JP2008096326A - 測位システム - Google Patents

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JP2008096326A JP2006279448A JP2006279448A JP2008096326A JP 2008096326 A JP2008096326 A JP 2008096326A JP 2006279448 A JP2006279448 A JP 2006279448A JP 2006279448 A JP2006279448 A JP 2006279448A JP 2008096326 A JP2008096326 A JP 2008096326A
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Abstract

【課題】 信号の到達時間差を計測して測位を行うシステムにおいて、高精度な時間差計測を、低消費電力、小型かつ低コストの装置で行う。
【解決手段】 本発明は、測位信号を送信する(被測位)ノードと、基準信号を送信する基準局と、上記測位信号および上記基準信号を受信する少なくとも3の基地局と、基地局とネットワークでつながったサーバと、を有するシステムにおいて、上記複数の基地局が、クロック信号と該クロック信号をシフトさせる信号とを用いて、上記測位信号と上記基準信号とを受信した時間差および上記基準局との周波数偏差を計測し、上記周波数偏差の測定結果に基づいて上記計測時間差に対する補正を行うかどうかを決定し、適切な処理を行われた上記周波数時間差をもとに、上記サーバが上記ノードの位置を算出することを特徴とする。
【選択図】 図12

Description

本発明は、無線通信機能を持つ端末ノードの位置を測定するのに適した受信装置および
周波数偏差計測ユニットおよびそれらを用いた測位システムに関する。
センシング機能を持った装置が周辺のいたるところに設置されてセンシング装置が無線
によりネットワークを構成することで、現実世界の情報を効率的にインターネット等の情
報ネットワークに取り込むワイヤレス・センサ・ネットワーク(以下「センサネット」と
略称する)が注目を集めている。このセンサネットとは、センサ、マイコン、無線通信機
、電源を備えた無数のノード(端末)が、センサによって人や物や環境などの状況を計測
し、自律的にネットワークを構成するという概念である。流通、自動車、農業など様々な
分野への適用が検討されている。
センサネット実現のためには、ノードを対象物に設置し、長時間かつ継続的に状態を検
知する必要がある。そのため、ノードには小型かつ低消費電力であることが要求される。
また、多数のノードを分散配置するため、ノードの管理が重要技術となる。
一方、センサネット向け無線としても、やはり低電力な通信技術が求められている。超
広帯域ウルトラワイドバンド(Ultra Wide Band)(以下「UWB」と略称する)通信機
は低消費電力で小型となる可能性を持ち、センサネット向け通信機として期待されている
。UWB無線通信とは、帯域幅が500MHz以上、または中心周波数に対する帯域幅の比率が
20%以上あるような電波を用いる方式と定義されている。UWB通信はデータを極めて広
い周波数帯に拡散して送受信を行なうものであり、単位周波数帯域当たりの信号エネルギ
ーは極めて小さい。従って、他の通信システムに干渉を与えることなく通信が可能となり
、周波数帯域の共有が可能になる。
UWB通信の一例として、ガウシアンモノパルスをパルス位置変調PPM(Pulse Posi
tion Modulation)方式で変調するUWB−IR(Ultra Band - Impulse Radio)通信シ
ステムが非特許文献1に開示されている。このようなパルス信号との同期を実現する方法
として、例えば、テンプレート・パルスの発生タイミングを所定の間隔でシフトさせ相関
を取る方法が知られている。
また、ノードの位置測定システムとして、ノードからの信号を複数の基地局で受信し、
その到達時間差TDOA(Time Difference of Arrival)を利用してノードの位置を算出
する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、複数の基地局が、ノードからの測位信号と基準局からの基準信号の受信時間差を測定し、その受信時間差を元にTDOAを利用して測位する方法が開示されている。
特開2005−140617号公報 モエ・ゼット・ウィン(Moe Z. Win)他著、「インパルスラジオ:その動作(Impulse Radio: How It Works)」、米国文献アイ・イー・イー・イー・コミュニケーションズ・レターズ(IEEE Communications Letters)第2巻第2号、pp.36−38(1998年2月)
測位システムにおける課題のひとつは、測位精度の向上である。特許文献2に記載のシステムでは、測距精度の向上のために高速な発振器と高速なカウンタが必要となる。また、送受信機がそれぞれ所定周波数のクロックを発生する別個のクロック発生器を備えているが、測距精度は、送受信機の各クロック発生器の精度および安定性に影響される。すなわち、送受信機の各発振器の周波数偏差は、測距精度の誤差要因となる。
特許文献3に記載のシステムでは、送受信機間の距離の変化を検出することが可能とな
るが、送信機の位置を特定することはできない。また、送受信機がそれぞれ所定周波数の
クロックを発生する別個のクロック発生器を備えているが、距離の変化を特定する精度は
、送受信機の各クロック発生器の精度および安定性に影響される。すなわち、送受信機の
各発振器の周波数偏差は、測距精度の誤差要因となる。
特許文献4に記載のTDOAを利用して測位するシステムでも、到達時間差の計測精度
が測位精度に影響する。一般に、高精度な時間差計測には、高速な発振器と高速なカウン
タが必要となり、消費電力、回路規模が増大してしまう。また、時間差計測の精度は、発
振器の周波数精度および安定性に依存する。すなわち、発振器の周波数偏差は、時間差計
測の誤差要因となる。しかしながら、高精度かつ安定な発振器は高額であり、装置のコス
トが増大してしまう。
一方で、測位システムには、装置の低消費電力化、小型化、低コスト化が求められている。従って、高精度な時間差計測のために、高速、高精度かつ安定な発振器および高速なカウンタを用いる方法は好ましくない。
本発明の目的は、時間差を計測して測位を行うものにおいて、高精度な時間差計測を、
低消費電力、小型かつ低コストの装置で行えるようにすることである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通
りである。
本発明は、送信装置からの伝送信号を受信する受信装置であって、
上記伝送信号を受信する受信部と、上記伝送信号をアナログデジタル変換するA/D変
換部と、上記A/D変換部がアナログデジタル変換するタイミングの位相をシフトさせる
位相シフト部と、上記位相シフト部にて位相シフトさせた値を用いて、第1の伝送信号と
第2の伝送信号との受信時間差及び各信号を送信した送信機のクロック偏差を計測する時間差及び偏差計測ユニット、とを有することを特徴とする。
本発明によると、低速なクロック、制御信号およびカウンタを用いて高精度な時間差計
測を行うことが可能となり、高速かつ高精度なクロックおよびカウンタを使用することなく、低消費電力、小型かつ低コストの装置で、高精度な測位が実現される。
本発明に係る受信装置や測位システムの実施例を、以下添付図面を用いて詳細に説
明する。
本発明の第1の実施例に係る受信装置及びそれを用いた測位システムに関して、図
