JP2008136060A - 適応回転角制御装置および方法、無線装置、コンピュータプログラム - Google Patents

適応回転角制御装置および方法、無線装置、コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】回転直交符号を適用する移動通信システムにおいて、伝搬路特性の変化に応じて、回転直交符号に適用する回転角を最適に制御することを図る。
【解決手段】受信品質情報と振幅変動情報と回転角とを変数として含む通信品質近似式を記憶する通信品質近似式記憶部41と、入力情報の受信品質情報および振幅変動情報と、回転角とを通信品質近似式に代入し、通信品質近似式の値を算出する演算部42と、回転角を演算部42に与え、その回転角を用いて算出された通信品質近似式の値である通信品質情報を演算部42から受け取り、受け取った通信品質情報に基づいて最適な回転角を決定する適応制御部43とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、適応回転角制御装置および方法、無線装置、コンピュータプログラムに関する。
近年、新世代の移動通信システムに利用される通信方式として、マルチキャリア伝送方式が注目されている。マルチキャリア伝送方式の代表例としては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式と、MC-CDM(Multi-Carrier-Code Division Multiplexing:マルチキャリア符号分割多重)方式が挙げられる。非特許文献1では、MC-CDM方式の拡散符号として回転直交符号が提案されている。拡散率がnの場合の回転直交符号Rnは、(1)式で表される。そして、入力信号ベクトルsが回転直交符号Rnにより符号化されたときの出力信号ベクトルs'は、(2)式で表される。
Figure 2008136060
Figure 2008136060
但し、Mは2以上の整数である。また、θは回転角(単位はラジアン)である。回転角θを0にすると、信号の拡散は行われず、出力信号はOFDM方式の信号となる。他方、回転角θをπ/4にすると、均等に信号の拡散が行われ、出力信号はWalsh符号を用いるMC-CDM方式の信号となる。また、回転角θを0からπ/4の間の値にすることにより、信号の拡散の比率を変化させ、周波数ダイバーシチ効果を制御することができ、OFDM方式とWalsh符号を用いるMC-CDM方式の両方の特徴を得ることができる。また、非特許文献2〜4では、回転角θは、拡散率、多重数、伝搬路、MCS(Modulation and Coding Scheme)などに影響されるものであり、これらパラメータに応じて誤り率を最小にする最適な回転角θが異なることが報告されている。また、非特許文献4では、移動通信システムに回転直交符号を適用する場合、固定の回転角を利用することが検討されている。
3GPP TSG RAN WG1#42bis, R-051261, "Enhancement of Distributed Mode for Maximizing Frequency Diversity," October 2005. 3GPP TSG RAN WG1#46, R1-062170, "Phase Adjustment Methods of Rotational CDM," September 2006. 3GPP TSG RAN WG1#46bis, R1-062804, "Phase Adjustment Methods of Rotational CDM for L1/L2 Control Channel," October 2006. 3GPP2 TSG-C WG3, C30-20060911-042, "The optimum rotational angle for R-OFDM," September 2006.
しかしながら、瞬時的もしくは長期的な伝搬路特性の変動によって、誤り率を最小にする最適な回転角が変動する。このため、伝搬路特性の変化に応じて最適な回転角に変更し、通信品質の向上を図ることが望ましい。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、回転直交符号を適用する移動通信システムにおいて、伝搬路特性の変化に応じて、回転直交符号に適用する回転角を最適に制御することのできる適応回転角制御装置および方法、無線装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、本発明の適応回転角制御装置をコンピュータを利用して実現するためのコンピュータプログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る適応回転角制御装置は、入力情報として受信品質情報および振幅変動情報が与えられ、回転直交符号に用いられる回転角を制御する適応回転角制御装置であって、受信品質情