実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9の下方には、始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。また、可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDによる特別図柄始動記憶表示器(以下、始動記憶表示器という。)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する図柄制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52を点灯制御するランプ制御手段が搭載されたランプ制御基板35、スピーカ27からの音発生を制御する音制御手段が搭載された音制御基板70も設けられている。また、また、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤34が設置されている。
さらに、各基板(主基板31や払出制御基板37等)に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能な変動データ記憶手段すなわちバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチ921が搭載されたスイッチ基板190が設けられている。スイッチ基板190には、クリアスイッチ921と、主基板31等の他の基板と接続されるコネクタ922が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、満タンスイッチ48(図3において図示せず)がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、図4には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施の形態でも同様である。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板910において作成されるバックアップ電源よってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、この実施の形態および他の実施の形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
図5は、図柄制御基板80内の回路構成を、可変表示装置9の一実現例であるLCD(液晶表示装置)82、普通図柄表示器10、主基板31の出力ポート(ポート0,2)570,572および出力バッファ回路620,62Aとともに示すブロック図である。出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。
表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC540,74HC14を使用することができる。なお、表示制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと表示制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD82に表示される画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD82に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号をLCD82に出力する。
なお、図5には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、図柄制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートともに不可逆性情報入力手段を構成する。図柄制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。
高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。また、主基板31のバッファ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
図6は、電源基板910の一構成例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板31、図柄制御基板80、音制御基板70、ランプ制御基板35および払出制御基板37等の電気部品制御基板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+12VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアップ電源すなわち記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。なお、VSLは、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。
トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のコンバータIC922(図6では1つのみを示す。)を有し、VSLにもとづいて+21V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コンバータIC922の入力側には、比較的大容量のコンデンサ923が接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、+30V、+12V、+5V等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。コネクタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板から各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。
ただし、電源基板910に各電気部品制御基板に至る各コネクタを設け、電源基板910から、中継基板を介さずにそれぞれの基板に至る各電圧を供給するようにしてもよい。また、図6には1つのコネクタ915が代表して示されているが、コネクタは、各電気部品制御基板対応に設けられている。
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が停止したときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バックアップされているRAMすなわち電力供給停止時にも記憶内容保持状態となりうるバックアップ記憶手段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、この実施の形態では、バックアップ用の+5Vは、主基板31および払出制御基板37に供給される。
また、電源基板910には、電源監視回路としての電源監視用IC902が搭載されている。電源監視用IC902は、VSL電圧を導入し、VSL電圧を監視することによって遊技機への電力供給停止の発生を検出する。具体的には、VSL電圧が所定値(この例では+22V)以下になったら、電力供給の停止が生ずるとして電源断信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。電源監視用IC902からの電源断信号は、主基板31や払出制御基板37等に供給される。
電源監視用IC902が電力供給の停止を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。
+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電圧を監視して電力供給の停止を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電力供給回復待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
また、電源監視用IC902は、電気部品制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているので、電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電源断信号を供給することができる。電源断信号を必要とする電気部品制御基板が幾つあっても電源監視手段は1つ設けられていればよいので、各電気部品制御基板における各電気部品制御手段が後述する復旧制御を行っても、遊技機のコストはさほど上昇しない。
なお、図6に示された構成では、電源監視用IC902の検出信号(電源断信号)は、バッファ回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達されるが、例えば、1つの検出信号を中継基板に伝達し、中継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構成でもよい。また、電源断信号を必要とする基板数に応じたバッファ回路を設けてもよい。さらに、主基板31と払出制御基板37とに出力される電源断信号について、電源断信号を出力することになる電源監視回路の監視電圧を異ならせてもよい。
電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)からの電源断信号は、主基板31において、CPU56のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。従って、CPU56は、マスク不能割込(NMI)処理によって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
CPU56等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電力供給が停止しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路65からリセット信号が発せられ、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保存されているので、停電等からの復旧時に停電等の発生時の遊技状態に復旧させることができる。
次に遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
3種類のうちの割込モード2は、CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
次いで、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、例えば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。遊技機への電力供給が停止する際に実行される電力供給停止時処理において、チェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。遊技状態復旧処理においてPCが電力供給停止時前の状態に復元され、かつ、各種データ(例えば各乱数を生成するためのカウンタ)がバックアップRAMに保存されていることから、遊技機への電力供給が停止した後所定時間(バックアップRAMのデータ保持可能期間)内に電力供給が復旧すれば、例えば、後述する判定用乱数、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値は、電力供給停止時前の状態から継続されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出許可状態指定コマンドを払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、他のサブ基板(ランプ制御基板35、音制御基板70、図柄制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(図柄制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド(ランプ制御基板35に対して)等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態になっているので、それらの乱数更新処理が実行されている最中に後述する2msタイマ割込が生じ割込処理で乱数更新処理が実行され、カウント値に矛盾が生じてしまうことが防止される。
表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値(最大値を越えて値が戻された後の値)を決定するための乱数である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図8に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホールコンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。
そして、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS33)、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図9は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄プロセス処理は、図8のフローチャートにおけるステップS26の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)および始動口スイッチ通過確認処理(ステップS311)を行った後に、内部状態(この例では特別図柄プロセスフラグ)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。
変動短縮タイマ減算処理は、始動記憶(始動口スイッチ14aがオンしたことの記憶)の記憶可能最大数に対応した個数設けられている変動短縮タイマを減算する処理である。そして、後述する特別図柄大当り判定処理(ステップS301)において、例えば、変動短縮タイマの値が0になっていて、かつ、低確率状態(通常状態)では始動記憶数が始動記憶の最大値、確変状態では始動記憶数が「2」以上であれば、図柄の変動パターンとして変動時間が短縮されたパターンを用いることに決定される。また、始動口スイッチ通過確認処理は、始動口スイッチ14aがオンしたときに所定の各乱数値を取得して記憶する処理である。
ステップS300〜S309において、以下のような処理が行われる。
特別図柄通常処理(ステップS300):始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、ステップS301に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
特別図柄大当り判定処理(ステップS301):始動入賞があったときに記憶された各種乱数を格納するバッファ等の内容をシフトする。シフトの結果、押し出されたバッファの内容にもとづいて大当りとするか否かを決定する。なお、バッファは、始動入賞の記憶可能最大数だけ用意されている。また、シフトによって押し出されたバッファの内容は、最も前に生じた始動入賞に応じた内容である。そして、大当りとすることに決定した場合には、大当りフラグをセットする。その後、ステップS302に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
停止図柄設定処理(ステップS302):可変表示装置9における表示結果である左右中図柄の停止図柄を決定する。そして、ステップS303に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
変動パターン設定処理(ステップS303):可変表示装置9における図柄の変動表示のパターンすなわち変動パターン(可変表示パターン)を決定する。そして、決定された変動パターンおよび停止図柄等を通知するための制御コマンドを図柄制御基板80等に対して出力する。その後、ステップS304に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
特別図柄変動処理(ステップS304):変動パターンに応じて決められている変動時間が経過したか否か確認する。経過していれば、ステップS305に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
特別図柄図柄停止処理(ステップS305):一定時間(例えば1.000秒)が経過した後、大当りとすることに決定されている場合には、ステップS306に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。そうでなければ、ステップS300に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
大入賞口開放前処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド54を駆動して大入賞口を開放する。そして、ステップS307に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ステップS308に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
特定領域有効時間処理(ステップS308):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、ステップS307に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、ステップS309に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示をランプ制御手段等に行わせる制御を行う。そして、ステップS300に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
図10は、始動口スイッチ通過確認処理(ステップS311)を示すフローチャートである。打球が遊技盤に設けられている始動入賞口14に入賞すると、始動口スイッチ14aがオンする。CPU56は、スイッチ回路58を介して始動口スイッチ14aがオンしたことを判定すると(ステップS41)、始動記憶数が上限値(この例では4)に達しているかどうか確認する(ステップS42)。始動記憶数が上限値に達していなければ、始動記憶数を1増やし(ステップS43)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出する。そして、それらを始動記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに格納する(ステップS44)。始動記憶数が上限値に達している場合には、始動記憶数を増やす処理を行わない。
なお、始動記憶数を1増やした場合には、ランプ制御基板35に対して、始動記憶表示器18の表示数(点灯しているLED数)を1増やすためのランプ制御コマンドが送信される。
CPU56は、ステップS25の特別図柄プロセス処理において、図11に示すように始動記憶数の値を確認する(ステップS51)。始動記憶数が0でなければ、始動記憶;1(1番目の始動記憶)に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに(ステップS52)、始動記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS53)。すなわち、始動記憶;n(n=2,・・・,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている各値を、始動記憶:n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。なお、そのときの始動記憶数に対応した乱数値格納エリアの内容をクリアする。例えば、始動記憶数が4であった場合には、始動記憶;4に対応した特別図柄乱数値格納エリアの内容をクリアする。
なお、始動記憶数を1減らした場合には、ランプ制御基板35に対して、始動記憶表示器18の表示数を1減らすためのランプ制御コマンドが送信される。
そして、CPU56は、ステップS52で読み出した値、すなわち抽出されている大当り判定用乱数(特別図柄判定用乱数)の値にもとづいて当り/はずれを決定する(ステップS54)。ここでは、大当り判定用乱数は0〜316の範囲の値をとることにする。そして、図12に示すように、通常状態では、例えばその値が「3」である場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。また、高確率状態(確変状態)では、例えばその値が「3」,「7」,「79」,「103」,「107」のいずれかである場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。
図13は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:左右中のはずれ図柄決定用(特別図柄左右中)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:可変表示装置9における特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄表示器10における普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
なお、図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。
図11に示すステップS54において、大当りと判定されたときには、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS55)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左右中の図柄番号が設定されている。また、変動パターン決定用乱数(ランダム4)を抽出し、ランダム4の値にもとづいて図柄の変動パターンを決定する(ステップS56)。
はずれと判定された場合には、CPU56は、大当りとしない場合の停止図柄の決定を行う。この実施の形態では、ステップS52で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2−1の値に従って左図柄を決定する(ステップS57)。また、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS58)。そして、ランダム2−3の値に従って右図柄を決定する(ステップS59)。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。
さらに、CPU56は、リーチすることに決定されたか否か(左右の停止図柄が揃っているか否か)を確認し(ステップS60)、リーチすることに決定されている場合には、変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ランダム4にもとづいて図柄の変動パターンを決定する(ステップS61)。
リーチすることに決定されていない場合には、確変状態か否かを確認する(ステップS62)。確変状態であれば変動パターンをはずれ時短縮変動パターンとすることに決定する(ステップS63)。確変状態でなければ変動パターンをはずれ時の通常変動パターンとすることに決定する(ステップS64)。なお、はずれ時短縮変動パターンは、左右中の図柄の変動時間が例えば4.0秒という通常変動パターンよりも変動期間が短い変動パターンである。
以上のようにして、始動入賞にもとづく図柄の変動態様を、リーチ態様とするか、はずれ態様とするか決定され、それぞれの停止図柄の組合せが決定される。すなわち、図柄の変動態様として、リーチ演出を行うのか行わないのかが決定されるとともに停止図柄の組合せが決定される。
なお、図11に示された処理は、図9に示された特別図柄プロセス処理におけるステップS301〜S303の処理をまとめて示した場合の処理に相当する。また、この実施の形態では、左右中図柄の停止図柄が揃った場合に大当りが発生する。左右図柄のみが揃った場合にリーチとなる。
