JP2008120242A - 車両用ホイールおよび車両用ホイールの製造方法 - Google Patents

車両用ホイールおよび車両用ホイールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気柱共鳴音を低減する車両用ホイールにおける、重量削減および量産性向上を図ることができる車両用ホイール、車両用ホイールの鋳造用金型および車両用ホイールの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】副気室SCを備える車両用ホイール1であって、副気室SCは、タイヤ空気室MC側に開口するようにリム3のディスク側のビードシート部3Aの径方向内側に形成される凹部31と、この凹部31を閉塞する蓋部材32と、から形成され、蓋部材32には、副気室SCとタイヤ空気室MCとを連通する連通孔32aが設けられているように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ空気室内の気柱共鳴(空洞共鳴)に伴う騒音を低減する車両用ホイールおよび車両用ホイールの製造方法に関するものである。
一般に、タイヤの空気室(以下、「タイヤ空気室」という。)内で生じる気柱共鳴が、自動車のロードノイズの要因となることが知られている。気柱共鳴とは、路面からタイヤに伝わるランダムな振動がタイヤ空気室内の空気を振動させ、その結果、タイヤ空気室の気柱共鳴周波数付近で共鳴現象が起こり、共鳴音が発生する現象である。
従来、この気柱共鳴に伴う騒音を低減するため、特許文献1に記載された車両用ホイールが知られている。この車両用ホイールでは、リムの周方向に沿って蓋部材を配置するとともに、蓋部材の内側に隔壁を設けて、リムと蓋部材との間に複数の副気室を周方向に形成している。また、タイヤ空気室と各副気室とは、蓋部材に形成した連通孔で連通している。この車両用ホイールによれば、連通孔と副気室とがヘルムホルツ・レゾネータを構成し、タイヤ空気室内の気柱共鳴音を低減することができる。
国際公開第03/029028号公報
しかしながら、従来の車両用ホイールは現実的な構造ではなかった。すなわち、通常のホイールに、隔壁を備えた蓋部材という複雑な板組みの後付け部材を、気密性を保ちつつ、溶接、接着、嵌め込み、締結により結合させる必要があり、気密性の確保や、製造工数や製造コストの増大を考慮すると、量産化に不適であるという問題があった。
また、バネ下重量の軽量化は車両の運動性能に大きく影響を与え、バネ上重量の軽量化の10倍以上の効果を与えることが知られていることから、バネ下部品である車両用ホイールの軽量化は特に注目されている。
そこで、本発明は、気柱共鳴音を低減する車両用ホイールにおける、重量削減および量産性向上を図ることができる車両用ホイールおよび車両用ホイールの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、副気室を備える車両用ホイールであって、前記副気室は、タイヤ空気室側に開口するようにリムのディスク側ビードシート部の径方向内側に形成される凹部と、この凹部を閉塞する蓋部材と、から形成され、前記蓋部材には、前記副気室と前記タイヤ空気室とを連通する連通孔が設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ビードシート部の径方向内側を利用(肉抜き)して副気室を形成するため、従来よりも重量を削減することができる。また、副気室は、従来技術のように隔壁を備えた蓋部材という複雑な板組みの部材をリムに取り付けて形成されるわけではなく、単なる蓋部材で凹部を閉塞するだけで形成される。すなわち、蓋部材とリムとの結合に際し、構造的に容易に気密性を確保できるため、従来技術のように高精度な結合方法を用いる必要がない。これにより、従来技術において生じていた製造工数や製造コストの増大を抑えることができ、量産性を向上させることができる。
