JP2008145623A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】光を広角化させる構成において、光学性能の低下を低減でき、高品質な画像を得ることが可能なプロジェクタを提供すること。
【解決手段】画像信号に応じた光を広角化させる広角化光学素子である非球面ミラー14と、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を検出する温度検出部と、温度検出部による検出結果に基づいて、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を調節する温度調節部と、を有し、温度調節部は、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺を冷却する冷却部を備える。
【選択図】図1
【解決手段】画像信号に応じた光を広角化させる広角化光学素子である非球面ミラー14と、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を検出する温度検出部と、温度検出部による検出結果に基づいて、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を調節する温度調節部と、を有し、温度調節部は、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺を冷却する冷却部を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、プロジェクタ、特に、超短焦点の投写光学系を採用するプロジェクタの技術に関する。
近年、フロント投写型のプロジェクタやリアプロジェクタにおいて、投写距離を短くさせた超短焦点の投写光学系を採用する構成が提案されている。フロント投写型のプロジェクタにおいて超短焦点の投写光学系を採用すると、高い自由度でプロジェクタを設置できるという利点が得られる。リアプロジェクタにおいて超短焦点の投写光学系を採用すると、リアプロジェクタを薄型にできるという利点が得られる。超短焦点の投写光学系には、非球面形状を備える非球面ミラーを用いることができる。非球面ミラーを用いる投写光学系の技術は、例えば、特許文献1に提案されている。
非球面ミラーを用いて光を広角化させる場合、光を広角化させる度合いが大きいほど、非球面ミラーの変形が光学性能へ及ぼす影響は大きくなる。例えば非球面ミラーの周囲の温度が変化することにより非球面ミラーの形状が変化したとすると、高品質な画像を表示することが困難となる。非球面ミラーは、樹脂部材からなる基材に高反射性部材をコーティングすることで形成されるのが一般的である。樹脂部材は、例えばガラス部材と比較すると1桁高い熱膨張率を示すように、高い熱膨張率を持つことが知られている。このため、樹脂部材を基材とする一般的な非球面ミラーは、温度変化の影響を受け易いといえる。以上から、従来の技術によると、光を広角化させる構成において光学性能の低下、画質の低下が引き起こされる場合があるという問題を生じる。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、光を広角化させる構成において、光学性能の低下を低減でき、高品質な画像を得ることが可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、画像信号に応じた光を広角化させる広角化光学素子と、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を検出する温度検出部と、温度検出部による検出結果に基づいて、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を調節する温度調節部と、を有することを特徴とするプロジェクタを提供することができる。
広角化光学素子とは、入射光の角度範囲に対して広い角度範囲の光を出射させる光学素子を指すものとする。温度検出部による検出結果に基づいて広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を調節することで、温度変化に伴う広角化光学素子の変形によって生じる光学性能の低下を低減できる。光学性能の低下を低減させることで、高品質な画像を表示することが可能となる。これにより、光学性能の低下を低減でき、高品質な画像を得ることが可能なプロジェクタを得られる。本発明は、特に、大きく光を広角化させる広角化光学素子により超短焦点を実現する場合に好適である。温度変化による変形を起こしにくい高価な部材を用いて広角化光学素子を形成する必要も無いため、低コストにすることもできる。
