JP2008097738A - 記録再生装置、記録再生方法、再生装置及び再生方法 - Google Patents

記録再生装置、記録再生方法、再生装置及び再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホログラフィック再生画像の劣化を防ぐことができ、再生信号のエラーレイトを低減させることができる記録再生装置、これを用いた記録再生方法、更には再生装置及び再生方法を提供する。
【解決手段】 光源21から出射される光を空間変調可能な空間光変調器23と、この空間光変調器23を経由した光をホログラフィック記録媒体70に非平行光として入射させる集光レンズ24と、ホログラフィック記録媒体70からの出力光を検出する検出器29と、この検出器29の出力信号を入力し、再生信号として復調する復調器33と、再生時に、再生信号を空間光変調器23に入力するように、空間光変調器23の入力を切り換えるスイッチS1とを備える。再生時に、記録層72から得た再生信号を空間光変調器23へ帰還する帰還ループを形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホログラフィー技術を利用した記録再生装置、これを用いた記録再生方法、更には再生装置及び再生方法に関する。
CDやDVDに代表される現行の光記録では、1ビット毎に記録媒体に対して平面的に記録される。この方式による記録密度は、光の回折限界、つまり、光をどれだけ小さく絞れるかによって制限を受ける。これに対しホログラフィー技術を用いた光記録では、ある一定量の連続したデータをなす複数ビット(例えば、数万〜数メガビット)単位を一枚のページデータと定義し、このページデータを深さ方向に(立体的に)体積ホログラムとして記録可能である。しかもそれぞれのページデータは、同一深さの2次元空間(平面)で重なり合いながら存在が可能なため、2次元空間での多重記録をしつつ、3次元空間での多重記録も可能である。ページデータの記録マークの径は500μm程度で、DVDの約0.4μmよりはるかに大きく、大幅な容量アップにならない。だがホログラム記録の場合、2次元空間での多重記録により、記録マークを他の記録マークと少し重ねてもそれほど影響を受けない。このため、ホログラムを使用した光記録では、従来の1ビット毎の記録方式に対して、飛躍的に高密度、大容量な記録が可能である。又、従来方式では、一度に1ビットしかデータ転送ができないのに対し、ホログラム方式では、一度に複数ビットからなる1ページ分のデータを読み書きできるため、データ転送速度も大幅に向上する。このため、ホログラムを使用した光記録技術は各所で実用化に向けた研究開発が精力的に行われている。
ホログラフィック記録では、ページデータを有する信号光と、同じ波長を有する参照光とをホログラフィック記録媒体に照射し、両光から形成される干渉縞が信号情報としてホログラフィック記録媒体に記録される。干渉縞を記録情報とするため、記録中は信号光、参照光、ホログラフィック記録媒体の位置関係が、振動などの原因によって光の波長のオーダーでずれることは許されず、この困難さがホログラフィック光記録の実用化を阻害する大きな要因の1つになっていた。
振動に対する弱さを克服することを目的として、信号光Φsと参照光Φrを同軸(コリニア)に配置することによって、振動に対して位置関係がずれないように工夫した方式が提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1に記載された発明では、図9に示すように、光源21としての半導体レーザ21から発生した光は、凸レンズL1を通って平行光となり、偏光ビームスプリッタPBS1によって2方向に分けられる。この内、一方の光は空間光変調器(SLM)23を通る。このとき空間光変調器(SLM)23には、記録されるべき1ページ分のディジタル情報が電気信号として入力されており、空間光変調器(SLM)23を通過した光は、入力信号に応じた2次元の明暗パターンからなる信号光Φsとして変換される。そしてミラーM1で反射された後、偏光ビームスプリッタPBS2を通過する。
一方、偏光ビームスプリッタPBS1によって分けられた他方の光は、参照光Φrとして作用させるもので、ミラーM2で反射されて凸レンズL2を通過した後、偏光ビームスプリッタPBS2で反射され、信号光Φsと合成される。凸レンズL2は信号光Φsと参照光Φrの焦点位置を光の進行方向に対してずらす目的で挿入する。このとき、合成された信号光Φsと参照光Φrとは、偏光ビームスプリッタPBSの作用によって偏光面が90°ずれているので互いに干渉しあうことはない。合成された光は、旋光板G及び凸レンズL3を通過してホログラフィック記録媒体76に達し、ホログラフィック記録媒体76の背面に設けられた反射層で反射する。このとき旋光板Gは、例えば上半分と下半分に分割されていて、上半分を通過した光は右45°、下半分を通過した光は左45°に偏光面が回転するようになっている。こうすることによってホログラフィック記録媒体76の内部では、入射した参照光Φrと、ホログラフィック記録媒体76の背面で反射した信号光Φsとが選択的に干渉を起こし、ホログラフィック記録がなされるようになっている。
次に、特許文献1に記載された発明において、ホログラフィック記録媒体76に記録した信号を再生する方法について説明する。再生するには、記録したときに用いた参照光Φrのみを記録したときと同じ条件でホログラフィック記録媒体76に照射する。ホログラフィック記録媒体76には記録信号に応じた干渉縞が記録されているので、参照光Φrを照射することによって記録光と同じ回折光が得られる。これを、記録するときと同様の方法で旋光板Gを作用させ、参照光Φrと得られた回折光とが干渉しあわないように干渉光を検出器に導く。検出器は図9には示していないが、CCDアレイや撮像素子などを用い、電気信号に変換することで、記録信号と同じ信号が再現される。
ところで、ディジタルホログラフィック記録においては、「1」と「0」からなるページデータは、空間光変調器(SLM)23などによって、「1」と「0」に応じて光の通る部分と通らない部分とからなる信号光Φsとして変換され、ホログラフィック記録媒体76に照射される。一方、参照光Φrの方は、信号に応じた分布を持たない均一な光としてホログラフィック記録媒体76に照射される。このときホログラフィック記録媒体76内には、信号光Φsの光の通った部分のみに干渉縞が形成され、それ以外の部分には参照光Φrのみが照射され、参照光Φrによってホログラフィック記録媒体76が感光してしまう危険性があり、再生時におけるS/Nを劣化させる原因になる。これを防ぐためには、参照光Φrだけでは感光しないような媒体特性及び記録再生光学系が要求され、システム設計におけるマージンが小さくなる。
