JP2008109786A - バスダクト分岐装置及び分岐構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】係止部等の突出部の分岐用端子を挿入すべき開口からの誤挿入を防止して、正規の状態での取り付けを確実にし、短絡を防止できるバスダクト分岐装置を提供する。
【解決手段】バスダクト10の開口362から挿通され、導電性接続部材31と導通される分岐用端子45が箱体41の外方へ突出して設けられるバスダクト分岐装置であって、箱体41の外方へ突出して設けられる導電性の係止部42を有し、規制部43の延在部432や板部433がバスダクト10の絶縁セパレータ32に当接して、係止部42の開口362からの挿入を導電性接続部材31に非接触な位置までに規制する。
【選択図】図7

Description

本発明はバスダクトを分岐するバスダクト分岐装置及びバスダクト分岐構造に関する。
従来、バスダクトの分岐装置として、箱体の取付面から分岐用端子と係止部材とを突出して設け、バスダクトの係止孔に前記係止部を挿入し、前記係止孔に挿入した係止部を中心に箱体を回動することにより、前記分岐用端子を開口から挿入してバスダクトの通電部と導通させると共に前記箱体をバスダクトに取り付けるものが知られている(特許文献1、2参照)。そして、特許文献2のバスダクト分岐装置では、係止部を箱体から外方へ突出する位置に係止部を設け、取り付け作業時に係止部を目視できるようにしている。
実公昭60−39994号公報 特開2002−135951公報
ところで、上記バスダクト分岐装置では、係止部が係止孔ではなく、分岐用端子を挿入すべき開口から誤って挿入されてしまい、誤った状態での取り付けや、係止部とバスダクト通電部との導通による短絡が生じ得る。特許文献2のバスダクト分岐装置では、取り付け作業時に係止部を目視可能にして、取付作業の確実性や安全性がある程度高められてはいるものの、前記係止部の誤挿入を完全に防止することはできない。特に、取付作業を行う作業空間が狭い場合には係止部が目視しにくくなるため、前記誤挿入が生ずる可能性が高くなる。そのため、係止部の誤挿入による誤った状態での取り付けや短絡を防止できる構成が求められている。また、上記係止部以外の突出部が設けられる場合でも、その突出部が分岐用端子を挿入すべき開口からバスダクト内へ誤って挿入され、同様の問題を生ずる。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、係止部等の突出部の分岐用端子を挿入すべき開口からの誤挿入を防止し、正規の状態での取り付けを確実にすることができるバスダクト分岐装置及びバスダクト分岐構造を提供することを目的とする。また、他の目的は、導電性の係止部等の突出部の分岐用端子を挿入すべき開口からの誤挿入を防止し、短絡を防いで安全性を高めることができるバスダクト分岐装置及びバスダクト分岐構造を提供することにある。
本発明のバスダクト分岐装置は、バスダクトの開口から挿通され、バスダクトの通電部と導通される分岐用端子が箱体の外方へ突出して設けられるバスダクト分岐装置であって、箱体の外方へ突出して設けられる突出部を有し、突出部の開口からの挿入を規制する規制部を設けることを特徴とする。尚、突出部には、例えば導電性の突出部に絶縁被覆を施したものや絶縁素材で形成された突出部など絶縁性の突出部と、導電性の突出部の双方が含まれる。
また、本発明のバスダクト分岐装置は、突出部が導電性であり、規制部が突出部の開口からの挿入をバスダクトの通電部に非接触な位置までに規制することを特徴とする。バスダクトの通電部には、例えば露出している導体若しくは導体端部、若しくは導体に取り付けられた接続片、若しくは接続部に於ける導電性接続部材、若しくは接続導体、若しくはこれらの組み合わせ等、バスダクトで通電している適宜の箇所が含まれる。また、規制部が導電性である場合には、規制部の開口からの挿入もバスダクトの通電部に非接触な位置までに規制するとよい。
