JP2008129558A - 露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】指向性のある光源をアレイ状に並べてなる光源とマスクを相対的に回転させてマスク背後に配置したレジストを露光することでマイクロレンズ等の曲面を製造する方法の提供。
【解決手段】透明開口2を設けたマスク1の背後に配置されたフォトレジスト層3に透明開口2を通して照明光を照射し、フォトレジスト層3の露光された部分を硬化させるか分解することで、フォトレジスト層3に曲面構造を作製する曲面製造方法であり、照明光の光源5として光が照射される角度範囲が制限される指向性のある光源をアレイ状に配置してなる光源アレイ6を用い、マスク1とその背後に配置されたフォトレジスト層3とからなる被加工基板4と光源アレイ6とを対向配置し、被加工基板4を光源アレイ6に対して基板面に垂直な軸の周りで相対的に回転させながら、マスク1の透明開口2を通してレジスト3を露光する曲面製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法に関し、例えばマイクロレンズアレイ等の微細な光学部品の製造に適用できる曲面製造方法に関するものである。
マイクロレンズや光通信用導波路等の微細な光学部品を製作するためには、ミクロンオーダーの曲面製造法が必要である。現在実用化されている曲面製造法としては、機械加工やリソグラフィ技術を用いた方法等があるが、機械加工によりガラスやプラスチックを研削・研磨する手法は量産性に劣り、射出成形する方法は高価な精密金型が必要となり時間とコスト面での課題が残る。
また、リソグラフィ技術を用いた曲面製造法としては、レジスト材料を熱溶解させ表面張力を利用して曲面を形成する方法や、グレイスケールマスクを用いて紫外線の透過率を変化させ感光性材料に曲面を形成する方法がある(非特許文献1)。前者は、スピンコーティングしたレジストを溶かして曲面を形成するため高さ数ミクロン、直径数10ミクロンの大きさにまでしか対応できないという問題があり、後者はグレイスケールマスクが高価な上、形状を制御するためにはプロセス条件を厳密に管理する必要があり、さらに光学素子で問題となる表面荒れや起こしやすいといった課題がある。これに加え、超高圧水銀灯を光源とする平行露光源を用いるため、数10cmを超える大面積に一括で曲面構造を製造するのが困難という問題があった。
さらに、平行な照明光(紫外線、X線)中で開口を形成したマスク板を傾斜させて回転させながらマスク板背後のレジストあるいはガラス基板を露光することで、逆円錐状の三次元構造体や屈折率分布型のマイクロレンズを製造する方法も提案されている(非特許文献2、特許文献1)。
特開平11−295504号公報 Ricoh Techical Report No.29(December,2003)pp.13〜20 電学論E,126巻6号,2006年,222〜227頁
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、UV−LEDのような指向性のある光源をアレイ状に並べてなる光源とマスクを相対的に回転させてマスク背後に配置したレジスト(フォトレジスト)を露光することで、マイクロレンズ等の曲面製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法は、所定形状の透明開口を設けたマスクの背後に配置されたフォトレジスト層に前記透明開口を通して照明光を照射し、フォトレジスト層の露光された部分を硬化させるか分解することで、前記フォトレジスト層に曲面構造を作製する曲面製造方法において、
前記照明光の光源として光が照射される角度範囲が制限される指向性のある光源をアレイ状に配置してなる光源アレイを用い、前記マスクとその背後に配置されたフォトレジスト層とからなる被加工基板と前記光源アレイとを対向配置し、前記被加工基板を前記光源アレイに対して基板面に垂直な軸の周りで相対的に回転させるか、基板面に垂直な軸の周りの閉じた軌跡に沿って相対的に平行移動させながら、前記マスクの前記透明開口を通して前記レジストを露光することを特徴とする方法である。
