JP2008092238A - 電力線通信装置及び電力線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 短絡、漏電、部分放電などの電力線に生ずる異常を検出する機能を併せ持った電力線通信装置を得る。
【解決手段】 電力線を信号伝送路として使用する電力線通信装置に、通信信号として使用する周波数帯よりも低い周波数帯での信号減衰特性の変化を検出手段、あるいは電力線のコモンモード電流の変化を検出する手段、あるいは雑音信号強度の変化を検出する手段などを設けることにより、電力線の異常を検出する機能を持たせる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電力線通信(PLC:Power Line Communication)装置及び同装置を用いた電力線通信システムに関するものである。
家庭内においてLANを構築する方法として、既存の配電線を使用してあらゆるコンセント間で通信ができるPLCが注目されている。PLCは、電力線(家屋への引き込み線や家屋内の電力配線など)に通信情報を高周波信号として重畳して送受することにより、電力線でつながれた装置間の通信を行うものである。特にインターネット等の情報を伝送するために数MHz以上の高周波信号を用いる高速PLCの開発が進められている。PLCに関する技術は、例えば、非特許文献1に記載されている。
安部保範ほか「高速電力線通信装置の開発」SEIテクニカルレビュー、第164号、p67〜p71、2004年3月発行
家屋内の電力線は、単相二線式や三相三線式などの方式があり、一般的には100Vあるいは200Vの電圧で、50Hzまたは60Hzの交流電力を供給している。電力線の異常としては、線間が電気的に導通する短絡や、いずれかの線が大地(アース電位)に導通する地絡、漏電、あるいは地絡には至らないが極めて微弱な放電を起こす部分放電などがある。PLC装置は既設の電力線を伝送路として利用しており、電力線の異常は通信性能に影響を及ぼしかねない。さらに電力線の異常は時には火災等の原因となり、その早期検出は防災、安全上も望まれる。
しかし、従来PLC技術においてこれらの異常を検出しようとする特段の試みはなされていない。本発明者は、PLC装置が電力線と直接接続されて電力線の信号を検出することに着目し、通信のみならず電力線の異常検出も可能であることに想到して本願発明に至った。すなわち、本発明はPLC装置の付加機能として電力線の異常を検出することを目的とする。
本発明は、電力線を信号伝送路として使用する電力線通信装置であって、電力線の異常を検出する異常検出手段を具える電力線通信装置である。(請求項1)
電力線通信装置が電力線の異常を検出する手段を具えることで、単に通信機能だけではなく異常検出装置としての役割を果たすことができる。特に家庭内LANなどに用いられる電力線通信装置においては、家屋内の電力線異常に起因する停電、火災等の事故を未然に防止することにつながり、通信機能を併せ持ったセキュリティー機器として利用すれば有用である。
ここで、電力線の異常としては、電力線の短絡、漏電および部分放電が代表的に考えられる(請求項2)。
一般にこれらの異常は配電盤に設置された遮断器、漏電ブレーカなどで検出されて給電が遮断されるが、そのような停電状態に至る前に、これらの異常を初期状態で検出することが有効である。電力線通信機器は電力線からの電力供給が遮断器で遮断されたり、その他の停電状態になれば、一般的には電力線通信機器自体が動作停止するが、同機器が内蔵電池等によるバックアップ電源を具備していれば、これら停電も検出することが可能である。
異常検出手段は、電力線通信装置が通信信号として使用する周波数帯よりも低い周波数帯での信号減衰特性の変化を検出することにより、電力線の短絡を検出する(請求項3)。
高速PLCと呼ばれる分野において、通信には通常数MHz〜数百MHz(現在の機器では2MHz〜30MHzが用いられる)の高周波信号が用いられる。一方、電力線に短絡が発生すると、通信に用いている周波数帯よりも低い周波数帯においての信号伝搬特性の変化が顕著となることを発明者は見いだした。したがって、かかる低周波帯の伝搬特性として例えば減衰特性を観測していれば、その変化から短絡の発生を検出することが可能となる。検出する信号は減衰特性の変化が顕著な2MHz以下が好ましく、より好ましくは1MHz以下である。また、旧来のPLCが使用する450kHz以下を避ける意味および低周波帯には家電ノイズ等が乗りやすいことも考慮すると、450kHz以上であることが好ましい。
