JP2008095518A - ギアポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】被搬送物を、より効率的に搬送することができるギアポンプを提供する。
【解決手段】ギアポンプ10は、駆動ギア40と、駆動ギア40に噛み合う従動ギア42と、駆動ギア40及び従動ギア42を回転可能に支持するギアポンプ本体12と、駆動ギア40及び従動ギア42の噛み合い部分に形成される閉じ込み部60と、閉じ込み部60の外部とを連通する逃げ溝50、52、54、56の少なくとも一部を遮断する遮断部38とを有する。また、ギアポンプ本体12は、軸受28、30、32、34を有し、これらの軸受に形成された切欠きによって、逃げ溝50、52、54、56は形成可能である。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば熱可塑性樹脂等からなる流体等の搬送に用いられるギアポンプに関する。
この種のギアポンプに関する技術であって、第1のギアと、この第1ギアと噛み合う第2のギアとで、例えば流体等からなる被搬送物を搬送する技術が知られている。そして、このような技術であって、第1及び第2のギアの噛み合い部分に発生する閉じ込み部と、この閉じ込み部の外部とを連通する連通路を有する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特開平8−105390号公報 特開2002−235678号公報
しかしながら、従来の技術では、閉じ込み部及び連通路を介して被搬送物が漏れ出ることにより、被搬送物の搬送効率が悪いという問題点があった。
本発明は、被搬送物を、より効率的に搬送することができるギアポンプを提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴とするところは、第1のギアと、この第1のギアと噛み合う第2のギアと、前記第1及び第2のギアを回転可能に支持する支持手段と、前記第1及び第2のギアの噛み合い部分に発生する閉じ込み部と、この閉じ込み部の外部とを連通する連通路の少なくとも一部を遮断する遮断手段とを有するギアポンプにある。
好適には、前記閉じ込み部は、被搬送物が吸引される吸引側に一端側が連通し、被搬送物が吐き出される吐出側に他端側が連通する位置に発生する。
また、好適には、前記連通路は、前記支持手段に形成される。
また、好適には、前記遮断手段は、前記支持手段と一体として形成される。
また、好適には、前記遮断手段は、前記連通路の全てを遮断する。
また、好適には、前記支持手段は、前記第1のギアを支持する第1の軸受と、前記第2のギアを支持する第2の軸受とを有する。
また、好適には、前記連通路は、前記第1及び第2の軸受の少なくとも一方に形成される。
また、好適には、前記第1及び第2のギアは斜歯ギアからなる。
また、好適には、前記連通路は、前記閉じ込み部が発生した時点から前記閉じ込み部が消滅する時点まで、前記閉じ込み部と前記と閉じ込み部の外部とを連通する。
また、本発明の第2の特徴とするところは、第1のギアと、この第1のギアと噛み合う第2のギアと、前記第1及び第2のギアを回転可能に支持する支持手段と、を有し、前記第1及び第2の噛み合い部分に、被搬送物が吸引される吸引側に一端側が連通し、被搬送物が吐き出される吐出側に他端側が連通するように閉じ込み部が発生し、この閉じ込み部の一端側又は他端側の少なくとも一方が、前記支持手段によりシーリングされるギアポンプにある。
本発明によれは、被搬送物をより効率的に搬送することができるギアポンプを提供することができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明が適用される搬送装置1が示されている。搬送装置1は、上流側から挿入された被搬送物を下流側へと搬送する装置である。被搬送物としては、例えば非ニュートン流体であり、溶融状態である熱可塑性樹脂等のポリマーが用いられる。ここで、熱可塑性樹脂とは、熱により流動性を発現する樹脂であって、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂(硬質あるいは軟質)、ナイロン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂等があげられる。
