JP2008130269A - プロトン伝導性コンポジット型電解質膜及びその製造方法 - Google Patents

プロトン伝導性コンポジット型電解質膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン伝導性、燃料遮断特性の優れたプロトン伝導性コンポジット型電解質膜及びその製造方法を提供する。
【解決手段】球状孔を有する無機多孔質体内に複数種のプロトン伝導性炭化水素系電解質とを備え、球状孔の内径がほぼ均一で、隣接する球状孔同士が連通しているプロトン伝導性コンポジット型電解質膜である。プロトン伝導性炭化水素系電解質の少なくとも1種がスルホン化ポリエーテルエーテルスルホンである。プロトン伝導性炭化水素系電解質を溶媒に溶解し、その溶液を無機多孔体の球状孔内に含浸した後に、該溶媒を除去することにより、又はプロトン伝導性炭化水素系電解質のモノマーを溶媒に溶解し、その溶液を無機多孔体の球状孔内に含浸した後に、該モノマーを球状孔内で重合させることにより、該プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填してプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、プロトン伝導性コンポジット型電解質膜及びその製造方法に係り、更に詳細には、より高い温度域での動作に対応しうる燃料電池、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサーなどに用いられるプロトン伝導性コンポジット型電解質膜及びその製造方法に関する。
燃料電池は、発電効率が高く、環境負荷抑制に優れており、エネルギーを多大に消費している国々において現在の大きな課題となっている環境問題、エネルギー問題の解決に貢献が期待されている次世代型エネルギー供給デバイスである。
また、燃料電池は、電解質の種類により分類されるが、中でも固体高分子形燃料電池は、小型で且つ高出力を得ることができるため、小規模の定置型用、移動体用、携帯端末用のエネルギー供給源としての適用について研究・開発が進められている。
また、固体高分子形燃料電池の電解質膜には、高分子鎖中にスルホン酸基やリン酸基などの親水性官能基を有する固体高分子材料が使用されている。かかる固体高分子材料は、特定のイオンと強固に結合しており、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維又は膜状に成形され、電気透析、拡散透析、電池隔膜などの各種用途に利用されている。
更に、固体高分子形燃料電池は、高い総合エネルギー効率が得られる発電手段として現在改良が盛んに進められている。その主要な構成要素は、アノード、カソードの両電極と、ガス流路を形成するセパレータ板と、両極間を隔てる固体高分子電解質膜である。アノードの触媒上で生成したプロトンは、固体高分子電解質膜中を移動してカソードの触媒上に達し、酸素と反応する。従って、両極間のプロトン伝導抵抗は電池性能に大きく影響する。
また、固体高分子電解質膜に求められる特性として燃料と酸素の直接反応を防止するという役割がある。固体高分子形燃料電池の燃料としては、水素などの気体、メタノール、エタノール、ヒドラジンなどの液体、両形態が用いられている。これらの燃料が、膜を透過してカソード側に存在する酸素と直接反応すると、燃料の持つエネルギーを電気エネルギーとして取り出せないこととなり、燃料電池のエネルギー効率を低下させる原因となる。このため、膜の燃料遮断性も燃料電池性能を決定する要素の一つである。
上述の固体高分子電解質膜を用いて燃料電池を形成するには、両電極の触媒と固体高分子電解質膜をプロトン伝導パスで接合する必要がある。そのために、高分子電解質の溶液と触媒粒子とを混合し、塗布・乾燥して両者を結合させた触媒層を電極に用い、電極の触媒と固体高分子電解質膜とを加熱下でプレスするという手法が一般的に用いられていた。
プロトン伝導を担う高分子電解質としては、一般に、パーフルオロカーボン系主鎖にスルホン酸基が導入されたポリマーが使用されている。具体的な商品としては、デュポン(Dupont)社製のナフィオン(Nafion)、旭硝子(株)製のフレミオン(Flemion)、旭化成(株)製のアシプレックス(Aciplex)などが挙げられる。
パーフルオロスルホン酸系の高分子電解質は、パーフルオロカーボン系主鎖とスルホン酸基をもつ側鎖からなり、高分子電解質は、スルホン酸基を主体とする領域とパーフルオロカーボン主鎖を主体とする領域とにミクロ相分離して、スルホン酸基の相はクラスターを形成すると考えられている。このパーフルオロカーボン系主鎖が凝集している部位がパーフルオロスルホン酸系電解質膜の化学的安定性に寄与しており、プロトン伝導に寄与するのはスルホン酸基が集まってクラスターを形成している部分である。
このように、優れた化学的安定性とプロトン伝導性を兼ね備えるパーフルオロスルホン酸系電解質膜の製造は困難であり、非常に高価となる欠点がある。そのため、パーフルオロスルホン酸系の用途は限定されており、移動体用の動力源と期待される固体高分子形燃料電池への適用が非常に困難を極めている。
一方、現状の固体高分子形燃料電池は、室温から80℃程度の比較的低い温度領域で運転される。この運転温度の制限は、用いられているフッ素系膜が120〜130℃近辺にガラス転移点を有し、これよりも高温領域ではプロトン伝導に寄与しているイオンチャネル構造の維持が困難となるため、実質的には100℃以下での使用が望ましいこと、及び水をプロトン伝導媒体として使用するため、水の沸点である100℃を超えると加圧が必要となり装置が大がかりとなること、による。
