JP2008139539A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】両面プリントを行う場合、1面目のプリント時と2面目のプリント時のいずれにおいても、中間転写ベルト等の像担持体上のトナー像を記録媒体へ良好に転写できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体30上のトナー像を記録媒体36へ転写させるため、像担持体30と共に記録媒体36を挟圧する転写ローラ40と、転写ローラ40に転写バイアスVtを印加する転写バイアス印加装置74と、転写バイアスVtの制御を、定電圧制御と定電流制御との間で切り替え可能に行う制御部70とを備え、記録媒体36の両面に順にプリント可能な画像形成装置2において、制御部70を、記録媒体36の1面目にプリントするときに定電圧制御を行い、記録媒体36の2面目にプリントするときに定電流制御を行うように設定する。
【選択図】図2
【解決手段】像担持体30上のトナー像を記録媒体36へ転写させるため、像担持体30と共に記録媒体36を挟圧する転写ローラ40と、転写ローラ40に転写バイアスVtを印加する転写バイアス印加装置74と、転写バイアスVtの制御を、定電圧制御と定電流制御との間で切り替え可能に行う制御部70とを備え、記録媒体36の両面に順にプリント可能な画像形成装置2において、制御部70を、記録媒体36の1面目にプリントするときに定電圧制御を行い、記録媒体36の2面目にプリントするときに定電流制御を行うように設定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、両面プリントが可能な電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、複写機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの機能を複合的に備えた複合機等の画像形成装置に関する。
カラー画像形成装置として、所謂4サイクル方式または所謂タンデム方式の画像形成装置が知られている。これらのカラー画像形成装置では、静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像が、静電潜像担持体と一次転写ローラとのニップ部で、このニップ部を通る中間転写ベルトへ転写(一次転写)され、一次転写により4色のトナー像が中間転写ベルト上に重ねられることでフルカラーの画像が形成される。このフルカラー画像は、中間転写体と二次転写ローラとのニップ部において、このニップ部を通る用紙等の記録媒体へ転写(二次転写)される。
二次転写の際、トナーを中間転写ベルトから記録媒体へ移動させる電界を、中間転写ベルトと二次転写ローラとの間に形成するため、二次転写ローラにはトナーの極性と反対側の極性の転写バイアスが印加される。
二次転写ローラに印加される転写バイアスを制御する方式として、定電圧制御および定電流制御が提案されている。例えば、特許文献1には、転写バイアスを制御する方式を、転写ローラの電気抵抗値等に応じて、定電圧制御と定電流制御との間で切り替える技術が開示されている。
特開2000−221810号公報
しかしながら、両面プリントを行う際、定電流制御により制御した転写バイアスを二次転写ローラに印加した状態で1面目のプリントを行うと、次の不具合が生じる。
具体的に説明すると、1面目のプリントを行う際、二次転写ローラ140の電気抵抗値が小さい場合、図14(a)の矢印Gで示されるように、トナー部分(画像部126)に転写電流が流れ難く、図中矢印Hおよび矢印Iで示されるように、画像部126に流れることができなかった電流が、二次転写ローラ140の内部を通って、トナーがない部分(非画像部128)へ流れるため、非画像部128に過剰な電流が流れてしまう。これは、画像部126では、中間転写ベルト130と記録媒体136との間にトナーが介在することから、画像部126の電気抵抗値が非画像部128よりも顕著に大きいために生じる。そのため、画像のパターンによっては著しい転写不良が発生する恐れがある。
また、1面目のプリントを行う際、吸湿等により記録媒体136の電気抵抗値が小さい場合、上記と同じ理由により、図14(b)の矢印Jで示されるように画像部126に転写電流が流れ難く、図中矢印Kおよび矢印Lで示されるように非画像部128に過剰な電流が流れてしまい、転写不良が発生する恐れがある。
一方、定電圧制御により制御した転写バイアスを二次転写ローラに印加した状態で両面プリントを行うと、2面目のプリント時に、直径0.1mm〜1mm程度の白点状の転写抜け(以下、「ボイド」という。)が発生する恐れがある。これは、2面目のプリントを行う際、記録媒体が、1面目の定着時の加熱により不均一に乾燥しており、部位によって電気抵抗値のバラツキが生じているため、記録媒体の電気抵抗値が小さい部分に集中的に電流が流れて、放電が生じるためである。
そこで、本発明は、両面プリントを行う場合、1面目のプリント時と2面目のプリント時のいずれにおいても、中間転写ベルト等の像担持体上のトナー像を記録媒体へ良好に転写できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
像担持体上のトナー像を記録媒体へ転写させるため、上記像担持体と共に上記記録媒体を挟圧する転写ローラと、
該転写ローラに転写バイアスを印加する転写バイアス印加装置と、
上記転写バイアスの制御を、定電圧制御と定電流制御との間で切り替え可能に行う制御部とを備え、
上記記録媒体の両面に順にプリント可能な画像形成装置であって、
上記制御部は、上記記録媒体の1面目にプリントするときに上記定電圧制御を行い、上記記録媒体の2面目にプリントするときに上記定電流制御を行うことを特徴とする。
像担持体上のトナー像を記録媒体へ転写させるため、上記像担持体と共に上記記録媒体を挟圧する転写ローラと、
該転写ローラに転写バイアスを印加する転写バイアス印加装置と、
上記転写バイアスの制御を、定電圧制御と定電流制御との間で切り替え可能に行う制御部とを備え、
上記記録媒体の両面に順にプリント可能な画像形成装置であって、