また、本発明の好ましい態様としては、温度調節部は、広角化光学素子を冷却する冷却部を備えることが望ましい。プロジェクタの筐体内は、光源部等が発生させる熱による温度上昇の影響を大きく受けることになる。また、プロジェクタの周辺温度が上昇するに従い、プロジェクタの筐体内の温度も上昇することとなる。かかる温度上昇に対して冷却部を駆動させることにより、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を調節できる。
また、本発明の好ましい態様としては、光を供給する光源部を有し、光源部からの熱を用いて広角化光学素子を加熱することが望ましい。プロジェクタの周辺温度が低下するに従い、プロジェクタの筐体内の温度も低下することとなる。かかる温度低下に対して光源部から広角化光学素子へ熱を伝えることで、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を調節できる。温度の調節に光源部を用いることで加熱のための新たな構成が不要となるため、少ない部品点数による温度調節が可能となる。
また、本発明の好ましい態様としては、広角化光学素子は、光源部の近傍に配置されることが望ましい。これにより、光源部から広角化光学素子へ熱を伝え易くすることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、温度調節部は、広角化光学素子を加熱する加熱部を備えることが望ましい。プロジェクタの周辺温度の低下に対して加熱部を駆動させることにより、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を調節できる。例えば冷却部及び加熱部の制御により、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度の調節を正確に行うことが可能となる。これにより、温度変化に伴う広角化光学素子の変形をさらに低減できる。
また、本発明の好ましい態様としては、温度調節部は、さらに広角化光学素子以外の他の構成の温度を調節することが望ましい。広角化光学素子以外の他の構成、例えば光源部を冷却するための構成を広角化光学素子の冷却にも利用することが可能である。広角化光学素子の冷却のための新たな構成が不要となるため、少ない部品点数による広角化光学素子及び他の構成の温度調節を可能にできる。
また、本発明の好ましい態様としては、温度検出部による検出結果に基づいて、画像信号を調整することが望ましい。これにより、温度調節部による十分な温度調節がなされるまでの間においても、光学性能の低下を低減でき、高品質な画像を得ることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、温度調節部は、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を略一定とする調節を行うことが望ましい。これにより、温度変化に伴う広角化光学素子の変形を低減できる。
また、本発明の好ましい態様としては、温度調節部は、広角化光学素子、又は広角化光学素子の周辺の温度を調節することにより、広角化光学素子の形状を基準状態とすることが望ましい。これにより、温度変化のみならず他の事由、例えば広角化光学素子の周辺の湿度変化による広角化光学素子の変形、広角化光学素子の個体差、広角化光学素子の経時変化等に起因する光学性能の低下をも低減可能とし、さらに高品質な画像を得られる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係るプロジェクタ10の概略構成を示す。プロジェクタ10は、画像信号に応じた光を投写させるフロント投写型のプロジェクタである。プロジェクタ10は、壁面W近くのキャビネットC上に配置されている。プロジェクタ10は、被照射面に近い位置、例えばスクリーン16が配置された壁面Wから数十cm程度の位置から近接投写を行う。プロジェクタ10は、光学エンジン11を有する。
