JP2008110070A - 生体管内手術器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】針などを把持して駆動する生体管内手術器具を簡易な構成で実現すること。
【解決手段】駆動電流制御装置50は、導線40を介して、駆動部20に駆動電流を供給する。導線40は、導電性の性質を有し、駆動電流制御装置50において発生した駆動電流を駆動部20に供給する。チューブ30は、筒状の形状を有し、内部に、把持部10と駆動部20と導線40を収める。駆動部20は、把持部10を駆動する。また、駆動部20は、形状記憶合金により構成され、チューブ30内において、導線40と接続される。形状記憶合金は、駆動電流が与えられていない状態においては、ゆるんだ状態となり、駆動電流が与えられた際に、縮む性質を有する。把持部10は、患部もしくは患部の縫合に用いられる縫合器具などを把持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、把持機構に関する。本発明は特に、外科手術において、微細な対象物を把持するための生体管内手術器具に関する。
従来、先天性疾患の一つである心房中隔欠損(Atrial Septal Defect。以下、「ASD」と表記する。)には、主として外科的手術による治療が行われている。この外科的手術においては、人工心肺を使用し、実際に胸を切り開くことによって、直視下で欠損孔を縫って閉じるパッチと呼ばれる手術方法が用いられていた。しかしながら、外科的手術においては、患部疾患の治療そのものだけでなく、開胸術、または、開腹術を伴うものであり、患者の肉体に与える負担が極めて大きく、また、細菌等による術後の感染のリスクが少なくなかった。さらに、入院期間が長期となるため、医療費などの経済的負担が大きかった。
近年、患者への負担が小さい(以下、「低侵襲」と表記する。)ASD治療方法として、心臓カテーテルを経血管的に心腔内に挿入して心房中隔欠損孔を閉塞する方法が開発されている。この治療方法は血管内カテーテル手術と呼ばれる。血管内カテーテル手術においては、まず、カテーテルに、心房中隔欠損孔を閉鎖する為の縫合器具などの医療器具を折り畳んだ状態でセットする。つぎに、カテーテルを足の付け根部分の大腿静脈から挿入して、大動脈、左心室、左心房などを経由して、心房中隔欠損孔まで導き、カテーテルにセットされた縫合器具を用いて、欠損孔を縫合することにより閉鎖する(たとえば、特許文献1参照)。
特開平10−211206号公報
しかしながら、カテーテルにセットされた縫合器具を用いる方法においては、欠損孔の状態により、より複雑な縫合作業が必要とされるため、常に使用することができるものではない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その総括的な目的は、縫合作業を簡易に実施できる生体管内手術器具を実現する点にある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の生体管内手術器具は、筒状のチューブと、チューブの先端に設けられた把持部と、把持部を駆動する駆動部と、チューブ内を通って駆動部に接続され、駆動部に駆動電流を供給する導線と、を備える。
ここで、生体管とは、体内の生体物、たとえば、血管や消化管あるいは臓器などを含む。また、把持部とは、1対の把持面により対象物を挟む構造を含み、たとえば、マイクログリッパなどを含む。また、駆動部とは、熱エネルギーを力学的エネルギーに変換する形状記憶合金を含んでもよい。また、形状記憶合金は、通電したときの電気エネルギーによって発熱し、その熱エネルギーをもとに力学的エネルギーとしての形状回復力を発生させてもよい。また、形状記憶合金は二方向性の形状記憶効果をもつものであってもよい。
この態様によると、把持部に針などの対象物を把持させることによって、患部まで対象物を運ぶことができる。また、駆動部により、把持部を駆動することによって、把持した対象物を患部に作用させることができ、患部に対する治療を適切に実施できる。
