JP2008125803A - 注入器 - Google Patents

注入器 Download PDF

Info

Publication number
JP2008125803A
JP2008125803A JP2006314051A JP2006314051A JP2008125803A JP 2008125803 A JP2008125803 A JP 2008125803A JP 2006314051 A JP2006314051 A JP 2006314051A JP 2006314051 A JP2006314051 A JP 2006314051A JP 2008125803 A JP2008125803 A JP 2008125803A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screwing
tip
plunger
injector according
screw thread
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006314051A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Okiyama
忠 沖山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JMS Co Ltd
Original Assignee
JMS Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JMS Co Ltd filed Critical JMS Co Ltd
Priority to JP2006314051A priority Critical patent/JP2008125803A/ja
Publication of JP2008125803A publication Critical patent/JP2008125803A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】 薬剤の充填が簡単であり、保管や使用の際にも嵩張ることなく、粘度の高い内容物を注出する際にあまり労力を必要とせず、その上投与量や投与速度を調節しながら抽出することのできる注入器を提供する。
【解決手段】 互いに嵌合する形状であるバレル部とプランジャ部からなる注入器であって、プランジャ部は螺進部材と先端部回転防止部材とガスケットから構成され、螺進部材の働きによってプランジャ部を軸方向に伸長させることでバレル部内に充填された薬液を注入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は投与器具に関する。さらに詳しくは、例えば固形化栄養剤のような粘度の高い薬剤をより少ない力で注入するための投与器具に関する。
経口により栄養の摂取が不可能若しくは不完全な患者、または消化器系の安静が必要な患者に対しては、管を使用して直接腸に栄養を送り込む経腸栄養法を適用する場合がある。この栄養法は、生理的に栄養を投与できる点、施行、維持・管理が比較的簡単であることなどから、広く行われている。
経腸栄養法によって栄養を投与する経路として、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEGともいう)によって胃瘻を作成し、そこから栄養剤を投与する胃瘻法がある。胃瘻法の利点として、鼻からチューブを通してそのチューブを経由して腸に栄養を送る経鼻法と比べて、チューブの交換手技が容易である点、チューブの自己抜去がほとんどない点、鼻咽頭および食道潰瘍の合併がない点、在宅でも行える点などが挙げられる。そのため、胃瘻法は近年日本国内でも急速に普及しつつある。
また、胃瘻法で使用する管は太くて短いという特徴を持つことから、固形化された栄養剤も使用することが出来るという点が挙げられる。従来の経鼻法では、使用する管の径が細いことから液体状の栄養剤しか使用できなかった。液体状の栄養剤から固形化された栄養剤に変更することによって、胃食道逆流(嘔吐)の抑制、下痢の予防、瘻孔からの栄養剤のリークの防止など、様々な利点を得られる。
しかし、固形化された栄養剤の投与においても幾つかの課題が残されている。例えば、調製・投与において手間と労力がかかるという点、保管するときに嵩張るという点等が挙げられる。
現在行われている、固形化された栄養剤を投与する一般的な手順は以下のとおりになる。まず液体状の栄養剤を例えば寒天などによって固形化する。それを投与器具、例えば汎用のシリンジ・バッグ・ドレッシングポットなどに充填し、冷蔵庫内に保管する。そして投与時には胃瘻と投与器具をチューブで接続し、投与器具から押し出す形で投与を行う。なお、1回あたりの投与量は300ml〜500mlとされている(非特許文献1参照)。
