JP2008098415A - 超電導機器 - Google Patents

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正広 花井
Takashi Yazawa
孝 矢澤
Haruhisa Wada
治寿 和田
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博 小山
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Abstract

【課題】超電導素子からの温度、歪み、あるいは部分放電の測定を非接触の無線通信で行ない、絶縁が容易で、クライオスタット内への熱侵入が少なく、信頼性の高い超電導機器を提供する。
【解決手段】本発明に係る超電導機器10は、超電導素子26を超電導性を示す温度まで冷却して超電導状態で用いたものである。
センサ付きICタグ13がクライオスタット11の外部に設けられたICタグのリーダライタ27と無線通信可能な位置に設けたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超電導材料を用いた電力用機器に係り、特に、超電導素子からの温度、歪み、あるいは部分放電状態を効率よく監視する検出機能に改良を施した超電導機器に関する。
近年我国を始め世界の経済は安定成長期にある。経済の成長期に略比例して電力需要が増加することが知られており、電力需要は着実に増大し続けている。電力需要の増大に対処するために、発電設備や送電設備を増設する必要性が高い。
しかし、新たな発電所の建設や送電設備の敷設には、用地取得の困難性があり、電力系統による電力の安定供給のための余裕度の低下等の諸問題が顕在化している。中でも、送電電力容量の増大化や超距離送電の安定化への対応が益々困難となっている。
最近では、電力需要の増大に伴なう問題を解決する技術として、超電導現象を利用した超電導機器の開発が注目されている。
例えば、送電設備に備えられる送電路線に超電導技術が用いられると、通常の銅線とは比較にならないほどの電流密度を流すことができ、電気抵抗による損失がなくなるために、大電流を流すことができる。したがって、超電導技術を用いると、大きな電力を送るために送電線路を大形化して送電電圧を上昇させる必要がなくなるので、送電設備の敷設のために、新たな土地等の確保を最小限に抑えることができる等の利点が大きい。
このような超電導技術は電力機器・設備への適用に関して、比較的古くから検討されており、近年では、交流用超電導機器の開発と相俟って、超電導変圧器等の交流電気機器への応用研究も進んでいる。交流電気機器に使用される超電導素子についても、液体ヘリウム温度で超電導特性を示すNbTi,NbSn等の金属系超電導体の他、液体窒素温度でも超電導特性を示すBi系やY系等の酸化物超電導体も適用できるようになりつつある。超電導材料としては、超電導臨界温度が高く、臨界密度と臨界磁界が大きい程、利用価値が高い。
現在では、6.6kV、1000kVAクラスの超電導変圧器の試作および超電導ケーブル、超電導限流器の開発も報告されている。
ところで、完全導電性(電気抵抗零)、完全反磁性(マイスナー効果)、ジェフソン効果等の超電導現象を利用した電力用交流機器は、超電導素子を超電導状態に維持するために、極低温度に冷却することが必要である。
このために、電力用交流機器では、温度を主な検出項目としたセンサを取り付け、クエンチ現象の発生を診断するために、超電導素子およびその周辺近傍の温度を測定することは、超電導素子の異常や欠陥を検出する上で、非常に有効的な検出方法である。
従来、電力用交流機器に用いられる超電導素子の温度の測定には、種々の測定方法が提案されている。特許文献1に記載された超電導限流器では、超電導素子の断線、特性不良等の不具合を検出するために、ある超電導素子の部分間に発生する電圧をモニタリングし、電圧が発生した場合に、クエンチ現象が発生したものである、と判断している。
また、特許文献2と記載された超電導限流器(装置)は、熱の影響で超電導状態が破壊され易い、限流素子端部あるいは限流素子内の接続部の常電導体部分に、熱電対のような温度上昇を検出する温度センサを設置し、この温度センサによる温度上昇を検出してクエンチ現象を監視している。
しかしながら、特許文献1および2に記載したものでは、限流素子が高電圧になる場合に、温度センサおよびセンサ配線と限流素子とを絶縁する必要があったり、また、温度センサからの信号ケーブルを利用して外部に検出信号を送る必要があり、この信号ケーブルから熱伝導素子へ熱の侵入が生じ易かった。このため、超電導限流器に熱侵入による温度上昇を防ぐ目的で、容量の大きな冷却装置を取り付ける必要があった。
