JP2008088621A - オフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原紙の表面にクリアー塗工されているオフセット印刷用新聞用紙であって、坪量が58g/m2以上64g/m2未満であり、原料パルプとしてサーモメカニカルパルプを含有し、填料として軽質炭酸カルシウムまたは軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の少なくとも1種を含有する。
【選択図】なし
Description
請求項2に係る発明は、全パルプ固形分に対して、原料がスギ材(Cryptomeria japonica)であるサーモメカニカルパルプを30重量%以上含有することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、全パルプ固形分に対して、原料がスギ材(Cryptomeria japonica)であるサーモメカニカルパルプを20重量%以上、および原料が広葉樹であるサーモメカニカルパルプを20重量%以上含有することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、填料として、軽質炭酸カルシウムまたは軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、紙中灰分が15固形分重量%以上であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、クリアー塗工後に高温ソフトニップカレンダーにて処理されたことを特徴とする。
また、軽量でありながらオフセット印刷時の裏抜けが少なく、インキ着肉性が良好な優れた品質のオフセット印刷用新聞用紙が得られるという顕著な効果を奏する。
本発明によれば、オフセット輪転機用の高白色新聞用紙が得られる。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、坪量が58g/m2以上、64g/m2未満の軽量のものである。坪量が58g/m2未満では所望の白色度および不透明度が得られず、64g/m2以上では軽量化とはいい難い。本発明におけるオフセット印刷用新聞用紙では、白色度が78%以上および不透明度が90%以上であることが必要である。
以下、本発明のオフセット印刷用新聞用紙について詳細に説明する。
本発明に用いられる原料パルプとしては、特に制限されず従来から新聞用紙の原料パルプとして使用されてパルプを使用でき、例えば、化学パルプ(NBKP、LBKP等)、針葉樹機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW等)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、古紙パルプ(DIP)などの1種または2種以上を使用することができる。中でも、サーモメカニカルパルプが好ましい。本発明の新聞用紙は、カラー化、ビジュアル化などにより印刷面感に優れることが求められ、そのため高い平滑度も必要であるが、原料として機械パルプを用いて抄紙した紙は密度が低く、カレンダー処理を行うと密度の低い部分にカレンダー効果が強く発現しやすく、光沢ムラを生じることがある。これに対し、サーモメカニカルパルプは他のパルプに比べて密度が低く、比散乱係数が高いことから、他のパルプに比べ高い不透明度を得ることができる。特に、原料がスギ材(Cryptomeria japonica)であるサーモメカニカルパルプ(以下、杉TMPという。)が好ましい。これは例えば、特開2004−225201号公報に記載のケミサーモメカニカルパルプが挙げられる。なお、原料がスギ材(Cryptomeria japonica)のみであるサーモメカニカルパルプがより好ましい。また、原料が広葉樹であるサーモメカニカルパルプ(以下、L−TMPという。)が好ましく、これは例えば、特開2003−49385号公報に記載のサーモメカニカルパルプが挙げられる。
杉TMPの使用量は、全パルプ固形分に対して30重量%以上であることが望ましい。また、全パルプ固形分に対して、杉TMPを20重量%以上およびL−TMPを20重量%以上含有することが望ましい。
本発明の新聞用紙に含有される填料としては、特に制限されず製紙分野で公知のものを使用でき、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、ホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、二酸化チタン等を、1種または2種以上使用することができる。中でも、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が好ましい。
軽質炭酸カルシウムとしては、形状がロゼッタ型、紡錘型、柱状型が好ましい。また、平均粒子径は0.1〜20μm、比表面積は3〜20m2/gが好ましい。この範囲であることにより、高配合しても印刷時に紙粉堆積が少なく、紙中灰分を高くすることが可能となるため、印刷時の裏抜けを改善することができる。
また、本発明において軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の白色度は、95%以上であることが望ましい。
通常、DIPによって持ち込まれる灰成分の中には、炭酸カルシウムの割合が多くを占める場合が多いが、DIPには炭酸カルシウム以外の灰成分も多く含まれ、その割合は新聞古紙、雑誌古紙等の古紙種類や回収状況等により異なるため、品質変動の要因になる。また、灰成分はトナーや異物を含有し、紙面ダートや紙面欠陥の原因となる場合もある。本発明では、DIP由来の灰分を填料として利用することも行うが、DIP中の灰成分を洗浄工程である程度洗い出し、新たにフレッシュな填料として炭酸カルシウムおよび軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を、用紙の紙中灰分が上記の範囲になるように添加する。また、填料の添加量は多すぎても紙力が低下する問題などがあるため、所望の品質に応じて配合すればよいが、20固形分重量%以下程度が適当である。
