JP2008139072A - 赤外線検知器及びその温度制御方法 - Google Patents

赤外線検知器及びその温度制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008139072A
JP2008139072A JP2006323427A JP2006323427A JP2008139072A JP 2008139072 A JP2008139072 A JP 2008139072A JP 2006323427 A JP2006323427 A JP 2006323427A JP 2006323427 A JP2006323427 A JP 2006323427A JP 2008139072 A JP2008139072 A JP 2008139072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection element
infrared
heat
infrared detection
conductive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006323427A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Egashira
和行 江頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2006323427A priority Critical patent/JP2008139072A/ja
Publication of JP2008139072A publication Critical patent/JP2008139072A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

【課題】高価かつ消費電力の大きい温度安定化素子を用いることなく、簡単な構造で赤外線検知素子の温度分布の形状を安定化させることができる赤外線検知器及びその温度制御方法の提供。
【解決手段】赤外線撮像装置の構造物に固定される底板6と、底板6上に配置される赤外線検知素子5との間に、相対的に熱伝導性が高い高熱伝導性材料2と相対的に熱伝導性が低い低熱伝導性材料3とを組み合わせ、底板6からの熱流入経路を狭める熱経路絞り4を設けた熱経路制御放熱板1を配置する。これにより、底板6と赤外線検知素子5との間の熱伝達状態を略一定にすることでき、この仕組みにより、底板6の温度分布が変化した場合であっても赤外線検知素子5の温度分布の形状を、熱経路絞り4を基点とする略一定の形状にすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、検知器及びその温度制御方法に関し、特に、非冷却赤外線検知素子を備える赤外線検知器及びその温度制御方法に関する。
熱型の赤外線検知素子は、一般に、物体から放射された赤外線を赤外線吸収膜で吸収して熱に変換し、マイクロブリッジ構造のダイアフラムを構成するボロメータ薄膜等の感熱抵抗体の温度を上昇させてその抵抗を変化させ、感熱抵抗体の抵抗変化から対象物の温度を測定するものである。この種の赤外線検知素子は量子型の赤外線検知素子のように冷却器で低温に冷却する必要がなく、常温近辺で動作可能であることから非冷却赤外線検知素子と呼ばれている。
このような非冷却赤外線検知素子を備える赤外線検知器は、図12に示すように、内部を真空又は減圧状態に保つ真空容器7及び底板6と、赤外線の入射開口部となる赤外線透過窓8と、底板6上に配置される温度安定化素子11と、温度安定化素子11上に配置される赤外線検知素子5と、赤外線検知素子5と外部回路とを接続するための外部回路接続用端子9などで構成される。
ここで、上述したように、赤外線透過窓8から赤外線が入射すると、赤外線が熱に変換されて赤外線検知素子5の温度が上昇し、赤外線検知素子5はその温度の変化を電気信号に変換して外部回路に出力する仕組みとなっている。従って、被写体の温度(すなわち、被写体から放射される赤外線)を正確に測定するためには赤外線検知素子5の温度を安定化することが望ましい。そこで、底板6側から流入する熱の影響を抑制するために、図12に示すように赤外線検知素子5を温度安定化素子11上に配置する構造が用いられる。例えば、下記特許文献には、温度安定化素子11としてペルチェ素子などの電子冷却素子を備える赤外線検知器が開示されている。
特開2000−292253号公報
このように、底板6と赤外線検知素子5との間に温度安定化素子11を配置することにより、赤外線検知素子5の温度を略一定に保つことができるが、温度安定化素子11は高価であり、また、消費電力も大きいため、赤外線検知器のコスト及び消費電力を低減するためには温度安定化素子11を用いない構造にする必要がある。
しかしながら、図13に示すように、図12の赤外線検知器から単に温度安定化素子11を取り除くと、外部の構造物に固定される底板6から流入する熱によって赤外線検知素子5に温度分布が生じる。例えば、構造物の一部が高温になった場合、高温箇所に近い場所の底板6の温度が上昇し、それに伴って赤外線検知素子5も底板6と同様な温度分布が生じる。
