JP2008102700A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】未読応答装置の推定数を算出するのに要する演算負荷を軽減することで、低コスト化を図る。
【解決手段】信号を送信してから所定期間内にスロット計数期間内の総てのスロット数を計数する全スロット数カウンタと、応答装置が識別情報を伝送していない空スロットの数を計数する空スロット数カウンタとを設ける。そして、所定期間が経過した時点の未読応答装置の推定数を、各カウンタの各計数値と所定期間開始時に送信された信号により割り当てられたスロットの数とに基づいて算出し、この算出された推定値に基づき、次に送信する信号で割り当てるスロット数を決定する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、アンテナの交信領域内に存在する複数の応答装置と無線通信を行い、各応答装置がそれぞれ有する固有の識別情報を非接触で読取る無線通信装置に関する。
近年、電磁波あるいは電波を利用して無線通信装置との間で無線通信を行うことにより、メモリ内に保持したデータを送信したり、受信したデータをメモリ内に書き込んだりできる小型の応答装置が開発され、流通,物流,交通,セキュリティなどの様々な分野で使用されている。この種の応答装置は、一般にはRFID(Radio Frequency Identification),無線タグ,ICタグ,電子タグなどと称されている。また、無線通信装置は、タグリーダ,タグリーダ・ライタ,質問器,基地局等と称されている。
このような無線通信装置と応答装置とを用いた無線通信システムの特徴的な機能の1つに、無線通信装置が複数の応答装置から略同時にデータを受信できる機能がある。この機能により、例えば多数の物品にそれぞれ応答装置を取り付けた場合には各物品の応答装置からその物品特有の情報を略同時に非接触で読取ることができるので、在庫管理や物品認証等の作業の効率化を図れるようになる。
この機能を実現するための一つとしてアンチコリジョン(衝突防止)と称している応答装置の応答手順を制御する機能がある。また、国際標準規格に採用されている代表的なアルゴリズムとしてバイナリツリー方式とタイムスロット方式とがある。タイムスロット方式は、無線LAN(Local Area Network)等のパケット通信において広く使われているアクセス制御方式で、アロハ(ALOHA)方式とも呼ばれている。因みに、RFIDの標準化団体であるEPC(Electronic Product Code)グローバルにより提案されたRFIDの通信規格の1つであるGen.2(Generation2)規格でも、タイムスロット方式を採用している。
一般的なタイムスロット方式のアンチコリジョン機能の動作について説明する。
先ず、無線通信装置は、そのアンテナの交信領域内に存在する複数の応答装置に対し、特定のスロット数(2〜2:Qは1以上の固定値)を指定して所定数のタイムスロットを割り当てる。一方、各応答装置は、指定を受けたスロット数の範囲内で乱数を生成する。例えば2ビット(Q=1)のスロット数が指定された場合には、各応答装置は2ビットの乱数[00],[01],[10],[11]のいずれかを生成する。そして、生成された乱数に一致したタイミングのタイムスロットを利用して無線通信装置に識別情報の応答を返す。
この際、1つのタイムスロットに対して1つの応答装置しか応答を返さなかった場合には、その応答装置の識別情報を無線通信装置が読取ることができる。しかし、1つのタイムスロットに対して複数の応答装置が同時に応答を返した場合には衝突が発生するので、それらの応答装置の識別情報を無線通信装置は読取ることができない。
無線通信装置は、応答装置の識別情報を読み残している場合は、新たに所定数のタイムスロットを割り当てる。これに応じて、衝突の発生等により識別情報の応答を完了していない応答装置では、再度乱数を生成する。そして、生成された乱数に一致したタイミングのタイムスロットを利用して無線通信装置に応答を返す。このような一連の処理を短時間で繰り返すことにより、無線通信装置は複数の応答装置から略同時に識別情報を読取れるようになる。
ところで、無線通信装置が全ての応答装置の識別情報を読取るのに要する時間は、無線通信装置が割り当てるタイムスロット(以下、割当スロットと称する)の数と応答装置の数との相互関係によって変化する。そこで無線通信装置は、各応答装置にタイムスロットを割り当てる際に最適な割当スロット数を計算し直して決定している。この割当スロット数の計算には、所定の確率計算が利用される。
例えば、識別情報を読み残した応答装置、すなわち未読応答装置の数が未知の場合には、無線通信装置が割り当てたタイムスロットのうち、応答装置から識別情報が1つも送られなかったタイムスロット、いわゆる空スロットの数と、識別情報を伝送した応答装置が1つだったタイムスロット、いわゆる読取成功スロットの数と、複数の応答装置が同じタイムスロットで識別情報を伝送したタイムスロット、いわゆる衝突スロットの数との各計数値に基づき、未読応答装置の数を確率変数とした確率密度関数を求め、この確率密度関数が最大となる未読応答装置の数を算出し、この算出された数を未読応答装置の推定数とする。そして、この推定数に基づき新たに割当スロット数を決定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−282975号公報
しかしながら、従来のこの種の無線通信装置においては、各応答装置にタイムスロットを割り当てる都度、未読応答装置の推定数を算出するために、読取成功スロット,空スロット及び衝突スロットの数をそれぞれ計数し、さらにこれらの計数値から未読応答装置の数を確率変数とした確率密度関数を求め、この確率密度関数が最大となる未読応答装置の数を算出していたので、計算負荷が大きいという問題があった。
