JP2008125110A - 無線通信装置及び無線通信システム - Google Patents

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Takahiro Kobayashi
崇裕 小林
Noritaka Deguchi
典孝 出口
Keishin Egashira
慶真 江頭
Yasuhiko Tanabe
康彦 田邉
Tsuguhide Aoki
亜秀 青木
Manabu Mukai
学 向井
Tomoya Horiguchi
智哉 堀口
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Abstract

【課題】周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現する。
【解決手段】複数の無線通信装置からのホッピングパターンを示す複数のホッピングパターン情報を比較して各無線通信装置間でホッピングパターンが衝突しているか否かを示す衝突情報を生成する無線基地局からOFDM方式の信号を受信してFH方式の信号を無線基地局へ送信する無線通信装置において、推定手段15が無線基地局からの信号に基づいて伝搬路応答を推定する。選択手段16が伝搬路応答の値がある値よりも大きい複数のサブチャネルを選択する。決定手段17が複数のサブチャネルからホッピングパターンを決定する。送信手段21がホッピングパターンを示すホッピングパターン情報を無線基地局に送信する。受信手段18が無線基地局から衝突情報を受信する。修正手段17が衝突情報に基づいて決定されたホッピングパターンを修正する。
【選択図】図5

Description

本発明は、特に下り方向にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向にFH(Frequency Hopping)をTDD(Time Division Duplex)により適用する無線通信装置及び無線通信システムに関する。
一つの基地局と複数の移動局が相互に通信するシステムにおいて、複数の移動局間で一つの周波数帯域を共用する多重化方式として、周波数ホッピング多重(FH)方式がある。FH方式は、周波数帯域を複数のサブチャネルに分割し、各移動局が一定時間ごとに使用するサブチャネルを切り換え、各移動局におけるサブチャネルの使用順序を異なるようにすることで、周波数帯域の共用を実現している。
基本的な周波数ホッピング多重方式は、全サブチャネルを平等に使用する。この場合、伝搬環境のよくないサブチャネルを使用した時間は、伝送誤りの可能性が高くなってしまう。そこで、伝搬環境を推定し、伝搬環境のよくないサブチャネルの使用を避けることによって、伝送誤りを低減させる方式が提案されている。
例えば、使用サブチャネルを動的に切り換えるシステムがある。このシステムは、受信機に干渉波検出回路を備え、この検出回路が所定値以上の干渉波レベルを検出すると、システムは現在適用している自己の周波数ホッピング系列を他の系列に変更する(例えば、特許文献1参照)。すなわち、このシステムは、現在使用している周波数ホッピングパターンに干渉が存在する場合に、周波数ホッピングパターンを変更するものである。
特開2001−358615公報
しかしながら、上記した従来技術においては、現在使用している周波数ホッピングパターンと同一の周波数ホッピングパターンを使用している送信機が存在する等の理由によって干渉が存在する場合に、周波数ホッピングパターンを変更する等の制御を行うことで干渉を回避する方式では、干渉の発生自体を抑えることは困難である。
また、基地局に複数のアンテナ素子を設けて、各アンテナ素子で送信する信号にウエイトを乗じることで、送信ビームフォーミングを行い、各移動局における受信品質を向上させる方式が知られている。ウエイト計算には伝搬路状況を検出する必要があるが、移動局からの信号が周波数ホッピングとなっていて、かつ基地局から移動局への送信信号の周波数帯域が移動局からの信号よりも広帯域である場合、1度に基地局送信信号の全帯域の情報を得ることができない。一定の周波数間隔を使用するように周波数ホッピングパターンを決定すれば、全帯域の情報を得る時間を減らすことはできるが、送信されなかった周波数については補間により求める必要がある。移動体通信システムの運用環境は、複数の反射波が存在するマルチパス環境であり、特に遅延時間の大きな反射波が存在すると周波数選択性フェージングが発生し、遅延時間が大きくなれば周波数方向の変動間隔が狭くなる。そのため補完間隔を大きくすると、補間による誤差が大きくなる問題が発生する。周波数方向の変動間隔に対応するために補完間隔を小さくすると情報を得るために必要な時間が長くなる問題がある。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現することを可能にする無線通信装置及び無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の無線通信装置によれば、複数の無線通信装置からのホッピングパターンを示す複数のホッピングパターン情報を比較して各無線通信装置間でホッピングパターンが衝突しているか否かを示す衝突情報を生成する無線基地局からOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を前記無線基地局へ送信する無線通信装置において、前記無線基地局からの信号に基づいて伝搬路応答を推定する推定手段と、前記伝搬路応答の電力値あるいは信号電力対雑音電力比あるいは信号電力対雑音電力比の値がある値よりも大きい複数のサブチャネルを選択する選択手段と、前記複数のサブチャネルからホッピングパターンを決定する決定手段と、該ホッピングパターンを示すホッピングパターン情報を前記無線基地局に送信する送信手段と、前記無線基地局から前記衝突情報を受信する受信手段と、該衝突情報に基づいて決定された前記ホッピングパターンを修正する修正手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信システムによれば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する複数の無線通信装置と、該無線通信装置との間で無線通信を行う無線基地局を具備する無線通信システムにおいて、
前記無線通信装置は、前記無線基地局からの信号に基づいて伝搬路応答を推定する推定手段と、前記伝搬路応答の電力値あるいは信号電力対雑音電力比あるいは信号電力対雑音電力比の値がある値よりも大きい複数のサブチャネルを選択する選択手段と、前記複数のサブチャネルからホッピングパターンを決定する決定手段と、該ホッピングパターンを示すホッピングパターン情報を前記無線基地局に送信する送信手段を具備し、
前記無線基地局は、各無線通信装置からホッピングパターン情報を受信する受信手段と、各無線通信装置からの複数のホッピングパターン情報を比較して、各無線通信装置間でホッピングパターンが衝突しているか否かを示す衝突情報を生成する生成手段と、該衝突情報を前記各無線通信装置に送信する送信手段を具備し、
前記無線通信装置は、さらに、前記無線基地局から前記衝突情報を受信する受信手段と、該衝突情報に基づいて決定された前記ホッピングパターンを修正する修正手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信システムによれば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する複数の無線通信装置と、該無線通信装置との間で無線通信を行う無線基地局を具備する無線通信システムにおいて、
前記無線通信装置は、前記無線基地局からの信号に基づいて伝搬路応答を推定する推定手段と、前記伝搬路応答値の電力値あるいは信号電力対雑音電力比あるいは信号電力対雑音電力比がある値よりも大きい複数のサブチャネルを選択する選択手段と、これらの選択された前記複数のサブチャネルを示すサブチャネル情報を前記無線基地局に送信する送信手段を具備し、
前記無線基地局は、各無線通信装置からサブチャネル情報を受信する受信手段と、各前記サブチャネル情報に基づいて各ホッピングパターンが衝突しないように各無線通信装置のホッピングパターンを設定する設定手段と、各無線通信装置に対応するホッピングパターンを示すホッピングパターン情報を各無線通信装置に送信する送信手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信装置によれば、無線基地局からOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する無線通信装置において、使用される可能性のある複数のホッピングパターンを格納している格納手段と、受信した前記信号に基づいて各サブキャリアの受信特性を測定する測定手段と、前記受信特性から判明する使用されていない周波数を使用するホッピングパターンを前記格納手段から取得する取得手段と、取得された前記ホッピングパターンにしたがって信号を送信する送信手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信システムによれば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する複数の無線通信装置と該無線通信装置との間で無線通信を行う無線基地局を備えている無線通信システムにおいて、
前記無線通信装置は、受信した前記信号に基づいて各サブキャリアの受信特性を測定する測定手段と、測定された前記受信特性を前記無線基地局に送信する送信手段を具備し、
前記無線基地局は、各無線通信装置から前記受信特性を受信する受信手段と、使用される可能性のある複数のホッピングパターンを格納している格納手段と、前記受信特性から判明する使用されていない周波数を使用するホッピングパターンを前記格納手段から取得する取得手段と、取得された前記ホッピングパターンを示すホッピングパターン情報を対応する各前記無線通信装置宛てに送信する送信手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信装置によれば、無線基地局からOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する無線通信装置において、受信した前記信号に基づいて各サブキャリアの受信特性を測定する測定手段と、使用される可能性のある複数のホッピングパターンを格納している格納手段と、前記受信特性から判明する使用されていない周波数を使用するホッピングパターンを前記格納手段から取得する取得手段と、前記ホッピングパターンで通信を行う要求信号を他の無線通信装置に送信する送信手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信装置によれば、無線基地局からOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する無線通信装置において、他の無線通信装置が使用しているホッピングパターンを示すホッピングパターン情報を要求する要求信号を他の無線通信装置に送信する送信手段と、前記要求信号に対応するホッピングパターン情報を前記他の無線通信装置から受信する受信手段と、受信した前記信号に基づいて各サブキャリアの受信特性を測定する測定手段と、使用される可能性のある複数のホッピングパターンを格納している格納手段と、前記受信特性から判明する使用されていない周波数を使用するホッピングパターンを前記格納手段から取得する取得手段と、取得された前記ホッピングパターンと前記他の無線通信装置からのホッピングパターン情報とに基づいて、共通するホッピングパターンがある場合に該ホッピングパターンで通信を行う旨を前記他の無線通信装置に通知する通知手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信装置によれば、無線基地局からOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する無線通信装置において、前記無線基地局からの信号に基づいて、該信号に含まれる遅延波の最大遅延時間を推定する推定手段と、該最大遅延時間の逆数に比例して、サブチャネルの周波数間隔を大きくなるようにホッピングパターンを決定する決定手段と、該ホッピングパターンでデータを前記無線基地局に送信する送信手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信システムによれば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する複数の無線通信装置と、該無線通信装置との間で無線通信を行う無線基地局を具備する無線通信システムにおいて、