搬送装置1は、熱交換器2、蒸発器3、セパレータ4、熱交換器5、及びセパレータ6を有し、上流側から挿入された熱可塑性樹脂からなるポリマーを下流側へと搬送する間に、ポリマー溶液を蒸発させ、揮発性成分を除去するものである。熱交換器2の上流側、セパレータ4と熱交換器5との間の位置、及び熱交換器5とセパレータ6との間には、ぞれぞれギアポンプ10が設けられていて、ギアポンプ10により熱可塑性樹脂が上流側から下流側へと搬送される。
搬送装置1は、熱可塑性樹脂からなるポリマーを搬送する間に、ポリマー溶液を蒸発させるものであるが、搬送装置1を、例えば熱可塑性樹脂を搬送する間に、熱可塑性樹脂に添加物を添加するものとしても良い。また、搬送装置1を、例えば射出成形装置へと熱可塑性樹脂を搬送するものとしても良い。
図2乃至4には、本発明の実施形態に係るギアポンプ10が示されている。ギアポンプ10は、支持手段として用いられるギアポンプ本体12を有する。ギアポンプ本体12は、右側板14と、左側板16と、右側板14及び左側板16を連結する連結部材18とを有し、右側板14、左側板16、及び連結部材18で中空のキャビティ20を形成している。
キャビティ20は、例えば熱可塑性樹脂からなる流体等の被搬送物を吸引する吸引部として用いられる吸引口24と、被搬送物が吐き出される吐出部として用いられる吐出口26に連通している。キャビティ20の吸引口24側は、吐出口26側と比較して圧力が低い低圧領域Lを形成している。また、キャビティ20の吐出口26側は、吸引口24側よりも圧力が高い高圧領域Hを形成している。
また、ギアポンプ本体12は、第1の軸受として用いられる軸受28、30と、第2の軸受として用いられる軸受32、34を有する。軸受28、30、32、34は、連結部材18に固定されている。軸受28、30、32、34は、それぞれが例えばベアリング等からなる。
図4に示されるように、軸受28に下向きに形成された面29と、軸受32の上向きの面に形成された面33とが互いに密着された状態となるように軸受28と軸受32とが配置されている。面29と面33とが密着しているため、軸受28と軸受32との間が良好にシーリングされ、高圧領域Hから低圧領域Lへ被搬送物が漏れ出しにくくなる。面29と面33とが密着するように軸受28と軸受32とを配置することに替えて、軸受28と軸受32とを一体として形成しても良い。
軸受30及び軸受34にも、軸受28及び軸受32と同様にそれぞれ面が形成されていて、これらの面が互いに密着するように、軸受30及び軸受34は、連結部材18に固定されている。軸受28、32と同様に、軸受30及び軸受34を一体として形成しても良い。
キャビティ20内には、第1のギアとして用いられる駆動ギア40と、第2のギアとして用いられ従動ギア42とが収用されている。駆動ギア40は、軸受28及び軸受30に回転可能に支持された軸44に固定されていて、軸受28及び軸受30によって、キャビティ20内で回転可能にギアポンプ本体12に支持されている。軸44は、一端側が右側板14から突出していて、この突出した部分に例えばモータ等からなる駆動源(不図示)が連結されている。したがって、駆動源からの駆動伝達を受けて、駆動ギア40は、キャビティ20内で回転する。
従動ギア42は、軸受32及び軸受34に回転可能に支持された軸46に固定されていて、軸受32及び軸受34によって、キャビティ20内で回転可能にギアポンプ本体12に支持されている。従動ギア42は、駆動ギア40に噛み合っていて、駆動ギア40からの駆動伝達を受けて、キャビティ20内で回転する。尚、図3中の矢印は、駆動ギア40及び従動ギア42の回転する方向を示している。
駆動ギア40及び従動ギア42としては斜歯ギアが用いられ、駆動ギア40の歯列は、軸44の長手方向に対して斜めに形成され、従動ギア42の歯列は軸46に対して斜めに形成されている。駆動ギア40及び従動ギア42に斜歯ギアを用いることに替えて、平歯車を用いても良い。
以上のように構成されたギアポンプ10では、駆動源からの駆動伝達を受けて駆動ギア40が回転し、駆動ギア40に従動して従動ギア42が回転すると、低圧領域Lにおいて駆動ギア40の歯列と従動ギア42の歯列とが離間する際に、駆動ギア40の歯溝と従動ギア42の歯溝とに、流体等の被搬送物が吸い込まれる。そして、歯溝に吸い込まれた被搬送物は、駆動ギア40及び従動ギア42の回転により高圧領域Hへ向けて搬送される。そして、高圧領域Hへと搬送された被搬送物は、高圧領域Hにおいて駆動ギア40の歯列と従動ギア42の歯列とが噛み合う際に、駆動ギア40及び歯列と従動ギア42の歯溝から押し出される。このようにして、被搬送物が、吸引口24側から吐出口26側へと搬送される。
