JP2008133194A - タンパク質吸着阻害基材およびその用途 - Google Patents

タンパク質吸着阻害基材およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】広範な医用材料として有用なタンパク質吸着阻害表面を有する基材およびその用途の提供。
【解決手段】疎水性有機ポリマーからなる支持体の表面上に、該疎水性有機ポリマー特異的に親和性を有するペプチドの一端側にポリアルキレンオキシド鎖が導入されたペプチド誘導体からなる自己組織膜を有する基材。ペプチドは、ファージディスプレイ法で選択することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、タンパク質吸着阻害表面を有する基材およびその用途に関する。
タンパク質溶液と接する医用材料、特に高濃度のタンパク質を含む血液などと接する輸液バッグなどでは、タンパク質の変性吸着や凝固系の活性化などが問題である。
また、生体起源の分子認識機構を利用するバイオセンサーにおいて、セルまたはプレート上における検出(または診断)を再現性よくかつ高い信頼性で行うためには、検液中に含まれる標的物質以外の夾雑物特にタンパク質のセンサーとの相互作用を阻害する必要がある。しかしながら、ブロッキング剤を用いてタンパク質の吸着を阻害しようとすれば、検査対象、プレートの種類などによって、多くのブロッキング剤の中から適切なものを選択しなくてはならないという問題がある。このため、標的物質の検出S/N比を向上させるために、タンパク質のセンサー表面への非特異吸着もしくは結合を阻害する方法が望まれる。すなわち、検査、診断、保管・輸送、基礎研究などにおいて、タンパク質のユニバーサルな吸着を阻害しうる材料に対するニーズは高い。
タンパク質のユニバーサルな吸着阻害効果を有するものとして、分子間相互作用の解析に利用される表面プラズモン共鳴(SPR)のチップなどの表面をポリ(エチレンオキシド)(PEGとも表記する)で修飾することが知られている。たとえば、金属または金属酸化物への結合性部位として、−SHまたは−Si(OR1)(OR2)(OR3)を有するPEGを主体とするポリマー溶液を、バイオセンサー金属または金属酸化物表面に複数回接触結合させることにより得られる、タンパク質(例えば、BSA)の吸着が著しく低下した表面が提案されている(特許文献1参照)。このような金属または金属酸化物表面への結合性部位を有するPEG、たとえばPEGアルカンチオールなどは、自己組織化膜(Self-Assembled Monolayers)(SAMとも表記する)を形成することが知られている。
SAMによるPEG修飾膜をもつ例としては、さらに、PEGアルカンチオールSAMで被覆した平滑な表面に、リガンドを精密配列させた基板と、タンパク質とを接触させ、リガンドとの分子間相互作用により基板表面に特異的に吸着したタンパク質を質量分析する、タンパク質のスクリーニング方法の提案もある(たとえば特許文献2など参照)。
また、表面プラズモン共鳴(SPR)センサーチップ上に、ヘテロ2官能PEG(α-アセタール-ω−メルカプトPEG)を用いて形成される反応性PEGの長鎖(5kD)層と、非特異的吸着を低減する短鎖(2kD)PEG層との2種の刷毛層を有する、高S/N比の特異的表面プラズモン共鳴センサーの提案もある(非特許文献1参照)。
国際公開第2003/076933号パンフレット 特開2003−248001号公報 Analytical Chemistry,2005年2月15日,第77巻,第4号,p.1075−1080
バイオセンサのS/N比の向上が期待される技術として、上記のような研究レベルにおける金などの金属表面のPEGによる表面修飾が公知であるが、バイオセンサの実用性を考慮すれば汎用性有機ポリマーの基材が望まれる。有機ポリマーの表面はタンパク質が極めて吸着しやすく、抗体などの検査用タンパク質を固定化するには有利であるが、非特異的なタンパク質吸着は抑制する必要がある。このため、有機ポリマー、特に疎水性有機ポリマーを支持体とし、その表面にタンパク質のユニバーサルな吸着を阻害する能力の付与された基材の出現が望まれている。またこのような基材は、その製法も簡易であることが望まれる。