しかし、低い温度下での運転では、燃料電池の発電効率が低くなると共に、触媒のCOによる被毒が顕著に起こる。運転温度が100℃以上になると発電効率は向上し、更に廃熱利用が可能となるためにより効率的にエネルギーを活用できる。
また、燃料電池自動車への適用を考えると、運転温度を120℃まで上昇させることができれば、効率の向上だけではなく、排熱に必要なラジエター負荷を下げることとなり、現行の移動体に使用されているラジエターと同等仕様のものを適用できるため、システムをコンパクト化できる。
このように、より高い温度での運転を実現させるため、今まで種々の検討が行われている。代表的には、先の電解質膜のコスト低減も視野に入れたアクションとして、フッ素膜の代わりに、安価で且つ耐熱性に優れた芳香族炭化水素系高分子材料の固体高分子電解質への適用が検討されている。
例えば 反応性末端を有する有機基をSi1個当たり1個有するシラン化合物を加水分解・脱水縮合反応させて反応中間体を得て、この反応中間体にりんタングステン酸を含むブレーンステッド酸を加えてプロトン伝導体原料溶液を作製し、この溶液を高分子多孔膜に含浸させてから熱処理することによって、良好なプロトン伝導膜を作製する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−241229号公報
しかしながら、上記従来例では100℃以上の温度において数十mS・cm−1と高いプロトン伝導性を示すものの、りんタングステン酸を使用するために室温〜80℃と温度が低下する領域では十分なプロトン伝導性を確保することが困難である。また、従来例では支持体に汎用的な高分子多孔質材料を用いており、これらは工業的な技術背景を考慮すれば現実的な材料であるといえる。しかし、材料特性として100℃以上の耐熱性を有しながらも、高温・高湿下での連続的な荷重負荷を付与される場合、破損等が発生する可能性は高い。
りんタングステン酸の変わりに、幅広い温度領域でのプロトン伝導性を確保するため、耐熱性に優れた芳香族炭化水素系高分子電解質を用いることも検討されている。しかしながら、このような芳香族炭化水素系高分子材料を用いた電解質ポリマーは、極めて剛直な高分子材料であって、電極触媒層を形成する際に、ホットプレスといったプロセスで無理な荷重を付与すると破損する怖れがある。更に、これら芳香族炭化水素系高分子材料ではプロトン伝導性を付与するため、スルホン酸基、りん酸基などの酸性官能基で修飾されており、水可溶性又は水膨潤性となっている。水可溶性の場合には燃料電池のような水が発生する系には適用できず、また水膨潤性の場合にも膨潤による応力で電極を破損するといった、膨潤による電解質膜の強度低下で破損が起こる可能性がある。
更に、高いプロトン伝導性を実現するためには、電解質ポリマーに酸性官能基を多く導入することが望まれるが、高分子材料自身の膜形状を保持するためには導入量が制限される。ポリマー電解質を用いた電解質膜においては、その寸法安定性、自立性を確保するために、支持体へ含浸することも多くなされているが、そのいずれもにおいて含浸して得られる電解質膜では、電解質自身のプロトン伝導性の低下を引き起こしている。
このように、燃料電池の信頼性に関わる電解質膜としての寸法安定性・自立性を確保することと、電池性能向上を目指したプロトン伝導度の向上は、それぞれが樹脂へ導入するスルホン酸基やリン酸基等の量に関係しており、両特性はトレードオフの関係にあるので一方の改善が他方の特性を低下させるため、両特性を兼ね備えた電解質膜を実現することは困難であった。
本発明者らは、シリカ多孔体中に炭化水素系電解質として、Sulfonated poly(1,4−phenylene ether−ether−sulfone)(SPEES)やpoly(2−Acrylamido−2−methyl propanesulfonic acid)(PAMPS)を充填したコンポジット型電解質を開発している(例えば特許文献2参照)。
このような構造を用いることで、電解質の寸法安定性・自立性はシリカ多孔体に、プロトン伝導性は炭化水素電解質に分担することができる。その結果、樹脂へ導入する酸性官能基をより多く導入することが可能となり、その結果、シリカ多孔体にNafionを充填した系よりも、炭化水素系電解質を充填したものの方がプロトン伝導度が高いという結果が得られている。
また、シリカ多孔体の球状孔内壁をスルホン酸基で修飾することによって、更にプロトン伝導性が増すことも確認している(例えば特許文献3参照)。
これらのコンポジット型電解質はシリカによって形状安定性が増しているため、燃料が電解質膜を透過するクロスオーバーが抑えられることもわかっている。なお、膜のメタノール透過性について、バルク炭化水素電解質と、コンポジット型電解質膜の比較を行った例を図1に示す。
特開2006−120409号公報 特開2005−050269号公報
しかし、プロトン伝導に寄与しないシリカ多孔体が含まれるため、シリカ多孔体中に電解質を充填したものについては、バルクの電解質と比較して膜としてのプロトン伝導性が低下する。例えば、PAMPSについては、シリカ多孔体に充填した複合体は、バルクPAMPSと比較して1/5のプロトン伝導度となってしまう。
