JP2008144872A - 摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキ及びクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキやクラッチの摩擦板の摩耗において、摩耗の許容限度を超える前に摩耗限界を検知し、ユーザー等に認知させることができる、摩耗検知手段を備えたブレーキ又はクラッチを提供する。
【解決手段】 アーマチュア13と、このアーマチュア13を吸引する励磁コイル15と、摩擦板12とを備え、アーマチュア13と摩擦板12の摩擦力を利用して、ブレーキ動作を行うブレーキにおいて、励磁コイル15のインピーダンスを検出する検出機能と、検出機能で検出された励磁コイル15のインピーダンスにより、摩擦板12の摩耗限界を判定する判定機能と、判定機能が、摩擦板が摩耗限界であると判定した場合に、摩耗限界信号を出力する機能とを備えた構成とした。
この場合、励磁コイル15のインピーダンスを検出する検出機能は、励磁コイル15に、アーマチュア13を吸引しない程度の電流を通電し、励磁コイル15の電圧を検出する検出回路とするとよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、摩擦板を用いたブレーキ及びクラッチに係り、特に、励磁コイルのインピーダンスの変化で、摩擦板の摩耗限界を検知し、容易にブレーキ及びクラッチの交換時期を把握できるようにした、摩耗検知手段を備えたブレーキ又はクラッチに関する。
アーマチュアと摩擦板との摩擦力を利用したクラッチが、特許文献1乃至3に、開示されている。
また、同じく、アーマチュアと摩擦板との摩擦力を利用したブレーキが、特許文献4乃至6に開示されている。
この摩擦板を用いたブレーキの一例として、乾式複板無励磁作動形ブレーキについて、図5を用いて説明する。
図5は、従来の乾式複板無励磁作動形ブレーキの構成を示す縦断側面図である。
図5に示すように、乾式複板無励磁作動形ブレーキ100の主要構成は、アーマチュア110、プレート120、回転軸130、ハブ140、フィールドコア150、励磁コイル152、摩擦板160、バネ170である。
なお、同図において、122はプレート120とフィールドコア150の固定ネジである。
乾式複板無励磁作動形ブレーキ100では、フィールドコア150の励磁コイル152に電流を流さない状況では、アーマチュア110はバネ170によりプレート120側に付勢され、摩擦板160がアーマチュア110及びプレート120の両面側で摩擦しあうことにより、ブレーキ動作を行う。
一方、フィールドコア150の励磁コイル152に電流を流した状態では、アーマチュア110がバネ170の付勢力に抗してフィールドコア150側に吸着され、ブレーキ動作が解除されることになる。
即ち、非通電時にブレーキがかかり、通電時にブレーキが解除される機能を備えている。
特開2005−331028 特開2005−030491 特開2004−332802 特開2003−090364 特開2002−005206 特開2001−159433
ところで、アーマチュアと摩擦板との摩擦力を利用したクラッチ又はブレーキは、長期間使用すると、摩擦板が摩耗するため交換が必要になる。
しかし、従来のクラッチ又はブレーキでは、交換時期を把握できるベテランサービスマンが減少していることや、また、ユーザーが摩耗量を知る手段がないため、交換時期が来ても交換されずに放置され、摩耗が進行しすぎて動作しなくなる場合がある。
そのため、例えば、製造ラインの組立用ロボットに、従来のクラッチやブレーキが組み込まれている場合、当該クラッチやブレーキの動作不良が原因でライン全体を止めてしまったり、ライン停止の原因がどのクラッチやブレーキの摩耗であるかを特定するまでに、時間がかかる等の問題を備えている。
本発明は、上記課題(問題点)を解決し、ブレーキやクラッチの摩擦板の摩耗において、摩耗の許容限度を超える前に摩耗限界を検知し、ユーザー等に認知させることができる、摩耗検知手段を備えたブレーキ又はクラッチを提供することを目的とする。
本発明の摩耗検知手段を備えたブレーキは、請求項1に記載のものは、アーマチュアと、このアーマチュアを吸引する励磁コイルと、摩擦板とを備え、前記アーマチュアと前記摩擦板の摩擦力を利用して、ブレーキ動作を行うブレーキにおいて、前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能と、前記検出機能で検出された励磁コイルのインピーダンスにより、前記摩擦板の摩耗限界を判定する判定機能と、前記判定機能が、前記摩擦板が摩耗限界であると判定した場合に、摩耗限界信号を出力する機能と、を備えた構成とした。
請求項2に記載のブレーキは、前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、前記励磁コイルに、前記アーマチュアを吸引しない程度の電流を通電し、前記励磁コイルの電圧を検出する検出回路である構成とした。