前記無線通信装置は、前記無線基地局からの信号に基づいて、該信号に含まれる遅延波の最大遅延時間を推定する推定手段と、該最大遅延時間の逆数に比例して、サブチャネルの周波数間隔を大きくなるようにホッピングパターンを決定する決定手段と、該ホッピングパターンでデータを前記無線基地局に送信する送信手段を具備し、
前記無線基地局は、前記無線通信装置から前記ホッピングパターンで送信された信号を受信する受信手段と、該受信された信号に基づいて伝搬路特性を推定する推定手段と、該伝搬路特性に基づいて、送信する各サブキャリア信号のウエイトを計算する計算手段と、各前記ウエイトを対応するサブキャリア信号に乗算する乗算手段を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信装置及び無線通信システムによれば、周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現することを可能にする。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る無線通信装置及び無線通信システムについて詳細に説明する。
本発明の実施形態では、図1に示したように、ある無線基地局(以下、基地局2と称する)と、基地局2のサービスエリアに配置する一般に複数の無線通信装置(以下、移動局1と称する)とが無線により通信を行っている。基地局2は主に有線で中央制御装置を介して他の基地局2に接続している。また、中央制御装置はネットワークに接続している。
基地局2から移動局1へ送信される信号、いわゆる下り信号は図2(A)に示されるような、信号が複数のサブキャリアからなる直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号である。一方、移動局1から基地局2へ送信される信号、いわゆる上り信号は下り信号と同じ信号帯域を複数に分割したサブチャネルを順次切り換えながら使用する、図2(B)に示されるような周波数ホッピング(FH:Frequency Hopping)方式の信号である。
本実施形態の無線通信システムでは、下り信号と上り信号は時間多重する。図3及び図4は下り信号及び上り信号の多重化の例を示したもので、下り信号を送信する時間と上り信号を送信する時間とが交互に配置している。図3に示した例は、各移動局においてあるひとつの上り時間ではひとつのサブチャネルを使用し、次の上り時間に別のサブチャネルにホップする低速FH方式の例である。図4に示した例は、各移動局においてあるひとつの上り時間内に複数のサブチャネルの間をホップする高速FH方式の例である。いずれのFH方式の場合でも、一度に2つ以上のサブチャネルを使用してもよい。
基地局2は下り信号として、ひとつの下り時間でひとつの移動局へのデータを送信してもよいし、複数の移動局へのデータを送信してもよい。下り信号は少なくとも周波数帯域全ての伝搬路推定用に十分な数のパイロット信号を含んでいる必要がある。図3のように全サブキャリアが既知のパイロットであるOFDMシンボルでもよいし、図4のように複数シンボルの特定のサブキャリアが既知のパイロットであるパイロットサブキャリアでも構わない。
(第1の実施形態)
本実施形態の無線通信装置(移動局1)の具体的な構成の一例を図5を参照して説明する。図5は第1の実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。
本実施形態の移動局1は、基地局2からの信号によって伝搬環境の良いサブチャネルから周波数ホッピングパターンを決定し、この周波数ホッピングパターンを使用してFH方式による送信を行う。移動局1はOFDM受信機と周波数ホッピング送信機を備えている。移動局1は、図5に示すように、アンテナ11、アンテナ共用器12、アナログ変換部13、FFT処理部14、伝搬路応答推定部15、サブチャネル選択部16、ホッピングパターン決定部17、衝突状態情報抽出部18、ホッピングパターン情報多重化部19、変調処理部20、FH送信部21、同期検波部22、誤り訂正部23、FH制御部24、アナログ変換部25を備えている。
アンテナ11は基地局2が送信したOFDM信号を受け取り、アンテナ共用器12を介してアナログ変換部13がこのOFDM信号を入力する。アナログ変換部13は、入力したOFDM信号をベースバンド信号に変換した後ディジタル信号に変換する。次に、FFT処理部14が、このディジタル信号に変換された受信信号をFFT(Fast Fourier Transform)処理によってサブキャリア成分に分離する。これらサブキャリア成分は同期検波部22に出力される。
また、FFT処理部14は、FFT処理後の信号からパイロット信号を取り出し、このパイロット信号を伝搬路応答推定部15に出力する。伝搬路応答推定部15は、パイロット信号に基づいて全ての周波数帯域についての伝搬路応答を推定する。例えば、伝搬路応答推定部15があるサブキャリアにおける伝搬路応答推定値を求める場合、そのサブキャリア近傍の複数サブキャリアのパイロットシンボル受信電力を平均して求める。あるいは複数のOFDMシンボルがパイロット信号に割り当てられている場合には、サブキャリア間で平均する代わりに、サブキャリアごとに複数のOFDMシンボルにわたった平均を取ることで伝搬路応答推定値を求める。このように複数のサブキャリアのパイロット信号あるいは複数のOFDMシンボルのパイロット信号に基づいて伝搬路応答を推定することにより、雑音などの影響を小さくして伝搬路応答を正確に求めることができる。後に伝搬路応答推定値の一例を図7を参照して説明する。
サブチャネル選択部16は、伝搬路応答推定値の電力値を各サブチャネル帯域幅で平均化し、ある一定以上の受信電力となるサブチャネルを選択する。サブチャネル選択部16は、受信電力だけでなく雑音電力や干渉電力も求めて、信号電力対雑音電力比又は信号電力対干渉電力比がある閾値以上のサブチャネルを選択してもよい。後に伝搬路応答推定値に基づいてサブチャネルを選択する様子を図7を参照して説明する。
一方、同期検波部22は、伝搬路応答推定部15から伝搬路応答推定値を使用して、FFT処理されたサブキャリア成分を入力し同期検波する。その後、誤り訂正部23が同期検波されたサブキャリアごとの信号をまとまった単位で誤り訂正を行い、受信情報を取り出す。受信情報はOFDM受信機の出力として外部に出力される。受信情報は、ユーザ情報と制御情報を含んでいる。ユーザ情報は、ユーザに提供されるための情報であり、例えば映像、音声、文字を含む情報である。制御情報は、衝突状態情報を含んでいる。衝突状態情報は、この移動局1が通信している基地局2が通信する全移動局1の周波数ホッピングパターンを比較して、サブチャネルが衝突しているか否かを調査し、その結果を示すものである。サブチャネルが衝突しているとは、同一時刻に同一の周波数帯域を異なる複数の移動局1が使用している状態を示す。この衝突状態情報によれば、移動局1が使用している周波数ホッピングパターンをどう変更すれば衝突しないで済むかがわかる。
ホッピングパターン決定部17は、サブチャネル選択部16で選択されたサブチャネルを示したサブチャネル情報と、衝突状態情報抽出部18から衝突状態情報を入力し、サブチャネル情報に示してあるサブチャネルのうち、衝突状態情報からの衝突していないサブチャネルを使用して周波数ホッピングパターンを決定する。
ホッピングパターン情報多重化部19は、送信情報とホッピングパターン決定部17で決定された周波数ホッピングパターンを入力し、周波数ホッピングパターンを示すホッピングパターン情報と送信情報を多重化する。変調処理部20は、多重化された送信情報を無線伝送に適した情報に変調する。一方、FH制御部24は、周波数ホッピングパターンにしたがってホッピング間隔ごとにサブチャネルを指定し、その旨をFH送信部21に出力する。
FH送信部21は、変調処理部20で変調された変調信号を、FH制御部24で指定されたサブチャネルの周波数信号に変換する。アナログ変換部25は、FH送信部21の出力信号を無線周波数信号に変換して、アンテナ共用器12を介してアンテナ11から基地局2宛てに無線周波数信号を送信する。
次に、本実施形態の無線基地局(基地局2)を図6を参照して説明する。図6は、第1の実施形態に係る無線基地局のブロック図である。
本実施形態の基地局2は、基地局2のサービスエリアに属している複数の移動局1からFH方式の信号を受信し、各移動局1の周波数ホッピングパターンを抽出し、各周波数ホッピングパターンを比較し衝突しているサブチャネルを検出し、衝突しているサブチャネルを各移動局1に通知する。基地局2は、図6に示すように、各移動局用に対応している複数の受信部30、衝突状態検出部34、移動局情報多重化部35、衝突状態情報多重化部36、及び、OFDM変調部37を備えている。各受信部30は、FH復調部31、ホッピングパターン情報抽出部32、及び、FH制御部33を備えている。
受信部30は、移動局1ごとに用意されていて、各移動局1から受信信号を受け取り、各受信信号から各移動局1の受信情報を取り出す。FH復調部31は受信した受信信号を復調して受信情報を得る。受信情報は対応する移動局1の周波数ホッピングパターンを含んでいる。ホッピングパターン情報抽出部32は受信情報からホッピングパターン情報を抽出する。FH制御部33は、抽出されたホッピングパターン情報を入力し、この周波数ホッピングパターンでFH復調部31が処理すべきサブチャネルを決定しFH復調部31を制御する。
また、衝突状態検出部34は、複数設置されている各受信部30からホッピングパターン情報を受け取り、各ホッピングパターン情報により全移動局の周波数ホッピングパターンを比較し、衝突しているサブチャネルが存在するか否かを検出する。衝突状態検出部34は、どの周波数ホッピングパターンのどのサブチャネルが衝突しているかを検出する。そして、衝突状態検出部34は検出した情報を衝突状態情報として出力する。後に図8を参照して、衝突状態検出部34がサブチャネルの衝突を検出する様子を説明する。
