JP2008101717A - ダイアフラム弁構造および該弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ - Google Patents

ダイアフラム弁構造および該弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ Download PDF

Info

Publication number
JP2008101717A
JP2008101717A JP2006285482A JP2006285482A JP2008101717A JP 2008101717 A JP2008101717 A JP 2008101717A JP 2006285482 A JP2006285482 A JP 2006285482A JP 2006285482 A JP2006285482 A JP 2006285482A JP 2008101717 A JP2008101717 A JP 2008101717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
valve
valve body
pressure chamber
spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2006285482A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoshi Tagawa
智志 田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Nabtesco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabtesco Corp filed Critical Nabtesco Corp
Priority to JP2006285482A priority Critical patent/JP2008101717A/ja
Publication of JP2008101717A publication Critical patent/JP2008101717A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Check Valves (AREA)

Abstract

【課題】弁体に形成された溝部に変形したダイアフラムが侵入することで、バイパス通路を狭小化させてしまうことがあった。本発明はそうしたバイパス通路の狭小化を防止し、バイパス通路の機能有効性を確保するものである。
【解決手段】本発明のダイアフラム弁構造2は、ダイアフラム35と弁体11との間に、少なくともダイアフラム35に比べて硬質な材料からなる板部材71を配置する。さらに、この板部材71は、ダイアフラム35とバネ受け部材29との間の位置ずれを防止するための凸部73などを備えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バルブ本体内の圧力室とカバー内の大気圧室とを区画するダイアフラムを有するダイアフラム弁構造、およびこの弁構造を備えた車両用のマルチプロテクションバルブに関する。
マルチプロテクションバルブは、下記の特許文献1に示すように、車両のエアブレーキシステムに組み込まれるバルブの一つであって、入力ポートを介して圧縮空気源装置としてのエアコンプレッサに接続される。エアコンプレッサから供給された圧縮エアは、エアドライヤを経て入力ポートからマルチプロテクションバルブに流入する。マルチプロテクションバルブは複数の出力ポートを備え、各出力ポートのそれぞれが複数のエア圧回路に接続されている。マルチプロテクションバルブの基本的な役割は、これら各エア圧回路のうちいずれか1つが失陥してエア漏れを生じたとしても、他の正常なエア圧回路の圧力を継続して保護することにある。
マルチプロテクションバルブは、図2の回路図に示すように、各エア圧回路に対応して複数の弁部125、127、167、169を備えている。それらのうち上流側(入力ポート122に近い側)に位置する第1弁部125および第2弁部127は、車両のサービスブレーキ用のエア圧回路119aおよび119bに対応して設けている。別の第3弁部167はパーキングブレーキ用のエア圧回路119cに対応して設け、第4弁部169は補器用のエア圧回路119dに対応して設けている。これら複数の弁部125、127、167、169は、対応するエア圧回路が失陥してエア漏れを生じたとき、閉弁することでそれより上流側のエア圧力を保持し、他の正常なエア圧回路の圧力を保護する。