図14および図15は、図9に示された遊技制御処理で実行される判定用乱数更新処理(ステップS23)の一例を示すフローチャートである。判定用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタ(ランダム1用カウンタ)の値を+1する(ステップS101)。そして、ランダム1を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS102)、値を0に戻す(ステップS103)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は317である。また、所定のタイミングでランダム1を生成するためのカウンタ(ランダム1用カウンタ)から読み出された値が、抽出されたランダム1(大当り判定用乱数)である。同様に、他のランダム2等を生成するためのカウンタから読み出された値が、抽出されたランダム2等である。以下、ランダムn(n:1,2,・・・)を生成するためのカウンタをランダムn用カウンタということがある。
次いで、CPU56は、ランダム1を生成するためのカウンタの値が初期値としてランダム1用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS104)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS105)。すなわち、ランダム6を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム1用初期値バッファに保存するとともに(ステップS106)、抽出された値を、ランダム1を生成するためのカウンタに設定する(ステップS107)。よって、この時点で、ランダム1を生成するためのカウンタの初期値が変更される。なお、遊技機に電源が投入されたときには一般には初期値として「0」がランダム1を生成するためのカウンタおよびランダム1用初期値バッファに保存されるが、バックアップRAMにランダム1の値が保存されていた場合には電源投入時に保存値に戻される。また、ランダム1用初期値バッファもバックアップRAMに形成される。遊技制御手段は、電力供給が復旧した場合に、変動データ記憶手段に保持されている数値にもとづいて判定用数値更新手段および初期値用数値更新手段の数値の更新を行う。
次に、ランダム3(大当り図柄決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS108)。ランダム3を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS109)、カウント値を0に戻す(ステップS110)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は12である。
また、ランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS121)。ランダム5を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS122)、カウント値を3に戻す(ステップS123)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は14である。
そして、CPU56は、ランダム5を生成するためのカウンタの値が初期値としてランダム5用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS124)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS125)。すなわち、ランダム7を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム5用初期値バッファに保存するとともに(ステップS126)、抽出された値を、ランダム5を生成するためのカウンタに設定する(ステップS127)。よって、この時点で、ランダム5を生成するためのカウンタの初期値が変更される。なお、遊技機に電源が投入されたときに初期値として「3」がランダム5を生成するためのカウンタに設定されるが、バックアップRAMにランダム5の値が保存されていた場合には電源投入時に保存値に戻される。また、ランダム5用初期値バッファもバックアップRAMに形成される。
図16は、図8に示された遊技制御処理において1回実行されるとともに(ステップS25)、図7に示されたメイン処理における割込余り時間(遊技制御処理終了後、次回の2msタイマ割込が発生するまでの時間)で繰り返し実行される(ステップS18)初期値用乱数更新処理の一例を示すフローチャートである。
初期値用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS131)。ランダム6を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS132)、カウント値を0に戻す(ステップS133)。なお、(最大値+1)は、ランダム1の場合と同様に317である。
また、ランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS134)。ランダム7を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS135)、カウント値を3に戻す(ステップS136)。なお、(最大値+1)は、ランダム5の場合と同様に14である。
図17は、図8に示された遊技制御処理において1回実行されるとともに(ステップS24)、図7に示されたメイン処理における割込余り時間で繰り返し実行される(ステップS17)表示用乱数更新処理の一例を示すフローチャートである。
表示用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム4(変動パターン決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+3する(ステップS151)。ランダム4を生成するためのカウンタの値が251以上になっている場合には(ステップS152)、ランダム4を生成するためのカウンタのカウント値を251減らす(ステップS153)。
なお、この実施の形態では、ランダム4の最大値は250であるが、ランダム4を生成するためのカウンタのカウント値は3ずつ増えていくので、値が0から始まった場合には、249になった後には252になる。すると、251減らすと、その値は1になる。また、値が1から始まった場合には、250になった後に253になる。すると、251減らすと、その値は2になる。また、値が2から始まった場合には、248になった後に251になる。すると、251減らすと、その値は0になる。すなわち、ランダム4の値の初期値(最大値を越えて値が戻された後の値)も、ある程度ランダムになっている。
次に、ランダム2−1(左のはずれ図柄決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS154)。ランダム2−1を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS155)、カウント値を0に戻す(ステップS156)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は12である。
ランダム2−1を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になって値が0に戻された場合、すなわち桁上げが生じた場合には、ランダム2−2(中のはずれ図柄決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS157)。ランダム2−2を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS158)、カウント値を0に戻す(ステップS159)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は12である。
ランダム2−3を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になって値が0に戻された場合、すなわち桁上げが生じた場合には、ランダム2−3(右のはずれ図柄決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS160)。ランダム2−3を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS161)、カウント値を0に戻す(ステップS162)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は12である。
図18は、図14および図15に示された判定用乱数更新処理によって変化するランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値の一例を示す説明図である。この例では、ランダム1の最初の値は0になっている。また、最初は初期値として「0」が保存されているので、カウント値が「316」まで進み、そこで+1されて値が0に戻ると(ステップS101,S102,S103)、ステップS104の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS105の処理でランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)が抽出される。なお、この時点は、図18においてAで示されている。
ここで、その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「19」であったとする。すると、ランダム6として「19」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS106)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「19」から歩進することになる。
ランダム1を生成するためのカウンタの値が歩進して「19」になると、ステップS104の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS105の処理でランダム6が抽出される。なお、この時点は、図18においてBで示されている。その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「195」であったとする。すると、ランダム6として「195」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS106)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「195」から歩進する。
そして、ランダム1を生成するためのカウンタの値が歩進して「195」になると、ステップS104の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS105の処理でランダム6が抽出される。なお、この時点は、図18においてCで示されている。その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「n」であったとする。すると、ランダム6として「n」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS106)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「n」から歩進する。なお、図18において、星印(☆)は、カウント値が「3(低確率時の大当り判定値)」となる位置を示している。
以上のように、ランダム1を生成するためのカウンタの値が1周(317カウント)する度に、カウント値として新たな初期値が設定され、以後、カウンタはその値から歩進していく。ランダム1を生成するためのカウンタ(大当り判定用カウンタ)の初期値を決定するためのカウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)は、CPU56が実行する遊技制御処理の余り時間(遊技制御処理が終了してから次に2msタイマ割込が発生するまでの時間)でカウントアップされている。そして、その余り時間は、遊技の進行状況に応じて異なるので、ランダムな期間になっている。その結果、生成されるランダム6の値もランダムな値になるので、大当り判定用カウンタの初期値もランダムに変化する。
つまり、大当り判定用カウンタの値が1周する度に、ランダムな初期値からあらためてカウンタの歩進が始まる。すると、不正基板が主基板31に接続され、主基板31から出力される信号にもとづいて大当り判定用カウント値更新タイミングが認識されたとしても、大当り判定用カウント値が大当り判定値になるタイミングをねらって不正な始動入賞信号を主基板31に送り込むことは困難になる。この実施の形態によれば、図18に星印で示されたように、大当り判定用カウント値が大当り判定値になるタイミングに規則性はなくランダムになっているからである。
図19は、図8に示された遊技制御処理において実行される普通図柄プロセス処理(ステップS27)を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ステップS71のゲートスイッチ処理を実行した後に、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS72〜S76に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
図20に示すように、ゲートスイッチ処理では、普通図柄変動開始の条件となるゲート32の打球通過にもとづくゲートスイッチ32aのオンを検出する(ステップS611)。ゲートスイッチ32aがオンしていたら、普通図柄始動記憶が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS612)。達していなければ、普通図柄始動記憶の値を+1する(ステップS613)。なお、普通図柄始動記憶の値に応じて普通図柄始動記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、その値を記憶する(S614)。なお、普通図柄始動記憶は、バックアップRAMに形成されている。
ステップS72の普通図柄変動待ち処理では、CPU56は、普通図柄始動記憶の値が0以外であれば、普通図柄プロセスフラグの値を更新する。普通図柄始動記憶の値が0であれば何もしない。
図21は、この実施の形態での普通図柄当り判定用乱数(ランダム7)と当り/はずれとの関係を示す説明図である。図21に示すように、高確率のときには当り値は3〜12のいずれかであり、低確率のときには3、5または7である。普通図柄当り判定用乱数の値が当り値と一致すれば、当りと決定される。なお、普通図柄の高確率時は、例えば確変時と一致する。
図22は、ステップS73の普通図柄判定処理を示すフローチャートである。普通図柄判定処理では、CPU56は、普通図柄始動記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに(ステップS631)、普通図柄始動記憶の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS632)。すなわち、普通図柄始動記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を、普通図柄始動記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。
そして、CPU56は、ステップS631で読み出した値、すなわち抽出されている普通図柄当り判定用乱数の値にもとづいて当り/はずれを決定する(ステップS633)。すなわち、図21に示された関係にもとづいて当り/はずれを決定する。具体的には、抽出されている普通図柄当り判定用乱数の値が図21に示された当り判定値(低確率時には3,5,7、高確率時には3〜12)のいずれかと一致した場合に当りに決定される。そして、所定の乱数等にもとづいて普通図柄の停止図柄を決定する(ステップS634)。例えば、普通図柄が0〜9の数字である場合には、当り図柄が「3」,「7」であるとすると、当りとする場合には停止図柄を「3」または「7」に決定し、はずれの場合には「3」,「7」以外の値に決定する。
また、普通図柄の停止図柄を図柄制御基板80に通知するために、停止図柄を示す表示制御コマンドを送信するための制御を行う(ステップS635)。具体的には、所定の格納領域(RAM)に停止図柄を示す表示制御コマンドを格納し、コマンド送出要求のフラグをセットする。そのフラグは、遊技制御処理における普通図柄コマンド制御処理(ステップS29)で参照される。次いで、普通図柄変動開始を示す表示制御コマンドを送信するための制御を行う(ステップS636)。具体的には、所定の格納領域(RAM)に普通図柄変動開始を示す表示制御コマンドを格納し、コマンド送出要求のフラグをセットする。
そして、普通図柄変動時間タイマをスタートする(ステップS637)。例えば、高確率時には、普通図柄変動時間タイマに5.1秒に相当する値を設定する。低確率時には、普通図柄変動時間タイマに29.2秒に相当する値を設定する。また、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動処理を示す値に更新する(ステップS638)。
普通図柄表示器10における普通図柄の変動制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段(表示制御用CPU101および周辺回路)によって実行される。表示制御手段は、普通図柄変動開始を示す表示制御コマンドを受信したら普通図柄の変動を開始する。そして、後述する普通図柄変動停止を示す表示制御コマンドを受信したら普通図柄の変動を停止し、通知されている停止図柄を表示する。
ステップS74の普通図柄変動処理では、例えば図23に示すように、普通図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS641)。タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスフラグを普通図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS642)。
ステップS75の普通図柄停止処理では、例えば図24に示すように普通図柄変動停止を示す表示制御コマンドを送信するための制御を行う(ステップS651)。そして、当りとすることに決定されているときには(ステップS652)、普通電動役物当りフラグを設定すると共に、普通図柄プロセスフラグを始動入賞口開閉処理を示す値に更新する(ステップS653)。始動入賞口開閉処理では、所定回数だけ所定期間始動入賞口(可変入賞球装置15)を開放する制御が行われる。また、はずれとすることに決定されているときには、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動待ち処理を示す値に更新する(ステップS654)。
なお、始動入賞口開閉処理で用いられる開放パターンは、例えば、低確率時には、可変入賞球装置15が1回だけ0.2秒間開放するようなパターンである。また、高確率時には、可変入賞球装置15が1.15秒間開放した後4.4秒の閉成期間をおいて再度1.15秒間開放するようなパターンである。可変入賞球装置15は、開放パターンに従って開閉制御される。なお、この実施の形態では、普通電動役物としての可変入賞球装置15は、始動入賞口14を開閉するための電動役物と兼用されている。
図25は、図14および図15に示された判定用乱数更新処理によって変化するランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値の一例を示す説明図である。この例では、ランダム5の最初の値は3になっている。また、最初は初期値として「3」が設定されているので、カウント値が「13」まで進み、そこで+1されて値が3に戻ると(ステップS121,S122,S123)、ステップS124の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS125の処理でランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)が抽出される。なお、この時点は、図25においてAで示されている。
ここで、その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「11」であったとする。すると、ランダム7として「11」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS126)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム5を生成するためのカウンタは、初期値「11」から歩進することになる。
ランダム5を生成するためのカウンタの値が歩進して「11」になると、ステップS124の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS125の処理でランダム7が抽出される。なお、この時点は、図25においてBで示されている。その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「8」であったとする。すると、ランダム7として「8」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS126)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム5を生成するためのカウンタは、初期値「8」から歩進する。
そして、ランダム5を生成するためのカウンタの値が歩進して「8」になると、ステップS124の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS125の処理でランダム7が抽出される。なお、この時点は、図25においてCで示されている。その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「m」であったとする。すると、ランダム7として「m」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS126)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム5を生成するためのカウンタは、初期値「m」から歩進する。なお、図25において、星印(☆)は、カウント値が「5(当り判定値の一つ)」となる位置を示している。
以上のように、ランダム5を生成するためのカウンタの値が1周(11カウント)する度に、カウント値として新たな初期値が設定され、以後、カウンタはその値から歩進していく。ランダム5を生成するためのカウンタ(普通図柄当り判定用カウンタ)の初期値を決定するためのカウンタ(ランダム7を生成するためのカウンタ)は、CPU56が実行する遊技制御処理の余り時間(遊技制御処理が終了してから次に2msタイマ割込が発生するまでの時間)でカウントアップされている。そして、その余り時間は、遊技の進行状況に応じて異なるので、ランダムな期間になっている。その結果、生成されるランダム7の値もランダムな値になるので、普通図柄当り判定用カウンタの初期値もランダムに変化する。
つまり、普通図柄当り判定用カウンタの値が1周する度に、ランダムな初期値からあらためてカウンタの歩進が始まる。すると、不正基板が主基板31に接続され、主基板31から出力される信号にもとづいて普通図柄当り判定用カウント値更新タイミングが認識されたとしても、普通図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングをねらって不正な始動入賞信号を主基板31に送り込むことは困難になる。この実施の形態によれば、図25に星印で示されたように、普通図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングに規則性はなくランダムになっているからである。
実施の形態2.