また、特許文献3に記載したように、温度センサからの信号ケーブルに金属製のワイヤを使用せず、光ファイバを用いてファイバ先端および途中の温度を測定する超電導機器もある。超電導機器の測定に光ファイバを用いると、金属製のワイヤ線ほど、熱の侵入は大きくないが、それでも外部から熱の侵入問題を解決できず、熱侵入による影響を排除することが困難であった。
また、超電導線が超電導状態にあるか否かが検出するのに、マイクロ波あるいは遠赤外の電波を使用した超電導機器が特許文献4に記載されている。しかし、この超電導機器では、超電導素子にマイクロ波あるいは遠赤外電波を照射し、その反射率または透過率を測定してクエンチ現象を測定し、超伝導線の保護診断、検出を行なうものである。
特開平1−194822号公報 特開平1−206825号公報 特開平11−162269号公報 特開昭64−25488号公報
特許文献1および2に記載された超電導機器では、温度センサに信号ケーブルを通じて熱侵入が発生し易く、熱侵入による温度上昇を防ぐためには、熱侵入防止対策のために、容量の大きな冷却装置を取り付ける必要があり、超電導機器の大型化、コスト増を招いている。
また、特許文献3に記載された超電導機器では、光ファイバを用いているため、金属製の配線ケーブルほど熱の侵入は大きくないが、熱侵入防止を行わなければならず、さらに、本体容器内部での光ファイバの接続や這い回しが複雑となり、光ファイバの折損や接続不良が発生し易く、本体容器に複雑で大掛りな容器を必要としていた。
さらに、特許文献4に記載の超電導機器では、超電導素子が超電導状態に維持されているか否かを非接触で判定することができるが、マイクロ波あるいは遠赤外の電波の照射装置および検出装置の入出力を断熱する必要があり、マイクロ波等の入出力の断熱に大掛りな装置が必要となる等の問題がある。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、超電導素子からの温度、歪み、あるいは部分放電の測定を非接触の無線通信で行ない、絶縁が容易で、クライオスタット内への熱侵入が少なく、信頼性の高い超電導機器を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、超電導機器に温度、歪みまたは部分放電のセンサ付きICタグを取り付け、センサ検出データを無線通信で外部に取り出して検出することができる超電導機器を提供するにある。
本発明に係る超電導機器は、上述した課題を解決するために、超電導素子を超電導性を示す温度まで冷却して超電導状態で用いられる超電導機器において、センサ付きICタグをクライオスタットの外部に設けられたICタグのリーダライタと無線通信可能な位置に設けたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る超電導機器は、上述した課題を解決するために、非金属製クライオスタットの内部に設置された超電導素子を、超電導性を示す温度まで冷却して超電導状態で用いられる超電導機器において、センサ付きICタグとの通信用アンテナを、前記クライオスタットの熱断熱層の外部に設けたことを特徴とするものである。
さらに、本発明に係る超電導機器は、上述した課題を解決するために、非金属製クライオスタットの内部に、上部フランジから吊下げ構造にて超電導素子を支持し、前記超電導素子を冷却媒体に浸漬させて冷却し、超電導状態で用いられる超電導機器において、センサ付きICタグとの通信用アンテナを、前記クライオスタットの上部フランジの内面に取り付けたことを特徴とするものである。
本発明は、熱伝導素子からの温度、歪み、あるいは部分放電の測定を、センサ付きICタグにより、クライオスタット外部に設けたICタグのリーダライタと非接触の無線通信で行なうことができ、絶縁が容易で、熱の侵入が小さく、信頼性の高い超電導機器を提供することができる。
本発明に係る超電導機器の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
この超電導機器は、超電導変圧器の他に、超電導限流器、超電導送電線、超電導発電機等の超電導応用機器に用いられる。超電導機器は、液体温度の沸点以上の臨界温度を持つ超電導材料を用いたものである。この超電導機器は、超電導材料の超電導素子を、完全導電性(電気抵抗零)、完全反磁性(マイスナー効果)等の超電導性を示す温度まで冷却して使用される。超電導材料を送電線に用いると、電気抵抗が零であるため、送電電流密度を大きくとることができ、コンパクトに設定できる。
