JP2008113277A - アンテナ装置 - Google Patents

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信之 天野
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青 韓
Shu Miura
周 三浦
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眞 太郎丸
Takashi Ohira
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Abstract

【課題】通信範囲に対応した設計が可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置は、給電部と、複数のアンテナ素子を備える。複数のアンテナ素子の各々は、誘電体101と、ビアホール71〜78と、スロット81,82とを含む。ビアホール71〜77は、誘電体101の側面に沿って配置される。ビアホール78は、誘電体101の幅方向DR2の中央部に誘電体101の長さ方向DR1に沿って配置される。スロット81,82の各々は、複数のスロットからなる。複数のスロットのうちビアホール74に最も近い位置に配置されたスロットとビアホール74との距離および複数のスロットの隣接する2つのスロット間の間隔は、アンテナ装置の通信距離を決定する。
【選択図】図2

Description

この発明は、アンテナ装置に関し、特に、通信範囲に対応した設計が可能なアンテナ装置に関するものである。
近年、デジタルコンテンツおよびデータベース等を取り扱うファイル容量が増大しており、ユビキタスネットワーク社会へ向け、高速無線通信技術の需要が益々高まっている。
このような容量が益々増大するデータを送受信するには、無線通信の帯域は、広い方がよい。したがって、広い帯域を確保できるミリ波帯アンテナによって、超高速ギガビット無線LAN(Local Area Network)を実現することが期待されている。
そして、超高速ギガビット無線LANを行なう場面としては、ミリ波帯アンテナを室内の天井に装着し、数メールの範囲で無線通信を行なう場面が想定される。このようなアンテナの設計においては、アンテナのアジマス面の360度の方向に電力を給電することが要求される。
従来、アジマス面の360度の各方向にビームを形成する場合、各方向に対応したセクタ毎に給電素子が設けられていた(非特許文献1)。
丸山、上原、鹿子嶋,"ものポール八木・宇田アレーアンテナを用いた無線LAN小型マルチセクタアンテナの解析と設計",信学技法,’97/5 Vol.J80−B−II No.5 pp.424−433.
しかし、従来のアンテナにおいては、通信範囲に対応してアンテナを設計することが困難であるという問題がある。
また、複数のアンテナ素子を有するアンテナにおいては、隣接する2つのアンテナ素子の境界における利得が低下するという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、通信範囲に対応した設計が可能なアンテナ装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、隣接する2つのアンテナ素子の境界における利得を向上可能なアンテナ装置を提供することである。
この発明によれば、アンテナ装置は、1個の給電部と、複数のアンテナ素子とを備える。複数のアンテナ素子は、1個の給電部の周囲に配置される。そして、複数のアンテナ素子の各々は、誘電体と、素子給電部と、金属薄膜と、複数の第1のビアホールと、複数の第2のビアヒールと、複数のスロットとを含む。誘電体は、略平板形状からなる。素子給電部は、誘電体の一方端側に形成され、1個の給電部の一部を構成する。金属薄膜は、誘電体の表面および裏面に形成される。複数の第1のビアホールは、誘電体の長さ方向における両側の側面に沿って配置される。複数の第2のビアホールは、給電部と反対側の誘電体の他方端側において誘電体の側面に形成され、長さ方向に垂直な誘電体の幅方向に沿って配置される。複数のスロットは、誘電体の表面および裏面のいずれか一方に形成され、誘電体の長さ方向に沿って配置される。そして、複数のスロットの隣接するスロット間の間隔および複数のスロットのうち給電部から最も遠い位置に配置されたスロットと複数の第2のビアホールとの距離は、複数のアンテナ素子の通信距離を決定する。
好ましくは、アンテナ装置は、貫通孔を更に備える。貫通孔は、誘電体の他方端側に形成され、周囲が金属で覆われている。貫通孔と素子給電部との距離は、複数の第2のビアホールと素子給電部との距離よりも長い。