又従来のディジタルホログラフィック記録においては、同一光源から出射した光を、ビームスプリッタやミラーなどの光学部品を配置して信号光Φs用と参照光Φr用とに分離する必要がある。このため、記録のための有効な光量の損失が大きい。又このような多数の光学部品を導入することは、記録再生光学系を複雑化、大型化することにつながる。
このような問題点を考慮し、図10に示すのような構成のホログラフィック記録方法及び記録装置が提案されている(特許文献2参照。)。特許文献2に記載されたホログラフィック記録装置は、図10に示すように光源21と、 光源21から出射されるレーザ光Φを記録信号で変調する空間光変調器23と、空間光変調器23により変調された光Φから、複数の次数の回折光を発生させる回折格子77と、回折格子77から分離して設けられ、回折格子77から出力される回折光を記録するホログラフィック記録媒体76とを備えている。図示を省略しているが、ホログラフィック記録媒体76は、保持手段により保持される。
回折格子77は光Φが入力されると、異なる次数の複数の回折光を発生させるもので、周期的にスリットが設けられた振幅型と、透明材料を鋸歯状に加工した位相型(ブレーズ型)とがあるが、回折格子77はホログラフィック記録媒体76に接触させるか、若しくは所定の距離を保った状態とされる。特許文献2に記載された発明では、所定の距離を保たせる1つの手段としては、気体流によって一定浮上量で浮上する透明性の浮上ブロック(図示省略)に回折格子77を設ける方法が提案されている。特許文献2に記載された発明では、記録した信号を再生する場合、ホログラフィック記録媒体76と再生光のビームとの相対位置を、記録したときと同じ位置に移動させ、光源21から発射された散乱光Φを、記録したときと同じ条件でホログラフィック記録媒体76に照射させる。但しこのとき、記録過程で使用した空間光変調器23、回折格子77は使用せず、挿入しない。ホログラフィック記録媒体76には既に、記録光に応じた干渉縞が形成されているので、ホログラフィック記録媒体76を通過した光は、干渉縞が形成された部分でのみ回折光が発生する。即ち、ここで得られた回折光は、記録過程における記録光と同じパターンとして再生された光である。これをCCDやC−MOSセンサといったイメージセンサで検出することによって、記録信号と同じ電気信号として再生することができる。
特開平11−311938号公報 特開2005−128473号公報
特許文献2に記載されたホログラフィック記録方法及び記録装置では、ホログラフィック記録媒体に一度記録したページデータを再生するときに、記録過程で使用した空間光変調器23、回折格子77を移動させ、異なる光学系としているため、記録時と再生時の光学系の条件を一致させることは困難であり、記録用光束と再生用光束との相関の低下による再生画像の劣化、ブラッグ条件の不整合成分によるノイズの発生などにより、再生信号のエラーレイトが増大するという問題点がある。
上記問題点を鑑み、本発明は、ホログラフィック記録及びホログラフィック再生において、記録用光束と再生用光束との相関を高め、ホログラフィック再生画像の劣化を防ぐことができ、再生信号のエラーレイトを低減させることができる記録再生装置、これを用いた記録再生方法、更には再生装置及び再生方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、記録層と、この記録層の表面に一体に形成された回折格子とを備え、この回折格子により発生した複数の次数の回折光により干渉縞を形成して、記録層に情報を記録するホログラフィック記録媒体を用いる記録再生装置に関する。即ち、本発明の第1の態様に係る記録再生装置は、(イ)光源と、(ロ)この光源から出射される光を空間変調可能な空間光変調器と、(ハ)この空間光変調器を経由した光をホログラフィック記録媒体に非平行光として入射させる集光レンズと、(ニ)ホログラフィック記録媒体からの出力光を検出する検出器と、(ホ)この検出器の出力信号を入力し、再生信号として復調する復調器と、(ヘ)記録時に記録信号を空間光変調器に入力し、再生時に、再生信号を空間光変調器に入力するように、空間光変調器の入力を切り換えるスイッチとを備えることを要旨とする。そして、この第1の態様に係る記録再生装置においては、再生時には、記録層から得た再生信号を空間光変調器へ帰還する帰還ループを形成し、再生信号で空間光変調器を駆動して帰還再生用光束を生成し、この帰還再生用光束を用いて、記録層から再生信号を得ることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、記録層と、この記録層の表面に一体に形成された回折格子とを備えるホログラフィック記録媒体に情報を記録し、ホログラフィック記録媒体から記録された情報を再生する記録再生方法に関する。即ち、本発明の第2の態様に係る記録再生方法は、(イ)回折格子に対し、記録信号で空間変調した記録用光束を入射し、この記録用光束により複数の次数の回折光を発生させ、この複数の次数の回折光により干渉縞を形成して、記録層に情報を記録する記録段階と、(ロ)記録層に情報を記録した後、記録用光束を空間変調した空間光変調器の入力を、ホログラフィック記録媒体からの出力光を検出する検出器に接続された復調器側に切り換え、記録層から得られた再生信号が空間光変調器へ帰還される帰還ループを形成し、この復調器からの信号で空間光変調器を駆動し、空間光変調器により再生用光束を生成し、この再生用光束によって記録層から得た再生信号光束を検出器で検出し、検出器の出力信号を復調器で復調して再生信号を得る再生段階とを含むことを要旨とする。
本発明の第3の態様は回折格子に記録用光束を入射して複数の次数の回折光を発生させ、この複数の次数の回折光により干渉縞を形成して、回折格子の裏面に回折格子と一体に形成された記録層に情報をホログラフィックに記録した後、記録された情報を再生信号として得る再生装置に関する。即ち、本発明の第3の態様に係る再生装置は、(イ)空間光変調器から出力した再生用光束によって記録層から情報を含む再生信号光束を生成する生成手段と、(ロ)この再生信号光束を検出器で検出する検出手段と、(ハ)検出器の出力信号を復調器で復調して情報を再生信号として得る再生手段と、(ニ)再生信号を空間光変調器に帰還して、再生用光束を空間変調する変調手段とを含むことを要旨とする。
