JP2008113634A - 一胚由来産子並びに胚性幹細胞の生産系 - Google Patents

一胚由来産子並びに胚性幹細胞の生産系 Download PDF

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松本和也
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Abstract

【課題】個体あるいは受精卵・胚間で共通の遺伝情報を有し、細胞移植実験や、細胞と個体を用いて体外培養環境下と体内生理的環境下における薬剤感作反応の比較を行うのに適した、モデル動物と細胞のセットの提供。
【解決手段】哺乳動物から得た単一の胚を二分して、一方の分離割球から得た胚性幹細胞と、他方の分離割球から得た動物個体の組を作成する、同一の遺伝情報を有するモデル動物と細胞系の作成方法、および該動物と細胞のセット。
【選択図】図1

Description

本発明は哺乳動物における発生工学研究、前臨床試験、安全性試験、疾患研究、免疫研究においてのモデルとして有用な、胚性幹細胞(以下、ES細胞ともいう)及び動物個体として、同一ゲノム及び核外DNA、例えばミトコンドリアDNAを有するES細胞と個体の組;該ES細胞と哺乳動物個体組を高い集率で得る事が可能な、ES細胞と哺乳動物個体の組の生産方法;所望の細胞株及び個体の組を決定するためのスクリーニング法;ならびにモデルシステムとしての概念に関する。
ES細胞とは、多分化能と自己複製能とを有する未分化細胞である。また、前記ES細胞は、損傷後の組織修復力を有することが示唆されている。このため、かかるES細胞は、各種疾患の治療用物質のスクリーニング、再生医療への応用が期待されている。
現在、マウスをはじめとするヒト以外の哺乳動物ES細胞を疾患モデルとして応用する場合、a)ES細胞と移植用動物個体の遺伝子配列が同一でない場合、免疫学的な拒絶反応が生ずる、b)細胞を用いて薬剤に対する感作試験を行い、得られた情報を前記細胞と遺伝子配列を異にする動物個体に反映させる際、一塩基多型の存在により反応の同一性が期待できない、といった点から、必ずしも目的とする効果が得られない場合がある。
同一ゲノムを有するES細胞と動物個体の組を得る方法としては、体細胞核移植あるいは胚細胞核移植法がある。しかしながら、前記の方法を用いるとa)ゲノムDNA配列は同一であるが、配列の異なる核外DNAを多量に有することになる、b)マウスをはじめとする哺乳動物の核移植法は成功率が著しく低く、あるいは未だ成功例がないのが現状である。
また、核移植法は倫理的な観点から、利用に制限がかかる場合がある。
同一の遺伝情報及び同一の核外ゲノムを有するES細胞及び動物個体組は、ヒトの疾患研究、臨床応用、特に移植医療のための動物モデルとして非常に有用である。本発明の同一のゲノム及び核外ゲノムを有するES細胞及び動物個体組の作製方法によれば、前記実験モデルの作製を実現可能にするという優れた効果を発揮する。さらに、本発明のスクリーニング法によれば、同時に複数のES細胞及び動物個体組の作製も可能になるという優れた効果を奏する。
尚本実施例の方法では、産仔獲得後に、ES細胞との組をつくるための煩雑な分子生物学的手法を用いずに確実な組を得る事が出来るという優れた効果を奏する。さらに、アルビノマウス胚と同時に移植を行う事で、作製効率は実施例1で使用した方法と全くおとらないという効果を奏する。
本発明のカニクイザル分離割球由来ES細胞は、今後の霊長類、特にヒト、サルの発生工学研究、疾患研究、臨床応用、実験モデルとして非常に有用である。本発明のカニクイザル分離割球由来ES細胞の生産方法によれば、霊長類においても一方の割球のみからES細胞の獲得が可能になるという優れた効果を奏する。
本発明は前記従来の技術に鑑みてなされたものであり、哺乳動物、特に核移植技術の成功率が低い種における発生学研究、疾患研究、臨床応用、実験モデルなどに有用な、分離割球由来ES細胞及び動物個体組;該胚性細胞及び動物個体組を高い収率で得ることが可能な生産方法;所望の組を得るのに有用な試薬及びスクリーニング方法;ならびに胚性細胞及び動物個体組を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、
[1] (a)雌雄動物の交配あるいは体外受精によって受精卵を得る行程、
[2](b)工程(a)で得られた受精卵に割球分離操作を行い、分離割球を得る工程及び[c]工程[b]で得られた分離割球を胚盤胞期胚まで体外培養を行う工程、
[3][c]分離割球由来胚盤胞期胚より胚性幹細胞を分離培養する工程、及び同じく[c]分離割球胚盤胞期胚を移植し、動物個体を得る工程、
を含む、分離割球由来ES細胞及び分離割球由来動物個体組の作製方法、
[4]下記特性
(i)特に、近交系が存在する動物種、マウス及びラットに関して交雑系同士あるいは交雑系とクローズドコロニー(即ちマウスICR系統、マウスddY系統)を交配し、個体間で遺伝的多様性を導入した場合において、免疫学的な拒絶反応を呈さない。
(ii)上記の系統から作製した胚性細胞株及び動物個体組のゲノムDNAに関して、ゲノムDNA上に存在するマイクロサテライト配列の繰り返し数が同じである事を利用した判別法の結果が一致する。
(iii)上記より得られる胚性細胞のうち、特にES細胞に関して、(1)未分化状態を維持して増殖継代可能である、(2)8〜12週齢のSCIDマウスの腎皮膜下あるいはリンパ節に移植する事により、多分化能が認められる、(3)Oct4、SSEA-1、Nanogといった未分化マーカーに対して陽性である、(4)アルカリフォスファターゼ活性が認められる、という性状を呈する。
(iv)上記より得られる動物個体に関して、繁殖行動及び妊娠、出産が可能であり、肥満、発育異常等、生理学的な異常が認められない。
を有する、胚性細胞及び動物個体組
本発明に用いられる「動物」とは、個体間あるいは受精卵・胚間でゲノムDNA及び核外DNAの配列が異なる種類、系統の事を指す。近交化され、ゲノムDNA及び核外DNA配列を異にする系統、たとえばマウスやラットにおける近交系統についてもなんらかの使用制限を受ける対象という訳ではない。