図5には、軸受28及び軸受32のキャビティ20側の側面が示されている。軸受28の面29には、吸引口24側と吐出口26側とに、それぞれ切欠き36、36が形成されている。軸受32の面33には、吸引口24側に切欠き36が形成されていて、吐出口26側の軸受28に対向する部分が、遮断手段として用いられる遮断部38となっている。そして、軸受28、32の吸引口24側にそれぞれ形成された切欠き36、36により連通路として用いられる逃げ溝50が形成され、軸受28の吐出口26側に形成された切欠き36により連通路として用いられる逃げ溝52が形成される。逃げ溝50は、低圧領域L側にあたる吸引口24に連通していて、逃げ溝52は、高圧領域Hにあたる吐出口26に連通している。ここで、逃げ溝とは後述する閉じ込み部60内と閉じ込み部60の外部とを、それぞれ連通させる溝をいい、逃げ溝を介して閉じ込み部60内に閉じ込められた被搬送物が閉じ込み部60外へと排出される。
軸受32の遮断部38が位置する部分に切欠きが形成されている場合、逃げ溝52は逃げ溝50と同様に軸受28及び軸受32にまたがって形成された状態となるものの、この実施形態では、軸受32の吐出口26側が遮断部38として用いられるため、逃げ溝52の下側が遮断部38により遮断された状態となっている。遮断部38は、従動ギア42の右側面(軸受32側の側面、図2参照)と略同一面をなし、従動ギア42の右側面と干渉しない程度の隙間のみ隔てられた状態にある。
図6には、軸受30及び軸受34のキャビティ20側の側面が示されている。軸受30の面31には、吸引口24側に切欠き36が形成されている。そして、軸受30の吐出口26側における面31近傍部分は、遮断手段として用いられる遮断部38となっている。遮断部38は、駆動ギア40の左側面(軸受30側の側面、図2参照)と略同一面をなし、駆動ギア40の左側面と干渉しない程度の隙間のみ隔てられた状態にある。軸受34の面35には、吸引口24側に切欠き36が形成されている。そして、軸受34の吐出口26側における面35近傍部分は、遮断手段として用いられる遮断部38となっている。遮断部38は、従動ギア42の左側面(軸受34側の側面、図2参照)と略同一面をなし、従動ギア42の左側面と干渉しない程度の隙間のみ隔てられた状態にある。
軸受30、34の吸引口24側にそれぞれ形成された切欠き36、36により、連通路として用いられる逃げ溝54が形成される。軸受30の遮断部38として用いられる部分と、軸受34の遮断部38として用いられる位置とに、それぞれ切欠きが形成されていた場合、これらの切欠きにより仮想線で示す逃げ溝56が形成されるものの、この実施形態では、軸受30の遮断部38と、軸受34の遮断部38とによって逃げ溝56は全部分が遮断されるため、逃げ溝56が形成されることはない。逃げ溝56は、形成されていた場合は、高圧領域H側にあたる吐出口26に連通する。
図7及び図8には、駆動ギア40と従動ギア42との噛み合い部分が拡大して示されている。接線Bだけで互いに接触していた駆動ギア40と従動ギア42とは、図7に示される位置まで回転すると、接線Bに加えて接線Aでも互いに接触した状態となる。そして、駆動ギア40と従動ギア42とは、その後も接線A及び接線Bの2箇所で接する状態を保ちながら回転を続け、図8に示される位置まで駆動ギア40及び従動ギア42が回転をした時点で、接線B部分において駆動ギア40と従動ギア42とが離間する。
図7に示される位置において、接線Aと接線Bとで囲まれる位置に閉じ込み部60が発生する。そして、図8に示される位置で、接線Bにおいて駆動ギア40と従動ギア42とが離間して閉じ込み部60が消滅する時点まで、閉じ込み部60が形成された状態が保たれる。閉じ込み部60の容積は、駆動ギア40及び従動ギア42の回転に伴って変化し、図7に示される閉じ込み部60が形成された時点から中間の時点まで次第に減少し、中間の時点を過ぎてから図8に示される閉じ込み部60が消滅する時点まで次第に増加する。このため、中間の時点を過ぎるまでの間に、閉じ込み部60に閉じ込められた被搬送物が圧縮され、閉じ込み部60内の圧力が高くなり、駆動源や軸受28、30、32、34の負荷が増加し、ギアポンプ10の寿命が短くなったり、被搬送物が圧縮される際に騒音が生じたりする虞がある。被搬送物として、例えば熱可塑性樹脂等からなり、圧力が加えられても収縮しにくい流体等を用いる場合、駆動源等に加わる負荷の増加や騒音発生の虞は特に大きい。
