JP2008138239A - 半導体製造装置の電極の管理方法および半導体製造装置 - Google Patents

半導体製造装置の電極の管理方法および半導体製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コストの上昇や表面クラックによる装置異常の無い半導体製造装置の電極の管理方法とその管理方法が簡便に利用できる半導体製造装置を提供する。
【解決手段】プラズマによって表面に変質層が形成される電極3を有する半導体製造装置における電極3の管理方法において、前記電極3表面の変質層の厚みを測定する工程と、前記測定した変質層の厚みが基準値に達したら、電極の交換時期と判断する工程とを有することを特徴とする電極の管理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造装置(特に、熱CVD装置)の反応室に備えられている電極の管理方法とこの管理方法を利用した半導体製造装置に関する。
CVD装置(成膜装置またはエッチング装置を含む。)においては、アルミニウム等の金属製の電極を備えているが、この電極は、CVD装置の使用に伴って経時的に損傷するため、適切な時期に交換する必要がある。
プラズマCVD装置においては、アルマイト等で表面を被覆した被覆電極を備えており、耐食性を高めると同時に、ウェハとの電気的接触を防止することで、プラズマダメージの導入を回避している。それでも、使用頻度に応じて被覆層が損傷し、過度の使用により成膜した膜の膜質に大きな影響が生じる。したがって、成膜した膜の膜質を監視することにより、電極の交換時期を決定することが一般的に行われている。あるいは、特許文献1には、プラズマCVD装置において、クリーニングガスを活性化する為の遠隔プラズマ放電チャンバ13を、反応チャンバ2から離して設けることにより、プラズマダメージを回避する技術が開示されている。
しかし、熱CVD装置等、成膜処理自体にプラズマ反応を用いないCVD装置においては、電極の損傷が膜自体に影響を及ぼすことが稀である為、成膜した膜から電極の交換時期を決定することは容易ではない。
しかも、熱CVD装置では、成膜処理が終了し、被処理ウェハを搬出した後、反応室内に堆積した膜を除去する目的で、フッ素プラズマによるドライクリーニング(プラズマクリーニングとも呼ぶ。)が、通常行われる。このドライクリーニング時に、電極表面がフッ素と反応し、アルミニウム製電極においてはフッ化アルミニウム(AlF3)層が形成されることになる。表面のフッ化が進行した状態で、繰り返し熱履歴が電極に加わると、熱応力による表面クラックが発生するという問題が起こる。この表面クラックにより、例えば、基板ウェハの温度制御用に使用するバックサイドガスがリークする等の装置異常が発生したり、当該電極の再利用ができなくなったりする。
この電極のクラックを防ぐ為に、例えば、累積処理枚や累積処理時間等、電極1枚当たりの使用時間を管理することで、電極の損傷を推定し、交換時期を決定することが一般的に行われている。
特開2001−274105号公報
しかし、電極の使用時間を管理する管理方法では、条件変動による電極の損傷度合の変動を、交換時期の決定に反映することができないという問題がある。この問題により、まだ使用可能であるにもかかわらず、電極を交換する為に起こるコストの上昇、又は、逆に電極の過剰使用による表面クラックが起こす装置異常、が発生する。
本発明の目的は、上記問題を解決し、コストの上昇や表面クラックによる装置異常の無い半導体製造装置の電極の管理方法、及びその管理方法を利用した半導体製造装置を提供することである。
熱CVD装置等の半導体製造装置における電極交換時期の適正化を図る為、電極表面の変質層の厚みを測定して電極の損傷状態を定量化し、これに基づいて交換時期を判断することに、発明者は想到した。
(1)上記問題を解決する為に、本発明に係る電極の管理方法は、プラズマによって表面に変質層が形成される電極を有する半導体製造装置における電極の管理方法において、前記電極表面の変質層の厚みを測定する工程と、前記測定した変質層の厚みが基準値に達したら、電極の交換時期と判断する工程とを有することを特徴とする。
