JP2008086907A - 蒸発タンクおよび海水淡水化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、初期コストとランニングコストの双方が少なくて済み、個々の工場や事業所などで設置、稼動させるのが容易であると同時に、効率よく十分な量の淡水を得ることのできる蒸発タンクおよび海水淡水化装置を提供する。
【解決手段】本発明は、海水を貯留可能な中空を有し、中空に芯棒2が設置された蒸発タンク1と、蒸発タンク1の下部に設けられると共に反射角度が可変であって蒸発タンク1の外周を移動可能な光源からの光を反射させる反射板3、4と、蒸発タンク1で発生する水蒸気を送出する接続管20と、接続管20を冷却することで接続管20内部を通過する水蒸気を液化する冷却タンク6と、冷却タンク6で液化された淡水を貯留する貯水タンク7と、貯水タンク7内の空気を排気する排気装置8を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、貯留した海水を天日などの光源による熱を利用して蒸発させて塩分を除去して淡水を得る海水淡水化のための蒸発タンクおよび海水淡水化装置に関するものである。
近年の都市部における人口の増加、および環境問題に起因するダム建設の困難性により生活に必要な淡水を得ることが難しくなっている。このような淡水は飲料水といった生活用水だけでなく、工場などで用いられる工業用水としても必要であり、近年では大都市部のみでなく、水道設備の設置の困難な地域においても淡水の供給が不十分である問題がある。
このため、水不足となりやすい大都市部に加え、少雨地域や水道設備の整っていない地域においては、海水を淡水化して淡水を得ることが実用に供されている。このような海水を淡水化する方法としては、おおむね蒸発法と膜法に分類されている。
蒸発法とは、ボイラーなどの熱源により海水を蒸発させて塩分を除去した水蒸気を得て、この水蒸気を液化して淡水を得る手法である。この蒸発法においては、大型のタンクに海水を貯留しておき、タンクをボイラーなどの人工的な熱源により高温にして水蒸気を得てから液化する手法が用いられる。あるいは、海洋上に大型のプラントを設置して、太陽光により海水表面を暖めて水蒸気を起こさせて、これを海水中で冷却して淡水を得る手法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
一方、膜法においては、海水をイオン交換膜などを通過させることで淡水化して、淡水を得る手法が用いられる。
ここで、近年では中規模程度の工場や事業所、住宅地域において、断水や給水制限に対応した、個別の淡水化プラントが必要となるケースが多い。あるいは、水道の配管が困難な地域において、簡単に淡水を得るプラントが必要となることが多い。すなわち、都市規模での大掛かりな淡水化装置ではなく、工場や事業所を建設した場合に、水道水の補助的に、あるいは主体的に淡水を得ることのできるプラントが望まれている。このため、設備や稼動にコストがかからない淡水化の手法や装置が望まれている。
特開平8−134963号公報
しかしながら、従来の海水の淡水化においては次のような課題があった。
特許文献1に開示されているような、海洋上で使用される大型のプラントでは、海洋においてしか使用することができず、海洋において得られた淡水を、別途配送して生活用水として利用する必要がある。このため、設備が非常に大掛かりになり、その投資も莫大になる問題がある。特に、中規模程度の工場や事業所において淡水を供給することが必要となる場面が多く、このような工場にとっては、海洋上に大掛かりな設備を設置して淡水を得ることは現実的ではない。また、海洋上で淡水化するために、時化や台風などの時には設備の稼動が困難となってしまい、工場や生活に密着した淡水の供給は困難である問題がある。すなわち、初期コストが莫大となる上、安定供給の面でも不十分である。すなわち、工場や事業所などにおいて淡水を得るには適切な技術ではなかった。