そこで、このギアポンプ10では、先述のように軸受28及び軸受32でキャビティ20側に設けられた逃げ溝50及び逃げ溝52を形成し、図7及び8に示されるように、閉じ込み部60が、回転の状況に応じて逃げ溝50又は逃げ溝52の少なくとも一方に連通するようにすることで、閉じ込み部60に閉じ込められた被搬送物が、閉じ込み部60から逃げることを可能としている。閉じ込み部60から被搬送物が逃げることを可能とすることで、被搬送物が圧縮されることによる圧力の上昇が抑制され、ギアポンプ10の寿命が短縮したり、騒音が発生したりする虞が軽減される。また、図7及び8にはギアポンプ10の右側が示されているが、ギアポンプ10の左側には、逃げ溝54、56(図6参照)が形成可能であり、駆動ギア40及び従動ギア42の回転の状況に応じて、閉じ込み部60が、逃げ溝54又は逃げ溝56の少なくとも一方に連通するようにすることができる。
閉じ込み部60内の圧力上昇を抑制するためには、図7に示される閉じ込み部60が発生した時点から、図8に示される閉じ込み部60が消滅する時点までを通じて、閉じ込み部60内と閉じ込み部60の外部とが連通した状態が保たれることが望ましい。すなわち、駆動ギア40及び従動ギア42が図7に示される位置から、図8に示される位置まで回転するまでの間を通じて、閉じ込み部60が逃げ溝50、52、54、56のいずれかに連通していることが望ましい。そこで、この実施形態では、駆動ギア40及び従動ギア42が2つの接線での接触を開始した時点おけるギアの回転方向下流側の接線の位置(図7に示される接線Bの位置)よりも、逃げ溝50の端部が閉じ込み部60側に位置する状態となるように、逃げ溝50を形成している。すなわち、逃げ溝50の端部が、図7に示される線分L1よりも図中右側となる位置に逃げ溝50を形成している。この位置に逃げ溝50を形成することで、閉じ込み部60が発生した時点から閉じ込み部60が消滅する時点までを通じて、閉じ込み部60は逃げ溝50に連通した状態に保たれる。
また、この実施例では、それまで2つの接線で接触した状態にあった駆動ギア40及び従動ギア42が、ギアの回転方向下流側に位置する接線の位置で離間する時点における、上流側の接線の位置(図8に示される接線Aの位置)よりも、逃げ溝52の端部が閉じ込み部60側に位置する状態となるように、逃げ溝52を形成している。すなわち、逃げ溝52の端部が図8に示される線分L2よりも図中左側となるように、逃げ溝52を形成している。この位置に逃げ溝52を形成することで、閉じ込み部60が発生した時点から閉じ込み部60が消滅する時点までを通じて、閉じ込み部60は逃げ溝52に連通した状態に保たれる。
駆動ギア40及び従動ギア42は先述のように斜歯ギアである。このため、接線A及び接線Bは、図7及び図8において紙面に対して垂直に、紙面側から紙面奥側に形成されるのではなく、紙面側から紙面奥側に向けて図中右側から左側に傾くように形成されている。そして、この傾きは駆動ギア40及び従動ギア42のネジレ角に応じて決まり、ネジレ角が大きい程、傾きが大きくなる。このため、閉じ込み部60が、逃げ溝50、52、54、56のいずれかに連通している状態となるように逃げ溝50、52、54、56を形成する位置は、駆動ギア40及び従動ギア42のネジレ角に応じて設定されている。
閉じ込み部60は、駆動ギア40及び従動ギア42の回転状況により、一端側が逃げ溝52又は逃げ溝56を介して高圧領域Hに連通し、他端側が逃げ溝50又は逃げ溝54を介して低圧領域Lに連通した状態となることがある。この場合、被搬送物が、吐出口26側にあたる高圧領域Hから、吸引口24側にあたる低圧領域Lへと圧力差よって逆流し、漏れ出してしまい、単位時間あたりにギアポンプ10により搬送することができる被搬送物の量が低減してしまうことがあった。特に、この実施形態のギアポンプ10では、駆動ギア40及び従動ギア42として斜歯ギアを用いているため、閉じ込み部60が、軸44及び軸46に対して角度を持って形成され、被搬送物の逆流が生じやすい。そこで、ギアポンプ10では、吐出口26側から吸引口24側へ被搬送物が逆流しにくくなるように独自の工夫をして、被搬送物を効率的に搬送することができるようにしている。