報と振幅変動情報と回転角とを変数として含む通信品質近似式を記憶する通信品質近似式記憶手段と、前記入力情報の受信品質情報および振幅変動情報と、回転角とを前記通信品質近似式に代入し、通信品質近似式の値を算出する演算手段と、回転角を前記演算手段に与え、その回転角を用いて算出された通信品質近似式の値である通信品質情報を前記演算部から受け取り、受け取った通信品質情報に基づいて最適な回転角を決定する適応制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る無線装置は、回転直交符号を適用する移動通信システムにおいて、請求項1に記載の適応回転角制御装置を備え、該適応回転角制御装置によって制御される回転角を回転直交符号に適用することを特徴とする。
本発明に係る適応回転角制御方法は、入力情報として受信品質情報および振幅変動情報が与えられ、回転直交符号に用いられる回転角を制御する適応回転角制御方法であって、受信品質情報と振幅変動情報と回転角とを変数として含む通信品質近似式に対して回転角と前記入力情報の受信品質情報および振幅変動情報とを代入し、通信品質近似式の値を算出する演算ステップと、前記演算ステップに与える回転角を変更する回転角供給ステップと、前記演算ステップにより算出された通信品質近似式の値である通信品質情報に基づいて、最適な回転角を決定する回転角決定ステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、入力情報として受信品質情報および振幅変動情報が与えられ、回転直交符号に用いられる回転角を制御する処理を行うためのコンピュータプログラムであって、受信品質情報と振幅変動情報と回転角とを変数として含む通信品質近似式に対して回転角と前記入力情報の受信品質情報および振幅変動情報とを代入し、通信品質近似式の値を算出する演算ステップと、前記演算ステップに与える回転角を変更する回転角供給ステップと、前記演算ステップにより算出された通信品質近似式の値である通信品質情報に基づいて、最適な回転角を決定する回転角決定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
これにより、前述の適応回転角制御装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
本発明によれば、回転直交符号を適用する移動通信システムにおいて、伝搬路特性の変化に応じて、回転直交符号に適用する回転角を最適に制御することができる。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。この移動通信システムは、回転直交符号を用いて信号を拡散するマルチキャリア伝送方式を採用している。図1において、無線送信機1は、変調器11、回転直交符号器12および多重器13を有する。無線受信機2は、分離器21、多次元復調器22、伝搬路情報算出部23および適応回転角制御部24を有する。なお、図1においては、本発明に係る構成部分を示し、その他の構成は省略している。
無線送信機1において、変調器11は、送信データを変調する。その変調信号は直並列変換後に回転直交符号器12に入力される。回転直交符号器12は、回転直交符号を用いて変調信号を周波数領域もしくは時間領域に拡散する。その拡散信号は、多重器13に入力される。多重器13は、拡散信号とパイロット信号とを周波数領域もしくは時間領域で多重する。その多重信号は、ガードインターバル信号が挿入された後に無線送信される。その無線信号は、伝搬路を解して無線受信機2で受信される。
無線受信機2において、無線受信された受信信号は、ガードインターバル信号が除去された後に分離器21に入力される。分離器21は、多重器13とは逆の処理により信号を分離する。分離器21によって分離されたパイロット信号以外の信号は、多次元復調器22に入力される。多次元復調器22は、その入力信号に対して多次元復調処理を行い、受信信号を復調する。その多次元復調処理では、逆拡散を行わず、周波数軸上(もしくは時間軸上)で受信信号と参照信号との距離を求め比較することで信号を判定する。
分離器21によって分離されたパイロット信号は、伝搬路情報算出部23に入力される。パイロット信号は既知の信号である。伝搬路情報算出部23は、受信されたパイロット信号に基づいて、受信品質情報および振幅変動情報を算出する。その受信品質情報および振幅変動情報は、適応回転角制御部24に入力される。適応回転角制御部24は、受信品質情報および振幅変動情報に基づいて、最適な回転角を算出する。その算出された回転角を示す回転角情報30は、無線送信機1に送られる。
無線送信機1は、無線受信機2から送られてきた回転角情報30に基づいて、回転直交符号器12で用いる回転直交符号を生成する。この回転直交符号は、回転角情報30で示される回転角を用いて、(1)式により生成される。なお、拡散率は予め設定されている。