上記の実施の形態では、第1種パチンコ遊技機を例にしたが、本発明は第2種パチンコ遊技機にも適用することができる。図26は、遊技盤201を示す正面図である。図26において、遊技盤201の表面には、発射された遊技球を誘導するための誘導レール202がほぼ円状に設置され、誘導レール202で区画された領域が遊技領域203を形成している。遊技領域203のほぼ中央には、可変入賞球装置220が配置されている。可変入賞球装置220の下方には、れぞれ始動玉検出器205a〜205c(始動検出手段)を内蔵した左・中・右の始動入賞口204a〜204cが配置されている。始動入賞口204a〜204cに遊技球が入賞すると、遊技球は始動玉検出器205a〜205cで検出される。検出に応じて、可変入賞球装置220が所定期間開放する。すなわち、始動入賞口204a〜204cは、遊技領域に設けられた始動領域に相当する。なお、始動入賞口204bは、可変入賞球装置15が開放状態になったときに、遊技球が入賞可能な状態になる。
遊技領域203には、ゲートスイッチ32aを内蔵したゲート32が設けられ、可変入賞球装置220における上部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば0〜9の数字からなる普通図柄を可変表示する。さらに、普通図柄表示器10の近傍には、4つのLEDからなる普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32に遊技球が入賞すると、普通図柄表示器10において可変表示ができる状態であれば可変表示が開始され、可変表示ができる状態でなければ、普通図柄始動記憶(バックアップRAMに形成されている)が4に達していなければ、普通図柄始動記憶が1増やされるとともに、普通図柄始動記憶表示器41において点灯しているLEDが1つ増やされる。
普通図柄表示器10における可変表示の表示結果(停止図柄)である場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、始動入賞口204bに遊技球が入賞可能な状態になる。
次に、可変入賞球装置220について、図27および図28を参照して説明する。可変入賞球装置220は、図27に示すように、始動入賞口204a〜204cのうち左右の始動入賞口204a,204cに入賞した場合には、可変入賞球装置220が1回開放され、始動入賞口204a〜204cのうち中央の始動入賞口204bに入賞した場合には、可変入賞球装置220が2回開放される。また、このように始動玉検出器205a〜205cの入賞検出に応じて可変入賞球装置220が開放動作を行う状態を始動動作状態という。また、遊技領域203には、上記した構成以外にも、風車ランプ207a,207bを内蔵した風車206a,206b、風車208a,208b、サイドランプ210a,210bを内蔵したサイドランプ飾り209a,209b、アウト口211等が設けられている。
可変入賞球装置220を遊技盤201の表面に取り付けるための取付基板221を有し、取付基板221には、上部入賞空間222が形成されている。上部入賞空間222には、左右一対の開閉片223a,223bが回転可能に設けられている。開閉片223a,223bは、それぞれリンク機構を介してソレノイド224a,224bに連結され、ソレノイド224a,224bがオンしたときに、上部入賞空間222を開放する方向に回転する。また、ソレノイド224a,224bがオフしたときには、上部入賞空間222を閉鎖する方向に回転する。
上部入賞空間222の底壁部分には、上部入賞空間222に入賞した遊技球を検出する左右一対の入賞玉検出器225a,225bが設けられている。なお、入賞玉検出器225a,225bで検出された入賞玉は、入賞玉検出器225a,225bを通過した後、取付基板221の左右両側に形成された玉通路226a,226bを通って玉排出口227a,227bから下部入賞空間230に送り込まれる。
なお、図27および図28に示された可変入賞球装置220の構造は一例であって、他の構造の可変入賞球装置を用いることもできる。
また、上部入賞空間222内の後面壁には、入賞玉検出器225a,225bによる入賞玉の検出数を表示する入賞個数表示器228と特定遊技状態におけるラウンドの継続回数を表示する継続回数表示器229が設けられている。
下部入賞空間230には、玉排出口227a,227bから送り込まれた入賞玉を後方に向かって転動させる下部転動盤231と、下部転動盤231の下流端に形成された開口232と、開口232を開閉する開閉板234と、開閉板234の上方位置で回転する回転ドラム236と、回転ドラム236の上端部後方に配された上部転動盤240が設けられている。開閉板234にはソレノイド235が連結され、ソレノイド235がオンしたときに開口232が閉鎖する方向に進出移動する。また、ソレノイド235がオフしたときに、開口232を開放する方向に退行移動する。
回転ドラム236には各連結ギヤ237a〜237cを介してもモータ238が連結され、モータ238の駆動に応じて常時一定速度で一方向に回転するようになっている。ただし、モータ238が逆方向に回転することも可能である。
また、回転ドラム236の周面には、左・中・右の横一列3箇所に永久磁石239a〜239cが設置されている。従って、回転ドラム236は、開閉板234による開口232の閉鎖状態では、開口板234上に停留される遊技球を永久磁石239a〜239cの磁力によって吸引し、吸引した遊技球を回転動作に伴って上部転動板240に送り込む。
上部転動板240の後方側には、中央を境として左右方向に下り傾斜する各傾斜部240a,240bが形成されており、傾斜部240a,240bの下流側(左右両側)には、傾斜部240a,240bを転動した遊技球を再度下部転動板31上に送り込む玉通路241a,241bが形成されている。なお、傾斜部240a,240bは、後方側へも若干下り傾斜している。また、上部転動板240の後方中央には、特定領域としての特定受入口242が設けられ、特定受入口242の前方には、左右一対の可動部材243a,243bが設けられている。
可動部材243a,243bには、それぞれ回転軸244a,244bが一体的に取り付けられ、回転軸244a,244bの後端には、ソレノイド245を連結した連結部材246の各連動部246a,246bが一体的に取り付けられている。なお、連結部材246は、ソレノイド245を構成するプランジャ245aの進退動作を回転軸244a,244b(可動部材243a,243b)の回転動作に変換するものである。可動部材243a,243bは、ソレノイド245がオンしたときに、特定受入口242の前方を遮断する方向(図27に示す矢印方向)に回転する。また、ソレノイド245がオフしたときに、特定受入口242前方の遮断を解除する方向に回転する。
特定受入口242の外周には、装飾用のLED表示器247が複数設けられる。また、特定受入口242の内部には、特定受入口242に入った入賞球を検出する特定検出手段としての特定玉検出器248が設けられている。特定玉検出器248の下流側には、検出した玉を開閉板234の下方位置を通して排出する図示しない玉通路が形成されている。なお、以下の説明では、遊技球が特定受入口242に入賞し特定玉検出器248で検出されたことをV入賞ともいう。
図29は、遊技機の裏面に設置されている遊技制御基板(主基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図29には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板(以下、表示制御基板ともいう。)80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機を制御する基本回路53と、特定玉検出器248、始動玉検出器205a〜205c、入賞玉検出器225a,225bおよびクリアスイッチ921からの検出信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58が搭載されている。
また、主基板31には、各ソレノイド224a,224b,235,245を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、モータ238を基本回路53からの指令に従って駆動するモータ回路60が搭載されている。また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板910において作成されるバックアップ電源よってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
なお、この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、サイドランプ210a,210b、風車ランプ207a,207b、LED表示器247、その他枠装飾ランプ等の各種発光部材に制御信号を出力して各種発光部材の動作を所定態様で制御する。また、入賞個数表示器228および継続回数表示器229と、普通図柄表示器10の表示制御は、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。また、音制御基板70に搭載されている音制御手段がスピーカ27の制御を行う。そして、景品としての遊技球の払い出しを行う球払出装置97は、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段によって制御される。ランプ制御手段および音制御手段は一つの基板に搭載されていてもよい。さらに、表示制御手段、ランプ制御手段および音制御手段が一つの基板に搭載されていてもよい。
また、実施の形態1の場合と同様に、遊技機裏面には、バックアップ電源も搭載された電源基板910等も設置されている。
次に、遊技制御手段による可変入賞球装置220の作動制御について説明する。始動動作状態が発生すると、ソレノイド224a,224bが所定時間オンされて開閉片223a,223bが開放する。その開放作動中に遊技球が上部入賞空間222内に入賞すると、その入賞玉は入賞玉検出器225a,225bを通って下部入賞空間230に送り込まれる。また、開閉板234は、遊技制御手段によるソレノイド235のオン制御により、入賞玉検出器225a,225bが入賞玉を検出してから所定時間が経過するまで開口232を閉鎖する方向に移動する。そして、下部入賞空間230に送り込まれた遊技球は、開口232の閉鎖時間内で回転ドラム236のいずれかの永久磁石239a〜239cに吸引されると、回転ドラム236の回転に伴って上部転動板240に送り込まれる。
このとき、開閉板234上に停留された遊技球が左右の永久磁石239a,239cに吸引された場合、その遊技球は、100%の確率で玉通路241a,241bに送られる。なお、この時点で、開閉板234は、遊技制御手段によるソレノイド235のオフ制御により、開口232を開放する方向に移動している。そして、玉通路241a,241bに送られた玉は、下部転動板231を通って開口232を落下して排出される。一方、開閉板234上に停留された遊技球が中央の永久磁石239bに吸引された場合、その遊技球は、かなり高い確率(100%ではない)で特定受入口242に送られる。そして、特定受入口242に送られた遊技球(V入賞した遊技球)は、特定玉検出器248を通過した後に排出される。また、このとき、特定玉検出器248における遊技球の通過(特定玉検出器248による遊技球の検出)にもとづいて特定遊技状態が発生する。
特定遊技状態では、遊技制御手段がソレノイド235がオン/オフ制御することによって、開閉片223a,223bが所定時間の開放動作を18回繰り返す(18回の開閉サイクル)。なお、開閉サイクルが18回終了する以前に、入賞玉検出器225a,225bによって10個の入賞玉が検出された場合には、その時点で開閉片223a,223bの開閉動作を終了する。また、開閉片223a,223bの開閉サイクル中は、各ソレノイド235,245が常時オンされることで、開閉板234は常に開口232を閉鎖し、可動部材243a,243bは、最終サイクルを除き、常に特定受入口242の前方を遮断する(特定受入口242への入賞が不可となる)。
よって、開閉サイクル中に可変入賞球装置220に入賞した遊技球は、開閉サイクルの終了時点までは開口232を落下することがない。従って、開閉板234上に停留された遊技球が左右の永久磁石239a,239cに吸引された場合、その遊技球は、玉通路241a,241bを通って下部転動板231に送り込まれ、再度開閉板234上に停留される。一方、開閉板234上に停留された遊技球が中央の永久磁石239bに吸引された場合、その入賞玉は、特定受入口242前方の可動部材243a,243bに受け止められる。
その後、開閉サイクルの終了に伴って(開閉サイクル終了後、入賞した遊技球が全て入賞玉検出器225a,225bに検出されるのに十分な時間を待って)、または、開閉サイクルの最終回において、各ソレノイド235,245がオフされることで、開閉板234は開口232を開放し、可動部材243a,243bは特定受入口242前方の遮断を解除する。よって、可動部材243a,243bに受け止められた入賞玉は、上部転動板240を真直ぐ後方に転動して特定受入口242に入る。そして、特定受入口242に入った遊技球(V入賞した遊技球)が特定玉検出器248を通過することによって、18回の開閉サイクルの継続権が成立する。継続権が成立すると、所定のインターバル時間の経過後に再度開閉片223a,223bの開放サイクルが開始される。すなわち、次ラウンドが開始される。
開閉サイクルの継続回数は、最高15回(15ラウンド)まで許容されるようになっている。また、このような特定遊技状態において、継続回数表示器229は、開閉片223a,223bの継続回数(ラウンド回数)を表示し、入賞個数表示器228は、1ラウンド毎に入賞個数を表示する。
次に遊技機の動作について説明する。主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)は、遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、図7に示された処理と同様のメイン処理を開始する。
メイン処理における初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了した後、タイマ割込が発生すると、CPU56は、図30に示すレジスタの退避処理(ステップS80)を行った後、図30に示すステップS81〜S92の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、特定玉検出器248、始動玉検出器205a〜205cおよび入賞玉検出器225a,225bのスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS81)。
次いで、パチンコ遊技機の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS82)。
次に、遊技制御に用いられる当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS83)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS84,S85)。なお、この実施の形態では、判定用乱数として、図13に示された各乱数のうち普通図柄当り判定用乱数があり、表示用乱数として図13では例示されなかった普通図柄表示器10における停止図柄を決定するための乱数があり、初期値用乱数として図13に示されたランダム5初期値用乱数がある。すなわち、この実施の形態でも、図13に示された各乱数のうち、ランダム5,7に相当するものが用いられている。なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数等は用いられていない。
さらに、CPU56は、プロセス処理を行う(ステップS86)。プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS87)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。なお、普通図柄プロセス処理は、実施の形態1の場合(図19参照)と同様に実行可能である。
次いで、CPU56は、表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS88)。さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS89)。
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS90)。さらに、モータ38の駆動を指令する信号をモータ回路60に与える(ステップS91)。