なお、「タイヤ空気室」とは、タイヤとリムの間に形成される環状空間のことである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ホイールであって、前記凹部の底部は、所定幅の補強用リブを周方向に沿って複数有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、凹部の底部に補強用リブを有するため、ビードシート部の径方向内側に凹部を形成したことによるリムの強度不足を補うことができる。なお、凹部における開口部から補強用リブまでの深さは、少なくとも連通孔の径以上とし、特に5mm〜底部までの深さの間に設定されることが好ましい。また、補強用リブの幅および数は、リム強度が充分に確保されるよう任意に設定される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の車両用ホイールを製造する車両用ホイールの製造方法であって、前記車両用ホイールの車両外側に対応した形状を有する第1金型と、前記第1金型に直交する方向に並んで設けられる第1可動型と第2可動型とから構成され、前記第1可動型と前記第2可動型が組み合わされることで、前記リムの径方向外側に対応した形状を有する第2金型と、前記リムの径方向内側に対応した形状を有する第3金型と、を備える鋳造用金型を用いて前記車両用ホイールの鋳造成形を行ない、前記車両用ホイールを前記鋳造用金型から脱型する際、前記凹部に対応して前記第1可動型に設けられる凹部形成部が前記リムに干渉しないように、前記第1可動型を移動させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第2金型が第1可動型と第2可動型とから構成され、第1可動型に設けられる凹部形成部がリムに干渉しないように、第1可動型が移動可能に構成されている。これによれば、鋳造成形後の車両用ホイールを容易に脱型することができる。
すなわち、第2金型が1つの金型で構成される一般的な金型であると、鋳造成形後、前記金型をリムの周面に直交する方向に移動させようとした場合、凹部形成部がディスク側ビードシート部に干渉するため、鋳造成形された車両用ホイールを脱型することができなくなる。これに対し、本発明では、第2金型を2つの金型(第1可動型と第2可動型)で構成し、これらを互いに独立した移動が可能となる構成とした。これによれば、脱型の際、第2可動型を先に移動させておくことで、第1可動型の可動範囲および可動方向を広く確保することができるため、凹部形成部とディスク側ビードシート部とが干渉しないように第1可動型を移動可能に構成することができ、車両用ホイールを容易に脱型することができる。なお、中子を用いて凹部を形成することも可能であるが、本発明によれば、中子を用いず、1つの鋳造用金型で容易に製造することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の車両用ホイールを製造する車両用ホイールの製造方法であって、前記車両用ホイールのディスクおよび前記リムの幅方向ディスク側を鋳造成形する工程と、前記鋳造成形により得られた成形品をスピニング成形して、前記ディスク側と反対側のビードシート部を含む前記リムの幅方向残部を形成する工程と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、車両用ホイールのディスクおよびリムの幅方向ディスク側を鋳造成形した後、得られた成形品のリムの幅方向残部をスピニング成形する。これにより、ディスク側ビードシート部の径方向内側に凹部を有する車両用ホイールを容易に、かつ、中子を用いずに製造することができる。
すなわち、この車両用ホイールを鋳造成形のみで製造しようとした場合、リムの径方向外側を形成する一般的なリム可動型は、鋳造成形後のリムのビードシート部などに干渉し、リムの幅方向には移動することができず、車両用ホイールの脱型は容易ではない。これに対し、本発明では、鋳造成形する工程とスピニング成形する工程という2つの製造工程で構成し、鋳造成形する工程において、ディスクおよびリムの幅方向ディスク側を鋳造成形する部分とした。これによれば、前記リム可動型がリムの幅方向に移動可能になるため、鋳造成形品の脱型を容易にすることができる。なお、中子を用いて凹部を形成することも可能であるが、本発明によれば、中子を用いず、容易に製造することができる。
本発明に係る車両用ホイールによれば、気柱共鳴音を低減する車両用ホイールにおいて、ビードシート部の径方向内側を利用(肉抜き)して副気室を形成するため、従来技術よりも重量を削減することができる。また、従来技術において生じていた製造工数や製造コストの増大を抑えることができ、量産性を向上させることができる。
本発明に係る車両用ホイールの製造方法によれば、凹部を有する車両用ホイールを、中子を用いずに容易に製造することができる。
以下、本発明に係る車両用ホイールの実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、実施形態に係る車両用ホイールにタイヤが組み付けられた状態(要部のみ)を示す断面斜視図である。図1に示す車両用ホイール1は、タイヤTが装着されて車両用車輪Wを構成するものであり、タイヤTとの間に環状の密閉空間であるタイヤ空気室MCを形成するようになっている。