この温度分布は外部回路で行う信号処理によって補正することが可能であるが、高温箇所が変化すると赤外線検知素子5の温度分布も変化してしまうため、出力画像が温度分布に起因して不均一になってしまい、赤外線検知器で被写体の温度を正確に測定することができなくなってしまうという問題が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、高価かつ消費電力の大きい温度安定化素子を用いることなく、簡単な構造で赤外線検知素子の温度分布の形状を安定化させることができる赤外線検知器及びその温度制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、複数の検知部が配列された赤外線検知素子と、前記赤外線検知素子を支持する支持板と、を少なくとも備える赤外線検知器において、前記支持板と前記赤外線検知素子との間に、前記支持板と前記赤外線検知素子との間の熱伝達経路を狭める絞り構造を有する熱経路制御手段を備えるものである。
本発明においては、前記熱経路制御手段は、前記支持板に当接する第1の熱伝導層と、
前記赤外線検知素子に当接する第2の熱伝導層と、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層とをその一部において連結する柱状の接続部と、を含む構成とすることができる。
また、本発明においては、前記熱経路制御手段は、相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記支持板に当接する第1の熱伝導層と、相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記赤外線検知素子に当接する第2の熱伝導層と、相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層とをその一部において連結する柱状の接続部と、相対的に熱伝導性が低い部材で形成され、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層と間の前記接続部を除く領域に配置される中間層と、を含む構成とすることができる。
また、本発明においては、前記接続部は、前記赤外線検知素子の検知面の法線方向から見て、前記赤外線検知素子の略中央に配置されている構成とすることができる。
また、本発明においては、前記赤外線検知素子上に、周囲から入射する赤外線を遮断するための輻射シールドを備える構成とすることもできる。
また、本発明においては、前記赤外線検知素子は、非冷却赤外線検知素子であることが好ましい。
また、本発明の方法は、複数の検知部が配列された赤外線検知素子と、前記赤外線検知素子を支持する支持板と、を少なくとも備える赤外線検知器における温度制御方法であって、前記支持板と前記赤外線検知素子との間に、前記支持板と前記赤外線検知素子との間の熱伝達経路を狭める絞り構造を有する熱経路制御手段を設け、前記支持板から流入する熱による前記赤外線検知素子の温度分布の形状を略一定に保持するものである。
本発明においては、前記熱経路制御手段を、前記支持板に当接する第1の熱伝導層と、前記赤外線検知素子に当接する第2の熱伝導層と、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層とをその一部において連結する柱状の接続部と、で構成し、前記支持板から前記赤外線検知素子に流入する熱による前記赤外線検知素子の温度分布の形状を、前記接続部を基点とする形状にする構成とすることができる。
また、本発明においては、前記熱経路制御手段を、相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記支持板に当接する第1の熱伝導層と、相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記赤外線検知素子に当接する第2の熱伝導層と、相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層とをその一部において連結する柱状の接続部と、相対的に熱伝導性が低い部材で形成され、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層と間の前記接続部を除く領域に配置される中間層と、で構成し、前記支持板から前記赤外線検知素子に流入する熱による前記赤外線検知素子の温度分布の形状を、前記接続部を基点とする形状にする構成とすることができる。
また、本発明においては、前記接続部を、前記赤外線検知素子の検知面の法線方向から見て、前記赤外線検知素子の略中央に配置し、前記赤外線検知素子の温度分布の形状を、前記赤外線検知素子の略中央を中心とする点対称にする構成とすることができる。
また、本発明においては、前記赤外線検知素子上に、周囲から入射する赤外線を遮断するための輻射シールドを配置し、前記輻射シールドの温度分布の形状を略一定に保持する構成とすることもできる。
このように、本発明では、熱経路制御手段の接続部によって支持板側から流入する熱の経路が規制されて赤外線検知素子に伝達されるため、支持板の温度分布が不均一であっても、赤外線検知素子の温度分布を熱経路制御手段の接続部を基点とする略一定の形状にすることができる。これにより、外部回路での信号処理で赤外線検知素子の温度差を補正することができ、赤外線検知器を用いて被写体の温度を正確に測定することができる。
本発明の非冷却赤外線検知器及びその温度制御方法によれば、高価かつ消費電力の大きい温度安定化素子を用いなくても、赤外線検知素子の温度分布の形状を安定化させることができる。
その理由は、赤外線撮像装置の構造物に接触する底板と、その底板上に配置される赤外線検知素子との間に、底板と赤外線検知素子との間の熱伝達経路を規制する熱経路絞りを備える熱経路制御放熱板を配置し、底板側から流入する熱を熱経路絞りを通して赤外線検知素子に伝達する構造としているため、底板に温度分布があり、その温度分布が時間とともに任意に変化した場合でも、熱経路制御放熱板の上面に配置された赤外線検知素子の温度分布は、既知の形状、即ち熱経路絞りを基点とした形状となるからである。
