まず、以下の用語又は文言を定義する。
「初期化」とは、遊技媒体の「投入枚数」、前記投入枚数から払出枚数を引いた「差枚数」又は前記変動表示ゲームの「回数」である数値をリセットすることであり、通常は初期値0(ゼロ)に戻る。
「選択ゲーム」とは、予め正解が決定されており、遊技者の選択結果(選択操作)によって純粋に当落が決まるゲームであり、例えば、「○、×」、「Yes、No」、「右、左」、「上、下」の二択の場合には、50%の確率で当選する。また、「右、中、左」の三択の場合には、1/3の確率で当選する。
「補助情報」とは、当落抽選結果に従った当選図柄(例えば、チェリー、スイカやベル図柄)を配当ライン上に停止させる為のアシスト情報であり、一般にこの機能をAT(アシストタイムの略称。)と称し、パチスロの役のひとつで、小役フラグをランプなどで知らせてくれる情報である。AT機能には、目押しタイプ、押し順ナビタイプ、目押し+押し順のミックスタイプがある。
次に、本発明の要点又は特徴的なポイントを概説する。
所謂スロットマシンでは、遊技者が遊技媒体のメダルを3枚投入し、スタートレバーを操作すると、そのタイミングで当落抽選を行なった後、変動表示ゲームが開始される。そして、当選図柄が有効ライン上に停止して表示されると、メダルが規定数(例えば、ベル図柄であれば10枚)だけ払い出すようになっている。
スロットマシンの副制御装置は、各種データを初期化した後に、主制御装置から受信したデータ(ゲーム回数、投入メダル数や払出し枚数)及び制御コマンドに基づいて、メダルの投入枚数、メダルの投入枚数から払出枚数を引いた差枚数又は変動表示ゲームの回数のいずれかを計数しており、その回数が所定数(例えば、100枚又は50ゲームやランダム値)に達すると、遊技者に選択ゲームを行うか否かを確認する。
(1)遊技者が選択ゲームを要求した場合、副制御装置は選択ゲームを発動させ、選択ゲームで当選したとき、その後の変動表示ゲームにおいて、数えた枚数や回数の計数値に応じた枚数のメダルが増加するまで、発動したAT機能により補助情報を遊技者に通知して、その後に計数値を初期化する。その一方、選択ゲームで落選したときには、AT機能を発動することなく単に計数値を初期化する。
(2)遊技者が選択ゲームを要求しなかった場合、計数値を初期化することなく、その後の変動表示ゲームの回数を加算して、その回数が所定数に達すると、遊技者に選択ゲームを行うか否かを確認することを繰り返していく。
例えば、「計数値に応じた枚数」を、100枚又は50ゲーム毎に、10枚、30枚、50枚、100枚、200枚…というように、計数値が大きくなれば成る程、増加比率を増すことにより、遊技者にとって選択ゲームを遅く実行する方がリターンは大きくなる。その結果、遊技者は同じ台で遊技を長時間行う、という絶大な効果がある。
以下、本発明に係る遊技機をパチスロ機(回胴式遊技機又はスロットマシン)に適用した場合の一実施例を図面と共に詳細に説明する。なお、この遊技機の動作を真似たゲームソフト(シミュレーション・ソフト)によるテレビゲームやビデオゲーム等も技術的範囲に属する。
図1は、本発明に係る回胴式遊技機の正面模式図であり、図2はその右側面図である。
1は、一般に「パチスロ機」と称される回胴式遊技機本体であり、回転ドラム(ドラム部2)を内蔵する筐体1a(図2参照)と前扉1bに大別される。
前扉1bは、回胴式遊技機の顔とも言うべき主要部であり、高級感の創出やデザイン性の要求で独特の金属感が求められており、通常のクロムめっき、ダーククロムめっき、本物の硬質金めっき、メタライジング(めっき)やサテン調(めっき)などを樹脂素材に付加し華やかさが演出される。なお、前扉1bの前面には、透明パネル21が取り付けられている。また、透明パネル21よりも内側の前扉1bには、デザインパネル22が取り付けられている。
このデザインパネル22は、ゲーム状況に応じて各種演出を行う表示演出装置11(又は映像装置)が固定して設けられる上面部22aと、図柄表示窓が形成された中面部22bと、発光表示装置が取り付けられる下面部22cとによって筐体1aの内部方向に折れ曲がった底面部22dを形成し、底面部22dを繋ぐ左側面部22e及び右側面部22f(図示せず。なお、図3のデザインパネルの斜視図を参照。)とにより略箱型形状となって奥まった空間が形成され、底面部22d上には立体的に突出する装飾物23又はゲームの進行に応じて駆動される立体的な電動式駆動物24(例えば、内部当選役とは無関係で単なる演出に用いる電動式のおもちゃや開閉式の扉、又は大当たりや小当たりなど特定の条件が成立すると開き、多くの玉の払い出しにつながる役物で、大入賞口とも呼ばれる。羽根型、箱型、チューリップ型などさまざまな形がある。)が設けられている。
前扉1bやデザインパネル22は、樹脂素材を金型で一体成形されるのであるが、成形の方法としては一般に、射出成形、押出成形、発泡成形や真空成形などが用いられる。
その樹脂材料としては、汎用樹脂であるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、エンプラのPA(ポリアミド[ナイロン])、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、スーパーエンプラのPPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマ)、PSF(ポリスルホン)、PES(ポリエーテルスルホン)、PAR(ポリアリレート)及び熱硬化性樹脂のフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ユリア樹脂が用いられる。
なお、本願出願人は、既にスロットマシン装飾用シール(実用新案登録第3087041号:平成13年11月26日出願)として実用新案権を取得している。そこには「スロットマシン1の回転リール6L,6C,6Rが内蔵された前面パネル2の窓部2a周囲の枠体12に、窓枠状に形成された貼着シール13を枠体12の縁枠12aも含み前面パネル2の連続面となる態様で貼り付ける。貼着シール13には、前面パネル2、上部パネル10、下部パネル11に描かれたデザインと協調するデザインを施しておく。」と、要約に記載している通り、デザインパネル22の表面に装飾用シールを貼ることにより上面部22a、中面部22b及び下面部22cとによって底面部22dが明確に形成される。つまり、デザインパネル22の上面部22a、中面部22b及び下面部22cには、LEDやインジケータを取り付ける多数の抜き穴が設けられており、一見すると平面と言い難い形状ではあるが、装飾用シールが貼られた最終状態では略平面と言えるのである。
2は、筐体1aに内蔵されているドラム部であり、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの3つのドラムで構成される。また、それぞれのドラム内部には、回胴部図柄表示LEDが設けられており、各種演出に応じて発光(点灯や点滅)又は消灯するようになっている。
3は、デザインパネル22の正面中央部に設けられた窓部であり、ドラム部2の外周に貼り付けられている図柄が透明パネル21を通して目視可能なようになっている。この窓部3には、横方向に延びる3本の有効ラインと斜め方向に交差する2本の有効ラインである合計5本の有効ラインが、左ドラム2aと中ドラム2b及び中ドラム2bと右ドラム2cを結ぶ線で目立つように表示されている。なお、この有効ラインの下側には、回胴部ライン表示LEDが埋め込まれており、入賞時に点灯又は点滅するようになっている。
4は、窓部3の下側で且つデザインパネル22の下面部に設けられた表示LEDブロックであり、後述するように投入枚数LED、メダル貯留枚数表示LED、メダル払出枚数表示LED及びナビゲーションLEDの表示LED群で構成される。
5は、メダル投入部であり、ドラム部2(回転ドラム)を回転及び停止させる変動表示ゲームを開始させるための遊技メダル(遊技媒体であり、コインという場合もある)を投入するメダル投入口が設けられている。なお、メダル投入部5の両サイドには左光透過部5a及び右光透過部5bが設けられており、下側左右に取り付けられた複数の光源(例えば、LED)からの光によって、メダルが投入不能な場合には赤色(第一の色)で、一方メダルが投入可能であって遊技用に加算表示されるときには青色(第二の色)で、メダル貯留装置に加算表示されるときには緑色(第三の色)で点灯する。但し、メダルが投入不能な場合には、消灯としてもよい。ただし、ゲームソフトにおいて遊技媒体とは、遊技メダル又は遊技コインを意味するデータ(例えば、投入メダル数やクレジット数値データ)であって、実際の遊技メダル又は遊技コインとは異なる。
また、メダル投入口5cから投入されたメダルは、メダル選別装置(図示せず)によってカウントされ、正常に投入されたメダルの数を加算して表示LEDブロック4の投入枚数LED又はメダル貯留枚数表示LEDに表示するようになっている。
図4は、メダル投入部の分解斜視図である。
メダル投入部5は、メダルを介在させて、複数の図柄を変動させる図柄変動表示ゲームを開始する遊技機に取り付けられるものであり、カバー部5c、固定部5d及び回路基板5eで構成される。
カバー部5cには、遊技者が保持したメダルを一旦載置し、揃えながら奥方向に移動させるメダルガイド溝5c1と、奥方向に移動するメダルが当って止まると共に、沿わせながら落下させるメダルストッパ壁5c2と、メダルガイド溝5c1の淵とメダルストッパ壁5c2との間に形成されメダルが投入されるメダル投入口5c3と、メダルガイド溝5c1の両側に設けられた光透過部5c4(この場合は、貫通穴)とが形成されている。また、メダルストッパ壁5c2には、2本の凸条が形成され、メダルが落下する際に接触する面積を減らすことにより、摩擦を軽減するようになっている。
なお、カバー部5cは、いわゆるエンプラ(エンジニアリングプラスチック)であるABS樹脂を材質とし、その上にメッキ処理されたり、アルミダイカストで成型される。このアルミダイカストとは、約680度の高温で溶かしたアルミニウムを、精密につくられた金型に流し入れて、圧力を加えてつくられた高精度な鋳物(いもの)のことである。その精度は100分の数ミリ程度まで出るので、自動車部品や精密機械の部品として使われている。
固定部5dには、カバー部5cが図の矢印の方向から嵌め込まれて勘合する2つの光源挿入部5d1と、回胴式遊技機の前扉1bに取り付ける為に2つの取付穴5d3が設けられた取付部5d2とが形成されている。材質としては、赤や青で着色された透明又は無色透明のエンプラ樹脂である。なお、光源挿入部5d1は逆凹形状で中空となっており、回路基板5e上に配置される2つで一組のLED光源5e1が下側から左右に取り付けられる。この回路基板5eには、後述する主制御部とリード線5e4で繋がるコネクタ5e3と2つの取付穴5e2が設けられており、固定部5dの穴5d4を通ってカバー部5cに設けられたネジ穴に下方向からタッピングネジで固定される。LED光源5e1は、主制御部によって制御されており、メダルが投入不能な場合には赤色(第一の色)で発光し、一方メダルが投入可能であって遊技用に加算表示されるときには青色(第二の色)で、メダル貯留装置に加算表示されるときには緑色(第三の色)で点灯する。但し、メダルが投入不能な場合には、赤色(第一の色)とせずに消灯としてもよい。
図5は、メダル投入部の分解右側面図である。
メダル投入部5の組み立て方として、まず固定部5dにカバー部5cが図の矢印の方向から嵌め込まれる。その後、回路基板5eが下から取り付けられる。この状態で、タッピングネジ5f1が固定部5dの穴5d4を通ってカバー部5cに設けられたネジ穴を切ることにより、メダル投入部5が完成する。図から明らかなように、2つのLED光源5e1が光源挿入部5d1内に格納される。
5gは、メダル投入部5の他に後述するボタン類やスタートレバーが取り付けられるコントロールプレートであり、前扉1bの中央の載置部5g4に取り付けられる。このコントロールプレート5gには位置決め用の凹部5g1が形成されており、メダル投入部5が外形に合わせて載置される。
取付部5d2は、穴5g2を通って下部に突出しており、前扉1bに設けられた取付板金5g3にタッピングネジ5f2で取り付けられる。これにより、コントロールプレート5gは、メダル投入部5と載置部5g4で挟み込まれて固定されるので、他の取り付け機構や部品が不要となる。
図6は、メダル投入部の分解斜視図である。
メダル投入部5は、図4で示した様に、カバー部5c、固定部5d及び回路基板5eで構成される。
カバー部5cは、中央が陥没した略テント状であって、その内部は中空となっている。このカバー部5cには、遊技者が保持したメダルを一旦載置し、揃えながら奥方向に移動させるメダルガイド溝5c1(中央陥没部)と、奥方向に移動するメダルが当って止まると共に、沿わせながら落下させるメダルストッパ壁5c2と、メダルガイド溝5c1の淵とメダルストッパ壁5c2との間に形成されメダルが投入されるメダル投入口5c3と、メダルガイド溝5c1の両側に設けられた光透過部5c4とが形成されている。なお、カバー部5cは、赤や青で着色された透明又は無色透明のABS樹脂を材質としている。
メダルガイド溝5c1には3本の凸条が形成され、メダルの移動により生ずる摩擦を軽減するようになっている。また、メダルストッパ壁5c2にも同様に2本の凸条が形成され、摩擦を軽減することにより落下しやすくなっている。
前述したとおり、光透過部5c4の内部は中空であり、その内側表面には3本の凸条が形成され、光を効率よく拡散するので、遊技者の目には煌びやかに見えるという効果がある。
カバー部5cの先端と両サイドには、フック5c5が設けられている。
固定部5dには、メダルガイド溝5c1及びメダルストッパ壁5c2の形状に合わせ、対応する位置にメダル投入口5d7が設けられた中央凹部5d6と、LED挿入穴5d4がそれぞれ2つ設けられた左右の光源挿入部5d1と、回胴式遊技機の前扉1bに取り付ける為に2つの取付穴5d3が設けられた取付部5d2とが形成されている。この中央凹部5d6には、複数の凹条が形成されている。
また、フック5c5に対応する位置に挿入穴5d5が3つ形成されており、カバー部5cが図の矢印の方向から嵌め込まれて、後ろにスライドさせることにより勘合・固定されるので、この状態では上方向に外れないようになる。従って、メダル投入部5がコントロールプレート5gの凹部5g1に嵌め込まれると、カバー部5cは前にスライドできないので取れなくなる。
固定部5dの材質としては、エンプラのABS樹脂を採用しており、その表面に金色や銀色のメッキ処理が施される。通常、メダル投入部は、遊技者の手が触れる部分であるのでメッキ処理するのは好ましくないが、カバー部5cで覆われているのでメッキ剥がれの問題は生じない。
光源挿入部5d1は、山の斜面に形成された段々畑又は鬼の洗濯板のように加工されており、LED挿入穴5d4に挿入された回路基板5e上のLED光源5e1からの光を乱反射するので、遊技者の目には煌びやかに見えるという効果がある。この回路基板5eには、後述する主制御部とリード線5e4で繋がるコネクタ5e3と2つの取付穴5e2が設けられており、固定部5dの穴5d4を通ってカバー部5cに設けられたネジ穴に下方向からタッピングネジで固定される。LED光源5e1は、主制御部によって制御されており、メダルが投入不能な場合には赤色(第一の色)で発光し、一方メダルが投入可能であって遊技用に加算表示されるときには青色(第二の色)で、メダル貯留装置に加算表示されるときには緑色(第三の色)で点灯する。但し、メダルが投入不能な場合には、赤色(第一の色)とせずに消灯としてもよい。
図7は、メダル投入部の右側面図である。
メダル投入部5の組み立て方として、上述したとおり、固定部5dにカバー部5cが上方向から嵌め込まれ、右側にスライドして仮固定される。その後、回路基板5eが下から取り付けられる。この状態で、タッピングネジ5f1が固定部5d設けられたネジ穴を切ることにより、メダル投入部5が完成する。図から明らかなように、2つのLED光源5e1が光源挿入部5d1内に格納される。
5gは、メダル投入部5の他に後述するボタン類やスタートレバーが取り付けられるコントロールプレートであり、前扉1bの中央の載置部5g4に取り付けられる。このコントロールプレート5gには位置決め用の凹部5g1が形成されており、メダル投入部5が外形に合わせて載置される。これによりカバー部5cは、前方向にスライドできなくなるので、固定される。
取付部5d2は、穴5g2を通って下部に突出しており、前扉1bに設けられた取付板金5g3にタッピングネジ5f2で取り付けられる。これにより、コントロールプレート5gは、メダル投入部5と載置部5g4で挟み込まれて固定されるので、他の取り付け機構や部品が不要となる。
図8は、メダル投入部の分解斜視図である。
このメダル投入部5は、図48で示したものに、新たに札止め部5hを取り付けたものである。
札止め部5hには、札挟み部5h1とフック5h2が設けられており、図の矢印の方向に移動させ、固定部5dの2つの取付穴(図示せず)に下から上に勘合させることにより仮固定される。
図9は、メダル投入部の右側面図である。
メダル投入部5は、図7で説明したとおり、固定部5dにカバー部5cが上方向から嵌め込まれて右側にスライドして仮固定され、及び札止め部5hが下から上に勘合されて仮固定される。
コントロールプレート5gには位置決め用の凹部5g1が形成されており、メダル投入部5が外形に合わせて載置される。そして、取付部5d2は、前扉1bに設けられた取付板金5g3にタッピングネジ5f2で取り付けられる。これによりカバー部5c及び札止め部5hは固定されるので、メダル投入部5の背面と札止め部5hで形成される隙間に遊技者が使用する千円札を挟んで止めることができる。
図10は、従来のメダル投入口の基本構造を示す部分拡大図である。
このメダル投入口の基本構造としては、「スロットマシン右側に設けられたメダル投入口に右手でメダルを連続して投入する動作を違和感なくスムーズに行えるようにする。」ことを課題とし、「スロットマシンにおいて遊技を開始可能状態とするためのメダルを投入する部分に設けられるメダル投入ガイド80が、上面側に開口するとともに前後に延びた円弧状のガイド溝83と、ガイド溝の後端部に略垂直に起立して設けられたストッパ壁84と、ガイド溝におけるストッパ壁の下部に沿って形成されたスリット状のメダル投入口85とを備えて構成される。このメダル投入ガイドは、スロットマシンの前面に向かって右側に設けられ、左側の円弧状ガイド壁81が右側のガイド壁82より高く形成されている。」という遊技機のメダル投入ガイド構造が出願公開されている(特開2005−21443)。
図11及び図12は、従来のメダル投入部の断面図である。