[車両用ホイール1]
図1に示すように、車両用ホイール1は、ディスク2と、このディスク2の外周側に設けられ、タイヤTが装着されるリム3とを有する。この車両用ホイール1は、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の材料からなり、後記するように鋳造成形により一体的に形成される。
ディスク2は、図示しないハブに連結するために設けられるものであり、車両外側に配置される面が意匠面Mとなっている。
リム3は、幅方向の両端部に形成されるビードシート部3A,3A’と、ビードシート部3A,3A’から径方向外側に向けて形成されたリムフランジ部3B,3B’とを有している。このビードシート部3A,3A’およびリムフランジ部3B,3B’のうち、ディスク2側(車両外側)に位置するビードシート部3A(以下、適宜「ディスク側ビードシート部3A」という。)およびリムフランジ部3Bは、ラウンドリム形状Maを呈している。すなわち、本実施形態に係るビードシート部3Aからリムフランジ部3Bに至る部分の車両外側形状は、全体としてなだらかな曲面形状に形成されている。これにより車両外側の美観を確保することができる。なお、このようなラウンドリム形状を採用すると、リムフランジ部およびビードシート部が肉厚となって重量増加となるが、本実施形態ではその肉厚部分を利用して副気室SCを形成するため、軽量化を図ることができる。
ちなみに、一般にビードシート部およびリムフランジ部は、軽量化のため、車両外側と車両内側の面が対応した形状に形成されており、車両外側(意匠面M)には車両内側の形状がそのまま現れている。このため美観を損なうことがある。
ビードシート部3A,3A’には、タイヤTのビード部Tb,Tb’が組み付けられ、リムフランジ部3B,3B’によってビード部Tbが側方(幅方向外側)に外れないようになっている。また、ビードシート部3A,3A’の幅方向内側には、ビードシート部3A,3A’から少し山状に盛り上がった形状のハンプ部3C,3C’が形成され、タイヤTを装着した後に、タイヤTのビード部Tb、Tb’がその幅方向内側に落ち込むことを防止している。そして、ハンプ部3C,3C’の間には、凹状のウェル部3Dが設けられ、タイヤTを組む際に、そのビード部Tb,Tb’を落とし込めるようになっている。
また、ディスク側ビードシート部3Aの径方向内側(下部)には、タイヤ空気室MC側に開口する凹部31が形成されるとともに、この凹部31を閉塞する(覆う)蓋部材32が取り付けられている。
図2は、車両用ホイールを車両内側から見た断面側面図である。また、図3(a)は図2のA−A線矢視断面図、(b)は図2のB−B線矢視断面図である。
図2に示すように、凹部31は、周方向に所定の間隔を置いて計4個形成され、隣り合う凹部31,31の間には隔壁33が形成されている。
蓋部材32は、例えば金属の板材等から形成されており、凹部31の開口部に対応した側面視円弧状の形状を呈している。蓋部材32は、その両端部32b,32bが溶接等の各種固定手段により前記した隔壁33に固定されることで、前記した凹部31を閉塞するようになっている(図3(a),(b)参照)。これにより、図3(a),(b)に示すように、凹部31と蓋部材32との間に副気室SCが形成される。また、蓋部材32は、図3(a)に示すように、その中央部にバーリング加工によって所定の長さおよび開口部断面積で形成された連通孔32aを有している。なお、気密性を高めるため、蓋部材32と凹部31の外周部の間にシール材を介在させてもよい。
前記した副気室SCと連通孔32aは、ヘルムホルツ・レゾネータを構成し、車両の走行時に生じる気柱共鳴音を低減する役割をなしている。次の(式1)は、このレゾネータの共鳴周波数を求める式である。
=C/2π×√(S/V(L+α×√S))・・・(式1)
(Hz):共鳴周波数
C(m/s):副気室SC内部の音速(=タイヤ空気室MC内部の音速)
V(m):副気室SCの容積
L(m):連通孔32aの長さ
S(m):連通孔32aの開口部断面積
α:補正係数
この(式1)で求められる共鳴周波数fをタイヤ空気室MCの共鳴周波数に合わせることで、タイヤ空気室MC内で発生する気柱共鳴音を低減することができる。なお、この共鳴周波数fを合わせるため、連通孔32aの長さL、連通孔32aの開口部断面積S、副気室SCの容積Vを適宜設定している。なお、本実施形態では、副気室SCが周方向に所定の間隔を置いて計4個形成されている。このようにリム3の周方向に複数の副気室SCを形成することで、吸音特性を安定させることができる。