なお、電力線通信装置が、信号の変復調方式として直交化周波数多重(OFDM)方式を採用したハードウェアである場合には、当該装置が受信回路の一部に具えるフーリエ変換部の出力信号に基づいて信号減衰特性の変化を検出することが好ましい(請求項4)。
通信のために既に具える回路を用いて電力線の異常検出が可能であり、装置の小型化、低コスト化、信頼性向上等の効果が期待できる。
また、電力線のコモンモード電流を検出するコモンモード検出器をさらに具え、異常検出手段は、コモンモード検出器により検出された信号の変化を検出することにより、前記電力線の漏電を検出する(請求項5)。
電力線に漏電が生じた場合、例として2線式の通常の屋内配線で説明すれば、2線の双方に同じ方向(同位相)の電流であるコモンモード電流が流れる。環状の磁性体コアとコアに巻き付けた巻線からなるコモンモード検出器を、2線の電力線が貫通するように設ければ、通常流れる給電電流は2線にそれぞれ逆方向に流れるので、巻線には信号が検出されないが、コモンモード電流は2線に同方向に流れるため、巻線にはコモンモード電流の変動に応じた信号が検出される。したがって、かかる信号の変化から電力線の漏電発生を検出することが可能となるのである。
ここで検出する信号は商用周波数そのものである50または60Hzでよいが、通信信号として利用する高周波帯でのコモンモード電流を検出することも可能である。高周波帯を使用する場合、上述の短絡検出と同様にフーリエ変換部の出力信号に基づいて信号強度の変化を検出することができる。
また、異常検出手段は、電力線通信装置が通信信号として使用する周波数帯よりも低い周波数帯での雑音信号強度の変化を検出することにより、電力線の部分放電を検出する(請求項6)。
上述の通り通信には数MHz以上の信号が用いられるが、電力線に部分放電が発生すると、広い周波数に亘る極微弱な電流が発生することが知られており、かかる広帯域の微弱電流の内で数十MHz以下の信号は比較的伝搬減衰が少ないため検出されやすい。この場合、上記と同様にフーリエ変換部の出力信号に基づいて信号強度の変化を検出することも可能である。
さらに本発明は、試験信号を電力線に送出する手段を有する第一の電力線通信装置と、試験信号を電力線から検出する手段を有する第二の電力線通信装置とを少なくとも一対含む電力線通信システムであって、第二の電力線通信装置は、検出した試験信号の強度変化に基づき電力線の異常を検出するものである(請求項7)。
かかる構成によれば、第二の電力線通信装置は、第一の電力線通信装置が送出する試験信号の検出強度の変化から伝搬経路での当該信号の減衰特性の変化を容易に検出することが可能である。すなわち、最も基本的には、第一の電力線通信装置が一定強度、一定周波数の信号を電力線に一定間隔あるいは連続で送出し、第二の電力線通信装置はその周波数の信号を検出して、強度変化が一定以上なれば漏電の可能性ありと判断することが可能である。送出する信号は、当該電力線通信システムで通信に使用する信号周波数より低く、かつ短絡異常により減衰特性の変化が生じやすい帯域として、2MHz未満の信号が好ましく、低周波に重畳しやすいノイズを避ける意味で450Hz以上がさらに好ましい。
本発明によれば、短絡、漏電、部分放電などの電力線の異常を検出する機能を併せ持った電力線通信装置を得ることができる。
次に本発明を実施する形態について図面を参照して説明する。
図1はPLCを家屋内のネットワークに用いた構成例を示す模式図である。家屋100には配電線110により電力が供給され、分電盤111によりブレーカ等を介して複数の電力線112に分岐され、家屋内の各部屋等に配線される。
一方、家屋にはインターネット通信等のためのブロードバンド情報を伝送する光ファイバ120が引き込まれており、ONU121により電気信号と変換されてルータ122に接続されている。PLC親モデム131はルータに接続されて家屋内の通信ネットワークの中心的役割を担う。なお、本例では光ファイバによる外部との通信を例示しているが、これは代表的な例示に過ぎず、電話線を介したADSL回線等で置き換えても良い。ONUやルータ等の機器構成は個々のネットワークシステムに応じて必要な機器を用いる。PLC親モデム131はコンセント113を介して家屋内の電力線112に情報を重畳させて送信、あるいは電力線112に重畳された情報を受信することができる。