把持部は、駆動部に駆動電流が供給されていない場合に把持動作可能な状態を維持し、駆動部に駆動電流が供給された場合に解放状態となってもよい。ここで、把持動作可能な状態とは、対象物を把持している状態や、対象物を把持するための1対の把持面が組み合わされている状態を含む。把持面とは、把持部と対象物とが接する面や点を含む。また、解放状態とは、対象物を把持していない状態を含み、把持面同士が離れている状態を含む。この態様によると、駆動電流により把持動作可能な状態と解放状態とをつくりだすことによって、対象物に対する把持動作および解放動作を簡易にかつ応答性よく制御できる。
把持部は、駆動部に駆動電流が供給されていない場合に把持動作可能な状態を維持する付勢手段を含んでもよい。駆動部は、駆動電流が供給されると、付勢手段に抗する力を発生して、把持部を解放状態とする形状記憶合金を含んでもよい。ここで、付勢手段とは、伸縮自在な材料を含み、たとえば、バネやゴムなどの弾性体を含む。この態様によると、駆動電流により把持動作可能な状態と解放状態とをつくりだすことによって、患部に対する縫合処理を適切に実施できる。
把持部は、対象物を2点以上で把持する把持面を有してもよい。この対象によると、把持面と対象物との間の摩擦力により対象物を固定できるため、患部に対する縫合処理を確実に実施できる。
当該生体官内手術器具は、生体官内に挿入された患部までの経路となるシース内に挿入されてもよい。ここで、シースとは、人体親和性の材料で構成された筒状の管を含み、たとえば、カテーテルなどを含む。この態様によると、患部までの経路を適切に確保できる。
把持部は、患部を把持し、もしくは、患部の縫合に用いられる縫合器具を把持してもよい。ここで、縫合器具とは、人体親和性の材料で構成された針や糸などを含む。この態様によると、把持した患部もしくは縫合器具を患部まで運ぶことができ、また、患部に対する縫合処理を適切に実施できる。
チューブは、外部からの操作により発生するトルクを把持部に伝達する材料により構成されていてもよい。この態様によると、把持部に対してトルクを伝達することによって、患部に対する縫合処理を適切に実施できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、針などを把持して駆動する生体管内手術器具を簡易な構成で実現できる。
本発明の実施形態について説明する前に、まず、概要について述べる。本実施形態における生体管内手術器具は、筒状のチューブと、チューブの先端に設けられた把持部と、把持部を駆動する駆動部と、チューブ内を通って駆動部に接続され、駆動部に駆動電流を供給する導線と、を含む。本実施形態にかかる生体管内手術器具は、ASD等における欠損孔の修復や、大動脈瘤の修復や、冠動脈等の血管狭窄治療を行うためのステント等の縫合処置などに好適である。なお、以下においては、説明を簡易にするために、生体管内手術器具の一例として、血管内手術器具について説明するが、本発明はこれには限定されず、生体管内における手術器具として使用できることは言うまでもない。
一般的に、大動脈瘤の修復や、冠動脈等の血管狭窄治療を行うため、ステントと呼ばれる筒状の医療器具を血管内に挿入し、血管内に留置する方法が採られている。この場合、留置したステントが患部からずれないように、バルーン等を用いてステントを膨らます場合がある。しかしながら、バルーン等を膨らませたとしても、留置したステントがずれる可能性がある。したがって、バルーンを用いずに、ステントを血管に縫いつけることが望ましい。
また、前述したように、ASDにおける欠損孔は、患者により、孔の大きさ、形状が異なるため、複雑な縫合処理が必要となる。直視下における縫合においては、左右の一方の手により、または、手にした鉗子等をもちいて、縫合個所を固定し、他方の手に持った針により、縫合作業を実施できる。しかしながら、開腹術を用いない血管内手術においては、患部を直視できないため、患部を適切に固定しながら縫合することは難しい。したがって、手のごとく、患部を把持し、もしくは、針などの縫合器具を把持して、縫合作業を実施できる血管内手術器具が望まれる。
また、一般的に、患部により、その血管の太さが異なる。したがって、血管内手術においては、血管の太さより細いカテーテルと、そのカテーテルより細い、小型化された血管内手術器具が必要となる。しかしながら、針などの対象物を把持、駆動できる機構を有し、かつ、小型化された血管内手術器具は、存在しなかった。
