JP2008119457A - X線診断装置、画像処理装置及び画像再構成処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラム - Google Patents

X線診断装置、画像処理装置及び画像再構成処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】デジタル断層撮影において、画質の良い結像画像を高速で生成し表示することができるX線診断装置、当該X線診断装置における結像処理に用いられるフィルタ係数の算出方法を提供すること。
【解決手段】複数のX線管位置で複数のX線画像を撮影し得られる各画像に前処理を適用した後、フィルタリング処理、バックプロジェクションを行うことで結像画像を生成する。このとき、フィルタリングに用いられるフィルタ係数は、スキャン軌道毎、画像フレーム毎、画像内の画素位置毎に応じて好適なものが決定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、X線断層画像生成において用いられる画像再構成処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラムに関する。
近年、X線診断装置等を用いたデジタル断層撮影の結像処理方法として、様々な方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。その代表的なものに、図15に示すようなfiltered backprojection(FBP)法と呼ばれるものがある。このFBP法は、複数の方向から撮影したX線画像に対数演算などの処理を施した複数の画像にフィルタを適用し、それらをバックプロジェクションすることで多断層の結像画像を得るものである。フィルタとしては、例えばShepp-Logan filter(図15の式参照)と呼ばれるフィルタなどが知られている。FBP法は、多方向から撮影した全てのX線画像に同じフィルタ係数を適用し、さらに1枚の画像の中の位置によっても係数を変えることなく同じフィルタを適用することが特徴である。filtered backprojection法は本来、完全再構成が可能なCTスキャナーのための再構成法であり、完全再構成が不可能なデジタル断層撮影においては適切な結像処理方法ではない。しかしながら、処理時間が短いという特徴があるためfiltered backprojection法をデジタル断層撮影に適用する多くの研究報告がある。
また、デジタル断層撮影への適用において高い画質が得られる結像処理方法がいくつか提案されている。例えば、Maximum Likelihood algorithm(ML法)と呼ばれる反復的結像処理方法とfiltered backprojection法を比較した結果が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。この報告では、ML法はfiltered backprojectionよりも画質が良いが、filtered backprojection法の処理時間が15分以下であるのに対し、ML法の処理時間は3時間以上であったことが示されている。さらに、例えばmatrix inversion tomosynthesisと呼ばれる結像処理方法が知られており(例えば、特許文献1参照)、この手法によれば、filtered backprojection法より高い画質が得られることが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
米国特許第4903204号公報 James T Dobbins III, and Devon J Godfrey: Digital x-ray tomosynthesis: current state of the art and clinical potential, Physics in Medicine and Biology Vol. 48 pp.R65-R106, 2003 Tao Wu, Richard H. Moore, Elizabeth A. Rafferty, and Daniel B. Kopans, A comparison of reconstruction algorithms for breast tomosynthesis, Medical Physics Vol. 31, No. 9, September 2004 Ying Chen, Joseph Y. Lo, James T. Dobbins III, Noise power spectrum analysis for several digital breast tomosynthesis reconstruction algorithms, Proc. SPIE vol. 6142, pp. 1677-1684, 2006
臨床の現場において検査のためにX線断層画像を生成する場合、異常の有無や状態を読影できるだけの画質が提供されることが必須である。また、処理時間が短かく例えば数分以内で検査画像が提供できることは、実務上は画質が良いことと同程度に重要である。