電力線112にはエアコンや照明等の家電機器が接続されていると同時にPLC子モデム132および同133が接続されている。かかる構成によりPLC子モデム132および同133はPLC親モデム131との間で互いに電力線112を伝送線路として情報通信を行うことができると共に、PLC親モデム131を介して外部との通信も可能となる。
前記PLC親及び子モデムは、所定の電力線通信用の周波数帯域(例えば、2M〜30MHz
)において複数のキャリア(搬送波)を用いる周波数多重方式によって通信を行うものである。具体的には、モデムは直交化周波数多重(OFDM:Orthogonal Frequency Domain Multiplex)とよばれる変調方式で変調を行う。
図2は本発明にかかるPLCモデムの構成を主な回路の機能ブロック図で示したものである。図2の構成は親モデムと子モデムに共通の構成であり、信号を電力線に送信するための送信部20及び電力線から信号を受信するための受信部30を備え、さらにモデムの送受信などを制御する制御部40を備えている。
同図の左に位置する送信側および受信側とはPLCモデムに接続されて情報をモデムに受け渡しする情報機器(すなわち図1の例示で示されるルータやPC)のデータ送信側または受信側が接続されるという意味である。一方図の右側に位置する電力線とは各モデムが伝送路として利用する電力線112が接続されるという意味である。すなわち本PLCモデムは情報機器の送信側から渡されたデータを変換等して電力線に重畳(出力)し、また、電力線から抽出(入力)したデータを変換等して情報機器の受信側に渡す機能を有する。
図2に基づき送信部を説明する。送信部20の誤り訂正符号部21は、モデムに接続されたPC等の情報機器などから送信内容であるビット列の入力を受けて、当該ビット列に誤り訂正符号を付加してデータを符号化し、符号化したデータをバッファ22へ出力する。バッファ22は、誤り訂正符号部21から入力されたデータを一旦記憶し、記憶したデータをシリアル・パラレル変換部23へ出力する。シリアル・パラレル変換部23は、バッファ22から入力されたシリアルデータをパラレルデータに変換し、変換したパラレルデータを直交振幅変調部24へ出力する。
直交振幅変調部24は、シリアル・パラレル変換部23から入力されたデータを、直交する複数(例えば、数百)の搬送波それぞれに分散し、分散したデータを各搬送波に割り当てる。さらに直交振幅変調部24は、割り当てられたデータ(シンボル)に基づいて前記搬送波の振幅及び位相を変調する直交振幅変調(QAM: Quadrature Amplitude Modulation)をし、変調信号を逆フーリエ変換部25へ出力する。
また、直交振幅変調部24は、制御部40からの制御信号に基づいて、搬送波の振幅を増減する。これにより、送信部から出力される送信信号の信号レベルを、搬送波ごとに増減することができる。すなわち、電力線通信で用いられる周波数帯域のうち、一部の周波数帯域における信号レベルを他の周波数帯域における信号レベルを異ならせることができる。
逆フーリエ変換部25は、直交振幅変調部24から入力された搬送波ごとの変調信号を時間領域の変調信号に変換し、変換した変調信号をパラレル・シリアル変換部26へ出力する。パラレル・シリアル変換部26は、逆フーリエ変換部から入力された変調信号をシリアルデータに変換し、ガードインターバル部27へ出力する。
ガードインターバル部27は、パラレル・シリアル変換部26から入力されたシリアルデータに対して、複数の搬送波を用いたマルチパス伝送による符合間干渉を防止するため、各搬送波の遅延時間を考慮して、送信信号ブロックのシンボル長をガードインターバル分だけ長くするガードインターバルを挿入する処理をし、処理後の信号をD/A変換部28へ出力する。
D/A変換部28は、ガードインターバル部27から入力されたデジタル変調信号をアナログ変調信号に変換し、フィルタ29へ出力する。フィルタ29は、D/A変換部28から入力された変調信号の高調波成分を除去し、処理後の変調信号を電力線へ送出する。
次に受信部を説明する。受信部30のフィルタ31は、電力線を介して受信した変調信号から高調波成分を除去する。続いて、A/D変換部32は、アナログの変調信号をデジタル信号に変換し、ガードインターバル部33がガードインターバルを除去する処理を行う。さらに、シリアル・パラレル変換部34によって、信号をサブキャリアの数に等しい組のパラレルデータに変換し、フーリエ変換部35によって、搬送波ごとに周波数領域の信号に変換する。なお、フーリエ変換部35の出力は、通常の受信処理のため後段の直交振幅復調部36に出力される他、制御部40 にも出力される。