ヒトの疾患モデルを選択する際、日本でよく使用される霊長類であるカニクイザルやマーモセット、あるいはウサギといった大・中型動物は元来実験動物としての系統整備が進んでおらず、個体あるいは受精卵・胚間で配列の異なるゲノムDNA及び核外DNAを有する。
そのため、特に細胞、臓器移植実験や細胞移植による組織修復実験、細胞と個体を用いて体外培養環境下と体内生理的環境下における化学物質や毒物、薬剤に対する感作反応の比較を行うことができない。前記を解決する手段として、免疫抑制剤の継続的投与あるいは移植対象あるいは比較対象となる動物個体から採取した体細胞核を材料に体細胞核移植を行い、クローン動物を作製するしかない。
本発明では、前臨床実験として応用することを考慮し、交雑系マウスとクローズドコロニーマウスの交配により同様の遺伝的多様性を持たせた動物、或はもともと遺伝的多様性を有する動物を用いる必要がある場合に特に有用である。
本発明の同一ゲノム及び核外DNA、例えばミトコンドリアDNAを有するES細胞と個体の組は、(a)動物の交配あるいは体外受精により受精卵を得る工程、(b)得られた受精卵より発生した胚から割球を分離する工程、(c)工程(b)で得られた分離割球を用いて体外培養法により胚盤胞期胚を得る工程、及び(d)工程(c)で得られた胚盤胞期胚を用いてES細胞を樹立する工程、あるいは(e)工程(c)で得られた胚盤胞期胚を用いて胚移植法により動物個体を作出する工程、を含むプロセス(以下、ES細胞、動物個体組の生産方法という)により得られうる。かかるES細胞、動物個体組の生産方法も本発明の範囲に含まれる。
本発明のES細胞、動物個体組作製方法は、前記(a)〜(d)の工程を行うことにより、約65%という驚くべき高い確率で分割割球からES細胞を得ることが出来るという、本発明者らの知見に基づく。さらにそれにより、本発明の生産方法によればゲノムDNAばかりでなく核外DNAの配列が全く同一のES細胞及び動物個体を、従来の体細胞核移植あるいは胚細胞核移植に比して極めて高い収率で作製出来るという優れた効果を発揮する。
工程(a)において動物の卵子は従来行われてきた、安楽死後、開腹して、卵管膨大部あるいは卵管あるいは子宮を摘出後、実体顕微鏡下で切開あるいは潅流して回収することができ、大・中型動物の場合は麻酔下で開腹して、卵巣直視下で卵巣穿刺する方法、卵管摘出後に潅流により回収する方法により得ることもできる。個体への負担の軽減、手術後の創傷治癒に要する時間の短縮または解消の観点から、腹腔鏡観察下での採卵も可能である。
採卵に用いる動物の週齢あるいは年齢は、動物種により異なるが、小動物においては、離乳より性周期が確定する以前、例えばマウスでは出生後20日以上、27日以前即ち出生後3週間から4週間の間あるいは、性周期が確定以降という観点から8週齢以上、老化が開始する以前という観点から12週齢以前が望ましい。
また、大動物においては、定期的な月経周期が認められる時期、例えばカニクイザルでは4齢以上、月経周期の終了前という観点から、15週齢以下であることが望ましい。
採卵にあたっては排卵誘発剤等を用いてもよい。
前記排卵誘発剤としては、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)等があげられ、具体的にはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)、妊馬血清性ゴナドトロピン(PMSG)、ヒト閉経期尿性ゴナドトロピン(hMG)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)等が挙げられる。かかる排卵誘発剤の種類、投与量及び投与期間は個体の種類、体重、用いる排卵誘発剤の種類により適宜選択することが出来る。
受精卵あるいは未受精卵の獲得は、具体的には下記のように行うことが出来る:3週齢の交雑系雌マウスにPMSGを0.5単位腹腔内注射する。PMSG投与48時間後にhCGを0.5単位腹腔内注射し、性成熟したクローズドコロニー雄マウスと交配する。交配はhCG投与後、20時間までに成立する。ここで、交配の成立は交配開始から約14時間後に雌マウス膣口部に白色あるいは薄い黄色の栓様物が形成されていることを指標として評価する。採卵に際しては、交配確認から24〜30時間後にM2溶液を充填し、31G注射針を取り付けたツベルクリン用注射器を用いて卵管を潅流する。
回収後、直ちにBSA含有KSOM-AA中に移し、5%CO2、37℃条件下におくことで、生存性を保ったまま胚をおく事が出来る。また、大・中動物たとえばカニクイザルの場合、体外受精法によって効率よく受精卵が獲得されうることが報告されており、未受精卵の採取、顕微授精とも記載の方法に従って行われうる。具体的には、4〜15齢の雌カニクイザルにGnRH 1.8〜3.65mgを皮下投与し、GnRH投与2週間後からPMSGを25単位/kg、hMG 10単位/kg またはFSH 3単位/kgを1日1回、一定時刻に9日間連続で筋肉内投与する。ついでhCG 400単位/kgを1回筋肉内投与し、38〜42時間後に採卵する。
未受精卵の回収にあたっては、卵巣を腹腔鏡観察下において、10%SSS(Serum Substitute Supplement)を添加したα-MEM溶液を充填し、19Gの注射針を取り付けた2.5ml注射器を用いて、卵胞を穿刺・吸引した。回収後、実体顕微鏡下で卵丘細胞に包まれた成熟卵子を分離し、0.3%BSA含有TALP中に移し、5%O2、5%CO2、90%N2の条件下においた。
受精卵の獲得にあたっては体外受精法、とくに凍結融解精子を用いた顕微授精法を記載するが、特に限定されるものではなく、IVF法あるいは動物同士をあらかじめ交配させておき、受精卵を直接得る方法でもよい。顕微授精法はヒュウィットソン(Hewittson, L.)[Human Reproduction, 13, 3449-3455(1998)]に記載の方法にしたがって行われうる。
本発明における割球分離の工程(b)においては、割球あるいは胚への急激な環境変化による影響を低減させるという観点からHEPESを添加し、割球同士の結合を緩やかにするという観点からCa2+を除去した培養液例えばTALP-HEPES Ca2+free液、M2 Ca2+free液を用いることが好ましい。TALP-HEPES Ca2+ free液及びM2 Ca2+free液は下記のように調整する事が出来る。