上記の特開2005−21443に開示されたメダル投入ガイド構造は、メダルを連続して投入する動作をスムーズに行えるようにするというメダル投入機能の向上を目的とするものであるが、基本構造としては遊技メダルを押し入れるのに好適なタイプのものである。
その構造は、メダル投入部5のメダルガイド溝5c1とメダルストッパ壁5c2とで形成する角度θが鈍角(90°より大)となっており(図11(A)参照)、遊技者が複数枚の遊技メダルMをメダルガイド溝5c1に揃えながら一旦載置し、例えば親指で矢印方向に移動させると、遊技メダルMがその自重でメダル投入口5c3から下方向に落下するようになっている(図11(B)参照)。つまり、角度θを鈍角とすることにより、遊技メダルMが親指方向に力がかかり、他の指を離しても載置された状態が保持できるので、初心者は大変入れやすいのである。
これに対し、遊技メダルMを十数枚手に持って、大量に投入する為の上入れ(又は、落し入れ)に適するメダル投入ガイドの構造は、メダル投入部5のメダルガイド溝5c1とメダルストッパ壁5c2とで形成する角度θが鋭角(90°より小)となっているものが好適であり(図12(A)参照)、遊技者が遊技メダルMをメダル投入口5c3付近に目掛けて、上から一気に落として入れるようになっている(図12(B)参照)。つまり、角度θを鋭角とすることにより、遊技メダルMがメダルガイド溝5c1で跳ね返ったとしても、自重によりメダル投入口5c3方向に移動するので、上級者は大変入れやすいのである。
すなわち、逆の言い方をすれば、押し入れタイプのメダル投入部5は、遊技メダルMが跳ね返って外に落ちるので、上級者にとって使い難くい一方、上入れタイプのメダル投入部5は、遊技メダルMが落ちない代わりに詰まり易いので、初心者にとって使い難くいという一長一短を持ち合わせている。
図13は、メダル投入部の分解斜視図である。
図4との相違点は、メダルガイド溝5c1がメダルを一旦載置して奥方向に移動させる円弧状のガイド部5c1aと、ガイド部5c1aの内部終端からメダル投入口5c3へ向かって下方向に傾斜する傾斜部5c1bとを含むことである。よって、図4の同一構成については、その重複説明を省略する。ただし、円弧状のガイド部5c1aとは、図のA−A断面と直交する方向の断面淵の形状のことを言う。
図14は、メダル投入部の要部A−A断面図である。
カバー部5cのメダルガイド溝5c1は、ガイド部5c1aとその内部終端5c1cから傾斜する傾斜部5c1bとで構成されている(図14(A)参照)。
出願人が種々実験により最適な寸法関係を導き出した条件でとしては、遊技メダルMの直径をD、メダルストッパ壁5c2と傾斜部5c1bとで形成する角度をθ、傾斜部5c1bの始まりである内部終端5c1cからメダルストッパ壁5c2までの長さをLとした場合、L<D/tanθの関係を満たすことである(図14(B)参照)。
これにより、遊技メダルMを傾斜部5c1bに載置した場合、遊技メダルMと傾斜部5c1bとで形成する角度γが90°より大きくなるので、遊技メダルMは詰まることなく自重でメダル投入口5c3へ向かって滑り落ちる(図15(A)参照)。なお、0.7×D/tanθ<Lの関係を満たすこと、つまりLは最大長の70%より大きければ、上入れにも好適となる。したがって、従来技術に開示された遊技メダルの投入口の縁部に面取りを施すこととは無関係である。
一方、L<D/tanθの関係を満たさなければ、角度γが90°より小さくなる場合があるので、遊技メダルMは滑り落ちることなく投入口5c3付近で詰まり易くなる(図15(B)参照)。
図16は、メダル投入部の要部A−A断面図である。
遊技者が複数枚の遊技メダルMをガイド部5c1aに揃えながら一旦載置し、例えば親指で矢印方向に移動させると、遊技メダルMは内部終端5c1cを超え、自重で傾斜部5c1bを滑りながら投入口5c3から下方向に落下する(図16(A)参照)。
これに対し、遊技者が遊技メダルMを十数枚手に持って、メダル投入口5c3付近に目掛けて、上から一気に落として入れることも可能である(図16(B)参照)。つまり、メダル投入口5c3付近の角度が鋭角となっているので、遊技メダルMが傾斜部5c1bで跳ね返ったとしても、その自重によりメダル投入口5c3方向に移動する構造となっている。
ここで図1に戻り説明を続ける。
6は、精算ボタンであり、メダル貯留装置(図示せず)の起動と解除及び投入メダルと貯留メダルの精算に使用する。
7は、1ベットボタンであり、遊技を行うためにメダル貯留装置の貯留メダルを1枚投入するときに使用する。
8は、マックスベットボタンであり、遊技を行うためにメダル貯留装置の貯留メダルを最大数である3枚投入するときに使用する。なお、マックスベットボタン3の内部には、LEDが設けられており、マックスベットボタン3が操作可能な状態のときに点灯するようになっている。
9は、スタートレバー(回胴回転始動装置の一部)であり、遊技を行うために所定数の遊技メダルを投入後、ドラム部2を一斉に始動させるときに使用する。また、スタートレバー9は、出玉率の段階設定を行う場合、段階値1〜6(又は、1,3,5,7の4段階跳び番号)の中から選択された所望の設定値を確定させるときに使用する。なお、このスタートレバー9は、上下左右の方向に操作できるように構成されており、後述するスタートSWセンサ及び操作方向センサから、それぞれスタート信号と4つの操作方向(上下、左右)を示す操作方向信号が出力される。即ち、スタートレバー9は、遊技者が所望の方向を入力する方向入力手段に、また、操作方向センサは、方向入力手段によって入力された方向を検出する入力方向検出手段に該当する。ただし、検出すべき操作方向は4つに限定されるものではなく、上下左右それぞれの間の斜め方向も加えることにより8方向検出や、360度の角度を厳密に検出するようにしてもよい。一方、十字キーを1ベットボタン7の左横スペースに別個に設け、スタートレバー9と同様に、上下左右の操作方向を入力する様にしてもよい。その結果、後述する操作方向センサ111は、十字キーに設けられることになる。なお、十字キーの中央部を押すと確定を意味するEnter信号が出力され、後述する副制御部の各種制御に用いられる。
10は、停止ボタン部であり、回転しているドラム部2を停止させるときに使用する。この停止ボタン部10には、左停止ボタン10a、中停止ボタン10b及び右停止ボタン10cの3つのボタンが設けられており、ドラム部2が回転中に操作することにより、それぞれのボタンに対応する左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cを停止させることができる。なお、停止ボタン部が操作可能の場合には、停止ボタン10a、停止ボタン10b及び停止ボタン10cに内蔵されているLEDが点灯するようになっている。尚、左停止ボタン10a、中停止ボタン10b及び右停止ボタン10cを方向入力手段として用いる場合、それぞれ左方向、上方向、右方向入力に対応させることができる。
11は、ブラウン管を利用したカラーディスプレイやLCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)又は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などのFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)で実現される表示演出装置であり、回胴遊技に関する各種映像演出や所要の情報の告知等が行えるようになっている。なお、BBや大当り入賞が発生した後のBGM演奏に際して、表示演出装置11はROM161から読み出した映像データに基づいて、歌詞のテロップを表示するようになっている。
12は、スピーカ部であり、左上スピーカ12a、右上スピーカ12b、左下スピーカ12c及び右下スピーカ12dの4つのスピーカで構成され、各種演出に応じた効果音や段階設定値の変更中又は前扉1bが開いている状態において警告音を発生する。なお、図示していないが、実際には左下スピーカ12c及び右下スピーカ12dの上面全体を覆うように保護用のスピーカグリルが取り付けられる。
13は、遊技状態表示LED部であり、表示演出装置11の上部に設けられた上部状態表示LED13a及び両側面に設けられた左上状態表示LED13bと右上状態表示LED13c、左中状態表示LED13dと右中状態表示LED13e、及び左下状態表示LED13f、右下状態表示LED13gと中下状態表示LED13hで構成され、各種の光演出を効果的に行うことができる。また、段階設定値の変更中又は前扉1bが開いている状態において、警告表示として点滅を繰り返す。なお、遊技状態表示LED部13(13a〜13h)は、前扉1bの外周を略一周するように配置されているので、遊技者に対してカラフルな光が途切れなく外周をグルグル回るような光演出を効果的に行うことが可能となる。
14は、ドア鍵穴であり、ドアキーにより回胴式遊技機本体1の前扉1bを開けるときや、打ち止めの解除及びエラーによる遊技中止の解除の際に使用される。
15は、受け皿であり、メダル払出装置(図示せず)から払い出された遊技メダルがメダル払出口16より排出され、その数として数百枚程度まで受けることができる。
17は、ロゴパネル部であり、例えば出願人の名称である「NET」( Next Entertainment Trend )又は機種名など、各種商標表示を施すのに使用される。
19は、スペシャルボタンであり、表示演出装置11に表示される各種ゲームやその映像演出に応じて要求される情報(例えば、戦闘機の機銃操作や爆弾投下、登場人物の移動方向等の入力情報)を遊技者自身が入力する。なお、このスペシャルボタン19によって入力される情報は、後述する副基板(サブブロック)に与えられ、あくまで各種映像や音響演出にのみ用いられるものであるから、遊技結果に影響を及ぼすものではない。
20は、小物入れ部であり、紙幣類(例えば、千円札)やハンカチ、タバコ、ライターなど遊技者が必要とする物品を任意に置くために使用する。一方、ロゴパネル部17と同様に、この部分全体を覆うようにシール又はフィルムを貼着して、メーカや遊技機名称などの各種商標表示を施すのに使用される。
28は、投入メダル詰まり返却ボタン(単に、「返却ボタン」とも言う)であり、メダル投入部5に続いて遊技メダルが通過する遊技メダルセレクター(図示せず)に詰まった遊技メダルを返却する時に使用する。
図3は、デザインパネルの斜視図である。
この図3(A)に示すデザインパネル22は、表示演出装置11を取り付ける表示演出装置取付部22jが形成された上面部22aと、図柄表示窓3が形成された中面部22bと、前述した表示LEDブロック4(発光表示装置)が取り付けられる下面部22cとによって底面部22dを形成しており、その上面に立体的に突出する装飾物又は立体的な電動式駆動物が設けられる。
また、底面部22dを繋ぐ左側面部22e及び右側面部22fとにより略箱型形状(又は略船型形状)となって内部に奥まった空間が形成され、その上部及び下部には前扉1bに取り付けるための複数の取付穴が形成された上部取付部22g及び下部取付部22hが設けられている。この底面部22d、左側面部22e及び右側面部22fからなる5つの内面に装飾用シールを貼ることにより、特に底面部22dでは3つの略平面を形成している。ただし、装飾物23や電動式駆動物24が設けられているので、凹凸があるのは当然である。
4aは、投入枚数LEDであり、遊技を行うためにメダル投入部5から又はマックスベットボタン8や1ベットボタン7によって投入された遊技メダルの枚数を表示する。
4bは、メダル貯留枚数表示LEDであり、遊技メダルの貯留枚数(クレジット数)を例えば所定最大数50枚の範囲で表示し、また、貯留メダルの精算時における払い出し演出表示を行う。
4cは、メダル払出枚数表示LEDであり、入賞時に払出メダルの枚数を表示し、また打止め中、出玉率の段階設定値及びエラー発生時のエラーコードを表示する。
4dは、ナビゲーションLEDであり、ゲーム状況に応じた各種演出表示を行う。例えば、登場人物のパワーレベルや戦闘機に配備されている機銃や爆弾の数又は破壊度や、効果音に対応した音量レベル表示(一般にはイコライザーとして知られている)を行う。なお、ナビゲーション用としては、小型の液晶表示装置でもよい。
図3(B)に示すデザインパネル22は、更に折れ曲がった面(淵)として最上面部22iが設けられている点で図3(A)のものと相違する。なお、この最上面部22iを設けることにより、取り付けた表示演出装置11を遊技者に見えやすくできる点と、デザインパネル自身が一層強固になる点で有利となる。
図17は、スタートレバー9を含む回胴回転始動装置の説明図であり、図17(A)は回胴式遊技機本体1に取付けた状態を示す側断面図、図17(B)はスタートレバー9と各検出センサ(スタートSWセンサ110及び操作方向センサ111)との位置関係を示す斜視図である。
スタートレバー9は、中空球状の透明プラスチックで形成され、開口に固着されたナット61を備える握り部としてのグリップ9a、及び、管状又は筒状の部材であって、その外面には必要に応じて鍔又は段が形成されたアーム部としてのシャフト9bにより構成される。
シャフト9bの先端部(外端部)には雄ネジが形成され、グリップ9aのナット61が螺合可能であって、シャフト9bの鍔62に押付けるようにグリップ9aが装着されている。また、シャフト9bには、スリーブ63と外球面を有する滑動体64が遊嵌されている。この滑動体64は、回胴式遊技機本体1のフレーム(図示せず)に螺合・固定された取付部材65の貫通孔に形成された球面受け座66に当接している。
圧縮ばね67は、取付部材65に固定されたばね座68と、シャフト9bに嵌着された止め輪69に当接して係止されている円板座70との間に装着され、シャフト9bに同図の右方向の力を付勢している。またシャフト9bは、この付勢力により右方向に押付けられ、この力が、鍔62、スリーブ63を介して滑動体64を球面受け座66に押付けるので、グリップ9aに力を作用させないときにも、スタートレバー9は水平の中立位置に弾性的に保持され、圧縮ばね67に抗してシャフト9bを引いたり、回動させたりすることができる。
シャフト9bの後端(内端部)には、スタートレバー9の操作態様を判別するスタートSWセンサ110及び操作方向センサ111(例えば、シャフト9bの後端の変位を光学的に検出して“ON”するフォトセンサ)が近接して設けられている。但し、シャフト9bの変位を検出するものであれば、磁気センサや機械センサなどでも構わない。
110は、スタートSWセンサであり、スタートレバー9が上下左右どの方向に操作されてもスタート信号を発生させ、主制御部100に出力する。
操作方向センサ111は、スタートレバー9が操作される上下左右の方向に対応する信号を出力する4つのセンサで構成されており、その出力信号は後述する副制御部160に直接入る一方、主制御部100には一切入力されないので、遊技結果に何ら影響するものではない。従って、本願発明の様に構成することは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(最終改正:平成一五年五月三〇日法律第五五号)に違反するものではない。
111Uは、上方向センサであり、スタートレバー9が上方向へ操作されたことを検出するセンサである。
111Dは、下方向センサであり、スタートレバー9が下方向へ操作されたことを検出するセンサである。
111Rは、右方向センサであり、スタートレバー9が右方向へ操作されたことを検出するセンサである。
111Lは、左方向センサであり、スタートレバー9が左方向へ操作されたことを検出するセンサである。
図18は、メダル選別装置の要部正面図である。
このメダル選別装置41は、メインプレート42とその前側に適切な間隔を開けて設けられたサブプレート(図示せず)との間に、メダル投入口5に続くメダル通路43が形成されている。メダル通路43の底部にあるメダル案内用のレールは、前半部の第1レール44と後半部の第2レール45とからなり、第1レール44はメインプレート42と一体に設けられ、第2レール45は作動コイル(図示せず)により前後方向に移動可能に設けられている。
通常時(作動コイルが非導通状態)において、第2レール45は第1レール44の延長上にあり、メダルMが自重により第1レール44から第2レール45に案内されてメダル通路43を上流から下流方向(つまり、図の左から右方向)へ移動する。また、ゲーム中又はゲーム精算中、打ち止め時等には、作動コイルに通電することにより第2レール45が後方に移動し、メダル投入口5から投入されたメダルMが第2レール45から外れ落ちて、メダル受け皿15に返却されるようになっている。
第1レール44の上方には、正規のメダルMよりも大きいメダルの通過を規制するガイドスペーサ46が設けられている。このガイドスペーサ46と第1レール44との間でメダルMが詰った場合は、手動で返却ボタン28を操作することによりキャンセル用プレート47が詰ったメダルMを押し出し、該メダルが第1レール44から外れ落ちるようになっている。また、正規のメダルよりも小さいメダルは自重で後方に倒れ、第1レール44から外れ落ちる。そして、第1レール44から外れ落ちたメダルは、メダル受け皿15に返却される。なお、この場合、第1レール44から外れ落ちたメダル(通常の大きさのメダルの可能性もある)が、光センサ48aのみによって検出されることもあり、それをセレクタ・エラーとすると遊技が頻繁に中断されるので、本発明のメダル選別装置の判定方法では、後述するように独自のエラー処理を行って対処している。
第2レール45の上方には、メダル等の物体の通過を検出するメダル通過センサ48と近接位置にある金属物体を検出する近接センサ49とがメダルの移動方向に沿って順に設けられている。
メダル通過センサ48は、例えばメダルの移動方向に所定の間隔をあけて配置された2組の光センサ48a(上流側の第1メダル検出センサ)及び光センサ48b(下流側の第2メダル検出センサ)を組み合わせてなる。これらの光センサ11a及び光センサ11bは、光透過型センサ及び光反射型センサのいずれでもよい。但し、メダル検出センサとしては、光センサに限定されるものではない。
近接センサ49は、近接位置にある金属物体を検出するセンサであり、例えば株式会社ミネルバ製カウントセンサ(型式:CS−P1A)を第3メダル検出センサとして採用している。但し、本発明のメダル選別装置の判定方法としては、金属物体を検出するセンサに限定されるものではなく、光センサであってもよいのであるが、ゴト対策上、実際にメダルが移動したことを検出する必要性から採用しているのである。
