JP2008122498A - 表示パネルの駆動回路、表示装置および画素回路の駆動方法 - Google Patents

表示パネルの駆動回路、表示装置および画素回路の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電源線の配線抵抗に起因する画面の輝度ムラ(シェーディング)を抑制して表示部の大型化、高精細化および低消費電力化を図る。
【解決手段】電流駆動の電気光学素子(有機発光ダイオードOLED(i,j))を各々が含む画素回路3(i,j)がマトリクス状に配置されている表示パネル2内で同一行に属する画素回路群に接続する第1電源線と第2電源線の一方(例えば電源線32(i))の電位を駆動レベル(ハイレベルVDDV2)と非駆動レベル(ローレベルVSSV2)に交互に切り替えて駆動する駆動部(第2スキャナ42)と、ハイレベルVDDV2と同じ電圧を供給する駆動電圧供給線47と、電源線32(i)に対し、第2スキャナ42が接続される側と反対側に接続され、当該電源線32(i)の第2スキャナ42による電位変化に応答して、当該電源線32(i)を電圧供給線47と接続し又は非接続にするスイッチ48(i)と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、電流によって駆動される電気光学素子を各々に含む画素回路がマトリクス状に配置されている表示パネルの駆動回路、表示装置、ならびに、画素回路の駆動方法に関する。
電流駆動により画素を駆動する表示装置(ディスプレイ)としては、赤(R),緑(G),青(B)のLED部品を集積化している画素ユニットをマトリクス状に配置して、主に屋外ディスプレイに用いられるもの(以下、単に「LEDディスプレイ」という)の他に、いわゆる有機ELディスプレイが知られている。
有機ELディスプレイは、複数の画素回路をマトリクス状に配置する表示部と、その駆動部とを、1枚の基板に半導体プロセス技術を用いてTFT(thin film transistor)により形成した表示パネルを有する。あるいは、表示パネルの駆動回路はフレキシブル基板により提供され、両者の電気的接続を行う。
有機ELディスプレイの画素回路は様々なものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
主なものでは4トランジスタ(4T)・1キャパシタ(1C)型や4T・2C型(上記特許文献1)、5T・1C型や3T・1C型(上記特許文献2)などが知られている。
これらは何れもTFTの特性バラツキに起因する画質低下を防止するものであり、画素回路内部で駆動電流を一定に制御し、これによって画面全体のユニフォミティを向上させることを目的とする。とくに画素回路内で有機LEDを電源に接続するときに、入力する映像信号の画素データに応じて電流量を制御する駆動トランジスタの特性バラツキが、直接的に有機LEDの発光輝度に影響を与える。このため、駆動トランジスタの特性、すなわち閾値電圧の補正を行う必要がある。さらには、閾値電圧補正を前提として、駆動トランジスタの電流駆動能力から閾値バラツキ起因成分等を減じた駆動能力成分(一般には、移動度と称されている)を補正すると、より一層高いユニフォミティが得られる。
このような補正機能を画素回路ごとに持たせると、一般には、画素回路内のトランジスタ数やキャパシタ数が増加する。また、より高い補正精度にするには、さらに画素回路の素子数が増える傾向にある。
ところで、駆動部の構成も種々知られている。
前述した特許文献1および2に開示されているように、表示部はアクティブマトリックス駆動され、駆動部として、表示部の水平辺(画面の横方向)に沿って配置される水平駆動回路(Hスキャナ)と、垂直辺(画面の縦方向)に沿って配置される垂直駆動回路(Vスキャナ)とを備える有機ELディスプレイが一般的である。
ところが、特許文献1や2に開示されている画素回路は、発光時間の終点制御等の目的で設けられ、有機LEDの駆動電流経路の遮断を制御するためだけにトランジスタを有することから、その分、画素回路の面積が大きい。
電流遮断制御のトランジスタを画素回路から削除するためには、電源線をハイレベルとローレベルで電位変化させる、電源供給のAC駆動を行うとよい。
AC駆動のためには、スキャナが電源供給のAC駆動のために必要となる。ただし、電流遮断制御のトランジスタを画素回路ごとに有する上記特許文献1や2のディスプレイにおいても、電流遮断制御のトランジスタをオンまたはオフさせるスキャナが必要であるため、スキャナ数は変わらない。
よって、この電源供給のAC駆動の技術は、画素回路の内のトランジスタを減らし表示部の画素集積度を上げて高精細化しても、駆動部の回路規模は増大しないという利点がある。
特表2002−514320号公報 特開2005−345722号公報
LEDディスプレイや有機ELディスプレイ等の電流駆動型の表示装置は、他のタイプの表示装置と同様に大画面化、高精細化の要求が強い。特に有機ELディスプレイは、上述したTFTに起因するトランジスタ特性バラツキ、有機(LED)薄膜の特性低下によって大画面化、高精細化が困難とされてきたが、近年、画素回路改良や有機薄膜の膜質改善が進み、テレビジョン受像やビデオ再生に適した大画面化および高精細化への期待が高まっている。
前述した電源供給をAC駆動する画素回路は、トランジスタ数の削減により、この期待に応えるものであるが、その一方で、以下の欠点がある。
表示画面が大きくなり、あるいは高精細化すると、スキャナによりAC駆動する電源線の負荷が大きくなり、とくに配線抵抗により画素回路に印加する電源電圧の電圧降下が顕著になる。駆動回路が表示部のTFTと同じプロセスで同一基板に形成されている有機ELディスプレイの場合、その基板の多層配線構造内に電源線が形成される。また、有機ELディスプレイは電流駆動のため、配線抵抗が大きいと、その影響が電源電圧の電圧降下に顕著に現れる。この電源電圧の電圧降下を抑制するには、大画面化、高精細化の進展とともに電源線の配線抵抗を下げる必要があるが、基板に形成される多層配線構造では、その対策がとりにくい。
電源供給のAC駆動のためのスキャナを、Vスキャナの一つとして例えば表示部の水平方向の一方側に1つ配置すると、当該スキャナから距離が遠くなる表示部の他方端側ほど上記電源電圧の電圧降下が著しい。
なお、電源駆動以外の他のスキャナは、一般的に、映像信号(画素データ)のサンプリングや補正等のために画素回路内に設けられているMOSトランジスタの絶縁ゲートに接続されるため、駆動電流が余り流れない。つまり、上記電圧降下の不利益は、AC駆動される電源線に特有である。
この電源線の電圧降下が著しいと、スキャナに近い側と遠い側で、徐々に有機LED(画素)の輝度差が変化する。これはユニフォミティ低下現象の一種であり、一般に、シェーディングと称される画質低下の原因となる。
図1(A)および図1(B)はシェーディングの説明図である。
図1(A)に映像信号が持つ輝度を、表示配列に合わせて模式的に示す。また、図1(B)に、表示映像の画素の輝度を示す。ここで白抜きは輝度が高く、斜線は輝度が低いことを表している。