直交振幅復調部36は、フーリエ変換部35から入力されたデータに基づいて、送信されたデータを再生するための復調処理を行い、処理後のデータをパラレル・シリアル変換部37へ出力する。パラレル・シリアル変換部37は、搬送波ごとに復調されたデータをシリアルデータに変換し、変換後のデータをバッファ38へ出力する。バッファ38は、パラレル・シリアル変換部37から入力されたデータを、誤り訂正復号部39 が読み出すまで一旦記憶する。誤り訂正復号部39は、バッファ38に記憶されたデータを読み出し、読み出したデータに誤りがある場合には誤り訂正を行い、訂正後のデータを外部の情報機器等へ出力する。
以下、かかる家屋内のPLCネットワークの構成において、電力線112に異常が生じた場合の動作を説明する。
(実施の形態1:短絡異常1)
本発明者らは、電力線112に短絡異常が生じた場合、電力線の比較的低い周波数域にて伝送線路としての電力線の減衰特性が大きく変化することを見いだした。図3は電力線の減衰特性をグラフに表したものである。横軸に信号周波数、縦軸に減衰率を示し、電力線の通常の減衰特性と短絡異常が生じた場合の減衰特性を比較して表記している。電力線に一定の周波数をもった信号を重畳した場合に、離れた地点でそれを抽出すると、信号強度が減衰するのが一般的であり、かかる信号の周波数を横軸に記載して示したものを減衰特性とする。減衰特性は電力線の種類や配線形態等に影響され、個々の配線やモデム間の距離等によって異なる特性を持つ。図3は電力線の減衰特性の代表的な測定例であり、短絡異常発生によりおよそ1.1MHz以下の帯域で減衰が大きいことを示している。この例では変化は1MHz以下で顕著であるが、一般的には2MHz以下での変化が大きく現れる。また、0.45MHz以下は従来よりPLCに用いられている周波数帯であり、また低周波になるほど各種家電機器からのノイズが増加する。
本発明は上記の短絡時の減衰特性変化を利用して短絡発生を検出するものである。図2の構成において、PLCモデムは2MHz以上の周波数を通信に用いるが、短絡検出のために周波数0.7MHzの信号を付加的に用いる場合を示す。ここで0.7MHzは、図3の減衰特性において通常時と短絡異常時の減衰特性の差が顕著に大きい周波数がおよそ0.4MHzから1MHzの範囲であることから、その中央付近の周波数として選択できることを例示したものであり、減衰特性の差が大きい周波数範囲から選択すればこれに限定されるものではない。適用するネットワークの減衰特性は個々のネットワーク毎に一律ではないので、個別に減衰特性を測定してから適切な周波数を選択することが出来ればさらに好ましい。
全体構成は図1の構成、各モデムの機能構成は図2とする。PLC親モデム131は、制御部40が通常のデータに付加的に0.7MHzの一定強度の信号を送信するように直交振幅変調部24に指示を与える。すると、送信部20から電力線に重畳されるアナログ信号は、データ通信に用いる2MHz以上の高周波信号に0.7MHzの一定強度信号が付加されたものとなる。
かかるアナログ信号をPLC子モデムが受信するが、受信する信号は線路の減衰を受けたものである。電力線の減衰特性が図3とする。0.7MHzの信号は、通常時にはほとんど減衰せずにPLC親モデムからPLC子モデムに到達するが、線路に短絡異常が生じている場合には、通常時に比べて約10dBの減衰を受けることになる。PLC子モデムの受信部においてフーリエ変換部により変換されたデータのうち、0.7MHzに相当するデータを制御部が常に観測すれば、通常時の信号強度と比べて現在の信号強度が約10dB小さくなったことをもって、短絡異常の発生を検出することが可能となるのである。
なお、本例では、PLC親モデムが一定信号を送出し、PLC子モデムがそれを受信して異常検出する例を示したが、親子の関係は逆でも良く、また子モデムの組み合わせで実現することも可能であり、以下の実施の形態においても同様である。
また、異常検出のために付加する一定周波数の信号は、上記のように送信部が創出する方法の他、別途一定信号を発生する回路を設けておき、当該発生させた信号を通信信号と共に電力線に重畳することも出来る。
さらに、付加的に用いる周波数を複数設定し、複数信号の変化を判断に用いることにより、より精度の高い異常検出が可能となる。例えば、信号を0.5MHzと1.0MHzの二種類に設定し、それぞれが10dB以上の減衰を生じた場合に短絡異常と判断するようにすれば、より誤動作を避けた検出ができる。
