JP2008085669A - キャリアセンス回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な回路構成で高精度の検出を可能にする方式によって、変調、無変調いずれの受信信号に対してもキャリアセンスができるようにする。
【解決手段】 キャリア周波fRF:952.2〜953.8MHz中に複数のチャンネルを持つRF信号を受信し、キャリア検出対象として選択したチャンネルに対応するローカル信号(fLO=fRF−50KHz)とミキサ20によってミキシングする。ミキサ出力は、変調時及び無変調時いずれの場合にも、検出対象となるキャリアが存在すれば、50KHzのずれ周波成分が生じる。この成分をBPF40aで濾波し、信号の有無をチャンネルの使用可/不可として判定回路70から出力する。
【選択図】 図4
【解決手段】 キャリア周波fRF:952.2〜953.8MHz中に複数のチャンネルを持つRF信号を受信し、キャリア検出対象として選択したチャンネルに対応するローカル信号(fLO=fRF−50KHz)とミキサ20によってミキシングする。ミキサ出力は、変調時及び無変調時いずれの場合にも、検出対象となるキャリアが存在すれば、50KHzのずれ周波成分が生じる。この成分をBPF40aで濾波し、信号の有無をチャンネルの使用可/不可として判定回路70から出力する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、例えば、UHF帯ICタグシステムに用いられる直接変換方式による通信において、使用しているキャリアをチェックするためのキャリアセンス回路に関する。
近年、UHF帯ICタグシステムが実用化の段階に入り、様々な分野、用途に利用されようとしている。
UHF帯ICタグシステムでは、ICタグとの通信に直接変換方式を採用することが、主流になっている。直接変換方式は、受信信号に対し周波数変換操作を1回行うだけでベースバンドの信号帯域に変換する方式である。また、この方式の通信システムでは、共通のチャンネルを複数の端末で時間分割して使用することを可能にしている。
よって、このシステムでは、情報の読出しや書込みを行う機能を持つ機器側からICタグにアクセスする際に、他の機器が使用しているチャンネルで発信すると、相互に干渉を起こし、交信を妨害することになるので、ICタグとの通信を開始する前に、既に使用されているチャンネルをチェックし、使用されていれば、チャンネルが空くまで待つか、他のチャンネルが空いていれば、そこを用いるようにする必要がある。
UHF帯ICタグシステムでは、ICタグとの通信に直接変換方式を採用することが、主流になっている。直接変換方式は、受信信号に対し周波数変換操作を1回行うだけでベースバンドの信号帯域に変換する方式である。また、この方式の通信システムでは、共通のチャンネルを複数の端末で時間分割して使用することを可能にしている。
よって、このシステムでは、情報の読出しや書込みを行う機能を持つ機器側からICタグにアクセスする際に、他の機器が使用しているチャンネルで発信すると、相互に干渉を起こし、交信を妨害することになるので、ICタグとの通信を開始する前に、既に使用されているチャンネルをチェックし、使用されていれば、チャンネルが空くまで待つか、他のチャンネルが空いていれば、そこを用いるようにする必要がある。
チャンネル使用有無のチェックは、従来からキャリアセンスとして知られる方法によって行われている。この方法は、実際に、アンテナで受信した対象チャンネルのRF信号を検波して、変調信号があるか、ないかを検知する方法である。ただ、従来から行われているキャリアセンスは、検波信号のレベルをみているので、無変調時には、検波信号は、無信号状態になるので、キャリアセンスができず、チャンネル使用有無の判断を誤る。また、検波信号レベルの検出精度があまり高くなく、検出が不安定になって、十分な検出結果が得られない場合がある、という問題があった。
ところで、無変調時にキャリアセンスができないという問題に対し、下記特許文献1に示す解決方法が提案されている。
特許文献1記載のキャリアセンス方式は、受信信号の復調に用いるローカル(局部発信)信号を変調する変調波源を設け、キャリアセンス時に、変調波源により変調されたローカル信号により受信信号を復調し、復調出力を検波してキャリアセンスを行う方式である。この方式によると、無変調の受信信号であっても、検波後に変調波源の信号が出るので、変調、無変調いずれの信号でもキャリアセンスができる、としている。
特開平2−100521号公報
ところで、無変調時にキャリアセンスができないという問題に対し、下記特許文献1に示す解決方法が提案されている。
特許文献1記載のキャリアセンス方式は、受信信号の復調に用いるローカル(局部発信)信号を変調する変調波源を設け、キャリアセンス時に、変調波源により変調されたローカル信号により受信信号を復調し、復調出力を検波してキャリアセンスを行う方式である。この方式によると、無変調の受信信号であっても、検波後に変調波源の信号が出るので、変調、無変調いずれの信号でもキャリアセンスができる、としている。
しかしながら、特許文献1記載のキャリアセンス方式では、ローカル信号を変調する変調波を発生する変調波源を新たに設ける必要があり、回路構成を複雑化させる。
また、特許文献1記載のキャリアセンス方式では、受信入力が変調信号である場合に、変調波源で変調されたローカル信号を用いると、検出精度が出難くなる、という問題が生じる可能性がある。
本発明は、従来のキャリアセンス方式における上記した問題に鑑み、これを解決するためになされたもので、その目的は、簡単な回路構成で高精度の検出を可能にする方式によって、変調、無変調いずれの受信信号に対してもキャリアセンスができるようにすることにある。
また、特許文献1記載のキャリアセンス方式では、受信入力が変調信号である場合に、変調波源で変調されたローカル信号を用いると、検出精度が出難くなる、という問題が生じる可能性がある。
本発明は、従来のキャリアセンス方式における上記した問題に鑑み、これを解決するためになされたもので、その目的は、簡単な回路構成で高精度の検出を可能にする方式によって、変調、無変調いずれの受信信号に対してもキャリアセンスができるようにすることにある。