[第1の実施形態]
本発明に係る超電導機器の第1の実施形態を図1ないし図3を参照して説明する。
図1に示された超電導機器10は、本体容器であるクライオスタット11内に超電導限流器12を備えたものである。超電導限流器12は、電力系統に事故が発生した際に事故電流を制限するものであり、液体窒素の極低温温度にて超電導特性を示す、例えば酸化物超電導素子を用いた超電導限流器である。
図1は、超電導限流器12を収容したクライオスタット11を示す断面図、図2は超電導限流器12を示す断面図、図3は、超電導限流器12に設けられるセンサ付きICタグ13の機能図を示すものである。
超電導機器10は、多重筒あるいは槽構造の有底筒状の本体容器15を有し、この本体容器15の頂部開口が容器蓋(上部フランジ)16でフランジ状に気密に覆われ、熱断熱構造で、しかも気密構造のクライオスタット11が構成される。本体容器15内には、液体窒素等の液冷媒の冷却媒体17が貯溜され、この冷却媒体17に超電導限流器12が浸漬される。本体容器15は例えば外槽(筒)15a、中間槽(筒)15bおよび内槽(筒)15cからなる三重槽(筒)構造に形成され、外槽15aと中間槽15bの間のトーラス状あるいはスリーブ状空間に熱シールド18が収納される一方、中間槽15bと内槽15cとの間には断熱の真空相19が形成される。
クライオスタット11内に収容される超電導限流器12は絶縁支持体21に支持される。絶縁支持体21は容器蓋16の中央部から垂設され、超電導限流器12を浮上状態に、あるいは絶縁スペーサ(図示せず)を介して支持される。超電導限流器12の両端は、上部フランジの容器蓋16に固定された2本のブッシング22を経て電流リード23に接続される導体24を有する。この導体24は超電導線の口出し部を構成している。
また、超電導限流器12は、筒状絶縁支持体21の外周側に装着される円筒状の超電導素子26を有し、この超電導素子26の頂部および底部、さらに導体口出し部にセンサ付きICタグ13がそれぞれ設けられる。センサ付きICタグ13は、温度または歪み、部分放電を検出する検出センサを備える。
さらに、クライオスタット11には、上部フランジの容器蓋16の下部にはICタグ13のリーダライタ27のアンテナ28が取り付けられ、センサ付きICタグ13で検出されたデータを無線通信により、ICタグのリーダライタ27に伝送し、接続線29により外部に取り出される。クライオスタット11内ではセンサ付きICタグ13との通信(無線通信)に使用する電波が使用され、ICタグのリーダライタ27はセンサ付きICタグ13に信号ケーブルで接続されることがないために、クライオスタット11内にセンサ付きICタグ13を独立して設けることができる。
なお、図1において、符号30は、クライオスタット11内に冷却媒体17を注入する導入配管であり、符号31a,31bは、真空相や熱シールド18内を負圧にする吸気管である。
クライオスタット11の本体容器15内に収納される超電流限流器12は、図2に示すように構成される。超電流限流器12は、同心円状に間隔を置いて配設された多重筒、例えば4重筒構造の絶縁筒33を有し、各絶縁筒33の外周側に超電導線35が螺旋状(ヘリカル状)に巻き付けられる。絶縁筒33は、繊維強化プラスチック(FRP)等の材料で形成される。
超電導線35の巻線間の渡り部分36および口出し部分37に温度センサ付きICタグ13が独立してそれぞれ設けられる。超電導線35は、液体窒素の沸点より高い臨界温度を有する超電導体、例えば酸化物超電導体で構成される。超電導線35は超電導特性を示す温度まで冷却されて超電導状態で用いられるので、送電電流密度を大きくでき、コンパクト化が図れる。超電導線35の横断面は円形形状であるが、この形状は、楕円状、端部がR加工された矩形形状、端部を面取りした矩形形状、あるいは多角形状であってもよい。
また、超電導限流器12の超電導素子26に設けられるセンサ付きICタグ13は、図3に示すように構成され、アンテナ部39、センサ部40、メモリ部41、制御部43、変復調部44およびバッテリ部としての電源部45を有する。この電源部45からの電圧により、アンテナ部39、センサ部40、メモリ部41、制御部43および変復調部44がそれぞれ駆動される。変復調部44は周波数フィルタを有し、フィルタ機能を有する。