また、SPEESなどある種の炭化水素系電解質を用いたコンポジット型電解質については、シリカの細孔内を完全に充填することができない。その結果、細孔内を100%充填可能な炭化水素系電解質(PAMPS)を用いた場合と比較して、バルク電解質をコンポジット型電解質とした際の燃料遮断能の改善が小さいものとなっている(図1)。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、よりプロトン伝導性、燃料遮断特性の優れたプロトン伝導性コンポジット型電解質膜及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、球状孔が規則的・三次元的に形成された無機多孔質体の該球状孔内に、ある特定の組み合わせの炭化水素系電解質を複数種配設することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜は、複数の球状孔を有する無機多孔質体と、この球状孔内に配設された複数種のプロトン伝導性炭化水素系電解質とを備えるプロトン伝導性コンポジット型電解質膜であって、
上記球状孔は、内径がほぼ均一で、隣接する球状孔同士が連通していることを特徴とする。
また、本発明のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の好適形態は、上記プロトン伝導性炭化水素系電解質の少なくとも1種がスルホン化ポリエーテルエーテルスルホンであることを特徴とする。
更に、本発明のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の製造方法は、上記プロトン伝導性コンポジット型電解質膜を製造するに当たり、
プロトン伝導性炭化水素系電解質を溶媒に溶解し、その溶液を無機多孔体の球状孔内に含浸した後に、該溶媒を除去することにより該プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填することを特徴とする。
更にまた、本発明のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の他の製造方法は、上記プロトン伝導性コンポジット型電解質膜を製造するに当たり、
プロトン伝導性炭化水素系電解質のモノマーを溶媒に溶解し、その溶液を無機多孔体の球状孔内に含浸した後に、該モノマーを球状孔内で重合させることにより該プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填することを特徴とする。
また、本発明のエネルギーデバイス又は燃料電池セルは、上記プロトン伝導性コンポジット型電解質膜を適用して成ることを特徴とする。
本発明によれば、球状孔が規則的・三次元的に形成された無機多孔質体の該球状孔内に、ある特定の組み合わせの炭化水素系電解質を複数種配設することとしたため、よりプロトン伝導性、燃料遮断特性の優れたプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を安価に製造できる。
以下、本発明のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜について詳細に説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
本発明のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜は、無機多孔質体が有する複数の球状孔内に、複数種のプロトン伝導性炭化水素系電解質を配設して成る。
この球状孔は、それぞれがほぼ均一な内径を有し、多孔質体内部に3次元的に存在し、隣接する球状孔と連通口を介して連通している。
また、球状孔の内壁面は、プロトン供与性官能基が存在するように処理する。
更に、複数種のプロトン伝導性炭化水素系電解質は、該連通口を介してプロトン伝導性を示すように配設(充填)されている。
このように、細孔表面にプロトン供与性官能基を有する無機多孔質体を保持体とし、その内部に複数種のポリマー電解質を配設することで、形状保持性に優れ且つ耐熱性が高いプロトン伝導膜を得ることができる。
更に、プロトン伝導を担う電解質と、燃料遮断性を担う電解質を入れることで、両者の長所を生かした電解質膜を得ることができる。
ここで、上記無機多孔質体は、金属酸化物から成ることが好適である。金属酸化物は安定で且つ安価に入手が可能なものが多いため、それらから適宜選択することで、所望の電解質膜が得られる。
また、上記無機多孔質体としては、実用に耐えうることが好ましく、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア又はタンタル、及びこれらの任意の組合わせに係るものを含む金属酸化物を使用できる。
一方、上記プロトン伝導性炭化水素系電解質としては、少なくともスルホン化ポリエーテルエーテルスルホン(SPEES)を用いることが好適である。SPEESの化学式を以下に示す。
Figure 2008130269
このときは、無機多孔質体に、従来のフッ素系電解質に比べて多くの電解質材料を含浸させることができ、従来品に比べてプロトン伝導性に優れた電解質を得ることができる。
また、上記SPEESは、全ての球状孔に該SPEESが充填されるときの理論値に対して7〜33vol%の割合で含まれることが好適である。望ましくは20vol%以上であることがよい。
7vol%以上であれば、SPEES以外の電解質単体が細孔を充填している場合と比較して高いメタノール遮断特性を得ることがきる。また、特に20vol%以上であれば、SPEES以外の電解質単体が細孔を充填している場合と比較して優れたプロトン伝導性を得ることができる。但し、33vol%を超える割合でSPEESを添加しようとすると球状孔間の連通口を閉塞させやすくなってしまい、それ以上炭化水素系電解質を細孔内に導入しにくくなるので、SPEESとは別種の炭化水素系電解質を導入する際、全ての細孔内に電解質を行き渡らせることができず、プロトン伝導度が低下するおそれがある。