特許文献1に示すマルチプロテクションバルブの複数の弁部は、ダイアフラムを含むダイアフラム弁構造を採用している。これら弁部の各ダイアフラムは、バルブ本体内の圧力室とカバー内の大気圧室とを区画するように設けられている。カバー内の大気圧室にはダイアフラムに当接するバネ受け部材および該バネ受け部材を介してダイアフラムを圧力室側へ付勢するコイルバネが設けられている。このコイルバネおよび圧力室内の圧力の付勢力によるダイアフラムの動きに応じて、圧力室内に設けた弁が開閉される。
これら複数の弁部のうち第1弁部125に注目する。この第1弁部125は、図3の断面図で示すように、バルブ本体113内の圧力室121とカバー104A内の大気圧室139とを区画するダイアフラム135を備えている。大気圧室139内には、ダイアフラム135に当接するバネ受け部材129と、このバネ受け部材129に一端が支持されて該バネ受け部材129を介してダイアフラム135を圧力室121側へ付勢するコイルバネ141とを配置している。コイルバネ141の付勢力は、圧力室121内の圧力によりダイアフラム135を大気圧室139側へ押圧する力に抗するものである。圧力室121側には、ダイアフラム135に当接する弁体101を備えている。この弁体101は、ダイアフラム135を介したコイルバネ141の付勢力によって、バルブ本体103の弁座131の着座方向に押圧されている。この弁体101は、互いに対向する圧力室121内のエア圧力およびコイルバネ141の付勢力に応じて、弁座131に着座または離座するように構成されている。こうした弁体101と弁座131とで構成された第1弁部125は、圧力室121内の一次側室121aと二次側室121bとを連通または遮断するものである。
弁体101の内部には、第1弁部125に対して並列に、上記圧力室121内の一次側室121aと二次側室121bとを連通するバイパス通路191が設けられている。このバイパス通路191は、二次側室121bから一次側室121aへ向かう流れを阻止するための逆止弁体151と、この逆止弁体151と一次側室側121aとの間に位置する絞り103とを有する。逆止弁体151は、絞り103のダイアフラム135側周囲に設けた環状弁座152に着離座するものであり、ダイアフラム135との間に設けた逆止弁バネ142によってその環状弁座152に対して着座方向に付勢されている。この逆止弁体151は、環状弁座152に当接して着座状態にあるとき、バイパス通路191の一次側室121aから二次側室121bへのエアの流れのみを許容する。
特開2005−127477号公報
さて、弁体101のダイアフラム35に対する当接面には、バイパス通路91の一部を構成する溝111を設けている。この溝111は、逆止弁体151の軸心方向と直交する方向に延び、周方向で並ぶように複数箇所に設けられている。ゴム等の可撓性材料からなるダイアフラム135に対して弁体101が圧接される構成のため、弁体101に設けた溝111内にダイアフラム135の一部が変形して侵入し、この溝111が一部をなすバイパス通路191を狭小化してしまう。換言すれば、バイパス通路191の一部あるいはほとんどを塞いでしまう。バイパス通路191は、第1弁部125の閉じ状態で、一次側室121aのエア圧力の一部を二次側室121bへ供給することによって、第1弁部125の開弁圧力を下げるように機能する。これによれば、例えば別の第2弁部127に対応するエア圧回路が失陥してエア漏れを生じたとき、この第2弁部127が開弁するよりも早く第1弁部125が開弁することで、その他の正常なエア圧回路を有効に継続して保護することができる。しかし、上記のように、弁体101の溝111内に変形したダイアフラム135が侵入することでバイパス通路191が狭小化された(一部あるいはほとんどが塞がれた)場合、こうしたエア圧回路の保護機能が正常に作用しなくなる恐れがある。
さらに、第1弁部125を組み立てるとき、バネ受け部材129のダイアフラム135に対する位置が、その第1弁部125の軸心方向と直交する方向でずれる場合がある。当該位置ずれが発生すると、コイルバネ141による軸方向の付勢力が正常に作用しなくなり、弁体101の着座力不足を招いて開弁圧力が変動してしまうことになる。位置ずれが大きければ、エア漏れを引き起こす事態にもなる。
この場合、当該位置ずれを防止するためにバネ受け部材129の軸心方向の動きを当該バネ受け部材129の周辺のカバー104A等で案内することも考えられる。しかし、このような案内手段を設けると、バネ受け部材129の軸心方向の動きに抵抗が生ずるため、弁体101の開弁圧力に変動を生じる恐れがある。また、例えば万が一、ダイアフラム135が傷ついて圧力室121内のエアがバネ受け部材129の側(大気圧室139)へ漏れたとき、こうした案内手段は、その漏れたエアがスムーズに大気圧室39を経由して外部へ排出されることを阻害するおそれがある。エアがスムーズに排出されないと、ダイアフラム135の損傷(故障)発生にも係わらず第1弁部125の閉じ動作に支障を生じることになる。また、逆止弁バネ142のダイアフラム135に対する位置が第1弁部125の軸心方向と直交する方向でずれる場合がある。そして、この場合は逆止弁バネ142および逆止弁体151が傾倒してエア漏れを引き起こす事態となる。従って、作業者はこのような第1弁部125を含むバルブを組み立てる時、上記位置ずれが起きないように注意深く作業することが求められていた。
