JP2008103526A - 磁気結合素子、およびこの磁気結合素子を備えた電子機器 - Google Patents

磁気結合素子、およびこの磁気結合素子を備えた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気結合によって誘起される電流を、双方向通信において安定して取り出すことができる磁気結合素子、およびこの磁気結合素子を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】第1のコイルと前記第2のコイルとの間で、前記磁気結合をそれぞれ1対1で行う複数のループ部分を備え、複数のループ部分は、第1のコイルと第2のコイルとを平面的に重ねたとき、第1のコイルのループ部分220が第2のコイルのループ部分320を内包するループ部分と、第1のコイルのループ部分210が第2のコイルのループ部分310に内包されるループ部分とが同数になるように形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、第1のコイルと第2のコイルとを有し、少なくとも前記第1のコイルまたは前記第2のコイルの一方に給電したとき、他方のコイルに電流を誘起する磁気結合を行う磁気結合素子、およびこの磁気結合素子を備えた電子機器に関する。
従来から、例えば基板間でのデータの授受や、電子機器間でのデータのやり取りを、有線ではなく無線で行うことが行われ、その一つの通信手段として、磁気結合つまり磁束の変化を利用する磁気結合素子を用いる通信手段が知られている。
磁気結合素子としては一般的にコイルが多く用いられ、一方のコイルに給電された電流が作る磁束の変化によって、他方のコイルに電流を誘起し、この誘起された電流によって、所定のデータが送られるように構成される。つまり、磁気結合素子としての2つのコイルを、送信コイルと受信コイルの一組として用いることで、データを送るための通信手段が形成されるのである。このとき、送られるデータに対してノイズとなるノイズ源からの磁束がコイルに入り込むと、コイルに給電された電流が作る磁束の変化に影響を与え、データとなる電流が正しく取り出せない状況が発生してしまう。このため、データの通信を正しく行えないことになる。そこで、このようなノイズ源からの磁束の影響を受けにくくする技術が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1では、送信コイルと受信コイルのそれぞれにおいて、互いに逆巻きされたコイルを組として用いて1つの通信チャネル(手段)を構成することによって、雑音源(ノイズ源)からの磁束の影響を相殺することを可能としている。
特開2006−173415号公報
ところで、このような通信手段によってデータの通信を正しく行うためには、ノイズ源からの磁束の影響を受けにくくすることに加え、送信コイルと受信コイル間の磁気結合が安定して行われることが必要である。つまり、磁気結合が安定して行われると、常にほぼ同じ大きさの電流が受信コイルに誘起されることになる。この結果、データとなる電流は安定して誘起されるので、送られたデータを受信コイルから安定して取り出すことが可能となる。
しかしながら、特許文献1に開示されたように、互いに同形状のコイルを、送信コイルと受信コイルとして用いてデータを通信する場合、送信コイルと受信コイルは通常それぞれ異なる基板に形成されていることから、基板の重なり具合に応じて2つのコイルの配置位置が相対的にずれることになる。このため、このずれの度合いに応じて、送信コイルと受信コイル間の磁気結合の結合度合いが低下してしまう。この結果、受信コイルに誘起された電流が結合度合いの低下に伴って少なくなることから、誘起された電流からデータを安定して取り出すためには、例えば、誘起された電流の大きさに合わせて増幅率が異なる複数の増幅回路を備える必要が生ずる。従って、このように複数の増幅回路を備えると、回路部品や回路スペースが増加してしまうという課題が生ずることになる。
また、同じく特許文献1において、送信コイルと受信コイルとの配置位置を同じにするべく、送信コイルを内側に受信コイルを外側にする構成が開示されている。このように構成した場合は2つのコイルの位置ずれは抑制されるものの、このように構成されたコイルを用いてデータを双方向に通信する場合は、逆に受信コイルが内側で送信コイルが外側になるので、誘起される電流が双方向のそれぞれの受信時で異なることになる。この結果、双方向の通信を行う場合、通信データとなる電流を安定して取り出すために、例えば双方向通信が行われる2つの基板には、それぞれ異なる増幅率を有する増幅回路を備える必要が生ずるなど、送信側と受信側とでそれぞれ異なる処理回路が必要となる。このため、送信側と受信側とを同じ処理回路で構成することができないことから、処理回路の設計など処理回路に関する負荷が多くなってしまうという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、上記課題の少なくとも一つを解決し、磁気結合によって誘起される電流を、双方向通信において安定して取り出すことができる磁気結合素子、およびこの磁気結合素子を備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、第1のコイルと第2のコイルとを有し、少なくとも前記第1のコイルまたは前記第2のコイルの一方に給電したとき、他方のコイルに電流を誘起する磁気結合を行う磁気結合素子であって、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルは、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間で、前記磁気結合をそれぞれ1対1で行う複数のループ部分を備え、前記複数のループ部分は、前記第1のコイルと前記第2のコイルとを平面的に重ねたとき、前記第1のコイルのループ部分が前記第2のコイルのループ部分を内包するループ部分と、前記第1のコイルのループ部分が前記第2のコイルのループ部分に内包されるループ部分とが同数になるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1のコイルと第2のコイルとに備えられたループ部分が、互いに内包関係に形成される。従って、後述するように、第1のコイルと第2のコイルとの相対的な位置ずれが生じても、磁気結合の結合度合いについての変動が小さくなるので、磁気結合によって誘起される電流の大きさの変化度合いは小さくなる。この結果、誘起される電流の大きさは変化が少なく安定する。