汎用のシリンジを使用した場合、シリンジ内への栄養剤の充填が難しいという問題点がある。また、大容量のシリンジを使用した場合には投与の際に大きな力がかかる上、プランジャが大きくなるので扱いにくいという問題が生じる。小さい力で注入しようとすると複数本のシリンジが必要となるが、その分保管する際に嵩張ってしまう上、必要な薬剤の投与に時間も手間もかかる。また、バッグやドレッシングポットを使用する場合は、投与時に力が必要になるのに加え、投与量や投与速度の調整が難しいという問題点がある。
薬剤を投与するための器具として、特許文献1、2および3に記載されるような器具がある。特許文献1に記載されている薬液注液器具は、バネの機構と螺進機構とを利用して持続注入を行うものである。しかし、薬剤の充填時には手動でバネを巻き上げる必要があり、手間と労力がかかる。また、特許文献2に記載されている注液器具は、状況に応じてプランジャを押して薬液を投与する手段と螺進機構によって薬液を投与する手段を使い分けることができるというものである。しかし、プランジャを押す場合では従来の投与法同様力が必要となり、また螺進機構を使用する場合にもプランジャが長くなるので、回すことにおいて労力を必要とする上、保管の際に嵩張るという問題点については対応策がない。また、特許文献3に記載されている液体注入器は、回転補助手段を回転させることでギヤの働きにより内容物を注入するものである。しかし、ギヤを用いるために構成が大掛かりなものとなり、重量などによって使い難いという問題点がある。また、保管時にかさばるという問題も解決されていない。
特許第3223684号明細書 特表2004−538100号明細書 特開2005−245999号明細書 胃瘻PEG合併症の看護と固形化栄養の実践 日総研発行
本発明は、以上の問題点を解決すべく考案されたものである。具体的には、薬剤の充填が簡単であり、保管や使用の際にも嵩張ることなく、粘度の高い内容物を注出する際にあまり労力を必要とせず、その上投与量や投与速度を調節しながら抽出することのできる注入器を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を持つ。なお、本明細書において、「先端側」とは注入口11側、またはプランジャ部のガスケット5側を意味し、「基端側」とはそれぞれ前記先端と反対側の方向を示す。また、バレル部とは本発明の注入器の外筒部を意味し、プランジャ部とは本発明の注入器の内筒部を意味する。また、本明細書における「薬剤」は、医薬品はもちろん栄養剤、医用材料なども含むものとする。
本発明は、互いに嵌合する形状であるバレル部とプランジャ部からなる注入器であって、バレル部は両端が開放した形状の筒体で先端側に注出口を備え、プランジャ部は螺進部材、螺進部材の外側に位置する先端部回転防止部材、プランジャ部の先端に位置するガスケットからなり、プランジャ部は軸方向に伸縮自在であることを特徴とする。
本発明における螺進部材は、外面にネジ山を備え且つ基端に基端側の部材からの脱落防止手段を備えている円筒または円柱である第一螺進部と、先端部内面に前記第一螺進部に備えたネジ山と螺合するネジ山を備え基端に回転補助手段を備える円筒である回転部から構成される。
本発明における螺進部材の別の形態として、基端部内面にネジ山を備えた円筒である螺進部と、外面に螺進部に設けられたネジ山と螺合するネジ山を備え且つ先端に先端側の部材からの脱落防止手段を備えた円柱または円筒で基端に回転補助手段を備えている回転部から構成される。
本発明の螺進部材においては、第一螺進部と回転部の間に第二螺進部を設けることが望ましい。
本発明における先端部回転防止部材は、先端が螺進部材と連結されており、基端外面に突起を備える円筒状もしくは板状の先端側部材と、内面に前記突起と嵌合する形状で長手方向に伸びた線状の溝を備えた円筒状の基端側部材から構成される。
本発明における先端部回転防止部材の別の形態として、基端外面に長手方向に伸びた線状の溝を備えた円筒状もしくは板状の先端側部材と、先端部内面に前記溝と嵌合する形状の突起を備えた円筒状の基端側部材から構成される。
本発明の先端部回転防止部材においては、先端側部材と基端側部材の間に中間部材を設けることが望ましい。
前記脱落防止手段は、端部にフランジを備える構成であることが望ましい。
本発明において、ガスケットと先端部回転防止部材が一体成形されてなるものであることが望ましい。
本発明のバレル部においては、注出口がバレル部先端側より引き込んだ位置に設けられていてもよい。
本発明において、バレル部とプランジャ部を嵌合させた際、嵌合させた状態が確実に保持できる係止機構を備えていてもよい。