そこで、本実施形態にかかる血管内手術器具は、駆動部に形状記憶合金を採用し、その形状回復力を駆動力として利用することによって、カテーテル内に収まる程度の大きさを有し、かつ、対象物を把持、駆動できる血管内手術器具を実現することとした。このような態様により、より低侵襲な治療法を確立できることとなる。
図1は、本発明の実施形態にかかる血管内手術器具100の構成例を示す図である。血管内手術器具100は、把持部10と、駆動部20と、チューブ30と、導線40で代表される第1導線40aと第2導線40bと、駆動電流制御装置50とを含む。
図1に示す血管内手術器具100は、把持可能な状態を示す。把持可能な状態とは、対象物を把持している状態だけでなく、対象物を把持せずに、把持部10が閉じている状態を含む。なお、説明の便宜上、以下においては、把持可能な状態を「把持状態」と表記する。また、血管内手術器具100は、患部までの経路となる血管内に挿入されたシース内に挿入されて使用されるが、ここでは説明を省略する。
駆動電流制御装置50は、導線40を介して、駆動部20に駆動電流を供給する。また、駆動電流制御装置50は、血管内手術器具100を使用する医師等による操作を受け付け、駆動電流の発生や停止、あるいは、駆動部20に与える駆動電流の量を調節する。
導線40は、第1導線40aと第2導線40bとから構成される。それぞれの導線40は、導電性の性質を有し、駆動電流制御装置50から供給された駆動電流を駆動部20に伝える。導線40の一端は、破線で図示するように、チューブ30の内部において、駆動部20と接続される。また、他端は、駆動電流制御装置50と接続される。導線40は、絶縁性の物質により、軸の周囲を保護されていてもよい。
チューブ30は、筒状の形状を有し、内部に、把持部10と駆動部20と導線40を収める。また、チューブ30は、外部からの操作により発生するトルクを把持部10に伝達する材料により構成されている。外部からの操作とは、チューブ30をカテーテルやシースの中に押し込む操作や引き抜く操作、あるいは、チューブ30の軸を中心として回す動作を含む。回す動作をした場合、チューブ30の先端に設けられた把持部10は、回した量に応じて、回転する。
駆動部20は、把持部10を駆動する。また、駆動部20は、形状記憶合金22により構成され、チューブ30内において、破線で示すごとく、導線40と接続される。本実施形態における形状記憶合金は、Ti−Ni系の素材などを用いて構成され、その形状は線状となる。また、形状記憶合金22は、供給された駆動電流にかかる電気エネルギーによって発熱し、その熱エネルギーをもとに力学的エネルギーとしての形状回復力を発生する。具体的には、形状記憶合金22は、駆動電流が与えられていない状態においては、ゆるんだ状態となり、駆動電流が与えられた際に、縮む性質を有する。図1においては、駆動部20に対して、駆動電流が供給されていない状態を示す。したがって、形状記憶合金は、ゆるんだ状態となり、把持部10を駆動しないため、把持部10は把持状態となる。
また、駆動部20は、形状記憶合金22による形状回復力により駆動力を発生するため、小型かつ軽量に構成でき、その動作の静音性が高い。また、形状記憶合金22は煮沸消毒にも耐えられるので、血管内手術器具100のような医療機器に好適となる。さらに、対象物を把持する力を適度な力に抑えられるので、慎重な操作が求められる患部の把持にも好適である。
把持部10は、2つのアーム12と、懸架部14とを含み、患部もしくは患部の縫合に用いられる縫合器具などを把持する。また、2つのアーム12は、図示するごとく、ペンチ状の形状を有し、2つのアーム12で挟むことによって、対象物を把持する。本実施形態における把持部10のアーム12は、その材料のバネ性により、通常時に閉状態となる常時閉型(Normal Close)としている。ここで、通常時とは、駆動部20に対して供給する駆動電流を停止し、形状記憶合金22をゆるめることによって、把持部10の懸架部14を駆動しない状態を含む。
アーム12を構成する面のうちの対象物を把持する面(以下、「把持面」と表記する。)は、2点以上の突起物を有し、把持した対象物が固定されるような形状を有する。図示する都合上、2つのアーム12の面において、互いの突起物の頂点が接するように、それぞれのアーム12の面を図示したが、これにかぎらず、たとえば、互いの突起物同士が噛み合うように、突起物が設けられていてもよい。この場合、互いに噛み合うように突起物を設けることによって、突起物に挟まれた対象物を固定する力を強めることができる。そのため、より確実に、縫合作業を実施することができることとなる。なお、把持部10のうち、図示しない他端は、チューブ30の先端、あるいは、内部において固定される。
