB64bの近傍には切欠き部(図示せず)が設けられており、ユーザはこの切欠き部からコネクタB64bにアクセスが可能となっている。コネクタB64bに接続されたケーブル65を介して既に説明したコントローラ70(図1参照)から露光装置60に画像データ、光量補正データ、クロック信号やライン同期信号などの制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電源などが供給される。
図4は、図3における面A側から見た露光装置60における光ヘッド100の上面図である。光ヘッド100は、ガラス基板101の上面に、各種素子、回路がパターン形成されるか、またはチップの形式にて配置されることにより構成されている。光ヘッド100は、感光体8を露光する光を生成するとともに、光量を補正するために光を検知する機能も備えるユニットである。
光ヘッド100におけるガラス基板101は、厚みが約0.7mmの少なくとも長辺と短辺を有する長方形形状の基板であり、その長辺方向(主走査方向)には、発光素子である複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110が列状に形成され、発光素子列110Aを形成している。実施形態ではガラス基板101の長辺方向には少なくともA4サイズ(210mm)の露光に必要な有機エレクトロルミネッセンス素子110が配置されている。また、実施形態では簡単のためにガラス基板101を長方形として説明するが、ガラス基板101を筐体A61aに取り付ける際の位置決め用などのために、ガラス基板101の一部に切り欠きを設けるような変形を伴っていてもよい。
FPC66は、中継基板63のコネクタ64aと光ヘッド100とを接続するインタフェースであり、ガラス基板101に設けられた回路パターンに直接接続されている。既に説明したように露光装置60に外部から供給された、2値画像データ、光量補正データおよびクロック信号やライン同期信号などの制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動電源は、図3に示す中継基板63を一旦経由した後にFPC66を介して光ヘッド100に供給される。尚、本実施形態ではFPC66は、ガラス基板101の長手方向に沿って3組(66a,66b,66c)並べられている。後述するように、両端のFPC66a,66cは、有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する信号を供給し、中央のFPC66bは、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を検出、処理するための信号を供給するとともに、処理結果であるディジタルデータを出力する。
有機エレクトロルミネッセンス素子110は、露光装置60における露光光源であり、実施形態では有機エレクトロルミネッセンス素子110は主走査方向に600dpiの解像度で5120個が列状に形成され、発光素子列110Aを形成している。個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110はそれぞれ独立に後述のTFT回路によって点灯/消灯を制御される。
ガラス基板101上には、有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動を制御するICチップとして供給される(発光素子用)ソースドライバ180(180a,180b)がフリップチップ実装されている。ガラス面へ表面実装を行うことを考慮し、ソースドライバ180はベアチップ品を採用している。ソースドライバ180には露光装置60の外部からFPC66を介して8bitの光量補正データに基づく点灯データ(図8参照)が供給される。
ソースドライバ180は、有機エレクトロルミネッセンス素子110に対する駆動電流設定部である。より具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量補正部であり光量設定部でもある、コントローラ70(図1参照)に搭載されたコントローラCPU(図示せず)によって生成された光量補正データに基づいて、ソースドライバ180は個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するための駆動電流を設定する。光量補正データに基づくソースドライバ180の動作については後に詳細に説明する。
ガラス基板101においてFPC66の接合部とソースドライバ180は、例えば表面にメタルを形成したITOの回路パターン(図示せず)を介して接続されている。
また、斜線部で示された部分は、ガラス基板101上に形成された発光素子駆動回路(発光素子駆動部)181に相当する。発光素子駆動回路181は、後述するようにシフトレジスタ、データラッチ部など、有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯/消灯のタイミングを制御するゲートコントローラ114、および個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110に駆動電流を供給するピクセル回路113等を含む(図8参照)。発光素子駆動回路181は、ガラス基板101上にパターン形成されたTFT(Thin Film Transistor)回路190(図8参照)により構成されるが、後述する光量センサ220(図10参照)、光量検出対象である所望の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対応した光量センサ220を能動状態にする選択信号発生回路(スイッチング回路)240、さらには有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するピクセル回路113(図8参照)もTFTによって形成されている。ピクセル回路113は各有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して1つずつ設けられ、有機エレクトロルミネッセンス素子110が形成する発光素子列110Aと並列に設けられている。駆動パラメータ設定部であるソースドライバ180によって、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するための駆動電流値がこのピクセル回路113に設定される。
TFT回路190を構成するゲートコントローラ114(図8参照)には露光装置60の外部からFPC66を介して電源、クロック信号、ライン同期信号などの制御信号および2値画像データが供給され、ゲートコントローラ114はこれらの電源および信号に基づいて個々の発光素子の点灯/消灯タイミングを制御する。ゲートコントローラ114およびピクセル回路113(図8参照)の動作については後に図面を用いて詳細に説明する。また、TFT回路190の光量センサ220(図10参照)側の構成についても後に詳述する。
また一点鎖線で示された領域SLには封止ガラスが形成されている。有機エレクトロルミネッセンス素子110は水分の影響を受けると発光領域の経時的な収縮(シュリンキング)や、発光領域内に非発光部位(ダークスポット)が生じるなどして発光特性が極端に劣化するため、水分を遮断するための封止が必要である。実施形態ではガラス基板101に接着剤を介して封止ガラスを貼り付けるベタ封止法を採用しているが、封止領域は一般に有機エレクトロルミネッセンス素子110が構成する発光素子列110Aから副走査方向に2000μm程度が必要とされており、実施形態でも封止しろとして2000μmを確保している。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子110の奥側(図4の紙面奥行き方向)、すなわちガラス基板101に近いほうの側には、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測する光検出素子としての光量センサ220が、有機エレクトロルミネッセンス素子110と重畳形成されている。両者の間には例えば酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁層や保護層(共に図示せず)が配置されており、これらの絶縁層や保護層によって光量センサ220と有機エレクトロルミネッセンス素子110の分離が図られている。
さて、発光光量の計測に際しては原則的には有機エレクトロルミネッセンス素子110を一つ一つ個別に点灯して光量を計測する必要があるが、計測の対象となる有機エレクトロルミネッセンス素子110から十分に離間した光量センサ220には、その発光の影響が殆どない。有機エレクトロルミネッセンス素子110からの出射光はガラス基板101の内部を反射しながら伝播するが、ガラス基板101の表面には既に述べたTFTや配線用のメタル層が形成されているため、基本的に鏡面反射となる。鏡面反射を多数回繰り返すことによって、光は減衰してしまう。これによって、実施形態では光量センサ220を複数の光量センサで構成することで複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を同時に計測することを可能としている。尚、本実施形態では有機エレクトロルミネッセンス素子110の一つ一つに対して光量センサ220が形成されており、発光素子列110Aと総ての光量センサ220の組合せにより、発光ユニット105が構成されるが、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して1つの光量センサ220を対応づけて(即ち有機エレクトロルミネッセンス素子110:光量センサ220=多:1)配置するようにしてもよい。
上述したように、本実施形態においては、有機エレクトロルミネッセンス素子110、光量センサ220、選択信号発生回路240、発光素子駆動回路190(図8参照)は、ポリシリコンのモノシリックデバイスとしてTFT回路190内に集積化して形成されている。TFT回路190を構成する低温ポリシリコンの光透過率は比較的高いため、ガラス基板101を介して露光光を取り出すいわゆるボトムエミッション構成であっても、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110と対応する光量センサ220を、TFT回路190と事実上一体に形成することができる。
なお光量センサ220は、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光面の直下全面に形成されるが、その一部に対応して形成してもよい。
複数の光量センサ220の出力はチップ部品を含んで構成された光量センサ出力処理部210(210a,210b,210c,210d)に入力される。後述する光量センサの出力(光量センサ出力)は、光量センサ出力処理部210において電荷蓄積法による電圧変換を施され、更に所定の増幅率で増幅された後にアナログ−ディジタル変換され、このディジタル変換後のディジタルデータ(以降、光量計測データと呼称する)が、FPC66b、中継基板63、ケーブル65(ともに図3参照)を介して露光装置60の外部に出力される。後に詳細に説明するように光量計測データはコントローラ70(図1参照)に搭載されたコントローラCPU(図示せず)にて受信、処理されて例えば8bitの光量補正データが生成される。
後に図22を用いて詳細に説明するが、本実施形態の光ヘッド100では、発光素子列110A、光量センサ220から見て副走査(+)方向に離間した位置、すなわち実質的に他の部品が存在しない側に選択信号発生回路240(図10参照)、選択トランジスタ232(図13参照)が配置、形成されている。一方、発光素子列110A、光量センサ220から見て副走査(−)方向に離間した位置、すなわち、FPC66が配置されている側に、ソースドライバ180、発光素子駆動回路181、光量センサ出力処理部210が配置されている。具体的には、発光ユニット105の両側(図4の副走査(±)方向)に隣接して選択信号発生回路240、発光素子駆動回路181が配置され、更に発光素子駆動回路220から見て、副走査(−)方向の位置に、光量センサ出力処理部210(210a,210b,210c,210d)が配置されている。各光量センサ出力処理部210は、チャージアンプ250、アナログ・ディジタル変換器(ADC)260を含むが、後に詳述する。
即ち、本実施形態においては、基板101上に配列された複数の発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子110)によって構成される発光素子列と、発光素子の各々から出力される光を検出する複数の光検出素子(光量センサ220)と、光検出素子の出力を処理する第1の処理部(選択信号発生回路240、選択トランジスタ232)と第2の処理部と(光量センサ出力処理部210)を備え、この第1の処理部と第2の処理部の間に発光素子列と光検出素子を配置している。
このような配置とすることで、図4に示す選択信号発生回路240の形成領域を封止ガラスの配置された領域SLと兼用することができ、光ヘッド100の副走査方向のサイズを小さくすることが可能となる。
また、チップ部品を含む光量センサ出力処理部210(210a,210b,210c,210d)の配置領域は、光ヘッド100への電源供給も担うFPC66の近傍となるため、これらのICチップの電源ラインが安定するという効果がある。