しかしながら、上述した様に、従来のfiltered backprojection法は処理時間が短いが画質が劣るという問題がある。また、他の画質の良い結像処理法は多くの処理時間がかかり、実用に耐えないという問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、デジタル断層撮影において、画質の良い結像画像を高速で生成し表示することができるX線診断装置または画像処理装置、X線診断装置等における結像処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラムを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
請求項1に記載の発明は、所定のスキャン軌道に沿ってX線管を移動させながら被検体に対しX線を曝射し取得されたフレーム毎のX線画像と、スキャン軌道毎、X線画像のフレーム毎、検出器の画素位置毎に異なるフィルタ係数とを記憶する記憶ユニットと、前記所定のスキャン軌道、前記X線画像のフレーム、前記検出器の画素位置の組み合わせに基づいて各X線画像の画素毎のフィルタ係数を決定し、決定されたフィルタ係数を用いて前記フレーム毎のX線画像又はその処理画像にフィルタ処理を実行するフィルタ処理ユニットと、フィルタ処理後の前記フレーム毎のX線画像を用いて、断層像を生成する断層像生成ユニットと、を具備する画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、所定のスキャン軌道に沿ってX線管を移動させながら被検体に対しX線を曝射し、検出器の検出面に入射したX線を検出する撮影ユニットと、検出された前記X線に基づいて、フレーム毎のX線画像を生成する画像生成ユニットと、スキャン軌道毎、X線画像のフレーム毎、検出器の画素位置毎に異なるフィルタ係数を記憶する記憶ユニットと、前記所定のスキャン軌道、前記X線画像のフレーム、前記検出器の画素位置の組み合わせに基づいて各X線画像の画素毎のフィルタ係数を決定し、決定されたフィルタ係数を用いて前記フレーム毎のX線画像又はその処理画像にフィルタ処理を実行するフィルタ処理ユニットと、フィルタ処理後の前記フレーム毎のX線画像を用いて、断層像を生成する断層像生成ユニットと、を具備するX線診断装置である。
請求項15に記載の発明は、X線診断装置におけるディジタル断層撮影の再構成処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラムであって、コンピュータに、スキャン軌道毎、X線画像のフレーム毎、検出器の画素位置の組み合わせ毎に等価ボケ関数を二次元画像として計算させる機能と、前記等価ボケ関数の逆畳み込み関数を計算させる機能と、前記逆畳み込み関数を用いて、スキャン軌道、X線画像のフレーム、検出器の画素位置の組み合わせ毎のフィルタ係数を計算させる機能と、を実現させることを特徴とするフィルタ係数の算出プログラムである。
請求項17に記載の発明は、X線診断装置におけるディジタル断層撮影の再構成処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラムであって、コンピュータに、逆投影、投影、逆投影、投影の二重積分を実行することにより、等価ボケ関数を計算させる機能と、前記等価ボケ関数の逆畳み込み関数を計算させる機能と、前記逆畳み込み関数を用いて、スキャン軌道、X線画像のフレーム、各X線画像上の画素位置の組み合わせ毎のフィルタ係数を計算させる機能と、を実現させることを特徴とするフィルタ係数の算出プログラムである。
以上本発明によれば、デジタル断層撮影において、画質の良い結像画像を高速で生成し表示することができるX線診断装置、画像処理装置及びX線診断装置等における結像処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラムを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
なお、本実施形態においては、説明を具体的にするため、本発明の技術的思想を乳房撮影用X線診断装置に適用した場合を例とする。しかしながら、乳房撮影用に限定されず、X線を用いたデジタル断層撮影など再構成処理を行うもの(例えば循環器撮影用等のX線診断装置等)であれば、適用することが可能である。
図1は、本実施形態に係る乳房撮影用X線診断装置1の外観図を示している。同図に示すように、本乳房撮影用X線診断装置1は、アーム部10、支柱部35から構成されている。アーム部10には、互いに対向して設置されるX線源装置13及び平面検出器20、圧迫板15等が設けられている。また、支柱部35には、表示パネル27a、フットペダル31a、31b、タッチパネル31c等が設けられている。アーム部10は、支柱部35に対し上下移動及び軸36を中心とした回転移動が可能である。このアーム部10を所定の姿勢にし、平面検出器20の検出面、圧迫板15によって乳房を固定することで、例えばトモシンセシス(断層撮影)を行う場合に所望のスキャン軌道によって画像を取得することができる。
図2は、本乳房撮影用X線診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、本乳房撮影用X線診断装置1は、X線制御部11、X線源装置13、圧迫板15、圧迫板制御部16、圧迫板駆動部17、平面検出器20、メモリ21、前処理部23、結像処理部24、画像処理部25、D/A変換器26、表示部27、中央制御部30、操作部31、記憶部33を具備している。
X線制御部11は、中央制御部30からの指示に従って、所定強度のX線が所定レートで曝射されるように、X線源装置13を制御する。