更に、上記プロトン伝導性炭化水素系電解質として、少なくともスルホン化ポリイミド(SPI)を用いることが好適である。SPIの化学式を以下に示す。
Figure 2008130269
このときは、無機多孔質体に、従来のフッ素系電解質に比べて多くの電解質材料を含浸させることができ、従来品に比べてプロトン伝導性に優れた電解質を得ることができる。
更にまた、上記プロトン伝導性炭化水素系電解質として、少なくともポリ2‐アクリルイミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸(PAMPS)であることが好適である。PAMPSの化学式を以下に示す。
Figure 2008130269
このときは、無機多孔質体に、従来のフッ素系電解質に比べて多くの電解質材料を含浸させることができ、従来品に比べてプロトン伝導性に優れた電解質を得ることができる。
上述のプロトン伝導性炭化水素系電解質の少なくとも1種は、上記無機多孔質体との界面周辺に偏在していることが好適である。
これにより、バルク状態よりも無機材料との界面においてプロトン伝導性の優れる電解質を、界面付近に偏在させることで、コンポジット膜全体のプロトン伝導度を向上させることができる。
特に、上記無機多孔質体との界面周辺に偏在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質Aと、界面周辺以外の球状孔内に存在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質Bとを含み、表面プロトン伝導性はAがBより大きく、バルクプロトン伝導性はBがAより大きいことがより好適である。
ここで、表面プロトン伝導性とは無機多孔質と炭化水素系電解質の界面におけるプロトン伝導性を指し、バルクプロトン伝導性とは炭化水素系電解質バルクのプロトン伝導性を指す。
代表的には、例えば、上記無機多孔質体との界面周辺に偏在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質をSPEESとし、界面周辺以外の球状孔内に存在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質をPAMPSとすることができる。この場合は、SPEESはバルク状態よりも無機材料との界面においてプロトン伝導性に優れ、PAMPSはバルクでプロトン伝導度が優れるので、コンポジット膜全体のプロトン伝導度を向上させることができる。
また、上記無機多孔質体との界面周辺に偏在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質をSPIとし、界面周辺以外の球状孔内に存在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質をPAMPSとすることができる。この場合は、SPIはバルク状態よりも無機材料との界面においてプロトン伝導性に優れ、PAMPSはバルクでプロトン伝導度が優れるので、コンポジット膜全体のプロトン伝導度を向上させることができる。
次に、本発明のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の製造方法について詳細に説明する。
本発明の第1の製造方法は、上述のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を製造するに当たり、プロトン伝導性炭化水素系電解質を溶媒に溶解し、その溶液を無機多孔体の球状孔内に含浸した後に、該溶媒を除去することにより該プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填する。
このように電解質を溶媒中に溶解させることで、無機多孔質体の細孔中に均質に電解質を行き渡らせることができる。
また、上記プロトン伝導性炭化水素系電解質を溶媒に溶解する際には、電解質濃度を調整し、無機多孔質体の球状孔内に充填する該プロトン伝導性炭化水素系電解質の存在量を調整することが好適である。
このように溶媒中の電解質濃度を調整することで、任意量の電解質を無機多孔質体中に担持することができる。
更に、上記プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填する回数を調整し、球状孔内の該プロトン伝導性炭化水素系電解質の存在量を調整することが好適である。
このように溶液を含浸し溶媒を除去する充填工程の操作回数を調整することで、任意量の電解質を無機多孔質体中に担持することができる。
本発明の第2の製造方法は、上述のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を製造するに当たり、プロトン伝導性炭化水素系電解質のモノマーを溶媒に溶解し、その溶液を無機多孔体の球状孔内に含浸した後に、該モノマーを球状孔内で重合させることにより該プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填する。
このようにモノマーを含んだ溶液の状態で無機多孔質体中に充填することで、無機多孔質体の細孔中に均質に電解質を行き渡らせることができる。
上述の本発明の第1,2の製造方法においては、上記無機多孔質体との界面周辺に移動しうるプロトン伝導性炭化水素系電解質を充填する処理を行い、その後に界面周辺以外の球状孔内に移動しうるプロトン伝導性炭化水素系電解質を充填する処理を行うことが好適である。
これにより、電解質を界面に偏在させることによって生じた細孔中空部を、別の電解質で閉塞させることができ、燃料遮断性が向上しうる。