図2は、光学エンジン11の構成を示す。光源部20は、赤色光(以下、「R光」という。)、緑色光(以下、「G光」という。)、及び青色光(以下、「B光」という。)を含む光を供給する超高圧水銀ランプである。第1インテグレータレンズ21及び第2インテグレータレンズ22は、アレイ状に配列された複数のレンズ素子を有する。第1インテグレータレンズ21は、光源部20からの光束を複数に分割する。第1インテグレータレンズ21の各レンズ素子は、光源部20からの光束を第2インテグレータレンズ22のレンズ素子近傍にて集光させる。第2インテグレータレンズ22のレンズ素子は、第1インテグレータレンズ21のレンズ素子の像を空間光変調装置上に形成する。
2つのインテグレータレンズ21、22を経た光は、偏光変換素子23にて特定の振動方向を有する偏光光に変換される。重畳レンズ24は、第1インテグレータレンズ21の各レンズ素子の像を空間光変調装置上で重畳させる。第1インテグレータレンズ21、第2インテグレータレンズ22及び重畳レンズ24は、光源部20からの光の強度分布を空間光変調装置上にて均一化させる。重畳レンズ24からの光は、反射ミラー25で反射した後、第1ダイクロイックミラー26へ入射する。
第1ダイクロイックミラー26は、R光を反射させ、G光及びB光を透過させる。第1ダイクロイックミラー26で反射したR光は、反射ミラー27で反射した後、フィールドレンズ28へ入射する。フィールドレンズ28は、反射ミラー27からのR光を平行化し、R光用空間光変調装置29Rへ入射させる。R光用空間光変調装置29Rは、R光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。R光用空間光変調装置29Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム30へ入射する。
第1ダイクロイックミラー26を透過したG光及びB光は、第2ダイクロイックミラー31へ入射する。第2ダイクロイックミラー31は、G光を反射させ、B光を透過させる。第2ダイクロイックミラー31を反射したG光は、フィールドレンズ28で平行化された後、G光用空間光変調装置29Gへ入射する。G光用空間光変調装置29Gは、G光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。G光用空間光変調装置29Gで変調されたG光は、R光とは異なる側からクロスダイクロイックプリズム30へ入射する。
第2ダイクロイックミラー31を透過したB光は、2枚のリレーレンズ32、34及び2枚の反射ミラー33、35を経た後、フィールドレンズ28へ入射する。B光の光路は、R光の光路及びG光の光路よりも長い。空間光変調装置における照明倍率をR光及びG光と等しくするために、B光の光路には、リレーレンズ32、34を用いるリレー光学系が採用されている。フィールドレンズ28で平行化されたB光は、B光用空間光変調装置29Bへ入射する。B光用空間光変調装置29Bは、B光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。B光用空間光変調装置29Bで変調されたB光は、R光、G光とは異なる側からクロスダイクロイックプリズム30へ入射する。
クロスダイクロイックプリズム30は、互いに略直交するように配置された2つのダイクロイック膜36、37を有する。第1ダイクロイック膜36は、R光を反射させ、G光及びB光を透過させる。第2ダイクロイック膜37は、B光を反射させ、R光及びG光を透過させる。クロスダイクロイックプリズム30は、それぞれ異なる側から入射したR光、G光及びB光を合成する。投写レンズ12は、クロスダイクロイックプリズム30で合成された光を投写する。
透過型液晶表示装置としては、例えば高温ポリシリコンTFT液晶パネル(High Temperature Polysilicon;HTPS)を用いることができる。光学エンジン11は、空間光変調装置として透過型液晶表示装置を用いる場合に限られない。空間光変調装置としては、反射型液晶表示装置(Liquid Crystal On Silicon;LCOS)、DMD(Digital Micromirror Device)、GLV(Grating Light Valve)等を用いても良い。プロジェクタ10は、色光ごとに空間光変調装置を備える構成に限られない。プロジェクタ10は、一の空間光変調装置により2つ又は3つの色光を変調する構成としても良い。また、光学エンジン11は、光源部として超高圧水銀ランプを用いる場合に限られない。光源部としては、他のランプやLED等の固体光源、レーザ等を用いても良い。