図19は、本発明に係る遊技機の制御回路系のブロック図であり、メインブロック(主基板:破線で囲っていない部分)とサブブロック(副基板:破線で囲った部分)とに大別される。なお、メインブロックは遊技結果に関する制御を、サブブロックは遊技経過や結果告知・表示の様々な演出に関する制御を司る。また、メインブロックからの信号はサブブロックに出力されるが、逆にサブブロックからメインブロックへは一切信号が受信できないようになっている。これはゴト対策のためであり、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律により規定されている。
主制御部100は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載する一体型のワンチップマイコン(エルイーテック社製LE4280B−PA−G1)であり、所定のデータテーブル領域や装置全体の制御手順を記述した制御プログラムを記憶するROM101と、カウンタやレジスタ等が形成され制御に必要な情報を一時的に記憶するRAM102(RWM:リライタブルメモリともいう。また、内蔵だけではなく、外付けRAMも含む。)とが設けられている。なお、このRAM102は、後述するように、電源スイッチ170cをオフ状態にしても又は電源コードを抜いても、電源コネクタを経由して供給されるRAMバックアップ用電源によって記憶する制御データは保持される一方、電源コネクタそのものがが抜かれると、電力が供給されないので制御データは消去(オールクリア又は0にリセット)される。
主制御部100には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、スタートSWセンサ110(スタート・スイッチ・センサ110)、停止ボタンセンサ120、メダル検出センサ130、ベットボタンセンサ140及び段階設定部150が接続され、主制御部100はこれらからの入力信号を受信可能に構成されている。
また、主制御部100には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、ドラム部2、メダル払出装置18及び表示LEDブロック4が接続されており、主制御部100はこれらの各装置を入出力信号によって制御可能に構成されている。さらに、主制御部100には、I/0ポート(図示せず)を介して副制御部160が接続されており、サブブロックの各種制御に必要な制御データ(例えば、コイン投入データや当選状況データ、段階設定部のスイッチ操作状態を示すデータ、段階設定値)を副制御部160に出力する。なお、副制御部160は、内蔵RAM162に段階設定値の履歴情報も併せて記憶しており、履歴情報は電池でバックアップされているので主電源を切っても消えることはない。
特に、副制御部160は、主制御部100から送信される制御データ中の投入枚数データ、払出枚数データや変動表示ゲーム回数データに基づいて、初期化した後における差枚数や消化した変動表示ゲーム回数を計数しており、計数した差枚数や回数が所定数に達すると、選択ゲームを発動させる。この際、副制御部160は、表示演出装置11に「選択ゲームを開始しますか。開始する場合、スペシャルボタンを連打してください。」と表示して、スペシャルボタン19を点滅させる。
副制御部160は、遊技者がスペシャルボタンを連打すると、連打した回数に応じたパルス信号を受けとり、選択ゲーム抽選を行なって当たりとする数字(例えば、「0」又は「1」)を決定する。そして、表示演出装置11に、「○、×」や「左、右」などを左停止ボタン10aと右停止ボタン10cにそれぞれ対応させて表示して、遊技者に選択操作を促す。例えば、選択ゲーム抽選結果で「0」が当選している場合、遊技者が左停止ボタン10aを操作して対応する「○」や「左」を選択すると選択ゲームで当選となる。そして、副制御部160は、当選と判断すると、その後の変動表示ゲームにおいて、投入枚数や差枚数又は変動表示ゲームの回数に応じた数量の遊技媒体が増加するまでAT機能(補助情報通知手段により補助情報を通知する機能)を発動させる。例えば、差枚数がマイナス500枚であれば、1000枚増加するまで内部抽選での当選図柄や押し順を遊技者に通知する。つまり、遊技者は選択ゲームで当選すると1000枚の獲得が保証されるわけである。副制御部160は、所定枚数だけ増加(又は、所定枚数の払出し)すると、AT機能を終了させて、差枚数又は変動表示ゲームの回数を初期化して、スタートに戻る。
これに対して、遊技者が右停止ボタン10cを操作して対応する「×」や「右」を選択すると選択ゲームで落選となる。そして、副制御部160は、落選と判断すると、AT機能を発動させることなく、差枚数又は変動表示ゲームの回数を初期化して、スタートに戻る。結果的に、遊技者はハマリ状態となっていても、選択ゲームで当選すれば、今まで負けていた分以上を取り戻すことが可能となり、博打好きには堪らない一発逆転を期待できるのである。上記では、二択として当選で2倍返しとしたが、例えば五択であれば当選で5倍返しとすることも可能であり、その倍率を遊技者が選択できるようにすると更に趣向が増す。
この副制御部160は、主制御部100と同様に、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載する一体型のワンチップマイコンであり、サブブロック全体の制御手順を記述した制御プログラムを記憶するROM161と、カウンタ、タイマーやレジスタ等が形成され主制御部100から受信した制御に必要な情報を一時的に記憶するRAM162などが設けられている。なお、副制御部160は、段階設定部のスイッチ操作状態を示すデータに基づいてタイマーをスタートさせ、所定時間経過してもON又はOFFとならない場合には、音と光及び液晶表示で異常の発生を報知する。
特に、副制御部160は、RAM102に記憶する段階設定値が所定範囲になく、主制御部100が警告を発生させた後、店員の設定変更スイッチの操作に従って選択された段階設定値を送信してきた場合、RAM162に記憶する最新の段階設定値と送信されてきた段階設定値とが一致したとき、一致した旨を表示又は報知する。例えば、副制御部160は、表示演出装置11に「開店時の段階設定値と一致しました。」を表示し及びスピーカ部12からビープ音を発生させたり、音声で「開店時の段階設定値と一致しました。」の報知を繰り返す。その後、主制御部100は、副制御部160が一致した旨を表示又は報知している状態で、段階設定部150が操作された場合、送信した段階設定値を新たにRAM102に記憶させるとともに、新たに記憶した段階設定値を使用して変動表示ゲームの当落を決定する。
また、ROM161には複数のBGM(バック・グランド・ミュージック)データが記憶されており、特にビッグボーナスゲーム中において、遊技者の気持ちを高揚させる為に特別にアレンジされたBGMが選択及び演奏される。副制御部160は、大当り入賞が発生した後のBGM選択及び演奏に際して、主制御部100からゲームスタート信号を受け取って図柄変動表示ゲームの回数を計数するとともに、計数した図柄変動表示ゲームの回数が所定数(例えば、100ゲーム)を超える場合、楽曲のカラオケ伴奏としての第一楽曲を演奏する一方、所定数(例えば、100ゲーム)以下の場合、楽曲の歌詞の歌声及び伴奏を含む第二楽曲を演奏する。つまり、100ゲーム以内にBB又は大当りを獲得した場合には、歌手の歌声が入った楽曲が演奏される一方、101ゲーム以上では、歌手の歌声が入っていないカラオケのみが演奏される。その結果、歌声入りのBGMが流れた場合には、遊技者は少ないゲーム数でBB又は大当りを獲得したという達成感が味わえることに加え、そのBGMを聴いた他の遊技者もまた早期にBB又は大当りを獲得しようと発奮する、という効果がある。
この歌声入りBGMデータと歌声無しBGMデータの持ち方としては、例えばMIDI形式(MIDIファイル)で歌声無しBGMデータを1から7チャンネルまで使用して作成し、歌声データのみを8チャンネルに作成し、副制御部160は100ゲーム以内にBBを獲得した場合、1から8チャンネルまでを演奏する一方、101ゲーム以上では1から7チャンネルまでを演奏するというものである。
なお、MIDIファイルとは、シーケンサ・ソフトでディスクや半導体メモリ等に記録した時に作られるファイルである。一般的なプレーヤで再生できるのは、SMF(スタンダード・ミデイ・ファイル)で拡張子は「.mid」になり、SMFならほとんどのシーケンサ・ソフトで扱え、副制御部160も当該シーケンサ・ソフトの機能を有する。
SMFにはフォーマット0、1、2が有り、フォーマット2は現在ほとんど使われていない。SMFフォーマット0は、全部のMIDIチャンネルのデータを一本のトラックとして扱って記録してあり、MIDI音源にとって処理のしやすい形式であって副制御部160のシーケンサ・ソフト機能部で利用できる。SMFフォーマット1は、複数のトラックとして記録されるが、副制御部160は一つのチャンネルに対し複数のトラックを利用して打ち込んだデータ(例えば、ドラムなどを打ち込む時にスネアとハイハットを夫々別のトラックで編集して、トラックのMIDI出力チャンネルを共に10チャンネルにする等のやり方)でもうまく扱うことができる。
また、副制御部160には、表示演出装置11、スピーカ部12、遊技状態表示LED部13、入力SW部25(入力スイッチ部25)、計時部26、操作方向センサ111、スペシャルボタンセンサ112及び扉異常信号出力装置113が接続されており、副制御部160はこれら各装置からの入力信号を受け付けたり、必要なデータや信号を出力して各種制御を行うことが可能なように構成されている。
操作方向センサ111は、スタートレバー9が操作される上下左右の方向に対応する方向信号を出力し、副制御部160はこの方向信号を受信して、方向信号に応じた各種映像演出や当選告知等を表示演出装置11に表示し、更にスピーカ部12から効果音を発生させる。
スペシャルボタンセンサ112は、スペシャルボタン19が操作された時にON信号(例えば、HIGH信号)を出力し、副制御部160はこのON信号を受信したタイミングに応じて各種ゲーム及びその映像演出や当選告知等を表示演出装置11に表示し、更にスピーカ部12から爆弾投下や機銃操作などの効果音を発生させる。
扉異常信号出力装置113は、扉の開閉状態を検出して副制御部160に制御信号を出力する装置であり、主電源がONの状態においては前扉1bの開閉に応じてON/OFF信号を出力する一方、主電源がOFFの状態においては副電源から供給される電力によって駆動され、主電源断時の前扉1bの異常開閉を検出及び記憶し、その後、主電源がONとなった場合でも、主電源断時の異常開閉を副制御部160に通知する。これにより副制御部160は、前扉1bが閉まっていても、主電源が入れられた時に警告音を発生させるので、遊技ホールの管理者は異常事態を認識し、遊技機のチェックや点検等の適切な処置を施すことができる。
メダル検出センサ130は、上述したメダル通過センサ48と近接センサ49で構成され、メダル投入口5から投入されたメダル数に応じた数のパルス信号を出力し、主制御部100はこのパルス信号を受信し、及びパルス信号の立上りや立下りのカウンター処理をして、表示LEDブロック4中の投入枚数LED4a又はメダル貯留枚数表示LED4bにパルス数に応じた数だけ増加した投入枚数又はクレジット数を表示させるように制御する。
ベットボタン検出センサ140は、1ベットボタン7又はマックスベットボタン8の操作に応じてパルス信号を出力し、主制御部100は得られたパルス信号に対応するように投入枚数LED4aの枚数表示を制御する。
また、遊技者が所定数のメダルを投入後、スタートレバー9を操作すると、スタートSWセンサ110はスタート信号を出力し、主制御部100はこのスタート信号の受信を契機として乱数抽選等を行って変動表示ゲームを開始するとともに、ドラム部2に駆動パルス信号を出力するようになっている。なお、この1回のスタートレバー9の操作によって行われる遊技が1ゲームの変動表示ゲームとなっており、遊技者はボーナスゲーム(ビッグボーナス又はレギュラーボーナス)を獲得してメダルを増やすことを目的に遊技を繰り返す。
そして、主制御部100は、変動表示ゲーム中に停止ボタン10a、10b及び10cが操作されると、回転ドラムの回転を停止させ、所定の役が成立(各回転ドラムの図柄が予め定めた所定の組み合わせで表示されると入賞)してメダルの払い出しを行う場合、その払出し数を表示LEDブロック4中のメダル払出枚数表示LED4cに表示し、これをクレジット数に加えてメダル貯留枚数表示LED4bに表示させる。なお、精算ボタン6によって払い出し操作が行われた場合やクレジット数が例えば最大数の50枚を超えた場合には、主制御部100はメダル払出装置18を駆動制御し、必要数のメダルをメダル払出口16から排出させて受け皿15に蓄積させる。
さらに、主制御部100は、小役が成立した場合や、特にボーナスゲームが内部当選した場合には、副制御部160に内部当選等に関する制御データを出力する。そして、副制御部160は、主制御部100から制御データを受け取ると、遊技状態表示LED部13の点灯制御、スピーカ部12から効果音を発生させる為の音声合成LSI(図示せず)の制御、及び表示演出装置11の表示画面内におけるキャラクタや背景映像の表示制御等の各種演出動作を行うように構成されている。
150は、段階設定部であり、後述する出玉率の段階設定操作を行うことにより、ホール側は、イベントや新装オープンでの放出や収益改善のための回収状況に応じて、段階値1〜6(又は、飛び番号の1,3,5,7等)の中から所望の設定値を選択することができる。
25は、入力SW部(入力スイッチ部)であり、出玉率の段階設定操作が行われた場合の警告モードの設定や、警告を発生させる又は発生させない時間帯の設定を行う。この警告モードとしては、警告発生機能のオン状態又はオフ状態と、設定した時間帯のみ警告を発生させるタイマー状態の3つのモードがある。なお、入力SW部25は、サブブロックの初期化を行うための初期化スイッチとスピーカ部12の音量を切り替える際に使用する音量スイッチからなり、その両方を同時に押した場合に機能するようになっている。
26は、衛星などから絶対時間データを受け取り、正確な時間を刻む電波時計からなる計時部であり、計時した時間を副制御部160に出力する。
特に、主制御部100及び副制御部160の機能について詳述すると、主制御部100は、遊技者が遊技媒体のメダルを3枚投入し、スタートレバーを操作すると、そのタイミングで当落抽選を行なった後、抽選結果(当選役、リプレイ、ハズレ等)をRAM102に記憶する共に、3つのドラム2a、2b、2cを所定速度で回転させる。主制御部100は、遊技者が停止ボタン10a、10b及び10cを操作すると、抽選結果に応じた引込制御または回避制御により、当選図柄が有効ライン上に停止して表示されると、メダル払出装置18を駆動制御して、規定数のメダルをメダル払出口16から排出させて受け皿15に蓄積させる。この際に、主制御部100は、ゲーム演出に必要な各種データ(ゲーム回数、投入メダル数や払出し枚数)及び抽選結果などの制御コマンドを副制御部160に送信する。
副制御部160は、主制御装置から受信したデータ及び制御コマンドに基づいて、各種データを初期化した時点から後の、(1)メダルの投入枚数、(2)メダルの投入枚数から払出枚数を引いた差枚数、又は(3)変動表示ゲームの回数をカウントして、RAM162に順次記憶及び更新する。
副制御部160は、その値が所定数に達すると、RAM162に選択ゲームフラグをセット(ビットに1を立てる)すると共に、表示演出装置11に「選択ゲームを行うことができます。開始する場合は、スペシャルボタンを連打してください。」と表示して、スペシャルボタン19を点滅させる。なお、選択ゲームフラグをセットするのは、遊技者が見落としても複数回選択する余地を与える為(誤操作防止の為)であり、選択しない場合でも通常3度(又は、複数回)だけ選択ゲーム発動表示を繰り返す。
副制御部160は、遊技者がスペシャルボタンを連打した場合、選択ゲームフラグをリセットして(ビットを0に戻す)、選択ゲームを発動させる。
副制御部160は、遊技者の選択操作により、選択ゲームで当選したときには、その後の変動表示ゲームにおいて、数えた枚数や回数の計数値に応じた枚数のメダルが増加するまで、発動したAT機能により補助情報を遊技者に通知して、その後に計数値を初期化する。その一方、選択ゲームで落選したときには、AT機能を発動することなく単に計数値を初期化する。その一方、副制御部160は、選択ゲームで落選したときには、AT機能を発動することなく単に計数値を初期化して、通常ゲームに戻る。
これに対し、副制御部160は、遊技者がスペシャルボタンを連打せずに所定ゲーム数が経過した場合、選択ゲームを発動させずに、選択ゲームフラグをリセットし、計数値を初期化することなく、その後の変動表示ゲームの回数を加算して、その回数が所定数に達すると、遊技者に選択ゲームを行うか否かを確認することを繰り返す。
図20は、遊技機の制御回路系(メインブロック)のブロック図であり、図19の一部を抜き出して詳細に記載したものである。
図20(A)は、本発明の特徴である改良型主制御基板を示しており、図20(B)の従来型主制御基板に対して、ラッチ回路182及びループ回路183を設け、スタート禁止信号を新たに発生させた点が相違する。
ここで改良型主制御基板の動作原理を説明する。
パチンコホールが打ち込み機を使用して不正行為を行なう場合、まずコネクタ181を抜いた後、打ち込み機のコネクタを接続して、1時間〜数時間連続して自動的にゲームを行なうことにより、ボーナスフラグをRAM102に記憶させる。
その後、パチンコホールは主電源を一旦OFFにしてコネクタ181を接続するのであるが、ラッチ回路182はループ回路183がOPENとなることにより、コネクタ181が抜かれたことを検出してスタート禁止信号を出力する。
この状態で、遊技者が変動表示ゲームを開始させるためにスタートレバー9を操作しても、スタート禁止信号によりスタート信号がCPU100に供給されないので、変動表示ゲームを行なうことができない。例えば、このスタート禁止信号とスタートSWセンサ110から入力されるスタートセンサ信号(つまり、従来のスタート信号)とのAND(論理積)を取ることにより、CPU100に出力するスタート信号とすればよい。
一方、スタート禁止信号を解除するには、電源コネクタ180を抜くことによりラッチ用電源をOFFにすればよいが、同時にRAMバックアップ用電源もOFFになるので、RAM102に記憶させたボーナスフラグもクリアされてしまう。その結果、本発明に係る遊技機では、打ち込み機を使用した不正行為を防止することができる。
なお、コネクタ181には、スタートSWセンサ110、停止ボタンセンサ120、メダル検出センサ130及びメダル払出装置18からの出力信号が供給される。
図21は、スタート信号生成回路のブロック図である。
回路Q1は、4つのNANDゲートが入っているICであり、例えば一般に市販されている品番74HC00(Quad−NANDゲート)を使用することができる。