[車両用ホイール1の製造方法]
次に、本実施形態に係る車両用ホイール1の製造方法について説明する。以下、車両用ホイール1の製造方法として、2つの製造方法(第1の製造方法、第2の製造方法)を説明する。
(第1の製造方法)
図4(a)〜(c)は、第1の製造方法について説明する模式図である。なお、図4(a),(b)は、金型のリムの幅方向における模式断面図である。また、製造される車両用ホイールは、上下方向(図4では左右方向)略対称に形成されるものであるため、図4(a),(b)に示す金型および図4(c)に示す車両用ホイールは、上下方向の半分(図4では右半分)を省略する。第1の製造方法は、鋳造成形による製造方法である。
まず、第1の製造方法において用いる金型について説明する。図4(a),(b)に示すように、第1の製造方法において用いる金型5(鋳造用金型)は、固定下型50(第1金型)と、第1可動リム型51(第1可動型)と、第2可動リム型52(第2可動型)と、可動上型53(第3金型)とから構成されている。
固定下型50は、主にディスク2とリム3(図1参照)の車両外側に対応した形状を有する金型である。第1可動リム型51および第2可動リム型52は、固定下型50に直交する方向に並んで設けられる可動型であり、組み合わされることで、リム3の径方向外側に対応した形状を有する。より具体的には、第1可動リム型51は、リム3のリムフランジ部3B、ビードシート部3A、ハンプ部3C、ウェル部3Dの一部に対応した金型であり、車両用ホイール1の凹部31に対応した凹部形成部51aを有している。また、第2可動リム型52は、リム3のウェル部3Dの残部、ハンプ部3C’、ビードシート部3A’、リムフランジ部3B’に対応した金型である。第1可動リム型51と第2可動リム型52の境は、リム3のウェル部3Dにあるように形成されている。この第1可動リム型51は、固定下型50の斜め上方の位置(待機位置)と所定位置(図4(b)の位置)との間で、固定下型50に対して斜め方向に可動するように構成され、また、第2可動リム型52は、固定下型50の側方の位置(待機位置)と所定位置(図4(b)の位置)との間で、固定下型50に対して平行(水平方向)に可動するように構成されている。
可動上型53は、リム3の径方向内側に対応する形状を有する金型であり、湯口53aを有している。可動上型53は、固定下型50の上方の位置(待機位置)と所定位置(図4(b)の位置)との間で、固定下型50に対して直交する方向(上下方向)に可動するように構成されている。なお、第1可動リム型51と第2可動リム型52の各待機位置は、互いに干渉しない位置に設定されている。なお、金型5において、固定下型50と可動上型53はそれぞれ1つの金型であるが、第1可動リム型51と第2可動リム型52はリム3の周方向に沿ってそれぞれ4つに分割されて構成されている。
第1の製造方法では、まず、図4(a)に示すように、待機位置にある各可動型を順に所定位置にスライド移動させて、図4(b)に示すように、金型5を組み合わせる。すなわち、図4(a)に示すように、第1可動リム型51を固定下型50に向けて斜め下方にスライド移動させた後、第2可動リム型52を固定下型50と平行にスライド移動させて所定位置に配置する。また、可動上型53を固定下型50に向けて下降させて所定位置に配置する。これにより、図4(b)に示すように、固定下型50、第1可動リム型51、第2可動リム型52、可動上型53が組み合わされ、金型5の内側に車両用ホイール1のキャビティC1が形成される。
その後、電気炉等で800℃に熱して溶かしたアルミニウム合金を、可動上型53の一端にある湯口53aからキャビティC1に注ぎ込む。そして、アルミニウム合金が冷えたところで脱型する。脱型の手順は、前記した金型5の組み合わせ手順と逆である。すなわち、可動上型53を上昇させて待機位置に退避させる。また、第2可動リム型52を固定下型50と平行にスライド移動させるとともに、第1可動リム型51を斜め上方にスライド移動させて待機位置に退避させる。これにより、第1可動リム型51の凹部形成部51aが車両用ホイール1のディスク側ビードシート部3Aに干渉することなく脱型でき、図4(c)に示す車両用ホイール1が成形される。そして、連通孔32aを有する蓋部材32を、凹部31を閉塞するように取り付けてビス止めする。これにより、車両用ホイール1が完成する。