また、軽質炭酸カルシウムおよび軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の配合割合は特に限定されないが、用紙の白色度と不透明度のバランスを考慮すると2/1〜4/1程度である。特に、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の添加量を5重量%以下で添加して、目標の紙中灰分となるように軽質炭酸カルシウムの添加量で調整することが望ましい。
更に必要に応じて、内添薬品として、無機凝結剤(バンド等)、有機系凝結剤、乾燥紙力剤(ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉等)、湿潤紙力剤(ポリアミドアミンエピクロロヒドリン等)、内添サイズ剤(ロジンエマルジョン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等)、歩留り向上剤、消泡剤、スライムコントロール剤、嵩高剤等を適宜添加することができる。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、中性抄紙法で抄造されることが望ましい。酸性抄紙法により製造される酸性紙に対して、中性紙は保存性に優れるとともに、DIPを増配することもできる。集荷された古紙は通常、アルカリ性の薬品のもとで処理されDIPが製造されるため、酸性抄紙の条件下ではDIPに含まれる炭酸カルシウムのカルシウムイオンが硫酸バンドと反応し石膏(硫酸カルシウム)となって析出する問題があり、酸性抄紙でDIPを多量に使用することは難しい。また、中性抄紙によれば、古紙パルプ由来の炭酸カルシウムを有効利用し省資源化を図ることができる。
抄紙機は特に制限されず製紙分野で公知のものを使用でき、両面脱水機構を有しているギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー、オントップフォーマーなどが望ましいが、これに限定されるものではない。
本発明のオフセット新聞用紙は、上記のようにして抄紙された原紙に、オフマシンまたはオンマシンにてクリアー塗工されたものである。クリアー塗工とは、顔料を含む塗工液を用いる顔料(ピグメント)塗工に対し、顔料を含まない塗工液を塗工することをいう。クリアー塗工は、ピグメント塗工に比べて少ない塗工量で原紙表面をカバーすることが可能であり、得られる新聞用紙の密度も厚さも小さく抑えながら、オフセット印刷適性に優れた新聞用紙とすることができる。
クリアー塗工用の塗液の主成分としては、表面強度を高める水溶性高分子物質、吸水抵抗性を付与する表面サイズ剤等の表面処理剤を挙げることができ、これらを混合したものでもよい。
(水溶性高分子物質)
水溶性高分子物質としては、例えば、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの澱粉類、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステルなどが挙げられる。これらは、単独、または2種類以上混合して用いられる。
表面サイズ剤としては、スチレン−マレイン酸系共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸系共重合体樹脂、α−オレフィン−マレイン酸系共重合体樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸系共重合体樹脂、カチオン性サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤などが挙げられるがこれらに制限されるものではない。また、中性抄紙の場合は、カチオン性表面サイズ剤が好ましく用いられる。このようなカチオン性表面サイズ剤としては特に限定されないが、例えば、WO2005/003457号公報、特開2005-105488号公報、特開2005-248338号公報、特開2006-16712号公報、特開2006-16713号公報、特開2006-97179号公報、特開2006-152510号公報、特開2006-161259号公報、特開2006-322093号公報等に記載のカチオン性表面サイズ剤が挙げられる。また、本件出願人が出願中である特願2005-223106、特願2005-312381、特願2006-17607等に記載のカチオン性表面サイズ剤が挙げられる。中でも特に、WO2005/003457号公報、特開2005-016712号公報、特開2005-016713号公報、特開2006-097179号公報などに記載されているカチオン性のスチレン系表面サイズ剤が好ましい。
(その他)
塗工液には必要に応じて、分散剤、可塑剤、pH調製剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、接着剤、着色染料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
クリアー塗工液の固形分濃度は、組成や塗工方式等により適宜調整されるが、通常5〜15重量%程度である。
塗工装置としては、ブレードコーター、ゲートロールコーター、サイズプレスコータ、ロッドメタリングサイズプレスなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。中でもゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスが好ましい。
塗工量は、水溶性高分子物質は固形分で0.05〜2g/m2、表面サイズ剤は固形分で0.01〜0.2g/m2程度である。
カレンダー処理方式としては、高温ソフトニップカレンダー、シューカレンダーなどが望ましいがこれに限定されるものではない。特に、高温ソフトニップカレンダーを使用した場合、用紙の密度差に起因するベタ印刷部の着肉ムラを抑制することが可能となり好ましい。処理温度は80〜200℃、線圧は25〜500kN/m程度である。
実施例、比較例で得られた新聞用紙について、23℃、50%RHの条件下で調湿後、以下の項目について評価を行った。その結果を表1に示す。
(ア)坪量:JIS P 8124に準じて測定した。
(イ)紙厚、密度:JIS P 8118に準じて測定した。
(ウ)紙中灰分:JIS P 8251に準じて測定した。
(エ)白色度:JIS P 8148に準じて測定した。
(オ)不透明度:JIS P 8138に準じて測定した。
(カ)ベック平滑度:JIS P 8119に準じて測定した。