好ましくは、貫通孔と複数の第2のビアホールとの距離は、隣接する2つのアンテナ素子の境界に沿った方向における利得を最大にする距離に設定される。
好ましくは、誘電体の面内方向における貫通孔の形状は、幅方向に長辺が配置された略長方形の形状からなる。
好ましくは、スロット間の間隔は、複数の第2のビアホールから素子給電部に向かうに従って広くなる。
好ましくは、複数のスロットの長さは、複数の第2のビアホールから素子給電部に向かうに従って短くなる。
この発明によるアンテナ装置においては、各アンテナ素子の複数のスロットの隣接するスロット間の間隔および複数のスロットのうち給電部から最も遠い位置に配置されたスロットと複数の第2のビアホールとの距離は、複数のアンテナ素子の通信距離を決定する。即ち、隣接するスロット間の間隔および複数のスロットのうち給電部から最も遠い位置に配置されたスロットと複数の第2のビアホールとの距離は、アンテナ装置の通信範囲に応じて決定される。
従って、この発明によれば、通信範囲に対応してアンテナ装置を設計できる。
また、この発明によれば、アンテナ装置は、ビアホールの外側に周囲が金属によって覆われた貫通孔を更に備える。
従って、この発明によれば、隣接する2つのアンテナ素子の境界における利得を向上できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。この発明の実施の形態1によるアンテナ装置100は、誘電体10と、金属薄膜20,30と、給電部40と、スイッチ51〜58と、アンテナ素子61〜68とを備える。なお、アンテナ装置100は、ミリ波帯の電波を送受信するアンテナ装置である。
誘電体10は、略正八角形からなり、1.2mmの厚み、2.17の比誘電率εおよびtanδ=0.0006の誘電正接を有する。金属薄膜20は、例えば、銅薄膜からなり、誘電体10の表面に形成される。金属薄膜30は、例えば、銅薄膜からなり、誘電体10の裏面に形成される。
給電部40は、誘電体10の略中央部に設けられる。スイッチ51〜58は、それぞれ、アンテナ素子61〜68の給電部40側の一方端に設けられる。
給電部40は、アンテナ装置100に供給された電力を受け、その受けた電力を誘電体10の平面内における360度の方向に放射する。スイッチ51〜58は、例えば、ビアホールに挿入された金属ポールからなり、金属ポールがビアホールに挿入されると、給電部40から供給された電力を反射し、金属ポールがビアホールから抜かれると、給電部40から供給された電力をそれぞれアンテナ素子61〜68へ供給する。
アンテナ素子61〜68は、それぞれ、スイッチ51〜58に対応して配置され、スイッチ51〜58を介して給電部40から供給された電力を誘電体10の表面から放射する。
図2は、図1に示すアンテナ素子61の斜視図である。アンテナ素子61は、誘電体101と、金属薄膜21,31と、ビアホール71〜78と、スロット81,82とを含む。
誘電体101は、誘電体10の一部であり、略平板形状からなる。そして、誘電体101は、25mmの長さL1、9.8mmの幅W1および1.2mmの厚みD1を有する。
金属薄膜21は、金属薄膜20の一部であり、誘電体101の表面に形成される。金属薄膜31は、金属薄膜30の一部であり、誘電体101の裏面に形成される。
ビアホール71,73は、誘電体101の長さ方向DR1に沿って誘電体101の側面101A側に配置される。ビアホール72は、誘電体101の幅方向DR2に沿ってビアホール71とビアホール73との間に配置される。
ビアホール74は、誘電体101の幅方向DR2に沿って誘電体101の側面101B側に配置される。ビアホール75,77は、誘電体101の長さ方向DR1に沿って誘電体101の側面101C側に配置される。ビアホール76は、誘電体101の幅方向DR2に沿ってビアホール75とビアホール77との間に配置される。ビアホール78は、誘電体101の長さ方向DR1に沿って誘電体101の幅方向DR2の略中央部に配置される。そして、ビアホール71とビアホール77との間隔、ビアホール73とビアホール78との間隔およびビアホール75とビアホール78との間隔aは、全て等しく、例えば、3.1mmに設定される。
スロット81は、誘電体101の長さ方向DR1に沿ってビアホール73とビアホール78との間に配置され、スロット82は、誘電体101の長さ方向DR1に沿ってビアホール75とビアホール78との間に配置される。
図3は、図2に示すスロット81の構成を示す平面図である。スロット81は、スロット811〜818からなる。そして、スロット811は、給電部40から最も遠い位置に配置され、スロット818は、給電部40に最も近い位置に配置される。スロット812〜817は、スロット811からスロット818へ向かう方向に順次配置される。