図の状態において、ラッチ回路182のNANDゲートQ1Aの入力端子は、コネクタ181を経由して電源VBB(+5V)に接続されているので、HIGHの状態である。また、NANDゲートQ1Bの入力端子も、直接電源VBB(+5V)に接続されているのでHIGHの状態であり、その結果、NANDゲートQ1Bの出力はHIGHになっている。
スタート禁止回路184のNANDゲートQ1Cの入力端子には、共にスタートSWセンサ110が接続されており、スタートセンサ信号(負論理)が入力された場合、NANDゲートQ1Cの出力はHIGHになり、最終的にNANDゲートQ1Dからスタートレバーの操作に応じてスタート信号(負論理)が出力される。そして、このスタート信号によって、CPU100は変動表示ゲームを開始することになる。
一方、この状態からコネクタ181を抜くと、NANDゲートQ1Aの入力端子がLOWに落ちるので、NANDゲートQ1Bの出力もLOWになる。
そして、NANDゲートQ1Dにはラッチ回路182からLOW信号が入力され続けるので、その結果、スタートセンサ信号(負論理)が入力されたとしても、スタート信号(負論理)が出力されないので、CPU100は変動表示ゲームを開始しない。
このラッチ回路182のLOW出力をリセットしてHIGH信号にするためには、NANDゲートQ1Bの入力端子を一旦LOWにしなければならないが、その為には電源コネクタ180を抜いて電源VBB(+5V)の供給を止める必要がある。しかしながら、RAMバックアップ用電源も供給されなくなり、RAM102に記憶させたボーナスフラグを含む全ての制御データもクリアされてしまうので、打ち込み機を使用した不正行為を根本的に不能にする。
図22は、メダル選別装置の制御系ブロック図であり、図19の一部を抜き出して詳細に記載したものである。
メダル選別基板50には、メダル通過センサ48である光センサ48a、光センサ48bと近接センサ49及び作動コイル51が接続されている。さらに、メダル選別基板50には、主制御部100が接続され、主制御部100の出力側には投入枚数LED4a、メダル貯留枚数表示LED4b及びエラー表示LED4eが接続されている。
この主制御部100が内蔵するRAM102は、特にこの場合、各検出センサの出力信号の立上りの数や立下りの数をカウントする複数のカウンタとして機能する。
ここで、各センサの状態と複数のカウンタのカウント値の変化を示すタイムチャートに基づき、メダル選別装置の判定方法(判定制御)について詳細に説明する。
図23は、正規のメダルが適正に投入された場合のタイミングチャートである。
メダルがメダル通路5を上流から下流に移動するのに伴って光センサ48a、光センサ48b、近接センサ49が順にONになり、その後同じ順序でOFFになる(図23(A)参照)。
主制御部100は、まず初期状態である時間T0において、光センサ48aの立上りカウンタ、光センサ48bの立上りカウンタ、近接センサ49の立上りカウンタ及び光センサ48aの立下りカウンタの値を全て0にセットする(初期化:図23(B)参照)。
主制御部100は、時間T0〜T1の間に光センサ48aがOFF状態からON状態になると、その立上りを検出した時点(つまり、時間Tr)で、光センサ48aの立上りカウンタの値に1を加えると共に、タイマーの値に「53」を書き込んで所定時間の経過(約3.7m秒の割り込みタイミング)毎に1を減算する。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48bの立上りカウンタ値は「0」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。また、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算されるので「53」、「52」、「51」、「50」、「49」、「48」…というようにカウントダウンされる(図23(C)参照)。
主制御部100は、時間T1〜T2の間に光センサ48bがOFF状態からON状態になると、その立上りを検出した時点で、光センサ48bの立上りカウンタの値に1を加える。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48bの立上りカウンタ値は「1」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。なお、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算され続ける。
主制御部100は、時間T2〜T3の間に近接センサ49がOFF状態からON状態になると、その立上りを検出した時点で、近接センサ49の立上りカウンタの値に1を加える。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48bの立上りカウンタ値は「1」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「1」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。なお、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算され続ける。
主制御部100は、時間T3〜T4の間に光センサ48aがON状態からOFF状態になると、その立下りを検出した時点で、光センサ48aの立下りカウンタの値に1を加える。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「1」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「1」となる。なお、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算され続ける。
主制御部100は、光センサ48bがON状態からOFF状態になると、その立下りを検出した時間であるT5時点で、4つのカウンタ値からそれぞれ1を減算する。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「0」、光センサ48aの立上りカウンタ値は「0」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。一方、光センサ48bの立下りを検出する以前に、タイマーの値が「0」となった場合にはタイムアップとなり、メダル詰まり等を意味するCE(セレクタ・エラー)を表示する。つまり、主制御部100は、メダルを検出した時間Trから約196m秒の間にメダルが正常に通過するか否かを監視しており、通過しなかった場合にはエラーとするのである。
そして、主制御部100は、光センサ48aの立上りカウンタ値が「0」又は「1」、光センサ48aの立上りカウンタ値が「0」、近接センサ49の立上りカウンタ値が「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値が「0」か否かを判断し、この条件を満たした場合には、投入されたメダルの数「1」を加算して投入枚数LED4a又はメダル貯留枚数表示LED4bに表示する一方、この条件を満たさない場合には、エラー処理を行ってエラー表示LED4eにその旨を表示する。
図24は、正規のメダルが適正に投入された場合のタイミングチャートである。
2枚のメダルがメダル通路5を上流から下流にほぼくっ付いた状態で移動するのに伴って光センサ48a、光センサ48b、近接センサ49が順にONになり、その後同じ順序でOFFになる(図24(A)参照)。なお、図23(A)との違いは、時間T4〜T5の間に再び光センサ48aがOFF状態からON状態になっていることである。
主制御部100は、まず初期状態である時間T0において、光センサ48aの立上りカウンタ、光センサ48bの立上りカウンタ、近接センサ49の立上りカウンタ及び光センサ48aの立下りカウンタの値を全て0にセットする(初期化:図24(B)参照)。
主制御部100は、時間T0〜T1の間に光センサ48aがOFF状態からON状態になると、その立上りを検出した時点(つまり、時間Tr)で、光センサ48aの立上りカウンタの値に1を加えると共に、タイマーの値に「53」を書き込んで所定時間の経過(約3.7m秒の割り込みタイミング)毎に1を減算する。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48bの立上りカウンタ値は「0」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。また、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算されるので「53」、「52」、「51」、「50」、「49」、「48」…というようにカウントダウンされる(図24(C)参照)。
主制御部100は、時間T1〜T2の間に光センサ48bがOFF状態からON状態になると、その立上りを検出した時点で、光センサ48bの立上りカウンタの値に1を加える。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48bの立上りカウンタ値は「1」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。なお、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算され続ける。
主制御部100は、時間T2〜T3の間に近接センサ49がOFF状態からON状態になると、その立上りを検出した時点で、近接センサ49の立上りカウンタの値に1を加える。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48bの立上りカウンタ値は「1」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「1」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。なお、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算され続ける。
主制御部100は、時間T3〜T4の間に光センサ48aがON状態からOFF状態になると、その立下りを検出した時点で、光センサ48aの立下りカウンタの値に1を加える。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「1」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「1」となる。なお、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算され続ける。
主制御部100は、時間T4〜T5の間に光センサ48aがOFF状態からON状態になると、その立上りを検出した時点で、光センサ48aの立上りカウンタの値に1を加える。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「2」、光センサ48bの立上りカウンタ値は「1」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「1」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「1」となる。なお、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算され続ける。
主制御部100は、光センサ48bがON状態からOFF状態になると、その立下りを検出した時間であるT5時点で、4つのカウンタ値からそれぞれ1を減算する。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48aの立上りカウンタ値は「0」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。一方、光センサ48bの立下りを検出する以前に、タイマーの値が「0」となった場合にはタイムアップとなり、メダル詰まり等を意味するCE(セレクタ・エラー)を表示する。つまり、主制御部100は、メダルを検出した時間Trから約196m秒の間にメダルが正常に通過するか否かを監視しており、通過しなかった場合にはエラーとするのである。
そして、主制御部100は、光センサ48aの立上りカウンタ値が「0」又は「1」、光センサ48aの立上りカウンタ値が「0」、近接センサ49の立上りカウンタ値が「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値が「0」か否かを判断し、この条件を満たした場合には、投入されたメダルの数「1」を加算して投入枚数LED4a又はメダル貯留枚数表示LED4bに表示する一方、この条件を満たさない場合には、エラー処理を行ってエラー表示LED4eにその旨を表示する。
なお、光センサ48bの立下りで正規メダルの通過状態を判断する理由は、できるだけ早く受け入れるメダルを検出せんが為である。例えば、クレジット最大数である50枚目のメダルを検出しクレジットが50枚貯留された状態で、次のメダルが連続して通過しようとする場合、50枚目のメダルを検出した直後に作動コイル51を駆動させるので、51枚目のメダルは通過不能となる。この光センサ48bの立下りで検出する点は、進歩性のポイントともなっている。
図25は、メダルが投入された場合のタイミングチャートである。
投入されたメダルがメダル通路5を上流から下流に移動する際に、光センサ48aのみによって検出され、その後、第1レール44又は第2レール45から外れ落ちた場合を示している。
主制御部100は、まず初期状態である時間T0において、光センサ48aの立上りカウンタ、光センサ48bの立上りカウンタ、近接センサ49の立上りカウンタ及び光センサ48aの立下りカウンタの値を全て0にセットする(初期化:図44(B)参照)。
主制御部100は、時間T0〜T1の間に光センサ48aがOFF状態からON状態になると、その立上りを検出した時点(つまり、時間Tr)で、光センサ48aの立上りカウンタの値に1を加えると共に、タイマーの値に「53」を書き込んで所定時間の経過(約3.7m秒の割り込みタイミング)毎に1を減算する。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「1」、光センサ48bの立上りカウンタ値は「0」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。また、タイマーの値は割り込みタイミング毎に1が減算されるので「53」、「52」、「51」、「50」、「49」、「48」…というようにカウントダウンされる(図44(C)参照)。
主制御部100は、時間T1〜Td(<196m秒)の間に各センサの立上りを検出することなく光センサ48aがON状態からOFF状態になると(つまり、立ち下がり時間Td)、光センサ48bの立上りカウンタ値が「0」であるので(つまり、時間Tdでカウンタ値が「0」か「1」かを確認する)、光センサ48aの立上りカウンタの値から1を引く。その結果、光センサ48aの立上りカウンタ値は「0」、光センサ48aの立上りカウンタ値は「0」、近接センサ49の立上りカウンタ値は「0」及び光センサ48aの立下りカウンタ値は「0」となる。そして、割り込みタイミング毎のタイマー値減算処理は停止されるので、例えば「34」の値でストップし(図44(C)参照)、時間T0と同じ状態となる。
つまり、主制御部100は、計測した経過時間が所定時間(196m秒)を経過するよりも前に、光センサ48aの立下りを検出(ON状態からOFF状態)したにも拘らず、光センサ48bの立上りを検出しないとき(カウンタ値「0」)、投入メダルに関するエラー表示を行わないで、次のメダル投入を待つことができる。その後、メダルが投入された場合には、図42及び図43で説明した処理を行ってメダルをカウントする。
図26は、ドラム部を制御する制御回路系のブロック図である。
ドラム部2は、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの3つのドラムを回転制御するためのステップモータ30a、30b及び30cを備えており、主制御部100からの駆動パルス信号に応答して各ステップモータ30a、30b及び30cが駆動され、駆動パルス信号を3相に供給し続けると吸引力が発生して停止するようになっている。
このステップモータ30a、30b及び30cは、4相1−2励磁方式でステップ数が252ステップ/回転(1.42度/ステップ)であり、主制御部100が駆動パルス信号を504パルス入力すると丁度1回転し、各ドラムに1つだけ設けられたフォトインタラプタからなる回胴センサ31a、31b及び31cからそれぞれのインデックス信号(基準信号又は基準位置信号)が1パルス返ってくるので、主制御部100は各ドラムの位置を正確に把握することができる。つまり、入力パルスによる分解能は0.714(度/パルス)ということである。なお、更に分解能を上げる場合には、入力パルスから次の入力パルスまでの時間と回転速度を管理することにより回転位置を細かく把握できる。
図27は、ドラム部の構成ブロック図である。
ステップモータ30a(図示せず)、30b(図示せず)及び30cの各回転軸には、厚肉の円盤状回転体である左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの中心部がそれぞれ連結されており、図示した矢印の方向(即ち、上から下方向)に回転する。また、各ドラムの外周部には複数種類の図柄が描かれた左回胴帯32a、中回胴帯32b及び右回胴帯32cが貼り付けられており、変動表示ゲームにおいて同一図柄が有効ライン上に並んで窓部3に表示されれば入賞となる。なお、同図の星マーク、+マーク、プラムマーク(黒丸マーク)や三角マークは便宜的に示したものであり、実際とは異なっている。
図28は、ドラムの図柄配置表である。
左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cのそれぞれには、図28に示すような左ドラム図柄、中ドラム図柄及び右ドラム図柄が描かれた回胴帯が、各ドラムの外周部において一周するように張り付けられている。
各回胴帯には、それぞれ異なった並びの図柄が21個描かれており、ビッグボーナス図柄の「赤7」や「青7」及び各種小役図柄の十字架、チェリー、スイカ、ベル及びリプレイがある。なお、4号機では、十字架にはストックしているビッグボーナス又はレギュラーボーナス放出の契機となる機能、チェリー及びスイカには低確率状態から高確率状態へモード移行させるための抽選の契機となる機能、ベル及びリプレイには逆の機能を付与していたが、この特殊機能は5号機にはないので図柄に対応した配当数のメダルが払い出されることになる。
