JP2008095697A - ガスタービンの冷却構造 - Google Patents

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Shunsuke Torii
俊介 鳥井
Atsushi Kubota
淳 久保田
Yasuoki Tomita
康意 富田
Hiroyuki Aoki
寛行 青木
Masamitsu Kuwabara
正光 桑原
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Abstract

【課題】フイルム冷却の冷却効果を従来よりも向上させたガスタービンの冷却構造を提供する。
【解決手段】一次流れV1の方向に対して、動翼42の高圧側翼面42aから高圧側翼面42aに対向する隣の動翼42の低圧側翼面42bに向かう方向にずれて開口するように、冷却空気の吹出し孔43cを、プラットフォーム43の内側面から外表面に向けて形成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ガスタービンの冷却構造に関し、詳細には、タービン動翼のプラットフォーム等高温部材に対するフイルム冷却構造を改良したガスタービンの冷却構造に関する。
発電機等に用いられるガスタービンの熱効率を向上させるためには、タービン入口における作動高温ガスの温度を高くすることが効果的である一方、タービン動翼やタービン静翼を始めとする、高温ガスに晒されるタービンの部材(以下、高温部材という)の耐熱性能は、その材料の物理的特性によって規定されるため、単純にタービン入口温度を高めることはできない。
そこで、上述したタービンの高温部材を冷却空気等の冷却媒体によって冷却しつつ、タービン入口温度を高温化することによって、高温部材の耐熱性能の範囲内で熱効率を高めることが行われている。
このような高温部材の冷却方法としては、高温部材の内部に冷却空気を流し、高温部材から冷却空気への熱伝達によって、高温部材の表面温度を高温ガスの温度より低く保つ対流伝熱形や、高温部材の表面に、低温の圧縮空気膜を形成させて、高温ガスから高温部材表面への熱伝達を抑制する保護膜形、あるいは、これら二つを組み合わせた冷却形式が知られている。
対流伝熱形には、対流冷却、吹付(衝突噴流)冷却があり、保護膜形には、膜冷却(フイルム冷却)、浸出し冷却があり、これらの中では浸出し冷却が最も効果的に高温部材を冷却することができる。しかし、浸出し冷却に用いられる多孔質材料の加工が難しく、また不均一な圧力分布のため均一な浸出しができない等の問題があり、実用化されている中では、フイルム冷却による冷却構造が、最も効果的に高温部材を冷却することができ、熱効率の高いガスタービンでは、対流冷却とフイルム冷却とを組み合わせた冷却構造が採用される場合が多い。
米国特許5382135号明細書
ところで、上述したフイルム冷却による冷却構造は、高温部材の内側面や高温ガスに晒される表面の裏側面から、その高温ガスに晒される表面に、冷却空気を吹き出す吹出し孔を、放電加工等によって形成する必要がある。そして従来、この吹出し孔は、高温部材に沿って流れる高温ガスの一次流れの方向に向かって開口するように形成されていた。
しかし、タービン動翼のプラットフォームとタービン静翼の内側シュラウドとの間から漏れるシール空気や、タービン動翼のチップ(半径方向先端部)側に対向して配設される周壁である分割環とタービン静翼の外側シュラウドとの間から漏れる空気等によって、あるいは、翼や分割環、プラットフォーム、シュラウド等の流路壁に衝突後の圧力差によって、高温ガスの流れは乱されて、一次流れとは異なる方向に進む複雑な二次流れとなる。
このため、一次流れ方向に沿って吹き出された冷却空気は、二次流れによって霧散し、高温部材に対する冷却効果を十分に発揮し得ない場合が生じていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、フイルム冷却の冷却効果を従来よりも向上させた、ガスタービンの冷却構造を提供することを目的としている。
このような目的を達成するため、請求項1に記載のガスタービンの冷却構造は、ガスタービンの高温部材に、該高温部材の外表面に冷却媒体を吹き出して該高温部材をフイルム冷却する多数の吹出し孔を形成してなるガスタービンの冷却構造において、前記高温部材は、タービン静翼のシュラウドを含み、前記吹出し孔は、前記高温部材の外表面を流れる高温ガスの二次流れ方向に略一致する方向に開口すると共に、前記タービン静翼のキャンバーラインに沿った高温ガスの一次流れ方向に対して、該タービン静翼の高圧側翼面から該高圧側翼面に対向する他のタービン静翼の低圧側翼面に向かう方向にずれて開口するように、形成されていることを特徴とする。