請求項1の発明は、ベースバンド信号帯域ヘの直接変換を可能とする通信方式におけるキャリアを検出するキャリアセンス回路であって、受信RF信号と異なる周波のローカル信号を発生する回路と、受信RF信号と前記ローカル信号をミキシングするミキサと、前記ミキサからの出力信号を受け、受信RF信号と前記ローカル信号の差の周波を通すバンドパスフィルタと、を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、所定の複数周波のなかから選択したキャリアによって通信を可能とする方式における請求項1に記載されたキャリアセンス回路において、前記ローカル信号を発生する回路が、単一の周波信号を発生するものであり、前記バンドパスフィルタが、選択対象となる前記複数周波分のフィルタを有し、各周波のキャリア検出を可能とするものであることを特徴とする。
請求項3の発明は、所定の複数周波のなかから選択したキャリアによって通信を可能とする方式における請求項1に記載されたキャリアセンス回路において、前記ローカル信号を発生する回路が、前記複数周波それぞれに対し一定の僅かな周波差を持つ該複数周波分のローカル信号を発生し得るものであり、前記バンドパスフィルタが、前記一定の僅かな周波差を通過バンドの周波とするものであることを特徴とする。
請求項4の発明は、ベースバンドへの直接変換を可能とする通信方式におけるキャリアを検出するキャリアセンス回路であって、キャリア周波のローカル信号を発生する回路と、受信RF信号、前記ローカル信号のいずれかにπ/2の位相変化を与える移相器と、受信RF信号と前記ローカル信号をミキシングする第1のミキサと、前記移相器により位相変化が与えられた受信RF信号と前記ローカル信号をミキシングする第2のミキサと、前記第1のミキサの出力信号を受け、該出力信号のDC成分を通す第1のローパスフィルタと、前記第2のミキサの出力信号を受け、該出力信号のDC成分を通す第2のローパスフィルタと、を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、予め定められた複数周波のなかから選択したキャリアによる通信を可能とする方式における請求項4に記載されたキャリアセンス回路において、前記ローカル信号を発生する回路が、前記複数周波分のローカル信号を発生し得るものであることを特徴とする。
請求項2の発明は、所定の複数周波のなかから選択したキャリアによって通信を可能とする方式における請求項1に記載されたキャリアセンス回路において、前記ローカル信号を発生する回路が、単一の周波信号を発生するものであり、前記バンドパスフィルタが、選択対象となる前記複数周波分のフィルタを有し、各周波のキャリア検出を可能とするものであることを特徴とする。
請求項3の発明は、所定の複数周波のなかから選択したキャリアによって通信を可能とする方式における請求項1に記載されたキャリアセンス回路において、前記ローカル信号を発生する回路が、前記複数周波それぞれに対し一定の僅かな周波差を持つ該複数周波分のローカル信号を発生し得るものであり、前記バンドパスフィルタが、前記一定の僅かな周波差を通過バンドの周波とするものであることを特徴とする。
請求項4の発明は、ベースバンドへの直接変換を可能とする通信方式におけるキャリアを検出するキャリアセンス回路であって、キャリア周波のローカル信号を発生する回路と、受信RF信号、前記ローカル信号のいずれかにπ/2の位相変化を与える移相器と、受信RF信号と前記ローカル信号をミキシングする第1のミキサと、前記移相器により位相変化が与えられた受信RF信号と前記ローカル信号をミキシングする第2のミキサと、前記第1のミキサの出力信号を受け、該出力信号のDC成分を通す第1のローパスフィルタと、前記第2のミキサの出力信号を受け、該出力信号のDC成分を通す第2のローパスフィルタと、を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、予め定められた複数周波のなかから選択したキャリアによる通信を可能とする方式における請求項4に記載されたキャリアセンス回路において、前記ローカル信号を発生する回路が、前記複数周波分のローカル信号を発生し得るものであることを特徴とする。
本発明によると、変調、無変調いずれの受信信号に対しても、簡単な回路構成で高精度の検出を可能にする方式によって、キャリアセンスを行うことが可能になる(請求項1,4)。
また、それぞれのキャリア周波が異なる複数チャンネルを持つシステムに上記方式によるキャリアセンスを適用することが可能になる(請求項2,3,5)。
また、それぞれのキャリア周波が異なる複数チャンネルを持つシステムに上記方式によるキャリアセンスを適用することが可能になる(請求項2,3,5)。
以下に、本発明の実施形態に係わるキャリアセンス回路を説明する。
本実施形態のキャリアセンス回路は、UHF帯ICタグシステムに用いられる直接変換方式による通信に適用し得るもので、ここでは、952.2MHz〜953.8MHzのUHF帯を使用するキャリアをチェックするための回路を例示する。
まず、本発明に係わるキャリアセンスの原理を説明する。
本発明に係わるキャリアセンスは、受信RF信号からキャリアを検出する際に、キャリアに変調信号が乗っていない無変調時の受信信号に対しても、検出を可能にし、しかも、この検出をより簡単な構成によって、高精度の検出を可能にする方式によって実現することによって、従来方式(上記特許文献1、参照)の改善を図るものである。
上記のキャリアセンスを可能とするために、本発明では、まず、受信RF信号にキャリアの周波(fRF)もしくはキャリアと僅かな所定の周波差を持つローカル(LO)信号(LO信号の周波:fLO)をミキサによりミキシングする。その後、ミキサ出力を周波軸で解析し、解析結果として得られる周波軸における出力状態から、変調時及び無変調時いずれの場合でも、キャリアを検出できるようにする。
本実施形態のキャリアセンス回路は、UHF帯ICタグシステムに用いられる直接変換方式による通信に適用し得るもので、ここでは、952.2MHz〜953.8MHzのUHF帯を使用するキャリアをチェックするための回路を例示する。
まず、本発明に係わるキャリアセンスの原理を説明する。
本発明に係わるキャリアセンスは、受信RF信号からキャリアを検出する際に、キャリアに変調信号が乗っていない無変調時の受信信号に対しても、検出を可能にし、しかも、この検出をより簡単な構成によって、高精度の検出を可能にする方式によって実現することによって、従来方式(上記特許文献1、参照)の改善を図るものである。