本発明は、このような背景技術および背景技術が抱える問題点の存在を踏まえてなされたものであって、弁体に形成されたバイパス通路が狭小化するのを防止することで、正常な作用を維持できるダイアフラム弁構造を提供し、特にマルチプロテクションバルブに採用したときにはエア圧回路の保護機能が正常に作用するように構成したダイアフラム弁構造を提供することを目的とする。また、こうしたダイアフラム弁構造を備えたマルチプロテクションバルブを提供することを目的とする。
また、本発明は、ダイアフラムとバネ受け部材との間の位置ずれを防止してコイルバネの軸方向の付勢力を正常に作用させることができ、組み立てが簡単で組み立て作業の労力を軽減することができるダイアフラム弁構造およびこの弁構造を備えたマルチプロテクションバルブを提供することを他の目的とする。
この発明のさらにその他の目的については、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の第1の態様に係るダイアフラム弁構造は、バルブ本体内の圧力室とカバー内の大気圧室とを区画するダイアフラムと、前記大気圧室内に配置され、該大気圧室側から前記ダイアフラムに当接するバネ受け部材と、前記バネ受け部材に一端が支持されて、該バネ受け部材を介して前記ダイアフラムを圧力室側へ付勢するコイルバネと、前記圧力室内に配置され、前記バネ受け部材および前記ダイアフラムを介した前記コイルバネの付勢力によって圧力室内に位置する弁座の着座方向に付勢される弁体とを備える。そして、こうしたダイアフラム弁構造は、前記圧力室内の圧力および前記コイルバネの付勢力に応じた前記ダイアフラムの動きによって前記弁体と前記弁座とで構成された弁を開閉し、前記圧力室内の一次側室と二次側室とを連通または遮断する。前記弁体の内部には、前記弁に対して並列に前記一次側室と前記二次側室とを連通するためのバイパス通路を設ける。当該バイパス通路は、前記一次側室から前記二次側室への流れのみを許すチェック弁と、該チェック弁と前記一次側室との間に位置する絞りとを備えている。
こうしたダイアフラム弁構造において、本発明の第1の態様における特徴の一つは、前記ダイアフラムと前記弁体との間に、少なくともダイアフラムに比べて硬質な材料からなる板部材を配置したところにある。そして、これら板部材と弁体との互いの当接面の少なくとも一方に、バイパス通路の一部となる溝部を設けたものである。
本発明の第1の態様によれば、ゴム等の可撓性材料から形成されるダイアフラムに対して板部材が接触し、この板部材と弁体との間にバイパス通路を形成する。したがって、圧力室内の圧力およびコイルバネの付勢力が作用して、ダイアフラムと板部材および板部材と弁体とがそれぞれ圧接されるような状態でも、バイパス通路が狭小化するような事態を防止できる。したがって、バイパス通路の機能有効性を確保でき、このバイパス通路による作用を正常に維持することができる。この板部材および弁体は、上記圧接された状態でもほとんど変形しないような材料であって、例えば樹脂材料から形成することができる。
また、本発明の第2の態様に係るダイアフラム弁構造は、前記第1の態様において、前記板部材は、前記ダイアフラムを貫通して前記バネ受け部材に嵌合し、前記バネ受け部材の前記ダイアフラムに対する位置ずれを防止する凸部を備えたことを特徴とする。本態様によれば、板部材に設けた凸部によって、ダイアフラムとバネ受け部材との間の位置ずれを防止することができ、コイルバネによる軸方向の付勢力を正常に作用させることができる。したがって、弁体の着座力不足によって引き起こされる開弁圧力の変動やエア漏れを防止することができる。また、バネ受け部材に案内手段等を作用させる必要がないから、バネ受け部材の動きを妨げる抵抗等を生じることがなく、そうした抵抗等に起因する弁体の開弁圧力の変動を防止できる。また、板部材の凸部がバネ受け部材に嵌合する構成であるため、ダイアフラムと弁体との間の位置決めを簡単に行うことができ、組み立て作業の労力の軽減を図ることができる。
また、本発明の第3の態様に係るダイアフラム弁構造は、前記第2の態様において、弁体の内部に形成するバイパス通路は、ダイアフラムの移動方向に延びて当該弁体を貫通する中央孔と、この中央孔に連通してダイアフラムの移動方向と直交する方向に延びる前記溝部とからなり、当該バイパス通路の中央孔に前記チェック弁および前記絞りを備えたことを特徴とする。本態様によれば、弁体の内部に形成したバイパス通路にチェック弁および絞りを有効に配置することができ、ダイアフラム弁構造の小型化を図ることができる。
