JP2008092911A - タンパク質結合検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞内で発現させた複数のタンパク質が直接的または間接的に結合することを検出する方法において、実験効率が良く、偽陽性シグナルの少ない方法を提供すること。
【解決手段】DNA結合ドメインを有する第1のタンパク質と、転写活性化ドメインを有する第2のタンパク質と、DNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAを有する宿主細胞において、レポーター遺伝子の発現を検出することにより、第1のタンパク質と第2のタンパク質の直接的結合又は間接的結合を検出するタンパク質結合検出方法において、第1のタンパク質をコードするDNA及び第2のタンパク質をコードするDNAのうち、少なくとも一つが染色体に組み込まれているように宿主細胞を構成することにより、実験効率を上げ、偽陽性シグナルを減少させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、複数のタンパク質が直接的または間接的に結合することを検出する方法に関する。
複数のタンパク質が直接的または間接的に結合することを検出する方法の一つとして、いわゆるyeast two-hybridシステムまたはそれを改変したシステムがしばしば用いられている(非特許文献1及び2参照)。
yeast two-hybrid法は、酵母細胞内に、DNA結合ドメインを有するbaitと、転写活性化ドメインを有するpreyと、そのDNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を配したレポーターDNAの3種類の分子を導入し、baitとpreyが結合すると、baitがレポーターDNAの結合配列に結合し、baitに結合したpreyの有する転写活性化ドメインがレポーター遺伝子の転写を活性化することによってレポーター遺伝子が発現するため、その発現を検出することによりbaitとpreyの結合を検出する、という原理に基づく。
例えば、タンパク質Xとタンパク質Yの結合を調べたいときには、まず、GAL4-DNA結合ドメインにXを結合させた融合タンパク質を発現することができるbait発現用プラスミドと、GAL4-転写活性化ドメインにYを結合させた融合タンパク質を発現するprey発現用プラスミドと、GAL4結合配列の下流にlacZ遺伝子などのレポーター遺伝子を挿入したレポータープラスミドが染色体に挿入された宿主酵母細胞を作製する。この宿主酵母細胞は栄養要求性変異を有し、一方、bait発現用プラスミドやprey発現用プラスミドは、形質転換細胞を選択するために、宿主の栄養要求性変異に対応したアミノ酸合成遺伝子を選択マーカーとして有する。また、bait発現用プラスミドやprey発現用プラスミドは、自律複製できるように複製開始点(ori)を有する。このような宿主酵母に対してbait発現用プラスミドを導入し、栄養要求性によって選択し、bait発現用プラスミドを有する酵母細胞を単離する。この酵母細胞に、prey発現用プラスミドを導入し、別の栄養要求性によって選択し、bait発現用プラスミドやprey発現用プラスミドの両方を有する酵母細胞を単離する。この両方のプラスミドを有する酵母細胞がレポーター遺伝子を発現すれば、タンパク質Xとタンパク質Yは結合し得ると判断できる。
S. Fields, O. Song, Nature, 340, 245 (1989). C. Chien, P. L. Bartel, R. Sternglanz, S. Fields, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 9578 (1991).
しかし、yeast two-hybrid法は、偽陽性(false positive)シグナルによるバックグラウンドが高いことが知られているが、その原理的理由がはっきりせず、偽陽性シグナルを低減する方法の開発が期待されていた。また、ライブラリースクリーニングの際、ライブラリーを酵母に導入する形質転換効率が悪く、ライブラリーの形質転換効率を上げる必要があった。
そこで、本発明は、細胞内で発現させた複数のタンパク質が直接的または間接的に結合することを検出する方法において、実験効率が良く、偽陽性シグナルの少ない方法を提供することを目的とする。