本発明の構成により、回転部を回転させることで、ネジの働きによって螺進部材が先端方向に向かって直線的に螺進し、螺進部材の先端側に位置するガスケットを先端方向に摺動させて内容物を先端方向に押出すことができる。このとき、薬剤が粘度の高い液体であっても、シリンジやドレッシングポットを使用した場合に必要な力と比べて小さな力で内容物を押出すことができる。また、回転部の回転を止めれば螺進機構の螺進を停止できて薬剤の吐出を停止することができ、回転速度によって吐出速度の調整を容易に行うことができる。さらにプランジャ部を先端方向に向かって螺進させることで内容物を押し出すという構成により、内容物の容量が増えた場合にもバレル部とプランジャ部を結合させた注入器そのものの全長が変わることがないので、扱い易い。
また先端部回転防止部材は、基端側部材の内側に先端側部材が位置し、先端側部材の基端に備えられている突起が基端側部材に備えられている線状溝と嵌合することで、先端部回転防止部材が長手方向にのみ伸縮するようになっている。この先端部回転防止部材が螺進部材の先端部と連結していることで、回転部を回転させたときに螺進部材を構成する全ての部材が同時に空回りすることなく、ネジの働きを確実に先端方向に伝え、ガスケットを先端方向に押出すことができる。
また、螺進部材を伸長させるときとは逆の方向に回転部を回転させることで、ネジの働きによってプランジャ部を収縮させることができる。薬剤の充填された本発明を冷蔵庫に保管する際、従来のシリンジでは内容物の量だけプランジャが突出して邪魔になっていたが、この機構によって内容物を充填した状態でも本発明の全長は変わらず、保管がしやすくなる。このとき、本発明の螺進部材および先端部回転防止部材に、先端側の部材と基端側の部材の間に部材(螺進部材においては第二螺進部、先端部回転防止部材においては中間部材)を設けることで、プランジャ部を最大限伸張させた時の長さと最大限収縮させた時の長さの差をより大きくすることができる。この構造により、バレル部の内容物を全て押出すのに必要な長さを確保しつつ、使用しない時のプランジャ部の大きさをより小さくすることができる。
さらに、バレル部の注出口をバレル部先端側より引き込んだ位置に設けることで、本発明の注入器を立てて保管することが可能になる。従来のシリンジでは横置きで保存するか、立てて保存するには別の器具が必要となったが、本発明の構成により単独で立てることができ、保管の方法の幅が広がるという利点がある。
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の注入器の全体図である。本発明は互いに嵌合する形状であるバレル部1とプランジャ部2から構成される。この構成により、プランジャ部2に嵌合する形状であれば、バレル部1の容量が変わってもプランジャ部2を使いまわすことができる。従来のシリンジでは容量を変更したいと思ったときにバレルとプランジャをすべて交換しなければならなかったのと比較して、便利且つ経済的であるといえる。
また、従来シリンジ内に薬剤を充填させるときは本発明における注出口11に当たる部分より引き込むという形で充填作業を行っていた。粘度の低い液体を充填する場合は問題がないものの、粘度の高い薬剤を充填する場合はその粘度ゆえに引き込む際に大きな力が必要となった。しかし本発明の構成によれば、口の大きく開いたバレル部1の基端から充填すればよいので、粘度の高い薬剤でも簡単に充填を行うことができる。
図2は本発明のバレル部の図である。本発明のバレル部1は両端が開放した筒状であり、先端側には内容物を注出するための注出口11が備えられている。注出口11をバレル部の先端側より基端方向に引き込んだ位置に設けた場合、図2に示すようにバレル部1を立てて保管することが可能となる。薬剤を充填した後に冷蔵庫などに一時保管する必要がある場合、従来のシリンジでは寝かせて保管するより他に方法がなかったが、立てて保管することが可能となることで、占有する床面積が少なくなるなど保管場所をより有効に活用することが可能となる。なお、保管する際にはバレル部1の注出口11及び基端にキャップ(図示せず)を嵌め込み、充填物が漏れないようにすることが望ましい。また基端側には、前記キャップの代わりにガスケット若しくはプランジャ部を嵌め込み、蓋をすることも有効である。さらに、バレル部とプランジャ部を嵌合させた際、使用中にバレル部からプランジャ部が脱落することを防止するために、嵌合させた状態が確実に保持できる係止機構を備えることが望ましい。この機構の例としては、図12、図13に一例を示すように、プランジャ部の外面に突起を設け、バレル部の内面に該突起と嵌合する形状であるL字状の溝を設け、プランジャ部とバレル部を嵌合させた後に捻りを加えることで係合させるという機構などが考えられる。また、一方の部材に溝を設け、もう一方の部材に溝と係合する形状のツメを設け、プランジャ部とバレル部を嵌合させたときに係止させる機構なども考えられる。