一方、ボイラーなどを用いた淡水化プラントは、熱源に必要となる燃料費などのランニングコストが莫大となり、生活用水や工場用水を得るための費用対効果が合わなくなってしまう。このランニングコストを低減するために、海水を貯留するタンクを太陽光などの自然の熱源により暖めて水蒸気を得るとすると、蒸発効率が悪く、十分な量の淡水が得られない問題があった。
また、膜法においても、多大の電力を必要であったり、膜の交換コストなどがかかったりなどの問題があった。
本発明は、初期コストとランニングコストの双方が少なくて済み、個々の工場や事業所などで設置、稼動させるのが容易であると同時に、効率よく十分な量の淡水を得ることのできる蒸発タンクおよび海水淡水化装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、海水を貯留可能な中空を有し、中空に芯棒が設置された蒸発タンクと、蒸発タンクの下部に設けられると共に反射角度が可変であって蒸発タンクの外周を移動可能な光源からの光を反射させる反射板と、蒸発タンクで発生する蒸気を送出する接続管と、接続管を冷却することで接続管内部を通過する蒸気を液化する冷却タンクと、冷却タンクで液化された淡水を貯留する貯水タンクと、貯水タンク内の空気を排気する排気装置を備える。
本発明によれば、蒸発タンク内に熱伝導性の高い芯棒が設置されているので、蒸発タンク内の温度を効率的に上昇させると共に、高い温度を維持でき、蒸発タンク内に貯留されている海水を効率的に蒸発させることができる。
加えて、蒸発タンクの周囲に光源からの光を反射させる反射板を備えることで、蒸発タンクおよび芯棒を効率的に暖めることができて、蒸発タンク内の温度の上昇と維持が更に促進される。
また、透過性のある材質で蒸発タンクが形成されていることで、外部からの光を効率的に蒸発タンク内に集光することができ、蒸発タンクの温度上方と維持が容易になる。
このような蒸発タンクから発生した水蒸気を、管を経由して送出し、この過程で冷却することで容易に海水から淡水を得ることができる。このとき、液化された淡水のたまる貯水タンク中に存在する空気を排気することで、水蒸気の管内の移動を促進でき、淡水化の速度を上げることもできる。
海水を貯留した蒸発タンクだけに比べると、非常に効率的に水蒸気を得ることができるので、淡水化の効率がよく、淡水化に必要な時間、コストが低減される。
また、海水を蒸発タンクに貯留するだけで淡水が得られるので、海洋上に設置したりする必要もなく、中規模の工場や事業所において、個々に設置することが容易である上、設置コストも極めて小さい。海洋上に設置する場合と比較して稼動ができない場合は少なく、安定供給も可能である。むろん、装置を大型化したり、複数の装置を並列稼動させたりすれば、都市部における水不足を解消する大型の淡水化プラントとすることもでき、淡水を提供する対象を柔軟に選択できるメリットもある。
また、ボイラーなどの燃料も不要なため、ランニングコストも非常に少なくなる。
本発明は、いかなる場所においても、少ないコストで容易に設置できるメリットと、自然の太陽光を利用しつつも効率的な淡水供給を可能とできることでのランニングコストを削減できるメリットを併せ持つ海水の淡水化手法を提供。
第1の発明に係る蒸発タンクは、海水を貯留可能な中空を有するタンク本体と、中空内に設置された熱伝導性の高い芯棒を備える。
この構成により、蒸発タンク内の空気は、蒸発タンク外壁からの熱伝導だけでなく、芯棒に蓄熱された熱からの熱伝導により温められて効率よい温度上昇が行われる。結果として、大量の水蒸気が速い速度で得られる。
第2の発明に係る蒸発タンクでは、芯棒は金属製であると共に、タンク本体の断面における略中央に設置されている。
この構成により、芯棒から発せられる熱が、中空内に均一に伝わり、蒸発タンク外壁から内側に伝わる熱と、芯棒から外側に伝わる熱が、均一に中空内の空気に伝導する。結果として、温度上昇の効率が非常に良くなる。
第3の発明に係る蒸発タンクでは、タンク本体の上部は、ドーム状を有している。
この構成により、中空内での対流が活発かつ容易に生じ、温度上昇および水蒸気の送出が効率的に行われる。
第4の発明に係る蒸発タンクでは、タンク本体の外壁は半透明もしくは透明であって、タンク本体の外部から中空に対して光を通過させる。
この構成により、芯棒が効率よく温められる。
