JP2008091190A - 回転陽極型x線管装置及びx線検査装置 - Google Patents

回転陽極型x線管装置及びx線検査装置 Download PDF

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JP2008091190A JP2006270367A JP2006270367A JP2008091190A JP 2008091190 A JP2008091190 A JP 2008091190A JP 2006270367 A JP2006270367 A JP 2006270367A JP 2006270367 A JP2006270367 A JP 2006270367A JP 2008091190 A JP2008091190 A JP 2008091190A
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Hidefumi Okamura
秀文 岡村
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Abstract

【課題】 潤滑剤を再度循環させることが可能な構造を有した回転陽極型X線管装置を提供することにある。
【解決手段】 陰極とこれに対向する陽極1と、これらを保持し且つ陰極−陽極を真空中に気密するための外囲器15と、前記陽極1を回転させる機構とを備え、この回転機構が前記陽極と締結された回転軸3、及びこれを保持する固定軸6から構成され、この回転軸3と固定軸6との間に液体金属8からなる潤滑材が充填され回転軸回転時に潤滑材に生じる動圧により回転軸と固定体に所定の隙間を保ちながら回転を可能とする動圧軸受機構を具備するX線管装置において、軸受隙間と連通した軸受隙間とは別の隙間に螺旋溝を設け、この螺旋溝により漏洩した液体金属を軸受部まで送液し、この部分で前記連通部とは別個に設けられた軸受隙間と連通する小孔から軸受自体により再度軸受隙間へ循環するように構成されたことを特徴とする回転陽極型X線管装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転陽極型X線管装置に係り、回転陽極用の流体すべり軸受の軸受潤滑性能劣化を防止する技術に属する。
図3に液体金属を利用したX線管装置回転陽極1の一例を示す。
特許文献1のように、従来、液体金属を潤滑剤に用いた軸受はその潤滑剤洩れの防止技術として境界面近傍の固定軸または軸受回転体表面に螺旋状に溝を設け、この溝の斜流ポンプ効果により、境界面から真空領域へ漏洩しようとする液体金属を軸受隙間へ押し戻そうとする構造などがある。
特開平03-077617号公報
従来技術では液体金属の漏洩防止構造に関して提案されているが、境界面が存在することには変わりなく、この方法では潤滑剤である液体金属が軸受漏洩するため、最終的には潤滑剤が枯渇し軸受が劣化する可能性がある。
そこで本発明の目的は、潤滑剤を再度循環させることが可能な構造を有した回転陽極型X線管装置を提供することにある。
上記目的は、陰極とこれに対向する陽極と、これらを保持し且つ陰極−陽極を真空中に気密するための外囲器と、前記陽極を回転させる機構とを備え、この回転機構が前記陽極と締結された回転軸、及びこれを保持する固定軸から構成され、この回転軸と固定軸との間に液体金属からなる潤滑材が充填され回転軸回転時に潤滑材に生じる動圧により回転軸と固定体に所定の隙間を保ちながら回転を可能とする動圧軸受機構を具備するX線管装置において、軸受隙間と連通した軸受隙間とは別の隙間に螺旋溝を設け、この螺旋溝により漏洩した液体金属を軸受部まで送液し、この部分で前記連通部とは別個に設けられた軸受隙間と連通する小孔から軸受自体により再度軸受隙間へ循環するように構成されたことにある。
本発明によれば、潤滑剤を再度循環させることが可能な構造ができる。
図1に本発明の実施形態の1例を示す。
回転陽極1は陰極から放出された熱電子が衝突しX線を発生する陽極ターゲット2、陽極回転軸3、とターゲット2から流入する熱による軸受劣化防止のための断熱部4及び、液体金属軸受5から構成されている。また、液体金属軸受5は固定軸6と軸受回転体7から構成されている。液体金属軸受5では固定軸6と軸受回転体7の嵌合隙間に液体金属8が存在し、陽極回転時には液体金属8に発生する動圧により固定軸6と軸受回転体7の隙間が一定になるように保たれる。また、固定軸6表面には螺旋溝が設けられており、この溝により発生する動圧を高め、耐荷重性能を高めている。尚、図3から明らかなように陽極回転体9とは、陽極ターゲット2、陽極回転軸3、断熱部4、軸受回転体7を結合したものを言う。
図1は軸受隙間と連通し軸受隙間とは別の隙間11に螺旋溝12を設けた形態を示している。この形態では軸受隙間から漏出した液体金属8は軸受隙間とは別の隙間11へ到達する。従来は漏出してきた液体金属8を、この隙間11に保持し外部真空領域への漏出を防止していた。しかし、本発明ではこの隙間11を形成する軸受回転体7表面に螺旋溝12を設け、この螺旋溝12が軸受回転体7の回転により漏出したした液体金属8を軸受5有底円筒奥部にまで送液する。この後、前記螺旋溝12の最終到達点位置にて、軸受隙間へ連通した小孔13を設けておく。またこの孔13は例えば軸受隙間のうち、スラスト軸受10部の内径側に連通させておく。このようにスラスト軸受10の内径近傍に小孔13を連通しておくとスラスト軸受10隙間内部に発生する圧力分布により液体金属8は軸受隙間に吸い込まれ、漏出した液体金属8が軸受隙間へ再度循環され戻される。
尚、スラスト軸受10では図2に示すようにスラスト軸受10表面に形成されたヘリングボーンと称される螺旋溝によりスラスト軸受10面の外径側と内径側の中間位置で液体金属の流れ16が衝突し、この部分での圧力が高くなる。これに対してスラスト軸受10面の外、内径側では低圧部分が発生する。特に内径側に存在する液体金属8は軸受5の回転による遠心力のために外径側へと押しやられる。これらの圧力分布により、前記、軸受隙間とは別個の隙間11を螺旋溝12により輸送された液体金属8はスラスト軸受10内径側から軸受隙間へ戻されることとなる。
図3には本発明の実施形態の他の1例を示す。
図3では軸受回転体7が二重構造となっており、この隙間11を利用して液体金属8を軸受隙間へ再循環させている。この形態では固定軸6は潤滑剤である液体金属8が真空と接する境界面近傍に軸受隙間を形成する2平面に対して垂直な方向に液体金属の漏洩を防止する防止板17を有している。また軸受回転体7は内径側回転体18と外径側回転体19に2分されており、内径側回転体18の外側面と外径側回転体19の内側面が軸受隙間と連通した隙間11を形成している。この隙間11に前記防止板17の一部が軸受回転体7との隙間を保った状態ではさまれている。軸受隙間から漏出した液体金属8は防止板17により軸受回転体7内部の隙間11に誘導される。この際に軸受回転体7の外径側回転体19の内側面が有底円筒状の軸受5の底部へ行くほど大径化する構造としておくと、軸受回転時の遠心力により防止板17により軸受回転体7内部の隙間11に誘導された液体金属は軸受の有底円筒底部へ輸送される。この後は前述の螺旋溝を有した構造と同様に軸受隙間へ連通した小孔13を通して液体金属8を再循環させることが可能である。
上記実施形態によれば、以下に述べる効果を得ることができる。
・X線管内真空領域への液体金属漏洩を防止し、X線管の耐電圧劣化を防止できる。
・液体金属漏洩による潤滑剤枯渇を防止し、軸受寿命信頼性を向上が可能となる。
本発明の実施の一例(スラスト軸受表面の螺旋溝、及び、螺旋溝による圧力分布)を示す図。 本発明の実施の他の一例を示す図。 従来構造の液体金属軸受を採用した回転陽極を示す図。
符号の説明
1 回転陽極、2 陽極ターゲット、3 陽極回転軸、4 断熱部、5 液体金属軸受、6 固定軸、7 軸受回転体、8 液体金属、9 ジャーナル軸受、10 スラスト軸受、11 軸受隙間と連通した軸受隙間とは異なる隙間、12 軸受回転体外周部に設けられた螺旋溝、13 漏出した液体金属を軸受隙間へ再循環させる小孔、14 コイル、15 外囲器、16 スラスト軸受表面での潤滑剤流れ、17 防止板、18 軸受回転体7の内径側回転体、19 軸受回転体7の外径側回転体、20 酸化膜または酸化物被膜、21 トラップ構造