本発明者は、上記のような基材を開発すべく検討するうちに、ファージディスプレイ法により特定の有機ポリマー特異的に親和性のある特定のペプチドが存在することを見出した。この知見に基づいて、該ペプチドを、その一端にPEG鎖を導入したペプチド誘導体とし、有機ポリマーを表面修飾したところ、有機ポリマー直接表面の場合に比して99%以上の阻害率という著しいタンパク質吸着阻害効果を示すことが確認された。有機ポリマー表面を、ペプチドの親和性を介してPEG鎖で修飾した構造は知られておらず、また金属表面へのチオール結合などによる原子レベルの高密度PEG鎖の導入に対し、ペプチドを介する相対的に低密度のPEG鎖の導入が、このようなタンパク質吸着に対する高阻害率を達成しうることは予想をはるかに超える効果である。これら知見に基づいて、タンパク質吸着阻害材として信頼性が高く、広範な医用材料に利用可能で有用な以下のような基材およびその用途を提供する。
本発明に係る基材は、疎水性有機ポリマーからなる支持体の表面上に、該疎水性有機ポリマー特異的に親和性を有するペプチドの一端側にポリアルキレンオキシド鎖が導入されたペプチド誘導体からなる自己組織膜を有する。
このような疎水性有機ポリマー上の自己組織膜は、図1に模式的に示すように、親和性ペプチドの下層を介してポリアルキレン鎖が疎水性有機ポリマー表面に柔軟に分布した構造であると解される。
上記ペプチドは、通常、アミノ酸残基4以上のペプチドである。
上記ペプチドは、ファージディスプレイ法により選択することができる。ファージディスプレイ法により、アミノ酸残基を4以上の適宜の数に設定することにより、たとえばアミノ酸残基7のペプチドを選択することができる。
ポリアルキレンオキシド鎖は、ペプチドのN末側およびC末側のいずれに導入されてもよい。
また、ポリアルキレンオキシド鎖は、リンカーを介してペプチドの一端に導入されていてもよい。
前記ポリアルキレンオキシド鎖は、通常、PEGである。
支持体となる疎水性有機ポリマーとしては、高立体規則性ポリマーが好ましく挙げられる。特に、上記ペプチドをファージディスプレイ法により選択する場合には、ペプチドの親和性を補助するものとして、有機ポリマーは、疎水性に加え、イソタクチック(it-)、シンジオタクチック(st-)などの立体規則性で示されるか、あるいはD体、L体の相対配置光学異性で表記される立体規則性のある構造のものが好ましい。このようなポリマーとしては、たとえばポリメチルメタクリラート、ポリスチレン、ポリ乳酸およびポリプロピレンなどのポリオレフィンが挙げられる。
本発明に係る基材の一態様例として、疎水性有機ポリマーがイソタクチックポリメチルメタクリラートであり、ペプチドが、ELWRPTR、QLQKYPS、ARPHLSF、TLHLSPA、QTMTYSR、AAQTSTP、SSPWMREおよびGIRHTNRからなる群より選ばれるアミノ酸配列のペプチドである基材が挙げられる。
本発明に係る基材の他の態様例として、疎水性有機ポリマーがシンジオタクチックポリメチルメタクリラートであり、ペプチドが、HKPDANR、HPVHPHR、LPPWQRQ、HPRWHTP、QLKTGLA、HPRLGLA、KPRMPPR、HPWWRPS、HDHRYPKおよびHAIYPRHからなる群より選ばれるアミノ酸配列のペプチドである基材が挙げられる。
本発明に係る基材の他の態様例として、疎水性有機ポリマーが、ポリ(-乳酸)であり、ペプチドが、QLMHDYR、LSQSLTR、HAIYPRH、RACSKDA、KHVPKMH、AHPALPL、YLTMPTPおよびVYLTGPSからなる群より選ばれるアミノ酸配列のペプチドである基材が挙げられる。
本発明では、GETRAPL、FPGRPSP、YLTMPTP、HLESTPG、HTAQSTA、RHEPPLA、FSWEAFAおよびGETQCAAからなる群より選ばれるアミノ酸配列を有するペプチドであるシンジオタクチックポリスチレン(sPS)特異的親和性ペプチドを提供することができる。
したがって、疎水性有機ポリマーがsPSであり、ペプチドが上記sPS特異的親和性ペプチドである態様の基材も本発明の一態様として挙げられる。
本発明では、上記のような基材をタンパク質吸着阻害表面として含む医用材料も提供することができる。たとえば輸液バッグ、人工血管、カテーテルなどである。
さらに、該医用材料を含むバイオセンサーも提供することができる。たとえば上記基材を表面として含む診断プレートおよび検出プレートなどの形態のバイオセンサーである。
本発明に係る基材は、タンパク質のユニバーサルな阻害効果に優れた表面を有する有機ポリマーであり、タンパク質の吸着を回避する必要のある広範な医用材料として有用である。たとえば、本発明の基材を、検査のためのプローブをもつバイオセンサーのベース表面として利用することにより、タンパク質の非特異的吸着を阻害して標的物質の検出S/N比を上げることができ、信頼性の高い高感度バイオセンサーとすることができる。