更に選択信号発生回路240によって選択された各光量センサ220(正確にはセンサピクセル回路230)からの出力電流は微小なものであるが、この伝送経路RoA〜RoP(いずれも図10参照)は、いずれも選択信号発生回路240の配置される側、即ち発光素子列を挟んで、発光素子駆動回路181とは逆の側に設けられるため、有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する際のノイズの影響を受けにくくなる。
図4に示すように、光ヘッド100全体の副走査方向の幅Aは例えば28mm、選択信号発生回路240が配置された側の幅Bは4mmに設定されている。全体の幅Aに比べ、かなり小さい幅B(=A/7)の領域に選択信号発生回路240が配置されている。また、光量センサ出力処理部210が配置された領域の幅Cは、幅Bより大きい。
図5は本発明の実施形態の画像形成装置1におけるコントローラ70の構成を示すブロック構成図である。以降図5を用いてコントローラ70の動作を説明する。コントローラ70は、イメージメモリ71a、光量補正データメモリ71b、バッファメモリ71c、ネットワークインタフェース72、ROM(Read Only Memory)73、RAM(Random Access Memory)74、CPU(Central Processing Unit)75、画像処理部76、タイミング生成部77、プリンタインタフェース78を備える。
図5に示すように、外部のコンピュータ300がネットワークNに接続され、ネットワークNを経由してコントローラ70にイメージ情報や印字枚数や印字モード(例えばカラー/モノクロ)などのプリントジョブ情報を転送する。コントローラ70はネットワークインタフェース72を介してコンピュータ300から転送されたイメージ情報やプリントジョブ情報を受信し、イメージ情報を印字可能な2値画像データに展開するとともに、逆に画像形成装置側で検出されたエラー情報などをいわゆるステータス情報としてネットワークN経由でコンピュータ300に送信する。
コントローラCPU75は、ROM84に格納されたプログラムに基づきコントローラ70の動作を制御する。RAM85はコントローラCPU75のワークエリアとして使用されるとともに、ネットワークインタフェース72を介して受信したイメージ情報やプリントジョブ情報などが一時的に記憶される。
画像処理部76はコンピュータ300から転送されたイメージ情報とプリントジョブ情報に基づき、ページ単位に画像処理(例えばプリンタ言語に基づくイメージ展開処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成など)を行って印字可能な2値画像データを生成し、これをページ単位にイメージメモリ71aに格納する。
図6は例えばEEPROMなど書き換え可能な不揮発性メモリによって構成された光量補正データメモリ71bの内容を示す説明図である。本図を用いて光量補正データメモリにおけるデータ構造およびデータの内容について説明する。
図6に示すように光量補正データメモリ71bは第1エリアから第3エリアの三つの領域を有している。それぞれの領域は露光装置60(図3参照)を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110(図4参照)の個数と等しい5120個の8bitのデータを含み、合計15360バイトを占有している。
まず第1エリアに格納されているデータDD[0]〜DD[5119]について図6に図3と図4を併用して説明する。
既に説明した露光装置60(図3参照)は、その製造工程において露光装置60を構成する個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110(図4参照)の光量を調整する工程を含んでいる。この工程において露光装置60は所定の治具(図示せず)に取り付けられ、露光装置60の外部から供給される制御信号に基づいて、有機エレクトロルミネッセンス素子110が個別に点灯制御される。
更に治具(図示せず)に設けられたCCDカメラによって、感光体8(図3参照)の像面位置における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の二次元の露光量分布が計測される。治具(図示せず)はこの露光量分布に基づき感光体8上に形成される潜像の電位分布を計算し、更に実際の現像条件(現像バイアス値)に基づいてトナー付着量との相関が高い潜像断面積を計算する。治具(図示せず)では有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するための駆動電流値を変化させ{既に説明したようにソースドライバ180(図4参照)を介してTFT回路190(図4参照)を構成するピクセル回路113(図8参照)にアナログ値をプログラムすることで有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する電流値を設定することができる。}個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積のどれもが略等しくなるような駆動電流値、即ちピクセル回路113への設定値(制御する観点からはソースドライバ180への設定データ)を決定する。
さて有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光面積および発光面内における発光光量分布が等しく、かつ通常の現像条件を想定した場合、上述の潜像断面積は露光量とほぼ比例する。更に「露光時間を一定としたときの(発光)光量」と「露光量」は同義であり、また一般的に有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光光量と駆動電流値(即ちピクセル回路113(図8参照)への設定値)は比例するから、全てのピクセル回路113への駆動電流設定を同一とした上で個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光光量を一度計測することで、各有機エレクトロルミネッセンス素子110による潜像断面積を一定にするピクセル回路113への設定値(前述のごとくソースドライバ180への設定データ)を計算によって求めることも可能である。
光量補正データメモリ71bの第1エリアには、このようにして求めたソースドライバ180への設定データが格納されている。その個数は前述のごとく露光装置60を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110の個数と等しい(即ちピクセル回路の個数とも等しい)5120個である。このように光量補正データメモリ71bの第1エリアには「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ180の設定値」が格納されている。
次に第2エリアに格納されているデータID[0]〜ID[5119]について図6に図3と図4を併用して説明する。
治具は第1エリアに格納されるデータを取得するとの同時に、露光装置60のソースドライバ180(図4参照)を介して光量センサ220(図4、10参照)の出力に基づく8bitの光量計測データを取得する。これによって「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」を取得できる。第2エリアにはこの8bitの光量計測データID[n]が格納されている。
さて治具によってID[n]を取得する際の有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動条件は、光量計測時と同等にしておく必要があり、実施形態では後述するように画像形成装置1の1ライン期間(ラスタ期間)である350μsを複数回適用して総計約30msの点灯期間を付与している。
このようにして露光装置60の製造工程において第1エリアおよび第2エリアに格納されるデータが取得され、これらのデータは図示しない電気的な通信手段によって治具から光量補正データメモリ71bに書き込まれる。
次に第3エリアに格納されているデータND[0]〜ND[5119]について図6に図3と図4および図5を併用して説明する。
本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、光量計測手段としての光量センサ220による計測結果に基づき、有機エレクトロルミネッセンス素子110の各々の光量を略等しく補正する光量補正部(光量補正手段){コントローラCPU75(図5参照)}を有し、この光量補正部の出力に基づいて、光量設定部(同じくコントローラCPU75)は画像形成を行う際の各有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を設定する。第3エリアには光量補正手段たるコントローラCPU75によって画像形成を行う際の各有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量の設定値、即ち光量補正データが書き込まれる。
実施形態の画像形成装置1では、画像形成装置1の初期化動作、画像形成動作の起動時、紙間、画像形成動作の完了時など、後述するような所定のタイミングにおいて、露光装置60を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測することは既に述べたとおりである。コントローラCPU75はこれらの時点で計測された光量計測データと、露光装置60の製造工程において第1エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ180の設定値」と、同じく露光装置60の製造工程において第2エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」とに基づいて光量補正データを生成する。すなわち、コントローラCPU75は、光量センサ220によって検出された有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を参照し、当該素子の光量を補正する光量補正部として機能する。
以降コントローラCPU75による光量補正データの計算内容について説明するが、本発明のポイントを明確にするため、まず光量計測時の光量を画像形成時と等しくしたと想定して説明する。
第1エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ180の設定値」をDD[n](nは主走査方向における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子番号、以下同じ)、第2エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」をID[n]、初期化動作などにおいて新たに計測された光量計測データをPD[n]とするとき、第3のエリアに書き込まれる新たな光量補正データND[n]は(数1)に基づきコントローラCPU75によって生成される。尚、光量計測データID[n]は、計測された有機エレクトロルミネッセンス素子の光量に該当するが、光量補正データND[n]は、ソースドライバ180に設定される個々の素子に流される電流値に該当する。
Figure 2008149678
このようにして生成された光量補正データND[n]は一旦光量補正データメモリ71b(図5参照)の第3エリアに書き込まれる。以降画像形成に先立って光量補正データND[n]は光量補正データメモリ71bからイメージメモリ71a(図5参照)の所定の領域にコピーされる。画像を形成するにあたってイメージメモリ71aにコピーされた光量補正データND[n]は、2値画像データとともに後述するバッファメモリ71c(図5参照)に一時的に蓄積され、プリンタインタフェース78(図5参照)を介してエンジン制御部80(図5参照)に出力される。
なお、本実施形態においては、光量補正データND[n]は、上述のように比例演算を用いて求めているが、光量補正データND[n]を決定した後に、再度有機エレクトロルミネッセント素子110を点灯させて光量計測データを取得し、これと当初の光量計測データIDを比較した差が予め定めた値よりも大きい場合は、再度光量計測動作を繰り返すように構成してもよい。
また、計測された光量計測データが当初の光量計測データID[n]と略一致するまで光量計測を繰り返し、これによって光量補正データND[n]を求めることも可能である。
光量計測データは光量センサ出力処理部210において電荷蓄積法による電圧変換を施される。電荷蓄積法はSN比を向上させるために有効であるが、光量センサ220(図4、10参照)の出力(電流値)は微小であるため、電荷蓄積にはある程度の蓄積時間を必要とする。これについては後述する。
上述したように、イメージメモリ71aに格納された2値画像データおよび前述の光量補正データは、エンジン制御部80への転送にあたって一旦バッファメモリ71cに蓄積される。バッファメモリ71cはイメージメモリ71aからバッファメモリ71cへの転送速度と、バッファメモリ71cからエンジン制御部80へのデータ転送速度の差を吸収するため、いわゆるデュアルポートRAMによって構成されている。
イメージメモリ71aに格納されたページ単位の2値画像データおよび光量補正データは、タイミング生成部77が生成するクロック信号やライン同期信号と同期してプリンタインタフェース78を介してエンジン制御部80に転送される。