発明者らは、yeast two-hybrid法において、偽陽性シグナルを低減する方法を開発するために鋭意努力した結果、bait発現用プラスミドを、自律複製する自律増殖型プラスミドの状態で酵母細胞に維持させるのではなく、染色体内に安定に組み込ませたときに、偽陽性シグナルを著しく低減することができることを発見し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の一態様は、DNA結合ドメインを有する第1のタンパク質と、転写活性化ドメインを有する第2のタンパク質と、前記DNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAと、を有する宿主細胞において、前記レポーター遺伝子の発現を検出することにより、第1のタンパク質と第2のタンパク質の直接的結合又は間接的結合を検出するタンパク質結合検出方法であって、第1のタンパク質をコードするDNA及び第2のタンパク質をコードするDNAのうち、少なくとも一つが染色体に組み込まれていることを特徴とする方法である。なお、第1のタンパク質及び第2のタンパク質をコードするDNAのうち、少なくとも一つが染色体の特定の位置に組み込まれているのが好ましい。また、第1のタンパク質をコードするDNAが染色体に組み込まれているのが好ましい。
上記方法において、前記宿主細胞が酵母細胞であってもよい。また、前記方法がtwo-hybrid法であってもよい。
さらに、上記方法において、第1のタンパク質と第2のタンパク質は、他の分子を介して結合することができ、前記細胞が当該他の分子を有してもよい。また、前記方法がthree-hybrid法であってもよい。
本発明の別の一態様は、宿主細胞内で第1のタンパク質と第2のタンパク質の結合を検出する方法であって、第1のタンパク質にDNA結合ドメインを結合させた第1の融合タンパク質を発現させるための第1の発現ベクターと、第2のタンパク質に転写活性化ドメインを結合させた第2の融合タンパク質を発現させるための第2の発現ベクターと、前記DNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAを構築する工程と、前記レポーターDNA、第1の発現ベクター、及び第2の発現ベクターを宿主細胞に導入する工程と、を含み、第1の発現ベクター及び第2の発現ベクターの少なくとも一つを宿主細胞の染色体に組み込む工程を含むことを特徴とする方法である。
本発明のさらに別の一態様は、第1のタンパク質に結合する第2のタンパク質をコードする遺伝子をクローニングする方法であって、第1のタンパク質にDNA結合ドメインを結合させた第1の融合タンパク質を発現させるための第1の発現ベクターと、タンパク質ライブラリーの各タンパク質に転写活性化ドメインを結合させた第2の融合タンパク質を発現させるための発現ベクターライブラリーと、前記DNAドメインの結合配列の下流にレポーター遺伝子が挿入されたレポーターDNAを構築する工程と、前記レポーターを前記宿主細胞に導入する工程と、第1の発現ベクターを前記宿主細胞に導入し、該第1の発現ベクターが宿主細胞の染色体DNAに組み込まれた宿主細胞を単離する工程と、前記発現ベクターライブラリーを前記宿主細胞に導入する工程と、前記発現ベクターライブラリーを導入された宿主細胞から、前記レポーター遺伝子が発現した宿主細胞を単離する工程と、前記単離された宿主細胞の有する、第2の融合タンパク質を発現する第2の発現ベクターにおいて第2のタンパク質をコードする部分の少なくとも一部を回収する工程と、を含む方法である。
本発明のさらに別の一態様は、DNA結合ドメインを有する第1のタンパク質をコードする第1の外来DNAと、転写活性化ドメインを有する第2のタンパク質をコードする第2の外来DNAと、前記DNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAを有する宿主細胞であって、第1のDNAと第2のDNAのうち、少なくとも一つが染色体に組み込まれていることを特徴とする細胞である。
本発明によって、細胞内で同時に発現させた複数のタンパク質が直接的または間接的に結合することを検出する方法において、実験効率が良く、偽陽性シグナルの少ない方法を提供することが可能になった。
以下に、本発明の実施の形態において実施例を挙げながら具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施の形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いる場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
(1)タンパク質結合検出方法
本発明のタンパク質結合検出方法は、DNA結合ドメインを有する第1のタンパク質と、転写活性化ドメインを有する第2のタンパク質と、そのDNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAとを有する宿主細胞において、レポーター遺伝子の発現を検出することにより、第1のタンパク質と第2のタンパク質の直接的結合又は間接的結合を検出するタンパク質結合検出方法であって、第1のタンパク質をコードするDNA及び第2のタンパク質をコードするDNAのうち、少なくとも一つが染色体に組み込まれていることを特徴とする方法である。
==ベクターの構築方法==
