JP2008109327A - マルチリンクバンドル制御を行なうデータ伝送方法、データ伝送装置、およびデータ伝送システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メンバリンクに障害を検出したエンドポイントのマルチリンク制御部は、前記障害を検出したメンバリンクを自エンドポイントが使用するバンドルから速やかに除去するとともに、障害が発生していない他のメンバリンクを経由して、対向するエンドポイントへバンドル構成情報を即時に送信する。
【選択図】 図5
Description
無線基地局とセンター局との間のデータ量あるいはトラヒックは、無線基地局に収容される加入者数の増加とともに増大する。このようなデータ量あるいはトラヒックの増大に応じて、無線基地局とセンター局を接続する物理回線数を増加させる処置が必要となるが、データ量あるいはトラヒックの増減に柔軟に対応し、回線の増減を行なうために、T1およびE1などの物理回線を用いた通信網では、複数の回線を束ねたバンドルを仮想的な単一の回線と扱う、マルチリンク通信方式が広く用いられている。代表的なマルチリンク通信方式としては、非特許文献1に開示されているマルチリンク ポイント ツー ポイント プロトコル(Multilink PPP)がある。
メンバリンク制御部が、物理回線の障害を検出する手段としては、PPPリンク生存確認を利用する方法と、物理レイヤの持つ障害検出手段を利用する方法の2つがある。PPPリンク生存確認は、メンバリンク障害を検出し、バンドルから除去するまでに非常に時間がかかるという問題点がある。Multilink PPPでは通常3秒乃至5秒程度の時間が必要である。さらに、各エンドポイントのマルチリンク制御部は独立に動作するため、バンドルを構成するメンバリンクが両エンドポイントで正確に一致するまでの、フラグメントデータを元のフレームへ結合することは不可能であり、この不整合の期間フレーム破棄が生じる。この点も考慮するとMultilink PPPの例ではパラメータの設定にも依存するが、最大で10秒程度の通信断が発生することとなる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、物理レイヤの種別、あるいは、中継伝送装置の運用方法および設定に依らず、回線に障害が発生した場合でも通信断の生じる時間を極力短くし、通信の品質の低下を極力抑えることができるマルチリンクバンドル制御方法を提供することを目的とする。
バンドル構成情報を受信したエンドポイントは、前記バンドル構成情報に明示された各メンバリンクの優先度に基づいて振り分け部を制御してもよい。あるいは、前記バンドル情報に明示された各メンバリンクの割り当て帯域に基づいて振り分け部の制御を行ってもよい。
まず始めに、本発明の基礎となる現在の技術について図1ないし図3を用いて説明しておく。
図1は、マルチリンク通信方式を用いて無線基地局とセンター局が接続された構成の無線通信システムを示す図である。
図1において、無線基地局100が、T1,E1といった有線回線を介してセンタ局装置200に接続されている。センタ局装置200は、無線基地局100からの回線を収容する回線集約装置を有し、無線基地局100を介して受信した信号がIPパケットの場合には、パケット処理装置220とパケット交換装置230を介してIP網に送出する。また、通常の音声データの場合には、音声処理装置240、回線交換装置250を介して公衆電話網に送出する。
図1のような無線通信システムにおいては、無線基地局に収容される加入者が増加すると、それにともなって無線基地局とセンター局との間のデータ量あるいはトラヒックも増大する。そのようなデータ量あるいはトラヒックの増減に柔軟に対応するために、複数の回線を束ねたバンドルを仮想的な単一の回線と扱う、マルチリンク通信方式が用いられている。代表的なマルチリンク通信方式としては、マルチリンク ポイント ツー ポイント プロトコル(Multilink PPP)がある。Multilink PPPについて、図2を用いて説明する。
図2のエンドポイント1は図1の無線基地局100側の回線インタフェース部分に、エンドポイント2はセンタ局装置200の回線集約装置210の一部分に対応する。メンバリンク制御部301〜303、311〜313は、各物理回線に対応して設けられ、おのおのが独立にPPPパラメータ交渉、PPPリンク確立、および、PPPリンク生存確認を行なう。
1つめの方法は、PPPリンク生存確認であり、各メンバリンク上にて、対向エンドポイントとの間で定期的なヘルスチェックフレームを送受信しあい、定期的に受信されるべきヘルスチェックフレームが一定期間以上受信されない場合にメンバリンク障害と判定するものである。Multilink PPPの例では、各メンバリンク制御部301〜303、311〜313は、定期的にLCP Echo Requestフレームを対向エンドポイントへ送信し、対向エンドポイントからの応答であるLCP Echo Replyを監視する。そのLCP Echo Replyが一定期間以上受信されない場合には、メンバリンクの障害と判定し、PPPリンクを切断し、自エンドポイント内のマルチリンク制御部304、314へ報告する。
図4は、本願発明によるマルチリンク通信方式を用いてデータ伝送を行なう装置間の構成図である。