そして、第1のコイルのループ部分が第2のコイルのループ部分を内包するループ部分の数と、第1のコイルのループ部分が第2のコイルのループ部分に内包されるループ部分の数とを、同数としている。こうすれば、第1のコイルを送信コイルとして所定の電流を給電したときに第2のコイルに誘起される電流と、第2のコイルを送信コイルとして同じ大きさの所定の電流を給電したときに第1のコイルに誘起される電流とを、おおよそ等しくすることができる。この結果、双方向の通信において、ほぼ同じ大きさの電流が誘起されることから、送信側と受信側とを同じ処理回路で構成することができる。
また、本発明の磁気結合素子は、前記第1のコイルのループ部分を内包する前記第2のコイルのループ部分と、前記第2のコイルのループ部分を内包する前記第1のコイルのループ部分とが、同じ形状に形成され、前記第1のコイルのループ部分に内包される前記第2のコイルのループ部分と、前記第2のコイルのループ部分に内包される前記第1のコイルのループ部分とが、同じ形状に形成されていることを特徴とする。
こうすれば、第1のコイルを送信コイルとして所定の電流を給電したときに第2のコイルに誘起される電流と、第2のコイルを送信コイルとして同じ大きさの所定の電流を給電したときに第1のコイルに誘起される電流とを基本的に等しくすることができる。この結果、双方向の通信において、同じ大きさの給電電流に対して、同じ大きさの電流が誘起されることから、送信側と受信側とを同じ処理回路で構成することができる。
ここで、前記複数のループ部分は、前記給電したとき各ループ部分内に発生する磁束の方向が、隣接するループ部分間で互いに逆向きになるように形成されていることが好ましい。
データを通信する際に送信コイルまたは受信コイルに入り込むノイズ源からの磁束は、通常同じ方向を有する磁束であることから、複数のループ部分のそれぞれのループ部分内には、同一の方向を有するノイズ源からの磁束が入り込むことになる。従って、給電したときに各ループ部分内に発生する磁束の方向が、隣接するループ部分間で互いに逆向きになるように形成すれば、ループ部分にノイズ源から磁束が入り込んだときに誘起される電流は、隣接するループ部分間で逆向きの電流となる。この結果、ノイズ源からの磁束によって隣接するループ部分に発生する誘起電流は互いに打ち消しあうことから、双方向の通信においてそれぞれの受信コイルに誘起される電流がノイズ源から受ける影響を抑制できる。従って、通信データとなる電流を安定して取り出すことが可能となる。
さらに、前記第1のコイルにおいて、前記第2のコイルのループ部分によって内包されるループ部分のコイル巻き数は、前記第2のコイルのループ部分を内包するループ部分のコイル巻き数よりも多い巻き数であることとしてもよい。
第1のコイルまたは第2のコイルにおいて、内包するループ部分のループ内面積に対して、内包されるループ部分のループ内面積は通常小さく形成される場合が多い。このような場合、ノイズ源からの磁束について、内包されるループ部分内に入り込む磁束の数は、内包するループ部分内に入り込む磁束の数よりも少ないことになる。この結果、ノイズ源からの磁束によって、内包されるループ部分に誘起される電流は、内包するループ部分に誘起される電流よりも小さくなる。このため、ノイズ源からの磁束によって内包するループ部分と内包されるループ部分にそれぞれ発生する誘起電流は、互いに打ち消しあうことが十分にできなくなる。従って、それぞれのコイルはノイズ源からの影響を受けてしまうことになる。
そこで、内包されるループ部分のコイル巻き数を、内包するループ部分のコイル巻き数よりも多い巻き数とする。こうすれば、内包されるループ部分におけるコイルの巻き数を多くすることで、内包されるループ部分における起電力を、内包するループ部分と同じになるようにすることができる。この結果、互いに逆向きで同じ大きさの起電力が各ループ部分に生ずることから、ノイズ源からの磁束によって誘起される電流は相殺され、ノイズ源に影響されることなく、受信コイルから通信データとしての電流のみを取り出すことができる。従って、通信データとなる電流を安定して取り出すことが可能となる。
また、前記第1のコイルに備えられた複数のループ部分の形状と、前記第2のコイルに備えられた前記複数のループ部分の形状とは、左右もしくは上下のうち一方が対称であることとしてもよい。
第1のコイルまたは第2のコイルにおいて、内包するループ部分のループ内面積が、内包されるループ部分のループ内面積よりも大きく形成されている場合は、第1のコイルと第2のコイルとがそれぞれ備える複数のループ部分を、互いに左右対称の形状とする。こうすれば、第1のコイルに形成されたループ部分と第2のコイルに形成されたループ部分とを平面的に重ねたとき、第1のコイルの内包するループ部分は、第2のコイルの内包されるループ部分を確実に内包することができる。また、第2のコイルの内包するループ部分は、第1のコイルの内包されるループ部分を確実に内包することができる。また、このように第1のコイルと第2のコイルを左右対称に形成することで、第1のコイルを送信コイルとしたときの第2のコイルとの磁気結合の結合度合い(以降、「磁気結合関係」とも呼ぶ)と、第2のコイルを送信コイルとしたときの第1のコイルとの磁気結合関係とは同一となり、給電する電流の大きさに対して受電する電流の大きさは同じになるのである。この結果、双方向の通信において、ほぼ同じ大きさの電流が誘起されることから、送信側と受信側とを同じ処理回路で構成することができる。