Claims (3)

  1. 陰極とこれに対向する陽極と、これらを保持し且つ陰極−陽極を真空中に気密するための外囲器と、
    前記陽極を回転させる機構とを備え、この回転機構が前記陽極と締結された回転軸、及びこれを保持する固定軸から構成され、この回転軸と固定軸との間に液体金属からなる潤滑材が充填され回転軸回転時に潤滑材に生じる動圧により回転軸と固定体に所定の隙間を保ちながら回転を可能とする動圧軸受機構を具備するX線管装置において、
    軸受隙間と連通した軸受隙間とは別の隙間に螺旋溝を設け、この螺旋溝により漏洩した液体金属を軸受部まで送液し、この部分で前記連通部とは別個に設けられた軸受隙間と連通する小孔から軸受自体により再度軸受隙間へ循環するように構成されたことを特徴とする回転陽極型X線管装置。
  2. 陰極とこれに対向する陽極と、これらを保持し且つ陰極−陽極を真空中に気密するための外囲器と、
    前記陽極を回転させる機構とを備え、この回転機構が前記陽極と締結された回転軸、及びこれを保持する固定軸から構成され、この回転軸と固定軸との間に液体金属からなる潤滑材が充填され回転軸回転時に潤滑材に生じる動圧により回転軸と固定体に所定の隙間を保ちながら回転を可能とする動圧軸受機構を具備するX線管装置において、
    軸受隙間と連通した軸受隙間とは別の隙間を設け、この隙間の外側壁面径を軸受有底円筒奥部へ行くほど大径化され、回転時の遠心力により漏洩した液体金属を軸受部まで送液され、この部分で前記連通部とは別個に設けられた軸受隙間と連通する小孔から軸受自体により再度軸受隙間へ循環するように構成されたことを特徴とする回転陽極型X線管装置。
  3. X線発生装置とX線検出装置、これらの間に被検体を載せ、且つ被検体を任意の位置に移動できる台を有し、X線の制御装置と、X線検出装置により得られる情報を画像として出力するモニタ装置から構成されるX線検査装置において、X線管回転寿命の延長、及び、耐放電信頼性を向上するために、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のX線管装置であることを特徴とするX線検査装置。
JP2006270367A 2006-10-02 2006-10-02 回転陽極型x線管装置及びx線検査装置 Pending JP2008091190A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10748736B2 (en) 2017-10-18 2020-08-18 Kla-Tencor Corporation Liquid metal rotating anode X-ray source for semiconductor metrology
US11719652B2 (en) 2020-02-04 2023-08-08 Kla Corporation Semiconductor metrology and inspection based on an x-ray source with an electron emitter array
US11955308B1 (en) 2022-09-22 2024-04-09 Kla Corporation Water cooled, air bearing based rotating anode x-ray illumination source

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