この冷却構造によれば、高温部材の吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、高温部材の外表面を流れる高温ガスの二次流れ方向に略一致する方向に吹き出されるため、この吹き出された冷却媒体は、高温ガスの二次流れによって乱されることなく、高温部材の表面に、保護層である空気膜を形成し、高温部材に対する所望の冷却効果を得ることができる。
ここで、ガスタービンの高温部材としては、具体的には例えば、タービン動翼、タービン静翼、タービン動翼のプラットフォーム、タービン静翼の内外シュラウド、タービンの燃焼器などがある。
冷却媒体としては、冷却空気等を用いることができ、例えばこの冷却空気は、ガスタービンの圧縮機に導入された空気の一部を抽出し、この抽出された圧縮空気を冷却器により冷却して得ることができる。
二次流れは、シール空気の漏れや、高温ガスが翼に衝突した後の流路内の圧力差等に応じて生じ、その流れ方向は、流れ解析や実機を用いた実験によって求めればよい。二次流れ方向に略一致する方向とは、二次流れ方向に対して例えば±20度の範囲内、好ましくは±10度の範囲、最も好ましくは±5度の範囲内の方向である。
また、高温ガスに晒される高温部材を一層具体的に示しており、この構造によれば、高温部材としてのタービン静翼のシュラウドの吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、シュラウドの外表面を流れる高温ガスの二次流れ方向に沿うため、冷却媒体は高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼のシュラウドに対する所望の冷却効果を得ることができる。なお、タービン静翼のシュラウドには、外周側の外側シュラウド、内周側の内側シュラウドの双方を含む。
更に、タービン静翼のシュラウドにおける冷却媒体の吹出し孔の開口方向を一層具体的に示しており、この構造によれば、シュラウドの吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、タービン静翼のキャンバーラインに沿った高温ガスの一次流れ方向よりもタービン静翼の低圧側翼面に向かう二次流れに沿うため、冷却媒体は高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼のシュラウドに対する所望の冷却効果を得ることができる。
「高温ガスの一次流れ方向に対して、タービン静翼の高圧側翼面からこの高圧側翼面に対向する他のタービン静翼の低圧側翼面に向かう方向にずれて開口する」とは、内外シュラウドおよび隣接する二つの静翼によって周囲を囲まれた高温ガスの流路において、高温ガスの一次流れ方向は、静翼のキャンバーラインに平行な方向であるが、この流れ方向をベクトル表示したとき、ベクトルの終点が、キャンバーラインよりも、低圧側翼面を向けたタービン静翼に向かう方向にずれたベクトルの方向に開口することを意味する。
また、請求項2に記載のガスタービンの冷却構造は、請求項1に記載のガスタービンの冷却構造において、前記二次流れとして、前記タービン静翼前端部近傍において生じる高温ガスの馬蹄渦(horse shoe vortex)を含み、前記タービン静翼前端部近傍における前記吹出し孔が、前記馬蹄渦の流れ方向に沿って開口するように、形成されていることを特徴とする。
ここでいう馬蹄渦とは、タービン動翼からタービン静翼に流れる高温ガスのうち、当該静翼の前端部に衝突し、この静翼に沿って静翼の付け根部分(シュラウド側)方向に回り込み、シュラウド上で、静翼から離れる方向に向かい、さらにその動翼静翼の低圧側翼面方向に回り込む渦流をいうものである。
これは、タービン静翼の前端部近傍のシュラウドにおける冷却媒体の吹出し孔の開口方向を一層具体的に示すものであり、この構造によれば、シュラウドの、タービン静翼の前端部近傍における吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、この前端部近傍において生じている馬蹄渦という二次流れの方向に沿うため、冷却媒体は高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼のシュラウドに対する所望の冷却効果を得ることができる。
また、請求項3に記載のガスタービンの冷却構造は、請求項1または2に記載のガスタービンの冷却構造において、前記高温部材は、タービン静翼を含み、前記タービン静翼の高圧側翼面の上部および低圧側翼面の下部における前記吹出し孔は、前記タービンの軸方向に沿った高温ガスの一次流れ方向から翼上方にずれて開口するように、かつ、前記高圧側翼面の下部および前記低圧側翼面の上部における前記吹出し孔が、前記タービンの軸方向に沿った高温ガスの一次流れ方向から翼下方にずれて開口するように、それぞれ形成されていることを特徴とする。