また、本発明の第4の態様に係るダイアフラム弁構造は、前記第3の態様において、前記中央孔に備えたチェック弁は、前記中央孔の軸方向に沿って動くことで前記絞りの前記板部材側周囲に設けた環状弁座に着離座する逆止弁体と、この逆止弁体を前記環状弁座の着座方向に付勢する逆止弁バネとを備え、前記板部材の前記弁体側には、前記逆止弁バネの一端を支持するバネ受座を設けたことを特徴とする。本態様によれば、板部材に設けたバネ受座によって、逆止弁バネとダイアフラムとの間の位置ずれを防止することができ、逆止弁バネおよび逆止弁体の傾倒を防止することができる。したがって、逆止弁バネおよび逆止弁体の傾倒によって引き起こされる開弁圧力の変動やエア漏れを防止することができる。また、逆止弁バネとダイアフラムとの間の位置決めを簡単に行うことができ、組み立て作業の労力の軽減にも寄与し得る。
本発明の第5の態様に係るマルチプロテクションバルブは、ダイアフラムを含むダイアフラム弁構造の複数の弁部と、外部に設けられる圧縮空気源装置に接続される入力ポートと、外部に設けられるエア圧回路に接続される複数の出力ポートと、前記複数の弁部、入力ポートおよび複数の出力ポートをつなぐエア流路とを備えるマルチプロテクションバルブであって、前記ダイアフラム弁構造として本発明の第1〜第4のいずれか1つの態様のダイアフラム弁構造を適用したことを特徴とするものである。
本発明の第5の態様によれば、弁体に形成したバイパス通路が狭小化するのを防止してそのバイパス通路による作用を正常に維持することで、エア圧回路の保護機能が正常に作用するように構成したダイアフラム弁構造を備えたマルチプロテクションバルブを提供することができる。また、ダイアフラムとバネ受け部材との間の位置ずれを防止してコイルバネの軸方向の付勢力を正常に作用させることができることで、組み立て作業の労力を軽減することができるダイアフラム弁構造を備えたマルチプロテクションバルブを提供することができる。
本発明によれば、弁体に形成したバイパス通路が狭小化するのを防止してそのバイパス通路による作用を正常に維持することができる。また、ダイアフラムとバネ受け部材との間の位置ずれを防止してコイルバネの軸方向の付勢力を正常に作用させることができる。また、ダイアフラムと逆止弁バネとの間の位置ずれを防止して逆止弁バネおよび逆止弁体の傾倒を防止することができる。そして、これに伴い弁体の着座力不足によって引き起こされる開弁圧力の変動やエア漏れを防止することができる。また、組み立て作業の労力の軽減を図ることができる。
以下、本発明に係るダイアフラム弁構造を実施するための一実施例であって、マルチプロテクションバルブに採用したダイアフラム弁構造について説明する。なお、ここで説明するダイアフラム弁構造は、図2および図3に示す従来のマルチプロテクションバルブにおける第1弁部125に本発明を採用した態様に相当する。マルチプロテクションバルブとしての基本的な機能および構成は、従来と同様であるため、上述の背景技術での説明に委ねることとし、ここで詳しい説明をしない。
図1は、マルチプロテクションバルブの部分断面図であって、本発明に係るダイアフラム弁構造2の断面図(a)と、同図矢視bを拡大して示す断面図(b)である。
本実施例のダイアフラム弁構造2は、バルブ本体3内の圧力室21とカバー4内の大気圧室39とを区画するダイアフラム35と、大気圧室39側から該ダイアフラム35に当接するバネ受け部材29と、このバネ受け部材29に一端が支持されてバネ受け部材29を介して上記ダイアフラム35を圧力室21側へ付勢するコイルバネ41と、圧力室21側から上記ダイアフラム35に当接するとともに上記コイルバネ41の付勢力によって圧力室21側に存する弁座31の着座方向に付勢される弁体11とを備えている。弁体11と弁座31とで構成された弁部25は、圧力室21内の一次側室21aと二次側室21bとを連通または遮断するものである。
カバー4は、大気圧室39を大気開放するための大気開放口37を備える。この大気開放口37には、外部から大気圧室39へ水や粉塵が浸入しないように、ゴム製で環状のチェックバルブ37Aを備える。
弁体11の内部には、該弁体11と弁座31とで構成した弁部25に対して並列に位置し、圧力室21の一次側室21aと二次側室21bとを連通するバイパス通路12が設けられている。バイパス通路12は、ダイアフラム35の移動方向(該弁体11の軸心方向)に延びて弁体11を貫通する中央孔12aと、この中央孔12aに連通してダイアフラム35の移動方向と直交する方向に延びる溝部12bとからなる。溝部12bは、弁体11に対してダイアフラム35側に設けられ、周方向で並ぶように複数箇所(例えば、4箇所)に設けられている。バイパス通路12は、二次側室12bから一次側室12aへ向かう流れを阻止するチェック弁16と、このチェック弁16と一次側室12aとの間に位置する絞り13とを備えている。絞り13は、弁体11に対してダイアフラム35側とは反対側に設けられている。チェック弁16は、絞り13とダイアフラム35との間に位置し、絞り13の周囲に設けられた環状弁座17と、この環状弁座17に当接する逆止弁体15と、この逆止弁体15を環状弁座17との着座方向に付勢する逆止弁バネ14とを含む。