本発明において行われた割球分離操作について二例(1)(2)を以下に示す:
(1) プラスチックシャーレ内のミネラルオイルで覆われた100μLのM2 Ca2+微小滴中に、透明帯を除去した2細胞期胚を5〜10個入れる。前記透明帯は、ヒアルロニダーゼ、プロナーゼ、酸性タイロード液等を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で5分間程度培養すればよい。2細胞期胚は穏やかにピペッティングを繰り返すことで容易に分離し、球型の分離割球となる。
(2) 100mmプラスチックディッシュにスポット1:TALP HEPES Ca2+ free 5μL、スポット2:TALP HEPES 5μLに5〜10個の卵子透明帯のみをいれておいたものを用意し、表面をミネラルオイルで覆っておく。透明帯切除用のニードルとしては、のガラスキャピラリをマグネティックプーラー(PN-30、ナリシゲ社製)で加工し、 先鋭、傾斜角30°程度としたものが挙げられる。前記ニードルは、キャピラリホルダを介してマイクロマニピュレーターに接続し、使用する。卵子保持用ニードルとしては、例えばヒトICSI用の傾斜角30°、外径100μm、先端内径15μmのニードルが挙げられる。前記卵子保持用ニードルは、2000μLのエアータイトシリンジを取り付けたインジェクターを介してマイクロマニピュレーターに接続する。2細胞期胚をスポット1に入れ、保持用ニードルと透明帯切除用ニードルを用いて透明帯を切除する。切除後、割球分離用ニードル、即ち割球が破損せず入る大きさである約30μmの口径に作製したニードルを使用して一方の割球を分離する。分離した割球はスポット2にある透明帯腔に挿入する。スポット2の透明帯は、例えば採卵時に未成熟であった卵子や体外培養中に発生を停止した胚の細胞質を除去したものを用いればよい。(1)で得られた分離割球は、通常の卵子培養法で培養すると接触した分離割球同士が統合してしまう、発生率の顕著な低下が生じる、前記の問題を防止するために単一割球で培養を行うと発生率の著しい低下が生じる、という問題がある。本発明では、プラスチックディッシュ上にピン、たとえば待ち針のようなものでちいさな押し穴を作製し、その上に5μL程度のKSOM-AAの微小滴を作製し、乾燥しないようにミネラルオイルで覆った中で培養を行う。上記方法により、分離割球は分離操作を行う前の正常な胚と何ら変わらない割合で胚盤胞期胚まで発生するという優れた効果が認められる。或は、(2)で作製した分離割球は透明帯を有するために、複数の胚を通常の胚培養環境下で培養しても問題はない。
分離割球の培養に際しては、培養経過の観察に依る温度及び培養液pHの急激な変化等の不要なストレスを避ける観点から、分離、培養開始から2日間は培養器の扉の開閉を止め密閉することが望ましい。
培養温度に関しては、発生に要する時間の短縮及び桑実胚から胚盤胞期胚への発生を進行させる観点から、マウス:37℃、カニクイザル:38℃で培養を行う事が望ましい。培養気相は、桑実期胚から胚盤胞期胚への発生を進行または向上させる観点から、マウス:5% CO2調整大気を使用すればよい。大・中動物たとえばウサギやカニクイザル:5% CO2、 5% O2、 90% N2の気相によって発生率が著しく向上する。
さらに、(d)工程(c)で得られた胚盤胞期胚を用いてES細胞を樹立する工程を行う。工程(d)においては、工程(c)で得られた胚盤胞期胚より得られる内部細胞塊をフィーダー細胞上または白血病細胞増殖阻害因子〔Leukemia Inhibitory Factor; LIF、分化阻害因子(DIF)とも表記される〕中で培養する事によりES細胞を樹立する事が出来る。
胚盤胞期胚から内部細胞塊(Inner Cell Mass; ICM、以下ICMという)を取得する際、透明帯が除去された胚盤胞期胚が用いられるが、本発明の割球分離工程(c)において(1)を利用する場合、前工程中で既に透明帯を除去済みである。そのため、前記(1)より進む場合、透明帯除去工程は省略すればよい。本発明の割球分離工程(c)において(2)を利用する場合、分離割球は透明帯に包まれているため、透明帯の除去工程が必要である。お透明帯除去は前記工程(c)に示すように、ヒアルロニダーゼ、プロナーゼ、酸性タイロード液等を含むリン酸緩衝生理食塩水の中で培養すれば良い。
透明帯なしの胚盤胞期胚からES細胞を作製するには例えば以下の2例によって成されうる。
(1) 該胚盤胞期胚を免疫手術に供し、栄養膜細胞部を除去するとともに、ピペット操作によって付着した内胚葉系の細胞を除去する。得られたICMをフィーダー細胞上で1週間程度培養し、増殖したICMをトリプシンで処理(例えば0.25%トリプシン+0.5mM EDTAを使用する)して、約3〜4個の細胞からなる塊にし、さらにこれらを再度培養する。前記操作を繰り返すことで優れた効率でES細胞の樹立が可能となる。
(2) 或は、該胚盤胞期胚を直接フィーダー細胞の上に播種し、同様に1週間程度培養する。次いで、形成されたICMからなる細胞塊をトリプシンで処理(例えば0.25%トリプシン+0.5mM EDTAを使用する)して、約3〜4個の細胞からなる塊にし、さらにこれらを再度培養する。(2)の工程はマウス胚盤胞期胚に対して有効であり、成功率も比して高い。
フィーダー細胞としては、マウスの胎児性繊維芽細胞であるSTO細胞、妊娠13.5日目のマウス胎児由来繊維芽細胞の初代培養細胞等をマイトマイシンC処理やX線処理して得られた細胞が挙げられる。かかるマウス由来のフィーダー細胞は種を超えて有効であり、大量に調整出来る点でも実験に有利である。
前記フィーダー細胞の作製は、例えば後述の実施例に記載の方法などにより行う事が出来る。フィーダー細胞は10%ウシ胎児血清含有DMEM培地に播種する。このとき、培養容器にはゼラチン溶液で覆い、室温で約3時間静置することにより予めゼラチンコートしたものを用いるとよい。フィーダー細胞は、培養容器を無理なく覆う程度まで生育させればよい。尚、前記胚盤胞期胚、ICM及びES細胞はフィーダー細胞上で、ES細胞培養用の培養液の中で培養する。