本発明の第4の態様は、回折格子に記録用光束を入射して複数の次数の回折光を発生させ、この複数の次数の回折光により干渉縞を形成して、回折格子の裏面に回折格子と一体に形成された記録層に情報をホログラフィックに記録した後、記録された情報を再生信号として得る再生方法に関する。即ち、本発明の第4の態様に係る再生方法は、(イ)空間光変調器から出力した再生用光束によって記録層から情報を含む再生信号光束を生成するステップと、(ロ)この再生信号光束を検出器で検出するステップと、(ハ)検出器の出力信号を復調器で復調して情報を再生信号として得るステップと、(ニ)再生信号を空間光変調器に帰還して、再生用光束を空間変調するステップとを含むことを要旨とする。
本発明によれば、ホログラフィック再生において、干渉縞記録時の記録用光束に近似した参照光を空間光変調器を用いたまま、且つホログラフィック記録媒体と一体に成型された回折格子から得られるため、記録用光束と再生用光束との相関を高め、ホログラフィック再生画像の劣化を防ぐことができ、再生信号のエラーレイトを低減させることができる記録再生装置、これを用いた記録再生方法、更には再生装置及び再生方法を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。又、以下に示す第1〜第3の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態:透過型ホログラフィック記録・再生)
具体的なシステム構成の概略は、第2の実施の形態においてまとめて説明する。その前に、本発明の第1の実施の形態においては、記録再生装置の基本構成を説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る記録再生装置は、光源21、コリメートレンズ22、空間光変調器23、集光レンズ24、ホログラフィック記録媒体70、コリメートレンズ28、検出器29を備えている。光源21は、情報を記録するための記録用光束及び記録された情報を読み出すための光を出射する。光源21としては、特定の波長の光を発生させることのできるレーザ光源であることが好ましい。レーザの種類としては半導体レーザ、ガスレーザ、若しくはYAGレーザやTiサファイア・レーザに代表されるパルス発振レーザを用いることもできるが、装置の小型化の観点から、半導体レーザを用いるのが望ましい。
光源21、コリメートレンズ22、空間光変調器23、集光レンズ24、コリメートレンズ28、検出器29とで、ホログラフィック記録媒体70に対して記録用光束を照射して情報を記録し、ホログラフィック記録媒体70に対して再生用光束を照射し、ホログラフィック記録媒体70に記録されている情報を再生するためのピックアップを構成している。
ホログラフィック記録媒体70は、図4及び図5に拡大断面図を模式的に示すように、記録用光束によって複数の次数の回折光を発生し、複数の次数の回折光により干渉縞を生成する回折格子71と、その干渉縞を記録する記録層72と、回折格子71の表面に回折格子71を保護するように形成されたカバー層73とを有している。ホログラフィック記録媒体70への回折格子71の形成法としては、例えば、プラスチックインジェクション(射出成形)による方法、プレスによる方法、切削工具による方法などがある。回折格子71は光が入力されると、異なる次数の複数の回折光を発生させるもので、大別して周期的にスリットが設けられた振幅型と、透明材料を鋸歯状に加工した位相型(ブレーズ型)とがある。第1の実施の形態に係る記録再生装置にはどちらも使用可能である。但し、振幅型の回折格子71を用いると、所望の回折光以外の回折光が同時に発生して迷光ノイズの原因となる。これに対して、ブレーズ型の回折格子71を用いると、0次回折光と+1次回折光とを効率良く取り出せるので、第1の実施の形態に係る記録再生装置には特に有効である。これらの回折格子71は通常同心円状であるが、図2に示すように、光ディスクの信号或いは、サーボ用溝のように螺旋状に形成されていても、第1の実施の形態に係る記録再生装置にはどちらも使用可能である。
第1の実施の形態に係るホログラフィック記録媒体70中の記録層72は、同一波長の光を2方向から照射して干渉させると、干渉縞として記録されうる材料が少なくとも設けられたものである。具体的な材料として、フォトポリマー系、フォトリフラクティブ結晶系、カルコゲナイトガラス系などの材料がある。干渉縞の種類として、明暗の分布からなる振幅変型、屈折率の変化からなる位相変調型がある。
ブレーズ型回折格子71を用いた例として、ホログラフィック記録における記録部の詳細を図4に示す。記録層72への干渉縞の形成は、記録用光束の「明」の部分にのみ、回折格子71を通って得られる0次回折光と+1次回折光との間で得られる。
ピックアップを構成するコリメートレンズ22は、光源21からの発散光線をほぼ平行光線とするものである。ピックアップに内蔵された空間光変調器(SLM)23は、電気信号として入力された記録信号で光を変調するために用いる。空間光変調器23に記録されるべき1ページ分のディジタル情報が電気信号として入力されると、空間光変調器23を通過(又は反射)した光は、入力信号に応じた2次元の明暗パターンからなる記録用光束として変換される。尚、空間光変調器23は大別して液晶素子などを用いた透過型と、マイクロミラーなどを用いた反射型(DMD)とがあるが、第1の実施の形態に係る記録再生装置にはどちらも使用可能である。
集光レンズ24は、空間光変調器23で変換された記録用光束を記録層72の近傍に結像させることにより、記録層72の記録密度を向上させる。集光レンズ24は、記録用光束が記録層72の表面を切る断面上で所望の記録マーク径(例えば500μm程度の直径)になるように集光させる機能を有するものであればよく、凸レンズ、フレネルレンズ、ホログラムレンズ、或いは反射型の凹面鏡などを用いることができる。