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、未読応答装置推定数を小さい計算負荷で算出することができる無線通信装置を提供しようとするものである。
本発明は、アンテナから1以上の応答装置に所定数のスロットを割り当てる信号を送信すると、この信号を受信した応答装置のうち未だ識別情報が読取られていない未読応答装置が個別に1つのスロットを選択しそのスロットに当該応答装置固有の識別情報を含ませて伝送する無線通信方式を用いて各応答装置の識別情報を読取る無線通信装置において、信号を送信してから所定期間内にスロット計数期間内の総てのスロット数を計数する全スロット数カウンタと、当該スロット計数期間内の総てのスロットのうち応答装置が識別情報を伝送していない空スロットの数を計数する空スロット数カウンタと、当該所定期間が経過した時点の未読応答装置の推定数を、全スロット数カウンタ及び空スロット数カウンタの各計数値と前記所定期間開始時に送信された信号により割り当てられたスロットの数とに基づいて算出する推定値演算手段と、推定値演算手段により算出された推定値に基づき、次に送信する信号で割り当てるスロット数を決定する決定手段とを備えたものである。
かかる手段を講じた本発明によれば、未読応答装置推定数を小さい計算負荷で算出することができる効果を奏し得る。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、無線通信方式の1種であるタイムスロット方式を利用して、RFID,無線タグ等と称される複数の応答装置から固有の識別情報を非接触で読取るようにした無線通信装置に本発明を適用した場合である。
図1は本実施の形態における無線通信装置1の要部構成を示すブロック図である。図示するように無線通信装置1は、データ入出力部11、送受信処理部12、記憶部13及びこれらを制御する制御部14等で構成されている。
データ入出力部11は、通信ケーブル等を介してデータ通信可能に接続された外部装置(不図示)からデータを受信し前記制御部14に与える機能と、制御部14の制御により所定のデータを前記外部装置に送信する機能とを有する。送受信処理部12は、制御部14から与えられる送信信号を変調しアンテナ2から無線発信させる機能と、アンテナ2で受信した信号を復調し制御部14に与える機能とを有する。記憶部13は、不揮発性の書換可能なメモリ領域である。
かかる構成の無線通信装置1は、そのアンテナ2の交信領域3内に存在する複数(図では6個)の応答装置4A〜4Fとタイムスロット方式の無線通信を行い、各応答装置4A〜4Fがそれぞれ有する固有の識別情報を非接触で読取る。
すなわち、無線通信装置1は、アンテナ2から1以上の応答装置4(以下、各応答装置4A〜4Fを総称する場合は符号を“4”とする)に所定数のタイムスロットを割り当てる信号を送信する。すると、この信号を受信した応答装置4のうち未だ識別情報が読取られていない応答装置4が個別に1つのタイムスロットを選択する。そして、その選択したタイムスロットに当該応答装置固有の識別情報を含ませて伝送する。
ここで、1つのタイムスロットに対して1つの応答装置4だけが識別情報を伝送した場合、無線通信装置1は、このタイムスロットから当該応答装置4の識別情報を取得できる。このようなタイムスロットを以後、読取成功スロットと称する。
これに対し、1つのタイムスロットに対して複数の応答装置4が識別情報を伝送した場合には、伝送信号が乱されるため、無線通信装置1はこれら応答装置4の識別情報を取得することができない。このようなタイムスロットを以後、衝突スロットと称する。また、1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送した応答装置4が1つも無かった場合も識別情報を取得できない。このようなタイムスロットを以後、空スロットと称する。
なお、衝突スロットと空スロットとの識別は、読取成功スロット以外のタイムスロットにおいて、無線通信装置1が受信した電波強度が所定のしきい値を超えたか否かによって判断可能である。すなわち、電波強度がしきい値より高いタイムスロットは衝突スロットとし、低いスロットは空スロットとすればよい。
さて、無線通信装置1は、アンテナ2の交信領域3内に存在する応答装置4の識別情報を取得できた場合、当該識別情報を含む信号を送信することにより、当該識別情報を有する応答装置4に識別情報の読み取りが成功した旨を通知する。すると、この通知を受けた応答装置4は、それ以後は識別情報を伝送しなくなる。その後、無線通信装置1は、必要に応じて、取得した識別情報を含む信号を伝送することで該当識別情報を有する応答装置4と交信を行い、該当応答装置4が有する他の情報を取得したり、該当応答装置4に任意の情報を書き込んだりする。
なお、RFIDの通信規格の1つであるGen.2規格では、アンチコリジョンを行う際の応答装置4の識別情報に16ビットの乱数を使用している。この16ビットの乱数は、応答装置4が識別情報を送信するたびに変化する、言わば一度きりの使い捨ての識別情報である。そしてGen.2規格では、無線通信装置1が該当応答装置4に使い捨ての識別情報の読み取りが成功したことを通知した直後、応答装置4は、無線通信装置1に応答装置固有の識別情報を送信する。一般に、応答装置固有の識別情報は、16ビットの十倍前後の大きさを持つため、Gen.2規格では、無線通信装置1が多数の応答装置4から1つの応答装置4を選びリンクを確保する際、すなわちアンチコリジョンを行う際に、応答装置固有の識別情報とは別の短い識別情報を利用することでアンチコリジョンに要する時間を短縮している。