図1に戻って、平面ミラー13は、投写レンズ12及び非球面ミラー14に対向する位置に設けられている。平面ミラー13は、反射により投写レンズ12からの光を非球面ミラー14の方向へ折り返す。平面ミラー13は、平板形状を有する。平面ミラー13は、平行平板上に反射膜を形成することにより構成できる。非球面ミラー14は、反射により平面ミラー13からの光を広角化させる広角化光学素子であって、非球面形状の曲面を有する。広角化光学素子とは、入射光の角度範囲に対して広い角度範囲の光を出射させる光学素子を指すものとする。
非球面ミラー14は、画像信号に応じて変調された光を広角化させる機能、及び平面ミラー13からの光を折り曲げてスクリーン16の方向へ進行させる機能を有する。非球面ミラー14は、例えば、樹脂部材等を有する基材上に反射膜を形成することにより構成できる。平面ミラー13、非球面ミラー14に用いられる反射膜としては、高反射性の部材の層、例えばアルミニウム等の金属部材の層や誘電体多層膜等を用いることができる。また、反射膜の上には、透明部材を有する保護膜を形成することとしても良い。
非球面ミラー14は、曲面形状とすることで、光の折り曲げと広角化とを同時に行うことが可能となる。投写レンズ12のみならず非球面ミラー14によっても光を広角化させることで、投写レンズ12のみにより光を広角化させる場合よりも投写レンズ12を小型にすることができる。投写レンズ12及び非球面ミラー14は、画像の拡大とスクリーン16における結像とを行っている。投写レンズ12は、画像の拡大及びスクリーン16における結像の機能を果たす。非球面ミラー14は、画像の拡大の機能を果たす。非球面ミラー14は、画像の歪みを補正できるように適宜変形させても良い。
筐体17は、光学エンジン11、投写レンズ12、平面ミラー13及び非球面ミラー14を収納する。出射部15は、画像信号に応じて変調された光を筐体17からスクリーン16へ向けて出射させる。出射部15は、筐体17に設けられた開口を透明部材により覆うことで構成されている。スクリーン16は、画像信号に応じて変調された光を反射させる反射型のスクリーンである。スクリーン16は、観察者が存在する所望の範囲において光を拡散可能とすることで、良好な視野角特性を持たせることが可能となる。
プロジェクタ10は、キャビネットCの他、例えば床面、机、ラック等に設置することとしても良い。プロジェクタ10はコンパクトな構成であるため、容易に設置場所を確保することができる。壁面W近くにプロジェクタ10を設置可能とすることで、狭い室内であっても大画面を表示することができる。
図3は、プロジェクタ10の光学系を模式的に表したものである。ここでは光軸AXを一直線状に表すために、平面ミラー13における光路の折り曲げについての図示を省略している。投写レンズ12及び非球面ミラー14は、光軸が略一致するように配置されている。スクリーン16の法線Nは、投写レンズ12の光軸及び非球面ミラー14の光軸と略平行である。投写レンズ12及び非球面ミラー14は、いずれも共通の光軸AXを持つ、いわゆる共軸光学系を構成している。また、プロジェクタ10は、画像信号に応じて変調された光を光軸AXに対して特定の側へシフトさせて進行させる、いわゆるシフト光学系を構成している。
具体的には、画像信号に応じて変調された光を光軸AXに対して図3の紙面上側へシフトさせて進行させている。一方、光学エンジン11中のクロスダイクロイックプリズム30の出射面に仮想的に形成される像面の中心法線は、光軸AXに対して平行であり、かつ特定の側とは反対側、即ち光軸AXに対して図3における紙面下側にシフトしている。かかる構成により、プロジェクタ10は、スクリーン16に対して大きな入射角をなす光を入射させる。入射角は、スクリーン16の法線Nと入射光線とがなす角度である。
共軸光学系を採用することにより、通常の共軸系の設計手法を採用することが可能である。よって、光学系の設計工数を少なくし、かつ収差が少ない光学系を実現することができる。非球面ミラー14は、光軸AXに関して略回転対称な形状、例えば、円錐形状のうち頂点部以外の一部を切り取った形状とすることができる。非球面ミラー14を光軸AXに関して略回転対称な形状とすることで、非球面ミラー14の光軸と他の構成の光軸とを容易に一致させることが可能となる。非球面ミラー14は軸対称の非球面形状となることから、旋盤等の簡易な手法により加工を行うことができる。よって、非球面ミラー14を容易かつ高い精度で製造することができる。