集光レンズ24は又、多重記録を行う場合にも重要な役割を果たす。つまり集光レンズ24を用いることによって図3に示すように、光束の形状を記録層を切る断面で500μm程度の直径となる円錐形状に分散させることにより、ホログラフィック記録媒体70の記録層72の位置での記録用光束が非平行光となり、同一深さの2次元空間(平面)における記録の多重化が可能となる。これが平行光であると多重記録が行えない。つまり、あるページデータを記録した後、スポット径(記録マーク径)以下の範囲で媒体位置をずらせて次のページデータを記録する場合、平行光の場合は、前ページと重なり合った部分が同じ干渉条件となってしまい、再生時にページの分離ができなくなる。これが図3に示すように、集光レンズ24により円錐形状に分散する非平行光にされていると、重なり合った部分の干渉条件が異なるため、それぞれ個別の干渉縞が形成され、再生時に分離が可能になる。
透過型ホログラフィック記録・再生に係る第1の実施の形態に係る記録再生装置においては、ホログラフィック記録媒体70の記録層72側に、コリメートレンズ28及び検出器29が配置されている。コリメートレンズ28は、ホログラフィック記録媒体70のカバー層73側に配置された集光レンズ24によって、絞られた光線を、ホログラフィック記録媒体70の記録層72側に配置された検出器29の開口にあわせるために、ほぼ平行光線とする。検出器29は、再生するための必要な要素、例えばCCDアレイやC−MOSセンサ等のイメージセンサで構成すればよい。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る記録再生装置は、更に、1ページ分の記録信号のページデータを一時保存する記録信号記憶装置(バッファメモリ)31と、検出器29で得た再生信号を入力し、再生信号を復調する復調器33と、復調器33で復調された再生信号を入力し、エラー訂正するエラー訂正回路32と、記録時と再生時の空間光変調器23への入力を切り換えるスイッチS1を備える。スイッチS1は、記録時には記録信号記憶装置(バッファメモリ)31に接続し、再生時には、エラー訂正回路32に接続するように電気的接続を切り換える。即ち、記録時には空間光変調器23へ記録信号が入力され、再生時には、エラー訂正回路32からエラー訂正された再生信号が、空間光変調器23へ入力される。このように、再生時には、検出器29で得た再生信号が復調器33で復調され、復調器33で復調された再生信号がエラー訂正回路32でエラー訂正され、空間光変調器23へ入力されることにより、再生用光束に検出器29で得られた再生信号が帰還(フィードバック)される。
この結果、再生時には、再生用光束は、検出器29で得た再生信号により、明るい部分と暗い部分とが分布した(例えば明るい部分が「1」、暗い部分が「0」)光束となり、この帰還再生用光束を用いて、ホログラフィック記録媒体70の記録層72で得られた情報(再生信号)が、再び、検出器29、復調器33及びエラー訂正回路32を経由して、空間光変調器23へ入力される帰還(フィードバック)ループが形成される。この帰還ループの形成により、再生時の帰還再生用光束は、記録時の記録用光束とほぼ同等で、記録信号に応じて明るい部分と暗い部分が分布した光束となるため、記録用光束と再生用光束との相関が高められ、再生像の劣化が防止され、ブラッグ条件の不整合成分によるノイズ等が改善される。最終的には、帰還ループにより再生された再生信号は、エラー訂正回路32からエラー訂正された再生信号として出力される。
以上が第1の実施の形態に係る記録再生装置を構成するための必要最小限のパーツであるが、装置内の光路を調整する目的で適宜、レンズ、ミラー類を、又、光をオン、オフする目的でシャッタを挿入してもよい。尚、光源21に半導体レーザを用いる場合は、半導体レーザの電源回路により、光のオン、オフが可能であるので、シャッタの挿入は必須ではない。
<記録方法>
次に、第1の実施の形態に係る記録再生装置を用いてホログラフィック記録媒体70に記録する手順の例を、図3、図4に基づいて説明する。
(イ)ステップ1:ホログラフィック記録媒体70と記録用光束(ビーム)との相対位置を記録すべき所定の位置に移動する。移動する手段は、ホログラフィック記録媒体70をXYステージ上に装着して所定の(x、y)座標に移動させる方法や、ホログラフィック記録媒体70をモータと同軸の回転部分に装着して回転させる方法や、記録用光束(ビーム)をホログラフィック記録媒体70の所定の場所に移動させる方法、及びこれらを組み合わせて移動させる方法を用いる。
(ロ)ステップ2:空間光変調器23に、記録信号記憶装置31から記録すべき1ページ分の電気信号を入力する。尚、ステップ1とステップ2は同時、或いは順序が逆であっても構わない。
(ハ)ステップ3:光源21から出射した散乱光をコリメートレンズ22に入射させてコリメートし、ほぼ平行光になった記録用光束Φ1を空間光変調器23に入射させる。そして、空間光変調器23で2次元空間において空間変調された記録用光束Φ1を、集光レンズ24、ホログラフィック記録媒体70と一体に形成された回折格子71を通して、記録層72に照射させる。照射させる時間は、ホログラフィック記録媒体70の感度、ダイナミックレンジ、記録光のパワー、記録の多重度を考慮して定める。この照射時間の制御は、光をオン、オフするシャッタを用いてもよく、光源21に半導体レーザを用いる場合は、半導体レーザの電源回路により、照射時間の制御が可能である。記録時のステップ3によって、空間光変調器23からの出力光は、記録信号に応じて明るい部分と暗い部分とが分布した(例えば明るい部分が「1」、暗い部分が「0」)記録用光束Φ1に変換されて集光レンズ24、ホログラフィック記録媒体70と一体に形成された回折格子71を通して、記録層72に達する。記録層72の内部には、図4の記録ステップに示すように、「1」の部分のみ、2つの異なる次数(例えば0次と+1次)の回折光よる干渉光が照射され、干渉縞として記録層72に記録される。
以上、ステップ1からステップ3を繰り返して、記録層72に記録していく。このとき集光レンズ24の作用によってホログラフィック記録媒体70の位置での記録用光束Φ1が非平行光であれば、ステップ1において次の記録位置に移動する場合、記録スポットをオーバーラップさせることが可能である。これによって多重記録が可能となる。
<再生方法>
次に、上記の手順で記録した信号を再生する手順の例を図5を用いて説明する。
(イ)ステップ1:ホログラフィック記録媒体70と記録用光束(ビーム)との相対位置を、記録したときと同じ位置に移動する。移動する手段は、ホログラフィック記録媒体70をXYステージ上に装着し、所定の(x、y)座標に移動させる方法や、再生用光束(ビーム)をホログラフィック記録媒体70の所定の場所に移動させる方法、及びこれらを組み合わせて移動させる方法を用いる。