第1の製造方法で用いる第1可動リム型51と第2可動リム型52は、従来の車両用ホイールの金型としては一体に構成されるものであったが、本実施形態では2つの可動型として別個に構成したのは、鋳造される車両用ホイール1を脱型しやすくするためである。
すなわち、第1可動リム型51と第2可動リム型52とが1つの金型で構成される一般的な金型であると、鋳造成形後、前記金型をリム3の周面に直交する方向に移動させようとした場合、凹部形成部51aがリム3のビードシート部3Aに干渉するため、鋳造成形された車両用ホイール1を脱型することができなくなる。これに対し、本実施形態では、第1可動リム型51と第2可動リム型52という2つの金型で構成しているため、脱型の際、第2可動リム型52を先に移動させておくことで、第1可動リム型51の可動範囲および可動方向を広く確保することができる。これにより、凹部形成部51aとリム3のビードシート部3Aとが干渉しないように第1可動リム型51を移動可能に構成することができ、車両用ホイール1を容易に脱型することができる。なお、中子を用いて凹部を形成することも可能であるが、この第1の製造方法によれば、中子を用いず、1つの金型5で容易に車両用ホイール1を製造することができる。
なお、前記した製造方法では、第1可動リム型51を固定下型50に対して斜め方向に可動させるように構成したが、第1可動リム型51の可動方向はこれに限定されるものではない。図5(a)〜(c)は、第1の製造方法の変形例について説明する模式図である。
例えば、図5(a),(b)に示すように、金型5Aにおいて、第1可動リム型51Aを上下方向および水平方向の二方向に可動させるように構成してもよい。この際、リム3のウェル部3Dの立ち上がり部分に干渉することなく、第1可動リム型51Aを上下方向に移動可能にするため、第1可動リム型51Aは、前記した第1の製造方法における第1可動リム型51よりも高さが低く形成されている。また、第2可動リム型52Aは、第1可動リム型51Aの高さが低くなった分、高さが高く形成されている。
そして、図5(a)に示すように、第1可動リム型51A、第2可動リム型52A、可動上型53を順に設置位置にスライド移動させて、図5(b)に示すように、金型5Aを組み合わせる。その後、第1の製造方法と同様に、アルミニウム合金の溶湯を、可動上型53の一端にある湯口53aからキャビティC1に注ぎ込み、アルミニウム合金が冷えたところで脱型する。脱型の手順は、前記した金型5Aの組み合せ手順と逆であり、特に、第1可動リム型51Aについては、上昇させた後、固定下型50と平行にスライド移動させて待機位置に退避させる。これにより、第1可動リム型51Aの凹部形成部51aが車両用ホイール1のビードシート部3Aに干渉することなく脱型でき、図5(c)に示す車両用ホイール1が完成する。
(第2の製造方法)
図6(a)〜(d)は、第2の製造方法について説明する模式図である。第2の製造方法は、第1の製造方法のような鋳造成形のみの製造方法ではなく、鋳造成形(図6(a),(b))とスピニング成形(図6(c),(d))による製造方法である。
第2の製造方法では、第1工程としてディスク2およびリム3(図6(b)参照)の幅方向ディスク側をウェル部3Dの一部分まで鋳造成形し、第2工程としてリム3の幅方向残部をスピニング成形する。
まず、第1工程の鋳造成形について説明する。図6(a),(b)に示すように、本工程で用いる金型6は、ディスク2およびリム3(図3参照)の幅方向ディスク側をウェル部3Dの一部分まで成形する金型であり、固定下型60と、可動リム型61と、可動上型62とから構成されている。固定下型60は、車両用ホイール1のディスク2およびリム3の車両外側に対応した形状を有する。また、可動リム型61は、車両用ホイール1のリム3の径方向外側の一部に対応した形状を有し、車両用ホイール1の凹部31に対応した凹部形成部61aが形成されている。さらに、可動上型62は、リム3の径方向内側の一部に対応した形状を有する。
第1工程では、図6(a)に示すように、可動リム型61を固定下型60に向けて所定位置まで移動させるとともに、可動上型62を固定下型60に向けて所定位置まで下降させて金型6を組み合わせる。これにより、図6(b)に示すように、キャビティC2が形成される。