スロット811〜818は、金属薄膜21の一部を切り欠くことによって誘電体101の表面に形成される。そして、スロット811〜818は、全て同じ0.3mmの幅を有する。また、スロット811は、1.9mmの長さL2を有し、スロット812は、1.5mmの長さL3を有し、スロット813は、1.4mmの長さL4を有し、スロット814は、1.3mmの長さL5を有し、スロット815は、1.2mmの長さL6を有し、スロット816は、1.1mmの長さL7を有し、スロット817は、1.0mmの長さL8を有し、スロット818は、0.9mmの長さL9を有する。
更に、スロット811とスロット812との間隔d1は、1.4mmであり、スロット812とスロット813との間隔d2は、1.7mmであり、スロット813とスロット814との間隔d3は、1.7mmであり、スロット814とスロット815との間隔d4は、1.8mmであり、スロット815とスロット816との間隔d5は、1.9mmであり、スロット816とスロット817との間隔d6は、2.1mmであり、スロット817とスロット818との間隔d7は、2.1mmである。
このように、スロット81は、給電部40から最も遠い位置から給電部40に近づくに従って、長さが短くなり、かつ、間隔が広くなる複数のスロット811〜818からなる。
なお、スロット82は、図3に示すスロット81と同じ構成からなる。また、図1に示すアンテナ素子62〜68の各々は、図2に示すアンテナ素子61と同じ構成からなる。
また、図2には、図示されていないが、アンテナ素子61は、ビアホール71,77側に素子給電部を含む。この素子給電部は、アンテナ装置100の場合、図1に示す給電部40を8分の1に分割した一部の給電部からなり、一般的に、アンテナ装置100がn(nは正の整数)個のアンテナ素子を備える場合、給電部40をn分の1に分割した一部の給電部からなる。そして、給電部40は、「1個の給電部」を構成する。
図4は、図2に示すビアホール71〜78を構成するビアホールの拡大図である。ビアホール71〜78の各々は、所定の間隔で直線状に配列された複数のビアホール711からなる。そして、ビアホール71〜78を構成する複数のビアホール711は、0.30mmの直径rを有し、0.5mmの間隔dで直線状に配列される。
図5は、図1に示す給電部40の拡大図である。給電部40は、テーパ構造90と同軸ケーブル110とによって挟まれる。 テーパ構造90は、底部で0.15mmの直径R1を有し、上部で2.2mmの直径R2を有し、0.6mmの高さHを有する。そして、同軸ケーブル110の内導体111は、テーパ構造90の底部に接する。
同軸ケーブル110の内導体111がテーパ構造90の底部に接する結果、給電部40における電波の反射を抑圧できる。
図6は、図2に示すアンテナ素子61の一部の拡大図である。また、図7は、方位角および仰角の概念図である。給電部40から最も遠い位置に配置されたスロット811と、ビアホール74との距離sは、0.5mmに設定される。
アンテナ装置100において、誘電体10の面内方向にx−y平面が設定され、誘電体10の法線方向にz軸の正が設定される。そして、z軸の正方向からx−y平面方向への傾き角が仰角θとして定義され、x−y平面において、x軸の正方向と成す角度が方位角φとして定義される。
そうすると、上述した0.5mmからなる距離sは、主ビームのチルト方向を約−60度の方向に設定する距離である。即ち、0.5mmからなる距離sは、仰角θが約−60度になる方向に主ビームを放射する。
このように、給電部40から最も遠い位置に配置されたスロット811と、ビアホール74との距離sは、アンテナ装置100から放射される主ビームの方向を決定する。
アンテナ装置100から放射される電波の平均波長をλとすると、給電部40から最も遠い位置に配置されたスロット811の長さL2=1.9mmは、0.5λに相当し、スロット811〜818の幅=0.3mmは、0.08λに相当する。そして、62.5GHzにおける自由空間波長をλとすると、平均波長λは、次式によって表される。

式(1)において、εは、上述した誘電体10(101)の比誘電率である。
また、ビアホール71〜78によって囲まれた誘電体101内の波長をλとすると、ビアホール74とスロット811との距離sは、約0.1λに相当し、波長λは、次式によって表される。
式(2)において、aは、導波管(ビアホール74,74,78またはビアホール74,75,78によって囲まれた誘電体101)の幅であり、λは、誘電体101中の波長である。そして、波長λは、次式によって表される。