ICタグ13は、超電導素子26の温度上昇を検出する温度センサ(センサ部40)を備えており、この温度センサで検出された検出データはアンテナ部39により、ICタグのリーダライタ27との間で電磁波等の無線通信にて送受信される。ICタグのリーダライタ27はアンテナ28の他、電源回路46、制御部47および変復調部48を備えて構成され、クライオスタット外のリーダライタ27に読み出されたICタグ13からの検出データ(測定データ)は信号線(接続線29)を介して上位装置49に送られ、信号処理される。
ICタグのリーダライタ27から無線通信にて送られた電磁波aをICタグ13のアンテナ部39で無線受信している。ICタグ13のアンテナ部39は、リーダライタ27から送られた電磁波aを受信し、メモリ部41に記憶されている情報、例えば温度情報を外部に無線発信する手段であり、センサ部40は、受信した電磁波aの物理量を検出する手段である。また、メモリ部41は検出した物理量を記憶する不揮発性のメモリである。
さらに、センサ付きICタグ13の変復調部44は、無線で送受信する送受信信号に対して記録、送信等に適した変換を行なう信号変換手段である。制御部43は、センサ付きICタグ13の各部を制御するために必要な演算処理を行なう演算処理手段である。
また、センサ付きICタグ13は、アンテナ部39で受信した被測定電磁波から励起される電力、あるいは、ICタグのリーダライタ27から読書きのために発せられた電磁波の電力で動作するパッシブタイプであり、余った電力はバッテリ部(電源部)40に蓄積されるようになっている。
次に、超電導機器10の作用を説明する。
この超電導機器10は、クライオスタット11の冷却媒体17内に超電導限流器12が浸漬され、冷却される。超電導限流器12は、超電導特性を示す冷却媒体17の沸点温度まで冷却され、超電導素子26を超電導状態にして使用される。
この超電導限流器12は、超電導線35の渡り部分36および口出し部分37にセンサ付きICタグ13(図2参照)がそれぞれ取り付けられる。超電導限流器12は超電導線35の渡り部分36が超電導状態である場合、超電導線35は電気抵抗を持たないため、殆ど抵抗損失が発生しない。超電導線35の線材温度は冷却媒体17の温度となっている。
しかし、超電導線35の渡り部分36および口出し部分37は、他の超電導素子26の一般部分に較べ、超電導状態から常伝導状態になり易い。超電導限流器12の限流器コイル、例えば超電導素子26に定格以上の電流が流れ、超電導線35の渡り部分36や口出し部分37の超電導状態が壊れると、いわゆるクエンチ現象が発生して、その部分に電気抵抗が発生する。電気抵抗が発生すると、超電導機器12内に電気抵抗損失のために、超電導線35の線材温度が急激に上昇する。
このとき、センサ付きICタグ13の温度センサ(ゼンサ部40)により測定された超電導線35の渡り部分36や口出し部分37の温度は、クライオスタット11の上部フランジである容器蓋16の内側に取り付けられたICタグリーダライタ27のアンテナ28からの読出し信号に対応してICタグ13からそのリーダライタ27に送信され、超電導線35の温度を連続してモニタリングすることができる。超電導線35のモニタリングにより、クエンチ現象が発生した超電導線35を簡単かつ容易に特定することができる。
図1ないし図3に示す超電導機器10のクライオスタット11内に超電導限流器12を収容し、この超電導限流器12の超電導素子36に、例えば超電導線35の渡り部分36および口出し部分37に、センサ付きICタグ13を取り付け、このICタグ13の温度センサにて超電導線35の渡り部分の温度上昇を測定することにより、超電導線35にクエンチ現象の発生を容易にかつ簡単に、無線状態で測定することができる。クエンチ状態の測定の際、温度センサを取り付けて温度検出信号を測定ケーブルによりクライオスタット11の外部に取り出すことが必要ないので、温度センサの取付による絶縁構造が不要となり、絶縁状の弱点がなく、測定ケーブルを介してクライオスタット11内に熱侵入が生じることもない。したがって、温度センサの取付による熱侵入等の超電導の不安定要素を取り除き、信頼性の高い超電導機器10を提供できる。
また、この超電導機器10は、クライオスタット11内に超電導限流器12を収容し、この超電導限流器12は、超電導線35を巻き付けたFRPの絶縁筒33の上部にセンサ付きICタグ13を取り付けることで、超電導線35のクエンチ現象を迅速にかつ正確に測定することができる。