ここで、把持部10のアーム12における把持面について詳細に説明する。図2(a)〜(d)は、図1の把持部10のアーム12の把持面の構造例を示す図である。図2(a)〜(b)は、第1の構造例を示し、図2(c)〜(d)は、第2の構造例を示す。
図2(a)は、アーム12の第1の把持面を示す上面図である。図2(b)は、図2(a)の側面図である。図示するごとく、第1の把持面は、アーム12の長手方向と直角の方向に、三角柱状の突起物を有する。図2(c)は、アーム12の第2の把持面を示す上面図である。図2(d)は、図2(c)の側面図である。図示するごとく、第2の把持面は、マトリックス状に、複数の四角錐状の突起物を有する。このような態様をとることによって、対象物の向きにかかわらず、対象物を自在に把持することができる。
なお、図2(a)〜(b)において、長手方向と直角の方向に三角柱状の角を有するとして説明したが、長手方向に三角柱状の突起物を有してもよい。また、図2(c)〜(d)において図示した四角錐状の突起物は、図示した個数に限定されない。また、2つのアーム12は、それぞれ異なる態様の突起物を有してもよい。
ここで、駆動電流制御装置50により、駆動電流を駆動部20に与えた場合の血管内手術器具100の態様について説明する。図3は、図1の血管内手術器具100の解放状態の例を示す図である。ここで、解放状態とは、把持部10におけるアーム12が互いに開いた状態の態様を含む。
図示するごとく、駆動部20を構成する形状記憶合金22は、駆動電流制御装置50により与えられた駆動電流により縮み、懸架部14を引っ張る。ここで、形状記憶合金22に引っ張られる懸架部14は、バネ性を有する。この場合、懸架部14が力点となってアーム12に作用し、2つのアーム12が開いた状態となる。以上により、把持部10は、把持状態から解放状態に移行する。
図3のごとく、把持部10が解放状態に至るには、駆動電流制御装置50から与えられる電流の量が所定値を超えることが必要となる。ここで、駆動部20に用いられている形状記憶合金22は、70℃前後で縮む性質を有する。そのため、形状記憶合金22の温度が70℃になるように、駆動電流制御装置50から駆動部20に供給される駆動電流の量が制御されることとなる。このように制御されることによって、把持部10を解放状態に移行できる。
なお、70℃度という温度は、タンパク質が固まり始める温度であるため、形状記憶合金22の形状回復力を長時間継続して把持部10に作用させることは、人体にとって好ましくない。したがって、把持部10においては、常時閉型の構造とし、通常時に形状記憶合金22の温度を上昇させない構成とした。
次に、本発明の血管内手術器具100を用いた血管内縫合術について、図4(a)〜(c)を用いて説明する。図4(a)〜(c)は、図1の血管内手術器具100を用いて、血管400内に存在する欠損孔410を縫合する場合について示す。以下においては、人体の2個所からシース500で代表される第1シース500aと第2シース500bをそれぞれ挿入する。さらに、それぞれのシース500に挿入された血管内手術器具100で代表される第1シース500aと第2シース500bを用いて、縫合術を実施する。なお、シース500と血管内手術器具100と縫合針600と縫合糸610は透過性が低いため、血管内超音波や造影剤等を用いることにより、レントゲンにてそれらの位置を確認することができる。
縫合術においては、まず、シース500を用意し、右足の大腿静脈等から患部まで挿入する。シースが挿入される個所は、大腿静脈に限定されず、患部までの距離や、患部に至る経路が直線に近くなるように、シース500を挿入すべき血管が選択されてもよい。
図4(a)は、図1の血管内手術器具100を用いた血管内縫合術の第1の過程を示す図である。図示するごとく、第1血管内手術器具100aは、第1シース500a内に挿入されて、患部である欠損孔410を治療できる位置まで誘導される。同様に、第2血管内手術器具100bは、第2シース500b内に挿入されて、欠損孔410を治療できる位置まで誘導される。縫合針600と縫合針600に結ばれた縫合糸610は、第1血管内手術器具100aに把持されながら、第1血管内手術器具100aと共に第1シース500a内に挿入され、患部まで誘導される。