そして、CPU56は、入賞玉検出器225a,225b等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS92)。具体的には、入賞玉検出器225a,225b等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS93)、割込許可状態に設定する(ステップS94)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図31は、図30に示された遊技制御処理で実行される判定用乱数更新処理(ステップS83)の一例を示すフローチャートである。判定用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS201)。ランダム5を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS202)、カウント値を3に戻す(ステップS203)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は14である。
ランダム5を生成するためのカウンタの値が初期値としてランダム5用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS204)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS205)。すなわち、ランダム7を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム5用初期値バッファに保存するとともに(ステップS206)、抽出された値を、ランダム5を生成するためのカウンタに設定する(ステップS207)。よって、この時点で、ランダム5を生成するためのカウンタの初期値が変更される。なお、遊技機に電源が投入されたときには一般には初期値として「3」がランダム用初期値バッファに保存されるが、バックアップRAMにランダム5の値が保存されていた場合には電源投入時に保存値に戻される。また、ランダム5用初期値バッファもバックアップRAMに形成される。
図32は、図30に示された遊技制御処理において1回実行されるとともに(ステップS85)、図7に示されたメイン処理における割込余り時間(遊技制御処理終了後、次回の2msタイマ割込が発生するまでの時間)で繰り返し実行される(ステップS18)初期値用乱数更新処理の一例を示すフローチャートである。
初期値用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS211)。ランダム7を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS212)、カウント値を3に戻す(ステップS213)。なお、(最大値+1)は、ランダム5の場合と同様に14である。
この実施の形態でも、遊技制御処理におけるステップS87(普通図柄プロセス処理)に関して、図19に示されたような処理が実行される。すなわち、普通図柄表示器10の表示制御に関して、また、可変入賞球装置15(始動入賞口204b)の開閉制御に関して、図19に示されたような処理が実行される。そして、図31および図32に示された処理が実行されることによって、普通図柄表示器10に停止表示される図柄を当り図柄とするか否か決定するためのランダム5の初期値はランダムになる。例えば、図25に例示された判定用乱数更新処理によって変化するランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値は、この実施の形態の場合にも当てはまり、図25に星印で示されたように、普通図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングに規則性はなくランダムになる。
その結果、不正基板が主基板31に接続され、主基板31から出力される信号にもとづいて普通図柄当り判定用カウント値更新タイミングが認識されたとしても、普通図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングをねらって不正な始動入賞信号を主基板31に送り込むことは困難になる。
この実施の形態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄である場合に可変入賞球装置15が開放状態になって始動入賞口204bに入賞しやすい状態になる。上述したように、始動入賞口204bに入賞した場合には、可変入賞球装置220が2回開放される。すなわち、始動入賞口204bに入賞した場合には、特定遊技状態が生ずる可能性がより高くなる。従って、不正行為者は、可変入賞球装置15の開放状態をより多く発生させることを望んで普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になるように不正行為を行おうとするのであるが、この実施の形態では、そのような不正行為を効果的に防止することができる。
実施の形態3.
上記の各実施の形態では、第1種パチンコ遊技機または第2種パチンコ遊技機を例にしたが、本発明は第3種パチンコ遊技機にも適用することができる。図33は普通図柄タイプの第3種パチンコ遊技機の遊技盤401を正面からみた正面図である。遊技盤401は、パチンコ遊技機の本体に着脱可能に取付けられる。
図33に示すように、遊技盤401の前面には、発射された打球を誘導するための誘導レール402が設けられている。また、遊技盤401の前面には、遊技領域403が設けられている。遊技領域403の中央付近には、7セグメントLEDによる普通図柄表示装置410が設けられている。普通図柄表示装置410は、背面に形成されている取付基板411によって、遊技盤401の前面に取付けられている。普通図柄表示装置410には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあるLCD表示器(液晶表示装置)412が設けられている。取付基板411には、3つの図柄表示エリアを囲む窓枠を有する表示窓411aが形成されている。取付基板411の上部には、入賞口413と、4個のLEDからなる普通図柄始動記憶表示器414が設けられている。この実施の形態でも、4個を上限として、後述する始動球検出スイッチ405による通過検出がある毎に、普通図柄始動記憶表示器414は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、普通図柄表示装置410での普通図柄の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
普通図柄表示装置410の下部には、始動球通過口(ゲート)404が設けられている。始動球通過口404を通過した打球は、始動球通過口404に設けられた始動球検出スイッチ(ゲートスイッチ)405によって検出される。なお、この実施の形態では、始動球検出スイッチ405が打球を検出したことに応じて、普通図柄表示装置410の図柄表示エリアが変動を開始するように制御される。また、始動球通過口404の下部には、入賞口406が設けられている。入賞口406は、始動球通過口404を通過した打球を入賞球として受け入れる。
普通図柄表示装置410の右側には、回転体420が配置されている。回転体420は、遊技盤401の前面に取付けられる取付板を有し、その取付板の前面に包囲枠が突設され、包囲枠の内側のモータによって時計回り方向に回転駆動される構造をなしている。回転体420の外周部には、1個の打球を受け入れる球受凹部421が形成されている。球受凹部421は、回転体420が回転して包囲枠の上部に形成されている作動入賞口422(始動領域の一例)から入った打球を受け入れることが可能な構成とされている。球受凹部421に受け止められた打球は、取付板の背面に導かれ、作動球検出スイッチ423(始動検出手段の一例)によって検出される。作動球検出スイッチ423が権利発生状態中に打球を検出することで、後述する可変入賞球装置450が開放制御される大当り遊技状態(特定遊技状態)が発生する。
普通図柄表示装置410の左側方には、可変入賞検出装置430が設けられている。可変入賞検出装置430では、入賞球検出スイッチ431によって入賞球が検出される。可変入賞検出装置430の上端部分には、普通可変入賞口432が設けられている。この普通可変入賞口432には、左右一対の開閉片433a,433bが設けられている。開閉片433a,433bは、遊技盤401の裏面に配されたソレノイド(図示せず)の駆動にもとづいて傾動位置と垂直位置との間で変動自在とされる。また、垂直位置にある開閉片433a,433bの上方には、普通可変入賞口432への打球の入賞を阻止する障害釘434が設けられている。これにより、開閉片433a,433bは、ソレノイドがオンしているときには普通可変入賞口432を開放する傾動状態となり、ソレノイドがオフしているときには普通可変入賞口432を閉鎖する垂直状態となる。可変入賞検出装置430の下端部分には、入賞球検出スイッチ431によって検出された打球を下方に通過させる入賞球通過口435が設けられている。
入賞球通過口435の下部には、入賞球通過口435からの打球を受け入れて権利発生状態の発生の有無を決定する振分装置436が設けられている。なお、この実施の形態では、可変入賞検出装置430と振分装置436とで可変入賞球装置が構成されている。この実施の形態では、可変入賞検出装置430と振分装置436とで構成される可変入賞球装置が、普通図柄表示装置410における表示結果にもとづいて開放状態になる電動役物に相当する。
図34は、振分装置436の構成例を示す説明図である。図34に示すように、振分装置436には、入賞空間形成部材437によって、入賞球通過口435からの打球が受け入れられる入賞空間が形成されている。入賞空間形成部材437は、C字状の枠部437aと、入賞口437bと、透明な前面被覆部437cとを有している。入賞空間形成部材437によって形成される入賞空間のほぼ中央には、左右一対の停留凹部438aを前端に有する入賞球停留部材438が設けられている。入賞球停留部材438は、背面側設けられているソレノイド(図示せず)の駆動によって、遊技盤401に対して前後方向に動作する。ソレノイドがオンして入賞球停留部材438が前方に位置しているときには、停留凹部438aが入賞空間に突出された状態となる。また、ソレノイドがオフして入賞球停留部材438が後方に位置しているときには、停留凹部438aが遊技盤401の内部に入り込んで入賞空間から没入された状態となる。入賞球停留部材438の上方には、遊技盤401の裏面の図示しない特定球検出スイッチに入賞空間内の打球を導く特定入賞口439が設けられている。
さらに、入賞球停留部材438の下方には、特定入賞口439に入らなかった打球を通常の入賞球として処理するための普通入賞口440が設けられている。遊技盤401の裏面の特定球検出スイッチ(図示せず)に入賞空間内の打球を導く特定入賞口439が設けられている。なお、特定入賞口439の前方部分に位置する前面被覆部437cには、打球を特定入賞口439に誘導するための誘導突起437dが形成されている。
ここで、振分装置436内での入賞球の動作について説明する。普通図柄表示装置410の表示結果が当り図柄である場合に、開閉片433a,433bが駆動されて可変入賞口432が所定時間開放される。可変入賞口432から打球が入賞すると、1個目と2個目の入賞球は、図34に示すように、遊技領域403から突出している停留凹部438a上に停留される。次いで、3個目の入賞球があると、3個目の入賞球は、1個目、2個目の入賞球および誘導突起437dによって特定入賞口439に誘導される。そして、3個目の入賞球が特定球検出スイッチによって検出され、権利発生状態が発生する。なお、停留凹部438a上に停留されている1個目と2個目の入賞球は、所定時間経過後に停留凹部438aが後方に移動されることで停留凹部438aでの停留が解除され、普通入賞口440に導かれて通常の入賞球として処理される。
次に、普通図柄表示装置410の下方位置に設けられている可変入賞球装置450の構成について説明する。可変入賞球装置450は、遊技盤401の表面に取付けられる取付基板451を有する。取付基板451の中央部分には、特別可変入賞口451aが設けられている。この実施の形態では、特別可変入賞口451aに開閉部材452が設けられ、開閉部材452が特別可変入賞口(大入賞口)451aを開閉する手段となる。開閉部材452は、大当り状態においてソレノイド453によって開状態とされる。特別可変入賞口451aから遊技盤401の背面に導かれた入賞球は、入賞球検出スイッチ454によって検出される。また、特別可変入賞口451aの左右には、通常の入賞口455が設けられている。
さらに、遊技盤401には、入賞口460が設けられ、遊技球の入賞口460への入賞は、対応して設けられている入賞口スイッチによって検出される。遊技領域403の左右周辺には、サイドランプ飾り461、風車ランプ462が内蔵されている左右の風車が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口463がある。また、遊技領域403の外側の左右上部には、効果音を発する複数のスピーカ(図示せず)が設けられている。また、遊技領域403の外周には、図示はしないが、景品球払出時に点灯する賞球ランプ、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ、遊技効果LEDなどの発光体が設けられている。
次に、この実施の形態におけるパチンコ遊技機の動作について説明する。打球発射装置から発射された打球は、誘導レール402を通って遊技領域403に入り、その後、遊技領域403を下りてくる。打球が始動球通過口404を通って始動球検出スイッチ405で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、普通図柄表示装置410の3つの図柄表示部に表示されている図柄(例えば、数字)が連続的に変化する状態になる。図柄の変動を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶を1増やす。
普通図柄表示装置410内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の図柄の組み合わせが権利発生図柄の組み合わせ(当り図柄)となると、可変入賞検出装置430の開閉片433a,433bが、一定時間経過するまで開放し、入賞球が振分装置436に導かれる。次いで、振分装置436の入賞空間内の特定入賞口439に打球が誘導されて特定球検出スイッチに打球が導かれると、権利発生状態となる。権利発生状態が継続しているときに、打球が回転体420の球受凹部421に入賞して作動球検出スイッチ423をオンさせると、大当り状態が発生して可変入賞球装置450の特別可変入賞口451aが開放される。そして、大当り状態は、権利発生状態が継続していれば、打球が回転体420の球受凹部421に入賞する毎に繰り返される(開放サイクル)。ただし、権利発生状態の継続は、権利発生状態中に再度入賞空間内の特定球検出スイッチに打球が誘導されたとき、または、作動球検出スイッチ423において所定個数(例えば、16個)の入賞球が検出されたことによって終了する。
なお、この実施の形態でも、遊技機の裏面に、遊技制御基板(主基板)、払出制御基板、ランプ制御基板、音制御基板、発射制御基板、図柄制御基板、およびバックアップ電源を有する電源基板等が設置されている。実施の形態1,2の場合と同様に、主基板には、CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路で実現される遊技制御手段が搭載され、遊技制御手段が遊技の進行を制御する。
次に遊技機の動作について説明する。主基板における遊技制御手段は、遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、図7に示された処理と同様のメイン処理を開始する。
メイン処理における初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了した後、タイマ割込が発生すると、遊技制御手段は、図35に示すレジスタの退避処理(ステップS310)を行った後、図35に示すステップS311〜S322の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御手段は、まず、入賞球検出スイッチ431等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS311)。