(2)上記(1)において、半導体製造装置が熱CVD装置であって、測定する電極表面の変質層が、成膜時に電極表面に堆積した生成物をフッ素系プラズマで除去する際に、電極表面に形成されたものであることを特徴とする。
(3)上記(1)または(2)において、電極表面の変質層の厚みを測定する工程に、渦電流を利用した膜厚測定法を用いることを特徴とする。
(4)上記問題を解決する為に、本発明に係る半導体製造装置は、プラズマによって表面に変質層が形成される電極を有する半導体製造装置において、前記電極表面の変質層の厚みを測定する厚み測定手段と、前記測定された変質層の厚みが基準値に達したら、電極の交換時期と判断し、この判断結果を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、金属製電極表面の変質層の厚さを測定し、その測定した変質層の厚さで電極の交換時期を判断することで、過剰メンテナンス(即ち、寿命到達前の部材交換)による製造コストの増大や、メンテナンス不良(即ち、寿命超過)による装置異常の発生を、未然に防止することができる。
本発明の実施の形態の一例として、熱CVDを利用した枚葉式タングステン(W)CVD装置、及びこの装置を使用する場合について、以下説明する。
先ず、電極の交換時期を判断する為の厚み基準値を、決定する。対象電極の累積処理枚数と電極表面の変質層(本実施の形態の場合、AlF3層)との厚みの関係を、調査したところ、変質層の厚みが100μmを超えると、電極表面に熱応力によるクラックが発生し、ウェハの温度制御用裏面ガスがリークし、装置異常を発生するに至った。この結果から、変質層が95μmに達した時点を、電極の交換時期と判断することにした。
図1は、本発明に係る半導体製造装置の一例となるWCVD装置の概略断面図である。反応室1内に、アルミニウム(Al)製のガスシャワープレート2と下部ヒーター電極3が対向して置かれている。ガスシャワープレート2は、反応室1の上部に設けられており、ここから原料ガスを供給する。また、ガスシャワープレート2には高周波電源4が接続され、対向する下部ヒーター電極3は接地されている。さらに、反応室1の排気には、ポンプ6が用いられる。
このような構成のWCVD装置において、下部ヒーター電極3上にウェハ5を載置する。原料ガスとして、例えば六フッ化タングステン(WF6)をガスシャワープレート2から反応室1内へ流し、ポンプ6にて排気量をコントロールして反応室1内を一定圧力に保持し、下部ヒーター電極板3を300〜500℃に昇温させると、ウェハ5上にはタングステン(W)が成膜される。
ウェハ5上へタングステンの成膜が終了した後に、プラズマクリーニング処理を行い、反応室1の内壁、ガスシャワープレート2の表面、及び下部ヒーター電極3のウェハ5が載置されなかった部分等に成膜されたタングステンを除去する。ウェハ5を反応室1外へ搬出後、反応室1内を一旦真空引きして、タングステンの成膜時に使用したWF6の残留ガスを十分に排気し、次に、反応室1内にフッ素系ガス、例えば三フッ化窒素NF3を供給し、ポンプ6で反応室1内の真空度を一定値に保持した状態で、高周波電源4からの13.56Mzの高周波をガスシャワープレート2に出力する。すると、次式(1)の反応により余分なタングステンをWF6ガス化でき、これをポンプ6で排気することにより、反応室1から除去することができる。
W+2NF3→ WF6+N2 …(1)
NF3ガスの内、タングステンと反応しなかった残留NF3ガスは、十分なN2により希釈された後に、大気へ放出される。また、プラズマクリーニング処理時に生じたWF6は、ポンプ6で排気された後、除外装置7で加水分解処理される。
ここで、本発明に係るWCVD装置においては、下部ヒータ電極3の表面に、渦電流式膜厚計8のプローブ8aが取り付けてある。そして、上記のプラズマクリーニング処理後、プローブ8aを介して下部ヒータ電極3の表面の変質層の厚みを測定する。即ち、渦電流式膜厚測定計8(プローブ8aを含む。)が厚み測定手段として機能する。