さて、本発明に係るダイアフラム弁構造の特徴的な構成の一つとして、ダイアフラム35と弁体11との間には、板部材71を配置している。板部材71は、ゴム製のダイアフラム35に比べてより硬質な樹脂材料から形成されており、ダイアフラム35および弁体11に対して面接触する円盤状部72を主体に形成されている。弁体11は、この板部材71の円盤状部72との当接面に、上記バイパス通路12の一部となる溝部12bを備える。この構成によって、圧力室21内の圧力やコイルバネ41の付勢力が作用するとき、従来のように溝部12bがダイアフラムの一部で埋められてその通路が狭小化するような事態を避けている。
板部材71は、主体となる円盤状部72の軸心部分のダイアフラム35側に凸部73を有し、弁体11側に逆止弁バネ14の一端を支持するバネ受座74を有する。一方の凸部73は、ダイアフラム35を貫通してバネ受け部材29の凹部29aに嵌合し、ダイアフラム35と弁体11との間の軸心方向と直交する方向の位置ずれを防止している。凸部73の裏側に位置するバネ受座74は、弁体11側に向けて突出するように設けられており、逆止弁バネ14をその内周側から支持することで、ダイアフラム35と逆止弁バネ14との間の軸心方向と直交する方向の位置ずれを防止している。こうした位置ずれを防止することによって、弁体11の弁座31に対する着座力不足や逆止弁バネ14および逆止弁体15の傾倒によって引き起こされる開弁圧力変動やエア漏れの防止を図ることができる。また、それら凸部73およびバネ受座74を基準にして、バネ受け部材29とダイアフラム35との間の位置決め、およびダイアフラム35と逆止弁バネ14との間の位置決めを容易に行うことができ、組み立て作業の労力の軽減を図ることができる。
また、板部材71のバネ受座73は、チェック弁16を開くとき、つまり逆止弁バネ14の付勢力に抗して逆止弁体15が環状弁座17から離れるとき、その逆止弁体15の移動範囲を規定するストッパとしても機能する。環状弁座17から離れた開位置の逆止弁体15は、逆支弁バネ14でのみ支えられた不安定な状態にあった場合、振動音の発生を招くことになる。しかし、本実施例において開位置の逆止弁体15は、板部材71のバネ受座73の先端に当接することで状態を安定化できるので、そうした振動音の発生を防ぐことができる。
板部材71をより詳細に見ると、ダイアフラム35側に位置する凸部73は、その先端部分(バネ受け部材29の凹部29aに嵌合する部分)に径方向外側へ延びるフランジ73fを有する。板部材71は、このフランジ73fと円盤状部72との間にダイアフラム35を挟み込むようにして、ダイアフラム35に取り付けられている。このフランジ73fを設けることによれば、板部材71とダイアフラム35との間の機密性の確保(エア漏れの防止)を図る上で有効である。また、この板部材71とダイアフラム35との間の機密性を確保するためには、両部材を接着剤を介して接着することやモールド成型で形成することも有効である。
本願発明の一実施例としてダイアフラム弁構造2および該弁構造2を備えたマルチプロテクションバルブについて説明したが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。例えば、弁体11に設けた溝部12bを板部材71に設けることもできる。
本願発明は、バルブ本体内の圧力室とカバー内の大気圧室とを区画するダイアフラムを有するダイアフラム弁構造の製造、使用分野あるいは該弁構造を備えた車両用のマルチプロテクションバルブの製造、使用分野等で利用でき、特に弁体に形成したバイパス通路が狭小化するのを防止してバイパス通路の機能有効性を確保し、そのバイパス通路による作用を正常に維持することができるものである。
本発明のダイアフラム弁構造を拡大して示す断面図(a)と、同図矢視bを更に拡大して示す断面図(b)である。 マルチプロテクションバルブの回路図である。 従来のマルチプロテクバルブ(ダイアフラム弁構造)の断面図である。
符号の説明
2 ダイアフラム弁構造
3 バルブ本体
4 カバー
11 弁体
12 バイパス通路
12a 中央孔
12b 溝部
13 絞り
14 逆止弁バネ
15 逆止弁体
16 チェック弁
17 環状弁座
19 嵌合凸部
11 嵌合凹部
11 バネ受座
21 第1圧力室
21a 一次側室
21b 二次側室
22 入力ポート
25 弁部
29 バネ受け部材
31 弁座
35 ダイアフラム
39 大気圧室
41 コイルバネ
71 板部材
72 円盤状部
73 凸部
73f フランジ
74 バネ受座