図1(B)に示すように、水平方向のアドレスrの画素カラムがスキャナに最も近い画素カラムであり、水平方向のアドレスlの画素カラムがスキャナに最も遠い。これらの2つの画素カラムは、表示前の映像信号の輝度差でみると差がない場合であっても(図1(A))、実際にパネルに表示させると、図1(B)に示すように、スキャナまでの距離が異なると輝度差が明確に生じる(シェーディング)。
このシェーディングは、電流駆動の電気光学素子を自発光させるディスプレイの大画面化、高精細化の進展を阻害している。
対策として、電源線のAC駆動を行うVスキャナを表示部の水平方向(横方向)両側に、合計2つ設けることも考えられる。
しかし、この対策を実施した場合、ガラス基板上にポリシリコンTFTを用いてVスキャナを形成するとパネルサイズが増大する。とくにVスキャナは表示部の周囲に設けられ映像表示に寄与しない部分であるため、この映像表示に寄与しない部分の割合が増えると、表示画面周囲の枠部分が小さいデザインが可能な表示パネルの実現が困難になる。
また、電流駆動能力が高いVスキャナが2つ設けられると、表示部周辺の回路での消費電力が増大する。
さらに、Vスキャナを動作させる映像信号を入力する端子は、信号遅延抑制のために可能な限りVスキャナの近くに配置する必要があるが、2つのVスキャナが表示部の水平方向の両側に互いに離れているため、それぞれに映像入力の端子を設け、これにより端子数が増加する。
本発明が解決しようとする課題は、電源線の配線抵抗に起因する画面の輝度ムラ(シェーディング)を抑制して表示部の大型化、高精細化および低消費電力化が可能な表示装置を提供することである。
本発明に係る表示パネルの駆動回路は、電流によって駆動される電気光学素子を各々が含む画素回路がマトリクス状に配置されている表示パネルの駆動回路であって、前記表示パネル内で同一行に属する画素回路群に接続する第1電源線と第2電源線の一方電位を駆動レベルと非駆動レベルに交互に切り替えて、前記電気光学素子に流す電流をAC駆動する駆動部と、前記駆動レベルと同じ電圧を供給する駆動電圧供給線と、前記AC駆動される駆動対象の電源線に対し、前記駆動部が接続される側と反対側に接続され、当該駆動対象の電源線の前記駆動部による電位変化に応答して、当該駆動対象の電源線を前記駆動電圧供給線と接続し又は非接続にするスイッチと、を有する。
本発明では好適に、前記スイッチは、前記AC駆動される前記駆動対象の電源線が前記駆動レベルにあるとき、当該駆動対象の電源線を前記駆動電圧供給線に電気的に接続する。
スイッチがPチャネル型の電界効果トランジスタの場合、入力に前記駆動対象の電源線が接続され、出力によって前記電界効果トランジスタのゲートを制御するインバータを有することが望ましい。
この場合、さらに望ましくは、前記インバータの出力と前記電界効果トランジスタのゲートとの間に、前記駆動対象の電源線の電位変化より早く前記電界効果トランジスタのゲートの制御論理を確定する論理回路が接続されている。
本発明では好適に、前記駆動対象の電源線と前記インバータの入力との間に、前記駆動対象の電源線の電圧を前記駆動部から出力される電源電圧に近づける電圧補償回路が接続されている。
本発明に係る表示装置は、第1電源線および第2電源線の電位差により発生する電流によって駆動される電気光学素子を各々が含む複数の画素回路を行表示の単位として有する表示部と、前記第1電源線と前記第2電源線の一方電位を駆動レベルと非駆動レベルに交互に切り替えてAC駆動する駆動部と、前記駆動レベルと同じレベルの電圧を供給する駆動電圧供給線と、前記表示部に対し前記駆動部と反対の側に配置され、前記AC駆動される駆動対象の電源線と前記駆動電圧供給線との間に接続され、当該駆動対象の電源線の前記駆動部による電位変化に応答してオンとオフが制御されるスイッチと、を有する。
本発明に係る画素回路の駆動方法は、共通の電源線に並列に接続され、各々が電気光学素子を含む複数の画素回路を、前記電源線の印加電圧により電流駆動する画素回路の駆動方法であって、前記電源線の一方端側で印加電圧を駆動レベルと非駆動レベルに交互に切り替えるAC駆動のステップと、前記電源線の他方端側で、前記AC駆動される前記電源線の電位変化に応答して、前記駆動レベルの電圧供給をオンまたはオフする電圧補償のステップと、を有する。
以上の構成によれば、ある画素行を駆動する際に、駆動対象の画素回路群が接続されている駆動対象の電源線(第1電源線または第2電源線)の駆動部による電位変化に応答して、スイッチがオンする。スイッチは、駆動対象の電源線の駆動部と反対側の端部に設けられ、これがオンすると当該電源線が、駆動レベルと同じ電圧を供給する駆動電圧供給線に電気的に接続される。このため、何も対策されない場合はシェーディングが生じるような配線抵抗や寄生容量などの負荷が大きな電源線であっても、その負荷の表示画面に対する影響が防止または軽減される。
本発明によれば、いわゆるシェーディングと呼ばれる画面の輝度ムラを抑制して表示部の大型化、高精細化および低消費電力な表示パネルの駆動回路、表示装置、および、画素回路の駆動方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態を、有機発光ダイオード(有機LED)を電気光学素子として画素回路ごとに含む有機ELディスプレイを例として図面を参照して説明する。なお、本発明は有機ELディスプレイに限らず、たとえば個別部品のLEDを実装して画素ユニットを構成したLEDディスプレイ等、電流駆動の電気光学素子を画素回路に含む表示装置に広く適用できる。
図2に、実施形態に関わる有機ELディスプレイの主要な構成を示す。
図解する有機ELディスプレイ1は、複数の画素回路(PIX.C.)3がマトリクス状に配置されている表示部2と、表示部2を動作する各種回路を含む周辺回路部とを有する。図2には、周辺回路部内の垂直駆動回路(Vスキャナ)4が示されている。
なお、図2に示す画素回路の符号「3(i,j)」は、当該画素回路が垂直方向(縦方向)のアドレスiと、水平方向(横方向)のアドレスjを持つことを意味する。これらのアドレスiとjは共に1以上の整数をとる。このアドレス表記は、以後の説明や図面において画素回路の素子、信号や信号線ならびに電圧等についても同様に適用する。
後述するように画素回路3(i,j)の構成に応じて、Vスキャナ4が走査して電圧供給すべき画素回路の制御ノード数は異なる。ここでは一例として、画素回路の制御ノード数は4であり、それに対応してVスキャナ4は4つのスキャナ、すなわち第1スキャナ(V.SCAN.1)41、第2スキャナ(V.SCAN.2)42、第3スキャナ(V.SCAN.3)43、および、第4スキャナ(V.SCAN.4)44を含む。
第1スキャナ41は、第1スキャン信号VSCAN1(1),VSCAN1(2),VSCAN1(3),…(以下、VSCAN1(i)と表記)を、例えばこの順で表示部2に供給する。同様に、第2スキャナ42は、第2スキャン信号VSCAN2(1),VSCAN2(2),VSCAN2(3),…(以下、VSCAN2(i)と表記)を、例えばこの順で表示部2に供給する。また、第3スキャナ43は、第3スキャン信号VSCAN3(1),VSCAN3(2),VSCAN3(3),…(以下、VSCAN3(i)と表記)を、例えばこの順で表示部2に供給する。