本実施の形態において、識別情報とは、上述したアンチコリジョンを行う際の識別情報を指している。ただし、説明を簡単にするために、応答装置固有の識別情報とアンチコリジョンを行う際の識別情報が同じものとする。
図2は無線通信装置1と、そのアンテナ2の交信領域3内に存在する6個の応答装置4A〜4Fとの間で送受される信号の一例を1サイクル分のみ示したタイミング図であり、図中左から右に時間が経過している。
無線通信装置1は、先ず、サイクル開始信号start1により各応答装置4A〜4Fに対して割当スロット数を指定する。図2の場合は、割当スロット数“8”を指定する。すると、各応答装置4A〜4Fは、割当スロット番号s1〜s8の8つのタイムスロットのうちのいずれか1つのタイムスロットを選択して、自身の識別情報を無線通信装置1に伝送しようとする。
図2の場合、応答装置4Aが割当スロット番号s1のタイムスロットを選択して識別情報aを伝送している。また、応答装置4Cが割当スロット番号s4のタイムスロットを選択して識別情報cを伝送している。一方、2つの応答装置4B及び4Dは、いずれも割当スロット番号s2のタイムスロットを選択して各々の識別情報b及びdを伝送している。同様に、2つの応答装置4E及び4Fは、いずれも割当スロット番号s5のタイムスロットを選択して各々の識別情報e及びfを伝送している。残りの割当スロット番号s3,s6,s7及びs8の4つのタイムスロットについては、識別情報を伝送する応答装置4は存在しない。すなわち、割当スロット番号s1及びs4のタイムスロットが読取成功スロットとなり、割当スロット番号s2及びs5のタイムスロットが衝突スロットとなり、割当スロット番号s3及びs6〜s8のタイムスロットが空スロットとなる。
したがって、割当スロット番号s8のタイムスロットを受信した時点では、応答装置4Aと応答装置4Cの識別情報を無線通信装置1が取得している。無線通信装置1は、応答装置4の識別情報を取得したならば、次に送信するタイムスロット開始信号nSに、取得した識別情報を含ませる。その結果、これらの応答装置4A,4Cは、以後のサイクルで識別情報を伝送しなくなる。このように、無線通信装置1によって識別情報が読取られ、識別情報を伝送しなくなる応答装置4を既読応答装置5と称する。
一方、他の応答装置4A,4D,4E,4Fの識別情報は、無線通信装置1において取得されていない。したがって、これらの応答装置4A,4D,4E及び4Fの識別情報がタイムスロット開始信号nSに含まれることはない。その結果、これらの応答装置4A,4D,4E及び4Fは、次のサイクルでも指定されたタイムスロットを利用して識別情報を伝送しようとする。このように、無線通信装置1によって識別情報が読取られておらず、次のサイクルでも識別情報を伝送する応答装置4を未読応答装置6と称する。
無線通信装置1は、1サイクル分の全てのタイムスロットの受信信号から、識別情報を読み残している未読応答装置6があるか否かを判断する。例えば、1サイクルの中に衝突スロットがある場合には、未読応答装置6があると判断する。逆に、1サイクルの全てのタイムスロットが空スロットである場合には、未読応答装置6がないと判断する。
未読応答装置6がないと判断した場合には、無線通信装置1は、識別情報の読取動作を終了する。これに対し、未読応答装置6があると判断した場合には、無線通信装置1は、新たな割当スロット数を決定する(決定手段)。そして、次のサイクル開始信号startn(nはサイクル開始信号の送信回数)により各応答装置4に対して新たな割当スロット数を指定する。
ここで、新たな割当スロット数を決定するには、従来から確率計算が利用されている。そこで次に、割当スロット数を決定するための確率計算について説明する。
先ず、1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つとなる確率を考える。このように、1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つであった場合、無線通信装置1は、この応答装置4の識別情報を取得することができる。すなわち、この確率は、1つのタイムスロットで無線通信装置1が応答装置4の識別情報を取得することができる確率と等価である。
無線通信装置1が応答装置4に指定する割当スロット数をSとし、アンテナ2の交信領域内に存在する応答装置4のうち未読応答装置6の数をtとした場合、確率P1(S,t)は、次の数式[数1]で示される。
Figure 2008102700
数式[数1]は、あるタイムスロットに対して、1つの未読応答装置6が識別情報を伝送する確率を1/Sとし、その他の(t−1)個の未読応答装置6が識別情報を伝送しない確率を(1−1/S)^(t-1)とし、これらの確率と未読応答装置6の数tとを積算した式である。なお、前記確率(1−1/S)^(t-1)の記号“^”は、累乗を示している。
数式[数1]においてS=8の場合、すなわち確率P1(8,t)をグラフにすると、図3のようになる。同グラフにおいて、横軸は未読応答装置6の数tであり、縦軸はその数tに対する識別情報取得確率P1(8,t)である。
ここで、未読応答装置6の数tは非負整数である。この場合、確率P1(S,t)は、割当スロット数Sが未読応答装置6の数tと等しいとき最大となることが知られている。したがって、無線通信装置1が応答装置4に対して割り当てるタイムスロットの数、すなわち割当スロット数Sを常に未読応答装置6の数tと同数にすることによって、無線通信装置1が全ての応答装置4の識別情報を取得するのに要する時間を短縮することができる。