また、上記のような表面は、有機ポリマー上に容易に形成することができ、本発明に係る基材は製造も容易である。
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明に係る基材を構成する支持体は、疎水性有機ポリマーからなる。ここでの疎水性はいわゆる部分疎水性として扱われるものであってもよい。この有機ポリマーは、透明であれば、光学検出系に好適な基材となる。
透明な疎水性有機ポリマーとしては、たとえば、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、ポリスチレン(PSとも表記する)、ポリ乳酸およびポリプロピレンなどのポリオレフィンなどが挙げられる。
後述するように、ペプチドをファージディスプレイ法を用いて選択する場合には、疎水性有機ポリマーのうちでも立体規則性の高いものを好ましく挙げることができる。具体的には、イソタクチックポリメチルメタクリラート(it-PMMAとも表記する)、シンジオタクチックポリメチルメタクリラート(st-PMMAとも表記する)、ポリ(-乳酸)(PLLAとも表記する)、シンジオタクチックポリスチレン(sPSとも表記する)などが挙げられる。これらは市販材料として入手可能である。分子量は、固体の支持体となりうるものであればよく、基材の用途に適切なものを適宜に選択することができる。
支持体の形状は、特に制限されず、用途に応じて適宜に選択することができる。たとえば検査または診断プレートは、典型的に、フィルム、シートまたはプレートなどである。支持体は、予め所望形状を有する市販品としても入手可能である。
有機ポリマーがたとえばフィルムなどの平面を有する場合、ペプチド誘導体の膜は、少なくとも片面に設けられるが、必要に応じてフィルムの両面に設けられてもよい。また、支持体は、上記有機ポリマーがペプチド誘導体の膜が形成される表面を形成していればよく、単層であっても、下層に他の材料層を有する構成であってもよい。また、支持体の厚みも特に問われず、基材の用途に応じて適宜に選択することができる。
本発明に係る基材は、上記のような支持体の表面に、特定のペプチド誘導体の自己組織膜を有する。ペプチド誘導体の原料となるペプチドは、支持体に親和性のペプチドであればよい。本発明におけるペプチドは、特にこの方法に限定されるものではないが、たとえばファージディスプレイ法(PD法とも表記する)で選択することができる。PDの手法そのものは公知である。
この手法を用いるit-PMMA特異的親和性を示すペプチドの選択手順の詳細は、たとえばJournal of the American Chemical Society,2005年9月15日,第127巻, 第40号,p.13780−13781に記載されており、この記載を引用することにより、本明細書に記載されているものとする。また、他の有機ポリマー特異的親和性を示すペプチドは、この手法に準じて、it-PMMAに代えて目的の有機ポリマーを使用することにより選択することができる。
以下に、ファージディスプレイ法によるペプチド選択の一例を工程順に要約説明する。
(1)ファージディスプレイペプチドライブラリーを含むファージライブラリー(Phage library)溶液と、所定の有機ポリマーとを接触状態で所定時間放置し、ライブラリーのうちの有機ポリマーに親和性ペプチドを有するファージと有機ポリマーとの複合体を沈殿させる。
(2)沈殿した複合体を分離し、洗浄する。
洗浄には、Tween20を含むトリス緩衝液を用いることができる。
(3)複合体からペプチドを有するファージを溶出させる。
溶出は、グリシン−塩酸緩衝液(pH2.2)を用いて行うことができる。
(4)溶出させたファージを大腸菌(E.coli ER2738)に感染させ、増幅する。
(5)増幅したファージライブラリーを、オリジナルのファージライブラリーに代えて使用する以外は上記(1)〜(4)の操作(バイオパニング)を所定回数繰り返すことができる。なお、増幅したファージライブラリー溶液は、通常、TBSで希釈して1.2×1010pfuで使用する。