第5の発明に係る蒸発タンクでは、タンク本体の外部に、光源からの光をタンク本体に対して反射させる反射板を更に備える。
この構成により、太陽光などを用いるときに、多量の光を蒸発タンクと芯棒に照射することができる。結果として、温度上昇が効率よく行われる。
第6の発明に係る蒸発タンクでは、反射板は、タンク本体に対しての反射角度を可変とする角度調整部を備えると共にタンク本体の周囲を移動可能な台車上に搭載されている。
この構成により、太陽光を用いる場合に、太陽の位置や高さの変化にも応じて、反射光を蒸発タンクと芯棒に効率よく照射できる。
第7の発明に係る蒸発タンクでは、台車は、タンク本体の外周上に設置されたレール上を移動し、反射板は、タンク本体の下部に設置されている。
この構成により、太陽の位置変化に容易に追尾できる。
第8の発明に係る蒸発タンクでは、反射板は、芯棒に対して光源からの反射光を略垂直に照射する。
この構成により、芯棒を効率よく温めることができる。
第9の発明に係る海水淡水化装置は、請求項1から8のいずれか記載の蒸発タンクと、
蒸発タンクで発生する水蒸気を送出する接続管と、接続管を冷却することで接続管内部を通過する水蒸気を液化する冷却タンクと、冷却タンクで液化された淡水を貯留する貯水タンクと、貯水タンク内の空気を排気する排気装置を備える。
この構成により、余分なランニングコストをかけず、環境にもやさしくて、大量の淡水を海水から効率よく得ることができる。
第10の発明に係る海水淡水化装置では、冷却タンクは、接続管を冷却水に浸すことで、接続管を通過する水蒸気を冷却して液化する。
この構成により、淡水化が容易である。
第11の発明に係る海水淡水化装置は、海水を貯留可能な中空を有し、中空に芯棒が設置された蒸発タンクと、蒸発タンクの下部に設けられると共に反射角度が可変であって蒸発タンクの外周を移動可能な光源からの光を反射させる反射板と、蒸発タンクで発生する水蒸気を送出する接続管と、接続管を冷却することで接続管内部を通過する水蒸気を液化する冷却タンクと、冷却タンクで液化された淡水を貯留する貯水タンクと、貯水タンク内の空気を排気する排気装置を備える。
この構成により、余分なランニングコストをかけず、環境にもやさしくて、大量の淡水を海水から効率よく得ることができる。
以下、図面を用いて実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における海水淡水化装置の模式図である。
(全体構成)
海水淡水化装置は、次の要素を備える。
蒸発タンク1は、海水を貯留し、貯留された海水を太陽光などからの光源による熱により海水を蒸発させて水蒸気を得る。
接続管20は、蒸発タンク1に接続されている管であり、蒸発タンク1で得られた水蒸気を送出する。
冷却タンク6は、冷却水などを用いて接続管20を冷却し、接続管20を通過する水蒸気を液化して淡水を得る。
貯水タンク7は、接続管20から滴下する淡水を貯留する。
排気ブロワー8は、排気装置の一例であり、貯水タンク7内の空気を排気する。この排気により、貯水タンク7内の空気が抜けるため、貯水タンク7内の圧力が低下して、接続管20内部の圧力が、貯水タンク7内部の圧力に対して相対的に高まり、接続管20からの淡水の滴下が促進されて、淡水を得る速度が向上する。
以上の処理により、蒸発タンク1に貯留された海水から淡水を得ることができる。
次に各部の詳細について説明する。
(蒸発タンク)
海水淡水化装置には、蒸発タンク1が設けられている。
蒸発タンク1は、海水を貯留して、貯留された海水を太陽光などの光源により内部温度を上昇させて蒸発させ、水蒸気を得る。蒸発タンク1は、中空を有しており、この中空部に海水が貯留される。
蒸発タンク1の大きさ、形状は特に限られるものではなく、海水を貯留できて水蒸気を得ることができればよい。
このとき形状においては、水蒸気を得て、接続管20から得られた水蒸気を送出する必要があるので、接続管20との接続部以外は、通常は密閉されていることが好ましい。ただし、海水を投入する部分においては、海水投入時だけ開放されてもよい。