請求項3に記載のブレーキは、前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、前記励磁コイルを含んで構成した共振回路の共振波形の振幅、あるいは、周波数を検出する検出回路である構成とした。
請求項4に記載のブレーキは、前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、前記励磁コイルの電圧と電流の位相差を検出する検出回路である構成とした。
本発明の摩耗検知手段を備えたクラッチは、請求項5に記載のものは、アーマチュアと、このアーマチュアを吸引する励磁コイルと、摩擦板とを備え、前記アーマチュアと前記摩擦板の摩擦力を利用して、クラッチ動作を行うクラッチにおいて、前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能と、前記検出機能で検出された励磁コイルのインピーダンスにより、前記摩擦板の摩耗限界を判定する判定機能と、前記判定機能が、前記摩擦板が摩耗限界であると判定した場合に、摩耗限界信号を出力する機能と、を備えた構成とした。
請求項6に記載のクラッチは、前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、前記励磁コイルに、前記アーマチュアを吸引しない程度の電流を通電し、前記励磁コイルの電圧を検出する検出回路である構成とした。
請求項7に記載のクラッチは、前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、前記励磁コイルを含んで構成した共振回路の共振波形の振幅、あるいは、周波数を検出する検出回路である構成とした。
請求項8に記載のクラッチは、前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、前記励磁コイルの電圧と電流の位相差を検出する検出回路である構成とした。
本発明の摩耗検知手段を備えたブレーキは、上記のように構成したために、以下のような優れた効果を有する。
(1)請求項1に記載したように構成すると、励磁コイルのインピーダンスの変化で、ユーザー若しくはサービスマンが、摩擦板が許容範囲以上に摩耗したことを認識するため、ベテランサービスマンでなくても、ブレーキの交換時期を知ることができる。
(2)また、励磁コイルのインピーダンスにより、摩擦板の摩耗限界を検出するようにしたので、簡単な回路を付けるだけで検知が可能となり、ブレーキとして動作しなくなる前に摩擦板の摩耗を検知したり、複数のブレーキを使う場合には不良となる機器を事前に特定することが容易になり、これらを使ったロボット、ライン、システム等の稼働率、メンテナンス効率が向上する。
(3)請求項2乃至4に記載したように構成すると、励磁コイルのインピーダンスを簡単に算出することができる。
特に、請求項3の構成では、インピーダンスの測定感度を向上させることができる。
本発明の摩耗検知手段を備えたクラッチは、上記のように構成したために、以下のような優れた効果を有する。
(1)請求項5に記載したように構成すると、励磁コイルのインピーダンスの変化で、ユーザー若しくはサービスマンが、摩擦板が許容範囲以上に摩耗したことを認識するため、ベテランサービスマンでなくても、クラッチの交換時期を知ることができる。
(2)また、励磁コイルのインピーダンスにより、摩擦板の摩耗限界を検出するようにしたので、簡単な回路を付けるだけで検知が可能となり、クラッチとして動作しなくなる前に摩擦板の摩耗を検知したり、複数のクラッチを使う場合には不良となる機器を事前に特定することが容易になり、これらを使ったロボット、ライン、システム等の稼働率、メンテナンス効率が向上する。
(3)請求項6乃至8に記載したように構成すると、励磁コイルのインピーダンスを簡単に算出することができる。
特に、請求項7の構成では、インピーダンスの測定感度を向上させることができる。
以下、本発明のブレーキの第1、第2の実施の形態について、図1乃至図4を用いて、順次説明する。
本発明のブレーキの第1の実施の形態:
先ず、本発明の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキの第1の実施の形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は、本発明の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキの第1の実施の形態を示す縦断側面図で、ブレーキ作動時の場合である。
図2は、フィールドコア−アーマチュア間ギャップと励磁コイルのインピーダンスとの関係を示す特性図である。
図3は、本発明の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキの第1の実施の形態に用いる、励磁コイル電圧の検出回路のブロック図である。
先ず、本実施の形態のブレーキ10の基本構成を図1を用いて説明する。
本実施の形態のブレーキ10は、従来のブレーキ同様に、図1に示すように、ハブ11、摩擦板12、アーマチュア13、フィールドコア14、励磁コイル15、バネ16を備えている。