すなわち、この実施形態に係るギアポンプ10では、先述のように、軸受32、軸受30、軸受34の一部分を、それぞれ遮断部38、38、38として用いて、逃げ溝52の一部分を遮断するとともに、逃げ溝56の全部分を遮断している。このように遮断部38、38、38によって、閉じ込み部60と、閉じ込み部60の外部と連通する連通路の少なくとも一部分が遮断された状態となるため、被搬送物が吐出口26側から吸引口24側へと逆流しにくくなるようにすることができる。特に、逃げ溝56は全部分が遮断されているので、閉じ込み部60は、一端側がシーリングされた状態となり、被搬送物の逆流をより生じにくくなる。
以上で説明をした実施形態では、逃げ溝52の一部分と、逃げ溝56の全部分とが遮断されていたが、逃げ溝50、52、54、56の少なくとも一部分が遮断されれば良い。そして、逃げ溝50、52、54、56のどの部分を遮断するかは、4個の軸受28、30、32、34の切欠きを形成可能であり、且つ遮断部として用いることが可能な8箇所の位置から、いずれの箇所に切欠きを形成し、いずれの箇所を遮断部として用いるかにより決することができる。
図9には、ギアポンプ10の右側に位置する軸受28、32の切欠きを形成することが可能であり、且つ遮断部として用いることが可能な位置から、いずれの位置を遮断部として使用するかについて選択可能な位置の組合せが示されている。まず、図9(a)に示されるように、4箇所全てを遮断部38として用いることを選択することができる。また、図9(b)乃至図9(e)に示されるように、4箇所の中の3箇所を遮断部38として用い、1箇所に切欠き36を形成することを選択することができる。また、図9(f)乃至図9(k)に示されるように、4箇所のうち、2箇所を遮断部38として用い、2箇所に切欠き36を形成することを選択することができる。また、図9(l)乃至図9(o)に示されるように、1箇所を遮断部38として用い、3箇所に切欠き36を形成することを選択することができる。また、図9(p)に示されるように、4箇所とも遮断部38としては用いず、切欠き36を形成することを選択することができる。但し、図9(p)に示されるように、4箇所全てに切欠き36を形成することを選択する場合、ギアポンプ10の左側に位置する軸受30、34における遮断部38として使用可能な4箇所の位置のうち、少なくとも1箇所は遮断部38として用いることを選択することを要する。4個の軸受28、30、32、34における遮断部38として用いることが可能な8箇所の位置のいずれも遮断部として用いられない場合、被搬送物の逆流を防止するとの効果を奏することができない。
図9に示されるものの中で、図9(b)又は図9(d)に示される位置に切欠き36を形成することが特に望ましい。図9(b)に示される位置に切欠き36を形成すると、逃げ溝50は形成されずに、逃げ溝52上側だけが形成された状態となる。このため、閉じ込み部60か発生した時点から閉じ込み部60が消滅する時点までを通じて、閉じ込み部60は逃げ溝52と連通した状態に保たれ(図7、図8参照)、閉じ込み部60内の圧力上昇が抑制される。その一方で、逃げ溝52の上側以外の位置に逃げ溝が形成されることがないため、高圧領域Hから低圧領域Lへの被搬送物の逆流が生じにくい。
図9(d)に示される位置に切欠き36を形成すると、切欠き52は形成されずに、切欠き50の下側のみが形成された状態となる。このため、閉じ込み部60か発生した時点から閉じ込み部60が消滅する時点までを通じて、閉じ込み部60は逃げ溝50と連通した状態に保たれ(図7、図8参照)、閉じ込み部60内の圧力上昇が抑制される。その一方で、逃げ溝50の下側以外の位置に逃げ溝が形成されることがないため、高圧領域Hから低圧領域Lへの被搬送物の逆流が生じにくい。
図9には、ギアポンプ10の右側に位置する軸受28、32の遮断部38として用いることが可能な4箇所のうち、いずれを遮断部38として用いるからについて選択可能な位置の組合せが示されていたが、ギアポンプ10の左側に位置する軸受30、34についても、軸受28、32と同様に、遮断部38として用いる位置を選択することができる。尚、図9(p)に示されているのと同様に、左側に位置する軸受30、34のいずれの位置も遮断部38として使用しない場合、ギアポンプ10の右側に位置する軸受30、34において、遮断部38として使用可能な4箇所のうち、少なくとも一ヶ所を遮断部38として用いることを要する。