移動局情報多重化部35は各移動局1宛ての送信情報を多重化して、衝突状態情報多重化部36は多重化された送信情報と衝突状態情報を多重化して出力する。OFDM変調部37は、衝突状態情報多重化部36の出力信号をOFDM信号に変換し、無線周波数信号に変換しアンテナ(図示せず)を介して各移動局1へ送信する。基地局2は移動局1に衝突状態情報を含んだ信号を周期的に報知することが好ましい。
次に、図5に示した移動局1の伝搬路応答推定部15が推定した伝搬路応答推定値の一例と、この伝搬路応答推定値に基づいてサブチャネル選択部16がサブチャネルを選択する例を図7を参照して説明する。
伝搬路応答推定部15は、図7の上部に示したような曲線を推定する。この曲線は、サブチャネル番号で指定される複数のサブチャネル帯域に渡り受信電力値を示している。すなわち、この曲線はある周波数に対する受信電力値(伝搬路推定値を電力値に変換したもの)を示す。受信電力値は、伝搬路の振幅と位相を表す伝搬路応答推定値を電力値に変換することで求めることができる。
サブチャネル選択部16は、伝搬路応答推定値の電力値がある値よりも大きいサブチャネルを選択する。すなわち、サブチャネル選択部16はある閾値を設定してこの閾値よりも大きい伝搬路応答推定値の電力値を有するサブチャネルを選択する。この選択されたサブチャネルは、選択されなかったサブチャネルに比較して伝搬環境が良いものである。図7の例の場合は、サブチャネル選択部16はサブチャネル番号3,4,5,6,10,11,12,13,14の9つのサブチャネルを選択する。これら9つのサブチャネルをランダムに並べたものが仮の周波数ホッピングパターンとなる。図7の例ではサブチャネルはサブチャネル番号3,6,13,4,10,14,11,5,12の順にホップする周波数ホッピングパターンが選択されている。
次に、基地局2の衝突状態検出部34が検出するサブチャネルの衝突を図8を参照して説明する。図8は、基地局2が移動局Aと移動局Bからの信号を受信してホッピングパターン情報抽出部32がホッピングパターン情報を抽出して、衝突状態検出部34が衝突しているサブチャネルを検出する場合を示している。
移動局Aからの信号を受信した受信部30内のホッピングパターン情報抽出部32は、移動局Aのホッピングパターン情報として、サブチャネル番号3,6,13,4,10,14,11,5,12を抽出する。また、移動局Bからの信号を受信した受信部30内のホッピングパターン情報抽出部32は、移動局Bのホッピングパターン情報として、サブチャネル番号12,15,1,14,16,14,13,2,12を抽出する。衝突状態検出部34が、これらホッピングパターン情報抽出部32が抽出したホッピングパターン情報を比較して、サブチャネル番号14及びサブチャネル番号12が衝突していることを検出する。サブチャネル番号13も移動局A及び移動局Bも使用されているが、移動局Aがサブチャネル番号13を使用する時刻と移動局Bがサブチャネル番号13を使用する時刻が異なるので衝突しないで済む。
衝突状態情報多重化部36は、このような衝突している衝突状態を衝突状態情報として移動局に通知する。衝突状態を完全に示すためには、各サブチャネルの各使用時間における衝突回数を示す必要がある。この場合、衝突状態情報の情報量は、サブチャネル数×使用時間数分の衝突回数となる。衝突回数を4ビットで表現する場合、図8の例での衝突状態情報の情報量は16×9×4ビット=576ビットの情報量となる。衝突情報としてこのマトリクス情報を通知してもよいが、その代わりに、正確さは減少するが情報量を削減する方法として、次の2つが考えられる。
第1は各サブチャネル及び各使用時間のそれぞれの衝突回数を求めて通知するものである。必要な情報量としては、(サブチャネル数+使用時間数)×衝突回数のビット数となる。図8の例の場合、サブチャネル番号12とサブチャネル番号14が各1回で、残りのサブチャネルが0となる。この場合、衝突回数を4ビットで表現し、サブキャリア数が16とすると、(16+9)×4=100ビットの情報量となる。この場合、15回以上の衝突は15で表現することにする。
第2は連続するサブチャネルからなるサブチャネル群ごとの衝突回数と、各使用時間のそれぞれの衝突回数を通知するものである。この方法は、隣接するサブチャネルの周波数では伝搬路応答が近いため、各移動局がサブチャネルを選択する際、連続するサブチャネルを選択する可能性が高いことを利用し、衝突情報を削減する方法である。必要な情報量としては、(サブチャネル群数+使用時間数)×衝突回数のビット数となる。図8の例では、4つのサブチャネルごとをひとつの群とすると4つの群に分割している。サブチャネル群ごとに衝突回数を係数すると、群#3と群#4で各1回、群#1と群#2は0回となる。この場合、衝突回数を4ビットで表現し、サブチャネル群数が4とすると、(4+9)×4=52ビットの情報量となる。この場合も15回以上の衝突は15で表現することにする。
次に、移動局1が基地局2から衝突状態情報を取得して周波数ホッピングパターンを変更し仮の周波数ホッピングパターンから本式の周波数ホッピングパターンを得るまでの動作を図9を参照して説明する。
移動局1は、基地局2からのOFDM信号を受け取り、受信した全ての周波数帯域における伝搬路応答推定値を求め(ステップS1)、閾値よりも受信電力が大きいサブチャネルを求める(ステップS2)。また、受信信号から基地局2から各サブチャネルの衝突状態を示している衝突状態情報を取り出す(ステップS3)。
伝搬路状況のよい複数のサブチャネルのうち、衝突状態情報を参照して衝突の少ないサブチャネルから順に規定数のサブチャネルを選択し(ステップS4)、選択した複数のサブチャネルをランダムに並べ替えて仮周波数ホッピングパターンとする(ステップS5、ステップS6)。移動局1はホッピングパターン情報多重化部19で決定した仮周波数ホッピングパターンのホッピングパターン情報を多重化しホッピングパターン情報を基地局2に送信する。
基地局2は、各移動局1から仮周波数ホッピングパターンを受信した後、衝突状態情報を更新し、各移動局へ衝突状態情報を報知する。
そして移動局1は、再びステップS1同様に、基地局2からのOFDM信号を受け取り、受信した全ての周波数帯域における伝搬路応答推定値を求め(ステップS7)、閾値よりも受信電力が大きいサブチャネルを求める(ステップS8)。また、これとほぼ同時に、基地局2から各サブチャネルの衝突状態を示している衝突状態情報を取得する(ステップS9)。この衝突状態情報は仮周波数ホッピングパターンを使って基地局2が検出したものである。このように、移動局1は、仮周波数ホッピングパターンの変更を行い、次の周期の周波数ホッピングパターンとして基地局に通知する(ステップS10)。基地局及び移動局は、この周波数ホッピングパターンを次のホッピング周期から使用する。ホッピングパターン決定部17は周波数ホッピングパターンの変更を次の手順で行う。
仮周波数ホッピングパターンで使用しているサブチャネルのうち、衝突回数がある値以上か、そのサブチャネルが使用されるホッピング時間の衝突サブチャネル数がある値以上のいずれか一方あるいは両方の条件を満たすサブチャネルを選択し、サブチャネル入れ換え候補とする。入れ換え候補のサブチャネルごとに入れ換えるか否かをランダムに決定する。入れ換えが決まったサブチャネルは、使用していないサブチャネルのうち、最も伝搬路状況のよいサブチャネルと入れ換える。入れ換えの完了した後の周波数ホッピングパターンを、次のホッピング周期から使用する周波数ホッピングパターンとし、FH制御部24に入力すると共に基地局へも通知する。
衝突状態情報がサブチャネル群ごとの衝突回数である場合には、サブチャネルごとの衝突回数の比較ではなく、仮周波数ホッピングパターンに含まれるサブチャネルのそれぞれが、衝突回数がある値以上のサブチャネル群に含まれるサブチャネルであるか否かという判断となる。
複数の移動局で個別に衝突の多いサブチャネルから少ないサブチャネルに切り換えを行うことに伴う、衝突の少なかったサブチャネルへの集中を、サブチャネルの入替えにランダム性を含めることで回避している。
次に、周波数ホッピングパターンを更新する際の移動局1及び基地局2での処理の流れを図10を参照して時系列的に説明する。図10では、便宜上、下りと上りの組で1フレームと定義する。
移動局1は、周波数ホッピングパターン変更の2フレーム前のフレーム#F−2で、そのときの基地局2からの信号を受信することにより伝搬路応答推定とサブチャネル選択を行い、前回の衝突状態情報に基づいて仮周波数ホッピングパターン(N’)を決定する。その後、移動局1は同じフレームの上り信号で仮周波数ホッピングパターンを基地局2に通知する。基地局2はこの仮周波数ホッピングパターンを受信し、衝突状態情報を更新する。
基地局2はフレーム#F−1の下り信号で衝突状態情報を移動局1に報知し、移動局1がこの衝突状態情報に基づき周波数ホッピングパターンの変更を行い、この変更結果をフレーム#F−1の上り信号で基地局2に通知する。すなわち、移動局1が基地局2に変更されたホッピングパターン情報を通知する。基地局2はフレーム#F−1の上り信号で周波数ホッピングパターンを受信し更新する。この時フレーム#F−2の下りでの移動局1のように伝搬路推定をした上でサブチャネルの選択も行う。
基地局2は周波数ホッピングパターンを受信した場合に、フレーム#Fの下り信号でAck信号を移動局1に送信し周波数ホッピングパターンを受信したことを移動局1に知らせる。移動局1は、フレーム#Fの下り信号でAck信号を基地局2から受け取ることにより、フレーム#Fから更新された周波数ホッピングパターンによって基地局2との間でFH方式の通信を開始することが可能になる。もしフレーム#F−1で周波数ホッピングパターンが正しく基地局2に届かなかった場合には、移動局1は周波数ホッピングパターンを変更せず、フレーム#F以降で正常に届くまで周波数ホッピングパターンを基地局2宛てに再送する。
移動局1から基地局2へホッピングパターン情報を送信する別の手順として、前回の差分のみの周波数ホッピングパターンを送信してもよい。差分情報は、変更するサブチャネルとそのサブチャネルが使用される周波数ホッピングパターン上での順番の組からなり、変更するサブチャネル分だけ送信する。変更できるサブチャネルに上限をつけることで、ホッピングパターン情報の伝送量を削減することができる。
次に、ホッピングパターン情報を伝送する専用のサブチャネルを設ける場合を図11を参照して説明する。
上述した移動局1では、移動局1から基地局2へのホッピングパターン情報の伝送は、ホッピングパターン情報多重化部19で通常の送信情報と多重化して送信される。この場合周波数ホッピングパターン通知に使用したサブチャネルが衝突した場合、周波数ホッピングパターンが基地局2に正確に届かない可能性がある。このようにサブチャネルが衝突した場合でもホッピングパターン情報を基地局2に正確に届けるために、周波数ホッピングパターン通知用のサブチャネル群を用意する。複数の移動局1でサブチャネル群を共有できるように、上り期間を、周波数ホッピングパターンを伝送できる情報伝送量をもつ複数の期間に分割する。基地局2は分割期間を各移動局に割り当て、各移動局1はその短期間のみ専用サブチャネルで送信を行う。基地局2が各移動局1にそれぞれ専用サブチャネルを指定して、各移動局1は各移動局に専用のサブチャネルを所定の時間に使用してホッピングパターン情報を基地局2に伝送する。
以上に示した第1の実施形態によれば、移動局は、基地局からの信号によって伝搬環境の良いサブチャネルから周波数ホッピングパターンを決定し、基地局からの衝突情報により周波数ホッピングパターンを変更して、この周波数ホッピングパターンを使用してFH方式による送信を行うことができ、周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現することが可能になる。