垂直アドレスi=1を持ち第1行に配列されている複数の画素回路3(1,j)に、第1スキャン信号VSCAN1(1)が第1スキャナ41から並列に入力され、第2スキャン信号VSCAN2(1)が第2スキャナ42から並列に入力され、第3スキャン信号VSCAN3(1)が第3スキャナ43から並列に入力され、第4スキャン信号VSCAN4(1)が第4スキャナ44から並列に入力されることが可能に、4本の走査線が接続されている。
このことは第2行の画素回路3(2,j)に入力される4本の走査線、さらには、第3行の画素回路3(3,j)に入力される4本の走査線についても同様である。
第1列の画素回路3(i,1)は、その各信号入力ノードが第1信号線SIG(1)に共通接続されている。同様に、第2列の画素回路3(i,2)は、その各信号入力ノードが第2信号線SIG(2)に共通接続され、第3列の画素回路3(i,3)は、その各信号入力ノードが第3信号線SIG(3)に共通接続されている。
これらの信号線SIG(1),SIG(2),SIG(3),…(以下、信号入力線SIG(j)という)に対し、表示行(表示ラインともいう)を単位として一斉に映像信号が排出される線順次駆動、あるいは、同一行の信号入力線SIG(j)に順次、映像信号が排出される点順次駆動があるが、本実施形態では、そのどの駆動法でもよい。
なお、カラー表示の場合、赤(R),緑(G),青(B)ごとに画素回路が割り当てられ、その3色を1組として駆動を行う。
図3(A)と図3(B)に、概略的な画素回路の構成と、2つのAC駆動方法を示す。
図解する第i行,第j列の画素回路3(i,j)は、電気光学素子としての有機発光ダイオードOLED(i,j)、NMOSトランジスタからなるトランジスタTr1、PMOSトランジスタからなるトランジスタTr3、および、補正部31(i,j)を有する。
有機発光ダイオードOLED(i,j)は、特に図示しないが、例えば、透明ガラス等からなる基板の上に、透明導電層などからなる第1電極(アノード電極)、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を順次堆積させて有機膜を構成する積層体を形成し、この積層体の上に第2電極(カソード電極)を形成した構造を有する。アノード電極が正側の第1電源に接続され、カソード電極が負側の第2電源に接続される。これらの電極間に所定のバイアス電圧を印加すると、注入された電子と正孔が発光層において再結合する際に自発光する。有機発光ダイオードOLEDは、有機膜を構成する有機材料を適宜選択することで赤(R),緑(G),青(B)の各色での発光が可能であることから、この有機材料を、例えば各行の画素にR,G,Bの発光が可能に配列することで、カラー表示が可能となる。
図3(A)および図3(B)において、有機発光ダイオードOLED(i,j)のカソードが第2電源電圧VSS1に接続されている。
トランジスタTr3は、有機発光ダイオードOLED(i,j)のアノードと第1電源電圧VDD1との間に接続されている。トランジスタTr3は、第1電源電圧VDD1と第2電源電圧VSS1との電位差に応じて流れる駆動電流量を制御することから、以下、“駆動トランジスタ”と称する。
駆動トランジスタTr3の特性、特に閾値電圧Vtは、有機発光ダイオードOLED(i,j)の駆動電流量に直接的に影響し、この閾値電圧Vtがばらつくと、有機発光ダイオードOLED(i,j)の発光輝度もばらつく。また、さらに発光輝度の均一性を上げるには、いわゆる移動度μと呼ばれているデバイス特性のバラツキも抑制する必要がある。
補正部31(i,j)は、これらのバラツキ補正のために設けられ、本実施形態で、その構成は任意である。
補正部31(i,j)はトランジスタTr1のソースとドレインの一方と、駆動トランジスタTr3のゲートとの間に接続されている。ただし、図解する、この接続は一般的に示すもので、より正確には、有機発光ダイオードOLED(i,j)のアノードと駆動トランジスタTr3のゲート間等に接続される素子(キャパシタやトランジスタ等)が、この補正部31(i,j)に含まれる。なお、後述する画素回路例で、補正部の具体的構成を述べる。
トランジスタTr1のソースとドレインのもう片方は、信号入力線SIG(j)に接続されている。信号入力線SIG(j)に、不図示のHスキャナ等からデータ電圧Vsig(j)が印加される。トランジスタTr1は、このデータ電圧印加期間の適正なタイミングで、当該画素回路で表示すべきレベルのデータをサンプリングする。これは、データ電圧Vsig(j)を有効レベルとするデータパルスの先頭または後部における、レベルが不安定な遷移期間の表示映像に与える影響を排除するためである。
また、トランジスタTr1は、補正部31(i,j)内の、例えばオフセットレベル(初期レベル)を取り込むトランジスタと兼用されることがある。その場合、信号入力線SIG(j)に、このオフセットレベルとデータ電圧Vsig(j)を交互に印加する必要があり、その役目は不図示のHスキャナが担う。
図3(A)では、第1電源電圧VDD1をAC駆動する。駆動トランジスタTr3のソースに、第1電源電圧VDD1として2値変化する第2スキャン信号(以下、電源スキャン信号という)VSCAN2(i)が印加される。この信号は、図2の第2スキャナ42から第1行の画素回路3(1,j)に並列に供給され、図3(A)に示すように、第2電源電圧VSS1と同等なローレベルVSSV2と、それより十分高いハイレベルVDDV2との何れかを持つ。電源スキャン信号VSCAN2(i)がハイレベルVDDV2を持つとき、有機発光ダイオードOLED(i,j)が発光可能である。このためVDDV2が駆動レベル、VSSV2が非駆動レベルである。
図3(B)では、第2電源電圧VSS1をAC駆動する。有機発光ダイオードOLED(i,j)のカソードに、第2電源電圧VSS1として2値変化するVSCAN2(i)が印加される。この信号は、図3(B)に示すように、図3(A)の電源パルスを反転した信号として、図2の第2スキャナ42から第1行の画素回路3(1,j)に並列に供給される。よって、駆動レベルと非駆動レベルの関係が、上記図3(A)の場合と逆になる。この場合、有機発光ダイオードOLED(i,j)のカソード電位を引き下げることで、当該LEDが発光可能である。
ここで駆動トランジスタTr3を通して供給される駆動電流は、駆動トランジスタTr3のゲート−ソース間電圧Vgsに依存して、その電流量が制御される。ゲート電位が上がるとゲート−ソース間電圧Vgsが小さくなって駆動トランジスタTr3の駆動電流量が減少する。逆に、ゲート電位が下がるとゲート−ソース間電圧Vgsが大きくなって駆動トランジスタTr3の駆動電流量が増加する。
概略的な動作を、閾値電圧Vt補正を行う場合で説明すると、以下の如くである。
駆動トランジスタTr3のゲートには、信号入力線SIG(j)からのデータ電圧Vsig(j)がサンプリング・トランジスタTr1でサンプリングされた後、補正部31(i,j)を通って印加される。