ここで、上記無機多孔体は、例えば、以下の工程1〜6を経ることで、球状有機樹脂をテンプレートとして、球状孔が3次元規則配列された無機多孔質体が得られる。
1.無機ゾルと球状有機樹脂を溶媒を用いて混合する工程、
2.この混合溶液を攪拌して懸濁液とする工程、
3.この懸濁液を濾過して製膜する工程、
4.濾過成形膜の余剰水分を除去する工程、
5.濾過成形膜を乾燥する工程、
6.濾過成形膜を加熱焼成して無機多孔質体を得る工程、
工程1及び工程2では、無機コロイドと有機樹脂材料を均質な状態に混合することができる。これにより、均質な無機支持体で構成される無機多孔質体を得ることができる。
また、工程3において、濾過は、球状有機樹脂をテンプレートとして、その隙間に無機ゾルを充填する方法として適している。濾過は、無機多孔質体の球状孔の大きさ、細孔密度などから、適宜10〜60kPa程度減圧して行うことができる。
工程3で用いる球状有機樹脂としては、例えば20nm〜1500nm程度のポリエチレンを使用できる。代表的には、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、メチルメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂などが適宜選択できる。20nmより小さくなると電解質ポリマーの均質な含浸が困難となり易い。また、1500nmより大きくなると無機支持体を構成する支持構造の均質性に乱れが発生することがある。
更に、工程4では、濾過成形膜に含まれている溶剤を予め除去することで、次の乾燥工程における乾燥時間を短縮することができる。
更にまた、工程5では、濾過成形膜を室温にて予め乾燥させることで、焼成工程等での膜のハンドリングを容易にする。
次いで、工程6では、濾過成形膜を加温焼成することで、無機ゾルによる無機支持体を焼成形成すると共に、テンプレート樹脂を焼成除去することで多孔質体を形成できる。
このとき、濾過膜中の有機樹脂材料を除去するための仮焼成を行い、その後無機多孔質体を焼結させることが良い。
仮焼成は、例えば、1〜10℃/min、好ましくは2〜5℃/minの昇温速度で400〜500℃、より好ましくは430〜470℃まで昇温させ、30分以上熱処理を行うことができる。
焼成は、例えば800〜900℃以上で30〜100分間程度の熱処理を行うことができる。この本焼成は複数回繰り返して行っても良い。
なお、プロトン伝導性炭化水素系電解質は、以下の含浸溶媒と混合できるものであればよく、粉末状、ビーズ状、ゲル状、溶液状態のいずれの形態をとっていても構わない。
含浸溶液の溶媒としては、水、メタノールやエタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどに代表される直鎖、分岐鎖を有するアルコール類、n−ヘキサンなどのオレフィン類、シクロヘキサン、トルエンやキシレンに代表される芳香族溶媒、ジメチルエーテルなどに代表されるエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロエタン(EDC)、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)などの中から適宜選択して用いることができる。
なお、上記溶媒は、単独で用いても複数を適宜選択して混合して用いても構わない。
次に、本発明のエネルギーデバイスについて説明する。
本発明のエネルギーデバイスは、上述のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を適用して構成される。このときは、他の制御手段と組合わせて適宜システム化することもできる。
代表的には、燃料電池(セル又はスタック)、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサーなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
シリカ−SPEES−PAMPS複合体を以下の方法で合成した。
1)シリカ多孔質体の作製
シリカ多孔質体の孔径を制御するための有機樹脂材料として、平均直径約500nmのポリスチレン球状粒子を使用した。
このポリスチレン球状粒子及び直径70〜100nmのコロイダルシリカを、懸濁溶液中に含まれる溶質体積が所定の膜厚のポリスチレン−シリカ混合堆積膜が得られるよう混合、調製した。
手順としては、まずポリスチレンの所定量を秤量し、水に添加した。その後、ポリスチレン球形微粒子の含有溶液に、コロイダルシリカの含有溶液を加えた。また、超音波攪拌して、これらの粒子を均一に分散させた懸濁溶液を得た。
次いで、懸濁溶液の濾過を行った。メンブレンフィルターをフィルターホルダーにセットし、手動式真空ポンプを用いて大気圧に対して大きくても10 kPa以下の圧力となるように減圧し、懸濁溶液を濾過した。
懸濁溶液がすべて濾過された後、濾過成形された膜に含まれる余剰の溶剤を、濾紙などを吸水材として用いて余剰水の除去を行ない、室温で十分乾燥させた後にメンブレンフィルターから剥離することでポリスチレン及びシリカの混合物から成る膜を得た。
この混合物膜を次のように熱処理した。まず、ポリスチレンを取り除くため、2 ℃/minの昇温速度で450 ℃まで昇温させ、その温度にて60分仮焼成を行った。また、シリカの焼結を行うため、仮焼成後800 ℃以上で約60 分間熱処理を行った。更に、機械的強度を向上させるため、900 ℃以上の温度にて15 分間熱処理を行い、ゆっくりと室温に戻すことで、シリカ多孔質体を得た。