そして、既知となった赤外線検知素子の温度分布に基づいて外部回路での信号処理によって赤外線検知素子の温度差を補正することにより、均一な画像を表示することができ、これにより赤外線検知器を用いて被写体の温度を正確に測定することができる。
従来技術で示したように、非冷却赤外線検知素子は、入射した赤外線による温度変化を電気信号に変換して出力するものであるため、赤外線検知素子の温度は安定していることが望ましい。そのため、通常、非冷却赤外線検知素子を温度安定化素子上に配置して温度を安定させているが、温度安定化素子は高価であり、かつ、消費電力が大きいことなどから、温度安定化素子を用いない構造が求められている。
ここで、赤外線検知器は赤外線撮像装置に搭載される検知器であり、赤外線検知器を赤外線撮像装置に取り付ける場合、赤外線検知器の底板と赤外線撮像装置の構造物とが接するように取り付けられるため、底板は赤外線撮像装置の構造物と熱的に繋がる状態になり、赤外線撮像装置の構造物の形状や環境により、底板は任意の温度分布を持ち、その温度分布は時間とともに変化すると考えられる。従って、図12に示す一般的な非冷却赤外線検知器の構造から単に温度安定化素子を取り除いた図13の構造の場合、底板と赤外線検知素子とが直接接触するため、底板の熱は赤外線検知素子に直接伝わり、赤外線検知素子も底板と同様に任意の温度分布を持つこととなる。
このように赤外線検知素子に温度分布があると、その温度分布は赤外線検知器の出力画像において感度やオフセットの分布となってしまい、画像の不均一性の原因となってしまう。ただし、赤外線検知素子の温度分布によって出力画像が不均一であった場合でも、その不均一性の傾向が既知であれば、信号処理を使い、既知の傾向に従って不均一性の補正処理を行うことによって、均一な出力画像を得ることができる。
そこで、本発明では、赤外線撮像装置の構造物に固定するための底板と、底板上に配置される赤外線検知素子との間に、相対的に熱伝導性が高い材料と相対的に熱伝導性が低い材料とを組み合わせ、底板からの熱流入経路を狭める熱経路絞りを設けた熱経路制御放熱板を配置する。これにより、底板と赤外線検知素子との間の熱伝達状態を略一定にすることでき、この仕組みにより、底板の温度分布が変化した場合であっても赤外線検知素子の温度分布の形状を略一定にすることができる。
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る非冷却赤外線検知器及びその温度制御方法について、図1乃至図10を参照して説明する。図1は、本実施例の非冷却赤外線検知器の構造を模式的に示す断面図であり、図2は、熱経路制御放熱板における熱伝導の様子を示す図である。また、図3乃至図7は、熱経路制御放熱板の構造のバリエーションを示す上面図であり、図8乃至図10は、熱経路制御放熱板の構造のバリエーションを示す断面図である。
図1に示すように、本実施例の非冷却赤外線検知器は、赤外線撮像装置の構造物に固定され、他の部材を支持する支持板として機能する金属等からなる底板6と、底板6に被せられ、内部を真空又は減圧状態に保持するガラスや金属等からなる真空容器7と、真空容器7の上部の赤外線の入射開口部に配置される赤外線を透過する材料からなる赤外線透過窓8と、底板6上に配置される熱経路制御放熱板1と、熱経路制御放熱板1上に配置される赤外線検知素子5と、赤外線検知素子5と外部の信号処理回路などとを接続するための外部回路接続用端子9などを備える。
上記赤外線検知素子5は、その内部に読み出し回路等が作り込まれたシリコン等の半導体基板上に、ボロメータ薄膜等の感熱抵抗体を含むダイアフラム(検知部)が1次元又は2次元に配列されて構成される。なお、本実施例の赤外線検知素子5は、入射赤外線による温度変化を検知して電気信号として出力可能な構造であればよく、感熱抵抗体の種類やダイアフラムの構造、素子の配列数などは特に限定されない。また、読み出し回路等の回路要素は赤外線検知素子とは異なる基板に形成されていてもよいし、赤外線検知素子5を実装したパッケージを熱経路制御放熱板1上に配置してもよい。
また、上記熱経路制御放熱板1は、相対的に熱伝導性の高い(相対的に熱伝導率が大きい)高熱伝導性材料2と、相対的に熱伝導性の低い(相対的に熱伝導率が小さい)低熱伝導性材料3とで構成され、赤外線検知素子5との当接面及び底板6との当接面には高熱伝導性材料2が配置され、上下の高熱伝導性材料2は、赤外線検知素子5の受光面の法線方向から見て赤外線検知素子5の略中心に配置される高熱伝導性材料2からなる柱状の接続部(以下、熱経路絞り4と呼ぶ。)によって熱的に接続され、上下の高熱伝導性材料2の間の熱経路絞り4を除く部分に低熱伝導性材料3が配置される。
なお、高熱伝導性材料2は低熱伝導性材料3よりも熱伝導性が高ければ(熱伝導率が大きければ)よく、例えば、高熱伝導性材料2を銅やアルミニウムなどの金属、低熱伝導性材料3をプラスチックなどで構成することができるが、その具体的な材料は特に限定されない。また、ここでは、上部と下部と接続部とを同じ高熱伝導性材料2で構成しているが、各々の部分は低熱伝導性材料3よりも熱伝導性が高ければよく、異なる材料で構成してもよい。また、上部と下部と接続部とは一体的に形成されることが望ましいが、各部を溶接やロー付け、ネジ止めなどによって連結してもよい。