(第2の実施形態)
本実施形態の無線通信装置(移動局1)の具体的な構成の一例を図12を参照して説明する。図12は第2の実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。
本実施形態の移動局1は、基地局2からの信号によって伝搬環境の良いサブチャネルを選択し、このサブチャネルを基地局2に伝え、基地局2が伝搬環境の良いサブチャネルから各移動局1の周波数ホッピングパターンを決定して、各移動局1がこの周波数ホッピングパターンを使用してFH方式による送信を行う。
本実施形態の移動局1は、第1の実施形態と比較して、周波数ホッピングパターンを移動局1が決めるのではなく、移動局1は基地局2からのホッピングパターン情報を受け取り、この情報が示す周波数ホッピングパターンでFH方式の通信を行うことが異なる。以下、第1の実施形態の移動局1と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。本実施形態の移動局1は、第1の実施形態の衝突状態情報抽出部18及びホッピングパターン決定部17を取り除き、代わりにホッピングパターン情報抽出部41を設ける。また、ホッピングパターン情報多重化部19の代わりにホッピングチャネル候補多重化部42を設ける。その他は第1の実施形態の移動局1と同様である。
ホッピングパターン情報抽出部41は、基地局2が各移動局1用に決定した複数の周波数ホッピングパターンのうちの自局用の周波数ホッピングパターンを示すホッピングパターン情報を受信情報から抽出する。受信情報は上述したようにユーザ情報と制御情報を含んでいて、制御情報はホッピングパターン情報を含んでいる。そして、FH制御部24は、ホッピングパターン情報抽出部41から得られる周波数ホッピングパターンにしたがってホッピング間隔ごとにサブチャネルを指定し、その旨をFH送信部21に出力する。
ホッピングチャネル候補多重化部42は、サブチャネル選択部16が選択したサブチャネル、すなわち、ある一定以上の受信電力となる複数のサブチャネルをホッピングチャネル候補としてこの候補を示すホッピングチャネル候補情報と送信情報を多重化する。送信情報は、付加情報としてホッピングチャネル候補の受信電力の大きさ又は伝搬ロスの情報を含んでいてもよい。
次に、本実施形態の無線基地局(基地局2)を図13を参照して説明する。図13は、第2の実施形態に係る無線基地局のブロック図である。
本実施形態の基地局2は、基地局2のサービスエリアに属している複数の移動局1からFH方式の信号を受信し、各移動局1のホッピングチャネル候補を抽出し、各ホッピングチャネル候補を比較し、サブチャネルが衝突しないように、各移動局1用の周波数ホッピングパターンを決定し、ホッピングパターン情報を各移動局1に通知する。
本実施形態の基地局2は、第1の実施形態と比較して、周波数ホッピングパターンを移動局1が決めるのではなく、移動局1は基地局2が決定したホッピングパターン情報を受け取り、この情報が示す周波数ホッピングパターンでFH方式の通信を行うことが異なる。以下、第1の実施形態の基地局2と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。本実施形態の基地局2は、第1の実施形態のホッピングパターン情報抽出部32を取り除き代わりにホッピングチャネル候補抽出部51を設け、第1の実施形態の衝突状態検出部34を取り除きホッピングパターン決定部52、及び上り情報属性データベース53を設ける。さらに、本実施形態の基地局2は、第1の実施形態の衝突状態情報多重化部36を取り除き代わりにホッピングパターン情報多重化部54を設ける。その他は第1の実施形態の基地局2と同様である。また、受信部50は、移動局1ごとに用意されていて各移動局1から受信信号を受け取り各受信信号から各移動局1の受信情報を受け取る。受信部50は、FH復調部31、ホッピングチャネル候補抽出部51、及びFH制御部33を備えている。
ホッピングチャネル候補抽出部51は、FH復調部31で復調した各移動局1からの受信情報からホッピングチャネル候補情報を抽出し、ホッピングパターン決定部52に送る。FH制御部33は、各移動局用に決定された周波数ホッピングパターンでFH復調部31が処理すべきサブチャネルを決め、FH復調部31を制御する。
ホッピングパターン決定部52は、移動局1からの上り信号に要求される特性などの情報を上り情報属性データベース53から取り出し、基地局2のサービスエリア内にある複数の移動局間で優先して通信すべきものから周波数ホッピングパターンを決定してゆく。ホッピングパターン決定部52は、衝突を回避しながら各移動局用の周波数ホッピングパターンを決定する。
上り情報属性データベース53は、遅延許容性、伝送ビットレート、上り信号の誤り率、ホッピングチャネル候補の端末における平均受信電力あるいは伝搬ロスを移動局1ごとに格納している。上り情報属性データベース53に格納してあるデータは、基地局2が通信する移動局1のうちで優先的に通信すべきものの順位を決定する際に参照されるものである。
ホッピングパターン情報多重化部54は、ホッピングパターン決定部52で決定されたホッピングパターン情報と移動局情報多重化部35で多重化された送信情報を多重化する。そして、OFDM変調部37が、衝突状態情報多重化部36の出力信号をOFDM信号に変換し、無線周波数信号に変換しアンテナ(図示せず)を介して各移動局1へ送信する。
上り情報属性データベース53に格納された情報に基づき決定される端末の優先順位の確定方法は複数考えられ、また運用方法にも依存するため、一意には決まらない。優先順位決定方法の例を以下に示す。音声通話やテレビ電話などのリアルタイム通信は、極力、遅延時間を小さくする必要のある遅延許容性の小さな通信である。これらの通信を優先すると伝搬路状況のよいサブチャネルを使用することで受信誤りが減り、再送による信号遅延が最小限に保たれることになる。非リアルタイム通信は最適なチャネルを使用できなくなる可能性があるが、遅延時間はそれほど問題にならないため、再送により受信誤りを低減することになる。
リアルタイム通信間、あるいは非リアルタイム通信間の優先順位は、要求される伝送ビットレートの高いものを優先して順位を高くする。この場合、伝送ビットレートの高い端末を優先することで、データ量の多い通信を早く終わらせてしまうことが可能となる。伝送ビットレートの低い端末は、変調多値数をQAMからQPSKにすることや、誤り訂正符号の冗長度を大きくすることで、最適でないサブチャネルを使用したときの誤り増加を回避する。この処理により全体の伝送効率を向上させることができる。
上記に加えて、付加情報としてホッピングチャネル候補の受信電力の大きさ又は伝搬ロスが移動局1から送信される場合には、受信電力の大きな、あるいは伝搬ロスの小さな移動局1の優先度を高くすることで、誤り率を小さくすることができる。
本実施形態では、第1の実施形態と異なり、移動局1が使用するサブチャネルの候補のみ決定し、時間的な割り当ての決定は行わない。したがって、第1の実施形態で示した図7の上部の曲線が周波数ごとの伝搬路応答の電力値とすると、予め決められた閾値を示す破線より上の受信電力を持つ周波数帯域を伝搬環境のよい部分と判定し、この例では9個のサブチャネルをホッピングチャネル候補情報とする。例えばサブチャネル総数が16個である場合、ホッピングチャネル候補情報は、16ビットの情報列で構成し、各ビットの0と1で候補か否かを示すことができる。伝送レートに余裕がある場合には、ホッピングチャネル候補情報に各サブチャネルの優先度情報を付加することも可能である。また、ホッピングチャネル候補情報の付加情報として、選択したサブチャネルの平均受信電力、又は伝搬ロスを付加することも可能である。
次に、移動局1が伝搬路解析により選択した伝搬環境が良好なサブチャネルを基地局2が受け取り、衝突がないように各移動局1用の周波数ホッピングパターンを決定する流れを図14を参照して説明する。
移動局1は、基地局2からのOFDM信号を受け取り、受信した全ての周波数帯域における伝搬路応答推定値を求め、閾値よりも受信電力が大きいサブチャネルを選択する。基地局2は、各移動局1から各移動局1が選択した伝搬環境の比較的良いサブチャネルを受信する(ステップS11)。次に、全ての移動局1について周波数ホッピングパターンが決定されたか否かが判定される(ステップS12)。基地局は接続している移動機すべてを把握しており、各移動機のパターンを順次決定していくため、全ての移動局について決定されたかどうか判断できる。全ての移動局1について周波数ホッピングパターンが決定された場合はステップS13に進み、一方、全ての移動局1について周波数ホッピングパターンが決定されていない場合はステップS14に進む。ステップS13では全ての周波数ホッピングパターンが決定されたとして周波数ホッピングパターンの決定を終了する。
ステップS14では、移動局用ごとにサブチャネルをランダムに並び替えて周波数ホッピングパターンを決定する。この場合、優先順位の高い移動局1の周波数ホッピングパターンから決定する。まず、最優先の移動局Aから通知されたホッピングチャネル候補から既定数のサブチャネルを選択し、それらをランダムに並べ、移動局A用周波数ホッピングパターンとする。次の優先順位の移動局Bも同様に処理して周波数ホッピングパターンを決定する。そして、周波数ホッピングパターンを決定する際に、以前に決定した優先順位の高い移動局用の周波数ホッピングパターンとサブチャネルが衝突しているか否かを判定する(ステップS15)。基地局は割り当て済みのサブチャネルとその使用順序を把握しており、それを表にして保持している。ある移動機用にステップS14で仮決定したサブチャネルと使用順序をその表と照らし合わせて衝突しているかどうかを判断する。
サブチャネルが衝突していると判定された場合は、衝突したサブチャネルのみ使用しなかったホッピングチャネル候補と入れ換える(ステップS17)。例えば移動局B用の周波数ホッピングパターンを決定している際に移動局Aの周波数ホッピングパターン中のサブチャネルと移動局B用の周波数ホッピングパターン中のサブチャネルとが衝突した場合、衝突した移動局B用のサブチャネルを、使用しなかった移動局Bのホッピングチャネル候補のいずれかと入れ換える。その後、再びステップS15に戻る。なお、いずれに変えても衝突が発生する場合、最初に選択したサブチャネルの中からひとつ選択する。この場合、同じサブチャネルを2回使用することになる。
サブチャネルが衝突していないと判定された場合は、ステップS14で並び替えた周波数ホッピングパターンを正式に決定し、ステップS12に戻る。ただし、ステップS15での衝突の有無は、それまで割り当てた全ての周波数ホッピングパターンを対象とする。また、ホッピングチャネル候補に優先度情報が付加されている場合には、優先度の高いサブチャネルから順に既定数のサブチャネルを選択する。
次に、周波数ホッピングパターンを更新する際の移動局1及び基地局2での処理の流れを図15を参照して時系列的に説明する。図15では、便宜上、下りと上りの組で1フレームと定義する。