なお、本実施形態では光量補正を実行する主体をコントローラ70として説明したが、この光量補正の機能はコントローラ70以外の構成要素で実行してもよく、例えば上述した光量補正データND[n]の算出機能を、全て露光装置60に持たせるように構成しても構わない。この場合は露光装置60にCPUなどの演算装置や、メモリ等を構成すればよい。
図7は本発明の実施形態の画像形成装置1におけるエンジン制御部80の構成を示すブロック構成図である。エンジン制御部80は、コントローラインタフェース81、エンジン制御CPU82、ROM83、RAM84、不揮発性メモリ85、シリアルインタフェース86、バス87を備える。
コントローラインタフェース81は、コントローラ70から転送される光量補正データ、ページ単位の2値画像データなどを受信する。
エンジン制御CPU82は、ROM83に格納されたプログラムに基づき画像形成装置1における画像形成動作を制御している。RAM84はエンジン制御CPU82が動作する際のワークエリアとして使用される。不揮発性メモリ85はEEPROMなどのいわゆる書き換え可能な不揮発性メモリにより構成され、例えば画像形成装置1の感光体8の回転時間、定着器23(図1参照)の動作時間など、構成要素の寿命に関する情報が格納されている。
記録紙通過検出センサ21(図1参照)や記録紙後端検出センサ28(図1参照)などのセンサ群からの情報や電源監視部44(図1参照)の出力は、図示しないシリアル変換部によって所定の周期のシリアル信号に変換され、シリアルインタフェース86で受信される。シリアルインタフェース86で受信されたシリアル信号はパラレル信号に変換された後にバス87を介してエンジン制御CPU82に読取られる。
一方給紙ローラ18や駆動源38(ともに図1参照)の起動・停止、給紙ローラ18(図1参照)に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)などのアクチュエータ群45に対する制御信号や、現像バイアス、転写バイアス、帯電電位などの電位設定を管理する高圧電源制御部46に対する制御信号などは、パラレル信号としてシリアルインタフェース86に送られる。シリアルインタフェース86ではパラレル信号をシリアル信号に変換してアクチュエータ群45、高圧電源制御部46に出力する。このように実施形態では高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は全てシリアルインタフェース86を介して行っている。一方ある程度の高速性が要求される例えばレジストローラ19を駆動/停止させるための制御信号はエンジン制御部80の出力端子に直接接続されている。
また、筐体2の所定部分に設置された操作パネル47がシリアルインタフェース86に接続されている。ユーザが操作パネル47に対して行った指示はシリアルインタフェース86を介してエンジン制御CPU82によって認識される。尚、実施形態ではユーザの指示を入力する指示入力部としての操作パネルを有し、この操作パネルへの入力に基づいて、露光装置60を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測し、光量を補正するようにしてもよい。この指示は外部のコンピュータなどからコントローラ70を経由して与えることももちろん可能である。具体的な使用態様としては、例えば大量の印字を行った際にユーザが印字面に濃度ムラを発見したような場合に、ユーザが光量の補正を強制的に行って画質確保を図るような場合が想定される。画像形成装置1が待機中であればユーザはいつでも強制的な光量補正の実行を指示することが可能であるし、画像形成時であっても画像形成装置1をオフラインに遷移させ画像形成を一時的に保留することで、ユーザは光量補正の実行を指示することができる。
いずれにしても指示部としての操作パネル47などから光量の補正要求が入力されると、エンジン制御CPU82は(初期化動作)で説明したように、画像形成装置1の構成要素の駆動を開始し、コントローラ70に対して光量補正用のダミーイメージ情報の作成要求を出力する。この要求に基づきコントローラ70に搭載されたコントローラCPU75は光量補正用のダミーイメージ情報を生成し、これに基づいて露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110は点灯制御される。このときに上述した露光装置60に設けられた光量センサ220で、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を検出し、この光量の検出結果に基づいて個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量が略等しくなるように光量の補正を行う。
次に有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測する際の動作について、図7に図1、図5および図6を併用して詳細に説明する。
光量の補正は、後述するように画像形成装置1の起動直後の初期化動作、印字開始前、紙間、印字開始後、操作パネル47などによるユーザ指定時のタイミングで行われるが、簡単のために画像形成装置1の初期化動作時点で光量の計測を実行する場合について説明する。また実施形態の画像形成装置1はフルカラー画像を形成可能に構成されたものであり、既に説明したように4色に対応した露光装置60Y〜60K(図1参照)を有しているが、これも簡単のために1色に対する動作のみを説明し、露光装置60のように記載する。また以下に示す状況において例えば駆動源38(図1参照)や現像ステーション50(図2参照)などは、(初期化動作)にて既に詳細を示したように既に起動されているものとする。
画像形成装置1において画像形成動作を管理しているのはエンジン制御部80であるため、光量の補正シーケンスはエンジン制御部80のエンジン制御CPU82によって起動される。まずエンジン制御CPU82はコントローラ70に対して、画像形成に係る正規の2値画像データとは異なるダミーイメージ情報の作成要求を出力する。
エンジン制御部80とコントローラ70は双方向のシリアルインタフェース(図示せず)で接続されており、リクエストコマンド(要求)およびこれに対するアクノリッジ(応答情報)を相互にやり取りすることができる。エンジン制御CPU82が発するダミーイメージ情報の作成要求は、この双方向のシリアルインタフェース(図示せず)を用いてバス87を経由し、コントローラインタフェース81からコントローラ70に出力される。
この要求に基づいてコントローラ70に搭載されたコントローラCPU75はダミーイメージ情報、即ち光量の計測に用いる2値画像データをイメージメモリ71aに直接的に作成する。更にコントローラCPU75は光量補正データメモリ71bの第1エリア(図6参照)に格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ180の設定値」DD[n](n:0〜5119)を読出し、この値をイメージメモリ71aの所定領域に書き込む。これらの処理を完了するとコントローラCPU75はプリンタインタフェース78を介して応答情報をエンジン制御部80に出力する。
上述の応答情報を受信したエンジン制御部80のエンジン制御CPU82は、直ちに露光装置60に対して書込みタイミングを設定する。即ちエンジン制御CPU82は図示しないハードウェアであるタイマなどに露光装置60による静電潜像の書込みタイミングを設定し、応答情報を受信したら直ちにタイマの動作を開始する(この機能はもともと複数の露光装置60の色毎の起動タイミングを定めるためのものである。光量の計測においてはこのような厳密なタイミング設定は不要であり、例えばタイマに0を設定してもよい)。各タイマは予め設定された時間が経過すると、コントローラ70に対して画像データ転送要求を出力する。画像データ転送要求を受信したコントローラ70はコントローラインタフェース81を介してタイミング生成部77で生成されたタイミング信号(クロック信号、ライン同期信号など)に同期して2値画像データを露光装置60に転送する。これと同時に既にイメージメモリ71aに書き込まれた光量の設定値も上述のタイミング信号に同期して露光装置60に転送される。
このようにタイミング信号に同期して転送された2値画像データは露光装置60のTFT回路190に入力され、同時に光量の設定値は露光装置60のソースドライバ180に入力される。露光装置60では入力された2値画像データ、即ちON/OFF情報に基づいて該当する有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯と消灯が制御される。そしてこのときの個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量は光量センサ220で計測される。
以上述べたようにして有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯が制御され、その光量が光量センサ220によって計測される。光量センサ220の出力(アナログ電流値)は、後に図13を用いて詳細に説明するように、センサピクセル回路230において電荷蓄積法によって電圧に変換され、光量センサ出力処理部210において所定の増幅率で増幅された後、アナログ−ディジタル変換を施されて8bitの光量計測データ(ディジタルデータ)として光量センサ出力処理部210から出力される。
光量センサ出力処理部210から出力された光量計測データはコントローラインタフェース81を経由してエンジン制御部80からコントローラ70に転送され、コントローラ70のコントローラCPU75によって受信される。
図8は本発明の実施形態の画像形成装置1における露光装置60の回路図である。以降図8を用いてTFT回路190およびソースドライバ180による点灯制御についてより詳細に説明する。尚、ここでは光量センサ220、選択信号発生回路240(図4参照)等を含む光量計測に関する構成の図示は省略されている。また、図7のエンジン制御部80の記載も省略されている。
ここでのTFT回路190はピクセル回路113とゲートコントローラ114とに大別されている。ピクセル回路190は個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して一つずつ設けられており、有機エレクトロルミネッセンス素子110のM画素分を一つのグループとしてガラス基板101上にNグループ設けられている。また、図4における発光素子駆動回路181は、図8ではTFT回路190の部分に相当する。
実施形態においては一つのグループを8画素(即ちM=8)とし、このグループを640個(即ちN=640)としている。従って全画素数は8×640=5120画素となる。各ピクセル回路113は有機エレクトロルミネッセンス素子110に電流を供給して駆動するドライバ部111と、有機エレクトロルミネッセンス素子110を点灯制御するにあたってドライバが供給する電流値(即ち有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動電流値)を内部に含むコンデンサに記憶させる、いわゆる電流プログラム部112を有しており、予め所定のタイミングでプログラムされた駆動電流値に従って有機エレクトロルミネッセンス素子110を定電流駆動することができる。
ゲートコントローラ114は入力された2値画像データを順次シフトするシフトレジスタと、シフトレジスタと並列に設けられシフトレジスタに所定の画素数の入力が完了した後にこれらを一括して保持するラッチ部と、これらの動作タイミングを制御する制御部からなる(共に図示せず)。ゲートコントローラ114はコントローラ70から2値画像データ(画像形成時はコントローラ70によって変換されたイメージ情報、光量計測時はコントローラ70によって変換されたダミーイメージ情報)を渡され、この2値画像データ即ちON/OFF情報に基づいてSCAN_AおよびSCAN_B信号を出力し、これによってピクセル回路113に接続された有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯/消灯を行う期間および、駆動電流を設定する電流プログラム期間のタイミングを制御する。
一方ソースドライバ180は内部に有機エレクトロルミネッセンス素子110のグループ数Nに相当する数(実施形態では640個)のD/Aコンバータ182を有している。ソースドライバ180はFPC66を介して供給された8bitの光量補正データに基づく点灯データによって、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対する駆動電流を設定する。点灯データは、印刷すべき画像データに対応したデータであり、光量補正データをベースにして決定される。例えば画像形成装置がON/OFF、即ち画素単位で2値の画像を再現するものであれば、ONに対応した点灯データは、光量補正データと一致する。また画像形成装置がOFF状態を含めて画素単位で多値の画像を再現するものであれば、ONに対応した点灯データの最大値は光量補正データと一致する。一方、FPC66を介して制御信号がTFT回路190のゲートコントローラに直接入力される。制御信号は、TFT回路190に対して動作タイミングを与えるための信号であり、画像形成装置における1ラインの同期をとる同期信号や、クロック信号が含まれる。尚、図8のソースドライバ180は、図4におけるソースドライバ180a,180bに相当するが、図4とは異なる配置を例示するものであり、図4ではソースドライバが一つのみ示されている。このように、本実施形態においてソースドライバの数、配置の仕方等は特に限定されるものではない。