免疫手術に用いる抗血清としては、例えばマウス胚盤胞期胚に対してはウサギ抗マウス血清、カニクイザル胚盤胞期胚に対してはウサギ抗カニクイザル血清が挙げられる。かかる抗血清をM16培地〔DNA Cloning 4 Mammalian Systems A Practical Approach等を参照のこと〕で20倍程度に希釈した溶液中に胚盤胞期胚を移し、37℃で30分間培養することにより、ICMを分離する事が出来る。また、必要に応じてガラス針を用いて顕微鏡下で栄養膜細胞を除去する工程を追加してもよい。
ES細胞の培養条件は、一般的なマウスES細胞の培養条件として通常実施される条件であればよい。例えば37℃、5%CO2条件下での培養等である。
工程(c)で得られた胚盤胞期胚から産仔を作出するには、胚盤胞期胚を適切な時期の雌動物に移植する必要がある。例えばマウスの場合、偽妊娠成立後2.5日目が適当である。
ネンブタールにより麻酔した雌マウスの背部を切開し、背面から子宮を露出させる。17G注射針等、適切な径及び長さの針を用いて子宮-卵管接合部から体部のあたりに穴を開け、ガラスピペットを用いて前記胚盤胞期胚を移植する。
マウスの場合、偽妊娠成立から数えて19日目が分娩日となるので、自然分娩あるいは帝王切開を適宜選択する必要がある。移植の方法に関しては、特にマウスの場合以下の2例の方法を選択する事が出来る。
(1) 分離割球の一方を複数移植する。他方をES細胞の樹立に使用すればES細胞及び動物個体の組が出来るし、両方を移植すれば人工的な一卵性双子を獲得することが出来る。
(2) 採卵用雌マウスあるいは交配用雌マウスに交雑系マウス、特にB6DBA2F1やB6CBAF1、B6C3HF1、B6129F1等、有色マウスを用いている場合、有色親に由来する分離割球を1個と、アルビノマウスに由来する通常胚複数を同時に移植することで、産仔を見分けることが可能である。例えばマウスでは、1個など少数の胚を移植する場合に比べ、複数の胚を同時に移植することで飛躍的に産仔の作製効率を向上させる事が出来る。方法(2)において、移植する割球の他方からES細胞を調整しておけば、煩雑な検定を実施する事なく、産仔の誕生と同じくして、同一の遺伝情報を有するES細胞及び動物個体組が獲得出来るという優れた利点がある。
尚、工程(1)において、出生した産仔と、体外培養で獲得されたES細胞株の組を見分ける方法として、例えばマウスの場合、ゲノムDNA上に存在する繰り返し配列(マイクロサテライト配列)長を認識するPCRが有効である。
PCRの条件は、例えばTaq DNA ポリメラーゼ、dNTP混合液、プライマー、オートクレーブ水の混合液中に目的とするDNAを加え、サーマルサイクラーを使用して、94℃、2分の変性反応に引き続き、94℃、30秒、55℃、30秒、72℃、30秒の増幅反応を30回繰り返す、といった一般的なものでよい。
ついで、樹立されたES細胞の評価基準を記載する。
アルカリフォスファターゼ
ES細胞は未分化状態でアルカリフォスファターゼを発現する。そのため、前記アルカリフォスファターゼ活性を検出することにより、簡便にES細胞であるか否かを判定できる。
細胞表面マーカー
マウス:SSEA-1
カニクイザル:SSEA-3、SSEA-4
細胞表面マーカーは、それぞれステージ特異的な胚性抗原である糖脂質細胞表面マーカーである。かかるマーカーを抗原として各抗体を作製し、慣用の免疫染色法により検出できる。
細胞内/核内マーカー
Oct-4、Nanog等、未分化細胞特異的に存在する遺伝子転写因子が相当する。かかるマーカーに対する免疫染色、あるいは前記転写因子の遺伝情報担体であるmRNAを逆転写PCR法により検出する。
形態学的特徴
1. 高い核/細胞質比、顕著な核小体、小さく密なコロニー形成を呈する。
2. 透明な細胞質を有し、マウスであればドーム状、カニクイザルであれば平坦なコロニーを形成する。
本発明の分離割球由来ES細胞、及び分離割球由来ES細胞-分離割球由来動物個体組に関しては、具体的には下記の性質を有する。
(i) 分離割球由来ES細胞に関して、他方の割球と理論的に同一のゲノムDNA及び核外DNA(ミトコンドリアDNA)を有する。
本発明には、特にマウス以外の分離割球に由来するES細胞の樹立法及び概念も含まれる。
(ii) 分離割球由来ES細胞に関して、正常胚に由来するES細胞と比して、形態学的特徴、体外培養時における分化能力、細胞増殖力とも何ら異なる点はない。
(iii) 分離割球由来動物個体に関して、他方の割球と理論的に同一のゲノムDNA及び核外DNA(ミトコンドリアDNA)を有する。
(iv) 分離割球由来動物個体に関して、正常胚に由来する個体と比して、形態学的特徴、生理学的特徴、繁殖能力とも何ら異なる点はない。
(v) 分離割球由来ES細胞-動物個体組に関して、それぞれ同一のゲノムDNA及び核外DNA(ミトコンドリアDNA)を有し、理論的に免疫学的拒絶はない。
本発明には、特に項目(v)に関して、前記性質を利用したモデル動物システムも含まれる。
以下、実施例などにより本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、かかる実施例によりなんら限定されるものではない。尚、以下の実施例などにおいて、「%」は、特に明記がない場合は重量%を示すものとする。
また、CO2、 O2 における「%」は体積%を示すものとする。
1. 分離割球を複数移植し、後にマイクロサテライトPCRで組み合わせた例
2. 単一割球を移植し、組予め確定した上で作製した例
3. カニクイザル分離割球からES細胞を樹立した例
の計3例に関して記載する。
尚、実施例1、2については手順を図1に、実施例3については手順を図2に示す。
マウス2細胞期胚分離割球由来ES細胞-マウス個体組の作製
実験動物として使用されているマウスのうち、近交系と分類される系統のマウスは核ゲノムの配列がほぼ同一であり、異個体間で組織移植を行っても免疫学的拒絶を生じにくい。
また、実験用マウスの多くは同一のミトコンドリアDNAを有していることが分かっている。
一方で、前臨床研究における投薬実験、薬剤感作試験といった定量実験には遺伝的にばらつきのある系統、例えばクローズドコロニーと呼ばれる系統が用いられるが、これらは遺伝的ばらつきのために個体間での組織移植は不可能である。
上記のことから、現在、マウスをヒトモデルとして移植実験を行う際には遺伝的背景にばらつきのある系統にも適用可能な方法及び材料が必須である。