上記(1)において、ファージは大腸菌に感染する繊維状ファージを利用することができる。ファージディスプレイペプチドライブラリーは、通常、アミノ酸残基数2〜14のペプチドからなる。このようなペプチドライブラリーを含むファージライブラリーは、たとえば、Ph.D.-7TM Phage Display Peptide Library(NEW ENGLAND Biolabs,Inc.)の商品名でキットとして市販されている。このファージライブラリーは、M13系のfdファージの非主要外殻タンパク質であるpIIIのN末端に直鎖7残基のランダムなアミノ酸配列のペプチドが提示されたものであり、ペプチド4残基(GGGS)のスペーサーを介して野性型pIIIに融合した設計となっている。このライブラリーには、207個(≒1.28×109個)のファージクローンが含まれている。
このキットを用いると、アミノ酸7残基のペプチドが選択される。
所望のペプチドは、最後の溶出操作(3)により取り出す。
上記方法により、所望する有機ポリマー特異的親和性ペプチドを有するファージが存在するか否かは、たとえば、(4)において大腸菌に感染後クローニングし、ファージクローンを取り出し、ELISA(Enzyme-linked Immunosorbent Assay)により、有機ポリマーに対する結合定数を測定し、ファージライブラリーの有機ポリマーに対する結合定数との相対比が1を超える、好ましくは1.5以上であるものが存在するか否かで判断することができる。さらに、別の有機ポリマーをリファレンスとすることにより、特定ポリマーに対する特異的親和性を判断することができる。また、ペプチドのアミノ酸配列は、ファージのクローニング、DNAシークエンシングにより決定することができる。
ELISAは、特に限定されず、直接吸着法、サンドイッチ法、競合法等を用いることができる。結合定数は、ファージ濃度([phage])を変化させて得られた吸収の濃度依存性から以下のLangmuir式を仮定することにより、ファージの見掛けの結合定数(Kapp)を求めることができる。
Figure 2008133194

式中、RAはELISAにより求めた各濃度での吸収を示し、RAmaxは最大吸収を示す。
上記(1)において、有機ポリマーは、ファージライブラリー溶液(オリジナル)と接触させる前に、緩衝液たとえばTBS中に所定時間浸漬しておくこともできる。なお、本明細書において、アミノ酸残基は、特にことわりのない限り、一文字表記である。この一文字表記に対応する三文字表記のアミノ酸およびアミノ酸名を以下に示す。
A:Ala:アラ二ン
V:Val:バリン
L:Leu:ロイシン
I:Ile:イソロイシン
P:Pro:プロリン
F:Phe:フェニルアラニン
W:Trp:トリプトファン
M:Met:メチオニン
G:Gly:グリシン
S:Ser:セリン
T:Thr:トレオニン
C:Cys:システィン
Q:Gln:グルタミン
N:Asn:アスパラギン
Y:Tyr:チロシン
K:Lys:リシン
R:Arg:アルギニン
H:His:ヒスチジン
D:Asp:アスパラギン酸
E:Glu:グルタミン酸
上記のようなファージディスプレイ法により、たとえば実施例に後述するようなit-PMMAに対するアミノ酸残基7のペプチドとして、表1に示す8種のペプチドが選択されるが、これらペプチド群には、水酸基:S(Ser)、T(Thr)、Y(Tyr)およびグアニジウム基:R(Arg)を持つアミノ酸が頻出し、PMMAの側鎖エステルに対してプロトンドナーとして働き、いかにも水素結合を介して相互作用していることが示唆される。また、ペプチドに硬直な折れ曲がり構造(図1参照)を誘起するP(Pro)が多く含まれていることも特徴的である。
一方、it-PMMA親和性として選択されたペプチドは、立体規則性のないアタクチックPMMA(at-PMMA)および立体規則性の異なるst-PMMAをリファレンスとし、得られたファージクローンによるELISA結果を示す。明らかにターゲットに設定したit-PMMAにより多くのファージクローンが結合し、特異的なペプチド群が得られていることが分かった。
なお、リファレンス膜に対してライブラリーよりも結合量が多いことが示され、このことから、ペプチドはおそらくPMMAの疎水性を大雑把に見分け、その後立体規則性といった微細なナノ構造を厳密に認識しているが推測される。
上記知見から、ペプチドのアミノ酸残基は、少なくとも4残基あればポリマー親和性を示す可能性が示唆される。本発明では、合成面からペプチドは短い、すなわちアミノ酸残基数は少ない方が好ましい。
また、上記には、ファージディスプレイによるペプチドの選択方法について説明したが、本発明では、基材ポリマー親和性のペプチドを、ポリマーの構造、疎水性、官能基などに基づいて計算または決定により設計してもよい。