上記制御部は、上記記録媒体の1面目にプリントするときに上記定電圧制御を行い、上記記録媒体の2面目にプリントするときに上記定電流制御を行うことを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、転写ローラに印加される転写バイアスを制御する制御部が、1面目のプリント時には定電圧制御を行うため、電気抵抗値が小さい転写ローラや記録媒体を使用しても、非画像部よりも電気抵抗値が大きい画像部へ所要量の電流を流すことができる。したがって、記録媒体の1面目への転写時において、画像パターンに関わらず転写不良を防止できる。また、制御部は、2面目のプリント時には定電流制御を行うため、画像形成装置の連続使用による機内温度の上昇に伴い、転写ローラの電気抵抗が低下しても、最適な大きさの電流を記録媒体に流すことができ、記録媒体の電気抵抗値が小さい部分に過剰な電流が集中的に流れることを防止できる。したがって、記録媒体の2面目への転写時において、記録媒体の放電を防止でき、ボイドが発生することを防止できる。よって、両面プリントを行う際、中間転写ベルト等の像担持体上のトナー像を、記録媒体の1面目および2面目へ良好に転写できる。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置2の概略構成を示す。画像形成装置2は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置である。現在、電子写真方式の画像形成装置として種々の形態のものが提案されているが、図示する画像形成装置は所謂タンデム方式のカラー画像形成装置である。ただし、本発明は、この種の画像形成装置にのみ適用されるものではなく、例えば、所謂4サイクル方式のカラー画像形成装置、または、静電潜像担持体上のトナー像を記録媒体に直接転写させる直接転写方式のカラー画像形成装置等にも等しく適用できる。さらに、本発明は、一つの現像装置しか備えていないモノクロ画像形成装置にも適用可能である。
画像形成装置2は、原稿画像を読み取るための画像読み取り部20と、読み取った画像をプリントするためのプリント部22を有する。
画像読み取り部20は、公知の機構により原稿画像を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に色分解して読み取るとともに、赤(R)、緑(G)、青(B)の画像データを作成するように構成されている。なお、図において、符号24は、プリントに関する各種情報を表示するための表示部であり、符号25は、プリントの開始操作を行ったりプリントに関する各種設定操作を行ったりするためのパネル操作部である。
プリント部22は、無端状の中間転写ベルト30(特許請求の範囲における像担持体に対応。)を有する。中間転写ベルト30には、転写性能に優れた素材が用いられ、具体的には、例えばポリイミドが用いられる。また、中間転写ベルト30としては、厚みが例えば50μm以上150μm以下であるものが好適に用いられる。
本実施形態では、中間転写ベルト30は図面の右側と左側にそれぞれ配置された一対のローラ32,34に巻回されている。図面の右側のローラ32は、図示しないモータに駆動連結された駆動ローラであり、モータの駆動に基づいて該モータに連結された駆動ローラ32が回転し、ベルト30とこれに接する他方のローラ34が図中反時計回り方向に回転するようにしてある。
駆動ローラ32としては、外径が例えば12mm以上30mm以下のものが好適に用いられ、これにより、装置の小型化を図ることができる。駆動ローラ32の少なくとも表面は、ゴムまたはウレタン等の摩擦係数が大きい素材で構成されており、これにより、中間転写ベルト30との摩擦力が高められ、駆動力を中間転写ベルト30へ良好に伝達できる。
また、駆動ローラ32と中間転写ベルト30との摩擦力を十分に確保するため、中間転写ベルト30は、複数のローラ32,34により所定の張力が与えられている。中間転写ベルト30に与える張力の大きさは、例えば15N以上50N以下とすることが好ましい。
図中右側に配置されている駆動ローラ32に支持されているベルト部分の外側には、ベルト30と共に記録媒体36を挟圧する二次転写ローラ40が設けてある。二次転写ローラ40は、ベルト30外周面に接触しており、その接触部(ニップ部)が二次転写領域41を形成している。二次転写ローラ40としては、例えばイオン導電性ローラが用いられるが、電子導電性ローラを用いることもできる。
図2に示すように、二次転写ローラ40には、ローラ40に二次転写バイアスVtを印加する電源74(特許請求の範囲における転写バイアス印加装置に対応。)が接続されている。電源74は、その内部に図示しない制御回路を備えている。
図1に戻って、図中左側に配置されているローラ34に支持されているベルト部分の外側には、中間転写ベルトクリーニングブレード42が設けてある。クリーニングブレード42はベルト30を介してローラ34に圧接しており、その接触部が未転写トナーを回収する回収領域62を形成している。
図中左側のローラ34から図中右側のローラ32に移動するベルト部分の下には、図中左側から右側に向かって順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像剤をそれぞれ用いて対応する色のトナー像を作成する4つの作像部3(3Y,3M,3C,3K)が、中間転写ベルト30に沿って配置されている。
各作像部3は、静電潜像担持体として円筒状の感光体4を有する。感光体4の周囲には、その回転方向(図中時計回り方向)に沿って順に、帯電器8、露光装置10、現像装置18、一次転写ローラ14、および感光体クリーニング部材16が配置されている。
一次転写ローラ14は無端状中間転写ベルト30の内側に配置されている。一次転写ローラ14は、図1に示すように中間転写ベルト30に圧接した位置と、中間転写ベルト30から離間した位置との間で切り替え可能に配置されている。なお、一次転写ローラ14には、図示しない高圧電源が接続されており、画像形成時において高圧電源により一次転写ローラ14に一次転写バイアスが印加される。
プリント部22の上部には、プリントに関する各種動作を制御する制御部70が設けられている。制御部70では、二次転写バイアスVtの制御が行われるが、二次転写バイアスVtの制御の具体的な構成は後述する。