最初に、本方法に用いられるタンパク質結合検出システムの有する各ベクターの構築方法について詳細に述べる。ここで、ベクターは、プラスミドベクターであってもウイルスベクターであっても構わない。
まず、第1のタンパク質の有するDNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を配したレポーターDNAを構築する。構築にあたっては、結合配列に第1のタンパク質と第2のタンパク質の複合体が結合すると、第2のタンパク質の有する転写活性化ドメインによって転写が活性化されるように配置する。そのため、例えば、結合配列とレポーター遺伝子は適切な距離をおいて配置されていることや、結合配列とレポーター遺伝子の間には、エンハンサー(enhancer)を含まない最小プロモーター(minimal promoter)が適切な位置に挿入されていることが好ましい。このように、結合配列の下流に最小プロモーター、レポーター遺伝子の順に配置されるようにプラスミド等のベクターを構築する。レポーターDNAを宿主細胞に導入した後、染色体DNAに挿入する場合は、一般的に用いられるpUC系列のようなプラスミドを用いてもよく、レポーターDNAを染色体DNA外に維持する場合は、自律増殖型プラスミドを用いることが好ましい。レポーター遺伝子は、特に限定されないが、栄養要求性変異株の宿主細胞と組み合わせて栄養要求性遺伝子を用いたり、抗生物質やG418などの薬剤耐性遺伝子などを用いたり、lacZ遺伝子、ペルオキシダーゼ遺伝子、アルカリ・ホスファターゼ遺伝子などの酵素遺伝子や、GFP、BFP、YFPなどの蛍光タンパク質をコードする遺伝子を用いたりすることができる。
次に、宿主細胞内で発現させるタンパク質をコードするDNAを構築する。このDNAは、発現ベクターに挿入されていることが好ましい。そこで、第1のタンパク質にDNA結合ドメインを結合させた第1の融合タンパク質を発現する第1の発現ベクター、及び、第2のタンパク質に転写活性化ドメインを結合させた第2の融合タンパク質を発現する第2の発現ベクターを構築する。発現ベクターは、そのベクターが導入された宿主細胞を選択するための選択マーカーを有することが好ましいが、第1のタンパク質及び第2のタンパク質をコードする発現ベクターは、それぞれ異なる選択マーカーを有するのが好ましい。選択マーカーは、特に限定されないが、栄養要求性変異株の宿主細胞と組み合わせて栄養要求性遺伝子を用いたり、抗生物質やG418などの薬剤耐性遺伝子などを用いたりすることができる。また、発現ベクターは、染色体導入用ベクターであっても、自律複製可能なベクターであってもよいが、第1の発現ベクターは、染色体導入用発現ベクターを用いることが好ましく、第2の発現ベクターは、自律複製可能な発現ベクターを用いることが好ましい。
第1のタンパク質及び第2のタンパク質を発現させるための、発現ベクターが有するプロモーターは、使用する宿主細胞で機能する必要があるため、宿主細胞に応じて、適当なプロモーターを選択すればよい。例えば、大腸菌内で発現させる場合には、trpプロモーター、lacプロモーター、及びT7プロモーターなど、酵母内で発現させる場合には、gal1プロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなど、動物細胞内で発現させる場合には、SV40プロモーター、tkプロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターなどが利用できる。
第1のタンパク質が有するDNA結合ドメインは、特に限定されないが、例えば、GAL4由来のDNA結合ドメイン、LexA由来のDNA結合ドメインなどが使用できる。レポーターDNAが有する結合配列は、第1のタンパク質が有するDNA結合ドメインがGAL4由来の場合、UAS(upstream activating sequence)、LexA由来の場合、結合配列はLexAオペレーター、というように、第1のタンパク質が有するDNA結合ドメインが結合する配列にすればよい。
第2のタンパク質が有する転写活性化ドメインは、特に限定されないが、例えば、GAL4の転写活性化ドメインや、B42 酸性蛋白質の転写活性化ドメインや、VP16の転写活性化ドメインなどが使用できる。
以上のような構成要素を用いて、例えば、第1の発現ベクターの構築には、第1のタンパク質をコードするcDNAに、DNA結合ドメインをコードするDNAを、フレームを合わせて結合し、発現ベクターの有するプロモーターの下流に挿入すればよい。同様に、第2の発現ベクターを構築することができるが、この場合は、第2のタンパク質をコードするcDNAに、転写活性化ドメインをコードするDNAを結合し、発現ベクターに挿入する。
==タンパク質結合検出方法==
最後に、上記のようにして作製したベクターを宿主細胞に導入し、各発現ベクターのコードするタンパク質間の結合を検出する。