より詳しくは、サンプリングの前に、補正部31(i,j)内の保持キャパシタ(不図示)によって、駆動トランジスタTr3のゲート電位が、その閾値電圧Vtのレベルで保持され、その状態のゲートにサンプリング後のデータ電圧Vsig(j)が加わるため、ゲート電位は“Vt+Vsig(j)”となって保持される。このときのデータ電圧Vsig(j)の大きさに応じて駆動トランジスタTr3がオンする。閾値電圧Vtが大きくオンし難い駆動トランジスタTr3の場合は“Vt+Vsig(j)”も大きい、逆に、閾値電圧Vtが小さくオンし易い駆動トランジスタTr3の場合は“Vt+Vsig(j)”も小さい。よって駆動電流から閾値電圧Vtのバラツキの影響が排除され、データ電圧Vsig(j)が一定ならば、駆動電流も一定となる。
この一定な電流値に駆動されて有機発光ダイオードOLED(i,j)が発光する。
図3(A)および図3(B)に示すAC駆動パルス波形における期間Tは、有機発光ダイオードOLED(i,j)に電流を流さない非駆動期間を規定するものであるが、この期間Tの間に補正部31(i,j)により補正動作の大部分が行われる。また、期間Tの前エッジは、その前の動作サイクルにおける有機発光ダイオードOLED(i,j)の発光時間の終点を制御する。期間Tの長さは、この補正と発光時間制御という2つの観点から決められる。
なお、トランジスタTr1をPMOSトランジスタ、駆動トランジスタTr3をNMOSトランジスタとすることもできる。
また、個別部品のLEDを発光させるLEDディスプレイでは、製品として駆動トランジスタTr3のバラツキが保証されている場合、補正部31(i,j)を省略可能である。
図4は、第1行の画素回路3(1,j)を片側からAC電源駆動する際の不都合を説明するための図である。
表示部2は図3(A)に示す画素回路3(i,j)がマトリクス状に配置されている。表示部2の水平方向(横方向)の一方側に、電源線32(i)をAC駆動する第2スキャナ42が配置されている。ここで図4では、第2スキャナ42に最も近い第r列の画素回路3(i,r)と、第2スキャナ42から最も遠い第l列の画素回路3(i,l)のみ示す。
第2スキャナ42は、画素回路の行ごとに、第1電源電圧VDD1の電源線32(i)をAC駆動する駆動ユニット42A(i)を備える。駆動ユニット42A(i)は、その出力段にインバータINV1(バッファでも可)を有する。インバータINV1は、ハイレベルVDDV2の電源線とローレベルVSSV2の電源線との間に縦続接続されているPMOSトランジスタ45とNMOSトランジスタ46を有する。インバータINV1は、その出力が第1電源電圧VDD1の電源線32(i)に接続され、電源線32(i)を電源スキャン信号VSCAN2(i)でAC駆動する。
ここで画素行と同じ数だけ駆動ユニット42A(i),42A(i+1),42A(i+3),…が設けられおり、どの駆動ユニットも構成が同じで、駆動能力も等しい。
駆動ユニット42A(i)が電源線32(i)を駆動する場合を例とすると、電源線32(i)は配線抵抗を有するため駆動時に電圧降下が生じる。したがって、第2スキャナ42に最も近い第r列の画素回路3(i,r)の電源供給ノードNDrに比べ、第2スキャナ42から最も遠い第l列の画素回路3(i,l)の電源供給ノードNDlでの電圧降下が著しく大きくなる。その間の他の列では、第2スキャナ42から遠くなるほど電圧降下も次第に大きくなる。
これにより有機発光ダイオードOLED(i,j)の駆動電流Ioledが第2スキャナ42に遠いほど減少し、表示映像に前述したシェーディングが生じる。
以下、このシェーディング抑制のために設ける回路手段の実施形態を説明する。
《第1実施形態》
図5は、第1実施形態に関わる表示部2およびその駆動部の一部を示す回路図である。
表示パネルの、表示部2以外のエリアのうち、画素回路アレイから見て第2スキャナ42と反対の側(図2のエリア5)に、第2スキャナ42内のハイレベルVDDV2と同じ電圧を供給する電圧供給線47が列(カラム)方向に配線されている。そして、第2スキャナ42と各電源線32(i)との接続と非接続を制御するスイッチ48(i)が設けられている。
スイッチ48(i)は、当該スイッチに接続されている電源線32(i)の駆動ユニット42A(i)によるAC駆動に応答してオンとオフが制御される。
このスイッチ48(i)は、例えば、対応する駆動ユニット42A(i)が“H”レベル(ハイレベルVDDV2)を出力するとき、すなわち有機発光ダイオードOLED(i,j)に電流を流して発光可能とするときにオンし、それ以外でオフするように制御される。
これによって、パネル表示エリアの水平方向の両側で供給電圧の電位差を小さくすることが可能となる。また、パネル表示エリアの水平方向に並ぶ駆動対象の画素回路群で、両側からの電源供給を受けて供給電圧の均一性が向上する。その結果、電源線の配線抵抗に起因し表示パネル内水平方向位置に依存する画素の表示輝度差、すなわちシェーディングが抑制できる。
《第2実施形態》
図6は、第2実施形態に関わる表示部2およびその駆動部の一部を示す回路図である。
図6において電圧供給線47およびスイッチ48(i)を有することは第1実施形態(図5)と共通する。
ただし、ここではスイッチ48(i)がPMOSトランジスタから構成されている。スイッチ48(i)はNMOSトランジスタでもよいが、PMOSトランジスタにすると、いわゆる“Vth落ち(Vth drop)”と呼ばれるトランジスタ自身による電圧降下が防止でき、その分、電源線32(i)の電圧補償効果(電圧降下分を補う効果)が高いため好ましい。
スイッチ48(i)をPMOS構成としたことに関連して、電源線32(i)の電位論理を反転するインバータINV2が設けられている。
インバータINV2は、ハイレベルVDDV2の電源線とローレベルVSSV2の電源線との間に縦続接続されているPMOSトランジスタ49とNMOSトランジスタ50を有する。インバータINV2の入力が電源線32(i)に接続され、出力がスイッチ48(i)(PMOSトランジスタ)のゲートに接続されている。
なお、スイッチ48(i)をPMOSトランジスタとNMOSトランジスタとのソース同士、ドレイン同士を接続してトランスミッション・ゲートとしてもよい。この場合、PMOSトランジスタのゲートはインバータINV2を介して電源線32(i)に接続され、NMOSトランジスタのゲートは電源線32(i)に直接接続される。
なお、スイッチ48(i)をNMOSトランジスタとする場合は、例えばインバータを2段接続するバッファ構成とするとよい。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様にいわゆるシェーディングの抑制効果が得られ、そのときスイッチ48(i)をPMOSトランジスタとしたことによる高い電圧補償効果が得られる。
《第3実施形態》
上記第2実施形態の回路(図6)では、スイッチ48(i)がオンしているとき、当該スイッチ自身で電源線32(i)の“H”レベルを支えていることから、つぎに電源線32(i)の電位が“L”レベルに遷移しようとすると、スイッチ自身が電圧降下を補償するため電荷を補おうとするフィードバックがかかり、さらにゲートを開く向きに制御される。したがって、スイッチ48(i)とインバータINV2のトランジスタサイズを最適化しないとスイッチ48(i)のオフ動作ができない、あるいは、できても時間がかかる。