以上述べたように、本発明は、例えば熱可塑性樹脂等からなる流体等の搬送に用いられるギアポンプに適用することができる。
本発明に実施形態に係るギアポンプが用いられる搬送装置を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るギアポンプを示す断面図である。 本発明の実施形態に係るギアポンプの、図2におけるA−A断面を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るギアポンプの、図2におけるB−B断面を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るギアポンプに用いられる、右側面側のベアリングのギア側の面の形状を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るギアポンプに用いられる、左側面側のベアリングのギア側の面の形状を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るギアポンプのギアが噛み合う部分を拡大して示し、閉じ込み部が発生した時点の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るギアポンプのギアが噛み合う部分を拡大して示し、閉じ込み部が消滅した時点の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るギアポンプに右側面側に配置される2つの軸受のいずれの位置を遮断部として用いるかについて選択可能な配置を説明した説明図である。
符号の説明
1 搬送装置
2 熱交換器
3 蒸発器
4 セパレータ
5 熱交換器
6 セパレータ
10 ギアポンプ
12 ギアポンプ本体
14 右側板
16 左側板
18 連結部材
20 キャビティ
24 吸引口
26 吐出口
28、30、32、34 軸受
29、31、33、35 面
36 切欠き
38 遮断部
40 駆動ギア
42 従動ギア
44、45 軸
50、52、54、56 逃げ溝
60 閉じ込み部
A、B 接線
H 高圧領域
L 低圧領域

Claims (10)

  1. 第1のギアと、
    この第1のギアと噛み合う第2のギアと、
    前記第1及び第2のギアを回転可能に支持する支持手段と、
    前記第1及び第2のギアの噛み合い部分に発生する閉じ込み部と、この閉じ込み部の外部とを連通する連通路の少なくとも一部を遮断する遮断手段と、
    を有するギアポンプ。
  2. 前記閉じ込み部は、被搬送物が吸引される吸引側に一端側が連通し、被搬送物が吐き出される吐出側に他端側が連通する位置に発生する請求項1記載のギアポンプ。
  3. 前記連通路は、前記支持手段に形成される請求項1又は2記載のギアポンプ。
  4. 前記遮断手段は、前記支持手段と一体として形成される請求項1乃至3いずれか記載のギアポンプ。
  5. 前記遮断手段は、前記連通路の全てを遮断する請求項1乃至4いずれか記載のギアポンプ。
  6. 前記支持手段は、前記第1のギアを支持する第1の軸受と、前記第2のギアを支持する第2の軸受とを有する請求項1乃至5いずれか記載のギアポンプ。
  7. 前記連通路は、前記第1及び第2の軸受の少なくとも一方に形成される請求項6記載のギアポンプ。
  8. 前記第1及び第2のギアは斜歯ギアからなる請求項1乃至7いずれか記載のギアポンプ。
  9. 前記連通路は、前記閉じ込み部が発生した時点から前記閉じ込み部が消滅する時点まで、前記閉じ込み部と前記と閉じ込み部の外部とを連通する請求項1乃至8いずれか記載のギアポンプ。
  10. 第1のギアと、
    この第1のギアと噛み合う第2のギアと、
    前記第1及び第2のギアを回転可能に支持する支持手段と、
    を有し、
    前記第1及び第2の噛み合い部分に、被搬送物が吸引される吸引側に一端側が連通し、被搬送物が吐き出される吐出側に他端側が連通するように閉じ込み部が発生し、この閉じ込み部の一端側又は他端側の少なくとも一方が、前記支持手段によりシーリングされるギアポンプ。
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