移動局1は、周波数ホッピングパターン変更の2フレーム前のフレーム#F−2で、そのときの基地局2からの信号を受信することにより伝搬路応答推定とホッピングチャネル候補選択を行う。その後、同じフレーム#F−2の上り信号でホッピングチャネル候補情報を基地局2に通知する。基地局2はホッピングチャネル候補から周波数ホッピングパターンを決定し、フレーム#F−1の下り信号で周波数ホッピングパターンを移動局1に通知する。移動局1はフレーム#F−1の下りで周波数ホッピングパターンを受信し記憶し、その後、フレーム#F−1の上りで周波数ホッピングパターンを正常に受信した旨の受信確認応答信号を基地局に通知する。基地局2は、移動局1から確認応答信号を受信し、周波数ホッピングパターンを更新する。次のフレーム#Fの上り信号から決定された周波数ホッピングパターンを使用して送信を継続する。
もしフレーム#F−2でホッピングチャネル候補が正しく基地局に届かなかった場合、フレーム#F−1で基地局から端末に再送要求を送り、端末は再度ホッピングチャネル候補を送る。また、もしフレーム#F−1で周波数ホッピングパターンが正しく端末に届かなかった場合には、端末が正常に受信を完了するまで周波数ホッピングパターンを変更せず、基地局は周波数ホッピングパターンが正常に届くまでホッピングパターン情報を再送する。
以上に示した第2の実施形態によれば、移動局1は、基地局2からの信号によって伝搬環境の良いサブチャネルを選択し、このサブチャネルを基地局2に伝え、基地局2が伝搬環境の良いサブチャネルから各移動局1の周波数ホッピングパターンを決定して、各移動局1がこの周波数ホッピングパターンを使用してFH方式による送信を行うことができ、周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現することが可能になる。
(第3の実施形態)
本実施形態の無線通信装置(移動局1)の具体的な構成の一例を図16を参照して説明する。図16は第3の実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。
本実施形態の移動局1は、他の移動局1が使用している周波数ホッピングパターンを検出することによって、この周波数ホッピングパターンで使用されているサブチャネル以外のサブチャネルを使用して周波数ホッピングパターンを決定する。
本実施形態の移動局1は、第1の実施形態のように基地局2が周波数ホッピングパターンの衝突状態を検出するのではなく、移動局1が他の移動局1の周波数ホッピングパターンを検出することにより、空いているサブチャネルを見つけ出し、この空いているサブチャネルに周波数ホッピングパターンを割り当てることが異なる。以下、第1の実施形態の移動局1と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。本実施形態の移動局1は、第1の実施形態のサブチャネル選択部16を取り除き、代わりに電力測定部61を設ける。また、衝突状態情報抽出部18を取り除き、ホッピングパターン記憶部62を設ける。その他は図5に示した第1の実施形態の移動局1と同様である。
電力測定部61は、FFT処理部14より入力するディジタルデータを基にして、各サブキャリアの受信特性を測定する。なお、各サブキャリアの受信特性としては受信信号電力が好適であるが、これ以外であっても問題はない。電力測定部61は、入力された各サブキャリアの受信特性を基にして、他の移動局が使用している周波数ホッピングパターンを検出する。
ホッピングパターン記憶部62は、移動局1が所在するサービスエリアを管理している基地局2やこの無線通信システムに対応して予め定まっている複数の周波数ホッピングパターンを記憶している。
ホッピングパターン決定部17は、ホッピングパターン記憶部62に記憶されている周波数ホッピングパターンと電力測定部61で受信信号電力が測定されたサブキャリアを参照して、ホッピングパターン記憶部62に記憶されている周波数ホッピングパターンのうちのどの周波数ホッピングパターンが使用されているかを判定する。そして、ホッピングパターン記憶部62に記憶されている周波数ホッピングパターンのうちの使用されていないと判定された周波数ホッピングパターンを1つ選択し、この周波数ホッピングパターンを移動局1が使用する周波数ホッピングパターンとして決定する。このように、移動局1は入力された各サブキャリアの受信特性を基にして、他の移動局が使用している周波数ホッピングパターンを検出することで、検出された周波数ホッピングパターン以外を選択することが可能となる。
次に、移動局1が送信を開始してから送信終了までの動作を図17及び図18を参照して説明する。ここで、基地局2から移動局1に信号を送信することが可能な期間をTd、移動局1から基地局2に送信することが可能な期間をTuとする。基地局2の送信期間から移動局1の送信期間へ遷移する時間、逆に移動局1の送信期間から基地局2の送信期間へ遷移する時間をガードタイムとしている。TuとTdの長さは異なっていてもよいし、動的に変更することも可能である。
移動局1は送信を開始する際に、この送信開始タイミングが送信可能期間Tu内であるか否かを確認する(ステップS21)。送信開始タイミングが送信可能期間Tu内で無い場合は再びステップS21に戻りTu内になるまで待機する。一方、送信開始タイミングが送信可能期間Tu内である場合はステップS22に進む。そして、Tu内であることが確認されると、実際は送信すべきタイミングであるが、アンテナ共用器12、アナログ変換部13、FFT処理部14、電力測定部61等のOFDM受信機部分を動作させ、他の移動局が送信する無線信号を受信する(ステップS22)。
電力測定部61が受信された各サブキャリアのディジタルデータにより、各サブキャリアの受信特性を測定する(ステップS23)。電力測定部61が受信特性を測定したサブキャリアの信頼性が十分であるか否かが判定される(ステップS24)。信頼性が十分であると判定された場合はステップS25に進み、一方、信頼性が十分でないと判定された場合はステップS21に戻る。このように、電力測定部61が十分な信頼性を有する受信特性が得るまで、Tu期間内である限り繰り返し受信特性を測定する。この判定は、例えば、受信信号電力の大きさで判定される。図21を参照して後述するように、連続N(Nは自然数)回の測定にいずれの場合でもある閾値よりも受信信号電力が低い場合にこのサブチャネルは十分な信頼性をもって使用されていないと判定される。
次に、ホッピングパターン決定部17が、ホッピングパターン記憶部62に記憶されている周波数ホッピングパターンのうち、他の移動局1に使用されていない周波数ホッピングパターンを選択し、この選択された周波数ホッピングパターンを、使用する周波数ホッピングパターンとして決定する(ステップS25)。そして、再び移動局1は、再びこの送信開始タイミングが送信可能期間Tu内であるか否かを確認する(ステップS26)。送信開始タイミングが送信可能期間Tu内で無い場合は再びステップS26に戻りTu内になるまで待機する。一方、送信開始タイミングが送信可能期間Tu内である場合はステップS27に進む。そして、ステップS25で決定された周波数ホッピングパターンを使用して送信処理を開始する(ステップS27)。送信処理が終了したか否かが判定され(ステップS28)、送信処理が終了していないと判定された場合ステップS26に戻り、送信処理が終了したと判定された場合は送信を終了したとして送信動作を終了する。
これにより、移動局1は他の移動局1が使用している周波数ホッピングパターンを検出し、検出された周波数ホッピングパターン以外の周波数ホッピングパターンを選択することで、他移動局との干渉を回避することが可能となる。
続いて、図18を参照してステップS27の送信処理中の移動局1の動作を説明する。
まず、移動局1は送信を開始する際に、この送信開始タイミングが送信可能期間Tu内であるか否かを確認する(ステップS271。図17のステップS26と同じ)。送信開始タイミングが送信可能期間Tu内で無い場合は再びステップS271に戻りTu内になるまで待機する。一方、送信開始タイミングが送信可能期間Tu内である場合はステップS272に進む。送信データが有るか否かを判定し(ステップS272)、送信データが有る場合はステップS274に進み、送信データが無い場合はステップS273に進む。ステップS274では、送信データを基地局2にステップS25で決定した周波数ホッピングパターンで送信する送信処理を行う。ステップS273では、所定の周期が経過しているか否かが判定され、経過している場合はステップS275に進み、経過していない場合はステップS279に進む。ステップS279(図17のステップS28と同じ)では、送信処理が終了したか否かが判定され、送信処理が終了していないと判定された場合ステップS271に戻り、送信処理が終了したと判定された場合は送信を終了したとして送信動作を終了する。
一方、ステップS275では、アンテナ共用器12、アナログ変換部13、FFT処理部14、電力測定部61等のOFDM受信機部分を動作させ、他の移動局が送信する無線信号を受信する(ステップS275)。電力測定部61が受信された各サブキャリアのディジタルデータにより、各サブキャリアの受信特性を測定する(ステップS276)。この際、ステップS24のように測定された受信特性が十分な信頼性を有するまでTu期間内である限り繰り返し測定する。ステップS25で決定された周波数ホッピングパターンのサブチャネルを他の移動局1が使用しているか否かが判定される(ステップS277)。すなわち、ステップS25の周波数ホッピングパターンと干渉している他の移動局1が有るか否かが判定される。干渉があると判定された場合はステップS278に進み、干渉がないと判定された場合はステップS279に進む。ステップS278ではホッピングパターン記憶部62を参照して他の移動局が使用していない周波数ホッピングパターンに変更する。
これにより、移動局は他の移動局が使用している周波数ホッピングパターンを検出し、検出された周波数ホッピングパターン以外を選択することで、他移動局との干渉を回避することが可能となる。なお、図18に示す動作例は例えば図19に示すように、本実施形態の無線通信システムをセルラー方式として適用し、かつ隣接する基地局2において同一の周波数を適用する場合に好適である。具体的には、送信処理中に他の移動局1が送信する無線信号の周波数ホッピングパターンを検出することで、互いに異なる基地局2に属する移動局間の干渉、すなわち隣接セル間干渉を防ぐことが可能となる。
次に、ホッピングパターン決定部17が周波数ホッピングパターンを決定する具体的な動作の一例を図20及び図21を参照して説明する。図20は本実施形態の無線通信システムに適用される周波数ホッピングパターンの一例である。この周波数ホッピングパターンの例は、説明を簡明にするために、ホッピングキャリア数を4、ホッピング周期を4としている。図20に示した周波数ホッピングパターンは、ホッピングパターン記憶部62に格納されている。
図20によれば、一例として、周波数ホッピングパターンAは、タイミング1にてサブキャリア1、タイミング2にてサブキャリア2、タイミング3にてサブキャリア4、タイミング4にてサブキャリア3が割り当てられている。他に図20には周波数ホッピングパターンB、周波数ホッピングパターンC、周波数ホッピングパターンDが示してある。
図21は、図20に示す周波数ホッピングパターン例における、移動局1の電力測定部61が測定した電力測定結果の一例を示している。なお、電力測定結果に対しては、2つの判定閾値Th1及びTh2が適用されておりTh1>Th2とする。この場合、各サブキャリアの受信電力が判定閾値Th1を超える場合、他の移動局がこのタイミングにおけるサブキャリアが割り当てられている周波数ホッピングパターンを使用していると判定され、各サブキャリアの受信電力が判定閾値Th2を下回る場合、他の移動局がこのタイミングにおけるサブキャリアが割り当てられている周波数ホッピングパターンを使用していないと判定される。なお、判定閾値の数は2つに限定されるものではなく、判定閾値の数が3つ以上でも構わない。また、判定閾値の数を1つにしてもよいが、判定閾値の数が多い方がより細やかな判定が可能になる。