バレル部1を構成する素材は医用材料であれば何でもよいが、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂で構成し、バレル部をディスポーザブルにすることも有効である。洗浄の手間を省け、さらに清潔を保つことができる。また、バレル部1を透明にし、さらに目盛りを備えた場合は内容物の量や投与量がわかり、投与量の管理・調整などが楽になる。
図3は本発明のプランジャ部の全体図である。プランジャ部2は螺進部材3、先端部回転防止部材4、及びガスケット5より構成される。
図4は本発明のプランジャ部における螺進部材の図である。螺進部材3は、外面にネジ山6aを備え且つ基端に他部材からの脱落防止手段7を備えている円柱または円筒である第一螺進部31と、先端部内面にネジ山6bを備え基端に回転補助手段8を備える円筒である回転部32から構成され、回転部32の中に第一螺進部31が格納されている。ネジ山6aとネジ山6bは螺合しており、第一螺進部31は図10、図11に示すように先端部回転防止部材の先端側部材41と連結されている。螺進部材を作用させる機序は以下のとおりである。まず、基端に備えられている回転補助手段8を把持し、回転操作を付与する。すると回転部32にプランジャ軸心を中心点とした回転運動が発生する。この時、第一螺進部31は先端部回転防止部材4と連結されているので、回転部32の回転運動に伴って回転することはなく、第一螺進部31と回転部32の螺合作用により、第一螺進部は先端方向に向かって直線的に螺進する。この結果、プランジャ部2は伸長し、プランジャ部2の先端に備えられたガスケット5にバレル部1内の内容物を先端方向へ押出す力が付与され、その結果バレル部1内の内容物が吐出されるのである。回転部32の回転作用に伴う螺進によって第一螺進部31の基端が回転部32の先端に到達した時、脱落防止手段7によってそれ以上の螺進を阻止する。これにより、第一螺進部31が回転部32から脱落することを防止できる。
図6は本発明のプランジャ部2における螺進部材3の別の実施形態を示した図である。この構成によれば、第一螺進部31bは基端部内面にネジ山6fを備えた円筒であり、回転部32bは外面にネジ山6eを備え且つ先端に他部材からの脱落防止手段7を備えた円柱または円筒で、基端に回転補助手段8を備えている。回転部32bは第一螺進部31bの中に格納されている。ネジ山6eとネジ山6fは螺合しており、第一螺進部31bは図10、図11に示すように先端部回転防止部材4と連結されている。この場合、基端に備えられている回転補助手段8を把持して回転操作を付与することで、回転部32bにプランジャ軸心を中心点とした回転運動が発生する。第一螺進部31bと先端部回転防止手段4が連結されていることで、回転部32bの回転運動が直接第一螺進部31bに作用することはない。そして第一螺進部31bと回転部32bの螺合作用により、第一螺進部31bは先端方向に向かって直線方向に螺進する。この機序によってもプランジャ部2は伸長し、プランジャ部2の先端に備えられたガスケット5にバレル部1内の内容物を先端方向へ押出す力が付与され、その結果バレル部1内の内容物が吐出される。第一螺進部31bの基端が回転部32bの先端に到達した時、脱落防止手段7によってそれ以上の螺進を阻止する。これにより、回転部32bが第一螺進部31bから脱落することを防止できる。
螺進部材3においては、図5のように第一螺進部31と回転部32の間に第二螺進部33を備えてもよい。第二螺進部33は外面にネジ山6c、内面にネジ山6dを備え、且つ先端又は基端のどちらか一方に他部材からの脱落防止手段7を備えている。この他部材からの脱落防止手段は、回転部の内側に第二螺進部が格納される場合は第二螺進部の基端側に、第一螺進部の内側に第二螺進部が格納される場合は第二螺進部の先端側に備えられる。基端に備えられた回転補助手段8を把持して回転部32に回転運動を付与し、それによって前述のように第一螺進部31を先端方向に向かって直線方向に螺進させた時、第一螺進部31の基端が第二螺進部33の先端に到達した時点で第一螺進部に備えられた脱落防止手段7が作用して第一螺進部31の螺進を阻止する。ここでさらに回転部32の回転運動を付与しつづけると、第二螺進部33と回転部32の螺合作用によって第二螺進部33が先端方向に向かって直線的に螺進する。その結果、プランジャ部2が先端方向に向かって伸長することで、プランジャ部2の先端に備えられたガスケット5にバレル部1内の内容物を先端方向へ押出す力が付与され、その結果バレル部1内の内容物が吐出される。第二螺進部33の基端が回転部32の先端に到達した時、第二螺進部33に備えられた脱落防止手段7によってそれ以上の螺進を阻止する。
螺進部材3に第二螺進部33を設ける構成にすることで、最大限伸ばしたときには第一螺進部31と回転部32のみで螺進部材3を構成したときと同じだけの長さを確保する一方、最大限収縮させたときは第一螺進部31と回転部32のみで螺進部材3を構成したときよりも短くすることができる。その結果、注入器具に薬剤を充填して保管する際、従来のシリンジでは薬剤が充填された分プランジャが突出して邪魔であったが、本発明の構成によればプランジャ部2を最大限収縮させた状態でバレル部1と接続させて保管すればよいので、保管場所の省スペース化を図ることができる。