また、本発明のバスダクト分岐装置は、突出部として、バスダクトの係止孔に挿通されて箱体の回動中心を構成する係止部、若しくは箱体をバスダクトへ固定する固定部、若しくは係止部と固定部の双方を有することを特徴とする。また、バスダクト分岐装置のバスダクトへの取付面側から突出する分岐用端子以外の係止部等の全ての突出部の挿入を規制する構成とすると好ましく、更に、バスダクト分岐装置の分岐用端子以外の全ての突出部の挿入を規制する構成とすることも可能である。
また、本発明のバスダクト分岐装置は、規制部を、バスダクトの絶縁セパレータ間へ所定方向若しくは全方向で挿入が不能な挿入規制部で規制する構成とすることを特徴とする。前記挿入規制部には、例えば実施形態の延在部、板部、側部、若しくはこれらの適宜の組み合わせ等が含まれる。
また、本発明のバスダクト分岐装置は、規制部を、突出部の先端よりも外方まで突出し、前記バスダクトの通電部と当接可能な絶縁性の当接部で規制する構成とすることを特徴とする。前記当接部には、例えば実施形態の延在部、板部、若しくはこれらの組み合わせ等が含まれる。
また、本発明のバスダクト分岐構造は、分岐用端子が挿入される開口と、開口から挿入される分岐用端子と導通される通電部とを備えるバスダクトと、箱体の外方へ突出して設けられる分岐用端子及び突出部と、突出部のバスダクトの開口からの挿入を規制する規制部とを備える分岐装置と、で構成されることを特徴とし、好適には、分岐装置の規制部が、導電性の突出部のバスダクト開口からの挿入をバスダクトの通電部に非接触な位置までに規制する構成とするとよい。
尚、本明細書に開示の発明には、各発明の部分的な構成を他の構成に変更したもの、或いは各発明の構成に他の構成を付加したもの、或いは各発明の部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化したものも含まれる。例えば、本発明のバスダクト分岐構造には、本発明のバスダクト分岐装置の構成を適宜採用することが可能である。
本発明のバスダクト分岐装置或いはバスダクト分岐構造は、分岐装置の突出部のバスダクト開口からの挿入を規制する規制部を設けることにより、係止部、固定部等の突出部の分岐用端子を挿入すべき開口からの誤挿入や設置を防止でき、正規の状態での取り付けを確実にすることができる。
また、規制部が導電性の突出部のバスダクト開口からの挿入を通電部に非接触な位置までに規制することにより、係止部、固定部等の突出部の分岐用端子を挿入すべき開口へ誤挿入で生ずる短絡を防止でき、安全性を高めることができる。
また、バスダクトの絶縁セパレータ間へ所定方向若しくは全方向で挿入が不能な挿入規制部で規制することにより、簡単且つ安価に挿入を規制することができると共に、硬い部材が絶縁セパレータ間に入り込んで絶縁セパレータや導電性接続部材等を損傷することを防止でき、更には、絶縁セパレータに挿入規制部が当接した早い時点で誤挿入を認識し、スピーディに取付位置を修正することができる。
また、突出部の先端よりも外方まで突出し、バスダクトの通電部と当接可能な絶縁性の当接部で規制することにより、簡単且つ安価に挿入を規制することができると共に、より完全な短絡防止を図ることも可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[第1実施形態]
第1実施形態のバスダクト分岐装置40は、図1に示すバスダクト10に取り付けられる。バスダクト10(バスダクト幹線路)は、バスダクトユニット20・20を接続ユニット30で連結して電気的に接続することにより構成される。