超電導限流器12は、超電導線35を巻き付けた絶縁筒33の上部(頂部)に、超電導線35が常電導状態になる際に派生する冷却媒体17の気泡が貯まる部分に、温度センサ付きICタグ13を取り付けることで、クエンチ現象の発生により冷却媒体(液体)17が一気に気体に置き換わるために、温度が急激に変化し、クエンチ現象を確実に検出することができる。
例えば、超電導限流器12の超電導素子26において、超電導線35の巻線端部に静電シールド50を取り付け、この静電シールド50の下部に冷却媒体17の気泡が貯まる部分を構成する。この部分を下方に開放させたキャッチ構造とし、静電シールド50内に温度センサ付きICタグ13を取り付けることで、クエンチ現象の発生により冷却媒体17の液体窒素が気化して発生する気泡を静電シールド50でキャッチすることができる。
冷却媒体17の気泡を静電シールド50内にキャッチすると、静電シールド50内の液体窒素が押し出されるため、温度センサ付きICタグ13の周りが気体窒素となり、温度が急激に上昇する。この温度の急激な上昇を温度センサ付きICタグ13で検出することで、クエンチ現象の発生を容易にかつ迅速に、しかも正確に測定することができる。
[第2の実施形態]
図5は本発明に係る超電導機器の第2実施形態を示すもので、超電導機器を超電導限流器に適用した断面図を示す。
第2実施形態に示された超電導機器は図示しないクライオスタット内に超電導限流器12Aを収容したものであり、他の構成は図1〜図3に示す超電導機器10と構成を同じくするので、同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
図5に示す超電導限流器12Aは、同心円状に配設された多重筒構造の絶縁筒33を有し、各絶縁筒33の外周面に、超電導線35が螺旋状(ヘリカル状)に巻装されて超電導素子26が構成される。超電導素子26を構成するFRPの絶縁筒33の内周側に、歪みセンサ付きICタグ52が取り付けられる。ICタグ52は、各絶縁筒33の内周側上部、中間部および下部にそれぞれ設けられる。他の構成は、第1の実施形態に示す超電導限流器12と異ならない。
次に、超電導限流器12Aの作用を説明する。
この実施形態に示された超電導機器は、クライオスタット11内に超電導限流器12Aを収容し、この超電導限流器12Aを液体窒素等の冷却媒体内に浸漬される。超電導限流器12Aは、FRPの各絶縁筒33の内周側に歪みセンサ付きICタグ50を取り付ける。
FRP絶縁筒33の内部に歪みセンサ付きICタグ52を取り付けることにより、超電導限流器12Aを室温から極低温に液体窒素を用いて冷却する際、FRP絶縁筒33の各部分の歪み分布の変化を、通信無線により非接触で得ることができる。この通信無線による非接触測定によりクライオスタットへの冷却媒体の注入量を容易に制御することができ、大きな温度勾配による歪みによりFRP絶縁筒33が破損するのを有効的に防止することができる。
[第3の実施形態]
本発明に係る超電導機器の第3実施形態を図5を参照して説明する。
この超電導機器は、クライオスタット内に収容される超電導限流器12Bに部分放電測定用センサ付きICタグ53を取り付けたものである。この超電導限流器12Aは、第2実施形態に示された超電導限流器12Aの歪みセンサ付きICタグ52に代えて部分放電測定用ICタグ53を取り付けたもので、他の構成および作用は第2実施形態に示す超電導限流器12Aと異ならないので、同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
第3実施形態に示された超電導限流器12Aは、FRP絶縁筒33の内周側に部分放電測定用センサ付きICタグ53を取り付け、超電導限流器12Bの超電導線35の線材で発生した部分放電からの電磁波を部分放電センサで検出し、ICタグ13のアンテナ28からICタグリーダライタ27に信号を送ることで、超電導素子26の超電導線35の線材からの部分放電の有無を無線通信かつ非接触で測定することができる。この超電導限流器12Bでは、部分放電測定用センサ付きICタグ53を超電導素子26に設けて、このICタグ53からの検出信号を無線でかつ非接触にICタグリーダライタ27にて読み取り、検出することができ、部分放電センサから信号ケーブルを引き出して測定することがないので、絶縁上の欠陥がなく、熱侵入も防止することができる。
[第4の実施形態]
図6は本発明に係る超電導機器の第4実施形態を示す構成図である。
この実施形態に示された超電導機器10Aを説明するに当り、第1実施形態に示された超電導機器10と同じ構成には、同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
