JP2008143851A - 殺虫剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
衛生害虫、農業害虫、家畜・ペット用害虫、生活害虫等の害虫を駆除もしくは忌避できる、安全な防除剤を提供すること。
【解決手段】
イソプロパノールを噴霧することにより、安全に害虫を駆除することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、イソプロピルアルコールを主成分とする害虫の防除剤及び防除方法に関する。
殺虫剤の対象害虫は、厚労省主管の衛生害虫、農水省主管の農業害虫、家畜・ペット用害虫の他、生活害虫(不快害虫、建築害虫、衣料害虫)に分けられ、それぞれ薬事法、農薬取締法等の規制の下で、殺虫剤関連の開発は進められている。
病気を媒介して人に疾病をもたらすなど衛生上の損害を与えるハエ・蚊などの害虫が、衛生害虫であるのに対し、主に家屋内に生息あるいは侵入して感覚的な加害を与え、かつ衛生害虫の範疇には含まれない害虫は、不快害虫と称されている。
近年、都市部では下水道の普及等によりハエ、蚊などの発生は減少しているが、逆に宅地開発が田畑地域や山ろく地域にまで広がるにつれ、屋外から屋内に侵入してくるカメムシ類、アリ類、クモ、ヤスデ類、ダンゴムシ、ワラジムシの他、屋内に生息するシバンムシやチャタテムシなどの不快害虫の被害、苦情が増加しているのが現状である。
不快害虫の防除・殺虫に関しては、これまでにピレスロイド系等の防除・殺虫剤が用いられている。
特許文献1には、(4−エトキシフェニル)[3−(3−フェノキシ−4−フルオロフェニル)プロピル](ジメチル)シラン(以下、「シラフルオフェン」という)とピレスロイド系殺虫剤を含有し、剤型が液剤もしくはエアゾール剤であることを特徴とする家屋用カメムシ防除剤が記載されている。
特許文献2には、5−メトキシ−3−(o−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(以下、「メトキサジアゾン」という)およびチオシアノ酢酸イソボニルを有効成分として含有する殺虫殺ダニ組成物が種々のダニ類、衛生害虫、生活害虫〈不快害虫〉に有効であることが記載されている。
特許文献3には、薬剤の拡散性を向上させることを目的として、メトキサジアゾン並びにメチルジグリコールおよびエタノールを含む殺虫原液に噴射剤を加えることを特徴とする殺虫エアゾール組成物が記載されている。また、同文献には、当該殺虫エアゾール組成物が種々の衛生害虫、衣料害虫、貯穀害虫、不快害虫に対して有効であることが記載されている。
しかしながら、上記各殺虫剤はカメムシ類を初めとする不快害虫の防除・殺虫に必ずしも満足のいく結果を示すものとは言えなかった。
上記に示したように毒性の強い化学薬品(メトキサジアン、ベルメトリン、エトフェンブロックス、プロボクスル、ピレスノイド系殺虫剤等)が駆除剤として使用されているため、不快害虫を防除する効果があっても、それ自身が人体に悪影響を及ぼすことがあるので、あまり好ましくない。例えば、従来からシロアリ駆除剤として広く利用されていた「クロルピリホス」は2003年7月から建築基準法のもとで全面的に禁止された。そこで、化学薬品による人体への影響が社会問題となっている現状、最近では天然物や毒性の低い成分を主要な組成としたより環境に優しい薬剤が開発されているのである。
特開平8−59143号公報 特開平6−199615号公報 特開2000−95617号公報
本発明の目的は、安全な成分で衛生害虫、農業害虫、家畜・ペット用害虫、生活害虫(不快害虫、建築害虫、衣料害虫)を駆除若しくは忌避する薬剤を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、果物の中に含まれる天然の物質であり、かつ食品添加物として使用を認められているイソプロパノールを用いることにより、農作物を食い荒らすカメムシ等や、家屋等内外を俳諧し不快感を与える不快害虫として知られるカメムシ、クモ、ゴキブリ、ハエ等の害虫を駆除することができることを見出した。
食品添加物であるイソプロパノールを主成分とする防除剤を使用することにより、人体や動物、植物に対して安全に、害虫を駆除又は忌避させることができることが可能となった。
本発明は、人体等に対して安全に、害虫を駆除できる安全な殺虫、忌避剤を提供することである。
試験例からわかるように、イソプロパノールを害虫(カメムシ、クモ、ハエ、ゴキブリ、アリに対して噴霧することにより、駆除もしくは忌避させる効果が高いことがわかる。腹部の方に散布する方が効果的で、早く死亡する。散布後、数十秒で死ぬものもいるし、数分後に死ぬものもいる。試験で使用している害虫は、カメムシ、クモ、ゴキブリ、ハエ、コオロギ、バッタ、アリ、カナブンであるが、これに限定されるものではなく、衛生害虫、農業害虫、家畜・ペット用害虫、生活害虫に適用することができる。
防除剤として使用する時のイソプロパノール濃度は、70v/v%以上で効果を発揮する。70V/V%より濃度が薄いと効果がでにくい。好ましくは90V/V%以上である。70V/V%以上で忌避効果が発生し、90V/V%以上であれば駆虫効果が発揮してくる。
害虫に対してイソプロパノールを接触させることにより、害虫を防除することができるため、散布もしくは塗布することで処理が可能となる。アルコール臭を嫌う人には、香料を添加した製剤で販売することもできる。忌避させる目的として使用する時には、あらかじめ網戸や農作物を覆っているネット等に被覆処理しておくことも可能であるし、イソプロパノールを揮発するような装置と組み合わせて使用することもできる。噴霧する手段としては各種販売されている一般的な装置や器具を用いて使用することができる。
(試験例1)
表1に示しているように、各濃度のイソプロパノール液を調整し、1試験区にカメムシ10匹を使用した。散布後のカメムシに対する忌避もしくは駆虫効果を調査した。結果も表1に示す。
Figure 2008143851
(試験例1)
表2に示す害虫に対する、イソプロパノール(99.5V/V%)の効果を調査した。
Figure 2008143851
本発明の方法により、安全に衛生害虫、農業害虫、家畜・ペット用害虫、生活害虫を駆除することができる。

Claims (3)

  1. イソプロピルアルコールを主成分とし、害虫を殺虫又は忌避させる防除剤。
  2. カメムシ、クモ、ゴキブリ、ハエ、ノミ、シラミ、カ、ダニ、アリ、ケムシ、ムカデ、ウンカの中から選ばれる1種以上の害虫であることを特徴とする請求項1記載の防除剤。
  3. 人間、動物、建物、家屋の周囲に存在する、衛生害虫、農業害虫、家畜・ペット用害虫、生活害虫(不快害虫、建築害虫、衣料害虫)に対して、請求項1,2記載の殺虫忌避成分を散布又は塗布することにより、害虫を駆除もしくは忌避させる方法。
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