ここでは、一例として、エンドポイント400とエンドポイント410間を3本の物理回線421/431、422/432、423/422によって接続するマルチリンク通信システムを仮定している。ここで、両エンドポイント400および410間で、各メンバリンクは通信の確立がすでになされており、バンドルは3本のメンバリンクによりすでに構成されている状態とする。エンドポイント400がフレームを送信する際、マルチリンク制御部404はフレームを所定のフラグメント単位に分割してフラグメントデータを生成し、振り分け処理を行なう。その振り分け機能により、フラグメントデータはメンバリンク制御部401、402、403へ順次送信される。その際、マルチリンク制御部414は、フラグメントデータの生成順に従って、各フラグメントデータにシーケンスナンバーを付与する。各メンバリンクへ分配されたフラグメントデータは、任意の個数の伝送装置440を経由し、対向するエンドポイント410により受信される。受信側エンドポイント410においては、各メンバリンク制御部411,412,413にて、それぞれのフラグメントデータの受信処理を行なう。前記受信処理には、フレームヘッダ同期、伝送誤り検出が含まれる。前記の受信側各メンバリンクは、正常に受信できたフラグメントデータを、マルチリンク制御部414へ渡し、マルチリンク制御部414は、各フラグメントデータに付与されたシーケンスナンバーをもとに、フラグメント結合処理を行なう。
実施例1は、メンバリンクに障害が発生した場合のマルチリンクバンドル制御方法についての実施例である。
図4の構成および各要素の動作については、上記で説明しているので省略する。
図5は、例として、エンドポイント410に直接接続されている物理回線431に障害が発生した場合の動作についてのフローチャートである。
メンバリンク制御部411は、物理レイヤの障害検出手段により、物理回線431に障害が発生していることを検出する(ステップ501)。これに伴い、エンドポイント410のマルチリンク制御部414は、物理回線431をバンドルから速やかに除去する(ステップ502)。しかしながら、対向エンドポイントとの間に任意の個数の伝送装置が配備されており、伝送路の途中の物理レイヤ種別が異なるため、もしくは、物理レイヤの警報転送能力がないために、エンドポイント400のメンバリンク制御部401においては、同様の物理レイヤの障害検出手段は利用不可能となっている。エンドポイント410のマルチリンク制御部414は、障害が発生していないメンバリンク431および433の一方または両方を用いて、バンドル構成情報を送信する(ステップ503および504)。
バンドル構成情報には、バンドルを構成すべき全てのメンバリンクの識別子が含まれ、バンドルから除去すべきメンバリンクの識別子は含まれない。
エンドポイント400では、受信したバンドル構成情報にメンバリンク識別子が含まれているメンバリンクのみを用いてバンドルを再構成し、バンドル構成情報にメンバリンク識別子が含まれていないメンバリンクについては、即時にバンドルから除去する(ステップ505)。これにより、エンドポイント410およびエンドポイント400の両エンドポイントにおいて、メンバリンク431およびメンバリンク433の何れか一方または両方により構成されるバンドルを用いて、通信が継続される。なお、バンドル構成情報を受信した場合には、バンドル構成情報がいずれのメンバリンク制御部にて受信されたかによらず、即時にその情報を反映してバンドルを再構成するものとする。バンドル構成情報の送信側では、全く同じ情報を、障害が発生していない単一あるいは複数のメンバリンク経由で送信するため、各メンバリンクを構成する伝送路の遅延差によっては、ある時間差の後に重複して受信することが考えられる。しかしながら、送信側では、全く同じ情報を、各メンバリンクへ重複して送信しているだけであるので、最も早く受信できたバンドル構成情報に基づき、その情報を即時に反映する。
メンバリンクに障害が発生した場合の動作については、実施例1と同様である。実施例2では、メンバリンク確立の際、および、メンバリンク障害が回復した際の、マルチリンクバンドル制御方法について説明する。
バンドル構成情報には、バンドルを構成すべき全てのメンバリンクの識別子が含まれ、バンドルから除去すべきメンバリンクの識別子は含まれない。また、バンドル構成情報には、各メンバリンクの優先度および帯域を含んでもよい。あるいは、別途手段により測定した、各メンバリンクの遅延時間、および、伝送誤り率を加味した実効帯域を含んでもよい。
401、402、403、411、412、413 メンバリンク制御部
404、414 マルチリンク制御部および振り分け部および
421、422、423、431、432、433 マルチリンクバンドルを構成する物理回線
Claims (12)
- 送信側データ伝送装置と受信側データ伝送装置が複数の物理回線で接続され、それら複数の物理回線によるリンクを仮想的なひとつのリンクとみなしてマルチリンク通信方式で通信を行なうデータ伝送システムにおけるデータ伝送装置であって、
前記複数の物理回線それぞれを収容し、該物理回線によるリンクの確立およびリンクの解除の制御を行なう複数のメンバリンク制御部と、
該複数のメンバリンク制御部と接続され、データ送信時には送信データを前記物理回線で送信可能なサイズのフラグメントデータに分割し、該分割したフラグメントデータに番号を付与して前記複数のメンバリンク制御部に振り分けるとともに、前記複数の物理回線を介して受信したフラグメントデータを送信側データ伝送装置で付与された番号に基づいて結合し、番号の整合性確認を行なうマルチリンク制御部とを有し、