1ないし図12で説明する。まず、実施例1のシステムの構成及び動作の概要について、
図1ないし図3で説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る測位システムの構成である。測位システムは
、測位信号を送信する(被測位対象である)複数のノード(NOD)100(100a,
100b,…)、基準信号を送信する基準局(RS)110、測位信号および基準信号を
受信する複数の基地局(AP)120(120a,120b,120c)、測位サーバ(P
S)130、各基地局120および測位サーバ130をつなぐネットワーク(INT)1
40、から構成される。なお、参照符号の添え字a,b,cは、同じ構成要素であること
を示し、添え字を省略する場合は、その同一構成要素を指すものとする。また、NODはすくなくとも送信機能を、RSは送受信機能を、APは少なくとも受信機能とネットワーク接続機能を、PSはネットワーク接続機能を備えているが、ここでは説明を簡単にするために、本発明の実施例に関して必要な送受信機能を主体にして説明する。
実施例1のシステムを構成する各要素の構成例の概要を図2(図2A〜図2D)で説明
する。
図2Aは、ノード(NOD)100の構成例を示すブロック図である。各ノードは、信
号送信制御部101、信号作成部102及びアンテナ103を備えている。信号送信制御
部101は、ノード自体に内蔵又は接続されているセンサやタイマからの情報等に基づい
て、そのノードが信号送信制御部101からの命令を受けて測位信号S101を作成し、
アンテナ103から送信する。この測位信号は、ノード毎に固有に割り当てられたIDなどの情報を含み、各ノードが送信した測位信号を識別可能になっている。
図2Bは、基準局(RS)110の構成例を示すブロック図である。基準局は、ベース
バンド部(BBM)111、アナログデジタル変換部(以下「A/D変換部」と略称する
)(ADM)112、RFフロントエンド部(RFF)113、送信受信切替スイッチ(
SWT)115、アンテナ(ANT)117、信号送受信制御部118、送信信号生成部
119から構成される。ADM112及びRFF113は、同期をとるべきクロック信号
の発生源としてSCG114やCLK116を有している。基準局は、ノード100が送
信した測位信号S101を受信すると、送信信号生成部119で作成された基準信号S111を送信する機能を備えている。
図2Cは、基地局(AP)120の構成例を示すブロック図である。基地局は、ベース
バンド部(BBM)121、アナログデジタル変換部(ADM)125、RFフロントエ
ンド部(RFF)127及びアンテナ(ANT)129から構成される。ADM125及
びRFF127は、同期をとるべきクロック信号の発生源SCG126、CLK128を
有している。ベースバンド部121は、受信した信号に含まれる送信局を特定可能な情報
に基づいて、該信号を送信したノード又は基準局を特定する機能を備えている。ベースバ
ンド部121は、さらに、SCGで生成されたクロック信号の位相を変化させるシフト信
号を生成してクロック信号の位相を変化させ伝送信号と上記クロック信号との同期捕捉を
行う同期捕捉部(TRPM)122、クロック信号およびシフト信号とを用いて測位信号
と基準信号とを受信した時間差、及び基準局と自基地局とのクロック周波数偏差を計測する時間差・偏差計測部(TD&FDMM)123も備えている。
なお、図2Bに示すように、基準局(RS)110を構成する通信装置にも、基地局(
AP)120と同様に、同期捕捉部(TRPM)や時間差・偏差計測部(TD&FDMM)を備えるようにしても良い。また、基地局(AP)120にも、基準局(RS)110と同様な送信機能を持たせても良い。
図2Dは、測位サーバ130(PS)の構成例を示すブロック図である。測位サーバは
、通信部131、測位部132、各基地局及び基準局の位置情報を格納するシステム情報データベース133を備えている。通信部131は、測位サーバをネットワーク140に接続するインターフェースとして機能し、基地局から送られる測位情報通知を受けて、測位部132に送る。測位部132は、測位情報通知に含まれる各基地局における信号受信時刻差の情報及びシステム情報データベース133から得た各基地局及び基準局の位置等の情報に基づいてノード100の位置を算出する。
図3は、この実施例の測位システムにおける信号の送受信の概要を示すシーケンス図である。
ノードは、サーバからの指示や事前にセットされたタイマの軌道などによる位置計算を希望する任意の時刻に、周辺の基準局110と基地局120に対して測位信号S101を含む伝送信号を送信する。基準局110は、測位信号を受信した後、基準信号S111含む伝送信号を送信する。各基地局は、測位情報、例えば測位信号の受信時刻と基準信号の受信時刻との時間差及び基地局を識別するためのIDその他の情報、及びクロック周波数偏差を計測、算出し、ネットワークを経由してサーバ130に送付する。
ここで、各基地局120は、伝送信号を受信した際、この伝送信号例えば測位信号とサンプリングクロックとの同期捕捉を行う。同期捕捉が確立された後、伝送信号の復調・同期追跡を行う。各基地局は、同期捕捉、復調・同期追跡などの伝送信号の受信処理と並行して、測位信号と基準信号の受信時間差の計測処理、及び基準局と自基地局のクロックとの周波数偏差の計測処理を行い、その結果に基づく情報をサーバ130に送付する。
このとき、各基地局は測定したデータをそのままサーバに送付し、サーバが一括して各基地局からのデータを用いて受信時間差やクロック偏差を算出する方法も、本発明の範疇である。
サーバ130は、これらの情報から、各基地局の受信時間差に対して各基地局のクロック周波数偏差に対する補正を行うかどうかを判断し、それに基づいて受信時刻差のデータを処理し、その受信時刻差のデータと、サーバが持つデータベースに記録されている情報とをもとにノードの座標を算出して測位を行う。
次に、実施例1のシステムの具体的な構成、動作原理、作用及び効果について、図4な
いし図12で説明する。
まず、本発明に係る基地局120における受信装置は、例えば図4に示すような、間欠
的なインパルス列を受信するUWB−IR受信装置で構成される。
空間を隔てて別個に存在する送信装置において、例えば、BPSK変調(Binary
Phase Shift Keying:2値のデジタル位相変調)および直接拡散さ
れたパルス列を空間に送信し、本受信装置のアンテナで、空間を伝搬してきたパルス列信
号を受信する。空間を伝搬する信号は、例えば、幅が約2nsのパルスが、間隔約30n
sで送信されるインパルス列である。インパルスの形状は例えば1次ガウシアン波形とな
っており、さらに約4GHzの搬送波によりアップコンバートされた波形が用いられる。
受信装置は、アンテナ(ANT)410、RFフロントエンド部(RFF)420、ア
ナログデジタル変換部(以下「A/D変換部」と略称する)(ADM)430、ベースバ
ンド部(BBM)440から構成される。
RFフロントエンド部420は、ローノイズアンプ(LNA)421、ミキサ(MIX
)422i,422q、π/2位相シフタ(QPS)423、クロック発生器(CLK)
424、ローパスフィルタ(LPF)425i,425q、及び可変ゲインアンプ(VG
A)426i,426qから構成される。
なお、添え字i,qは、それぞれI信号成分(同相信号:In Phase)、Q信号成分(直
交信号:Quadrature)用を示しており、以下の説明では、特に必要でない限りi,qの添
え字は省略する。
アンテナ410から受信されたパルス信号(間欠的なパルス列)はローノイズアンプ4