上記のキャリアセンスを可能とするために、本発明では、まず、受信RF信号にキャリアの周波(fRF)もしくはキャリアと僅かな所定の周波差を持つローカル(LO)信号(LO信号の周波:fLO)をミキサによりミキシングする。その後、ミキサ出力を周波軸で解析し、解析結果として得られる周波軸における出力状態から、変調時及び無変調時いずれの場合でも、キャリアを検出できるようにする。
上記の検出プロセスを基本として、本願では、下記方式1〜3の3つのキャリアセンス方式を示す。なお、3方式は、受信RF信号にミキシングするLO信号及びミキサ出力の解析方法がそれぞれ異なるものであって、複数チャンネル(即ち、チャンネルごとに異なる周波のキャリアを使用する)から使用チャンネルをキャリアセンスの結果に従い選択する通信方法に適用し得るものである。
方式1: LO信号を全キャリアと僅かな周波差を持つ固定周波の信号とし、ミキサ出力の解析に、各キャリアが受信された場合に、それぞれ発生する周波を通すバンドパスフィルタの出力を用いる。
方式2: LO信号を検出対象の各キャリアと僅かな一定周波差を持つ信号とし、ミキサ出力の解析に、そのキャリアが受信された場合に、発生する一定周波を通すバンドパスフィルタの出力を用いる。
方式3: LO信号を検出対象の各キャリアと同一周波を持つ信号とし、ミキサ出力の解析に、そのキャリアが受信された場合に、発生するDC成分のみを通すバンドパスフィルタの出力で解析する。
方式1: LO信号を全キャリアと僅かな周波差を持つ固定周波の信号とし、ミキサ出力の解析に、各キャリアが受信された場合に、それぞれ発生する周波を通すバンドパスフィルタの出力を用いる。
方式2: LO信号を検出対象の各キャリアと僅かな一定周波差を持つ信号とし、ミキサ出力の解析に、そのキャリアが受信された場合に、発生する一定周波を通すバンドパスフィルタの出力を用いる。
方式3: LO信号を検出対象の各キャリアと同一周波を持つ信号とし、ミキサ出力の解析に、そのキャリアが受信された場合に、発生するDC成分のみを通すバンドパスフィルタの出力で解析する。
図1は、本願のキャリアの検出原理を説明するための線図で、ミキサの入力及び出力信号の状態を示すものである。図1中の各グラフにおける横軸は周波軸で、縦軸は信号レベルをとっている。
図1の(A−I)には、ミキサに入力されるLO信号とRF受信キャリア信号の周波fLOとfRFが同じ(fLO=fRF)であり、無変調、即ちキャリアのみの場合におけるミキサ出力が、図中矢印(⇒)の先に示されている。ここに示すように、ミキサ出力には、DC(直流)成分と高調波として2倍波(2fRF)成分が生じ、fRF成分がなくなっている。
図1の(A−I)の無変調状態から、変調入力があった時の状態が、同図の(A−II)に示されている。変調によりミキサに入力されるRF受信信号には、キャリアに変調波の周波(fRF±δf)が生じているので、ミキサ出力には、DC(直流)成分と高調波として2倍波(2fRF)成分のほか、δf成分と2fRF±δf成分が生じ、fRF成分がなくなっている。
図1の(A−I)及び(A−II)のミキサ出力に示すように、変調時及び無変調時いずれの場合にも、キャリアの存在によりDC成分が生じているので、この成分を検出条件とすることによって、上記方式3のキャリアセンスが成り立つ。つまり、DC成分のみを通すバンドパスフィルタに出力が生じることにより、キャリアを検出でき、このチャンネルが使用されている、と判断することができる。
図1の(A−I)には、ミキサに入力されるLO信号とRF受信キャリア信号の周波fLOとfRFが同じ(fLO=fRF)であり、無変調、即ちキャリアのみの場合におけるミキサ出力が、図中矢印(⇒)の先に示されている。ここに示すように、ミキサ出力には、DC(直流)成分と高調波として2倍波(2fRF)成分が生じ、fRF成分がなくなっている。
図1の(A−I)の無変調状態から、変調入力があった時の状態が、同図の(A−II)に示されている。変調によりミキサに入力されるRF受信信号には、キャリアに変調波の周波(fRF±δf)が生じているので、ミキサ出力には、DC(直流)成分と高調波として2倍波(2fRF)成分のほか、δf成分と2fRF±δf成分が生じ、fRF成分がなくなっている。
図1の(A−I)及び(A−II)のミキサ出力に示すように、変調時及び無変調時いずれの場合にも、キャリアの存在によりDC成分が生じているので、この成分を検出条件とすることによって、上記方式3のキャリアセンスが成り立つ。つまり、DC成分のみを通すバンドパスフィルタに出力が生じることにより、キャリアを検出でき、このチャンネルが使用されている、と判断することができる。
また、図1の(B)には、ミキサに入力されるLO信号とRF受信キャリア信号の周波fLOとfRFが僅かに異なり(fLO≠fRFで、ここでは、δfずれているとする)、無変調、即ちキャリアのみの場合におけるミキサ出力が、図中矢印(⇒)の先に示されている。ここに示すように、ミキサ出力には、ずれ周波のδf成分と高調波として合成波(fLO+fRF=2fRF−δf)成分が生じ、fRF成分がなくなっている。なお、この場合、(fLO=fRF)とした、図1の(A−I)のミキサ出力に発生するDC成分と高調波として2倍波(2fRF)成分は、発生しない。
図1の(B)の無変調状態から、変調入力があった時は、図示していないが、ミキサ出力には、図1(B)と同様に、ずれ周波のδf成分と高調波として合成波(fLO+fRF=2fRF−δf)成分が生じる。なお、これらの成分のほかに、変調波の周波による成分が生じるが、キャリアセンスには用いない。
図1の(B)のミキサ出力に示すように、変調時及び無変調時いずれの場合にも、キャリアの存在によりずれ周波のδf成分が生じているので、この成分を検出条件とすることによって、上記方式1及び方式2のキャリアセンスが成り立つ。つまり、ずれ周波のδf成分のみを通すバンドパスフィルタに出力が生じることにより、キャリアを検出でき、このチャンネルが使用されている、と判断することができる。
なお、上記方式1では、LO信号を固定周波の信号としているので、キャリア周波とのずれ周波がチャンネルごとに変わるので、チャンネル分のバンドパスフィルタが必要になる。また、上記方式2では、LO信号をキャリア周波に対し一定の周波ずらしているので、一定のずれ周波成分を通す単一のバンドパスフィルタでよい。
図1の(B)の無変調状態から、変調入力があった時は、図示していないが、ミキサ出力には、図1(B)と同様に、ずれ周波のδf成分と高調波として合成波(fLO+fRF=2fRF−δf)成分が生じる。なお、これらの成分のほかに、変調波の周波による成分が生じるが、キャリアセンスには用いない。