また、前記第1のコイルまたは前記第2のコイルは、基板の両面に形成され、前記第1のコイルまたは前記第2のコイルは、前記給電するための給電部分と前記複数のループ部分とが、前記基板の両面のうちそれぞれ異なる面に形成されていることとしてもよい。
こうすれば、第1のコイルまたは第2のコイルが備える複数のループ部分を形成する際、基板上で給電部分が占める領域を考慮することなく各ループ部分を形成することが可能となる。従って、ループ部分内の面積を大きく形成することによってループ部分内に発生する磁束を多くすることができるので、2つのコイル間での磁気結合の度合いを物理的に大きくできることから、受信コイルに誘起される電流は大きくなる。この結果、通信データとなる電流を安定して取り出すことが可能となる。
また、本発明は、上述したいずれかの磁気結合素子を備えた電子機器としてもよい。上述した磁気結合素子は、2つのコイルを送信コイルまたは受信コイルとすることによってデータを無線で双方向に通信できるようにするものである。従って、この磁気結合素子を備えた電子機器は、電子機器に組み込まれた回路基板間で、所定のデータをやり取りすることが可能である。なお、本発明において電子機器とは、筐体を有し、当該筐体内に回路基板が組み込まれているもの(例えば携帯電話)に限らず、筐体を有しないで回路基板を有するもの(例えば液晶モジュール)なども含むものである。
以下、本発明を具体化した実施形態について、実施例を用いて説明する。
まず、本発明の磁気結合素子が備えられた電子機器について、図1を用いて説明する。図1は、2つの回路基板間で所定のデータを無線でやり取りするように構成された電子機器の一例を示したもので、図1(a)はその斜視図、図1(b)はその側面図である。
この電子機器10は、2つの筐体11と15とから構成され、筐体11が筐体15の上面を矢印Sの方向にスライドして図に示した状態になったとき、筐体11に設けられた回路基板20と筐体15に設けられた回路基板30との間でデータの授受を行うものである。すなわち、回路基板20に形成された第1のコイル200と回路基板30に形成された第2のコイル300とを磁気結合素子として用い、一方を送信コイルとしたとき他方を受信コイルとして使用することによって2つの回路基板間にて所定のデータを無線通信するものである。
例えば、筐体11に組み込まれた撮像素子13によって撮影した画像データを、無線通信によって筐体15内に設けられたメモリーに記録したり、逆に、筐体15に設けられた操作ボタン16の操作情報に関するデータを、無線通信によって筐体11に送信し、所定の処理を行って筐体11の表示部12に操作情報を表示したりするのである。
このように筐体11と筐体15との間で行う無線通信について、無線通信を行うための回路ブロック構成を図2に示す。図示するように、前述した画像データなど筐体11内の回路要素11aが生成したデータは、I/F回路11bにて搬送周波数に変調するなどして通信用のデータに変換された後、送/受信部11cによって、所定の大きさの電流に増幅したのち第1のコイル200に出力する。
出力された電流がコイルに流れると、電磁誘導の原理によって、第1のコイル200は流れる電流に応じて磁束40を発生させる。そしてこの発生した磁束40が、同じく電磁誘導の原理によって第2のコイル300に電流を誘起させる。そこで、この誘起された電流を送/受信部15cによって検出し、次に検出した電流に含まれるデータをI/F回路15bによって復調することによって取り出して回路要素15aに送る。その後、例えば前述したようにデータは回路要素15aのメモリーに記録される。
逆に、前述したように筐体15に設けられた操作ボタン16の操作情報に関するデータを、無線通信によって筐体11に送信する場合は、筐体15のI/F回路15bにて搬送周波数に変調するなどして通信用のデータに変換し、送/受信部15cによって所定の大きさの電流に増幅したのち、第2のコイル300に出力する。
そして、出力された電流がコイルに流れると、電磁誘導の原理によって、第2のコイル300は流れる電流に応じて磁束40を発生させる。そしてこの発生した磁束40が、同じく電磁誘導の原理によって第1のコイル200に電流を誘起させる。そこで、送/受信部11cによってこの誘起された電流を検出し、次に検出した電流に含まれるデータをI/F回路11bによって復調することによって取り出して回路要素11aに送る。
このような無線通信に関する処理回路が、筐体11と筐体15内のそれぞれの回路基板に構成され、第1のコイル200または第2のコイル300に所定の電流を出力したり(以降「給電」とも呼ぶ)、第1のコイル200または第2のコイル300に誘起される電流を取り出したり(以降「受電」とも呼ぶ)するのである。なお、無線通信を確実に行うために、給電時の電流を増幅したり、受電時の電流を増幅したりすることが通常行われ、本実施例では、それぞれの送/受信部11c,15cに、所定の増幅率を有する増幅回路が構成されているものとする。
次に、本実施例の電子機器において用いる第1のコイル200と第2のコイル300について図3を用いて説明する。なお、図3に示したコイル形状は、説明の都合上、回路基板の大きさに対して大きな比率を有して図示しているが、通常は回路基板に対して相当に小さな形状で形成されるものである。
図3(a)は、回路基板20に形成された第1のコイル200を、図1(b)において図面下側から見た状態にて示している。第1のコイル200には、給電のための給電部201,202(図中、ハッチング部分)、および、それぞれ巻き数が略1ターンのループ部分210,220(図中、白抜き部分)が基板の表面(図面表側)に形成されている。また、ループ部分210とループ部分220は、その端部に設けられたスルーホールSHを介して、基板裏面に形成された線パターン(図中、破線部分)によって結線されている。