(ロ)ステップ2:図5に示すように、光源21から出射した散乱光を、記録したときと同じ条件でホログラフィック記録媒体70に照射させる。但しこのとき、空間光変調器23からの出力光は、記録過程と同様に記録信号に応じて明るい部分と暗い部分とが分布した(例えば明るい部分が「1」、暗い部分が「0」)記録用光束Φ1ではなく、全ての画素が明るい再生用光束Φ2である。このとき、照射させる光のパワーは、再生に都合がよい値を選ぶことができる。図5の再生過程に示す通り、ホログラフィック記録媒体70の記録層72には、既に、記録用光束Φ1に応じた干渉縞が形成されているので、再生時のステップ2によって記録層72を通過した光は、干渉縞が形成された部分でのみ回折光が発生する。記録時の参照光は、記録信号に応じて明るい部分と暗い部分が分布した記録用光束Φ1から回折格子71で回折された回折光であった。しかしながら、再生時のステップ2において、得られる再生信号光束Φ3は、全ての画素が明るい再生用光束Φ2から回折格子71で回折された光であり、記録用光束Φ1と再生用光束Φ2との相関の低下による再生像の劣化、ブラッグ条件の不整合成分によるノイズなどを含んでいる。
(ハ)ステップ3:ステップ2で得た再生信号光束Φ3を図1に示す検出器29へ取り込む。
(ニ)ステップ4:ステップ3で検出器29で得た再生信号を図1に示す復調器33へ入力する。
(ホ)ステップ5:ステップ4で復調器33へ入力された再生信号を復調する。
(ヘ)ステップ6:復調器33で復調された再生信号をエラー訂正回路32へ入力する。
ステップ7:エラー訂正回路32から出力されたエラー訂正済み再生信号を空間光変調器(SLM)23へ帰還する。
(ト)ステップ8:光源21からの出射され、コリメートレンズ22でほぼ平行光となった光を空間光変調器23に入射させ、帰還されたエラー訂正済み再生信号によって、変調する。このとき、空間光変調器23からの出力光は、記録過程における記録用光束Φ1のように記録信号に応じて明るい部分と暗い部分とが分布した(例えば明るい部分が「1」、暗い部分が「0」)記録用光束とほぼ同等になっている。
(チ)ステップ9:再生時のステップ9によって記録層72を通過した光は、干渉縞が形成された部分でのみ回折光が発生する。再生時のステップ9においての再生された光は、記録時の記録用光束Φ1とほぼ同等で、記録信号に応じて明るい部分と暗い部分が分布した光束から回折格子71で回折された光である。記録用光束Φ1と再生用光束Φ2との相関の低下にる再生像の劣化、ブラッグ条件の不整合成分によるノイズなどが改善されている。
ステップ9までで再生過程を終了させ、最終的に、エラー訂正回路32からエラー訂正された再生信号として出力される。但し、エラーレイトが所望の水準以下に入らない場合は、ステップ9が終了した後、得られた再生信号を空間光変調器23に更に帰還し、ステップ2〜ステップ9のような過程を、帰還ループを用いて、数回繰り返して、その後、エラー訂正回路32からエラー訂正された再生信号として出力されるようにしてもよい。
以上、所望のエラーレイト以下の再生信号が得られたら、ステップ1からステップ9までを繰り返し記録された信号を順次再生していく。
(第2の実施の形態:反射型ホログラフィック記録・再生)
第1の実施の形態とは異なり、本発明の第2の実施の形態に係る記録再生装置においては、記録層72の奥に反射層74があるホログラフィック記録媒体70を用いた反射型ホログラフィック記録・再生について説明する。
図6に示すように、第2の実施の形態に係る記録再生装置は、ホログラフィック記録媒体70が取り付けられる回転軸(スピンドル)52と、この回転軸52を回転させるスピンドルモータ51と、ホログラフィック記録媒体70の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ51を制御する回転制御系(スピンドルサーボ回路)48とを備えている。
ホログラフィック記録媒体70は、図6に示すように、記録用光束によって複数の次数の回折光を発生し、複数の次数の回折光により干渉縞を生成する回折格子71と、記録用光束によって形成された干渉縞を記録する記録層72と、記録用光束、再生用光束及びこれらによる回折光をそれぞれ反射する反射層74と、回折格子71の表面に回折格子71を保護するように形成されたカバー層73とを有している。
ホログラフィック記録媒体70は、図2に示すように、中央にクランプ穴75を有し、このクランプ穴75に図6に示した回転軸52が挿入され、スピンドルモータ51によって回転させられる。
第2の実施の形態に係る記録再生装置は、更に、ホログラフィック記録媒体70に対して記録用光束を照射して情報を記録し、ホログラフィック記録媒体70に対して再生用光束を照射し、ホログラフィック記録媒体70に記録されている情報を再生するためのピックアップ53と、このピックアップ53をホログラフィック記録媒体70の半径方向に移動可能とする駆動装置(粗動モータ制御系)47とを備えている。ピックアップ53の構成は、第1の実施の形態に係る記録再生装置とほぼ同様であるが、図7に示すように、記録及び再生用の光を出射する光源21、コリメートレンズ22、空間光変調器23、集光レンズ24、コリメートレンズ25、検出器26を備えている。但し、反射型ホログラフィック記録・再生に係る第2の実施の形態に係る記録再生装置では、ホログラフィック記録媒体70のカバー層73側に、コリメートレンズ25、検出器26を備えている点で、透過型ホログラフィック記録・再生に係る第1の実施の形態に係る記録再生装置が、ホログラフィック記録媒体70の記録層72側に、コリメートレンズ28及び検出器29が配置された構成とは異なる。
図6に示すように、第2の実施の形態に係る記録再生装置は、更に、空間光変調器23へ信号を送信し、検出器26で得た再生信号を入力する信号処理回路41と、映像信号入力回路44から映像信号をA/D変換し、信号処理回路41に送信するA/D変換回路45と、信号処理回路41からの出力信号をD/A変換し、表示装置43に送信するD/A変換回路42とを備える。信号処理回路41は、図7に示すように、1ページ分の記録信号のページデータを一時保存する記録信号記憶装置31と、検出器26で得た再生信号を入力し、再生信号を復調する復調器33と、復調器33で復調された再生信号を入力し、エラー訂正するエラー訂正回路32と、記録時と再生時の空間光変調器23への入力を切り換えるスイッチS1とを備える。A/D変換回路45の出力信号は、1ページ毎に、記録信号記憶装置31に一時保存され、空間光変調器23に供給される。
