JP2008111555A - 入力総和器を有する液圧機械式トランスミッション - Google Patents

入力総和器を有する液圧機械式トランスミッション Download PDF

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Abstract

【課題】HMTの出力パワーを改善したマルチモードのHMTを提供する。
【解決手段】 第1および第2遊星ギアを有する液圧機械式トランスミッションであって、各遊星ギアは、第1機素、第2機素および第3機素を有する。第1遊星ギアの第1機素は、第1液圧ユニットに接続され、第1遊星ギアの第2機素は、第2液圧ユニットに接続され、第1遊星ギアの第3機素は、入力に接続されている。第2遊星ギアの第1機素と第3機素との間に、基本クラッチが接続され、第2遊星ギアには、少なくとも1つの二次クラッチが接続されている。基本クラッチと第2クラッチが選択的に係合されると、連続比が連続的な少なくとも2つの作動モードが得られる。
【選択図】図3

Description

本発明は、トランスミッションに関し、より詳細には、入力総和器を有する液圧機械式トランスミッションに関する。
高燃費で最大の動力を車輪に伝えることができる、高効率の変速比連続トランスミッションを必要とする作業用車両は多数存在する。これらの車両として、トラクター、ローダー、ユーティリティ車両、およびトラックを挙げることができる。これらの車両には、コストを低くし、かつ全速度レンジにわたって、制御性を良好にしたいという要求がある。本明細書は、これら車両の必要部分を、コンパクトでかつフレキシブルなパッケージ内に収容できる動力分割液圧機械式トランスミッションを開示するものである。
本明細書では、2つの前進モード、または3つの前進モードのいずれかを有し、モードの数を変えうる2つのタイプのトランスミッションについて開示する。両タイプは、1つの後進(リバース)モードを有する。
本明細書において開示するトランスミッションは、エンジンとトランスミッションとの間のクラッチを不要にするよう、フルバック速度からフル前進動速度まで、変速比を連続的にできる。これら3モードトランスミッションは、2モードトランスミッションの変形のトランスミッションであり、かかるトランスミッションは、同一のハウジングおよび液圧ユニットで構成されるようになっている。2モードのトランスミッションは、後進速度をフレキシブルな最大値とすることができるような別の構成となっている。
本発明のトランスミッションでは、すべてのモードは液圧液圧式であり、入力総和構造において、動力分割フローを有する。前進モード1および後進モードの双方は、ゼロ速度でスタートし、液圧ユニットの限界に達するまで、速度は連続的に増加する。これによって、連続的な速度、およびトルクの制御を維持しながら、前進から後進までの連続サイクルが可能となっている。
前進モードと後進モードは、別個の液圧機械式モードであるので、後進時の最大トルクと前進時の最大トルクとは、同一である必要はない。
この変速方式は、より少ない数のギアと、最小の数のクラッチしか有しておらず、クラッチのうちの1つをブレーキにできる。このクラッチとギア方式は、モードの数に応じて、2つまたは3つの遊星ギアを使用する。遊星ギアは、動力を再循環することなく、かつ(変位運動を反転するよう)液圧ユニットによる連続変速比が中心点を通ることなく、互いに作動するようになっている。
これら遊星ギアのうちの1つは、常に動力を分割するようになっており、連続して2つの液圧ユニットおよび入力に接続されている。第2遊星ギアは、動力がバイパスでき、減速ギアまたは反転ギアとして使用されるか、または第1遊星ギアと組み合わせて動力を分割するように使用される。第3遊星ギアが使用される場合、この第3遊星ギアは、第1遊星ギアと協働して、動力を分割するように働く。
液圧機械式トランスミッションは、液圧部分を通る平均動力の流れを低下させて、作動効率を高めるように配置された機械式動力伝達路と並列になっている液圧動力伝達路を有することを特徴としている。一般に動力伝達路は、トランスミッションの入力端、または出力端のいずれかで動力の流れを総和するように働く遊星ギアセットを含んでいる。
並列的な動力系が存在することにより、更に伝達される液圧動力を減少するよう、出力速度レンジまたはトルク比を減少できる可能性が生じ、このことによって、トランスミッションのフルトルク、および速度レンジを得るためのマルチレンジ、またはマルチモードが必要となる。