また、蒸発タンク1の上部は、半円球状のドーム形状を有していることも好ましい。このようなドーム形状を有していることで、中空内における対流が効率的になるので、蒸発タンク1内部の温度が効率よく上昇し、加えて発生した水蒸気も効率よく接続管20から送り出される。すなわち、温まった空気が上昇して上部にぶつかると、ドーム形状により、内壁にそって下降する対流が生じやすくなり、蒸発タンク1の内部温度の上昇速度が上がる。また、後述する芯棒2が発する熱による温度上昇においても、芯棒2から蒸発タンク1の内壁までの距離が、中空部におけるいずれの場所でも一定になり、中空内での温度上昇が促進される。
また、蒸発タンク1の大きさは、得たい淡水の量によって定められればよい。
蒸発タンク1の素材は強度、加工性、耐久性などに基づいて選択されればよく、樹脂や金属などで形成されればよい。
このとき、蒸発タンク1は、太陽光などの光源により暖められて、内部温度が上昇する。
従来技術における海水淡水化装置に用いられる蒸発タンクは、このように外部からの光により、蒸発タンクの外壁が温められて温度上昇することが主眼であった。
しかし、発明者は種々の検討などにより、蒸発タンク1の外壁が温められるだけでは、太陽光などの自然光を利用した温度上昇は不十分であり、効率的に水蒸気を発生させることができない(すなわち、効率的に淡水を得ることができない)との見地に至った。このため、図1に示されるように、熱伝導性の高い素材でできた芯棒2を蒸発タンク1の中空内部に備えることで、効率的に温度上昇が実現されるとの発明に至ったものである。
芯棒2は、金属などの熱伝導性の高い素材で作られた棒状の部材であり、蒸発タンク1の中空内部に備えられている。蒸発タンク1に太陽光などが照射されることで、蒸発タンク1の外壁が温められる。この結果、中空部の空気の温度が上昇する。従来技術は、この空気温度の上昇だけで水蒸気を得ていた。
しかし、本発明の蒸発タンク1においては、温度上昇した中空部の空気は、熱伝導により芯棒2を温める。すなわち、芯棒2の温度が上昇する。
芯棒2の温度が上昇すると、芯棒2からの熱伝導により蒸発タンク内部の空気の温度が上昇する。空気の温度上昇は中空内部の対流を引き起こし、更なる温度上昇を促す。この中空内の温度上昇により、中空内に貯留されている海水は蒸発し、塩分の除去された水蒸気が大量に発生する。この水蒸気は、蒸発タンク1に設けられている開口部を通じて、接続管20に抜け、接続管20を介して水蒸気が送出される。すなわち、蒸発タンク1内部の温度上昇は、蒸発タンク1の外壁に照射される太陽光によることの寄与よりも、中空内に設けられた芯棒2による寄与の方が大きい。
このように、太陽光などの光の照射による温度上昇は、蒸発タンク1の外壁による温度上昇は不十分であるとの見地に立ち、発明者は熱伝導性の高い芯棒2を蒸発タンク1内部に設けて、太陽光というコストのかからない自然光を利用して、十分な量の水蒸気を得ることに至ったものである。
なお、芯棒2は、中空内において、蒸発タンク1の断面における略中央に位置するように設置されることが、温度上昇の均一性から好ましい。無論、これに限られるものではない。また、芯棒2は棒状の部材であれば、その形状や大きさは特に限られるものではなく、実際の設備の設計において、適宜決められればよい。
また、芯棒2は、熱伝導性が高ければいかなる素材でもよく、金属製が好ましい。また金属製の場合には、防錆処理が施されていることも好適である。
このように、蒸発タンク1の中空内に設けられた芯棒2の温度上昇が、内部空気の温度上昇に寄与するので、蒸発タンク1の外壁を、透明もしくは半透明の透光性のある素材で形成することも好適である。このことにより、太陽光が直接、間接に蒸発タンク1内部に照射され、芯棒2にも太陽光の照射が行われる。このため、芯棒2は、効率的に温度上昇し、中空内の温度上昇への寄与がますます高まる。
図2、図3には蒸発タンクの詳細な図面が表されている。
図2は、本発明の実施の形態における蒸発タンクを上方から見た図である。図3は、本発明の実施の形態における蒸発タンクの側面図である。
図2、図3に示されるとおり、蒸発タンク1の断面における略中央に芯棒2が設置されている。このような設置により、芯棒2からの放熱は蒸発タンク1の中空内に均一におよび、中空内の温度上昇が均一となって、効率よく対流が起こって温度上昇が高まる。