2)炭化水素系電解質の含浸
SPEESは、出発物質としてpoly(oxy−1,4−phenyleneoxy−1,4−phenylenesulfonyl−1,4−phenylene)を用い、これをスルホン化して得た。更に、SPEESをN,N−dimethylformamide(DMF)に溶解させ、所定濃度の溶液を調製した。
このようにして得たSPEES−DMF溶液をシリカ多孔質体に含浸させ、25℃、80kPaの圧力下に10分間静置し、DMFを蒸発させることによってコンポジット型電解質膜を作製した。
ここで、DMF中におけるSPEESの濃度及び上記操作の回数によって、シリカ細孔中におけるSPEESの体積割合を調整した。調整方法は以下の通り。
(実施例1−1)
SPEES 33%(シリカ細孔中におけるSPEESの体積割合が33%、以下同様)
DMF中のSPPES濃度15%の溶液を使用し、SPEES−DMF溶液含浸−DMF蒸発の操作を1回行った。
(実施例1−2)
SPEES 16%
DMF中のSPPES濃度2.5%の溶液を使用し、SPEES−DMF溶液含浸−DMF蒸発の操作を3回行った。
(実施例1−3)
SPEES 7%
DMF中のSPPES濃度2.5%の溶液を使用し、SPEES−DMF溶液含浸−DMF蒸発の操作を1回行った。
このようにして得たシリカ−SPEES複合体に、更に下記のような手順でPAMPSを充填させた。
2−acrylamide−2−methlpropanesulfonic acid、N,N’−methylenebisacrylamide(架橋剤)と、ammonium peroxodisulfate(開始剤)を混合した溶液にシリカ−SPEES膜を含浸し、60℃、相対湿度 90%の環境下で2時間保持した。その結果、ラジカル重合により、シリカ−SPEES複合体の空隙部に、PAMPSが充填されたシリカ−SPEES−PAMPS複合体を3種類(SPEES 33%(実施例1−1)、SPEES 16%(実施例1−2)、SPEES 7%(実施例1−3))得た。
なお、SPEESの体積割合は以下の方法で求めた。
まず、SPEESがシリカ細孔中に100%入っていると仮定したときの、SPEESの重量Wpolymermaxを以下の式で求めた。
Wpolymermax=(Wporous silica/dsilica)×(74/26)×dpolymer
ここで、「Wporous silica」はシリカ多孔体単体の重量、「dsilica」はシリカの密度、「dpolymer」はSPEESの密度である。ここでは、シリカ細孔が細密充填構造で整列していると仮定している。
そのため、細孔体積/多孔質シリカの体積割合を74/26とした。
SPEESを充填した後の、重量増加WpolymerをWpolymermaxで割ることによりSPEESの充填割合ΦFを求めることができる。
ΦF=100 × Wpolymer/Wpolymermax
SPEESの充填量に依らずdpolymerは一定値であるため、ΦFは体積割合に相当する。
上述したように、ΦFは膜の製造方法によって33%、16%、7%とコントロールすることが可能である。ΦFがこれらの値をとっている場合、図2に示すように、SPEESがシリカ表面に選択的に充填され、内部は空洞となっていると思われる。33%以上に体積割合を向上させることはできなかった。これは、充填率が増加し、シリカ表面がSPEESで被覆されるのに従って、孔同士の連通部分が狭くなり、最終的に閉じてしまうためである。
PAMPSについては、SPEESを充填しない状態でシリカに充填すると、ΦFの値は100%となった。このことから、PAMPSはシリカ界面からの距離に関わらず形状を保持することができると考えられる。この性質を利用して、図3に示すように、空洞部にPAMPSを充填した。
(実施例2)
シリカ−sulfonated polyimide(SPI)−PAMPS複合体を以下の方法で合成した。
1)シリカ多孔質体の作製
実施例1と同様の操作を繰り返してシリカ多孔質体を得た。
2)炭化水素系電解質の含浸
4,4’−Diamino−2,2’−biphenyldisulfonic acid(DAPS) 4mmolをmelamin 0.08mmol、m−cresol 18ml、triethylamine 6.2mmolと混合させ、N2雰囲気下、5 min、 150℃にて撹拌する。更に1,4,5,8−naphthalenetetracarboxylic dianhydride(TCND) 4mmol、benzoic acid 16mmol、m−cresol 30mlを添加して、175℃、15h撹拌する。その後、雰囲気温度を195℃に変更し、3h撹拌する。このようにして得た5%のSPI m−cresol溶液をシリカ多孔体中に含浸させる。
含浸後、150℃、100kPaの環境下で24h静置することにより、m−cresolを蒸散させて、シリカ−SPI複合体を合成する。シリカ−SPI複合体については、シリカ細孔中におけるSPIの体積割合は、15%一種類のみである。重量割合の求め方も実施例1と同様であるので、省略する。
このようにして得たシリカ−SPI複合体に、更に実施例1と同様の操作を繰り返してPAMPSを充填させた。
また、この方法で作製したシリカ−SPI−PAMPS複合体も図3のような微細構造をとっていた。
(比較例1)
実施例1で得た電解質膜に対して、PAMPS充填処理を除いたものを用意した。シリカ細孔中のSPEESの体積割合は33%であった。
(比較例2)
実施例2からで得た電解質膜に対して、PAMPS充填処理を除いたものを用意した。シリカ細孔中のSPIの体積割合は15%であった。
(比較例3)