しかし、無線通信装置1が選択できる割当スロット数Sは、実装上の制約により離散的な値をとることが多い。例えば前述したGen.2規格においては、無線通信装置1が選択できる割当スロット数Sは2の累乗数となっており、2の0乗から2の15乗の16種類となっている。すなわち、割当スロット数Sは、1,2,4,8,16,32,64,…というように離散的な値をとる。このため、割当スロット数Sを常に未読応答装置6の数tと同数にすることは困難である。
そこで、無線通信装置1が選択可能な割当スロット数Sがn種類ある場合の割当スロット数SをS(i){i=1,2,・・・,n}と表記し、S(i)とS(i+1)とはS(i)<S(i+1)なる関係を有するものとする。この場合において、未読応答装置6の数tが、無線通信装置1で選択可能な割当スロット数S(i)とS(i+1)の間の値であるとき、割当スロット数S(i)を指定した場合に1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つとなる確率P1(S(i),t)と、割当スロット数S(i+1) を指定した場合に1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つとなる確率P1(S(i+1),t)とをそれぞれ計算する。そして、確率P1(S(i),t)と確率P1(S(i+1),t)とを比較し、高い方の割当スロット数(S(i)またはS(i+1))を選択する。こうすることにより、無線通信装置1が応答装置に対して割り当てるタイムスロットの数(割当スロット数S)を決定することができる。
今、アンテナ2の交信領域3内に存在する応答装置4の数の情報を無線通信装置1が予め持っているものとする。また、無線通信装置1が選択できる割当スロット数がS(1)=2、S(2)=4、S(3)=8の3種類とする。
この場合において、各スロット数S(1)=2、S(2)=4、S(3)=8をそれぞれ数式[数1]に代入して、各々の割当スロット数S(1)=2、S(2)=4、S(3)=8を指定した場合に1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つとなる確率P1(2,t)、P1(4,t)、P1(8,t)を算出すると、各々の確率P1(2,t)、P1(4,t)、P1(8,t)と、未読応答装置6の数tとの関係は、図4のグラフで示されるようになる。なお、[数2]は小数点以下が無限に続く数値になるので、所定桁で切捨てた値を記憶部13に記憶している。切捨て処理をしているので、推定値teは切捨て前のt1(i)の値より必ず小さくなる利点がある。
同図において、確率P1(2,t)と確率P1(4,t)とが等しくなる未読応答装置6の数tを値t1(1)とする。また、確率P1(4,t)と確率P1(8,t)とが等しくなる未読応答装置6の数tを値t1(2)とする。同図から明らかなように、1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つとなる確率、つまりは未読応答装置6の識別情報を取得できる確率P1(S,t)を高くするには、未読応答装置6の数tが値t1(1)より小さいときには割当スロット数Sを“2”とすればよい。同様に、未読応答装置6の数tが値t1(1)以上で値t1(2)未満のときには割当スロット数Sを“4”とし、値t1(2)以上のときには割当スロット数Sを“8”とすればよい。
ここで、あるタイムスロット数S(i)のタイムスロットを指定した場合に1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つとなる確率P1(S(i),t)と、当該タイムスロット数S(i)の次に大きいタイムスロット数S(i+1)のタイムスロットを指定した場合に1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つとなる確率P1(S(i+1),t)とが等しくなる未読応答装置6の値をt1(i){i=1,2,・・・,n}と表記すると、この値t1(i)は、次の数式[数2]によって算出される。なお、数式[数2]において、記号“ln”は自然対数を示している。
Figure 2008102700
したがって、未読応答装置6の数tと値t1(i) {i=1,2,・・・,n}とを比較し、数t以上の値で最小の値min[t1(i)]を求める。そして、この最小の値min[t1(i)]をとるタイムスロット数S(i),S(i+1)のうち小さい方のタイムスロット数S(i)を新たな割当スロット数Sとして決定する。こうすることにより、未読応答装置6の識別情報を取得できる確率P1(S,t)を最も高くすることができる。
そこで本実施の形態では、割当可能なタイムスロット数S(i) {i=1,2,・・・,n}の種類毎に、当該タイムスロット数S(i)とこのタイムスロット数S(i)の次に大きいタイムスロット数S(i+1)とで、前記確率P1(S,t)が等しくなるときの未読応答装置数t1(i) {i=1,2,・・・,n}を算出する。そして、図5に示すように、これらタイムスロット数S(i)とそれに対応する未読応答装置数t1(i)とを関連付けて設定した対応データメモリ15を作成し、記憶部13で記憶しておく。
因みに、図5の例は、割当可能なタイムスロット数S(i)がS(1)=2、S(2)=4、S(3)=8、S(4)=16、S(5)=32の5種類の場合であり、この場合、S(1)とS(2)とで確率P1(S,t)が等しくなる未読応答装置数t1(1)が“2”、S(2)とS(3)とで確率P1(S,t)が等しくなる未読応答装置数t1(2)が“5”、S(3)とS(4)とで確率P1(S,t)が等しくなる未読応答装置数t1(3)が“11”、S(4)とS(5)とで確率P1(S,t)が等しくなる未読応答装置数t1(4)が“22”とそれぞれ算出されて、対応データメモリ15に設定される。
