JP2008096286A - 吸入空気量算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上流側が複数に分岐した吸気通路について、それらの各々に設けられる気体流量を検出する検出手段の検出値に基づき、内燃機関に吸入される空気量としての精度の良い値を取得することが困難であること。
【解決手段】吸気通路12は、その上流側が第1吸気通路12a及び第2吸気通路12bに分岐しており、これらには第1エアフローメータ14a及び第2エアフローメータ14bがそれぞれ設けられている。これらによって検出される第1吸気量と第2吸気量との差に基づき、第1吸気通路12aを介して合流部JPに吸入される空気量の第1吸気量に対する遅れ量と、第2吸気通路12bを介して合流部JPに吸入される空気量の第2吸気量に対する遅れ量とを各別に算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関に吸入される空気量を算出する吸入空気量算出装置に関する。
吸気通路内に設けられる熱式のエアフローメータの出力に基づき、吸入空気量の情報を取得することが周知である。しかし、エアフローメータの出力は、そのセンシング部分近傍を流動する気体の流量のみならず、気体の湿度等に応じて変動する。
そこで従来は、例えば下記特許文献1に見られるように、エアフローメータの出力を2とおりの手法によって取得し、これら2つの出力に基づき吸入空気量を算出することで、取得される吸入空気量の精度を向上させることも提案されている。
ところで、エアフローメータによって精度良く検出可能な気体流量には、通常、上限及び下限がある。このため、大排気量の内燃機関等にあっては、吸気通路に吸入される空気量が上記エアフローメータによって精度良く検出可能な流量の上限値を上回ることがある。そこで、吸気通路の上流を2つに分岐させ、分岐した各通路毎にエアフローメータを設けることも提案されている。これにより、内燃機関の吸入空気量が、単一のエアフローメータによって精度良く検出できる上限値を超える場合であっても、各エアフローメータの検出する空気量を上記上限値以下とすることができる。
特表2004−516465号公報
ただし、例えば内燃機関の過渡運転時等にあっては、上記2つのエアフローメータの各々によって検出された検出値の和が、吸気通路の合流部より下流側の吸入空気量としての適切な値とならない事態が生じ得ることが発明者らによって見出されている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、上流側が複数に分岐した吸気通路について、それらの各々に設けられる気体流量を検出する検出手段の検出値に基づき、内燃機関に吸入される空気量としての精度の良い値を取得可能な吸入空気量算出装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、上流側が複数に分岐した吸気通路について、該分岐した各吸気通路のそれぞれに設けられる気体流量を検出する検出手段の検出値を取得する取得手段と、前記各検出手段の検出値に対する前記吸気通路の分岐点よりも下流側に吸入される空気量の遅れ量を前記各検出値間の相違に応じて前記各吸気通路経由の空気量の遅れ量毎に各別に扱いつつ、前記下流側に吸入される空気量を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
吸気通路のそれぞれにおいて検出手段近傍を流動する空気が吸気通路の分岐点よりも下流側に吸入されるまでには、空気の流動に伴う遅れが生じる。そして、この遅れ量は、吸気通路毎に異なり得ることが発明者らによって見出されている。この点、上記構成では、各検出値間の相違に応じて各遅れ量を各別に扱うことで、下流側に吸入される空気量を高精度に算出することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記吸気通路は、上流側が2つに分岐するものであり、前記算出手段は、前記2つの吸気通路のそれぞれに設けられる検出手段の検出値の差に基づき、前記遅れ量を各別に算出する遅れ量算出手段と、該算出される各遅れ量に応じて各検出値を補正したもの同士の和に基づき、前記下流側に吸入される空気量を算出する手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、検出値間の差に基づき遅れ量が各別に算出され、これによって検出値を補正するという簡易な手法にて下流側に吸入される空気量を算出することができる。このため、例えば各検出値及び時間を入力パラメータとして下流側に吸入される空気量をマップ演算する場合と比較して、吸入空気量算出装置に記憶すべきデータ数を低減することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記算出手段は、前記検出手段の検出値に基づき前記複数の吸気通路の合流直前部分における各圧力を算出する圧力算出手段と、前記各検出値間の相違としての前記算出される各圧力間の差に基づき、前記下流側に吸入される空気量を算出する手段とを備えることを特徴とする。