マルチモードの効果は、効率を改善し、かつコストを低減させることにある。各モードにおける出力速度レンジ/トルク比の大きさは、効率およびコストの他に、HSTのサイズに対する入力動力容量に影響する。変速比をより小さくすることによって、同じサイズの液圧ユニットにおいて、入力動力を大きくできる。モード数をより多くすることにより、モード比をより小さくしたり、または変速比をより大きくできるか、またはその双方が可能となる。
これらの関係によって、入力動力、変速比レンジ、および効率に関して、市場での多くの要求を満たす広範な構造を提供することができる。
液圧部品を再使用し、この部品を、異なる機械部品にクラッチ結合することにより、通常、マルチモードのHMTが達成されている。モードが液圧機械式である場合、機械部品は遊星ギアである。通常、このモードは、連続速度またはトルク伝達を得るように、モード変更中は変速比が変化しないようなモードとなっている。
したがって、本発明の主な目的は、HMTの出力パワーを改善したマルチモードのHMTを提供することにある。
本発明の別の目的は、液圧機械式トランスミッションの作動全体を改善したマルチモードのHMTを提供することにある。
明細書、および特許請求の範囲から、本発明の上記およびそれ以外の目的、特徴または利点が明らかとなると思う。
液圧機械式トランスミッションは、第1機素に接続された第1液圧ユニットと、第2機素に接続された第2液圧ユニットと、第3機素に接続された入力とを備える第1遊星ギアを有し、更にこのトランスミッションは、第1機素、第2機素、および第3機素を有する第2遊星ギアを有し、第2遊星ギアの第1機素と第3機素の間に、基本クラッチが接続されている。第2遊星ギアには、少なくとも1つの二次クラッチが接続されており、基本クラッチと二次クラッチとが選択的に係合するとき、連続変速比を有する少なくとも2つの作動モードが提供される。
図1は、2つの前進モードのHMTのブロック図を示す。総和器3および4は遊星ギアであり、各総和器は3つの機素を有する。2つの変位量可変液圧ユニット5および6が設けられており、3つのクラッチ7、8および9が、出力2、総和器3、またはアースに対する総和器4の接続を変えるようになっている。ユニット5および6の変位を、コントローラが規制する。このコントローラは、所望する変速比、およびエンジンの動力伝達を行うように、前記クラッチを作動させるようになっている。
遊星ギア3の総和機素12には、入力1が接続されており、遊星ギア4の機素21には、出力2が接続されている。総和器の機素14には、ユニット5が接続されており、機素25および19には、ユニット6が接続されている。
モード1では、クラッチ8は、出力2を総和器機素26に接続し、総和器機素26は、遊星ギア4をロックアップする。
モード2では、クラッチ7は、総和器の機素26を入力1に接続し、四機素遊星ギア3/4を形成している。クラッチ8は、遊星ギア4をロックアップするので、このクラッチを遊星ギア4の機素のうちの2つの間に接続できる。
リバース(後進)モードでは、機素26の回転を防止するアースに機素26が接続されている。入力1は、可変ユニット5または6のいずれかには接続されず、総和器3の1つの機素に接続されているので、遊星ギア3および3/4は、入力総和器となっている。
図2は、遊星ギア3および4の速度ダイアグラムである。この速度ダイアグラムは、遊星ギアのうちのすべての機素の速度の関係を示すダイアグラムであり、トランスミッションのブロック図とギアおよびクラッチの略図の双方の根拠となっている。
図2では、垂直軸線14、25、および12は、遊星ギア3の機素の速度を示し、水平軸線36は、遊星ギアの比を示している。垂直軸線の間の長さは、遊星ギアの比を示している。例えば、軸線12がリングギアであり、軸線25がキャリアであり、軸線14が太陽ギアである場合、比D/Cは、太陽ギアの歯に対するリングギアの歯の比である。機素25の速度がゼロであり、比D/Cが−2であれば、比B/Aは、ライン34が示すように−2となる。従って、太陽ギアの速度は、リングギアの速度の2倍であり、回転方向は反対となる。