なお、数式[数2]の計算については、無線通信装置1の外部装置で行い、その結果を、データ入出力部11を介して記憶部13の対応データメモリ15に記憶する。こうすることにより、無線通信装置1の計算負荷とはならない。
ところで、前記の説明では、アンテナ2の交信領域3内に存在する応答装置4の数の情報を無線通信装置1が予め持っているものとした。予め持ってさえいれば、その数から読取成功スロットの数を減算することによって、残りの未読応答装置6の数tを算出することができる。しかし、用途によっては、無線通信装置1が応答装置4の数の情報を予め持つことが困難な場合がある。例えば、交信領域3内に存在する応答装置4の数を計数するために各応答装置4の識別情報を読み取る場合である。このような場合は、何らかの方法で未読応答装置6の数tを推定し、この推定値と値t1(1)とを比較して新たな割当スロット数Sを決定する必要がある。
そこで次に、未読応答装置6の数tを推定する方法について説明する。はじめに、従来から知られている方法について説明する。この従来方法は、読取成功スロットの数と空スロットの数と衝突スロットの数とをそれぞれ計数するとともに、そのスロット計数期間内の全てのスロット数を計数する。そして、これらのスロット数を確率変数とした確率密度関数を算出し、この確率密度関数が最大となる値を未読応答装置6の推定値teとする方法である。ただし、例えば読取成功スロットの数をA、空スロットの数をB、スロット計数期間内の全スロット数をCとすると、衝突スロットの数は(C−A−B)で求まる。同様に、読取成功スロットの数をA、衝突スロットの数をD、スロット計数期間内の全スロット数をCとすると、空スロットの数は(C−A−D)で求まる。また、読取成功スロットの数をA、空スロットの数をB、衝突スロット数をDとすると、全スロット数は(A+B+D)で求まる。このため、4つのスロット数のうちいずれか1つを計数する処理を省略することはできる。以後の説明では、衝突スロット数を計数する処理を省略する。
読取成功スロットの発生率は、1つのタイムスロットに対して識別情報を伝送する応答装置4が1つとなる確率と等価であるので、前記数式[数1]の確率P1(S,t)で示すことができる。これに従うと、空スロットの発生率は、次の数式[数3]の確率P0(S,t)で示される。
Figure 2008102700
また、衝突スロットの発生率は、スロット計数期間内のスロット数Cから、その期間内の読取成功スロット数Aと空スロット数Bとを減じたものが衝突スロットの数となるので、次の数式[数4]の確率Pc(S,t)で示される。
Figure 2008102700
したがって、読取成功スロット数Aと空スロット数Bとスロット計数期間内の全スロット数Cとを確率変数とした確率密度関数f(A,B,C)は、各スロット数A,B,Cを変数とする多項分布によって表すと、次の数式[数5]のようになる。
Figure 2008102700
ここで、Sは無線通信装置1が設定する値であり、A,B,Cは無線通信装置1で計数可能な値である。これに対し、未読応答装置6の数tは未知数である。よって、数式[数5]は、未読応答装置6の数tを変数とする関数として、次の数式[数6]のように表記できる。
Figure 2008102700
上記数式[数6]の解ft(t)を最大化するtの値は、tの最尤推定値teとなる。そこで、数式[数6]を導いた後、tの最尤推定値teを算出する処理を行う。ただし、この最尤推定値teは、各スロットの計数を開始する直前の未読応答装置6の推定値である。一方、無線通信装置1がサイクル開始信号startnにより各応答装置4に対して割当スロット数Sを指定すると、その後、未読応答装置6の数は読取成功スロットの数Aだけ減少する。したがって、次の割当スロット数Sを決定する時点では、未読応答装置6の推定値は(te−A)となる。
そこで無線通信装置1では、未読応答装置6の推定値(te−A)と値t1(i) {i=1,2,・・・,n}とを比較し、推定値(te−A)以上の値で最小の値min[t1(i)]を求める。そして、この最小の値min[t1(i)]をとるタイムスロット数S(i),S(i+1)のうち小さい方のタイムスロット数S(i)を新たな割当スロット数Sとして決定する。
このような従来の推定方法で、特に計算負荷が大きいのは、前記数式[数6]を導いた後、tの最尤推定値teを算出するときである。一方、推定値(te−A)は、スロット数A,B等の計数期間を終了した時点の未読応答装置6の値である。このため、最尤推定値teを算出するのに時間を要すると、最尤推定値teの計算中にも読取成功スロットが発生する可能性がある。そこで、最尤推定値teの計算中に発生した読取成功スロットの数A2も計数し、最尤推定値teを算出後、直ちに未読応答装置6の推定値(te−A−A2)と値t1(i) {i=1,2,・・・,n}とを比較する。そして、推定値(te−A−A2)以上の値t1(i)で最小の値min[t1(i)]を求める。そして、この最小の値min[t1(i)]をとるタイムスロット数S(i),S(i+1)のうち小さい方のタイムスロット数S(i)を新たな割当スロット数Sとして決定する必要がある。
ところで、各スロット計数期間内の全てのスロット数Cが大きければ大きいほど、読取成功スロットの数Aをスロット計数期間内の全スロット数Cで除算した値A/Cは、読取成功スロットの発生率に近付く。同様に、空スロットの数Bを全スロット数Cで除算した値B/Cは、空スロットの発生率に近付く。前記数式[数5]または[数6]の確率密度関数f(A,B,C)は、各スロット数A,B,Cを確率変数としている。このため、スロット計数期間を長くすることによってスロット数Cが大きくなるので、確率密度関数f(A,B,C)の精度が高まる。ひいては、未読応答装置6の推定値teの精度が高まる。