図8は、アンテナ装置100の放射パターンを示す図である。なお、図8に示す放射パターンは、有限要素法電磁界シミュレータ(HFSS)を使用した解析結果である。図8に示すように、主ビームは、仰角θ=−60度にチルトしており、このときの方位角φ=0度(各アンテナ素子61〜68の幅方向の中央部に沿った方向)における利得は、約11.0dBiである。アンテナ装置100は、アンテナ素子61〜68の幅方向の中央部における垂直面においては、secθに比例した放射パターンを示し、円錐面の電力半値幅(HPBW)は、θ=−70度〜−50度の範囲において40度であり、θ>−50度の範囲において50度よりも大きい。
図9は、S11の解析結果を示す図である。図9において、縦軸は、S11を表し、横軸は、周波数を表す。S11<−10dBを基準とした場合、約3GHzの整合帯域が確保されている。無線LANの変復調方式として、OFDM方式およびFSK方式が想定されるが、OFDM方式では、1.2GHzの変調帯域幅が要求され、FSK方式では、3GHzの変調帯域幅が要求される。
従って、アンテナ装置100は、OFDM方式およびFSK方式の両方の方式における要求帯域幅を1チャネル分満足している。
図10は、各アンテナ素子61〜68の幅方向における中央部と、隣接する2つのアンテナ素子の境界面とにおける垂直面内の放射パターンを示す図である。なお、図10は、62.5GHzにおける垂直面内の放射パターンを示す。図10において、縦軸は、利得を表し、横軸は、仰角θを表す。また、曲線k1は、各アンテナ素子61〜68の幅方向における中央部の垂直面内の放射パターンを示し、曲線k2は、隣接する2つのアンテナ素子の境界面における垂直面内の放射パターンを示し、曲線k3は、通信を確立するためにアンテナ単体に最低限必要とされる利得を示す。そして、通信を確立するためにアンテナ単体に最低限必要とされる利得は、表1に示す回線設計から求められる。
図10に示すように、各アンテナ素子61〜68の中央部における垂直面内の利得および隣接する2つのアンテナ素子の境界面における垂直面内の利得は、通信を確立するためにアンテナ単体に最低限必要とされる利得よりも高い(曲線k1〜k3参照)。
そして、隣接する2つのアンテナ素子の境界面における垂直面内の利得は、各アンテナ素子61〜68の中央部における垂直面内の利得よりも一部低い(曲線k1,k2参照)。
各アンテナ素子61〜68の中央部における垂直面内の利得は、約−60度の仰角において最大になり、約−60度〜約+45度の範囲の仰角において徐々に低下する。そして、各アンテナ素子61〜68の中央部における垂直面内の利得が仰角に対して低下する割合は、各アンテナ素子61〜68に設けられたスロット811〜818の間隔d1〜d7と長さL2〜L9とによって決定される。
各アンテナ素子61〜68の中央部における垂直面内の利得が仰角に対して低下する割合を変化させれば、各アンテナ素子61〜68の中央部における垂直面内の利得が通信を確立するためにアンテナ単体に最低限必要とされる利得よりも高くなる仰角の範囲を変えることになるので、スロット811〜818の間隔d1〜d7および長さL2〜L9は、アンテナ装置100から放射される電波の領域、即ち、アンテナ装置100の通信距離を決定する。
上述したように、アンテナ装置100においては、給電部40から最も遠い位置に配置されたビアホール74と、給電部40から最も遠い位置に配置されたスロット811との距離sによって、アンテナ装置100に垂直な面内における主ビームの方向を決定し、スロット811〜818の間隔d1〜d7と長さL2〜L9とによってアンテナ装置100から放射される電波の領域を決定するので、アンテナ装置100は、距離sおよびスロット811〜818の間隔d1〜d7および長さL2〜L9によって通信距離を決定することを特徴とする。
従って、この発明によれば、距離sおよびスロット811〜818の間隔d1〜d7および長さL2〜L9を用いることによって、通信範囲に対応してアンテナ装置を設計できる。
図1に示すスイッチ51がオンされ、スイッチ52〜58がオフされた場合を例にしてアンテナ装置100の動作について説明する。同軸ケーブル110を介して給電部40に電波が供給されると、給電部40は、その供給された電波を誘電体10の平面内において360度の方向へ放射する。
そして、給電部40からスイッチ52〜58へ伝搬した電波は、スイッチ52〜58によって反射される。この場合、垂直な方向からスイッチ52〜58に入射した電波は、スイッチ52〜58に垂直な方向に反射され、斜め方向からスイッチ52〜58に入射した電波は、斜め方向に反射される。その結果、スイッチ52〜58によって繰り返し反射された電波は、オンされたスイッチ51を介してアンテナ素子61へ供給される。
そして、アンテナ素子61へ供給された電波は、アンテナ素子61内を伝搬し、スロット81,82から放射される。この場合、アンテナ素子61は、距離sおよびスロット811〜818の間隔d1〜d7および長さL2〜L9によって決定された通信範囲へ電波を放射する。