バスダクトユニット20には、板状の導体に絶縁被覆が施された絶縁被覆導体21の三相が積層して設けられている。これらの絶縁被覆導体21の幅方向両側には一対の断面視ロ字形のスペーサ22・22が配設され、絶縁被覆導体21の厚さ方向両側には絶縁被覆導体21及びスペーサ22を挟持するようにして一対の側板23・23が配設され、前記一対の側板23・23を、貫通するボルト241やナット242等の締着具を緊締して固定することにより、ハウジングが構成される。側板23は、バスダクトユニット20の強度向上を図るため断面視略コ字形に形成され、外側の絶縁被覆導体21と接触し、前記締着具が取り付けられる基板231と、基板231の幅方向両端縁から外方へ屈曲して延設される第1補強部232と、第1補強部232の端縁から互いに近づくように向き合って屈曲延設される第2補強部233とを有する。また、絶縁被覆導体21の先端は絶縁被覆のない露出した導体端部211となっていると共に、外側の絶縁被覆導体21は先端近傍で外方へ屈曲されており、各導体端部211は所定距離離間して配置されている。更に、絶縁被覆導体21の前記屈曲箇所の両外方には、平面視略L字形の接続側板234が基板231から延設して或いは基板231に別体で取り付けて設けられている。
接続ユニット30は、板状の導体端部211の幅よりも幅広の板状に形成され、導体端部211を挿入可能な所定間隔を開けて互いに配置される導電性接続部材31と、導電性接続部材31よりも幅及び長さが大きい板状に形成され、導電性接続部材31の外側に配置される板状の絶縁セパレータ32とを有する。導電性接続部材31・31間の前記所定間隔の空間には、バスダクトユニット20・20の導体端部211・211が突き合うように挿入され、導電性接続部材31は、前記導電性接続部材31・31間の導体端部211の外側に沿うように配置され、同相の導体端部211・211を電気的に接続し、絶縁セパレータ32は異相の導体端部211・211相互間を絶縁する。
図1及び図6に示すように、接続ユニット30の両側方の最外側には、中央が内側へ凹む平面視略Ω字形に形成された接続継板33が設けられ、接続継板33の前記凹み部分には断面視略コ字形の押さえ部材34が設けられる。導電性接続部材31、絶縁セパレータ32、接続継板33、押さえ部材34の中央には貫通孔が形成されており、両側の押さえ部材34・34の外側に座金351・351を配置し、前記貫通孔にボルト352を挿通してナット353を締め、座金351、ボルト352、ナット353等の締着具で締着して接続ユニット30が構成される。
バスダクトユニット20・20の接続ユニット30による接続では、前記導電性接続部材31・31間に導体端部211・211を挿入し、ボルト352及びナット353を緊締して一括締着し、導体端部211・211を電気的に接続し、接続継板33と接続側板234とをビス止め等で固定する。更に、上下の対応開放面に正面視略コ字形の接続板36・36を配置して、ビス止め等で側板23に固定してバスダクトユニット20・20が連結及び電気的に接続される。前記上下に配置される接続板36・36の内、少なくとも分岐装置20が取り付けられる側の接続板36には、後述する分岐装置40の係止部42或いは係止片422が挿入され、係止する係止孔361と、分岐用端子45が挿入される開口362が設けられる。
分岐装置40は、図2及び図4に示すように、上面の前後端以外が開放している基体411に前記開放領域を覆う蓋412をビス止め等で取り付けた箱体41と、箱体41の底面より下方へ突出し且つ箱体41の前面より前方へ突出し、箱体41の底面の前端近傍にリベット等の固定具で取り付けられる正面視略コ字形の係止部42と、箱体41の底面より下方へ突出し且つ箱体41の前面より前方へ突出するようにして箱体41の前面に於ける係止部42の外側位置に配置され、箱体41の前面にリベット等の固定具で取り付けられる正面視略コ字形の規制部43と、箱体41の底面より下方へ突出し、箱体41の底面の後端近傍にリベット等の固定具で取り付けられる固定部44と、箱体41の底面の中央より前側の位置で箱体41の底面から下方へ突出して設けられる分岐用端子45と、箱体41の上面の前端位置に取り付けられる取っ手46とを備える。尚、図には省略するが、箱体41内には、分岐用端子45と接続される導線やブレーカーが設けられ、これらを介して箱体41の外に電源を分岐するようになっている。