その一方で、未読応答装置6の数を推定するのに要する時間は、各スロット数A,B,Cの計数開始時点から考えると、その計数期間と推定値teの計算時間との合計時間となる。この合計時間が短ければ短いほど、無線通信装置1は、未読応答装置の数の変化に素早く対応できるようになる。すなわち、応答装置4の識別情報読取効率が高まる。
そこで本実施の形態では、推定値teの計算時間を短縮することによって、未読応答装置の数を推定するのに要する時間の短縮を図り、応答装置4の識別情報読取効率を高めるようにする。具体的には、前記数式[数6]の単純化を図る。
すなわち、空スロットの数Bとスロット計数期間内の全スロット数Cとを確率変数とした確率密度関数f(B,C)を計算する。この確率密度関数f(B,C)は、各スロット数B,Cから求まる二項分布によって表すと、次の数式[数7]となる。
Figure 2008102700
この数式[数7]は、C回の独立試行における確率変数Bの二項分布である。このため、確率変数Bの期待値mは、次の数式[数8]で示される。
Figure 2008102700
ここで、前記数式[数7]の導出においては、各スロット数B,Cを変数として扱っているが、これらスロット数B,Cは、前述したように無線通信装置1で計数可能である。また、Sは無線通信装置1が設定する値である。一方、数式[数8]の解mが空スロット数Bと同じ値となるような関数P0(S,t)の引数tが、確率変数である空スロット数Bの計数開始時点の未読応答装置6の数(推定値te)になるはずである。そこで、数式[数8]に、各スロット数B,Cと、前記数式[数3]の確率P0(S,t)と、無線通信装置1が設定した値Sとを代入し、未読応答装置6の推定値teを導くことを考えれば、その推定値teは、次の数式[数9]で簡単に求められる。
Figure 2008102700
なお、数式[数9]の値Sは、空スロット数Bの計数を開始する直前に無線通信装置1が指定した割当スロット数であり、数式[数9]により導出される解teは、同じ時点の未読応答装置6の推定値である。このため、無線通信装置1が空スロット数Bの計数を開始してから、次の割当スロット数Sを決定するまでの期間内に無線通信装置1が応答装置から読取った識別情報の数、つまりは読取成功スロットの数をA1とした場合、新たな割当スロット数Sを決定する時点での未読応答装置数の推定値は(te−A1)となる。
したがって、無線通信装置1では、新たな割当スロット数を決定する際、未読応答装置6の数の推定値(te−A1)と値t1(i) {i=1,2,・・・,n}とを比較し、推定値(te−A1)以上の値で最小の値min[t1(i)]を求める。そして、この最小の値min[t1(i)]をとるタイムスロット数S(i),S(i+1)のうち小さい方のタイムスロット数S(i)を新たな割当スロット数Sとして決定すればよい。
しかして無線通信装置1の制御部14は、図7の流れ図に示す手順に従い、アンテナ2の交信領域3内に存在する各応答装置4の識別情報を読取る動作を行う。なお、この動作を実行する上で利用するメモリエリアとして、図6に示すように、未読応答装置推定数teのメモリ16と、読取成功スロット数A1のカウンタ17と、空スロット数Bのカウンタ18と、スロット計数期間内全スロット数Cのカウンタ19と、サイクル回数nのカウンタ20とを記憶部13に形成している。
制御部14は、先ず、ST(ステップ)1としてサイクル回数カウンタ20のカウント値nを“0”にリセットする。また、ST2として読取成功スロット数カウンタ17,空スロット数カウンタ18及び全スロット数カウンタ19の各カウント値A1,B,Cをいずれも“0”にリセットする。
次に、ST3として上記サイクル回数カウンタ20のカウント値nを“1”だけカウントアップする。そして、ST4として上記サイクル回数カウンタ20のカウント値nが“1”であるかそれ以上であるかを判断する。
カウント値nが“1”の場合には、タイムスロット方式の1回目のサイクルを開始するので、制御部14は、ST5としてサイクル開始信号start.1を送受信処理部12に送信する。この際、サイクル開始信号start.1で各応答装置4に割り当てるスロット数Sは、予め設定された初期値とする。
その後、制御部14は、ST6としてタイムスロットの受信を待機する。そして、タイムスロットを受信したならば、ST7としてその受信タイムスロットが読取成功スロットであるか否かを判断する。そして、読取成功スロットであった場合には、制御部14は、ST8として読取成功スロット数カウンタ17のカウント値A1を“1”だけカウントアップする。また、ST11として全スロット数カウンタ19のカウント値Cを“1”だけカウントアップする。
これに対し、受信タイムスロットが読取成功スロットでなかった場合には、制御部14は、ST9として空スロットであるか否かを判断する。そして、受信タイムスロットが空スロットであった場合には、制御部14は、ST10として空スロット数カウンタ18のカウント値Bを“1”だけカウントアップする。また、ST11として全スロット数カウンタ19のカウントアップも行う。
一方、受信タイムスロットが読取成功スロットでも空スロットでもなかった場合には、制御部14は、ST11として全スロット数カウンタ19のカウントアップのみ行う。
その後、制御部14は、ST12としてタイムスロット方式の1サイクルを終了したか否かを判断する。終了していない場合には、ST6の処理に戻る。こうして、制御部14は、読取成功スロットの数A1及び空スロットの数Bと、その計数期間内の全スロット数Cとを、各スロット数カウンタ17,18,19でそれぞれ計数する。