図27のように、ステップモータ30a、30b及び30cそれぞれに対して回胴センサ31a、31b及び31c(図示せず。)が設けられており、ステップモータの1回転に応じて各回胴センサからインデックス信号が1パルス返ってくるので、主制御部100は、インデックス信号と出力した駆動パルス信号の数により図柄番号と回転角度(24分割/図柄)を把握するとともに、図28に示す図柄配列を考慮して、各図柄がどの程度の時間経過で各ドラムの有効ライン上に到達するのかを常に認識可能となっている。
図29は、ドラム部の構成ブロック図であり、図29(A)及び図29(B)は右ドラム2cが引込制御される状態を時系列的に示している。
主制御部100は、変動表示ゲームのスタート信号を受信し、抽選結果が当選となって役が成立した場合には、有効ライン上にその役の図柄を揃えるように引き込むための引込制御を行う。
例えば、ビッグボーナス役が内部当選し、停止した左ドラム2aと中ドラム2bの右斜め下の有効ライン上に図柄「7、7」が揃っている状態において、この有効ラインから4コマ以内に図柄「7」が位置する状態で停止ボタン10cが操作されたとき(図29(A)参照)、主制御部100は、これを強制的に有効ライン上に揃えて「7、7、7」の組み合せとなるように引込制御を行う(図29(B)参照)。一方、抽選により内部当選して、いずれかの役が成立しているとしても、役に対応する所定の図柄が有効ライン上に表示されなければ遊技者に有利な状態とはならない。例えば、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)は、図29(B)のように表示されなければ開始されないようになっている。なお、この引込制御は、右ドラム2cだけではなく、左ドラム2aや中ドラム2bのいずれの図柄に対しても行うようになっている。
図29の例では、右ドラム2cの図柄「7」が丁度4コマだけ上にあり、引込制御の対象となって有効ライン上に並べられることになる。ただし、この引込制御は4コマに限定されるものではなく、設計仕様又は法規制に適応させるように引き込みコマ数をソフト制御で増減させることが可能である。
図30は、ドラム部の構成ブロック図であり、図30(A)及び図30(B)は右ドラム2cが回避制御(又は蹴飛ばし制御)される状態を時系列的に示している。
主制御部100は、変動表示ゲームのスタート信号を受信し、抽選結果がハズレとなって役が不成立の場合には、有効ライン上に当選役(ボーナスや小役)の図柄を揃えないための回避制御を行う。
例えば、ビッグボーナス役が内部当選しておらず、停止した左ドラム2aと中ドラム2bの右斜め下の有効ライン上に図柄「7、7」が揃っている場合(所謂、「リーチ状態」である。)において、遊技者が「目押し」により、この有効ラインから1コマ以内に図柄「7」が位置する状態で停止ボタン10cが操作されたとき(例えば、「ビタ押し」と呼ばれている。図30(A)参照)、主制御部100は、有効ライン上に「7、7、7」が揃わないように図柄「7」を一つ先まで移動させて強制的にハズレとする回避制御を行う(図30(B)参照)。なお、この回避制御は、右ドラム2cだけではなく、左ドラム2aや中ドラム2bのいずれの図柄に対しても行うようになっている。
図31は、インデックス信号、図柄位置データ(コマデータ)、駆動パルス信号及び停止ボタンセンサ信号との関係を示すタイミングチャートである。
図31(A)は、各回胴センサ31a、31b及び31cから出力されるインデックス信号を示しており、T1が0.751秒(つまり、79.9回転/分)で一定となるように主制御部100により制御される。
図31(B)は回転ドラムの図柄位置データ及び図31(C)は駆動パルス信号を示している。
図柄位置データは駆動パルス信号を分集することにより生成され、駆動パルス信号が24パルス毎にデータが1減算される。つまり、インデックス信号を基準とし、そこから駆動パルス信号が1パルス〜24パルスの範囲で図柄位置データは「21」、駆動パルス信号が25パルス〜48パルスの範囲で図柄位置データは「20」、駆動パルス信号が49パルス〜72パルスの範囲で図柄位置データは「19」、…、駆動パルス信号が481パルス〜504パルスの範囲で図柄位置データは「1」となり、図柄位置データは21〜1をターンアラウンドする。
駆動パルス信号は、回転ドラムを一定方向に回転させるためにモータコイルに入力される規定パターンの駆動パルスであり、図から分かるようにパターン0〜7の8つのパターン番号がある。この駆動パルス信号としてパターン番号0〜7をモータコイル1相〜4相に3度繰り返して加えると(つまり、24パルス入力すると)、1図柄(1コマ)分だけ回転ドラムが上から下へ回転する。
特に、ステップモータに入力した駆動パルスの入力パルス相データとは、回転ドラムを1コマ駆動させる0〜23の5ビットのデータであり、パターン番号0〜7はその下位3ビットの相データであって、パターン番号に対応する駆動パルスがモータコイル1相〜4相に実際に加わる。従って、ワークRAM(RAM102)にパターン番号のみを記憶した場合でも、入力パルス相データを記憶する相データ記憶手段に該当する。
図31(D)は、各停止ボタンが操作されたときに出力される停止ボタンセンサ信号を示している。この図の場合には、主制御部100は、停止ボタンセンサ信号の立ち上がり時点で、図柄位置データ「11」及び入力パルス相データ「10」(又は、パターン番号「2」)を認識する。
図32は、ドラム部に含まれる左ドラム2aの模式図である。
図32(A)に示す通り、この左ドラム2aは矢印の方向(上から下方向)へ回転しており、実線で示した3つの窓部3の上段、中段又は下段の何れかにチェリー図柄が停止すると入賞となって、所定数の遊技メダルが払い出される。なお、図32(A)は、窓部3の上段にチェリー図柄が停止した状態を示している。
主制御部100は、遊技者により変動表示ゲームの開始操作が行われると、内部抽選を行い、その結果、上段チェリー(チェリー1)が当選した場合には、停止ボタンが操作された位置(タイミング)により、チェリー図柄の引込制御(図29参照)又は回避制御(図30参照)を行う。
図32(B)は、引込制御の可能な範囲を示しており、主制御部100は、チェリー図柄が上段丁度の位置からその4コマ上の位置において停止ボタン10aが操作されると、窓部3の上段にチェリー図柄を停止させる。なお、実際には停止までに約36ms必要なのでその分だけ上に位置するが、説明の都合上このように記している。また、停止操作から190ms以内に停止することが規定されているので、4コマ滑らない場合もある。
一方、図32(C)及び図32(D)は回避制御等が行われる範囲を示しており、主制御部100は、上段チェリーが当選した場合であっても、チェリー図柄が上段位置から4コマより上の位置(つまり、図32(A)の4よりも上の位置)又は上段位置を少しでも過ぎた位置において停止ボタン10aが操作されると、上段位置の一つ上又は下段位置の一つ下にチェリー図柄を停止させハズレとする。つまり、中段チェリー(チェリー2)又は下段チェリー(チェリー3)が当選していないので、チェリー図柄を強制的に窓部3の外に停止させなければならないのである。
図33は、左ドラム2a、窓部3及び図柄位置データとの関係を示す模式図である。
図33(A)及び図33(B)に示す通り、左ドラム2a上のチェリー図柄はコマ番号8及びコマ番号19であるから(図28参照)、上段チェリーが内部当選している場合、窓部3の最下段位置を計測基準とすると、主制御部100は図柄位置データ「15」及び入力パルス相データ「0」〜図柄位置データ「11」及び入力パルス相データ「23」、又は、図柄位置データ「5」及び入力パルス相データ「0」〜図柄位置データ「1」及び入力パルス相データ「23」の範囲で停止ボタン10aが操作されるとチェリー図柄を上段に停止させて入賞とする。つまり、適当に停止ボタン10aを操作しても10/21の確率で入賞するだけではなく、当選告知を行うと熟練者であれば目押しを行って100%に近い確率で入賞させることができる。従って、図柄の停止に変化がなく、遊技性や趣向性に欠けるという問題がある。
図34は、図柄の組合せ表示判定図である。
主制御部100は、ドラムが3個すべて停止したときに、遊技メダルの投入枚数に応じた有効ライン上で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う。例えば、2枚払い出しのチェリー図柄(左ドラム2a)が窓部3に表示された場合、上段であれば4枚(2枚×2ライン:第1ライン〜第7ライン)、中段であれば14枚(2枚×7ライン:第8ライン及び第9ライン)および下段であれば2枚(2枚×1ライン:第10ライン)の遊技メダルを払い出す。
図35は、左ドラム2aとチェリー図柄停止位置との関係を示す模式図である。
主制御部100は、図柄変動表示ゲームにおいてスタート信号を受信し、内部抽選結果が上段チェリー(チェリー1)、中段チェリー(チェリー2)及び下段チェリー(チェリー3)が同時に当選となって3つのフラグが立っている場合には、遊技者による左停止ボタン10aの操作にしたがって、有効ライン上にその役のいずれか1つの図柄を揃えるように引き込むための引込制御又はその逆の回避制御を行う。
図35(A)に示す左ドラム2aは、図32(A)と同様に上から下方向へ回転しており、実線で示した3つの窓部3の上段、中段又は下段の何れかにチェリー図柄が停止すると入賞となって、所定数の遊技メダルが払い出される。
図35(B)は、チェリー図柄を引き込めない状態を示している。
チェリー図柄の下端を停止操作の計測基準とすると、図32(B)では窓部3の上段より4コマ上のコマ位置で遊技者によって左停止ボタン10aが操作されており、主制御部100は190ms以内(最大4コマスベリ以内)に左ドラム2aを停止させるので、上段より1コマ上の破線で示した位置でチェリー図柄が停止してハズレとなる。なお、図32(C)と同じ状態を示している。
図35(C)は、チェリー図柄を上段に停止させる場合を示している。
主制御部100は、チェリー図柄の下端が図の2コマ〜3コマの位置で遊技者によって左停止ボタン10aが操作されると、チェリー図柄を上段で停止させ4枚の遊技メダルを払い出す。
図35(D)は、チェリー図柄を上段又は下段に停止させる場合を示している。
主制御部100は、チェリー図柄の下端が図の1コマの位置で遊技者によって左停止ボタン10aが操作されると、チェリー図柄を上段又は下段で停止させ4枚又は2枚の遊技メダルを払い出す。なお、引き込み制御の詳細は後述する。
図35(E)は、チェリー図柄を上段、中段又は下段に停止させる場合を示している。
主制御部100は、チェリー図柄の下端が図の上段の位置で遊技者によって左停止ボタン10aが操作されると、チェリー図柄を上段、中段又は下段で停止させ4枚、14枚又は2枚の遊技メダルを払い出す。なお、引き込み制御の詳細は後述する。
図35(F)は、チェリー図柄を下段に停止させる場合を示している。
主制御部100は、チェリー図柄の下端が図の中段の位置で遊技者によって左停止ボタン10aが操作されると、チェリー図柄を下段で停止させ2枚の遊技メダルを払い出す。
図35(G)は、チェリー図柄を引き込めない状態を示している。
主制御部100は、チェリー図柄の下端が図の窓枠外の位置で遊技者によって左停止ボタン10aが操作された場合には、既に通過しているので下段より1コマ下の破線で示した位置でチェリー図柄を停止させてハズレとする。
図36は、左ドラム2a、窓部3、図柄位置データ及び図柄停止位置記憶テーブルとの関係を示す模式図であり、図35(D)の引き込み制御の詳細説明図である。
図36(A)及び図36(B)に示す通り、左ドラム2a上のチェリー図柄はコマ番号8及びコマ番号19であるから(図28参照)、上段チェリー、中段チェリー及び下段チェリーが内部当選している場合、窓部3の最下段位置を計測基準とすると、主制御部100は、図柄位置データ「12」及び入力パルス相データ「0」〜「23」、又は、図柄位置データ「2」及び入力パルス相データ「0」〜「23」の範囲で停止ボタン10aが操作されると、図柄位置及び入力パルス相に関連付けて回転している図柄を停止させる位置を一つの図柄位置に対して少なくとも2つ以上記憶する図柄停止位置記憶テーブル(図36(C)又は図36(D)参照)に基づいて、回転ドラムの停止制御を行う。つまり、主制御部100は、変動表示ゲーム中に停止ボタンが操作されたタイミングで図柄位置データ記憶手段が記憶する図柄位置データ及び相データ記憶手段が記憶する入力パルス相データを認識するとともに、認識した図柄位置データ及び入力パルス相データに基づいて回転ドラムを停止させる制御を行って、図柄停止位置記憶手段が記憶する図柄を停止させる位置である上段又は下段に回転ドラムを停止させる。
停止位置が上下段同じ比率の図36(C)の図柄停止位置記憶テーブルと比較して、図36(D)の図柄停止位置記憶テーブルは上段と下段の比率が2対1と上段で停止しやすいので、遊技者はコマ番号19のチェリー図柄を目押しで狙うと、獲得できる遊技メダル数で有利となる。しかしながら、この様に停止位置が細かく分割されているので、熟練遊技者と雖も上段に常に停止させることができるわけではない。従って、図柄の停止に変化を付けることができるので、遊技性や趣向性が増す。
図37は、左ドラム2a、窓部3、図柄位置データ及び図柄停止位置記憶テーブルとの関係を示す模式図であり、図35(E)の引き込み制御の詳細説明図である。
図37(A)及び図37(B)に示す通り、左ドラム2a上のチェリー図柄はコマ番号8及びコマ番号19であるから(図28参照)、上段チェリー、中段チェリー及び下段チェリーが内部当選している場合、窓部3の最下段位置を計測基準とすると、主制御部100は、図柄位置データ「11」及び入力パルス相データ「0」〜「23」、又は、図柄位置データ「1」及び入力パルス相データ「0」〜「23」の範囲で停止ボタン10aが操作されると、図37(C)又は図37(D)の図柄停止位置記憶テーブルに基づいて、回転ドラムの停止制御を行う。
停止位置が上中下段同じ比率の図37(C)の図柄停止位置記憶テーブルと比較して、図37(D)の図柄停止位置記憶テーブルは上段、中段と下段の比率が1対2対1と中段で停止しやすいので、遊技者はコマ番号19のチェリー図柄を目押しで狙うと、獲得できる遊技メダル数で非常に有利となる。しかしながら、この様に停止位置が大変細かく分割されているので、熟練遊技者と雖も中段に常に停止させることができるわけではない。従って、図柄の停止に変化を付けることができるので、遊技性や趣向性が大幅に増す。
図38は、ドラム部と図柄停止位置との関係を示す模式図である。
主制御部100は、図柄変動表示ゲームにおいてスタート信号を受信し、内部抽選結果がビッグボーナスの赤7図柄及びベルが同時に当選となって2つのフラグが立っている場合には、左ドラム2a及び中ドラム2bを図38(A)に示す様に停止させ、ライン9でベル及びライン10で赤7図柄のダブルリーチ状態とする。
そして、主制御部100は、遊技者による右停止ボタン10cの操作にしたがって、有効ライン上にその役のいずれか1つの図柄を揃えるように引き込むための引込制御又はその逆の回避制御を行う。
図38(A)に示すダブルリーチ状態では、右ドラム2cだけが上から下方向へ回転しており、赤7図柄又はベルが下段で停止すると入賞となって、役物連続作動装置作動や所定数の遊技メダルが払い出される。
図38(A)は、ベル図柄(コマ番号3)が下段に停止した場合を示しており、ベル図柄(コマ番号3)の下端を停止操作の計測基準とすると、窓部3の上段より2コマ上のコマ位置で遊技者によって右停止ボタン10cが操作されているので、主制御部100は4コマ滑らせてライン9にベル図柄を揃え9枚の遊技メダルを払い出す。なお、右停止ボタン10cの操作位置が2コマ上〜下段までは同様に停止させる。
図38(B)は、赤7図柄又はベル図柄を下段に停止させる場合を示している。
主制御部100は、ベル図柄の下端が図の窓枠外1の位置で遊技者によって右停止ボタン10cが操作されると、赤7図柄又はベル図柄を下段で停止させ、役物連続作動装置作動又は9枚の遊技メダルを払い出す(図38(C)及び図38(D)参照)。なお、引き込み制御の詳細は後述する。
図38(E)は、ベル図柄の下端が図の窓枠外2の位置で遊技者によって右停止ボタン10cが操作された場合を示しており、主制御部100はベル図柄(コマ番号1)を下段に停止させ、ライン9にベル図柄を揃えて9枚の遊技メダルを払い出す。
図39は、ドラム部、図柄位置データ及び図柄停止位置記憶テーブルとの関係を示す模式図であり、図38(B)〜図38(D)の引き込み制御の詳細説明図である。
図39(A)に示す通り、右ドラム2c上の赤7図柄はコマ番号2であるから(図28参照)、ビッグボーナスの赤7図柄及びベルが内部当選し、ダブルリーチ状態となっている場合、窓部3の最下段位置を計測基準とすると、主制御部100は図柄位置データ「3」及び入力パルス相データ「0」〜「23」の範囲で停止ボタン10cが操作されると、図柄位置及び入力パルス相に関連付けて回転している図柄を停止させる位置を、一つの図柄位置に対して少なくとも2つ以上記憶する図柄停止位置記憶テーブル(図39(B)参照)に基づいて、回転ドラムの停止制御を行う。つまり主制御部100は、変動表示ゲーム中に停止ボタンが操作されたタイミングで図柄位置データ記憶手段が記憶する図柄位置データ及び相データ記憶手段が記憶する入力パルス相データを認識するとともに、認識した図柄位置データ及び入力パルス相データに基づいて回転ドラムを停止させる制御を行って、図柄停止位置記憶手段が記憶する図柄(赤7図柄又はベル図柄)が下段に表示されるように回転ドラムを停止させる。
停止図柄の赤7図柄又はベル図柄が同じ比率の図39(B)の図柄停止位置記憶テーブルと比較して、図39(C)の図柄停止位置記憶テーブルは赤7図柄とベル図柄の比率が2対1と赤7図柄で停止しやすくなっており、停止確率はこの図柄の比率を任意に変更すればいいだけなので設計の自由度も高い。また、この様に停止位置が細かく分割されているので、熟練遊技者と雖も赤7図柄を常に下段に停止させることができるわけではない。従って、図柄の停止に変化を付けることができるので、遊技性や趣向性が増す。例えば、赤7図柄で停止させられない場合でも、フラグをクリアする(持ち越さない)ようにすれば、遊技者に緊迫感を与えることができる。
図40は、ドラム部、図柄位置データ及び図柄停止位置記憶テーブルとの関係を示す模式図であり、図39(A)がコマ番号1(ベル)、コマ番号2(赤7)、コマ番号3(ベル)に対して、コマ番号1(赤7)、コマ番号2(ベル)、コマ番号3(赤7)に変更している。