(実施の形態2:短絡異常2)
次に短絡異常を検出する別な構成を示す。図4は本発明を実施するPLCモデムの例を示す機能ブロック図である。図2の基本構成に加えて、図4のモデムは低域フィルタ41および短絡検出部42を備えている。
PLC親モデムは、上記実施の形態1と同様に、通信に用いる周波数とは別の周波数で一定周波数の異常検出用信号を送出する。PLC子モデムの低域フィルタ41は親モデムが送出する異常検出用信号の周波数を通過するように設定されたバンドパスフィルタである。低域フィルタ41を通過した異常検出用信号は短絡検出部42の入力となる。短絡検出部42は、入力された信号の強度を測定し、値をデジタルデータとして制御部40に渡す機能を有する。制御部40は短絡検出部42からの強度値データを時系列に記憶し、現在の強度値と過去の強度値を比較することにより当該信号強度の変化を認識して短絡異常と判断する。すなわち、異常検出用信号は電力線に短絡異常が生じると、その減衰の増大により通常よりも小さく検出されるため、その変化を認識して短絡異常を判断できるのである。なお、かかる強度値の記憶、比較や短絡異常の判断の機能を短絡検出部42にもたせるように回路を構成することも可能である。
(実施の形態3:漏電異常)
図5は本発明の実施の形態として、電力線の漏電を検出する場合のPLCモデムの構成を機能ブロック図で表したものである。PLCモデムは親モデムであっても子モデムであってもよい。図2の構成と異なるのは、モデムが漏電検出部43を備えること、および電力線にコモンモード検出器50を取り付けていることである。
図6はコモンモード検出器50について原理的に説明するために主要構成要素を示した模式図である。コモンモード検出器50は電力線が貫通可能な構造の磁性体コア51と、当該コアに巻き付けられた巻線52で構成される。磁性体コアの材料は鉄などでもよいが、周波数特性や小型化のためにフェライトを用いることが好ましい。特に高周波信号のコモンモード電流を検出する場合はフェライトが好ましい。
ここで対象とする電力線は、2線にて100V、50Hzまたは60Hzの交流電力を供給する一般的な家屋内配線として説明する。磁性体コア51の中心孔を2本の電力線が貫通するように設置する。磁性体コア51には貫通した電力線を流れる電流に応じた磁界が誘起され、かかる磁界を打ち消す方向に巻線52に電流が流れようとする。したがって、図5を参照して、巻線52が接続された漏電検出部43にて巻線52の両端電圧を測定すれば、磁性体コア51を貫通して流れる電流の大きさに応じた電圧変化を測定することができる。
ところで、磁性体コア51を貫通する2線の電力線には、理想的な通常時はそれぞれ逆方向の電流が流れているため、それぞれの電流によって磁性体コア51内に誘起される磁界は打ち消しあい、巻線52の両端電圧はゼロである。しかし、電力線に漏電が生じている場合、電力線にはコモンモード電流と呼ばれる電流、すなわち2線を往復せず片方向のみに流れる電流が生じる。よって、磁性体コア51にはかかる電流による磁界が生じ、巻線52に電流が誘導されるため、巻線52の両端に電圧が生じる。これにより漏電の検出が可能となるのである。
漏電検出部43は、入力された信号の強度を測定し、値をデジタルデータとして制御部40に渡す機能を有する。制御部40は漏電検出部43からの強度値データを時系列に記憶し、現在の強度値と過去の強度値を比較することにより当該信号強度の変化を認識して漏電と判断する。すなわち、異常検出用信号は電力線に漏電が生じると、検出されたコモンモード電流の増大を認識して漏電を判断できるのである。なお、かかる強度値の記憶、比較や漏電の判断の機能を漏電検出部43にもたせるように回路を構成することも可能である。さらに検出するコモンモード電流の周波数を限定するために漏電検出部43の内部にまたは前段にフィルタを備えると精度向上の点で好ましい。
(実施の形態4:部分放電)
次に電力線に異常時に生じる部分放電を検出する構成を示す。図7は本発明を実施するPLCモデムの例を示す機能ブロック図である。図2の基本構成に加えて、図7のモデムは低域フィルタ61および部分放電検出部62を備えている。