ここで、上述したように、赤外線検知器の底板6は赤外線撮像装置の構造物に固定されて熱的に繋がるため、赤外線撮像装置の構造物の形状や環境により、底板6は任意の温度分布を持ち、時間とともに変化する。しかしながら、図2に示すように、底板6の熱は、熱経路制御放熱板1の底面から低熱伝導性材料3よりも熱伝導性が高い熱経路絞り4を主に通って熱経路制御放熱板1の上面に伝達され、赤外線検知素子5に到達することになり、熱は熱経路絞り4を通るときのその経路が規制されるため、熱経路制御放熱板1上では、熱経路絞り4を中心として放射状に広がる。その結果、熱経路制御放熱板1の上面の温度分布は、底板6の温度分布にかかわらず、ほぼ熱経路絞り4を中心とした円分布となり、その分布に基づいて信号処理によって出力信号を補正することによって、均一な出力画像を得ることができる。
図3を用いて具体的に説明する。図3(a)は熱経路制御放熱板1を上部から見た図であり、図3(b)は、熱経路制御放熱板1上面の温度分布を濃淡で現した図である。図3(a)に示すように、上部から見て、熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2及び熱経路絞り4を円形状とし、熱経路絞り4を赤外線検知素子5の略中心に配置した場合、底板6側から熱が流入すると、図3(b)に示すように、熱経路制御放熱板1上面では、熱経路絞り4近傍の温度が高く(ここでは色が濃く)、熱経路絞り4から離れるに従って温度が徐々に低く(ここでは徐々に色が薄く)なり、この温度分布の形状は底板6の温度分布によらず、ほぼ一定となる。従って、熱経路絞り4からの距離に応じて信号処理の補正量を変化させることによって、温度分布に起因する出力画像の不均一性を改善することができる。
なお、赤外線検知素子5と熱経路制御放熱板1の各部の寸法比率は図3の構成に限定されず、熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2は赤外線検知素子5よりも大きく、熱経路絞り4は熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2よりも十分に小さければよい。
また、図3では、熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2及び熱経路絞り4を円形状としたが、その形状は特に限定されず、例えば、赤外線検知素子5が矩形形状の場合は、図4(a)に示すように、熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2及び熱経路絞り4を同様に矩形形状としてもよく、その場合も、図4(b)に示すように、熱経路制御放熱板1上面では、熱経路絞り4近傍の温度が高く、熱経路絞り4から離れるに従って温度が徐々に低くなり、この温度分布の形状は底板6の温度分布によらず、ほぼ一定となる。
また、図3及び図4では、熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2と熱経路絞り4とを相似形状としたが、本発明では、赤外線検知素子5と熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2と熱経路絞り4の寸法及び位置が規定されていれば熱経路制御放熱板1上面の温度分布の形状は略一定になるため、図5に示すように、熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2と熱経路絞り4とを異なる形状にしてもよい。
また、図3乃至図5では、熱経路絞り4を円形状又は矩形形状として点状に配置したが、図6(a)に示すように熱経路絞り4を短冊形状としてライン状に配置してもよく、その場合は、熱経路制御放熱板1上面の温度分布は図6(b)に示すようになり、この温度分布の形状は底板6の温度分布によらず、ほぼ一定となる。
また、図3乃至図5では、熱経路絞り4を赤外線検知素子5の略中心に配置したが、上述したように、赤外線検知素子5と熱経路制御放熱板1上面の高熱伝導性材料2と熱経路絞り4の寸法及び位置が規定されていれば熱経路制御放熱板1上面の温度分布の形状は略一定になるため、例えば、図7(a)に示すように、熱経路絞り4を赤外線検知素子5の中心からずらした位置に配置してもよく、その場合も、図7(b)に示すように、熱経路制御放熱板1上面では、熱経路絞り4近傍の温度が高く、熱経路絞り4から離れるに従って温度が徐々に低くなり、この温度分布の形状は底板6の温度分布によらず、ほぼ一定となる。
また、図1では、熱経路絞り4以外の部分からの熱の伝導を抑制するために、上面及び底面の高熱伝導性材料2の間に低熱伝導性材料3を配置したが、図8に示すように、熱経路制御放熱板1を高熱伝導性材料2のみで形成すれば、熱経路絞り4以外の部分から熱伝導を更に抑制することができる。その場合において、熱経路制御放熱板1の強度が問題となる場合は、上面及び底面の高熱伝導性材料2の間の一部(例えば、周囲のみ)に低熱伝導性材料3を配置してもよい。
また、図1では、上面及び底面の高熱伝導性材料2を同じ寸法としたが、熱経路制御放熱板1は赤外線検知素子5を確実に保持できる寸法であればよく、例えば、図9に示すように上面側の高熱伝導性材料2を小さくするなどの変形も可能である。更に、図1、2、8、9では熱経路絞り4を一定の太さとしたが、図10に示すように、熱経路絞り4の太さを変えてもよい。なお、図9及び図10において、低熱伝導性材料3は設けても設けなくてもよい。