図2は、図1に示す適応回転角制御部24の構成を示すブロック図である。図2において、適応回転角制御部24は、通信品質近似式記憶部41と演算部42と適応制御部43とを有する。
通信品質近似式記憶部41は、通信品質近似式を予め記憶している。通信品質近似式は、変数として、受信品質情報と振幅変動情報と回転角とを含む。なお、受信品質情報、振幅変動情報および通信品質近似式については後述する。
演算部42は、通信品質近似式記憶部41から通信品質近似式を読み出し、通信品質近似式の計算を行う。演算部42は、伝搬路情報算出部23から入力される受信品質情報および振幅変動情報と、適応制御部43から入力される回転角θとを通信品質近似式に代入し、通信品質近似式の値を算出する。この算出値は通信品質情報である。演算部42は、通信品質情報を適応制御部43に出力する。
適応制御部43は、回転角θを演算部42に与え、その回転角θを用いて算出された通信品質情報を演算部42から受け取る。適応制御部43は、伝搬路情報算出部23から受信品質情報および振幅変動情報が入力されると、最適な回転角を求めるために、回転角θの値を変えながら、順次、演算部42に通信品質情報を計算させる。そして、適応制御部43は、演算部42から受け取った通信品質情報の中から最良の通信品質情報を判定し、その最良の通信品質情報の計算に用いられた回転角θを最適な回転角に決定する。適応制御部43は、最適な回転角を示す回転角情報30を出力する。
本実施形態によれば、受信品質情報および振幅変動情報に基づいて、誤り率を最小にする最適な回転角を求めることができる。これにより、回転直交符号を適用する移動通信システムにおいて、伝搬路特性の変化に応じて、回転直交符号に適用する回転角を最適に制御することができる。
次に、本実施形態に係る通信品質近似式を生成する方法を説明する。図3は、本実施形態に係る通信品質近似式の生成方法の手順を示すフローチャートである。この通信品質近似式生成方法は、コンピュータ上で通信品質近似式を生成するときのコンピュータの制御方法に利用することができる。
図3において、ステップS1では、信号点のマッピング情報および拡散率の入力を行う。ここでは、信号点のマッピング情報として、周波数領域もしくは時間領域におけるn次元空間上の信号点iのマッピング情報である信号ベクトルsi(si1,si2,・・・,sin)Tを用いる。但し、Tは転置行列を表す。また、このときの拡散率はnである。
ステップS2では、拡散率nから回転直交符号Rnを生成する。回転直交符号Rnは、上記(1)式と同じ(3)式により生成することができる。但し、Mは2以上の整数である。また、θは回転角を表す変数である。
Figure 2008136060
ステップS3では、信号ベクトルsiを回転直交符号Rnにより符号化する符号化計算式を生成する。信号ベクトルsiの符号化計算式は、(4)式により生成することができる。但し、s'i(s'i1,s'i2,・・・,s'in)Tは、信号ベクトルsiの符号化後の信号ベクトルである。
Figure 2008136060
ステップS4では、信号ベクトルs'iに対して、フェージングの影響を加えた計算式を生成する。この計算式は、(5)式により生成することができる。但し、ri(ri1,ri2,・・・,rin)Tは、信号ベクトルs'iに対してフェージングの影響を加えた後の信号ベクトルである。また、f(f1,f2,・・・,fn)は、伝搬路による振幅変動を表すベクトルである。その振幅変動ベクトルは、拡散率nでn次元空間に拡散された各々の信号点に対して伝搬路が与える振幅変動を表す。振幅変動ベクトルの要素「f1,f2,・・・,fn」は、変数として与えられる。振幅変動ベクトルの要素「f1,f2,・・・,fn」は、振幅変動情報に対応する。
Figure 2008136060
なお、本実施形態では、伝搬路による位相回転については、補償することのできる無線通信システムを前提としている。例えば、送信機の送信信号に含まれる既知のパイロット信号を用いて、受信機において受信信号の位相を補正することを前提としている。このため、本実施形態では、フェージングの影響として、振幅変動のみを扱っている。
ステップS5では、信号ベクトルriの信号点間距離の計算式を生成する。この計算式は、(6)式により生成することができる。但し、dijは、n次元空間上の信号点iと信号点jとの信号点間距離である。
Figure 2008136060
ステップS6では、条件付確率の計算式を生成する。この条件付確率は、信号ベクトルsiの符号化後の信号ベクトルs'iを送信機から送信したときに、伝搬路の振幅変動およびAWGNの影響により、受信機での受信信号ベクトルrが異なる信号点jに誤る確率である。この計算式は、(7)式および(8)式により生成することができる。
Figure 2008136060
Figure 2008136060