図1の(B)のミキサ出力に示すように、変調時及び無変調時いずれの場合にも、キャリアの存在によりずれ周波のδf成分が生じているので、この成分を検出条件とすることによって、上記方式1及び方式2のキャリアセンスが成り立つ。つまり、ずれ周波のδf成分のみを通すバンドパスフィルタに出力が生じることにより、キャリアを検出でき、このチャンネルが使用されている、と判断することができる。
なお、上記方式1では、LO信号を固定周波の信号としているので、キャリア周波とのずれ周波がチャンネルごとに変わるので、チャンネル分のバンドパスフィルタが必要になる。また、上記方式2では、LO信号をキャリア周波に対し一定の周波ずらしているので、一定のずれ周波成分を通す単一のバンドパスフィルタでよい。
上記方式1〜3のキャリアセンス方式によるキャリアセンス回路の実施形態を以下に説明する。
「方式1のキャリアセンス回路」
図2は、本実施形態に係わるキャリアセンス回路の構成を示す。
図2に示すキャリアセンス回路は、図示しないUHF帯ICタグから952.2〜953.8MHzのキャリア周波で送信されてくるRF信号をタグリーダ側で受信し、上記方式1に従ってキャリア検出を行う回路を示したものである。なお、本例では、チャンネル間は、0.2MHzの間隔で分け、9チャンネルを有している。
上記方式1に従って構成する本実施形態のキャリアセンス回路では、図2に示すように、アンテナ10を介して受信するRF信号(周波fRF=952.2〜953.8MHz)は、図示しない局部発信回路からのローカル信号(周波fLO=952MHz)とミキサ20によってミキシングされる。このローカル信号の周波(fLO=952MHz)は固定で、RF信号の周波(fRF=952.2〜953.8MHz)と異なる。周波fRF=952.2のチャンネルに対しては、0.2MHzの周波差、周波fRF=952.4のチャンネルに対しては、0.4MHzの周波差、というように、チャンネル間にある0.2MHzの間隔に応じて、ローカル信号の周波とRFキャリア信号の周波とは異なる。
「方式1のキャリアセンス回路」
図2は、本実施形態に係わるキャリアセンス回路の構成を示す。
図2に示すキャリアセンス回路は、図示しないUHF帯ICタグから952.2〜953.8MHzのキャリア周波で送信されてくるRF信号をタグリーダ側で受信し、上記方式1に従ってキャリア検出を行う回路を示したものである。なお、本例では、チャンネル間は、0.2MHzの間隔で分け、9チャンネルを有している。
上記方式1に従って構成する本実施形態のキャリアセンス回路では、図2に示すように、アンテナ10を介して受信するRF信号(周波fRF=952.2〜953.8MHz)は、図示しない局部発信回路からのローカル信号(周波fLO=952MHz)とミキサ20によってミキシングされる。このローカル信号の周波(fLO=952MHz)は固定で、RF信号の周波(fRF=952.2〜953.8MHz)と異なる。周波fRF=952.2のチャンネルに対しては、0.2MHzの周波差、周波fRF=952.4のチャンネルに対しては、0.4MHzの周波差、というように、チャンネル間にある0.2MHzの間隔に応じて、ローカル信号の周波とRFキャリア信号の周波とは異なる。
このように、LO信号とRF受信キャリア信号の周波fLOとfRFが僅かに異なっているので、ミキサ20の出力は、変調時及び無変調時いずれの場合にも、キャリアが存在すれば、ずれ周波のδf成分が生じる。
この実施形態におけるミキサ20の入力及び出力信号は、図3の(A)、(B)に示すような状態になる。即ち、ミキサ20に入力されるLO信号とRF受信キャリア信号の周波fLOとfRFが僅かに異なる(fLO≠fRF)場合におけるミキサ出力は、ずれ周波(fRF−fLO)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じ、fRF成分はなくなる。このミキサ出力において、低周波に生じるずれ周波(fRF−fLO)の成分は、RF受信キャリア信号があるときは、変調時及び無変調時いずれの場合にも、生じる信号であるから、ミキサ出力における(fRF−fLO)の成分の有無によって、この周波のキャリアの有無を検出できる。
キャリアの有無を検出するためのミキサ出力に対する処理は、図2の回路においては、コンデンサ30とバンドパスフィルタ(BPF)40、ログアンプ60及び判定回路70よりなる回路によって行う。
コンデンサ30は、結合コンデンサとして働かせるもので、ミキサ出力に生じ得るDC成分をカットし、AC成分のみを通過させることにより、キャリアの検出に有用な成分のみを後段の回路に送る。
この実施形態におけるミキサ20の入力及び出力信号は、図3の(A)、(B)に示すような状態になる。即ち、ミキサ20に入力されるLO信号とRF受信キャリア信号の周波fLOとfRFが僅かに異なる(fLO≠fRF)場合におけるミキサ出力は、ずれ周波(fRF−fLO)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じ、fRF成分はなくなる。このミキサ出力において、低周波に生じるずれ周波(fRF−fLO)の成分は、RF受信キャリア信号があるときは、変調時及び無変調時いずれの場合にも、生じる信号であるから、ミキサ出力における(fRF−fLO)の成分の有無によって、この周波のキャリアの有無を検出できる。
キャリアの有無を検出するためのミキサ出力に対する処理は、図2の回路においては、コンデンサ30とバンドパスフィルタ(BPF)40、ログアンプ60及び判定回路70よりなる回路によって行う。
コンデンサ30は、結合コンデンサとして働かせるもので、ミキサ出力に生じ得るDC成分をカットし、AC成分のみを通過させることにより、キャリアの検出に有用な成分のみを後段の回路に送る。
BPF40は、さらに、キャリアの検出に必要な成分のみを濾波するためのフィルタである。BPF40によってこの段階で行う濾波は、図3の(C)に示す結果を得るための処理である。即ち、前段のミキサ20でミキシングされた後、同図(B)に示す、ずれ周波(fRF−fLO)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じる出力状態になるが、この状態から、高調波を除き、キャリアセンスに必要なずれ周波(fRF−fLO)の成分だけを通すようにし、図3(C)に示す結果を得る。