まず、作製したベクターを宿主細胞に導入するのであるが、宿主細胞としては、細菌、酵母、植物細胞、哺乳類などの動物細胞など、あらゆる細胞を用いることができる。特に、同時に多数の細胞が処理できること、形質転換率が高いこと、細胞培養や細胞の保存など一般的な細胞の取り扱いが容易であることなどから、酵母細胞を用いるのが好ましい。なお、本明細書では、便宜上、宿主細胞が原核細胞であっても、宿主の持つゲノムのことを「染色体」と呼ぶ。
各宿主細胞へのベクターの導入方法は、特に限定されず、例えば、宿主細胞が大腸菌の場合は、カルシウムイオン法、エレクトロポレーション等、酵母の場合は、酢酸リチウム法、スフェロプラスト法、エレクトロポレーション等、動物細胞の場合は、リン酸カルシウム法、リポフェクション、エレクトロポレーション等によって、ベクターを細胞内に導入できる。
このように、第1の発現ベクター、第2の発現ベクター及びレポーターDNAを細胞に導入すればよいが、導入後の細胞内でのベクターの状態としては、第1の発現ベクター及び第2の発現ベクターのうち、いずれか一つが染色体中に組み込まれることが好ましい。このことにより、実施例に示すように、後に導入する発現ベクターの細胞への導入効率が著しく増加し、さらに偽陽性コロニーが顕著に減少する。なお、以下に述べるスクリーニングへの適用を考慮に入れると、DNA結合ドメインを結合させた第1の融合タンパク質を発現する第1の発現ベクターを染色体に組み込ませる構成にする方が好ましい。
発現ベクターを染色体内に組み込む場合、他の遺伝子への影響がないこと、安定した発現レベルが得られること、などから、染色体DNAの特定の位置に組み込むことが好ましく、例えば、相同組換えを利用すれば、ベクターを特定に位置に組み込むことが容易にできる。例えば、宿主細胞が酵母細胞の場合、pAUR101(Takara社)を用いれば、容易に実施可能である。
なお、発現ベクターは、染色体の外にプラスミド状で維持される場合には、複製開始点(ori)を有することが好ましい。
このように、DNA結合ドメインを有する第1のタンパク質をコードする第1の外来DNAと、転写活性化ドメインを有する第2のタンパク質をコードする第2の外来DNAと、DNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAを有する宿主細胞であって、第1のDNAと第2のDNAのうち、少なくとも一つが染色体に組み込まれている細胞を作製することができる。
以上のようにして作製した細胞に対し、レポーター遺伝子の発現を指標にして、第1のタンパク質と第2のタンパク質の結合を検出する。具体的な検出方法は、レポーター遺伝子の種類に依っており、例えばレポーター遺伝子が栄養要求性遺伝子の場合、その栄養要求性に関し変異を有する宿主細胞を用い、その栄養を欠乏させた培地で増殖できるかどうかを調べ、レポーター遺伝子が薬剤耐性遺伝子の場合、薬剤を添加した培地で増殖できるかどうか調べ、レポーター遺伝子が酵素をコードする場合、基質を投与して宿主細胞を発色させて調べればよく、またレポーター遺伝子が蛍光タンパク質の場合、励起光を照射して、放射光を検出すればよい。
(2)タンパク質間接結合検出方法
第1のタンパク質と第2のタンパク質が第3の分子を介して間接的に結合する場合には、宿主細胞内に、第3の分子の存在が必要である。そのような分子が低分子の場合、宿主細胞がその合成系を固有に有していてもよく、また、宿主細胞がその低分子の合成系を持たない場合は、遺伝子導入等の手法により、合成系に関与する遺伝子群を宿主細胞に持たせてもよい。宿主細胞が培養されている培地に、その低分子を含ませることにより、細胞がその低分子を取り込んだり、その低分子が細胞に浸透したりするのであれば、第1のタンパク質と第2のタンパク質の結合を検出する際、宿主細胞を培養するための培地にその低分子を添加すればよい。
また、第1のタンパク質と第2のタンパク質の結合を介在する分子がタンパク質の場合、宿主細胞がその第3のタンパク質を発現している必要がある。宿主細胞が、第3のタンパク質を固有に発現していない場合は、第1のタンパク質と第2のタンパク質の結合を検出する際、第3のタンパク質の発現ベクターを宿主細胞内に導入したり、HIVのTATタンパク質やHSVのVP-22タンパク質の細胞膜通過ドメインのようなProtein Transduction domain(PTD)と呼ばれるペプチドを第3のタンパク質に結合させ、培地に投与したりすることにより、第3のタンパク質を宿主細胞内に供給すればよい。
(3)結合タンパク質スクリーニング方法
以上述べたようなタンパク質結合検出システムを応用し、特定のタンパク質に結合する結合タンパク質をスクリーニングして、その結合タンパク質をコードする遺伝子を容易にクローニングすることができる。
まず、(1)と同様にして、第1のタンパク質にDNA結合ドメインを結合させた第1の融合タンパク質を発現させるための第1の発現ベクターと、DNAドメインの結合配列の下流にレポーター遺伝子が挿入されたレポーターDNAを構築し、宿主細胞に導入する。この際、第1の発現ベクターは、宿主細胞の染色体DNAに組み込ませておくことが好ましい。