これは、高温ガスに晒される高温部材を一層具体的に示すものであり、この構造によれば、高温部材の一つとしてのタービン静翼の吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、タービン静翼の外表面を流れる高温ガスの二次流れ方向に沿うため、冷却媒体は高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼に対する所望の冷却効果を得ることができる。
また、タービン静翼における冷却媒体の吹出し孔の開口方向を一層具体的に示しており、この構造によれば、タービン静翼の高圧側翼面の上部および低圧側翼面の下部の吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、タービンの軸に平行な方向に沿った高温ガスの一次流れ方向から翼上方にずれた方向に向かって生じている二次流れの方向に沿うため、当該部を流れる冷却媒体は、高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼の当該部に対する所望の冷却効果を得ることができ、かつ、タービン静翼の高圧側翼面の下部および低圧側翼面の上部の吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、タービンの軸に平行な方向に沿った高温ガスの一次流れ方向から翼下方にずれた方向に向かって生じている二次流れの方向に沿うため、当該部を流れる冷却媒体は、高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼の当該部に対する所望の冷却効果を得ることができる。
また、請求項4に記載のガスタービンの冷却構造は、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のガスタービンの冷却構造において、前記吹出し孔の開口端が、前記二次流れの下流側の斜面が上流側の斜面よりも緩慢な傾斜面の扇形すり鉢状に形成されていることを特徴とする。
これは、冷却媒体の吹出し孔の開口端部の形状を一層具体的に示すものであり、この構造によれば、吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、開口端の、二次流れの上流側よりも傾斜が緩慢である下流側の斜面に沿って流れるため、高温ガスの二次流れ方向に一層沿いやすくなり、高温部材の表面への膜形成の信頼性が高く、高温部材に対する冷却効果を一層向上させることができる。
以上に説明したように、本発明にかかるガスタービンの冷却構造(請求項1)によれば、高温部材としてのタービン静翼のシュラウドの吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、シュラウドの外表面を流れる二次流れ方向に略一致する方向に沿うと共に、タービン静翼のキャンバーラインに沿った高温ガスの一次流れ方向よりもタービン静翼の低圧側翼面に向かう二次流れに沿うため、この吹き出された冷却媒体は、高温ガスの二次流れによって霧散されて乱されることがなく、高温部材としてのタービン静翼のシュラウドの表面に、保護層である空気膜を形成し、高温部材に対する所望の冷却効果を得ることができる。この結果、ガスタービンの高温部材の耐久性が向上し、ガスタービン全体としての信頼性が向上する。
また、本発明にかかるガスタービンの冷却構造(請求項2)によれば、シュラウドの、タービン静翼の前端部近傍における吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、この前端部近傍において生じている馬蹄渦という二次流れの方向に沿うため、冷却媒体は高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼のシュラウドに対する所望の冷却効果を得ることができる。
また、本発明にかかるガスタービンの冷却構造(請求項3)によれば、タービン静翼の高圧側翼面の上部および低圧側翼面の下部の吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、タービンの軸に平行な方向に沿った高温ガスの一次流れ方向から翼上方にずれた方向に向かって生じている二次流れの方向に沿うため、当該部を流れる冷却媒体は、高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼の当該部に対する所望の冷却効果を得ることができ、かつ、タービン静翼の高圧側翼面の下部および低圧側翼面の上部の吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、タービンの軸に平行な方向に沿った高温ガスの一次流れ方向から翼下方にずれた方向に向かって生じている二次流れの方向に沿うため、当該部を流れる冷却媒体は、高温ガスの二次流れによって乱されることなく、その外表面に空気膜を形成し、タービン静翼の当該部に対する所望の冷却効果を得ることができる。