プリント部22の下部には、給紙装置として給紙カセット44が着脱可能に配置されている。給紙カセット44内に積載収容された用紙等の記録媒体36は、給紙カセット44の近傍に配置された給紙ローラ52の回転によって最上部のものから1枚ずつ第1の搬送路50に送り出される。
給紙ローラ52の近傍には、所定のタイミングで用紙36を二次転写領域41へ送り出すためのレジストローラ54が設けられている。レジストローラ54の近傍には、用紙36の先端を検出するための検出センサ55が設けられている。
片面プリントの際、および、両面プリントの1面目のプリントの際に記録媒体36が搬送される第1の搬送路50は、給紙カセット44から、レジストローラ対54のニップ部、二次転写領域41、定着ローラ対56のニップ部、および排紙ローラ対60のニップ部を通って、プリント部22の上部に設けられた排紙部61まで延びている。
画像形成装置2の右側端部には、両面プリント用ユニット84が設けられている。両面プリント用ユニット84の内部には、両面プリントの2面目のプリントの際に記録媒体36が搬送される第2の搬送路86が形成されている。
第2の搬送路86は、両面プリント用ユニット84の内部に設けられた複数の搬送ローラ対88,90,92,94のニップ部を通って、第1の搬送路50におけるレジストローラ対54のニップ部の下流部まで延びている。
カラーモードにおける画像形成動作の一例について説明する。
先ず、画像読み取り部20において得られた赤(R)、緑(G)、青(B)の画像データが、制御部70において所定のデータ処理を受けて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像データに変換される。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像データは、制御部70内の画像メモリ72に格納され、位置ずれ補正のための所定の画像補正を受けた後、露光装置10に設けられた図示しないレーザーダイオードを発光させるための駆動信号に変換される。
プリント部22では、先ず、各作像部3において、所定の周速度で回転駆動されている感光体4の外周面が帯電器8により帯電される。次に、帯電された感光体4の外周面には、制御部70から出力された駆動信号を受けた露光装置10から光が投射され、静電潜像が形成される。続いて、静電潜像は、現像装置18から供給される現像剤のトナーにより顕在化される。このようにして感光体4上に形成された各色のトナー像は、感光体4の回転により一次転写領域に達すると、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体4から中間転写ベルト30上へ転写(一次転写)されて重ねられる。
中間転写ベルト30に転写されることなく感光体4上に残留している未転写トナーは、感光体4とクリーニング部材16との接触部に達すると、クリーニング部材16で掻き取られ、感光体4の外周面から除去される。
重ね合わされた4色のトナー像は、中間転写ベルト30によって二次転写領域41に搬送される。
一方、給紙カセット44に収容された記録媒体36は、給紙ローラ52の回転により第1の搬送路50に送り出され、レジストローラ対54のニップ部に搬送される。レジストローラ対54のニップ部に搬送された記録媒体36は、トナー像が中間転写ベルト30によって二次転写領域41に搬送されるタイミングに合わせて、二次転写領域41に向けて送り出される。
図2に示すように、レジストローラ対54のニップ部から送り出された記録媒体36は、二次転写領域41の上流側に設けられた一対のガイド部材78,80の隙間を通った後、一方のガイド部材80の上端部に案内されながら、中間転写ベルト30に沿って搬送され、二次転写領域41に到達する。
記録媒体36が二次転写領域41に搬送されると、トナー像が、中間転写ベルト30から記録媒体36に転写(二次転写)される。二次転写を終えた記録媒体36は、除電部材82により除電されながら、中間転写ベルト30から分離されて、第1の搬送路50のさらに下流側へ搬送される。
図1に戻って、二次転写領域41の下流側へ送り出された記録媒体36は、定着ローラ対56のニップ部に搬送され、定着ローラ56によってトナー像が記録媒体36に定着された後、排紙ローラ60によって排紙部61に送り出される。
二次転写領域41を通過した中間転写ベルト30は、クリーニングブレード42で清掃される。クリーニングブレード42により中間転写ベルト30から除去されたトナーは、クリーナハウジング63内に取り込まれ、クリーナハウジング63内に設けられたスクリュー64の回転により、ジョイントパイプ66を介してトナー回収ボックス68に送られる。
両面プリントの際は、上記の動作により記録媒体36の1面目のプリントが行われ、記録媒体36が排紙ローラ対60のニップ部に搬送された後、記録媒体36の2面目のプリントが行われる。
記録媒体36の2面目のプリント動作について説明する。
記録媒体36の1面目にトナー像が定着された後、排紙ローラ対60のニップ部に搬送された記録媒体36は、スイッチバックして、両面プリント用ユニット84内の第2の搬送路86に送り出される。記録媒体36は、第2の搬送路86を通った後、レジストローラ対54のニップ部に搬送される。その後、1面目のプリントと同様に、トナー像が中間転写ベルト30によって二次転写領域41に搬送されるタイミングに合わせて、記録媒体36は、第1の搬送路50を通って二次転写領域41に搬送され、記録媒体36の2面目に二次転写が行われる。2面目の二次転写を終えた記録媒体36は、定着ローラ56によって2面目にトナー像が定着された後、排紙ローラ60によって排紙部61に送り出される。
次に、二次転写バイアスVtの制御について説明する。
制御部70では、二次転写バイアスVtの制御が、定電圧制御と定電流制御との間で切り替え可能に行われる。具体的に、制御部70は、記録媒体36の1面目にプリントするときに定電圧制御を行い、記録媒体36の2面目にプリントするときに定電流制御を行う。定電圧制御と定電流制御との間の切り替えは、制御部70が電源74の内部の制御回路の動作を制御することで行われる。
定電圧制御を行う際、制御部70は、二次転写バイアスVtを、ATVC(Auto Transfer Voltage Control)制御により決定された電圧に制御する。ATVC制御は、転写ローラに所定の定電流を供給したときの電圧を転写ローラの電気抵抗値の代用値として検出する検出動作を行った後、これにより検出された検出電圧Vdに応じて、転写バイアスVtの最適な大きさを決定するものである。