分岐点よりも下流側への空気の吸入態様は、合流直前部分(分岐点近傍且つ分岐点の上流側)の各圧力間の差に依存する。この点、上記構成では、合流直前部分の各圧力差を算出することで、下流側に吸入される空気量をより高精度に算出することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記吸気通路は、上流側が2つに分岐するものであり、前記算出手段は、前記圧力算出手段によって算出される2つの圧力の差に基づき、前記遅れ量を各別に算出する遅れ量算出手段と、該算出される各遅れ量に応じて各検出値を補正したもの同士の和に基づき、前記下流側に吸入される空気量を算出する手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、圧力の差に基づき遅れ量が各別に算出され、これに基づき検出値を補正するという簡易な手法にて下流側に吸入される空気量を算出することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記応答遅れ算出手段は、前記圧力の差に加えて、前記内燃機関の回転速度、前記下流側に設けられるスロットルバルブの開度、及び前記下流側の吸気通路内の圧力の少なくとも1つに基づき、前記遅れ量を各別に算出することを特徴とする。
回転速度が低速度であるほど、下流側に吸入される空気量の遅れ量が大きくなる。また、スロットルバルブの開度が小さいほど、絞り効果によって、下流側に吸入される空気量の遅れ量が大きくなる。更に、下流側の吸気通路内の圧力が高いほど、下流側に存在する空気量が多いため、下流側に吸入される空気量の遅れ量が大きくなる。この点、上記構成では、これらの性質に着目し、これらの少なくとも1つを用いて遅れ量を算出するために、下流側に吸入される空気量をより高精度に算出することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記算出手段は、前記遅れ量を前記各検出値間の相違に応じて前記各吸気通路毎に各別に扱いつつ前記下流側であって且つ前記分岐点の近傍の空気量を算出する手段と、該近傍の空気量に対する前記内燃機関の燃焼室に流入する空気量の遅れを考慮しつつ前記燃焼室に流入する空気量を算出する手段とを備えることを特徴とする。
分岐点近傍且つ下流側に吸入される空気量を上記各遅れ量を各別に扱って算出した後には、各吸気通路の区別なく、燃焼室に流入する空気量を算出することができる。このため、燃焼室に流入する空気量の算出を簡易に行うことができる。特に、単一の吸気通路を備えるシステムにおいては、検出手段の検出値に対する燃焼室内に流入する空気量の遅れを考慮して同燃焼室内に流入する空気量を算出する手段は既に存在するため、上記構成は有効である。すなわち、上記構成によれば、上記分岐点近傍の空気量を算出する手段を新たに追加するのみで燃焼室内に流入する空気量を精度良く算出することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる吸入空気量算出装置を車載ガソリン機関の吸入空気量算出装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、ガソリン機関10において、吸気通路12の上流は、第1吸気通路12a及び第2吸気通路12bの2つの通路に分岐しており、これら各通路には、第1エアクリーナ13a及び第2エアクリーナ13b、並びに第1エアフローメータ14a及び第2エアフロメータ14bがそれぞれ設けられている。ここで、第1エアクリーナ13a及び第2エアクリーナ13bは、互いに同一の仕様(同一の構造、サイズ等)を有するものである。また、第1エアフローメータ14a及び第2エアフロメータ14bは、互いに同一の仕様(同一の構造等)を有するものである。詳しくは、本実施形態では、熱式のエアフローメータを採用している。また、第1吸気通路12a及び第2吸気通路12bは、その流路断面積や長さが互いに等しく、これらの合流部JPから幾何学的な対称性を保ちつつ分岐してそれぞれ独立の通路を構成している。このため、何らかの阻害要因がない限り、第1吸気通路12a内及び第2吸気通路12b内の気体の流動態様は互いに略同一となると想定されている。なお、第1吸気通路12a及び第2吸気通路12bの構造は、これらのそれぞれを流動する気体の質量流量が、第1エアフローメータ14a及び第2エアフロメータ14bのそれぞれによって精度良く検出可能な量を超えないように設定されている。
吸気通路12の合流部JPよりも下流には、DCモータ等によって開度調節されるスロットルバルブ16と、スロットル開度を検出するためのスロットル開度センサ18とが設けられている。そして、スロットルバルブ16の下流側には、自身の近傍の温度を検出する吸気温センサ20が設けられている。更に、その下流側には、サージタンク22が設けられており、サージタンク22には、その内部の圧力を検出する吸気圧センサ24が設けられている。そして、サージタンク22の下流には、燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁26が取り付けられている。