この実施形態においては、ローカル信号の周波fLO=952MHzであるから、周波fRF=952.2のチャンネルに対しては、0.2MHzの周波差、周波fRF=952.4のチャンネルに対しては、0.4MHzの周波差、というように、チャンネル間にある0.2MHzの間隔に応じて、ずれ周波(fRF−fLO)の成分が変化する。したがって、このずれ周波の成分をそれぞれ通過させるBPF40を並列にチャンネル数分設ける。
使用中のチャンネルは、その周波のBPF40を通過して信号出力が生じるので、ログアンプ60を通した後、判定回路70で所定の判定基準(信号レベル)による閾値処理を行うことにより、信号の有無を判定する。
この信号の有無の判定は、9チャンネルについて、それぞれ判定され、信号が有れば、そのチャンネルは、使用中であるから、使用できず、また、信号が無ければ、そのチャンネルは、使用されていないので、使用を許可する。
本願のキャリアセンス回路は、上記の構成によって、変調時及び無変調時いずれの場合でも、複数あるチャンネルごとに使用可能であるか、否かを判定できるので、この判定結果に従い、チャンネル選択を適正に行うことができる。
この実施形態においては、ローカル信号の周波fLO=952MHzであるから、周波fRF=952.2のチャンネルに対しては、0.2MHzの周波差、周波fRF=952.4のチャンネルに対しては、0.4MHzの周波差、というように、チャンネル間にある0.2MHzの間隔に応じて、ずれ周波(fRF−fLO)の成分が変化する。したがって、このずれ周波の成分をそれぞれ通過させるBPF40を並列にチャンネル数分設ける。
使用中のチャンネルは、その周波のBPF40を通過して信号出力が生じるので、ログアンプ60を通した後、判定回路70で所定の判定基準(信号レベル)による閾値処理を行うことにより、信号の有無を判定する。
この信号の有無の判定は、9チャンネルについて、それぞれ判定され、信号が有れば、そのチャンネルは、使用中であるから、使用できず、また、信号が無ければ、そのチャンネルは、使用されていないので、使用を許可する。
本願のキャリアセンス回路は、上記の構成によって、変調時及び無変調時いずれの場合でも、複数あるチャンネルごとに使用可能であるか、否かを判定できるので、この判定結果に従い、チャンネル選択を適正に行うことができる。
「方式2のキャリアセンス回路」
図4は、本実施形態に係わるキャリアセンス回路の構成を示す。
図4に示すキャリアセンス回路は、図示しないUHF帯ICタグから952.2〜953.8MHzのキャリア周波で送信されてくるRF信号をタグリーダ側で受信し、上記方式2に従ってキャリア検出を行う回路を示したものである。本例では、使用する952.2〜953.8MHzの帯域に複数のチャンネルを設定する。
上記方式2に従って構成する本実施形態のキャリアセンス回路では、図4に示すように、アンテナ10を介して受信するRF信号(周波fRF=952.2〜953.8MHz)は図示しない局部発信回路からのローカル信号(周波fLO)とミキサ20によってミキシングされる。このローカル信号の周波fLOは、設定された複数チャンネル中の検出対象となるチャンネルのキャリア周波fRFから所定値だけ僅かにずらした周波とすることにより、信号間の周波を異ならせる。例えば、50KHzだけずらし、検出対象となる1チャンネルのキャリア周波をfRF=952.2MHzとすると、ローカル信号の周波fLO=952.2MHz−50KHzなる。また、他のチャンネルでも同様に、検出対象となるチャンネルのキャリア周波fRFに対し、ローカル信号の周波fLO=fRF−50KHz、というように、各チャンネルの周波に応じて、所定値ずらしたローカル信号の周波fLOを用いる。
図4は、本実施形態に係わるキャリアセンス回路の構成を示す。
図4に示すキャリアセンス回路は、図示しないUHF帯ICタグから952.2〜953.8MHzのキャリア周波で送信されてくるRF信号をタグリーダ側で受信し、上記方式2に従ってキャリア検出を行う回路を示したものである。本例では、使用する952.2〜953.8MHzの帯域に複数のチャンネルを設定する。
上記方式2に従って構成する本実施形態のキャリアセンス回路では、図4に示すように、アンテナ10を介して受信するRF信号(周波fRF=952.2〜953.8MHz)は図示しない局部発信回路からのローカル信号(周波fLO)とミキサ20によってミキシングされる。このローカル信号の周波fLOは、設定された複数チャンネル中の検出対象となるチャンネルのキャリア周波fRFから所定値だけ僅かにずらした周波とすることにより、信号間の周波を異ならせる。例えば、50KHzだけずらし、検出対象となる1チャンネルのキャリア周波をfRF=952.2MHzとすると、ローカル信号の周波fLO=952.2MHz−50KHzなる。また、他のチャンネルでも同様に、検出対象となるチャンネルのキャリア周波fRFに対し、ローカル信号の周波fLO=fRF−50KHz、というように、各チャンネルの周波に応じて、所定値ずらしたローカル信号の周波fLOを用いる。
このように、検出対象となるチャンネルに用いるLO信号、RF受信キャリア信号の周波fLO、fRFを異ならせるので、ミキサ20の出力は、変調時及び無変調時いずれの場合にも、検出対象となるキャリアが存在すれば、所定のずれ周波成分が生じる。上記の例では、50KHzの成分が生じる。
この実施形態におけるミキサ20の入力及び出力信号は、図5、図6それぞれの(A)、(B)に示すような状態になる。
即ち、受信RFと検出対象のチャンネルのキャリアの周波が一致する場合を示す図5において、ミキサ20に入力されるLO信号とRF受信キャリア信号の周波fLOとfRFの違いは、LO信号に与えたずれだけ異なる。図5(A)に示す例では、CH1(チャンネル1)の受信RF信号のキャリア周波fRF=952.2MHzに対し、LO信号は、CH1を検出対象とするfLO=CH1−50KHzでミキシングしている。この場合におけるミキサ出力は、図5(B)に示すように、ずれ周波(fRF−fLO)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じ、fRF成分はなくなる。このミキサ出力において、低周波に生じるずれ周波(fRF−fLO)の成分は、RF受信キャリア信号があるときは、変調時及び無変調時いずれの場合にも、生じる信号であるから、ミキサ出力における(fRF−fLO)の成分の有無によって、この周波のキャリアの有無を検出できる。図5(B)に示す例では、ミキサ出力におけるfRF−fLO=50KHzに信号レベルが生じる。