図9は本発明の実施形態の画像形成装置1における露光装置60に係る電流プログラム期間と有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯期間を示す説明図である。以降図9に図8を併用して実施形態の点灯制御について更に詳細に説明する。以降説明を簡単にするために8画素から成る一つの画素グループ(例えば図9の「主走査方向における画素番号」=1〜8)について説明を行う。
実施形態では露光装置60の1ライン期間(ラスタ期間)は350μsに設定されており、この1ライン期間のうち1/8(43.77μs)を電流プログラム部112に形成されたコンデンサに対し駆動電流値を設定するプログラム期間として当てている。
まずゲートコントローラ114(図8参照)は画素番号=1の画素に対してSCAN_A信号をONに、SCAN_B信号をOFFにしてプログラム期間を設定する。プログラム期間にソースドライバ180(図8参照)に内蔵されたD/Aコンバータ182には8bitの光量補正データに基づく点灯データが供給されており、この供給されたディジタルデータをD/A変換したアナログレベル信号によって電流プログラム部112(図8参照)のコンデンサが充電される。このプログラム期間はゲートコントローラ114に入力される2値画像データのON/OFFに係らず実行される。これによって電流プログラム部112に形成されたコンデンサには、8bitの点灯データに基づくアナログ値が1ライン期間の都度、毎回書き込まれる。即ち電流プログラム部112に形成されたコンデンサの蓄積電荷は常にリフレッシュされ、これに基づき決定される有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動電流は常に一定に保たれるのである。
プログラム期間が完了するとゲートコントローラ114(図8参照)は直ちにSCAN_A信号をOFFに、SCAN_B信号をONに切り替えて点灯期間を設定する。既に説明したようにゲートコントローラ114(図8参照)には画像形成時、光量計測時に応じて2値画像データが供給されており、点灯期間であっても画像データがOFFの場合、有機エレクトロルミネッセンス素子110は点灯しない。一方画像データがONの場合、有機エレクトロルミネッセンス素子110は残りの306.25μs(350μs−43.75μs)の期間、点灯を継続する(実際は制御信号の切り替わり時間が存在するため発光時間は若干短くなる)。既に述べたように実施形態では有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測する際は30msの計測期間を想定しているから、光量計測時の点灯回数は例えば100回(即ち100ライン)となるように、コントローラ70でダミーイメージ情報が生成されることとなる。
一方、図9に示す画素番号=1のピクセル回路113(図8参照)に対するプログラム期間が終了すると、ゲートコントローラ114(図8参照)は直ちに画素番号=8のピクセル回路113(図8参照)に対する電流プログラム期間を設定する。以降、画素番号1のピクセル回路113に対する手順と同様に、画素番号8のピクセル回路113に対するプログラム期間が完了すると直ちに当該画素番号の有機エレクトロルミネッセンス素子110(図8参照)の点灯期間に移行する。
このようにしてゲートコントローラ114(図8参照)は主走査方向における画素番号=「1→8→2→7→3→6→4→5→1....」の順にプログラム期間と点灯期間を設定していく。このような点灯順序とすることで、隣接する画素グループ間において最も近い画素の点灯タイミングが時間的に近接するため、1ライン形成時の画像段差を目立たなくすることができる。
(光量計測動作)
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置における光量計測に関する部分である光量計測部200について説明する。光量計測部200は、有機エレクトロルミネッセンス素子110が出射する光の光量を計測するものである。
図10は、本発明の実施形態に係る光量計測部200の主要な構成を示す説明図である。図10に示すように、光量計測部200は、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110の各々に対応して設けられた複数の光量センサ220と、各光量センサ220に対応して設けられたセンサピクセル回路230と、センサピクセル回路230の各々に対してセンサ選択信号を出力する選択信号発生回路240と、16個の検出処理回路270A〜270Pとを備える。この検出処理回路270A〜270Pによって、既に説明した光量センサ出力処理部210が構成されている。なお、光量計測部200は光量計測装置の一例であり、センサピクセル回路230は光量検出回路の一例である。
なお、検出処理回路270A〜270Pはそれぞれ同一の構成を有しており、これらを区別する必要がない場合は、検出処理回路270として説明する。また、検出処理回路270の数は16個に限るものではなく、m個(mは1以上の正の整数)設けられればよい。
なお、上述したように、光量センサ220、センサピクセル回路230及び選択信号発生回路240は、有機エレクトロルミネッセンス素子110と共に、TFT回路190のポリシリコンのモノシリックデバイスとして集積化して形成されている。したがって、センサピクセル回路230やTFT回路190等において、トランジスタ等の同じ種類の素子を形成する場合には同一工程で形成することが可能となるため、製造工程の簡略化が可能となる。
なお、図10では光量センサ220、センサピクセル回路230、選択信号発生回路240によって構成されるTFT回路190と、光量センサ出力処理部210は、極めて近傍に配置されるように描かれているが、本実施形態では後に詳細に説明するように、これらは有機エレクトロルミネッセンス素子110が構成する発光素子列の両側に分離して配置される。
選択信号発生回路240は、FPC66を介してエンジン制御部80に接続されると共に、選択信号線SEL1〜SEL5120を介して各々のセンサピクセル回路230に接続される。なお、選択信号線SEL1〜SEL5120の符号「SELX」の「X」は、接続先となるセンサピクセル回路230に付されたセンサピクセル番号SPNOであり、これらを区別する必要がない場合には、選択信号線SELとして説明する。
そして、選択信号発生回路240は、FPC66を介してエンジン制御部80から入力されたセンサ制御入力SCに基づいて、センサピクセル回路230の動作を制御するセンサ選択信号を、選択信号線SELを介してセンサピクセル回路230へ出力する。これにより、センサピクセル回路230の各々について、光量検出のタイミングを制御することができる。すなわち、選択信号発生回路240は、複数ある光量センサ220のいずれかを所定のタイミングにて選択する選択回路として機能し、選択された光量センサ220の出力を処理することにより、対応する有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光光量を計測することができる。
センサピクセル回路230は、選択信号線SELを介して選択信号発生回路240に接続されると共に、ドライバ線RoA〜RoPのいずれかを介して検出処理回路270A〜270Pに接続されている。そして、選択信号発生回路240から入力されたセンサ選択信号に基づいて光量検出を行い、センサピクセル回路出力信号を検出処理回路270へ出力する。なお、ドライバ線RoA〜RoPの符号「RoX」の「X」は、接続先となる検出処理回路270に付された出力ID(A〜P)であり、これらを区別する必要がない場合には、ドライバ線Roとして説明する。
検出処理回路270A〜270Pは、光量センサ出力処理部210に設けられ、各々ドライバ線RoA〜RoPを介して各センサピクセル回路230と接続されると共に、センサ出力信号線DoA〜DoPからFPC66を介してエンジン制御部80に接続されている。そして、センサピクセル回路230からのセンサピクセル回路出力信号を取得し、FPC66へ光量計測データを出力する。なお、センサ出力信号線DoA〜DoPの符号「DoX」の「X」は、接続される検出処理回路270の出力ID(A〜P)であり、これらを区別する必要がない場合には、センサ出力信号線Doとして説明する。
なお、センサピクセル回路230は、複数のグループに区分されており、その区分に応じて、ドライバ線RoA〜RoPのいずれか一つに接続されている。これらのセンサピクセル回路230の区分について、図11を参照して説明する。
図11は、本発明の実施形態に係る光量計測部200におけるセンサピクセル回路のグループを示す説明図である。図11に示すように、有機エレクトロルミネッセンス素子110は、主走査方向に、5120個、600dpiの解像度で列状に形成されている。有機エレクトロルミネッセンス素子110の各々には識別番号(以下、ELNOという)が付されている。このELNOは、1から始まる連続番号であり、主走査方向の端部に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子110から順に割り当てられる。
センサピクセル回路230は、有機エレクトロルミネッセンス素子110と1対1で対応して5120個形成され、各々が対応する有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を検出する。そして、センサピクセル回路230の識別番号(以下、SPNOという)は、対応する有機エレクトロルミネッセンス素子110のELNOと同じ番号が付される。例えば、ELNOが3000の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対応して設けられたセンサピクセル回路230のSPNOは3000である。
そして、SPNOが連続するn(以下、本実施形態の説明では、n=16とする)個のセンサピクセル回路230を一単位として、320個(5120÷16=320)のセンサグループが構成されている。なお、各センサグループには、センサグループに含まれるSPNOが小さいものから順に、1〜320のグループNOが付される。また、各センサグループ内において、SPNOが小さいセンサピクセル回路230から順に、a,b,・・・,pのラインIDが付される。つまり、センサピクセル回路230は、n個(16個)毎に同じラインIDが付されることとなる。
更に、グループNOが連続するm個(上述したように、mは検出処理回路270の数であり、本実施形態ではm=16)のセンサグループを一単位として、20個(320÷16=20)のブロックが構成されている。なお、各ブロックには、センサグループに含まれるグループNOが小さいものから順に、1〜20のブロックNOが付される。
また、各ブロック内において、グループNOが小さいセンサグループから順に、A,B,・・・,Pの出力IDが付される。出力IDがA,B,・・・,Pが付されたセンサグループに含まれるセンサピクセル回路230は、それぞれドライバ線DoA,DoB,・・・,DoPを介して、検出処理回路270A,270B,・・・,270Pに接続される。つまり、つまり、センサグループは、m個(16個)毎に同じ出力IDが付されることとなる。
なお、以下の説明では、便宜上、各センサグループの識別情報として、ブロックNOと出力IDとを組み合わせて表されるグループIDも用いる。例えば、グループNOが17のセンサグループは、ブロックNOが2、出力IDがAであるので、グループIDは2Aである。
図12は、本実施形態の光量計測部200の一部の内部構成を示す回路図である。図12に示すように、同じセンサグループに属するセンサピクセル回路230は、同じドライバ線Roに接続される。また、各センサグループは、同じ出力ID(A〜P)が付されたドライバ線Roに接続されている。例えばグループ1A,2A・・・20A(合計20グループ)は、ドライバ線RoAに接続され、グループ1P,2P・・・20Pは、ドライバ線RoPに接続されている。
各ドライバ線RoA〜RoPはそれぞれ、光量センサ出力処理部210内に設けられた検出処理回路270A〜270Pに接続されている。すなわち総てのドライバ線RoA〜RoP各々に対応して、合計16個の検出処理回路270A〜270Pが、光量センサ出力処理部210内に設けられている。一方、選択信号発生回路240は、図8に示したゲートコントローラ68と同様、TFT回路190内に形成されている。選択信号発生回路240(及び選択トランジスタ232:図13)は、後述する所定のタイミングにて光量センサを駆動するためのセンサ駆動信号を、選択線SelXを介してセンサピクセル回路230に入力するスイッチング回路として機能する。
図13は、本発明の実施形態に係るセンサピクセル回路230及び検出処理回路270の内部構成を示す回路図である。
図13に示すように、センサピクセル回路230は、光量センサ220と、当該光量センサ220に並列に接続され、容量素子を構成するコンデンサ231と、光量センサ220及びコンデンサ231と直列に接続され、ドライバ線Roを介したチャージアンプ250との電気的な接続を切り替えるスイッチング用の選択トランジスタ232とを有する。光量センサ220及びコンデンサ231の選択トランジスタ232が接続される側である一端側の電位をVsとする。なお、光量センサ220及びコンデンサ231の他端側は、所定の電位Vpに固定されている。なお、光量センサ220は、光量検出素子の一例である。