係止部42は、箱体41の底面に固定される略平板状の基部421と、基部421の両側端縁を略直角に屈曲して下方へ延設される係止片422を有し、係止片422には、その前方辺に後述するバスダクト10の係止孔に引っ掛かる係止用フック423、その後方辺に箱体41の底面に対して略垂直方向へ延びる支持辺424、基部41の後方辺と支持辺424との間に形成される略円弧状の案内辺425とが設けられている。係止片422の外側には、バネ性のアース用導電部材426が取り付けられており、導電部材426は接続板36の係止孔361の周縁に付勢しながら当接して、係止部422と接続板36を通電可能とする。係止部42は、鋼製等の導電性の素材で形成されている。
規制部43は、図2及び図3に示すように、箱体41の前面に固定される基部431と、基部431の両外側から下方へ延設される延在部432を有し、基部431と延在部432は一連で略平板状である。延在部432は、接続ユニット30の絶縁セパレータ32・32間の距離よりも幅広に形成されている。延在部432の下端には前方へ屈曲して形成される板部433が設けられ、板部433は、上下方向或いは係止部42等の突出部の取付方向に対して略直交するように形成される略平板状である。板部433は、その幅がバスダクト10の絶縁セパレータ32・32相互間の距離よりも幅広に形成されていると共に、その長さが絶縁セパレータ32・32相互間の距離よりも長く形成されている略方形である。本実施形態の規制部43は、コスト面及び強度等の有利性から鋼製等の導電性の素材で形成されているが、短絡防止をより完全にすべく樹脂製等の絶縁性の素材で形成することも可能である。
また、本実施形態の板部433の下面は、係止部42のスムーズな係止動作、分岐装置40の単体での取り扱いの容易性、意匠性向上等の有利性から、上下方向の位置を係止部42の下端、即ち係止片422の下端と略同一の位置としている。尚、板部433の下面の位置は、係止部42等の突出部の開口362からの挿入をバスダクト10の通電部である導電性接続部材31に非接触な位置までに規制できる位置であれば適宜であり、係止部42の下端よりも上若しくは下に位置させることが可能であって、本実施形態では絶縁セパレータ32の上端と導電性接続部材31の上端との距離の差よりも、板部433の下面と係止部42の下端との距離の差が短ければよい(図7参照)。
固定部44は、箱体41の底面に固定される略平板状の基部441と、基部441の両側端縁を略直角に屈曲して下方へ延設される側片442を有し、基部441と側片442は正面視略コ字形になっている。両側片442・442の外側には、内側に突出するフックを有する固定フック部443が沿うようにそれぞれ配置され、ボルト444で側片442に固着されている。固定部44による分岐装置40の固定は、固定フック部443・443をバスダクトユニット20の第2補強部233・233の外側に配置し、ボルト444を締めることにより、固定フック部443の前記フックを第2補強部233の下端に係止して行われる。固定部44は、鋼製等の導電性の素材で形成されている。
分岐用端子45は、絶縁材453で支持されている略平板状で導電性の端子片451を有し、一対の端子片451・451間に端子片451・451を外方へ付勢するバネ材452が介設されている。一対の端子片451・451の先端部は、先端に向かうに従って漸次幅狭となるように内方へ屈曲し、バスダクト10の導電性接続部材31・31間に容易に挿入可能になっており、また、導電性接続部材31・31への挿入後は端子片451・451に対するバネ材452の外方への付勢で、端子片451と導電性接続部材31の接触による導通の確実性が高められている。また、端子片451は、後述の導電性接続部材31・31間の挿入時に接続ユニット30に挿入された導体端部211に接触しない或いは当接する長さに形成されている。本実施形態では、3線のバスダクト10の分岐を行うため、対応する3つの分岐用端子45が設けられている。