本実施形態は、この点を改善するものである。
図7は、第3実施形態に関わる表示部2およびその駆動部の一部を示す回路図である。
図7において電圧供給線47およびスイッチ48(i)を有することは第1実施形態(図5)と共通する。また、スイッチ48(i)を制御するためのインバータINV2を有すること自体は第2実施形態(図6)と共通する。
ただし、本実施形態では、図7に示すように、オア回路OR1が新たに設けられている。オア回路OR1の一方入力にインバータINV2の出力が接続されている。オア回路OR1の他方入力は、列(カラム)方向の複数のオア回路OR1で共通なイネーブル信号線51に接続されている。また、オア回路OR1の出力がスイッチ48(i)のゲートに接続されている。イネーブル信号線51には、インバータINV3を介してローアクティブのイネーブル信号VENB2が印加されている。なお、イネーブル信号VENB2がハイアクティブであればインバータINV3は不要である。
ここでイネーブル信号VENB2は電源線32(i)がハイレベルVDDV2からローレベルVSSV2に遷移するより若干前に、“L”レベルに遷移しスイッチ動作を許可する信号である。よって、イネーブル信号VENB2が“L”レベルとなり、オア回路OR1の一方入力が“H”レベルとなると、オア回路OR1の出力が“H”レベルとなりスイッチ48(i)がオフし、その後、若干遅れて電源線32(i)がハイレベルVDDV2からローレベルVSSV2に遷移する。
このようにオア回路OR1を設けることによって、スイッチ48(i)がオンからオフするゲート制御論理がいち早く確定し、その後に、電源線32(i)が電位低下するため、スイッチ48(i)を確実にオフすることが可能となる。
図8(A)〜(E)に、この動作のタイミングを示す。
イネーブル信号VENB2のレベル遷移によりスイッチ48(i)のゲート制御論理が確定してから実際の接続と非接続のスイッチングが行われていることが分かる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様にいわゆるシェーディングの抑制効果、第2実施形態と同様なPMOSトランジスタによる高い電圧補償効果に加え、そのスイッチ動作が確実に行えるという効果が得られる。
《第4実施形態》
上述した第2および第3実施形態では、さらに改善すべき点としてインバータINV2の貫通電流の発生がある。
インバータINV2は入力電位が十分高いとき、または、十分低いときは、出力をハイレベルVDDV2またはローレベルVSSV2に接続している。このときは、PMOSトランジスタ49とNMOSトランジスタ50の一方がオフしているため、これらを通してハイレベルVDDV2からローレベルVSSV2に貫通電流が流れない。ところが、本実施形態のように電圧降下が生じている電源線32(i)の電位を入力する場合、インバータINV2の入力がハイレベルとローレベルの中間の任意の電位を持つことになり、その場合、PMOSトランジスタ49とNMOSトランジスタ50が共に弱いオン状態となって、インバータINV2に貫通電流が流れる。よって、インバータINV2による大きな電力消費が生じる。この電力消費量は単一のインバータINV2では比較的小さい場合でも、表示パネル全体では大きい。
本実施形態は、この点を改善するものである。
図9は、第2実施形態を、貫通電流防止の点において改善する表示部2およびその駆動部の一部を示す回路図である。
図9において電圧供給線47およびスイッチ48(i)を有することは第1実施形態(図5)と共通する。また、スイッチ48(i)を制御するためのインバータINV2を有すること自体は第2実施形態(図6)と共通する。
ただし、本実施形態では、図9に示すように、電源線32(i)とインバータINV2の入力の間に、電源線32(i)の電圧降下を補償して駆動ユニット42A(i)の出力レベルに戻す電圧補償回路(V.COMP)60が新たに設けられている。
図10(A)は電圧補償回路60の入出力接続関係を示すブロック図、図10(B)は具体例としての回路図である。
図10(A)に示す電圧補償回路60の入力(in)には電源スキャン信号VSCAN2(i)が印加されるため、その電位がハイレベルとローレベルに交互に変化する。電圧補償回路60の出力(out)はインバータINV2の入力に接続されている。電圧補償回路60には、図10の駆動ユニット42A(i)の駆動電圧、すなわちハイレベルVDDV2とローレベルVSSV2の電源電圧が供給されている。
より詳細には、図10(B)に示すように、ハイレベルVDDV2とローレベルVSSV2の2電源間に、2つのCMOS対、すなわちPMOSトランジスタ61inとNMOSトランジスタ62inからなるCMOS対と、PMOSトランジスタ61outとNMOSトランジスタ62outからなるCMOS対が互いに並列に接続されている。
PMOSトランジスタ61inのゲートがPMOSトランジスタ61outとNMOSトランジスタ62outの接続点と結合し、PMOSトランジスタ61outのゲートがPMOSトランジスタ61inとNMOSトランジスタ62inの接続点と結合し、これにより4トランジスタによるラッチ回路が構成されている。PMOSトランジスタ61outとNMOSトランジスタ62outの接続点がインバータINV2に接続されて出力(out)(図10(A))を構成している。NMOSトランジスタ62outのゲートは当該電圧補償回路60の基準電圧として、電源振幅の半分の電位を与える電圧(VDDV2+VSSV2)/2が付与されている。
この回路構成では、入力論理が“H”レベルのときに出力も“H”レベルをとるが、入力が理想的なハイレベルVDDV2から下がっていても、当該ラッチ回路が反転動作する中間レベル(上記基準電圧)まで下がらなければ、出力を理想的なハイレベルVDDV2に引き上げる電圧補償を行う。入力論理が“L”レベルの場合は逆の動作となるが、本実施形態では電源スキャン信号VSCAN2(i)のハイレベルの電圧低下を防止する目的であるため、ハイレベル側の電圧補償効果に大きな意味がある。
なお、当該電圧補償回路60はノイズ吸収の機能もあり、その場合、ハイレベル側とローレベル側の電圧補償の双方が有効に働いて負または正のノイズを電源線32(i)から有効に除去する。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様にいわゆるシェーディングの抑制効果、第2実施形態と同様なPMOSトランジスタによる高い電圧補償効果に加え、電圧補償回路60の電圧補償効果によりインバータINV2の貫通電流発生を防止して消費電力の低減を図るという効果が得られる。
なお、本実施形態を第3実施形態に適用することも可能である。この場合、電圧補償回路60を図7の電源線32(i)とインバータINV2の間に接続すると、上述した電圧補償効果が同様に得られる。この場合、スイッチ48(i)のスイッチ動作を確実に行えるという効果が、上述した効果に追加される。
電圧補償回路60の電圧補償効果は、ハイレベル側で電圧降下した電源線32(i)を電圧供給線47に接続するというスイッチ48(i)の機能を同時に実行しているという見方ができる。よって、スイッチ48(i)をアシストする効果もある。