次いで、パチンコ遊技機の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS312)。
次に、遊技制御に用いられる当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS313)。遊技制御手段は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS314,S315)。なお、この実施の形態では、判定用乱数として、図13に示された各乱数のうち普通図柄当り判定用乱数があり、表示用乱数として図13では例示されなかった普通図柄表示装置410における停止図柄を決定するための乱数があり、初期値用乱数として図13に示されたランダム5初期値用乱数がある。すなわち、この実施の形態でも、図13に示された各乱数のうち、ランダム5,7に相当するものが用いられている。なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数等は使用されない。
さらに、遊技制御手段は、プロセス処理を行う(ステップS316)。プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS317)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置410の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御手段は、表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS318)。さらに、遊技制御手段は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS319)。
また、遊技制御手段は、所定の条件が成立したときにソレノイドに駆動指令を出力する(ステップS320)。さらに、各モータの駆動を指令する信号を各モータに与える(ステップS321)。
そして、遊技制御手段は、入賞球検出スイッチ431,454等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS322)。具体的には、入賞球検出スイッチ431,454等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS323)、割込許可状態に設定する(ステップS324)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
この実施の形態でも、図35に示された遊技制御処理で実行される判定用乱数更新処理(ステップS313)は、図31に例示されたように実行される。また、初期値用乱数更新処理は、図32に例示されたように実行され、図35に示された遊技制御処理において1回実行されるとともに(ステップS325)、図7に示されたメイン処理における割込余り時間(遊技制御処理終了後、次回の2msタイマ割込が発生するまでの時間)で繰り返し実行される(ステップS18)。
従って、この実施の形態でも、図31および図32に示された処理が実行されることによって、普通図柄表示装置410に停止表示される図柄を当り図柄とするか否か決定するためのランダム5の初期値はランダムになる。例えば、図25に例示された判定用乱数更新処理によって変化するランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値は、この実施の形態の場合にも当てはまり、図25に星印で示されたように、普通図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングに規則性はなくランダムになる。
その結果、不正基板が主基板に接続され、主基板から出力される信号にもとづいて普通図柄当り判定用カウント値更新タイミングが認識されたとしても、普通図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングをねらって不正な始動入賞信号を主基板に送り込むことは困難になる。
この実施の形態では、普通図柄表示装置410の表示結果が当り図柄である場合に、普通電動役物としての可変入賞球装置における可変入賞口432が所定時間開放状態になり、権利発生状態が生じうる状態になる。従って、不正行為者は、可変入賞球装置における可変入賞口432の開放状態をより多く発生させることを望んで普通図柄表示装置410の停止図柄が当り図柄になるように不正行為を行おうとするのであるが、この実施の形態では、そのような不正行為を効果的に防止することができる。
実施の形態4.
図36は判定図柄タイプの第3種パチンコ遊技機の遊技盤501を正面からみた正面図である。遊技盤501は、パチンコ遊技機の本体に着脱可能に取付けられる。
打球発射装置から発射された遊技球は、外レール501と内レール502との間を通って遊技領域507に入り、その後、遊技領域507を下りてくる。遊技球がゲート511を通過しゲートスイッチ511aで検出されると、普通図柄表示器510における可変表示が開始される。この実施の形態では、普通図柄表示器510は、それぞれに図柄(この例では、○と×)が描かれた2つのランプからなり、2つのランプが交互に点灯することによって可変表示がなされる。そして、○のランプが停止した状態で可変表示が終了すると当りとなる。
当りとなった場合には、普通電動役物550が作動して特定入賞口532が開放した状態になる。遊技球が特定入賞口532に入賞した遊技球は特定入賞口スイッチ532aで検出されるととともに、振分部材535に入る。その後、誘導部540における特別装置作動判定図柄ゲート541を通過すると、可変表示装置512において判定図柄が可変表示を始める。なお、特別装置作動判定図柄ゲート541の部分には、特別装置作動判定図柄ゲート541を通過した遊技球を検出する作動検出手段としての図柄ゲートスイッチ541aが設けられている。また、可変表示装置512における判定図柄の変動中では、遊技球は、特別装置作動判定図柄ゲート541の下方の誘導部材542の凹部に停留している。
なお、遊技領域507において、普通入賞口513,514,515,516に入賞した遊技球は、それぞれ、入賞口スイッチ513a,514a,515a,516aで検出される。入賞口スイッチ513a,514a,515a,516aおよび特定入賞口スイッチ532aで遊技球が検出されると、所定個の遊技球が景品として払い出される。
可変表示装置512における判定図柄の可変表示結果(停止図柄)が当り図柄であると当りが発生し、誘導部材542の凹部に停留していた遊技球が誘導装置によって特別装置作動領域544に誘導される。そして、特別装置作動領域544に設けられているセンサ544aによって検知されると権利が発生し、権利発生状態において遊技球が始動入賞装置520における始動口に入賞すると、その遊技球は始動口スイッチ520aによって検出される。すると、大入賞口が開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。可変表示装置512における判定図柄の可変表示結果(停止図柄)がはずれ図柄であった場合には、誘導部材542の凹部に停留していた遊技球は、通常領域543に誘導される。なお、始動入賞装置520には回転体521が設けられ、始動入賞装置520における回転体521の下部には、特別電動役物を形成する大入賞口を開放するための開閉板551が設けられている。遊技球が回転体521によって回転させられ始動口スイッチ520aによって検出されると始動口に入賞したことになる。また、開閉板551が開放状態になることによって大入賞口が開放される。
開放期間において、所定個(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞すると大入賞口は閉成する。そして、権利が継続している限り、再度、大入賞口が開放する。権利は、始動口に例えば16個の遊技球が入賞するまで継続する。ただし、権利の継続中に、再度権利を発生させるための動作(特別装置作動領域への遊技球の入賞)が行われた場合には、その権利は消滅する。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。
また、権利発生中において大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ551aによって検出される。カウントスイッチ551aで遊技球が検出されると、所定個の遊技球が景品として払い出される。そして、カウントスイッチ551aによる遊技球の検出数が所定数になると大入賞口は閉成する。
なお、この実施の形態でも、遊技機の裏面に、遊技制御基板(主基板)、払出制御基板、ランプ制御基板、音制御基板、発射制御基板、図柄制御基板、およびバックアップ電源を有する電源基板等が設置されている。実施の形態1,2の場合と同様に、主基板には、CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路で実現される遊技制御手段が搭載され、遊技制御手段が遊技の進行を制御する。また、普通図柄と判定図柄とを1つの可変表示装置で可変表示するようにしてもよい。
次に遊技機の動作について説明する。主基板における遊技制御手段は、遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、図7に示された処理と同様のメイン処理を開始する。
メイン処理における初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了した後、タイマ割込が発生すると、遊技制御手段は、図37に示すレジスタの退避処理(ステップS310)を行った後、図37に示すステップS331〜S342の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御手段は、まず、入賞口スイッチ513a,514a,515a,516a、特定入賞口スイッチ532a、カウントスイッチ551a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS331)。
次いで、パチンコ遊技機の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS332)。
次に、遊技制御に用いられる各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS333)。この実施の形態では、判定用乱数として、普通図柄当り判定用乱数と判定図柄当り判定用乱数がある。
遊技制御手段は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS334,S335)。なお、この実施の形態では、表示用乱数として可変表示装置512における判定図柄の停止図柄を決定するための乱数等があり、初期値用乱数として図13に示されたランダム5初期値用乱数と、図13には示されていない判定図柄当り判定用乱数の初期値を決定するための乱数がある。なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数等は使用されない。
さらに、遊技制御手段は、プロセス処理を行う(ステップS336)。プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS337)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置510の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。なお、普通図柄プロセス処理は、実施の形態1の場合(図19参照)と同様に実行可能である。
次いで、遊技制御手段は、表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS338)。さらに、遊技制御手段は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS339)。
また、遊技制御手段は、所定の条件が成立したときにソレノイドに駆動指令を出力する(ステップS340)。さらに、各モータの駆動を指令する信号を各モータに与える(ステップS341)。
そして、遊技制御手段は、入賞口スイッチ513a,514a,515a,516a、カウントスイッチ551a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS342)。具体的には、入賞口スイッチ513a,514a,515a,516a、カウントスイッチ551a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS343)、割込許可状態に設定する(ステップS344)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図38は、この実施の形態で用いられる判定図柄当り判定用乱数(ランダム8:判定用乱数の一つ)とランダム8の初期値を決定するためのランダム8初期値決定用乱数(ランダム9)を示す説明図である。所定のタイミングで抽出されるランダム8の値が当り判定値と一致すれば、判定図柄にもとづく当りと決定される。なお、ランダム8の値が当り判定値と一致するか否かの判定は、CPU56が、プロセス処理(ステップS336)において実行する。また、上述したように、この実施の形態では、判定用乱数としてランダム5(普通図柄当り判定用乱数)およびランダム5初期値決定用乱数も用いられる。
図39は、図37に示された遊技制御処理で実行される判定用乱数更新処理(ステップS333)の一例を示すフローチャートである。判定用乱数更新処理において、遊技制御手段は、ランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS401)。ランダム5を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS402)、カウント値を3に戻す(ステップS403)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は14である。
そして、遊技制御手段は、ランダム5を生成するためのカウンタの値が初期値としてランダム5用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS404)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS405)。すなわち、ランダム7を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム5用初期値バッファに保存するとともに(ステップS406)、抽出された値を、ランダム5を生成するためのカウンタに設定する(ステップS407)。よって、この時点で、ランダム5を生成するためのカウンタの初期値が変更される。なお、遊技機に電源が投入されたときに初期値として「3」がランダム5を生成するためのカウンタに設定されるが、バックアップRAMにランダム5の値が保存されていた場合には電源投入時に保存値に戻される。また、ランダム5用初期値バッファもバックアップRAMに形成される。
さらに、遊技制御手段は、ランダム8(判定図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS421)。ランダム8を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS422)、カウント値を0に戻す(ステップS423)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は19である。
そして、遊技制御手段は、ランダム8を生成するためのカウンタの値が初期値としてランダム8用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS424)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム9(ランダム8初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS425)。すなわち、ランダム9を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム8用初期値バッファに保存するとともに(ステップS426)、抽出された値を、ランダム8を生成するためのカウンタに設定する(ステップS427)。よって、この時点で、ランダム8を生成するためのカウンタの初期値が変更される。なお、遊技機に電源が投入されたときに初期値として「0」がランダム8を生成するためのカウンタに設定されるが、バックアップRAMにランダム8の値が保存されていた場合には電源投入時に保存値に戻される。また、ランダム8用初期値バッファもバックアップRAMに形成される。