なお、実施例として他部材からの脱落防止手段7についてはフランジという形で図示しているが、他部材からの脱落を防止する働きをするものであれば良く、例えばネジの途中に突起を設けて回転を制限する方法や、ネジ山を途中で切ることにより回転を制限する構成などを用いてもよい。
回転補助手段8については回転部と一体成形、もしくは接着・溶着されていてもよいし、取り外し可能な形状で係合されていてもよい。取り外し可能な形状で係合されている場合は不使用時や保管時に取り外すことで、保管に必要なスペースを省略することができる。
図7は本発明のプランジャ部における先端部回転防止部材の図である。先端部回転防止部材4は、先端が螺進部材の第一螺進部31と連結されており基端外面に突起44を備える筒状または板状の先端側部材41と、内面に前記突起44と嵌合する形状で長手方向に伸びた線状の溝45を備えた筒状の基端側部材42とからなる。先端側部材の突起44と基端側部材の溝45が図9に示す様に嵌合し、基端側部材42の内側に先端側部材41が位置する関係にある。基端側部材42の径はバレル部1と嵌合するサイズであれば良い。突起44と溝45を嵌合させることで、先端側部材41は基端側部材42に備えられた溝45に沿って長手方向に摺動する。この構成により、螺進部材回転部32に回転運動を付与した時、先端部回転防止部材4と螺進部材の第一螺進部31とが連結されていることで、螺進部材の第一螺進部31は回転することなく長手方向にのみ摺動することとなる。そのため、螺進部材の回転部32を回転させた時に第一螺進部31に直接回転運動を付与せず、螺合作用によって第一螺進部は先端方向に向かって直線的に螺進することが出来る。なお、回転防止部材は前記螺進部材回転部32を回転させた時に回転しない構成となっている。その働きを確実なものにするために、例えば図12、図13に示すように、先端部回転防止部材の基端側部材42の外面とバレル部1の内面のいずれか一方に突起を、他方に前記突起と嵌合する形状の溝を設け、用時にはそれらを嵌合させるなどの係止機構を設けることも有効である。
上記例では先端側部材41に突起を備え、基端側部材に溝45を備えた例について説明を行ったが、先端側部材に長手方向に伸びた線状の溝を設け、基端側部材に該溝と嵌合する形状の突起を設ける形にしてもよい。突起と溝が嵌合し、螺進部材3の動きに応じて先端部回転防止部材4が長手方向に伸縮可能となる形状であればよい。
図8に示すように、先端部回転防止部材4には先端側部材41と基端側部材42の間に中間部材43を設けることも有効である。この中間部材43は内面に先端側部材41に備えられた突起44と嵌合する形状で長手方向に伸びた線状の溝45bを備え、基端外面には基端側部材の溝45と嵌合する形状の突起44bを備える筒状または板状の部材である。これらの突起と溝をそれぞれ嵌合させることで、先端側部材41と中間部材43は溝45、45bに沿って長手方向に摺動する。螺進部材3に第二螺進部33を設けたときと同様、最大限伸ばしたときの長さを確保する一方、最大限収縮させたときは先端側部材41と基端側部材42のみで先端部回転防止部材4を構成したときよりも短くすることができる。
螺進部材の第一螺進部31と先端部回転防止部材の先端側部材41を連結する方法としては、図10に一例を示すように、一方に多角形の凸部を設け、他方にそれと嵌合する形状の凹部を設けて用時に嵌合させる嵌め込み式、一方に雄ネジを設け、他方に雌ネジを設けて用時に螺合させる螺合式等の方法が考えられるが、螺進部材の第一螺進部31が先端部回転防止部材の先端側部材41と連結し、螺進部材の回転部32を回転させても第一螺進部31は回転せず、先端方向へ確実に伸長するという働きを確保できる機構であればよい。また、両部材を接着、溶着、あるいは一体成形とする方法も有効である。
プランジャ部のガスケット5については、別個のものを使用時にプランジャ部2の先端に取り付ける形でも良く、またプランジャ部の先端部回転防止部材4に予め接続されている形でもよい。前者の場合は使用するたびにガスケット5を交換することができるので清潔であるし、後者の場合は使用時にガスケット5を取り付ける手間が省ける上、使用後はプランジャ部2を伸縮するだけでガスケット5もバレル部1から取り除くことができるので、バレル部1の再利用が容易である。また、予めバレル部1内に薬剤を充填した状態でバレル部1の基端側にガスケット5を取り付けて蓋をし、使用するときにプランジャ部2をバレル部1に差し込んでガスケット5とプランジャ部2を接続する方法も有効である。さらに、先端部回転防止部材の先端側部材41をバレル部に対して液密に摺動するように設計することで、螺進部材の先端部をガスケットとして使用する方法も有効である。