この実施形態におけるミキサ20の入力及び出力信号は、図5、図6それぞれの(A)、(B)に示すような状態になる。
即ち、受信RFと検出対象のチャンネルのキャリアの周波が一致する場合を示す図5において、ミキサ20に入力されるLO信号とRF受信キャリア信号の周波fLOとfRFの違いは、LO信号に与えたずれだけ異なる。図5(A)に示す例では、CH1(チャンネル1)の受信RF信号のキャリア周波fRF=952.2MHzに対し、LO信号は、CH1を検出対象とするfLO=CH1−50KHzでミキシングしている。この場合におけるミキサ出力は、図5(B)に示すように、ずれ周波(fRF−fLO)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じ、fRF成分はなくなる。このミキサ出力において、低周波に生じるずれ周波(fRF−fLO)の成分は、RF受信キャリア信号があるときは、変調時及び無変調時いずれの場合にも、生じる信号であるから、ミキサ出力における(fRF−fLO)の成分の有無によって、この周波のキャリアの有無を検出できる。図5(B)に示す例では、ミキサ出力におけるfRF−fLO=50KHzに信号レベルが生じる。
キャリアの有無を検出するためのミキサ出力に対する処理は、図4の回路においては、バンドパスフィルタ(BPF)40a、ログアンプ60及び判定回路70よりなる回路によって行う。
BPF40aは、さらに、キャリアの検出に必要な成分のみを濾波するためのフィルタである。BPF40aによってこの段階で行う濾波は、図5の(C)に示す結果を得るための処理である。即ち、前段のミキサ20でミキシングされた後、同図(B)に示す、ずれ周波(fRF−fLO)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じる出力状態になるが、この状態から、高調波を除き、検出対象のキャリアセンスに必要なずれ周波(fRF−fLO)の成分だけを通すようにし、図3の(C)に示す結果を得る。
この実施形態においては、ローカル信号の周波fLO=CH1−50KHzであるから、検出対象の周波fRF=CH1のチャンネルに対しては、50KHzの周波差であり検出対象のキャリアセンスに必要なずれ周波と一致するので、この信号を通過させる。
BPF40aは、さらに、キャリアの検出に必要な成分のみを濾波するためのフィルタである。BPF40aによってこの段階で行う濾波は、図5の(C)に示す結果を得るための処理である。即ち、前段のミキサ20でミキシングされた後、同図(B)に示す、ずれ周波(fRF−fLO)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じる出力状態になるが、この状態から、高調波を除き、検出対象のキャリアセンスに必要なずれ周波(fRF−fLO)の成分だけを通すようにし、図3の(C)に示す結果を得る。
この実施形態においては、ローカル信号の周波fLO=CH1−50KHzであるから、検出対象の周波fRF=CH1のチャンネルに対しては、50KHzの周波差であり検出対象のキャリアセンスに必要なずれ周波と一致するので、この信号を通過させる。
また、受信RFと検出対象のチャンネルのキャリアの周波が一致しない場合を示す図6の例では、CH2の受信RF信号のキャリア周波fRF=952.4MHzに対し、LO信号は、CH1を検出対象とするfLO=CH1−50KHzでミキシングしている。この場合におけるミキサ出力は、図6(B)に示すように、低域側において、fRF−fLO=250KHzに信号レベルが生じる。
この場合、キャリアの有無を検出するためのミキサ出力に対するBPF40aの濾波は、図6の(C)に示す結果となる。即ち、前段のミキサ20でミキシングされた後、図6(B)に示す、ずれ周波(fRF−fLO=250KHz)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じる出力状態になるが、この状態から、高調波を除き、検出対象のキャリアセンスに必要なずれ周波50KHzの成分だけを濾波するBPF40aを通すと、図6の(C)に示すように、ずれ周波250KHzの成分もカットすることができ、対象とするチャンネルの検出に影響しない。
使用中のチャンネルは、そのチャンネルが検出対象として選択されたときに、BPF40aを通過して信号出力が生じるので、ログアンプ60を通した後、判定回路70で所定の判定基準値(信号レベル)による閾値処理を行うことにより、信号の有無によって、判定される。
本実施形態のキャリアセンス回路は、上記の構成によって、変調時及び無変調時いずれの場合でも、複数あるチャンネルごとに使用可能であるか、否かを判定できるので、この判定結果に従い、チャンネル選択を適正に行うことができる。
また、本願のキャリアセンス回路は、複数あるチャンネルの中から検出対象として選択されたチャンネルに用いるキャリアに対応するLO信号をミキサ20に入力するための手段を要するが、ミキサ出力に対する検出回路として設けるBPF40a以降の処理段は、基本的に単一で構成し得るので、検出回路を簡素化することが可能になる。
この場合、キャリアの有無を検出するためのミキサ出力に対するBPF40aの濾波は、図6の(C)に示す結果となる。即ち、前段のミキサ20でミキシングされた後、図6(B)に示す、ずれ周波(fRF−fLO=250KHz)の成分と高調波として合成波(fLO+fRF)成分が生じる出力状態になるが、この状態から、高調波を除き、検出対象のキャリアセンスに必要なずれ周波50KHzの成分だけを濾波するBPF40aを通すと、図6の(C)に示すように、ずれ周波250KHzの成分もカットすることができ、対象とするチャンネルの検出に影響しない。
使用中のチャンネルは、そのチャンネルが検出対象として選択されたときに、BPF40aを通過して信号出力が生じるので、ログアンプ60を通した後、判定回路70で所定の判定基準値(信号レベル)による閾値処理を行うことにより、信号の有無によって、判定される。
本実施形態のキャリアセンス回路は、上記の構成によって、変調時及び無変調時いずれの場合でも、複数あるチャンネルごとに使用可能であるか、否かを判定できるので、この判定結果に従い、チャンネル選択を適正に行うことができる。