21で増幅された後、ミキサ422に与えられる。ミキサ422にはクロック発生器42
4が生成する約4GHzのクロック信号が与えられ、その結果ミキサ422の出力は4G
Hz帯の搬送波と、パルス幅が約2nsのガウシアン波形のインパルス信号とに分離され
る。この時、ミキサ422iにはクロック発生器424の出力信号が直接与えられて同相
の出力信号であるI信号が出力される。一方、ミキサ422qには、クロック発生器42
4のクロック信号がπ/2位相シフタ(QPS)423を経て位相がπ/2遅延されたク
ロック信号が供給されるため、出力信号は直交成分であるQ信号となる。
ミキサ422で分離された信号は、ローパスフィルタ425で弁別され、周波数の高い
4GHzの搬送波は遮断される。従って、ガウシアンのインパルス波形だけがローパスフ
ィルタ425から出力される。これらインパルス信号は、可変ゲインアンプ426で増幅
され、RFフロントエンド部420からそれぞれI信号S427i、Q信号S427qと
して出力される。
A/D変換部430は、A/D変換器(ADC)431とサンプリングクロック生成部
(SCG)433から構成され、RFフロントエンド部の出力信号であるI信号S427
iとQ信号S427qのガウシアン波形インパルス信号が入力され、A/D変換器ADC
431によりデジタル信号に変換され出力される。
入力信号S427i,S427qはそれぞれ複数に分割されて、内部の個々のA/D変
換器431に与えられ、デジタル信号S432に変換される。各A/D変換器431にお
いて、入力信号S427をデジタル値に変換するためのサンプリングタイミングは、サン
プリングクロックS435により制御される。サンプリングクロックS435は、サンプ
リングクロック生成部433から与えられ、その周期は、受信インパルス列のパルス繰返
し周期と等しい。すなわち、インパルス列のパルスと同期したタイミングで、サンプリン
グを行う。
しかしながら、送信装置と受信装置は空間を隔てて別個に存在し、それぞれ同期を取っ
ているわけではない。そのため、受信インパルス列とサンプリングクロックの位相は一致
しない。従って、受信インパルス列とサンプリングクロックの位相を一致させる、同期捕
捉という動作が必要となる。
ここで、同期をとるべきクロック信号に2種類あることを説明する。一つ目は、図4の
RFフロントエンド部RFF420で用いられる4GHz周波数のクロック信号であり、
二つ目は、A/D変換部430で用いられる、インパルス列が約30ns間隔で送られる
ことに対応した約32MHz周波数のクロック信号である。
4GHz信号成分は、RFフロントエンド部RFF420において受信された信号をI
成分とQ成分に分割し、ベースバンド部BBMで信号を復元しているが、この方法により
位相差に関して同期をとらなくても対応可能となっている。
一方で、約32MHz間隔のインパルス列については、以下に説明する同期捕捉や同期
追跡を行なう必要がある。
図5に、ベースバンド部440のブロック図を示す。ベースバンド部440は、マッチ
トフィルタ部(MFM)510、同期捕捉部(TRPM)520、データ保持タイミング
制御部(DLTCTL)530、データ保持部(DLM)540、復調部(DEMM)5
50、同期追跡部(TRCKM)560、サンプリングタイミング制御部(STCTL)
570、時間差・偏差計測部(TD&FDMM)580から構成される。
A/D変換部430から与えられる複数のデジタル化されたI、Q信号S432ia〜
cとS432qa〜cは、マッチトフィルタ部510において期待される拡散符号とのマ
ッチング(整合)度合いを検出し、測定結果を信号S511として出力する。
同期捕捉部520は、信号S511iaおよびS511qaを用いて受信信号(インパ
ルス列)の同期捕捉を行なう。同期捕捉が確立されていない間は信号S522をサンプリ
ングタイミング制御部570へ出力し、サンプリングタイミング制御信号S441,S4
42を用いてA/D変換部430が受信信号をデジタル変換するタイミングを変えていく
。同期捕捉が確立すると、同期タイミングの情報が信号S521を経てデータ保持タイミ
ング制御部530に伝えられる。
データ保持タイミング制御部530は、受信信号S511と同期の取れたタイミングで
制御信号S531をデータ保持部540に与え、データ保持部540はそのタイミングに
合ったデータだけを信号S541として復調部550および同期追跡部560に伝える。
復調部550ではデータ保持部540によって選ばれた信号S541をもとにデータを復
調し、デジタルデータS443を出力する。
また、同期追跡部560では、データ保持部540によって選ばれた信号S541をも
とに、受信信号S427との同期ずれがおきていないかを検出し、同期ずれが起きている
場合にはサンプリングタイミング制御部570を介してサンプリングタイミング制御信号
S441,S442によりA/D変換部430のデジタル変換タイミングを調整する。
サンプリングタイミング制御部570では、同期捕捉部520および同期追跡部560
からの信号をもとに、A/D変換部430のデジタル変換タイミングを調整する。同期捕
捉部520から信号S522が出力された場合、サンプリングタイミング制御部570を
介してサンプリングタイミング制御信号S441が出力され、デジタル変換タイミングを
通常よりも微小時間、例えば0.5ns程度、遅らせる。すなわち、通常のデジタル変換
の周期(Tckとする)はインパルス間隔と等しいが、当該信号S441が出力された場合
は、デジタル変換の間隔がTck+Tsとなる。ただし、Tsは当該信号S441が出力された場
合のデジタル変換のタイミングシフト時間である。
また、デジタル変換のタイミングは、同期追跡部560の出力信号S561に応じて調
整される。A/D変換部430に入力されるアナログ信号S427に対してデジタル変換
タイミングが進んでいる場合、同期追跡部520が検知し、サンプリングタイミング制御
部に伝えられ、制御信号S441が出力されて、デジタル変換タイミングを通常よりもTs遅らせる。逆にアナログ信号S427に対してデジタル変換タイミングが遅れている場合
、制御信号S442が出力されて、デジタル変換タイミングを通常よりもTs進ませる。
すなわち、サンプリングタイミング制御部570から制御信号S441が出力された場
合、サンプリングクロックS435の周期は1周期だけTck+Tsとなり、制御信号S442
が出力された場合、S435の周期は1周期だけTck-Tsとなる。このようにサンプリング
クロックS435の周期を制御することで、同期捕捉、同期追跡が可能となる。
パルス信号を受信するUWB−IR通信の受信装置の基本動作は、次のとおりである。
すなわち、パルス信号をアンテナ410で受け取り、RFフロントエンド部420で必要
な周波数の整形された波形を抽出し、A/D変換部430でデジタル信号に変換し、ベー
スバンド部440でデジタル信号処理を行なうことで通信データS443を取り出して出
力する。
本実施例のUWB−IR受信装置におけるベースバンド部440には、測位用に、時間
差・偏差計測部580が追加されている。本時間差・偏差計測部580は高精度な計測を低消費電力で実現するものであり、受信装置に元々備えている機能と比較的低速のカウンタを使用して高精度な時間差計測を行う。
この時間差計測を行う時間差計測部の具体的な構成例を図6に示す。時間差・偏差計測部580は、カウンタ(CNT)610、レジスタ(REG)620、遅延部(D)630、時間差計算部(TDCAL)640、偏差計算部650から構成される。なお、時間差・偏差計測部580の詳細については、後で説明する。