本発明によって液体を注入する時は、バレル部1の中に薬剤を充填後、図1(b)に示すようにバレル部1の基端とプランジャ部2を嵌合させる。そしてプランジャ部2の基端に備えられている回転補助手段8を把持し、回転操作を付与する。これにより、前述のとおりに第一螺進部31と回転部32の螺合作用によって第一螺進部31が先端方向に向かって直線的に螺進するので、バレル部1内の内容物が吐出される。従来はプランジャに先端部に向かう直線方向に力を加えることで内容物を吐出していたために、内容物の粘度が高い場合などには高い圧力を加えることが必要となり、労力を要した。本発明によれば、回転操作の結果発生する螺進作用で内容物を押出す構成なので、従来の方法と比較してより少ない力で内容物を押出すことが可能となる。この時、先端部回転防止部材が第一螺進部材31と連結されていることで第一螺進部31と回転部32が同時に回転することを防ぎ、螺合作用によって螺進部材を確実に先端方向へ直線的に摺動させることができる。また、回転部32の回転速度を変えれば螺進部材の直線方向への螺進の速度を調節でき、結果内容物の吐出速度も容易に変更できる。さらに内容物が残っている状態で吐出を中断したい場合は回転部32の回転を止めれば螺進部材の螺進を停止することが出来、結果吐出を中止することができる。
これまでは使用する者がバレル部1内に薬剤を充填することを前提として説明を行ってきたが、予めバレル部1内に内容物を充填し、基端側にガスケット5を挿入し蓋をした状態で出荷し、使用時にはプランジャ部2をバレル部1に挿入するだけで使用できるという、いわゆるプレフィルドタイプにも本発明は応用できる。
本発明の縦断面図である。 本発明におけるバレル部の縦断面図である。 本発明におけるプランジャ部の縦断面図である。 本発明におけるプランジャ部螺進部材の縦断面図である。 本発明におけるプランジャ部螺進部材の縦断面図である。 本発明におけるプランジャ部螺進部材の縦断面図である。 本発明におけるプランジャ部先端部回転防止部材の縦断面図である。 本発明におけるプランジャ部先端部回転防止部材の縦断面図である。 本発明におけるプランジャ部先端部回転防止部材において、先端側の部品の突起と基端側の部品の溝が嵌合する様子を表した図である。 螺進部材の第一螺進部と先端部回転防止部材の先端側部材が連結する部分の一例を表した縦断面図である。 螺進部材の第一螺進部と先端部回転防止部材の先端側部材が連結する部分の一例の斜視図である。 バレル部とプランジャ部の係止機構の一例を示した図である。 バレル部とプランジャ部の係止機構の一例を示した図である。
符号の説明
1 バレル部
11 注出口
12 バレル部側溝
2 プランジャ部
21 プランジャ部側突起
3 螺進部材
31,31b 第一螺進部
32,32b 回転部
33 第二螺進部
4 先端部回転防止部材
41 先端部回転防止部材先端側部材
42 先端部回転防止部材基端側部材
43 先端部回転防止部材中間部材
44,44b 突起
45,45b 溝
6a,6b,6c,6d,6e,6f ネジ山
7 他部材からの脱落防止手段
8 回転補助手段

Claims (13)

  1. 互いに嵌合する形状であるバレル部とプランジャ部からなる注入器であって、バレル部は両端が開放した形状の筒体で先端側に注出口を備え、プランジャ部は螺進部材、螺進部材の外側に位置し先端部が螺進部材と連結されている先端部回転防止部材、プランジャ部の先端に位置するガスケットからなり、プランジャ部は軸方向に伸縮自在であることを特徴とする注入器。
  2. 前記螺進部材は、外面にネジ山を備え且つ基端に基端側の部材からの脱落防止手段を備えている円筒または円柱である第一螺進部と、先端部内面に前記第一螺進部に備えたネジ山と螺合するネジ山を備え基端に回転補助手段を備える円筒である回転部からなる、請求項1に記載の注入器。
  3. 前記螺進部材は、基端部内面にネジ山を備えた円筒である螺進部と、外面に螺進部に設けられたネジ山と螺合するネジ山を備え且つ先端に先端側の部材からの脱落防止手段を備えた円柱または円筒で基端に回転補助手段を備えている回転部からなる、請求項1に記載の注入器。
  4. 前記螺進部材は、第一螺進部と回転部の間に、前記第一螺進部に備えたネジ山と螺合するネジ山を備え且つ前記回転部に備えられたネジ山と螺合するネジ山を備え、且つ一端に他方の部材からの脱落防止手段を備えた円筒である第二螺進部を備えている、請求項2または3に記載の注入器。
  5. 前記螺進部材の第二螺進部が複数備えられている、請求項4に記載の注入器。
  6. 前記先端部回転防止部材は、先端が螺進部材と連結されており基端外面に突起を備える円筒状もしくは板状の先端側部材と、内面に前記突起と嵌合する形状で長手方向に伸びた線状の溝を備えた円筒状の基端側部材からなる、請求項1に記載の注入器。