なお、Gは、アーマチュア13とフィールドコア14間のギャップである。
このギャップGは、摩擦板12が摩耗すると、アーマチュア13がハブ11側にシフトするため大きくなると共に、摩擦板12の厚さで一義的に定められる。
また、本実施の形態のブレーキ10の特徴は、励磁コイル15の電圧の検出回路20を備え、この検出回路20は、図3に示すように、バッファ21、整流器22、ローパスフィルタ23、コンパレータ25、定電流回路24、電圧V1の定電圧電源26、Vsinの正弦波電圧を供給する交流電源27、電圧V2の定電圧電源28、第1のスイッチS1、第2のスイッチS2を備えている。
次に、以上の構成を踏まえ、本実施の形態のブレーキ10の基本動作を説明する。
本実施の形態のブレーキ10では、図1に示すように、励磁コイル15が非励磁状態であれば、アーマチュア13は、バネ16の復元力によってフィールドコア14から離れ、摩擦板12に押し付けられてハブ11を固定する。
一方、図示は省略するが、励磁コイル15が励磁状態になると、アーマチュア13が摩擦板12から離れてフィールドコア14側に吸引され、ハブ11は回転自由となる。
ところで、上述したように、フィールドコア14とアーマチュア13は分離しており、そのギャップGは、摩擦板12の厚さで定められる。
このギャップGは、摩擦板12が初期値の状態から、徐々に摩耗により磨り減ると、それに伴って大きくなる。
このとき、励磁コイル15に、アーマチュア13を吸引しない程度の微弱な交流電流を流すと、フィールドコア14、ギャップG、アーマチュア13間で磁気回路が形成される。
励磁コイル15のインダクタンスは、このギャップGが大きくなると、逆に、小さくなる。
フィールドコア14及びアーマチュア13の双方、或いは、どちらか一方が導電体でもある場合は、励磁コイル15に交流電流を流すと、導電体に渦電流が発生し、見かけ上励磁コイル15の抵抗分が増加する。
摩擦板12の摩耗につれて、ギャップGが変化すると、アーマチュア13に流れ込む磁束が減り、この励磁コイル15の抵抗分も減少する。
具体的に、フィールドコア14及びアーマチュア13が、磁性体、かつ、導電体であるブレーキ10で、実際にインピーダンスを測定したところ、励磁コイル15に通電する交流電流の或る周波数におけるインピーダンスと、フィールドコア14−アーマチュア13間のギャップGとの関係は、図2に示す特性曲線のようになった。
図2に示すように、摩擦板12の摩耗の無いギャップ初期値の励磁コイル15のインピーダンス初期値が最大で、摩擦板12の摩耗が徐々に進み、ギャップGが大きくなるに従い、励磁コイル15のインピーダンスが小さくなっていくのが分かる。
従って、摩擦板12の摩耗に連れて励磁コイル15のインピーダンスが小さくなる性質を利用すれば、励磁コイル15のインピーダンスの検出機能により、励磁コイル15のインピーダンスが或る値以下となったときに、摩擦板12の摩耗限界を検出することができる。
次に、励磁コイル15のインピーダンスの検出機能として、検出回路の具体的な基本動作を、図3のブロック図を用いて説明する。
図3において、ブレーキOFFの信号では、第1のスイッチS1は開状態で、励磁コイル15には電流が流れず、ブレーキ10は保持状態である。
このとき、第2のスイッチS2は閉状態であり、励磁コイル15に、交流電源27から供給される正弦波電圧Vsinに比例した振幅一定の正弦波電流が、定電流回路24により供給される。
励磁コイル15の電圧は、この電流と励磁コイル15のインピーダンスの積となり、一定の電流が流れるため、インピーダンスに比例した正弦波電圧になる。
励磁コイル15の電圧は、バッファ21を通した後、整流器22により整流され、ローパスフィルタ23を通して直流とし、コンパレータ25により後述する電圧V2と比較され、2値信号となる。
ここで、定電圧電源28による電圧V2は、摩擦板12の摩耗限界に対応した値であり、ローパスフィルタ23を通した電圧が、この値V2より小さくなったとき、コンパレータ25が、摩擦板12の摩耗限界信号を出力する。
ブレーキONの信号では、第1のスイッチS1が閉状態で、励磁コイル15に電流が流れ、励磁コイル15がアーマチュア13を吸引し、ブレーキ開放状態になる。
このとき、第2のスイッチS2は開状態で、励磁コイル15に正弦波電流は通電されない。
また、励磁コイル15の電圧はV1であり、コンパレータ25後の電圧もほぼV1である。
摩擦板12が摩耗限界まで摩耗しているかどうかは、ブレーキ保持状態のときの、コンパレータ25が出力する摩耗限界信号により判断を行うことができる。
摩耗限界は、摩擦板12が動作しなくなるか、或いは、ギャップGが広がりすぎてアーマチュア13が吸引できなくなる等を条件として適宜決定される。
なお、本実施の形態では、励磁コイル15の電圧が、摩擦板12の摩耗限界に対応した値、電圧V2との比較で、摩耗限界を検知する例で説明したが、上述したように、励磁コイル15の電圧は、定電流回路24により供給される電流と励磁コイル15のインピーダンスの積であるため、励磁コイル15の電圧を電流で除すことにより、容易に励磁コイル15のインピーダンスを算出することができる。