ループ部分210とループ部分220は、それぞれのループ部分についての図面左右方向の中心位置(図中、縦の一点鎖線210z,220z)が略一致するように形成されている。そして、ループ部分210内の領域面積は、ループ部分220内の領域面積よりも小さく形成され、ループ部分220をループ部分210に折り重ねたとき、ループ部分220はループ部分210を内包するように形成されている。ループ部分をこのように形成するのは、後述するように、第1のコイル200の形状を図面左右方向に反転した形状を、第2のコイル300の形状とするためである。
給電部201,202やループ部分210,220および線パターンは、本実施例では基板に導電性を有する薄板状のパターンを貼り付けたり、基板に貼り付けられた導電性を有する金属薄板をエッチングにより除去したりする周知の技術を用いてパターン形成したものである。また、スルーホールSHは周知のスルーホール技術を用いて結線したものである。
また、第1のコイル200に対して、図中矢印で示したように給電部201から給電部202の方向に電流を流した場合、ループ部分210の内部には、原理的に図面手前から奥の方向へ磁束Fcが発生する。一方、ループ部分220の内部には、原理的に図面奥から手前の方向へ磁束Fgが発生する。このように第1のコイル200に形成されたループ部分210,220は、互いに異なる方向の磁束Fcと磁束Fgが発生するように形成されている。
こうすることで、後述するノイズ源からの磁束による影響を抑制することができる。また、これらの磁束は2つのループ部分210と220の間で閉じる閉ループの磁束を形成することにもなる。従って、給電時に発生する磁束は、その大部分が2つのループ部分内で閉じることから、第1のコイル200から遠く離れた位置まで影響を及ぼさないようにすることができる。
図3(b)は、回路基板30に形成された第2のコイル300を、図1(b)において図面上側から見た状態を示している。第2のコイル300は、本実施例では、図示したように、第1のコイル200を図面左右方向に反転した形状に形成されている。すなわち、第2のコイル300には、給電のための給電部301,302(図中、ハッチング部分)、および、それぞれ巻き数が略1ターンのループ部分310,320(図中、網掛け部分)が基板の表面(図面表側)に形成されている。そしてループ部分310とループ部分320は、その端部に設けられたスルーホール(図中、小さい四角形)を介して、基板裏面に形成された線パターン(図中、破線部分)によって結線されている。以降、本実施例では、スルーホールを小さい四角形で示し、基板裏面に形成された線パターンを破線部分で示すこととする。また、給電部301,302やループ部分310,320および線パターンとスルーホールは、第1のコイル200と同様な方法で形成されている。
ところで、本実施例では、第1のコイル200と第2のコイル300の形状について、このように第1のコイル200の形状を図面左右方向に反転した形状を、第2のコイル300の形状とした。これは、第1のコイル200の形状を図面左右方向に反転した形状を、第2のコイル300の形状とすることで、前述したように、磁気結合を1対1で行う2つのループ部分のそれぞれが内包関係となる2つのコイルを容易に形成するためである。さらに、後述するが、第1のコイル200を送信コイルとしたときの第2のコイル300との磁気結合関係と、第2のコイル300を送信コイルとしたときの第1のコイル200との磁気結合関係とを同一にするためでもある。
もとより、第1のコイル200の形状を図面左右方向に反転した形状以外に、図面上下方向に反転した形状を、第2のコイル300の形状としてもよい。図3から明らかなように、図3(a)に示した第1のコイル200を図面上下方向に反転した後、180度回転すると、図3(b)に示した第2のコイル300の形状と一致するからである。
次に、2つのコイルを対向させ、回路基板20に形成された第1のコイル200と回路基板30に形成された第2のコイル300との間の磁気結合によって行う双方向の無線通信について、図4を用いて説明する。なお、この2つコイルの一方を送信コイルとした場合、他方のコイルは受信コイルとして用いられる。このとき、他方のコイルの給電部は受電部として機能することは言うまでも無い。
図4は、第1のコイル200と第2のコイル300とが対向した状態を示したもので、図1(b)において回路基板30の下側から、回路基板30を透視状態で見た様子を示したものである。図示するように、回路基板20に形成された第1のコイル200のループ部分210は、回路基板30に形成された第2のコイルのループ部分310に内包され、第1のコイル200のループ部分220は、第2のコイルのループ部分320を内包する。
このように、内包関係にある2つのループ部分のそれぞれにおいて1対1で磁気結合が行われることによって、一方を送信コイルとしたとき他方が受信コイルとして機能する。例えば、図3(a)に示したように、第1のコイル200の給電部201と202に矢印の方向に給電して、第1のコイル200を送信コイルとしたとき、図示するような磁束が各ループ部分内に発生する。すると、ループ部分310には、ループ部分210との磁気結合によって、ループ部分310内に発生する磁束を減じる方向に電流が誘起され、同じくループ部分320には、ループ部分220との磁気結合によって、ループ部分320内に発生する磁束を減じる方向に電流が誘起される。この結果、第2のコイル300は受信コイルとして機能し、受電部(給電部)301,302から、矢印で示した方向の電流が取り出される。もとより、第2のコイル300を送信コイルとしたときは、第1のコイル200は受信コイルとして機能し、給電部201,202から誘起された電流が取り出されることになる。