(キ)インキ着肉性の評価
◎:着肉ムラが全くない
○:着肉ムラがほとんど見られない
△:着肉ムラが見られるやや着肉ムラが見られる
×:着肉ムラが多く見られる
東芝オフセット輪転機を用い、印刷速度700rpmで4色印刷(墨・藍・紅・黄)を行い、1万部印刷時の墨ベタ面を裏面から目視して、次の基準で評価した。
東芝オフセット輪転機を用い
◎:全く問題なし
○:問題なし
△:やや裏抜けが見られる
×:裏抜けが目立つ
反応容器中にロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(平均粒子径4.3μm)10.3重量部を水に分散し、ここにSiO2濃度18.0wt/wt%、Na2O濃度6.1wt/wt%のケイ酸ソーダ溶液を57重量部加えた後、水を加え、全量を200重量部とした。この混合スラリーをアジテータで十分に撹拌しながら加熱し、85℃としたスラリーに、10%硫酸溶液を定量ポンプにより加えるが、この硫酸添加口付近が十分撹拌されるように、アジテータの撹拌羽根直下とした。このように添加された硫酸が十分に分散される条件のもと、温度一定で、硫酸添加後の最終pHは8.0、全硫酸添加時間は240分間となるように、一定速度で硫酸を添加した。このスラリーは100メッシュ節で粗粒分を分離した後、ベルトフィルターでろ過し、さらに約10%に再分散し、平均粒径、紙分析用サンプルとした。吸油量、BET比表面積用サンプルはろ過後のサンプルをエタノール中に約10%となるよう再分散した後、ろ過、105℃の乾燥機にて乾燥をおこない、粉体サンプルとした後に、測定を行ったところ、平均粒子径は3.4μm、吸油量159ml/100gであった。なお、核に用いたロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は3.0μm、吸油量119ml/100gである。
[実施例1]
原料パルプとして、LKP(ろ水度CSF=400ml、白色度86%)、新聞晒DIP(ろ水度CSF=230ml、白色度67%)、杉TMP(ろ水度CSF=80ml、白色度72%)、NKP(ろ水度CSF=570ml、白色度82%)を35:5:30:30の配合割合で混合したパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム(平均粒子径4.3μm、白色度95%)を目標紙中灰分が16重量%となるように添加し、ギャップフォーマー型抄紙機を用いて抄速1000m/分で、坪量が57g/m2になるように新聞用紙原紙を抄造した。次いでオンマシンのゲートロールコーターにて、ヒドロキシエチル化デンプンを塗工量がフェルト面、ワイヤー面ともに0.5g/m2となるように塗布し、さらにオンマシンの高温ソフトニップカレンダーにて、密度0.73g/cm3をなるように処理を行い新聞用紙を得た。
坪量が59g/m2になるように抄造した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
[実施例3]
坪量が61g/m2になるように抄造した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が55g/m2になるように抄造した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
[比較例2]
杉TMP(ろ水度CSF=80ml、白色度72%)に代えて、ラジアータパイン木材チップを材料とした晒TMP(ろ水度CSF=80ml、白色度72%)を用いた以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
原料パルプとして、LKP(ろ水度CSF=400ml、白色度86%)、新聞晒DIP(ろ水度CSF=230ml、白色度67%)、杉TMP(ろ水度CSF=80ml、白色度72%)、ラジアータパイン木材チップを材料とした晒TMP(ろ水度CSF=80ml、白色度72%)、NKP(ろ水度CSF=570ml、白色度82%)を35:5:10:20:30の配合割合で混合した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
原料パルプとして、LKP(ろ水度CSF=400ml、白色度86%)、新聞晒DIP(ろ水度CSF=230ml、白色度67%)、杉TMP(ろ水度CSF=80ml、白色度72%)、ラジアータパイン木材チップを材料とした晒TMP(ろ水度CSF=80ml、白色度72%)、NKP(ろ水度CSF=570ml、白色度82%)を35:5:20:10:30の配合割合で混合した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
[比較例5]
坪量が64g/m2になるように抄造した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
填料として、上記炭酸カルシウム−シリカ複合物をパルプスラリーに対し5重量%添加し、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径4.3μm、白色度95%)を目標紙中灰分が16重量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
[実施例5]
坪量が59g/m2になるように抄造した以外は、実施例4と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が61g/m2になるように抄造した以外は、実施例4と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が55g/m2になるようにした以外は、実施例4と同様にして新聞用紙を得た。 [実施例7]
填料として、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径4.3μm、白色度95%)に代えて上記炭酸カルシウム−シリカ複合物を目標紙中灰分が16重量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が59g/m2になるように抄造した以外は、実施例7と同様にして新聞用紙を得た。
[実施例9]
坪量が61g/m2になるように抄造した以外は、実施例7と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が55g/m2になるように抄造した以外は、実施例7と同様にして新聞用紙を得た。