フィールドコア14及びアーマチュア13が、磁性体、かつ導電体である場合、励磁コイル15のインピーダンスは、低周波数ではインダクタンスの変化が支配的であり、一方、高周波では渦電流の変化が支配的になる。
これらは、材料の透磁率、導電率によって決まるので、ギャップGに対するインピーダンスの変化が、シグナル/ノイズのS/N比等の条件を満足するかどうかを考慮して、励磁コイル15に通電される交流電流の周波数が選択される。
即ち、本実施の形態のブレーキ10では、励磁コイル15のインピーダンスの変化で、ユーザー若しくはサービスマンが、摩擦板12が許容範囲以上に摩耗したことを認識するため、ベテランサービスマンでなくても、ブレーキの交換時期を知ることができる。
また、励磁コイル15のインピーダンスにより、摩擦板12の摩耗限界を検出するようにしたので、簡単な励磁コイル15の電圧を検出する検出回路20を付けるだけで検知が可能となり、ブレーキとして動作しなくなる前に摩擦板12の摩耗を検知したり、複数のブレーキ10を使う場合には不良となる機器を事前に特定することが容易になり、これらを使ったロボット、ライン、システム等の稼働率、メンテナンス効率が向上する。
本発明のブレーキの第2の実施の形態:
次に、本発明の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキの第2の実施の形態について、図4を用い、図1を参照して説明する。
図4は、本発明の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキの第2の実施の形態に用いる、励磁コイルの電圧の検出回路のブロック図である。
本実施の形態のブレーキの基本構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同一で、励磁コイル15(図1参照)のインピーダンスの検出機能として、図4のブロック図に示す検出回路30を用いた点にその構成上の特徴を有している。
この検出回路30は、図4に示すように、バッファ31、整流器32、ローパスフィルタ33、コンパレータ35、定電流回路34、電圧検知回路36、電圧V1の定電圧電源37、Vsinの正弦波電圧を供給する交流電源38、電圧V2の定電圧電源39、第1のスイッチS1、第2のスイッチS2を備えている。
本実施の形態の検出回路30では、ブレーキ保持時の励磁コイル15の電圧Vbonが、定電圧電源37の電圧V1より小さくなるように設定し、閾値電圧Vthを、V1>Vth>Vbonとなるように設定する。
電圧検知回路36は、励磁コイル15の電圧が、閾値電圧Vthより小さいとき、第2のスイッチS2を閉状態に、閾値電圧Vth以上のとき、第2のスイッチS2を開状態になるように制御する。
この他の動作は、上記第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
なお、励磁コイル15の電圧を電圧検知回路36で検知するようにしたが、ローパスフィルタ33の出力電圧でも同様のことが可能となる。
また、図4で、励磁コイル15より右側を製品とすると、ユーザーによる配線を減らすことができる。
本実施の形態のブレーキでも、上記第1の実施の形態同様に、励磁コイル15のインピーダンスで、ユーザー若しくはサービスマンが、摩擦板12が許容範囲以上に摩耗したことを認識するため、ベテランサービスマンでなくても、ブレーキの交換時期を知ることができる。
本発明のブレーキのその他の実施の形態:
上記第1及び第2の実施の形態では、励磁コイルに微弱電流を通電し、インピーダンスに比例する電圧を検出する例で説明した。
しかし、励磁コイルのインピーダンスの検出には、励磁コイルの電圧と電流の位相差を検出に使用してもよい。
よく知られるように、インピーダンスZを複素数表示した場合、インピーダンスZは、抵抗をR、リアクタンスをXとした場合、次式のように表示される。
Z=R+jX
また、励磁コイルの電圧と電流の位相差φは、
φ=tan−1(X/R)で表されるので、位相差φより、容易にインピーダンスZが算出できる。
同様に、励磁コイルの電圧と電流との関係から、抵抗Rの成分とインダクタンスLの成分に分離して、どちらかの値、或いは、両方の値を用いて、摩擦板の摩耗限界を検知するようにしてもよい。
更に、ブレーキの励磁コイルをLとし、これにコンデンサーCを加えて、励磁コイルLを含むLC共振回路とすると、インダクタンス分や抵抗分の変化で、共振波形の振幅、あるいは、周波数が変化するので、これを用いて摩擦板の摩耗限界を検知してもよい。
このように、共振回路を使ったものでは、インピーダンスの測定感度を向上させることができる。
本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施の形態の説明では、励磁コイルに正弦波の電流を印加しているが、これに替えて、矩形波等の波形の電流を印加してもよい。