また、本発明にかかるガスタービンの冷却構造(請求項4)によれば、吹出し孔から吹き出された冷却媒体は、開口端の、二次流れの上流側よりも傾斜が緩慢である下流側の斜面に沿って流れるため、高温ガスの二次流れ方向に一層沿いやすくなり、高温部材の表面への膜形成の信頼性が高く、高温部材に対する冷却効果を一層向上させることができる。
以下に、本発明にかかるガスタービンの冷却構造の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態によって、この発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1であるガスタービンの冷却構造を説明するための、ガスタービン10全体の部分縦断面を示す図であり、このガスタービン10は、導入された空気を圧縮する圧縮機20と、この圧縮機20によって圧縮して得られた圧縮空気に燃料を噴射して高温の燃焼ガス(高温ガス)を発生させる燃焼器30と、燃焼器30で発生した高温ガスによって回転駆動力を発生させるタービン40とからなる。また、ガスタービン10は、圧縮機20の途中から、圧縮空気の一部を抽出し、この抽出した圧縮空気を、タービン40の動翼42、静翼45、プラットフォーム43、並びに静翼45の内側シュラウド46および外側シュラウド47にそれぞれ送出する、図示しない冷却器を備えている。
タービン40の動翼体41は、図2(a)に示すように、動翼42と、図示しないロータに結合されるプラットフォーム43とからなり、この動翼体41における高温ガスの一次流れV1の方向は、この図2(a)に示す白抜き矢印方向となる。
図2(b)は、同図(a)におけるプラットフォーム43の外表面を含む面による断面図であり、同図(a)に示した高温ガスの一次流れV1の方向は詳しくは、動翼42のキャンバーラインCに略平行な方向である。
ここで、プラットフォーム43には、高温ガスから保護するため、フイルム冷却用の吹出し孔が形成されているが、このフイルム冷却用の吹出し孔は、従来は、この一次流れV1の方向、すなわちキャンバーラインCに平行な方向に沿って、プラットフォーム43の裏側面(内側面)43bから、この高温ガスが流れる外表面43a側に、傾斜して貫通するように形成されていた。
このように、吹出し孔を、高温ガスの一次流れV1の方向に開口させることによって、吹出し孔から、プラットフォーム43の外表面43aに吹き出された冷却空気は、高温ガスの流れ方向(一次流れ方向V1)に沿って流れるため、冷却空気は、高温ガスの流れによって、その流れ方向が乱されることがなく、プラットフォーム43の外表面43aが、高温ガスによる焼損から保護されている、と考えられていた。
しかし、この実施の形態1であるガスタービン10においては、吹出し孔は、高温ガスの二次流れV2の方向に沿って、プラットフォーム43の内側面43bから外表面43aに向けて形成されている。具体的には、一次流れV1の方向すなわちキャンバーラインCに平行な方向に対して、動翼43の高圧側翼面42aから高圧側翼面42aに対向する隣の動翼42の低圧側翼面42bに向かう方向にずれて開口するように、プラットフォーム43の内側面43bから外表面43aに向けて形成されている。
以下、高温ガスの二次流れの発生メカニズムについて、本願発明者らの研究結果に基づいて説明する。
まず、プラットフォーム43上においては、高温ガスの上流側の静翼の内側シュラウド44との隙間から、シールエア(パージエア)V3が漏れるが、このシールエアV3の、矢印R方向に回転する動翼体41に対する相対的な流れ方向は、図2(b)に示すように、、キャンバーラインCよりも、動翼42の高圧側翼面42aから高圧側翼面42aに対向する隣の動翼42の低圧側翼面42bに向かう方向にずれた方向である。そして、このシールエアV3の流れによって、高温ガスの一次流れV1の流れ方向が変化し、この変化した後の流れが二次流れV2となる。
さらに、二次流れV2は、シールエアV3によってのみ生じるものではない。すなわち、図2(b)のA−A線断面である図3(a)において、動翼体41に流れ込んだ高温ガスは、動翼42の高圧側翼面42aに衝突し、この衝突した高温ガスは、高圧側翼面42aに沿って、動翼42のチップ側(外側)に配置された分割環48に向かう流れと、プラットフォーム43側に向かう流れを生じる。