ガソリン機関10の吸気通路12は、複数の気筒のそれぞれに向かって分岐する吸気マニホールド12mを介して燃焼室30と接続されている。そして、吸気通路12内の空気と燃料との混合気は、吸気バルブ28の開動作により燃焼室30内に導入される。ガソリン機関10のシリンダヘッドには各気筒毎に点火プラグ32が取り付けられており、点火プラグ32には、点火コイル等よりなる図示しない点火装置を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。これにより、各点火プラグ32の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室30内に導入された混合気が着火され燃焼に供される。そして、燃焼エネルギは、ピストン34を介して、クランク軸36の回転エネルギに変換される。また、燃焼室30にて燃焼に供された混合気は、排気バルブ38の開動作によって排気通路40に排出される。なお、クランク軸36の近傍には、クランク軸36の回転角度を検出するクランク角センサ42が設けられている。
上記吸気バルブ28及び排気バルブ38は、クランク軸36から動力を付与されており、クランク軸36の2回転を周期として開閉動作する。ただし、本実施形態においては、吸気バルブ28は、バルブタイミング可変装置44を介してクランク軸36と連結されている。このため、クランク軸36の回転角度に対する吸気バルブ28の開弁タイミングを可変とすることが可能となっている。なお、バルブタイミング可変装置44の近傍には、図示しない吸気側のカム軸とクランク軸36との回転位相を検出するカム角センサ46が設けられている。
一方、電子制御装置(ECU50)は、マイクロコンピュータを備えて構成され、上記各種センサの検出結果や、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ52の検出結果を取り込み、これに基づきガソリン機関10の出力を制御するものである。この出力制御に際しては、例えば、クランク角センサ42によって検出されるクランク軸36の回転角度に対するカム角センサ46によって検出される吸気側のカム角度との回転位相差VVTを算出し、これが目標位相差となるようにフィードバック制御を行う。また、ECU50は、上記第1エアフローメータ14a及び第2エアフローメータ14bの検出値に基づき、燃焼室30に流入する空気量を算出する。以下、これについて詳述する。
図2に、上記燃焼室30に流入する空気量の算出にかかる処理を示す。
流量差算出部B10は、第1エアフローメータ14aによって検出される第1吸気量Ga1に対する第2エアフローメータ14bによって検出される第2吸気量Ga2の差(流量差Gadif)を算出する部分である。
第1遅延量算出部B12は、第1吸気量Ga1及び流量差Gadifに基づき、第1エアフローメータ14aによって質量流量が検出される空気が、合流部JPを通過するまでに要する第1遅延量Delay1を算出する部分である。ここでは、図3(a)に示すように、第1吸気通路12aから合流部JPに流入する空気量(図中、一点鎖線)と第1吸気量Ga1(図中、実線)との間には、所定のオフセットが生じるとして、このオフセット量を第1遅延量Delay1として算出している。具体的には、図3(a)では、第1吸気量Ga1が変化する過渡状態として第1吸気量Ga1が増大する例を示しており、合流部JPに流入する空気量の変化態様と第1吸気量Ga1の変化態様とは、変化するタイミングを除いては同一であると想定している。なお、第1遅延量Delay1は、流量差Gadifが大きい値をとるほど大きな量となっている。これは、第1吸気通路12a側から流入する空気と第2吸気通路12b側から流入する空気とについての合流部JP近傍(且つ上流側)における流量が大きい方が合流部JPに流入するまでの応答遅れが短くなるという知見に基づく。
先の図2に示した第1部分吸気量算出部B14では、第1吸気量Ga1の値を遅延量Delay1だけ遅延させることで、第1吸気通路12a経由で合流部JPに流入する空気量mth1を算出する部分である。
第2遅延量算出部B16は、第2吸気量Ga2及び流量差Gadifに基づき、第2エアフローメータ14bによって質量流量が検出される空気が、合流部JPを通過するまでに要する第2遅延量Delay2を算出する部分である。ここでは、図3(b)に示すように、第2吸気通路12bから合流部JPに流入する空気量(図中、一点鎖線)と第2吸気量Ga2(図中、実線)との間には、所定のオフセットが生じるとして、このオフセット量を第2遅延量Delay2として算出している。具体的には、図3(b)では、第2吸気量Ga2が変化する過渡状態として第2吸気量Ga2が増大する例を示しており、合流部JPに流入する空気量の変化態様と第2吸気量Ga2の変化態様とは、変化するタイミングを除いては同一であると想定している。なお、第2遅延量Delay2は、流量差Gadifが小さい値をとるほど大きな量となっている。これは、第1吸気通路12a側から流入する空気と第2吸気通路12b側から流入する空気とについての合流部JP近傍(且つ上流側)における流量が大きい方が合流部JPに流入するまでの応答遅れが短くなるという知見に基づく。