この渦電流式膜厚計8の測定結果は、通知手段9に送られる。通知手段9は、通知手段9内に保存されている交換時期の基準値と、渦電流式膜厚計8から送られた測定結果とを比較する。次に、その比較の結果、測定されたフッ化層の厚みが当該基準値に達したら電極の交換時期であると判断し、下部ヒータ電極3を交換する時期である旨を、出力端子10を介して図示しない外部モニターに出力する。これにより作業者に判断結果を通知する。
ここで、外部モニターに接続する場合の他に、通知手段9を出力端子10を介してWCVD装置の制御装置に接続することで、WCVD装置の制御装置に判断結果を出力し、電極が交換時期と判断された場合は、WCVD装置の表示装置にその旨を表示させると共にWCVD装置の稼働を一時停止させても良い。
下部ヒータ電極3よりも安価なガスシャワープレート2に関しては、一定の累積処理枚数ごとに行われる反応室1の内部ウェットクリーニングの際に、交換又は洗浄する。
また、他の実施の形態の例として、電極交換時期の基準となる変質層厚みの基準値の決定と、タングステン成膜からプラズマクリーニング処理までは、上記と同様に行うが、その後、タングステン成膜からプラズマクリーニング処理までを複数回繰り返し、繰り返した後に、一定のウェハの累積処理枚数ごとに行う反応室1の内部ウェットクリーニングの際に、作業者が、下部ヒータ電極3の表面変質層の厚みを携帯型の渦電流式膜厚計で測定し、その測定結果を、予め定められた基準値と比較し、その比較の結果、変質層の厚みが当該基準値に達していたら電極の交換時期と判断し、下部ヒータ電極3の交換を実施する、としても良い。
この方法ならば、膜厚計をWCVD装置に直接組み込まなくても良いので、既存の装置に対し特別なコストをかけずに行えるという利点がある。
なお、上記実施の形態は、WCVD装置により説明したが、本発明はこれに限定されない。タングステンやチタン(Ti)等の金属膜用の熱CVD装置、NSGやBPSG等の絶縁膜用の熱CVD装置の電極についても、本発明はその効果を奏する。
また、本発明は、特許文献1が開示するセルフクリーニング装置を具備したCVD装置にも適用することができる。
なお、上記実施の形態は、測定対象層がフッ化物層(絶縁性被膜)でその下地がアルミニウム(非磁性金属)であった為、変質層の厚み測定に渦電流式膜厚計を使用したが、本発明はこれに限定されない。測定対象となる変質層と電極材料の性質から、適切な膜厚測定計や膜厚測定法を適宜選択すればよい。
本発明に係る半導体製造装置の一例であるWCVD装置の概略断面図である。
符号の説明
1 反応室
2 ガスシャワープレート
3 下部ヒータ電極
4 高周波電源
5 ウェハ
6 ポンプ
7 除外装置
8 渦電流式膜厚計
8a プローブ
9 通知手段
10 出力端子

Claims (4)

  1. プラズマによって表面に変質層が形成される電極を有する半導体製造装置における電極の管理方法において、
    前記電極表面の変質層の厚みを測定する工程と、
    前記測定した変質層の厚みが基準値に達したら、電極の交換時期と判断する工程とを有することを特徴とする電極の管理方法。
  2. 半導体製造装置が熱CVD装置であって、
    測定する電極表面の変質層が、成膜時に電極表面に堆積した生成物をフッ素系プラズマで除去する際に、電極表面に形成されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の電極の管理方法。
  3. 電極表面の変質層の厚みを測定する工程に、渦電流を利用した膜厚測定法を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の電極の管理方法。
  4. プラズマによって表面に変質層が形成される電極を有する半導体製造装置において、
    前記電極表面の変質層の厚みを測定する厚み測定手段と、
    前記測定された変質層の厚みが基準値に達したら、電極の交換時期と判断し、この判断結果を通知する通知手段とを備えることを特徴とする半導体製造装置。
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