図21の例では、(A)タイミング1(T1)においては、サブキャリア2(f2)が判定閾値Th1を超え、サブキャリア4(f4)が判定閾値Th2を下回ると判定されている。(B)タイミング2(T2)においては、サブキャリア3(f3)及びサブキャリア4(f4)が判定閾値Th1を超え、サブキャリア1(f1)及びサブキャリア2(f2)が判定閾値Th2を下回ると判定されている。(C)タイミング3(T3)においては、サブキャリア1(f1)が判定閾値Th1を超え、サブキャリア3(f3)及びサブキャリア4(f4)が判定閾値Th2を下回ると判定されている。(D)タイミング4(T4)においては、サブキャリア1(f1)及びサブキャリア4(f4)が判定閾値Th1を超え、サブキャリア2(f2)及びサブキャリア3(f3)が判定閾値Th2を下回ると判定されている。
図17のステップS23において図21の電力測定結果が得られた場合、この電力測定結果より、他の移動局が使用していない周波数ホッピングパターンを検出することが主目的となる。この場合、前述の判定閾値Th2を下回ると判定された結果に注目することが望ましい。図21の例では、ホッピングパターン記憶部62に記憶されている図20のテーブルを参照すると、ホッピング周期内において周波数ホッピングパターンAは3回、周波数ホッピングパターンB及び周波数ホッピングパターンCは0回、周波数ホッピングパターンDは4回全て判定閾値Th2を下回っている。これにより移動局は周波数ホッピングパターンとしてDを選択すればよいことになる。また、電力測定結果において連続N回判定閾値Th2を下回る周波数ホッピングパターンが存在する場合には、十分信頼性があると判断して、その時点にて周波数ホッピングパターンを選択してもよい。図21の例で例えば、N=2とした場合、タイミング1、タイミング2にて周波数ホッピングパターンDが連続して判定閾値Th2を下回っているため、移動局は周波数ホッピングパターンとしてDを選択すればよい。
また、図18のステップS276において図21の電力測定結果が得られた場合、この電力測定結果より、測定時点において自己の移動局1が使用している周波数ホッピングパターンを他の移動局1が使用しているか否かを検出することが主目的となる。この場合、前述の判定閾値Th1を越えると判定された結果に注目することが望ましい。図21の例では、ホッピング周期内において周波数ホッピングパターンA及び周波数ホッピングパターンDは0回、周波数ホッピングパターンBは4回、周波数ホッピングパターンCは2回判定閾値Th1を越えている。これにより移動局1がこの時点において周波数ホッピングパターンとしてB又はCを使用している場合には、周波数ホッピングパターンには干渉が存在すると判定することになる。また、この時点において使用している周波数ホッピングパターンにおいて、電力測定結果が連続N回判定閾値Th1を越える周波数ホッピングパターンが存在する場合には、十分信頼性があると判断して、その時点にて干渉が存在すると判定してもよい。図21の例で例えばN=2とした場合、タイミング1及びタイミング2にて周波数ホッピングパターンBが連続して判定閾値Th1を越えているため、これにより移動局は周波数ホッピングパターンとしてBを使用している場合には干渉が存在すると判定する。なお、干渉が存在すると判定された場合には、上述したようにTh2を下回る電力測定結果に注目する方法にて、新たな周波数ホッピングパターンを選択することが望ましい。
以上に示した第3の実施形態によれば、他の移動局1が使用している周波数ホッピングパターンを検出することにより、検出された周波数ホッピングパターン以外を選択することを可能とし、結果的に干渉の発生を抑えることを可能とし、周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現することが可能になる。また、本発明の無線通信システムは、一度の受信処理により上述の制御を実現可能であり、極めて簡易な構成及び動作にて上述の効果が得られるものである。
(第4の実施形態)
本実施形態の無線通信システムは、第3の実施形態において他の移動局が使用している周波数ホッピングパターンを移動局が検出しこれにより自己の移動局が自己の周波数ホッピングパターンを選択するのとは異なり、移動局が検出した電力測定結果を基地局に対して通知し、基地局が通知された電力測定結果を基にして移動局の周波数ホッピングパターンを決定して移動局に通知するものである。
本実施形態の移動局1は、図16でのホッピングパターン決定部17及びホッピングパターン記憶部62が不要である。ホッピングパターン情報多重化部19は、周波数ホッピングパターンと送信情報を多重化するのではなく、移動局1が測定した電力測定結果と送信情報を多重化してFH送信部21がこの多重化情報信号を基地局に送信する。その他の移動局1の構成は第3の実施形態の移動局1と同様である。
この場合、基地局2は、ホッピングパターン決定部17及びホッピングパターン記憶部62を備えている。基地局2は、移動局1から電力測定結果を受け取り、ホッピングパターン記憶部62を参照してホッピングパターン決定部17で周波数ホッピングパターンを決定する。
次に、本実施形態の移動局1及び基地局2の動作を図22を参照して説明する。図22は、移動局1と基地局2の間の動作のシーケンス図である。
移動局は、送信開始時及び送信処理中に他の移動局の周波数ホッピングパターンを検出し(ステップS31)、検出結果を基地局に通知する(ステップS32)。この時通知する内容としては、測定した受信電力、希望する周波数ホッピングパターン、及び自己が使用している周波数ホッピングパターンにおける干渉の有無等である。通知を受けた基地局は通知内容に従い、移動局に適用する周波数ホッピングパターンを選択し(ステップS33)、選択した周波数ホッピングパターンを移動局に通知する(ステップS34)。なお、移動局に適する周波数ホッピングパターンが存在しない場合にはその旨を通知してもよい。通知を受けた移動局は、周波数ホッピングパターンが割り当てられた場合には、Tu期間内にて基地局にデータ送信を行う(ステップS35)。また、周波数ホッピングパターンが割り当てられなかった場合には、上述した同様の手順を繰り返し、所定回数繰り返しても周波数ホッピングパターンが割り当てられない場合には、通信待ち状態となる。
以上に示した第4の実施形態によれば、移動局に割り当てられる周波数ホッピングパターンを基地局にて一括管理するため、移動局では検出することができない他の移動局に適用されている周波数ホッピングパターンを考慮することが可能となり、より効率的な周波数ホッピングパターン制御を行うことが可能となる。したがって、第4の実施形態によれば、周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現することが可能になる。
(第5の実施形態)
本実施形態の無線通信システムは、第3の実施形態及び第4の実施形態において移動局及び基地局間の無線通信を対象としてのとは異なり、近隣の移動局同士が直接無線通信を行う局所通信の制御に対しても適用するものである。具体的には、例えば図23に示すように、近隣の移動局1同士が、通常移動局から基地局への無線通信に適用される無線チャネルを用いて直接無線通信を行うことを示している。
本実施形態の移動局1は、図16に示した第4の実施形態の移動局1と同様の構成である。また、図23の各移動局1は、第3の実施形態で説明した図17の送信開始動作及び図18の送信動作を行う。図17及び図18に示したフロー図のステップS25でのHPの決定及びステップS278でのHPの変更の際では他の移動局で検出した周波数ホッピングパターンを参照して周波数ホッピングパターンを決定する。
次に、本実施形態の移動局1と他の2つの移動局の動作を図24を参照して説明する。図24は、本実施形態の移動局1と他の2つの移動局の間の動作のシーケンス図である。
局所通信を希望する移動局(移動局1)は、この時点において他の移動局が使用している周波数ホッピングパターンを検出し(ステップS41)、検出結果よりこの局所通信に適用することが可能な周波数ホッピングパターンを選択し、選択した周波数ホッピングパターンを含む局所通信要求を対象となる移動局に対して要求する(ステップS42)。この局所通信要求信号を送信する際に、移動局(移動局1)は、検出結果も同時に送信してもよい。この場合、局所通信要求信号を受けた移動局はこの検出結果も参照して他の移動局が使用している周波数ホッピングパターンを検出する。
要求を受けた移動局(移動局2及び移動局3)は、この時点において他の移動局が使用している周波数ホッピングパターンを検出し、移動局(移動局1)より通知された周波数ホッピングパターンを適用することが可能であるか否かを判定する(ステップS43、ステップS44)。さらに、判定した結果、すなわち局所通信が可能であるか否かを局所通信応答に含めて移動局(移動局1)に通知する(ステップS45、ステップS46)。
応答を受けた移動局(移動局1)は、局所通信が可能である移動局が存在する場合には、通知した周波数ホッピングパターンによりTu期間内にて局所通信を行う(ステップS47)。また、全ての移動局において局所通信が不可能であった場合には、上述と同様の手順を繰り返し、所定回数繰り返しても局所通信が可能とならない場合には、局所通信の実行を中止する。
次に、図24に示した本実施形態の移動局1と他の2つの移動局の動作の変形例を図25を参照して説明する。図25は、本実施形態の変形例での移動局1と他の2つの移動局の間の動作のシーケンス図である。
図25に示した変形例は、図24に示した例とは、他の移動局(移動局2及び移動局3)から局所通信応答を受けた後に、移動局(移動局1)が周波数ホッピングパターンを検出することのみが異なる。すなわち、図24では周波数ホッピングパターンを検出した(ステップS41)後に他の移動局(移動局2及び移動局3)に局所通信要求を行う(ステップS42)が、図25の変形例では周波数ホッピングパターンを検出する前に、他の移動局(移動局2及び移動局3)に局所通信要求を行い(ステップS51)、各移動局から局所通信応答を受けた(ステップS54及びステップS55)後で周波数ホッピングパターンの検出を行う(ステップS56)。図24のステップS43、ステップS44、ステップS45、及びステップS46はそれぞれ、図25のステップS52、ステップS53、ステップS54、及びステップS55とほぼ同様であるが、ステップS52及びステップS53では、移動局(移動局1)の検出結果を受け取っていないので移動局(移動局1)の検出結果を利用することはできない。
局所通信を希望する移動局は、対象となる移動局に対して局所通信要求を通知する。要求を受けた移動局は、当該時点において他の移動局が使用している周波数ホッピングパターンを検出し、検出結果より当該局所通信に適用することが可能な周波数ホッピングパターンを選択し、選択結果を含む局所通信応答を前記移動局に対して通知する。