1サイクルを終了すると、制御部14は、ST13として前記数式[数9]に空スロット数カウンタ18のカウント値Bと全スロット数カウンタ19のカウント値Cと、当該1サイクルの開始信号start.nで割当スロット数として設定した値Sとを代入して推定値teを算出する(推定値演算手段)。そして、この推定値teを未読応答装置推定数メモリ16にセットする。
ただし、この推定値teは、当該1サイクル開始時点の値である。そこで、制御部14は、さらに、ST14として未読応答装置推定数メモリ16の推定値teを、読取成功スロット数カウンタ17のカウント値A1だけ減算した値(te−A1)に更新する(推定値演算手段)。
しかる後、制御部14は、ST15として識別情報の読取終了か否かを判断する。例えば全てのタイムスロットが空スロットであるサイクルがN(N≧1)回連続した場合には読取終了と判断する。読取終了と判断できなかった場合には、ST2の処理に戻り、各スロット数カウンタA1,B,Cを”0”にリセットするとともに、サイクル回数カウンタ20のカウント値を“1”だけカウントアップして、次の1サイクルを実行する。
この場合、ST4にてサイクル回数カウンタ20のカウント値nが“1”以上であり、タイムスロット方式のn回目のサイクルを開始するので、制御部14は、ST16として未読応答装置推定数メモリ16の推定値teで前記対応データメモリ15を参照して、当該推定値te以上で最小の値t1(i)選択する。さらに、制御部14は、ST17として対応データメモリ15を検索して、選択した値t1(i)に対応して設定されているタイムスロット数S(i)を取得する(検索手段)。そして、ST18としてこのタイムスロット数S(i)を割当スロット数とするサイクル開始信号start.nを送受信処理部12に送信する(制御手段)。以後、前記ST6以降の処理を繰返し実行する。
なお、ST15にて読取終了と判断した場合には、制御部14は、今回の読取処理を終了する。
例えば今、無線通信装置1に設定されている割当スロット数の初期値を“8”とする。そして、図1に示すように、6個の応答装置4A〜4Fがアンテナ2の交信領域3内に存在しており、1回目のサイクルにおける無線通信装置1と各応答装置4A〜4Fとの信号送受パターンが図2に示すとおりであったとする。
この場合において、割当スロット番号s1〜s7までのタイムスロット受信時間を各スロット数カウンタ17,18,19による計数期間とし、割当スロット番号s8のタイムスロット受信時間を次の割当スロット数決定時間とすると、読取成功スロット数A1は“2”となり、空スロット数Bは“3”となり、全スロット数Cは“7”となる。また、スロット数計数直前の割当スロット数Sは初期値“8”である。したがって、前記数式[数9]により推定値teを求めると、推定値teは“6.345…”となる。さらに、読取成功スロット数A1は“2”であるので、推定値(te−A1)は“4.345…”となり、この値が未読応答装置推定数メモリ16にセットされる。なお、未読応答装置の数は、非負整数であるので、小数点以下を切り捨てて、推定値te=“4”を未読応答装置推定数メモリ16にセットしてもよい。
これにより、次のサイクルの開始前に、推定値te=“4.345…”または“4”で前記対応データメモリ15を参照して、当該推定値te以上で最小の値t1(i)選択する。さらに、対応データメモリ15を検索して、選択した値t1(i)に対応して設定されているタイムスロット数S(i)を取得する。
今、対応データメモリ15のデータが図5に示すとおりであったとすると、最小の値t1(i)は“5”(i=2)となる。したがって、タイムスロット数S(i)は“4” (i=2)となる。この結果、次のサイクルでは、割当スロット数Sを“4”としたサイクル開始信号start2が無線送信される。
このように、本実施の形態によれば、従来の未読応答装置推定数算出方法に相当する数式[数6]を単純化した数式[数9]を用いて未読応答装置の推定数teを算出しているので、計算負荷を軽減することができる。しかも、無線通信装置1が各応答装置4の識別情報を読取る際の最適な割当スロット数を演算で求めるのでなく、対応データメモリ15の検索によって求めている。したがって、無線通信装置1の計算負荷を大幅に軽減することができ、演算処理能力が低い低級機種でも無線通信装置1として適用できるので、低コスト化を図ることができる。
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば、前記数式[数3]は、変量を0とした二項分布となっている。変量Xの二項分布は確率変数Xのポアソン分布で近似できることが知られている。そこで、数式[数3]をポアソン分布で近似した確率を前記数式[数8]に代入して、未読応答装置の推定数teを求めると、次の数式[数10]のようになる。
Figure 2008102700
そこで、前記数式[数9]の代わりに、数式[数10]を用いて未読応答装置の推定数teを求めるようにしても、従来方法と比べて計算負荷を軽減することができる。
また、値t1(i)は、対応データメモリ15を参照するのでなく、前記数式[数2]で求めてもよい。
また、前記数式[数1]は、変量を“1”とした二項分布となっている。前述したように、変量Xの二項分布は、確率変数Xのポアソン分布で近似できる。そこで、数式[数1]をポアソン分布として近似した場合の値t1(i)を数式で表すと数式[数11]のようになる。
Figure 2008102700
さらにS(i)が初項a、等比rの等比数列である場合、数式[数11]は数式[数12]のようになる。
Figure 2008102700
したがって、値t1(i)は、前記数式[数2]でなく、数式[数11]で求めてもよい。また、値S(i)が初項a、等比rの等比数列である場合は、前記数式[数12]で求めることもできる。