実施例1で得た電解質膜に対して、SPEES充填処理を除いたシリカ−PAMPS複合体を用意した。
(評価測定)
1)プロトン伝導度測定
得られたコンポジット型電解質膜のプロトン伝導性を交流インピーダンス測定により評価した。所定面積の金電極で試料を両面から挟み、100Hz〜1MHzの交流波を印加した。
ここでのプロトン伝導度は多孔度を考慮せず、金電極と接触する面積を元に算出を行った。計測は、水蒸気分圧が90%となるように温度・湿度の環境を調整して行った。結果を図4に示す。
その結果、実施例1−1は比較例1と比べて50〜100%、比較例3と比べて10〜20%プロトン伝導度が上昇した。比較例1と比べて上昇したのは、中空であったシリカ細孔内部にPAMPSが導入されて、プロトン伝導パスが大きくなったためと思われる。比較例3と比べてプロトン伝導度が上昇しているのは、バルクのプロトン伝導度から考えると説明できない現象である。バルクPAMPSの30℃、RH 90%におけるプロトン伝導度は0.25S・cm−1、バルクSPEESの30℃、RH 90%におけるプロトン伝導度は0.05S・cm−1であるため、より伝導度の悪いSPEESを33%添加したのみでは、比較例3と比べてプロトン伝導度は低下すると考えられる。にも関わらずプロトン伝導度が向上しているのは、SPEESがシリカとの界面に存在しており、SPEES中を流れるプロトンの伝導度が界面の効果により、バルクの伝導度より大きいためと推測される。
実施例1−2、1−3については、温度域によっては比較例1よりもプロトン伝導度が下回った。これは、シリカ界面のSPEESによるプロトン伝導向上の効果よりも、プロトン伝導性の高いPAMPSの量が減少したことに起因すると思われる。
このことから、プロトン伝導度に関しては一定割合以上のSPEESを含むことが望ましい。その条件を、全温度域に亘って比較例3よりもプロトン伝導度が高いという条件とすると、図5に示すように、シリカ−SPEES−PAMPS複合体において、SPEES体積割合は20%以上であることが望ましい。
2)メタノール遮断性測定
超純水が入った区画とメタノール水溶液が入った区画の中心に試料膜が配置された測定セルを用いて膜のメタノール透過に対する遮断能を評価した。超純水側へ透過してくるメタノールをガスクロマトグラフィーで検出し、時間に対する濃度変化から遮断能を求めた。
図6にメタノール遮断能を比較した例を示す。比較例1、2と比べると、PAMPSをシリカ細孔内に充填した実施例1、2及び比較例3はいずれもメタノール遮断能が向上した。
これは、SPEESやSPIがシリカ細孔との界面から充填され、比較例1、2においては、細孔全てを埋めきっていないという推測を裏付けている。
その中でも、PAMPSでシリカ細孔を充填した比較例3よりもSPEESやSPIを添加した実施例1、2の方が、メタノール遮断性が向上する。これは、バルクSPEESやSPIが、PAMPSよりもメタノール遮断性に優れているためであると考えられる。
また、メタノール遮断特性についてはシリカ−SPEES−PAMPS複合体において、どのSPEESの重量割合においても、比較例3より高い特性が得られた。
以上、実施例1、2について述べてきたが、本発明の思想はこれらのシステム構成、文言に限定されるものではない。
例えば、上記実施例ではメタノール遮断性についてふれたが、燃料と酸素の直接反応を遮る特性一般において、このような構成の電解質膜は優れており、用いる燃料は、液体炭化水素、アルコール類、ヒドラジンなどの液体燃料、又は水素、炭化水素、COなどの気体燃料においても同様の働きをする。また、シリカ細孔表面を覆うプロトン伝導性炭化水素系高分子としてSPEESやSPI、シリカ細孔を充填させるプロトン伝導性炭化水素系高分子材料としてPAMPSを例にとって述べたが、同様の働きをするものであれば、これらの材料に限定されるものではない。更に、炭化水素系電解質膜の担持体として、シリカを例にとったが、チタニア、アルミナ、ジルコニア及びタンタル酸化物など他の金属酸化物を用いることも可能である。
膜のメタノール透過性を示すグラフである。 無機多孔質体の球状孔内壁にSPEESが選択的に充填された状態を示す概略図である。 図2における無機多孔質体の球状孔内壁に更にPAMPSが充填された状態を示す概略図である。 プロトン伝導度測定の結果を示すグラフである。 シリカ−SPEES−PAMPS複合体の添加量とプロトン伝導度の関係を示すグラフである。 メタノール遮断性測定の結果を示すグラフである。

Claims (18)

  1. 複数の球状孔を有する無機多孔質体と、この球状孔内に配設された複数種のプロトン伝導性炭化水素系電解質とを備えるプロトン伝導性コンポジット型電解質膜であって、
    上記球状孔は、内径がほぼ均一で、隣接する球状孔同士が連通していることを特徴とするプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  2. 上記無機多孔質体が、金属酸化物から成ることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  3. 上記無機多孔質体が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア及びタンタルから成る群より選ばれた少なくとも1種のものを含むこと特徴とする請求項1又は2に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  4. 上記プロトン伝導性炭化水素系電解質の少なくとも1種がスルホン化ポリエーテルエーテルスルホンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  5. 