ファージディスプレイ法により選択された各種有機ポリマーに対するアミノ酸7残基のペプチドの例としては、it-PMMAに対しては、ELWRPTR、QLQKYPS、ARPHLSF、TLHLSPA、QTMTYSR、AAQTSTP、SSPWMREおよびGIRHTNRなどのペプチドが挙げられる。
st-PMMAに対しては、HKPDANR、HPVHPHR、LPPWQRQ、HPRWHTP、QLKTGLA、HPRLGLA、KPRMPPR、HPWWRPS、HDHRYPKおよびHAIYPRHなどのペプチドが挙げられる。
PLLAに対しては、QLMHDYR、LSQSLTR、HAIYPRH、RACSKDA、KHVPKMH、AHPALPL、YLTMPTPおよびVYLTGPSなどのペプチドが挙げられる。
sPSに対しては、GETRAPL、FPGRPSP、YLTMPTP、HLESTPG、HTAQSTA、RHEPPLA、FSWEAFAおよびGETQCAAなどのペプチドが挙げられる。
上記it-PMMAについて、より詳細には、配列の違いによって結合の強さやst-PMMAとの選択性に違いが観察されることから、ペプチド中のP(Pro)にプロトンドナー性のアミノ酸が隣接している場合に結合は強くなり、R(Arg)の数が多くなればなるほど選択性が高くなるという知見を得た。これらの要素を含むペプチドELWRPTRの−RPTR−(−Arg−Pro−Thr−Arg−)がit-PMMAに特異結合するモチーフであることが示唆される。このモチーフの長さは最大でMMA6単位分に相当する。したがって、最大で6残基のMMA単位に結合していると推察される。なおここでの結合は、共有結合などの強固な化学結合ではなく、親和的結合を意味する。
上記のようなペプチドは、一端側にアルキレンオキシド鎖が導入されたペプチド誘導体に調製される。この際に用いられるペプチドは、支持体となる有機ポリマーに対応するペプチド群のうちから選ばれる単種のペプチドであってもよく、2種以上の組合わせであってもよい。
アルキレンオキシド鎖は、柔軟な鎖であればよく、通常、エチレンオキシド鎖である。エチレンオキシド鎖はPEGの結合により導入することができる。
PEGにおけるエチレンオキシドの繰り返し単位数は、基材の用途などによっても異なり、特に制限されないが、市販品として入手容易なものとしては、4〜24が挙げられる。実施例として後述するように、本発明では、市販のPEGのうち、繰り返し単位のもっとも短い4のものでも、有機ポリマー直接表面の場合に比して99%以上という顕著なタンパク質吸着阻害効果を示すことが確認されている。
ここで、従来公知の金表面にチオール化合物あるいはジスルフィド化合物を吸着させた金チオラート自己組織膜(SAM)は、欠陥の少ない高密度・高配向の単分子膜であることが知られている。このような高密度SAM構造において、PEGのタンパク質吸着阻害効果を示す最小限の単位は、繰り返し数4であるとされているが、本発明では繰り返し数4のPEGであっても著しい阻害効果を示し、より短いエチレンオキシド鎖の有効性も示唆される。
なお、親和性ペプチドのみによる自己組織膜は、タンパク質吸着阻害効果を示さない。
ポリアルキレンオキシド鎖は、ペプチドのN末側およびC末側のいずれに導入されてもよい。
また、ポリアルキレンオキシド鎖は、リンカーを介してペプチドの一端に導入されていてもよい。リンカーは、たとえばアルキル、アミノ酸、他のペプチドなどである。
ポリアルキレンオキシド鎖の自由端は、−NH2が好ましく挙げられる。また、−OCH3の有効性は少ないことから、疎水性として機能しうるアルキル末端を有する基よりも、−OH、−COOHなどの極性基が好ましい。
本発明におけるペプチド誘導体は、支持体の有機ポリマーに特異的親和性ペプチドと、柔軟なアルキレンオキシド鎖を有する構造であれば、その製法は特に限定されないが、たとえば以下のように調製することができる。
ペプチド誘導体は、アミノ基が9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、側鎖官能基が種々の保護基で保護されたFmocアミノ酸誘導体を不溶性樹脂担体上でペプチドカップリング反応させることにより合成することができる。つまり、カップリング試薬を用いてあらかじめ活性化させておいたFmocアミノ酸誘導体を樹脂担体上に結合させた後、弱塩基であるピペリジンを用いてFmoc基を除去し、次のFmocアミノ酸をカップリングさせる。この反応を順次行い、目的のアミノ酸ならびにPEGがすべて導入された段階で、強酸であるトリフルオロ酢酸を用いて側鎖官能基の種々の保護基の除去と樹脂担体からの切断を行い、高速液体クロマトグラフィーによる精製、凍結乾燥により目的のペプチドを得た。PEG鎖は、通常、N末に導入する場合は最後に、C末に導入する場合は最初にカップリングさせる。