プロジェクタ10は、非球面ミラー14を用いることで、画角θを少なくとも150度以上、例えば160度とする超広角化を実現している。さらに、超広角化させたうちの一部の角度範囲のみを使用するシフト光学系を採用することで、光の進行方向を揃えることが可能である。本実施例の場合、例えば、スクリーン16における最小入射角は70度、最大入射角は80度となる。シフト光学系を採用することにより、スクリーン16へ入射する光の角度差を10度程度以内とすることが可能となる。
図4は、プロジェクタ10の筐体17内の構成について説明するものである。プロジェクタ10の筐体17内は、光源部20等が発生させる熱による温度上昇の影響を大きく受けることとなる。また、プロジェクタ10の周辺温度が上昇するに従い、プロジェクタ10の筐体17内の温度も上昇することとなる。非球面ミラー14の基材を構成する樹脂部材は、成形が容易である一方、高い熱膨張率を持つ。このため、温度上昇に伴い非球面ミラー14の基材が膨張することで、非球面ミラー14の反射面が変形する場合がある。
図5は、非球面ミラー14の変形による光学性能の低下について説明するものである。ここでは、平面ミラー13の反射面及び非球面ミラー14の反射面を、反射面に垂直な断面における線分としてそれぞれ表している。例えば、非球面ミラー14が、平面ミラー13の反射面S1からの光を図中破線矢印で示す方向へ進行させるべく、非球面ミラー14の反射面S2が設計されたとする。この場合において非球面ミラー14の基材の膨張により設計上の反射面S2とは異なる形状となった反射面S3へ入射した光は、所望の方向とは異なる方向へ進行することとなる。特に、光を大きく広角化させる非球面ミラー14の場合、僅かな変形であっても光学性能へ及ぼす影響が大きくなることがある。非球面ミラー14のうちスクリーン16(図3参照)の上隅部へ光を反射させる部分が変形した場合、スクリーン16の上隅部において画像が大きく歪むこととなる。
図4に戻って、ファン40は、非球面ミラー14に対して反射面とは反対側の空間に設けられている。ファン40は、非球面ミラー14の周辺の空気を流動させることにより非球面ミラー14を冷却する冷却部であって、非球面ミラー14の周辺の温度を調節する温度調節部である。ファン40は、中心軸を中心として羽根部材を回転させることで、空気を流動させる。
図6は、非球面ミラー14の周辺の温度を調節するための構成について説明するものである。ファン40は、白抜き矢印で示すように非球面ミラー14の周辺の空気を流動させる。第1温度検出部41、第2温度検出部42は、広角化光学素子である非球面ミラー14の周辺の温度を検出する温度検出部である。第1温度検出部41は、非球面ミラー14の入射面の近傍に設けられている。第1温度検出部41は、非球面ミラー14の入射側の周辺の温度を検出する。第2温度検出部42は、非球面ミラー14の入射面とは反対側の面の近傍に設けられている。第2温度検出部42は、非球面ミラー14の入射側とは反対側の周辺の温度を検出する。
図7は、非球面ミラー14の周辺の温度を調節するためのブロック構成を示す。第1温度検出部41による検出結果、及び第2温度検出部42による検出結果は、温度制御部43へ入力される。温度制御部43は、第1温度検出部41、第2温度検出部42による検出結果に応じて、ファン駆動部44を制御する。ファン駆動部44は、温度制御部43による制御に応じてファン40を駆動させる。
例えば、基準として設定された基準温度に対して高い温度が検出された場合、温度制御部43は、ファン駆動部44の制御によりファン40の回転を開始させる。ファン40を回転させる速度は、基準温度に対する温度の上昇幅に応じて適宜調整される。このようにして、温度調節部であるファン40は、第1温度検出部41及び第2温度検出部42による検出結果に基づいて、非球面ミラー14の周辺の温度を調節する。
第1温度検出部41及び第2温度検出部42による検出結果に基づいて非球面ミラー14の周辺の温度を調節することで、温度変化に伴う非球面ミラー14の変形によって生じる光学性能の低下を低減できる。光学性能の低下を低減させることで、高品質な画像を表示することが可能となる。これにより、光学性能の低下を低減でき、高品質な画像を得られるという効果を奏する。本発明は、特に、大きく光を広角化させることで超短焦点を実現するための非球面ミラー14を用いる場合に好適である。温度変化による変形を起こしにくい高価な部材を用いて非球面ミラー14を形成する必要も無いため、低コストにすることもできる。