上記第1実施形態の分岐装置40をバスダクト10に取り付ける際には、図4及び図5に示すように、分岐装置40とバスダクト10の長手方向を揃え、取付側の接続板36の係止片422と対応する大きさの係止孔361に分岐装置40を傾けながら係止部42の係止片422を挿入し、係止片422の前方へ突出した係止用フック423を係止孔422の縁に引っ掛ける。前記係止片422の挿入時には、図6に示すように、係止片422の外側面或いはアース用の導電部材426と規制部43の延在部432の内側辺との間の空間に、係止孔361より外側の側片363など接続板36の幅方向の側部が介在し、規制部42の延在部432が係止部42の係止孔361への挿通を案内可能になっている。
ここで、図7に示すように、前記係止片422を係止孔361に挿入する時に、係止片422を誤って分岐用端子45を挿入すべき開口362に入れた場合、絶縁セパレータ32・32間の距離よりも幅広に形成されている延在部432や板部433が絶縁セパレータ32の端部に当接して挿入が規制され、それ以上の挿入ができないようになっており、前記挿入規制に応じて係止片422を係止孔361に挿入し直し、正常な挿入を確保することができる。また、例えば分岐装置40の長手方向をバスダクト10の長手方向に対して直交方向にして係止片422を開口362に入れた場合、絶縁セパレータ32・32間の距離よりも前後の長さが長く形成されている板部433が絶縁セパレータ32の端部に当接して挿入が規制され、更に、分岐装置40とバスダクト10の長手方向が揃っている場合と直交する場合以外の方向で分岐装置40を配置し、係止片422を開口362に入れた場合にも、絶縁セパレータ32・32間の距離よりも幅が広く長さが長い略方形である板部433が絶縁セパレータ32の端部に当接して挿入が規制される。即ち、分岐装置40の長手方向をバスダクト10の長手方向に対して360℃の何れの方向に配置して係止片422を開口362に入れた場合でも挿入が規制され、全方向に対して挿入規制が可能である。
その後、係止用フック423を係止孔361に引っ掛けた状態で、傾いた箱体41を係止用フック423と係止孔361の縁を中心にバスダクト10に添わせる位置まで回動し、3つの分岐用端子45をまとめて挿入可能な接続板36の開口362から分岐用端子45をバスダクト10内に挿入し、接続ユニット30の導電性接続部材31・31間で、且つボルト352の上方の空間に端子片451・451を挿入し、端子片451・451をバネ材452で外方へ付勢して導電性接続部材31・31と接触させ導通状態を確保すると共に、固定部44の固定フック部443をバスダクト10の第2補強部233に引っ掛け、ボルト444を締め付けて分岐装置40をバスダクト10に固定し、分岐装置40の取付作業が完了する。
上記第1実施形態のバスダクト分岐装置40は、係止部42の開口362からの挿入を規制する規制部43を有することから、係止部42の分岐用端子45を挿入すべき開口362からの誤挿入や設置を防止することができ、確実に正規の状態での取り付けることができる。また、規制部43が導電性の係止部42の開口362からの挿入を導電性接続部材31や導体端部211に非接触な位置までに規制することにより、短絡を防止して安全性を高めることができる。
[変形例]
本発明は、上記第1実施形態以外にも、例えば以下のような拡張や変形を包含する。
上記第1実施形態に於けるバスダクト10は、導体が絶縁物で被覆された絶縁密着型バスダクトとしたが、本発明に於けるバスダクトの構成は適宜であり、例えば裸導体を所定間隔離間して配置し空気で絶縁する所謂空気絶縁型バスダクトとしてもよい。空気絶縁型バスダクトの場合には、規制部を絶縁性の素材で形成すると好適である。また、バスダクトユニット20のハウジングの形状も適宜である。
また、バスダクト10の分岐箇所は、第1実施形態の接続ユニット30のような接続部に限定されず、例えばバスダクトユニット20の中間箇所で分岐する場合にも本発明は適用可能である。また、分岐用端子45は、バスダクト10の構成に応じて、例えばバスダクト10の導体若しくは導体に取り付けられる接続片等を挟み込むクリップ状のものとしてもよい。