X線源装置13は、X線管130、X線照射野限定器131を有している。X線管130は、X線を発生する真空管であり、高電圧発生装置からの高電圧により電子を加速させ、ターゲットに衝突させることでX線を発生する。X線照射野限定器131は、X線管130から照射されるX線を所定の形状に成形する。
圧迫板15は、平面検出器20の検出面とによって乳房を挟み圧迫することで、撮影時において乳房を平たく薄く固定するためのものである。このように乳房を圧迫して固定(ポジショニング)することで、被写体からの散乱X線を減少させ、乳腺組織の重なりを少なくすることができ、画像コントラストの改善、体動によるノイズ発生等を防止、照射線量の低減等を実現することができる。
圧迫板制御部16は、中央制御部30からの指示のもと、圧迫板15の位置決めを行うために、圧迫板駆動部17を制御する。また、圧迫板制御部16は、固定された乳房の圧迫厚(圧迫時の厚さ)を計測し、中央制御部30に送り出す。
圧迫板駆動部17は、圧迫板制御部16の制御のもと、圧迫板15を駆動する。
平面検出器20は、シンチレータとフォトダイオードアレイとを有し、被写体を透過したX線を光電膜に当てることで電子正孔を生成し、これを半導体スイッチにおいて蓄積し、電気信号として読み出すことでX線を電気信号に変換して検出するものである。なお、変換方式は、X線から電気信号に変換する直接変換であっても良いし、X線から光を介して電気信号に変換する間接変換であっても良い。
メモリ21は、平面検出器20から供給されるデジタル信号を一時的に記憶する。
前処理部23は、メモリ21からデジタル信号をフレーム毎に読み出してデジタルX線画像を生成し、前処理(例えば、オフセット補正処理、血管画素補正処理、対数演算処理等)を実行する。なお、この前処理においては、必要に応じてピクセル束ねが実施される場合もある。
結像処理部24は、中央制御部30による制御のもと、後述するProjection Inversion法による結像処理を実行する。
画像処理部25は、フレーム毎のX線画像を用いて、必要に応じてサブトラクション処理等の所定の画像処理を行う。
D/A変換器26は、画像処理部23から入力した画像データのデジタル信号列を、アナログ信号列に変換する。
表示部27は、D/A変換器26から受け取った信号により、トモシンセシスによって得られるデジタル断層画像等のX線画像を表示するCRT、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等の他、装置の動作状態を示す表示パネル27aを有する。また、表示部27は、後述するProjection Inversion法による結像処理において、スキャン軌道に関する条件を入力するための画面を表示する。
中央制御部30は、画像データの収集に関する制御、及び収集した画像データの画像処理、画像再生処理等に関する制御を行う中央処理装置である。特に、中央制御部30は、後述するProjection Inversion法による結像処理に関する制御を実行する。
操作部31は、キーボードや各種スイッチ、マウス、フットペダル31a、31b、タッチパネル31c等を備えた入力装置であり、患者情報(患者ID、検査部位、検査目的等)の入力、圧迫板15の上下移動、撮影指示、パルスレート選択、画像選択、スキャン軌道に関する条件等を入力する際に使用される。
記憶部33は、画像処理部23での画像処理前又は処理後の画像データ等を記憶する。また、記憶装置33は、後述するProjection Inversion法による結像処理を実現するための専用プログラムを記憶する。さらに、記憶装置33は、Projection Inversion法による結像処理において用いられるフィルタ係数(すなわち、スキャン軌道毎、画像フレーム毎、画像上の位置毎に決定されるフィルタ係数)を記憶する。
(Projection Inversion法による結像処理)
次に、Projection Inversion法(PI法)による結像処理について説明する。この処理は、大きくフィルタ係数計算処理と断層像生成処理とに分類することができる。以下、それぞれの処理について説明する。
[1.断層像生成処理]
図3は、PI法による結像処理の流れを概念的に示した図である。同図に示すように、
断層像生成処理は、スキャン軌道に沿って複数のX線画像を撮影した後、X線画像に前処理、フィルタリングを施しバックプロジェクションを実施して断層像を得る処理である。フィルタリングには、後述するフィルタ係数計算処理により算出されたフィルタ係数が用いられる。このフィルタ係数は、スキャン軌道毎、画像フレーム毎、画像上の位置毎に異なる。従って、撮影に用いたスキャン軌道によって、適切なフィルタ係数を選択するよう構成される。また、一回の撮影で得られた複数のX線画像の各々に対して異なるフィルタ係数が適用されるように、フィルタ係数を選択する構成となっている。さらには、フィルタ係数は、X線画像の検出器画素位置に応じて異なるため、検出器画素位置に応じて異なるフィルタ係数が適用されるよう構成される。
PI法による結像処理の背景理論は、次のようである。すなわち、結像処理の結果得られるボクセルデータをベクトル形式でy、プロジェクション画像をベクトル形式でg、プロジェクション演算を行列形式でWyと表したとき、プロジェクション過程は、次の式(1)の様に書くことができる。
Figure 2008119457
εはX線画像に加わるノイズである。ここで、プロジェクション画像gの各成分は被写体の吸収率分布により減衰したX線量の割合(減衰比)の対数をとったものである。
