JP2008137895A - S−パントプラゾールの調製方法 - Google Patents

S−パントプラゾールの調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】S−パントプラゾールの改良された調製方法の提供。
【解決手段】溶媒中において相間移動触媒と塩基の存在下で5−ジフルオロメトキシ−1−ベンズイミダゾール−2−チオールを2−クロロメチル−3,4−ジメトキシピリジンと反応させて、5−(ジフルオロメトキシ)−2−(((3,4−ジメトキシピロリジン−2イル)メチル)チオ)−1H−ベンズイミダゾールを得る。これを立体選択的反応試薬、酸化剤および塩基の存在下でその場で立体選択的に酸化させてS−パントプラゾールを得て、必要に応じてこれをアルカリ性溶液で処理して純粋なS−パントプラゾールを得る、S−パントプラゾールの改良された調製方法である。S−パントプラゾールを溶媒中で塩基と反応させて、S−パントプラゾールの薬学的に許容される安定した塩またはその水和物を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、S−パントプラゾールの薬学的に許容される塩またはその水和物の改良された調製方法に関する。
様々な形態の置換2−(2−ピリジニルメチルスルフィニル)−1H−ベンズイミダゾールを開示する特許および特許出願は数多くある。この種の化合物は、胃酸分泌の抑制剤として有用であるという特性を有する。例えば、欧州特許出願公開第0005129号に記載された、オメプラゾールという一般名を有する化合物(5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチル]−スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール)は、抗潰瘍薬として有用である。対象となるその他の化合物は、例えば、ランソプラゾール、パントプラゾール、パリプラゾールおよびレミノプラゾールという一般名をもつ化合物である。
パントプラゾール、すなわち式(I)の5−(ジフルオロメトキシ)−2−(((3,4−ジメトキシピリジン−2イル)メチル)スルフィニル)−1H−ベンズイミダゾールは、次の構造式を有する。
Figure 2008137895
パントプラゾール(プロトニックス(登録商標))は、胃における酸の生成を阻害する。これは、逆流性食道炎(GERD)または潰瘍の患者の症状を緩和するとともに、食道または胃の損傷を予防する。また、パントプラゾールは、ゾリンジャー−エリソン症候群などの胃酸を過剰に産生する病気にも有用である。
パントプラゾールは、硫黄原子に立体中心を有する。したがって、パントプラゾールは、2つの光学的異性体、すなわちエナンチオマー(鏡像異性体)として存在する。薬理学的に活性な化合物の単一のエナンチオマーは、優れた薬物動態的活性および生物学的特性を有する。それは、現在、監督官庁から要求されることである(参考文献:http://www.fpharm.uniba.sk/Dokumenty/Acta_Facultatis/L/Pharm-02%20Hutt%20%20AJ-Valentov%C3%A1%20J.pdf)。したがって、S−パントプラゾールなどの薬理学的に活性な化合物の単一エナンチオマーを製造するための、大規模(large scale)で使用可能なエナンチオ選択的な方法が必要とされている。
光学的に純粋なS−パントプラゾールは、胃、十二指腸および食道の潰瘍、逆流性食道炎、ゾリンジャー−エリソン症候群、およびH,K−ATPアーゼに対する抑制作用により利益を得られるその他の疾患の治療に有効な薬剤である。光学的に純粋なS−パントプラゾールは、こうした有効な治療効果をもたらすとともに、肝細胞がん、胃のカルチノイド、頭痛、下痢および皮膚の変化などのラセミ体のパントプラゾールの副作用を大幅に減少させる。
独国特許発明第4035455号は、鏡像異性的に純粋なパントプラゾールの調製方法(スキーム−I)を開示している。そこでは、メタノール中において水酸化ナトリウムの存在下で式(II)の5−ジフルオロメトキシ−1H−ベンズイミダゾール−2−チオールを式(III)の2−クロロメチル−3,4−ジメトキシピリジンと反応させて式(IV)の5−(ジフルオロメトキシ)−2−(((3,4−ジメトキシピロリジン−2−イル)メチル)チオ)−1H−ベンズイミダゾールを生成し、これをm−クロロ過安息香酸の存在下で酸化反応させて式(I)のラセミ体の5−[ジフルオロメトキシ]−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチル)スルフィニル)−1H−ベンズイミダゾールを得る。
Figure 2008137895
従来の方法により式(I)の物質をナトリウム塩に変換して式(V)のナトリウム塩を生成し、これを鏡像異性的に純粋なフェンキルクロロエチルエーテルと反応させることで分割し、その後に加水分解してS−パントプラゾールを得る。
上記方法は、以下のような多くの合成ステップおよび精製ステップを含む。
a)式(II)の物質と式(III)の物質を縮合させた後に、単離および精製して式(IV)の物質を得るステップ。