この速度のダイアグラムは、クラッチの位置および遊星間ギアの比を強調して示されている。ギア比がマイナスであることは、遊星ギアに対する相対的回転方向が反対であることを示す。負のギア比に対し、実際の回転方向が反対となった場合でも、速度のグラフは、前進方向に対して出力速度が正となる状態で、すべて示されている。
垂直軸線19、26および21は、遊星ギア4の機素である。機素12と26との間では、負のギア比22/23が存在し、機素25と19との間には、負のギア比18/28が存在する。モード1では、クラッチ8が係合しており、機素19および25がゼロ速度となっている状態でスタートする。これによって、ユニット6もゼロ速度となる。
ライン34が示すように、機素12は入力速度となっており、これによって、機素14は接続されたユニット5に対してほぼ最大の負の速度となる。遊星ギア4がクラッチ8によってロックアップされると、ライン37が示すように、機素21もゼロ速度となる。
コントローラにより、ユニット5および6にHMTの変速比を変えさせ、前進方向にドライブさせると、機素25は、スピードアップし、機素14は、軸線14にてライン35が示すようにスローダウンし、ゼロに接近する。
ライン38で示すように、出力21は、正の方向にスピードアップする。モード1における最大速度において、ギア比18/28および22/23は、第2モードのクラッチ7の機素を、ほぼ同期した速度にするようになっている。
モード2は、クラッチ7によって係合しているので、遊星ギア4の機能は、動力分割に変更され、従って、再循環動力条件で作動することなく、液圧ユニットは、その変位を反転することが可能となっている。クラッチ7が係合している状態では、遊星ギア3および4の2つの各機素は互いに接続され、単一の四機素遊星ギアの機能を奏することができるが、接続された機素の間のギア比は異なっている。
遊星ギア3は、ユニット5および6が変位変化の向きを反転する際に、方向を反転し、機素25をゼロ速度までスローダウンし、機素14を負にスピードアップする。これによって、機素19はゼロ速度まで減速される。
次に、機素26は、入力に接続されるので、機素21は、ライン39が示すように速度を高め、出力の速度をモード2での最大値まで上昇させる。
クラッチ9に対するほぼ同期速度でもあるほぼゼロの出力速度において、クラッチ9を係合することにより、逆速度が得られる。これによって機素21は、機素19が正の向きに増加する際に反転させられる。最大逆速度は、軸線21におけるライン40で示されている。
トランスミッションが、ゼロ速度において、およびゼロ前進速度と最大前進速度との間でモードを変えても、フル後進速度からフル前進速度まで、連続的に変速比を変えながら、エンジンから車輪まで連続的に動力を伝えることができる。ダウンシフトを行うには、このプロセスを逆に行う。
トランスミッションの制御機能は、米国特許第5,560,203号におけるのと同じように、または他の適当な制御手段により達成できる。このように本明細書では、米国特許第5,560,203号を援用する。車両条件によっては、クラッチ8またはクラッチ9のいずれかを省略することにより、モード2または後進モードを省略できる。
入力1の速度と出力2の速度との間で、同じ関係を得るために、別の速度のダイヤグラムも可能である。例えば機素14を、機素12に対して機素25の反対側に設けることができる。これによって、ユニット5をほぼ最大の正の速度でスタートさせなければならず、変位の符号を反転できる。この速度のダイヤグラムは、入力速度と出力速度の条件を満たし、遊星ギア機素の速度に対する制限を越えないで、必要なシフトポイント、妥当なギア比、および部品の経済性を達成するだけでよい。このように変えるために、図1のブロック図を変える必要はない。
各モードのレンジにわたり、ユニット5と6は、ゼロ速度まで作動するが、ゼロ速度点を通過しない。このことは、どのユニットも、負のスタート変位で作動しないことを意味する。これによって、液圧トランスミッション内で動力を再循環させなくてもよく、伝達される動力を下げ、効率を高めることができる。
ユニット5および6のための反対方向の変位変化と、双方のユニットに対する負の変位をなくすることを組み合わせたことにより、このトランスミッションは、同時に、かつ同じストローク機構により、ユニットをストローク運動させるようになっている。