ここで、第2血管内手術器具100bのチューブ30を操作し、第2血管内手術器具100bの先端を欠損孔410に近づける。つぎに、第2血管内手術器具100bの駆動電流制御装置50を操作し、第2血管内手術器具100bを解放状態にする。さらに、第1血管内手術器具100aにおける縫合処理を容易とするために、第2血管内手術器具100bの駆動電流制御装置50を操作して、第2血管内手術器具100bの把持部10により、欠損孔410の近傍を把持して、固定する。この状態において、第1血管内手術器具100aのチューブ30を操作し、縫合針600を血管400の血管壁に穿通する。なお、以下においては、説明を簡易にするために、チューブ30、もしくは、駆動電流制御装置50の操作についての説明を省略する。
図4(b)は、図1の血管内手術器具100を用いた血管内縫合術の第2の過程を示す図である。血管内縫合術の第2の過程においては、図4(a)に示す状態となった後に、欠損孔410の近傍を固定していた第2血管内手術器具100bを把持状態から解放状態に移行させる。ここで、第2血管内手術器具100bは、第1血管内手術器具100aにおける縫合処理を容易とするために、図示するごとく、把持していた欠損孔410の反対側を把持する。この状態において、第1血管内手術器具100aは、図示するごとく、欠損孔410を覆うように、血管壁に縫合針600を穿通させる。
図4(c)は、図1の血管内手術器具100を用いた血管内縫合術の第3の過程を示す図である。血管内縫合術の第3の過程においては、図4(b)に示す状態となった後に、欠損孔410の近傍を固定していた第2血管内手術器具100bを把持状態から解放状態に移行させる。ここで、第2血管内手術器具100bは、縫合針600の先端付近を把持する。さらに、第2血管内手術器具100bは、第1血管内手術器具100aに、把持している縫合針600を受け渡す。第1血管内手術器具100aは、図4(b)において把持していた縫合針600を一旦離し、第2血管内手術器具100bから縫合針600を受け取る。
なお、欠損孔410を縫合するために二針以上掛ける必要がある場合は、上述した操作を繰り返せばよい。本実施形態の血管内手術器具100は、針などを把持して駆動する血管内手術器具を簡易な構成で実現できる。そのため、上述した縫合術により、血管内において、欠損孔410を簡易に縫合することができる。また、血管内手術器具100は、たとえば、ASDの欠損孔やステントの縫合処理などの血管内手術に適している。このような血管内手術を施術された患者は、細菌への感染リスクが低く、また、手術後、数日程度で退院できる。そのため、本実施形態の血管内手術器具100は、低侵襲な治療法の確立を促進できることとなる。なお、血管内手術器具100をさらに小型化することによって、細い血管内、たとえば、脳内の血管内における低侵襲な縫合処理も可能となる。
つぎに、変形例について示す。なお、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いて、説明を簡略化する。図5は、本発明の実施形態の第1の変形例にかかる第3血管内手術器具100cの構成例を示す図である。第3血管内手術器具100cは、把持部10と、駆動部20と、チューブ30と、導線40と、駆動電流制御装置50とを含む。
把持部10は、第1把持部10aと第2把持部10bとを含む。第1把持部10aと第2把持部10bは、それぞれ把持面を有し、互いの把持面が近づくことによって、対象物を把持する。チューブ30は、図示しない付勢手段を内部に有する。付勢手段は、把持部10が常時閉型の性質を有するように、第2把持部10bを付勢する。駆動部20は、駆動電流制御装置50から供給される駆動電流によって伸縮する形状記憶合金22を含む。
駆動部20に駆動電流が供給されていない場合、線状の形状記憶合金22がゆるみ、付勢手段により付勢されて、把持部10が把持状態となる。駆動電流が供給された場合、形状記憶合金22が縮み、把持部10は、解放状態となる。なお、形状記憶合金22が縮む力は、付勢手段による付勢力よりも大きいものとする。