b)縮合物を酸化反応させた後に、塩生成および精製して式(I)の物質を得るステップ。
c)式(I)のラセミ体パントプラゾールをジアステレオマー中間体に変換させるステップ。これは、複雑なステップを含むとともに多くの不純物の生成を伴い、望ましい質のジアステレオマー中間体を得るためにはさらに結晶化を繰り返し行う必要がある。
d)ジアステレオマー中間体を加水分解してS−パントプラゾールを得るステップ。
この方法は、異なる溶媒中における多くの合成ステップおよび精製ステップを含む。したがって、この方法は、最終生成物のコストの増加に繋がる、多くの設備と人的資源を必要とする。
米国特許第5948789号は、S−パントプラゾールの調製方法(スキーム−II)を開示している。そこでは、溶媒中において塩基の存在下で式(II)の物質を式(III)の物質と反応させて式(IV)の縮合物を生成し、それを精製する。塩化メチレン中において、チタン(IV)イソプロポキシド、(−)D−酒石酸ジエチルおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、式(IV)の精製化合物を過剰量のクメンヒドロペルオキシドと反応させる。反応完了後に反応物(reaction mass)を酸塩基処理し、その後精製してS−パントプラゾールを得る。
この製法の主な欠点は次のとおりである。
a)溶媒中において塩基の存在下で式(II)の物質を式(III)の物質と縮合させた後に、式(IV)の物質を得るために単離および必要不可欠な精製を行っている。この段階の精製は、収率および周期(time cycle)の観点で律速段階(limiting step)となる。
b)過剰量のクメンヒドロペルオキシドを用いて酸化反応が行われる。したがって、最終生成物中における不純物の生成が増大する(参考文献:欧州特許出願公開第7773940号)
c)医薬品グレードの望ましい品質の最終生成物を得るために、不純物を含む最終生成物を異なる溶媒中で繰り返し結晶化することが必要である。これは最終生成物の収率損失をまねく。
d)工場レベルにおける過剰量のクメンヒドロペルオキシドの使用は危険である(参考文献:http://physchem.ox.ac.uk/MSDS/CU/cumene_hydroperoxide.html)。
上記のすべての作業は、より多くの設備と人的資源を必要とする。したがって、最終的な有効薬剤成分(API)のコストが増加する。
Figure 2008137895
従来技術を検討すると、下記のような限界がある。
a)クメンヒドロペルオキシドが高いモル比のため、製造側の危険が増大する。
b)初期段階で縮合物を精製するため、損失が生じる。
c)医薬品グレードの所望の純度を達成するために、結晶化を繰り返す必要がある。
d)精製が必要不可欠であるため、製造バッチ当りの周期が増加する。
e)異なるステップで異なる溶媒を使用するため、様々な溶媒を調達し、保存する必要性が増加するとともに、回収に限界が生じてしまう。
f)上記の要因により、設備、人的資源およびコストが増加する。
したがって、相対的に安全で、経済的な、S−パントプラゾールの薬学的に許容される塩またはその水和物を開発することが必要とされている。
本明細書では、S−パントプラゾールの薬学的に許容される塩またはその水和物を、中間段階で分離および精製を行わずに調製する、産業上利用可能な改良された方法を開示する。
本発明の主たる目的は、合成ステップおよび精製ステップの数を減少させた、S−パントプラゾールの改良された調製方法を提供することである。
本発明の別の目的は、単一の溶媒中ですべての反応ステップを行うことである。
本発明のさらに別の目的は、最少量のクメンヒドロペルオキシドを使用すること、および不純物の精製を最小限にすることである。
さらに、本発明の目的は、収率を向上させ、周期を減少させるために、最終段階での精製を避けることである。
本発明のさらなる目的は、原料コストを減少させるために、式(IV)の物質を回収し、再利用することである。
本発明は、中間段階で分離および精製を行わずに、単一の溶媒中ですべての反応ステップを行う方法を提供する。
本発明はさらに、最少量のクメンヒドロペルオキシドを使用する、S−パントプラゾールの改良された調製方法を提供する。
本発明は、式(IV)の物質を回収し、再利用できるという別の利点も提供する。
本発明は、産業上利用可能な、S−パントプラゾールの改良された調製方法を提供する。この方法は、以下のステップを含む。
a)溶媒中において相間移動触媒および塩基の存在下で、式(II)の5−ジフルオロメトキシ−1H−ベンズイミダゾール−2−チオールを式(III)の2−クロロメチル−3,4−ジメトキシピリジン塩と反応させて、式(IV)の5−(ジフルオロメトキシ)−2−(((3,4−ジメトキシピリジン−2イル)メチル)スルフィニル)−1H−ベンズイミダゾールを得るステップ。
b)立体選択的反応試薬(stereo selective reagent)および塩基の存在下で、式(IV)の物質を過酸化物/酸化剤とその場で反応させて、式(VI)のS−パントプラゾールを得るステップ。
c)必要に応じて、塩基性溶媒の存在下で式(VI)の物質を精製して、純粋なS−パントプラゾールを得るステップ。