図3には、図1および図2のHMTに対するギアとクラッチが略示されている。入力シャフト1は、出力シャフト2に対してオフセットし、かつ平行となっている。入力シャフトの中心線には、遊星ギア3が位置し、機素12は、リングギアであり、機素14は、太陽ギアであり、機素25は、キャリアとなっている。遊星ピニオン13は、遊星ギア3のギアセットを完成している。遊星ギア4に対し、このギアは、出力中心線上にあり、リングギアとして機素19を有し、太陽ギアとして機素21を有し、キャリアとして機素26を有する。遊星ピニオン20は、遊星ギア4のギアセットを完成している。
ユニット5は、遊星ギアセット16/15と共に機素14に接続されており、ユニット6は、ギアセット17/18により機素25に接続されており、遊星ギアセット18/29は、遊星ギア3の機素25および遊星ギア4の機素19を接続している。クラッチ7、8および9は、遊星ギア4と同じ中心線上で互いに隣接している。機素12は、ギアセット22/23により、クラッチ8に接続されている。
このギアとクラッチの略図では、トランスミッションのレイアウトでいくつかの目的を達成するようになっている。入力と出力とは、車両の条件を満たすよう、隣接し、かつ平行な中心線の上に位置している。入力中心線と遊星ギア3の配置により、スルーなPTOドライブ27が可能となっている。
前方および後方のドライブシャフトおよび軸線に対し、出力中心線と遊星ギア4とクラッチの配置によって、スルーな出力シャフト2が可能となっている。クラッチ7、8および9を使用するために、動力の伝達を容易にするよう、これらクラッチは、互いに隣接している。最大速度の機素は、高速回転質量を最小にするよう、太陽ギア14および21となっている。
図4〜図6の3モードのトランスミッションは、図1〜図3の2モードのトランスミッションに類似しているが、第3モードを追加するために、追加遊星ギア、クラッチ、および関連するギアを有する点で異なっている。
2モードのHMTと類似する3モードの機素には、同じ符号に100を加えて示してある。例えば、2モードに対する遊星ギア3は、3モードでは、遊星ギア103となっており、機素14は、機素114となっている。2モードと同じである3モードの説明については、再度繰り返す要はないと思う。
図4は、3つの前進モードHMTのブロック図である。総和器110は、遊星ギアであり、3つの機素132、133および130を有する。機素133は、機素114に接続されており、機素132は、出力102に接続されている。
機素130を入力101に接続している第3の別のモードのクラッチ110がある。このクラッチによってクラッチ111が係合すると、遊星ギア103への接続により、四機素の遊星ギア機能が働く。入力101が可変ユニット105または106のいずれかに接続されず、総和器110の1つの機素に接続されると、遊星ギア110/103は入力総和器となる。
図5は、遊星ギア103、104および105の速度のダイアグラムである。垂直軸線133、130および132は、遊星ギア110の機素であり、機素130と112との間のギア比は、負であり、機素133と114との間のギア比は、正となっている。機素132と121とは、直接互いに接続されている。
モード1、モード2および後進モードは、2モードバージョンと同じように作動する。モード2における最大速度では、ギア比141/129および115/116/146は、第3モードのクラッチ111の機素を、同期した逆速度にするようになっている。
クラッチ111によりモード3となると、遊星ギア103/110の機能は動力分割にあり、これによって、液圧ユニットは動力再循環条件で作動せず、それらの変位運動を反転することが可能となる。ユニット105および106は、反対方向にストローク運動し、ゼロ速度点を通過するようには作動しない。すなわち、変位運動をスタートする際に負方向に作動しない。
しかし、遊星ギア110は、正のギア比115/116/146で機素114に接続されているので、機素125と同じ方向に速度を変える(注:このことは、図5では反対方向のように見える。その理由は、図は、前進方向の出力速度を常に正に維持するように定めているからである。)
ライン142からスタートし、ユニット106が速度を高めるにつれ、ユニット105は速度を下げ、機素133は速度を下げ、ライン143が示すように出力132を高める。機素121は、機素132に接続されているので、機素121は、ライン144が示すように速度を最大値まで高める。トランスミッションが、ゼロ速度においてモードを変更し、ゼロ速度と前進最大速度との間で2回変化しても、変速比は、フル後進速度からフル前進速度まで、連続的に変化しながら、エンジンから車輪まで連続的に動力が伝えられる。