選択トランジスタ232は、選択信号発生回路240とともに光量センサのスイッチング回路を構成する。選択線Selは選択トランジスタ232のゲートに接続され、選択信号発生回路240から出力されたON・OFF信号からなるセンサ選択信号が、選択トランジスタ232に入力され、当該センサ選択信号に従い、選択トランジスタ232はON・OFF動作を行う。
そして、同じ出力ID(A〜P)が付された合計20グループ(ブロック番号が1から20)のセンサグループ、言い換えると合計320個のセンサピクセル回路(16×20)230が、同一の出力IDが付された一つのドライバ線Roに接続されている。各ドライバ線Roは、検出処理回路270に接続されている。
検出処理回路270は、チャージアンプ250と、アナログ・ディジタル変換器(以下、ADCという)260とを備える。チャージアンプ250は、非反転入力端子と反転入力端子との二つの入力信号端子、及び一つの出力信号端子を有する演算増幅器251と、演算増幅器251の反転入力端子と出力端子との間に接続されたアンプ容量素子の一例であるコンデンサ252と、コンデンサ252と並列に接続された充放電選択トランジスタ253とを有して構成されている。
演算増幅器251の非反転入力端子は所定の基準電圧Vrefに固定されており、反転入力端子には、ドライバ線Roを介してセンサピクセル回路230が接続されている。なお、演算増幅器251の出力電圧をVroとする。
充放電選択トランジスタ253のゲートには信号線CHGが接続され、ON・OFF信号からなるチャージリセット信号に従って、充放電選択トランジスタ253はON・OFF動作を行う。なお、信号線CHGを介して入力されるチャージリセット信号は、図10に示すセンサ制御入力SCのうちの一つである。
上述したチャージアンプ250は、センサピクセル回路230のコンデンサ231と協同してセンサ駆動部を構成する。
ADC260は、チャージアンプ250の演算増幅器251の出力端子に接続されている。センサ制御入力SCの一つであるAD変換開始トリガ信号SMPLに基づいてチャージアンプ250の出力電圧Vroを取り込んでアナログ/ディジタル変換し、光量計測データを出力する。
図14は、本発明の実施形態に係る各光量センサに関する光量検出動作を示すタイミングチャートである。すなわち、光量センサ220毎に行われる光量計測データの読み出し動作のタイミングチャートに該当する。上述したように、光量計測データの基礎となる光量センサ220の出力は、光量センサ出力処理部210において電荷蓄積法による電圧変換を施され、更に所定の増幅率で増幅された後にアナログ−ディジタル変換されることにより生成されるが、以下のタイミングチャートは当該工程に該当する。
光量センサ220の光量センサ出力に基づく光量計測データは、図14(a)乃至(g)のタイミングチャートに示すように、選択トランジスタ232のスイッチングを契機とし、予めコンデンサ231に蓄積された電荷を、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量センサ220への光の照射により抽出し、失われた電荷を補うために用いられたコンデンサ252の電荷に基づいて測定する。従って、本実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光照射により失われた電荷が基礎となる光量センサ出力に該当する。
ここで、図14(a)は、チャージアンプ250内のコンデンサ252のチャージの状態(充電状態)を示す図、図14(b)は選択トランジスタ232の動作を示す図、図14(c)は有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯タイミングを示す図、図14(d)はコンデンサ231の選択トランジスタ232が接続される一端側の電位(Vs)を示す図、図14(e)は演算増幅器251の出力電圧(Vro)を示す図、図14(f)はアナログ・ディジタル変換器(ADC)260に与えるAD変換開始トリガ信号(SMPL)を示す図、図14(g)は最終的に有効に光量計測データが得られた状態を示す図である。
まず、選択線Selを介し、時刻t1から時刻t2までのタイミングにて選択信号発生回路240からON信号を受信することにより、選択トランジスタ232がONとなり(図14(b)参照)、図14(d)に示すようにコンデンサ231がチャージされ、コンデンサ231の一端側の電位Vsは、基準電圧Vrefとなる(S1:リセットステップ)。なお、このリセットステップは、第1の期間の一例である。
そして、時刻t2において選択トランジスタ232がOFFとなると(図14(b)参照)、コンデンサ231にチャージされた電荷が、光量センサ220を流れる光電流Isにより放電され減少するとともに、図14(d)に示すように、コンデンサ231の一端側の電位Vsが、基準電圧Vrefから徐々に減少する(S2:光照射放電ステップ)。
そして、この状態で予め定められた時間経過後、時刻t3において、チャージアンプ250の充放電選択トランジスタ253がOFFとなり(図14(a)参照)、コンデンサ252の電荷が移動可能となり、チャージアンプ250は有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を測定可能な状態となる(S3:測定開始ステップ)。
さらに充放電選択トランジスタ253がOFFとなったのを契機として、時刻t3と同時刻又は時刻t3から所定時間後となる時刻t4において、選択トランジスタ232がONとなり(図14(b)参照)、時刻t2から時刻t4までの間に電荷が失われたコンデンサ231に、チャージアンプ250のコンデンサ252から電荷が供給される。その結果、コンデンサ231の一端側の電位がVrefに戻るとともに(図14(d)参照)、図14(e)に示すようにチャージアンプ250の演算増幅器251の出力電圧Vroが上昇する(S4:電荷転送ステップ)。尚、この電荷転送ステップS4の期間も光量センサ220の光電流Isは流れるため、非常に小さい値ではあるが、Vroは上昇する。なお、時刻t2からt4までの期間は第二の期間の一例であり、時刻t4からt5までの期間(電荷転送ステップ)は第三の期間の一例である。
その後、時刻t5において選択トランジスタ232が再びOFFとなり、Vroが確定する。この確定した電圧を、アナログ・ディジタル変換器(ADC)260が、時刻t5と同時刻又は時刻t5から所定時間後に、AD変換開始トリガ信号SMPL(図14(f)参照)に連動して読み取ることにより、図14(g)に示すように有効な光量計測データをセンサ出力信号線Doを介した光量計測部200から出力することにより、光量計測データの読取動作が時刻t8において完了する(S5:リードステップ)。
なお、AD変換開始トリガ信号SMPLが入力された後の時刻t6において、チャージアンプ250の充放電選択トランジスタ253がONとなり(図14(a)参照)、コンデンサ252の容量がリセットされる。
尚、上述のステップS2〜ステップS4の蓄積期間、すなわち、時刻t2において選択トランジスタ232をOFFにしてから、チャージアンプ250の充放電選択トランジスタ253をOFFとし、時刻t5において選択トランジスタ232をONとするタイミングの設定については、画像印刷装置の待ち時間を短縮するという観点からは、できるかぎり短いことが好ましい。しかしながら、所定のSN、電圧検出分解能を確保するという観点からは、図14(e)に示されるように時刻t5において確定する出力電圧Vroと基準電圧Vrefとの電位差Voutをなるべく大きくとることが望ましく、この場合できるだけ長い蓄積期間を確保することが要求される。従って、蓄積時間についてはこれら両方の観点から設定される。
図14(c)に示すように、本実施形態の光量計測部200では、有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光動作は、点灯する点灯Telon及び消灯するプログラム期間Tproを含む画像形成装置1の1ラスタ期間Trasを有する。このラスタ期間Trasは、上記述べたとおり350μs程度の短い期間である。また、光量センサ220では、ポリシリコン等の光透過率の高い材料により構成された場合、照射された光に基づいて流れる光電流Isが微量となってしまう。
そこで、本実施形態では、光量検出の対象となる有機エレクトロルミネッセンス素子110を、時刻t0から時刻t7までの、複数回数のラスタ期間Trasにて駆動させ、ステップS2〜ステップS4までの蓄積期間を、複数ラスタ期間に渡って設定する。1ラスタ期間Trasは、上述した露光装置60の1ライン期間であり、つまり、画像形成装置1における有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光期間(露光期間)の1単位である。そこで、1ラスタ期間Tras以上、すなわち発光素子の1発光期間以上の間について光量検出を行うことにより、所定のSN、電圧検出分解能を確保することができる。
このように、センサピクセル回路230内に設けられた選択トランジスタ232により、チャージアンプ250と、光量センサ220・コンデンサ231との間の電気的な接続が切り替えられるので、所望の蓄積期間を正確に切り替えることができる。
また、選択トランジスタ232により、時刻t2から時刻t4まで期間において、光量センサ220・コンデンサ231と、ドライバ線Roとは遮断される。したがって、光量センサ220及びコンデンサ231に対する、チャージアンプ250やドライバ線Roからのノイズの影響が排除されるので、高精度な光量検出が可能となる。
次に、センサ選択信号を出力する選択信号発生回路240について説明する。図15は、本発明の実施形態に係る選択信号発生回路240の内部構成を示す回路図である。図15に示すように、選択信号発生回路240は、5120個のAND回路241と、グループ選択信号出力回路242と、ライン選択信号出力回路243とを備える。
図15に示すように、AND回路241は、3つの入力の論理積を出力する回路である。AND回路241に入力される信号は、センサ制御入力SCの一つである選択タイミング信号ROENと、グループ選択信号出力回路242から出力されたグループ選択信号gsと、ライン選択信号出力回路243から出力されたライン選択信号lsとである。また、AND回路241の各々の出力は、選択線SEL1〜SEL5120を介して、センサピクセル回路230の選択トランジスタ232のゲートに入力される。
グループ選択信号出力回路242には、センサ制御入力SCとして、ブロック切替信号GSelDAT及びブロック切替クロック信号GSelCLKが入力される。そして、グループ選択信号出力回路242は、入力されたブロック切替信号GSelDAT及びブロック切替クロック信号GSelCLKに基づいて、グループ選択信号gs1〜gs20を出力する。このグループ選択信号gs1〜gs20は、図11に示すブロックID毎に対応して生成されるものであり、それぞれ、ブロックNO1〜20が付されたセンサグループのセンサピクセル回路230に接続されるAND回路241へ出力される。
図16は、本発明の実施形態に係るグループ選択信号出力回路242の内部構成を示す回路図である。図16に示すように、グループ選択信号出力回路242は、直列に接続された20個のDフリップフロップDFFg1,DFFg2,・・・DFFg20を有して構成されるシフトレジスタである。DフリップフロップDFFg1〜DFFg20はそれぞれ、グループ選択信号gs1〜gs20を出力する。
ライン選択信号出力回路243には、センサ制御入力SCとして、ライン切替信号LSelDAT及びライン切替クロック信号LSelCLKが入力される。そして、ライン選択信号出力回路243は、入力されたライン切替信号LSelDAT及びライン切替クロック信号LSelCLKに基づいて、ライン選択信号lsa〜lspを出力する。このライン選択信号lsa〜lspは、図11に示すラインID毎に対応して生成されるものであり、それぞれ、ラインIDa〜pが付されたセンサグループのセンサピクセル回路230に接続されるAND回路241へ出力される。例えば、ライン選択信号lsaは、ラインIDがaのセンサピクセル回路230、すなわち、SPNOが1,17,・・・5105のセンサピクセル回路230に接続されるAND回路241へ出力される。
図17は、本発明の実施形態に係るライン選択信号出力回路243の内部構成を示す回路図である。図17に示すように、ライン選択信号出力回路243は、直列に接続された16個のDフリップフロップDFFla,DFFlb,・・・DFFlpを有して構成されるシフトレジスタである。DフリップフロップDFFla〜DFFlpはそれぞれ、ライン選択信号lsa〜lspを出力する。
次に、図18及び図19を用いて、選択信号発生回路240の動作を説明する。図18は、本発明の実施形態に係る選択信号発生回路240の一部の構成を示す図、図19は、本発明の実施形態に係る選択信号発生回路240の動作を説明するタイミングチャートである。なお、図18及び図19では、選択信号線SEL259に出力する選択信号を発生するための動作について説明する。
図18に示すように、選択信号線SEL259に接続されるSPNOが259のセンサピクセル回路230は、ブロックNOが2、ラインIDがcであるので、AND回路241の入力には、センサ選択タイミング信号ROENの他、グループ選択信号gs2及びライン選択信号lscが入力される。すなわち、AND回路241の入力には、グループ選択信号発生回路242における2段目のDフリップフロップDFFg2の出力と、ライン選択信号発生回路243における3段目のDフリップフロップDFFlcの出力とに接続される。