d)溶媒中においてS−パントプラゾールをアルカリ性溶液と反応させて、S−パントプラゾールの薬学的に許容される塩またはその水和物を得るステップ。
本発明によれば、溶媒中において、相間移動触媒および塩基の存在下で、式(I)の5−ジフルオロメトキシ−1−H−ベンズイミダゾール−2−チオールを式(II)の2−クロロメチル−3,4−ジメトキシピリジン塩と縮合反応させて、式(III)の5−(ジフルオロメトキシ)−2−(((3,4−ジメトキシピリジン−2イル)メチル)チオ)−1−H−ベンズイミダゾールを得る。
2−クロロメチル−3,4−ジメチルピリジン塩は、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩などを含む群から選択される。好適な塩は塩酸塩である。
縮合反応は、反応の進行を促進する相間移動触媒(PTC)の存在下で行われる。相間移動触媒は、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、クラウンエーテル、およびこれらの混合物を含む群から選択される。最も好ましくは、相間移動触媒は、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウムまたは塩化ベンジルトリエチルアンモニウムである。
縮合反応は溶媒中において行われ、水と水不混和性の有機溶媒との混合物は溶媒となりうる。水不混和性の有機溶媒は、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタンなど、およびこれらの混合物を含む群から選択される。好適な水不混和性の有機溶媒は、トルエンおよびジクロロメタン、またはこれらの混合物である。
縮合反応は塩基の存在下で行われ、塩基は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩を含む群から選択されるが、好ましくはアルカリ金属の水酸化物である。好適なアルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウムである。
縮合反応は40〜70°Cの間の温度で行われ、好適な反応温度は50〜60℃である。反応の完了後、反応物を水で希釈し、有機層と水層とに分ける。前記有機層において、式(IV)の物質の分離および精製をすることなく、立体選択的酸化反応(stereo selective oxidation reaction)を行う。このように分離および精製を回避することは、周期、人的資源、設備および収率の損失を少なくし、それにより製造コストを減少させる。
Figure 2008137895
縮合物を含む有機層を(−)D−酒石酸ジエチル、チタン(IV)イソプロポキシド、過酸化物およびN,N−ジイソプロピルエチルアミンと反応させ、その後処理してS−パントプラゾールを得る。
過酸化物は、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸およびクメンヒドロペルオキシドを含む群から選択される。好適な過酸化物は、クメンヒドロペルオキシドである。反応物中で使用されるクメンヒドロペルオキシドの量は、式(II)のベンズイミダゾール誘導体に対して0.6モル〜0.9モルであり、好適なモル比は0.7〜0.8である。酸化反応におけるより少量のクメンヒドロペルオキシドの使用は、不純物の生成を最小限に抑える。
本発明によれば、反応シーケンスは、縮合反応に始まり最終的なS−パントプラゾールに至るまで、反応系中(in-situ)で実行される。驚くべきことに、本発明から得られた鏡像異性的に純粋なパントプラゾールの収率は、従来技術に比べてほぼ二倍である。(我々は、いくつかの米国特許が従来技術であるとは認めたくない)
本発明によれば、上記の単離したS−パントプラゾールを、水と水酸化ナトリウム水溶液との混合液中において40〜60℃でスラリー洗浄する。好適な反応温度は50℃である。その結果得られた溶液を10〜20℃に冷却し、濾過するだけで、結晶化による精製ステップを経ずに、薬学的に許容されるグレードのS−パントプラゾールを得る。この方法は、生成物の溶解およびその後の析出を含まない。したがって、この段階での収率損失は回避される。
本発明によれば、上記の単離した純粋なS−パントプラゾールを溶媒中に懸濁した後、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の水溶液を添加して、薬学的に許容されるS−パントプラゾール塩またはその水和物を得る。
塩を調製するための溶媒は、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタンなど、またはこれらの混合物を含む群から選択される。好適な溶媒は、トルエンおよび/またはジクロロメタンである。
塩を調製するための水酸化物は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む群から選択される。アルカリ金属は、ナトリウムまたはカリウムから選択される。好適な水酸化物は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。アルカリ土類金属水酸化物は、マグネシウムおよびカルシウムから選択される。