図6には、図4および図5のHMTのためのギア、およびクラッチの略示されている。遊星ギア110では、機素132は太陽ギアであり、機素130も太陽ギアであり、機素133はキャリアとなっている。太陽ギア130および132に、1組のダブル遊星ギア131/145が接続されている。
ユニット105の駆動ギア116が、ギア115と146との間でアイドラーギアとして作動する状態では、機素114と133との間で、正のギア比が得られる。クラッチ111は、ギアセット141/129により、機素112に接続されている。機素121と132が同じ中心ライン上にあるとき、これらの機素は、直接に接続される。
当業者であれば、図4および図5の条件を満たすような遊星ギア機素の別の構成についても想到できると思う。例えば、リングギアと太陽ギアとの間に、2組の遊星ギアがある場合、機素126をリングギアとし、機素119をキャリアとすることが可能である。このような変更は、図5の速度のダイアグラムに影響するものではない。
このギアとクラッチの図は、トランスミッションのレイアウトでいくつかの目的を達成できるようになっている。入力と出力とは、車両の条件を満たすように隣接し、かつ平行な中心ライン上に位置している。入力を中心ラインに配置したことにより、スルーなPTOドライブ127が可能となっている。出力の中心ラインの配置により、前方および後方のドライブシャフトおよび車軸の双方に対してスルーなドライブが可能となっている。
最大速度の機素は、回転質量を最小にするための太陽ギアとなっている。ギア、クラッチ、および液圧ユニットのこのようなレイアウトによって、基本的な2モードのトランスミッションと同じように、第3モードを追加することが可能となっている。
図7は、別の前進2モードのHMTのブロック図である。図1、図2および図3のトランスミッションと同じ部品の多くが、同じように使用されており、これらの部品には、同じ符号をつけてある。
総和器3および4は、遊星ギアであり、各々は3つの機素を有する。2つの変位量可変液圧ユニット5および6が設けられている。3つのクラッチ7、58および59が、総和器3に対する総和器4の接続を変えるようになっている。ユニット5および6の変位量を、コントローラがレギュレートし、所望する変速比、およびエンジンの動力伝達を行うために、このコントローラが、クラッチを作動させるようになっている。
遊星ギア3の総和機素12には、入力1が接続され、遊星ギア4の機素21には、出力2が接続されている。ユニット5は、総和機素14に接続され、ユニット6は、機素25および19に接続されている。
モード1では、クラッチ58は、遊星ギア4をロックアップする機素21に総和機素19を接続する。モード2では、クラッチ7は総和機素26を入力1に接続し、四機素遊星ギア3/4を形成する。
後進モードでは、機素21は、機素25に接続され、機素25は、機素19と反対方向に機素21を回転させる。遊星ギア3および3/4は、入力機素1が可変ユニット5または6のいずれかに接続されることはなく、総和器3のうちの1つの機素に接続されるときに、入力総和器となる。
図8は、別の2モードのHMT、および遊星ギア3および4の速度のグラフである。図8において、垂直軸線14、25および12は、遊星ギア3の機素の速度を示し、水平軸線36は、遊星ギアのギア比を示す。垂直軸線19、26および21は、遊星ギア4の機素であり、機素12と26の間のギア比22/23は負であり、機素25と19の間のギア比18/28は負である。機素21と25の間のギア比は51/52は正である。
モード1ではクラッチ58が係合し、機素19および25はゼロ速度の状態でスタートする。これによって、ユニット6もゼロ速度となる。ライン34が示すように、機素12は、接続されたユニット5と共に機素14をほぼ最大の負の速度にする入力速度となっている。クラッチ58により、遊星ギア4がロックアップされると、機素21も、ライン37が示すようにゼロ速度となる。
コントローラが、ユニット5および6にHMTの変速比を変更させ、前進方向にドライブさせると、機素25はスピードアップし、機素14はスローダウンし、軸線14においてライン35が示すように、ゼロ速度に接近する。出力21は、ライン38が示すように、正の方向にスピードアップする。