こうして、第1のコイル200と第2のコイル300を磁気結合素子として用い、所定のデータ信号を含んだ電流をそれぞれのコイルにおいて給電あるいは受電することによって、回路基板20と回路基板30との間で、所定のデータを無線通信することができる。
ところで、磁気結合によって誘起される電流の大きさは、周知のように磁気結合関係によって変化する。従って、磁気結合関係の変化によって誘起された電流が変化する場合は、図2にて説明したそれぞれの送/受信部11c,15cに、異なる増幅率を有する複数の増幅回路を構成したり、増幅率を変更できる増幅回路を構成したりする必要が生じ、回路部品や回路スペースが増加してしまうという課題が生ずることになる。
そこで、本実施例の第1のコイル200と第2のコイル300は、磁気結合関係の変化を小さくするべく、上述したように、1対1で磁気結合するループ部分が内包関係になるように、それぞれのループ部分を形成したものである。
さらに、第1のコイル200が送信コイルとして機能したときと、第2のコイル300が送信コイルとして機能したときとの両方において、給電する電流の大きさに対して受電する電流の大きさが同じになるように形成している。すなわち、前述するように第1のコイル200と第2のコイル300とを左右反転した形状に形成し、第1のコイル200のループ部分220が第2のコイル300のループ部分320を内包し、第2のコイル300のループ部分310が第1のコイル200のループ部分210を内包するように形成している。こうすることで、第1のコイル200を送信コイルとしたときの第2のコイル300との磁気結合関係と、第2のコイル300を送信コイルとしたときの第1のコイル200との磁気結合関係とは同一となり、給電する電流の大きさに対して受電する電流の大きさは同じになるのである。
この結果、双方向の通信において、給電する電流の大きさを同じにした場合、受電する電流の大きさの変化はほぼ同じ大きさでかつ変化が少なくなることから、図2にて説明した送/受信部11c,15cは同じ増幅率を有する増幅回路を備えればよいことになる。この結果、送信側と受信側とでそれぞれ同じ処理回路を構成することができる。また、このように送信側と受信側とを同じ処理回路で構成することができるので、処理回路に関する回路設計等の負荷が軽減される。
それでは、本実施例の第1のコイル200と第2のコイル300において、1対1で磁気結合するループ部分を内包関係になるように形成することによって磁気結合関係の変化が抑制される様子を、図5を用いて説明する。
図5(a)に示したように、第2のコイル300のループ部分310において、パターン内側のX方向(図面右方向)の長さをコイル径(X方向)とする。このとき、第1のコイル200が第2のコイル300に対して正しく配置されたときのループ部分210との位置差Dxを基準として、ループ部分310の位置ズレが無い状態を図5(a)に、ループ部分310の位置が、この位置差Dx分X方向にズレた状態を図5(b)に示した。
図5(a)において、第1のコイル200を送信コイルとし、給電によってループ部分210内に図面手前から奥の方向に磁束が発生したとき、原理的にループ部分210の外側は逆方向の磁束が発生する。従って、ループ部分210内の領域に発生する磁束によってループ部分310に誘起される電流の方向と、ループ部分310内の領域であってループ部分210外の領域R1に発生する磁束によってループ部分310に誘起される電流の方向とは逆の方向になることから、これらの電流が打ち消しあった大きさの電流が発生することになる。
次に、図5(b)に示すように、ループ部分310が位置差Dx分ズレた場合では、ループ部分310内の領域には、ループ部分210内の領域に発生する磁束によってループ部分310に誘起される電流の方向と、ループ部分210外の領域であってループ部分310内の領域R2に発生する磁束によってループ部分310に誘起される電流の方向とは逆の方向になることから、これらの電流が打ち消しあった大きさの電流が発生することになる。このとき、図から明らかなように、ループ部分310内の領域にループ部分210の領域が留まっていることから、領域R1と領域R2の面積はほぼ同じになる。従って、ループ部分310に誘起される電流の大きさは、図5(a)の場合に誘起される電流とおおよそ同じ大きさとなる。言い換えれば、磁気結合関係は殆ど変わらないということになる。
また、図5(a)において、同じく第1のコイル200を送信コイルとしたとき、給電によってループ部分220内には図面奥から手前の方向に磁束が発生する。このとき、ループ部分320内の領域に発生する磁束によってループ部分320に誘起される電流の方向と、ループ部分220内の領域であってループ部分320外の領域R3に発生する磁束によってループ部分320に誘起される電流の方向とは逆の方向になることから、これらの電流が打ち消しあった大きさの電流が発生することになる。
次に、図5(b)に示すように、ループ部分320が位置差Dx分ズレた場合では、ループ部分320内の領域に発生する磁束によってループ部分320に誘起される電流の方向と、ループ部分220内の領域であってループ部分320外の領域R4に発生する磁束によってループ部分320内に誘起される電流の方向とは逆の方向になることから、これらの電流が打ち消しあった大きさの電流が発生することになる。このとき、図から明らかなように、ループ部分220内の領域にループ部分320の領域が留まっていることから、領域R3と領域R4の面積はほぼ同じになる。従って、ループ部分320に誘起される電流の大きさは、図5(a)の場合に誘起される電流とおおよそ同じ大きさとなる。言い換えれば、磁気結合関係は殆ど変わらないということになる。
以上説明したように、本実施例の第1のコイル200と第2のコイル300は、それぞれ内包関係になる2つのループ部分を形成することによって、2つのコイルの位置ズレに対して、磁気結合関係の変化が小さくなるように抑制されるのである。