nは、0、0.5、1.0、1.5、2.0、3.0などを含む群から選択され、好適なnは1.5または3.0である。
上記の発明の主な利点は次のとおりである。
a)数が減少した反応および精製ステップで式(IV)のスルフィドを変換することにより、S−パントプラゾールナトリウムの収率が向上する。
b)すべての反応が単一の溶媒中で実行される。
c)酸化反応で使用されるクメンヒドロペルオキシドの量が減少し、実際的な危険が減少する。
d)酸化反応におけるスルホン不純物の生成がより少ない。したがって、精製が回避される。
e)式(IV)のスルフィド誘導体を回収し、酸化反応に再使用して、S−パントプラゾールを得る。
本発明の原理、好適な実施形態および作用様式を上記明細書において説明してきた。しかしながら、開示した特定の形態は限定的ではなく例示的なものとみなされるべきものであるので、ここで保護されることになる発明は、開示した特定の形態に限定されるものと解釈すべきではない。発明の思想から逸脱しない範囲で当業者により変形および変更され得る。
本発明は、さらに具体的に以下の実施例で説明されるが、これは本発明の範囲を制限するものではない。
S−パントプラゾールの調製:
5−ジフルオロメトキシ−1−ベンズイミダゾール−2−チオール(II)21.60g(0.10モル)を水67mlとトルエン112mlとの混合液中に溶解した。水酸化ナトリウム8.8g(0.22モル)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1.137g(4.5ミリモル)を25〜30℃で反応物に添加した。2−クロロメチル−3,4−ジメトキシピリジン塩酸塩(III)22.4g(0.1モル)を水56mlに溶解し、それを50〜55℃で1〜2時間かけて添加した。反応物を50〜55℃に1時間維持した。反応完了後、反応物を冷却し、水(100ml)で洗浄した。
(−)酒石酸ジエチル21.4g(0.10モル)、チタン(IV)イソプロポキシド12.55g(0.044モル)、ジイソプロピルエチルアミン3.88g(0.30モル)およびクメンヒドロペルオキシド13.02g(0.068モル)を有機層に添加した。反応物を2時間撹拌した。反応完了後、5%水酸化ナトリウム溶液480mlを、分離された有機層の反応物に添加した。水層をジクロロメタン(5×100ml)を使用して抽出した。水層を45〜50℃で酢酸によりpH8.0に調整した。分離した固体を濾過して、S−パントプラゾールを得た。
上記の単離した未乾燥の固体塊(cake)を水70mlと水酸化ナトリウム0.13g(3.25ミリモル)との混合物中に50℃で懸濁し、1時間維持してから20℃に冷却し、濾過してS−パントプラゾールを得た。
乾燥重量=23.0g
HPLCによる純度:99.7%
S−パントプラゾールの調製:
5−ジフルオロメトキシ−1−ベンズイミダゾール−2−チオール(II)216.0g(1.0モル)を水670mlとジクロロメタン1120mlとの混合液中に溶解した。水酸化ナトリウム88g(2.20モル)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム11.37g(0.05モル)を25〜30℃で反応物に添加した。2−クロロメチル−3,4−ジメトキシピリジン塩酸塩(III)224g(1.0モル)を水560mlに溶解し、それを25〜30℃で1〜2時間かけて添加した。反応物を25〜30℃に1時間維持した。反応完了後、反応物を冷却し、水(2500ml)で洗浄した。
(−)酒石酸ジエチル210.4g(1.02モル)、チタン(IV)イソプロポキシド125.5g(0.44モル)、ジイソプロピルエチルアミン38.8g(0.30モル)およびクメンヒドロペルオキシド130.2g(0.68モル)を有機層に添加した。反応物を2時間撹拌した。反応完了後、5%水酸化ナトリウム溶液4870mlを、分離された有機層の反応物に添加した。水層をジクロロメタン(5×850ml)を使用して抽出した。水層を45〜50℃で酢酸によりpH8.0に調整した。分離した固体を濾過して、S−パントプラゾールを得た。
上記の単離した未乾燥の固体塊を水700mlおよび水酸化ナトリウム1.0g(0.025モル)の混合物中に50℃で懸濁し、1時間維持してから20℃に冷却し、濾過して、S−パントプラゾールを得た。
乾燥重量=165g
S(−)パントプラゾールナトリウム三水和物の調製:
S−パントプラゾール20.83g(0.054モル)をジクロロメタン250mlに溶解した。水酸化ナトリウム水溶液(5.0g;0.125モル;65mlの水に溶解)を有機溶媒に30℃で1時間かけて添加した。その結果得られた溶液を2時間撹拌した。分離した固体を濾過して、S−パントプラゾールナトリウム三水和物を得た。
乾燥重量=23.0g

Claims (24)

  1. a)溶媒中において相間移動触媒と塩基の存在下で式(II)の5−ジフルオロメトキシ−1H−ベンズイミダゾール−2−チオールを式(III)の2−クロロメチル−3,4−ジメトキシピリジン塩と反応させて、式(IV)の5−(ジフルオロメトキシ)−2−(((3,4−ジメトキシピロリジン−2イル)メチル)チオ)−1H−ベンズイミダゾールを得るステップと、