また、バスダクト10の接続部の構成は、第1実施形態の同相の導体端部211・211相互を突き合わせ、導電性接続部材31を沿わせて電気的に接続する、突き合わせ接続に限定されず、例えば同相の導体端部211・211相互を重ね合わせ、ボルトやナット等の締着具で締着する所謂重ね合わせ接続の構成にも本発明は適用可能である。
また、規制部43の構成は、係止部42等の突出部の挿入を規制できるものであれば適宜であり、例えば図8に示すように、箱体41の前面に固定される基部431と、基部431の両外側から下方へ延設される延在部432と、延在部432の下端から前方へ屈曲して形成される板部433に加え、延在部432の外側端縁から前方へ屈曲して形成される板状の側部434を設ける構成としてもよく、又、側部434を板部433の外側端縁から上方へ屈曲形成する構成、或いは側部434を延在部432及び板部433と連続するように形成する構成、或いは側部434の下端から内側へ板部433を屈曲形成する構成等としてもよい。また、上記第1実施形態の板部433は延在部432の下端から後方へ屈曲して延設する構成としてもよく、又、板部433の形状は方形板状に限定されず、例えば半円形の板状等としてもよい。また、規制部43は、分岐装置40の箱体41の前面以外に固定してもよく、例えば底面、側面等に固定してもよい。
また、本発明の規制部が挿入を規制するのは係止部42に限定されず、固定部44等の他の突出部や、係止部42と固定部44など複数種の突出部としてもよい。固定部44の挿入を規制する場合、例えば図9に示す規制部47を設けてもよい。規制部47は、底面視略L字形であり、分岐装置40の箱体41の側面に固定される略平板状の基部471と、基部471の略中央から下端にかけて設けられ、内方へ屈曲延設されている略平板状の屈曲部472とを有し、基部471の幅、屈曲部472の幅をそれぞれ絶縁セパレータ32・32間の距離より広くなっており、固定部44の挿入を規制し、バスダクト10の導電性接続部材31等の通電部への接触を防止可能である。
また、例えば図10に示すように、バスダクト接続部50に於いて、導体端部211よりも幅広の平板状である接続導体51を介在して、バスダクトユニット20・20の導体端部211・211相互を重ね合わせ、取付側の接続板52の開口522から分岐装置40aの分岐用端子45aのクリップ状の端子片451aを挿入し、端子片451a・451aで接続導体51を挟持する構成とすると共に、基部431a、延在部432a、板部433aを有する規制部43aを絶縁性の樹脂で形成し、延在部432aの先端或いは板部433aの下面を係止部42aの先端よりも下方へ突出した位置、即ち係止部42aの下端よりも下側の位置に設けてもよい。前記構成により、係止部42aが分岐用の開口522に挿入された場合、絶縁性の規制部43aが接続導体51に当接し、誤った取付を認識して取付の修正を図ることができると共に、導電性の係止部42aが接続導体51に接触することを阻止し、短絡を防止することができる。尚、521は係止孔、53は絶縁セパレータ、54は接続導体51や導体端部211に貫通されるボルト、55はナット、56は接続継板である。
本発明は、バスダクトの分岐に利用することができる。