移動局(移動局1)は、ステップS54及びステップS55によって他の移動局(移動局2及び移動局3)が使用している周波数ホッピングパターンを検出する。この検出結果より局所通信に適用することが可能な周波数ホッピングパターンを選択し、選択した結果と、ステップS54及びステップS55の局所通信応答に含まれる周波数ホッピングパターンとを比較する。一致する周波数ホッピングパターンが存在する場合には、周波数ホッピングパターンを局所通信の対象となる移動局に対して通知し(ステップS57)、前記周波数ホッピングパターンによりTu期間内にて局所通信を行う(ステップS58)。
以上に示した第5の実施形態によれば、局所通信を行う場合に、対象となる移動局全てにおいて他の移動局からの干渉を受けることのない周波数ホッピングパターンを適用することが可能となり、結果として、より信頼性の高い局所通信を行うことが可能となる。したがって、第5の実施形態によれば、周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現することが可能になる。
(第6の実施形態)
本実施形態の無線通信装置(移動局1)の具体的な構成の一例を図26を参照して説明する。図26は第6の実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。
本実施形態の移動局1は、第1の実施形態のように移動局1が他の移動局1の周波数ホッピングパターンを検出するのではなく、受信したOFDM信号の遅延波の最大遅延時間を推定して、この最大遅延時間に基づいて周波数ホッピングパターンを決定することが異なる。以下、第3の実施形態の移動局1と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。本実施形態の移動局1は、第3の実施形態の電力測定部61を取り除き代わりに最大遅延推定部71を設ける。また、ホッピングパターン記憶部62を取り除く。その他は図16に示した第3の実施形態の移動局1と同様である。
最大遅延推定部71は、ベースバンド信号のOFDM信号を基にして、伝搬路特性の最大遅延時間を推定し、ホッピングパターン決定部17に出力する。
ホッピングパターン決定部17は、最大遅延推定部71で推定された伝搬路特性の最大遅延時間の逆数よりもホッピング周波数間隔の狭い周波数ホッピングパターンを選択し、ホッピングパターン情報多重化部19及びFH制御部24に出力する。
ホッピングパターン情報多重化部19は、送信情報とホッピングパターン決定部17で決定された周波数ホッピングパターンを入力し、周波数ホッピングパターンを示すホッピングパターン情報と送信情報を多重化する。しかし、ホッピングパターン情報を基地局2に送信する必要が無い場合は、多重化する必要はない。
次に、最大遅延推定部71の具体的な一例を図27(A)及び図27(B)を参照して説明する。
最大遅延推定部71は、図27(A)に示したように、相関検出部711、パイロット生成部712、及び判定部713からなる。パイロット生成部712は、基地局2からの信号のフォーマットに含まれる既知信号の送信時における時間波形を生成する。相関検出部711は、基地局2からの受信信号の時間波形と、パイロット生成部712で生成された既知信号の時間波形との相関電力を求める。相関検出部711の出力信号は、例えば、図27(B)に示したような信号である。判定部713は閾値以上の電力を持つものを遅延信号と判定し、最も大きな電力を持つ遅延信号(図27(B)の最大電力波)を受信したタイミングから最も遅い遅延信号(図27(B)の最大遅延波)を受信したタイミングの時間差を最大遅延時間として出力する。なお、図27では閾値として最大電力からのx[dB]低い値としているが、絶対値で規定しても構わない。
次に、ホッピングパターン決定部17が最大遅延時間に基づいて決定した周波数ホッピングパターンの具体的な一例を図28(A)及び図28(B)を参照して説明する。図28(A)は最大遅延時間が比較的小さい場合の図であり、図28(B)は最大遅延時間が比較的大きい場合の図である。
遅延時間差のある同一信号が複数到来する環境下では、周波数選択性フェージングが発生する。周波数選択性フェージングは、信号が占める周波数帯域内で、周波数に依存して信号の受信電力強度が変動することを示す。具体的には、例えば、図28(A)及び図28(B)に示すように、周波数軸上では受信信号のレベルが周波数によって異なるように観測される。最大遅延時間が小さいほど、周波数上の受信信号のレベルの落ち込み間隔が大きくなる。例えば、図28(B)での最大遅延時間よりも図28(A)での遅延時間の方が小さいので、周波数軸上の受信信号のレベルの落ち込み間隔は図28(B)よりも図28(A)の方が大きくなる。
したがって、図28(A)に示すように周波数軸上の変動がある程度小さい場合には、移動局1のFH信号の送信に使用する周波数間隔をある程度以上小さくしても基地局2で推定される伝搬路特性は隣接するFH信号間でほとんど変わらない。逆に、図28(B)に示すように周波数軸上の変動がある程度大きい場合において、基地局2で推定される伝搬路特性を隣接するFH信号間で近い値にするためには、移動局1の送信に使用する周波数間隔を変動に応じて小さくする必要がある。すなわち、遅延波の最大遅延時間の大きさに応じて、隣接するFH信号の伝搬路特性が大きく変動しない程度に、移動局1が送信するFH信号間の周波数間隔の大きさを大きくとるように制御する。
このことを利用し、本実施形態の移動局1では最大遅延時間の逆数に比例するように、移動局1の使用する周波数のホッピング間隔を制御することで、伝搬環境に応じた最小限の時間で基地局2側が使用している全周波数領域の伝搬環境を推定できるようになる。
次に、本実施形態の基地局2の具体的な一例を図29を参照して説明する。
図29に示した基地局2は、移動局1から信号を受信し、ビームフォーミング機能を実装した構成例である。ビームフォーミングはウエイト乗算部109によって指向性パターンを制御することにより実現する。この基地局2は4つのアンテナ素子101、各アンテナ素子101に対応して4つ設置されているアンテナ共用器102、受信部、及び送信部から構成されている。受信部は、受信機103、伝搬路特性推定部104、ウエイト計算部105から構成されていて、いずれもアンテナ素子101に対応して4つ配置されている。送信部は、送信情報生成部106、シリアル−パラレル(SP)変換部107、コピー部108、ウエイト乗算部109、逆高速フーリエ変換(IFFT)部110、及び、送信機111から構成されている。ウエイト乗算部109、逆高速フーリエ変換(IFFT)部110、及び、送信機111はそれぞれアンテナ素子101に対応して4つ配置されている。
各受信機103は、各アンテナ素子101で受信されたFH信号を、各アンテナ共用器102を介してそれぞれ受信しダウンコンバートして、各ベースバンド信号を各伝搬路特性推定部104にそれぞれ出力する。各伝搬路特性推定部104は、各受信機103からの各ベースバンド信号からパイロット信号を抽出し、このパイロット信号を基にして各アンテナ素子101におけるサブキャリア毎の伝搬路特性を推定し、この各伝搬路特性ベクトルの推定値を各ウエイト計算部105にそれぞれ出力する。各ウエイト計算部105は、各伝搬路特性ベクトルの推定値を基に各アンテナ素子101におけるサブキャリア毎の送信ウエイト(送信ウエイトベクトル)を計算し、対応するウエイト乗算部109に送信ウエイトベクトルを出力する。送信ウエイトの一例として、各アンテナ素子の伝搬路特性ベクトルの複素共役を用いる手法があげられる。このようなウエイトを用いることによって、送信電力に対する受信電力を最大にすることができる。なお、本実施形態において、ウエイト計算法はこの複素共役演算を行う方法に限定されるものではなく、他のウエイト計算法を用いてもよい。
SP変換部107は、送信情報生成部106で生成された送信データをシリアル−パラレル変換し、シリアルーパラレル変換された送信データであるサブキャリア信号をコピー部108に出力する。コピー部108は、入力したサブキャリア信号を複製し、複製したサブキャリア信号を各ウエイト演算部109に出力する。ここで、コピー部108から出力されるそれぞれのサブキャリア信号は、コピー部108が入力されたサブキャリア信号と同一の信号である。各ウエイト乗算部109は、対応するウエイト計算部105で計算された送信ウエイトベクトルをサブキャリア信号にそれぞれ乗じ、サブキャリア信号を出力する。各逆高速フーリエ変換部110は、サブキャリア信号を入力し、サブキャリア信号を逆フーリエ変換し、OFDM信号を出力する。その後、各送信機111はOFDM信号を無線周波数帯の信号に変換し、対応するアンテナ共用器102を介して対応するアンテナ101から送信する。
次に、伝搬路特性推定部104の具体的な構成の一例を図30を参照して説明する。
伝搬路特性推定部104は、図30に示すように、パイロット信号抽出部1041、推定演算部1042、及び、伝搬路特性補間部1043から構成される。パイロット信号抽出部1041は、受信機103が受信したFH信号をベースバンドに変換した信号から受信パイロット信号を抽出し、推定演算部1042に出力する。推定演算部1042は、受信パイロット信号を基に、FH信号が伝送された周波数の伝搬路特性を推定する。伝搬路特性補間部1043は、推定演算部1042で推定した伝搬路特性ベクトルに補間処理を適用することで、推定演算部1042で推定しなかった周波数の伝搬路特性を計算し、全サブキャリアの伝搬路特性ベクトルの推定値を出力する。
伝搬路特性推定部104が伝搬路特性を推定した具体的な一例を図31を参照して説明する。
図31の例では、基地局2が3つのFH信号を受信し、これらのFH信号がそれぞれOFDM信号のサブキャリア番号1、4、7の伝送周波数で送信されたとする。ここで、番号が小さいほど低い周波数で伝送されるとする。k番目のサブキャリアが伝送される周波数の伝搬路特性の推定値をH[k]、k番目のサブキャリアと同じ周波数で伝送されたFH信号のパイロット信号の送信波形と受信波形のフーリエ変換をそれぞれX[k]、Y[k]とする。このとき、伝搬路特性ベクトルHは、H=[H[1],H[4],H[7]]=[Y[1]/X[1],Y[4]/X[4],Y[7]/X[7]]で計算される。なお、伝搬路特性推定法は上式における方法に限定されるものではなく、他の伝搬路特性推定法を用いて推定してもよい。
伝搬路特性補間部1043は、H[1]、H[4]、H[7]に基づいて、伝搬路特性H[2]、H[3]、H[5]、H[6]を線形補間により求める。すなわち、伝搬路特性補間部1043は、H[1]及びH[4]で定まる直線からH[2]及びH[3]を補間によって求め、同様に、H[4]及びH[7]で定まる直線からH[2]及びH[3]を補間によって求める。なお、ここでは線形補間を使用したが、線形補間以外の方法で伝搬路特性を補間してもよい。
このように第6の実施形態によれば、移動局1と、ビームフォーミング機能を備えた基地局2で構成されるシステムでは、移動局側で最大伝搬遅延時間に応じてホッピングする帯域を適切に間引きし、基地局側では推定した伝搬路を補間することにより、全サブキャリアの伝搬路特性を推定するため、上りのFH信号をサブキャリアの存在する全帯域にホッピングすることなく下りのビームフォーミングに用いるウエイトを決定することができる。また、伝搬路の最大遅延時間の逆数より狭いホッピング周波数間隔を持つ周波数ホッピングパターンを用いることで、補間による伝搬路の推定誤差を小さくすることができる。
次に、図30とは異なる、伝搬路特性推定部104の変形例を図32を参照して説明する。また、図32の伝搬路特性推定部104を採用した場合のウエイト乗算部109を図33を参照して説明する。