図6に示された超電導機器10Aは、歪みセンサ付きICタグ52がクライオスタット11内部で、超電導限流器12の超電導素子26と外部の電流経路を結ぶ電流導入端子55に取り付けたものである。
この超電導機器10Aは、冷却媒体17の液体窒素温度から室温に直接つながれて温度勾配が最も大きくなる電流導入端子55に、歪みセンサ付きICタグ52を取り付けたが、温度勾配の最も大きい部分の歪みの大きさを測定することで、信頼性の高い超電導機器10Aを得ることができる。
[第5の実施形態]
図7は本発明に係る超電導機器の第5実施形態を示す構成図である。
この実施形態に示された超電導機器10Bは、部分放電付きICタグ53をクライオスタット11の容器壁面に取り付けたものであり、他の構成は第1実施形態に示された超電導機器10の構成と異ならないので、同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
図7に示された超電導機器10Bは、クライオスタット11の内部の高電圧部分に、具体的にはクライオスタット11の内部で部分放電が発生し易い部分でかつ室温部分の壁面に部分放電センサ付きICタグ53が設けられる。この部分放電センサ付きICタグ53は、クライオスタット11の本体容器に、例えば中間層の容器底壁に外側から取り付けられる。
この場合、超電導機器10Bのクライオスタット11は非金属製であるために、ICタグ53との通信に使用する電波はクライオスタット11を透過する。このため、クライオスタット11内部に部分放電センサ付きICタグ53を設ける必要がなく、このICタグ53をクライオスタット11の室温部分の壁面あるいは外部に取り付けることができる。
この部分放電センサ付きICタグ53は、クライオスタット11が非金属であるために、超電導機器10Bの高電圧部分で発生した部分放電は、温度変動の激しい部分に露出させる必要がなく、高電圧部分で部分放電が発生し易い、室温部分の壁面に設置することで、部分放電の信号を確実に効率よく捕捉することができる。
また、部分放電センサ付きICタグ53を、ICタグリーダライタ27との無線通信を行ない易い部分に設けることができ、部分放電の発生を確実に検出でき、信頼性の高い超電導機器を得ることができる。
[その他の実施形態]
本発明に係る超電導機器の実施形態の説明においては、超電導機器のクライオスタット内に収容される超電導限流器の超電導素子にセンサ付きICタグを取り付けたり、超電導素子の絶縁筒内にセンサ付きICタグを取り付けたり、クライオスタットの容器壁や電流導入端子にセンサ付きICタグを取り付けた例を示したが、センサ付きICタグの取付位置は、種々考えられている。
例えば、本発明に係る超電導機器10Cの第6実施形態では、図8に示すように、温度、歪みまたは部分放電センサ付きICタグ56を、クライオスタット11の内壁面に所定の取付ピッチにて軸方向に沿うように取り付けても、また、センサ付きICタグ56を、例えば部分放電測定用のセンサ付きICタグ53を、クライオスタット11の中間槽15bの底部に外側から取り付けてもよい。
また、第7実施形態の超電導機器10Dでは、ICタグ56のリーダライタ27は金属製クライオスタット11の窓57の外側にアンテナ28を設けることができる。ICタグのリーダライタ27のアンテナ28を取り付ける位置は、クライオスタット11の上部の金属製容器蓋(上部フランジ)16に限定されない。
超電導機器10は、超電導限流器12を収納するクライオスタット11が絶縁物で構成されている場合には、図10の第8実施形態で示すように、クライオスタットの限定で区分けされた部分にICタグのリーダライタ27のアンテナ28を設置してもよい。
さらに、図11の第9実施形態に示すように、ICタグのリーダライタ27のアンテナ28は、センサ付きICタグ56と無線通信ができる位置であれば、クライオスタットの外側であってもよく、取付位置は限定されない。
一方、図12の第10実施形態に示すように、超電導機器10Gの場合には、クライオスタット11内の絶縁支持体21にセンサ付きICタグ56を軸方向に沿って取り付けてもよい。この場合、絶縁上の問題を生じることなく、超電導限流器12への熱侵入を生じさせることなく、簡単な構成で超電導限流器12のクエンチ現象を測定することができる。
なお、本発明の各実施形態においては、クライオスタット内に超電導限流器を収納した例を説明したが、超電導変圧器、エネルギ蓄積用超電導コイル、超電導ケーブルおよび超電導スイッチギア等、超電導材料を使用するものであれば、種々の超電導(応用)機器に用いることができる。