テーブルは、記録媒体36の種類ごとに、記録媒体36の第1面にプリントする場合と、記録媒体36の第2面にプリントする場合との2つのテーブルが設定されている。各テーブルでは、傾きAとオフセットBの値が、機内の絶対湿度に応じて複数設定されている。したがって、ATVC制御により転写バイアスVtを決定する際、予め用意された複数のテーブルの中から、記録媒体46の種類、およびプリントされる面(第1面または第2面)の情報に基づき、該当するテーブルが選択された後、絶対湿度の情報等に基づき、該当する傾きAの値とオフセットBの値が決定される。
なお、一次転写の転写バイアスを決定する際も、上記と同様のATVC制御が行われる。
1面目のプリントを行う際、仮に定電流制御により転写バイアスVtを制御すると、二次転写ローラ140または記録媒体136の電気抵抗値が小さい場合、図14に示すように、転写電流Itは、画像部126に流れ難く、非画像部128に過剰に流れるため、転写不良が生じる恐れがある。
これに対して、本発明では、1面目のプリントを行う際、定電圧制御により転写バイアスVtが制御される。そのため、二次転写ローラ40または記録媒体36の電気抵抗値が小さくても、次の理由により転写不良の発生を防止できる。
図3を参照しながら具体的に説明する。本発明では、1面目のプリント時において、二次転写ローラ40に印加される電圧は一定であるため、二次転写ローラ40の表面電位および記録媒体36の表面電位は全面に亘って略均一であり、記録媒体36と中間転写ベルト30との電位差は略均一となる。
したがって、二次転写ローラ40の電気抵抗値が小さくても、図3(a)で示されるように、画像部26に流れる電流の大きさ(図中矢印A参照)と、非画像部28に流れる電流の大きさ(図中矢印Bおよび矢印C参照)とは顕著に相違しない。すなわち、画像部26では、記録媒体36と中間転写ベルト30との間にトナーが介在する分だけ、非画像部28よりも電気抵抗が大きいため、画像部26に流れる電流は、非画像部28に流れる電流と比較すると小さくなるが、トナー像を良好に転写できる大きさとなる。それゆえ、転写抜けやカスレ等の不具合を防止でき、中間転写ベルト30上のトナー像を記録媒体36へ良好に転写できる。
また、吸湿等に起因して記録媒体36の電気抵抗値が小さいときでも、図3(b)で示されるように、画像部26に流れる電流の大きさ(図中矢印D参照)と、非画像部28に流れる電流の大きさ(図中矢印Eおよび矢印F参照)とは顕著に相違しない。したがって、図3(a)に示す場合と同様、画像部26に流れる電流は、トナー像を良好に転写できる大きさとなり、二次転写を良好に行うことができる。
定電流制御を行う際、制御部70は、所定の情報に対応して設定された転写電流Itを電源74から二次転写ローラ40へ供給するように制御する。具体的に、定電流制御の際の転写電流Itは、機内環境の情報と、記録媒体36の種類の情報と、記録媒体36のサイズの情報とに対応して設定されている。機内環境の情報として、具体的には、図示しない温度センサおよび湿度センサにより検知される機内の絶対湿度の情報が用いられる。ただし、機内環境の情報は、絶対湿度の情報に限られず、機内の雰囲気温度、相対湿度または絶対湿度の少なくとも1つの情報を含むものであればよい。
2面目のプリントを行う際、記録媒体36は、1面目の定着時の加熱により乾燥した状態となっているが、均一に乾燥されないため、記録媒体36の電気抵抗値は、部位によってバラツキが生じた状態となっている。ここで、2面目のプリント時に、仮に定電圧制御により転写バイアスVtを制御する場合を考える。画像形成装置2を連続使用すると、機内温度の上昇に伴い、転写ローラ40の電気抵抗が低下する。このとき、2面目のプリント時に転写バイアスVtの定電圧制御を行うと、記録媒体36の特に電気抵抗が小さい部分の電流が過剰となり、放電が発生する。この放電の発生に起因して、二次転写の際にボイドが発生する恐れがある。
これに対して、本発明では、2面目のプリントを行う際、定電流制御により転写バイアスVtが制御されるため、二次転写ローラ40および記録媒体36に、上記の各種情報に基づいて設定された最適な大きさの電流が供給される。したがって、記録媒体36に過剰な電流が局部的に流れることを防止でき、放電の発生を防止できる。
また、2面目のプリントの際、記録媒体36は、乾燥により電気抵抗値が比較的大きい状態となっている。したがって、2面目のプリント時は、図14に示すように画像部26に電流が流れ難くなる現象は生じず、定電流制御により二次転写バイアスVtを制御しても、転写を良好に行うことができる。
続いて、二次転写バイアスVtの制御に関する各処理の流れの具体例を、図4〜図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
(メインルーチン)
図4は、制御部70で実行されるメインルーチンの流れを示すフローチャートである。
図4は、制御部70で実行されるメインルーチンの流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、画像形成装置2の電源がオンにされると、メインルーチンが開始され、まずステップ1において、前処理シーケンスの制御に用いるタイマーA、1面目のプリントの制御に用いるタイマーB、および、2面目のプリントに用いるタイマーCの各カウントがゼロにセットされる。
次のステップ2では、前処理シーケンスが要求されているか否かが判断される。ステップ2において、前処理シーケンスが要求されていると判断されると、次のステップ3において前処理シーケンスが実行され、前処理シーケンスが要求されていないと判断されると、ステップ4に進む。
ステップ4では、プリントが指示されているか否かが判断される。ステップ4において、プリントが指示されていると判断されると、次のステップ5において記録媒体36の1面目のプリントが実行され、プリントが指示されてないと判断されると、ステップ11に進む。