この場合、前記透明開口に平均透過率が分布しているグレイスケールマスクが設けられているものを用いてもよい。
また、前記マスクには形状が同じか異なる複数の前記透明開口が設けられていてもよい。
また、前記フォトレジスト層に形成された曲面構造の複製を取るようにすることができる。
また、前記フォトレジスト層としては、ネガ型、ポジ型何れでもよい。
また、前記透明開口として円形開口を用い、マイクロレンズを作製することができる。
また、前記透明開口として長方形開口を用い、シリンドリカルマイクロレンズを作製することができる。
以上の本発明で、曲面構造の制御と一括大面積露光が可能で、さらに、化学増感型レジストを裏面より露光することで、高さ数10〜数100μm、直径数100μm〜数mmの平滑な曲面を持つ光学素子等の曲面構造の作製が可能となる。さらに、同一平面で高さ・曲率を変えたマイクロレンズアレイの製造も可能となる。
微細な曲面構造は、マイクロレンズや光通信における導波路等、光学部品の分野において大きな需要がある。本発明の曲面製造方法においては、例えばLED露光源を用いて回転露光を行うことで、曲面構造の制御と一括大面積露光、製造工程の簡易化・低コスト化が可能となる。また、同一平面上で連続的に高さや曲率を変えたマイクロレンズ、半円錐のような特殊な曲面も製作可能であり、光学素子のみならず、光ファイバのガイドラインや、バイオ・化学分析デバイス分野のマイクロ流路等への応用も可能である。
以下、本発明の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法の原理と実施例を説明する。
本発明の曲面製造方法においては、露光光源としてLED等の指向性のある光源をアレイ状に並べてなる光源アレイを用い、透明開口を設けたマスクの背面にレジストを塗布した被加工基板を回転ステージ上に取り付け、被加工基板を基板面に垂直な軸の周りで回転させながらマスクの開口を通してレジストの露光を行う方法である。なお、被加工基板を固定し、光源アレイを回転させる構成でもよい。
この方法は、光源アレイと被加工基板の間に相対的な回転動作を与えることによって、指向性のある光源を固定配置で露光する場合に問題となる照度むらを均一化することができる。さらに、従来用いられている平行露光光源とは異なり、露光光が放射状に広がる光源の指向特性によって、平行光だけではなく、ある角度範囲に光がまんべんなく含まれた従来にない特殊な光源となっている。このため、マスクの下のレジストは、遮蔽パターンからの距離と深さにより露光量が連続的になだらかに変化する。この特性を利用して、露光時間を適切にとることにより、高さ・曲率を変えた曲面構造を容易に製作することが可能となる。
以下に、本発明の曲面製造方法により曲面構造を製作する原理について説明する。本発明の方法で曲面構造が製作されるのは、マスク開口部の下のレジストにおいて、露光量が均一ではなく、位置によって異なるためである。この露光量の差は露光に寄与する光強度が遮蔽パターンからの距離によって変化するために生じる。
図1は、本発明の曲面製造方法を実施するための配置の1例を示す斜視図であり、回転ステージ7は透明なものとし、その上に被加工基板4を取り付け、回転ステージ7を通して下から見上げる配置の斜視図である。この配置は、光源アレイ6を用い、その光源アレイ6の指向性のある照明光の照射方向に光源アレイ6と平行であって図の太い矢印方向に回転する回転ステージ7を配置し、その回転ステージ7上に被加工基板4をマスク1を上にして取り付け、被加工基板4を回転させながらマスク1の開口2を通してレジスト3の露光を行う。
ここで、光源アレイ6は、図2に示すような発光方向に指向性があるLED等の光源5を縦横に均等なピッチでアレイ状に並べてなるものであり、光源5は例えば中心軸を含む何れの断面内でも実質的に角度αの角度範囲内にだけ光を放射する特性のものである。
また、被加工基板4は、図3に断面を示すように、所定形状の透明開口2を設けたマスク1の下側にレジスト3を塗布してなるものである。