2乗平均推定法(minimum-mean-square-error estimation)によれば、方程式(1)の解は、次の式(2)で得られることが知られている。
Figure 2008119457
measは、撮影により得られたプロジェクション画像、σ 、σ εはそれぞれボリュームの画素値の標準偏差とプロジェクション画像に含まれるノイズの標準偏差である。ここで、次の式(3)によって定義されるボケ補正プロジェクション画像xを導入する。
Figure 2008119457
すると、式(2)は、次の式(4)で表すことができ、xがわかればバックプロジェクション演算により解を得ることができる。
Figure 2008119457
なお、Wxはxのバックプロジェクション演算を行うことを表す。式(3)より、xは次の式(5)の解である。
Figure 2008119457
この式(5)によって表現される連立一次方程式を解けばxは求められるが、この方程式が大次元であるため、直接法により解くことはできない。しかし、次の式(6)の目的関数を反復法を用いて最小化することで、解を得ることができる。
Figure 2008119457
式(6)を最小化するためには共役勾配法などの最適化手法が用いられる。共役勾配法を用いて式(5)の解を得る場合、Axを計算する処理ルーチンを用意しておけばよく、A、W、Wなどの大次元の行列を保持しなくても、計算を実行できるという特徴がある。
共役勾配法により式(5)の解が得られれば(これがボケ補正プロジェクション画像xである)、式(4)によりバックプロジェクションを行って断層像yestを得ることができる。
この方法の重要な点の一つは、プロジェクション画像領域でinversionが行われていることである。すなわち、方程式(5)は、右辺、左辺ともプロジェクション領域の画像である。matrix inversion tomosynthesisや他の多くの反復解放は、断層像領域でinversionを行っているのとは対照的である。
式(2)及びこれを変形した式(5)は、デジタル断層撮影法における最適解の方程式であり、これを解く方法が画質の面で最も良い。特に、単純バックプロジェクション法やfiltered backprojection法などと比べ、大きな画質向上がある。しかし、共役勾配法を用いる上記の方法も、数回の反復を実行するため、処理時間が多くかかってしまう。すなわち、上述したすべての方法は、ボケ補正X線画像xを得るために、方程式(5)を直接解いている。そのため、実際にこれを実行するには多くの処理時間がかかるという問題を持っている。
しかしながら、方程式(5)は線形方程式であり右辺、左辺ともプロジェクション領域の画像であることを考えると、ボケ補正X線画像xを得るためのフィルタ演算が存在する可能性がある。フィルタ演算であれば方程式を解くよりはるかに高速に処理を実行することが可能となる。本発明者らは、実際、後述する手法によりそのフィルタを導出し、方程式(5)を解くフィルタ演算が存在することを確かめた。また、フィルタ演算により等価な断層像が得られ、さらに、大幅に処理時間を削減できることを確かめた。
[2.フィルタ係数計算処理]
次に、フィルタ係数計算処理について説明する。この処理では、X線画像撮影時のスキャン軌道(何枚の画像を撮影するか、及び各々の画像をどの焦点位置、検出器位置、検出器向きで撮影するかを表す)に応じて、X線画像に適用する適切なフィルタ係数を算出する。この処理は、X線画像を撮影した後で実施できるが、撮影するスキャン軌道が前もって知られていれば、X線画像の撮影前に実施しておくこともできる。また、撮影に用いられるスキャン軌道が少数の種類であるならば、その少数のスキャン軌道に対するフィルタ係数をあらかじめ算出しておき、撮影後の断層像生成処理には、あらかじめ算出されたフィルタ係数を適用することができる。
フィルタ係数は、スキャン軌道毎に異なるが、さらに、画像フレーム毎(すなわち、焦点位置、及び検出器位置、検出器向き等の条件毎)や同一画像内の画素位置毎(画像内の領域毎)によっても異なる。従って、スキャン軌道毎、画像フレーム毎、画像内の画素位置(又は検出器画素位置)毎に応じて異なるフィルタ係数が計算される。
図4は、PI法による結像処理に用いられるフィルタ係数の計算処理の流れを概念的に示した図である。同図に示すように、ボケ補正X線画像を求めるには、一旦、プロジェクション領域の等価ボケ関数pを求め、その後、FFTを用いてpを応答関数とするデコンボリューションフィルタを構成する(逆フィルタ算出)という二つステップを採用する。
[2−1.等価ボケ関数の算出処理]
図5乃至図8は、等価ボケ関数を算出する手順を示した図である。プロジェクション画像のあるフレームのある検出画素hが1で他の画素が全て0である状態を想定する(図5中(1))。以降の処理に等価な積分演算が実行できればよいので、画像セットを作る必要はないが、説明のため、このような画像セットpを作るものとする。また、この画像を結像領域にバックプロジェクションし、バックプロジェクション画像bを得る(図5中(2))。
次に、バックプロジェクション画像bを全てのフレームにプロジェクションして、プロジェクション画像pを得る(図6中(3))。その後、プロジェクション画像pをバックプロジェクションし、bを得る(図7中(4))。バックプロジェクション画像bを画素hが存在するひとつのフレームにプロジェクションする(図8中(5))。このバックプロジェクションにより得られる1枚のプロジェクション画像から、画素hの周辺の画像領域の画像を抜き出したものが等価ボケ関数pである。