ステップ5において1面目のプリントが実行されると、次のステップ6において、両面プリントが指示されているか否かが判断される。ステップ6において、両面プリントが指示されていると判断されると、次のステップ7において記録媒体36の2面目のプリントが実行された後、ステップ8に進む。他方、ステップ6において、両面プリントが指示されていないと判断されると、2面目のプリントが実行されることなく、ステップ8に進む。
ステップ8では、指定枚数のプリントが終了したか否かが判断される。ステップ8において、指定枚数のプリントが終了していないと判断されると、ステップ11に進む。他方、ステップ8において、指定枚数のプリントが終了したと判断されると、次のステップ9において、プリントの指示が解除され、続くステップ10において後処理シーケンスが実行された後、ステップ11に進む。
ステップ11では、画像形成装置2の電源がオフにされたか否かが判断される。ステップ11において電源がオフにされていないと判断されると、ステップ2に戻る。他方、ステップ11において電源がオフにされたと判断されると、次のステップ12において制御部70の各種設定がリセットされ、メインルーチンが終了する。
(前処理シーケンス)
図5は、前処理シーケンス(図4に示すステップ3)の各処理の流れを示すフローチャートである。
図5は、前処理シーケンス(図4に示すステップ3)の各処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、前処理シーケンスの実行が開始されると、まずステップ13において、タイマーAのカウントがゼロであるか否かが判断される。ステップ13において、タイマーAのカウントがゼロでないと判断されるとステップ20に進み、タイマーAのカウントがゼロであると判断されると、次のステップ14においてタイマーAのカウントが開始された後、ステップ15に進む。
ステップ15では、帯電器8に印加される電圧の設定が標準設定値にセットされ、ステップ16に進む。
続くステップ16では、一次転写バイアスを決定するためのATVC制御を要求するフラッグと、二次転写バイアスを決定するためのATVC制御を要求するフラッグが立てられ、ステップ17に進む。
ステップ17では、画像濃度補正制御(以下、「IDC制御」という。)を要求するフラッグが立てられ、ステップ18に進む。
ステップ18では、感光体4を駆動する駆動モータと、中間転写ベルト30を駆動する駆動モータが駆動され、次のステップ19で帯電器8に電圧が印加された後、ステップ20に進む。
ステップ20では、定着装置の温度制御が実行され、ステップ21に進む。
ステップ21では、一次転写バイアスを決定するためのATVC制御と、二次転写バイアスを決定するためのATVC制御が実行され、次のステップ22でIDC制御が実行された後、ステップ23に進む。
ステップ23では、タイマーAのカウントが所定時間T1になったか否かが判断される。ここで、所定時間T1は、タイマーAのカウントが開始されてから、ATVC制御とIDC制御が終了するまでに要する時間に設定される。
ステップ23において、タイマーAのカウントが所定時間T1になったと判断されると、ステップ24に進み、タイマーAのカウントが所定時間T1になっていないと判断されると、ステップ13に戻る。
ステップ24では、定着装置の温度制御が完了したか否かが判断される。ステップ24において、定着装置の温度制御が完了したと判断されるとステップ25に進み、定着装置の温度制御が完了していないと判断されるとステップ13に戻る。
ステップ25では、前処理シーケンスの要求フラッグが解除され、次のステップ26で、帯電器8に印加された電圧がオフにされて、続くステップ27で、感光体4を駆動する駆動モータと、中間転写ベルト30を駆動する駆動モータがオフにされた後、メインルーチンに戻る。
(ATVC制御)
図6は、一次転写および二次転写のATVC制御(図4に示すステップ19)の各処理の流れを示すフローチャートである。
図6は、一次転写および二次転写のATVC制御(図4に示すステップ19)の各処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、ATVC制御の実行が開始されると、まずステップ31において、一次転写のATVC制御が要求されているか否かが判断される。ステップ31において、一次転写のATVC制御が要求されていると判断されると、ステップ32に進み、一次転写のATVC制御が要求されていないと判断されると、ステップ42に進む。
ステップ32では、一次転写ローラ14が中間転写ベルト30から離間しているか否かが判断される。ステップ32において、一次転写ローラ14が中間転写ベルト30から離間していると判断されると、ステップ33に進み、一次転写ローラ14が中間転写ベルト30から離間していないと判断されると、ステップ37に進む。
ステップ33では、一次転写のATVC制御用のタイマーDのカウントがゼロにセットされ、次のステップ34でタイマーDのカウントが開始される。
続くステップ35では、一次転写ローラ14が中間転写ベルト30に圧接され、次のステップ36で、一次転写ローラ14にATVC制御用に定電流で制御されたバイアスが印加され、ATVC制御の検出動作が開始されて、ステップ37に進む。
ステップ37では、一次転写ローラ14に印加された電圧の大きさが、図示しない電圧計により検出電圧として検出され、次のステップ38に進む。
ステップ38では、タイマーDのカウントが所定時間T2になったか否かが判断される。ここで、所定時間T2は、タイマーDのカウントが開始されてから、検出電圧が検出されるまでに要する時間に設定される。
ステップ38において、タイマーDのカウントが所定時間T2になったと判断されると、ステップ39に進み、タイマーDのカウントが所定時間T2になっていないと判断されると、ステップ37に戻る。
ステップ39では、検出電圧に基づき一次転写バイアスが決定され、ステップ40に進む。
ステップ40では、一次転写のATVC制御の要求が解除され、続くステップ41で、一次転写ローラ14が中間転写ベルト30から離間された後、ステップ42に進む。
ステップ42では、二次転写のATVC制御が要求されているか否かが判断される。ステップ42において、二次転写のATVC制御が要求されていると判断されると、ステップ43に進み、二次転写のATVC制御が要求されていないと判断されると、メインルーチンに戻る。