この点を考慮すると、電圧補償回路60をスイッチ48(i)と電圧供給線47の代わりに用いることができる。つまり、特に図示しないが、スイッチ48(i)を電圧補償回路60で置き換え、電圧供給線47を省略し、電圧補償回路60の出力はオープンとする。これにより電圧補償回路60が持つ閾値レベルを基準として、それより高い電圧範囲内ならば電源線32(i)に電圧降下が生じても、当該電源線の電位をハイレベルVDDV2に速やかに引き上げることができる。その際、電圧補償回路60の入力はNMOSトランジスタの絶縁ゲートで受けているためハイインピーダンスであり、電源線32(i)に対する負荷が小さい。したがって、回路規模は第1および第2実施形態より若干大きくなるが、電源線32(i)の負荷を増大させない利点がある。
上述した第1〜第4実施形態では、ハイレベルVDDV2をAC駆動したが、図3(B)に示すようにローレベルVSSV2をAC駆動してもよい。
つぎに、以上の第1〜第4実施形態に適用可能な画素回路例を、2例以下に説明する。
[画素回路例1]
図11に、PMOSドライブの画素回路を示す。
図解する画素回路3A(3(i,j)に相当)は、4つのトランジスタTr1,Tr3,Tr4,Tr5、2つのキャパシタCs,Cc、および、1つの有機発光ダイオードOLEDを有する。
駆動トランジスタTr3はPMOSトランジスタであり、そのソースが電源スキャン信号VSCAN2(i)によりAC駆動される第1電源電圧VDD1の供給線に接続されている。また、駆動トランジスタTr3のドレインが有機発光ダイオードOLEDのアノードに接続されている。有機発光ダイオードOLEDのカソードは一定な第2電源電圧VSS1の供給線に接続されている。
駆動トランジスタTr3のゲートと信号入力線SIGとの間に結合キャパシタCcとサンプリング・トランジスタTr1が直列接続されている。駆動トランジスタTr3のゲートとドレイン間にシャント・トランジスタTR4が接続されている。
駆動トランジスタTr3のゲートとソース間に蓄積キャパシタCsが接続されている。また、結合キャパシタCcとサンプリング・トランジスタTr1の接続ノードとオフセット電圧Vofsの供給線との間に、オフセット・トランジスタTR5が接続されている。
サンプリング・トランジスタTr1は第1スキャン信号VSCAN1(i)によりオンとオフが制御され、シャント・トランジスタTR4は第3スキャン信号VSCAN3(i)によりオンとオフが制御され、さらに、オフセット・トランジスタTR5は第4スキャン信号VSCAN4(i)によりオンとオフが制御される。これらの制御タイミングおよびAC電源駆動タイミングは、図2に示す4つの第1〜第4スキャナ41〜44により制御される。
図12(A)〜(G)に、図11の画素回路3Aの動作タイミングチャートを示す。
図12(E)に示すように時間T0でVth補正期間が開始されると、図12(B)に示すように第3スキャン信号(以下、“入力等化スキャン信号”という)VSCAN3(i)が“H”レベルに遷移して、駆動トランジスタTr3のゲートがドレインと接続される。また、図12(C)に示すように第4スキャン信号VSCAN4(i)が“H”レベルに遷移して、オフセット・トランジスタTR5がオンし、図12(E)に示すようにノードND1の電位(Vin)が、オフセット電圧Vofsに設定される。
一方、図12(B)に示すように電源スキャン信号VSCAN2(i)が“H”レベル(ハイレベルVDDV2)から“L”レベル(ローレベルVSSV2)に遷移する。ここで、ローレベルVSSV2は、駆動トランジスタTr3とOLEDの直列接続に微小な電流が流れるような電圧値を有する。十分な時間が経過すると、図12(F)に示すように、駆動トランジスタTr3の駆動トランジスタTr3のゲート電圧Vgは、ローレベルVSSV2から駆動トランジスタTr3のしきい値電圧Vth3だけ高い電圧(VSSV2+Vth3)に収束する。
つぎに、図12(C)および(D)に示すように、時間T1にて第3スキャン信号VSCAN3(i)と第4スキャン信号VSCAN4(i)が共に“L”レベルになると、シャント・トランジスタTR4およびオフセット・トランジスタTR5がオフする。これにより、ノードND1がフローティングになるとともに、駆動トランジスタTr3のゲートとドレインが切り離され、図12(G)に示すようにVth補正期間が終了する。
この状態で、図12(A)に示すように、時間T2にて第1スキャン信号VSCAN1(i)が“H”レベルに遷移してデータ書き込み期間が開始される(図12(G))。
データ電圧Vsig(i)がサンプリング・トランジスタTr1によってサンプリングされ、図12(E)に示すように、ノードND1の電位が、オフセット電圧Vofsからサンプリングデータ値(−Vdata)だけ変動する。ここで、結合キャパシタCcが蓄積キャパシタCsより十分大きく“Cc>>Cs”を満たす場合、駆動トランジスタTr3のゲート電圧Vgは、結合キャパシタCcを介してノードND1と同様の値(−Vdata)だけ変動する。そのため、駆動トランジスタのTr3のゲート電圧Vg(ゲート−ソース間電圧Vgs)は、図12(F)に示すように“VSSV2−Vdata+Vth3”となる。この電圧(VSSV2−Vdata+Vth3)は蓄積キャパシタCsに保持される。
図12(A)に示すように、時間T3にて第1スキャン信号VSCAN1(i)が“L”レベルになると、データ書き込み期間が終了する(図12(G))。
次に、図12(B)に示すように、時間T4にて、電源スキャン信号VSCAN2(i)を“L”レベルから“H”レベルに遷移させる。これにより発光期間が開始する(図12(G))。
ここでハイレベルVDDV2は、駆動トランジスタTr3が飽和動作に必要な電圧条件を満たしている。このとき、保持容量Csによって駆動トランジスタTr3のゲート−ソース間電圧Vgsは一定値に保たれ、有機発光ダイオードOLEDの発光が可能となる。また、駆動トランジスタTr3のゲート電圧Vgは、ハイレベルVDDV2とローレベルVSSV2の差電圧だけ上昇するため、駆動トランジスタTr3を流れる電流の増加分は、駆動トランジスタTr3のしきい値電圧Vth3に依存しない値を有する。ただし、駆動トランジスタTr3のゲート電圧Vgはサンプリングデータ値Vdataに依存しており、そのため、有機発光ダイオードOLEDはサンプリングデータ値Vdata(データ電圧Vsig(i))に応じた輝度で発光する。
[画素回路例2]
図13に、他の画素回路3Bの構成図を示す。
図解する画素回路3Bが図12と異なる点は、駆動トランジスタTr3がNMOS構成であること、および、オフセット電圧Vofsがローレベルに規定されていることである。
図14(A)〜(E)に動作タイミングチャートを示す。
図14(C)に示すように、時間T0にて第4スキャン信号VSCAN4(i)が“L”レベルから“H”レベルに立ち上がると、オフセット・トランジスタTR5がオンし準備期間が始まる(図14(E))。