この様なバックプロジェクション−プロジェクション−バックプロジェクション−プロジェクションという演算は、ひとつの2重積分の式で表現することができる。従って、実装上は等価ボケ関数pはこの2重積分を実行することで算出される。
等価ボケ関数pの積分式は、上記の逆投影-投影-逆投影-投影の過程をステップごとに追っていくことで得られる。ここではその計算方法のみを示す。
Figure 2008119457
はフィルタ中心の座標値、dは検出器上のボケ関数の値を調べたい位置である。上の積分はdについて陽な式にはなっておらず、dはs,tの変数となっている。しかし、数値上は上式で計算することができ、t,sのループ内でdを決定し、その画素へ積分を累積してゆけばよい。
Lは積分領域の大きさを表すパラメータ(積分領域サイズ)で、およそ被写体の厚さの長さを指定する。t,tはtの積分範囲でLを用いて、次の(a3)、(a4)で求められる。
Figure 2008119457
st,rslはそれぞれプロジェクションk, lでの焦点の座標である。r(s),r(s,t)はプロジェクションk, lの投影直線上の座標であり、s,tを用いて次式(a5)、(a6)で表される。
Figure 2008119457
(s),m(s,t)は幾何学的拡大率で、次の(a7)で求められる。
Figure 2008119457
θ,θは投影直線と検出面のなす角で、次の(a8)で求められる。
Figure 2008119457
,wはプロジェクションk,lでの検出器の法線方向を表すベクトルである。dはプロジェクションkでの焦点とr(s,t)を結ぶ投影直線と検出面の交点である。幾何学的拡大率m(s,t)を用いて、次の(a9)の様に容易に計算できる。
Figure 2008119457
[2−2.逆フィルタ算出処理]
まず、最初にベクトルaを求める。aは等価ボケ関数pに画素hに対応する画素のみに値γ=σ ε/σ を加えたベクトルである。a、pともに2次元画像を表すことに注意する。
ボケ補正プロジェクション画像xのうち、k番目のフレームの画像をxとし、撮影したプロジェクション画像gmeasのk番目のフレームの画像をg measとすると、方程式(5)は次の式(8)のように近似的に表される。
Figure 2008119457
式(8)において、aとg measが既知でxが未知なのだから、デコンボリューション演算によりxを求めることができる。デコンボリューション演算は、次の式(9)のようにFFTアルゴリズムを用いて実行される。
Figure 2008119457
なお、F[.]は2次元フーリエ変換をあらわす。ここで求めたい逆フィルタは、次の式(10)によって求められる。
Figure 2008119457
[2−3.PI法での断層像生成処理]
フィルタ係数fを用いれば断層像の生成処理は、式(11)によって表されるフィルタリング、式(4)によって表されるバックプロジェクションの二つのステップで実行される。
Figure 2008119457
[2−4.算出したフィルタ係数の特徴]
図9は、あるフレームにおける、ある画素位置でのフィルタ係数を算出し、画像化して示した例である。この様なprojection inversion法で算出したフィルタ係数は、画素位置毎の値を持ち、一般に次のような性質を持つ。
・中央画素(画素h)において高い値を持つ。
・中央画素(画素h)から遠い画素では0に近い値となる。
・中央画素(画素h)から対向する2方向に負の値を持つ領域が放射状に延びる。
なお、対向する2方向とは、図10に示す投影直線(画素hと焦点を結ぶ線)と焦点の移動方向を含む平面と、検出面が交わる線の方向である。図10に示したように、スキャン軌道から等価ボケ関数を計算する方法のためこのようなフィルタ係数が得られる。負の値を持つ領域においては、中央画素に近い点では絶対値が大きな値を持ち、遠い点では0に近い値となる。また、上記の性質は、フィルタ係数の算出に、スキャン軌道を用いて計算した等価ボケ関数を用いることによるものである。逆に上記のような性質を持っていれば、フィルタ係数算出の正確な構成にかかわらず類似の画質を得ることができる。
[2−5.本乳房撮影用X線診断装置におけるフィルタ係数決定]
以上述べた手法により算出されたフィルタ係数は、断層像生成の度に計算してもよい。しかしながら、断層像生成時におけるTurn around time削減の観点から、本乳房用X線診断装置1は、事前に(例えば装置の工場出荷時に)コンピュータ等を用いて計算されたスキャン軌道毎、画像フレーム毎、画素位置毎のフィルタ係数を予め記憶しておき、適切なフィルタ係数を選択して断層像生成処理を実行する。
フィルタ係数は、フィルタ係数同定文字列を用いて選択される。フィルタ係数同定文字列は、スキャン軌道同定文字列、スキャン軌道算出パラメータ、画像フレーム番号、画像上の画素位置を特定するためのものである。
スキャン軌道同定文字列は、撮影枚数(フレーム数)、スキャン角度(例えば、円弧スキャンの場合はどの角度範囲を撮影するか)、フレームレート(1秒に何枚のX線画像を撮影するか)、焦点・検出器の移動速度、SID(焦点、検出器間距離)の組み合わせによって定義される。例えば、撮影枚数41、 スキャン角度(円弧スキャンの角度範囲)90度、 フレームレート0.5[frame/sec]、SID900mmの場合のスキャン軌道同定文字列は、「SP90_4frms_05dfps_sid900」となる。