図40(A)に示す通り、右ドラム2c上のベル図柄はコマ番号2であるから、ビッグボーナスの赤7図柄及びベルが内部当選し、ダブルリーチ状態となっている場合、窓部3の最下段位置を計測基準とすると、主制御部100は図柄位置データ「3」及び入力パルス相データ「0」〜「23」の範囲で停止ボタン10cが操作されると、図柄位置及び入力パルス相に関連付けて回転している図柄を停止させる位置を一つの図柄位置に対して少なくとも2つ以上記憶する図柄停止位置記憶テーブル(図40(B)参照)に基づいて、回転ドラムの停止制御を行う。
停止図柄の赤7図柄又はベル図柄が同じ比率の図40(B)の図柄停止位置記憶テーブルと比較して、図40(C)の図柄停止位置記憶テーブルは赤7図柄とベル図柄の比率が5対1とベル図柄で停止しやすくなっており、その確率で赤7図柄又はベル図柄が下段に停止する。例えば、赤7図柄で停止させられない場合には、フラグをクリアしないようにして、更にその後ベル図柄が90%程度で当選するようにすれば、ビッグボーナスが作動するまでベル図柄が揃い続けるので、遊技者は多量の遊技メダルを獲得することができ、技量の差によって獲得枚数に差をつけることができる。従って、遊技性や趣向性が大幅に増大する。
図41は、表示演出装置の構成ブロック図である。
表示演出装置11は、コマンド受信部11a、表示演出制御部11b(ROM11c及びRAM11dを含む)及び表示パネル11eとを備えている。
図42は、ROM11cに格納されている演出パターンデータテーブルの記憶状態を示す概念図である。
演出コマンドは、1バイト長のモードデータと1バイト長のイベントデータからなり、演出内容である演出パターンとが対応付けて記憶されている。
副制御部160は、主制御部100から各種制御に必要な制御データを受信すると、制御データに応じた適切な演出コマンドを表示演出装置11側に送信し、コマンド受信部11aがこの演出コマンドを受信して表示演出制御部11bに渡す。
表示演出制御部11bは、演出コマンドを受け取ると、演出コマンドに対応する演出パターンをROM11cから読み出してRAM11dにデータ展開し、表示パネル11eに送信することにより、演出コマンドに応じた演出を表示画面上に表示するように構成されている。例えば、副制御部160が演出コマンドとして($Y0$00)を送信すると、表示パネル11eは「夜の演出パターン0」(第二状態にあることを主に示す第二表示ステージ)を表示するようになっている。一方、副制御部160が演出コマンドとして($Z0$00)を送信すると、表示パネル11eは「昼の演出パターン0」(第一状態にあることを主に示す第一表示ステージ)を表示するようになっている。従って、遊技者は、遊技中に高確率状態を主に示す昼ステージが表示されることを切望するのである(但し、5号機ではこのような機能はないが、単なる演出としては使用できる)。
図43は、抽選テーブルの概念図である。
抽選テーブルは、ROM101の所定のエリアに格納されており、入賞役と図柄抽選に使用する乱数値との関係を規定している。
例えば、本発明の回胴式遊技機の場合には、乱数値は0〜65535の値をランダムにとり、スタートレバー9が操作タイミングに合わせて図柄の抽選をしたとき、乱数値が0〜m1の範囲であればビッグボーナス(BB)図柄が当選となる。
同様に、乱数値がm2〜m3の範囲でレギュラーボーナス(RB)、乱数値がm4〜m5の範囲で十字架、乱数値がm6〜m7の範囲でチェリー、乱数値がm8〜m9の範囲でスイカ、乱数値がm10〜m11の範囲でベル、及び乱数値がm12〜m13の範囲でリプレイ図柄が当選となる一方、他の値で「はずれ」となる。
通常、これらのm1〜m13の数値は、法規制やゲーム性を考慮して適宜設定されるのであるが、BB当選確率は「1/300」程度、RB当選確率は「1/500」程度、十字架の当選確率は「1/100」程度、チェリー及びスイカの当選確率は「1/50」程度、ベル及びリプレイの当選確率は「1/7」程度となっている。
図44は、抽選テーブルの詳細概念図である。
抽選テーブルとしては、出玉率の段階設定値1〜6(この図では、設定1〜設定6と標記している。)及び投入メダル数に対応した6つの抽選テーブル1、抽選テーブル2…抽選テーブル6があり、主制御部は段階設定部150により設定された段階設定値及び投入メダル数に応じて抽選テーブルを選択し、変動表示ゲームにおいてボーナスゲームや複数の小役の内部抽選を実行する。なお、内部抽選でボーナスゲームが当選する期待値は、上記低確率状態及び高確率状態で説明した様に、抽選テーブル1<抽選テーブル2<…<抽選テーブル6となっているので、遊技者は高設定台を求めるのである。ただし、3枚専用機であれば、メダル数1枚の抽選テーブルは不要である。
図45は、一般遊技における図柄の組み合わせと獲得メダル枚数との関係を示した配当表である。
BB(ビッグボーナス)とは、「赤7」又は「青7」のBB図柄が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これが揃うと15枚のメダルが獲得されるとともに、対応するフラグエリアにフラグ1を立ててビッグボーナスゲーム(BBゲーム:役物連続作動装置の作動)に突入する。
RB(レギュラーボーナス)とは、変則的ではあるが「赤7、赤7、十字架」又は「青7、青7、十字架」のRB図柄が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これが揃うと15枚のメダルが獲得されるとともに、対応するフラグエリアにフラグ1を立ててレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム:第一種特別役物の作動)に突入する。
スイカ図柄又はチェリー図柄が有効ライン上に揃った場合には、それぞれ5枚又は2枚のメダルが獲得されるとともに、低確率状態にいる場合には、高確率状態へ移行させるための昇格抽選がおこなわれる。更に、低確率状態から高確率状態へ移行した場合、抽選で決定されたスイカ図柄又はチェリー図柄の一方で、夜画面(第二表示ステージ)から昼画面(第一表示ステージ)へ画面表示が切り替えられる。なお、低確率状態から高確率状態へ移行した場合でも、画面表示切り替えの抽選に当選した場合にのみ、第二表示ステージから第一表示ステージへ切り替えることもある。但し、5号機ではこのような低確率状態や高確率状態はないが、単なる演出としては使用できる。
ベル図柄が有効ライン上に揃った場合には、9枚のメダルが獲得されるとともに、高確率状態にいる場合には、低確率状態へ移行させるための降格抽選がおこなわれる。
リプレイとは、リプレイ図柄が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対して通常はメダル獲得がされず、フラグエリアにフラグ1を立て、遊技者のスタートレバー9の操作によりリプレイ動作を行ってフラグを下げる(即ち、0とする)。つまり、次回のゲームはメダルを投入することなく行うことができる一方、高確率状態にいる場合には、低確率状態へ移行させるための降格抽選がおこなわれる。
更に、ベル図柄又はリプレイ図柄が揃って降格抽選した結果、高確率状態から低確率状態へ移行した場合、抽選で決定されたベル図柄又はリプレイ図柄の一方で、昼画面(第一表示ステージ)から夜画面(第二表示ステージ)へ画面表示が切り替えられる。また、高確率状態から低確率状態へ移行した場合でも、画面表示切り替えの抽選に当選した場合にのみ、第一表示ステージから第二表示ステージへ切り替えることもある。
なお、この図には十字架図柄が記載されていないが、ストックボーナスを放出する抽選契機となる機能しかなく、十字架図柄が揃っても獲得メダル数は0だからである。
図46は、本発明に係る回胴式遊技機の内部模式図である。
回胴式遊技機本体1の筐体1aの中央部にドラム部2とその下にメダル払出装置18(メダルホッパー18)が配置されている。
また、筐体1aの右上部には反射板61及び前扉1bの左上部にはフォトセンサ60が設けられており、このフォトセンサ60と反射板61及び論理回路(図示せず)により扉異常信号出力装置113を構成する。前扉1bが閉じた状態では、フォトセンサ60から出射されたLED光が反射板61によって反射され、フォトトランジスタによって検出される一方、開いた状態では、反射光が検出されないので、前扉1bの開閉状態を認識することができる。なお、主電源が切られた状態では、扉異常信号出力装置113はバックアップ用二次電池(副電源)から供給される電力によって駆動され、主電源断時の前扉1bの異常開閉を検出及び記憶することが可能となる。
170は、電源部であり、電源スイッチ170cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、初期チェックや初期設定の後、変動表示ゲームを行うことができるようになる。
170aは、設定用キースイッチ(設定変更許可スイッチともいう)であり、出玉率の段階設定や段階確認を行うときに使用する。操作キーを鍵穴170dに差し込んで回転させることにより、OFFからONの状態又は逆のONからOFFの状態にすることができる。
170bは、エラー解除スイッチであり、出玉率の段階設定を行う時やエラーによる遊技の中止を解除する時に使用する。
4cは、メダル払出枚数表示LEDであり、出玉率の段階設定値を表示しており、エラー解除スイッチ170bを押すたびに値が+1され、「6」表示の次には「1」に戻り、ターンアラウンド表示する。
図47は、扉異常信号出力装置の回路図である。
扉異常信号出力装置113は、コネクタCN1を介して副制御部160と接続されており、電源部170の電源スイッチ170cがオン状態になると、コネクタCN1から+5Vとグランドレベルの電圧が供給される。その一方、電源スイッチ170cがオフ状態になると、二次電池の副電源BT1が供給する電力によって駆動されるので、扉異常信号出力装置113は常に前扉1bの開閉を検出及び記憶することが可能である。従って、扉異常信号出力装置113は、営業時間外などの時間帯に長時間、副電源BT1だけで駆動されることを考慮して、十分な節電対策が必要になる。
この対策の為に、扉異常信号出力装置113には、フォトセンサPS1の発光ダイオードを間欠駆動する自励式発信回路IC1aが設けられており、抵抗R12及びコンデンサC5で決まる時定数に従って、例えば、1ミリ秒ONで0.5秒OFFの駆動パルスを/Qから発生させている。その結果、発光ダイオードはほぼ同じ周期(約1ミリ秒点灯で、約0.5秒消灯)で点滅を繰り返すので、常時発光させることに比較して、消費電力が大幅に抑えられる。
前扉1bが閉じた状態において、発光ダイオードから出射された光は反射板61によって反射され、フォトトランジスタのベースがONとなり、プルアップ抵抗R2の下端(出力端子)はLOレベルとなる一方、発光ダイオードが消灯中はベースがOFFとなり、プルアップ抵抗R2の下端はHIレベルとなる。その結果、ワンショットマルチバイブレータIC1bのB入力端子には1ミリ秒LOレベルで0.5秒HIレベルの入力信号が加わる。
このワンショットマルチバイブレータIC1bは、B入力端子に加わるパルスの立下りのタイミングでQ端子からHIレベルの1パルス信号を発生させる発信機であり、接続された抵抗R14及びコンデンサC4で決まる時定数に従って、約0.7秒だけHIレベルの信号を出力する。なお、B入力端子に加わるパルスは0.5秒間隔であり、Q端子からのパルス信号は0.7秒と入力信号よりも長く、Q端子がLOレベルとなる以前に新たなHIレベルのパルス信号を発生させるので、前扉1bが閉じた状態では、Q端子出力は常にHIレベルとなる。なお、/CD端子はLOアクティブのリセット端子であって、後述する2段目のフリップフロップ回路IC2bの/Q端子と接続されており、例えば、マニュアルリセットSW1をクリックすることによってLOレベルとなるが、通常状態ではHIレベルとなっている。従って、/CD端子にHIレベルの信号が入力されている場合、前扉1bの開閉に応じてQ端子はLO/HIレベルの信号を出力する一方、LOレベルの信号が入力されている場合には常にLOレベルの信号を出力し、前扉1bが開いた状態を通知する。
ワンショットマルチバイブレータIC1bのQ端子は、電界効果トランジスタTR3のゲートに接続されており、HIレベル(5Vに近い電圧信号)が加わった場合、ソース−ドレイン間の抵抗が小さくなる。また、電界効果トランジスタTR3のドレインは、コネクタCN1の2番ピン(DOR−S)に接続されており、その先に抵抗(図示せず)でプルアップされている出力端子はGNDにつながった状態になり、電位が0V近くまで下がる。
その一方、前扉1bが開いた状態において、発光ダイオードから出射された光は反射板61によって反射されないので、発光ダイオードが消灯中と同様にベースがOFFで、プルアップ抵抗R2の下端は常にHIレベルとなる。その結果、ワンショットマルチバイブレータIC1bのB入力端子にはHIレベルの入力信号しか加わらなくなり、B入力端子にはパルスの立下りが生じないので、最終的にQ端子出力はLOレベルとなる。
そして、Q端子に接続された電界効果トランジスタTR3のゲートにはLOレベル(0Vに近い電圧信号)が加わり、ソース−ドレイン間の抵抗が大きくなるので、出力端子はプルアップ抵抗(図示せず)を介して5Vとつながった状態になり、電圧が5V近くまで上がる。
つまり、扉異常信号出力装置113は、電源部170の電源がオン状態やオフ状態に拘らず、低消費電力で前扉1bの開閉状態を検出し、電界効果トランジスタTR3のドレインに接続されたコネクタCN1の2番ピン(DOR−S)に検出結果(前扉1bが開いている場合はHIレベルで、閉じている場合はLOレベル)を出力するようになっている。例えば、副制御部160は、電源部170の電源がオン状態でアクティブ(正常動作中)の場合、コネクタCN1の2番ピンがLOレベルであれば、前扉1bが閉じていると判断して警告動作を行なわない。逆に、副制御部160は、コネクタCN1の2番ピンがHIレベルであれば、前扉1bが開いていると判断して、遊技状態表示LED部13を点滅させると共に、スピーカ部12から「扉が開いています。」と発声を繰り返して警告動作を行なう。
この警告動作を行なっている状態で、遊技ホールの管理者が電源部170の電源SW170cをオフにすると、副制御部160はインアクティブ(停止状態)となるが、扉異常信号出力装置113は副電源BT1が供給する電力によって駆動される。
まず、電源部170の電源がオフ状態になると、電界効果トランジスタTR1のゲートがHIレベルからLOレベルに変化し、その結果、ソース−ドレイン間の抵抗が大きくなるので、ドレインと接続されているプルアップ抵抗R6の出力端子は5Vとつながった状態となり、電圧がGNDレベルから5V近くまで変化する。
そして、1段目のフリップフロップ回路IC2aの/CLR端子もLOレベルからHIレベルになるので、その後CK端子に立上りパルスが入力されるとQ端子がLOレベルからHIレベルに変化する。なお、この/CLR端子はLOアクティブなので、電源SW170cがオン状態であれば、常にQ端子はLOレベルとなっている。
前扉1bが開いた状態では、ワンショットマルチバイブレータIC1bのQ端子がLOレベルであるから、反転出力の/Q端子はHIレベルとなっている。そして、遊技ホールの管理者が前扉1bを閉めることにより閉店準備は完了するが、/Q端子はHIレベルからLOレベルに変化するものの、CK端子には立下りパルスしか入力されないので、Q端子はLOレベルのままである。同様に、電源部170の電源SW170cをONのままで島電源をOFFにした場合(つまり、元電源を落とした場合)でも、フリップフロップ回路IC2aの各端子の状態は同一であるので、重複する説明を省略する。
次に、電源部170の電源SW170cがオフ状態において、前扉1bが開閉された場合の動作について詳細に説明する。
例えば、夜中に不審者やゴト師によって前扉1bが不正に開かれると、ワンショットマルチバイブレータIC1bの/Q端子はLOレベルからHIレベルに変化(逆に、Q端子はHIレベルからLOレベルに変化)し、フリップフロップ回路IC2aのCK端子に立上りパルスが入力されるので、ここで初めてフリップフロップ回路IC2aのQ端子はHIレベルとなる。
2段目のフリップフロップ回路IC2bのD端子には、フリップフロップ回路IC2aのQ端子が接続されており、同様にHIレベルとなる。
また、フリップフロップ回路IC2bのCK端子には、ワンショットマルチバイブレータIC1bのQ端子が接続されており、同様にLOレベルとなるが、その/Q端子はHIレベルのままである。
この状態で、仮に不審者等が不正改造を行なって、前扉1bを閉じずに遊技ホールから立ち去ったとしても、遊技ホールの管理者が島電源をONにすれば、副制御部160は、コネクタCN1の2番ピンがHIレベルであるのを検出し、前扉1bが開いていると判断して、警告動作を行なう。その結果、管理者は、不正に前扉1bが開けられたことを認識することができる。一方、個別に遊技機の電源をON/OFFする場合でも、開錠する前に前扉1bが開いているので、管理者は当然に異常を知ることができる。
逆に、不審者等が不正改造を行なって、前扉1bを閉じて遊技ホールから立ち去った場合には、ワンショットマルチバイブレータIC1bのQ端子がHIレベルに変化する。そして、同様にフリップフロップ回路IC2bのCK端子もLOレベルからHIレベルに変化するので、その/Q端子はLOレベルとなる。その結果、ワンショットマルチバイブレータIC1bの/CD端子はLOレベルとなってリセットされるので、ワンショットマルチバイブレータIC1bのQ端子はLOレベルに固定される。
この状態で、遊技ホールの管理者が島電源をONにすれば、副制御部160は、コネクタCN1の2番ピンがHIレベルであるのを検出し、前扉1bが閉じていても警告動作を行なうので、不正に前扉1bが開けられたことを認識することができる。また、副制御部160は、個別に遊技機の電源をON/OFFする場合でも、前扉1bの開閉状態に拘らず(つまり、前扉1bが閉じられていても)警告動作を行なうので、前扉1bの異常開閉を認識できる。
なお、マニュアルリセットSW1をクリックすれば、フリップフロップ回路IC2bの/CLRがLOレベルとなり、ワンショットマルチバイブレータIC1bの/CDは逆にHIレベルとなるので、この警告動作を強制的に解除することができる。また、遊技機の電源をONした後に、抵抗R9及びコンデンサC2で決まる時定数に従って、約2分後にフリップフロップ回路IC2bの/CLRがLOレベルとなり、自動的に警告動作をリセットするようになっている。これにより、マニュアルリセットSW1をクリックする必要はなくなる。