その後、アルミニウム合金の溶湯を、可動上型62の一端にある湯口62aからキャビティC2に注ぎ込む。そして、アルミニウム合金が冷えたところで脱型する。脱型の手順は、前記した金型6の組み合わせ手順と逆である。すなわち、可動上型62を上昇させて待機位置に退避させた後、可動リム型61を若干斜め方向にスライド移動させる。これにより、車両用ホイール1のディスク2とリム3の幅方向ディスク側とウェル部3Dの一部分とが形成される。なお、リム3の先端側(幅方向残部側)は、次工程で圧延されて成形される部分であるため、厚肉に形成されている。また、この第1工程では、リム3の幅方向反対側のビードシート部3A’やリムフランジ部3B’が形成されていないので、可動リム型51の可動範囲が広く確保されて、脱型が容易になっている。
次に、第2工程のスピニング成形について説明する。図6(c),(d)に示すように、本工程で用いる金型70は、リム3の径方向内側に対応した形状の金型である。第2工程では、図6(c)に示すように、得られた鋳造成形品のリム3の径方向内側を、この鋳造成形品とともにディスク軸で回転する金型70に、加工ローラ71で押し付ける。そして、図6(d)に示すように、加工ローラ71を自転させつつ、リム3の幅方向に移動させて、リム3の幅方向残部を形成する。そして、このように成形された車両用ホイール1に、連通孔32aを有する蓋部材32を、凹部31を閉塞するように取り付けてビス止めする。これにより、車両用ホイール1が完成する。
このような製造方法によれば、第1工程では、リム3の幅方向ディスク側のみを鋳造成形するので、金型70を、リム3のディスク側ビードシート部3Aと干渉することなく脱型することができる。従って、第1の製造方法のように、可動リム型を2つに分けずとも、また、中子を用いずとも、車両用ホイール1を製造することができる。
なお、前記した製造方法では第2工程のスピニング成形において、リム3の径方向内側に対応した形状の金型70を用いて径方向外側から加工ローラ71で押し付ける態様としたが、スピニング成形の態様はこれに限定されるものではない。図7(a),(b)は、第2の製造方法の変形例について説明する模式図である。
例えば、図7(a),(b)に示すように、リム3の径方向外側に対応した形状の金型70Aを用いて径方向内側から加工ローラ71Aで押し付ける態様としてもよい。これによっても同様に車両用ホイール1を製造することができる。
以上によれば、本実施形態において以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、ビードシート部3Aの径方向内側を利用(肉抜き)して副気室SCを形成するため、従来よりも重量を削減することができる。また、副気室SCは、蓋部材32で凹部31を閉塞するだけで形成される。すなわち、蓋部材32とリム3との結合に際し、構造的に容易に気密性を確保できるため、従来技術のように高精度な結合方法を用いる必要がない。これにより、従来技術において生じていた製造工数や製造コストの増大を抑えることができ、量産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、従来アルミホイールとしては駄肉であったビードシート部3Aの径方向内側の肉抜きが可能となるため、車両外側の意匠デザイン(ラウンドリム形状)を損なうことなく車両用ホイール1を軽量化することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
図8は本実施形態の変形例1に係る凹部を示す図であり、(a)はリム幅方向の要部拡大断面図、(b)は(a)に示す(車両内側から見た)凹部のC−C線矢視断面図、(c)は(b)の凹部のD−D線矢視断面図である。
例えば、図8(a)〜(c)に示すように、肉抜き穴である凹部31によるリム3の強度不足を補うため、凹部31の底部31aは、所定幅の補強用リブ31bを周方向に沿って複数有するように構成することができる。補強用リブ31bの深さ(隔壁33の高さ位置から補強用リブ31bの高さ位置の差)は、少なくとも連通孔32a(図1〜図3等参照)の孔径以上とし、5mm〜底部31aの間に設定されることが好ましい。また、補強用リブ31bの幅と個数は、リム3の強度が成立する任意の幅および個数とする。
図9は本実施形態の変形例2に係る蓋部材の取付構造を示す図であり、(a)はリム幅方向の要部拡大断面図、(b)は(a)の(車両内側から見た)蓋部材の取付構造を示す図、(c)は(b)のE−E線矢視断面図である。
例えば、図9(a)〜(c)に示すように、蓋部材32の固定時における気密性を向上するため、凹部31の外周部31cを蓋部材32が嵌まり込む段付き形状に形成し、この外周部31cに蓋部材32を嵌め込むように構成することができる。また、蓋部材32と外周部31cの間にシール材を介在させることにより、より高い気密性を確保することができる。