Claims (5)

  1. バルブ本体内の圧力室とカバー内の大気圧室とを区画するダイアフラムと、
    前記大気圧室内に配置され、該大気圧室側から前記ダイアフラムに当接するバネ受け部材と、
    前記バネ受け部材に一端が支持されて、該バネ受け部材を介して前記ダイアフラムを圧力室側へ付勢するコイルバネと、
    前記圧力室内に配置され、前記バネ受け部材および前記ダイアフラムを介した前記コイルバネの付勢力によって圧力室内に位置する弁座の着座方向に付勢される弁体とを備え、
    前記圧力室内の圧力および前記コイルバネの付勢力に応じた前記ダイアフラムの動きによって前記弁体と前記弁座とで構成された弁を開閉し、前記圧力室内の一次側室と二次側室とを連通または遮断するダイアフラム弁構造であって、
    さらに、前記弁体の内部には、前記弁に対して並列に前記一次側室と前記二次側室とを連通するためのバイパス通路を設け、当該バイパス通路は、前記一次側室から前記二次側室への流れのみを許すチェック弁と、該チェック弁と前記一次側室との間に位置する絞りとを備えたダイアフラム弁構造において、
    前記ダイアフラムと前記弁体との間に、少なくとも前記ダイアフラムに比べて硬質な材料からなる板部材を配置するとともに、当該板部材と前記弁体との互いの当接面の少なくとも一方に、前記バイパス通路の一部となる溝部を設けたことを特徴とする、ダイアフラム弁構造。
  2. 前記板部材は、前記ダイアフラムを貫通して前記バネ受け部材に嵌合し、前記バネ受け部材の前記ダイアフラムに対する位置ずれを防止する凸部を備えた、請求項1に記載のダイアフラム弁構造。
  3. 前記バイパス通路は、前記ダイアフラムの移動方向に延びて前記弁体を貫通する中央孔と、この中央孔に連通して前記ダイアフラムの移動方向と直交する方向に延びる前記溝部とからなり、当該バイパス通路の前記中央孔に前記チェック弁および前記絞りを備えた、請求項2に記載のダイアフラム弁構造。
  4. 前記中央孔に備えたチェック弁は、前記中央孔の軸方向に沿って動くことで前記絞りの前記板部材側周囲に設けた環状弁座に着離座する逆止弁体と、この逆止弁体を前記環状弁座の着座方向に付勢する逆止弁バネとを備え、前記板部材の前記弁体側には、前記逆止弁バネの一端を支持するバネ受座を設けた、請求項3に記載のダイアフラム弁構造。
  5. ダイアフラムを含むダイアフラム弁構造の複数の弁部と、
    外部に設けられたエアコンプレッサに接続される入力ポートと、
    外部に設けられたエアチャンバに接続される複数の出力ポートと、
    前記複数の弁部、入力ポートおよび複数の出力ポートをつなぐエア流路と、を備えるマルチプロテクションバルブであって、
    前記ダイアフラム弁構造として、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載したダイアフラム弁構造を適用したことを特徴とする、ダイアフラム弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ。
JP2006285482A 2006-10-19 2006-10-19 ダイアフラム弁構造および該弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ Ceased JP2008101717A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006285482A JP2008101717A (ja) 2006-10-19 2006-10-19 ダイアフラム弁構造および該弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006285482A JP2008101717A (ja) 2006-10-19 2006-10-19 ダイアフラム弁構造および該弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008101717A true JP2008101717A (ja) 2008-05-01