但し、PS(rj|s'i)は、信号ベクトルs'iを送信したときに、伝搬路の振幅変動およびAWGNの影響により、受信信号ベクトルrが異なる信号点jに誤る確率である。また、Q(x)は誤差補関数である。また、dijは、送信信号ベクトルriと受信信号ベクトルrjとのn次元空間上の信号点間距離である。また、σは雑音電力、Ebは1ビット当りの信号電力密度、N0は雑音の電力スペクトル密度である。また、d'ijは、次式の関係式で定義される。
dij=√(Eb)×d'ij
なお、(7)式において、「Eb/N0」は変数として与えられる。「Eb/N0」は受信品質情報に対応する。
ステップS7では、信号点発生確率の入力を行う。信号ベクトルs'iの発生確率はP(s'i)である。
ステップS8では、通信品質情報を近似式により得るための通信品質近似式を生成する。ここでは、通信品質情報として、平均シンボル誤り率および平均ビット誤り率を例に挙げて説明する。
平均シンボル誤り率の近似値を得るための通信品質近似式は、(9)式が成り立つことから、信号ベクトルs'iの発生確率P(s'i)と条件付確率PS(rj|s'i)の計算式とを用いて(10)式により生成することができる。(9)式は、信号ベクトルs'iが送信されたときのシンボル誤り率である条件付確率を表す。但し、PSは、信号ベクトルs'iが発生確率P(s'i)で送信されるときの平均シンボル誤り率の近似値である。
Figure 2008136060
Figure 2008136060
平均ビット誤り率の近似値を得るための通信品質近似式は、(11)式が成り立つことから、信号ベクトルs'iの発生確率P(s'i)と条件付確率PS(rj|s'i)の計算式とを用いて(12)式により生成することができる。(11)式は、信号ベクトルs'iが送信されたときのビット誤り率である条件付確率を表す。
Figure 2008136060
Figure 2008136060
但し、Hijは、信号ベクトルs'iと信号ベクトルs'jのハミング距離である。また、Iは、1シンボル当りの情報ビット数である。また、Pbは、信号ベクトルs'iが発生確率P(s'i)で送信されるときの平均ビット誤り率の近似値である。なお、ハミング距離Hijおよび情報ビット数Iは、入力情報として与えられる。もしくは、情報ビット数Iおよびビットマッピング情報が入力情報として与えられ、情報ビット数Iおよびビットマッピング情報からハミング距離Hijを算出するようにしてもよい。ビットマッピング情報は、シンボルに対する情報ビットの割り付け方を示す。
本実施形態により得られた通信品質近似式の中には、変数として、受信品質情報「Eb/N0」と振幅変動情報「f1,f2,・・・,fn」と回転角θとが含まれる。従って、その通信品質近似式に、受信品質情報「Eb/N0」と振幅変動情報「f1,f2,・・・,fn」と回転角θとを与えることによって、通信品質情報を算出することができる。例えば、(10)式により、平均シンボル誤り率の近似値が算出できる。また、(12)式により、平均ビット誤り率の近似値が算出できる。
さらに、本実施形態に係る通信品質近似式は、マルチキャリア伝送方式に対応するとともに、サブキャリア毎のフェージングの影響を反映させることができる。従って、通信品質情報の精度が向上する。
次に、上述した通信品質近似式およびその生成方法について、具体例を挙げて説明する。ここでは、一実施例として、変調方式がQPSK(Quadrature Phase Shift Keying, Quadri-Phase Shift Keying)であり、且つ、拡散率nが2であり周波数領域への拡散である場合において、平均ビット誤り率の近似式を生成する。なお、伝搬路による位相回転については補償することのできる無線通信システムを前提とする。
まず、周波数領域における2次元空間上の信号ベクトルsi(si1,si2)Tは、各信号点に応じて、(13)式に示されるようにQPSKシンボルにマッピングされる。そして、(13)式の情報が信号点のマッピング情報として入力される。また、拡散率nが2として入力される。
Figure 2008136060
次いで、拡散率nが2であるときの回転直交符号Rを生成する。回転直交符号Rは、(3)式で得られる。次いで、信号ベクトルsiを回転直交符号Rにより符号化する符号化計算式を生成する。信号ベクトルsiの符号化計算式は、(14)式となる。但し、θ1は回転角である。
Figure 2008136060
次いで、信号ベクトルs'iに対して、フェージングの影響を加えた計算式を生成する。この計算式は、(15)式となる。但し、f(f1,f2)は、伝搬路による振幅変動のベクトルである。
Figure 2008136060
次いで、信号ベクトルriの信号点間距離の計算式を生成する。この計算式は、(16)式により生成することができる。但し、dijは、2次元空間上の信号点iと信号点jとの信号点間距離である。
Figure 2008136060
信号点間距離d12、d13、d14、d23は、(17)式となる。
Figure 2008136060
なお、(13)式のQPSKにおけるマッピング情報から、信号点間距離の関係として、