図32の伝搬路特性推定部104は、パイロット信号抽出部1041と推定演算部1042から構成される。図30で示した伝搬路特性推定部104と異なる点は、伝搬路特性の補間を行わず、受信したFH信号が伝送された周波数の伝搬路特性のみを計算する点である。すなわち、図30の伝搬路特性推定部104から伝搬路特性補間部1043を取り去ったものが図32の伝搬路特性推定部104である。
基地局2内の各ウエイト乗算部109は、図33に示すように、ウエイト記憶部1091、グルーピング部1092、グルーピング部1092でグルーピング(グループ分け)されたグループ数と同数のウエイト乗算器1093、及び、グルーピング解除部1094から構成される。ウエイト記憶部1091は対応するウエイト計算部105で計算された送信ウエイトベクトルを保持し、送信ウエイトベクトルの各成分を対応するウエイト乗算器1093に出力する。グルーピング部1092はサブキャリア信号を送信ウエイトベクトルの要素数Mと同じ数のグループ(グループ番号#1、#2、・・・、#M)に分割し、それぞれのグループに対応するウエイト乗算器1093に出力する。各ウエイト乗算器1093は、入力した信号列に同じウエイト値を乗じ、その出力信号をグルーピング解除部1094に出力する。グルーピング解除部1094はグループに分割された信号のグループ化を解除し、サブキャリア信号を出力する。
図33に示したように、例えば、送信ウエイトベクトルωがω=[ω1,ω2,・・・,ωM]である場合、グルーピング部1092はサブキャリア信号をグループ番号#1からグループ番号#MまでのM個のグループにグルーピングする。そして、グループ番号#1のサブキャリア信号を入力するウエイト乗算器1093は、ウエイトω1を入力してグループ番号#1のサブキャリア信号にウエイトω1を乗じる。乗じたサブキャリア信号はグルーピング解除部1094に入力される。同様にグループ番号#2からグループ番号#Mまでのサブキャリア信号を処理する。
次に、図33に示したグルーピング部1092が複数のサブキャリア信号をグループ分けした一例を示す。この例ではグループ分けは下記の3つの条件の下に行われている。
1.各グループにFH信号が伝送された周波数に存在するサブキャリアが一つだけ入る。
2.同じグループに属するサブキャリア信号の番号は連続となる。
3.全てのサブキャリア信号がいずれかのグループに属する。
このように、図32の伝搬路特性推定部104及び図33のウエイト乗算部109を適用した基地局2では、移動局側でホッピングする帯域を間引きし、基地局2側のウエイト計算部では全てのサブキャリアについて伝搬路特性を推定する必要がない状態で下りのビームフォーミングに用いるウエイトを計算する。したがって、本実施形態の無線通信システムによれば、上りのFH信号をサブキャリアの存在する全帯域にホッピングすることなく下りのビームフォーミングに用いるウエイトを決定することができる。また、同じグループに属するサブキャリアには同じ値のウエイトを乗じるため、ウエイト計算部では全てのサブキャリアについてウエイトを計算する必要がなくなり、ウエイト算出の計算量を減らすことができる。さらに、伝搬路の最大遅延時間の逆数より狭いホッピング周波数間隔を持つ周波数ホッピングパターンを用いることで、グループによるウエイトの計算誤差を小さくできる。この結果、第6の実施形態によれば、周波数ホッピング多重方式で適切な通信状態を実現することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態が適用される基地局及び移動局を示す図。 (A)は下り信号のOFDM方式の信号を示す図、(B)は上り信号のFH方式の信号を示す図。 低速FH方式の例を示す図。 高速FH方式の例を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置のブロック図。 本発明の第1の実施形態に係る無線基地局のブロック図。 図5の伝搬路応答推定部によって得られた伝搬路応答と図5のサブチャネル選択部が選択したサブチャネルの例を示す図。 図5の衝突状態情報抽出部が検出した周波数ホッピングパターン衝突の例を示す図。 移動局が衝突状態情報に基づいて周波数ホッピングパターンを決定するまでのフロー図。 第1の実施形態の周波数ホッピングパターンを更新するための基地局と移動局のシーケンス図。 ホッピングパターン情報を伝送する専用のサブチャネルを設ける一例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置のブロック図。 本発明の第2の実施形態に係る無線基地局のブロック図。 基地局が衝突状態に基づいて周波数ホッピングパターンを決定するまでのフロー図。 第2の実施形態の周波数ホッピングパターンを更新するための基地局と移動局のシーケンス図。 本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置のブロック図。 図16の無線通信装置が送信を開始してから送信を終了するまでのフロー図。 図17の送信処理中のフロー図。 本発明の第3の実施形態を適用する好適な例を示す図。 本発明の第3の実施形態の無線通信システムに適用される周波数ホッピングパターンの一例を示す図。 (A)はタイミングT1での判定例を示す図、(B)はタイミングT2での判定例を示す図、(C)はタイミングT3での判定例を示す図、(D)はタイミングT4での判定例を示す図。 本発明の第4の実施形態の無線通信装置と無線基地局との間の動作のシーケンス図。 本発明の第5の実施形態における無線通信装置と無線基地局の代表的な構成例を示す図。 本発明の第5の実施形態の無線通信装置と無線基地局との間の動作のシーケンス図。 図24の別例のシーケンス図。 本発明の第6の実施形態に係る無線通信装置のブロック図。 (A)は図26の最大遅延推定部のブロック図、(B)は(A)が最大遅延時間を決定する一例を示す図。 (A)は遅延波の最大延長時間が小さい場合の周波数ホッピングパターンを示す図、(B)は遅延波の最大延長時間が大きい場合の周波数ホッピングパターンを示す図。 本発明の第6の実施形態に係る無線基地局のブロック図。 図29の伝搬路特性推定部のブロック図。 図30の伝搬路特性推定部が補間した伝搬路特性を示す図。 図29の伝搬路特性推定部の図30とは別例のブロック図。 図29のウエイト乗算部のブロック図。 図33のウエイト乗算部によるサブキャリアのグルーピングの一例を示す図。
符号の説明
1・・・移動局、2・・・基地局、11・・・アンテナ、12・・・アンテナ共用器、13・・・アナログ変換部、14・・・FFT処理部、15・・・伝搬路応答推定部、16・・・サブチャネル選択部、17・・・ホッピングパターン決定部、18・・・衝突状態情報抽出部、19・・・ホッピングパターン情報多重化部、20・・・変調処理部、21・・・FH送信部、22・・・同期検波部、23・・・誤り訂正部、24・・・FH制御部、25・・・アナログ変換部、30・・・受信部、31・・・FH復調部、32・・・ホッピングパターン情報抽出部、33・・・FH制御部、34・・・衝突状態検出部、35・・・移動局情報多重化部、36・・・衝突状態情報多重化部、37・・・OFDM変調部、41・・・ホッピングパターン情報抽出部、42・・・ホッピングチャネル候補多重化部、50・・・受信部、51・・・ホッピングチャネル候補抽出部、52・・・ホッピングパターン決定部、53・・・上り情報属性データベース、54・・・ホッピングパターン情報多重化部、61・・・電力測定部、62・・・ホッピングパターン記憶部、71・・・最大遅延推定部、101・・・アンテナ、101・・・アンテナ素子、102・・・アンテナ共用器、103・・・受信機、104・・・伝搬路特性推定部、105・・・ウエイト計算部、106・・・送信情報生成部、107・・・SP変換部、108・・・コピー部、109・・・ウエイト乗算部、110・・・逆高速フーリエ変換部、111・・・送信機、711・・・相関検出部、712・・・パイロット生成部、713・・・判定部、1041・・・パイロット信号抽出部、1042・・・推定演算部、1043・・・伝搬路特性補間部、1091・・・ウエイト記憶部、1092・・・グルーピング部、1093・・・ウエイト乗算器、1094・・・グルーピング解除部

Claims (5)

  1. 無線基地局からOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する無線通信装置において、
    前記無線基地局からの信号に基づいて、該信号に含まれる遅延波の最大遅延時間を推定する推定手段と、
    該最大遅延時間の逆数に比例して、サブチャネルの周波数間隔を大きくなるようにホッピングパターンを決定する決定手段と、
    該ホッピングパターンでデータを前記無線基地局に送信する送信手段を具備することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記推定手段は、
    無線基地局からの信号に含まれる既知信号の時間波形を生成する生成手段と、
    前記無線基地局からの受信信号の時間波形と前記既知信号の時間波形との相関電力値を検出する検出手段と、
    相関電力値がある値以上の波動である遅延波が最大値を示した時刻から遅延波が最も遅く発生した時刻までの期間を測定する測定手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の信号を受信してFH(Frequency Hopping)方式の信号を送信する複数の無線通信装置と、該無線通信装置との間で無線通信を行う無線基地局を具備する無線通信システムにおいて、
    前記無線通信装置は、
    前記無線基地局からの信号に基づいて、該信号に含まれる遅延波の最大遅延時間を推定する推定手段と、
    該最大遅延時間の逆数に比例して、サブチャネルの周波数間隔を大きくなるようにホッピングパターンを決定する決定手段と、
    該ホッピングパターンでデータを前記無線基地局に送信する送信手段を具備し、
    前記無線基地局は、
    前記無線通信装置から前記ホッピングパターンで送信された信号を受信する受信手段と、
    該受信された信号に基づいて伝搬路特性を推定する推定手段と、
    該伝搬路特性に基づいて、送信する各サブキャリア信号のウエイトを計算する計算手段と、
    各前記ウエイトを対応するサブキャリア信号に乗算する乗算手段を具備することを特徴とする無線通信システム。
  4. 前記推定手段は、
    前記受信された信号に対応する周波数の伝搬路特性を推定する推定手段と、
    推定されていない周波数の伝搬路特性を推定された複数の前記伝搬路特性から補間によって求める補間手段を具備することを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 前記乗算手段は、
    計算された前記ウエイトの数のグループ数にサブキャリア信号をグループ化するグループ化手段と、
    グループ化された各前記サブキャリア信号と対応する前記ウエイトとを乗算する複数の乗算器と、
    各乗算器から出力された複数の信号のグループ化を解除する解除手段を具備することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の無線通信システム。
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