次に、タンパク質ライブラリーの各タンパク質に転写活性化ドメインを結合させた第2の融合タンパク質を発現させるための発現ベクターライブラリーを構築する。この発現ベクターライブラリーは、(1)に記載した第2の発現ベクターを構築する方法において、第2のタンパク質をコードするDNAの代わりに、スクリーニングに用いる対象の細胞から単離したRNAを逆転写して作製したcDNAライブラリーを用いることにより構築できる。なお、発現ベクターライブラリーの作製に用いられるベクターは、最後に回収しやすいように、自律複製可能なベクターであることが好ましい。
こうして作製された発現ベクターライブラリーを、第1の発現ベクターとレポーターDNAを有する宿主細胞に導入し、レポーター遺伝子が発現している宿主細胞を単離する。発現ベクターライブラリーの細胞内への導入、及びレポーター遺伝子の発現の検出は、(1)と同様に行うことができる。
最後に、得られた陽性細胞から、発現ベクターライブラリー由来の発現ベクターのうち、第2のタンパク質をコードするcDNAの少なくとも一部を回収する。発現ベクターライブラリーに用いられたベクターが自律増殖型であれば、発現ベクターごと回収すればよいが、そのベクターが染色体挿入型であれば、例えばベクター内に大腸菌で機能するoriと薬剤耐性遺伝子を挿入しておき、plasmid rescue法によって、oriと薬剤耐性遺伝子に隣接したDNAを回収することができる。回収したcDNAの一部から、常法により遺伝子全長をクローニングできる。
(4)具体的システムの実例
以上に述べたようなタンパク質結合検出システムとして、いわゆるtwo-hybridシステムや、three-hybridシステムとして広く用いられているシステムが開発され、市販もされている。これらのシステムには、様々な改良型システムが存在するが、どのような改良型システムであっても、それらに本発明を適用することが可能である。
本実施例では、宿主細胞に酵母細胞を使用し、p53とT抗原の結合を例として、本発明に特有の効果を検証するが、本実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)染色体組込み型酵母2ハイブリッド用プラスミドベクターpAURBDの構築
[1] DNA結合ドメインをコードするBD断片のPCR
まず、GAL4DNA結合ドメイン発現ベクターであるpGBD-c1(ウイスコンシン大学マディソン校Philip James博士より供与)の制限酵素サイトEcoRIおよびBglII間にオリゴDNAを挿入し、マルチクローニングサイトをNcoI-EcoRI-SmaI-BamHI [GBD-MS:CCATGG GAATTC CCCGGG GGATCC(配列番号1)]に改変してプラスミドpGBD-m1を作製した。このpGBD-m1を鋳型とし、PrimeSTAR HS (Taqポリメラーゼ、Takara)、プライマーCTAAGTTTTAATTACAAAATGAAGCTACTGTCTTC (BD-1、配列番号2)およびプライマーATGCCCGGGACTAGTGGTACCGCTAGCCGGCGATACAGTCAACT (BD/BT-2、配列番号3)を用いて、94℃45秒、(94℃15秒、55℃5秒、72℃1分)×15サイクル、72℃1分、4℃30秒の条件でPCRを行い、BD断片を増幅した。
[2] TEF1プロモーター断片のPCR
pTEF1/Zeo(InVitrogen社)を鋳型とし、TaqポリメラーゼPrimeSTAR HS (Takara社)、プライマーCTACAGTCGACCCACACACCATAGCTT (TEF/BT-1,配列番号4) およびプライマーGCTTCATTTTGTAATTAAAACTTAGATTAGATTGCTATGC (TEF-2,配列番号5)を用いて、94℃45秒、(94℃15秒、55℃5秒、72℃1分)×15サイクル、72℃1分、4℃30秒の条件でPCRを行い、TEF1プロモーター断片を増幅した。
[3] BDおよびTEF1プロモーター断片の融合PCR
BD断片およびTEF1プロモーター断片を等量混合し、PrimeSTAR HSにより、まずプライマーを入れずに94℃45秒、(94℃15秒、45℃10秒、72℃1分)×5サイクルのPCRを行い、ここにプライマーCTACAGTCGACCCACACACCATAGCTT (TEF/BT-1,配列番号4)およびプライマーATGCCCGGGACTAGTGGTACCGCTAGCCGGCGATACAGTCAACT (BD/BT-2、配列番号3)を加えて、94℃45秒、(94℃15秒、55℃5秒、72℃1分)×20サイクル、72℃1分、4℃30秒の条件でPCRを行い、TEF1プロモーター-BD断片を作製した。
[4] CYC1ターミネーター断片のPCR