この実施例の測位システムの仕組みを、ノード100aの位置測定を行う場合の例を用
いて、図7ないし図8を参照しながら、より詳細に説明する。
まず、図7により、本発明に係る測位システムの原理を説明する。
図7において、Txは送信、Rxは受信を示す。ノード100aが送信した測位信号S
101は、時間TNR後に基準局110に受信され、TNA,a後に基地局120aに受信される
。基準局110は、測位信号S101を受信してからTRP後に、基準信号S111を送信
する。基準信号S111は、送信されてからTRA,a後に、基地局120aに受信される。
基地局120aは、測位信号S101を受信してから基準信号S111を受信するまでの
時間Tmeas,aを計測する。この時、以下の式が成立する。
TNR + TRP + TRA,a = TNA,a + Tmeas,a …… (1a)
また、測位信号S101および基準信号S111は、基地局120b,120cにも受
信され、
TNR + TRP + TRA,b = TNA,b + Tmeas,b …… (1b)
TNR + TRP + TRA,c = TNA,c + Tmeas,c …… (1c)
が成立する。ここで、
TNR:ノード100aが測位信号S101を送信してから、基準局110が測位信号S1
01を受信するまでの時間
TRP:基準局110が測位信号S101を受信してから、基準信号S111を送信するま
での時間
TRA,a,TRA,b,TRA,c:基準局110が基準信号S111を送信してから、基地局120
a,120b,120cが基準信号S111を受信するまでの時間
TNA,a,TNA,b,TNA,c:ノード100aが測位信号S101を送信してから、基地局12
0a,120b,120cが測位信号S101を受信するまでの時間
Tmeas,a,Tmeas,b,Tmeas,c:基地局120a,120b,120cが、測位信号S10
1を受信してから、基準信号S111を受信するまでの時間
である。
式(1a)および式(1b)から以下の式が導かれる。
TNA,a - TNA,b = (TRA,a - TRA,b) - (Tmeas,a - Tmeas,b) …… (2)
ここで、TRA,a,TRA,bはそれぞれ基準局110と基地局120a,120bとの間の距離
を光速で除した値に等しい。また、Tmeas,a,Tmeas,bは基地局120a,120bがそれ
ぞれ計測した値であるため、式(2)の右辺は既知の値となる。
従って、測位信号S101が基地局120a,120bに到達した時間差TNA,a - TNA,bを算出することができる。同様にして、3基の基地局120への到達時間差を知ることができるため、TDOA測位法により、ノード100aの位置を算出することが可能となる。なお、本説明では、基地局の数を3基としているが、2次元座標を求めるならば3基以上であれば基地局の数はいくつでも問題ない。
図8は、ノード100から送信される測位信号S101および基準局110から送信さ
れる基準信号S111の構成例を示す。当該信号S101,S111は、プリアンブル3
10、フレーム開始部(Start Frame Delimiter、以下「SFD」と略称する)320、
ヘッダ330、データ340から構成される。ヘッダ内やデータ内には誤り検出用のCR
C符号等が含まれていてもよい。
プリアンブル310は、当該信号S101,S111を受信した装置において同期の捕
捉に使用される。SFD320は、プリアンブル310の終了およびヘッダ330の始ま
りを示す特定のビットパターンである。ヘッダ330には、当該信号S101,S111
の送信元の識別子および受信先の識別子などの情報等が格納される。データ340には当
該信号S101,S111の送信元からの情報が格納される。
当該信号S101,S111を通信用の信号とすることで、通信と同時に測位を行うこ
とが可能となる。また、ノード100、基準局110において測位用の特別な信号を生成
する必要がなくなり、装置が簡易化される。
当該信号S101,S111の送信時刻あるいは受信時刻は、ある特定の部分を送信あ
るいは受信した時刻と定める。例えば、当該信号S101,S111のSFD320を送
信し終えた時刻を送信時刻と定め、受信し終えた時刻を受信時刻と定める。
本測位システムにおいて、測定されるノード100の位置精度は、到達時間差TDOA
の精度、すなわち、基地局120で計測する時間Tmeasの精度に依存する。さらに、複数
基地局120a、120b、120c間の計測時間誤差に依存する。例えば、30cmの位
置精度を得るには、約1nsの時間精度が必要となる。精度1nsで時間差を計測する場
合、通常、1GHzのAD変換器とメモリを用いて波形の記録を行い信号の受信タイミングを計測する。しかし、このような高速なAD変換器やその出力を記録するための大規模なメモリを使用すると消費電力、回路規模が増大してしまう。
本実施形態では、比較的低速の発振器と低速のカウンタを使用して、高精度な時間差計
測を行い、消費電力、回路規模を低減する。
以下、その詳細を図9から図11を用いて説明する。
まず、図9を用いて、同期捕捉の方法を説明する。A/D変換部430に入力されるイ
ンパルス列S427と、サンプリングクロックS435の位相が一致していない場合、A
/D変換されたデジタル信号S432は、ノイズレベルの値となる。インパルス列S42
7とサンプリングクロックS435の位相が一致している場合、パルスをサンプリングし
た出力がデジタル信号S432に出力される。
デジタル信号S432はベースバンド部440に入力され、当該信号S432のレベル
から位相の一致/不一致の判定を行う。位相が一致していない場合、シフト信号(タイミ
ングシフト時間=Ts)を生成して位相の調整を行う。
すなわち、サンプリングタイミング制御信号S441を出力し、サンプリングクロック
S435の周期を一定時間(Ts)長くあるいは短くシフトすることで、サンプリングタイ
ミングをシフトさせる。この処理を、インパルス列S427とサンプリングクロックS4
35の位相が一致するまで繰返す。このように、サンプリングタイミング制御信号S44
1により、サンプリングクロックS435の位相をずらすことで、インパルス列S427
との同期捕捉を行う。
A/D変換部430のA/D変換器431ia、431ib、431icには、例えば
、それぞれ0.5nsの遅延差を持つサンプリングクロックが与えられる。すなわち、ガ
ウシアンインパルス信号が2nsの幅を持つ場合に、このインパルス信号を0.5nsず
つ異なる位置でデジタル値に変換し、出力する。これらの、異なる位置でデジタル値に変
換された値は、同期追跡に用いられる。
一度同期捕捉が確立した後でも、送信装置と受信装置のクロックに周波数偏差が存在す
る場合、次第に同期ずれが生じる。UWB−IR方式では、間隔の短い2ns程度のイン
パルスに対して同期を行なう必要がある。送信装置および受信装置のクロック発生に用い
られる水晶発振子の周波数精度が高ければ同期追跡は不要であるが、精度の高い水晶発振
子は高額になる。低コスト化を目指すためには、精度の悪い水晶発振子を用いても受信で
きるシステムでなければならない。そのために、同期追跡という動作が必要となる。
この同期追跡について、図10ないし図11で説明する。図10に同期追跡の概念図を
示し、図11は、時間差計測の原理を示す。
まず、図10において、パルスのピークをサンプリングしている状態830から、周波
数偏差のため、状態810,820に示すように、パルスのピークとサンプリングタイミ
ングにずれが生じる。
ベースバンド部440では、A/D変換された3点のデジタル信号S432を用いてこ
のずれを検出し、制御信号S441,S442を通じてサンプリングクロックS435の