そこで今回は、本来遺伝的ばらつきのあるヒトのモデルとするため、前記方法を検討した。
(1)受精卵の獲得
B6D2F1系統マウスの雌(3週齢;日本クレア)に、PMSG〔商品名:セロトロピン(Serotropin)、帝国臓器製薬(株)社製〕を0.5単位腹腔内投与し、48時間後にhCG〔商品名:プベローゲン(Puberogen)、三共(株)社製0.5単位を腹腔内投与した。過剰排卵処理を施した雌マウスはMCH系統マウスの雄(10週齢;日本クレア)と一晩同居させ、交配させた。翌朝、膣栓の有無により交配を確定し、24〜30時間後に開腹、卵管を摘出した。受精卵はM2溶液を充填し、31G注射針を取り付けたツベルクリン用注射器を用いて卵管を還流することにより得た。
回収後の卵子は、操作までBSA含有KSOM-AA中に移し、5%CO2、37℃条件下においた。
割球分離操作は、酸性タイロードを含むリン酸緩衝液で透明帯を除去し、M2 Ca2+free液内でピペッティングすることで調整した。
分離割球はプラスチックシャーレ表面に作製した小ウェルの上にBSA含有KSOM-AA培養液の微小滴をおき、さらに乾燥を防ぐためミネラルオイルで覆った中に入れ、培養した。尚、割球の由来が明確になる様、ウェル及び微小滴は2列作製し、左右に片割球を導入した。
上記の培養シャーレは5%CO2、37℃条件の培養器に移し、胚盤胞期胚に至るまで培養を継続した。
(2)ES細胞の樹立
フィーダー細胞には、13.5日齢のマウス胎児から得た初代胎児性繊維芽細胞(以下、MEFとする)を使用した。MEFは10%ウシ胎児血清(以下、FCSとする)を含むDMEMでコンフルエントになるまで培養し、ついで最終濃度10μg/mlのマイトマイシンC(MMC)を含む培養液で2〜3時間培養し、細胞分裂を不活性化した。洗浄後、トリプシン処理(0.05%トリプシン、1mM EDTA)により、洗浄後の細胞を培養ディッシュから剥がし、細胞数をカウントした。
次いで、4穴培養シャーレの各ウェルに0.1%ゼラチン溶液を加え、室温で3時間インキュベートした後、ゼラチン溶液を取り除き、培養シャーレをコートした。ついで各ウェルに2×104個のMMC処理したMEFを播種した。
実施例1については、免疫手術は実施せず、得られた胚盤胞期胚を直接フィーダー細胞の上に播種した。その後、前記胚盤胞期胚を5%CO2、37℃条件下で7日間培養し、ICMの生育を促した。尚、胚盤胞期胚の着床及び着床後の生育を阻害しないために、培養開始から7日間は培地交換を行わなかった。
7日後、進展したICMをガラスピペットでトリプシン微小滴内(0.05%トリプシン、1mM EDTA)に導入し、37℃で5分間培養した。実体顕微鏡下で、ICM塊が解れるのを確認したら、予め10% FCSを含むDMEMを吸引したガラスピペットで回収し、ES培地を入れ、インキュベーター内でpH及び温度を平衡しておいたフィーダー細胞の上に播種した。以降、コロニーが20個を超えるまで上記の作業を反復した。また、フィーダー細胞上のコロニーが20個を超えた時点でES細胞の樹立とし、大量に増幅培養を行った後、凍結保存した。
凍結保存は次の手順で行った。最初にES培地を除去し、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄したES細胞を含むディッシュに前記トリプシン液を入れ、37℃で5分間培養した。位相差顕微鏡により、ES細胞コロニーが解れるのを確認後、10% FCSを含むDMEMをトリプシン液と頭領になるように入れ、ピペッティングを行った。細胞液は容量15mlのコニカルチューブ(ファルコン)に移し、1300回転で5分間遠心を行って細胞塊を得た。細胞塊に凍結保存液(セルバンカー;三菱ダイアヤトロン)を700μL加え、凍結用チューブに入れて-80℃にて凍結保存した。
(3) 胚移植及び分離割球由来マウス個体の獲得
工程(2)でES細胞の樹立に使用した分離割球と由来胚を同じくする他方の分離割球は、同様に胚盤胞期胚まで培養した後、動物個体の産生に使用した。
精管結紮を施した雄マウスとの交配により偽妊娠状態になったICR雌マウス(紀和実験動物)を、膣栓の確認日から2日目にネンブタールを0.05mL腹腔内に注射する事により麻酔し、背部切開により子宮を露出させた。子宮は、卵巣側の脂肪塊をクレンメによって保持・固定し、頚部を先鋭ピンセットで摘みながら体部に27G注射針を挿入し、胚移植用の隙間を空けた。
次いで、ガラスキャピラリに前記分離割球に由来する胚盤胞期胚を6個程度吸引し、前記の胚移植用の隙間に挿入した。50mm〜100mm程度挿入したところでゆっくりと胚を導入した。胚移植後、露出した子宮及び卵巣を腹腔に戻し、腹膜及び外皮を縫合した(以下、胚移植を行ったマウスをレシピエントマウスという)。移植日から17日目にレシピエントマウスを頸椎脱臼法によって安楽死させ、腹部切開による帝王切開をおこなった。帝王切開は、通常分娩にいたるのが困難な産仔、母親が食殺し易い場合等に有効であり、特に新生児を失わずに全て得たい場合に有効な方法である。帝王切開により獲得した仔マウスは同日朝、あるいは前日に出産した雌マウス(以下、仮親あるいはホスターマザーという)に預けた。
(4) Genotyping
実施例1では複数の分割割球由来胚盤胞期胚を同時に移植したため、出生後に遺伝学的手法をもちいてそれぞれ他方の分割割球に由来するES細胞と一致する組を見分ける必要があった。本例では常染色体上に位置するマイクロサテライトマーカーを用いた分子生物学的手法により判別を行った。マイクロサテライトマーカーとは染色体上に存在する繰り返し配列のことであり、この塩基の繰り返しは個体間で多形性に富み(polymorphic)、親子兄弟間でも異なっている確率が高いため遺伝解析に用いられている。
本実施例ではMouse Microsaterite Data Base Japan (http://www.shigen.nig.ac.jp/mouse/mmdbj/top.jsp) に公開されているマイクロサテライトマーカーの内、3、5、7、13、17番染色体上に存在するマーカーとして、D3MIT92、D5MIT268、D7MIT84、D13MIT9、D17MIT41を使用した。PCR反応にはPlatinum Taq 、PCR enhancer system (Invitrogen)を使用し、94℃、30秒、55℃、30秒、72℃、30秒の増幅反応を30回繰り返し、反応産物を3%アガロース-TAEゲル(アガロースS, )にて電気泳動し、結果を解析した。解析結果を図3に示す。