なお、本実施形態では、例えば後述するインターフェースを用いて予めプリセットされた値からスキャン軌道に関する条件を選択することで、スキャン軌道同定文字列の入力、設定を行うものとする。しかしながら、これに拘泥されず、直接任意の値や条件を入力することで、スキャン軌道同定文字列を設定するようにしてもよい。
また、スキャン軌道算出パラメータは、式(7)のγなどのパラメータ及びx,y方向に何点のフィルタ係数代表点を取るかという数を含むものである。従って、スキャン軌道同定文字列が「SP90_41frms_05dfps_sid900」であり、例えば図11中の第2フレームの横方向(例えばx方向)3番目、縦方向(例えばy方向)2番目の検出器画素位置のフィルタ係数同定文字列は、「SP90_41frms_05dfps_sid900/gamma10_n5_3/2_3_2」と定義される。なお、同文字列中の「n5_3」は、横方向に5点,縦方向に3点の代表点がフィルタ計算に使用されることを表す。なお、本実施形態でのフィルタ係数同定文字列は、「スキャン軌道同定文字列+"/"+フィルタ係数算出パラメータ+"/"+検出器画素位置を示す文字列」で表現している。
結像処理部24は、設定されたフィルタ係数同定文字列に対応するフィルタ係数を記憶部33から読み出し、それぞれフィルタ係数同定文字列と関連付けてファイル管理して(例えば、フィルタ係数同定文字列をファイル名の一部に用いて)保存する。
(動作)
次に、本乳房撮影用X線診断装置1のPI法による結像処理における動作について説明する。
図12は、乳房撮影用X線診断装置1のPI法による結像処理における動作の流れを示したフローチャートである。同図において、まず、結像処理実行前に、操作部31からスキャン軌道に関する条件(すなわち、スキャン軌道同定文字列を決定するための条件)、スキャン軌道算出パラメータ、及び他の結像処理条件(断層像の中心位置、断層像の大きさ(field of view)、断層像の画素間隔等)が入力される(ステップS1)。
図13は、スキャン軌道に関する条件を入力するためのインターフェースの一例を示した図である。同図に示すような入力画面から所望の値を選択することにより、スキャン軌道に関する条件が入力され、これに応じたスキャン軌道同定文字列が設定される。なお、図13の例(すなわち撮影枚数72、 スキャン角度30度、 フレームレート7.2[frame/sec]、SID700mmの場合)では、スキャン軌道同定文字列は、「SP90_72frms_7.2dfps_sid700」がスキャン軌道同定文字列となる。
次に、操作部31から撮影開始が指示されると、中央制御部30は、指定した枚数のX線画像の撮影を、指定したスキャン軌道に沿って実行し、複数のX線画像を取得する(ステップS2)。
次に、前処理部23は、撮影した複数のX線画像に対して前処理を実行する(ステップS3)。なお、この前処理には、オフセット補正、欠陥画素補正処理、対数演算などが含まれ、また、必要に応じ、ピクセル束ねが実施される場合もある。
次に、中央制御部30は、各画像の画素毎のフィルタ係数同定文字列を生成する(ステップS4)。結像処理部24は、生成されたフィルタ係数同定文字列を用いてフィルタ係数を選択し、フィルタリング処理を実行する(ステップS5)。すなわち、結像処理部24は、フィルタ係数同定文字列からフィルタ係数を計算した代表点の総数を取得し、全てのフィルタ係数をファイルから読み込む。その後、結像処理部24は、下記の(1)〜(3)までの処理を全てのフレームk毎に、全ての検出器画素(i, j)に対し実施する
(1)検出器画素(i, j)がどの代表点(I, J)に近いかを決定する(すなわち、フィルタ係数同定文字列から代表点位置(I, J)を算出し判定する)。
(2)フィルタ係数同定文字列により関連するフィルタ係数を特定する(すなわち、フィルタ係数同定文字列に基づいて、記憶部33から関連するフィルタ係数を選択する)。なお、今の場合、フィルタ係数同定文字列は「スキャン軌道同定文字列 + "/"+フィルタ係数算出パラメータ+"/"+"k_I_J"」で定義される。
(3)フレームk、検出器画素(i, j)に対して関連付けられたフィルタ係数によるフィルタリングを実施する。
次に、フィルタリング処理が施された画像を用いて、バックプロジェクション処理を実行することで、断層像を生成する(ステップS6)。このバックプロジェクション処理は、スキャン軌道同定文字列により特定されたスキャン軌道、及び指定した他の結像処理条件に基づいて実行する。生成された断層像は、表示部27に表示され、自動的に記憶部33に記憶される(ステップS7)。
以上述べた手法は、検出器の各画素に最も近い代表点でのフィルタ係数を用いる例であるが、補間によりフィルタ係数を決定する方法もある。例えば、検出器の画素(i,j)に近い4つの代表点を選択する。その際、4つの代表点が作る四角形内に(i,j)が含まれるように代表点を選ぶ。4つの代表点のフィルタ係数から、画素(i, j)でのフィルタ係数を双線形補間により求める。なお、双線形補間の場合、選択する代表点は4つであるが、他の補間方法を用いた場合、代表点を選択する数は異なるものになる。