次に、基準温度に対して低い温度が検出された場合、温度制御部43は、ファン駆動部44の制御によりファン40の回転を停止させる。さらに、例えばプロジェクタ10の周辺温度が低下したとすると、プロジェクタ10の筐体17内の温度も低下することとなる。筐体17内の温度が低下した場合、温度低下に伴い非球面ミラー14の基材が収縮することで、非球面ミラー14の反射面が変形する場合がある。
図6に戻って、光源部20は、非球面ミラー14の反射面とは反対側の近傍に配置されている。ファン40の回転を停止させると、光源部20からの熱は、黒塗り矢印で示す空気の自然対流によって非球面ミラー14へ伝えられる。非球面ミラー14は、光源部20からの熱を用いて加熱される。光源部20からの熱を用いた加熱により、温度低下に対して非球面ミラー14の周辺の温度を調節できる。温度の調節に光源部20を用いることで加熱のための新たな構成が不要となるため、少ない部品点数による温度調節が可能となる。光源部20の近傍に非球面ミラー14を配置することで、光源部20から非球面ミラー14へ熱を伝え易くすることができる。
さらに非球面ミラー14の周辺が基準温度より高い温度に到達した場合、温度制御部43は、再びファン40の回転を開始させる。このようにして温度調節部であるファン40は、非球面ミラー14の周辺の温度を略一定とする調節を行う。これにより、温度変化に伴う非球面ミラー14の変形を低減できる。
温度検出部である第1温度検出部41及び第2温度検出部42の位置は図示するものに限られず、適宜決定することができる。温度検出部は2つである場合に限られず、1つであっても良く、3つ以上であっても良い。また、温度検出部は、非球面ミラー14の周辺の温度を検出する場合に限られない。例えば図8に示す温度検出部51は、非球面ミラー14自体の温度を検出する。温度検出部51は、非球面ミラー14の反射面上であって、光が入射する位置以外の位置に配置されている。この場合も、温度調節部であるファン40により非球面ミラー14の温度を略一定とする調節を行うことで、温度変化に伴う非球面ミラー14の変形を低減できる。
冷却部としては、ファン40を用いる場合に限られない。冷却部として、ファン40以外の構成であって空気を流動させるものを用いても良い。また、冷却部は、空気を流動させるものに限られない。冷却部として、例えば、熱を移動させることが可能なペルチェ素子等を用いても良い。例えば図9に示すように、冷却部であるペルチェ素子52は、非球面ミラー14に当接させて配置することとしても良い。ペルチェ素子52は、非球面ミラー14のうち反射面とは反対側の面の略中央に配置されている。これにより、非球面ミラー14自体の冷却により、非球面ミラー14の温度を調節することができる。
光源部20からの熱により加熱を行うには、空気の自然対流によって光源部20から非球面ミラー14へ熱を伝える他、図10に示すようにファン40を用いることとしても良い。ファン40は、非球面ミラー14を冷却する場合とは逆向きに羽根部材を回転させることにより、黒塗り矢印で示すように非球面ミラー14の周辺の空気をファン40の側へ流動させる。非球面ミラー14の周辺の空気をファン40の側へ流動させることで、黒塗り矢印で示すように、光源部20から非球面ミラー14へ空気を流動させる。このようにして、光源部20から非球面ミラー14へ熱を伝えることができる。さらに非球面ミラー14の周辺が基準温度より高い温度に到達した場合、温度制御部43は、非球面ミラー14を冷却する場合の向きにファン40の羽根部材を回転させる。これにより、非球面ミラー14の周辺の温度を略一定とする調節を行うことができる。
非球面ミラー14の加熱には、光源部20を用いる場合に限られない。図11に示すように、ヒータ53を設けても良い。ヒータ53は、非球面ミラー14を加熱する加熱部であって、非球面ミラー14の周辺の温度を調節する温度調節部である。ヒータ53からの熱は、空気の自然対流又はファン40を用いた空気の流動により、黒塗り矢印で示すように非球面ミラー14へ伝えられる。
図12は、非球面ミラー14の周辺の温度を調節するためのブロック構成を示す。温度制御部43は、第1温度検出部41、第2温度検出部42による検出結果に応じて、ファン駆動部44の他、ヒータ駆動部54を制御する。ヒータ駆動部54は、温度制御部43による制御に応じてヒータ53を駆動させる。
例えば、基準温度に対して低い温度が検出された場合、温度制御部43は、ヒータ駆動部54の制御によりヒータ53の運転を開始させる。ヒータ53による加熱の度合いは、基準温度に対する温度の低下幅に応じて適宜調整される。このようにして、温度調節部であるヒータ53は、第1温度検出部41及び第2温度検出部42による検出結果に基づいて、非球面ミラー14の周辺の温度を調節する。特に、冬期や寒冷地においてプロジェクタ10を使用する場合に、ヒータ53を用いた温度調節は有用である。