このように、温度安定化素子の代わりに、熱の伝達経路を規制する熱経路絞り4を設けた熱経路制御放熱板1を用いることにより、赤外線検知器を固定する赤外線撮像装置の構造物の温度が変化して底板6の温度分布が変化した場合であっても、底板6からの熱は熱経路絞り4を中心にして広がるため、熱経路制御放熱板1上面の温度分布の形状を略一定にすることができ、これにより、赤外線検知素子5の温度分布の形状も略一定になり、その温度分布の形状に合わせて信号処理の補正量を変化させることによって、温度分布に起因する出力画像の不均一性を改善して均一な出力画像を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施例に係る非冷却赤外線検知器及びその温度制御方法について、図11を参照して説明する。図11は、本実施例の非冷却赤外線検知器の構造を模式的に示す断面図である。
非冷却赤外線検知器でより精度の高い測定をしたい場合、温度安定化素子に輻射シールドを取り付けて輻射シールドの開口部以外からの赤外線を遮断する構造が用いられる。この場合、温度安定化素子は赤外線検知素子の温度と共に輻射シールドの温度も安定させる機能を担っており、輻射シールドの温度が安定していれば、輻射シールドから放射される赤外線は一定になり、輻射シールドの開口部からの赤外線をより高い精度で検知することが出来るようになる。
そこで、本発明では、図11に示すように、第1の実施例の図1で示した非冷却赤外線検知器において、赤外線検知素子5上に、被写体以外からの赤外線を遮断する輻射シールド10を配置する。この構造においても、底板6からの熱は一定の分布で輻射シールド10の各位置に伝達することになり、輻射シールド10の温度分布の形状が略一定になるため、赤外線検知素子5に入射する輻射シールド10からの赤外線も一定の分布となる。従って、赤外線検知器の出力に現れる輻射シールド10からの赤外線の信号は補正によって取り除くことができるため、輻射シールド10を用いてより精度の高い測定をしたい場合でも、温度安定化素子が不要となり、赤外線検知器のコスト及び消費電力を低減することができる。
なお、上記各実施例では、赤外線検知素子5を真空又は減圧状態で保持する構造としたが、常圧で保持したり、窒素雰囲気中で保持する構造としてもよく、その場合は、赤外線検知素子5は必ずしも密封する必要はない。また、上記各実施例では、本発明の温度制御構造を赤外線検知素子に適用したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、外部から流入する熱によってその特性が変化する任意のアレイセンサに対して同様に適用することができる。
本発明は、非冷却赤外線検知器に限らず、外部から流入する熱によってその特性が変化する素子を備える検知器全般に利用可能である。
本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の構造を示す断面図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板における熱伝導の様子を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板の例を示す図であり、(a)はその上面図、(b)は温度分布を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板の他の例を示す図であり、(a)はその上面図、(b)は温度分布を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板の他の例を示す上面図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板の他の例を示す図であり、(a)はその上面図、(b)は温度分布を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板の他の例を示す図であり、(a)はその上面図、(b)は温度分布を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板の他の例を示す側断面図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板の他の例を示す側断面図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線検知器の熱経路制御放熱板の他の例を示す側断面図である。 本発明の第2の実施例に係る赤外線検知器の構造を示す断面図である。 従来の赤外線検知器の構造を示す断面図である。 従来の赤外線検知器から温度安定化素子を取り除いた赤外線検知器の構造を示す断面図である。
符号の説明
1 熱経路制御放熱板
2 高熱伝導性材料
3 低熱伝導性材料
4 熱経路絞り
5 赤外線検知素子
6 底板
7 真空容器
8 赤外線透過窓
9 外部回路接続用端子
10 輻射シールド
11 温度安定化素子

Claims (12)

  1. 複数の検知部が配列された赤外線検知素子と、前記赤外線検知素子を支持する支持板と、を少なくとも備える赤外線検知器において、
    前記支持板と前記赤外線検知素子との間に、前記支持板と前記赤外線検知素子との間の熱伝達経路を狭める絞り構造を有する熱経路制御手段を備えることを特徴とする赤外線検知器。
  2. 前記熱経路制御手段は、
    前記支持板に当接する第1の熱伝導層と、
    前記赤外線検知素子に当接する第2の熱伝導層と、
    前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層とをその一部において連結する柱状の接続部と、を含むことを特徴とする請求項1記載の赤外線検知器。
  3. 前記熱経路制御手段は、
    相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記支持板に当接する第1の熱伝導層と、
    相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記赤外線検知素子に当接する第2の熱伝導層と、