なお、蒸発タンク1には、図3に示されるように中空内に空気を送り込む吸気口が設けられている。
(反射板)
次に、蒸発タンク1の周囲に設けられた反射板について説明する。
図4〜図7を用いて説明する。
図4、図6は、本発明の実施の形態における反射板と蒸発タンクの断面図である。図5、図7は、本発明の実施の形態における蒸発タンクの側面図である。
この反射板は、太陽光など光源からの光を反射させ、蒸発タンク1および芯棒2に対して光を照射する。
太陽光を光源として利用する場合には、太陽の位置は時間と共に移動し、蒸発タンク1に対する光の照射は、常に適切であるとは限らない。しかしながら、蒸発タンク1そのものに対する照射はもちろん、芯棒2に対する照射が長時間にわたって行われなければ、十分な水蒸気(すなわち淡水)を得ることができない。
反射板は、このような問題を解決できる。
反射板は、1枚の反射パネルにより構成されてもよく、複数の反射パネルから構成されても良い。さらに、反射板は、その反射角度を変えることのできる角度調整部を備えていることが好適である。角度調整部は、反射板の仰角に加えて、左右の角度も変えることができる。このため、太陽の高さと共に方角が変わったとしても、仰角と左右の角度調整の両方により、太陽光の反射角を変えることができる。特に芯棒2に対しては、反射光ができるだけ垂直に当たることが、温度上昇の面から好ましい(芯棒2に垂直に照射されるということは、蒸発タンク1の外壁にも垂直に当たるということである)。
なお、角度調整部は、手動で調整されてもよく、自動で調整されても良い。太陽の位置変化は、明確に把握されるものであるから、あらかじめ角度調整部に位置変化の情報を記憶させておき、この記憶に従って、角度調整が自動で行われるようにしてもよい。この場合には、角度調整部にマイコンとメモリを備えておき、自動角度調整のプログラムをメモリに記憶させておいて、マイコンにより自動調整を実現できる。
加えて、反射板は、移動可能な台車上に搭載されていることも好適である。
反射板が、蒸発タンク1の周囲の全周にわたってもうけられている場合には、太陽の位置の変化にすべて対応して、反射光を蒸発タンク1に照射することができる。しかし、反射板が全周に対して一部のみ設置されている場合には、太陽の位置変化を追尾して、台車が(角度調整部と共に)移動することも好適である。
たとえば、台車は、蒸発タンクの外周上に設けられたレール上を移動することも好適である。外周に沿ってレールが設けられており、このレールの上を台車が移動する。これにより、台車に搭載された反射板は、蒸発タンク1の周囲を周回することになり、太陽の位置変化に合わせて、常に蒸発タンク1と芯棒2に対して反射光を照射できる。
なお、反射板の備えられる位置はどこでもよいが、蒸発タンク1の下部に設置されると、設置が容易であって上部から照らされる太陽に対する調整も容易となる。加えて、蒸発タンク1の下部から温めることができるので、温度上昇の効率が良くなる。
なお、蒸発タンク1は、タンクのみで製造、流通されてもよく、芯棒2が設置された状態で製造、流通されてもよく、反射板まで設置された状態で製造、流通されてもよく、それぞれが別途製造されて、設置現場でくみ上げられても良い。
以上の蒸発タンクによって、ボイラーなどの人工の熱源であってコストのかかる熱源ではなく、太陽光などを利用して効率的に大量の水蒸気を、海水から得ることができる。
反射板は、表面が鏡面加工されていれば、太陽光を反射できる。
図1においては、反射板は蒸発タンク1の側面に設置された側面反射板4と、下部に設置された下部反射板3を有している。これに限られるものではなく、蒸発タンク1および芯棒2へ反射光を当てられる形態になっておればよい。
具体的な態様について、図4と図5を用いて説明する。
図4、図5に示される反射板は、蒸発タンク1の下部に設けられた下部反射板3を備えている。下部反射板3は、蒸発タンク1の外周全域に沿って設置され、太陽の位置の変化にかかわらず、蒸発タンク1および芯棒2に反射光を照射できる。図5に示されているように下部反射板3は、仰角を調整できるようになっている。これは回動可能な部材により支持されておればよく、仰角が調整されることで太陽の位置と高さに関わらず反射光を得ることができる。なお、太陽の位置や高さは季節により定まっており、正確に把握される。このため、角度は人力により日々調整されても良く、自動で調整されるようにあらかじめ設定されておくことも好適である。