さらに非球面ミラー14の周辺が基準温度より高い温度に到達した場合、温度制御部43は、ヒータ53の運転を停止させるとともに、ファン40の運転を開始させる。ファン40及びヒータ53の制御により、非球面ミラー14の周辺の温度を略一定とする調節を正確に行うことが可能となる。これにより、温度変化に伴う非球面ミラー14の変形をさらに低減できる。ヒータ53は、非球面ミラー14の周辺に配置される場合に限られず、非球面ミラー14に当接させて配置することとしても良い。
温度調節部は、非球面ミラー14のみの温度を調節するものである場合に限られない。温度調節部は、さらに非球面ミラー14以外の他の構成の温度を調節するものであっても良い。例えば、図13に示すファン60は、非球面ミラー14以外の他の構成である光学エンジン、特に光源部20を冷却する。ファン60により白抜き矢印で示すように非球面ミラー14及び光源部20へと空気を流動させることで、ファン60を非球面ミラー14の冷却にも利用できる。非球面ミラー14の冷却のための新たな構成が不要となるため、少ない部品点数による非球面ミラー14及び光源部20の温度調節を可能にできる。温度調節部であるヒータについても、ファン60の場合と同様に、非球面ミラー14以外の他の構成を加熱するものとしても良い。
温度調節部は、非球面ミラー14、又は非球面ミラー14の周辺の温度を略一定とする調節を行う場合に限られない。温度調節部は、非球面ミラー14、又は非球面ミラー14の周辺の温度を調節することにより、非球面ミラー14の形状を基準状態とすることとしても良い。例えば、非球面ミラー14の基材を構成する樹脂部材の吸湿性次第では、周辺の湿度変化によって非球面ミラー14が変形する場合がある。また、非球面ミラー14の経時変化や製造時における個体差が生じる場合もある。このように、温度変化以外の事由によっても、光学性能の低下が引き起こされる場合がある。
このような非球面ミラー14の状態により引き起こされる光学性能の低下に対して、非球面ミラー14、又は非球面ミラー14の周辺の温度を調節することにより、良好な光学性能を得ることが可能な基準状態に非球面ミラー14の形状を調整することが可能である。これにより、温度変化のみならず他の事由に起因する光学性能の低下をも低減可能とし、さらに高品質な画像を得られる。
図14は、本実施例の変形例に係るプロジェクタの特徴的部分であるブロック構成を示す。本変形例のプロジェクタは、温度検出部による検出結果に基づいて、画像信号を調整することを特徴とする。第1温度検出部41による検出結果、及び第2温度検出部42による検出結果は、温度制御部43のみならず画像処理部70へも入力される。画像処理部70は、第1温度検出部41、第2温度検出部42による検出結果に応じて画像信号を調整する。各空間光変調装置29R、29G、29Bは、画像処理部70で処理された画像信号に応じて駆動される。
例えばプロジェクタの起動前にプロジェクタが高温又は低温に晒されることにより、プロジェクタの起動時において非球面ミラー14が変形している場合があり得る。プロジェクタの起動時に温度調節部による温度調節を行ったとしても、非球面ミラー14の周囲の温度が基準温度となるまでの間、画像には歪曲が生じることとなる。
画像処理部70には、非球面ミラー14の周辺の温度と画像の歪曲度合いとの関係を予め記憶させる。画像処理部70は、第1温度検出部41、第2温度検出部42による検出結果に応じて画像の歪曲度合いを割り出し、かかる歪曲を補正するべく画像信号の変換を行う。これにより、温度調節部による十分な温度調節がなされるまでの間、特にプロジェクタの起動時において、光学性能の低下を低減でき、高品質な画像を得ることができる。
広角化光学素子は、入射光の角度範囲に対して広い角度範囲の光を出射させる光学素子であれば良く、非球面ミラー14である場合に限られない。広角化光学素子としては、非球面ミラー14の他、超広角化レンズや回折光学素子等を用いることとしても良い。プロジェクタの光学系は、本実施例で説明する構成以外の構成であっても良い。光学系は、広角化光学素子を用いるものであれば良い。例えば、光学系は超短焦点の光学系であれば良く、シフト光学系である場合に限られない。