先の図2に示した第2部分吸気量算出部B18では、第2吸気量Ga2の値を遅延量Delay2だけ遅延させることで、第2吸気通路12b経由で合流部JPに流入する空気量mth2を算出する部分である。
合計吸気量算出部B20は、上記空気量mth1及び空気量mth2の和を、合流部JPに吸入される空気量mthとして算出する部分である。
シリンダ流量算出部B22は、合流部JPの空気量mthが燃焼室30内に流入するまでの遅れを考慮しつつ燃焼室30内に流入する空気量(シリンダ流入空気量me)を算出する部分である。ここでは、時定数τを用いた1次遅れモデルに空気量mthを入力したときの出力としてシリンダ流入空気量meを算出する。
吸気圧算出部B24は、ピストン34が吸気下死点にあるときの燃焼室30内の圧力Pmを推定する。ここでは、燃焼室30内の気体の温度を上記吸気温センサ20の検出する吸気温Tによって代用し、また、燃焼室30内の容積Veと、体積効率ηと、気体定数Rを用いて、気体の状態方程式により算出する。体積効率算出部B26は、クランク角センサ42の検出値に基づく回転速度NEと、上記回転位相差VVTと、上記圧力Pmとを用いて、体積効率ηをマップ演算する。
時定数算出部B28は、上記時定数τを算出する部分である。ここで、時定数τは、吸気通路12が回転速度NE、体積効率η、及び燃焼室30内の容積の積によって、吸気マニホールド12m内の容積を除算した値として算出される。
図4に、上記合流部JPに吸入される空気量mthを算出する処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2を取得する。続くステップS12においては、第1吸気量Ga1に対する第2吸気量Ga2の差である流量差Gadifを算出する。更に、ステップS14においては、第1吸気量Ga1及び流量差Gadifから遅延量Delay1をマップ演算するとともに、第2吸気量Ga2及び流量差Gadifから遅延量Delay2をマップ演算する。そして、ステップS16においては、遅延量Delay1だけ前の第1吸気量Ga1を、第1吸気通路12aから合流部JPに吸入される現在の空気量mth1として算出する。また、遅延量Delay2だけ前の第2吸気量Ga2を、第2吸気通路12bから合流部JPに吸入される現在の空気量mth2として算出する。そして、ステップS18においては、空気量mth1及びmth2の和として、合流部JPに吸入される空気量mthを算出する。
このように、本実施形態では、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2に対する合流部JPに吸入される空気量の遅延量を、流量差Gadifに応じて、第1吸気通路12a及び第2吸気通路12bのそれぞれを経由する空気量の遅延量毎に各別に扱いつつ、合流部JPに吸入される空気量mthを算出した。これにより、例えば第1吸気通路12a及び第2吸気通路12bにおける空気の流動態様の対称性が崩れる状況であっても、合流部JPの空気量mthを高精度に算出することができるようになる。すなわち、上記対称性が崩れる状況下においては、過渡時における第1吸気量Ga1に対する空気量mth1の関係と、第2吸気量Ga2に対する空気量mth2の関係とが相違する。これにより、合流部JPに吸入される空気量mth1の値として第1吸気量Ga1の値が反映されるまでに要する時間と、合流部JPに吸入される空気量mth2の値として第2吸気量Ga2の値が反映されるまでに要する時間とが異なることとなる。このため、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2の和に基づき、これらが合流部JPに吸入されるまでの遅れ量を考慮して空気量mthを算出する場合には、合流部JPに吸入される空気量mthを高精度に算出することができない。これに対し、本実施形態によれば、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2に対する合流部JPに吸入される空気量の遅延量を流量差Gadifに応じて各別に扱うことで、合流部JPに吸入される空気量mthを高精度に算出することができる。
ちなみに、第1吸気通路12a及び第2吸気通路12bにおける空気の流動態様の対称性が崩れる状況を生じる原因としては、第1エアクリーナ13a及び第2エアクリーナ13bの目詰まり度合いが相違することや、当該ガソリン機関10を搭載する車両とその前方を走行中の車両との位置関係等により、第1エアクリーナ13a及び第2エアクリーナ13bへの空気の吸入しやすさが互いに異なる場合等がある。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2に対する合流部JPに吸入される空気量の遅延量を流量差Gadifに応じて各別に扱いつつ、合流部JPに吸入される空気量mth1、mth2を算出した。これにより、合流部JPに吸入される空気量mthを高精度に算出することができる。