    Figure 2008137895
    b)反応系中の式(IV)の物質を、立体選択的反応試薬および塩基の存在下で酸化剤と反応させて、S−パントプラゾールを得るステップと、
    Figure 2008137895
    c)溶媒中において純粋なS−パントプラゾールを塩基と反応させて、S−パントプラゾールの薬学的に許容される塩またはその水和物を得るステップと、
    Figure 2008137895

    を含む、S−パントプラゾールの調製方法。
  2. ステップ(a)において、2−クロロメチル−3,4−ジメチルピリジン塩は、塩酸塩、硫酸塩および酢酸塩を含む群から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 好適な前記塩は、塩酸塩である、請求項2記載の方法。
  4. ステップ(a)において、相間移動触媒は、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、クラウンエーテル、およびこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1記載の方法。
  5. 最も好適な前記相間移動触媒は、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムである、請求項4記載の方法。
  6. ステップ(a)において、塩基は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩を含む群から選択される、請求項1記載の方法。
  7. 前記アルカリ金属水酸化物は、ナトリウムおよびカリウムである、請求項6記載の方法。
  8. 好適な前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウムである、請求項7記載の方法。
  9. ステップ(a)において、溶媒は、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、およびこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1記載の方法。
  10. 好適な前記溶媒は、トルエンもしくはジクロロメタン、またはこれらの混合物である、請求項9記載の方法。
  11. ステップ(b)において、過酸化物は、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸およびクメンヒドロペルオキシドを含む群から選択される、請求項1記載の方法。
  12. 好適な過酸化物は、クメンヒドロペルオキシドである、請求項11記載の方法。
  13. 前記クメンヒドロペルオキシドの量は、式(II)の物質に対して0.6〜0.9モルである、請求項12記載の方法。
  14. 好適な前記クメンヒドロペルオキシドの量は、式(II)の物質に対して0.7〜0.8モルである、請求項13記載の方法。
  15. ステップ(b)において、前記立体選択的反応試薬は、(+)−L−酒石酸ジエチルおよび(−)−D−酒石酸ジエチルを含む群から選択される、請求項1記載の方法。
  16. 好適な前記立体選択的反応試薬は、(−)−D−酒石酸ジエチルである、請求項15記載の方法。
  17. ステップ(b)において、前記塩基は、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを含む群から選択される、請求項1記載の方法。
  18. 好適な前記塩基は、N,N−ジイソプロピルエチルアミンである、請求項17記載の方法。
  19. ステップ(c)において、前記塩基は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を含む群から選択される、請求項1記載の方法。
  20. 前記アルカリ金属はナトリウムまたはカリウムから選択され、好適なアルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウムである、請求項19記載の方法。
  21. ステップ(c)において、S−パントプラゾールの薬学的に許容される塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムから選択される、請求項1記載の方法。
  22. 好適な前記塩は、S−パントプラゾールのナトリウム塩である、請求項21記載の方法。
  23. ステップ(c)において、前記水和物は、1水和物、3/2水和物、2水和物および3水和物から選択される、請求項1記載の方法。
  24. 好適な前記水和物は、3水和物である、請求項23記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014092188A1 (ja) 2012-12-14 2014-06-19 株式会社Ihi 磁性体、及び、磁性体の製造方法

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