また、本願のキャリアセンス回路は、複数あるチャンネルの中から検出対象として選択されたチャンネルに用いるキャリアに対応するLO信号をミキサ20に入力するための手段を要するが、ミキサ出力に対する検出回路として設けるBPF40a以降の処理段は、基本的に単一で構成し得るので、検出回路を簡素化することが可能になる。
「方式3のキャリアセンス回路」
図7は、本実施形態に係わるキャリアセンス回路の構成を示す。
図7に示すキャリアセンス回路は、図示しないUHF帯ICタグから952.2〜953.8MHzのキャリア周波で送信されてくるRF信号をタグリーダ側で受信し、上記方式3に従ってキャリア検出を行う回路を示したものである。なお、本例では、使用する952.2〜953.8MHzの帯域に複数のチャンネルを設定する。
上記方式3に従って構成する本実施形態のキャリアセンス回路では、図7に示すように、アンテナ10を介して受信するRF信号(周波fRF=952.2〜953.8MHz)は、図示しない局部発信回路からのローカル信号(周波fLO)とミキサ20によってミキシングされる。このローカル信号の周波fLOは、設定された複数チャンネル中の検出対象となるチャンネルのキャリア周波fRFと同一の周波とする。例えば、検出対象となるチャンネルCH1のキャリア周波がfRF=952.2MHzであれば、ローカル信号の周波もfLO=952.2MHzとする。また、他のチャンネルでも同様に、検出対象となるチャンネルのキャリア周波fRFに対し、ローカル信号の周波fLO=fRFというように、各チャンネルの周波と同一の周波fLOを用いる。
図7は、本実施形態に係わるキャリアセンス回路の構成を示す。
図7に示すキャリアセンス回路は、図示しないUHF帯ICタグから952.2〜953.8MHzのキャリア周波で送信されてくるRF信号をタグリーダ側で受信し、上記方式3に従ってキャリア検出を行う回路を示したものである。なお、本例では、使用する952.2〜953.8MHzの帯域に複数のチャンネルを設定する。
上記方式3に従って構成する本実施形態のキャリアセンス回路では、図7に示すように、アンテナ10を介して受信するRF信号(周波fRF=952.2〜953.8MHz)は、図示しない局部発信回路からのローカル信号(周波fLO)とミキサ20によってミキシングされる。このローカル信号の周波fLOは、設定された複数チャンネル中の検出対象となるチャンネルのキャリア周波fRFと同一の周波とする。例えば、検出対象となるチャンネルCH1のキャリア周波がfRF=952.2MHzであれば、ローカル信号の周波もfLO=952.2MHzとする。また、他のチャンネルでも同様に、検出対象となるチャンネルのキャリア周波fRFに対し、ローカル信号の周波fLO=fRFというように、各チャンネルの周波と同一の周波fLOを用いる。
検出対象となチャンネルに用いるLO信号、RF受信キャリア信号の周波をfLO=fRFとして、ミキシングすると、ミキサ20の出力は、変調時及び無変調時いずれの場合にも、検出対象となるキャリアが存在すれば、DC成分が生じる。この点については、上記で図1の(A−I)及び(A−II)を参照して説明したとおりであり、ミキサ出力におけるDC成分の有無によって、検出対象となるチャンネルのキャリアの有無を検出できる。
ただ、ミキサ出力のDC成分を検出する当該方式において、適正な検出ができなくなる条件が存在する。この条件は、受信RF信号に生じる位相遅延に係わるものである。この位相遅延は、無線機同士の通信距離やキャリアの波長に依存して起きる現象である。
位相遅延がミキサ出力DC成分に与える影響は、位相遅延をαとすると、cosαに比例した変化がDC成分に現れ、通信距離やキャリアの波長によって位相遅延αが変わるので、条件によってはヌルポイントが生じる。
ただ、ミキサ出力のDC成分を検出する当該方式において、適正な検出ができなくなる条件が存在する。この条件は、受信RF信号に生じる位相遅延に係わるものである。この位相遅延は、無線機同士の通信距離やキャリアの波長に依存して起きる現象である。
位相遅延がミキサ出力DC成分に与える影響は、位相遅延をαとすると、cosαに比例した変化がDC成分に現れ、通信距離やキャリアの波長によって位相遅延αが変わるので、条件によってはヌルポイントが生じる。
そこで、方式3のキャリアセンス回路は、IQ補間型回路とし、上記位相遅延の影響を受けない回路構成とする。IQ補間型回路は、受信RF信号のまま、移相させないI信号の系統の検波回路に加え、受信RF信号に移相器50によって、π/2の位相シフトを与えQ信号とし、この信号に基づいてキャリアセンスを行うために、もう1系統の検波回路を有する構成とする。
移相させないI信号をミキサ20によって、fLO=fRFを条件としてLO信号とミキシングをすると、検出対象となるキャリアが存在すれば、ミキサ出力DC成分が生じるが、位相遅延αがあると、cosαに比例した出力信号レベルとなる。また、π/2の位相シフトを与えたQ信号をミキサ20によって、同じ条件でミキシングをすると、検出対象となるキャリアの存在によって、こちら場合にもミキサ出力にDC成分が生じるが、位相遅延αがあると、sinαに比例した出力信号レベルとなる。
I、Qそれぞれの信号に対応する2系統の検波回路から、キャリアがある場合に出力されるDC成分の出力信号レベルは、π/2の位相シフトのため、それぞれcosα、sinαに比例するレベルとなって、一方がヌルポイントの場合、他方は、極大となり、相互に補間が可能な関係となる。また、I信号とQ信号の検出値をもとにDCの絶対成分を算出することが可能になり、DCの絶対成分は正しいキャリアセンスレベルを与える。
移相させないI信号をミキサ20によって、fLO=fRFを条件としてLO信号とミキシングをすると、検出対象となるキャリアが存在すれば、ミキサ出力DC成分が生じるが、位相遅延αがあると、cosαに比例した出力信号レベルとなる。また、π/2の位相シフトを与えたQ信号をミキサ20によって、同じ条件でミキシングをすると、検出対象となるキャリアの存在によって、こちら場合にもミキサ出力にDC成分が生じるが、位相遅延αがあると、sinαに比例した出力信号レベルとなる。
I、Qそれぞれの信号に対応する2系統の検波回路から、キャリアがある場合に出力されるDC成分の出力信号レベルは、π/2の位相シフトのため、それぞれcosα、sinαに比例するレベルとなって、一方がヌルポイントの場合、他方は、極大となり、相互に補間が可能な関係となる。また、I信号とQ信号の検出値をもとにDCの絶対成分を算出することが可能になり、DCの絶対成分は正しいキャリアセンスレベルを与える。