(2)流量差Gadifに基づき、遅延量Delay1、Delay2を各別に算出し、これら各遅延量Delay1、Delay2に応じて第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2を補正したもの同士の和に基づき、合流部JPに吸入される空気量mthを算出した。これにより、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2を補正するという簡易な手法にて合流部JPに吸入される空気量mthを算出することができるため、例えば第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2並びに時間を入力パラメータとして空気量mthをマップ演算する場合と比較して、ECU50に記憶すべきデータ数を低減することができる。
(3)合流部JPに吸入される空気量mthに対する燃焼室30に流入する空気量(シリンダ流入空気量me)の遅れを考慮しつつシリンダ流入空気量meを算出した。これにより、シリンダ流入空気量meの算出を簡易に行うことができる。特に、単一の吸気通路を備えるシステムにおいては、エアフローメータの検出値に対する燃焼室30内に流入する空気量の遅れを考慮してシリンダ流入空気量meを算出する手段は既に存在するため、上記空気量mthを算出する手段を新たに追加するのみでシリンダ流入空気量meを精度良く算出することも可能である。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図5に、本実施形態にかかるシリンダ流入空気量mthの算出処理の手順を示す。この処理は、ECU50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS20において、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2を取得する。続くステップS22においては、吸気温センサ20によって検出される吸気温Tを取得する。続くステップS24においては、図6に示すように、第1吸気通路12a及び第2吸気通路12bの合流直前部分(図中、UJP1,UJP2)の圧力Ga1Press,Ga2Pressをそれぞれ推定する。ここでは、合流直前部分UJP1、UJP2における空気の温度を、上記吸気温センサ20によって検出される吸気温Tで代用し、合流直前部分UJP1、UJP2として互いに等しい容積を有する領域を定めて気体の状態方程式により圧力Ga1Press,Ga2Pressを推定する。
先の図5のステップS26においては、合流直前部分UJP2の圧力Ga2Pressに対する合流直前部分UJP1の圧力Ga1Pressの差である圧力差DifPresを算出する。次にステップS28において、クランク軸36の回転速度、スロットルバルブ16の開度、及び吸気圧センサ24によって検出される吸気圧を取得する。続くステップS30においては、圧力差DifPresの絶対値が所定差ΔP以上であるか否かを判断する。この処理は、圧力差DifPresが生じることにより、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2に対する合流部JPに吸入される空気量mth1,mth2の遅延に相違が生じ得るか否かを判断するためのものである。そして、所定差ΔP以上である場合には、第1吸気通路12aからの空気及び第2吸気通路12bからの空気のそれぞれに対して各別に遅延量を算出すべく、ステップS32に移行する。
ステップS32においては、回転速度、スロットルバルブの開度、吸気圧、及び圧力差DifPresに基づき、遅延量Delay1,Delay2を各別に算出する。ここで、回転速度が低速度となるほど、遅延量Delay1,Delay2を長く設定する。また、スロットルバルブの開度が小さいほど、絞り効果を考慮して、遅延量Delay1,Delay2を長く設定する。更に、吸気圧が高いほど、吸気通路12内に存在する空気量が多いことに鑑み、遅延量Delay1,Delay2を長く設定する。また、遅延量Delay1については、圧力差DifPresが大きいほど小さく設定し、遅延量Delay2については、圧力差DifPresが小さいほど小さく設定する。これは、合流直前部分UJP1,UJP2の圧力Ga1Press、Ga2Pressのうち圧力が高い方が遅延量が短くなることに鑑みてなされる設定である。
一方、上記ステップS30において否定判断されるときには、ステップS34に移行する。ステップS34においては、回転速度、スロットルバルブの開度、及び吸気圧に基づき、遅延量Delay1,Delay2を同一の値として算出する。ここで、回転速度、スロットルバルブの開度、及び吸気圧と、遅延量Delay1,Delay2との関係は、上記ステップS32の関係と同様である。