分割環48に向かう流れは、動翼42の外側端と分割環48との間隙から、この動翼42の低圧側翼面42bに流れる。一方、プラットフォーム43側に向かう流れは、プラットフォーム43上を、動翼42の高圧側翼面42aから、この高圧側翼面42aに対向する隣の動翼42の低圧側翼面42bに向かって流れ、その隣の動翼42の低圧側翼面42bに沿って、外側方向に上昇する。
すなわち、各動翼42の高圧側翼面42aにおける高温ガスの流れは、図3(b)の矢印で示すものとなり、低圧側翼面42bにおける高温ガスの流れは、図3(c)の矢印で示すものとなる。そして、プラットフォーム43上における高温ガスの流れが、図2(b)の二次流れV2となる。このように、プラットフォーム43上における二次流れV2の方向に沿って、吹出し孔43cを形成した一形態を、図4および図5に示す。
図4および図5に示すように、吹出し孔43cを、キャンバーラインCに平行な方向に対して、動翼42の高圧側翼面42aからこの高圧側翼面42aに対向する隣の動翼42の低圧側翼面42bに向かう方向にずれて開口するように、プラットフォーム43の内側面43b(図5参照)から外表面43a(同)に向けて形成したことにより、プラットフォーム43の外表面43aから吹き出された冷却空気は、プラットフォーム43上において、高温ガスの二次流れV2に沿うため、冷却空気は高温ガスの二次流れV2によって乱されることなく、その外表面43aに冷却空気膜を形成し、プラットフォーム43に対する所望の冷却効果を得ることができる。
なお、図4に示した吹出し孔43cは、図2(b)に示した二次流れV2に対応して示したものであり、本発明のガスタービンの冷却構造における吹出し孔の向きは、必ずしも図4に示したものに限定されるものではなく、流れ解析や実験等によって求められた二次流れV2の方向に対応したものとすればよい。
図5(a)は、プラットフォーム43の外表面43aに形成された吹出し孔43cを示す図、同図(b)は、(a)のD−D線断面を示す図である。図5(a)に示すように、吹出し孔43cの、プラットフォーム43の外表面43aにおける開口端は、二次流れV2の下流側の斜面43dが上流側の斜面43eよりも緩慢な傾斜面の扇形すり鉢状に形成されているが、この構造によれば、吹出し孔43cから吹き出された冷却空気(図5(b)において符号50で示す)は、この開口端の、二次流れV2の上流側よりも傾斜が緩慢である下流側の斜面43dに沿って流れるため、高温ガスの二次流れV2に一層沿いやすくなり、プラットフォーム43の外表面43aへの冷却空気膜形成の信頼性が高められ、プラットフォーム43に対する冷却効果を一層向上させることができるため好ましいが、本発明のガスタービンの冷却構造は、必ずしもこのような開口端を形成することに限定されるものではない。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2であるガスタービンの冷却構造を説明するための、動翼42の前端部(動翼42の、高温ガス上流側端部)42c近傍における高温ガスの流れを示す図であり、図7は、実施の形態2であるガスタービンのプラットフォーム43における冷却構造を示す図である。
実施の形態1において説明したように、プラットフォーム43上においては、高温ガスの一次流れV1は、動翼42のキャンバーラインCに対して略平行に流れている。さらに、動翼42の前端部42cにおいては、図6(b)の断面図に示すように、高温ガスの二次流れV2として馬蹄渦V4が生じている。
この馬蹄渦V4は、動翼42に流れ込んだ高温ガスの一次流れV1のうち一部が、動翼42の前端部42cに衝突し、この動翼42cに沿って動翼42の付け根部分方向(プラットフォーム43方向)に回り込み、プラットフォーム43上で、動翼42から離れる方向に向かい、さらにその動翼42の低圧側翼面42b方向に回り込む。
そこで、この実施の形態2であるガスタービンの冷却構造は、タービン動翼前端部42c近傍におけるプラットフォーム43の、冷却空気の吹出し孔43fが、プラットフォーム43において動翼42の前端部42cから離れる方向に流れる馬蹄渦V4の流れ方向に沿って開口するように、プラットフォーム43の内側面43b(図5参照)から外表面43a(同)に向けて形成されている。
このように、冷却空気の吹出し孔43fが形成されていることにより、プラットフォーム43の外表面43aから吹き出された冷却空気は、プラットフォーム43上において、高温ガスの馬蹄渦V4に沿うため、冷却空気は高温ガスの馬蹄渦V4によって乱されることなく、その外表面43aに冷却空気膜を形成し、動翼42の前端部42c近傍におけるプラットフォーム43に対する所望の冷却効果を得ることができる。