周期を調整する。すなわち、状態810に示すように、サンプリングクロックS435が
インパルスに対して進んでいる場合、シフト信号によりサンプリングクロックS435の
周期を一定時間(Ts)長くする。また、状態820に示すように、サンプリングクロック
S435がインパルスに対して遅れている場合、シフト信号によりサンプリングクロック
S435の周期を一定時間(Ts)短くする。
サンプリングクロック生成部433は、上述のように、ベースバンド部440から与え
られるサンプリングタイミング制御信号S441,S442に応じて、A/D変換器43
1のサンプリングタイミングを決定するサンプリングクロックS435ia〜c、S43
5qa〜cを生成する。
ベースバンド部440は、デジタル値に変換された受信信号S432を用いて同期捕捉
、同期確認、信号復調、同期追跡、時間差計測といった信号処理、およびA/D変換部4
30のサンプリングタイミング制御を行なう。復調されたデータS443および測位デー
タS444はベースバンド部から出力されて上位レイヤに伝えられ、上位レイヤでデータ
処理が行なわれる。
なお本実施例ではA/D変換部430では3ライン×2チャンネルの入力をA/D変換器431ia、431ib、431ic、431qa、431qb、431qcを用いて処理していたが、入力系統を2ライン×2チャンネル431ib、431ic、431qb、431qcとし、431ia=(431ib、+431ic)/2、431qa=(431qb、+431qc)/2という近似を用いることにより回路規模を縮小することができる。
次に、時間差計測の原理を、図11を参照しながら説明する。図11は、測位信号S1
01および基準信号S111受信時の、基地局120の受信装置のタイミングチャートで
ある。測位信号S101との同期捕捉が確立されていない間は、サンプリングタイミング
制御信号S441により、サンプリングクロックS435の周期を変え、同期の捕捉を行
う。測位信号S101を受信し、同期捕捉が確立されると、復調および同期追跡を開始す
る。
送信装置と受信装置のクロックに周波数偏差が存在するため、一度同期が確立した後で
も、次第に同期ずれが生じる。同期追跡部560でそのずれを検知し、制御信号S441
,S442を介してサンプリングクロックS435の周期を調整する。
受信装置は、測位信号S101のデータ340を受信し終えると、同期捕捉を行う。基
準信号S111との同期捕捉が確立された後、復調・同期追跡を行う。
基地局120は、測位信号S101を受信してから、基準信号S111を受信するまで
の時間Tmeasを計測する。ここでは、当該信号S101,S111の受信時刻を、SFD
320を受信し終えた時刻とする。
サンプリングクロックS435の周期は、通常はTckであり、制御信号S441,S4
42が出力された場合はそれぞれTck+Ts,Tck-Tsとなる。これを利用すると、測位信号S
101と基準信号S111の受信時間差Tmeasは以下の式で与えられる。
Tmeas = Tck・Nck + Ts・(Np - Nm) ……(3)
ただし、
Tck:通常のサンプリングクロック周期
Ts:タイミングシフト時間
Nck:パルスサンプリング用クロックのカウント数
Np,Nm:+Ts,-Tsのサンプリングタイミング制御信号のカウント数
である。
すなわち、該受信時間差Tmeasは、サンプリングクロックS435およびその制御信号
S441,S442の数をカウントすることで算出される。
この受信時間差の算出は、時間差・偏差計測部(TD&FDMM)580(図6参照)でなされる。次に、この時間差・偏差計測部580の動作を説明する。時間差・偏差計測部580には、サンプリングクロックS435D、サンプリングタイミング制御信号S441,S442、およびSFD検出信号S551が入力される。クロックS435D、および制御信号S441,S442がそれぞれカウンタ610a〜cに入力され、そのカウント値を信号S611a〜cとして出力する。
SFD検出信号S551は、SFD320が検出されたタイミングで復調部550から
出力される。カウント値S611a〜cは、SFD検出タイミングでレジスタ620a〜
cに記憶される。また、SFD検出信号S551は、遅延部630にて遅延され、カウン
タ610のカウント値をリセットする。
時間差計算部640では、レジスタ620に記憶された値を用い、式(3)に従って受
信時間差Tmeasを計算する。当該時間差Tmeasは、信号S444aとして上位レイヤに出力
される。上位レイヤでは、復調されたデータS443からノード100のIDなどを識別
し、必要な情報と該受信時間差Tmeasを測位サーバに送信する。測位サーバでは基地局か
らのデータをもとにノード100の位置を算出する。
該受信時間差Tmeasの計算は、時間差・偏差計測部580でなく、上位レイヤ、測位サーバなどで行ってもよい。
また、Tmeasの計測開始時および終了時はSFD検出時でなくてもよい。例えば、測位
信号S101のデータ終了時から計測を開始してもよい。この場合、前述した例と比較し
て計測時間が短縮され、カウンタのビット数削減が可能となり、回路規模が削減される。
同期捕捉が確立されていない間は、サンプリングタイミング制御信号S441が周期的
に出力される。同期が捕捉されたかを判定するのに一定時間を要するためである。これを
利用すると、この間のサンプリングクロックS435dの数は、サンプリングタイミング
制御信号S441のカウント数から算出することができる。
以上が、受信時間差Tmeasを高精度、かつ低消費電力で計測する方法および回路である
。すなわち、サンプリングクロックS435およびサンプリングタイミング制御信号S4
41,S442の数をカウントし、式(3)に従い該受信時間差Tmeasを算出する。
図12に、本実施例による測位処理の全体のフローチャートを示す。
ノードは、サーバからの指示や事前にセットされたタイマの軌道などによる位置計算を希望する任意の時刻に、周辺の基準局110と基地局120に対して測位信号S101を含む伝送信号を送信する(S1201)。基準局110は、測位信号を受信した後、基準信号S111含む伝送信号を送信する(S1202)。
ここで、各基地局120は、伝送信号例えば測位信号S101を受信したとき、この測
位信号とサンプリングクロックとの同期捕捉を行う。同期捕捉が確立された後、復調・同
期追跡を行う。各基地局は、同期捕捉、復調・同期追跡などの伝送信号の受信処理と並行
して、式(3)に従って測位信号S101と基準信号S111の受信時間差Tmeas及び周波数偏差補正に用いるサンプリングタイミング制御信号カウント Np、Nmの計測処理を行う(S1203)。周波数偏差の補正とそのための計測に関しては後で詳述する。これらの結果に基づく情報をサーバ130に送付する(S1204)。サーバ130は、これらの情報をもとに、各基地局からの受信時間差測定結果に対して周波数偏差に基づく補正を行うかどうかを判断する(S1205)。上記の判定基準については後述する。
測定結果が補正を行う基準を満たしていれば受信時間差測定結果Tmeasに対して周波数偏差に応じた補正を行う(S1206)。また基準を満たしていなかった場合は、基地局から送られてきた受信時間差測定結果Tmeasをそのまま用いる(S1207)。上記の処理を施した受信時間差測定結果Tmeasと、サーバが持つデータベースに記録されている情報とから、ノードの座標を算出して測位を行う(S1208)。
このように、同期捕捉、同期追跡、受信時間差計測等の機能を備えた本実施例のシステ
ムを用いることで、比較的低速なクロック、制御信号およびカウンタを用いたとしても、