図19に示すように、まず、ライン選択信号発生回路243に、ライン切替信号LSelDATのONが入力されてから、3回目に入力されるライン切替クロック信号LSelCLKの立ち上がり時に、ライン選択信号lscがONとなる。このようにして、ラインIDがcのセンサピクセル回路230が選択された状態となる。
次に、グループ選択信号発生回路242に、グループ切替信号GSelDATのONが入力されてから、2回目に入力されるグループ切替クロック信号GSelCLKの立ち上がり時に、グループ選択信号gs2がONとなる。このようにして、ブロックIDが2のセンサピクセル回路230が選択された状態となる。
そして、選択信号発生回路240に、いずれかのセンサピクセル回路230を選択するためのセンサ選択タイミング信号ROENのONが入力されると、AND回路241に入力される信号が全てONとなるので、選択信号線SEL259を介して出力するセンサ選択信号がONとなる。
その後、ROENがOFFとなると、センサ選択信号もOFFとなる。そして、3回目に入力されるグループ切替クロック信号GSelCLKの立ち上がり時に、グループ選択信号gs2がOFFとなり、4回目に入力されるライン切替クロック信号LSelCLKの立ち上がり時に、ライン選択信号lscがOFFとなる。
なお、上記では選択信号線SEL259を介して出力されるセンサ選択信号がONの場合について説明したが、選択信号線SEL259のセンサ選択信号がONとなるタイミングでは、ブロックNOが2、ラインIDがcのセンサピクセル回路230の選択トランジスタ232が全てONとなる、すなわち、選択信号線SEL259,SEL275,SEL291,・・・,SEL483,SEL499のセンサ選択信号がONとなる。これは、同一ブロックNO、同一ラインIDのセンサピクセル回路230の選択トランジスタ232が同時に切り替えられることにより、同時に光量検出動作の切り替えが行われることを意味する。
次に、光量計測部200全体の光量検出シーケンスについて説明する。本実施形態では、各センサグループにおいて所定のラインIDが付された一つのセンサピクセル回路230の光量検出動作を、全てのセンサグループについて平行して行う。以下、このラインID一つあたりのセンサグループ全体の光量検出動作をグループリードという。本実施形態では、センサグループ一つにつき、ラインIDがa〜pの16個のセンサピクセル回路230があるので、グループリードを16回行うことにより、全ての有機エレクトロルミネッセンス素子110に関する光量検出が行われる。
まず、上述したグループリード動作について説明する。図20は、本発明の実施形態に係るグループリードの動作を説明するタイミングチャートであり、ラインIDがaに関するグループリードを示す。
図20に示すように、まず、ラインIDaに関するグループリードの開始時に、グループ切替信号GSelDATが入力されると、グループ切替クロック信号GSelCLKの入力により、センサ選択信号が、ブロックNOが1のセンサピクセル回路230に接続される選択信号線SEL1,SEL17,・・・,SEL241に、同時に出力される。センサ選択信号が入力されたセンサピクセル回路230(ブロックIDが1,ラインIDがa)では、リセットステップS1及び光照射放電ステップS2が同時に開始される。
そして、グループ切替クロック信号GSelCLKの入力される度に、ブロックNOが1から順次切り替えられる。すなわち、異なるブロックNOのセンサピクセル回路230に関するリセットステップS1及び光照射放電ステップS2が順次開始される。
次に、電荷転送ステップの開始前に、グループ切替信号GSelDATが入力されると、グループ切替クロック信号GSelCLKの入力により、センサ選択信号が、ブロックNOが1のセンサピクセル回路230に接続される選択信号線SEL1,SEL17,・・・,SEL241に、同時に出力される。センサ選択信号が入力されたセンサピクセル回路230(ブロックIDが1,ラインIDがa)では、電荷転送ステップS4及びリードステップS5が同時に開始される。すなわち、センサグループ1A〜1PのラインIDがaである16個のセンサピクセル回路230と、検出処理回路270A〜270Pとの間で同時に電荷転送が行われる。
そして、グループ切替クロック信号GSelCLKの入力される度に、ブロックNOが1から順次切り替えられる。すなわち、異なるブロックNOのセンサピクセル回路230へ順次センサ選択信号が出力され、電荷転送ステップS4及びリードステップS5が開始される。
このようにして、ラインIDがaのセンサピクセル回路230全てに関する光量検出動作(ラインIDaに関するグループリード)が行われる。
ここで、同一の出力IDが付された複数のセンサピクセル回路230は、同一のドライバ線Roに接続されている。このような構成において、一つのチャージアンプ250から同一のドライバ線Roを介して複数のセンサピクセル回路230に対して同時に行うことが可能であるので、リセットステップS1は同一ドライバ線Roに接続された複数のセンサピクセル回路230において同時に行われてもよい。また、光照射放電ステップS2では、ドライバ線Roからセンサピクセル回路230が電気的に遮断されているので、リセットステップS2も、同一ドライバ線Roに接続された複数のセンサピクセル回路230において同時に行われてもよい。
しかしながら、少なくとも電荷転送ステップS4(図14参照:時刻t4からt5まで)では、各センサピクセル230からドライバ線Roを介して検出処理回路270へ電荷転送が行われるので、電荷転送ステップS4は、同一ドライバ線Roに接続された複数のセンサピクセル回路230において同時に行うことができない。
そこで、本実施形態の光量計測部200において、図20のタイミングチャートに示すように、同一のラインIDに関するグループリードでは、同一の出力IDが付されたセンサピクセル回路230の各々について、電荷転送ステップS4が重複しないようにタイミングが制御されるので、一つの検出処理回路270で効率的に複数の光量センサ220の光量検出を行うことができる。すなわち、一つの検出処理回路270で複数の光量センサ220の光量検出を行うことができるので、検出処理回路270をセンサピクセル回路230と一対で設ける必要がなく、回路規模の削減し、製造コストを抑制することができる。
更に、同時に行うことが可能な光照射放電ステップS2は、同一の出力IDが付された複数のセンサピクセル回路230において、互いに一部が重複したタイミングで行われるので、光量検出に要する時間を短縮することができる。
このように、各センサピクセル回路230に設けられた選択トランジスタ232を用いて、複数のセンサピクセル回路230の各々について、光量検出動作のタイミングを切り替え可能となるので、上述したように、回路規模の削減し、効率のよい光量検出を行うことができる。
図21は、本発明の実施形態に係る光量計測部200全体の動作を説明するタイミングチャートである。図21に示すように、選択信号発生回路240に入力されるライン切替信号LSelDATを契機として、光量計測部200全体の光量検出動作が開始される。そして、ライン切替クロック信号LSelCLKが入力されるたびに、グループリードのラインIDが切り替えられる。なお、各ラインIDに関するグループリードの間は、期間Tblが与えられる。
本実施形態は、ラインIDがaからpまでの16個あるので、16回グループリードを行うことで、期間Tallにて全ての光量センサ220における光量検出結果の読み出しを行うことができる。
このように、同一ラインIDを有するセンサピクセル回路230を一つずつ順番に検出するので、光量検出時には、主走査方向について、ラインIDの数(本実施形態では16個)毎の有機エレクトロルミネッセンス素子110が発光すればよい。これにより、光量検出の対象となる有機エレクトロルミネッセンス素子110以外の光、例えば近接する有機エレクトロルミネッセンス素子110からの光による影響、所謂クロストークを抑制し、高精度な光量検出が可能となる。
なお、光量補正を行う際には、明電流及び暗電流のそれぞれについて検出を行うと共に、それぞれの光量検出結果を有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光量に反映して光量検出を行うといったように、上述した光量計測動作を複数回行うことで、より精度の高い光量補正を行うことができる。
(陰極とグランドの接続構成)
図22は、図4に示した光ヘッド100の左側端部の拡大上面図である。図22(a)は、有機エレクトロルミネッセンス素子110、光量センサ220等の半導体製造プロセスにおいて、有機エレクトロルミネッセンス素子110の陰極が形成される前の状態を示している。図22(b)は、当該半導体製造プロセスにおいて、有機エレクトロルミネッセンス素子110の陰極138が形成された後の状態を示している。尚、図4で示した選択信号発生回路240、光量センサ220の図示は省略されている。
図示の様に、本実施形態では、TFT回路190における発光素子駆動回路181と基板101に対し接地する接地線(GND線;グランド)122が発光素子列110Aと略平行に形成されている。この接地線122は種々の金属より形成され、例えば図8に示したゲートコントローラ114等、各有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動を制御するTFT回路190の接地線である。図8に示すSCAN_AやSCAN_Bといった制御信号線も、図示しないトランジスタ等を介して間接的に、この接地線122と接続されている。接地線122は、発光素子列110Aの配列方向の延長線上の位置に設けられた(陰極)コンタクト部120に接続されている。そして、陰極コンタクト部120には、種々の金属より形成された配線124が接続され、配線124はFPC66へ接続されている。
ここに図22(b)で示すように陰極138が設けられる。陰極138には図8に示す各ピクセル回路113における各有機エレクトロルミネッセンス素子110の接地点115の総てが接続される。即ち陰極138は有機エレクトロルミネッセンス素子110の共通電極として機能する。もっとも、例えば図28に示すように陰極コンタクト部120が、ガラス基板101の主走査方向の両端近傍に設けられているような場合には、陰極138を分割して構成してもよい。
接地線122は後述するように、保護膜136によって被覆されており、少なくとも発光素子列を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110が配置されている領域で、接地線122と陰極138が接触することはない。
陰極138は、例えばアルミニウム等の金属をマスクを介して蒸着して形成したものであり、有機エレクトロルミネッセンス素子110から構成される発光素子列と並列に、かつこれを覆うように形成される。陰極138は、発光素子列の配列範囲を超えて、更に陰極コンタクト120の位置まで延伸して設けられている。
尚、上述の説明では、発光素子駆動回路181を基板101に接地するものとして接地線122を挙げた。しかしながら、有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する駆動部を接地するものとして接地線122を把握した場合、ここでの駆動部は、TFT回路190内の発光素子駆動回路181のみならず、ICチップより構成されたソースドライバ180をも含むものである。
図23は、図22(a)で示した陰極コンタクト部120周辺のB領域における点線Aに沿った断面図を示している。図23(a)、図23(b)は、各々図22(a)、図22(b)に対応している。図23(a)に示すように、ガラス基板101の上には、SiN、SiO2などから形成されるベースコート膜132、酸化シリコンなどから形成される絶縁膜134が順次積層されている。絶縁層134の上には上述した接地線122を構成する金属層が形成されているとともに、有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するTFT回路190の表面を被覆する保護膜136も形成されている。保護膜136は接地線122の一部の上にも形成されている。さらに、接地線122、保護膜136の上には、ITO層125が積層されている。以上の構成が、有機エレクトロルミネッセンス素子110の陰極形成前の状態である。
図23(a)の状態から、図23(b)のように有機エレクトロルミネッセンス素子110の陰極(電極)138が通常のプロセス(蒸着)により、ITO層125、保護膜136の上に形成され、結果的にITO層125を介して陰極138と接地線122の導通(コンタクト)がとられる。さらにその上には封止部材としての封止ガラスSL(図4参照)が形成される。陰極コンタクト部120は、陰極138と接地線122の積層範囲で定義され、本プロセスを経て陰極138と接地線122が接続される。尚、本実施形態では、陰極138と接地線122の間にITO層125が介在している。光ヘッドの製造工程では、ガラス基板101上にTFT回路190を形成した後に、保護膜136を形成し、更にその後に有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動電極としてITO膜を形成する。図23(a)、図23(b)に示すITO層125は、この駆動電極の形成プロセスにおいて副次的に形成されるものであり、陰極コンタクト部120においては必ずしもITO層125が介在する必要はない。