Family

ID=39436198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006285482A Ceased JP2008101717A (ja) 2006-10-19 2006-10-19 ダイアフラム弁構造および該弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008101717A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101371432B1 (ko) 2013-11-01 2014-03-07 주식회사 산청 바이패스구조를 갖는 호흡보호용 공기공급장치의 압력조절기

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005090524A (ja) * 2003-09-12 2005-04-07 Tgk Co Ltd 大気開放弁
JP2006168393A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Nabtesco Corp プロテクションバルブ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005090524A (ja) * 2003-09-12 2005-04-07 Tgk Co Ltd 大気開放弁
JP2006168393A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Nabtesco Corp プロテクションバルブ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101371432B1 (ko) 2013-11-01 2014-03-07 주식회사 산청 바이패스구조를 갖는 호흡보호용 공기공급장치의 압력조절기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4753676B2 (ja) ブースタバルブ
US11505171B2 (en) Noise damper for compressed air systems and a method for the production of same
KR100445233B1 (ko) 다이어프램형 전자밸브
JP5302504B2 (ja) マルチプロテクションバルブ
JP2008101717A (ja) ダイアフラム弁構造および該弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ
US10006558B2 (en) Pilot-operated solenoid valve
WO2020194927A1 (ja) ブラケット付き防振装置
JP2006029573A (ja) 圧力緩和構造を備えた逆止弁
JP5802185B2 (ja) 過流防止逆止弁
US20210341075A1 (en) Pneumatic lost motion/binary device system and method
US11441561B2 (en) Vane pump
JP4743834B2 (ja) プロテクションバルブ
WO2010058726A1 (ja) ダイヤフラムバルブ
JP7436242B2 (ja) 過流防止弁
US10480676B2 (en) Valve
US9976663B2 (en) Intelligent pressure relief device for a double isolation valve
US20110108141A1 (en) Check ball valve assembly with check ball guide
JP2009085405A (ja) 液封入式防振装置
US9169938B2 (en) Forward check valve and fuel cell system
JP5790786B2 (ja) バルブ、燃料電池システム
JP7368174B2 (ja) リリーフバルブ
JP2007113604A (ja) ダイアフラム弁構造及び該弁構造を備えたマルチプロテクションバルブ
JP2019211010A (ja) 電磁弁マニホールド
JP2016109218A (ja) 高圧ガス用シール構造
JP2022164452A (ja) バルブ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20090915

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110905

A521 Written amendment

Effective date: 20111111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A045 Written measure of dismissal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20120626