高精度な時間差計測が可能となる。カウンタの動作周波数は、パルス繰返し周波数(1/Tck)と同じであり、例えば約32MHzである。カウンタの動作周波数が低いため、消費
電力、回路規模を低減することができる。さらに、Tmeasの計測開始/終了を示すSFD
検出信号S551がサンプリングクロックに同期しているため、設計が容易となる。
次に基地局相互のクロック誤差を計測、低減する周波数偏差計測に関して、図6及び図13で説明する。
上記本発明の第1の実施例において、基地局120が計測した該受信時間差Tmeasは、
クロックの周波数精度に起因する誤差を含んでいる。
測位サーバでは、複数の基地局120で計測されたTmeasを用いて、式(2)に従いノ
ード100の位置を算出する。クロックの誤差を考慮した場合、式(2)の右辺第2項は
Tmeas,a - Tmeas,b = Treal,a・(1 + δa) Treal,b・(1 + δb)
= Treal,a Treal,b + (Treal,a・δa + Treal,b・δb)
…… (4)
となり、誤差(Treal,a・δa + Treal,b・δb)が生じる。ここで、
Treal,a,Treal,b:基地局120a,120bがそれぞれ計測すべき実際の時間
δa,δb:基地局120a,120bのクロックの偏差
である。誤差(Treal,a・δa + Treal,b・δb)は、
Treal,a・δa + Treal,b・δb = (Treal,a - Treal,b)・δa + Treal,b・(δa - δb)
…… (5)
と変形される。
(Treal,a - Treal,b)は、ノード100と基地局120との距離および基準局110と
基地局120との距離に依存し、例えば、30m四方の広さの測位システムを考えると、
その値は高々100ns程度となる。これに対し、Treal,bは基準局110での信号処理
時間、測位信号S101のデータ長、基準信号S111のプリアンブル長などに依存し、
例えば、伝送速度が250kbpsでプリアンブル長が20バイトとした場合、その値は
少なくとも0.6ms以上となる。この場合、例えば基地局間のクロックの偏差(δa -
δb)が20ppmとすると、約13nsの時間誤差が生じる。これは距離に直すと約4m
の誤差となる。
従って、式(5)で表される誤差のうち、支配的となるのは第2項である。言い換える
と、主な誤差要因となるのは、クロックの絶対的な偏差(実際の時間との偏差)ではなく、基地局間のクロックの相対的な偏差である。従って、基地局間のクロックの相対的な偏
差を低減すれば、誤差が低減される。
本実施形態では、サーバは図12のS1206の段階で基地局と基準局のクロックの周波数偏差を計測し、各基地局のクロックを基準局のクロックに合わせることにより、測位誤差の低減を行う。すなわち、基準局のクロック周波数を基準として、基地局相互のクロック誤差を計測、低減する。図13を用いて、周波数偏差計測ユニットの動作原理を説明する。
図13は、基準信号S111受信時における、基地局120aのA/D変換部430の
タイミングチャートである。基準信号S111との同期が確立した後の状態を示している
。この状態では、A/D変換部430に入力されるアナログ信号S432とサンプリング
クロックS435が同期している。言い換えると、サンプリングタイミング制御信号S4
41,S442により、サンプリングクロックS435の周期を、該アナログ信号S43
2と同期するように制御している。
また、基準信号S111は基準局110により生成されるため、該アナログ信号S43
2は、基準局110のクロックの周波数偏差を反映する。従って、制御信号S441が出
力される周期は、基地局120aのクロックと基準局110のクロックとの偏差に対応す
る。その偏差は、
δa - δr = Ts・(Np - Nm) / Tck・Nck …… (6)
と表される。ここで、δrは基準局110のクロックの偏差である。
すなわち、クロック周波数偏差(δa - δr)は、サンプリングクロックS435およびサンプリングタイミング制御信号S441,S442をカウントすることで算出される。この方法により、サーバは図12のS1206の段階で各基地局120の基準局110に対する偏差を算出し、基準局のクロック周波数を基準とする補正を行うことでクロックの周波数偏差に起因する誤差が低減される。
このように、クロックの周波数偏差に起因する誤差を低減させることにより、測位精度を向上させることができる。
しかし、基地局と基準局とのクロック周波数偏差の計測時間が短かったためNp 、Nmのサンプル数が少な過ぎた場合、式(6)により求めた偏差と実際の偏差が一致しない場合が考えられる。例えば統計学的に見た場合、誤差20%以下となる信頼区間が90%となるためには、Np + Nm > 17を満たす必要がある。この値以下のサンプル数しか得られなかった場合、式(6)により求めた偏差に誤差が含まれる可能性が高く、クロック偏差に伴う誤差の補正を行うことにより、かえって受信時間差(Treal,a - Treal,b)の測定結果の誤差を大きくしてしまうことが考えられる。
このため、Np + Nmが一定の値以下であるかを判定し、一定値以下であった場合にはクロック補正を行わないようにする。例えばNp + Nmが17以下ならば補正を行わず、17より大きければ補正を行うという判定を設けることにより、不正確な補正による誤差の増大を防ぐことができ、高い精度を維持することができる。また補正を行う判定の基準をNp や Nm単独の値、あるいはこれらの値を計測した時間とするのも本発明の範疇である。つまり、クロック周波数偏差を算出する際に用いるサンプル数(制御信号の出力回数)、計測時間が所定の条件を満たすか否かによって、クロック周波数偏差に基づく補正要否を判定することにより、測位精度を向上させることができる。なお、補正の要否を判断する閾値に付いては、上述した誤差が所定値以下となる信頼区間の長さなどのパラメータの変化に伴い変動する。
次に、図6の時間差及び偏差計測部580の周波数偏差測定時の動作について説明する。
周波数偏差計測には時間差及び偏差計測部580の、カウンタ610、レジスタ620、偏差計算部(FDCAL)650を用いる。時間差及び偏差計測部580にはサンプリングクロックS435D、サンプリングタイミング制御信号S441,S442、SFD検出信号S551およびデータ終了信号S552が入力され、計測された偏差S444bが出力される。データ終了信号S552は受信した信号のデータ340が終了した時点で復調部から出力される。
クロックS435D、および制御信号S441,S442は、それぞれカウンタ610
a〜cに入力され、そのカウント値を信号S611a〜cとして出力する。該カウント値
S611a〜cはSFD検出タイミングにてリセットされ、データ終了タイミングでレジ
スタ620d〜fに記憶される。偏差計算部650では、式(6)に従い、レジスタ620の値を用いて偏差を算出し、上位レイヤに出力する。
上位レイヤあるいは測位サーバは、補正用のクロックカウント値Np や Nmの内容を考慮して補正を行うかどうかを検討し、それに応じて受信時間差Tmeasのクロック偏差による誤差の補正を行う。その後、測位サーバでは、その受信時間差Tmeasを用いてノード100の位置を算出する。
ここでは、基準信号S111を用いて偏差の補正を行うとしたが、これに限定されるも
のではなく、ノードからの測位信号S101、他の送信装置からの信号などを用いてもよ
い。また、偏差の計測を行うタイミングは、測位を行うタイミングに限らず、設置時点、定期的に、あるいは温度変化が生じた時、など適当な時に計測してもよい。このとき、該偏差のデータは基地局120あるいは測位サーバ130のデータベースなどに記憶しておく。