図6は、図5の第3血管内手術器具100cを模式的に示す図である。また、図6は、把持部10が把持状態である場合を示す。なお、図6においては、説明の便宜上、第2把持部10b、および、チューブ30の図示を省略した。駆動電流制御装置50は、電源52と、スイッチ54を含む。スイッチ54は、外部からの操作により、ON状態とOFF状態とが制御される。スイッチ54がOFF状態の場合、形状記憶合金22には、駆動電流が供給されないため、形状記憶合金22は、図示するごとく、ゆるんだ状態となる。この場合、第2把持部10bは、付勢手段60により、図中左側に付勢される。
一方、スイッチ54がON状態の場合、電源52は、導線40を介して、形状記憶合金22に駆動電流を供給する。駆動電流は、直流に限定されず、交流であってもよい。この場合、形状記憶合金22は、温度上昇と共に縮み、付勢手段60により発生する力よりも大きな力をもって、付勢手段60を図中右側に引き込み、把持部10を解放状態に移行させる。
図7は、図5の第3血管内手術器具100cにおける解放状態を示す図である。図示するごとく、第2把持部10bは、駆動部20により付勢され、第1把持部10aと離れることとなる。これにより、把持部10は、解放状態となる。
図8(a)は、図7の第3血管内手術器具100cを模式的に示す第1の断面図である。図8(a)においては、説明の便宜上、第1把持部10aと第2把持部10bと形状記憶合金22のみを図示した。第2把持部10bは、図示するごとく、破線で示す縫合針600を収納するための空間を有するように構成される。
縫合針600は、把持部10が把持状態に移行する際に、第1把持部10aと第2把持部10bとに挟まれることにより固定される。なお、縫合針600は、図示しない糸が結びつけられていてもよい。図8(b)は、図7の第3血管内手術器具100cを模式的に示す第2の断面図である。図8(a)においては、説明の便宜上、第2把持部10bと縫合針600のみを図示した。縫合針600は、把持部10が把持状態となることによって、図示するごとく把持される。
つぎに、第2の変形例について説明する。図9は、本発明の実施形態の第2の変形例にかかる第4血管内手術器具100dの構成例を示す図である。第4血管内手術器具100dは、把持部10と、駆動部20と、チューブ30と、導線40と、駆動電流制御装置50とを含む。
第2把持部10bは、筒状の形状を有し、チューブ30の一端の一部分に接続される。また、第2把持部10bは、チューブ30と接続された部分を支点として、図中下方に向けて可動する。第1把持部10aは、固定手段70に接続される。固定手段70は、第2把持部10bの内部をとおり、チューブ30の一端に設けられる。なお、固定手段70は、第2把持部10bと接続されていないものとする。
付勢手段60は、一端が第2把持部10bに接続され、他端がチューブ30に接続される。また、付勢手段60は、形状記憶合金22に駆動電流が供給されていない場合、図示するように、第1把持部10aと第2把持部10bとが把持状態となるように、第2把持部10bに付勢力を供給する。形状記憶合金22に駆動電流が供給されている場合、形状記憶合金22は縮み、把持部10は解放状態となる。
図10は、図9の第4血管内手術器具100dにおける解放状態を示す図である。図示するごとく、第2把持部10bは、形状記憶合金22が縮むことにより、第1把持部10aから離れる方向に傾く。この場合であっても、第1把持部10aは、固定手段70によて固定されるため、動くことはない。図示するような解放状態において、第1把持部10aと第2把持部10bの間に対象物を挟み、その後、駆動部20に駆動電流を与えることによって、把持部10を把持状態に移行させる。把持状態において、第1把持部10aと第2把持部10bの間に把持される対象物は、第2把持部10bの縁により、少なくとも4点により固定される。
図9に示す第4血管内手術器具100dは、図5に示す第3血管内手術器具100cよりも、よりさまざまな角度で対象物を把持できる。一方、第3血管内手術器具100cは、把持できる対象物が限られるものの、対象物を把持する力は、第4血管内手術器具100dよりも大きい。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。そうした変形例を以下挙げる。