d12=d21=d34=d43
d13=d31=d24=d42
d14=d41
d23=d32
が成り立つことが分かる。
次いで、信号ベクトルs'1を送信信号ベクトルとしたときのビット誤り率は、(18)式で表されることから(信号ベクトルs'2、s'3、s'4も同様の式で表される)、平均ビット誤り率の近似式は(19)式となる。但し、信号点配置の仕方はグレイマッピングであるとし、この場合、信号ベクトルs'iと信号ベクトルs'jのハミング距離Hijは、
H12=H13=H21=H31=H24=H42=H34=H43=1、
H14=H23=H41=H32=2、
となる。また、QPSKの場合、1シンボル当りの情報ビット数Iは2である。また、送信信号ベクトルs'1、s'2、s'3、s'4は、いずれも等確率で発生するとしている。
Figure 2008136060
Figure 2008136060
上述の実施例では、平均ビット誤り率の近似式が(19)式として得られる。この(19)式に、受信品質情報「Eb/N0」と振幅変動情報「f1,f2」と回転角θ1とを与えることによって、平均ビット誤り率の近似値が簡単に算出できる。
この実施例によれば、図2の通信品質近似式記憶部41に(19)式を予め記憶させておく。また、図1の伝搬路情報算出部23は、受信されたパイロット信号に基づいて、受信品質情報「Eb/N0」と振幅変動情報「f1,f2」を算出する。これにより、図2の演算部42は、受信品質情報「Eb/N0」と振幅変動情報「f1,f2」と回転角θを(19)式に代入して計算することにより、平均ビット誤り率の近似値を算出することができる。なお、受信品質情報「Eb/N0」としては、例えば、SNR(Signal to Noise Ratio)値を利用することができる。
また、本実施形態に係る通信品質近似式は、専用の生成装置によって生成されてもよい。図4は、本実施形態に係る通信品質近似式の生成装置50の構成を示すブロック図である。図4において、通信品質近似式生成装置50には、入力情報として、拡散率とマッピング情報と信号点発生確率とが与えられる。
回転直交符号生成部51は、入力情報の内の拡散率に基づいて、回転角を変数として有する回転直交符号を生成する。このとき、回転直交符号生成部51は、回転直交符号情報記憶部52から回転直交符号情報を読み出す。回転直交符号情報記憶部52は、回転直交符号情報を予め記憶している。回転直交符号情報は、(3)式に基づいた情報であって、拡散率から回転直交符号を生成するための情報である。回転直交符号生成部51は、生成した回転直交符号を符号化計算式生成部53に出力する。
符号化計算式生成部53は、入力情報の内のマッピング情報で表される信号ベクトルを回転直交符号により符号化する符号化計算式を(4)式により生成する。符号化計算式生成部53は、生成した符号化計算式をフェージング付加計算式生成部54に出力する。
フェージング付加計算式生成部54は、入力情報の内の拡散率に対応する振幅変動情報を表す変数を用意する。そして、フェージング付加計算式生成部54は、その振幅変動情報を表す変数を使用し、符号化計算式に対してフェージングの影響を加えたフェージング付加計算式を(5)式により生成する。このフェージング付加計算式は、回転角と振幅変動情報とをそれぞれ変数として有する。フェージング付加計算式生成部54は、生成したフェージング付加計算式を信号点間距離計算式生成部55に出力する。
信号点間距離計算式生成部55は、フェージング付加計算式から、信号点間距離計算式を(6)式により生成する。信号点間距離計算式生成部55は、生成した信号点間距離計算式を条件付確率計算式生成部56に出力する。
条件付確率計算式生成部56は、信号点間距離計算式から、受信品質情報を表す変数を含めた条件付確率計算式を(7)式および(8)式により生成する。この条件付確率計算式は、回転角と振幅変動情報と受信品質情報とをそれぞれ変数として有する。条件付確率計算式生成部56は、生成した条件付確率計算式を通信品質近似式生成部57に出力する。
通信品質近似式生成部57は、入力情報の内の信号点発生確率と条件付確率計算式とから、通信品質近似式を生成する。平均シンボル誤り率の近似式については、(10)式により生成する。平均ビット誤り率の近似式については、(12)式により生成する。なお、平均ビット誤り率の近似式を生成する場合には、入力情報としてさらに、ハミング距離および情報ビット数が与えられる。もしくは、情報ビット数およびビットマッピング情報が入力情報として与えられ、情報ビット数およびビットマッピング情報からハミング距離を算出するようにしてもよい。
これにより、例えば、図1に示す適応回転角制御部24に対して、通信品質近似式生成装置50から通信回線を介して通信品質近似式を供給するようにしてもよい。これにより、通信品質近似式を適宜更新することが可能になる。