なお、この実施の形態2における吹出し孔43fの開口端についても、前述した実施の形態1の吹出し孔43cと同様に、馬蹄渦V4の下流側の斜面を、上流側の斜面よりも緩慢な傾斜面の扇形すり鉢状に形成するのが好ましい。また、前述した実施の形態1と組み合わせてもよい。
(実施の形態3)
図8および図9は、本発明の実施の形態3であるガスタービンの冷却構造を説明するための、静翼体44における高温ガスの流れを示す図であり、図9(a)は詳しくは、静翼体44の内側シュラウド46における冷却空気の吹出し孔46cを示す図、図9(b)は詳しくは、静翼体44の外側シュラウド47における冷却空気の吹出し孔47cを示す図である。
タービン40の静翼体44は、図8に示すように、静翼45と、図示しない車室に固定された外側シュラウド47と、内側シュラウド46とからなり、この静翼体44における高温ガスの一次流れV1の方向は、白抜き矢印方向となる。
図9(a)は、図8における内側シュラウド46の表面を含む面による断面図であり、同図(b)は、図8における外側シュラウド47の表面を含む面による断面図である。そして、これら内外各シュラウド46,47における高温ガスの一次流れV1の方向はいずれも、各シュラウド46,47表面における静翼45のキャンバーラインCに略平行な方向である。
一方、実施の形態1において説明した動翼42によって生じる二次流れV2と同様、静翼体44においても、静翼45によって二次流れV2が生じ、この二次流れV2の方向は、実施の形態1と同様に、一次流れV1の方向すなわちキャンバーラインCに平行な方向に対して、静翼45の高圧側翼面45aからこの高圧側翼面45aに対向する隣の静翼45の低圧側翼面45bに向かう方向にずれている。
そこで、この実施の形態3は、内側シュラウド46における冷却空気の吹出し孔46cおよび外側シュラウド47における冷却空気の吹出し孔47cが、それぞれ図9(a),(b)に示すように、高温ガスの二次流れV2方向に沿って、すなわち、一次流れV1の方向すなわちキャンバーラインCに平行な方向に対して、静翼45の高圧側翼面45aから隣の静翼45の低圧側翼面45bに向かう方向にずれた方向に開口するように形成されている。
このように形成された吹出し孔46c,47cから吹き出された冷却空気は、内側シュラウド46,外側シュラウド47上においてそれぞれ、高温ガスの二次流れV2に沿うため、冷却空気は高温ガスの二次流れV2によって乱されることなく冷却空気膜を形成し、内側シュラウド46,外側シュラウド47に対する所望の冷却効果を得ることができる。
なお、図9においては、各シュラウド46,47について、それぞれ一つの吹出し孔46c,47cのみを表示しているが、これは単に、表示の煩雑を防ぐためであり、各シュラウド46,47の全体に亘って、二次流れV2に沿って複数の吹出し孔46c,47cが形成されているものである。
また、吹出し孔46c,47cの開口端についても、前述した実施の形態1の吹出し孔43cと同様に、二次流れV2の下流側の斜面を、上流側の斜面よりも緩慢な傾斜面の扇形すり鉢状に形成するのが好ましい。さらに、前述した実施の形態1や実施の形態2と組み合わせてもよい。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4を示す図であり、動翼42の高圧側翼面42aおよび低圧側翼面42bにおける、冷却空気の吹出し孔42dを示す図である。
この吹出し孔42dは、図3(b)および(c)に示した、動翼42の各翼面42a,42bにおける、高温ガスの二次流れV2に沿って開口するように形成されている。
このように形成された吹出し孔42dから吹き出された冷却空気は、高圧側翼面42aおよび低圧側翼面42b上においてそれぞれ、高温ガスの二次流れV2に沿うため、冷却空気は高温ガスの二次流れV2によって乱されることなく冷却空気膜を形成し、動翼42の高圧側翼面42aおよび低圧側翼面42bに対する所望の冷却効果を得ることができる。
なお、この実施の形態4における吹出し孔42dの開口端についても、前述した実施の形態1の吹出し孔43cと同様に、二次流れV2の下流側の斜面を、上流側の斜面よりも緩慢な傾斜面の扇形すり鉢状に形成するのが好ましい。また、前述した実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3のうち少なくとも一つと組み合わせてもよい。
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5を示す図であり、静翼45の高圧側翼面45aおよび低圧側翼面45bにおける、冷却空気の吹出し孔45cを示す図である。