原料パルプとして、LKP(ろ水度CSF=400ml、白色度86%)、新聞晒DIP(ろ水度CSF=230ml、白色度67%)、杉TMP(ろ水度CSF=80ml、白色度72%)、ユーカリグロビュラス木材チップを材料としたL−TMP(ろ水度CSF=150ml、白色度79%)、NKP(ろ水度CSF=570ml、白色度82%)を25:5:20:20:30の配合割合で混合した以外は、実施例1と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が59g/m2になるように抄造した以外は、実施例10と同様にして新聞用紙を得た。
[実施例12]
坪量が61g/m2になるように抄造した以外は、実施例10と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が55g/m2になるように抄造した以外は、実施例10と同様にして新聞用紙を得た。
填料として、上記炭酸カルシウム−シリカ複合物をパルプスラリーに対し5重量%添加し、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径4.3μm、白色度95%)を目標紙中灰分が16重量%となるように添加した以外は、実施例10と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が59g/m2になるように抄造した以外は、実施例13と同様にして新聞用紙を得た。
[実施例15]
坪量が61g/m2になるように抄造した以外は、実施例13と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が55g/m2になるように抄造した以外は、実施例13と同様にして新聞用紙を得た。
填料として、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径4.3μm、白色度95%)に代えて上記炭酸カルシウム−シリカ複合物を目標紙中灰分が16重量%となるように添加した以外は、実施例10と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が59g/m2になるように抄造した以外は、実施例16と同様にして新聞用紙を得た。
[実施例18]
坪量が61g/m2になるように抄造した以外は、実施例16と同様にして新聞用紙を得た。
坪量が55g/m2になるように抄造した以外は、実施例16と同様にして新聞用紙を得た。
(ア)実施例1〜3、比較例1の比較から、杉TMPを30重量%配合することにより、白色度78%以上かつ不透明度90%以上の品質を維持しながら、新聞用紙の坪量を58g/m2まで軽量化できることがわかる。
(イ)実施例1の坪量58.2g/m2にまで軽量化した新聞用紙の不透明度および裏抜けは、杉TMP無配合の坪量64g/m2の比較例5の新聞用紙と同等であり、約6g/m2の軽量化が可能である。
(ウ)比較例2〜4の結果から、杉TMP配合が30重量%未満では、不透明度を90%以上かつ裏抜けを良好に維持しながら、軽量化することは不可能であることがわかる。
(エ)実施例1の填料である軽質炭酸カルシウムを軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物に一部置き換えた実施例4、全量置き換えた実施例7でも、実施例1と同様に、杉TMPを30重量%配合することにより、白色度78%以上かつ不透明度90%以上の品質を維持しながら、新聞用紙の坪量を58g/m2まで軽量化できることがわかる。
(オ)杉TMPと広葉樹TMP(ユーカリ晒TMP)とを配合する場合には、杉TMPを20重量%以上配合し、かつ広葉樹TMPを20重量%以上配合することにより、実施例1と同様に、白色度78%以上かつ不透明度90%以上の品質を維持しながら、新聞用紙の坪量を58g/m2まで軽量化できることがわかる。
(カ)実施例1と実施例10の比較、実施例4と実施例13の比較、実施例7と実施例16の比較から、杉TMPの配合を20重量%とし、更にユーカリグロビュラスのL−TMPを20重量%配合した新聞用紙では、杉TMPを30重量%配合した新聞用紙に比較して、平滑性が向上し、インキ着肉性が良好であることがわかる。
(キ)軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物とユーカリグロビュラスL−TMPを使用した実施例13、16の新聞用紙は、実施例10よりも更に裏抜けが向上することがわかる。
Claims (6)
- 原紙の表面にクリアー塗工されているオフセット印刷用新聞用紙であって、坪量が58g/m2以上64g/m2未満であり、白色度が78%以上および不透明度が90%以上であることを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。
- 全パルプ固形分に対して、原料がスギ材(Cryptomeria japonica)であるサーモメカニカルパルプを30重量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のオフセット印刷用新聞用紙。
- 全パルプ固形分に対して、原料がスギ材(Cryptomeria japonica)であるサーモメカニカルパルプを20重量%以上、および原料が広葉樹であるサーモメカニカルパルプを20重量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のオフセット印刷用新聞用紙。
- 填料として、軽質炭酸カルシウムまたは軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオフセット印刷用新聞用紙。
- 紙中灰分が15固形分重量%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオフセット印刷用新聞用紙。
- クリアー塗工後に高温ソフトニップカレンダーにて処理されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオフセット印刷用新聞用紙。
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