ステップ43では、二次転写ローラ40が中間転写ベルト30から離間しているか否かが判断される。ステップ43において、二次転写ローラ40が中間転写ベルト30から離間していると判断されると、ステップ44に進み、二次転写ローラ40が中間転写ベルト30から離間していないと判断されると、ステップ48に進む。
ステップ44では、二次転写のATVC制御用のタイマーEのカウントがゼロにセットされ、次のステップ45でタイマーEのカウントが開始される。
続くステップ46では、二次転写ローラ40が中間転写ベルト30に圧接され、次のステップ47で、二次転写ローラ40にATVC制御用に定電流で制御されたバイアスが印加され、ATVC制御の検出動作が開始されて、ステップ48に進む。
ステップ48では、二次転写ローラ40に印加された電圧の大きさが、図示しない電圧計により検出電圧Vdとして検出され、次のステップ49に進む。
ステップ49では、タイマーEのカウントが所定時間T3になったか否かが判断される。ここで、所定時間T3は、タイマーEのカウントが開始されてから、検出電圧Vdが検出されるまでに要する時間に設定される。
ステップ49において、タイマーEのカウントが所定時間T3になったと判断されると、ステップ50に進み、タイマーEのカウントが所定時間T3になっていないと判断されると、ステップ48に戻る。
ステップ50では、検出電圧Vdに基づき二次転写バイアスVtが決定され、次のステップ51に進む。
ステップ51では、二次転写のATVC制御の要求が解除され、続くステップ52で、二次転写ローラ40が中間転写ベルト30から離間された後、メインルーチンに戻る。
(1面目のプリント)
図7は、1面目のプリント(図4に示すステップ5)の各処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、1面目のプリント(図4に示すステップ5)の各処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、1面目のプリントの実行が開始されると、まずステップ61においてタイマーBのカウントがゼロであるか否かが判断される。ステップ61において、タイマーBのカウントがゼロでないと判断されるとステップ63に進み、タイマーBのカウントがゼロであると判断されると、次のステップ62においてタイマーBのカウントが開始された後、ステップ63に進む。
ステップ63〜ステップ66では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像の作像および一次転写が、各作像部3において順次実行され、ステップ67に進む。
ステップ67では、タイマーBのカウントが所定時間T4になったか否かが判断される。ここで、所定時間T4は、タイマーBのカウントが開始されてから、中間転写ベルト30上のトナー像が二次転写領域41に到達するまでに要する時間に設定される。
ステップ67において、タイマーBのカウントが所定時間T4になったと判断されると、次のステップ68において二次転写ローラ40に二次転写バイアスVtが印加され、タイマーBのカウントが所定時間T4になっていないと判断されると、ステップ61に戻る。
ステップ68において、二次転写バイアスVtの制御は、定電圧制御により行われ、転写バイアスVtの大きさは上述のATVC制御(図6参照)により決定される。ステップ68において二次転写ローラ40に転写バイアスVtが印加されると、ステップ69に進む。
ステップ69では、タイマーBのカウントが所定時間T5になったか否かが判断される。ここで、所定時間T5は、タイマーBのカウントが開始されてから、二次転写が終了するまでに要する時間に設定される。
ステップ69において、タイマーBのカウントが所定時間T5になったと判断されると、次のステップ70において二次転写ローラ40への電圧の印加がオフにされ、タイマーBのカウントが所定時間T5になっていないと判断されると、ステップ61に戻る。
ステップ70において、二次転写ローラ40への電圧の印加がオフにされると、次のステップ71において、タイマーBのカウントがゼロにセットされた後、メインルーチンに戻る。
(2面目のプリント)
図8は、2面目のプリント(図4に示すステップ7)の各処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、2面目のプリント(図4に示すステップ7)の各処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、2面目のプリントの実行が開始されると、まずステップ81においてタイマーCのカウントがゼロであるか否かが判断される。ステップ81において、タイマーCのカウントがゼロでないと判断されるとステップ83に進み、タイマーCのカウントがゼロであると判断されると、次のステップ82においてタイマーCのカウントが開始された後、ステップ83に進む。
ステップ83〜ステップ86では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像の作像および一次転写が、各作像部3において順次実行され、ステップ87に進む。
ステップ87では、タイマーCのカウントが所定時間T6になったか否かが判断される。ここで、所定時間T6は、タイマーCのカウントが開始されてから、中間転写ベルト30上のトナー像が二次転写領域41に到達するまでに要する時間に設定される。
ステップ87において、タイマーCのカウントが所定時間T6になったと判断されると、次のステップ88において二次転写ローラ40に二次転写バイアスVtが印加され、タイマーCのカウントが所定時間T6になっていないと判断されると、ステップ81に戻る。
ステップ88において、二次転写バイアスVtの制御は、定電流制御により行われ、転写電流Itの大きさは、機内環境の情報と、記録媒体36の種類の情報と、記録媒体36のサイズの情報とに基づいて決定される。ステップ88において二次転写ローラ40に転写バイアスVtが印加されると、ステップ89に進む。
ステップ89では、タイマーCのカウントが所定時間T7になったか否かが判断される。ここで、所定時間T7は、タイマーCのカウントが開始されてから、二次転写が終了するまでに要する時間に設定される。