スイッチ51以外のスイッチがオンされたときも、上述した動作によって1つのアンテナ素子から電波が放射される。
また、スイッチ51〜58のうち、2個以上のスイッチがオンされたときも、上述した動作に従って、2個以上のアンテナ素子から電波が放射される。
[実施の形態2]
図11は、実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。実施の形態2によるアンテナ装置100Aは、図1に示すアンテナ装置100のアンテナ素子61〜68をそれぞれアンテナ素子61A〜68Aに代えたものであり、その他は、アンテナ装置100と同じである。
アンテナ素子61A〜68Aは、それぞれ、スイッチ51〜58に対応して配置される。そして、アンテナ素子61A〜68Aの各々は、自己に隣接する他のアンテナ素子との境界面における垂直面内の利得をアンテナ素子61〜68よりも高くする構造からなる。
図12は、図11に示すアンテナ素子61Aの斜視図である。アンテナ素子61Aは、図2に示すアンテナ素子61に貫通孔120を追加したものであり、その他は、アンテナ素子61と同じである。
なお、アンテナ素子61Aにおいては、誘電体101は、26mmの長さL10を有する。
貫通孔120は、誘電体101の幅方向DR2に長辺が配置された略長方形の形状からなり、誘電体101の幅方向DR2に沿ってビアホール74よりも側面101B側に配置される。即ち、貫通孔120は、貫通孔120と給電部40との距離がビアホール74と給電部40との距離よりも長くなるように配置される。そして、貫通孔120の周囲は、金属121によって覆われている。
図13は、図12に示す貫通孔120近傍の拡大図である。スロット811とビアホール74との距離sは、0.5mmであり、ビアホール74と貫通孔120との距離L11は、0.65mmである。
また、貫通孔120は、誘電体101の長さ方向DR1に1mmの長さL12を有し、誘電体101の幅方向DR2に6.2mmの長さL13を有する。更に、貫通孔120と誘電体101の側面101Bとの距離L14は、1mmである。
なお、図11に示すアンテナ素子62A〜68Aの各々は、図12に示すアンテナ素子61Aと同じ構成からなる。
図14は、図11に示す各アンテナ素子61A〜68Aの幅方向における中央部と、隣接する2つのアンテナ素子の境界面とにおける垂直面内の放射パターンを示す図である。なお、図14は、62.5GHzにおける垂直面内の放射パターンを示す。
図14において、縦軸は、利得を表し、横軸は、仰角θを表す。また、曲線k4は、各アンテナ素子61A〜68Aの幅方向における中央部の垂直面内の放射パターンを示し、曲線k5は、隣接する2つのアンテナ素子の境界面における垂直面内の放射パターンを示す。
図14に示すように、各アンテナ素子61A〜68Aの中央部における垂直面内の利得および隣接する2つのアンテナ素子の境界面における垂直面内の利得は、通信を確立するためにアンテナ単体に最低限必要とされる利得よりも高い(曲線k3〜k5参照)。
そして、隣接する2つのアンテナ素子の境界面における垂直面内の利得は、各アンテナ素子61A〜68Aの中央部における垂直面内の利得よりも低い(曲線k4,k5参照)。
また、周囲が金属121によって覆われた貫通孔120を設けることによって、各アンテナ素子61A〜68Aの幅方向の中央部において、仰角θ=−60度付近の最大利得が約1.4dB上昇する(曲線k4参照)。
更に、周囲が金属121によって覆われた貫通孔120を設けることによって、隣接する2つのアンテナ素子の境界面の利得は、仰角θ=−60度付近で約1dB上昇する(図10の曲線k2および図14の曲線k5参照)。これは、スロット811とビアホール74との距離sを0.5mmに設定し、ビアホール74と貫通孔120との距離L11を0.65mmに設定したからである。このように、この発明においては、スロット811とビアホール74との距離sおよびビアホール74と貫通孔120との距離L11は、隣接する2つのアンテナ素子の境界に沿った方向における利得を最大にする距離に設定される。
更に、各アンテナ素子61A〜68Aの中央部における垂直面内の利得は、約−60度の仰角において最大になり、約−60度〜約+45度の範囲の仰角において徐々に低下する。そして、各アンテナ素子61A〜68Aの中央部における垂直面内の利得が仰角に対して低下する割合は、各アンテナ素子61A〜68Aに設けられたスロット811〜818の間隔d1〜d7および長さL2〜L9によって決定される。