光ヘッド100の製造にあたっては、まず、基板101上にベースコート膜132、絶縁膜134を形成した後、有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する発光素子駆動回路181(接地線122を含む)と、図示せぬ陽極(駆動電極)を形成する。そして、有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光部(発光層)として機能する有機エレクトロルミネッセンス材料、特に高分子材料を、スピンコート法、フラッドプリント法、インクジェット法などの湿式プロセスを用いて塗布し、その後所定時間のベイク工程を経て有機エレクトロルミネッセンス材料に含まれる溶媒成分を十分に揮発させる。このような湿式プロセス、例えばスピンコート法では、ガラス基板101の全面に有機エレクトロルミネッセンス材料が塗布されるため、塗布した有機エレクトロルミネッセンス材料のうち不要部分を除去し、陰極コンタクト部120、即ち上述の構成ではITO層125を露出させる。有機エレクトロルミネッセンス材料の除去には、有機溶媒(キシレンなど)を供給しながらウェブを用いて行なう拭き取り法、レーザーアブレーション法などが使用される。ここまでが、図23(a)の状態を達成する工程である。
その後、図23(b)のように、陰極138を全有機エレクトロルミネッセンス素子110に渡って共通な共通電極として、露出した陰極コンタクト部120と接触するよう、陰極138を形成する。ただし、図の例では、接地線122上にはITO層125が存在しており、接地線122は露出していないが、ITO層125は100nm〜200nm程度であるから、導通部としての抵抗値は極めて低く、実用上全く問題はない。さらには、陰極コンタクト部120の少なくとも一部を封止するよう、封止ガラスSLが形成される。
本例では、図22に示したように、陰極138が、少なくとも二つの有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して共通に、かつ発光素子列110Aの配列方向に沿って発光素子列110Aから延長して設けられている。さらには、発光素子列110Aから延長した陰極138の部分(対応する有機エレクトロルミネッセンス素子110が存在しない部分)において、陰極コンタクト部120が存在する。とりわけ、陰極コンタクト部120は、陰極138の略端部に設けられている。この構成は表現を変えると、発光素子列の配列方向、即ちガラス基板101の主走査方向の端部近傍に陰極コンタクト部120を設けた、と言うこともできる。
有機エレクトロルミネッセンス素子110を用いた光ヘッドにおいては、当該素子のいずれかの電極の基板101に対する接地を確保することが必要となる。このような接地のための領域を確保することは、光ヘッドの大型化につながるおそれがある。
しかしながら、上述した本発明の構成においては、接地を確保する陰極コンタクト部120が発光素子列110Aの延長線上の位置に設けられている。従って、光ヘッド100の副操作方向の幅を小さくすることができ、ひいては、露光装置、画像形成装置の小型化を図ることができる。また、陰極138を、製造工程において発光素子列110Aを覆うように形成する過程で、簡易に接地線122に接触させることができる。従って、光ヘッド100の製造が容易なものとなる。尚、陰極138は共通電極のため、接地線122との接触は陰極コンタクト部120の一箇所で確保すればよい。ただし、図示していない光ヘッド100の右側端部において同様な陰極コンタクト部を設け、陰極138と接地線122の接触を確保しても良い。この場合は、複数の部位に陰極コンタクト部120を設けることとなり、グラウンドレベルの安定化に寄与することができる。
また、陰極コンタクト部120上に封止ガラスSLを形成することにより、他の部品の封止もより確実なものとなり、外部の大気、水分から基板101上の部品をより確実に保護することが可能となる。尚、図23(b)の例では、封止ガラスSLは陰極138の全面を覆っておらず、陰極コンタクト部120の全面を覆うものではない。すなわち、封止ガラスSLは陰極コンタクト部120の少なくとも一部を覆うものであればよいが、陰極コンタクト部120の全面を覆うように構成しても良い。
また、本実施形態では、共通電極としての陰極138に複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110の接地点115が接続され、一方接地線122に有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光を制御する発光素子駆動回路181であるTFT回路190が接続とれ、この陰極138と接地線122は陰極コンタクト部120によって接続されている。
図8に示す各接地点115を個別に陰極138に接触させることは、構成上非常に困難であり、仮に可能だとしても個々の接触部のスペースを確保するために基板サイズが大型化するなどの欠点があるので、本実施形態のような構成とするのが望ましい。
また、必ずしも陰極138と接地線122が陰極コンタクト部120において接触する必要はない。発光素子駆動回路181(接地点115を含む)の接地点と陰極138は電気回路的にどこかで共通化(接続)されていれば良く、ガラス基板101上のどこかで共通化(接続)されれば良いが、本実施形態においては、小型化の観点を重視し、前述のように、発光素子列の略延長線上に設けた陰極コンタクト部120において共通化(接続)している。
図24は、光ヘッド100端部における陰極形成前の他の構成例を示したものである。この例では、図22、23のものとは異なり、陰極コンタクト部120を、発光素子列110Aの配列方向の延長線上の位置からずらして配置した例を示すものである。すなわち、陰極コンタクト部120は、発光素子列の配列方向における基板101の端部近傍に配置されている。本例では、発光素子列110Aの配列方向の延長線よりもやや副走査(−)方向側に陰極コンタクト部120が配置されている。陰極コンタクト部120が、発光素子列110Aの配列方向のちょうど延長線上の位置に設けられていなくても、本発明の効果が得られる。すなわち、陰極コンタクト部120が陰極138の略延長線上の位置に配置されるよう、光ヘッド100を構成することができる。
図25は、光ヘッド100端部における陰極形成前の更に他の構成例を示したものである。この例では、発光素子列110Aに沿って複数の接地線122(本例では122a,122bの2本)を設け、2本の接地線122a,122bの間に発光素子列110Aが配置されている。2本の接地線122a,122bの間にはバイパス線126が形成されている。光ヘッド100の場合、グランドレベルの変動による画質劣化の影響は、表示装置の場合より大きいが、このような構成とすることでグランドレベルがより安定化し、画質の安定化に寄与することができる。
図26は、光ヘッド100端部における陰極形成前の更に他の構成例を示したものである。有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する発光素子駆動回路(発光素子駆動部)181は、TFT回路190内に形成可能である。本例では、TFT回路190における分離した少なくとも二つの領域である第1のTFT領域190a、第2のTFT領域190b各々に発光素子駆動回路181を形成している。これら二つのTFT領域は、発光素子列110Aに沿ってその両側に形成されている。さらに、各TFT領域に対応した接地線122a,122bが、そのTFT領域と発光素子列110Aの間に設けられている。本例の場合は、主走査方向における有機エレクトロルミネッセンス素子110の位置、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子110の左から順番に第1のTFT領域190aに形成されたピクセル回路113(図8)、第2のTFT領域190bに形成されたピクセル回路113で交互に駆動するように構成するのが望ましい。
図27は、光ヘッド100端部における陰極形成前の更に他の構成例を示したものであり、図26の光ヘッド100の変形例に相当する。上述した光ヘッド100では、発光素子列110Aを一列に構成したものを示したが、本例では、有機エレクトロルミネッセンス素子110を千鳥状に配置することにより、二つの発光素子列110A1、発光素子列110A2が結果的に構成されている。そして、第1の発光素子列110A1を、第1の接地線122aに接続された第1のTFT領域190aに形成された発光素子駆動回路181で駆動し、第2の発光素子列110A2を、第2の接地線122bに接続された第2のTFT領域190bに形成された発光素子駆動回路181で駆動するよう光ヘッド100を構成している。この場合、例えば2段の千鳥状に配置された有機エレクトロルミネッセンス素子110は、配列ピッチを最大2倍まで拡張可能であり、発光領域を大きく形成することができる。発光領域が大きくなり有機エレクトロルミネッセンス素子110に供給される電流値が大きくなったとしても、接地線は各素子列単位に設けられているから、グランドレベルを安定に保つことが可能となる。
図28は、光ヘッド100の他の実施形態を示す。図4の光ヘッド100と異なり、本実施形態では、図22から図27で示した陰極コンタクト部120に加え、別の(陰極)コンタクト部121、テスト素子駆動電極123、テスト素子140が基板101上に設けられている。前述の例と同様、陰極138は、少なくとも二つの有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して共通に、かつ発光素子列110Aの配列方向に沿って設けられている。
本実施形態では、陰極138の延設方向に沿った複数の位置において、陰極コンタクト部121が複数設けられている。この陰極コンタクト部121は、図23で示した陰極コンタクト部121と同様な構成を示しており、複数の位置において陰極138から引き出された図示せぬ引き出し電極により、陰極138は接地線122に接続され、接続箇所にて陰極コンタクト部121が定義される。
また、本実施形態では、発光素子列110Aの両側において、二つのテスト素子140が発光素子列110Aの配列方向における略延長線上の位置に設けられている。二つのテスト素子140は互いに形状の同じものであっても、異なるもの(発光領域の大きさが異なる)であってもよい。テスト素子140は、発光素子列110Aから見て、陰極コンタクト部120より近い位置に形成されている。すなわち、テスト素子140は、陰極コンタクト部120より内側に形成されている。また、陰極コンタクト部120は、有機エレクトロルミネッセンス素子110とテスト素子140間で共通に使用される。さらに、テスト素子140の近傍で、基板101の端部には、テスト素子140を駆動するテスト素子駆動電極123が設けられている。
光ヘッドの製造後、出荷前に有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光特性を検査するため、本例のようなテスト素子140をガラス基板101上に形成しておくとよい。この構成により、光ヘッドの量産時において信頼性の検査サンプルを容易に確保するとともに小型化の可能な光ヘッドを提供することができる。
また、上述の様に、発光素子列110Aから見て、テスト素子140より遠い位置に陰極コンタクト部120部を形成することができる。テスト素子140は封止ガラスSLより内側に設けられるため、水分の浸入等によるテスト素子140の劣化を有効に防止することができる。
さらに、陰極コンタクト部120を有機エレクトロルミネッセンス素子110とテスト素子140間で共通にすることにより、両者の陰極を一つのマスクによって一括して形成することができ、生産性を向上することができる。
さらに、テスト素子140の近傍でかつ基板101の端部にテスト素子140の駆動電極を設けることにより、テスト素子140の駆動電極が個別独立に、かつ外部から直接電位付与が可能に設けられるため、簡易な設備で検査を実施することができる。
さらに、一の封止部材である封止ガラスSLにより有機エレクトロルミネッセンス素子110とテスト素子140を封止した場合、余分な工程が発生せず、製造コストを抑えることができる。さらに封止ガラスSLが陰極コンタクト部120の少なくとも一部を覆うように構成することにより、封止ガラスSLから外部に突出した陰極コンタクト部120の部分に、外部から直接電位を付与できることから、簡易な設備で検査を実施することができる。
さらに、二つのテスト素子の発光領域の大きさが異なる場合、光ヘッドの様々な信頼性の検査を行うことが可能となる。しかも複数種類の検査を行うための製造工程の増加などは一切不要である。
更に本実施形態では、封止ガラスSLによって、有機エレクトロルミネッセンス素子110、テスト素子140、陰極コンタクト部120の少なくとも一部が覆われているため、外部の大気、水分から基板101上の部品をより確実に保護することが可能となる。また、封止ガラスSLが陰極コンタクト部120の全部を覆うようにし、陰極コンタクト部120と接続された引き出し線が、封止ガラスSLの外部に引き出されるように光ヘッド100を構成しても良い。 この構成により、有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光性能を犠牲としない範囲で、引き出し線を細くして封止領域から引き出せるため、外部から封止部への水分等の侵入を抑制し光ヘッドの信頼性を確保することができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光部は有機エレクトロルミネッセンス材料により構成されるが、テスト素子140は当該発光部の膜厚を測定可能に構成されている。