一方、従来例のように、第1のコイル200と第2のコイル300が同じ形状のコイルであった場合であって、ループ部分310の位置が、位置差Dx分X方向にズレた状態を図5(c)に示した。ここでは、第1のコイル200には、第2のコイル300のループ部分310と同形状のループ部分210sが形成されているものとした。
図示しないが、位置ズレが無い場合は、第1のコイル200を送信コイルとしたとき、給電によってループ部分210s内に発生する総ての磁束によってループ部分310に図中矢印で示した方向の電流が誘起されるため、磁気結合関係は高く、実施例に比較しても相当に大きくなる。しかしながら、位置ズレが生じた場合は、図示するように、ループ部分310に矢印方向の電流を誘起させる磁束数が減少すると同時に、位置ズレによって生じた領域R5とR6に存在する磁束によって、ループ部分310に矢印とは逆方向の電流が誘起される。この結果、誘起される電流は大きく変化してしまう。言い換えれば、位置ズレによって磁気結合関係は大きく低下することになる。
図6に、位置ズレ(X方向)に対する磁気結合関係の大きさを示す磁気結合度の変化の様子を、従来例と本実施例とを比較して示した。「○」は本実施例におけるループ部分の磁気結合度の変化の様子を示したもので、「△」は従来例のように同じ形状のループ部分を対向させた場合の磁気結合度の変化の様子を示したものである。
上述したように、位置ズレが無い場合は、同じ形状のループ部分同士の場合の方が、本実施例の内包関係にあるループ部分よりも磁気結合度が大きい。しかしながら、位置ズレがコイル径の1/4以上になると、上述したとおり同じ形状のループ部分については、磁気結合度が大きく低下し、図示するように、実施例におけるループ部分の磁気結合度よりもむしろ小さくなってしまう場合も起こり得る。一方、本実施例におけるループ部分の磁気結合度は、位置ズレが無い場合は従来例よりも磁気結合度は小さいものの、位置ズレに対しては磁気結合度が大きく変化することは無く、前述したように、1対1で磁気結合が行われる2つのループ部分について内包関係が維持されている間は、ほぼ同じ磁気結合度の大きさを呈することになる。
以上、X方向について、第1のコイル200と第2のコイル300との位置ズレに対して磁気結合度の変化が小さくなるように抑制される様子について説明したが、Y方向の位置ズレについても、磁気結合度の変化が小さくなるように抑制される。なお、Y方向についても磁気結合度の変化が抑制される様子はX方向と同様であるため、説明は省略する。
以上説明したように、本実施例の第1のコイル200と第2のコイル300において、1対1で磁気結合するループ部分を内包関係になるように形成することによって磁気結合関係の変化が抑制されるのである。
このように本実施例によれば、第1のコイル200と第2のコイル300とが左右対称(または上下対称)となる形状に形成し、第1のコイル200と第2のコイル300とを平面的に重ねたとき、第1のコイル200のループ部分220が第2のコイル300のループ部分320を内包するループ部分と、第1のコイル200のループ部分210が第2のコイル300のループ部分310に内包されるループ部分とが、それぞれ1個ずつの同数になるようにした。この結果、第1のコイル200と第2のコイル300との相対的な位置ズレが生じても、磁気結合の結合度合いについての変動が小さいので、誘起される電流の大きさは変化が少なくなる。また、第1のコイル200を送信コイルとして所定の電流を給電したときに第2のコイル300に誘起される電流と、第2のコイル300を送信コイルとして同じ大きさの所定の電流を給電したときに第1のコイル200に誘起される電流とを基本的に等しくすることができる。この結果、双方向の通信において、同じ大きさの給電電流に対して、同じ大きさの電流が誘起される。従って、送信側と受信側とを同じ処理回路で構成することが可能となる。
以上、本発明を具体化した実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。以下変形例を挙げて説明する。
(第1変形例)
上記実施例では、第1のコイル200または第2のコイル300における給電部とループ部分が回路基板の一方の面に形成される状態を例示したが、給電部とループ部分とを、回路基板のそれぞれ異なる面に形成することとしてもよい。こうすれば、形成するループ部分の面積を大きくすることができるので、磁気結合関係が大きくなるように改善することができる。また、ループ部分のみを対向させることができるので、磁気結合関係をより大きくすることが期待できる。
本変形例の一例について図7を用いて説明する。図7(a)は、上記実施例における第1のコイル200を示し、図7(b)は、本変形例を適用した場合の第1のコイル200aを示している。上記実施例の第1のコイル200では、ループ部分210とループ部分220との間に、給電部202を配置形成するために距離KDの隙間を必要とした。一方、本変形例の第1のコイル200aは、回路基板20において、給電部をループ部分の形成面と異なる基板面(裏面側)に形成するので、ループ部分間に給電部を形成しなくてもよい。従って、2つのループ部分間の距離を近づけることができ、図示するように、ループ部分210aとループ部分220aとを、距離KDよりも少ない距離KDaの隙間で形成することができる。
この結果、ループ部分210a内の面積は、ループ部分210(図中、二点鎖線)内の面積よりも大きく、同じくループ部分220a内の面積は、ループ部分220(図中、二点鎖線)内の面積よりも大きくなる。面積が大きくなればループ部分内に発生する磁束数が増加するので、左右対称関係となる第2のコイルとの間における磁気結合によって誘起される電流も増加する。つまり磁気結合関係が大きくなるのである。
また、このようにループ部分のみを一方の回路基板面に形成するので、2つのコイル間でループ部分同士のみを最も近接させることができる。この結果、磁気結合関係がより大きくなることが期待できる。