各アンテナ素子61A〜68Aの中央部における垂直面内の利得が仰角に対して低下する割合を変化させれば、各アンテナ素子61A〜68Aの中央部における垂直面内の利得が通信を確立するためにアンテナ単体に最低限必要とされる利得よりも高くなる仰角の範囲を変えることになるので、スロット811〜818の間隔d1〜d7および長さL2〜L9は、アンテナ装置100Aから放射される電波の領域、即ち、アンテナ装置100Aの通信距離を決定する。
その他は、実施の形態1と同じである。
図15は、無線LAN(Local Area Network)環境を示す概念図である。無線LAN200は、アクセスポイント210と、ユーザ端末220,230とからなる。
無線LAN200は、部屋240内に設置される。部屋240は、10mの幅と、10mの長さと、3mの高さとを有する。そして、アクセスポイント210は、部屋240の天井に設置され、ユーザ端末220,230は、天井から2mの高さhに設置される。また、アクセスポイント210およびユーザ端末220,230の各々は、図1に示すアンテナ装置100または図11に示すアンテナ装置100Aを備える。
図16は、図15に示す無線LAN環境において通信距離Rを2m、3m、4m、および5mと変化させたときの送信機および受信機の合計利得を示す図である。
図16において、縦軸は、送信機および受信機の合計利得を表し、横軸は、周波数を表す。また、*は、図1に示すアンテナ装置100を用いた場合の利得を示し、◆は、図11に示すアンテナ装置100Aを用いた場合の利得を示し、破線は、回線設計から送信機および受信機の合計で要求される所要利得を示す。更に、図16の(a)は、アンテナ素子の中央部における利得を示し、図16の(b)は、隣接する2つのアンテナ素子の境界部における利得を示す。
アンテナ素子の中央部における利得(図16の(a)参照)について説明する。通信距離Rが2mである場合、アンテナ装置100Aを用いた場合の利得がアンテナ装置100を用いた場合の利得よりも約2〜4dB低下しているが(曲線k6,k7参照)、通信距離が3m以上である場合、アンテナ装置100Aを用いた場合の利得は、アンテナ装置100を用いた場合の利得よりも高くなっている。より具体的には、通信距離が3mである場合、アンテナ装置100Aを用いた場合の利得は、アンテナ装置100を用いた場合の利得よりも最大で約1dB高くなっており(曲線k8,k9参照)、通信距離が4mである場合、アンテナ装置100Aを用いた場合の利得は、アンテナ装置100を用いた場合の利得よりも最大で約2dB高くなっており(曲線k10,k11参照)、通信距離が5mである場合、アンテナ装置100Aを用いた場合の利得は、アンテナ装置100を用いた場合の利得よりも最大で約4dB高くなっている(曲線k12,k13参照)。
隣接する2つのアンテナ素子の境界部における利得についても(図16の(b)参照)、同様のことが言える(曲線k14〜k21参照)。
従って、貫通孔120を設けることによって、アンテナ装置100Aの放射パターンを改善することによって、斜め方向(遠距離)の利得をより大きくできる。
図16は、貫通孔120を設けることによって、より広い周波数帯域を確保できることを示している。図16の(b)の(iv)は、利得が最も低い場合を示すが、この場合でも、アンテナ装置100Aを用いることによって、所要利得を超える周波数帯域は、約2GHzを示しており、貫通孔120を設けることによって、より広い周波数帯域を確保できる。
なお、上記においては、誘電体10は、平面形状が略正八角形からなると説明したが、この発明においては、これに限らず、誘電体10は、平面形状が三角形以上の多角形または円形からなっていればよい。そして、アンテナ素子の個数は、誘電体10の平面形状に応じて決定される。
また、上記においては、スロット81,82は、誘電体10の表面に形成されると説明したが、この発明においては、これに限らず、スロット81,82は、誘電体10の表面および裏面のいずれか一方に形成されていればよい。
更に、この発明によるアンテナ装置は、複数のアンテナ素子を構成する複数の誘電体が一体成形された誘電体を備えていればよい。例えば、アンテナ素子が8個である場合、この発明によるアンテナ装置は、8個のアンテナ素子61〜68を構成する8個の誘電体101(図2参照)が放射状に配置され、一体成形された誘電体を備えていればよい。勿論、この発明によるアンテナ装置は、図1に示す誘電体10のように隣接する2つの誘電体101間にも誘電体を配置した誘電体10を備えていてもよい。
更に、この発明においては、アンテナ装置10,10Aは、室内に限らず、車内等の一定の広さを有する空間において使用される通信装置に装備されていればよい。