また、光学系は共軸光学系である場合に限られず、光軸を持たない非共軸光学系であっても良い。この場合も、温度変化に伴う広角化光学素子の変形によって生じる光学性能の低下を低減できる。プロジェクタは、スクリーンの一方の面にレーザ光を供給し、スクリーンの他方の面から出射される光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタであっても良い。
以上のように、本発明に係るプロジェクタは、超短焦点の投写光学系を採用する場合に適している。
10 プロジェクタ、11 光学エンジン、12 投写レンズ、13 平面ミラー、14 非球面ミラー、15 出射部、16 スクリーン、17 筐体、C キャビネット、W 壁面、20 光源部、21 第1インテグレータレンズ、22 第2インテグレータレンズ、23 偏光変換素子、24 重畳レンズ、25 反射ミラー、26 第1ダイクロイックミラー、27 反射ミラー、28 フィールドレンズ、29R R光用空間光変調装置、29G G光用空間光変調装置、29B B光用空間光変調装置、30 クロスダイクロイックプリズム、31 第2ダイクロイックミラー、32 リレーレンズ、33 反射ミラー、34 リレーレンズ、35 反射ミラー、36 第1ダイクロイック膜、37 第2ダイクロイック膜、AX 光軸、N 法線、40 ファン、S1、S2、S3 反射面、41 第1温度検出部、42 第2温度検出部、43 温度制御部、44 ファン駆動部、51 温度検出部、52 ペルチェ素子、53 ヒータ、54 ヒータ駆動部、60 ファン、70 画像処理部
Claims (9)
- 画像信号に応じた光を広角化させる広角化光学素子と、
前記広角化光学素子、又は前記広角化光学素子の周辺の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部による検出結果に基づいて、前記広角化光学素子、又は前記広角化光学素子の周辺の温度を調節する温度調節部と、を有することを特徴とするプロジェクタ。 - 前記温度調節部は、前記広角化光学素子を冷却する冷却部を備えることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 光を供給する光源部を有し、前記光源部からの熱を用いて前記広角化光学素子を加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロジェクタ。
- 前記広角化光学素子は、前記光源部の近傍に配置されることを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。
- 前記温度調節部は、前記広角化光学素子を加熱する加熱部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
- 前記温度調節部は、さらに前記広角化光学素子以外の他の構成の温度を調節することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
- 前記温度検出部による検出結果に基づいて、前記画像信号を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
- 前記温度調節部は、前記広角化光学素子、又は前記広角化光学素子の周辺の温度を略一定とする調節を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
- 前記温度調節部は、前記広角化光学素子、又は前記広角化光学素子の周辺の温度を調節することにより、前記広角化光学素子の形状を基準状態とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
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JP2006331344A JP2008145623A (ja) | 2006-12-08 | 2006-12-08 | プロジェクタ |
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CN108508685A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-07 | 深圳暴风统帅科技有限公司 | 一种激光投影仪 |
-
2006
- 2006-12-08 JP JP2006331344A patent/JP2008145623A/ja not_active Withdrawn
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