また、フィルタ係数の算出処理において、上述した手法(直接構成法)以外に、フィルタ係数採取法によってもフィルタ係数を求めることができる。この手法によるフィルタ係数算出処理は次のように行う。まず、擬似的なプロジェクション画像を生成する。このプロジェクション画像は、結像領域に点およびstripが存在したと仮定したときのプロジェクション画像である(図14(a))。点の投影像は格子状に配置され、stripの投影像はその隙間に挿入される。stripの向きは全11枚のプロジェクション画像のうち一つの画像に対してstripが点として投影される向きとする。このプロジェクション像を元に前述の式(6)を用いて反復的に解く方法または他の方法により式(5)の解xを求める。その結果、点投影像に対する応答が得られる(図14(b))。フィルタ係数採取法はこの応答をフィルタ係数として採取するものである。得られたフィルタ係数を用いてプロジェクション画像をフィルタリングし、バックプロジェクションを実施することで、式(6)による反復法と等価な処理をより高速に実行することができる。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本X線診断装置では、複数のX線管位置で複数のX線画像を撮影し得られる各画像に前処理を適用した後、フィルタリング処理、バックプロジェクションを行うことで断層像を生成する。このとき、フィルタリングに用いられるフィルタ係数は、スキャン軌道毎、画像フレーム毎、画像内の画素位置毎に応じて好適なものが決定され、また、このフィルタ係数の決定は、デジタル断層撮影法における最適解の方程式(式(2)、式(5)参照)をフィルタ演算によって求めることに対応する。従って、従来に比して画質の高い断層像を生成することができ、診断の質の向上に寄与することができる。
また、本X線診断装置では、断層像生成において反復演算処理を必要とせず、また、予め算出されたフィルタ係数を記憶しておき、その中からフィルタ係数同定文字列を用いて画素位置毎のフィルタ係数を選択するため、断層像生成の度にフィルタ係数を初めから算出する必要ない。従って、画質の高い断層像を実現しつつ、撮影から断層像表示までのTurn around timeを短縮することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
本実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、デジタル断層撮影において、画質の良い結像画像を高速で生成し表示することができるX線診断装置、画像処理装置、X線診断装置等における結像処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラムを実現することができる。
図1は、本実施形態に係る乳房撮影用X線診断装置1の外観図を示している。 図2は、本実施形態に係る乳房撮影用X線診断装置1のブロック構成図を示している。 図3は、PI法による結像処理の流れを概念的に示した図である。 図4は、PI法による結像処理に用いられるフィルタ係数の計算処理の流れを概念的に示した図である。 図5は、等価ボケ関数を算出する手順を示した図である。 図6は、等価ボケ関数を算出する手順を示した図である。 図7は、等価ボケ関数を算出する手順を示した図である。 図8は、等価ボケ関数を算出する手順を示した図である。 図9は、あるフレームにおける、ある画素位置でのフィルタ係数を算出し、画像化して示した例である。 図10は、projection inversion法で算出したフィルタ係数により求めたフィルタ係数の特徴を説明するための図である。 図11は、フィルタ係数同定文字列の生成手法を説明するための図である。 図12は、乳房撮影用X線診断装置1のPI法による結像処理における動作の流れを示したフローチャートである。 図13は、スキャン軌道に関する条件を入力するためのインターフェースの一例を示した図である。 図14(a)、(b)は、フィルタ係数採取法を説明するための図である。 図15は、従来技術を説明するための図である。
符号の説明
1…乳房撮影用X線診断装置、10…アーム部、11…X線制御部、13…X線源装置、15…圧迫板、16…圧迫板制御部、17…圧迫板駆動部、20…平面検出器、21…メモリ、23…前処理部、24…結像処理部、25…画像処理部、26…D/A変換器、27…表示部、30…中央制御部、31…操作部、33…記憶部、35…支柱部、36…軸

Claims (18)

  1. 所定のスキャン軌道に沿ってX線管を移動させながら被検体に対しX線を曝射し取得されたフレーム毎のX線画像と、スキャン軌道毎、X線画像のフレーム毎、検出器の画素位置毎に異なるフィルタ係数とを記憶する記憶ユニットと、
    前記所定のスキャン軌道、前記X線画像のフレーム、前記検出器の画素位置の組み合わせに基づいて各X線画像の画素毎のフィルタ係数を決定し、決定されたフィルタ係数を用いて前記フレーム毎のX線画像又はその処理画像にフィルタ処理を実行するフィルタ処理ユニットと、
    フィルタ処理後の前記フレーム毎のX線画像を用いて、断層像を生成する断層像生成ユニットと、
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記所定のスキャン軌道を入力するための入力ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記記憶ユニットが記憶するフィルタ係数は、スキャン軌道、X線画像のフレーム、検出器の画素位置の組み合わせ毎に等価ボケ関数を二次元画像として計算し、
    前記等価ボケ関数の逆畳み込み関数を計算し、
