JP2008116410A - 円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の測定方法およびこれを用いた装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心軸が平行関係を持つ複数の円柱体の長さ方向に対して垂直に偏向された垂直偏光を前記円柱体に投射して得た所定散乱角度の散乱光による測定散乱光強度と前記散乱角度から算出した計算散乱光強度とから、前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の関数で表される偏差指標を算出し、前記偏差指標を最小とする前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の組み合わせを導出して、前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角を求める円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離入射光軸と間隔のなす角の測定方法である。
【選択図】図1
Description
又、特許文献2、3では、レーザ光による被測定細線のフラウンフォーファ回折像の回
折パターンからその外径を算出する方法によって、外径17.5μmの細線の測定ができ
ることが開示されている。
そこで、本発明者らは非特許文献1に示すようにレーザ光を被測定物に対して垂直、或いは水平に偏光したレーザ光を用いて、被測定物による散乱強度を測定し、ある式の基に計算した計算値との偏差から、その外径および屈折率を測定する方法を開発した。この方法によれば、外径240nm程度の細い円柱体が測定できることを示した。
しかしながら、ナノカーボンチューブなどのチューブ状の円柱体ではその内径を知ることや、同軸でコア部と外周に配されるクラッド部を持つ光ファイバなどの同軸円柱体では、そのコア部の直径や光ファイバ自体の直径、コアの偏芯度、個々の屈折率などを制御することが特性向上に対する重要な要素であり、これらの値を知ることが必要となっている。
更に、めっき線などの外周に被覆層を持つ円柱体のその被覆層厚みなどを直接知る方法、複合構造を採る神経繊維などの生体構造の解明においても、その寸法や屈折率などを知ることが望まれている。
そこで、本発明では、これらを精度良く、且つ効率よく測定する測定方法およびその測定方法を用いた装置を提供するものである。
図1(a)は、中心軸が平行関係を持つ場合の例を示し、a−1、a−2は中心軸間距離Lが異なる2本の円柱体で構成されている例、a−3は中心軸間距離Lで内部に円柱体を持つ2本の円柱体で構成されている例である。図1(b)は同一の中心軸を持つ同軸円柱体の例で、b−1、b−4は中実の多重円柱体を示し、光ファイバや外面に被覆層が設けられているめっき線などの例である。b−2、b−3は中空の円柱体(円筒体)の例で、b−3はb−1の中空内に同軸の円柱体が配されているものである。図1(c)は中心軸が平行関係を持つ円柱体と同軸円柱体が存在する場合の例で、c−1はb−1のような同軸円柱体に偏心軸を持つもう一体の円柱体が加わった構成の例で、c−2はb−4の内部円柱体の中心軸が偏心している状態の例である。以上のようにいくつかの被測定物の例を示したが、本発明に供される被測定物の形態は本発明の要件を満たしていれば図1に限定されない。
図2の散乱光強度Iiを測定するために、図3に示す直径・屈折率測定装置1で、被測定物2に対して、光源3から波長λnm(446.1nm)のレーザ光3aを発光し、そのレーザ光3aが偏向装置4で被測定物に対して垂直偏光、或いは水平偏光とされ、検出部5上面に支持台5bで支持された被測定物2に投射される。レーザ光3aは、被測定物2により一部が反射され、レーザ光3aの光軸に対して散乱角度θに配置された検出器6で、その測定散乱光強度Iが測定される。この手順で、散乱角度θi(i=0・・・n)を変化させてその時の測定散乱光強度Ii(i=0・・・n)を順次測定していく。
又は、図4のように複数の検出器6(図4の場合は28基)を、被測定物2を支持する
支持台5bの円周上に配置し、各々の検出器6の散乱角度θiで測定散乱光強度Iiを測
定することでも良い。
この演算部7内で計算散乱光強度σiが計算される。
本発明では、この計算散乱光強度σiを、円柱体の数が2の場合には数1に表す式を用いて求める。これ以降の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の算出において精度の良い値が得られることからこの式では、第1種と第3種ベッセル関数を用いて表している。その計算散乱光強度σiの算出に際しては、垂直偏光で散乱させた場合は、添字⊥の式を用いて計算し、水平偏光を散乱させた場合は、添字‖の式を用いて計算を行う。
また、数1の式は繊維編素や蜘蛛の糸のような透明性の高い材質の測定に有効であるが、金属系超伝導線のような反射の強い金属などの場合や、カーボンナノチューブなどのような中空試料では、この計算散乱光強度式をより適した式に変えることで、本発明の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の同時測定を行うことができる。
次に求めた各値と、n10、D10、n20、D20、L0との差、直径に関しては(Dmin−D10,Dmax−D10)、(Dmin−D20,Dmax−D20)、屈折率に関しては(nmin−n10,nmax−n10)、(nmin−n20,nmax−n20)、中心軸間距離に関しては(Lmin−L10,Lmax−L10)、(Lmin−L20,Lmax−L20)を不確実さと定義し、この値を最小とする点(n10,D10,n20,D20,L0,ψ0)を求めることにより、被測定物の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角を算出する。
被測定物としては、中心軸が平行関係を持ち、中心軸間距離が大きい試料A(図1(a)a−1相当)と中心軸間距離が小さい試料B、C(図1(a)a−2相当)を用いた
これらの試料を図2の直径・屈折率測定装置1の支持台5bにセットして、波長λ=441.6nmのレーザ光を投射し、散乱角度θiを0度から150度の間で、2度刻みに
順次変化させ、その散乱強度を測定し、測定散乱光強度Iiとした。
角度θiから計算散乱光強度σiを求め、測定散乱光強度Iiと求めた計算散乱光強度σiから偏差指標UI(n1,D1,n2,D2,L,ψ)を計算し、UI(n1,D1,n2,D2,L,ψ)を最小とする値を最適値として求め、その時のD1、n1、D2、n2、Lを各々直径、屈折率及び中心軸間距離とした。その結果を表1に記した。