膜厚の測定には、例えばプローブを当てて計測する、いわゆる段差法を用いればよい。この場合、測定対象である有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域は、封止されていてはならない。よって本実施形態における膜厚の測定は、光ヘッドの製造工程において封止ガラスSLを装着する前に、サンプルを抜き取って膜厚を計測すればよい。
また膜厚は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量分布を計測することでも、おおまかな傾向が分かるから、封止をした後においても計測は可能である。この構成により、光ヘッドの信頼性の検査を詳細に行うことが可能となる。しかも詳細な検査を行うための製造工程の増加などは一切不要である。
さて実施形態においては露光装置60を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯時間を一定とし、電流値を変化させることで、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を制御する構成を前提として説明してきたが、本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子110などの発光素子の駆動電流値を固定的に設定し、点灯時間を変化させて発光素子の光量を制御する、いわゆるPWM方式においても容易に適用できる。この場合は図6を用いて説明した第1エリアの内容を「潜像断面積を等しくするための駆動時間の設定値」と置き換えればよい。
また露光装置によっては有機エレクトロルミネッセンス素子などによって構成された発光素子列を複数列有し、感光体の回転方向に対して略同じ位置に複数回の露光を行うことで、潜像を形成するものも知られている。このような露光装置であっても複数回の露光によって形成される潜像が現像に寄与しないように光量やPWM時間を設定することで、本発明の技術的思想を適用することが可能となる。このような露光装置では単一の発光素子列では現像に寄与する潜像は形成されないから、例えば紙間において列単位で光量を計測するようなシーケンスが考えられる。
また、実施形態ではTFT回路、有機エレクトロルミネッセンス素子と同じポリシリコンのモノシリックデバイスとして構成された光量センサを用いて有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測しているが、本発明の技術的思想はこれに限定されるものではない。例えば、アモルファスシリコンにて複数のフィルム状の光量センサを構成し、ガラス基板101の端面(図4参照)に沿って配置した構成に対しても、本発明は適用可能である。
以上述べてきたように、実施形態では電子写真法を応用した画像形成装置について説明したが、本発明は電子写真法に限られるものではない。有機エレクトロルミネッセンス素子によってRGB光源は容易に実現できるため、例えば露光光源としてR光源、G光源、B光源をそれぞれ有する複数の露光装置を配置し、RGB各色の画像データに基づいて印画紙を直接的に露光する画像形成装置に対しても容易に応用が可能であることは言うまでもない。
本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
本発明の光ヘッドによれば、その小型化を達成することができると共に、これを用いた露光装置、および画像形成装置を提供することができる。
本発明の基本実施形態の画像形成装置の構成図 同実施形態の画像形成装置における現像ステーションの周辺を示す構成図 同実施形態の画像形成装置における露光装置の構成図 同実施形態の画像形成装置における露光装置に係る光ヘッドの上面拡大図 同実施形態の画像形成装置におけるコントローラの構成を示すブロック構成図 同実施形態の画像形成装置における光量補正データメモリの内容を示す説明図 同実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック構成図 同実施形態の画像形成装置における露光装置の回路図 同実施形態の画像形成装置における露光装置に係る電流プログラム期間と有機エレクトロルミネッセンス素子の点灯期間を示す説明図 本発明の実施形態に係る光量計測部の主要な構成を示す説明図 本発明の実施形態に係る光量計測部におけるセンサピクセル回路のグループを示す説明図 本実施形態の光量計測部の一部の内部構成を示す回路図 本発明の実施形態に係るセンサピクセル回路及び出力処理回路の内部構成を示す回路図 本発明の実施形態に係る各光量センサに関する光量検出動作を示すタイミングチャートである 本発明の実施形態に係る選択信号発生回路の内部構成を示す回路図 本発明の実施形態に係るグループ選択信号出力回路の内部構成を示す回路図 本発明の実施形態に係るライン選択信号出力回路の内部構成を示す回路図 本発明の実施形態に係る選択信号発生回路の一部の構成を示す図 本発明の実施形態に係る選択信号発生回路の動作を説明するタイミングチャート 本発明の実施形態に係るグループリードの動作を説明するタイミングチャート 本発明の実施形態に係る光量計測部全体の動作を説明するタイミングチャート 本発明の実施形態に係る光ヘッドの構成を模式的に説明する図 本発明の実施形態にかかる光ヘッド端部の陰極形成前および形成後の上面図 図23に対応した光ヘッド端部の陰極形成前および形成後の断面図 本発明の他の実施形態にかかる光ヘッド端部の上面図 本発明の他の実施形態にかかる光ヘッド端部の上面図 本発明の他の実施形態にかかる光ヘッド端部の上面図 本発明の他の実施形態の画像形成装置における露光装置に係る光ヘッドの上面拡大図
符号の説明
1 画像形成装置
2 筐体
4 給紙トレイ
8,8Y,8M,8C,8K 感光体
17 トナーボトル
19 レジストローラ
20 ピンチローラ
21 記録紙通過検出センサ
23 定着器
24 加熱ローラ
25 加圧ローラ
27 温度センサ
28 記録紙後端検出センサ
32 トナー像検出センサ
33 記録紙搬送ドラム
34 フェイスダウン排紙部
35 蹴り出しローラ
36 支持部材
37 リブ
38 駆動源
39 排紙トレイ
43 電源部
44 電源監視部
45 アクチュエータ群
46 高圧電源制御部
47 操作パネル
50,50Y,50M,50C,50K 現像ステーション
51,51a,51b 攪拌パドル
52 薄層化ブレード
53 現像スリーブ
54 マグネットロール
60,60Y,60M,60C,60K 露光装置
61a 筐体A(下筐体)
61b 筐体B(上筐体)
62 レンズアレイ
63 中継基板63
64a コネクタA
64b コネクタB
65 ケーブル
66 FPC
70 コントローラ
71a イメージメモリ
71b 光量補正データメモリ
71c バッファメモリ
72 D/Aコンバータ
73 ROM
74 RAM
75 コントローラCPU
76 画像処理部
77 タイミング生成部
78 プリンタインタフェース
80 エンジン制御部
81 コントローラインタフェース
82 エンジン制御CPU
83 ROM
84 RAM
85 不揮発性メモリ
86 シリアルインターフェース
87 バス
100 光ヘッド
101 ガラス基板
105 発光ユニット
110 有機エレクトロルミネッセンス素子
110A 発光素子列
111 ドライバ部
112 電流プログラム部
113 ピクセル回路
114 ゲートコントローラ
115 接地点
120 陰極コンタクト部
121 陰極コンタクト部
123 テスト素子駆動電極
122 接地線
124 配線
126 バイパス線
132 ベースコート膜
134 絶縁膜
136 保護膜
138 陰極
140 テスト素子
180,180a,180b ソースドライバ
181 発光素子駆動回路
190 TFT回路
200 光量計測部
210,210a,210b,210c,210d 光量センサ出力処理部
220 光量センサ
230 センサピクセル回路
231 コンデンサ
232 選択トランジスタ
240 選択信号発生回路
241 AND回路
242 グループ選択信号出力回路
243 ライン選択信号出力回路
250 チャージアンプ
251 演算増幅器
252 コンデンサ
253 充放電選択トランジスタ
260 アナログ・ディジタル変換器(ADC)
270,270A〜270P 検出処理回路
300 コンピュータ
DFFg1〜DFFg20,DFFla〜Dfflp Dフリップフロップ
DL 現像剤
N ネットワーク
R 記録紙
P 記録紙搬送路
SL 封止ガラス

Claims (22)

  1. 基板上に配列された複数の発光素子によって構成される発光素子列と、
    前記発光素子の各々を駆動する駆動部と、
    前記発光素子に電荷を供給する電極と、
    前記発光素子列の配列方向における略延長線上の位置に設けられ、前記電極と前記駆動部の接地線を接続するコンタクト部と、
    を備える光ヘッド。
  2. 請求項1に記載の光ヘッドであって、
    前記電極が、少なくとも二つの発光素子に対して共通に、かつ前記発光素子列の配列方向に沿って前記発光素子列から延長して設けられた光ヘッド。
  3. 請求項2に記載の光ヘッドであって、
    前記第電極が、前記発光素子列を覆うように形成された光ヘッド。
  4. 請求項2または3に記載の光ヘッドであって、
    前記発光素子列から延長した前記電極の部分において、前記コンタクト部が存在する光ヘッド。
  5. 請求項4に記載の光ヘッドであって、
    前記コンタクト部が、前記電極の略端部に設けられた光ヘッド。
  6. 請求項1に記載の光ヘッドであって、
    前記電極が、少なくとも二つの発光素子に対して共通に、かつ前記発光素子列の配列方向に沿って設けられ、
    前記電極の延設方向の略両端の位置において、前記コンタクト部が設けられた光ヘッド。
  7. 請求項6に記載の光ヘッドであって、
    前記略両端の位置において前記電極と前記コンタクト部を接続する引き出し電極を更に有する光ヘッド。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の光ヘッドを含む露光装置。
  9. 請求項8記載の露光装置を含む画像形成装置。
  10. 基板上に複数の発光素子の各々を駆動する駆動部および駆動電極を形成する工程と、
    前記発光素子の発光部として機能する有機エレクトロルミネッセンス材料を塗布する工程と、
    塗布した前記有機エレクトロルミネッセンス材料を除去して前記駆動部の接地領域を露出させる工程と、
    前記複数の発光素子に対する共通電極を、当該共通電極と前記駆動部の露出した前記接地領域が接触するように形成する工程と、
    を備える光ヘッドの製造方法。
  11. 請求項10に記載の光ヘッドの製造方法であって、
    前記共通電極の前記接地領域と接触した部分を封止する封止部材を形成する工程を更に含む光ヘッドの製造方法。
  12. 基板上に配列された複数の発光素子によって構成される発光素子列と、
    前記発光素子の各々を駆動する駆動部と、
    前記発光素子列を覆うように形成された電極と、
    前記発光素子列の配列方向における略延長線上の位置に設けられ、前記電極と前記駆動部の接地線を接続するコンタクト部と、
    前記発光素子列の配列方向における略延長線上の位置に設けられたテスト素子と、
    を備える光ヘッド。
  13. 請求項12に記載の光ヘッドであって、
    前記発光素子列から見て、前記テスト素子より遠い位置に前記コンタクト部が形成された光ヘッド。
  14. 請求項13に記載の光ヘッドであって、
    前記コンタクト部が、前記発光素子と前記テスト素子間で共通である光ヘッド。
  15. 請求項12に記載の光ヘッドであって、
    前記テスト素子の近傍でかつ前記基板の端部に設けられた前記テスト素子の駆動電極を更に備える光ヘッド。
  16. 請求項12に記載の光ヘッドであって、
    一の封止部材で前記発光素子と前記テスト素子を封止した光ヘッド。
  17. 請求項16に記載の光ヘッドであって、
    前記封止部材が前記コンタクト部の少なくとも一部を覆う光ヘッド。
  18. 請求項16に記載の光ヘッドであって、
    前記封止部材が前記コンタクト部の全部を覆い、前記コンタクト部と接続された引き出し線が前記封止部材の外部に引き出された光ヘッド。
  19. 請求項12に記載の光ヘッドであって、
    少なくとも二つのテスト素子が、前記発光素子列の配列方向の両側の略延長線上の位置に配置され、二つのテスト素子の発光領域の大きさが異なる光ヘッド。
  20. 請求項12から19のいずれか1項に記載の光ヘッドであって、
    前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子により構成され、前記テスト素子が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の有機エレクトロルミネッセンス材料の膜厚を測定可能である光ヘッド。
  21. 請求項12から20のいずれか1項記載の光ヘッドを含む露光装置。
  22. 請求項21記載の露光装置を含む画像形成装置。
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