スイッチS1は、記録時には記録信号記憶装置31に接続し、再生時には、エラー訂正回路32に接続するように電気的接続を切り換える。即ち、記録時には空間光変調器23へ記録信号が入力され、再生時には、エラー訂正回路32からエラー訂正された再生信号が、空間光変調器23へ入力される。このように、再生時には、検出器29で得た再生信号が復調器33で復調され、復調器33で復調された再生信号がエラー訂正回路32でエラー訂正され、空間光変調器23へ入力されることにより、再生用光束に検出器29で得られた再生信号が帰還(フィードバック)される。
この結果、再生時には、再生用光束は、検出器29で得た再生信号により、明るい部分と暗い部分とが分布した光束となり、この帰還再生用光束を用いて、ホログラフィック記録媒体70の記録層72で得られた情報(再生信号)が、再び、検出器29、復調器33及びエラー訂正回路32を経由して、空間光変調器23へ入力される帰還ループが形成される。この帰還ループの形成により、再生時の帰還再生用光束は、記録時の記録用光束とほぼ同等で、記録信号に応じて明るい部分と暗い部分が分布した光束となるため、記録用光束と再生用光束との相関が高められ、再生像の劣化が防止され、ブラッグ条件の不整合成分によるノイズ等が改善される。最終的には、帰還ループにより再生された再生信号は、エラー訂正回路32からエラー訂正された再生信号として出力され、D/A変換回路42に入力される。
尚、図示を省略しているが、信号処理回路41には、ピックアップ53の出力信号よりフォーカスエラー信号FE,トラッキングエラー信号TE及び再生信号RFを検出するための検出・増幅回路、この検出・増幅回路によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ53内のアクチュエータを駆動して集光レンズ24,コリメートレンズ25をホログラフィック記録媒体70の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路、検出・増幅回路によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ53内のアクチュエータを駆動して集光レンズ24,コリメートレンズ25をホログラフィック記録媒体70の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路、或いは、トラッキングエラー信号TE及び後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置(粗動モータ制御系)47を制御してピックアップ53をホログラフィック記録媒体70の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路等が含まれている。信号処理回路41には、ピックアップ53内の検出器26の出力データをデコードして、ホログラフィック記録媒体70の記録層72に記録されたデータを再生し、検出・増幅回路からの再生信号RFより基本クロックを再生し、アドレスを判別する信号処理プロセッサが含まれているのは勿論である。
図6に示すように、第2の実施の形態に係る記録再生装置は、更に、記録再生装置の全体を制御するシステムコントローラ46と、このシステムコントローラ46に対して種々の指示を与える操作部(図示省略)とを備えている。システムコントローラ46は、信号処理回路41の信号処理プロセッサより出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ53、回転制御系48及びスライドサーボ回路等を制御するようになっている。回転制御系48は、信号処理回路41の信号処理プロセッサより出力される基本クロックを入力するようになっている。
システムコントローラ46は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、システムコントローラ46の機能を実現するようになっている。
上述したように、図7に示す反射型ホログラフィック記録・再生に係る第2の実施の形態に係る記録再生装置のピックアップ53では、ホログラフィック記録媒体70のカバー層73側に、コリメートレンズ25、検出器26を備えている点で、透過型ホログラフィック記録・再生に係る第1の実施の形態に係る記録再生装置が、ホログラフィック記録媒体70の記録層72側に、コリメートレンズ28及び検出器29が配置された構成とは異なるが、他は、第1の実施の形態に係る記録再生装置のピックアップと実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
尚、第1の実施の形態の冒頭で説明したように、第1の実施の形態においては、図6のようなシステム構成の説明を省略したが、ホログラフィック記録媒体70を取り付ける回転軸52、この回転軸52を回転させるスピンドルモータ51、ホログラフィック記録媒体70の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ51を制御する回転制御系48、ピックアップ53をホログラフィック記録媒体70の半径方向に移動可能とする粗動モータ制御系47、信号処理回路41、A/D変換回路45、D/A変換回路42及びシステムコントローラ46等の構成は、第1の実施の形態に係る記録再生装置においても同様であることは容易に理解できるであろう。
第2の実施の形態に係る記録再生装置を用いてホログラフィック記録媒体70に記録する手順は、第1の実施の形態において、図3及び図4を用いて説明した通りであるから、重複した説明を省略する。第2の実施の形態に係る記録再生装置における記録信号を再生する手順も、一部を除けば、図5を用いて説明した第1の実施の形態の再生手順と基本的に同様である。即ち:
(イ)ステップ1:ホログラフィック記録媒体70と記録用光束(ビーム)との相対位置を、記録したときと同じ位置に移動する。
(ロ)ステップ2:図5に示すように、光源21から出射した散乱光を、記録したときと同じ条件でホログラフィック記録媒体70に照射させる。但しこのとき、空間光変調器23からの出力光は、記録過程と同様に記録信号に応じて明るい部分と暗い部分とが分布した(例えば明るい部分が「1」、暗い部分が「0」)記録用光束Φ1ではなく、全ての画素が明るい再生用光束Φ2である。このとき、照射させる光のパワーは、再生に都合がよい値を選ぶことができる。図5の再生過程に示す通り、ホログラフィック記録媒体70の記録層72には、既に、記録用光束Φ1に応じた干渉縞が形成されているので、再生時のステップ2によって記録層72を通過した光は、干渉縞が形成された部分でのみ回折光が発生する。