図4は、このような配置で、光源アレイ6から被加工基板4のマスク1の透明開口2を通してマスク1の下側のレジスト3に光源アレイ6から照明光が入射する範囲を示す図であり、光源アレイ6の各光源5からマスク1の透明開口2を通して角度範囲α内に照明光が達する。
LED等の指向性のある光源5からの放射光には方位角方向の照度むらがあるが、図1に示すように、被加工基板4を光源アレイ6に対して相対的に回転させることで、角度範囲α内の方位角方向で放射光は平均化され、光源5の指向特性によって決まる角度範囲αの光がまんべんなく混ざって透明開口2を経てレジスト3に入射することになり、透明開口2の方位角方向の照明光の照明むらがなくなる。
上記のように、被加工基板4を光源アレイ6に対して相対的に回転させて方位角方向の平均化をした場合でも、マスク1の透明開口2内の下の位置によって露光量が変化する。この点を説明する。
図5(a)、(b)、(c)は、透明開口2の下のレジスト3内での位置が透明開口2に対して、それぞれ右端近傍、中心近傍、左端近傍にある場合の照明光の角度範囲と入射する光源の範囲を示す図であり、図5(b)の中心近傍では、マスク1の開口周辺の遮光部による遮光の影響は最も少ないため、光源アレイ6から光が入射する光源5の範囲は最も広くなり、照明光の角度範囲は光源5の指向特性によって決まる角度範囲αと略等しくなって露光量も最も多くなる。これに対して、図5(a)の右端近傍、(c)の左端近傍では、マスク1の開口周辺の遮光部による遮光の影響はそれぞれ右に行く程、左に行く程徐々に大きくなるため、入射する光源5の範囲も徐々に狭くなり、照明光の角度範囲α’は中心部の角度範囲αより狭くなって露光量も徐々に少なくなる。開口端部に近い程遮光される領域は広く、中心部程遮光される領域は狭いということから、露光量は端部から中心部へと滑らかに増加すること、あるいは、中心部から端部へと滑らかに減少することになる。この露光量を矢印の長さによって模式的に表すと、図6のようになる。
レジスト3としてネガレジストを用いると、露光量によって硬化するレジスト(構造体)3’の高さが決まるため、露光後現像することによって、図7に示すような滑らかな曲面10を作製することができる。
ところで、マスク1の透明開口2の形状としては、円形開口に限定されず、スリット開口(長方形開口)、台形形状の開口、リング状開口、矩形開口等何れの形状でもよい。透明開口2の形状と作製される曲面10の例示を図8に示す。
図8(a)は、マスク1の透明開口2が円形開口21 〜24 として形成され、その開口径が順次小さくなる場合のマスク1形状(図の上段)と、その場合に形成される構造体の曲面101 〜104 (図の下段)を示しており、円形開口21 〜24 の場合、回転対称な凸レンズ面形状の曲面101 〜104 が得られる。曲面101 〜104 の直径は対応する円形開口21 〜24 の直径に応じて変わっている。また、凸レンズ面の高さも円形開口21 〜24 の直径に応じて変わっている。このように曲面101 〜104 の高さが異なるのは、開口21 〜24 の面積が広い程レジスト3へ入射する光量は多くなるためである。このように、マスク1に形状が同じか異なる複数の透明開口2を設けておき、一括露光により同じ形状の曲面10又は異なる曲面10を作製可能であることは本発明の曲面製造方法の大きな特徴である。例えば、マスク1に一定ピッチで同じ形状の円形開口21 を多数設けて一括露光することで、マイクロレンズアレイを作製することができる。
図8(b)は、マスク1の透明開口2がスリット開口25 (図の上段)として形成されている場合に、そのスリット開口25 を通して露光することで半円柱状の曲面105 (図の下段)が形成される例を示している。
図8(c)は、マスク1の透明開口2がスリット開口の一端を細くしたような台形形状の開口26 (図の上段)として形成されている場合に、その台形形状の開口26 を通して露光することで半円錐状の曲面106 (図の下段)が形成される例を示している。
本発明の曲面製造方法によって作製される構造体の曲面10の形状は、透明開口2のパターン、露光時間、光源の強度、光源アレイ6とマスク1の距離、マスク1とレジスト3の距離、光源5の指向特性(指向角度α)、レジスト3の感光特性等といった条件を変えることで制御可能である。