上述の通り通信には数MHz以上の信号が用いられるが、電力線に部分放電が発生すると、広い周波数に亘る極微弱な電流が発生することが知られており、かかる広帯域の微弱電流の内で数十MHz以下の信号は比較的伝搬減衰が少ないため検出されやすい。図7のモデムにおいて、低域フィルタ61は部分放電を検出するためにあらかじめ設定した周波数帯のみを通過させるバンドパスフィルタである。部分放電検出部62は、電力線に部分放電が発生していない状態で低域フィルタ61を通過した信号の電圧値と、部分放電が発生した状態での電圧値を比較し、電圧値があらかじめ設定した値以上に増加した場合に部分放電異常発生として検出結果を制御部40に渡す機能を有する。
制御部40は部分放電検出部からの検出結果にて、例えば一定時間以上の継続をもって部分放電異常の発生と判断するなどの認識処理を行う。なお、部分放電検出に用いる周波数帯は、通信データの送受に使用する周波数よりも低い周波数帯から任意に選択することが好ましいが、当該モデムの設置環境において予め雑音周波数特性を測定し、定常的な雑音の少ない周波数帯域を選定することがより好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
PLCを家屋内のネットワークに用いた構成例を示す模式図である。 PLCモデムの主要な構成要素を示す機能ブロック図である。 電力線に短絡異常が生じた場合の信号減衰特性の変化を説明する図であり、縦軸に減衰量、横軸に周波数をとったグラフである。 短絡異常検出機能を備えたPLCモデムの構成例を示す機能ブロック図である。 漏電異常検出機能を備えたPLCモデムの構成例を示す機能ブロック図である。 コモンモード電流検出器の構成を示す模式図である。 部分放電異常検出機能を備えたPLCモデムの構成例を示す機能ブロック図である。
符号の説明
20 送信部、 21 誤り訂正符号部、 22 バッファ、 23 シリアル・パラレル変換部、24 直交振幅変調部、 25 逆フーリエ変換部、 26 パラレル・シリアル変換部、 27 ガードインターバル部、 28 D/A変換部、 29 フィルタ、 30 受信部、 31 フィルタ、 32 A/D変換部、 33 ガードインターバル部、 34 シリアル・パラレル変換部、 35 フーリエ変換部、 36 直交振幅復調部、 37 パラレル・シリアル変換部、 38 バッファ、 39 誤り訂正復号部、 40 制御部、 41 低域フィルタ、 42 短絡検出部、 43 漏電検出部、 50 コモンモード検出器、 51 磁性体コア、 52 巻線、 61 低域フィルタ、 62 部分放電検出部、
100 家屋、 110 配電線、 111 分電盤、 112 電力線、 113 コンセント、120 光ファイバ、 121 ONU、 122 ルータ、 131 PLC親モデム、 132・133 PLC子モデム

Claims (7)

  1. 電力線を信号伝送路として使用する電力線通信装置であって、
    該電力線の異常を検出する異常検出手段を具えていることを特徴とする電力線通信装置。
  2. 前記電力線の異常は、電力線の短絡、漏電および部分放電のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の電力線通信装置。
  3. 前記異常検出手段は、前記電力線通信装置が通信信号として使用する周波数帯よりも低い周波数帯での信号減衰特性の変化を検出することにより、前記電力線の短絡を検出することを特徴とする請求項1に記載の電力線通信装置。
  4. 前記異常検出手段は、前記電力線通信装置が受信回路の一部に具えるフーリエ変換部の出力信号に基づいて信号減衰特性の変化を検出することを特徴とする請求項3に記載の電力線通信装置。
  5. 電力線のコモンモード電流を検出するコモンモード検出器をさらに具え、前記異常検出手段は、該コモンモード検出器の検出信号の変化を検出することにより、前記電力線の漏電を検出することを特徴とする請求項1に記載の電力線通信装置。
  6. 前記異常検出手段は、前記電力線通信装置が通信信号として使用する周波数帯よりも低い周波数帯での雑音信号強度の変化を検出することにより、前記電力線の部分放電を検出することを特徴とする請求項1に記載の電力線通信装置。
  7. 試験信号を電力線に送出する手段を有する第一の電力線通信装置と、該試験信号を該電力線から検出する手段を有する第二の電力線通信装置とを少なくとも一対含む電力線通信システムであって、該第二の電力線通信装置は、検出した試験信号の強度変化に基づき該電力線の異常を検出することを特徴とする電力線通信システム。
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