図40は、図37に示された遊技制御処理において1回実行されるとともに(ステップS325)、図7に示されたメイン処理における割込余り時間(遊技制御処理終了後、次回の2msタイマ割込が発生するまでの時間)で繰り返し実行される(ステップS18)初期値用乱数更新処理の一例を示すフローチャートである。初期値用乱数更新処理において、遊技制御手段は、ランダム7(ランダム5初期値設定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS431)。ランダム7を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS432)、カウント値を3に戻す(ステップS433)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は14である。
また、遊技制御手段は、ランダム9(ランダム8初期値設定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS434)。ランダム9を生成するためのカウンタの値が(最大値+1)以上になっている場合には(ステップS435)、カウント値を0に戻す(ステップS436)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は19である。
この実施の形態でも、図39および図40に示された処理が実行されることによって、普通図柄表示装置510に停止表示される図柄を当り図柄とするか否か決定するためのランダム5の初期値はランダムになる。例えば、図25に例示されたランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値は、この実施の形態の場合にも当てはまり、図25に星印で示されたように、普通図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングに規則性はなくランダムになる。
その結果、不正基板が主基板に接続され、主基板から出力される信号にもとづいて普通図柄当り判定用カウント値更新タイミングが認識されたとしても、普通図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングをねらって不正な始動入賞信号を主基板に送り込むことは困難になる。
この実施の形態では、普通図柄表示装置510の表示結果が当り図柄である場合に、普通電動役物550が作動して特定入賞口532が開放した状態になる。さらに、遊技球が特定入賞口532に入賞した遊技球は特定入賞口スイッチ532aで検出されるととともに、振分部材535に入る。その後、誘導部540における特別装置作動判定図柄ゲート541を通過すると、可変表示装置512において判定図柄が可変表示を始める。また、可変表示装置512における判定図柄の可変表示結果(停止図柄)が当り図柄であると当りが発生し、作動判定図柄ゲート541の検出位置に貯留されていた遊技球が誘導装置によって特別装置作動領域に誘導される。そして、特別装置作動領域に設けられているセンサによって検知されると権利が発生する。従って、普通図柄表示装置510の表示結果が当り図柄である場合に、権利発生状態が生じうる状態になる。従って、不正行為者は、普通図柄表示装置510の表示結果としての当り図柄をより多く発生させることを望んで普通図柄表示装置510の停止図柄を当り図柄とするように不正行為を行おうとするのであるが、この実施の形態では、そのような不正行為を効果的に防止することができる。
この実施の形態では、さらに、判定図柄当り判定用乱数の初期値もランダムになるように制御される。図41は、図39および図40に示された処理によって変化するランダム8(判定図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値の一例を示す説明図である。この例では、ランダム8の最初の値は0になっている。また、最初は初期値として「0」が保存されているので、カウント値が「18」まで進み、そこで+1されて値が0に戻ると(ステップS421,S422,S423)、ステップS424の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS425の処理でランダム9(ランダム8初期値決定用乱数)が抽出される。なお、この時点は、図41においてAで示されている。
ここで、その時点のランダム9を生成するためのカウンタのカウント値が「3」であったとする。すると、ランダム9として「3」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS426)、ランダム8を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム8を生成するためのカウンタは、初期値「3」から歩進することになる。
ランダム8を生成するためのカウンタの値が歩進して「3」になると、ステップS424の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS425の処理でランダム9が抽出される。なお、この時点は、図41においてBで示されている。その時点のランダム9を生成するためのカウンタのカウント値が「11」であったとする。すると、ランダム9として「11」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS426)、ランダム8を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム8を生成するためのカウンタは、初期値「11」から歩進する。
そして、ランダム8を生成するためのカウンタの値が歩進して「11」になると、ステップS424の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS425の処理でランダム9が抽出される。なお、この時点は、図41においてCで示されている。その時点のランダム9を生成するためのカウンタのカウント値が「p」であったとする。すると、ランダム9として「p」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS426)、ランダム8を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム8を生成するためのカウンタは、初期値「p」から歩進する。なお、図41において、星印(☆)は、カウント値が「11(判定図柄当り判定値とする)」となる位置を示している。
以上のように、ランダム8を生成するためのカウンタの値が1周(19カウント)する度に、カウント値として新たな初期値が設定され、以後、カウンタはその値から歩進していく。ランダム8を生成するためのカウンタ(判定図柄当り判定用カウンタ)の初期値を決定するためのカウンタ(ランダム9を生成するためのカウンタ)は、遊技制御手段におけるCPU56が実行する遊技制御処理の余り時間(遊技制御処理が終了してから次に2msタイマ割込が発生するまでの時間)でカウントアップされている。そして、その余り時間は、遊技の進行状況に応じて異なるので、ランダムな期間になっている。その結果、生成されるランダム9の値もランダムな値になるので、判定図柄当り判定用カウンタの初期値もランダムに変化する。
つまり、判定図柄当り判定用カウンタの値が1周する度に、ランダムな初期値からあらためてカウンタの歩進が始まる。すると、不正基板が主基板に接続され、主基板から出力される信号にもとづいて判定図柄当り判定用カウント値更新タイミングが認識されたとしても、判定図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングをねらって不正な始動入賞信号を主基板に送り込むことは困難になる。この実施の形態によれば、図41に星印で示されたように、判定図柄当り判定用カウント値が当り判定値になるタイミングに規則性はなくランダムになっているからである。
実施の形態5.
次に、本発明をパチンコ遊技機の一般電役機に適用した場合について説明する。図42は、一般電役機の遊技領域の一例を示す説明図である。図42に示す例では、遊技領域607のほぼ中央に、普通図柄の可変表示を行う3つの表示領域を有する第1普通図柄表示器609が設置されている。また、遊技領域607には、入賞口611,612,613,614が設けられているとともに、電動役物(可変入賞球装置)615,622,623,624が設けられている。そして、可変入賞球装置615には、普通図柄を可変表示する第2普通図柄表示器610が設けられている。また、可変入賞球装置622,623には、普通図柄を可変表示する第3普通図柄表示器622A,第4普通図柄表示器623Aが設けられている。さらに、第1普通図柄表示器609の下方にゲート621が設けられ、可変入賞球装置615の下方に、ゲート618が設けられている。
入賞口611,612,613,614に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ611a,612a,613a,614aで検出される。可変入賞球装置615,622,623,624に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ615a,622a,623a,624aで検出される。また、ゲート621,618を通過した遊技球は、ゲートスイッチ621a,618aで検出される。
ゲート621を遊技球を通過したことが検出されると、第1普通図柄表示器609において図柄の可変表示が行われ、表示結果が当り図柄である場合には当りとなって、可変入賞球装置622が所定期間(例えば5.9秒)開放状態になる。ただし、所定期間経過前に所定個(例えば5個)の遊技球が入賞すると、可変入賞球装置622は閉鎖状態になる。また、可変入賞球装置622に遊技球が入賞すると、第3普通図柄表示器622Aにおいて図柄の可変表示が行われ、停止した図柄があらかじめ決められている1つまたは複数の図柄(複数の図柄が決められている場合にはそれらのうちいずれか)と一致した場合に、可変入賞球装置623が所定期間(例えば5.9秒)開放状態になる。ただし、所定期間経過前に所定個(例えば7個)の遊技球が入賞すると、可変入賞球装置623は閉鎖状態になる。
また、可変入賞球装置623に遊技球が入賞すると、第4普通図柄表示器623Aにおいて図柄の可変表示が行われ、停止した図柄があらかじめ決められている1つまたは複数の図柄と一致した場合に、可変入賞球装置624が所定期間(例えば4.3秒)開放状態になる。なお、第3普通図柄表示器622Aおよび第4普通図柄表示器623Aの可変表示を開始させる入賞について入賞記憶(例えば最大4)が設けられ、図柄の変動を開始できない状態では入賞記憶の数が1増やされ、図柄の変動を開始できる状態になると、第3普通図柄表示器622A,第4普通図柄表示器623Aにおける図柄の変動が開始されるとともに、入賞記憶が1減らされる。
さらに、ゲート618を遊技球が通過すると、第2普通図柄表示器610において普通図柄の可変表示が開始される。そして、停止図柄があらかじめ決められている1つまたは複数の当り図柄と一致した場合に、可変入賞球装置615が所定期間開放状態になる。ただし、所定期間経過前に所定個の遊技球が入賞すると、可変入賞球装置615は閉鎖状態になる。
以上のように、この実施の形態では、遊技機において、第1〜第4普通図柄表示器609,610,622A,623Aが設けられ、また、4つの可変入賞球装置610,622,623,624が設けられている。そして、第1普通図柄表示器609の表示結果が可変入賞球装置622の状態変化(閉鎖状態から開放状態)に関連し、可変入賞球装置622への遊技球の入賞が、第3普通図柄表示器623Aの普通図柄の可変表示開始の条件となる。さらに、第3普通図柄表示器623Aの表示結果が可変入賞球装置623の状態変化に関連する。従って、例えば、可変入賞球装置623が、遊技球の入賞により、可変入賞球装置623と異なる可変入賞球装置624に対応する普通図柄表示器623Aにおける可変表示開始の条件を成立させる。ここで、「可変入賞球装置に対応する普通図柄表示器」とは、その可変入賞球装置の状態変化に関連する可変表示が行われる普通図柄表示器を指す。
このような遊技機においても、遊技制御基板(主基板)に搭載されている遊技制御手段が、第1〜第4普通図柄表示器609,610,622A,623Aの停止図柄を当り図柄とするか否かについての抽選を、定期的にカウント値が更新され最大値を越えると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづいて実行することができる。例えば、ランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタを用い、それらのカウンタのカウント値にもとづくランダム5−1〜5−4の値と図43に例示するような判定値を用いて抽選を行うことができる。その場合、不正行為者が、第1〜第4普通図柄表示器609,610,622A,623Aの表示結果としての当り図柄をより多く発生させることを望んで第1〜第4普通図柄表示器609,610,622A,623Aの停止図柄を当り図柄とするように不正行為(カウンタのカウント値が当り値に一致するタイミングを狙って不正信号を主基板に送り込む等の行為)を行う可能性がある。
そこで、この実施の形態でも、上述した実施の形態1〜4の場合と同様に、遊技制御手段は、ランダム5−1〜5−4の初期値を決定するための乱数(ランダム7−1〜7−4)を用意し、ランダム5−1〜5−4の値がそれぞれ1周すると、対応するランダム7−1〜7−4の値を抽出し、抽出したランダム7−1〜7−4の値をランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタの初期値にする。なお、ランダム7−1〜7−4を生成するためのそれぞれのカウンタは、ランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタがとりうる範囲と同じ範囲内において更新され、実施の形態1〜4におけるランダム7の場合と同様に、遊技制御手段におけるCPU56が実行する遊技制御処理で1回カウントアップするとともに、遊技制御処理の余り時間(遊技制御処理が終了してから次に2msタイマ割込が発生するまでの時間)でカウントアップされる。また、ランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタは、実施の形態1〜4におけるランダム5の場合と同様に、遊技制御処理で1回カウントアップすればよい。そのようにすれば、ランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタの更新周期とランダム7−1〜7−4を生成するためのカウンタの更新周期を同期しないようにすることができ、ランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタの初期値をランダムにすることができる。従って、ランダム5−1〜5−4の値が当り判定値に一致するタイミングを不定にすることができる。
その結果、第1〜第4普通図柄表示器609,610,622A,623Aの停止図柄を不正に当り図柄とするような行為を防止することができる。なお、ランダム5−2を生成するためのカウンタはランダム5−1を生成するためのカウンタの桁上げが生じたときに更新され、ランダム5−3を生成するためのカウンタはランダム5−2を生成するためのカウンタの桁上げが生じたときに更新され、ランダム5−4を生成するためのカウンタはランダム5−3を生成するためのカウンタの桁上げが生じたときに更新されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態でも、バックアップ電源でバックアップされたRAMを設け、乱数を生成するためのカウンタおよび初期値を決定するためのカウンタのカウント値をバックアップRAMに保存するようにしておけば、遊技機への電源供給が停止した後、所定時間(バックアップ電源のバックアップ可能時間)内に電力供給が復旧すれば、バックアップRAM内に保存されていたデータにもとづいて、乱数を生成するためのカウンタおよび初期値を決定するためのカウンタのカウント値を、電力供給停止前の状態に復元することができる。