同腹より得られた3匹の産仔を解析したところ、全ての項目についてES細胞と個体Bが一致した。
マウス2細胞期胚分離割球由来ES細胞-マウス個体組の作製
実験動物として使用されているマウスのうち、近交系と分類される系統のマウスは核ゲノムの配列がほぼ同一であり、異個体間で組織移植を行っても免疫学的拒絶を生じにくい。また、実験用マウスの多くは同一のミトコンドリアDNAを有していることが分かっている。
一方で、前臨床研究における投薬実験、薬剤感作試験といった定量実験には遺伝的にばらつきのある系統、例えばクローズドコロニーと呼ばれる系統が用いられるが、これらは遺伝的ばらつきのために個体間での組織移植は不可能である。上記のことから、現在、マウスをヒトモデルとして移植実験を行う際には遺伝的背景にばらつきのある系統にも適用可能な方法及び材料が必須である。
そこで今回は、本来遺伝的ばらつきのあるヒトのモデルとするため、前記方法を検討した。
(1)受精卵の獲得
B6D2F1系統マウスの雌(3週齢;日本クレア)に、PMSG〔商品名:セロトロピン(Serotropin)、帝国臓器製薬(株)社製〕を0.5単位腹腔内投与し、48時間後にhCG〔商品名:プベローゲン(Puberogen)、三共(株)社製0.5単位を腹腔内投与した。過剰排卵処理を施した雌マウスはMCH系統マウスの雄(10週齢;日本クレア)と一晩同居させ、交配させた。翌朝、膣栓の有無により交配を確定し、24〜30時間後に開腹、卵管を摘出した。受精卵はM2溶液を充填し、31G注射針を取り付けたツベルクリン用注射器を用いて卵管を還流することにより得た。
回収後の卵子は、操作までBSA含有KSOM-AA中に移し、5%CO2、37℃条件下においた。
割球分離操作は、酸性タイロードを含むリン酸緩衝液で透明帯を除去し、M2 Ca2+free液内でピペッティングすることで調整した。
分離割球はプラスチックシャーレ表面に作製した小ウェルの上にBSA含有KSOM-AA培養液の微小滴をおき、さらに乾燥を防ぐためミネラルオイルで覆った中に入れ、培養した。尚、割球の由来が明確になる様、ウェル及び微小滴は2列作製し、左右に片割球を導入した。
上記の培養シャーレは5%CO2、37℃条件の培養器に移し、胚盤胞期胚に至るまで培養を継続した。
(2)ES細胞の樹立
フィーダー細胞には、13.5日齢のマウス胎児から得たMEFを使用した。MEFは10% FCSを含むDMEMでコンフルエントになるまで培養し、ついで最終濃度10μg/mlのマイトマイシンC(MMC)を含む培養液で2〜3時間培養し、細胞分裂を不活性化した。洗浄後、トリプシン処理(0.05%トリプシン、1mM EDTA)により、洗浄後の細胞を培養ディッシュから剥がし、細胞数をカウントした。
次いで、4穴培養シャーレの各ウェルに0.1%ゼラチン溶液を加え、室温で3時間インキュベートした後、ゼラチン溶液を取り除き、培養シャーレをコートした。ついで各ウェルに2×104個のMMC処理したMEFを播種した。
実施例1については、免疫手術は実施せず、得られた胚盤胞期胚を直接フィーダー細胞の上に播種した。その後、前記胚盤胞期胚を5%CO2、37℃条件下で7日間培養し、ICMの生育を促した。尚、胚盤胞期胚の着床及び着床後の生育を阻害しないために、培養開始から7日間は培地交換を行わなかった。
7日後、進展したICMをガラスピペットでトリプシン微小滴内(0.05%トリプシン、1mM EDTA)に導入し、37℃で5分間培養した。実体顕微鏡下で、ICM塊が解れるのを確認したら、予め10% FCSを含むDMEMを吸引したガラスピペットで回収し、ES培地を入れ、インキュベーター内でpH及び温度を平衡しておいたフィーダー細胞の上に播種した。以降、コロニーが20個を超えるまで上記の作業を反復した。また、フィーダー細胞上のコロニーが20個を超えた時点でES細胞の樹立とし、大量に増幅培養を行った後、凍結保存した。
凍結保存は次の手順で行った。最初にES培地を除去し、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄したES細胞を含むディッシュに前記トリプシン液を入れ、37℃で5分間培養した。位相差顕微鏡により、ES細胞コロニーが解れるのを確認後、10% FCSを含むDMEMをトリプシン液と頭領になるように入れ、ピペッティングを行った。細胞液は容量15mlのコニカルチューブ(ファルコン)に移し、1300回転で5分間遠心を行って細胞塊を得た。細胞塊に凍結保存液(セルバンカー;三菱ダイアヤトロン)を700μL加え、凍結用チューブに入れて-80℃にて凍結保存した。
(3)胚移植及び分離割球由来マウス個体の獲得
工程(2)でES細胞の樹立に使用した分離割球と由来胚を同じくする他方の分離割球は、同様に胚盤胞期胚まで培養した後、動物個体の産生に使用した。
精管結紮を施した雄マウスとの交配により偽妊娠状態になったICR雌マウス(紀和実験動物)を、膣栓の確認日から2日目にネンブタールを0.05mL腹腔内に注射する事により麻酔し、背部切開により子宮を露出させた。子宮は、卵巣側の脂肪塊をクレンメによって保持・固定し、頚部を先鋭ピンセットで摘みながら体部に27G注射針を挿入し、胚移植用の隙間を空けた。
次いで、ガラスキャピラリに前記分離割球に由来する胚盤胞期胚を6個程度吸引し、前記の胚移植用の隙間に挿入した。50mm〜100mm程度挿入したところでゆっくりと胚を導入した。その際、本実施例の組み合わせでは分離割球由来胚より発生する産仔が必ず有色毛になることを利用し、分離割球由来胚1個に加え、アルビノ(白色毛)マウスの交配により得た胚を9個程度同時に移植した。
前記方法により、移植後の妊娠成功率を下げる事なく、予め確実に一方の割球に由来するES細胞と組になる産仔を獲得する事が出来る。胚移植後は実施例1と同様に、露出した子宮及び卵巣を腹腔に戻し、腹膜及び外皮を縫合した(以下、胚移植を行ったマウスをレシピエントマウスという)。