(ハ)ステップ3:ステップ2で得た再生信号光束Φ3を、図7に示すようにコリメートレンズ25を介して、検出器26へ取り込む。
(ニ)ステップ4:ステップ3で検出器26で得た再生信号を図7に示す復調器33へ入力する。
(ホ)ステップ5:ステップ4で復調器33へ入力された再生信号を復調する。
(ヘ)ステップ6:復調器33で復調された再生信号をエラー訂正回路32へ入力する。
ステップ7:エラー訂正回路32から出力されたエラー訂正済み再生信号を空間光変調器(SLM)23へ帰還する。
(ト)ステップ8:光源21からの出射され、コリメートレンズ22でほぼ平行光となった光を空間光変調器23に入射させ、帰還されたエラー訂正済み再生信号によって、変調する。このとき、空間光変調器23からの出力光は、記録過程と同様に記録信号に応じて明るい部分と暗い部分とが分布し、記録用光束とほぼ同等な光束となっている。
(チ)ステップ9:再生時のステップ9によって記録層72を通過した光は、干渉縞が形成された部分でのみ回折光が発生する。再生時のステップ9においての再生された光は、記録時の記録用光束Φ1とほぼ同等で、記録信号に応じて明るい部分と暗い部分が分布した光束から回折格子71で回折された光である。記録時と再生時の光学系の条件の不一致に起因した記録用光束と再生用光束との相関の低下にる再生像の劣化、ブラッグ条件の不整合成分によるノイズなどが改善されている。
ステップ9までで再生過程を終了させ、最終的に、エラー訂正回路32からエラー訂正された再生信号として出力され、図6に示すD/A変換回路42に入力される。但し、エラーレイトが所望の水準以下に入らない場合は、ステップ9が終了した後、得られた再生信号を空間光変調器23に更に帰還し、ステップ2〜ステップ9のような過程を、帰還ループを用いて、数回繰り返して、その後、エラー訂正回路32からエラー訂正された再生信号として、D/A変換回路42に出力するようにしてもよい。
以上、所望のエラーレイト以下の再生信号が得られたら、ステップ1からステップ9までを繰り返し記録された信号を順次再生していく。
(第3の実施の形態:透過型/反射型両立方式)
具体的なシステム構成の概略は、基本的事項は、第2の実施の形態において図6を用いて説明した通りであるが、本発明の第3の実施の形態に係る記録再生装置においては、記録層72の奥に反射層74がない透過型ホログラフィック記録媒体70と、記録層72の奥に反射層74がある反射型ホログラフィック記録媒体70との両方を、ピックアップ部を切り換えて使用可能な両立方式の記録再生装置について説明する。
即ち、本発明の第3の実施の形態に係る記録再生装置は、図8に示すように、記録及び再生用光源21、コリメートレンズ28、空間光変調器23、集光レンズ24、コリメートレンズ25、検出器26、ホログラフィック記録媒体70、コリメートレンズ28、検出器29を備えている。図8中、コリメートレンズ25と検出器26は、ホログラフィック記録媒体70の記録層72の奥に反射層74がある場合に用いる主ピックアップ部の構造であり、反射層74がない透過型のホログラフィック記録媒体を使用する場合は、再生信号光束の検出に際しては、主ピックアップ部を使用せず、ホログラフィック記録媒体70の記録層72を透過した光が達するコリメートレンズ28と検出器29を備えた補助ピックアップ部を使用する。
即ち、反射型ホログラフィック記録・再生に用いる主ピックアップ部は、ホログラフィック記録媒体70のカバー層73側に配置され、主ピックアップ部の内部に、コリメートレンズ25、検出器26と共に光源21、コリメートレンズ22、空間光変調器23、集光レンズ24を備えている。一方、透過型ホログラフィック記録・再生に用いる補助ピックアップ部は、ホログラフィック記録媒体70の記録層72側に配置され、補助ピックアップ部の内部に、再生信号光束をコリメートするコリメートレンズ28及び再生信号光束を検出する検出器29が配置されている。そして、主ピックアップ部の検出器26と補助ピックアップ部の検出器29とを切り換えるスイッチS2を備えている。他は、第1及び第2の実施の形態に係る記録再生装置のピックアップと実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
又、ホログラフィック記録媒体70を取り付ける回転軸52、この回転軸52を回転させるスピンドルモータ51、ホログラフィック記録媒体70の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ51を制御する回転制御系48、ピックアップ53をホログラフィック記録媒体70の半径方向に移動可能とする粗動モータ制御系47、信号処理回路41、A/D変換回路45、D/A変換回路42及びシステムコントローラ46等の構成は、第2の実施の形態に係る記録再生装置において既に説明したの構成と同様であるので、重複した説明を省略する。
第3の実施の形態に係る記録再生装置を用いてホログラフィック記録媒体70に記録する手順は、第1の実施の形態において、図3及び図4を用いて説明した通りであり、透過型ホログラフィック記録媒体70から記録信号を再生する手順は、図5を用いて説明した第1の実施の形態の再生手順と基本的に同様であり、反射型ホログラフィック記録媒体70から記録信号を再生する手順は、第2の実施の形態の再生手順と基本的に同様であるので、重複した説明を省略する。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
第1〜第3の実施の形態においては、記録と再生を同一の装置で実施する記録再生装置について述べたが、別の記録再生装置又は別の記録専用装置を用いて別途ホログラフィック記録媒体70に記録された情報を、再生のみする再生専用機でも、本発明の技術的思想が適用可能であることは、容易に理解であろう。
したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る記録再生装置の基本構成を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る記録再生装置に用いるホログラフィック記録媒体の構造を説明するための、模式的な平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る記録再生装置における集光レンズとホログラフィック記録媒体との位置関係、ビーム形状及び記録マーク径を説明する模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る記録再生装置に用いて、ホログラフィック記録媒体に記録する際の記録用光束とそれによる回折光を説明する模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る記録再生装置に用いて、ホログラフィック記録媒体から記録された情報を読み出す際の再生用光束、それによる回折光、再生信号光束を説明する模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る記録再生装置のシステム構成の全体を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る記録再生装置の基本構成を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係る記録再生装置の基本構成を示す概略図である。 従来の記録再生装置の基本構成を示す概略図である。 他の従来の記録再生装置の基本構成を示す概略図である。
符号の説明
21…光源
21…再生用光源
22…コリメートレンズ
23…空間光変調器
24…集光レンズ
25,28…コリメートレンズ
26,29…検出器
31…記録信号記憶装置
32…エラー訂正回路
33…復調器
41…信号処理回路
42…D/A変換回路
43…表示装置
44…映像信号入力回路
45…A/D変換回路
46…システムコントローラ
47…粗動モータ制御系
48…回転制御系
51…スピンドルモータ
52…回転軸
53…ピックアップ
70,76…ホログラフィック記録媒体
71,77…回折格子
72…記録層
73…カバー層
74…反射層
75…クランプ穴
Φ1…記録用光束
Φ2…再生用光束
Φ3…再生信号光束
Φr…参照光
Φs…信号光
G…旋光板
L1…凸レンズ
L2…凸レンズ
L3…凸レンズ
M1…ミラー
M2…ミラー
PBS…偏光ビームスプリッタ
S1,S2…スイッチ

Claims (6)

  1. 記録層と、該記録層の表面に一体に形成された回折格子とを備え、該回折格子により発生した複数の次数の回折光により干渉縞を形成して、前記記録層に情報を記録するホログラフィック記録媒体を用いる記録再生装置であって、
    光源と、
    該光源から出射される光を空間変調可能な空間光変調器と、
    該空間光変調器を経由した光を前記ホログラフィック記録媒体に非平行光として入射させる集光レンズと、
    前記ホログラフィック記録媒体からの出力光を検出する検出器と、
    該検出器の出力信号を入力し、再生信号として復調する復調器と、
    記録時に記録信号を前記空間光変調器に入力し、再生時に前記再生信号を前記空間光変調器に入力するように、前記空間光変調器の入力を切り換えるスイッチ
    とを備え、再生時に前記記録層から得た再生信号を前記空間光変調器へ帰還する帰還ループを形成し、前記再生信号で前記空間光変調器を駆動して帰還再生用光束を生成し、該帰還再生用光束を用いて、前記記録層から前記再生信号を得ることを特徴とする記録再生装置。
  2. 記録層と、該記録層の表面に一体に形成された回折格子とを備えるホログラフィック記録媒体に情報を記録し、前記ホログラフィック記録媒体から記録された情報を再生する記録再生方法であって、
    前記回折格子に対し、記録信号で空間変調した記録用光束を入射し、該記録用光束により複数の次数の回折光を発生させ、該複数の次数の回折光により干渉縞を形成して、前記記録層に情報を記録する記録段階と、
    前記記録層に情報を記録した後、前記記録用光束を空間変調した空間光変調器の入力を、前記ホログラフィック記録媒体からの出力光を検出する検出器に接続された復調器側に切り換え、前記記録層から得られた再生信号が前記空間光変調器へ帰還される帰還ループを形成し、
    該復調器からの信号で前記空間光変調器を駆動し、前記空間光変調器により再生用光束を生成し、該再生用光束によって前記記録層から得た再生信号光束を前記検出器で検出し、
    前記検出器の出力信号を前記復調器で復調して前記再生信号を得る再生段階
    とを含むことを特徴とする記録再生方法。
  3. 回折格子に記録用光束を入射して複数の次数の回折光を発生させ、該複数の次数の回折光により干渉縞を形成して、前記回折格子の裏面に前記回折格子と一体に形成された記録層に情報をホログラフィックに記録した後、記録された前記情報を再生信号として得る再生装置であって、
    空間光変調器から出力した再生用光束によって前記記録層から前記情報を含む再生信号光束を生成する生成手段と、
    該再生信号光束を検出器で検出する検出手段と、
    前記検出器の出力信号を復調器で復調して前記情報を前記再生信号として得る再生手段と、
    前記再生信号を前記空間光変調器に帰還して、前記再生用光束を空間変調する変調手段、
    とを含むことを特徴とする再生装置。
  4. 請求項3記載の再生装置であって、
    前記復調器で復調された再生信号をエラー訂正するエラー訂正回路を更に備え、
    該エラー訂正回路の出力信号が、再生時に前記空間光変調器へ帰還されることを特徴とする再生装置。
  5. 回折格子に記録用光束を入射して複数の次数の回折光を発生させ、該複数の次数の回折光により干渉縞を形成して、前記回折格子の裏面に前記回折格子と一体に形成された記録層に情報をホログラフィックに記録した後、記録された前記情報を再生信号として得る再生方法であって、
    空間光変調器から出力した再生用光束によって前記記録層から前記情報を含む再生信号光束を生成するステップと、
    該再生信号光束を検出器で検出するステップと、
    前記検出器の出力信号を復調器で復調して前記情報を前記再生信号として得るステップと、
    前記再生信号を前記空間光変調器に帰還して、前記再生用光束を空間変調するステップ、
    とを含むことを特徴とする再生方法。
  6. 請求項5記載の記録再方法であって、
    前記復調器で復調された再生信号をエラー訂正回路でエラー訂正し、このエラー訂正された出力信号が、前記空間光変調器へ帰還されるようにしたことを特徴とする再生方法。
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