モード1において最大速度になると、変速比18/28および22/23は、第2モードのクラッチ7の機素をほぼ同期した速度にするようになっている。
クラッチ7によってモード2となると、遊星ギア4の機能は動力を分割し、動力再循環状態で作動することなく、液圧ユニットの変位を、液圧ユニットが反転できるように変化する。
クラッチ7が係合している場合、遊星ギア3および4の2つの機素の各々は互いに接続され、接続された機素の間の異なる変速比にて単一の4機素の遊星ギアの機能を生じさせる。遊星ギア3は、ユニット5および6が変位方向を反転させると、方向を反転させ、機素25をゼロ速度にスローダウンし、機素14を負の方向にスピードアップする。これによって、機素19はゼロ速度に低減される。機素26は入力に接続されているので、機素21は、ライン39が示すように速度を増し、出力速度をモード2における最大速度まで上昇させる。
クラッチ59のほぼ同期速度でもあるほぼゼロの出力速度において、クラッチ59を係合することによって、反転速度が得られる。これによって、機素19が正の方向に速度を増加する際に、機素21を反転させる。軸線21におけるライン40が示すように、最大反転速度が得られる。変速比51/52は、独立して選択されるので、後進モードにおける機素21の速度は、前進速度比のいずれにも従属しない。
図9には、図7および図8のHMTのギア、およびクラッチの略示されている。入力シャフト1は、出力シャフト2に対してオフセットし、かつ平行となっている。入力シャフトの中心ラインには、遊星ギア3が位置し、機素12はリングギアであり、機素14は太陽ギアであり、機素25はキャリアとなっている。遊星ピニオン13は、遊星ギア3のギアセットを完成している。
遊星ギア4は、出力中心ライン上にあり、機素19をリングギアとして有し、機素21は太陽ギアであり、機素26はキャリアである。遊星ピニオン20は、遊星ギア4のギアセットを完成している。ユニット5はギアセット16/15により太陽ギア14に接続されており、ユニット6はギアセット17/18によりキャリア25に接続されている。
ギアセット18/28により、遊星ギア3のキャリア25と遊星ギア4のリングギア19は接続されている。クラッチ18と59とは、遊星ギア4と同じ中心ライン上で互いに隣接している。リングギア12は、クラッチ7に直接接続されており、ギアセット51/52により、クラッチ59を介して、遊星ギア6と太陽ギア21とが接続されている。太陽ギア21は、ユニット6から3つのギア17/18/28により駆動されると、リングギア19と反対に回転する。
このギアとクラッチの略図は、トランスミッションのレイアウトにおいて、いくつかの目的を達成するように構成されている。入力と出力とは、車両の条件を満たすように、隣接し、かつ平行な中心ライン上にある。
入力の中心ラインと遊星ギア3の配置により、スルーなPTOドライブ27が可能となっている。出力中心ラインと、遊星ギア4と、クラッチの配置により、正面および後方ドライブシャフトおよび車軸の双方に対し、スルーな出力シャフト2が可能となっている。
クラッチ58と59は、これらに加えられる動力のルーティングを容易にするために、互いに隣接している。トランスミッションに対して必要とされるクラッチ7のトルクを最小にし、スペースを最適にするために、クラッチ7は、入力中心ライン上に設けられている。最高速度の機素は、高速回転する質量を最小にするよう、太陽ギア14および21となっている。
図4、図5および図6に示されているトランスミッションと同じように、図7、図8および図9のトランスミッションに、第3モードを加えることも可能である。
従って、複数の液圧機械式トランスミッションが開示されている。一実施例では、液圧機械式トランスミッションは、第1機素に接続された第1液圧ユニット、第2機素に接続された第2液圧ユニット、および第3機素に接続された入力を有する第1遊星ギアを有する。
この実施例では、液圧機械式トランスミッションは、更に第1機素、第2機素および第3機素を有する第2遊星ギアを有し、第2三機素遊星ギアの第1機素と第3機素との間に、基本クラッチが接続されている。更に、第2三機素遊星ギアには、少なくとも1つの二次クラッチが接続されており、基本クラッチと二次クラッチとが選択的またはシーケンシャルに係合すると、変速比が連続的な、少なくとも2つの作動モードが得られる。