    前記逆畳み込み関数を用いて、スキャン軌道、X線画像のフレーム、検出器の画素位置の組み合わせ毎に決定されたものであること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  4. 前記フィルタユニットは、各画素のフィルタ係数に補間処理を用いるものであることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の画像処理装置。
  5. 前記フィルタ係数のそれぞれは、中央画素において高い値を持ち、中央画素から遠い画素では0に近い値となり、中央画素を基準として決定される対向する二方向に負の値を持つ領域が放射状に延びるものであることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の画像処理装置。
  6. 前記対向する二方向は、投影直線と焦点の移動方向を含む平面と、検出面が交わる線の方向であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記負の値を持つ領域においては、中央画素に近い点では絶対値が大きな値を持ち、遠い点では0に近い値となることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  8. 所定のスキャン軌道に沿ってX線管を移動させながら被検体に対しX線を曝射し、検出器の検出面に入射したX線を検出する撮影ユニットと、
    検出された前記X線に基づいて、フレーム毎のX線画像を生成する画像生成ユニットと、
    スキャン軌道毎、X線画像のフレーム毎、検出器の画素位置毎に異なるフィルタ係数を記憶する記憶ユニットと、
    前記所定のスキャン軌道、前記X線画像のフレーム、前記検出器の画素位置の組み合わせに基づいて各X線画像の画素毎のフィルタ係数を決定し、決定されたフィルタ係数を用いて前記フレーム毎のX線画像又はその処理画像にフィルタ処理を実行するフィルタ処理ユニットと、
    フィルタ処理後の前記フレーム毎のX線画像を用いて、断層像を生成する断層像生成ユニットと、
    を具備することを特徴とするX線診断装置。
  9. 前記所定のスキャン軌道を入力するための入力ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項8記載のX線診断装置。
  10. 前記記憶ユニットが記憶するフィルタ係数は、スキャン軌道、X線画像のフレーム、検出器の画素位置の組み合わせ毎に等価ボケ関数を二次元画像として計算し、
    前記等価ボケ関数の逆畳み込み関数を計算し、
    前記逆畳み込み関数を用いて、スキャン軌道、X線画像のフレーム、検出器の画素位置の組み合わせ毎に決定されたものであることを特徴とする請求項8又は9記載のX線診断装置。
  11. 前記フィルタユニットは、各画素のフィルタ係数に補間処理を用いるものであることを特徴とする請求項8乃至10のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
  12. 前記フィルタ係数のそれぞれは、中央画素において高い値を持ち、中央画素から遠い画素では0に近い値となり、中央画素を基準として決定される対向する二方向に負の値を持つ領域が放射状に延びるものであることを特徴とする請求項8乃至11のうちいずれか一項記載の画像処理装置。
  13. 前記対向する二方向は、投影直線と焦点の移動方向を含む平面と、検出面が交わる線の方向であることを特徴とする請求項12記載の画像処理装置。
  14. 前記負の値を持つ領域においては、中央画素に近い点では絶対値が大きな値を持ち、遠い点では0に近い値となることを特徴とする請求項12記載の画像処理装置。
  15. X線診断装置におけるディジタル断層撮影の再構成処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラムであって、
    コンピュータに、
    スキャン軌道毎、X線画像のフレーム毎、検出器の画素位置の組み合わせ毎に等価ボケ関数を二次元画像として計算させる機能と、
    前記等価ボケ関数の逆畳み込み関数を計算させる機能と、
    前記逆畳み込み関数を用いて、スキャン軌道、X線画像のフレーム、検出器の画素位置の組み合わせ毎のフィルタ係数を計算させる機能と、
    を実現させることを特徴とするフィルタ係数の算出プログラム。
  16. 前記コンピュータに、計算された前記フィルタ係数を、スキャン起動の情報と関連付けて保存手段に保存させる機能をさらに実現させることを特徴とする請求項15記載のフィルタ係数の算出プログラム。
  17. X線診断装置におけるディジタル断層撮影の再構成処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラムであって、
    コンピュータに、
    逆投影、投影、逆投影、投影の二重積分を実行することにより、等価ボケ関数を計算させる機能と、
    前記等価ボケ関数の逆畳み込み関数を計算させる機能と、
    前記逆畳み込み関数を用いて、スキャン軌道、X線画像のフレーム、各X線画像上の画素位置の組み合わせ毎のフィルタ係数を計算させる機能と、
    を実現させることを特徴とするフィルタ係数の算出プログラム。
  18. 前記コンピュータに、計算された前記フィルタ係数を、スキャン起動の情報と関連付けて保存手段に保存させる機能をさらに実現させることを特徴とする請求項17記載のフィルタ係数の算出プログラム。
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