また、この扉異常信号出力装置113は、電源部170がOFF状態において、コネクタCN1が抜かれた場合、プルアップ抵抗R10の下端がHIレベル(+5V)となる。そして、プルアップ抵抗R11がLOレベルとなり、接続されているフリップフロップ回路IC2aの/PRがLOレベルでプリセットされ、出力QがHI(+5V)となる。その後、前扉1bが閉じられて島電源がONされれば、副制御部160は、コネクタCN1の2番ピンがHIレベルであるのを検出し、同様に前扉1bが閉じていても警告動作を行なう。従って、不正行為のためにコネクタCN1を抜き差ししても、管理者は異常を発見できる。
次に、上述の様に構成された本発明に係る遊技機の動作について、フローチャート等を参照して詳細に説明する。
まず、回胴式遊技機が工場出荷された状態では、デフォルトとして警告モードは「オン状態」で、段階設定値は最低の「1」が設定されている。
遊技ホール側は、遊技者にプレイさせる前に、回胴式遊技機本体1の前扉を開けて電源スイッチ170cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、主制御部100は初期チェックや初期設定(例えば、ROM101が記憶する段階設定値「1」及び制御データの初期値をRAM102に書き込む)を実行し、副制御部160は警告モードを「オン状態」にセットし、前扉1bが閉められると変動表示ゲームを行うことができるようになる。なお、この遊技可能状態で、遊技ホール側が再び前扉1bを開けて、入力SW部25を操作(初期化スイッチと音量スイッチを同時に押す操作)したとしても、副制御部160は、主制御部100から出玉率の段階設定モードを意味する制御データを受信していないので、警告モードを「オン状態」から他の状態(「オフ状態」又は「タイマー状態」)へ変更しない。従って、ゴト師などが警告モードを容易に変更できないという特有の効果がある。
遊技ホール側は、この設定状態で、グランドオープン、新装開店やイベントの為に、出玉率の設定変更を行おうとしていると仮定する。
図48は、遊技機の主要動作処理手順を示すフローチャートである。
遊技ホールの従業員は、回胴式遊技機本体1の前扉を開けて電源スイッチ170cを一旦オフ状態にし、設定変更キーを設定用キースイッチ170aに差し込んで右に回してON状態(図46の設定用キースイッチ拡大図参照)にし、再び電源スイッチ170cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、初期設定や初期チェックが実行された後、主制御部100はステップS200で設定用キースイッチ170aがON状態であるか否かを判断する。
主制御部100は、ON状態であればステップS210で設定変更サブルーチンを呼び出した後にステップS211へ移行する一方、ON状態でなければそのままステップS211へ移行する。
図49は、設定変更サブルーチンを示すフローチャートである。
主制御部100は、設定変更サブルーチンを呼び出すと、ステップS500で副制御部160に段階設定モード開始を意味する制御データを送信し、ステップS510に移行して、内臓のRAM102から現在の段階設定値「1」を読み込み、メダル払出枚数表示LED4cに「1」を表示する(図46参照)。なお、警告動作については図50を用いて詳細に説明する。
主制御部100は、ステップS520で、エラー解除スイッチ170bによる段階設定変更操作を受け付けて、変更された段階設定をメダル払出枚数表示LED4cに表示し(図46参照)、ステップS530でスタートレバー9が操作されたか否かを判断する。
主制御部100は、ステップS530で、スタートレバー9が操作されていなければ、ステップS520に移行して段階設定変更操作を繰り返す一方、スタートレバー9が操作された場合、ステップS540に移行する。
主制御部100は、ステップS540で、選択された段階設定値(例えば、最高値の「6」)を書き込み、RAM102に記憶しているその他の制御データを初期化(ROM101が記憶する制御データの初期値をRAM102に書き込む)するとともに、書き込んだ段階設定値を副制御部160に出力して、ステップS550に移行する。なお、副制御部160は、電池でバックアップされた内蔵RAMに段階設定値及びその履歴情報も併せて記憶する。
主制御部100は、ステップS550で、再度段階設定変更操作が行われたか否かを判断し、操作が行われた場合、ステップS520に移行して段階設定変更操作を繰り返す一方、操作が行われていない場合、ステップS560に移行する。
主制御部100は、ステップS560で、設定用キースイッチ170aがOFF状態(図46の設定用キースイッチ拡大図参照)になったか否かを判断し、ON状態のままであればステップS550に移行する一方、OFF状態であれば、ステップS570に移行する。
主制御部100は、ステップS570で、副制御部160に段階設定モード終了を意味する制御データを送信して、このサブルーチンを終了する。
図50は、サブブロックで実行される警告処理サブルーチンを示すフローチャートである。
副制御部160は、主制御部100から段階設定モード開始を意味する制御データを受信すると、ステップS600で警告発生機能がオフ状態であるか否かを判断し、オフ状態であればステップS630に移行して警告動作を解除(停止)する一方、オフ状態でなければステップS610に移行する。
副制御部160は、ステップS610で、警告発生機能がタイマー状態であるか否かを判断し、タイマー状態であればステップS620に移行する一方、タイマー状態でなければ(即ち、オン状態である)ステップS640に移行して警告を発生する。例えば、副制御部160は、この警告として、大音響の音や言葉(例えば、「設定変更中です。」)をスピーカ部12から繰り返し発生させると共に、煌びやかな光演出を遊技状態表示LED部13にて行う。また、ドラム部2を回転させて振動させることもある。
副制御部160は、ステップS620(タイマーモード)で、計時部26が計時した時間がRAM内に記憶する所定時間(例えば、営業時間帯の午前10時から午後11時)内にあるか否かを判断し、所定時間内であればステップS640に移行して警告を発生する一方、所定時間内でなければステップS630に移行して警告動作を解除(停止)する。
副制御部160は、ステップS630又はステップS640のいずれかを処理した後、ステップS650に移行して警告モードの変更操作を受け付ける。例えば、現在警告モードがオン状態であるから、入力SW部25を操作するとオフ状態となり、次に入力SW部25を操作するとタイマー状態となり、最後にオン状態にターンアラウンドする。また、警告モードは、表示演出装置11に表示されるので、ホール側はその表示を見て確認することができる。この入力SW部25の操作としては、初期化スイッチと音量スイッチの両方を同時に押し、約10秒間長押しすると変更入力が受け付けられ、警告モードが変更される。なお、警告モードを変更するために2つのスイッチを設け、同時に長押しする操作仕様としたのは、ゴト師などが警告モードを容易に変更できない様にするためである。
タイマーモードで使用する所定時間の設定は、段階設定モードにおいて、例えば、別個に設けられた時間帯設定キーで、所定時間の開始時間と終了時間を入力するようになっている。ただし、わざわざ別個に設けるまでもなく、音量スイッチにより開始時間又は終了時間を入力し、初期化スイッチで決定入力するようにしてもよい。
次に、副制御部160は、ステップS660に移行して、主制御部100から段階設定モード終了を意味する制御データを受信したか否かを判断し、受信していなければステップS600に移行して同じ動作を繰り返す一方、受信していればステップS670に移行し、警告動作を解除して終了する。
ここで図48に戻り、本発明に係る遊技機の主要動作処理手順の説明を続行する。
上述した通り、遊技ホール側が、遊技者にプレイさせる前に出玉率の段階設定値「6」を入力し、スタートレバー9を一度叩き設定値を確定させて、設定用キースイッチ170aをOFF状態にすると、主制御部100は、ステップS211で設定値を「6」とするとともに、ハードウェアの異常チェック(初期設定)及び小役機能の振り分け抽選などを実行する。
また、主制御部100は、同ステップで初期画面の表示設定を行うために、副制御部160に制御データを出力すると、例えば、副制御部160は演出コマンドとして($Y0$01)を表示演出装置11に送信する。その結果、表示パネル11eには、夜空に満月とドラキュラ城と墓地の画面で構成される「夜の演出パターン1」を表示する(図51(A)の「夜の通常画面」参照)。
次に、主制御部100は、ステップS212で設定用キースイッチ170a(2接点スイッチ)の2つの入力ポート(第一入力ポート及び第二入力ポート)の導通状態に異常があるか否かを判断し、異常がある場合には、ステップS220で異常処理サブルーチンを呼び出した後にステップS221へ移行する一方、異常がなければそのままステップS221へ移行する。
この異常処理サブルーチンにおいて、主制御部100は、ゲームが開始されていない状態で2つの設定用キースイッチ検出回路が共に非導通となった場合、コイン投入とスタートレバー操作を受け付けないようにする(遊技操作を不許可とする)と同時に、段階設定部のスイッチ操作状態を示すデータを副制御部160に送信する。
そして、副制御部160はデータを受信するとタイマーをスタートさせ、1〜3秒程度の所定時間が経過してもON又はOFFとならない場合、報知手段38により音と光及び液晶表示で異常の発生を報知し、店員の操作により異常を解除すると、異常報知を終了してステップS221へ移行する。つまり、ゴト師などが設定用キースイッチ170aを不正操作した場合には、常に警告報知を行うのである。
次に、主制御部100は、ステップS221で、メダル検出センサ130又はベットボタンセンサ140により、遊技者が遊技に必要な数量の遊技メダルを投入したか否かを確認し、所定数だけ投入した場合には、ステップS222に移行する一方、投入していなければステップS212を経由してステップS221に戻り、投入操作があるまで待機する(即ち、ステップS212とステップS221をループする)。
次に、主制御部100は、ステップS222において、遊技メダルが投入されたことを示す制御データを出力するか否かを判断し、1ゲームに1度だけ副制御部160に制御データを出力するようになっており、その後ステップS230へ移行する。
副制御部160は、この制御データを受信すると、ステップS223でスタートレバー9を操作すべき方向の表示演出をするか否かを判断し、表示するのであれば、方向表示処理サブルーチンを呼び出した後にステップS230へ移行する一方、表示しないのであればステップS223へ移行する。
例えば、副制御部160は、このステップS223において、当選確率が5%〜10%程度の抽選を行い、当選すれば表示演出を行うと判断する。また、低確率状態では当選確率が1%〜2%程度で、高確率状態では当選確率が25%〜50%程度となるように、確率状態に応じ当選確率に差をつけて抽選を行うようにすれば(換言すると、低確率状態よりも高確率状態で表示演出が当選しやすくなるようにして抽選を行えば)、方向表示演出の頻度により高確率状態にあるのか又は低確率状態にあるのかを告知できるので、遊技者はその後の変動表示ゲームに対して非常に熱くなれるのである。
図52は、表示演出装置11が表示する演出画面の模式図であり、方向表示処理サブルーチンが実行され、方向表示演出が行われた状態を示している。
図52(A)は、図51(B)に示す「昼の通常画面」に左方向の矢印のみが追加表示された場合であり、スタートレバー9を左方向に操作すべきことを、遊技者にアピールしている。なお、左方向だけではなく、右方向や上下方向の矢印を適宜表示するようになっている。
また、既に抽選が終わりボーナスゲームが当選している場合(つまり、ボーナスフラグが立っている場合)には、図52(B)及び図52(C)に示しているように、通常の矢印とは異なる方向表示演出(例えば、方向表示の矢印に「BONUS」の文字を表示したり、プレミア・キャラクタのセーラ姫などが操作方向を示す演出)を行うようにすれば、遊技者に興奮と感動を与えることができる。
ここで図48に戻り説明を続行する。
副制御部160は、ステップS224において、主制御部100から同時に送信されてくる制御データ中の投入枚数データ、払出枚数データや変動表示ゲーム回数データに基づいて、選択ゲーム処理を実行する。
図64は、選択ゲーム処理サブルーチンを示すフローチャートである。
副制御部160は、主制御部100から制御データを受信すると、ステップS800で初期化した後における差枚数や消化した変動表示ゲーム回数を計数し、ステップS810で、計数した差枚数や回数が所定数に達したか否かを判断(計数値に基づいて、選択ゲームの発動条件が満足したかを判断)し、達していればステップS820に移行する一方、達していなければ、このサブルーチンを終了する。なお、この発動条件は、初期化後において副制御部160が内部抽選(例えば、100枚〜1000枚又は30ゲーム〜500ゲームを乱数で選ぶ)で予め差枚数や回数を決定している。
副制御部160は、ステップS820で、表示演出装置11に「選択ゲームを開始しますか。開始する場合、スペシャルボタンを連打してください。」と表示し及びスピーカ部12から音声でその旨を発声させ、スペシャルボタン19を点滅させることにより、選択ゲームを発動すると共に、スペシャルボタンが連打されたか否かを監視して、連打されていればステップS830に移行する。これと同時に、表示及び音声で10秒前、9秒前、…とカウントダウンを行なうので、遊技者に更に緊張感を与えることができる。一方、連打されなければ、計数データを初期化することなく次回の発動条件を新たに決定して、このサブルーチンを終了する。
副制御部160は、遊技者がスペシャルボタンを連打するとステップS830で、表示演出装置11に「選択ゲームの倍率を決めますか。左停止ボタン10aは2倍、中停止ボタン10bは3倍、右停止ボタン10cは5倍」と表示し及びスピーカ部12から音声でその旨を発声させ、停止ボタン部の操作を待つ。そしてこれと同時に、表示及び音声で10秒前、9秒前、…とカウントダウンを行ない、その間に操作されなければ自動的に最低倍率の2倍を選択する。なお、この倍率は、計数データ(差枚数又は変動表示ゲームの回数)が大きくなればなる程、つまり差枚数や回数に応じて高くなるようになっている。例えば、差枚数が100枚での選択ゲームの倍率は二択(50%の当選確率)であっても、当選したときにはAT機能は1.2倍程度しか増加しないので、選択ゲームを行なうメリットが少ない。また、差枚数が1000枚程度になると、二択だけではなく三択や五択で且つ倍率が3倍や5倍となるので、遊技者はできるだけ遅く選択ゲームを実行しようとする。この点は、本願発明の進歩性の重要なポイントでもある。
副制御部160は、選択ゲームの倍率が決定されるとステップS840で、倍率に応じた確率で当選値を決定し、選択ゲームを実行する。例えば、遊技者が2倍を選択した場合には、まず当選値の「0」又は「1」を決定し、左停止ボタン10aと右停止ボタン10cにそれぞれ対応させて表示演出装置11に、「○、×」や「左、右」などを表示して、遊技者に選択操作を促す。なお、倍率が3倍や5倍とすると、3つの数字や5つの数字の中から当選値を1つだけ決め、三択や五択ゲームを実行する。
副制御部160は、遊技者が選択操作を実行すると、ステップS850で、選択ゲームが当選したか否かを判断(抽選値と選択された値の一致を判断)し、当選の場合には、その後の変動表示ゲーム(一般ゲーム)において、投入枚数や差枚数又は変動表示ゲームの回数及び当選倍率に応じた数量の遊技媒体が増加するまでAT機能(補助情報通知手段により補助情報を通知する機能)を発動させ、ステップS870で差枚数又は変動表示ゲームの回数を初期化して、このサブルーチンを終了する。つまり、投入枚数や差枚数が500枚と仮定すると、倍率が2倍であれば1000枚純増、倍率が5倍であれば2500枚純増するまでAT機能が発動する。なお、上述したとおり、計数値に応じて純増枚数が選択ゲームの期待値に近づくようになっている。換言すれば、二択ゲームであれば、期待値は二分の一であるから、純増枚数も計数値に応じて2倍に近づく。従って、負けが込んでいても取り戻せる可能性があるので、遊技者は大逆転に期待するのである。
これに対し、選択ゲームで落選すると、副制御部160はステップS870で計数データを初期化して、このサブルーチンを終了する。その結果、初期値に戻るので、一からやり直しとなるのである。
ここで図48に戻り、本発明に係る遊技機の主要動作処理手順の説明を続行する。
次に、主制御部100は、ステップS230で、遊技者がスタートレバーを操作して、変動表示ゲームを開始させたか否か確認し、開始させた場合には、ステップS240に移行する一方、開始させていなければステップS212に戻り、開始操作があるまで待機する(即ち、ステップS212〜ステップS230をループする)。
次に、主制御部100は、ステップS240において、変動表示ゲームのメイン処理を実行する。例えば、遊技者が所定数のメダルを投入後、スタートレバー9を操作すると、スタートSWセンサ110からスタート信号が出力されるので、まずワークRAM領域に記憶している段階設定値のデータが0〜5(メダル払出枚数表示LED4cに表示される段階設定値は各々1〜6に対応する)の範囲内にあるか否かを確認する。
主制御部100は、段階設定値が所定の範囲内になければ、表示演出装置11、スピーカ部12及び遊技状態表示LED部13により警告(「EE」エラーの文字表示、発光及び警告音)を発生させてエラー処理を行わせる一方、所定の範囲内にあれば、以下で説明する乱数抽選を行って変動表示ゲームを続行する。
この「EE」エラーが発生した場合、パチンコホール等の店員は設定変更スイッチの操作を行って、段階設定値を所定範囲の中から1つ選択して新たにRAM102に記憶させると、その後主制御部100は、新たに記憶した段階設定値を使用して変動表示ゲームの当落を決定する。また、主制御部100は、段階設定値を新たにRAM102に記憶させる場合、段階設定値をメダル払出枚数表示LED4cに表示しない。その一方、段階設定値に応じた音や映像(例えば、段階設定値「1」の場合、「ピッ」という音又は1匹のコウモリが表示演出装置11に表示される。)により間接的に表示される。そして、RAM102に記憶している制御データは、ROM101が記憶する制御データの初期値に書き換えられてリセット(初期化)される。