さらには、透明開口2内に透過率分布を持つようなグレイスケールマスクを併用することで、作製される構造体の曲面10の形状を制御することが可能である。その例を図9〜図11を参照にして説明する。図9(a)はマスク1に設けた透明開口21 が単純な円形開口である場合を示し、その円形開口21 を通して露光することで図9(b)に示すような断面略円弧状の曲面101 が形成されるが、図10(a)に示すように、マスク1に設けた円形開口に径方向に半径が大きくなるにつれて透過率が小さくなるグレイスケールマスクを設けてなる円形開口27 、あるいは、図10(b)に示すように、平均透過率が半径が大きくなるにつれて小さくなるように、不透明細線密度が半径が大きくなるにつれて上がるようなマスクを設けてなる円形開口28 を用いると、図10(c)に示すように、単純な円形開口21 を用いた場合に得られる断面略円弧状の曲面101 (図9(b))に比べて、周辺部の曲率半径が大きくなるか反転するような曲面107 が得られる。
また、図11は図8(b)に対応する場合であるが、図11(a)に示すように、マスク1に設けたスリット開口の長手方向に沿って一方へ行くに従って透過率が小さくなるグレイスケールマスクを設けてなるスリット開口29 を用いると、図11(b)に示すように、グレイスケールマスクの透過率がより小さい部分ではできる半円柱状の曲面の高さと幅が小さくなるため、図8(c)の場合と同様な半円錐状の曲面106 (図の下段)が形成される。
なお、以上の本発明の曲面製造方法では、光源アレイ6に対して被加工基板4を基板面に垂直な軸の周りで相対的に回転させながら露光を行うとしていたが、その代わりに、図12に示すように、光源アレイ6に対して被加工基板4を基板面に垂直な軸の周りの閉じた軌跡、最も典型的には円形軌跡11に沿って相対的に平行移動させながら、露光を行うようにしてもよい。
以上の本発明の曲面製造方法では、曲面製造方法によって作製される構造体の高さあるいは曲面10の高さは露光量で決定されるため、レジスト3の膜厚をスピンコートで厳密に制御する必要はなく、膜厚がある高さ以上であればレジスト表面が多少凹凸があっても支障はなく、1mm近くの膜厚に塗布したものでも可能である。化学増感型レジストは感度が通常のレジストより高いため、光源アレイ6の光源5として中心波長370nm、光強度2mW程度の砲弾型UV−LEDを用いた場合で、20分程度の露光時間で、高さ数10μmから数100μm程度の曲面形状が形成可能であった。曲面10形状の寸法は、マスクによって数μmから数mm程度まで任意に制御できる。また、光源アレイ6を大きくすることは容易であり、数10cm以上のサイズの被加工基板4に対しても容易に対応できる。
以下、本発明の曲面製造方法の具体的な実施例を説明する。
マスク1は、パソコン上でデザインしたパターンを透明フィルムに印刷し、簡易マスク製作機を用いてエマルジョン乾板に1/5縮小転写するという手法で作製した。マスクパターンは、円形開口2が格子状に並んだものとし、直径200μm、300μm、400μm、500μmのものを作製した。
レジスト3は、ネガ型の化学増感型レジストSU−8 10(マイクロケム社製)を用いた。これを厚さ100μmのガラス基板上に流すことで約700〜800μm程度の膜厚にし、100℃前後に熱したホットプレート上で4時間程プリベークを行った。これを十分に冷ました後、ガラス面とマスク面を接触させて固定し、マスク面を上、レジスト面を下にして厚さ100μmのガラス基板を透過させて露光を行った。
回転ステージ7は回転軸がLEDアレイ(光源アレイ)6の中心にくるようにして、ステージ7とLEDアレイ6が平行となるように設置した。LEDアレイ6と回転ステージ7の距離は3cmとした。被加工基板4はパターンの中心位置の回転半径が5cm程度となるように回転ステージ7上に固定した。被加工基板4の回転速度は100rpmに設定し、回転させながら所定時間間露光を行った。