このように、蒸発タンク1の下部において、外周全域にそって仰角の調整可能な下部反射板3が設けられることで、太陽の位置や高さの変化にすべて対応できる。
次に、図6、図7を用いて、別の態様について説明する。
図6、図7には、大型の側面反射板4が備えられている形態が示されている。側面反射板4は、大型の反射パネルからなり、図6、図7では、台車に搭載されている。側面反射板4は、大型であるので、外周全域に設けるよりも一部に設けて、外周を移動させて、太陽の位置を追尾して、反射光を蒸発タンク1と芯棒2に照射させることが好ましい。無論、図4,5に示された下部反射板3と同じく、外周全域に設けられても良い。
側面反射板4の利点は、大型であるために、太陽光の反射光を略垂直に蒸発タンク1の外壁と芯棒2の側面に照射することができることである。照射による温度上昇においては、垂直に照射することがもっとも効率的であるので、この利点は、大量の水蒸気を効率的に得ることにとって効率的である。
側面反射板4は、台車に搭載されており、この台車は蒸発タンク1の外周に沿って設けられたレール上に乗っている。台車はレール上を移動可能であり、結果として、側面反射板4は、蒸発タンク1の外周を移動可能となる。このため、太陽の位置変化を側面反射板4は追尾可能となって、時間変化に関わらず、太陽光の反射光を蒸発タンク1と芯棒2に常に照射することができる。
この台車のレール上の移動は人力で行っても良いし、設定されたプログラムにしたがって、自動で行っても良い。
なお、側面反射板4も仰角が調整可能であり、太陽の高さにも対応できることが好ましい。また、側面反射板4と下部反射板3を組み合わせて用いても、温度上昇の点から好ましい。
以上のように、芯棒2、反射板(仰角が調整可能であったり、位置が移動可能であったりする)が設置されることで、蒸発タンク1内部の温度上昇が促進され、効率的に大量の水蒸気を得ることができる。すなわち、最終的には、大量の淡水を効率的に得ることができる。
(海水淡水化装置)
次に、図1を用いて海水淡水化装置について説明する。
図1には、上述の蒸発タンク1に加えて、海水淡水化装置全体が示されている。
蒸発タンク1には、海水が貯留されている。貯留されている海水は、蒸発タンク1内部において、太陽光やこれの反射光により上昇した温度にしたがって、水蒸気へと気化する。なおこの水蒸気は、当然ながら塩分が除去されている。
蒸発タンク1内部で得られた水蒸気は、開口部から接続管20を介して送出される。このとき、排気ブロワー8の排気によって、接続管20内部の圧力は、接続管20の出口の先である貯水タンク7内部の圧力よりも高くなっているので、蒸発タンク1で発生した水蒸気は、接続管20を適当な速度で移動する。
接続管20は、冷却タンク6内部では、図1に示されるようにらせん状となっており、冷却タンク6内部の冷却水に浸る表面積を大きくしている。この接続管20のらせん状の部分は冷却水によって冷却される部分であり、この冷却に対応する熱交換器5の役割を有している。
冷却タンク6は、接続管20を冷却水に浸して冷却し、この冷却の結果、水蒸気を液化して淡水を得る。得られた淡水は接続管20の出口から貯水タンク7に滴下する。
上述の通り、排気ブロワー8による貯水タンク内の排気によって圧力が下がり、液化されて得られた淡水は、接続管20から適宜貯水タンク7にたまっていく。このようにして、十分な量の淡水を得ることができる。
なお、実施の形態においては、太陽光を利用することで説明したが、夜間や冬季においては人工光源が用いられてもよく、たとえば工場の建物の中においては、業務用の照明を兼用しても良いものである。
以上のようにして、加熱ボイラーなどの人工的な熱源(これに伴うコスト)を必要とせず、太陽光などの自然光を利用した、低コストで環境にやさしい海水淡水化装置が実現される。また、蒸発タンク1は、効率よく大量の水蒸気を発生させる上、排気装置の機能によって、水蒸気は次々と接続管20を移動して液化されるので、大量の淡水を簡単に得ることができる。