ステップ89において、タイマーCのカウントが所定時間T7になったと判断されると、次のステップ90において二次転写ローラ40への電圧の印加がオフにされ、タイマーCのカウントが所定時間T7になっていないと判断されると、ステップ81に戻る。
ステップ90において、二次転写ローラ40への電圧の印加がオフにされると、次のステップ91において、タイマーCのカウントがゼロにセットされた後、メインルーチンに戻る。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
(試験1)
二次転写バイアスVtの制御を定電圧制御で行った状態で、両面プリントを連続して行ったときのボイドの発生状況を確認する試験1を行った。
二次転写バイアスVtの制御を定電圧制御で行った状態で、両面プリントを連続して行ったときのボイドの発生状況を確認する試験1を行った。
試験1では、機内の雰囲気温度が23℃のとき、A4サイズの用紙を横向きにセットした状態で、画像形成装置2の電源をオンにし、連続で10000枚のプリントを行った。1面目プリント時の二次転写バイアスVtは1300Vに設定し、2面目プリント時の二次転写バイアスVtは1800Vに設定した。
併せて、連続プリント中に、機内の雰囲気温度と、1面目プリント時および2面目プリント時の二次転写電流Itを複数回測定し、プリント開始後の機内の雰囲気温度の推移(図9参照)と、二次転写電流Itの推移(図10参照)とを確認した。
ボイドの発生状況は、用紙にプリントされた画像を目視することで確認した。ボイドの発生状況の評価は、ボイドが発生しなかったものを「○」、画像不良にはならない軽微なボイドが発生したものを「△」、画像不良となるレベル(NGレベル)のボイドが発生したものを「×」で表した(表1参照)。
図9に示すように、機内の雰囲気温度は、プリント開始時から1000枚プリントするまで急上昇し、その後、2000枚プリントするまでは緩やかな上昇となり、2000枚以降は、約30℃で略一定となった。
図10に示すように、二次転写電流Itは、1面目プリント時および2面目プリント時のいずれについても、プリント開始時から2000枚プリントするまで上昇し、2000枚以降は略一定となった。これは、2000枚プリントするまでは、機内の雰囲気温度の上昇に伴って、二次転写ローラの電気抵抗値が低下するが、2000枚以降は、機内の雰囲気温度が略一定となることに伴って、二次転写ローラの電気抵抗値も略一定となるためだと考えられる。
表1に示す試験1の結果を検討する。
表1に示すように、1面目のプリントでは、耐久枚数に関わらず、ボイドが発生しなかった。すなわち、二次転写バイアスVtの制御を定電圧制御で行った状態で1面目のプリントを行うとき、雰囲気温度の上昇に伴って二次転写電流Itが上昇しても、二次転写を良好に行えることを確認できた。
他方、2面目のプリントでは、500枚連続プリントしたときに軽微なボイドが発生し、1000枚以降ではNGレベルのボイドが発生した。すなわち、二次転写バイアスVtの制御を定電圧制御で行った状態で2面目のプリントを行うとき、雰囲気温度の上昇に伴って二次転写電流Itが上昇すると、二次転写を良好に行えない恐れがあることを確認できた。
(試験2)
二次転写バイアスVtの制御を定電圧制御で行った状態で両面プリントを行う場合について、二次転写バイアスVtの大きさを変化させたときの二次転写の転写性およびボイドの発生状況を確認する試験2を行った。
二次転写バイアスVtの制御を定電圧制御で行った状態で両面プリントを行う場合について、二次転写バイアスVtの大きさを変化させたときの二次転写の転写性およびボイドの発生状況を確認する試験2を行った。
試験2では、二次転写バイアスVtの大きさを、設定電圧Vo(1面目は1300V、2面目は1800V)、設定電圧Voよりも100V、200V、300V大きい各電圧、および、設定電圧Voよりも100V、200V、300V小さい各電圧の間で変化させ、それぞれの状態でA4サイズの用紙に2層ベタ画像を1枚プリントした。併せて、二次転写バイアスVtの大きさを、設定電圧Voを中心として変化させたとき、それぞれのときの二次転写電流Itの大きさを測定し、二次転写バイアスVtと二次転写電流Itとの関係を確認した(図11参照)。
二次転写の転写性およびボイドの発生状況は、用紙にプリントされた画像を目視することで確認した。二次転写の転写性の評価は、プリントされた全面2層ベタの画像が、全体的にムラ無く均一であるものを「○」、プリントされた全面2層ベタの画像が、全体的には若干のムラがあるものの、用紙全体を複数の小面積部分に区切った場合において各小面積部分を観察するとムラが目立たないものを「△」、プリントされた全面2層ベタの画像が、全体的にムラが目立ち、小面積部分を観察してもムラが目立つものを「×」で表し(図12参照)、ボイドの発生状況の評価は、試験1と同様に行った。
図12に示す試験2の結果を検討する。
図12に示すように、1面目のプリントでは、二次転写バイアスVtの大きさに関わらず、二次転写の転写性は良好であり、ボイドは発生しなかった。すなわち、二次転写バイアスVtの制御を定電圧制御で行った状態で1面目のプリントを行うとき、仮に二次転写バイアスVtの大きさが設定電圧Voから300Vずれたとしても、二次転写を良好に行えることを確認できた。
他方、2面目のプリントでは、二次転写バイアスVtの大きさが設定電圧であるとき、および設定電圧Voよりも100V小さいときは、二次転写の転写性が良好であり、ボイドが発生しなかったが、二次転写バイアスVtの大きさが設定電圧Voよりも100V大きいとき軽微なボイドが発生し、設定電圧Voよりも200V以上大きいときNGレベルのボイドが発生した。これは、図11に示すように、2面目プリント時の二次転写バイアスVtの大きさが設定電圧Voであるとき、二次転写電流Itが、試験1のプリント開始と略同じ約30μAであり、ボイドの発生を防止できるが、二次転写バイアスVtの大きさが設定電圧Voよりも200V大きいとき、二次転写電流Itが、試験1の2000枚以降と略同じ約40μAであるためだと考えられる。
また、2面目のプリントでは、二次転写バイアスVtの大きさが設定電圧Voよりも200V小さいとき二次転写の転写性がやや悪く、設定電圧Voよりも300V小さいとき二次転写の転写性が著しく悪かった。すなわち、二次転写バイアスVtの制御を定電圧制御で行った状態で2面目のプリントを行うとき、二次転写を良好に実行可能とする二次転写バイアスVtの範囲が、1面目のプリント時と比べて顕著に狭いことを確認できた。