本発明に係る基材は、疎水性有機ポリマーからなる支持体表面に、上記のようなペプチド誘導体を、水またはpH3〜10程度のリン酸またはトリス緩衝液に溶かし、支持体表面を室温下、1分〜1時間浸すことにより、ペプチド誘導体の自己組織化膜を容易に形成することができる。
上記のような本発明に係る基材は、タンパク質のユニバーサルな阻害効果に優れた表面を有する有機ポリマーであり、タンパク質の吸着を回避する必要のある広範な医用材料として有用である。たとえば本発明の基材を表面にもつ輸液バッグなどが提供される。
またたとえば、本発明の基材を、検査のためのプローブなど、生体起源の分子認識機構を利用したバイオセンサーのベース表面として利用すれば、タンパク質の非特異的吸着を阻害して標的物質の検出S/N比を上げることができ、信頼性の高い高感度バイオセンサーとすることができる。したがって本発明では、本発明に係る基材を表面に含むバイオセンサーを提供することができる。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)ペプチドの選択
1)材料
ファージライブラリーは、前述のPh.D.-7TMPhage Display Peptide Library(NEW ENGLAND Biolabs,Inc.)を用いた。
it-PMMA(Mn=35500, Mw/Mn=1.12, mm:mr:rr=98:2:0(mm、mr、rrは、それぞれイソ、ヘテロ、シンジオタクチック含量を示す))フィルムは、該ポリマーのクロロホルム溶液からガラスまたは金表面へスピンコート(2000rpm,1分)により調製した。
st-PMMA(Mn=28200, Mw/Mn=1.26, mm:mr:rr=0:11:89)のフィルムは、該ポリマーのクロロホルム溶液からガラスまたは金表面へスピンコート(2000rpm,1分)により調製した。
at-PMMA(Mn=28750,Mw/Mn=1.03,mm:mr:rr=10:15:75)のフィルムは、該ポリマーのクロロホルム溶液からガラスまたは金表面へスピンコート(2000rpm,1分)により調製した。
PLLA(Mn=41100, Mw/Mn=1.57)フィルムは、該ポリマーのクロロホルム溶液からガラスまたは金表面へのスピンコートし、200℃で10分間熱処理することにより調製した。
sPS(Mw=190000)フィルムは、加熱した該ポリマーのトルエン溶液からガラスまたは金表面へのスピンコートにより調製した。
2)ファージディスプレイによる有機ポリマー特異的親和性ペプチドの選択
各ポリマーフィルムに対する、アミノ酸7残基のランダムペプチドを以下のように選択した。
ポリマーフィルム上に増幅したファージライブラリー溶液を1.2×1010 pfuになるよう150mMのNaClを含むpH7.4のトリス緩衝液(TBS)で希釈してマウントし、室温で1時間静置した後ファージ溶液を除去した。0.1vol%のTween 20を含むTBS、100−150μLでポリマーフィルムをそれぞれ5回洗浄した後、溶出用のグリシン−塩酸緩衝液(pH2.2)20μLをマウントし室温で15分静置しファージを溶出させた。溶出液を回収し、1 Mトリス−塩酸(pH 9.1)を7.5μL加えて中和した後、限外濾過膜 (分画分子量100kDa) に移し、TBSで約1mLにメスアップした。1801g(4000rpm)、4℃で2分遠心し、約50μLまでファージ溶液を濃縮した。再度TBSで約1mLにメスアップし遠心する操作を2回繰り返すことで (計3回) バッファー交換と同時にファージ溶液を濃縮した後、TBSで約200μLにメスアップし、4℃で保存し増幅させた。得られたファージプールを同様にポリマーフィルムに相互作用させ、同様の操作を3〜5回繰り返した。最終的に得られたファージプールを定法に従いクローニングし、DNA配列解析によりアミノ酸配列を決定した。
3)it-PMMA特異的親和性ペプチド
it-PMMA特異的親和性を提示したファージライブラリー(1.28×109の多様性)により5回バイオパニングした後、ファージのクローニング、DNAシークエンシングにより明らかになったペプチド(クローンit-c01〜it-c09)およびそのペプチドを提示したクローンの結合定数(Kapp)およびリファレンスとしたポリマーの結合定数(Kapp)との相対比を表1に示す。このうち、it-c01〜it-c08をit-PMMA特異的親和性ペプチドとして選択した。