液圧機械式トランスミッションのこの実施例では、第1三機素遊星ギアのうちの第1機素に、第2三機素遊星ギアの第2機素を接続することができ、第2三機素遊星ギアのうちの第3機素を出力に接続することができる。
更に好ましい実施例では、クラッチを使用することなく、エンジンからの直接ドライブ接続が入力に設けられる。この実施例では、第1機素、第2機素および第3機素を有する第3三機素遊星ギアを更に備えることができる。この場合、第1機素は、第1三機素遊星ギアのうちの第3機素に接続され、補助クラッチおよび第3三機素遊星ギアの第2機素および第3機素は、第1三機素遊星ギアの第1機素および出力に接続される。
この実施例では、第2三機素遊星ギアのうちの第1機素と、第1三機素遊星ギアのうちの第3機素との間に第2クラッチを設けることもできる。同様に、第2三機素遊星ギアのうちの第1機素とアースとの間に、反転クラッチを接続することができる。更に、第2三機素遊星ギアのうちの第2機素と第3機素との間に、反転クラッチを接続することができる。この反転クラッチは、第2三機素遊星ギアのうちの第2機素と第3機素との間に、反転ギアを有することが好ましい。
別の実施例では、液圧機械式トランスミッションは、第1機素、第2機素、および第3機素を有する第1三機素遊星ギアを有し、このトランスミッションでは、第1機素および第2機素は、液圧トランスミッションに接続され、第3機素は、入力に接続されている。更にこの実施例では、第1三機素遊星ギアのうちの第1機素が、最大速度とゼロ速度との間で移動するときに、第1三機素遊星ギアのうちの第2機素はゼロ速度と高速度との間で移動する。
この装置は更に、第1機素、第2機素、および第3機素を有する第2三機素遊星ギアを有し、第2三機素遊星ギアのうちの第2機素は、第1三機素遊星ギアのうちの第1機素に接続され、第2三機素遊星ギアのうちの第3機素は出力に接続されている。このシステムでは、第2三機素遊星ギアに、少なくとも2つのクラッチが接続され、これらクラッチが選択的に係合すると、変速比が連続的な、少なくとも2つの作動モードが得られる。
この実施例では、第1三機素遊星ギアの第2機素と第2三機素遊星ギアのうちの第1機素との間に、クラッチを接続できる。同様に、第2三機素遊星ギアの第1機素とアースとの間に、反転クラッチを接続できる。これとは異なり、第2三機素遊星ギアのうちの2つの機素の間にクラッチを接続することもできる。
更に別の実施例では、第1三機素遊星ギアのうちの第1機素は、第2三機素遊星ギアのうちの第2機素に対して負のギア比を有し、第1三機素遊星ギアのうちの第3機素は、第2三機素遊星ギアのうちの第1機素に対して負のギア比を有する。
この実施例では、第1機素、第2機素、および第3機素を有する第3三機素遊星ギアを更に備えることもある。この場合、第3三機素遊星ギアのうちの第3機素は、第2三機素遊星ギアのうちの第3機素に接続され、第3三機素遊星ギアのうちの第2機素は、第1三機素遊星ギアのうちの第2機素に接続され、第3三機素遊星ギアの第1機素と第1三機素遊星ギアの第3機素との間に、補助クラッチが設けられる。
更に、この実施例では、第3三機素遊星ギアの第1機素と、第1三機素遊星ギアのうちの第3機素との間のギア比を、負のギア比とし、第3三機素遊星ギアのうちの第2機素と第1三機素遊星ギアのうちの第2機素との間のギア比を、正のギア比とすることができる。この実施例では、第2三機素遊星ギアのうちの第3機素と、第1三機素遊星ギアの第1機素とを、反転クラッチによって正の変速比で接続できる。
更に別の実施例では、液圧機械式トランスミッションは、入力中心ラインに位置し、第1機素、第2機素および第3機素を有する第1三機素遊星ギアを有することができる。この場合、第1三機素遊星ギアは、第3機素にて入力に接続される。
この実施例では、更に、第1機素、第2機素、および第3機素を有する第2三機素遊星ギアを備え、この場合、第2三機素遊星ギアは出力中心ラインに位置し、第3機素にて出力に接続される。第1三機素遊星ギアのうちの第2機素と第3機素に、液圧機械式トランスミッションが接続され、第2三機素遊星ギアに、少なくとも2つのクラッチが接続される。従って、これらクラッチは、変速比が連続的な、少なくとも2つの作動モードを提供するように、選択的またはシーケンシャルに係合できる。