他の実施例としては、「EE」エラーが発生した場合、パチンコホール等の店員が設定変更スイッチの操作を行って段階設定値を所定範囲の中から1つ選択したとき、副制御部160は主制御部100から受信した段階設定値と内蔵RAMに記憶する段階設定値とが一致した場合、一致した旨を表示又は報知する。例えば、副制御部160は、表示演出装置11に「開店時の段階設定値と一致しました。」を表示して、及びスピーカ部12からビープ音を発生させたり、音声で「開店時の段階設定値と一致しました。」の報知を繰り返す。その後、主制御部100は、副制御部160が一致した旨を表示又は報知している状態で、段階設定部150が操作された場合、送信した段階設定値を新たにRAM102に記憶させるとともに、新たに記憶した段階設定値を使用して変動表示ゲームの当落を決定する。この様にすることで、遊技者は安心して遊技を続行できる。
そして、主制御部100は、段階設定値が所定の範囲内にあれば、スタート信号の受信タイミングに合わせて乱数抽選を行い、乱数抽選した値と低確率状態の抽選テーブルとを比較して、入賞したか否かを判断する(図43の説明参照)。
次に、主制御部100は、副制御部160に抽選結果コマンドとゲームスタート信号を送信するとともに、ドラム部2を一斉に回転させて、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2c上に表示された複数の図柄(本実施例の場合は、各ドラムには21個の図柄が表示されている)を変動させる変動表示ゲームを開始する。
副制御部160は、選択ゲームで当選している場合、所定枚数のメダルが増加するまでAT機能を発動させて、停止ボタン部の操作をアシストする。例えば、遊技者に音声で「赤7図柄を狙え」とか、押し順として「中、右、左」というように操作方法を通知することにより、内部当選している図柄を揃えやすくする(つまり、取りこぼしを無くす)。また、副制御部160は、所定枚数のメダルが順蔵した時点でアシストを終了する。
副制御部160は、この抽選結果コマンド、ゲームスタート信号とスタートレバー9が操作された際に操作方向センサ111から出力される上下左右の方向信号に基づいて、表示演出装置11に乱数抽選結果と操作方向に応じた告知表示を行って、遊技者に注意を喚起するとともに、抽選結果コマンドが「BB当選」の場合には、受信したゲームスタート信号の累積数に基づいて、前回から今回の「BB当選」までに要した図柄変動表示ゲームの回数を計数し、RAM162に記憶する。
例えば、告知表示では、方向表示演出が行われていない状態で、ビッグボーナス又はレギュラーボーナスが当選した場合は、大当り前兆モードのドラキュラミッションをスタートさせて、ドラキュラ城の門を拡大表示し(図53(A)参照)、ドラキュラ城内部に侵入して閉まった扉を開けて(図53(B)及び図53(C)参照)、ドラキュラ城内の絢爛豪華な神殿を表示する(図53(D)参照)。また、他のプレミア告知表示としては、キャラクタの執事が「オリャー」という叫び声及び「ティロロロローン」という効果音と共に、画面中央の墓穴から「BONUS」の文字やプレミア・キャラクタの「セーラ姫」を掘り起こして登場する(図54(A)及び図54(B)参照)。
更に、レア小役と呼ばれるチェリーやスイカ、又はベルやレプレイの告知表示を行う場合、停止ボタン部10が操作される以前に、それぞれ赤色や緑色、又は黄色や銀色のコウモリが「バサッ、バサッ、バサッ」という効果音と共に、画面中央に表示されているドラキュラ城から飛んでくる様子を表示する一方(図55参照)、ハズレの場合は特別な告知表示を全く行わない。但し、ハズレの場合でも、遊技者に緊張感を持たせてゲーム性を向上させるために、ボーナスやレア小役告知と同様に、必要に応じてハズレを意味する黒色のコウモリを画面上に飛ばしたり、執事が墓穴からドクロを掘り起こして登場することもある。
一方、副制御部160は、遊技者が変動表示ゲームの開始操作を行うより前に方向表示演出を行った状態で、且つ抽選結果コマンド、ゲームスタート信号と方向信号を受信すると、内部抽選の結果に関連する複数の映像演出の中から、方向信号によって示された方向に従って、表示する映像演出を選択して、表示演出装置11に表示する。
例えば、副制御部160は、図52(A)の表示状態で、遊技者がスタートレバー9を左方向に操作した場合(即ち、入力されるべき方向を表示装置に表示し、且つ、入力方向検出手段によって検出された方向が表示装置に表示した方向と一致する場合)、検出された方向に表示画面をスクロールさせ、抽選結果コマンドに基づいて、当選小役のチェリーやスイカ、又はベルやレプレイ図柄を表示して遊技者に告知する。なお、抽選結果コマンドによりボーナスゲームが当選したときには、検出された方向とは異なる方向(即ち、左以外の方向)に表示画面をスクロールさせたり、又は、表示画面をスクロールさせることなく、ボーナスゲームが当選したことを示す映像演出を表示演出装置11に表示する。
逆に、図52(A)の表示状態で、遊技者がスタートレバー9を左方向以外に操作した場合(即ち、入力されるべき方向を表示装置に表示し、且つ、入力方向検出手段によって検出された方向が表示装置に表示した方向と一致しない場合)、表示画面をスクロールさせることなく、抽選結果コマンドに基づいて、当選小役のチェリーやスイカ、又はベルやレプレイ図柄を表示して遊技者に告知する。なお、抽選結果コマンドによりボーナスゲームが当選したときには、検出された方向又は入力されるべき方向(即ち、左方向)に表示画面をスクロールさせ、ボーナスゲームが当選したことを示す映像演出を表示演出装置11に表示する。
また、副制御部160は、図52(B)又は図52(C)の表示状態で、遊技者がスタートレバー9を左方向に操作した場合(即ち、入力されるべき方向を表示装置に表示し、且つ、入力方向検出手段によって検出された方向が表示装置に表示した方向と一致する場合)、検出された方向に表示画面をスクロールさせ、ボーナスゲームが当選したことを示す映像演出を表示演出装置11に表示する(図54(A)又は図54(B)参照)。その一方、ボーナスゲームが当選し、入力すべき方向を表示装置に表示したにも拘わらず、遊技者がスタートレバー9を他の方向に操作した場合には、ボーナスゲームの当選を無効にするようにしてもよい。こうすることにより、遊技者に緊張感を与えることができる。なお、一旦ボーナスゲームの当選無効を表示して、その後、ボーナスゲームを再度当選させるようにしてもよい。
なお、図56(A)乃至図56(C)に示すように、方向表示演出は1方向だけではなく、上下左右の4方向から複数選択して同時に表示するようにしてもよい(例えば、矢印は2つから4つということである)。
また、図57(A)乃至図57(C)に示すように、複数の矢印に抽選結果を表示し、遊技者に所望の結果を選択させるようにしてもよい。
この場合、左方向に操作すると「BONUS」、右方向に操作すると「NG」、上方向に操作すると「複数のQuestion Mark」、下方向に操作すると「PRESENT」であり、遊技者がそれぞれ矢印の方向に操作すると、抽選結果は「ボーナス」、「はずれ」、「不明」及び「何かが当る(例えば、高確率状態となる)」ことを意味している。
ここで図48に戻り説明を続行する。
主制御部100は、ステップS240において、図29及び図30で説明した通り、内部抽選の結果、当選となって役が成立した場合には、有効ライン上にその役の図柄を揃えるための引込制御や、逆にハズレとなって役が不成立の場合には、有効ライン上に当選役(ボーナスや小役)の図柄を揃えないための回避制御を行う。
そして、主制御部100は、一般遊技の各変動表示ゲームにおいて、同一図柄が有効ライン上に並んで窓部3に表示されれば入賞とし、図45に示す配当表に従って、遊技メダルをメダル払出装置(一般に「メダルホッパー」と呼ばれている。)から払い出し、メダル払出口16より排出して、ステップS250に移行する。なお、赤7又は青7が3つ揃ったビッグボーナスゲーム(BBゲーム)においては、直ちに6ゲームで1セットのRBゲーム(ジャックゲーム又は第一種特別役物)が繰り返し作動され、獲得枚数が375枚を超えた時点でBBゲームモードを終了する。また、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)においては、6ゲームのジャックゲームを実行し、RBゲームモードを終了する。なお、副制御部160は、ROM161から読み出した映像データに基づいて、歌詞のテロップ及び背景映像(静止画又は動画のいずれでもよい)を表示演出装置11に表示するとともに、RAM162に記憶した「BB当選」までに要した図柄変動表示ゲームの回数が所定数を超える場合(例えば、101回以上の場合)、BGMとして歌手の歌声が入っていないカラオケ(第一楽曲)を演奏する一方、所定数以下の場合(例えば、100回以下の場合)、歌声入りのBGM(つまり、第二楽曲として歌手の歌声と当該カラオケ)を演奏する。当然ながら、通常のカラオケと同様に、この歌詞テロップの色替り表示とBGM演奏とは同期している。
次に、主制御部100は、ステップS250で内部抽選の結果、抽選小役が成立したか否かを判断し、成立の場合にはステップS260へ移行する一方、不成立の場合にはステップS212に戻って、同様の処理を繰り返す。
図58は、回胴式遊技機の昇格表示ステージ処理サブルーチンを示すフローチャートである。
主制御部100は、このサブルーチンに入ると、ステップS300で大当り確率が低確率状態で且つ成立した抽選小役が高確率状態へモード移行させるための抽選の契機となる昇格抽選小役(チェリー又はスイカ)か否かを判断し、低確率且つ昇格抽選小役でなければ、終了してこのサブルーチンを抜ける一方、昇格抽選小役であればステップS310へ移行する。
主制御部100は、ステップS310へ移行すると、低確率状態から高確率状態へのモード移行抽選を行い、ハズレであれば、終了してこのサブルーチンを抜ける一方(即ち、低確率状態を維持する)、当選であれば、ステップS320で高確率状態へモード移行させた後、ステップS330へ移行する。
主制御部100は、ステップS330へ移行すると、当該昇格抽選小役が表示装置の表示ステージを切り替えるための第一抽選小役(この場合、チェリー)か否かを判断し、第一抽選小役でなければ、終了してこのサブルーチンを抜ける一方、第一抽選小役であればステップS340へ移行する。
主制御部100は、ステップS340へ移行すると、夜ステージから昼ステージ(即ち、第二表示ステージから第一表示ステージ)への画面の表示切替抽選を行い、ハズレであれば、終了してこのサブルーチンを抜ける一方(即ち、夜ステージを維持する)、当選であれば、ステップS350で、画面一杯に時計を表示して、「カーン、カーン、カーン、ウォウォウォウォ」という効果音と共に時計の針を高速で回転させた後、昼ステージへ画面を切り替えて終了する(図51(B)「昼の通常画面」参照)。なお、このサブルーチンでは、画面の表示切替抽選を行うステップS340を設けているが、ステップS340を無くし表示切替抽選を実行することなくステップS350へ移行して、第一抽選小役のチェリーであれば全て画面表示を切り替るようにしてもよい。
最後に、主制御部100は、昇格表示ステージ処理サブルーチンを抜けると、図48のステップS270へ移行し、降格表示ステージ処理サブルーチンを呼び出す。
図59は、回胴式遊技機の降格表示ステージ処理サブルーチンを示すフローチャートである。
主制御部100は、このサブルーチンに入ると、ステップS400で大当り確率が高確率状態で且つ成立した抽選小役が低確率状態へモード移行させるための抽選の契機となる降格抽選小役(ベル又はリプレイ)か否かを判断し、高確率且つ降格抽選小役でなければ、終了してこのサブルーチンを抜ける一方、降格抽選小役であればステップS410へ移行する。
主制御部100は、ステップS410へ移行すると、高確率状態から低確率状態へのモード移行抽選を行い、ハズレであれば、終了してこのサブルーチンを抜ける一方(即ち、高確率状態を維持する)、当選であれば、ステップS420で低確率状態へモード移行させた後、ステップS430へ移行する。
主制御部100は、ステップS430へ移行すると、当該降格抽選小役が表示装置の表示ステージを切り替えるための第三抽選小役(この場合、ベル)か否かを判断し、第三抽選小役でなければ、終了してこのサブルーチンを抜ける一方、第三抽選小役であればステップS440へ移行する。
主制御部100は、ステップS440へ移行すると、昼ステージから夜ステージ(即ち、第一表示ステージから第二表示ステージ)への画面の表示切替抽選を行い、ハズレであれば、終了してこのサブルーチンを抜ける一方(即ち、昼ステージを維持する)、当選であれば、ステップS450で、画面一杯に時計を表示して、「カーン、カーン、カーン、ウォウォウォウォ」という効果音と共に時計の針を高速で回転させた後、夜ステージへ画面を切り替えて終了する。なお、このサブルーチンでは、画面の表示切替抽選を行うステップS440を設けているが、ステップS440を無くし表示切替抽選を実行することなくステップS450へ移行して、第三抽選小役のベルであれば全て画面表示を切り替るようにしてもよい。
図60は、本発明に係る回胴式遊技機の模式図であり、図60(A)は正面模式図及び図60(B)は要部拡大図である。
図1で示したマックスベットボタン8の位置付近に、ジョイスティック9eを設けたものである。このジョイスティック9eは、図17に示したスタートレバー9とマックスベットボタン8の機能を有しており、スタートSWセンサ110及び操作方向センサ111を備えるスタートレバー9のグリップ9a頂部にマックスベットボタン8を取り付けた様な構造をしている。
変動表示ゲームを行うに際して、遊技者は、まず左手でジョイスティック9eを軽く握り、左手親指をマックスベットボタン8に添えるように乗せる。
この状態で、遊技者がマックスベットボタン8を押し込むと、貯留装置に貯留されている遊技媒体が所定数だけ投入され、ジョイスティック9eを上下左右(UP、DOWN、LEFT及びRIGHT)方向の何れかに操作すると、スタートSWセンサ110からスタート信号が発生し、操作方向センサ111からジョイスティックが操作された方向が検出されると共に、主制御部100はボーナスゲームや複数の小役を当選させる為の内部抽選を実行し、複数の回胴を回転させて、回胴上に表示された複数の図柄を変動させ、内部抽選結果に関連する映像演出を表示装置に表示するようになっている。
図17で説明した通り、操作方向センサ111は、スタートレバー9が操作される上下左右の方向に対応する信号を出力する4つのセンサで構成されており、その出力信号は副制御部160に直接入る一方、主制御部100には一切入力されない。また、マックスベットボタン8をジョイスティック9eの頂部に設けても、遊技結果に何ら影響するものではない。
従って、本願発明の様に構成することは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(最終改正:平成一五年五月三〇日法律第五五号)に違反するものではない。
なお、その他の構成や動作については、図1乃至図59で説明した内容と同じであるので重複する説明を省略する。
第二実施例:
図61は、遊技機の制御回路系(メインブロック)のブロック図であり、第2実施例として本発明の特徴である改良型主制御基板を示しており、図20(B)の従来型主制御基板に対して、ラッチ回路182及びループ回路183を設け、ロック信号を新たに発生させた点が相違する。
ここで第2実施例である改良型主制御基板の動作原理を説明する。
パチンコホールが打ち込み機を使用して不正行為を行なう場合、まず主電源を一旦OFFにして、4つのコネクタ181のいずれかを抜いた後、打ち込み機のコネクタを接続する。この時、バックアップ電源が入っているので、ラッチ回路182はループ回路183がOPENとなることにより、コネクタ181が抜かれたこと(つまり、セット入力)を検出してロック信号を出力する。
この状態で主電源をONにすると、CPU100は、ロック信号を検出し、エラー処理を行なって、警告音発生と及び警告表示を行なう。
そして、リセットSW185が操作されると、CPU100は、リセット信号をラッチ回路182に出力してロック信号を解除すると共に、RAM(図示せず)に記憶するボーナスフラグをクリアして、変動表示ゲームの待機状態とする。ただし、リセットSW185が操作されても、ロック信号を検出していない場合には、CPU100はボーナスフラグをクリアしないので、リセットSW185の操作は通常のエラー解除操作となる。この点は、本願発明が進歩性を有する特徴の一つである。なお、通常のエラーとは、ホッパーエラー、ドアオープン、セレクターエラーなどのエラー信号186が入力されている場合である。
パチンコホールは、このエラー解除後の待機状態において、打ち込み機を使用し、1時間〜数時間連続して自動的にゲームを行なわせることにより、ボーナスフラグをRAM(図示せず)に一時的に記憶させることは可能である。
しかし、実遊技に供する場合、抜いたコネクタ181を元通りに接続し直す必要があるので、この際にループ回路183が一旦OPENとなり、ボーナスフラグは記憶されているものの、ラッチ回路182はロック信号を出力することになる。
CPU100は、この状態で主電源がONにされてもロック信号を検出し、エラー処理を行なっているので、ゲームを開始することはない。その結果、打ち込み機を使用した不正行為を回避することが可能となる。
図62は、改良型主制御基板上の各種制御信号のタイミングチャートである。
コネクタ181が抜かれると、ラッチ回路182にはセット信号が入力され(図では、セット入力と記載)、その結果、ラッチ出力としてロック信号を発生させる。
この状態でCPU100は、ロック信号を検出してエラー処理を行なうが、リセットSW185が操作されエラー解除ONになると、ラッチ回路182にリセット信号を入力(リセット入力)してロック信号を解除すると共に、ロック信号を検出している場合には、ボーナスフラグをクリアする一方、ロック信号を検出していない場合には、ボーナスフラグをクリアしない。その結果、従来から存在する一つのエラー解除スイッチ(リセットSW185)でエラーリセットを行なうことができる。
図63は、エラー処理中に呼び出されるロック信号サブルーチンを示すフローチャートである。
主制御部100は、エラー処理のメインルーチンを実行中にこのロック信号サブルーチンを呼び出すと、ステップS700で、ロック信号があるか否かを判断し、ロック信号がない場合にはエラー処理のメインルーチンに戻る一方、ロック信号がある場合にはステップS701に移行する。
主制御部100は、ステップS701で、遊技をロック状態にしてエラー処理(表示及び警告)をし、ステップS702でリセットSW185が操作(エラー解除SWがON)されたか否かを判断し、操作されていない場合ステップS701に移行してループ状態となる一方、操作されている場合ステップS703に移行する。
主制御部100は、ステップS703で、ボーナスフラグがONか否かを判断し、ONの場合にはボーナスフラグをクリア(つまり、OFF)する一方、OFFの場合にはクリアすることなくステップS705に移行して、ラッチ回路182にリセット信号を出力してサブルーチンを終了する。