この場合には、励磁電流が複数の周波数を持つことになるので、フィルタでの周波数選択、ピーク電圧等により、検出を行えばよい
また、上記実施の形態では、ブレーキの例で説明したが、同様に、アーマチュアを吸引する励磁コイルを備え、アーマチュアと摩擦板の摩擦力を利用して、クラッチ動作を行うクラッチにも本願発明が適用できるのは、勿論のことである。
本発明の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキの第1の実施の形態を示す縦断側面図で、ブレーキ保持時の場合である。 フィールドコア−アーマチュア間ギャップと励磁コイルのインピーダンスとの関係を示す特性図である。 本発明の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキの第1の実施の形態に用いる、励磁コイル電圧の検出回路のブロック図である。 本発明の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキの第2の実施の形態に用いる、励磁コイル電圧の検出回路のブロック図である。 従来の乾式複板無励磁作動形ブレーキの構成を示す縦断側面図である。
符号の説明
10:ブレーキ
11:ハブ
12:摩擦板
13:アーマチュア
14:フィールドコア
15:励磁コイル
16:バネ
20、30:励磁コイル電圧の検出回路
23、33:ローパスフィルタ
25、35:コンパレータ

Claims (8)

  1. アーマチュアと、このアーマチュアを吸引する励磁コイルと、摩擦板とを備え、前記アーマチュアと前記摩擦板の摩擦力を利用して、ブレーキ動作を行うブレーキにおいて、
    前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能と、
    前記検出機能で検出された励磁コイルのインピーダンスにより、前記摩擦板の摩耗限界を判定する判定機能と、
    前記判定機能が、前記摩擦板が摩耗限界であると判定した場合に、摩耗限界信号を出力する機能と、を備えたことを特徴とする摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキ。
  2. 前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、
    前記励磁コイルに、前記アーマチュアを吸引しない程度の電流を通電し、前記励磁コイルの電圧を検出する検出回路であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキ。
  3. 前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、
    前記励磁コイルを含んで構成した共振回路の共振波形の振幅、あるいは、周波数を検出する検出回路であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキ。
  4. 前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、
    前記励磁コイルの電圧と電流の位相差を検出する検出回路であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦板の摩耗検知手段を備えたブレーキ。
  5. アーマチュアと、このアーマチュアを吸引する励磁コイルと、摩擦板とを備え、前記アーマチュアと前記摩擦板の摩擦力を利用して、クラッチ動作を行うクラッチにおいて、
    前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能と、
    前記検出機能で検出された励磁コイルのインピーダンスにより、前記摩擦板の摩耗限界を判定する判定機能と、
    前記判定機能が、前記摩擦板が摩耗限界であると判定した場合に、摩耗限界信号を出力する機能と、を備えたことを特徴とする摩擦板の摩耗検知手段を備えたクラッチ。
  6. 前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、
    前記励磁コイルに、前記アーマチュアを吸引しない程度の電流を通電し、前記励磁コイルの電圧を検出する検出回路であることを特徴とする請求項5に記載の摩擦板の摩耗検知手段を備えたクラッチ。
  7. 前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、
    前記励磁コイルを含んで構成した共振回路の共振波形の振幅、あるいは、周波数を検出する検出回路であることを特徴とする請求項5に記載の摩擦板の摩耗検知手段を備えたクラッチ。
  8. 前記励磁コイルのインピーダンスを検出する検出機能は、
    前記励磁コイルの電圧と電流の位相差を検出する検出回路であることを特徴とする請求項5に記載の摩擦板の摩耗検知手段を備えたクラッチ。
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