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、特定遊技状態で開放可能になる大入賞口以外の電動役物(普通電動役物)を開放状態にするための条件となる普通図柄等の変動(可変表示)を行う表示装置を備えた遊技機において、電動役物を開放状態とすることに決定する当りとするか否かを決定するための乱数を生成するためのカウンタの初期値をランダムに変更するようにしたので、不正に当りを狙うことが困難になり、不正行為を効果的に防止することができる。すなわち、普通可変入賞装置を遊技者にとって有利な状態にするか否かを決定するために用いられる数値についても、数値が所定の判定値に一致するタイミングを遊技機外部から特定することを困難にすることができる。
なお、上記の実施の形態では、カウント値が1周すると、初期値用乱数にもとづいてカウンタの初期値を変更するようにしたが、カウント値が複数周すると、初期値用乱数にもとづいてカウンタの初期値を変更するようにしてもよい。その場合、初期値を変更することになるカウント値の周回数を可変にしてもよく、周回数を乱数等を用いてランダムにするようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、当り判定値は一定であったが、それらを変えるようにしてもよい。例えば、当り判定値を切り替えるための乱数を用い、所定のタイミングでその乱数値を抽出して、抽出された乱数値にもとづいて当り判定値を切り替える。その場合、判定値の切り替えタイミングが不定になるようにしてもよい。例えば、入賞口(例えば第1の実施の形態では入賞口29,30,33,39)への遊技球の入賞がある毎に当り判定値を切り替えるようにしてもよい。
さらに、上記の各実施の形態では、初期値決定用乱数を生成するためのカウンタはソフトウェアによってカウントアップされたが、ハードウェアで作成されたクロック信号にもとづいてカウントアップされるようにしてもよい。その場合、ソフトウェアによるカウンタの更新周期に対して、クロック信号の周波数を大幅に高くすることによって、初期値のランダム性がより向上する。
また、上記の各実施の形態では、当りとするか否かを決定するための乱数値(例えばランダム5)の抽出タイミングは一定であったが(例えば、第1の実施の形態ではゲートスイッチ32aによる検出時)、そのタイミングをずらすようにしてもよい。タイミングをずらす量として、例えば、温度変化にもとづく抵抗値の変化量を利用することができる。
また、上記の各実施の形態では、普通図柄または判定図柄の停止図柄を決定するための乱数の初期値をランダムに変更する場合について説明したが、大当りまたは普通図柄にもとづく当りが発生する確率を変動させることが可能な遊技機において、確率変動を行うか否かを、定期的にカウントアップしカウント値が1周すると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづく乱数を用いて決定するように構成されている場合、そのようなカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。
また、特別図柄や普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時間短縮機能を有する遊技機において、変動時間の時間短縮を行うか否かを、定期的にカウントアップしカウント値が1周すると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづく乱数を用いて決定するように構成されている場合、そのようなカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。
さらに、複数種類の普通図柄の当り図柄のうちいずれの図柄を停止図柄とするのかを、定期的にカウントアップしカウント値が1周すると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづく乱数を用いて決定するように構成されている場合、そのようなカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。また、複数種類の特別図柄のはずれ図柄や普通図柄のはずれ図柄のうちいずれの図柄を停止図柄とするのかを、定期的にカウントアップしカウント値が1周すると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづく乱数を用いて決定するように構成されている場合、そのようなカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。
第1の実施の形態(実施の形態1)では、リーチとするか否かを、決定された停止図柄の組み合わせに応じて決定していたが、リーチとするか否かを、定期的にカウントアップしカウント値が1周すると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづく乱数を用いて決定するように構成されている場合、そのようなカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。また、リーチとすることに決定された場合に、リーチ図柄(左右図柄の揃い)を、定期的にカウントアップしカウント値が1周すると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづく乱数を用いて決定するように構成されている場合、そのようなカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。そして、第1の実施の形態で示されたようなはずれ図柄決定用乱数や変動パターン決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。
また、リーチや大当りが発生する可能性が高いことを遊技者に予告する演出態様である予告を行うことが可能な遊技機において、予告を行うか否かを、定期的にカウントアップしカウント値が1周すると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづく乱数を用いて決定するように構成されている場合、そのようなカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。
さらに、特別図柄、普通図柄および判定図柄を可変表示する表示装置以外に、遊技店におけるサービス等に用いられるラッキーナンバーを表示する表示装置が設けられている場合、ラッキーナンバーを表示するか否かを、定期的にカウントアップしカウント値が1周すると初期値に戻るカウンタのカウント値にもとづく乱数を用いて決定するように構成されている場合、そのようなカウンタの初期値をランダムに変化させるようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、入賞口として遊技球を遊技機内に取り込むタイプのものを例示したが、入賞口はそのようなタイプにものに限られず遊技球が通過するように構成されたものなど他のタイプのものを使用することができる。また、各可変表示装置における図柄の可変表示開始の条件を成立させるものとして遊技球が通過するゲートを例示したが、図柄の可変表示開始の条件を成立させるものとして遊技球を遊技機内部に取り込むタイプのものなど他の構成のものを使用することができる。
また、上記の各実施の形態では、表示状態の変化としての各可変表示装置における識別情報の可変表示(変動)として数字や図柄の可変表示を例示したが、各可変表示装置において可変表示される識別情報は、数字や図柄と称されるものの他、絵柄と称されるものなどでもよい。すなわち、それぞれを視覚的に区別できるものであれば、どのような識別情報であってもよい。
また、上記の各実施の形態では、普通可変表示部において可変表示される識別情報(普通図柄)は、特別図柄の可変表示開始の条件を成立させる始動入賞口を開放するための可変入賞球装置15の状態変化(閉鎖状態から開放状態へ)のために用いられたり(実施の形態1)、可変入賞球装置220の開放条件を成立させる始動入賞口を開放するための可変入賞球装置15の状態変化(閉鎖状態から開放状態へ)のために用いられたり(実施の形態2)、権利発生状態を生じさせることを可能にするための可変入賞口432を開放するために用いられたり(実施の形態3)、判定図柄の可変表示開始を可能にする特定入賞口532を開放するために用いられたり(実施の形態4)、可変入賞球装置615,622,623,624を開放するために用いられている(実施の形態5)。しかし、普通図柄のそれらの用途は一例であって、それぞれの実施の形態において、他の用途に普通図柄を用いてもよい。例えば、実施の形態1において、特別図柄の可変表示開始の条件を成立させる始動入賞口を開放するための可変入賞球装置15ではなく、通常の入賞口としての電動役物を開放するために用いてもよい。
上述したように、所定の条件が成立した場合に遊技者にとって有利な状態に変化可能な遊技機において、所定の数値範囲内で、数値(例えば、普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられれたり、判定用可変表示部にて特別の表示態様を表示するか否かの判定に用いられたりする数値、その他、遊技機おいて用いられる乱数を発生するカウンタのカウント値等)を更新する数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に所定の決定(普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることの決定、判定用可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることの決定、その他停止図柄の決定等)を行う決定手段とを備え、数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する場合、判定値と一致するタイミングが不定になるように制御するタイミング変更手段が、ハードウェアによるクロック信号等の外部信号を用いてタイミングが不定になるように制御してもよい。例えば、高速クロック信号を用いて、数値更新手段の初期値として用いられるカウント値を更新するようにしてもよい。
また、所定の条件が成立した場合に遊技者にとって有利な状態に変化可能な遊技機において、所定の数値範囲内で数値を更新する数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に所定の決定を行う決定手段と、数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御するタイミング変更手段とを備えた構成が用いられる場合、タイミング変更手段が、温度変化等の外乱を用いてタイミングが不定になるように制御してもよい。外乱として、例えば、温度変化にもとづく抵抗値の変化量を利用することができる。すなわち、所定のタイミングで、抵抗値の変化量に応じた数値を数値更新手段の初期値とすれば、数値更新手段の初期値がランダムに変更される。
さらに、所定の条件が成立した場合に遊技者にとって有利な状態に変化可能な遊技機において、所定の数値範囲内で数値を更新する数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に所定の決定を行う決定手段とを備え、所定の範囲内で数値を更新するとともに所定のタイミングで判定値を更新する判定値変更手段を備えた構成にすることもできる。判定値が更新されることによって、数値更新手段の数値が判定値に一致するタイミングを不定にすることができる。例えば、特別図柄を可変表示する可変表示装置9を備えた遊技機において、可変表示装置9に表示される停止図柄を大当り図柄とするか否かを決定するための乱数と比較される大当り判定値を、所定のタイミングで変更する。変更後の大当り判定値は、例えば、別の乱数を発生して決定される。なお、判定値を変更することによって数値更新手段の数値が判定値に一致するタイミングを不定にできることは、普通図柄に関する当り判定値や判定図柄に関する当り判定値についても同様である。
本発明では、以下に示す構成も開示されている。
普通可変入賞装置への遊技媒体の入賞にもとづいて、特別可変表示部における可変表示開始の条件が成立するように構成されていてもよい。
特別可変表示部にて特定表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する特別可変表示用の判定用数値更新手段(例えばランダム1を生成するためのカウンタ)と、所定の条件成立にもとづいて、特別可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が特定の判定値と一致した場合に、特別可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた特定表示態様とすることに決定する特定表示態様決定手段(例えばCPU56、特にステップS54の処理)とを備え、特別可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が特定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する(例えばステップS104〜S107)ように構成されていてもよい。
本発明による他の態様の遊技機は、遊技領域に設けられた始動領域(例えば始動入賞口204a〜204c)にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器205a〜205c)の検出により、遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動動作を行う特別可変入賞装置(例えば可変入賞球装置220)を有し、特別可変入賞装置に設けられた特定領域にて遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器248)の検出により、始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定の態様で特別可変入賞装置を第1の状態に制御する特定遊技状態を発生させることが可能な遊技機であって、表示状態を変化可能な普通可変表示部(例えば普通図柄表示器10)と、普通可変表示部における表示結果があらかじめ定められた表示態様となったことを条件に遊技者にとって有利な状態に変化する普通可変入賞装置(例えば可変入賞球装置15)と、普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用数値更新手段(例えばランダム5を生成するためのカウンタ)と、所定の条件成立にもとづいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段(例えばCPU56、特にステップS633の処理)とを備え、普通可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する(例えばステップS204〜S207)ことを特徴とする。
普通可変入賞装置内に始動領域が設けられていてもよい。
本発明によるさらに他の態様の遊技機は、特別領域(例えば特定入賞口439)に設けられた特別検出手段(例えば特定入賞口439から遊技球が導かれる特定球検出スイッチ)で遊技媒体が検出されたことを条件に権利発生状態となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域(例えば作動入賞口422)に設けられた始動検出手段(例えば作動球検出スイッチ423)により遊技媒体が検出されたことにもとづいて、特別可変入賞装置(例えば特別可変入賞口451a)を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な遊技機であって、表示状態を変化可能な普通可変表示部(例えば普通図柄表示装置410)と、普通可変表示部における表示結果があらかじめ定められた表示態様となったことを条件に遊技者にとって有利な状態に変化する普通可変入賞装置(例えば可変入賞検出装置430)と、普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用数値更新手段(例えばランダム5を生成するためのカウンタ)と、所定の条件成立にもとづいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段(例えばCPU56、特にステップS633の処理)とを備え、普通可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する(例えばステップS204〜S207)ことを特徴とする。
普通可変入賞装置内に特別領域が設けられていてもよい。