すると、図14(D)に示すように、駆動トランジスタTr3のゲートにオフセット電圧Vofsが設定され(Vg=Vofs)、このとき電源スキャン信号VSCAN2(i)がローレベルVSSV2であるため(図14(B))、駆動トランジスタTr3を介して、そのソース電位VsがローレベルVSSV2をとる。
ここでオフセット電圧Vofsは、後述するしきい値補正後に駆動トランジスタTr3がオンしない値を有する。すなわち、有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧をVth(oled)、駆動トランジスタTr3のしきい値電圧をVth3とすると、オフセット電圧Vofsは次式(1)を満たす必要がある。
[数1]
Vofs<VSS1+Vth(oled)+Vth3…(1)
また、電源スキャン信号VSCAN2(i)のローレベルVSSV2は、駆動トランジスタTr3のゲート−ソース間電圧Vgsがしきい値電圧Vth3より大きくなるように、駆動トランジスタTr3のソースノードを下げる必要がある。すなわち、ローレベルVSSV2は次式(2)を満たす必要がある。
[数2]
VSSV2<Vofs−Vth3…(2)
図14(E)に示すように、この状態で時間T1にてVth補正期間が開始する。
電源スキャン信号VSCAN2(i)が時間T1にてハイレベルVDDV2に立ち上がると、駆動トランジスタTr3がオンしてそのドレイン電位Vdも持ち上がるが、ゲート−ソース間電圧Vgsがしきい値電圧Vth3と等しくなる(Vgs=Vth3)時点で駆動トランジスタTr3がオフする。よって、Vth補正期間の終点(時間T2)以降、図14(E)に示すように、駆動トランジスタTr3のソース電位Vsが“Vofs−Vth3”を維持し、しきい値電圧Vth3が蓄積キャパシタCsに保持される。このとき、有機発光ダイオードOLEDがオンしないことは、オフセット電圧Vofsの設定により保証されている。
図14(A)に示すように、時間T3で第1スキャン信号VSCAN1(i)がハイレベルVDDV2になると、信号書き込み期間が開始する(図14(E))。信号書き込み期間は、同時に、移動度(μ)の補正期間を兼ねる。
なお、信号入力線SIGからサンプリング・トランジスタTr1を介しての駆動トランジスタTr3のゲートへ信号を書き込む時の時定数は、後述する駆動トランジスタTr3のゲート−ソース間電圧Vgsの放電時の時定数よりも短く設定される。以下の説明では、駆動トランジスタTr3のゲートへの書き込み時定数は、駆動トランジスタTr3のゲート−ソース間電圧Vgsの放電時間の時定数に対して無視できるほど短いと仮定する。
時間T3にてサンプリング・トランジスタTr1がオンすると、図14(D)に示すように、駆動トランジスタTr3のゲート電圧Vgが速やかに“Vofs+Vdata”に設定される。ここで、有機発光ダイオードOLEDの容量Coledが蓄積キャパシタCsより十分大きく、駆動トランジスタTr3のソース電位Vsは変動しないとする。
駆動トランジスタTr3のゲート電圧Vgの電位上昇分(Vdata)は、しきい値電圧Vth3を保持している蓄積キャパシタCsを介してソース電位Vsに伝達されようとするが、上記のようにソース電位Vsが変動しないため、駆動トランジスタTr3のゲート−ソース間電圧Vgsが“Vth3+Vdata”となる(蓄積キャパシタCsの保持電荷量がサンプリングデータ値Vdata分だけ増える)。このため、駆動トランジスタTr3に電流が流れ、駆動トランジスタTr3のゲート−ソース間電圧Vgs、すなわち蓄積キャパシタCsの両端の電圧が放電される。このときの放電速度は、駆動トランジスタTr3の駆動能力(移動度μに比例)によって決まる。すなわち、駆動トランジスタTr3の駆動能力が小さい場合、その放電量は小さく、駆動トランジスタTr3の駆動能力が大きい場合、その放電量は大きい。このため、サンプリングデータ値Vdataが同じならば、放電の終点(時間T4)における駆動トランジスタTr3のソース電位Vsは、駆動トランジスタTr3の駆動能力がばらついてもほぼ一定に保持され、結果として駆動能力、すなわち移動度μのバラツキが補正される。この移動度補正期間を兼ねる信号書き込み期間は、第1スキャン信号VSCAN1(i)がローレベルVSSV2になる時間T4で終了する(図14(A)および(E))。
時間T4の到達とともに発光期間が開始する(図14(E))。
第1スキャン信号VSCAN1(i)がローレベルVSSV2になると、蓄積キャパシタCsに駆動トランジスタTr3のゲート−ソース間電圧Vgsが保持されたまま、時間T4で駆動トランジスタTr3によって決定される電流量になるように、駆動トランジスタTr3のソースノード、すなわち、有機発光ダイオードOLEDのアノード電位がOLED駆動電圧VELになる。なお、このとき駆動トランジスタTr3が飽和動作するようにハイレベルVDDV2を設定する必要がある。すなわち、ハイレベルVDDV2は次式(3)を満たす必要がある。
[数3]
VDDV2>VEL+(Vgs−Vth3)…(3)
なお、図11および図13でサンプリング・トランジスタTr1と、シャント・トランジスタTR4を共有化して、データ電圧Vsigとオフセット電圧Vofsを時分割的に書き込むことも可能である。
本実施形態によれば、有機ELディスプレイの画素回路で、有機発光ダイオードOLED(i,j)に電流を供給する画素電源をVスキャナでAC駆動しながら、Vスキャナの配線抵抗の影響により生じるシェーディングを防止または抑圧できる。その際、第1〜第4実施形態で個別に述べた追加の効果が得られる。
また、電源電圧のAC駆動により、有機発光ダイオードOLED(i,j)への電源供給経路の遮断を制御する電源遮断制御トランジスタを1つ、画素回路から省略できる。本実施形態で例示する画素回路はTFTの閾値電圧Vt(および移動度μ)に起因した輝度ムラを補正する機能を有する。第2スキャナ42は1つで済むため、表示部2の水平方向の両側に2つ設ける必要がない。
以上より、TFTばらつきによる輝度ムラ補正、画素回路の素子数削減、水平方向の画素位置に依存した輝度差(シェーディング)の解消または抑制、Vスキャナ左右駆動の不要を同時に実現でき、高画質で高精細かつ低消費な有機ELディスプレイを実現することが可能である。
なお、表示部2の水平方向の両側に2つ設ける必要がないことは、表示部2の映像表示に寄与しないエリアの増大を防ぎ、これによって、ディスプレイ装置の前面に大きく表示エリアをとって、そのデザインの自由度を高くすることができる有機EL表示パネルを提供できる。
(A)および(B)はシェーディングの説明図である。 本発明の実施形態に関わる有機ELディスプレイの主要な構成を示すブロック図である。 (A)および(B)は、概略的な画素回路の構成と、2つのAC駆動方法を示す図である。 第1行の画素回路群を片側からAC電源駆動する際の不都合を説明するための図である。 第1実施形態に関わる表示部およびその駆動部の一部を示す回路図である。 第2実施形態に関わる表示部およびその駆動部の一部を示す回路図である。 第3実施形態に関わる表示部およびその駆動部の一部を示す回路図である。 (A)〜(E)は第3実施形態の動作タイミングチャートである。 第4実施形態に関わる表示部およびその駆動部の一部を示す回路図である。 (A)は電圧補償回路のブロック図、(B)はその回路図である。 画素回路例1の回路図である。 (A)〜(G)は画素回路例1の動作タイミングチャートである。 画素回路例2の回路図である。 (A)〜(E)は画素回路例1の動作タイミングチャートである。