Figure 2008133194

表1中、itは、it-PMMAを示し、stは、ここでのリファレンスのst-PMMAを示す。Lib.はバイオパニングしていないファージライブラリを示す。
上記ファージクローンと、立体規則性のないat-PMMAおよびit-PMMAとは別の立体規則性をもつst-PMMAをリファレンスとして得られたファージクローンによるELISA結果を図2に示す。明らかにターゲットに設定したit-PMMAにより多くのファージクローンが結合し、it-PMMA特異的結合(親和性)が示された。
4)st-PMMA特異的親和性ペプチド
st-PMMA特異的親和性を提示したファージライブラリー(1.28×109の多様性)により3回(ただし、表3中、st-c02は4回、st-c06は8回)バイオパニングした後、ファージのクローニング、DNAシークエンシングにより明らかになったペプチド(クローンst-c01〜st-c17)およびそのペプチドを提示したクローンの結合定数(Kapp)およびリファレンスとしたポリマーの結合定数(Kapp)との相対比を表2に示す。このうち、st-c01〜st-c10をst-PMMA特異的親和性ペプチドとして選択した。なお、st-PMMAフィルムは、予め緩衝液(TBS)に15時間浸漬する前処理を施した。
Figure 2008133194

表2中、stは、st-PMMAを示し、itはit-PMMA(ここでのリファレンス)を示す。
5)PLLA特異的親和性ペプチド
PLLA特異的親和性を提示したファージライブラリー(1.28×109の多様性)により4回(ただし、表3中、L-c05のみ3回)バイオパニングした後、ファージのクローニング、DNAシークエンシングにより明らかになったペプチド(クローンL-c01〜L-c09)およびそのペプチドを提示したクローンの結合定数(Kapp)およびリファレンスとしたポリマーの結合定数(Kapp)との相対比(PLLA/PMMA)を表3に示す。このうち、L-c01〜L-c08をst-PMMA特異的親和性ペプチドとして選択した。
Figure 2008133194
6)sPS特異的親和性ペプチド
sPS特異的親和性を提示したファージライブラリー(1.28×109の多様性)により8回バイオパニングした後、ファージのクローニング、DNAシークエンシングにより明らかになったペプチド(クローンsps-c01〜sps-c08)およびそのペプチドを提示したクローンの結合定数(Kapp)を表4に示す。sps-c01〜sps-c08のペプチドをsPS特異的親和性ペプチドとして選択した。
Figure 2008133194
(実施例2)基材の作成
(1)ペプチド誘導体の調製
上記で選択したit-PMMA特異的親和性ペプチドのうち、it-c01の配列をもつペプチドのN末側に、PEG(エチレンオキシド繰り返し単位数=4)を導入して、下記構造のペプチド誘導体(以下、EG−it-c01と表記)を調製した。
Figure 2008133194
(2)表面プラズモン共鳴法によるEG−it-c01の固定化
NaCLを150mM含む10mM HEPES緩衝液(pH7.4)を用いて所定濃度(10μM〜5mM)のEG−it-c01溶液を調製した。
表面プラズモン共鳴装置(SPR)(ビアコア社製、Bioacore X)に用いる金コートしたセンサーチップ上に、10nm厚さのit-PMMAフィルムを調製した。
得られたセンサーチップをSPR装置に装着した後、EG−it-c01溶液を37℃下、所定RU(RU:ビアコア社製SPRに用いられる結合量を表す単位で、1RU=0.1ng/cm−2)に結合になるまでフローした。
(試験例1)ウシ血清アルブミン(BSA)の吸着試験
NaCLを150mM含む10mM HEPES緩衝液(pH 7.4)を用いて、1μMのBSA溶液を調製した。実施例2で調製したit-PMMAフィルムでコートしたセンサーチップ、またはこのフィルム上にEG−it-c01をコートしたセンサーチップをSPR装置に装着した後、BSA溶液をフローした(図1参照)。RU値の変化から、BSAの吸着挙動を観察した。
図3にBSAの吸着量をリアルタイム計測した結果を示す。it-PMMA表面に対して、BSAは1300RU程度吸着するのに対し、EG−it-c01をコートすることにより、BSAの吸着量は減少した。