また、特許文献1のように、海洋上に大掛かりなプラントを建設する必要もないので、水道設備の整いにくい地域にある工場や事業所においても簡単に海水淡水化装置を設置できる。小型の装置にすることも容易なので、工場の建物ごとに設置することもでき、低コストで設置できる。すなわち、初期コストも小さい。また、人工熱源を不要とでき、大掛かりな装置でないために、設置による環境への負担も削減できるメリットも多い。
また、人工熱源などが不要なのでランニングコストも小さい。
海水から淡水を得ることのメリットは、十分に認知されているが、従来は効率、コストと環境面からなかなか実用化が進まなかった。本発明による海水淡水化装置は、これらのいずれの問題も解決しうるものであり、水道設備の困難な地域(国)での生活用水、工業用水を得る海水淡水化装置の実用化を大きく進めるものである。
本発明は、低コストで環境にやさしい海水から淡水を得る装置などに好適に利用できる。
本発明の実施の形態における海水淡水化装置の模式図 本発明の実施の形態における蒸発タンクを上方から見た図 本発明の実施の形態における蒸発タンクの側面図 本発明の実施の形態における反射板と蒸発タンクの断面図 本発明の実施の形態における蒸発タンクの側面図 本発明の実施の形態における反射板と蒸発タンクの断面図 本発明の実施の形態における蒸発タンクの側面図
符号の説明
1 蒸発タンク
2 芯棒
3 下部反射板
4 側面反射板
5 熱交換器
6 冷却タンク
7 貯水タンク
20 接続管

Claims (11)

  1. 海水を貯留可能な中空を有するタンク本体と、
    前記中空内に設置された熱伝導性の高い芯棒を備え、
    前記タンク本体に蓄積された液体の気化を促す蒸発タンク。
  2. 前記芯棒は金属製であると共に、前記タンク本体の断面における略中央に設置されている請求項1記載の蒸発タンク。
  3. 前記タンク本体の上部は、ドーム状を有している請求項1から2のいずれか記載の蒸発タンク。
  4. 前記タンク本体の外壁は半透明もしくは透明であって、前記タンク本体の外部から前記中空に対して光を通過させる請求項1から3のいずれか記載の蒸発タンク。
  5. 前記タンク本体の外部に、光源からの光を前記タンク本体に対して反射させる反射板を更に備える請求項1から4のいずれか記載の蒸発タンク。
  6. 前記反射板は、前記タンク本体に対しての反射角度を可変とする角度調整部を備えると共に前記タンク本体の周囲を移動可能な台車上に搭載されている請求項5に記載の蒸発タンク。
  7. 前記台車は、前記タンク本体の外周上に設置されたレール上を移動し、前記反射板は、前記タンク本体の下部に設置されている請求項6記載の蒸発タンク。
  8. 前記反射板は、前記芯棒に対して光源からの反射光を略垂直に照射する請求項5から7のいずれか記載の蒸発タンク。
  9. 請求項1から8のいずれか記載の蒸発タンクと、
    前記蒸発タンクで発生する水蒸気を送出する接続管と、
    前記接続管を冷却することで前記接続管内部を通過する前記水蒸気を液化する冷却タンクと、
    前記冷却タンクで液化された淡水を貯留する貯水タンクと、
    前記貯水タンク内の空気を排気する排気装置を備える海水淡水化装置。
  10. 前記冷却タンクは、前記接続管を冷却水に浸すことで、前記接続管を通過する前記水蒸気を冷却して液化する請求項9記載の海水淡水化装置。
  11. 海水を貯留可能な中空を有し、前記中空に芯棒が設置された蒸発タンクと、
    前記蒸発タンクの下部に設けられると共に反射角度が可変であって前記蒸発タンクの外周を移動可能な光源からの光を反射させる反射板と、
    前記蒸発タンクで発生する水蒸気を送出する接続管と、
    前記接続管を冷却することで前記接続管内部を通過する前記水蒸気を液化する冷却タンクと、
    前記冷却タンクで液化された淡水を貯留する貯水タンクと、
    前記貯水タンク内の空気を排気する排気装置を備える海水淡水化装置。
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