pTEF1/Zeoを鋳型とし、PrimeSTAR HS、プライマーAGTCCCGGGCATATGTCTAGACACGTCCGACGGCGGCC(CYC-1,配列番号6)およびプライマーCGTCTGAGCTCAGCTTGCAAATTAAAGCC(CYC-2,配列番号7)を用いて、94℃45秒、(94℃15秒、55℃5秒、72℃1分)×15サイクル、72℃1分、4℃30秒の条件でPCRを行い、CYC1ターミネーター断片を増幅した。
[5] TEF1プロモーター-BD断片およびCYC1ターミネーター断片のpGEM-3Zf(+)への挿入、配列の確認
TEF1プロモーター-BD断片およびCYC1ターミネーター断片を、それぞれプライマー配列由来の制限酵素サイトSalIとXmaI、および、XmaIとSacIの制限酵素処理後、それぞれの制限酵素で処理されたpGEM-3Zf(+)(Promega社)にT4DNAリガーゼにより挿入した。
[6] CYC1ターミネーター断片のpGEM-3Zf(+)/TEF1プロモーター-BDへの挿入
CYC1ターミネーター断片が挿入されたpGEM-3Zf(+)から、制限酵素XmaIおよびSacIでCYC1ターミネーター断片を切り出した。一方、TEF1プロモーター-BDが挿入されたpGEM-3Zf(+)/を XmaIおよびSacIで制限酵素処理して、CYC1ターミネーター断片をT4DNAリガーゼを用いて挿入した。
[7] TEF1プロモーター-BD-CYC1ターミネーター断片のpAUR101への挿入
TEF1プロモーター-BD-CYC1ターミネーター断片を挿入したpGEM-3Zf(+)から、TEF1プロモーター-BD-CYC1ターミネーター断片を制限酵素SalIおよびSacIで切り出し、同じくSalIおよびSacIで処理したpAUR101(Takara社)にT4DNAリガーゼにより挿入し、得られたプラスミドをpAURBDと命名した(図1参照)。
(2)タンパク質相互作用の検出
まず、pAURBDのマルチプルクローニングサイトにマウスp53遺伝子の断片を以下のようにして挿入した。なお、上記作製過程からも明らかであるが、pAURBDのマルチプルクローニングサイト(NheI-KpnI-SpeI-SmaI-NdeI-XbaI)の塩基配列は、GCTAGC GGTACC ACTAGT CCCGGG CATATG TCTAGA(AURBD-MS、配列番号8)であり、NheI-KpnI-SpeI-SmaIサイトの配列はオリゴヌクレオチドBD/BT-2(配列番号3)に、SmaI-NdeI-XbaIサイトの配列はオリゴヌクレオチドCYC-1(配列番号6)に由来する。
マウスp53遺伝子(全長390aa)の72-390aaをコードするDNAを含む、pVA3-1(Clontech社)のEcoRI-BamHI断片をpGBD-c2に挿入し、pGBD/53を得た。このpGBD/53約400ngを鋳型とし、PrimeSTAR HS (Taqポリメラーゼ、Takara社)、プライマーAGAGCTAGCCCTGTCACCGAGACC(p53-1,配列番号9)およびプライマーCAGTCTAGATTAGGGATGCAGAGGCAGTC(p53-2,配列番号10)を用いて、94℃45秒、(94℃15秒、55℃5秒、72℃1分)×15サイクル、72℃1分、4℃30秒の条件でPCRを行なった。プライマー配列由来の制限酵素サイトNheI、XbaIの制限酵素処理後、同じくそれぞれの制限酵素で処理されたpAURBDにT4DNAリガーゼにより挿入し、pAURBD/53とした。
次にpAURBD/53プラスミドをBstEIIで線状化し、酢酸リチウム法により酵母two-hybrid用酵母株PJ69-4A(MATa trp1-901 leu2-3,112 ura3-52 his3-200 gal4(deleted) gal80(deleted) LYS2::GAL1-HIS3 GAL2-ADE2 met2::GAL7-lacZ)(James, P., et al. (1996) Genetics vol.144 pp.1425-1436)を形質転換した(以下、酵母細胞の培養はすべて30℃で行った)。なお、PJ69-4AはGAL4応答性プロモーターGAL1及びGAL2の下流に、それぞれHIS3及びADE2が結合したDNAを有しているため、GAL4-DNA結合ドメインを用いた本システムでは、ヒスチジンまたはアデニンを含まない培地でbait及びpreyの両者を導入した細胞を培養し、増殖することができるかどうか検出することにより、導入した二つのタンパク質の結合を判定することができる。