(第2変形例)
上記実施例では、第1のコイル200または第2のコイル300において、内包するループ部分のコイル巻き数と内包されるループ部分のコイル巻き数とを、同じ1ターンとしたが、内包されるループ部分のコイル巻き数を、内包するループ部分のコイル巻き数よりも多いターン数とすることとしてもよい。こうすれば、ノイズ源からの磁束によって誘起される起電力を、内包されるループ部分と内包するループ部分とで同じになるようにすることができる。この結果、互いに逆向きで同じ大きさの起電力が2つのループ間に生ずることから、受信コイルからデータとして取り出される電流に対するノイズ源からの磁束によって誘起される電流の影響は、ほぼ抑制できるので、通信データとなる電流を安定して取り出すことが可能となる。
本変形例の一例について図8を用いて説明する。図8(a)は、図7(b)に示した第1のコイル200aに対して、内包されるループ部分210aのターン数を略1/4ターン多くしたループ部分210bを形成した第1のコイル200bを示したものである。
さて、図8(b)に示したように、遠方のノイズ源からの磁束GFが図面手前から奥の方向に発生し、それぞれのループ部分210b内と220a内とをそれぞれ通過したとすると、ループ部分210bには図示するように反時計周りの方向の電流が誘起され、同じくループ部分220aにも反時計周りの方向の電流が誘起される。
このとき、内包されるループ部分210b内を通過する磁束数は、内包するループ部分220a内を通過する磁束数よりも少ないため、電磁誘導の原理から、ループ部分210bに誘起される電流によって生ずるループ部分210bの起電力は、ループ部分220aに誘起される電流によって生ずるループ部分220aの起電力はよりも少なくなる。そこで、内包されるループ部分210bでは、ループ部分211b分(図中、網掛け部)によってコイル巻き数を多くし、ループ部分210bの起電力を、ループ部分211bに誘起される起電力を加算することで、ループ部分220aの起電力と等しくするようにするのである。この結果、このように2つのループ部分に生じた各起電力は、2つのループ部分のコイル巻き方向が反対であるので、2つのループ部分の連結部分で互いに相殺されるのである。
(第3変形例)
上記実施例では、第1のコイル200と第2のコイル300とに、それぞれ2つのループ部分を形成することとしたが、2つ以上のループ部分が形成されることとしてもよい。
一例として、ループ部分が4つ形成された第1のコイル200cを図9(a)に示した。ここで、実線は回路基板表面に形成されたループ部分を示し、破線はループ部分をつなぐ線パターンと給電部を示している。なお、線パターンと給電部は回路基板裏面に形成されているので破線で示した。また、ループ部分の各端部は、図示しないスルーホールで線パターンあるいは給電部と結線されている。
図示するように、第1のコイル200cには、2つの内包されるループ部分210cと210d、および2つの内包するループ部分220cと220dが形成されている。そして、矢印で示す方向に電流を給電した場合、図示したように隣接するループ部分間ではそれぞれ反対方向に電流が流れるようにループ部分が形成されている。
従って、図9(a)に示した第1のコイル200cの形状を左右反転した形状を第2のコイルの形状とし、第1のコイル200cと第2のコイル間での磁気結合によって無線通信を行うことによって、上述した本実施例と同じ効果が得られることになる。
あるいは、4つのループ部分が一列ではなく並列に配置されてもよい。一例として、ループ部分が4つ並列に形成された第1のコイル200dを図9(b)に示した。図示するように、第1のコイル200dには、2つの内包されるループ部分と2つの内包するループ部分が形成され、矢印で示す方向に電流を給電した場合、隣接するループ部分間ではそれぞれ反対方向に電流が流れるようにループ部分が形成されている。
従って、図9(b)に示した第1のコイル200dの形状を左右反転した形状を第2のコイルの形状とし、第1のコイル200dと第2のコイル間での磁気結合によって無線通信を行うことによって、上述した本実施例と同じ効果が得られることになる。
(第4変形例)
上記実施例では、第1のコイル200の形状を図面左右方向に反転した形状を第2のコイル300の形状としたが、第1のコイルと第2のコイルがそれぞれ異なるコイル形状を有していることとしてもよい。
それぞれが異なる形状を有するループ部分を有していても、第1のコイルと第2のコイルとを平面的に重ねたとき、第1のコイルのループ部分が第2のコイルのループ部分を内包するループ部分と、第1のコイルのループ部分が第2のコイルのループ部分に内包されるループ部分とが、それぞれ同数形成されていれば、第1のコイルを送信コイルとして所定の電流を給電したときに第2のコイルに誘起される電流と、第2のコイルを送信コイルとして同じ大きさの所定の電流を給電したときに第1のコイルに誘起される電流とが等しくなる形状を作り出すことは可能である。
また、それぞれが異なる形状を有するループ部分を有していても、磁気結合を1対1で行うループ部分が、互いに内包関係であれば、第1のコイルと第2のコイルとの相対的な位置ずれが生じても、磁気結合の結合度合いについての変動を小さくする形状を作り出すことは可能である。従って、本変形例においても、上記実施例と同様の効果を奏するループ部分の形状を作り出すことは可能である。
(その他の変形例)
上記実施例では、第1のコイル200と第2のコイル300とをそれぞれ回路基板20,30に形成することとしたが、回路基板とは別の基板に形成することとしてもよい。こうすれば、例えば図1(b)において、第1のコイルを形成した基板を筐体11の内底面(図面下方向)に配置し、第2のコイルを形成した基板を筐体15の内表面(図面上方向)に配置することが可能である。この結果、第1のコイルと第2のコイルとの距離が短くなるので、ループ部分間における磁気結合関係を大きくすることができる。