実施形態において、把持部10の把持面の態様について説明したが、変形例に示した把持部10においても、同様の把持面を有していてもよい。また、実施形態、または、各変形例において、さまざまな把持部10を例示したが、本発明はこれらに限定されず、形状記憶合金により把持する構造を有すればよい。このような態様であっても、上述と同様の効果が得られることは言うまでもない。また、実施形態、または、各変形例において、血管内における縫合術について説明したが、消化管内や臓器内などの生体管内における縫合術にも適用できることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施形態にかかる血管内手術器具の構成例を示す図である。 図2(a)〜(d)は、図1の把持部のアームの把持面の構造例を示す図である。 図1の血管内手術器具の解放状態の例を示す図である。 図4(a)〜(c)は、図1の血管内手術器具を用いて、血管内に存在する欠損孔を縫合する場合について示す。 本発明の実施形態の第1の変形例にかかる第3血管内手術器具の構成例を示す図である。 図5の第3血管内手術器具を模式的に示す図である。 図5の第3血管内手術器具における解放状態を示す図である。 図8(a)(b)は、図7の第3血管内手術器具を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態の第2の変形例にかかる第4血管内手術器具の構成例を示す図である。 図9の第4血管内手術器具における解放状態を示す図である。
符号の説明
10 把持部、 10a 第1把持部、 10b 第2把持部、 12 アーム、 14 懸架部、 20 駆動部、 22 形状記憶合金、 30 チューブ、 40 導線、 40a 第1導線、 40b 第2導線、 50 駆動電流制御装置、 52 電源、 54 スイッチ、 60 付勢手段、 70 固定手段、 100 血管内手術器具、 100a 第1血管内手術器具、 100b 第2血管内手術器具、 100c 第3血管内手術器具、 100d 第4血管内手術器具、 400 血管、 410 欠損孔、 500 シース、 500a 第1シース、 500b 第2シース、 600 縫合針、 610 縫合糸。

Claims (7)

  1. 筒状のチューブと、
    前記チューブの先端に設けられた把持部と、
    前記把持部を駆動する駆動部と、
    前記チューブ内を通って前記駆動部に接続され、前記駆動部に駆動電流を供給する導線と、
    を備えることを特徴とする生体管内手術器具。
  2. 前記把持部は、前記駆動部に駆動電流が供給されていない場合に把持動作可能な状態を維持し、前記駆動部に駆動電流が供給された場合に解放状態となることを特徴とする請求項1に記載の生体管内手術器具。
  3. 前記把持部は、前記駆動部に駆動電流が供給されていない場合に把持動作可能な状態を維持する付勢手段を含み、
    前記駆動部は、駆動電流が供給されると、前記付勢手段に抗する力を発生して、前記把持部を解放状態とする形状記憶合金を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の生体管内手術器具。
  4. 前記把持部は、対象物を2点以上で把持する把持面を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の生体管内手術器具。
  5. 当該生体管内手術器具は、生体管内に挿入された患部までの経路となるシース内に挿入されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の生体管内手術器具。
  6. 前記把持部は、患部を把持し、もしくは、患部の縫合に用いられる縫合器具を把持することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の生体管内手術器具。
  7. 前記チューブは、外部からの操作により発生するトルクを前記把持部に伝達する材料により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の生体管内手術器具。
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