以上のように、同期捕捉確立後に、制御信号S441,S442が出力される回数を計測し、その計測結果を予め設定した条件と比較することにより、有効な補正が行えるかを判断した後に偏差の補正を行う。これにより、測位精度が向上される。また、適切な偏差の補正が可能になれば、測位可能な範囲が拡大される。測位可能な範囲を拡大するためには、通信距離が長い低い伝送速度での通信が必要となる。低い伝送速度では、プリアンブル長が長いため、計測する時間差Tmeasが長くなり、周波数偏差に起因する誤差が増す。偏差の補正により、この誤差を低減でき、低い伝送速度での測位が可能となり、測位範囲を拡大することができる。また、周波数偏差の大きい安価な水晶発振子の使用が可能となり、コストが削減される。
この方法の時間計測精度は、上記方法により個別のクロック精度による誤差を解消することができるため±Ts(タイミングシフト時間)となる。例えば、Tsを0.5nsとすると、1GHzの発振器とカウンタを用いて計測した場合と同じ精度となり、約30cmの測位精度が得られる。
以上述べたとおり、本実施例に係る基地局の受信装置では、測位信号と基準信号の受信
時間差の計測に、低速なクロックおよび該クロックの位相をシフトさせる制御信号を使用
できる。そして、このクロックおよび該制御信号の数を、低速なカウンタでカウントし、
受信時間差を算出する。算出された受信時間差の精度は、一回の制御信号発生によりシフ
トさせる時間で決まる。このため、高精度な時間差計測が可能となる。この方法を用いて
受信時間差の計測を行うことで、高速なクロックおよび高速なカウンタが必要なく、消費
電力、回路規模が低減される。
以上の位置検出システムにおいて、基地局の情報をサーバに伝えるネットワークは有線
でも無線でもよい。また、基準局やサーバの機能を基地局が兼ねることも可能である。すなわち、基地局がノードからの測位信号を受信すると基準信号を送信すること、基地局の時間差・偏差計測部がクロック周波数偏差の測定結果に基づいて測位信号と基準信号との受信時間差の補正を行うか否かの判定を行い、補正を行うと判定された場合に受信時間差に補正を行うこと、などが可能である。これにより、サーバの負荷を減らすことができる。
また、受信装置に標準で測位機能を搭載することが可能となる。すなわち、受信機能を
持つ全てノードが測位用基地局になることができ、柔軟な測位システムが形成される。
このように、基地局相互のクロック偏差の補正を行うことにより、時間差計測の誤差を低減でき、低い伝送速度での測位が可能となり、測位範囲を拡大することができる。また、周波数偏差の大きい安価な水晶発振子の使用が可能となり、コストが削減される。
ここまでは、図1に示すような、ノード100、基準局110、基地局120、測位サ
ーバ130から構成されるシステムについて説明を行ったが、本発明に係る時間差計測方
式および偏差計測方式は、構成の異なる他のシステムにおいても効果を発揮する。
例えば、二つの通信装置間の距離を測る場合にも、本発明に係る方法が有効である。第
1の通信装置が第2の通信装置に測位信号を送信し、測位信号を受信した第2の通信装置
が応答信号を第1の通信装置に送信する場合に、第1の通信装置が測位信号を送信してか
ら、応答信号を受信するまでの時間を計測することで距離は算出される。本発明に係る受
信装置を用いれば、この時間差をクロックおよび該クロックの制御信号から計測すること
ができ、二つの通信装置間の距離が高精度に算出される。
また、上記のように計測した時間には、第2の通信装置での処理時間が含まれているた
め、二つの通信装置のクロックに偏差が存在する場合、距離算出時に誤差要因となる。本
発明に係る方法で、偏差を計測し、補正することで、測定された距離の誤差は低減される。
さらに、この実施例の周波数偏差計測ユニットは、測位システムのみならず、周波数偏差の計測結果を利用した送受信装置の構成機器のメンテナンスにも使用することができる。
また、基地局における受信装置の一例として、受信インパルス列をパルス繰返し周期で
アナログデジタル変換する装置を用いて説明を行ってきたが、本発明に係る時間差計測方
法および偏差計測方法はこの装置に限られるものではない。
例えば、本発明の第2の実施例の測位システムとして、テンプレート波形と受信信
号との相関をとり同期を捕捉する方式の通信システムに、第1の実施例と同様な、時間差および偏差計測方式の受信装置を採用することは有効である。
図14に、本発明の実施例に係る受信装置200の構成例を示す。受信装置は、テンプ
レート波形発生部202と、このテンプレート波形を発生させるタイミング(位相)をシフ
トさせるタイミングシフト部203と、このテンプレート波形とアンテナ210を介して
受信した受信信号との相関をとる相関器204と、この相関部の出力信号をアナログデジ
タル変換するA/D変換器205と、このA/D変換のタイミングを与えるサンプリング
クロック生成器201と、擬似ランダム符号生成部(図示略)を備えている。さらに、ベ
ースバンド部(BBM)206は、同期捕捉、同期追跡機能207及び偏差計測部(TD
&FDMM)208を備え、タイミングシフト機能により受信信号とテンプレート波形と
の同期の捕捉および同期の追跡を行い、さらにクロック偏差の補正を行ない、位置ないし
は距離の計測を行う。
テンプレート波形発生部202では、通信システムの送信側で信号の拡散に使用した擬
似ランダム符号を用いて、テンプレート波形を生成する。相関器204にてこのテンプレ
ート波形と受信信号との相関をとり、A/D変換器205を経てベースバンド部(BBM
)206に送る。同期捕捉・同期追跡部207では、テンプレート波形の発生タイミング
を制御しながら、受信信号とテンプレート波形との相関性が最も高い時間を検出する。以
後、上記相関が高く維持されるように、テンプレート波形を発生させるタイミングを制御
する。
同期捕捉、同期追跡部207と時間差および偏差計測部(TD&FDMM)208は、
実施例3で説明したような、テンプレート波形の位相をシフトさせる同期捕捉、同期追跡
及び、受信時間差計測、あるいは偏差計測機能を有している。これにより、時間差および
偏差計測部(TD&FDMM)208において、タイミングシフト部203を制御する信
号およびA/D変換器のサンプリングクロックの数をカウントすることで、高精度な時間
差計測および偏差計測が可能となる。
本実施例によれば、低消費電力、小型かつ低コストな装置で、高精度な時間差計測およ
びクロック偏差の補正が可能となり、高精度な測位が実現される。
なお、ここまで、異なる送信装置からの伝送信号の時間差計測方法の説明を行ってきたが、本発明に係る時間差計測方法はこれに限るものではない。例えば、第1の伝送信号と第2の伝送信号が同一の送信装置から送信された場合に、第1の実施例と同様な、時間差および偏差計測方式の受信装置を採用することは有効である。
この場合、受信装置において計測した時間差は、送信装置が第1の伝送信号を送信した
後、第2の伝送信号を送信するまでに移動した距離に対応する。すなわち、同一の送信装
置から送信された第1の伝送信号と第2の伝送信号を本発明に係る受信装置で受信するこ
とで相対的な距離の変化ないし位置の変化を計測することが可能となる。さらに、本発明
に係る偏差計測方式によってクロックの周波数偏差の補正を行なうことで、高精度な計測
が可能となる。