移植日から17日目にレシピエントマウスを頸椎脱臼法によって安楽死させ、腹部切開による帝王切開をおこなった。帝王切開は、通常分娩にいたるのが困難な産仔、母親が食殺し易い場合等に有効であり、特に新生児を失わずに全て得たい場合に有効な方法である。帝王切開により獲得した仔マウスは同日朝、あるいは前日に出産した雌マウス(以下、仮親あるいはホスターマザーという)に預けた。本実施例では合計3組が作製された。産仔及びES細胞は図4に示す。
カニクイザル分離割球由来ES細胞の作製
サル類はマウスやラット等の実験動物とは事なり、基本的にはゲノムDNA、核外DNAともに個体間で塩基配列に小さな差、即ち遺伝的ばらつきがある。
そのため、異なる胚からES細胞、動物個体を作製し、ES細胞を動物個体に移植する場合、理論的な免疫学的拒絶反応があり得る。
しかしながら、マウスに比べて遺伝子発現、妊娠・着床における生理学的変化、初期胚の発生についてヒトとの類似性が高く、モデル動物として期待されている。
本実施例では、マウスに比べてよりモデルとして価値の高いカニクイザルの初期胚を使用し、同様に処理して分離割球からのES細胞の樹立をおこなった。
(1)受精卵の獲得
サル類はマウスやラット、ウサギ等の実験動物とは異なり、卵管や子宮潅流に依る受精卵回収法は確立されていないのが現状である。また、排卵周期における体内受精卵を子宮内から回収する方法は効率が極めて悪いことが知られている。
そこで今回は顕微授精法により体外で受精を行い、その後体外培養法に依って必要な胚を得た。
カニクイザルの雌にゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)〔商品名:リュープリン、武田薬品工業(株)社製;又は商品名:スプレキュア、ヘキスト・マリオン・ルセル(株)社製〕1.8mgを皮下投与した。GnRH投与2週間後から、妊馬血清性ゴナドトロピン(PMSG)〔商品名:セロトロピン、帝国臓器製薬(株)社製〕を25IU/kg、ヒト閉経期尿性ゴナドトロピン(hMG)〔パーゴナル、帝国臓器製薬(株)社製〕10IU/kg又は卵胞刺激ホルモン(FSH)〔フェルティノーム、セローノ・ラボラトリーズ社製〕3IU/kgを1日1回一定時刻に9日間連続で、(本実施例では夕刻)筋肉投与した。投与5日後に、腹腔鏡(外径3mm)を用いて卵巣の観察を行い、卵胞の発育の有無を確認した。
確認後、PMSG、hMG又はFSHを投与し卵胞の発育が充分である事を確認してからヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)〔商品名:プベローゲン、三共(株)社製〕400IU/kgを1回筋肉内投与した。尚、採卵はhCG投与から40時間後に実施した。採卵は腹腔鏡観察下において、19G又は20Gのカテラン針をつけた2.5mLの注射筒を用いて卵胞を穿刺、吸引することで、卵胞液とともに卵子を回収した。
回収した卵子を、ミネラルオイル(シグマ)で覆われた50μLの0.3%BSA含TALP溶液微小滴中に集めた後、約2〜4時間、37℃、5% CO2、5% O2、90% N2の条件下で前培養した。
次いで、卵子を0.1%ヒアルロニダーゼ(シグマ)を含むTALP-HEPES溶液中に曝した後、ピペッティングで卵丘細胞を除去した。
前記卵子は顕微鏡下で観察し、極体を放出した時点で顕微授精に使用した。
顕微授精は、ナリシゲ社製のマイクロマニピュレーターを装備したオリンパスIX70倒立顕微鏡下で行った。
顕微操作は、100mmプラスチックディッシュにスポット1:希釈精子15μL、スポット2:10%ポリビニルピロリドン〔ナカライテスク(株)社製〕、スポット3:卵子操作用TALP-HEPES溶液 を順に置き、表面をミネラルオイルで覆ったものの上で行った。精子注入用のニードルとしては、ヒトICSI用の傾斜角30°のニードル〔外径7〜8μm、内径5〜7μm、メディー・コンインターナショナル社製〕を、アルカテルシリンジに接続したものを使用した。
顕微授精された卵子はすぐに培養器へ戻し、37℃、5% CO2、5% O2、90% N2の条件下でCMRL-1066培地により培養を開始した。
(2)割球分離処理と培養
翌日、2細胞期胚にまで発生した胚を割球分離に使用した。割球分離処理に先立って、酸性タイロードを含むリン酸緩衝液で透明帯を除去した。割球分離にあたっては100mmプラスチックディッシュにスポット1:TALP HEPES Ca2+ free 5μL、スポット2:TALP HEPES 5μLに5〜10個の卵子透明帯のみをいれておいたものを用意し、表面をミネラルオイルで覆った操作環境を設定した。
割球分離用のニードルとしてはガラスキャピラリをマグネティックプーラー(PN-30、ナリシゲ社製)で加工し、 先鋭、傾斜角30°程度に加工したものを使用した。前記ニードルは、キャピラリホルダを介してマイクロマニピュレーターに接続し、使用した。卵子保持用ニードルとしては、ヒトICSI用の傾斜角30°、外径100μm、先端内径15μmのニードルを使用した。前記卵子保持用ニードルは、2000μLのエアータイトシリンジを取り付けたインジェクターを介してマイクロマニピュレーターに接続した。
2細胞期胚をスポット1に入れ、保持用ニードルと透明帯切除用ニードルを用いて割球接合面を切断するようにして分離し、次いで割球分離用ニードル、即ち割球が破損せず入る大きさである約30μmの口径に作製したニードルを使用してそれぞれの割球をスポット2にある透明帯腔に挿入した。スポット2の透明帯には、採卵時に未成熟であった卵子の細胞質を除去したものを用いた。
操作胚はすぐに培養器へ戻し、37℃、5% CO2、5% O2、90% N2の条件下でCMRL-1066培地により培養を継続した。
(3) ES細胞の樹立
胚盤胞期胚から内部細胞塊(Inner Cell Mass; ICM、以下ICMという)を取得する際、透明帯が除去された胚盤胞期胚が用いられるが、本実施例において分離割球は透明帯に包まれているため、透明帯の除去工程が必要である。透明帯除去はプロナーゼを含むリン酸緩衝生理食塩水の中で培養して行った。
該胚盤胞期胚を免疫手術に供し、栄養膜細胞部を除去するとともに、ピペット操作によって付着した内胚葉系の細胞を除去する。得られたICMをフィーダー細胞上で1週間程度培養し、増殖したICMをトリプシンで処理(例えば0.25%トリプシン+0.5mM EDTAを使用する)して、約3〜4個の細胞からなる塊にし、さらにこれらを再度培養する。前記操作を繰り返すことで優れた効率でES細胞の樹立が可能となる。