(a)は第1実施形態に於けるバスダクトの一部切欠平面図、(b)は同図(a)のバスダクトの側面図、(c)は同図(b)のA−A線矢視断面図。 (a)は第1実施形態の分岐装置の平面図、(b)は同図(a)の分岐装置の正面図、(c)は同図(a)の分岐装置の斜視図、(d)は同図(a)の分岐装置の右側面図、(e)は同図(a)の分岐装置の底面図。 (a)は規制部の平面図、(b)は同図(a)の阻止部の正面図、(c)は同図(a)の阻止部の右側面図。 (a)は係止部を接続板の係止孔へ挿入する状態を示す一部拡大平面図。(b)は同図(a)の状態を示す一部拡大正面図。 (a)は分岐装置の係止部を係止孔に挿入した状態を示す側面図、(b)は分岐装置のバスダクトへの取付後の状態を示す側面図。 (a)は分岐装置のバスダクトへの取付前の状態を示す一部断面正面図、(b)は分岐装置のバスダクトへの取付後の状態を示す一部断面正面図。 (a)、(b)は係止部の開口からの挿入の規制部による規制を説明する一部断面正面図。 (a)は第1変形例の規制部及びその近傍の一部拡大平面図、(b)は同図(a)の規制部及びその近傍の一部拡大正面図、(c)は同図(a)の規制部及びその近傍の一部拡大側面図。 (a)は第2変形例の規制部及び近傍の一部拡大側面図、(b)は同図(a)の規制部及びその近傍の一部拡大底面図。 (a)、(b)は係止部の開口からの挿入の第3変形例の規制部による規制を説明する一部断面正面図。
符号の説明
10…バスダクト 20…バスダクトユニット 21…絶縁被覆導体 211…導体端部 22…スペーサ 23…側板 231…基板 232…第1補強部 233…第2補強部 234…接続側板 241…ボルト 242…ナット 30…接続ユニット 31…導電性接続部材 32…絶縁セパレータ 33…接続継板 34…押さえ部材 351…座金 352…ボルト 353…ナット 36…接続板 361…係止孔 362…開口 363…側片 40、40a…分岐装置 41…箱体 411…基体 412…蓋 42、42a…係止部 421…基部 422…係止片 423…係止用フック 424…支持辺 425…案内辺 426…アース用導電部材 43、43a…規制部 431、431a…基部 432、432a…延在部 433、433a…板部 434…側部 44…固定部 441…基部 442…側片 443…固定フック部 444…ボルト 45、45a…分岐用端子 451、451a…端子片 452…バネ材 453…絶縁材 46…取っ手 47…規制部 471…基部 472…屈曲部 50…バスダクト接続部 51…接続導体 52…接続板 521…係止孔 522…開口 53…絶縁セパレータ 54…ボルト 55…ナット 56…接続継板

Claims (6)

  1. バスダクトの開口から挿通され、バスダクトの通電部と導通される分岐用端子が箱体の外方へ突出して設けられるバスダクト分岐装置であって、
    該箱体の外方へ突出して設けられる突出部を有し、
    該突出部の該開口からの挿入を規制する規制部を設けることを特徴とするバスダクト分岐装置。
  2. 前記突出部が導電性であり、前記規制部が該突出部の該開口からの挿入を該通電部に非接触な位置までに規制することを特徴とする請求項1記載のバスダクト分岐装置。
  3. 前記突出部として、バスダクトの係止孔に挿通されて前記箱体の回動中心を構成する係止部、若しくは前記箱体をバスダクトへ固定する固定部、若しくは該係止部と固定部の双方を有することを特徴とする請求項1又は2記載のバスダクト分岐装置。
  4. 前記規制部を、バスダクトの絶縁セパレータ間へ所定方向若しくは全方向で挿入が不能な挿入規制部で規制する構成とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のバスダクト分岐装置。
  5. 前記規制部を、前記突出部の先端よりも外方まで突出し、前記バスダクトの通電部と当接可能な絶縁性の当接部で規制する構成とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のバスダクト分岐装置。
  6. 分岐用端子が挿入される開口と、該開口から挿入される分岐用端子と導通される通電部とを備えるバスダクトと、
    箱体の外方へ突出して設けられる分岐用端子及び突出部と、該突出部の該バスダクトの開口からの挿入を規制する規制部とを備える分岐装置と、で構成されることを特徴とするバスダクト分岐構造。
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