    相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層とをその一部において連結する柱状の接続部と、
    相対的に熱伝導性が低い部材で形成され、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層と間の前記接続部を除く領域に配置される中間層と、を含むことを特徴とする請求項1記載の赤外線検知器。
  4. 前記接続部は、前記赤外線検知素子の検知面の法線方向から見て、前記赤外線検知素子の略中央に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の赤外線検知器。
  5. 前記赤外線検知素子上に、周囲から入射する赤外線を遮断するための輻射シールドを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の赤外線検知器。
  6. 前記赤外線検知素子は、非冷却赤外線検知素子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の赤外線検知器。
  7. 複数の検知部が配列された赤外線検知素子と、前記赤外線検知素子を支持する支持板と、を少なくとも備える赤外線検知器における温度制御方法であって、
    前記支持板と前記赤外線検知素子との間に、前記支持板と前記赤外線検知素子との間の熱伝達経路を狭める絞り構造を有する熱経路制御手段を設け、
    前記支持板から流入する熱による前記赤外線検知素子の温度分布の形状を略一定に保持することを特徴とする赤外線検知器の温度制御方法。
  8. 前記熱経路制御手段を、
    前記支持板に当接する第1の熱伝導層と、
    前記赤外線検知素子に当接する第2の熱伝導層と、
    前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層とをその一部において連結する柱状の接続部と、で構成し、
    前記支持板から前記赤外線検知素子に流入する熱による前記赤外線検知素子の温度分布の形状を、前記接続部を基点とする形状にすることを特徴とする請求項7記載の赤外線検知器の温度制御方法。
  9. 前記熱経路制御手段を、
    相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記支持板に当接する第1の熱伝導層と、
    相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記赤外線検知素子に当接する第2の熱伝導層と、
    相対的に熱伝導性が高い部材で形成され、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層とをその一部において連結する柱状の接続部と、
    相対的に熱伝導性が低い部材で形成され、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層と間の前記接続部を除く領域に配置される中間層と、で構成し、
    前記支持板から前記赤外線検知素子に流入する熱による前記赤外線検知素子の温度分布の形状を、前記接続部を基点とする形状にすることを特徴とする請求項7記載の赤外線検知器の温度制御方法。
  10. 前記接続部を、前記赤外線検知素子の検知面の法線方向から見て、前記赤外線検知素子の略中央に配置し、前記赤外線検知素子の温度分布の形状を、前記赤外線検知素子の略中央を中心とする点対称にすることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一に記載の赤外線検知器の温度制御方法。
  11. 前記赤外線検知素子上に、周囲から入射する赤外線を遮断するための輻射シールドを配置し、
    前記輻射シールドの温度分布の形状を略一定に保持することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一に記載の赤外線検知器の温度制御方法。
  12. 前記赤外線検知素子は、非冷却赤外線検知素子であることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一に記載の赤外線検知器の温度制御方法。
JP2006323427A 2006-11-30 2006-11-30 赤外線検知器及びその温度制御方法 Pending JP2008139072A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006323427A JP2008139072A (ja) 2006-11-30 2006-11-30 赤外線検知器及びその温度制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006323427A JP2008139072A (ja) 2006-11-30 2006-11-30 赤外線検知器及びその温度制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008139072A true JP2008139072A (ja) 2008-06-19

Family