そして、ステップS32、S34の処理が完了すると、ステップS36において、合流部JPに吸入される空気量mthを算出する。すなわち、合流部JPに吸入される現在の空気量mth(t)を、遅延量Delay1だけ前の第1吸気量Ga1と、遅延量Delay2だけ前の第2吸気量Ga2との和として算出する。
なお、ステップS36の処理が完了すると、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)圧力差DifPresに基づき、合流部JPに吸入される空気量mthを算出した。これにより、合流部JPに吸入される空気量mthをより高精度に算出することができる。
(5)圧力差DifPresに基づき、遅延量Delay1,Delay2を各別に算出し、遅延量Delay1,Delay2に応じて第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2を補正したもの同士の和に基づき、合流部JPに吸入される空気量mthを算出した。これにより、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2を補正するという簡易な手法にて合流部JPに吸入される空気量を算出することができる。
(6)圧力差DifPresに加えて、回転速度、スロットルバルブ16の開度、及び吸気圧に基づき、遅延量Delay1,Delay2を各別に算出した。これにより、合流部JPに吸入される空気量をより高精度に算出することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第2の実施形態において、回転速度、スロットルバルブ16の開度、及び吸気圧を用いることなく、圧力差に基づき遅延量Delay1,Delay2を算出してもよい。また、この際、回転速度、スロットルバルブ16の開度、及び吸気圧のうちの1つ又は2つを併せ用いてもよい。
・第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2に対する合流部JPに吸入される空気量mth1,mth2の遅れ量を第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2の相違に応じて各別に扱いつつ、空気量mthを算出する手法として、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば先の第1の実施形態によれば、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2から、合流部JPに吸入される空気量mthを時間の関数として算出できることから、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2並びに時間の3つのパラメータを入力として上記空気量mthを出力とするマップを作成することができることを意味する。このため、このマップを用いて空気量mthを算出してもよい。また、先の第2の実施形態によれば、基本的には、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2並びに吸気温に基づき空気量mthを時間の関数として算出できることができることから、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2並びに吸気温T及び時間の4つのパラメータを入力として上記空気量mthを出力とするマップを作成することができることを意味する。このため、このマップを用いて空気量mthを算出してもよい。
・例えば第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2や、吸気温Tに基づき、物理モデルによって合流部JPに吸入される空気量mthを算出してもよい。こうした構成によれば、特に図3において仮定したように合流部JPに吸入される空気の変化態様は、第1吸気量Ga1,第2吸気量Ga2の変化態様と変化タイミングが相違するのみとの前提を設けることなく、空気の流通態様をより正確に反映して合流部JPに吸入される空気量mthをより適切に算出することができる。
・上記各実施形態では、合流部JPに吸入される空気量mthを算出した後、これが燃焼室30に流入する際の遅れ量を考慮してシリンダ流入空気量meを算出したが、吸気通路の分岐点よりも下流側(合流部JPを含むものとする)に吸入される空気量としては、合流部JPに吸入される空気量mthに限らない。例えば、第1吸気通路12a経由で燃焼室30に流入する空気量の第1吸気量Ga1に対する遅れ量と、第2吸気通路12b経由で燃焼室30に流入する空気量の第2吸気量Ga2に対する遅れ量とを各別に算出して、第1吸気量Ga1及び第2吸気量Ga2をこれら遅れ量でそれぞれ補正したものの和としてシリンダ流入空気量mthを算出してもよい。