この吹出し孔45cは、動翼42の各翼面42a,42bにおける高温ガスの二次流れV2と同様に、静翼45の高圧側翼面45aおよび低圧側翼面45bにおいて流れる高温ガスの二次流れV2に沿って開口するように形成されている。
このように形成された吹出し孔45cから吹き出された冷却空気は、高圧側翼面45aおよび低圧側翼面45b上においてそれぞれ、高温ガスの二次流れV2に沿うため、冷却空気は高温ガスの二次流れV2によって乱されることなく冷却空気膜を形成し、静翼45の高圧側翼面45aおよび低圧側翼面45bに対する所望の冷却効果を得ることができる。
なお、この実施の形態5における吹出し孔45cの開口端についても、前述した実施の形態1の吹出し孔43cと同様に、二次流れV2の下流側の斜面を、上流側の斜面よりも緩慢な傾斜面の扇形すり鉢状に形成するのが好ましい。また、前述した実施の形態1から4のうち少なくとも一つと組み合わせてもよい。
本発明のガスタービンの冷却構造は、タービン翼のプラットフォーム等高温部材に対するフイルム冷却構造を改良したものであり、いずれの種類のガスタービンにも適用することができる。
本発明の実施の形態1による冷却構造が適用されるガスタービンの全体を示す半断面図である。 本発明の実施の形態1であるプラットフォームにおける高温ガスの流れを示す図である。 図2における動翼の翼面における二次流れを説明する図である。 実施の形態1である冷却空気の吹出し孔が形成されたプラットフォームを示す図である。 空気吹出し孔の詳細を示す図である。 本発明の実施の形態2であるプラットフォームにおける馬蹄渦の流れを説明する図である。 実施の形態2である冷却空気の吹出し孔が形成されたプラットフォームを示す図である。 本発明の実施の形態2である静翼のシュラウドにおける高温ガスの流れを示す斜視図である。 実施の形態3である冷却空気の吹出し孔が形成されたシュラウドを示す図である。 実施の形態4である冷却空気の吹出し孔が形成された動翼を示す図である。 実施の形態5である冷却空気の吹出し孔が形成された静翼を示す図である。
符号の説明
10 ガスタービン
20 圧縮機
30 燃焼器
40 タービン
42 動翼
42a 高圧側翼面
42b 低圧側翼面
43 プラットフォーム
43c 吹出し孔

Claims (4)

  1. ガスタービンの高温部材に、該高温部材の外表面に冷却媒体を吹き出して該高温部材をフイルム冷却する多数の吹出し孔を形成してなるガスタービンの冷却構造において、
    前記高温部材は、タービン静翼のシュラウドを含み、
    前記吹出し孔は、前記高温部材の外表面を流れる高温ガスの二次流れ方向に略一致する方向に開口すると共に、
    前記タービン静翼のキャンバーラインに沿った高温ガスの一次流れ方向に対して、該タービン静翼の高圧側翼面から該高圧側翼面に対向する他のタービン静翼の低圧側翼面に向かう方向にずれて開口するように、形成されていることを特徴とするガスタービンの冷却構造。
  2. 前記二次流れは、前記タービン静翼前端部近傍において生じる高温ガスの馬蹄渦を含み、前記タービン静翼前端部近傍における前記吹出し孔が、前記馬蹄渦の流れ方向に沿って開口するように、形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンの冷却構造。
  3. 前記高温部材は、タービン静翼を含み、前記タービン静翼の高圧側翼面の上部および低圧側翼面の下部における前記吹出し孔は、前記タービンの軸方向に沿った高温ガスの一次流れ方向から翼上方にずれて開口するように、かつ、前記高圧側翼面の下部および前記低圧側翼面の上部における前記吹出し孔が、前記タービンの軸方向に沿った高温ガスの一次流れ方向から翼下方にずれて開口するように、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスタービンの冷却構造。
  4. 前記吹出し孔の開口端は、前記二次流れの下流側の斜面が上流側の斜面よりも緩慢な傾斜面の扇形すり鉢状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一つに記載のガスタービンの冷却構造。
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JP2011094609A (ja) * 2009-10-28 2011-05-12 General Electric Co <Ge> 非対称シェブロンフィルム孔を使用して翼形部表面を冷却するための方法及び構造
WO2022080094A1 (ja) * 2020-10-16 2022-04-21 三菱パワー株式会社 ガスタービン翼

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