更に、この発明においては、ビアボール71〜73,75〜78は、「複数の第1のビアホール」を構成し、ビアホール74は、「複数の第2のビアホール」を構成し、スロット811〜818は、「複数のスロット」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、通信範囲に対応した設計が可能なアンテナ装置に適用される。また、この発明は、隣接する2つのアンテナ素子の境界における利得を向上可能なアンテナ装置に適用される。
この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。 図1に示すアンテナ素子の斜視図である。 図2に示すスロットの構成を示す平面図である。 図2に示すビアホールを構成するビアホールの拡大図である。 図1に示す給電部の拡大図である。 図2に示すアンテナ素子の一部の拡大図である。 方位角および仰角の概念図である。 アンテナ装置の放射パターンを示す図である。 11の解析結果を示す図である。 各アンテナ素子の幅方向における中央部と、隣接する2つのアンテナ素子の境界面とにおける垂直面内の放射パターンを示す図である。 実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。 図11に示すアンテナ素子の斜視図である。 図12に示す貫通孔近傍の拡大図である。 図11に示す各アンテナ素子の幅方向における中央部と、隣接する2つのアンテナ素子の境界面とにおける垂直面内の放射パターンを示す図である。 無線LAN環境を示す概念図である。 図15に示す無線LAN環境において通信距離Rを2m、3m、4m、および5mと変化させたときの送信機および受信機の合計利得を示す図である。
符号の説明
10,101 誘電体、20,21,30,31 金属薄膜、40 給電部、51〜58 スイッチ、61〜68,61A〜68A アンテナ素子、71〜78,711 ビアホール、81,82,811〜818 スロット、90 テーパ構造、100,100A アンテナ装置、101A、101B,101C 側面、110 同軸ケーブル、111 内導体、120 貫通孔、121 金属、200 無線LAN 210 アクセスポイント、220,230 ユーザ端末。

Claims (6)

  1. 1個の給電部と、
    前記1個の給電部の周囲に配置された複数のアンテナ素子とを備え、
    前記複数のアンテナ素子の各々は、
    略平板形状からなる誘電体と、
    前記誘電体の一方端側に形成され、前記給電部の一部を構成する素子給電部と、
    前記誘電体の表面および裏面に形成された金属薄膜と、
    前記誘電体の長さ方向における両側の側面に沿って配置された複数の第1のビアホールと、
    前記素子給電部と反対側の前記誘電体の他方端側において前記誘電体の側面に形成され、前記長さ方向に垂直な前記誘電体の幅方向に沿って配置された複数の第2のビアホールと、
    前記表面および裏面のいずれか一方に形成され、前記長さ方向に沿って配置された複数のスロットとを含み、
    前記複数のスロットの隣接するスロット間の間隔および前記複数のスロットのうち前記素子給電部から最も遠い位置に配置されたスロットと前記複数の第2のビアホールとの距離は、前記複数のアンテナ素子の通信距離を決定する、アンテナ装置。
  2. 前記他方端側に形成され、周囲が金属で覆われた貫通孔を更に備え、
    前記貫通孔と前記素子給電部との距離は、前記複数の第2のビアホールと前記素子給電部との距離よりも長い、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記貫通孔と前記複数の第2のビアホールとの距離は、隣接する2つのアンテナ素子の境界に沿った方向における利得を最大にする距離に設定される、請求項2に記載のアンテナ素子。
  4. 前記誘電体の面内方向における前記貫通孔の形状は、前記幅方向に長辺が配置された略長方形の形状からなる、請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記スロット間の間隔は、前記複数の第2のビアホールから前記素子給電部に向かうに従って広くなる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記複数のスロットの長さは、前記複数の第2のビアホールから前記素子給電部に向かうに従って短くなる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010050700A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Advanced Telecommunication Research Institute International アンテナ装置およびそれを備えたアレーアンテナ装置

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