本発明の第1の実施例に係る測位システムの構成図の一例。 第1の実施例のノード(NOD)の構成例を示すブロック図。 第1の実施例の基準局(RS)の構成例を示すブロック図。 第1の実施例の基地局(AP)の構成例を示すブロック図。 第1の実施例の測位サーバの構成例を示すブロック図。 第1の実施例の測位システムにおける信号の送受信の概要を示すシーケンス図の一例。 本発明の第1の実施例に係る受信装置の回路ブロック図の一例。 本発明の第1の実施例に係る受信装置の時間差計測機能を持つベースバンド部の構成の一例を示す回路ブロック図。 図5の時間差計測部の構成の一例を示す回路ブロック図。 本発明に係る測位システムの原理を説明する図の一例。 本発明に係るノードから送信される測位信号および基準局から送信される基準信号の構成図の一例。 本発明に係る同期捕捉方法を説明する図の一例。 本発明に係る同期追跡方法を説明する図の一例。 本発明に係る時間差計測の方法を説明する図の一例。 本発明の第1の実施例による測位処理の全体のフローチャートの示す図の一例。 本発明の第1の実施例に係る偏差計測の方法を説明する図の一例。 本発明の第2の実施例に係る送受信装置の回路ブロック図の一例。
符号の説明
100 …… ノード(NOD)
110 …… 基準局(RS)
120 …… 基地局(AP)
130 …… 測位サーバ(PS)
140 …… ネットワーク(NT)
S101 …… 測位信号
S111 …… 基準信号
101 …… 信号送信制御部
102 …… 送信信号作成部
103 …… アンテナ
111 …… ベースバンド部(BBM)
112 …… アナログデジタル変換部(ADM)
113 …… RFフロントエンド部(RFF)
114 …… SCG
115 …… 送信受信切替スイッチ(SWT)
116 …… CLK
117 …… アンテナ(ANT)
118 …… 信号送受信制御部
119 …… 送信信号生成部
121 …… ベースバンド部(BBM)
122 …… 同期捕捉部(TRPM)
123 …… 時間差・偏差計測部(TD&FDMM)
125 …… アナログデジタル変換部(ADM)
126 …… SCG
127 …… RFフロントエンド部(RFF)
128 …… CLK
128 …… アンテナ(ANT)
131 …… 通信部
132 …… 測位部
133 …… データベース
310 …… プリアンブル
320 …… フレーム開始部(SFD)
330 …… ヘッダ
340 …… データ
410 …… アンテナ(ANT)
420 …… RFフロントエンド部(RFF)
430 …… A/D変換部(ADM)
440 …… ベースバンド部(BBM)
S443 …… 受信データ
S444 …… 測位データ
421 …… ローノイズアンプ(LNA)
422 …… ミキサ(MIX)
423 …… π/2位相シフタ(QPS)
424 …… クロック発生器(CLK)
425 …… ローパスフィルタ(LPF)
426 …… 可変ゲインアンプ(VGA)
431 …… A/D変換器(ADC)
433 …… サンプリングクロック生成部(SCG)
S435 …… サンプリングクロック
S441 …… サンプリングタイミング制御信号(+方向)
S442 …… サンプリングタイミング制御信号(−方向)
510 …… マッチトフィルタ部(MFM)
520 …… 同期捕捉部(TRPM)
530 …… データ保持タイミング制御部(DLTCTL)
540 …… データ保持部(DLM)
550 …… 復調部(DEMM)
560 …… 同期追跡部(TRCKM)
570 …… サンプリングタイミング制御部(STCTL)
580 …… 時間差・偏差計測部(TD&FDMM)
S551 …… SFD検出信号
S552 …… データ終了信号
S444a …… 測定時間差Tmeas
S444b …… 測定偏差
610 …… カウンタ(CNT)
620 …… レジスタ(REG)
630 …… 遅延部(D)
640 …… 時間差計算部(TDCAL)
650 …… 周波数偏差計算部(FDCAL)
810 …… サンプリングクロックがパルスのピークよりも進んでいる状態
820 …… サンプリングクロックがパルスのピークよりも遅れている状態
830 …… サンプリングクロックがパルスのピークと一致している状態。

Claims (10)

  1. 測位信号を送信するノードと、
    基準信号を送信する基準局と、
    上記測位信号及び上記基準信号を受信する受信部と、上記測位信号と上記基準信号の受信時間差を計測し、上記ノードまたは上記基準局とのクロック周波数偏差を算出する時間差・偏差計測部と、を有する少なくとも3の基地局と、
    上記基準局及び上記基地局の位置情報を格納するデータベースと、上記位置情報及び上記受信時間差を用いて上記ノードの位置を算出する測位部と、を有するサーバからなり、
    上記クロック周波数偏差に基づく上記受信時間差の補正を行うか否かの判定を行い、上記補正を行うと判定された場合には、上記測位部は上記補正が行われた受信時間差を用いて上記ノードの位置を算出することを特徴とする測位システム。
  2. 請求項1に記載の測位システムにおいて、
    上記基地局が、上記クロック周波数偏差に基づく上記受信時間差の補正を行うか否かの判定を行い、上記補正を行うと判定された場合には上記受信時間差に補正を行い、該補正が行われた受信時間差を上記サーバに送信することを特徴とする測位システム。
  3. 請求項1に記載の測位システムにおいて、
    上記サーバが、上記クロック周波数偏差に基づく上記受信時間差の補正を行うか否かの判定を行い、上記補正を行うと判定された場合には上記受信時間差に補正を行うことを特徴とする測位システム。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の測位システムにおいて、
    上記判定は、上記測位信号及び上記基準信号のサンプリング周期を変えるサンプリングタイミング制御信号のカウント数が所定値以下の場合には上記補正を行わず、上記所定値を超える場合には上記補正を行うものであることを特徴とする測位システム。
  5. 請求項4に記載の測位システムにおいて、
    上記所定値は17であることを特徴とする測位システム。
  6. 請求項1乃至3の何れかに記載の測位システムにおいて、
    上記判定は、上記クロック周波数偏差の計測時間が所定値以下の場合には上記補正を行わず、上記所定値を超える場合には上記補正を行うものであることを特徴とする測位システム。
  7. ノードから送信される測位信号及び基準局から送信される基準信号を受信する受信部と、上記測位信号と上記基準信号の受信時間差を計測し、上記ノードまたは上記基準局とのクロック周波数偏差を算出し、クロック周波数偏差に基づく上記受信時間差の補正を行うか否かの判定を行い、該補正を行うと判定された場合には上記受信時間差に補正を行う時間差・偏差計測部とを有し、
    上記基準局及び上記基地局の位置情報と上記補正された受信時間差を用いて上記ノードの位置を算出するサーバに、上記時間差・偏差計測部で算出した結果を送信することを特徴とする基地局。
  8. 請求項7に記載の基地局において、
    上記判定は、上記測位信号及び上記基準信号のサンプリング周期を変えるサンプリングタイミング制御信号のカウント数が所定値以下の場合には上記補正を行わず、上記所定値を超える場合には上記補正を行うものであることを特徴とする基地局。
  9. 請求項8に記載の基地局おいて、
    上記所定値は17であることを特徴とする基地局。
  10. 請求項7に記載の基地局において、
    上記判定は、上記クロック周波数偏差の計測時間が所定値以下の場合には上記補正を行わず、上記所定値を超える場合には上記補正を行うものであることを特徴とする基地局。
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