この実施例では、油圧機械式トランスミッションは、2つの変速比可変液圧ユニットを有し、第1液圧ユニットは、作動モードの各々において、第2液圧ユニットの反対方向に変位運動を変更する。特に第1液圧ユニットおよび第2液圧ユニットは、トランスミッションの全速度レンジにおいて、負のスタート変位を有しない。
更にこの実施例では、第2三機素遊星ギアのうちの第2機素を、第1三機素遊星ギアの第1機素に接続できる。動力を取り出すために、クラッチを互いに隣接させ、入力シャフトをトランスミッションに貫通させることができる。更に出力シャフトは、トランスミッションの両端でドライブするように、トランスミッションを貫通できる。第1および第2三機素遊星ギアのうちの最高速度の機素は、太陽ギアとなる。
更にこの実施例では、3つのクラッチを設けることができる。第1三機素遊星ギアのうちの2つの機素の間に第1クラッチを設け、第2三機素遊星ギアのうちの第1機素と、第1三機素遊星ギアのうちの第3機素との間に第2クラッチを設け、第2三機素遊星ギアに反転クラッチが接続される。第3三機素遊星ギアは、出力中心ラインに位置すると共に、出力に接続された第3機素、第1三機素遊星ギアのうちの第2機素に接続された第2機素、第4のクラッチを有する第1遊星ギアの第3機素に接続された第1機素を有する。
当業者であれば、本発明の要旨から逸脱することなく、装置について、他の種々の変形を行うことができることが理解できると思う。かかるすべての変形例および変更例は、特許請求の範囲内に含まれるものであり、かつ特許請求の範囲によって保護されている。
液圧機械式トランスミッションのブロック図である。 液圧機械式トランスミッションの速度のダイアグラムである。 液圧機械式トランスミッションの略図である。 液圧機械式トランスミッションのブロック図である。 液圧機械式トランスミッションの速度のダイアグラムである。 液圧機械式トランスミッションの略図である。 液圧機械式トランスミッションのブロック図である。 液圧機械式トランスミッションの速度のダイアグラムである。 液圧機械式トランスミッションの略図である。
符号の説明
1 入力
2 出力
3、4 総和器
5、6 液圧ユニット
7、8、9 クラッチ
12 総和機素
14 垂直軸線
19 機素
25 機素
26 総和機素

Claims (3)

  1. 第1機素に接続された第1液圧ユニット、第2機素に接続された第2液圧ユニット、および第3機素に接続された入力を有する第1遊星ギアと、
    第1機素、第2機素、および第3機素を有する第2遊星ギアと、
    前記第2遊星ギアのうちの第1機素と第3機素との間に接続された基本クラッチと、
    前記第2遊星ギアに接続された少なくとも1つの二次クラッチとを備え、
    前記基本クラッチと前記二次クラッチとが選択的に係合すると、変速比が連続的な少なくとも2つの作動モードが得られるようになっている、液圧機械式トランスミッション。
  2. 第1機素、第2機素、および第3機素を有し、前記第1機素および第2機素は、液圧トランスミッションに接続されており、前記第3機素は、入力に接続されている第1遊星ギアを有し、
    前記第1遊星ギアのうちの第1機素が、最大速度とゼロ速度の間で移動するときに、前記第1遊星ギアのうちの第2機素は、前記速度と高い速度との間で移動し、
    少なくとも2つのクラッチは、第2遊星ギアに接続されており、これらのクラッチが選択的に係合すると、変速比が連続的な少なくとも2つの作動モードが得られるようになっている、液圧機械式トランスミッション。
  3. 第1機素、第2機素、および第3機素を有する入力中心ライン上に設けられており、前記第3機素が入力に接続されている、第1遊星ギアと、
    第1機素、第2機素、および第3機素を有する出力中心ライン上に設けられており、前記第3機素が出力に接続されている、第2遊星ギアと、
    前記第1遊星ギアのうちの前記第2機素および第3機素に接続されている液圧トランスミッションと、
    前記第2遊星ギアのうちの第1機素に接続されている少なくとも2つのクラッチとを備え、
    前記クラッチが選択的に係合すると、変速比が連続的な少なくとも2つの作動モードが得られるようになっている、液圧機械式トランスミッション。
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