免疫手術に用いる抗血清には、ウサギ抗カニクイザルリンパ球血清を使用した。前記抗血清をM16培地〔DNA Cloning 4 Mammalian Systems A Practical Approach等を参照のこと〕で20倍に希釈した溶液中に胚盤胞期胚を移し、37℃で30分間培養し、次いでモルモット補体をM16培地で50倍に希釈した溶液中で30分間培養した。上記一連の操作により、ICMを分離した。
フィーダー細胞には、13.5日齢のマウス胎児から得たMEFを使用した。MEFは10% FCSを含むDMEMでコンフルエントになるまで培養し、ついで最終濃度10μg/mlのマイトマイシンC(MMC)を含む培養液で2〜3時間培養し、細胞分裂を不活性化した。洗浄後、トリプシン処理(0.05%トリプシン、1mM EDTA)により、洗浄後の細胞を培養ディッシュから剥がし、細胞数をカウントした。
次いで、4穴培養シャーレの各ウェルに0.1%ゼラチン溶液を加え、室温で3時間インキュベートした後、ゼラチン溶液を取り除き、培養シャーレをコートした。ついで各ウェルに2×104個のMMC処理したMEFを播種した。得られたICMをフィーダー細胞の上に播種した。その後、前記胚盤胞期胚を5%CO2、37℃条件下で7日間培養し、ICMの生育を促した。尚、胚盤胞期胚の着床及び着床後の生育を阻害しないために、培養開始から7日間は培地交換を行わなかった。
7日後、進展したICMを実体顕微鏡下で、17G注射針で未分化状態を維持している部分のみ切除し、予めインキュベーター内でpH及び温度を平衡しておいた新しいフィーダー細胞の上に播種した。以降、コロニーが15個を超えるまで上記の作業を反復した。
(4)ES細胞の検定
アルカリフォスファターゼ
Fast-Red TRを基質とした赤色発色反応において陽性を認めた。
細胞表面マーカー
細胞表面マーカーであるSSEA-3、4の有無を確認するため、免疫染色を実施した。
これらの抗体は京都大学再生医学研究所 末盛 博士より分与された。
その結果、それぞれ陽性を認めた。
細胞内/核内マーカー
未分化細胞特異的なタンパク質であるOct-4、Nanogに対する免疫染色、あるいは前記転写因子のmRNAを逆転写PCR法により検出した。それぞれのmRNAはSuper Script III reverse transcriptase (インビトロジェン社)によって逆転写し、次いでHot master Taq (エッペンドルフ社)によってPCR反応を行った。その結果、両因子について陽性を認めた。尚、使用したプライマー配列は表1に示す。
形態学的特徴
1.高い核/細胞質比、顕著な核小体、小さく密なコロニー形成を呈した。
2.透明な細胞質を有し、平坦なコロニーを形成した。
上記特徴を図5及び図6に示す。
マウス胚における割球分離手順と、分離割球胚からのES細胞及び個体作製を示す図である。 カニクイザルにおける割球分離手順と、分離割球からのES細胞樹立を示す図である。 マイクロサテライトマーカーによる分離割球由来ES細胞-動物個体組の検定結果を示す図である。 実施例2にて得られた分離割球由来ES細胞-動物個体の組を示す図である。 カニクイザル分離割球由来胚盤胞期胚と、カニクイザル分離割球胚由来ES細胞を示す図である。 実施例3で使用したプライマー配列の一覧を示す図である。 カニクイザル分離割球由来ES細胞の形態及び各種検定の結果を示す図である。
符号の説明
1 カニクイザル分離割球由来胚盤胞期胚
2 カニクイザル分離割球胚由来ES細胞

Claims (15)

  1. ほ乳動物初期胚を2つに分断し、またはほ乳動物2細胞期胚を分断し、分断により得られた一方の分離割球から胚性幹細胞(ES細胞)を作成し、分断により得られた他方の分離割球から動物個体を作成することによってES細胞と動物個体の組を作成し、前記ES細胞と前記動物個体は核ゲノムとミトコンドリアDNA及び細胞内小器官が同一であることを特徴とするモデル動物作成方法。
  2. 前記胚性幹細胞は、前記分離割球に由来する胚から作成されることを特徴とする請求項1記載のモデル動物作成方法。
  3. 請求項2記載の作成方法によって作成されることを特徴とする胚性幹細胞と動物個体の生物組。
  4. 前記一方の分離割球から胚性細胞、すなわち初期胚に由来する栄養膜細胞、内部細胞塊由来細胞、巨大細胞を作成し、前記他方の分離割球から動物個体を作成することによって作成されることを特徴とする胚性細胞と動物個体の生物組。
  5. 前記一方の分離割球から胚性細胞、すなわち初期胚に由来する栄養膜細胞、内部細胞塊由来細胞、巨大細胞を作成し、前記他方の分離割球からES細胞を作成することによって胚性細胞とES細胞の組を作成することを特徴とするモデル動物作成方法。
  6. 請求項5記載の方法によって作成されることを特徴とする胚性細胞とES細胞の生物組。
  7. 前記ほ乳動物がマウスであることを特徴とする請求項1ないし6のモデル動物作成方法、および生物組。
  8. 前記ほ乳動物がカニクイザルであることを特徴とする請求項1ないし6のモデル動物作成方法、および生物組。
  9. 前記分離割球から得られる産仔に予想される毛色と異なるマウスの初期胚を同時に移植し、単一割球から得られる産仔を確実に見分けることが可能することを特徴とする請求項7記載のモデル動物作成方法、および生物組。
  10. 請求項9記載の出生前判別方法を取り入れたことを特徴とする請求項1記載のモデル動物作成方法。
  11. 請求項10記載の作成方法を用いて作成されることを特徴とするES細胞と動物個体の生物組。
  12. 移植医療基礎研究に利用することを特徴とする請求項11記載の生物組。
  13. 前記動物個体が前記ES細胞に対して免疫寛容になることを利用し作成されたことを特徴とする細胞移植動物。
  14. 移植細胞に機能遺伝子を導入することで作成される組織特異的遺伝子を導入したことを特徴とする請求項13記載の細胞移植動物。
  15. 図6の示すPCR用プライマー配列を用いて分離割球由来のカニクイザル胚性幹細胞の検定を行うことを特徴とする請求項8記載のモデル動物作成方法、および生物組。
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