図4にEG−it-c01のコート量とBSAの吸着量の関係を示す。BSAの吸着量は、EG−it-c01のコート量の増加に伴い、ほぼ直線的に減少した。EG−it-c01を1100RU程度コートすることでBSAの吸着量は、コートしていないit-PMMA表面に比べ99%減少することが分かった。EG−it-c01は、it-c01部分でit-PMMAに結合するため、水相にエチレングリコール鎖を向けた構造が予想される。BSAの吸着は、これらの水和したエチレングリコール鎖の排除体積効果により抑制されていると考えられる。これらの結果は、EG−it-c01がタンパク質吸着抑制剤として機能することを示している。
本発明に係る基材の表面上にBSAの流体を接触させる態様を模式的に示す図である。 ファージクローンによるELISAを示す。 BSA吸着量のリアルタイム計測チャートを示す(カッコ内はコートしたEG−it-c01量を示す。)。 EG−it-c01のコート量とBSAの吸着量の関係を示すグラフである。

Claims (12)

  1. 疎水性有機ポリマーからなる支持体の表面上に、
    該疎水性有機ポリマー特異的に親和性を有するペプチドの一端側にポリアルキレンオキシド鎖が導入されたペプチド誘導体からなる自己組織膜を有する基材。
  2. 前記ペプチドが、アミノ酸残基4以上のペプチドである請求項1に記載の基材。
  3. 前記ペプチドが、ファージディスプレイ法により選択されたペプチドである請求項1または2に記載の基材。
  4. 前記ポリアルキレンオキシド鎖が、ポリエチレンオキシドである請求項1〜3のいずれかに記載の基材。
  5. 前記疎水性有機ポリマーが、高立体規則性ポリマーである請求項1〜4のいずれかに記載の基材。
  6. 前記疎水性有機ポリマーが、イソタクチックポリメチルメタクリラートであり、前記ペプチドが、ELWRPTR、QLQKYPS、ARPHLSF、TLHLSPA、QTMTYSR、AAQTSTP、SSPWMREおよびGIRHTNRからなる群より選ばれるアミノ酸配列のペプチドである請求項1〜4のいずれかに記載の基材。
  7. 前記疎水性有機ポリマーが、シンジオタクチックポリメチルメタクリラートであり、前記ペプチドが、HKPDANR、HPVHPHR、LPPWQRQ、HPRWHTP、QLKTGLA、HPRLGLA、KPRMPPR、HPWWRPS、HDHRYPKおよびHAIYPRHからなる群より選ばれるアミノ酸配列のペプチドである請求項1〜4のいずれかに記載の基材。
  8. 前記疎水性有機ポリマーが、ポリ(-乳酸)であり、前記ペプチドが、QLMHDYR、LSQSLTR、HAIYPRH、RACSKDA、KHVPKMH、AHPALPL、YLTMPTPおよびVYLTGPSからなる群より選ばれるアミノ酸配列のペプチドである請求項1〜4のいずれかに記載の基材。
  9. GETRAPL、FPGRPSP、YLTMPTP、HLESTPG、HTAQSTA、RHEPPLA、FSWEAFAおよびGETQCAAからなる群より選ばれるアミノ酸配列を有するペプチドであるシンジオタクチックポリスチレン特異的親和性ペプチド。
  10. 前記疎水性有機ポリマーが、シンジオタクチックポリスチレンであり、前記ペプチドが請求項9に記載のペプチドである請求項1〜4のいずれかに記載の基材。
  11. 請求項1〜8および10のいずれかに記載の基材をタンパク質吸着阻害表面として含む医用材料。
  12. 請求項11に記載の医用材料を含むバイオセンサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010178640A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 細胞の吸着を制御可能なポリペプチド
JP2011168505A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Kyoto Institute Of Technology ポリカーボネートおよび/またはポリメタクリル酸メチル親和性ペプチド、およびその利用
WO2012086647A1 (ja) 2010-12-22 2012-06-28 味の素株式会社 融合タンパク質
WO2013022051A1 (ja) 2011-08-08 2013-02-14 味の素株式会社 多孔質構造体及びその製造方法

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