前記マルチリンク制御部は、前記複数の物理回線を一意に識別可能な識別子を用いて前記リンクの確立およびリンクの解除の制御を行なうものであり、該識別子を用いて前記複数の物理回線のリンクの確立および解除に関する情報を記憶部に記憶しておき、リンクの確立またはリンクの解除を行なう度に、リンクの確立されている少なくともひとつの物理回線経由で該物理回線のリンクの確立および解除に関する情報を送信することを特徴とするデータ伝送装置。 - 前記物理回線のリンクの確立および解除に関する情報とは、リンクの確立されている物理回線の識別子を含む情報であることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
- リンクの確立時には、前記物理回線のリンクの確立および解除に関する情報を、リンクの確立後予め定めておいた遅延時間経過後に送信することを特徴とする前記請求項1に記載のデータ伝送装置。
- 前記記憶部に、前記リンクの確立されている物理回線の識別子と対応付けてそれぞれの物理回線の属性を記憶しておき、該属性に基づいて前記マルチリンク制御部はフラグメントデータの振り分けを行なうことを特徴とする請求項2に記載のデータ伝送装置。
- 前記物理回線の属性とは、物理回線ごとの優先度、または割り当て帯域の情報、または遅延、または伝送誤り率であることを特徴とする請求項4に記載のデータ伝送装置。
- 送信側と受信側が複数の物理回線で接続され、データ送信時には送信データを前記物理回線で送信可能なサイズのフラグメントデータに分割し、該分割したフラグメントデータに番号を付与して前記複数の物理回線に振り分けるとともに、前記複数の物理回線を介して受信したフラグメントデータを送信側で付与された番号に基づいて結合し、番号の整合性確認を行なうことで、それら複数の物理回線によるリンクを仮想的なひとつのリンクとみなして通信を行なうデータ伝送方法であって、
前記複数の物理回線を一意に識別可能な識別子を用いて前記リンクの確立およびリンクの解除の制御を行ない、該識別子を用いて前記複数の物理回線のリンクの確立および解除に関する情報を記憶しておき、リンクの確立またはリンクの解除を行なう度に、リンクの確立されている少なくともひとつの物理回線経由で該物理回線のリンクの確立および解除に関する情報を送信することを特徴とするデータ伝送方法。 - 前記物理回線のリンクの確立および解除に関する情報とは、リンクの確立されている物理回線の識別子を含む情報であることを特徴とする請求項6に記載のデータ伝送方法。
- リンクの確立時には、前記物理回線のリンクの確立および解除に関する情報を、リンクの確立後予め定めておいた遅延時間経過後に送信することを特徴とする前記請求項6に記載のデータ伝送方法。
- 前記リンクの確立されている物理回線の識別子と対応付けてそれぞれの物理回線の属性を記憶しておき、該属性に基づいて、フラグメントデータの振り分けを行なうことを特徴とする請求項7記載のデータ伝送方法。
- 前記物理回線の属性とは、物理回線ごとの優先度、または割り当て帯域の情報、または遅延、または伝送誤り率であることを特徴とする請求項9に記載のデータ伝送方法。
- 送信側データ伝送装置と受信側データ伝送装置とが複数の物理回線で接続され、それら複数の物理回線によるリンクを仮想的なひとつのリンクとみなしてマルチリンク通信方式で通信を行なうデータ伝送システムであって、
前記送信側および受信側データ伝送装置は、
前記複数の物理回線それぞれを収容し、該物理回線によるリンクの確立およびリンクの解除の制御を行なう複数のメンバリンク制御部と、
該複数のメンバリンク制御部と接続され、データ送信時には送信データを前記物理回線で送信可能なサイズのフラグメントデータに分割し、該分割したフラグメントデータに番号を付与して前記複数のメンバリンク制御部に振り分けるとともに、前記複数の物理回線を介して受信したフラグメントデータを送信側データ伝送装置で付与された番号に基づいて結合し、番号の整合性確認を行なうマルチリンク制御部とを有し、
前記マルチリンク制御部は、前記複数の物理回線を一意に識別可能な識別子を用いて前記リンクの確立およびリンクの解除の制御を行なうものであり、該識別子を用いて前記複数の物理回線のリンクの確立および解除に関する情報を記憶部に記憶しておき、リンクの確立またはリンクの解除を行なう度に、リンクの確立されている少なくともひとつの物理回線経由で該物理回線のリンクの確立および解除に関する情報を送信するデータ伝送装置であることを特徴とするデータ伝送システム。 - 前記物理回線のリンクの確立および解除に関する情報とは、リンクの確立されている物理回線全ての識別子を含む情報であり、リンクの確立またはリンクの解除を行なう度に、リンクの確立されている少なくともひとつの物理回線経由で該リンクの確立されている物理回線の識別子を含む情報を送信し、対向するデータ伝送装置は受信した該リンクの確立されている物理回線に含まれない物理回線についてはリンクを解除するとともに、受信した該リンクの確立されている物理回線を含む情報を記憶部に記憶することにより、送信側データ伝送装置、受信側データ伝送装置の双方で、リンクの確立されている物理回線の情報を一致させることを特徴とする請求項11に記載のデータ伝送システム。
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