・吸気通路12a,12bとしては、必ずしも幾何学的な対称性を有するものに限らない。例えば非対称な構造であっても、定常状態にあっては、遅れ量を各別に扱うことなく分岐点よりも下流側に吸入される空気量を適切に算出することが可能であるものの、過渡時にあっては、遅れ量が互いに異なる事情は共通であるため、本発明の適用は有効である。
・吸気通路としては、その上流で2つに分岐するものに限らない。例えば3つ以上に分岐する場合であっても、これら各吸気通路において検出される空気量に対して、分岐点よりも下流側に吸入される際の遅れ量を同一に扱って同下流側に吸入される空気量を算出するのでは、過渡時等に精度の良い値を算出することが困難である。そして、各遅れ量は、各吸気通路内の圧力間の相違や同通路内の気体の流量間の相違に応じて変化する。このため、これら相違に応じて各吸気通路経由の空気量の遅れ量を各別に扱うことで分岐点よりも下流側の空気量を算出することは有効である。
・吸気通路に設けられる気体流量を検出する検出手段としては、熱式のエアフローメータに限らず、例えばベーン式のものやカルマン渦式のエアフローメータであってもよい。
・内燃機関としては、ガソリン機関等の火花点火式内燃機関に限らず、例えばディーゼル機関等の圧縮着火式内燃機関であってもよい。ただし、複数に分岐した吸気通路のそれぞれに設けられた気体流量の検出手段の検出値に対する分岐点よりも下流側に吸入される空気量の遅れ量が吸気通路毎で顕著に異なり得るのが過渡時であることに鑑みれば、内燃機関の要求トルクに応じて吸入空気量を調節するタイプの内燃機関にとって、本発明の適用が特に有効である。
第1の実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかるシリンダ流入空気量の算出処理を示すブロック図。 同実施形態において想定される空気量の検出値と合流部の空気量との変化の相違を示す図。 同実施形態にかかる合流部に吸入される空気量の算出処理の手順を示すフローチャート。 第2の実施形態にかかる合流部に吸入される空気量の算出処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる圧力の推定手法を説明する図。
符号の説明
12…吸気通路、12a…第1吸気通路、12b…第2吸気通路、14a…第1エアフローメータ、14b…第2エアフローメータ、50…ECU(吸入空気量算出装置の位置実施形態)。

Claims (6)

  1. 上流側が複数に分岐した吸気通路について、該分岐した各吸気通路のそれぞれに設けられる気体流量を検出する検出手段の検出値を取得する取得手段と、
    前記各検出手段の検出値に対する前記吸気通路の分岐点よりも下流側に吸入される空気量の遅れ量を前記各検出値間の相違に応じて前記各吸気通路経由の空気量の遅れ量毎に各別に扱いつつ、前記下流側に吸入される空気量を算出する算出手段とを備えることを特徴とする吸入空気量算出装置。
  2. 前記吸気通路は、上流側が2つに分岐するものであり、
    前記算出手段は、前記2つの吸気通路のそれぞれに設けられる検出手段の検出値の差に基づき、前記遅れ量を各別に算出する遅れ量算出手段と、該算出される各遅れ量に応じて各検出値を補正したもの同士の和に基づき、前記下流側に吸入される空気量を算出する手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の吸入空気量算出装置。
  3. 前記算出手段は、前記検出手段の検出値に基づき前記複数の吸気通路の合流直前部分における各圧力を算出する圧力算出手段と、前記各検出値間の相違としての前記算出される各圧力間の差に基づき、前記下流側に吸入される空気量を算出する手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の吸入空気量算出装置。
  4. 前記吸気通路は、上流側が2つに分岐するものであり、
    前記算出手段は、前記圧力算出手段によって算出される2つの圧力の差に基づき、前記遅れ量を各別に算出する遅れ量算出手段と、該算出される各遅れ量に応じて各検出値を補正したもの同士の和に基づき、前記下流側に吸入される空気量を算出する手段とを備えることを特徴とする請求項3記載の吸入空気量算出装置。
  5. 前記応答遅れ算出手段は、前記圧力の差に加えて、前記内燃機関の回転速度、前記下流側に設けられるスロットルバルブの開度、及び前記下流側の吸気通路内の圧力の少なくとも1つに基づき、前記遅れ量を各別に算出することを特徴とする請求項4記載の吸入空気量算出装置。
  6. 前記算出手段は、前記遅れ量を前記各検出値間の相違に応じて前記各吸気通路毎に各別に扱いつつ前記下流側であって且つ前記分岐点の近傍の空気量を算出する手段と、該近傍の空気量に対する前記内燃機関の燃焼室に流入する空気量の遅れを考慮しつつ前記燃焼室に流入する空気量を算出する手段とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸入空気量算出装置。
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