また、上記実施例では、ループ部分の形状を矩形としたが、これに限らず、円形や楕円形、あるいは三角形などといった矩形以外の形状であることとしてもよい。コイルを形成するための回路基板において、回路基板のスペースによっては、矩形形状が作れない場合が存在する。このような場合、回路基板のスペースに合わせてループ部分の形状を形成すればよい。
また、上記実施例では、各ループ部分のコイル巻き数を1ターンとしたが、これに限らず、各ループ部分において、複数のターン数を形成することとしてもよい。前述したように、磁気結合関係はループ部分の巻き数が多くなれば基本的に大きくなる。従って、このようにターン数を複数にすることによって、磁気結合関係を大きくすれば、誘起される電流も大きくなるので、増幅回路の増幅率を抑えることができ、増幅回路の回路負荷が軽減できる。ところで、本実施例におけるコイルは、一般的に微小ループアンテナとして広帯域の周波数を通信する場合に用いられることが多い。従って、このような場合に用いる際は、コイルの共振周波数が広帯域の周波数に影響しないターン数を形成することが好ましい。
(a)は、本発明の磁気結合素子が備えられた電子機器を示す斜視図、(b)は、その側面図。 回路基板間で無線通信を行うための回路ブロック構成図。 (a)は、本実施例の第1のコイルについての説明図。(b)は、本実施例の第2のコイルについての説明図。 本実施例の第1のコイルと第2のコイルとが対向した状態を示す説明図。 (a)は、位置ズレが無い状態での磁気結合関係を説明する説明図。(b)は、位置ズレがあった場合の磁気結合関係を説明する説明図。(c)は、従来例において位置ズレがあった場合の磁気結合関係を説明する説明図。 磁気結合度と位置ズレとの関係を説明する説明図。 (a)は、本実施例の第1のコイルについての説明図。(b)は、第1変形例の第1のコイルについての説明図。 (a)は、第2変形例の第1のコイルについての説明図。(b)は、第2変形例の第1のコイルについて誘起される電流の説明図。 (a)は、第3変形例の第1のコイルについての説明図。(b)は、第3変形例の第1のコイルについての別の例を示す説明図。
符号の説明
10…電子機器、11…筐体、11a…回路要素、11b…I/F回路、11c…送/受信部、12…表示部、13…撮像素子、15…筐体、15a…回路要素、15b…I/F回路、15c…送/受信部、16…操作ボタン、20…回路基板、30…回路基板、40…磁束、200…第1のコイル、200a〜200d…第1のコイル、201,202…給電部、210,220…ループ部分、210a…ループ部分、210b…ループ部分、210c…ループ部分、210s…ループ部分、211b…ループ部分、220…ループ部分、220a…ループ部分、220c…ループ部分、300…第2のコイル、301,302…給電部、310,320…ループ部分。

Claims (7)

  1. 第1のコイルと第2のコイルとを有し、少なくとも前記第1のコイルまたは前記第2のコイルの一方に給電したとき、他方のコイルに電流を誘起する磁気結合を行う磁気結合素子であって、
    前記第1のコイルおよび前記第2のコイルは、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間で、前記磁気結合をそれぞれ1対1で行う複数のループ部分を備え、
    前記複数のループ部分は、前記第1のコイルと前記第2のコイルとを平面的に重ねたとき、前記第1のコイルのループ部分が前記第2のコイルのループ部分を内包するループ部分と、前記第1のコイルのループ部分が前記第2のコイルのループ部分に内包されるループ部分とが同数になるように形成されていることを特徴とする磁気結合素子。
  2. 請求項1に記載の磁気結合素子であって、
    前記第1のコイルのループ部分を内包する前記第2のコイルのループ部分と、前記第2のコイルのループ部分を内包する前記第1のコイルのループ部分とが、同じ形状に形成され、
    前記第1のコイルのループ部分に内包される前記第2のコイルのループ部分と、前記第2のコイルのループ部分に内包される前記第1のコイルのループ部分とが、同じ形状に形成され、
    ていることを特徴とする磁気結合素子。
  3. 請求項1または2に記載の磁気結合素子であって、
    前記複数のループ部分は、前記給電したとき各ループ部分内に発生する磁束の方向が、隣接するループ部分間で互いに逆向きになるように形成されていることを特徴とする磁気結合素子。
  4. 請求項3に記載の磁気結合素子であって、
    前記第1のコイルにおいて、前記第2のコイルのループ部分によって内包されるループ部分のコイル巻き数は、前記第2のコイルのループ部分を内包するループ部分のコイル巻き数よりも多い巻き数であることを特徴とする磁気結合素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の磁気結合素子であって、
    前記第1のコイルに備えられた複数のループ部分の形状と、前記第2のコイルに備えられた前記複数のループ部分の形状とは、左右もしくは上下のうち少なくとも一方が対称であることを特徴とする磁気結合素子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の磁気結合素子であって、
    前記第1のコイルまたは前記第2のコイルは、基板の両面に形成され、
    前記第1のコイルまたは前記第2のコイルは、前記給電するための給電部分と前記複数のループ部分とが、前記基板の両面のうちそれぞれ異なる面に形成されていることを特徴とする磁気結合素子。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の磁気結合素子を備えた電子機器。
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