符号の説明
1…有機ELディスプレイ、2…表示部、3(i,j)…第i行,第j列の画素回路、31(i,j)…補正部、4…Vスキャナ、41…第1スキャナ、42…第2スキャナ(AC電源駆動スキャナ)、42A(i)…第i行の駆動ユニット、43…第3スキャナ、44…第4スキャナ、45,49,61in,61out…PMOSトランジスタ、46,50,62in,62out…PMOSトランジスタ、47…電圧供給線、48(i)…スイッチ、51…イネーブル信号線、60…電圧補償回路、OLED(i,j)…有機発光ダイオード、Tr1…サンプリング・トランジスタ、Tr3…駆動トランジスタ、VSCAN1(i)…第1スキャン信号(サンプリング・スキャン信号)、VSCAN2(i)…第2スキャン信号(電源スキャン信号)、SIG(j)…信号入力線、Vsig…データ電圧、Vdata…サンプリングデータ値、VEL…OLED駆動電圧、VDD1…第1電源電圧、VSS1…第2電源電圧、VDDV2…ハイレベル(駆動レベル)、VSSV2…ローレベル(非駆動レベル)、Ioled…駆動電流

Claims (11)

  1. 電流によって駆動される電気光学素子を各々が含む画素回路がマトリクス状に配置されている表示パネルの駆動回路であって、
    前記表示パネル内で同一行に属する画素回路群に接続する第1電源線と第2電源線の一方電位を駆動レベルと非駆動レベルに交互に切り替えて、前記電気光学素子に流す電流をAC駆動する駆動部と、
    前記駆動レベルと同じ電圧を供給する駆動電圧供給線と、
    前記AC駆動される駆動対象の電源線に対し、前記駆動部が接続される側と反対側に接続され、当該駆動対象の電源線の前記駆動部による電位変化に応答して、当該駆動対象の電源線を前記駆動電圧供給線と接続し又は非接続にするスイッチと、
    を有する表示パネルの駆動回路。
  2. 前記スイッチは、前記AC駆動される前記駆動対象の電源線が前記駆動レベルにあるとき、当該駆動対象の電源線を前記駆動電圧供給線に電気的に接続する
    請求項1に記載の表示パネルの駆動回路。
  3. 前記スイッチが、ソースが前記駆動電圧供給線に接続され、ドレインが前記駆動対象の電源線に接続されているPチャネル型の電界効果トランジスタであり、
    入力に前記駆動対象の電源線が接続され、出力によって前記電界効果トランジスタのゲートを制御するインバータを有する
    請求項1に記載の表示パネルの駆動回路。
  4. 前記インバータの出力と前記電界効果トランジスタのゲートとの間に、前記駆動対象の電源線の電位変化より早く前記電界効果トランジスタのゲートの制御論理を確定する論理回路が接続されている
    請求項3に記載の表示パネルの駆動回路。
  5. 前記論理回路は、一方入力に前記インバータの出力が接続され、他方入力に前記動作対象の電源線がハイレベルからローレベルに遷移する前にローレベルからハイレベルに遷移する制御信号が入力可能であり、出力に前記電界効果トランジスタのゲートが接続されているオアゲート回路である
    請求項4に記載の表示パネルの駆動回路。
  6. 前記駆動対象の電源線と前記インバータの入力との間に、前記駆動対象の電源線の電圧を前記駆動部から出力される電源電圧に近づける電圧補償回路が接続されている
    請求項3に記載の表示パネルの駆動回路。
  7. 前記駆動部は、前記電気光学素子が接続されている前記画素回路内の経路に第1電源電圧と第2電源電圧を印加して前記電気光学素子に駆動電流を流す際に、前記第1電源電圧と前記第2電源電圧の一方を“H”レベル電位と“L”レベル電位の2値で切り替えるAC駆動を行い、
    前記“H”レベルと前記“L”レベルの一方と、前記第1および第2電源電圧のうちAC駆動されない電源電圧の電位との電位差により、前記電気光学素子に電流が供給され、前記“H”レベルと前記“L”レベルの他方の電位と、前記AC駆動されない電源電圧の電位との電位差では前記電気光学素子に電流が流れないように、前記“H”レベルおよび前記“L”レベルと、前記AC駆動されない電源電圧の電位との相対的電位差が決められている
    請求項1に記載の表示パネルの駆動回路。
  8. 前記画素回路は、
    前記第1電源線と前記第2電源線との間に縦続接続されているPチャネル型の駆動トランジスタおよび前記電気光学素子と、
    前記駆動トランジスタのゲートと信号入力線との間に結合キャパシタを介して接続されているスイッチング・トランジスタと、
    前記結合キャパシタと前記スイッチング・トランジスタとの接続ノードと所定電圧との間に接続されている保持キャパシタと、
    前記接続ノードとオフセット電圧の供給線との間に接続されているオフセット・トランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に接続されているシャント・トランジスタと、
    を含む請求項1に記載の表示パネルの駆動回路。
  9. 前記画素回路は、
    前記第1電源線と前記第2電源線との間に縦続接続されているNチャネル型の駆動トランジスタおよび前記電気光学素子と、
    前記駆動トランジスタのゲートと信号入力線との間に接続されているスイッチング・トランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソース間に接続されている保持キャパシタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとオフセット電圧の供給線との間に接続されているオフセット・トランジスタと、
    を含む請求項1に記載の表示パネルの駆動回路。
  10. 第1電源線および第2電源線の電位差により発生する電流によって駆動される電気光学素子を各々が含む複数の画素回路を行表示の単位として有する表示部と、
    前記第1電源線と前記第2電源線の一方電位を駆動レベルと非駆動レベルに交互に切り替えてAC駆動する駆動部と、
    前記駆動レベルと同じレベルの電圧を供給する駆動電圧供給線と、
    前記表示部に対し前記駆動部と反対の側に配置され、前記AC駆動される駆動対象の電源線と前記駆動電圧供給線との間に接続され、当該駆動対象の電源線の前記駆動部による電位変化に応答してオンとオフが制御されるスイッチと、
    を有する表示装置。
  11. 共通の電源線に並列に接続され、各々が電気光学素子を含む複数の画素回路を、前記電源線の印加電圧により電流駆動する画素回路の駆動方法であって、
    前記電源線の一方端側で印加電圧を駆動レベルと非駆動レベルに交互に切り替えるAC駆動のステップと、
    前記電源線の他方端側で、前記AC駆動される前記電源線の電位変化に応答して、前記駆動レベルの電圧供給をオンまたはオフする電圧補償のステップと、
    を有する画素回路の駆動方法。
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