また、クライオスタット内に収納される超電導素子や超電導線を巻装する絶縁材、絶縁支持体の構造や形状は種々考えられ、実施形態に示したものに限定されない。
本発明に係る超電導機器の第1の実施形態を示す構成図。 図1に示された超電導機器において、クライオスタット内に収容される超電導限流器を示す断面図。 図1に示された超電導機器に取り付けられるセンサ付きICタグの機能図。 第1実施形態に示された超音波機器の(超電導素子の)巻装部分の縦断面図。 本発明に係る超電導機器の第2および第3の実施形態を示す巻線部分の縦断面図。 本発明に係る超電導機器の第4の実施形態を示す構成図。 本発明に係る超電導機器の第5の実施形態を示す構成図。 本発明に係る超電導機器の第6の実施形態を示す構成図。 本発明に係る超電導機器の第7の実施形態を示す構成図。 本発明に係る超電導機器の第8の実施形態を示す構成図。 本発明に係る超電導機器の第9の実施形態を示す構成図。 本発明に係る超電導機器の第10の実施形態を示す構成図。
符号の説明
10 超電導機器(超電導応用機器)
11 クライオスタット
12,12A,12B 超電導限流器
13 センサ付きICタグ
15 本体容器
15a 外槽(外筒)
15b 中間槽(中間筒)
15c 内槽(内筒)
16 容器蓋
17 冷却媒体
18 熱シールド
19 真空相
21 絶縁支持体
22 ブッシング
23 電流リード
24 導体(超電導線)
26 超電導素子
27 リーダライタ
28 アンテナ
29 接続線
30 導入配管
31a,31b 配管
33 絶縁筒
35 超電導線
36 渡り部分
37 口出し部分
39 アンテナ部
40 センサ部
41 メモリ部
43 制御部
44 変復調部
45 電源部(バッテリ部)
46 電源回路
47 制御部
48 変復調部
49 上位装置
50 静電シールド
52,53 センサ付きICタグ
55 電流導入端子
56 センサ付きICタグ
57 窓

Claims (11)

  1. 超電導素子を超電導性を示す温度まで冷却して超電導状態で用いられる超電導機器において、
    センサ付きICタグをクライオスタットの外部に設けられたICタグのリーダライタと無線通信可能な位置に設けたことを特徴とする超電導機器。
  2. 前記センサ付きICタグは、前記ICタグに温度センサが取り付けられた請求項1記載の超電導機器。
  3. 前記センサ付きICタグは、前記ICタグに歪みセンサが取り付けられた請求項1記載の超電導機器。
  4. 前記センサ付きICタグは、前記ICタグに部分放電センサが取り付けられた請求項1記載の超電導機器。
  5. 非金属製クライオスタットの内部に設置された超電導素子を、超電導性を示す温度まで冷却して超電導状態で用いられる超電導機器において、
    センサ付きICタグとの通信用アンテナを、前記クライオスタットの熱断熱層の外部に設けたことを特徴とする熱電導機器。
  6. 非金属製クライオスタットの内部に、上部フランジから吊下げ構造にて超電導素子を支持し、前記超電導素子を冷却媒体に浸漬させて冷却し、超電導状態で用いられる超電導機器において、
    センサ付きICタグとの通信用アンテナを、前記クライオスタットの上部フランジの内面に取り付けたことを特徴とする熱電導機器。
  7. 金属製クライオスタットの内部に収容される超電導素子にセンサ付きICタグを取り付けた請求項1,5または6記載の超電導機器。
  8. 前記クライオスタットの内部に超電導素子を収容し、この超電導素子とクライオスタット外部の電流経路とを結ぶ電流導入端子にセンサ付きICタグを取り付けた請求項1,5または6記載の超電導機器。
  9. 前記クライオスタットの内部に絶縁支持体を介して超電導素子を収容し、前記絶縁支持体とセンサ付きICタグを取り付けた請求項1,3または6に記載の超電導機器。
  10. 前記クライオスタットの内部に超電導素子を収容し、上記超電導素子は、同心円状多重筒構造の各絶縁筒に超電導線を巻装して備え、各超電導時の渡り部分および口出し部分にセンサ付きICタグを取り付けた請求項1記載の超電導機器。
  11. 前記クライオスタットは多重筒構造の有底筒状本体容器を備え、前記クライオスタットの本体容器の室温部の壁に、部分放電センサ付きICタグを配置した請求項1,3または6に記載の超電導機器。
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