なお、測定は、垂直偏光及び水平偏光の両者で行なっている。
垂直偏光を用いた場合と水平偏光を用いた場合での得られる精度には大きな差が無いこともわかる。
2 被測定物
3 光源
3a レーザ光
3b 散乱光
4 偏向装置
5a 検出部
5b 支持台
6 検出器
7 演算部
θi 散乱角度
Ii 測定光散乱強度
σi 計算散乱光強度
D1、D2 直径
n1、n2 屈折率
L 中心軸間距離
ψ 入射光軸と間隔Lのなす角
Claims (7)
- 中心軸が平行関係を持つ複数の円柱体の長さ方向に対して垂直に偏向された垂直偏光を前記円柱体に投射して得た所定散乱角度の散乱光による測定散乱光強度と前記散乱角度から算出した計算散乱光強度とから、
前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の関数で表される偏差指標を算出し、
前記偏差指標を最小とする前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の組み合わせを導出して、前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角を求める円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離入射光軸と間隔のなす角の測定方法。 - 同一の中心軸を持つ複数の円柱体の長さ方向に対して垂直に偏向された垂直偏光を前記円柱体に投射して得た所定散乱角度の散乱光による測定散乱光強度と前記散乱角度から算出した計算散乱光強度とから、
前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の関数で表される偏差指標を算出し、
前記偏差指標を最小とする前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の組み合わせを導出して、前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角を求める円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離入射光軸と間隔のなす角の測定方法。 - 中心軸が平行関係を持つ円柱体と同一の中心軸を持つ円柱体とで構成される複合円柱体の長さ方向に対して垂直に偏向された垂直偏光を前記円柱体に投射して得た所定散乱角度の散乱光による測定散乱光強度と前記散乱角度から算出した計算散乱光強度とから、
前記複合円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の関数で表される偏差指標を算出し、
前記偏差指標を最小とする前記複合円柱体を構成する個々の円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の組み合わせを導出して前記複合円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角を求める円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離入射光軸と間隔のなす角の測定方法。 - 中心軸が平行関係を持つ複数の円柱体の長さ方向に対して水平に偏向された水平偏光を前記円柱体に投射して得た所定散乱角度の散乱光による測定散乱光強度と前記散乱角度から算出した計算散乱光強度とから、
前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の関数で表される偏差指標を算出し、
前記偏差指標を最小とする前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の組み合わせを導出して、前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角を求める円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離入射光軸と間隔のなす角の測定方法。 - 同一の中心軸を持つ複数の円柱体の長さ方向に対して水平に偏向された水平偏光を前記円柱体に投射して得た所定散乱角度の散乱光による測定散乱光強度と前記散乱角度から算出した計算散乱光強度とから、
前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の関数で表される偏差指標を算出し、
前記偏差指標を最小とする前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の組み合わせを導出して、前記複数の円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角を求める円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離入射光軸と間隔のなす角の測定方法。 - 中心軸が平行関係を持つ円柱体と同一の中心軸を持つ円柱体とで構成される複合円柱体の長さ方向に対して水平に偏向された水平偏光を前記円柱体に投射して得た所定散乱角度の散乱光による測定散乱光強度と前記散乱角度から算出した計算散乱光強度とから、
前記複合円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の関数で表される偏差指標を算出し、
前記偏差指標を最小とする前記複合円柱体を構成する個々の円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の組み合わせを導出して前記複合円柱体の個々の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角を求める円柱体の直径、屈折率、中心軸間距離及び入射光軸と間隔のなす角の測定方法。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかの測定方法を用いた装置。
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2006
- 2006-11-07 JP JP2006302150A patent/JP4923255B2/ja active Active
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