上記スルホン化ポリエーテルエーテルスルホンが、全ての球状孔に該スルホン化ポリエーテルエーテルスルホンが充填されるときの理論値に対して7〜33%の割合で含まれることを特徴とする請求項4に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  6. 上記プロトン伝導性炭化水素系電解質の少なくとも1種がスルホン化ポリイミドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  7. 上記プロトン伝導性炭化水素系電解質の少なくとも1種がポリ2‐アクリルイミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  8. 上記プロトン伝導性炭化水素系電解質の少なくとも1種が、上記無機多孔質体との界面周辺に偏在していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  9. 上記無機多孔質体との界面周辺に偏在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質Aと、界面周辺以外の球状孔内に存在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質Bとを含み、
    表面プロトン伝導性はAがBより大きく、バルクプロトン伝導性はBがAより大きいことを特徴とする請求項8に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  10. 上記無機多孔質体との界面周辺に偏在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質がスルホン化ポリエーテルエーテルスルホンであり、界面周辺以外の球状孔内に存在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質がポリ2‐アクリルイミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸であることを特徴とする請求項8に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  11. 上記無機多孔質体との界面周辺に偏在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質がスルホン化ポリイミドであり、界面周辺以外の球状孔内に存在しているプロトン伝導性炭化水素系電解質がポリ2‐アクリルイミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸であることを特徴とする請求項8に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を製造するに当たり、
    プロトン伝導性炭化水素系電解質を溶媒に溶解し、その溶液を無機多孔体の球状孔内に含浸した後に、該溶媒を除去することにより該プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填することを特徴とするプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の製造方法。
  13. 上記プロトン伝導性炭化水素系電解質を溶媒に溶解する際に電解質濃度を調整し、無機多孔質体の球状孔内に充填する該プロトン伝導性炭化水素系電解質の存在量を調整することを特徴とする請求項12に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の製造方法。
  14. 上記プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填する回数を調整し、球状孔内の該プロトン伝導性炭化水素系電解質の存在量を調整することを特徴とする請求項12に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の製造方法。
  15. 請求項1〜11のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を製造するに当たり、
    プロトン伝導性炭化水素系電解質のモノマーを溶媒に溶解し、その溶液を無機多孔体の球状孔内に含浸した後に、該モノマーを球状孔内で重合させることにより該プロトン伝導性炭化水素系電解質を無機多孔質体の球状孔内に充填することを特徴とするプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の製造方法。
  16. 上記無機多孔質体との界面周辺に移動しうるプロトン伝導性炭化水素系電解質を充填する処理を行い、その後に界面周辺以外の球状孔内に移動しうるプロトン伝導性炭化水素系電解質を充填する処理を行うことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜の製造方法。
  17. 請求項1〜11のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を適用して成ることを特徴とするエネルギーデバイス。
  18. 請求項1〜11のいずれか1つの項に記載のプロトン伝導性コンポジット型電解質膜を適用して成ることを特徴とする燃料電池セル。
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