今回用いたLEDアレイ6のLED光源5は、中心波長370nmの砲弾型UV−LEDで、集光するためのレンズはなく、指向角度は45°である。光強度は1.8mW、光強度の公差は10%で、LEDアレイ6のピッチは12.5mmで、配列個数は25×32個となっている。LED光源5の指向特性(ナイトライド・セミコンダクター社製NS370L−5CFA)を図13に示す。
露光後は、100℃前後に熱したホットプレート上で5分間ポストベークを行った。この後、SU−8現像液に1時間程度浸けて現像を行った。
以上のプロセス条件において、直径200μm、300μm、400μm、500μmの円形開口パターンに対して、露光時間を14分から22分まで2分刻みで変えて試作を行った。マスクの開口直径毎の露光時間と作製したレンズ形状直径の実測値の関係を図14に示す。
この結果から、どの露光時間においても、マスクの開口直径よりも作製したレンズ形状直径の実測値の方が大きくなっていることが確認できた。これは、マスクとレジストの間に厚さ100μmのガラス基板があるためと考えられる。
次に、マスクの開口直径毎の露光時間と作製したレンズ形状の球面高さの関係を図15に示す。
この結果から、露光時間により球面高さが制御可能であることが確認できた。また、18分以降では、露光時間を増やしても余り球面高さが変わらないという結果が得られた。これは、露光時間を増やしても、照明光はレジストのある値の深さまでしか届かないためと考えられる。
露光時間を増やしていくと、球面頂点部の高さは余り変化がなくなるが、頂点周辺部の高さはある程度高くなり続けるため、曲率半径は変化していくことが確認できた。図16は、露光時間を変えることでレンズ形状がどのように変化していくかを模式図で示す図である。図16の(a)→(c)までは球面高さが変化しているが、頂点部の高さはある程度に達すると変化し難くなる。よって、(c)→(d)では頂点部の高さは変わらず、頂点周辺部の高さが高くなってきている。
露光時間と作製したレンズ形状の曲率半径の関係を図17に示す。曲率半径はレンズ形状が球面でないと測定できないため、円形開口直径200μmのマスクを用いた場合の露光時間14分から18分の場合のみ示した。
この結果から、露光時間によって曲率が制御可能であることが確認できた。
ところで、以上の本発明の曲面製造方法において、レジスト3としてネガレジストの代わりにポジレジスト(露光部分が分解して可溶化するレジスト)を用いると、作製される曲面10の形状は凸面の代わりに凹面が得られる。その形成された曲面構造は、用いたレジスト3が透明性を持っていれば、光学素子としてそのまま使用可能であるが、作製される曲面10の構造体に電鋳を行うか、紫外線硬化樹脂で複製を取って金型とし、その金型を成形型として樹脂成形すれば、光学素子等の量産をすることが可能となる。
以上の本発明では、露光時に相対的な回転動作を加えることで、LEDのような指向性のある光源をアレイ状に並べた際に生じる照度むらを均一化して、光が放射状に広がるというLEDのような光源の指向特性を活用して、滑らかな曲面構造を作製することを可能にしている。この形状は、上記したように、露光時間、光源の強度、光源アレイとマスクの距離、マスクとレジストの距離、光源の指向特性、レジストの感光特性等といった条件を変えること、及び、グレイスケールマスクと併用することで、曲面の大きさ、曲率の制御も可能である。このため、従来特に作製が困難であった高さの異なる半球面構造や、半円錐のような曲面形状作製にも応用できる。加えて、露光源はアレイ状のLEDを用いることができることから、大面積化も容易で、量産性に適し、製造コストの低減も可能となる。
本発明の曲面製造方法を実施するための配置の1例を示す斜視図である。 光源アレイの指向性を説明するための図である。 被加工基板の構成を示す断面図である。 光源アレイから被加工基板のマスクの透明開口を通してレジストに照明光が入射する範囲を示す図である。 レジスト内での位置に応じて照明光の角度範囲と入射する光源の範囲を示す図である。 レジスト内での露光量分布を模式的に示す図である。 ネガレジストを用いた場合の作製される曲面を示す図である。 透明開口の形状と作製される曲面を例示する図である。 透明開口が円形開口の場合の作製される曲面を示す図である。 