  7. 前記先端部回転防止部材は、先端が螺進部材と連結されており基端外面に長手方向に伸びた線状の溝を備えた円筒状もしくは板状の先端側部材と、先端部内面に前記溝と嵌合する形状の突起を備えた円筒状の基端側部材からなる、請求項1に記載の注入器。
  8. 前記先端部回転防止部材は、先端側部材と基端側部材の間に、いずれかの部材に備えられた突起と嵌合する形状で長手方向に伸びた線状の溝を備え、他方の部材に備えられた線状溝と嵌合する突起を備えた円筒状または板状の中間部材を備えている、請求項6または7に記載の注入器。
  9. 前記先端部回転防止部材の中間部材が複数重なって備えられている、請求項8に記載の注入器。
  10. 前記脱落防止手段は、端部にフランジを備える構成である、請求項1乃至9のいずれかに記載の注入器。
  11. 前記ガスケットと前記先端部回転防止部材の先端が一体成形されてなる、請求項1乃至10のいずれかに記載の注入器。
  12. バレル部において、注出口がバレル部先端側より引き込んだ位置に設けられている、請求項1乃至11のいずれかに記載の注入器。
  13. バレル部とプランジャ部の係止機構を備えた、請求項1乃至12のいずれかに記載の注入器。
JP2006314051A 2006-11-21 2006-11-21 注入器 Pending JP2008125803A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006314051A JP2008125803A (ja) 2006-11-21 2006-11-21 注入器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006314051A JP2008125803A (ja) 2006-11-21 2006-11-21 注入器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008125803A true JP2008125803A (ja) 2008-06-05

Family

ID=39552229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006314051A Pending JP2008125803A (ja) 2006-11-21 2006-11-21 注入器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008125803A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010022511A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Nipro Corp 医療用コネクタ、医療用注入器及び医療用注入セット
JP2012516738A (ja) * 2009-02-05 2012-07-26 サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 薬物送達デバイス
US8657793B2 (en) 2011-09-30 2014-02-25 Becton Dickinson France, S.A.S Space saving plunger cap and rod assembly
US8801675B2 (en) 2008-02-28 2014-08-12 Becton Dickinson France, S.A.S. Syringe with adjustable two piece plunger rod
WO2017170629A1 (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 テルモ株式会社 薬液投与装置
JP2023015288A (ja) * 2015-06-04 2023-01-31 ウエスト・ファーマ.サービシーズ・イスラエル,リミテッド 薬物送達装置用カートリッジ挿入

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3223684B2 (ja) * 1993-12-31 2001-10-29 ニプロ株式会社 薬液注入器具

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3223684B2 (ja) * 1993-12-31 2001-10-29 ニプロ株式会社 薬液注入器具

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8801675B2 (en) 2008-02-28 2014-08-12 Becton Dickinson France, S.A.S. Syringe with adjustable two piece plunger rod