ID=39600710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006323427A Pending JP2008139072A (ja) 2006-11-30 2006-11-30 赤外線検知器及びその温度制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008139072A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021210593A1 (ja) * 2020-04-13 2021-10-21 国立大学法人京都大学 赤外線センシングデバイス及びそれに用いる抵抗可変膜

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0626928A (ja) * 1992-07-07 1994-02-04 Matsushita Electric Works Ltd 赤外線検知素子
JP2004077462A (ja) * 2002-08-17 2004-03-11 Lg Electronics Inc 赤外線センサアセンブリ及びその赤外線センサが具備された冷蔵庫

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0626928A (ja) * 1992-07-07 1994-02-04 Matsushita Electric Works Ltd 赤外線検知素子
JP2004077462A (ja) * 2002-08-17 2004-03-11 Lg Electronics Inc 赤外線センサアセンブリ及びその赤外線センサが具備された冷蔵庫

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021210593A1 (ja) * 2020-04-13 2021-10-21 国立大学法人京都大学 赤外線センシングデバイス及びそれに用いる抵抗可変膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7385199B2 (en) Microbolometer IR focal plane array (FPA) with in-situ mirco vacuum sensor and method of fabrication
US7005642B2 (en) Infrared sensor and electronic device using the same
JP2007220087A (ja) 集積回路および集積回路を有する半導体材料の温度調節方法
KR102280921B1 (ko) 비냉각 마이크로 볼로미터에 대한 열 보호 메커니즘.
US20120073308A1 (en) Apparatus and method for controlling the temperature of a black body
KR101922119B1 (ko) 적외선 검출기 및 이를 사용하는 적외선 검출 방법
US8748808B2 (en) Detection and correction of a loss of calibration of microbolometer thermal imaging radiometers
JPH0738019A (ja) 冷却型固体撮像装置
JP2008185465A (ja) 赤外線センサの温度補償方法および装置
JP2008145133A (ja) 放射温度計
US9606016B2 (en) Devices and methods for determining vacuum pressure levels
US8215831B2 (en) Sensor element
US20040169144A1 (en) Infrared array detection device
KR20150146426A (ko) 센서 온도 보상을 포함하는 적외선 센서
JP2006292594A (ja) 赤外線検知器
JP5564681B2 (ja) 赤外線センサ
US20220187687A1 (en) Module Design for Enhanced Radiometric Calibration of Thermal Camera
JP2008139072A (ja) 赤外線検知器及びその温度制御方法
JP2011128065A (ja) 赤外線アレイセンサ装置
TWI786569B (zh) 紅外線攝影裝置
US20090127470A1 (en) Flat panel detector with temperature sensor
JP2023152012A (ja) 赤外線カメラ
Funaki et al. A 160 x 120 pixel uncooled TEC-less infrared radiation focal plane array on a standard ceramic package
JP7271604B2 (ja) 赤外線撮像装置
US11604099B2 (en) Long-wave infrared detecting element, array structure of long-wave infrared detecting elements, long-wave infrared temperature detecting device, and thermal imaging device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110527

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111028

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20111110