本発明によるさらに他の態様の遊技機は、特別領域(例えば特別装置作動領域544)に設けられた特別検出手段(例えばセンサ544a)で遊技媒体が検出されたことを条件に権利発生状態となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域に設けられた始動検出手段(例えば始動口スイッチ520a)により遊技媒体が検出されたことにもとづいて、特別可変入賞装置(例えば開閉板551)を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能であって、表示状態を変化可能な判定用可変表示部(例えば可変表示装置512)を備え、判定用可変表示部における表示結果があらかじめ定められた特別の表示態様となったことを条件に遊技媒体を特別領域に誘導する遊技機であって、判定用可変表示部にて特別の表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する判定用可変表示用の判定用数値更新手段(例えばランダム8を生成するためのカウンタ)と、所定の条件成立にもとづいて、判定用可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が特別な判定値と一致した場合に、判定用可変表示部における表示結果を特別の表示態様とすることを決定する判定表示態様決定手段(例えばCPU56、特にステップS336)とを備え、判定用可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が特別な判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する(例えばステップS424〜S427)ことを特徴とする。
表示状態を変化可能な普通可変表示部(例えば普通図柄表示装置510)と、普通可変表示部における表示結果があらかじめ定められた表示態様となったことを条件に遊技者にとって有利な状態に変化する普通可変入賞装置(例えば普通電動役物550)と、普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用数値更新手段(例えばランダム5を生成するためのカウンタ)と、所定の条件成立にもとづいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段(例えばCPU56、特にステップS337)とを備え、普通可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する(例えばステップS404〜S407)ように構成されていてもよい。
本発明によるさらに他の態様の遊技機は、表示状態を変化可能な複数の普通可変表示部(例えば第1〜第4普通図柄表示器609,610,622A,623A)と、複数の普通可変入賞装置(例えば可変入賞球装置615,622,623,624)とを備え、各普通可変表示部における表示結果があらかじめ定められた表示態様となったことを条件に、対応する普通可変入賞装置を遊技者にとって有利な状態に変化させる遊技機であって、普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用数値更新手段(例えばランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタ)と、所定の条件成立にもとづいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段(例えばCPU56)とを備え、普通可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御することを特徴とする。
複数の普通可変入賞装置のうちの少なくとも1つの普通可変入賞装置(例えば可変入賞球装置623)が、遊技媒体の入賞により、その普通可変入賞装置と異なる普通可変入賞装置(例えば可変入賞球装置624)に対応する普通可変表示部(例えば普通図柄表示器623A)における可変表示開始の条件を成立させるように構成されていてもよい。
遊技機への電力供給が停止しても所定期間は記憶されたデータを保持することが可能な変動データ記憶手段(例えばバックアップRAM)を備え、変動データ記憶手段には判定用数値更新手段(例えばランダム1を生成するためのカウンタ、ランダム5を生成するためのカウンタ、ランダム8を生成するためのカウンタ、またはランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタ)の数値が記憶され、遊技機への電力供給が停止した後、電力供給が復旧した場合に、変動データ記憶手段に保持されている数値にもとづいて判定用数値更新手段の数値の更新を継続することが可能である(例えばステップS10の遊技状態復旧処理)ように構成されていてもよい。
判定用数値更新手段(例えばランダム1を生成するためのカウンタ、ランダム5を生成するためのカウンタ、ランダム8を生成するためのカウンタ、またはランダム5−1〜5−4を生成するためのカウンタ)の数値の初期値用数値を更新する初期値用数値更新手段(例えばランダム6を生成するためのカウンタ、ランダム7を生成するためのカウンタ、ランダム9を生成するためのカウンタ、またはランダム7−1〜7−4を生成するためのカウンタ)、および、判定用数値更新手段の数値が所定回周回すると初期値用数値を用いて判定用数値更新手段の数値の初期値を変更する初期値変更手段(例えばCPU56、特に、ステップS104〜S107の処理、ステップS124〜S127の処理、S424〜S427の処理等)によって判定値と一致するタイミングが不定になるように制御するように構成されていてもよい。
遊技の進行を制御する遊技制御手段(CPU56等)を備え、遊技制御手段が、定期的に発生する割込の発生に応じて遊技制御処理(ステップS21〜S32等)を実行し、初期値用数値更新手段(例えばランダム6を生成するためのカウンタ、ランダム7を生成するためのカウンタ、ランダム9を生成するためのカウンタ、またはランダム7−1〜7−4を生成するためのカウンタ)の数値が、遊技制御処理に要する時間の余り時間(例えばステップS16〜S19)において繰り返し更新されるように構成されていてもよい。
余り時間において初期値用数値更新手段の数値を更新する処理中は割込禁止状態に設定されていることが好ましい(例えばステップS16)。
遊技機への電力供給が停止しても所定期間は記憶されたデータを保持することが可能な変動データ記憶手段(例えばバックアップRAM)を備え、変動データ記憶手段には初期値用数値更新手段(例えばランダム6を生成するためのカウンタ、ランダム7を生成するためのカウンタ、ランダム9を生成するためのカウンタ、またはランダム7−1〜7−4を生成するためのカウンタ)の数値が記憶され、遊技機への電力供給が停止した後、電力供給が復旧した場合に、変動データ記憶手段に保持されている数値にもとづいて初期値用数値更新手段の数値の更新を継続することが可能である(例えばステップS10の遊技状態復旧処理)ように構成されていてもよい。
普通可変入賞装置への遊技媒体の入賞にもとづいて、特別可変表示部における可変表示開始の条件が成立するように構成されているので、特別可変表示部における可変表示開始の条件成立を狙った不正行為を防止することができる。
特別可変表示部にて特定表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する特別可変表示用の判定用数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、特別可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が特定の判定値と一致した場合に、特別可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた特定表示態様とすることに決定する特定表示態様決定手段とを備え、特別可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が特定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する構成にしたので、特別可変表示部における表示結果を特定表示態様とするように決定するタイミングを遊技機外部から特定することを困難にすることができ、不正行為を効果的に防止することができる。
遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段の検出により、遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動動作を行う特別可変入賞装置を有し、特別可変入賞装置に設けられた特定領域にて遊技媒体を検出する特定検出手段の検出により、始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定の態様で特別可変入賞装置を第1の状態に制御する特定遊技状態を発生させることが可能な遊技機において、普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段とを備え、普通可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する構成にしたので、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とするように決定するタイミングを遊技機外部から特定することを困難にすることができ、不正行為を効果的に防止することができる効果がある。
普通可変入賞装置内に始動領域が設けられているので、始動動作を生じやすくすることを狙った不正行為を効果的に防止することができる。
特別領域に設けられた特別検出手段で遊技媒体が検出されたことを条件に権利発生状態となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域に設けられた始動検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて、特別可変入賞装置を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な遊技機において、普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段とを備え、普通可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する構成にしたので、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とするように決定するタイミングを遊技機外部から特定することを困難にすることができ、不正行為を効果的に防止することができる効果がある。
普通可変入賞装置内に特別領域が設けられているので、権利発生状態を生じやすくすることを狙った不正行為を効果的に防止することができる。
特別領域に設けられた特別検出手段で遊技媒体が検出されたことを条件に権利発生状態となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域に設けられた始動検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて、特別可変入賞装置を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能であって、表示状態を変化可能な判定用可変表示部を備え、判定用可変表示部における表示結果があらかじめ定められた特別の表示態様となったことを条件に遊技媒体を特別領域に誘導する遊技機であって、判定用可変表示部にて特別の表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する判定用可変表示用の判定用数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、判定用可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が特別な判定値と一致した場合に、判定用可変表示部における表示結果を特別の表示態様とすることを決定する判定表示態様決定手段とを備え、判定用可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が特別な判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する構成にしたので、遊技媒体を特別領域に誘導するか否かを決定するために用いられる数値についても、数値が特別な判定値に一致するタイミングを遊技機外部から特定することを困難にすることができ、不正行為を効果的に防止することができる効果がある。
普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段とを備え、普通可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御するので、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とするように決定するタイミングを遊技機外部から特定することを困難にすることができ、不正行為を効果的に防止することができる効果がある。
表示状態を変化可能な複数の普通可変表示部と、複数の普通可変入賞装置とを備え、各普通可変表示部における表示結果があらかじめ定められた表示態様となった場合に、対応する普通可変入賞装置を遊技者にとって有利な状態に変化させる遊技機において、普通可変表示部にてあらかじめ定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値を所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用数値更新手段と、所定の条件成立にもとづいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致した場合に、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段とを備え、普通可変表示用の判定用数値更新手段で更新される数値が所定の判定値と一致するタイミングが不定になるように制御する構成にしたので、普通可変表示部における表示結果をあらかじめ定められた表示態様とするように決定するタイミングを遊技機外部から特定することを困難にすることができ、不正行為を効果的に防止することができる効果がある。
複数の普通可変入賞装置のうちの少なくとも1つの普通可変入賞装置が、遊技媒体の入賞により、その普通可変入賞装置と異なる普通可変入賞装置に対応する普通可変表示部における可変表示開始の条件を成立させるように構成されているので、複数の普通可変入賞装置を遊技者にとって有利な状態にさせることが可能になる状態を狙った不正行為を防止することができる。
遊技機への電力供給が停止しても所定期間は記憶されたデータを保持することが可能な変動データ記憶手段を備え、変動データ記憶手段には判定用数値更新手段の数値が記憶され、遊技機への電力供給が停止した後、電力供給が復旧した場合に、変動データ記憶手段に保持されている数値にもとづいて判定用数値更新手段の数値の更新を継続することが可能であるように構成されているので、電力供給の復旧時に、正確に判定用数値の更新処理を続行することができる。
判定用数値更新手段の数値の初期値用数値を更新する初期値用数値更新手段と、判定用数値更新手段の数値が所定回周回すると初期値用数値を用いて判定用数値更新手段の数値の初期値を変更する初期値変更手段とを備えているので、遊技機に大きな変更を加えることなく、判定用数値更新手段で更新される数値が判定値と一致するタイミングが不定になるようにすることができ、数値更新手段の数値が判定値と一致するタイミングを遊技機外部から狙うことを困難にすることができる。
遊技制御手段が、定期的に発生する割込の発生に応じて遊技制御処理を実行し、初期値用数値更新手段の数値が、遊技制御処理に要する時間の余り時間において繰り返し更新されるように構成されているので、初期値用数値をランダムにすることができる。
遊技制御処理に要する時間の余り時間において初期値用数値更新手段の数値を更新する処理中は割込禁止状態に設定されているので、初期値用数値の更新処理が実行されている最中に割込が生じ数値の更新に不具合が生じてしまうようなことは防止される。
遊技機への電力供給が停止しても所定期間は記憶されたデータを保持することが可能な変動データ記憶手段を備え、変動データ記憶手段には初期値用数値更新手段の数値が記憶され、遊技機への電力供給が停止した後、電力供給が復旧した場合に、変動データ記憶手段に保持されている数値にもとづいて初期値用数値更新手段の数値の更新を継続することが可能であるように構成されているので、電力供給の復旧時に、正確に初期値用数値の更新処理を続行することができる。