形質転換後の酵母は、アンピシリン600μgを含むYPD液体培地10 mlで一晩培養した。線状化されたプラスミドが、相同組換えによって染色体DNAに組み込まれた酵母細胞を選択するため、培養液100μlをオーレオバシジンA(0.5μg/ml)とアンピシリン(50μg/ml)を含むYPD培地に塗布し、コロニーを形成させた。出現したコロニーの細胞をYPD液体培地で培養し、染色体DNAを抽出し、GAL4-BDおよびCYC1ターミネーター上の配列を持つBIOTaq(Taqポリメラーゼ、BIOLINE)、プライマーTTCAGTGGAGACTGATA (GB-1、配列番号11)およびプライマーGATCTTGGTGGTGAAGCATAACATATGCTC (CYC-3、配列番号12)を用いて、45℃2分、72℃3分、(94℃10秒、56℃30秒、72℃2分)×30サイクル、4℃30秒の条件でPCRを行うことにより、プラスミドが相同組換えを起こし、baitを含む領域が染色体に挿入されていることを確認した。
こうして得られた組換え酵母を、酢酸リチウム法によりGAL4転写活性化ドメインとT抗原の融合タンパク質を発現するpGAD /TおよびGAL4転写活性化ドメインのみを発現するpGAD-c2ベクター(両者とも選択マーカーはロイシン)でそれぞれ形質転換し、SD-L培地上(ロイシンを含有しない合成選択培地)に塗布して各ベクターが導入された酵母細胞を選択した。この際の形質転換効率は、9x10cfu/μgDNAとなり、以下に記載する従来法における形質転換効率の20倍に達した。
なお、pGAD /T は、pTD1-1(Clontech社)から、SV40 largeT抗原遺伝子(全長708aa)の84-708aaに相当するDNA断片をBamHIおよびBglIIで切り出し、pGAD-c2(ウイスコンシン大学マディソン校Philip James博士より供与)に挿入して作製した。また、pGAD-c1も、ウイスコンシン大学マディソン校Philip James博士より供与された。
生じたコロニーを個別に10個ずつTEに懸濁し、SD-LH培地(ロイシン・ヒスチジンを含有しない合成選択培地)およびSD-LA培地(ロイシン・アデニンを含有しない合成選択培地)にスポットした。PJ69-4Aには、図2に、培養開始3日後に出現したコロニーの写真を示す。
pGAD/Tで形質転換した酵母細胞は、SD-LH培地上では1日後、SD-LA培地上では2日後にコロニーの生育が肉眼で確認された。このことは、p53とT抗原が細胞内で結合し、レポーター遺伝子を発現させたことを示す。一方、pGADベクターで形質転換した酵母細胞は、比較的多量の細胞をスポットしたにもかかわらず、二週間以上経過してもSD-LH、SD-LAいずれの培地にも偽陽性コロニーの生育が見られなかった。
(3)従来法による偽陽性コロニーの出現
自律増殖型ベクターを用いて作製された、GAL4 DNA結合ドメインのみを発現するbait用pGBDベクターpGBD-m1(選択マーカーはトリプトファン)によってPJ69-4Aを形質転換し、pGBDベクターを有する酵母を単離した。次に、この形質転換酵母に対し、GAL4転写活性化ドメインのみを発現するprey用pGADベクターpGAD-c1(ウイスコンシン大学マディソン校Philip James博士より供与、選択マーカーはロイシン)によってPJ69-4Aを形質転換し、これら二つのプラスミドを染色体外に維持する酵母細胞を単離した。この際の形質転換効率は、4x10cfu/μgDNAとなり、これは、本発明の方法における形質転換効率の20分の1にすぎない。
こうして得られた形質転換酵母をTEに懸濁し、SD-LWH培地上に同様にスポットし、2日後に観察したところ(図3)、矢印で示すようにコロニーの生育が観察された。pGBDベクターが発現するGAL4DNA結合ドメイン及びpGADベクターが発現するGAL4転写活性化ドメインは結合せず、本来、マーカーが発現しないため、これらのコロニーは偽陽性コロニーであると判断される。
(4)効果
上記実施例のように、baitを有する形質転換酵母へのライブラリーの導入効率が、本発明の方法を用いれば、従来法より20倍増加した。ライブラリーの導入効率の上昇は、1回の実験でより多くの候補クローンをスクリーニングできることになり、実験規模が大幅に縮小できる効果をもたらす。
また、従来法においては偽陽性コロニーが出現したが、本発明の方法を用いれば、偽陽性コロニーの頻度が著しく低減した。特に、ライブラリースクリーニングでは、陽性クローンの割合は非常に小さいので、このレベルで生じる偽陽性シグナルの及ぼす影響は大きく、偽陽性シグナルの頻度を低減するという本発明の長所が大いに生かされると考えられる。
本発明によるこれらの効果は、染色体外にある発現ベクターを、染色体内に組み込むことによって得られる効果としては、全く予測し得ないものであり、本発明は、従来技術を大いに進歩させる技術である。