図7のIQ補間型回路において、キャリアの有無を検出するためのミキサ出力に対する処理は、I、Qそれぞれの信号に対し、ローパスフィルタ(LPF)40bを通す。
LPF40bは、キャリアの検出に必要な成分のみを濾波するためのフィルタである。ここでは、前段のミキサ20でミキシングされた後の信号から必要なDC成分のみを通し、AC成分をカットする濾波を行う。
LPF40bを通した後、DCの絶対成分を得るための演算を行う。I、QのDC成分の信号は、それぞれcosα、sinαに比例する値を持っているので、三角関数の定義に従う演算により、絶対成分を求める。即ち、I,Qの各DC成分信号について、2乗回路81、絶対値回路83において、I2,Q2及び|I2|,|Q2|を求め、得た|I2|,|Q2|から足し算回路84及平方根回路86によって、足し算|I2+Q2|、次いで平方根√|I2+Q2|を求めることにより、DCの絶対成分信号を得る。
使用中のチャンネルが検出対象として選択されれば、IQ補間型回路を構成するキャリアセン回路の平方根回路86からDCの絶対成分信号が出力される。この出力状態は、ログアンプ60を通した後、判定回路70で所定の判定基準値(信号レベル)による閾値処理により、選択されたチャンネルの信号の有無として判定される。
本実施形態のキャリアセンス回路は、上記の構成によって、変調時及び無変調時いずれの場合でも、複数あるチャンネルごとに使用可能であるか、否かを判定できるので、この判定結果に従い、チャンネル選択を適正に行うことができる。
また、本願のキャリアセンス回路は、IQ補間型回路を構成するので、受信RF信号に生じる位相遅延の影響を受けることなく、検出対象となるチャンネルのキャリアの有無を正しく検出することが可能になる。
LPF40bは、キャリアの検出に必要な成分のみを濾波するためのフィルタである。ここでは、前段のミキサ20でミキシングされた後の信号から必要なDC成分のみを通し、AC成分をカットする濾波を行う。
LPF40bを通した後、DCの絶対成分を得るための演算を行う。I、QのDC成分の信号は、それぞれcosα、sinαに比例する値を持っているので、三角関数の定義に従う演算により、絶対成分を求める。即ち、I,Qの各DC成分信号について、2乗回路81、絶対値回路83において、I2,Q2及び|I2|,|Q2|を求め、得た|I2|,|Q2|から足し算回路84及平方根回路86によって、足し算|I2+Q2|、次いで平方根√|I2+Q2|を求めることにより、DCの絶対成分信号を得る。
使用中のチャンネルが検出対象として選択されれば、IQ補間型回路を構成するキャリアセン回路の平方根回路86からDCの絶対成分信号が出力される。この出力状態は、ログアンプ60を通した後、判定回路70で所定の判定基準値(信号レベル)による閾値処理により、選択されたチャンネルの信号の有無として判定される。
本実施形態のキャリアセンス回路は、上記の構成によって、変調時及び無変調時いずれの場合でも、複数あるチャンネルごとに使用可能であるか、否かを判定できるので、この判定結果に従い、チャンネル選択を適正に行うことができる。
また、本願のキャリアセンス回路は、IQ補間型回路を構成するので、受信RF信号に生じる位相遅延の影響を受けることなく、検出対象となるチャンネルのキャリアの有無を正しく検出することが可能になる。
なお、上記で方式1〜3の各キャリアセンス方式の実施形態として、図2〜7に示したように、複数チャンネルに適用する形態を例示したが、単一のチャンネルを使用する場合に、適用できることは、言うまでもない。ただ、単一チャンネルに実施する場合、方式1(図2、参照)と方式2(図4、参照)の実施形態は、異ならない。
10・・・アンテナ、20・・・ミキサ、30・・・コンデンサ、40,40a・・・バンドパスフィルタ(BPF)、40b・・・ローパスフィルタ(LPF)、50・・・移相器、60・・ログアンプ、70…判定回路。
Claims (5)
- ベースバンド信号帯域ヘの直接変換を可能とする通信方式におけるキャリアを検出するキャリアセンス回路であって、
受信RF信号と異なる周波のローカル信号を発生する回路と、
受信RF信号と前記ローカル信号をミキシングするミキサと、
前記ミキサからの出力信号を受け、受信RF信号と前記ローカル信号の差の周波を通すバンドパスフィルタと、
を有することを特徴とするキャリアセンス回路。 - 所定の複数周波のなかから選択したキャリアによって通信を可能とする方式における請求項1に記載されたキャリアセンス回路において、
前記ローカル信号を発生する回路が、単一の周波信号を発生するものであり、
前記バンドパスフィルタが、選択対象となる前記複数周波分のフィルタを有し、各周波のキャリア検出を可能とするものであることを特徴とするキャリアセンス回路。 - 所定の複数周波のなかから選択したキャリアによって通信を可能とする方式における請求項1に記載されたキャリアセンス回路において、
前記ローカル信号を発生する回路が、前記複数周波それぞれに対し一定の僅かな周波差を持つ前記複数周波分のローカル信号を発生し得るものであり、
前記バンドパスフィルタが、前記一定の僅かな周波差を通過バンドの周波とするものであることを特徴とするキャリアセンス回路。 - ベースバンドヘの直接変換を可能とする通信方式におけるキャリアを検出するキャリアセンス回路であって、
キャリア周波のローカル信号を発生する回路と、
受信RF信号、前記ローカル信号のいずれかにπ/2の位相変化を与える移相器と、
受信RF信号と前記ローカル信号をミキシングする第1のミキサと、前記移相器により位相変化が与えられた受信RF信号と前記ローカル信号をミキシングする第2のミキサと、
前記第1のミキサの出力信号を受け、該出力信号のDC成分を通す第1のローパスフィルタと、
前記第2のミキサの出力信号を受け、該出力信号のDC成分を通す第2のローパスフィルタと、
を有することを特徴とするキャリアセンス回路。 - 予め定められた複数周波のなかから選択したキャリアによる通信を可能とする方式における請求項4に記載されたキャリアセンス回路において、
前記ローカル信号を発生する回路が、前記複数周波分のローカル信号を発生し得るものであることを特徴とするキャリアセンス回路。
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