JP2010022511A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Nipro Corp 医療用コネクタ、医療用注入器及び医療用注入セット
JP2012516738A (ja) * 2009-02-05 2012-07-26 サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 薬物送達デバイス
US9572927B2 (en) 2009-02-05 2017-02-21 Sanofi-Aventis Deutschland Gmbh Medicament delivery devices
US8657793B2 (en) 2011-09-30 2014-02-25 Becton Dickinson France, S.A.S Space saving plunger cap and rod assembly
JP2023015288A (ja) * 2015-06-04 2023-01-31 ウエスト・ファーマ.サービシーズ・イスラエル,リミテッド 薬物送達装置用カートリッジ挿入
WO2017170629A1 (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 テルモ株式会社 薬液投与装置
US10842942B2 (en) 2016-03-30 2020-11-24 Terumo Kabushiki Kaisha Liquid medicine administration device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11724038B2 (en) Syringe assembly with inverse delivery
US10960139B2 (en) Syringe assembly having a rotatably advanceable plunger rod
JP4682850B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP5123745B2 (ja) ペースト状または半固体状の調剤を投与するための注射器
US20210283335A1 (en) Syringe Having Pivoting Arm Plunger Rod
ES2795422T3 (es) Jeringa de clip
US20120330229A1 (en) Syringe-like mixing device having a distally operable mixing element
CN102596145B (zh) 瓶间转移系统
EP1323446A2 (en) Syringe-type container for liquid medicine
JP2007185319A5 (ja)
US9119919B2 (en) Syringe having a squeeze-fit plunger rod
JP2008125803A (ja) 注入器
US20130085458A1 (en) Syringe Having Dual Pivoting Arm Plunger Rod
EP1883387A1 (de) Behälter mit hohlnadel
US8622974B2 (en) Plunger-driven feeding tube delivery device and methods
BRPI0903882B1 (pt) dispositivo para administrar um produto medicamentoso em uma cavidade corporal
JP2023052685A (ja) 混合用バイアル
EP3200855B1 (en) A syringe assembly
US8133204B1 (en) Medicament dispenser
US9833572B2 (en) Modular dual chamber syringe system
JP2004049668A (ja) プレフィルドシリンジキット
US20210386937A1 (en) Syringe for reconstituting and injecting a pharmaceutical solution
GB2530808A (en) A syringe assembly

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111027

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120426