本発明に係る一実施例において作製した、染色体挿入用GAL4DNA結合ドメイン発現ベクターpAURBDの制限酵素地図を示す。 本発明に係る一実施例において、pAURBD/53プラスミドでbaitを酵母染色体に組み込んだPJ69-4Aを、pGAD/T発現ベクターまたはpGADベクターで形質転換し、SD-L培地上に形成させたコロニーを懸濁してSD-LH培地(左)及びSD-LA培地(右)にスポットし、3日後に観察したコロニーの様子を示す写真である。各ディッシュにおいて、左2列(10スポット)にはpGAD/T発現ベクターで形質転換した酵母をスポットし(pGAD/T)、右2列(10スポット)にはpGADベクターで形質転換した酵母をスポットした(pGAD/blank)。 本発明に係る一実施例において、pGADベクターとpGBDベクターでPJ69-4Aを形質転換し、SD-LW培地上に形成させたコロニーを懸濁してSD-LWH培地上にスポットし(右下:NC)、2日後に観察したコロニーの様子を示す写真である。左は拡大写真。矢印は、偽陽性コロニーを示す。右下の写真のディッシュにおいて、右上(PC)はポジティブコントロールである。

Claims (10)

  1. DNA結合ドメインを有する第1のタンパク質と、転写活性化ドメインを有する第2のタンパク質と、前記DNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAとを有する宿主細胞において、前記レポーター遺伝子の発現を検出することにより、第1のタンパク質と第2のタンパク質の直接的結合又は間接的結合を検出するタンパク質結合検出方法であって、
    第1のタンパク質をコードするDNA及び第2のタンパク質をコードするDNAのうち、少なくとも一つが染色体に組み込まれていることを特徴とする方法。
  2. 第1のタンパク質及び第2のタンパク質をコードするDNAのうち、少なくとも一つが染色体の特定の位置に組み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 第1のタンパク質をコードするDNAが染色体に組み込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記宿主細胞が酵母細胞であることを特徴とする請求項1〜3に記載の方法。
  5. two-hybrid法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 第1のタンパク質と第2のタンパク質は、他の分子を介して結合することができ、前記細胞が当該他の分子を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. three-hybrid法であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 宿主細胞内で第1のタンパク質と第2のタンパク質の結合を検出する方法であって、
    第1のタンパク質にDNA結合ドメインを結合させた第1の融合タンパク質を発現させるための第1の発現ベクターと、第2のタンパク質に転写活性化ドメインを結合させた第2の融合タンパク質を発現させるための第2の発現ベクターと、前記DNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAを構築する工程と、
    前記レポーターDNA、第1の発現ベクター、及び第2の発現ベクターを宿主細胞に導入する工程と、を含み、
    第1の発現ベクター及び第2の発現ベクターの少なくとも一つを宿主細胞の染色体に組み込む工程を含むことを特徴とする方法。
  9. 第1のタンパク質に結合する第2のタンパク質をコードする遺伝子をクローニングする方法であって、
    第1のタンパク質にDNA結合ドメインを結合させた第1の融合タンパク質を発現させるための第1の発現ベクターと、タンパク質ライブラリーの各タンパク質に転写活性化ドメインを結合させた第2の融合タンパク質を発現させるための発現ベクターライブラリーと、前記DNAドメインの結合配列の下流にレポーター遺伝子が挿入されたレポーターDNAを構築する工程と、
    前記レポーターDNAを前記宿主細胞に導入する工程と、
    第1の発現ベクターを前記宿主細胞に導入し、該第1の発現ベクターが染色体DNAに組み込まれた宿主細胞を単離する工程と、
    前記発現ベクターライブラリーを前記宿主細胞に導入する工程と、
    前記発現ベクターライブラリーを導入された宿主細胞から、前記レポーター遺伝子が発現した宿主細胞を単離する工程と、
    前記単離された宿主細胞の有する、第2の融合タンパク質を発現する第2の発現ベクターにおいて第2のタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも一部を回収する工程と、
    を含む方法。
  10. DNA結合ドメインを有する第1のタンパク質をコードする第1の外来DNAと、
    転写活性化ドメインを有する第2のタンパク質をコードする第2の外来DNAと、
    前記DNA結合ドメインが結合する結合配列の下流にレポーター遺伝子を有するレポーターDNAを有する宿主細胞であって、
    第1のDNAと第2のDNAのうち、少なくとも一つが染色体に組み込まれていることを特徴とする細胞。
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