グレイスケールマスク及び不透明細線密度を使用したマスクを設けてなる円形開口の場合の作製される曲面を示す図である。 グレイスケールマスクを設けてなるスリット開口の場合の作製される曲面を示す図である。 光源アレイに対して被加工基板を閉じた軌跡に沿って相対的に平行移動させながら露光を行う配置を示す斜視図である。 本発明の曲面製造方法の具体的な実施例におけるLED光源の指向特性を示す図である。 本発明の曲面製造方法の具体的な実施例において得られたマスクの開口直径毎の露光時間と作製したレンズ形状直径の実測値の関係を示す図である。 本発明の曲面製造方法の具体的な実施例において得られたマスクの開口直径毎の露光時間と作製したレンズ形状の球面高さの関係を示す図である。 露光時間を変えることでレンズ形状がどのように変化していくかを模式図で示す図である。 本発明の曲面製造方法の具体的な実施例において得られた露光時間と作製したレンズ形状の曲率半径の関係を示す図である。
符号の説明
1…マスク
2…透明開口
1 〜24 …円形開口
5 …スリット開口
6 …台形形状の開口
7 …グレイスケールマスクを設けてなる円形開口
8 …不透明細線密度を使用したマスクを設けてなる円形開口
9 …グレイスケールマスクを設けてなるスリット開口
3…レジスト
4…被加工基板
5…光源
6…光源アレイ
7…回転ステージ
101 〜104 …凸レンズ面形状の曲面
105 …半円柱状の曲面
106 …半円錐状の曲面
107 …周辺部の曲率半径が大きくなるか反転するような凸レンズ面形状の曲面
11…円形軌跡

Claims (8)

  1. 所定形状の透明開口を設けたマスクの背後に配置されたフォトレジスト層に前記透明開口を通して照明光を照射し、フォトレジスト層の露光された部分を硬化させるか分解することで、前記フォトレジスト層に曲面構造を作製する曲面製造方法において、
    前記照明光の光源として光が照射される角度範囲が制限される指向性のある光源をアレイ状に配置してなる光源アレイを用い、前記マスクとその背後に配置されたフォトレジスト層とからなる被加工基板と前記光源アレイとを対向配置し、前記被加工基板を前記光源アレイに対して基板面に垂直な軸の周りで相対的に回転させるか、基板面に垂直な軸の周りの閉じた軌跡に沿って相対的に平行移動させながら、前記マスクの前記透明開口を通して前記レジストを露光することを特徴とする露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法。
  2. 前記透明開口に平均透過率が分布しているグレイスケールマスクが設けられていることを特徴とする請求項1記載の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法。
  3. 前記マスクには形状が同じか異なる複数の前記透明開口が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法。
  4. 前記フォトレジスト層に形成された曲面構造の複製を取ることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法。
  5. 前記フォトレジスト層がネガ型であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法。
  6. 前記フォトレジスト層がポジ型であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法。
  7. 前記透明開口として円形開口を用い、マイクロレンズを作製することを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法。
  8. 前記透明開口として長方形開口を用い、シリンドリカルマイクロレンズを作製することを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の露光光源として光源アレイを用いた曲面製造方法。
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