(試験3)
2面目のプリント時の二次転写バイアスVtの制御を、定電流制御で行う場合(実施例)と定電圧制御で行う場合(比較例)について、2面目のボイドの発生状況を確認する試験3を行った。実施例と比較例のいずれにおいても、1面目のプリント時の二次転写バイアスVtの制御は定電圧制御で行った。
2面目のプリント時の二次転写バイアスVtの制御を、定電流制御で行う場合(実施例)と定電圧制御で行う場合(比較例)について、2面目のボイドの発生状況を確認する試験3を行った。実施例と比較例のいずれにおいても、1面目のプリント時の二次転写バイアスVtの制御は定電圧制御で行った。
試験3では、試験1と同様、機内の雰囲気温度が23℃のとき、A4サイズの用紙を横向きにセットした状態で、画像形成装置2の電源をオンにし、連続で10000枚のプリントを行った。実施例および比較例の1面目プリント時の二次転写バイアスVtは1300Vに設定し、実施例の2面目プリント時の二次転写電流Itは30μAに設定し、比較例の2面目プリント時の二次転写バイアスVtは1800Vに設定した。
併せて、連続プリント中に、1面目プリント時および2面目プリント時の二次転写バイアスVtを複数回測定し、プリント開始後の二次転写バイアスVtの推移を確認した(図13参照)。ボイドの発生状況の評価は、試験1と同様に行った。
図13に示すように、実施例では、2面目の二次転写バイアスVtが、プリント開始時から1000枚プリントしたときまでは、約1800Vから約1600Vまで低下したが、1000枚以降は約1600Vで安定していた。
表2に示すように、比較例の2面目プリントでは、500枚プリントしたとき軽微なボイドが発生し、1000枚以上プリントしたときNGレベルのボイドが発生した。これに対して、実施例の2面目プリントでは、耐久枚数に関わらず、ボイドが発生しなかった。これは、実施例では、2面目のプリントの際、二次転写バイアスVtの制御が定電流制御で行われ、特に1000枚以降においては、図13に示すように二次転写バイアスVtの大きさも安定することから、用紙に過剰な電流が流れることを防止でき、放電の発生を防止できるためだと考えられる。
2:画像形成装置、
4:静電潜像担持体(感光体)、
30:像担持体(中間転写ベルト)、
36:記録媒体、
40:転写ローラ(二次転写ローラ)、
70:制御部、
74:転写バイアス印加装置(電源)。
4:静電潜像担持体(感光体)、
30:像担持体(中間転写ベルト)、
36:記録媒体、
40:転写ローラ(二次転写ローラ)、
70:制御部、
74:転写バイアス印加装置(電源)。
Claims (4)
- 像担持体上のトナー像を記録媒体へ転写させるため、上記像担持体と共に上記記録媒体を挟圧する転写ローラと、
該転写ローラに転写バイアスを印加する転写バイアス印加装置と、
上記転写バイアスの制御を、定電圧制御と定電流制御との間で切り替え可能に行う制御部とを備え、
上記記録媒体の両面に順にプリント可能な画像形成装置であって、
上記制御部は、上記記録媒体の1面目にプリントするときに上記定電圧制御を行い、上記記録媒体の2面目にプリントするときに上記定電流制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 上記転写ローラに所定の定電流を供給したときに検出される検出電圧に応じて、上記転写バイアスの最適な大きさを決定するATVC制御を実行可能な画像形成装置であって、
上記制御部は、上記定電圧制御を行う際、上記転写バイアスを、上記ATVC制御により決定された電圧に制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 上記制御部は、上記定電流制御を行う際、所定の情報に対応して設定された転写電流を上記転写バイアス印加装置から上記転写ローラへ供給するように制御し、
上記情報は、機内の雰囲気温度、相対湿度または絶対湿度の少なくとも1つの情報と、上記記録媒体の種類の情報と、上記記録媒体のサイズの情報とを含むことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の画像形成装置。 - 上記像担持体は、静電潜像担持体から転写されたトナー像を担持する中間転写体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006325358A JP2008139539A (ja) | 2006-12-01 | 2006-12-01 | 画像形成装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006325358A JP2008139539A (ja) | 2006-12-01 | 2006-12-01 | 画像形成装置 |
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---|---|
JP2008139539A true JP2008139539A (ja) | 2008-06-19 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008139539A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8909082B2 (en) | 2012-02-01 | 2014-12-09 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
-
2006
- 2006-12-01 JP JP2006325358A patent/JP2008139539A/ja active Pending
Cited By (1)
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US8909082B2 (en) | 2012-02-01 | 2014-12-09 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
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