前記実施形態では、バーリング加工によって形成した連通孔32aを蓋部材32に設ける構成としたが、連通孔32aの構造は限定されるものではない。例えば、蓋部材32とは別体の中空パイプを圧入して連通孔を構成するようにしてもよい。この場合、蓋部材32を薄板化することができ、軽量化を図ることができる。
前記実施形態では、蓋部材32は金属から形成されるものとしたが、蓋部材32の材料は限定されるものではない。例えば、プラスティック、その他の樹脂材料、ゴム材料等一般的な工業製品材料を用いることができる。この場合、より軽量な材料を用いることで、軽量化を向上させることができる。
前記実施形態では、蓋部材32をリム3に溶接又はビス止めして固定する構成としたが、蓋部材32の固定方法はこれに限定されるものではない。例えば、圧入、嵌合、カシメ、接着等一般的な工業製品で用いられる固定方法を用いることができる。
前記実施形態では、副気室SCをリム3の周方向に4つ設ける構成としたが、副気室SCの数は限定されるものではない。例えば、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。なお、現実的に確保できる副気室SCの容量の制約から、2〜4個であることが好ましい。
実施形態に係る車両用ホイールにタイヤが組み付けられた状態(要部のみ)を示す断面斜視図である。 車両用ホイールを車両内側から見た断面側面図である。 (a)は図2のA−A線矢視断面図、(b)は図2のB−B線矢視断面図である。 (a)〜(c)は、第1の製造方法について説明する模式図である。 (a)〜(c)は、第1の製造方法の変形例について説明する模式図である。 (a)〜(d)は、第2の製造方法について説明する模式図である。 (a),(b)は、第2の製造方法の変形例について説明する模式図である。 本実施形態の変形例1に係る凹部を示す図であり、(a)はリム幅方向の要部拡大断面図、(b)は(a)に示す(車両内側から見た)凹部のC−C線矢視断面図、(c)は(b)の凹部のD−D線矢視断面図である。 本実施形態の変形例2に係る蓋部材の取付構造を示す図であり、(a)はリム幅方向の要部拡大断面図、(b)は(a)の(車両内側から見た)蓋部材の取付構造を示す図、(c)は(b)のE−E線矢視断面図である。
符号の説明
1 車両用ホイール
2 ディスク
3 リム
31 凹部
32 蓋部材
32a 連通孔
3A ビードシート部

Claims (4)

  1. 副気室を備える車両用ホイールであって、
    前記副気室は、
    タイヤ空気室側に開口するようにリムのディスク側ビードシート部の径方向内側に形成される凹部と、この凹部を閉塞する蓋部材と、から形成され、
    前記蓋部材には、
    前記副気室と前記タイヤ空気室とを連通する連通孔が設けられていることを特徴とする車両用ホイール。
  2. 前記凹部の底部は、所定幅の補強用リブを周方向に沿って複数有することを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイール。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用ホイールを製造するにあたり、
    前記車両用ホイールの車両外側に対応した形状を有する第1金型と、
    前記第1金型に直交する方向に並んで設けられる第1可動型と第2可動型とから構成され、前記第1可動型と前記第2可動型が組み合わされることで、前記リムの径方向外側に対応した形状を有する第2金型と、
    前記リムの径方向内側に対応した形状を有する第3金型と、
    を備える鋳造用金型を用いて前記車両用ホイールの鋳造成形を行ない、
    前記車両用ホイールを前記鋳造用金型から脱型する際、前記凹部に対応して前記第1可動型に設けられる凹部形成部が前記ディスク側ビードシート部に干渉しないように、前記第1可動型を移動させることを特徴とする車両用ホイールの製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の車両用ホイールを製造するにあたり、
    前記車両用ホイールのディスクおよび前記リムの幅方向ディスク側を鋳造成形する工程と、
    前記鋳造成形により得られた成形品をスピニング成形して、前記ディスク側と反対側のビードシート部を含む前記リムの幅方向残部を形成する工程と、
    を有することを特徴とする車両用ホイールの製造方法。
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