また、前記実施の形態では、数式[数9]を用いて算出した推定値teからスロット数計数期間内の読取成功スロット数A1を減算することで、推定値teをスロット数計数期間経過後の未読応答装置6の推定値(te−A1)に更新したが、数式[数9]を用いて算出した推定値te、つまりはスロット数計数期間開始時の未読応答装置6の推定値teをそのまま利用して、次の割当スロット数Sを決定するようにしてもよい。この場合、読取成功スロット数カウンタ17を省略できる。また、図7中ST14の処理も省略できる。
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
本発明の一実施の形態である無線通信装置の要部構成を示すブロック図。 同実施の形態において、無線通信装置とそのアンテナの交信領域内に存在する複数の応答装置との間で送受される信号の一例を1サイクル分のみ示したタイミング図。 未読応答装置の数に対する確率P1(8,t)の対応関係を示すグラフ。 未読応答装置の数に対する確率P1(2,t),確率P1(4,t),確率P1(8,t)の対応関係を示すグラフ。 本実施の形態の対応データメモリに記憶されるデータの一例を示す模式図。 本実施の形態の記憶部に形成される主要なメモリエリアを示す模式図。 本実施の形態において制御部がアンテナの交信領域内に存在する各応答装置の識別情報を読取る際の制御手順の要部を示す流れ図。
符号の説明
1…無線通信装置、2…アンテナ、3…交信領域、4(4A〜4F)…応答装置、11…データ入出力部、12…送受信処理部、13…記憶部、14…制御部、15…対応データメモリ、16…未読応答装置推定数メモリ、17…読取成功スロット数カウンタ、18…空スロット数カウンタ、19…全スロット数カウンタ。

Claims (6)

  1. アンテナから1以上の応答装置に所定数のスロットを割り当てる信号を送信すると、この信号を受信した応答装置のうち未だ識別情報が読取られていない未読応答装置が個別に1つのスロットを選択しそのスロットに当該応答装置固有の識別情報を含ませて伝送する無線通信方式を用いて各応答装置の識別情報を読取る無線通信装置において、
    前記信号を送信してから所定期間内にスロット計数期間内の総てのスロット数を計数する全スロット数カウンタと、
    前記スロット計数期間内の総てのスロットのうち応答装置が識別情報を伝送していない空スロットの数を計数する空スロット数カウンタと、
    前記所定期間が経過した時点の未読応答装置の推定数を、前記全スロット数カウンタ及び空スロット数カウンタの各計数値と前記所定期間開始時に送信された信号により割り当てられたスロットの数とに基づいて算出する推定値演算手段と、
    前記推定値演算手段により算出された推定値に基づき、次に送信する前記信号で割り当てるスロット数を決定する決定手段とを具備したことを特徴とする無線通信装置。
  2. 割当可能なスロット数の範囲内において、前記未読応答装置の数に対して1つのスロットに前記識別情報を含ませて伝送する未読応答装置が1つである確率が最も高くなるスロット数の対応関係を示すデータを記憶する対応データ記憶部と、
    前記推定値演算手段により算出された未読応答装置の推定値で前記対応データ記憶部を検索して当該推定値に対応するスロット数を読み出す検索手段と、
    この検索手段により前記記憶部から読み出した数のスロットを割り当てる信号を前記アンテナから送信させる制御手段と、
    をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記スロット計数期間内の総てのスロットのうち1つの応答装置のみが識別情報を伝送している読取成功スロットの数を計数する読取成功スロット数カウンタと、
    前記推定値演算手段により算出された推定値を前記読取成功スロット数カウンタで計数された計数値だけ減算した値に更新する推定値更新手段とをさらに具備し、
    前記決定手段は、前記推定値更新手段により算出された推定値に基づき、次に送信する前記信号で割り当てるスロット数を決定することを特徴とする請求項1または2記載の無線通信装置。
  4. 前記対応データ記憶部は、割当可能なスロット数の種類毎に、当該スロット数とこのスロット数の次に大きいスロット数とで前記確率が等しくなるときの未読応答装置数を記憶し、
    前記検索手段は、前記信号を送信する前の時点の前記未読応答装置の推定値と前記対応データ記憶部に記憶されている未読応答装置数とを比較し、前記推定値以上最小の未読応答装置数を選択して当該未読応答装置数に対応したタイムスロット数を読み出すことを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
  5. 前記推定値演算手段は、前記全スロット数カウンタの計数値をC、空スロット数カウンタの計数値をB及び前記所定期間開始時に送信された信号により割り当てられたスロットの数をSとしたとき、演算式[(lnB−lnC)/{ln(S−1)−lnS}]で未読応答装置の推定数を算出することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一記載の無線通信装置。
  6. 前記推定値演算手段は、前記全スロット数カウンタの計数値をC、空スロット数カウンタの計数値をB及び前記所定期間開始時に送信された信号により割り当てられたスロットの数をSとしたとき、演算式[−S(lnB−lnC)]で未読応答装置の推定数を算出することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一記載の無線通信装置。
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