なお、本実施形態に係る適応回転角制御部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、あるいはメモリおよびDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などの演算処理装置により構成され、図2に示される適応回転角制御部24の機能を実現するためのプログラムを実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、図2に示す適応回転角制御部24の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、適応回転角制御処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述の実施形態では、無線受信機に適応回転角制御部を備えたが、無線送信機に適応回転角制御部を備えるようにしてもよい。無線送信機に適応回転角制御部を備える場合には、無線受信機から無線送信機へ受信品質情報および振幅変動情報を送るようにする。
或いは、無線送信機および無線受信機とは独立して適応回転角制御部を設けてもよい。この場合には、無線受信機から適応回転角制御部へ受信品質情報および振幅変動情報を供給し、適応回転角制御部から無線送信機へ回転角情報を送る。
本発明の一実施形態に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。 図1に示す適応回転角制御部24の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る通信品質近似式の生成方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る通信品質近似式の生成装置50の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…無線送信機、2…無線受信機、11…変調器、12…回転直交符号器、13…多重器、21…分離器、22…多次元復調器、23…伝搬路情報算出部、24…適応回転角制御部、41…通信品質近似式記憶部、42…演算部、43…適応制御部、50…通信品質近似式生成装置、51…回転直交符号生成部、52…回転直交符号情報記憶部、53…符号化計算式生成部、54…フェージング付加計算式生成部、55…信号点間距離計算式生成部、56…条件付確率計算式生成部、57…通信品質近似式生成部

Claims (4)

  1. 入力情報として受信品質情報および振幅変動情報が与えられ、回転直交符号に用いられる回転角を制御する適応回転角制御装置であって、
    受信品質情報と振幅変動情報と回転角とを変数として含む通信品質近似式を記憶する通信品質近似式記憶手段と、
    前記入力情報の受信品質情報および振幅変動情報と、回転角とを前記通信品質近似式に代入し、通信品質近似式の値を算出する演算手段と、
    回転角を前記演算手段に与え、その回転角を用いて算出された通信品質近似式の値である通信品質情報を前記演算部から受け取り、受け取った通信品質情報に基づいて最適な回転角を決定する適応制御手段と、
    を備えたことを特徴とする適応回転角制御装置。
  2. 回転直交符号を適用する移動通信システムにおいて、
    請求項1に記載の適応回転角制御装置を備え、
    該適応回転角制御装置によって制御される回転角を回転直交符号に適用することを特徴とする無線装置。
  3. 入力情報として受信品質情報および振幅変動情報が与えられ、回転直交符号に用いられる回転角を制御する適応回転角制御方法であって、
    受信品質情報と振幅変動情報と回転角とを変数として含む通信品質近似式に対して回転角と前記入力情報の受信品質情報および振幅変動情報とを代入し、通信品質近似式の値を算出する演算ステップと、
    前記演算ステップに与える回転角を変更する回転角供給ステップと、
    前記演算ステップにより算出された通信品質近似式の値である通信品質情報に基づいて、最適な回転角を決定する回転角決定ステップと、
    を含むことを特徴とする適応回転角制御方法。
  4. 入力情報として受信品質情報および振幅変動情報が与えられ、回転直交符号に用いられる回転角を制御する処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
    受信品質情報と振幅変動情報と回転角とを変数として含む通信品質近似式に対して回転角と前記入力情報の受信品質情報および振幅変動情報とを代入し、通信品質近似式の値を算出する演算ステップと、
    前記演算ステップに与える回転角を変更する回転角供給ステップと、
    前記演算ステップにより算出された通信品質近似式の値である通信品質情報に基づいて、最適な回転角を決定する回転角決定ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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